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特開2024-95583支援プログラム、支援装置、記憶媒体及び支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095583
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】支援プログラム、支援装置、記憶媒体及び支援方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240703BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20240703BHJP
   G16H 20/60 20180101ALI20240703BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H50/30
G16H20/60
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215772
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2022211503
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023105961
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513001606
【氏名又は名称】EAファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】舟見 顕彰
(72)【発明者】
【氏名】青木 匡
(72)【発明者】
【氏名】大谷 かおり
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅人
(72)【発明者】
【氏名】舩木 裕司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA15
5L099AA24
(57)【要約】
【課題】患者の健康管理を支援する。
【解決手段】
本発明の一態様に係る支援プログラムは、コンピュータを、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶手段102と、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示手段106であって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、表示手段106と、として機能させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶手段と、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示手段であって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、表示手段と、
として機能させる、支援プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、さらに、
ユーザから前記イベントに関する情報の入力を受け付ける入力受付手段、として機能させる、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項3】
前記第2イベントは、さらに、ユーザの腹痛と排便に関するものを含む、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項4】
前記イベント履歴情報は、前記イベントが発生した時点と、前記イベントが食事、服薬、排便、腹痛及びしぶり腹のいずれであるかに関する情報とが関連付けられた情報を含む、請求項3に記載の支援プログラム。
【請求項5】
前記支援情報は、前記イベントが発生した順序にしたがって前記イベント履歴情報を整列した情報を含む、請求項4に記載の支援プログラム。
【請求項6】
前記支援情報は、前記第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報を含む、請求項3に記載の支援プログラム。
【請求項7】
前記第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報は、しぶり腹の発生回数、排便の発生回数及び腹痛の発生回数が互いに識別可能な状態で前記表示手段により表示される、請求項6に記載の支援プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、さらに、
しぶり腹、腹痛及び排便の少なくとも一部に関する情報を表示させるための選択を受け付ける選択受付手段、として機能させる、請求項7に記載の支援プログラム。
【請求項9】
前記支援情報は、単位期間においてユーザが摂取した栄養の種類及び量に関する情報を含む、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項10】
前記栄養の種類及び量に関する情報は、ユーザが食事により摂取した栄養と、ユーザが服薬により摂取した栄養とが互いに識別可能な状態で前記表示手段により表示される、請求項9に記載の支援プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、さらに
ユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部に基づいて算出されるとともにユーザが単位期間あたりに摂取するべき栄養の量の基準である基準情報と、前記第1イベントによってユーザが単位期間に摂取した栄養の量である摂取情報とを比較する比較手段、として機能させ、
前記支援情報は、前記比較手段による比較の結果に関する情報を含む、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項12】
前記支援プログラムは、炎症性腸疾患の患者の寛解導入及び寛解状態の維持を支援する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の支援プログラム。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の支援プログラムを記録した、記録媒体。
【請求項14】
ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶部と、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示部であって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、表示部と、
を備える、支援装置。
【請求項15】
コンピュータに、
ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶するステップと、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示するステップであって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、ステップと、
を実行させる、支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援プログラム、支援装置、記憶媒体及び支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の情報を記録することにより当該患者の健康管理を支援する技術が知られている。特許文献1には、ユーザが生活習慣と体調との因果関係に気づくことができ、客観的で事後検証可能な分析結果を入手するための生活情報システムが記載されている。特許文献2には、患者の排泄情報を自動で収集し、健康管理を行うためのシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-014425号公報
【特許文献2】国際公開2021/149319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行技術文献に記載された技術では、患者の健康管理を十分に支援することができない場合がある。具体的には、特定の疾患(例えば、炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease))を抱える患者に対しては、先行技術によっては十分に患者の健康管理を支援することができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、患者の健康管理を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る支援プログラムは、コンピュータを、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶手段と、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示手段であって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、表示手段と、として機能させる。
【0007】
本発明の他の一態様に係る支援装置は、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶部と、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示部であって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、表示部と、を備える。
【0008】
本発明の他の一態様に係る支援方法は、コンピュータに、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶するステップと、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示するステップであって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、患者の健康管理を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る支援装置の機能ブロック図である。
図2】本実施形態に係る支援装置のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る支援装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図5】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図6】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図7】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図8】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図9】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図10】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図11】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図12】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図13】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
図14】本実施形態に係る支援装置の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下では、本実施形態という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されてもよい。
【0013】
<1.本実施形態に係るシステムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの構成について説明する。本実施形態に係るシステムは、支援装置1、サーバ装置2及び通信ネットワーク3を含む。
【0014】
―支援装置1―
支援装置1は、典型的には、炎症性腸疾患の治療を支援するための支援プログラムを利用することができる装置である。支援装置1は、典型的には、炎症性腸疾患の患者(成人の患者、小児の患者、及び患者の親族等の近親者を含む)が利用するものである。患者は、支援装置1の表示画面を確認して、患者自身の状況把握に活用することができる。また、自身の治療を行う医師に対して支援装置1の表示画面を提示し、医師はこれを見て治療の方針等を決定又は変更することができる。すなわち、支援装置1は、ユーザの状況を客観視させることで患者自身による治療への意欲の維持を支援するとともに、患者の治療を行う医師を支援するものであるということもできる。支援装置1は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末及びスマートウォッチ等の、表示機能を有する電子機器である。本実施形態において、支援装置1はスマートフォンであり、支援プログラムは支援装置1にインストールして利用するアプリケーションソフトウェアであるものとして説明する。また、本実施形態では、支援装置1を利用する炎症性腸疾患の患者を「ユーザ」と称する。支援装置1はタッチパネルを備え、ユーザは当該タッチパネルに触れることにより支援装置1を操作することができる。
【0015】
支援装置1は、栄養の摂取に関する情報と、しぶり腹の発生に関する情報とを表示することにより、炎症性腸疾患の治療を支援する。詳細については後述するが、しぶり腹の発生は腸内の炎症と密接な関係があり、医師は(便の性状や便秘の発生状況だけではなく、)しぶり腹の発生状況を観測することで、炎症性腸疾患の治療の方針等をより効率的に決定し、変更し、または治療することができる。
【0016】
なお、本実施形態における「治療」とは、疾患を完治させることに加えて、疾患を寛解状態に導くこと(寛解導入ともいう)及び寛解状態を維持することを含む。
【0017】
支援装置1は、制御部10、記憶部14及びネットワークインタフェース部18を備え、それぞれがバス16を介して電気的に接続されている。
【0018】
制御部10は、記憶部14に記憶された各種プログラムを実行することにより、入力受付手段100、記憶手段102、生成手段104、表示手段106、選択受付手段108、比較手段110、入力手段112及び出力手段114として機能する。
【0019】
[入力受付手段100]
入力受付手段100は、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養素の摂取に関する第1イベントと、しぶり腹、腹痛及び排便の少なくともいずれかに関する第2イベントとを含むイベントに関する情報の入力を受け付ける。
【0020】
食事による栄養素の摂取に関する情報は、例えば、食事のメニュー、食事に含まれる食材、食事の品目、食事により摂取したカロリーの量、食事により摂取した栄養素(例えば、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン及びミネラル等)の量、食事を摂った時間、食事を摂った場所、食事に掛かった時間及び食事とともに摂取した飲料に関する情報等を含む。
【0021】
服薬による栄養素の摂取に関する情報は、例えば、服用した薬剤の名称、成分、販売元及び効果、服薬により摂取したカロリーの量、服薬により摂取した栄養素の量、服薬を行った時間、服薬した場所等に関する情報を含む。また、服薬は、経腸栄養剤及び成分栄養剤等の栄養剤(例えば、エレンタール(登録商標)、エンシュア(登録商標)、ラコール(登録商標)、イノラス(登録商標)が挙げられるが、これに限られない。)の摂取を含む。本実施形態において、服薬は栄養剤の摂取であるとして説明する。そのため、サプリメントのような栄養を補助するものも含まれるが、適宜食事に含まれるようにしてもよい。
【0022】
しぶり腹に関する情報は、例えば、しぶり腹が発生した時刻及びしぶり腹の症状の重さ等に関する情報を含む。しぶり腹は、テネスムス(tenesmus)とも称され、当業者であれば適宜その定義を理解可能である。本明細書においては、便意を有するにもかかわらず排便がない症状、便意を有しており排便を伴うが便形状(硬便、正常便、軟便)に関わらず便量が少ない症状、便意を有しており排便を伴うが残便感を感じる症状を示す。また、しぶり腹は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎又はクローン病)、大腸がん、過敏性腸症候群及び感染性腸炎等の疾患において発生することがあり、その発生頻度や程度を記録することは、疾患の寛解、再燃又は治療に関する医師の判断の支援につながる。
【0023】
腹痛に関する情報は、例えば、腹痛が発生した時刻及び腹痛の症状の重さ等に関する情報を含む。腹痛は、炎症性腸疾患の主な症状のひとつであり、発生頻度や程度を記録することは、疾患の寛解又は再燃に関する医師の判断の支援につながる。
【0024】
排便に関する情報は、例えば、排便の時刻、便の量、便の形状、便の色及び血便の有無に関する情報を含む。便の形状は、ブリストール便形状スケールによって表されるものであってもよい。本発明における血便は、鮮血便、暗赤色便、粘血便、黒色便及び潜血便のいずれか1種又は2種以上の症状の総称である。このような排便の情報を記録することは、疾患の寛解、再燃又は治療に関する医師の判断の支援につながる。
【0025】
入力受付手段100が第1イベント(すなわち、食事及び服薬)に関する情報の入力を受け付ける際の表示画面の一例を、図5図8を参照して後述する。また、入力受付手段100が第2イベント(すなわち、排便、腹痛及びしぶり腹)に関する情報の入力を受け付ける際の表示画面の一例を、図9図11を参照して後述する。
【0026】
[記憶手段102]
記憶手段102は、入力受付手段100が受け付けたイベントに関する情報を、イベント履歴情報として記憶する。イベント履歴情報は、記憶部14のイベント履歴情報DB140に記憶される。
【0027】
また、本実施形態において、イベント履歴情報は、イベントが発生した時点と、当該イベントが食事、服薬、排便、腹痛及びしぶり腹のいずれであるかに関する情報とが関連付けられた情報を含む。
【0028】
[生成手段104]
生成手段104は、イベント履歴情報に基づいて、ユーザに関する状況把握を支援する支援情報を生成する。支援情報は、典型的には、ユーザが自身の状況を客観視することを支援する情報であり、または、医師がユーザの炎症性腸疾患に関する診断、治療方針の決定若しくは変更、または治療を行うことを支援する情報である。支援情報は、イベント履歴情報を、例えば、表、棒グラフ(積み上げ棒グラフを含む)、円グラフ、折れ線グラフ、ヒストグラム、レーダーチャート、タイムライン、散布図、バブルチャート、箱ひげ図、ダイアグラム、及びヒートマップ等として表現した情報を含む。生成手段104は、ユーザの操作に基づいて、支援情報を変更又は再生成してもよい。
【0029】
[表示手段106]
表示手段106は、生成手段104が生成した支援情報を表示する。支援情報の表示画面の一例を、図12図14を参照して後述する。
【0030】
[選択受付手段108]
選択受付手段108は、しぶり腹、腹痛及び排便の少なくとも一部に関する情報を表示させるための選択を受け付ける。すなわち、ユーザは選択受付手段108を機能させることにより、表示手段106が表示する支援情報にフィルターを適用し、所望の情報を選択的に表示させることができる。選択受付手段108が選択を受け付ける際の表示画面の一例を、図14を参照して後述する。
【0031】
[比較手段110]
比較手段110は、ユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部に基づいて算出されるとともにユーザが単位期間あたりに摂取するべき栄養素の量の基準である基準情報と、第1イベントによってユーザが単位期間に摂取した栄養素の量である摂取情報とを比較する。
【0032】
また、表示手段106が表示する支援情報は、比較手段110による比較結果を含んでもよい。比較結果を含む支援情報の表示画面の一例を、図13を参照して後述する。
【0033】
[入力手段112]
入力手段112は、後述するデータI/F306、通信I/F308及び入力I/F304に接続された機器を動作させることにより、支援装置1に対する各種情報の入力を受け付ける。入力手段112は、例えば、ユーザからの操作情報、動画情報、画像情報、テキスト情報、音声情報及び位置情報等の入力を受け付ける。入力手段112は、ユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部の入力を受け付けてもよい。
【0034】
[出力手段114]
出力手段114は、後述するデータI/F306、通信I/F308に接続された機器及び表示装置310を動作させることにより、支援装置1から各種情報を出力する。出力手段114は、例えば、動画情報、画像情報、テキスト情報及び音声情報等を出力する。
【0035】
―サーバ装置2―
サーバ装置2は、支援装置1が支援プログラムを利用できるようにする機能を有する装置である。本実施形態において、サーバ装置2は、支援プログラムをインストールするためのソフトウェア(すなわち、インストーラ)を支援装置1に対して送信する装置であるものとする。
【0036】
―通信ネットワーク3―
通信ネットワーク3は、支援装置1とサーバ装置2とが通信可能なように構成されたネットワークである。通信ネットワーク3を経由する通信は、任意の好適なプロトコルによって実現されてもよい。
【0037】
<2.支援装置1のハードウェア構成>
図2を参照して、上述してきた支援装置1をコンピュータ400により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0038】
図2に示すように、コンピュータ400は、プロセッサ300と、記憶装置302と、入力I/F304と、データI/F306と、通信I/F308、及び表示装置310を含む。
【0039】
プロセッサ300は、記憶装置302に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ400における様々な処理を制御する。例えば、支援装置1の制御部10が備える各機能部等は、記憶装置302に記憶されたプログラムを、プロセッサ300が実行することにより実現可能である。
【0040】
記憶装置302は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。RAMは、プロセッサ300によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0041】
記憶装置302は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置302は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置302は、事業者情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じて記憶装置302にロードされることにより、プロセッサ300から参照される。
【0042】
入力I/F304は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F304の具体例としては、カメラ、ボタン、マイク、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F304は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ400に接続されてもよい。
【0043】
データI/F306は、コンピュータ400の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F306の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F306は、コンピュータ400の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F306は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ400へと接続される。
【0044】
通信I/F308は、コンピュータ400の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク3を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F308は、コンピュータ400の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F308は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ400に接続される。
【0045】
表示装置310は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置310の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置310は、コンピュータ400の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置310は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ400に接続される。また、入力I/F304としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置310は、入力I/F304と一体化して構成することが可能である。
【0046】
また、上記実施の形態で記載された支援装置1が備える構成要素は、記憶装置302に格納されたプログラムがプロセッサ300によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0047】
<3.支援装置1の動作及び表示画面>
以下では、図3を参照して支援装置1の動作の一例を説明しつつ、図4図14を参照して各ステップにおける表示画面の一例について説明する。表示画面は、ホーム画面、食事記録画面、栄養剤記録画面、腹痛記録画面、排便記録画面、しぶり腹記録画面及び振り返り画面等であり、ユーザは、支援装置1を操作することにより表示画面を各画面に遷移させることができる。
【0048】
[ホーム画面(図4)]
まず、支援装置1は、ホーム画面を表示する(S2)。図4は、S2における表示画面であるホーム画面の一例を示す図である。ホーム画面は、グリーティングメッセージ20、日付22、タイムライン表示領域24、スクロールバー32、食事記録ボタン34、栄養剤記録ボタン36、排便記録ボタン38、腹痛記録ボタン40、しぶり腹記録ボタン41、ホームボタン42、振り返りボタン44及びその他ボタン46を含む。
【0049】
グリーティングメッセージ20は、支援装置1を起動したユーザに対するメッセージである。日付22は、例えば、ユーザが支援装置1を入力または編集している現在の日付である。ユーザは、日付22を押下することで、他の日付を入力又は編集の対象の日付として選択することもできる。
【0050】
タイムライン表示領域24は、支援情報をタイムラインの形式で表示する領域である。タイムライン表示領域24に表示される支援情報は、イベントが発生した時点と、当該イベントが食事、服薬、排便、腹痛及びしぶり腹のいずれであるかに関する情報とが関連付けられたイベント履歴情報を、当該イベントが発生した順序にしたがって整列した情報を含む。
【0051】
本実施形態におけるタイムライン表示領域24は、履歴24a、履歴24b、履歴24c及び履歴24dを含むが、履歴の個数は特に限定されるものではなく、履歴24aの前に存在してもよく、履歴24dの後に存在してもよい。履歴24aは、イベントが発生した時点である「10:25」と、当該イベントは排便であるという情報とが関連付けられている。履歴24bは、イベントが発生した時点である「12:25」と、当該イベントは栄養剤の服用であるという情報とが関連付けられている。履歴24cは、イベントが発生した時点である「12:25」と、当該イベントはカレーライス及びサラダの食事であるという情報とが関連付けられている。履歴24dは、イベントが発生した時点である「14:50」と、当該イベントはしぶり腹であるという情報とが関連付けられている。ユーザは、履歴24a―履歴24dを押下することにより、当該履歴の詳細を確認し、当該履歴に係る情報の編集(更新)及び削除をすることができてもよい(図示しない)。
【0052】
スクロールバー32は、ユーザが操作することによってタイムライン表示領域24に表示するイベント履歴情報の期間を変更することができる要素である。ユーザは、タイムライン表示領域24又はスクロールバー32を、例えば、画面上方に移動(スワイプ又はスクロール)させることで「10:25」より前に発生したイベントの履歴を表示することができる。他にも、ユーザは、タイムライン表示領域24又はスクロールバー32を、例えば、画面下方に移動させることで「14:50」より後に発生したイベントの履歴を表示することができる。また、スクロールバー32はホーム画面において常に表示されている必要はなく、ユーザによるタイムライン表示領域24の移動操作(スワイプ又はスクロール)に応じて適宜表示されるようにすることができる。
【0053】
食事記録ボタン34、栄養剤記録ボタン36、排便記録ボタン38、腹痛記録ボタン40及びしぶり腹記録ボタン41は、表示画面を各ボタンに対応するイベント入力画面に遷移させることができるボタンである。
【0054】
ホームボタン42は、表示画面をホーム画面に遷移させるためのボタンである。なお、ホーム画面においてホームボタン42を押下した場合には、表示画面は遷移しなくてもよい。
【0055】
振り返りボタン44は、表示画面を振り返り画面に遷移させるためのボタンである。遷移先の表示画面の一例については、後述する。
【0056】
その他ボタン46は、支援プログラムの設定(アカウント及び通知に関する設定等又は身体活動量の設定等を含む)の変更、支援プログラムに係る利用規約及び支援プログラムに係る法的表示等を行うための画面に表示画面を遷移させるためのボタンである。遷移先の表示画面については、本実施形態においては説明しない。
【0057】
次に、支援装置1は、使用する機能に関する選択をユーザから受け付ける(S4)。
【0058】
[食事記録画面(図5図7)]
ユーザがホーム画面において食事記録ボタン34を押下した場合(S4 食事記録)、支援装置1は、食事記録画面を表示する(S6)。支援装置1は、入力受付手段100により、ユーザから食事(第1イベントの一例)に関する情報の入力を受け付ける。
【0059】
図5は、食事記録画面の一例を示す図である。食事記録画面は、画面タイトル48、記録日付50、時刻表示領域52、記録方法選択領域54、画像読込方法選択領域56、決定方法選択領域58、閉じるボタン62及び次へボタン60を含む。
【0060】
画面タイトル48は、食事記録画面の概要である。記録日付50及び時刻表示領域52は、それぞれ食事記録に係る日付及び時刻を表す。例えば、図5のように記録日付50に「2022年12月1日」と表示され、時刻表示領域52に「22:00」と表示された状態で記録を行うことにより、「2022年12月1日 22:00」に食事を摂ったものとして記録を行うことができる。
【0061】
図5の一例では、ユーザは、食事記録に係る日付を他の日付に変更することはできないが、記録日付50を押下することにより他の日付に変更可能にしてもよい。また、ユーザは、時刻表示領域52の三角形のボタンを押下することにより、食事記録に係る時分を変更することができる。
【0062】
記録方法選択領域54は、ユーザが食事の内容の記録を行う方法を選択するための選択肢が表示される領域である。図5の食事記録画面においては、「食事の写真」に対応するチェックボックスにチェックが入っている。
【0063】
画像読込方法選択領域56は、記録方法選択領域54の「食事の写真」に対応するチェックボックスにチェックが入っている場合において、食事記録に使用する画像を読み込む方法の選択肢が表示される領域である。
【0064】
具体的には、ユーザは、画像読込方法選択領域56の「写真を撮る」又は「アルバムから選ぶ」を押下することで食事記録に使用する画像を読み込むことができる。より具体的には、ユーザが「写真を撮る」を押下した場合、支援装置1に備えられたカメラが起動し、ユーザは食事記録に使用する写真を撮影できる。一方で、ユーザが「アルバムから選ぶ」を押下した場合、支援装置1の記憶部14に記憶された画像の一覧を表示し、ユーザはその中から食事記録に使用する画像を選択することができる。
【0065】
支援装置1は、撮影又は選択された食事記録に使用する画像を読み込んだ後、典型的には機械学習等を利用した画像解析によって、当該画像に含まれる食事の内容を解析する。画像解析は、サーバ装置2で行われてもよい。具体的には、支援装置1は読み込んだ画像をサーバ装置2に送信し、当該画像に係る解析結果をサーバ装置2から受信してもよい。
【0066】
決定方法選択領域58は、記録方法選択領域54の「食事の写真」に対応するチェックボックスにチェックが入っている場合において、画像の解析結果に基づいて食事の内容を決定する方法を選択する領域である。支援装置1は、画像解析により食事の内容を解析した後、決定方法選択領域58において選択された方法に基づいて、記録する食事の内容を決定する。
【0067】
具体的には、図5の食事記録画面においては、「AIが自動で選択する候補の中から自分で選択する」という説明文に対して「する」に対応するチェックボックスにチェックが入っている。次へボタン60を押下するとで、支援装置1が、画像情報をサーバ装置2に送信し、当該画像情報に係る解析結果をサーバ装置2から受信することができる。解析結果は複数の食事の内容の候補を含み、支援装置1の表示画面に表示(後述の図7参照)させることができる。支援装置1は、候補の中からユーザが選択した食事の内容を記録の対象として決定する。
【0068】
一方で、決定方法選択領域58の「しない」に対応するチェックボックスにチェックが入っていた場合、支援装置1は、画像の解析結果に基づいて、複数の食事の内容の候補から、読み込んだ画像に含まれる食事の内容として最も確率が高いと判断されたものを記録の対象として自律的に決定する。
【0069】
閉じるボタン62は、表示画面をホーム画面に遷移させるためのボタンである。
【0070】
図6は、食事記録画面の他の一例を示す図である。具体的には、図5は記録方法選択領域54において「食事の写真」に対応するチェックボックスにチェックが入っている場合における食事記録画面の一例を示す図であったが、図6は、記録方法選択領域54において「キーワード」に対応するチェックボックスにチェックが入っている場合における食事記録画面の一例を示す図である。
【0071】
図6の食事記録画面では、図5の食事記録画面における画像読込方法選択領域56及び決定方法選択領域58に代わって、キーワード入力ボックス72及び検索ボタン73が表示される。ユーザは、キーワード入力ボックス72に食事の内容に係るキーワードを入力し、検索ボタン73を押下することで、支援装置1が、入力されたキーワードのテキスト情報をサーバ装置2に送信し、当該テキスト情報に係る解析結果をサーバ装置2から受信することができる。解析結果は複数の食事の内容の候補を含み、支援装置1の画面上に表示(後述の図7参照)させることができる。支援装置1は、候補の中からユーザが選択した食事の内容を、記録の対象として決定する。
【0072】
図7は、サーバ装置2から受信した解析結果の一例を示す図である。図7の食事記録画面は、食事内容選択領域74を含む。食事内容選択領域74には、複数の食事の内容の候補(本実施形態においては、カレーライス74a、うどん74b及びハンバーガー74c)が表示される。ユーザは、これらの候補から記録の対象とする食事の内容を選択し、確定ボタン92を押下することで食事の内容を記録することができる。なお、ユーザは、戻るボタン90を押下することで、表示画面を図7の食事記録画面の前に表示されていた表示画面に遷移させることができる。
【0073】
なお、図7では、3つの食事の内容の候補が表示されているが、これに限らず、表示される候補の数はユーザが任意に選択可能であってよい。支援装置1は、他にも、スクロールバーやページ切り替えボタン等を食事記録画面において表示し、ユーザの操作に応じて特段の表示数の上限を定めずに食事の内容の候補を連続的に表示してもよい。
【0074】
ユーザにより入力された食事に関する情報は、記憶手段102により、イベント履歴情報としてイベント履歴情報DB140に記憶される(S18)。
【0075】
[栄養剤記録画面(図8)]
ユーザがホーム画面において栄養剤記録ボタン36を押下した場合(S4 栄養剤記録)、支援装置1は、栄養剤記録画面を表示する(S8)。支援装置1は、入力受付手段100により、ユーザから栄養剤の服用(第1イベントの一例)に関する情報の入力を受け付ける。
【0076】
図8は、栄養剤記録画面の一例を示す図である。栄養剤記録画面は、画面タイトル94、記録日付96、時刻表示領域98、服用量選択領域101、閉じるボタン105及び確定ボタン107を含む。このうち、画面タイトル94、記録日付96、時刻表示領域98及び閉じるボタン105については、図5の食事記録画面における画面タイトル48、記録日付50、時刻表示領域52及び閉じるボタン62に準ずるため、以下では説明しない。
【0077】
服用量選択領域101は、ユーザが当該栄養剤の服用量を選択するための領域である。ユーザは、服用量選択領域101の三角形のボタンを押下することで、記録する服用量を増減させることができる。服用量は医師がユーザに処方可能な服用量であれば特に限定されるものではなく、例えば、栄養剤の熱量(カロリー)、重量(グラム数)又は液量(mL)で表示してもよいし、栄養剤が1包あたりに一定量の栄養剤を封入した包装形態である場合は包数で表示してもよく、包数の場合は、例えば1包以上、10包以下とすることができる。
【0078】
確定ボタン107は、設定された日時及び服用量で、栄養剤の摂取を記録するためのボタンである。ユーザは、確定ボタン107を押下することにより、栄養剤の服用に関する情報を記録することができる。
【0079】
ユーザにより入力された栄養剤の服用に関する情報は、記憶手段102により、イベント履歴情報としてイベント履歴情報DB140に記憶される(S18)。
【0080】
[排便記録画面(図9)]
ユーザがホーム画面において排便記録ボタン38を押下した場合(S4 排便記録)、支援装置1は、排便記録画面を表示する(S10)。支援装置1は、入力受付手段100により、ユーザから排便(第2イベントの一例)に関する情報の入力を受け付ける。
【0081】
図9は、排便記録画面の一例を示す図である。排便記録画面は、画面タイトル132、記録日付134、時刻表示領域136、便形状分類138、便形状選択領域140、血便有無選択領域156、閉じるボタン158及び確定ボタン160を含む。このうち、画面タイトル132、記録日付134、時刻表示領域136及び閉じるボタン158については、図5の食事記録画面における画面タイトル48、記録日付50、時刻表示領域52及び閉じるボタン62に準じ、確定ボタン160については図8の栄養剤記録画面における確定ボタン107に準ずるため、以下では説明しない。
【0082】
便形状選択領域140は、排便記録に係る便の形状の選択肢を表示する領域である。便形状選択領域140に表示される便の形状は、例えば、ブリストール便形状スケールに基づく選択肢とすることができる。図9の排便記録画面においては、「コロコロ」、「硬いかたまり」、「やや硬い」、「ふつう」、「やわらかい」、「ドロドロ」及び「水のよう」という便形状の選択肢が表示されており、各々ブリストール便形状スケールの「コロコロ便」、「硬い便」、「やや硬い便」、「普通便」、「やや軟らかい便」、「泥状便」及び「水様便」に対応する表示である。このうち「コロコロ」がユーザにより選択されている。なお、それぞれの便形状がどのような状態であるかをユーザが視覚的に把握しやすくするために、各選択肢にはイラストや画像が関連付けて表示されていてもよい。ユーザは、便形状選択領域140から便の形状を選択し、確定ボタン160を押下することで、排便に関する情報を記録することができる。
【0083】
便形状分類138は、便形状選択領域140に表示される便の形状が「硬便」、「正常便」及び「軟便」のいずれに分類されるかを表示する要素である。図9の排便記録画面においては、「コロコロ」及び「硬いかたまり」が硬便に、「やや硬い」、「ふつう」及び「やわらかい」が正常便に、「ドロドロ」及び「水のよう」が軟便に分類されている。なお、ブリストール便形状スケールでは、硬便は、便の腸内の停滞時間が長い(すなわち便秘傾向である)ことを示し、軟便は、便が柔らかすぎて下痢傾向であることを示す。
【0084】
血便有無選択領域156は、排便記録に係る便に血便が含まれているか否かの選択肢を表示する領域である。ユーザは、排便記録に係る便に血便が含まれている場合には「あり」に対応するチェックボックスにチェックを入れ、血便が含まれていない場合には「なし」に対応するチェックボックスにチェックを入れた上で確定ボタン160を押下することにより、血便に関する情報を記録することができる。
【0085】
ユーザにより入力された排便に関する情報は、記憶手段102により、イベント履歴情報としてイベント履歴情報DB140に記憶される(S18)。
【0086】
[腹痛記録画面(図10)]
ユーザがホーム画面において腹痛記録ボタン40を押下した場合(S4 腹痛記録)、支援装置1は、腹痛記録画面を表示する(S12)。支援装置1は、入力受付手段100により、ユーザから腹痛(第2イベントの一例)に関する情報の入力を受け付ける。
【0087】
図10は、腹痛記録画面の一例を示す図である。腹痛記録画面は、画面タイトル122、記録日付124、時刻表示領域126、閉じるボタン128及び確定ボタン130を含む。このうち、画面タイトル122、記録日付124、時刻表示領域126及び閉じるボタン128については、図5の食事記録画面における画面タイトル48、記録日付50、時刻表示領域52及び閉じるボタン62に準じ、確定ボタン130については図8の栄養剤記録画面における確定ボタン107に準ずるため、以下では説明しない。
【0088】
ユーザにより入力された腹痛に関する情報は、記憶手段102により、イベント履歴情報としてイベント履歴情報DB140に記憶される(S18)。
【0089】
[しぶり腹記録画面(図11)]
ユーザがホーム画面においてしぶり腹記録ボタン41を押下した場合(S4 しぶり腹記録)、支援装置1は、しぶり腹記録画面を表示する(S14)。支援装置1は、入力受付手段100により、ユーザからしぶり腹(第2イベントの一例)に関する情報の入力を受け付ける。
【0090】
図11は、しぶり腹記録画面の一例を示す図である。しぶり腹記録画面は、画面タイトル162、記録日付164、時刻表示領域166、説明文168、閉じるボタン170及び確定ボタン172を含む。このうち、画面タイトル162、記録日付164、時刻表示領域166及び閉じるボタン170については、図5の食事記録画面における画面タイトル48、記録日付50、時刻表示領域52及び閉じるボタン62に準じ、確定ボタン172については図8の栄養剤記録画面における確定ボタン107に準ずるため、以下では説明しない。
【0091】
説明文168は、しぶり腹に関する説明の一例である。図11のしぶり腹記録画面においては、「しぶり腹とは、便意があるのに便が出ない、または便が出ても少量しか出ない状態です。」と表示されている。説明文168には、しぶり腹と腹痛との違い及びしぶり腹と下痢との違い等の説明が表示されてもよい。
【0092】
ユーザにより入力されたしぶり腹に関する情報は、記憶手段102により、イベント履歴情報としてイベント履歴情報DB140に記憶される(S18)。
【0093】
[振り返り画面(図12図14)]
ユーザがホーム画面において振り返りボタン44を押下した場合(S4 振り返り)、支援装置1は、振り返り画面を表示する(S16)。支援装置1は、生成手段104によりイベント履歴情報に基づいて支援情報を生成し、表示手段106により振り返り画面において当該支援情報を表示する。
【0094】
図12は、振り返り画面の一例を示す図である。図12の振り返り画面は、画面タイトル174、食事記録タブ176、体調記録タブ178、表示対象日付180、詳細表示ボタン182、レーダーチャート表示領域184、ホームボタン192、振り返りボタン194及びその他ボタン196を含む。このうち、ホームボタン192、振り返りボタン194及びその他ボタン196については、図4のホーム画面におけるホームボタン42、振り返りボタン44及びその他ボタン46に準ずるため、以下では説明しない。
【0095】
食事記録タブ176は、ユーザが押下することにより第1イベント(すなわち、食事及び栄養剤の服用)の記録に関する情報を表示することができるタブである。図12図13の振り返り画面においては、食事記録タブ176が押下された状態となっている。
【0096】
体調記録タブ178は、ユーザが押下することにより第2イベント(すなわち、しぶり腹、腹痛及び排便)の記録に関する情報を表示することができるタブである。図14の振り返り画面においては、体調記録タブ178が押下された状態となっている。
【0097】
表示対象日付180は、振り返り画面に表示された情報に対応する日付を表示する。例えば、図12の振り返り画面は、2022年12月1日に記録された第1イベントに関する情報を表示している。ユーザは、表示対象日付180を押下することで、他の日付を表示対象として選択することもできる。なお、支援装置1は、表示対象日付180と、図4を参照して説明したホーム画面の日付22とを同期させてもよい。例えば、ユーザがホーム画面において日付22を特定の時点に設定した状態で振り返りボタン44を押下した場合、支援装置1は、表示対象日付180を当該特定の時点に設定した状態で図12の振り返り画面を表示してもよい。同様に、ユーザが表示対象日付180を特定の時点に設定した時点でホームボタン192を押下した場合、支援装置1は、日付22を当該特定の時点に設定した状態で図4を参照して説明したホーム画面を表示してもよい。
【0098】
詳細表示ボタン182は、ユーザが押下することにより食事記録の詳細を表示することができるボタンである。詳細表示ボタン182を押下した場合の表示画面の一例を、図13を参照して後述する。
【0099】
レーダーチャート表示領域184は、ユーザが摂取した栄養素に関する栄養サマリー情報をレーダーチャートの形式で表示する領域である。レーダーチャートでは、単位期間においてユーザが摂取した栄養素の種類(特に、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維及び塩分)及び量に関する情報が表示される。図12の表示画面では、単位期間は24時間(すなわち、1日)であるが、1週間、1カ月間及び3カ月間等の期間であってもよく、表示する栄養サマリー情報は、単位期間における合算値若しくは平均値の情報または単位期間における摂取量の推移の情報であってもよい。
【0100】
レーダーチャート表示領域184に表示される情報は、イベント履歴情報のうち、食事の記録及び栄養剤の服用の記録の少なくとも一方に基づいて生成手段104により生成された情報である。すなわち、レーダーチャート表示領域184に表示される情報は、支援情報の一例である。
【0101】
レーダーチャート表示領域184には、食事の記録及び栄養剤の服用の記録に基づくユーザが摂取した栄養素の情報がレーダーチャートで表示される。図12においては、栄養剤寄与領域186及び食事寄与領域188に分けて表示する例を示す。食事寄与領域188は、ユーザが食事によって摂取した栄養素に関する情報を表示する領域である。一方で、栄養剤寄与領域186は、栄養剤の服用によって摂取した栄養素に関する情報を食事によって摂取した栄養素と区分けして表示する領域である。このように、レーダーチャート表示領域184では、ユーザが食事により摂取した栄養素と、ユーザが服薬(栄養剤の服用を含む)により摂取した栄養素とが互いに識別可能な状態で表示されてもよい。また、レーダーチャートは食事及び栄養剤の服用による摂取した栄養素を合算して単一のレーダーチャートとして表示してもよい。
【0102】
図13は、振り返り画面の他の一例を示す図である。ユーザは、図12の振り返り画面において詳細表示ボタン182を押下することで、表示画面を図13の振り返り画面に遷移させることができる。
【0103】
図13の振り返り画面では、図12の振り返り画面における詳細表示ボタン182及びレーダーチャート表示領域184に代わって、戻るボタン206、凡例表示領域208、棒グラフ表示領域210及びスクロールバー218が表示される。
【0104】
戻るボタン206は、ユーザが押下することで、表示画面を図12の振り返り画面に遷移させることができるボタンである。
【0105】
凡例表示領域208は、棒グラフ表示領域210の凡例を表示する領域である。凡例表示領域208は、「摂取済み」の栄養素に対応する凡例、「過剰」の栄養素に対応する凡例及び「不足」の栄養素に対応する凡例を含む。
【0106】
棒グラフ表示領域210は、ユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部に基づいて算出されるとともにユーザが単位期間あたりに摂取するべき栄養素の量の基準である基準情報と、第1イベントによってユーザが単位期間に摂取した栄養素の量である摂取情報とを比較した情報を表示する。具体的には、棒グラフ表示領域210からは、エネルギーは基準よりも過剰に摂取していることが読み取ることができ、一方で、たんぱく質、脂質及び炭水化物については摂取が不足していることが読み取れる。このように基準情報と摂取情報とを比較した情報も、支援情報の一例である。また、棒グラフ表示領域210は、ユーザが食事により摂取した栄養素と服薬(栄養剤の服用を含む)により摂取した栄養素とを領域を分けて互いに識別可能な状態で表示されてもよい。
【0107】
スクロールバー218は、ユーザが操作することによって棒グラフ表示領域210に表示する栄養素の種類を変更することができる要素である。棒グラフ表示領域210又はスクロールバー218を、例えば、画面下方に移動(スワイプ又はスクロール)させることで、たんぱく質、脂質及び炭水化物以外の栄養素(例えば、ビタミン及びミネラル等)の摂取状況を確認することができる。また、スクロールバー218は振り返り画面において常に表示されている必要はなく、ユーザによる棒グラフ表示領域210の移動操作(スワイプ又はスクロール)に応じて適宜表示されるようにすることができる。
【0108】
図14は、振り返り画面の他の一例である。ユーザは、図12―13の振り返り画面において体調記録タブ178を押下することで、表示画面を図14の振り返り画面に遷移させることができる。
【0109】
図14の振り返り画面では、図12の振り返り画面における表示対象日付180、詳細表示ボタン182及びレーダーチャート表示領域184に代わって、表示対象週234、グラフ表示領域236及び凡例表示領域238が表示される。
【0110】
表示対象週234は、図14の振り返り画面に表示された情報に対応する週を表示する。例えば、図14の振り返り画面は、2022年11月21日週(すなわち、2022年11月21日から同月27日まで)に記録された第2イベントに関する情報を表示している。また、ユーザが表示対象週234を押下することで、異なる週に記録された第2イベントに関する情報を表示させることもできる。この場合、カレンダーを表示させる等で異なる日付を選択可能に表示し、ユーザが任意の日付を選択することで、選択された日付が属する週に記録された第2イベントに関する情報を表示することができる(図示しない)。
【0111】
また、表示対象週234を押下した際に表示されるカレンダーにおいて、支援装置1は、ユーザの各種記録(例えば、食事記録及び体調記録等)に関する操作の履歴に基づいて、少なくとも一部の日付の表示態様を変更してよい。支援装置1は、例えば、ユーザが各種記録の入力を行った日付と、ユーザが各種記録の入力を行っていない日付とを識別可能に表示してよい。支援装置1は、他にも、各種記録の有無及び種類に応じた色調の異なる複数の色で日付や領域を分けて表示してよい。支援装置1は、他にも、各種記録の有無及び種類に応じて特定のマーク(例えば、食事記録を行ったことを示すマーク、体調記録を行ったことを示すマーク等)又はアイコンを日付に関連付けて表示してよい。このように、支援装置1は、複数の日付のそれぞれにおける各種記録の有無をカレンダー上で認識可能に表示してもよい。
【0112】
グラフ表示領域236は、第2イベントの単位期間毎の回数に関する情報を表示する。具体的には、グラフ表示領域236は、硬便の回数、正常便の回数及び軟便の回数を積み上げ棒グラフの形式で表示するとともに、血便、しぶり腹及び腹痛の回数を折れ線グラフで表示する。これらのグラフでは、血便の発生回数、しぶり腹の発生回数及び腹痛の発生回数が互いに識別可能な状態で表示手段106により表示される。このようなグラフも、支援情報の一例である。また、図14の振り返り画面では、単位期間は1週間であるが、1カ月間及び3カ月間等の期間であってもよい。
【0113】
凡例表示領域238は、グラフ表示領域236の凡例を表示する領域である。具体的には、凡例表示領域238は、硬便、正常便、軟便、血便、腹痛及びしぶり腹のそれぞれに対応する凡例を表示する。
【0114】
また、それぞれの凡例には、グラフ表示領域236における表示対象とするか否かを決定するためのチェックボックスが関連付けられている。図14の振り返り画面においては、硬便、正常便、軟便、血便及びしぶり腹のそれぞれに対応するチェックボックスにはチェックが入っているため、これらの情報はグラフ表示領域236に表示されている。一方で、腹痛に対応するチェックボックスにはチェックが入っていないため、腹痛に関する情報はグラフ表示領域236に表示されていない。硬便、正常便及び軟便のそれぞれに対応するチェックボックスは個別に設けてもよく、総じて排便として単一のチェックボックスを設けてもよい。すなわち、支援装置1は、選択受付手段108により、しぶり腹、腹痛、排便(硬便、正常便及び軟便が個別に選択可能な場合を含む)及び血便の少なくとも一部に関する情報を表示させるための選択を受け付けてもよい。
【0115】
<4.支援装置1の効果>
支援装置1によれば、炎症性腸疾患の患者の食事記録及び体調記録の情報を記録、表示することで治療を支援することができる。
【0116】
炎症性腸疾患を治療する上では、患者の摂取した栄養素及び患者の体調(排便、腹痛及びしぶり腹の状態を含む)を観察することが重要である。例えば、患者がどのような食事を摂ったときに、体調がどのように変化したかを観察することで、当該患者が避けるべき食事の品目及び積極的に摂取すべき食事の品目等を推測することができる。
【0117】
支援装置1は、患者であるユーザからの第1イベント(食事及び栄養剤の摂取を含む)及び第2イベント(排便、腹痛及びしぶり腹の発生を含む)を含むイベントに関する情報の入力を受け付け(図5図11参照)、振り返り画面を表示する(図12図14参照)。これにより、例えば、ユーザの診断又は治療を行う医師は振り返り画面を確認し、当該ユーザに対する診断の決定、又は治療の方針を決定若しくは変更することができる。他にも、例えば、ユーザ自身が振り返り画面を確認することにより、自身の栄養摂取状況と症状の発生状況を客観視することができ、自身の生活を見直す機会を得ることができる。
【0118】
また、支援装置1によれば、炎症性腸疾患の一つである潰瘍性大腸炎の治療に特に重要な情報を表示し、ユーザの治療を支援することができる。
【0119】
潰瘍性大腸炎の治療する上では、しぶり腹の発生に関する情報は特に重要である。しぶり腹の発生回数の上昇は、潰瘍性大腸炎の症状の悪化の兆候であると考えられているからである。すなわち、医師又は患者は、しぶり腹の発生回数を記録して客観視することで潰瘍性大腸炎の兆候を知ることができる。
【0120】
支援装置1は、しぶり腹の発生に関する情報の入力を受け付け(図11参照)、その発生回数の推移を表示することができる(図14参照)。医師は、例えば、しぶり腹の発生回数の増加を観測した場合、今後ユーザの潰瘍性大腸炎の症状が悪化し得ると判断し、ユーザに対して処方する薬の種類及び量を変更する際の支援情報として活用することができる。
【0121】
支援装置1は、便の状態だけではなく、腸内の炎症の程度を表す指標となるしぶり腹の発生にも着目することで、ユーザの治療をより効果的に支援する。
【0122】
また、支援装置1によれば、ユーザが必要十分な栄養素を摂取しているか否かを表示し、ユーザの治療を支援することができる。
【0123】
炎症性腸疾患を治療する上では、患者が必要十分な栄養素を摂取することは重要である。患者は、例えば、疾患の種類によって、脂質等の消化器に負担を掛けやすい栄養素を多く含む食品は、摂取を避けることが望ましい場合がある。他にも、例えば、疾患の種類によって、食物繊維を豊富に含む食品は、腸内環境を整える作用があるため、患者は積極的に摂取することが望ましい場合がある。
【0124】
支援装置1は、レーダーチャート(図12参照)及び棒グラフ(図13参照)の形式で、ユーザが摂取した栄養素に関する振り返り画面を表示する。これにより、例えば、振り返り画面を確認した医師は、食品及び栄養素の品目、摂取量についてユーザに対してアドバイスをする際の支援ツールとして活用することができる。また、振り返り画面を確認したユーザが自身の栄養摂取状況を客観視して生活改善に活用したり、医師への相談の際にアドバイスを求める受診サポートツールとして活用したりすることもできる。
【0125】
特に、図12の振り返り画面では、栄養剤寄与領域186及び食事寄与領域188の表示により、食事によって摂取した栄養素と、栄養剤によって摂取した栄養素との内訳を把握することができる。これにより、図12の振り返り画面を確認した医師は、例えば、ユーザの栄養剤による栄養素の摂取が過剰であることを知り、食事によって特定の栄養素の摂取を減らすべき、又は、より多くの量若しくは種類の栄養素を摂取すべきというアドバイスをユーザに対して行うことができる。また、振り返り画面を確認したユーザが自身の栄養摂取状況を客観視して生活改善に活用したり、医師への相談の際に自身の栄養摂取状況に関するアドバイスを求める受診サポートツールとして活用したりすることもできる。
【0126】
炎症性腸疾患を治療する上では栄養剤の摂取は重要であるところ、支援装置1は、食事による栄養素の摂取状況だけではなく、栄養剤による栄養素の摂取状況も表示することで、ユーザの治療をより効果的に支援する。
【0127】
また、図13の振り返り画面では、棒グラフ表示領域210により、ユーザが自身の身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量等に基づいて摂取するべき基準となる栄養素の量を、実際に摂取できているか把握することができる。これにより、図13の振り返り画面を確認した医師又はユーザは、例えば、脂質の摂取量が基準と比較して多く、食物繊維の量が基準と比較して少ないこと等を知ることができる。摂取すべき基準となる栄養素の量は上記項目に基づいて適宜算出すれば特に限定されるものではないが、一例として厚生労働省の発行する「日本人の食事摂取基準」等を参考に予め設定することができる。
【0128】
また、支援装置1は、摂取すべき基準となる栄養素の量を、振り返り画面を表示したタイミングではなく、実際に記録を行ったタイミングでの設定に基づいて表示することもできる。これによりユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量等が記録を行った時点と振り返り画面を表示した時点との間で変化した場合であっても(すなわち、摂取すべき基準となる栄養素の量が変化した場合であっても)、記録当時の基準に対する当時の栄養素の摂取量を表示することができる。支援装置1は、例えば、第1時点の記録に関する振り返り画面を第1時点より後の第2時点において表示する場合、第2時点におけるユーザの身長等に関わらず、第1時点におけるユーザの身長等に基づいて設定された摂取すべき基準となる栄養素の量と、第1時点においてユーザが実際に摂取した栄養素の量との関係が表示されてよい。
【0129】
なお、身体活動量は、典型的には、ユーザが複数の段階(例えば、レベル1、レベル2及びレベル3)のうちから選択することができる。ユーザが摂取するべき基準となる栄養素の量は、身体活動量が比較的高い段階(例えば、レベル3)である場合に多く、身体活動量が比較的低い段階(例えば、レベル1)である場合に少なく設定されてよい。これにより、ユーザは、自身の身体活動量に応じて、摂取すべき栄養素の量を把握することができる。
【0130】
炎症性腸疾患の患者は、消化能力が衰えており、健康な人と比較してより多くの栄養素を摂取しなければならない場合がある一方で、脂質、タンパク質等の消化器に負担をかける栄養素は、健康な人と比較して摂取を控えたほうがよい場合がある。支援装置1は、ユーザが必要十分な栄養素を摂取できているか否かを表示することで、ユーザの治療をより効果的に支援する。
【0131】
<5.発明の実施の態様>
上記実施形態は、当業者の知識に基づいて、矛盾が生じない範囲で技術的事項を組み合わせること、変更すること及び削除することが可能である。上記実施形態の説明は一例に過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0132】
上記実施形態における支援装置1は、複数の装置の組み合わせからなるものであってもよい。他にも、例えば、支援装置1は、他の装置の一部であってもよい。同様に、支援装置1が実行する支援プログラムは、複数のプログラムの組み合わせからなるものであってもよく、当該複数のプログラムのそれぞれは異なる装置に記憶されたものであってもよい。他にも、支援装置1が実行する支援プログラムは、上記実施形態で説明した機能以外の機能も有するものであってもよい。
【0133】
支援装置1は、お知らせ画面を表示する機能を有してもよい。お知らせ画面では、典型的には、支援プログラムのアップデートや不具合の発生等に関する情報が表示される。お知らせ画面は、複数のお知らせの概要を一覧形式で表示するお知らせ一覧画面と、複数のお知らせからユーザが選択したお知らせの詳細を表示するお知らせ詳細画面のいずれであってもよい。お知らせ画面には、支援装置1は、図4を参照して説明したホーム画面において、お知らせ画面に遷移するためのボタンをさらに表示してもよい。
【0134】
また、支援装置1は、プッシュ通知を表示する機能を有してもよい。また、支援装置1は、画面に表示されたプッシュ通知に対するユーザの押下に応じて、当該プッシュ通知に対応する画面を表示してもよい。なお、プッシュ通知は、サーバ装置2からプッシュ通知を行う指示を受信することによって行われるリモートプッシュ通知と、サーバ装置2との通信を要することなく行われるローカルプッシュ通知とのいずれであってもよい。
【0135】
プッシュ通知は、例えば、毎日所定の時間までに食事記録、服薬記録及び体調記録の少なくとも一つが無かった場合に、ユーザに対して記録の入力を促す旨の通知(すなわち、リマインダー)であってもよい。この場合、支援装置1は、リマインダーのプッシュ通知に対するユーザの押下に応じて、食事記録画面又は体調記録画面を表示してもよい。これにより、支援装置1は、ユーザによる継続的な記録を効率良く支援することができる。
【0136】
支援装置1は、リマインダーの有効化又は無効化に関する操作をユーザから受け付けてもよい。また、服薬記録に関するリマインダーが有効に設定されている場合、ユーザは服用する薬剤の名称及び用法容量をリマインダーに関連付けて設定することができる。
【0137】
プッシュ通知は、他にも、新たなお知らせが追加された旨を示す通知であってもよい。この場合、支援装置1は、新たなお知らせが追加された旨を示すプッシュ通知に対するユーザの押下に応じて、追加されたお知らせに関するお知らせ詳細画面を表示してもよい。
【0138】
また、支援装置1は、服薬指導箋及び炎症性腸疾患に関する情報を表示する機能を有していてもよい。支援装置1は、図4を参照して説明したホーム画面において、服薬指導箋又は炎症性腸疾患に関する情報を表示する画面に遷移するためのボタンをさらに表示してもよい。支援装置1は、ユーザによる当該ボタンの押下に応じて、例えば自装置にインストールされたブラウザソフトウェアを起動して、服薬指導箋又は炎症性腸疾患に関する情報が記載されたwebページを表示してもよい。
【0139】
図4図14を参照して説明した表示画面は一例に過ぎず、デザイン、表示項目、説明文、グラフの種類、画面遷移等は変更されてもよい。例えば、レーダーチャート表示領域184や棒グラフ表示領域210に表示された栄養素の項目は、「エネルギー」、「塩分」、「たんぱく質」、「食物繊維」、「炭水化物」及び「脂質」以外にも、「ビタミン」、「鉄分」、「カルシウム」、「亜鉛」及び「カリウム」等であってもよい。また、レーダーチャート表示領域184や棒グラフ表示領域210でビタミンの摂取状況を表示する場合、ビタミンの種類として、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸及びビオチンが挙げられるが、これら全てを表示してもよく、これらのうち一部のみを表示してもよく、これに限定されることなく異なるビタミンについて表示してもよい。また、ミネラルの摂取状況を表示する場合、ミネラルの種類として、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンが挙げられるが、これら全てを表示してもよく、これらのうち一部のみを表示してもよく、これに限定されることなく異なるミネラルについて表示してもよい。
【0140】
上記実施形態では、入力受付手段100を備える支援装置1について説明したが、支援装置1は入力受付手段100を備えなくてもよい。支援装置1は、イベント履歴情報を他の装置(例えば、サーバ装置2)から受信し、これに基づいて生成された支援情報を表示するものであってもよい。
【0141】
上記実施形態では、サーバ装置2は支援装置1に対してインストーラを送信するものとして説明したが、これに限られない。例えば、サーバ装置2は、支援装置1からの要求情報(例えば、HTTPリクエスト)に応じて応答情報(例えば、HTTPレスポンス)を送信することにより、支援装置1上で支援プログラムを動作させてもよい。
【0142】
記憶手段102が情報を記憶することは、支援装置1が当該情報を利用可能な状態にすることを含む。具体的には、上記実施形態では、記憶手段102は記憶部14のイベント履歴情報DB140にイベント履歴情報を記憶するものとして説明したが、これに限られない。例えば、記憶手段102は、サーバ装置2に対してイベント履歴情報を送信し、サーバ装置2が備える記憶部にイベント履歴情報を記憶させてもよい。
【0143】
表示手段106が情報を表示することは、ユーザが当該情報を視認できる状態にすることを含む。具体的には、上記実施形態では、表示手段106は支援装置1の表示装置310に支援情報を表示するものとして説明したが、これに限られない。例えば、表示手段106は、支援装置1以外の装置が支援情報を表示できるようするものであってもよい。
【0144】
上記実施形態では、ホーム画面は、グリーティングメッセージ20、日付22、タイムライン表示領域24、スクロールバー32、食事記録ボタン34、栄養剤記録ボタン36、排便記録ボタン38、腹痛記録ボタン40、しぶり腹記録ボタン41、ホームボタン42、振り返りボタン44及びその他ボタン46を含むものとして説明したが、これに限られない。例えば、これらに加えて、又はこれらに代えて、服薬記録ボタンや成長記録ボタンを含んでもよい。服薬記録ボタンは、ユーザが炎症性腸疾患の治療のために医師から処方されて服用する栄養剤以外の医薬品の服用に関する情報を記録する画面に遷移するためのボタンであってもよい。また、成長記録ボタンは、ユーザが小児である場合に、その年齢、身長、体重等を記録することで、一般的な成長曲線に沿って成長しているか否かを確認するための画面に遷移するためのボタンであってもよい。当該画面では、ユーザの成長曲線を示すグラフを表示されてよく、ユーザの成長曲線と一般的な成長曲線とが比較可能な態様で表示されてもよい。なお、支援装置1は、ユーザが小児であるか否かをアプリケーションソフトウェアの登録情報等に基づいて判定する機能を有してもよい。
【0145】
この場合、支援装置1は、入力された成長記録を、例えば、振り返り画面の一態様として表示してよい。支援装置1は、例えば、振り返り画面の一態様として、全期間又はユーザにより選択された任意の期間に記録された成長記録の一覧を表形式で表示してもよく、グラフ形式で表示してもよい。炎症性腸疾患は、栄養の吸収効率を低下させる場合がある。したがって、患者が小児である場合は特に、十分に栄養を吸収できているかを観察することは重要である。この構成によれば、ユーザの成長記録を一覧として表示することができるため、医師としては、ユーザが十分に栄養を吸収できているか否かを判断することができる。
【0146】
また、支援装置1は、ユーザが小児であるか否かを問わずに、例えばホーム画面において身体記録ボタンを表示してよい。身体記録ボタンは、身体記録(例えば、身長、体重、体温、身体活動量など)の記録を行うための画面に遷移するボタンであり、ユーザが小児である場合には成長記録ボタンと同一のものであってもよい。また、身体記録ボタンは、身体記録に関する情報の全てを一つの画面で入力できる画面に遷移するボタンであっても、身体記録の種類ごとの個別の入力画面に遷移するボタンを個別に設けるものであってもよい。例えば、支援装置1は、ユーザによる身体記録ボタンの押下に応じて、身長、体重及び体温の3項目を入力できる画面を表示してよい。また、支援装置1は、ユーザによる身長記録ボタンに応じて身長を入力できる画面を表示するとともに、ユーザによる体重記録ボタンに応じて体重を入力できる画面を表示してもよい。支援装置1は、ユーザが入力した身長等に関する情報を取得することができる。また、支援装置1は、身体に関するデータを収集する他の装置(例えば、スマートウォッチ、IoT機器及び通信機能を備える体重計等)と通信を行うことにより、身長等に関する情報を取得することができる。
【0147】
上記実施形態では、食事記録ボタン34、栄養剤記録ボタン36、排便記録ボタン38、腹痛記録ボタン40及びしぶり腹記録ボタン41は、表示画面を各ボタンに対応するイベント入力画面に遷移させることができるボタンとして説明したが、これに限られない。例えば、各ボタンに対応するイベント入力モーダルをホーム画面に重ねて表示するようにしてもよい。
【0148】
上記実施形態では、時刻表示領域52、98、126、136もしくは166又は服用量設定領域101の三角形のボタンを押下することにより、対応する各記録に係る時分又は服用量を変更することができるものとして説明したが、これに限られない。例えば、各領域に表示するドラムロール式に表示した数値自体を上下にスクロールすることで内容を選択できるものであってもよい。
【0149】
上記実施形態では、撮影又は選択された食事記録に使用する画像の画像解析やキーワード入力したテキスト情報に係る検索はサーバ装置2で行われるものとして説明したが、これに限られない。例えば、通信ネットワーク3を経由して接続可能な食事・栄養素データベース又はWeb API(Application Programming Interface)形式のI/Fに画像又はテキスト情報を送信し、当該データベース又はI/Fで解析された結果を支援装置1が受信するようにしてもよい。このような食事・栄養素データベース又はI/Fとしては、例えばカロミル(登録商標)APIなどが挙げられる。
【0150】
上記実施形態では、図5図9に示す画面の一例において、チェックボックスにチェックがあるか否かによって、対応する項目の選択または機能の選択をしめすものとして説明したが、これに限られない。例えば、当該項目または機能を表すアイコン画像のタップの有無によって選択を示してもよく、チェックボックスの代わりにラジオボタンを表示して当該ラジオボタンの選択の有無によって示してもよい。
【0151】
上記実施形態では、例えば図7において、ユーザは所定の単位量の食事の記録を入力するものとして説明した。これに対して、支援装置1は、所定の単位量と、ユーザが実際に摂取した食事の量との差又は比率に関する情報の入力を受け付けてもよい。支援装置1は、ユーザが実際に食事を摂取した量が、所定の単位量に対して、例えば、25%、50%、75%、100%、125%、150%、200%、250%及び300%等のいずれの比率であるかを選択するためのボタンを表示してもよい。これに対して、ユーザは、食事のメニューを選択するとともに、比率を選択することができてもよい。ユーザは、例えば2人前のカレーライスを食べた場合、「カレーライス」のメニューを選択するとともに、「200%」の比率のボタンを押下する。これによりユーザの食事量に応じてより正確な栄養素の量の記録が可能となる。なお、所定の単位量は、例えば、一人前、全量、100g等であってもよい。
【0152】
上記実施形態では、支援装置1は、第2イベントの関する記録として、しぶり腹に関する記録、腹痛に関する記録及び排便に関する記録の入力を受け付けるものとして説明した。支援装置1は、さらに、第2イベントに関する記録として、これら以外の記録の入力も受け付けてもよい。支援装置1は、例えば、便意切迫に関する記録の入力を受け付けてもよい。支援装置1は、例えば、図9を参照して説明した排便記録画面において、便意切迫の有無又は程度を記録するための入力欄を表示してよい。支援装置1は、他にも、図4を参照して説明したホーム画面において、便意切迫記録ボタンを、排便記録ボタン38、腹痛記録ボタン40、しぶり腹記録ボタン41と並べて表示してもよい。支援装置1は、ユーザによる便意切迫記録ボタンの押下に応じて、便意切迫の有無又は程度を記録するための画面を表示してもよい。なお、便意切迫は、便意の切迫感を感じる症状をいい、便意を感じつつトイレで排便できた場合と、便意を感じつつトイレに移動することが間に合わず便が漏れてしまう場合とを含む。
【0153】
<6.支援装置1が有するその他の機能>
支援装置1は、上記実施形態で説明した機能以外にも、例えば、以下のような機能を備えてもよい。
【0154】
―記録された情報をエクスポートする機能―
支援装置1は、記録された情報をエクスポートする機能を備えてよい。具体的には、支援装置1は、ユーザが食事記録画面、栄養剤記録画面、腹痛記録画面、排便記録画面、しぶり腹記録画面及び身体記録(身長、体重、体温等)の記録を行う画面等において記録した情報、又はこれを加工した情報を、例えば、テキストファイル、CSVファイル及びPDFファイル等として出力する機能を有していてよい。ユーザが記録した情報を加工した情報の一例は、図12-14において示したようなグラフである。また、支援装置1は、記録された情報を電子メールによって自身の端末装置等の他の装置に対して送信することができてもよい。
【0155】
支援装置1は、記録された情報にアクセスするための情報を、例えば、QRコード(登録商標)等の画像コード、又は、URL等として出力する機能を有していてもよい。医師は、例えば、支援装置1に表示されたQRコード(登録商標)を自身の端末装置で読み取ることによって、例えば図12-14において示したようなグラフを自身の端末装置において確認することができる。また、支援装置1は、記録された情報にアクセスするための情報を、電子メールによって自身の端末装置等の他の装置に対して送信することができてもよい。この場合、ユーザは、記録された情報にアクセスするためのパスワードを設定してよく、この場合、支援装置1は当該パスワードを他の装置に対して送信することができてよい。
【0156】
―トイレの位置を地図上に表示する機能―
支援装置1は、所定の地域のトイレ施設の位置を示す地図上を表示する機能を有していてよい。支援装置1は、自装置が備えるGPSにより位置情報を取得し、自装置付近のトイレ施設の位置を地図上に表示してよく、ユーザが指定した位置付近のトイレ施設の位置を地図上に表示してもよい。また、支援装置1は当該トイレ施設の利用状況または混雑状況を位置情報と一緒にまたは独立して地図上に表示してもよい。このような機能として、例えば、特開2019-95924号公報、特開2009-841126号公報または特開2004-326414号公報等に記載の公知のプログラム等を参照して自装置に組み込んでもよい。
【0157】
―スワイプ操作で日付を変更する機能―
上記実施形態では、ユーザは、図4のホーム画面の日付22を押下することで、他の日付を入力又は編集の対象の日付として選択することもできるとして説明した。支援装置1は、他にも、例えば、ホーム画面においてユーザからの左右方向のスワイプ操作を受け付け、当該スワイプ操作に応じて表示する日付を変更してよい。支援装置1は、例えば、ユーザからの右方向のスワイプ操作に応じて、支援装置1は、前日の記録を表示してよい。
【0158】
―説明文を表示する機能―
支援装置1は、図12-14の振り返り画面において、表示内容の説明文をさらに表示してよい。説明文は、同一画面上に表示してもよく、任意の箇所のタップ操作等に基づき別画面に遷移して表示、または、モーダルを振り返り画面に重なるように表示してもよい。支援装置1は、例えば、図13の振り返り画面において、棒グラフ表示領域210の凡例に関する説明文をさらに表示してよい。
【0159】
―メモを記録する機能―
支援装置1は、例えば、通院年月日、医療機関及び通院時の相談事項等に関するメモの入力を受け付ける機能を備えてよい。入力されたメモは、例えば、図4のホーム画面において一覧で表示される。
【0160】
―栄養摂取量の推移を表示する機能―
上記実施形態では、支援装置1は、図14の振り返り画面において、硬便の回数、正常便の回数及び軟便の回数を積み上げ棒グラフの形式で表示するとともに、血便、しぶり腹及び腹痛の回数を折れ線グラフで表示する例について説明した。これに関連して、支援装置1は、図7の食事記録画面及び図8の栄養剤記録画面においてユーザが入力した情報に基づいて、栄養摂取量の推移をグラフの形式で表示してよい。支援装置1は、例えば、直近1週間の各日においてユーザが摂取したたんぱく質の量を表示する棒グラフと、直近1週間の各日においてユーザが摂取したカロリーの量を表示する折れ線グラフとを表示してよい。
【0161】
―基準となる栄養素の量を手動で設定する機能―
上記実施形態において、ユーザが摂取するべき基準となる栄養素の量は、主には、ユーザ自身の身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量等に基づいて決定されるものとして説明したが、これに限られない。支援装置1は、ユーザが摂取するべき基準となる栄養素の量の入力を受け付け、ユーザが実際に摂取した栄養素の量との比較に用いてよい。ユーザが摂取するべき基準となる栄養素の量は、例えば、医師又はユーザ自身によって入力される。
【0162】
―栄養剤の服用状況を表示する機能―
支援装置1は、図12-13の振り返り画面において、栄養剤の服用状況をさらに表示してよい。栄養剤の服用状況は、例えば、ユーザが過去に栄養剤を服用した日時並びに量、及び、当日に栄養剤を服用したか否か等である。このような服用状況は、リスト形式で表示してもよく、棒グラフ表示領域210やレーダーチャート表示領域184とは独立したグラフ等で表示してもよい。
【0163】
―メールアドレスを設定する機能―
支援装置1は、ユーザのメールアドレスを設定する機能、及び、設定されたメールアドレスを変更する機能を備えてよい。支援装置1は、食事記録及び排便記録のリマインダー等の各種通知を、設定されたメールアドレスに対して送信してよい。支援装置1は、振り返り画面に表示される情報をまとめたレポートを、設定されたメールアドレスに対して送信してもよい。
【0164】
―情報コンテンツを表示する機能―
支援装置1は、例えば、栄養剤または炎症性腸疾患の治療薬の服用に関する情報及び炎症性腸疾患に関する情報を含む情報コンテンツを表示してよい。支援装置1は、例えば、図4のホーム画面から遷移できる個別のページに情報コンテンツを表示してよく、図4のホーム画面に情報コンテンツ、又は情報コンテンツにアクセスするためのリンク等を表示してもよい。
【0165】
―振り返り画面を拡大・縮小表示する機能―
支援装置1は、ユーザの操作に応じて、図12-14の振り返り画面に表示されるグラフを拡大又は縮小して表示してよい。支援装置1は、例えば、ユーザのピンチアウト操作に基づいて、図14の振り返り画面のグラフ表示領域236を拡大表示してよい。同様に、支援装置1は、例えば、ユーザのピンチイン操作に基づいて、図14の振り返り画面のグラフ表示領域236を縮小表示してよい。
【0166】
-体温の記録を表示する機能-
支援装置1は、身体記録の記録を行う画面において体温の情報を記録した場合に、振り返り画面等においてそれらを一覧で表示してよい。一覧で表示する態様は、リスト形式でもよくグラフ形式でもよい。また、一覧で表示する期間は、ユーザの操作に応じて適宜変更可能に設定してもよく、例えば1週間等の任意の期間のみを一覧で表示してよい。また、体温の記録のみを独立して一覧で表示してもよく、支援装置1に記録された他の情報(例えば、食事記録画面、栄養剤記録画面、腹痛記録画面、排便記録画面、しぶり腹記録画面及び身体記録(身長、体重、体温等)の記録のための画面等で記録された情報等)と組み合わせた加工情報として一覧で表示してよい。
【0167】
本発明に係る実施形態には、以下のような態様が含まれる。
【0168】
[付記1]
本発明の一態様に係る支援プログラムは、コンピュータを、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶手段102と、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示手段106であって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、表示手段106と、として機能させる。
【0169】
[付記2]
付記1の支援プログラムは、コンピュータを、さらに、ユーザからイベントに関する情報の入力を受け付ける入力受付手段100、として機能させてもよい。
【0170】
[付記3]
付記1又は付記2において、第2イベントは、さらに、ユーザの腹痛と排便に関するものを含んでもよい。
【0171】
[付記4]
付記3において、イベント履歴情報は、イベントが発生した時点と、イベントが食事、服薬、排便、腹痛及びしぶり腹のいずれであるかに関する情報とが関連付けられた情報を含んでもよい。
【0172】
[付記5]
付記4において、支援情報は、イベントが発生した順序にしたがってイベント履歴情報を整列した情報を含んでもよい。
【0173】
[付記6]
付記3において、支援情報は、第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報を含んでもよい。
【0174】
[付記7]
付記6において、第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報は、しぶり腹の発生回数、排便の発生回数及び腹痛の発生回数が互いに識別可能な状態で表示手段106により表示されてもよい。
【0175】
[付記8]
付記7の支援プログラムは、コンピュータを、さらに、しぶり腹、腹痛及び排便の少なくとも一部に関する情報を表示させるための選択を受け付ける選択受付手段108、として機能させてもよい。
【0176】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか一つにおいて、支援情報は、単位期間においてユーザが摂取した栄養の種類及び量に関する情報を含んでもよい。
【0177】
[付記10]
付記9において、栄養の種類及び量に関する情報は、ユーザが食事により摂取した栄養と、ユーザが服薬により摂取した栄養とが互いに識別可能な状態で表示手段106により表示されてもよい。
【0178】
[付記11]
付記1から付記10のいずれか一つに記載の支援プログラムは、コンピュータを、さらにユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部に基づいて算出されるとともにユーザが単位期間あたりに摂取するべき栄養の量の基準である基準情報と、第1イベントによってユーザが単位期間に摂取した栄養の量である摂取情報とを比較する比較手段110、として機能させ、支援情報は、比較手段110による比較の結果に関する情報を含んでもよい。
【0179】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか一つの支援プログラムは、炎症性腸疾患の患者の寛解導入及び寛解状態の維持を支援するプログラムであってもよい。
【0180】
[付記13]
本発明の他の一態様に係る記録媒体は、付記1から付記12のいずれか一つの支援プログラムが記録されている。
【0181】
[付記14]
本発明の他の一態様に係る支援装置1は、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶部と、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示部であって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、表示部と、を備える。
【0182】
[付記15]
本発明の他の一態様に係る支援方法は、コンピュータに、ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶するステップと、ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示するステップであって、支援情報は、イベント履歴情報に基づいて生成される、ステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0183】
1…支援装置、2…サーバ装置、10…制御部、14…記憶部、100…入力受付手段、102…記憶手段、104…生成手段、106…表示手段、108…選択受付手段、110…比較手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの食事及び服薬の少なくとも一方による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹、腹痛及び排便に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶手段と、
ユーザから前記イベントに関する情報の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記第2イベントに関する情報の入力を受け付ける場合には、当該第2イベントが、しぶり腹と、腹痛と、排便とのいずれであるかを区別して入力を受け付ける、入力受付手段と、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示手段であって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、表示手段と、
として機能させる、支援プログラム。
【請求項2】
前記イベント履歴情報は、前記イベントが発生した時点と、前記イベントが食事、服薬、排便、腹痛及びしぶり腹のいずれであるかに関する情報とが関連付けられた情報を含む、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項3】
前記支援情報は、前記イベントが発生した順序にしたがって前記イベント履歴情報を整列した情報を含む、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項4】
前記支援情報は、前記第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報を含む、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項5】
前記第2イベントにおける単位期間毎の回数に関する情報は、しぶり腹の発生回数、排便の発生回数及び腹痛の発生回数が互いに識別可能な状態で前記表示手段により表示される、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、さらに、
しぶり腹、腹痛及び排便の少なくとも一部に関する情報を表示させるための選択を受け付ける選択受付手段、として機能させる、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項7】
前記支援情報は、単位期間においてユーザが摂取した栄養の種類及び量に関する情報を含む、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項8】
前記栄養の種類及び量に関する情報は、ユーザが食事により摂取した栄養と、ユーザが服薬により摂取した栄養とが互いに識別可能な状態で前記表示手段により表示される、請求項に記載の支援プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、さらに
ユーザの身長、体重、性別、年齢、疾患の種類及び身体活動量の少なくとも一部に基づいて算出されるとともにユーザが単位期間あたりに摂取するべき栄養の量の基準である基準情報と、前記第1イベントによってユーザが単位期間に摂取した栄養の量である摂取情報とを比較する比較手段、として機能させ、
前記支援情報は、前記比較手段による比較の結果に関する情報を含む、請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項10】
前記支援プログラムは、炎症性腸疾患の患者の寛解導入及び寛解状態の維持を支援する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の支援プログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の支援プログラムを記録した、記録媒体。
【請求項12】
ユーザの食事及び服薬による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹、腹痛及び排便に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶する記憶部と、
ユーザから前記イベントに関する情報の入力を受け付ける入力受付手段であって、前記第2イベントに関する情報の入力を受け付ける場合には、当該第2イベントが、しぶり腹と、腹痛と、排便とのいずれであるかを区別して入力を受け付ける、入力受付手段と、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示する表示部であって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、表示部と、
を備える、支援装置。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザの食事及び服薬による栄養の摂取に関する第1イベントと、少なくともユーザのしぶり腹、腹痛及び排便に関する第2イベントとを含むイベントの履歴に関するイベント履歴情報を記憶するステップと、
ユーザから前記イベントに関する情報の入力を受け付けるステップであって、前記第2イベントに関する情報の入力を受け付ける場合には、当該第2イベントが、しぶり腹と、腹痛と、排便とのいずれであるかを区別して入力を受け付ける、ステップと、
ユーザに対する診断を支援する支援情報を表示するステップであって、前記支援情報は、前記イベント履歴情報に基づいて生成される、ステップと、
を実行させる、支援方法。