(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009559
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】物干し装置
(51)【国際特許分類】
D06F 57/12 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
D06F57/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111174
(22)【出願日】2022-07-11
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】591006117
【氏名又は名称】株式会社ナガエ
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】津原 智晃
(72)【発明者】
【氏名】井上 顕太郎
(57)【要約】
【課題】非常に使い勝手が良く、様々な構造物の下面側に設置でき、設置場所の変更も容易な物干し装置を提供する。
【解決手段】物干し竿12と、上端部が構造物KB1に固定され、物干し竿12の左側及び右側部位18(L),18(R)を各々吊り下げて支持する左側及び右側紐状部材14(L),14(R)とを備える。物干し竿12の筐体20の内部に、左側透孔22(L)を通じて取り込まれた左側紐状部材14(L)を巻き取る又は巻き戻す左側ドラム装置28(L)と、右側透孔22(R)を通じて取り込まれた右側紐状部材14(R)を巻き取る又は巻き戻す右側ドラム装置28(R)とを備える。左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)の動作を制御する制御部34、及び筐体20内の各部材に動作用電圧を供給する電源部44を備える。制御部34は、左右の巻き取る動作及び巻き戻す動作が連動して行われるように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の下面側に設置して使用される物干し装置であって、
物干し竿と、上端部が前記構造物の下面側に固定され、前記物干し竿の長さ方向の特定の部位である左側部位を吊り下げて支持する左側紐状部材と、上端部が前記構造物の下面側に固定され、前記物干し竿の、前記左側部位から長さ方向に離れた部位である右側部位を吊り下げて支持する右側紐状部材とを備え
前記物干し竿は、両端部が閉鎖され又は開放された長尺な筒状外形の筐体を有し、前記筐体は、前記左側部位の上面に、前記左側紐状部材を内部に取り込むための左側透孔が形成され、前記右側部位の上面に、前記右側紐状部材を内部に取り込むための右側透孔が形成されており、
前記筐体の内部に、前記左側透孔を通じて取り込まれた前記左側紐状部材を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラムを有した左側ドラム装置と、前記右側透孔を通じて取り込まれた前記右側紐状部材を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラムを有した右側ドラム装置と、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の動作を制御する制御部と、前記筐体内の各部材に動作用電圧を供給する電源部とが設けられ、
前記制御部は、前記左側紐状部材を巻き取る動作及び巻き戻す動作と、前記右側紐状部材を巻き取る動作及び巻き戻す動作とが連動して行われるように、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置を制御することを特徴とする物干し装置。
【請求項2】
前記物干し竿が原点高さに水平に配置された時の前記左側部位の高さを左側原点高さ、前記右側部位の高さを右側原点高さとし、
前記左側紐状部材の途中の位置、又は前記構造物の、前記左側紐状部材が固定されている位置の近傍に、前記左側原点高さを規定する左側原点部材が取り付けられ、前記物干し竿の前記左側透孔の近傍に、前記左側原点部材を検出対象とし、前記左側部位と前記左側原点部材との離間距離が基準値以下になると左側近接信号を出力する左側原点検出装置が設置され、
前記右側紐状部材の途中の位置、又は前記構造物の、前記右側紐状部材が固定されている位置の近傍に、前記右側原点高さを規定する右側原点部材が取り付けられ、前記物干し竿の前記右側透孔の近傍に、前記右側原点部材を検出対象とし、前記右側部位と前記右側原点部材との離間距離が基準値以下になると右側近接信号を出力する右側原点検出装置が設置されており、
前記制御部は、外部から、前記物干し竿を前記原点高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材を巻き取る動作を開始させ、前記左近接信号を受信すると前記左側紐状部材を巻き取る動作を停止させ、前記右近接信号を受信すると前記右側紐状部材を巻き取る動作を停止させる制御を行い、外部から、前記物干し竿を、前記原点高さよりも低い高さである指定高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材を巻き取る動作又は巻き戻す動作を開始させ、前記物干し竿の前記左側部位及び右側部位を、前記指定高さに対応した高さに各々移動させる制御を行う請求項1記載の物干し装置。
【請求項3】
前記制御部は、外部から、前記物干し竿を収納高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記物干し竿を前記原点高さに移動させる旨の指令を受信した時と同じ制御を行う請求項2記載の物干し装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記左側ドラム装置が前記左側紐状部材を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数、及び前記右側ドラム装置が前記右側紐状部材を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数を検出し、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の両方が動作している時、双方の前記回転速度及び動作開始からの前記回転回数が互いに等しくなるように制御する請求項1又は2記載の物干し装置。
【請求項5】
前記電源部は、バッテリを備え、前記バッテリを電源として前記動作用電圧を生成し、前記筐体内の各部材に向けて出力する請求項1又は2記載の物干し装置。
【請求項6】
前記電源部には、前記筐体の外部からの前記バッテリの充電を可能にする充電用インターフェイスが設けられている請求項5記載の物干し装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電源部の動作を監視し、異常が検出されると、左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の動作を強制停止させる請求項1又は2記載の物干し装置。
【請求項8】
前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材の上端部は、前記構造物の下面側に、左側固定具及び右側固定具を介して各々固定され、
前記左側固定具は、前記構造物の下面に固定される左側本体部材と、前記左側紐状部材の上端部に取り付けられ、前記左側本体部材の係合受け部に着脱可能な左側係合部材とで構成され、
前記右側固定具は、前記構造物の下面に固定される右側本体部材と、前記右側紐状部材の上端部に取り付けられ、前記右側本体部材の係合受け部に着脱可能な右側係合部材とで構成される請求項1又は2記載の物干し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井等の構造物の下面側に設置して使用される物干し装置に関し、特に、使用者の指令を受けて物干し竿を昇降させる機能を備えた物干し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、物干し竿と、2つの紐状部材により物干し竿を昇降可能に吊り下げる装置本体とを備えた物干し装置があった。装置本体は、外形が物干し竿よりも少し短くて低背な略長方形で、平坦な裏面側が天井等の下面に固定される。装置本体の内部には、2つの紐状部材に対して、モータ等で駆動されて巻き取り及び繰り出しを行うボビン、第一掛架部、第二掛架部及び位置変更部等が各々設けられ、2つのボビンは、1つのシャフトが共通の回転軸となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の物干し装置は、ほぼ平坦で水平な天井等に設置されることが前提の設計になっており、凸凹した天井や傾斜している天井等に設置して使用することは考慮されていない。
【0005】
また、施工時、装置本体の内部機器に電源を供給するため、天井配線等の電気工事が必要なので、非常に手間が掛かる。また、物干し装置を特定の部屋に設置してしまうと、別の部屋に移設する時は電気工事をやり直す必要があるので、例えば「今日は来客があるので、洗濯物は別の部屋で乾かしたい。」と思っても、簡単には実現することができない。
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、非常に使い勝手が良く、様々な構造物の下面側に設置でき、設置場所の変更も容易な物干し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、天井等の構造物の下面側に設置して使用される物干し装置であって、
物干し竿と、上端部が前記構造物の下面側に固定され、前記物干し竿の長さ方向の特定の部位である左側部位を吊り下げて支持する左側紐状部材と、上端部が前記構造物の下面側に固定され、前記物干し竿の、前記左側部位から長さ方向に離れた部位である右側部位を吊り下げて支持する右側紐状部材とを備え
前記物干し竿は、両端部が閉鎖され又は開放された長尺な筒状外形の筐体を有し、前記筐体は、前記左側部位の上面に、前記左側紐状部材を内部に取り込むための左側透孔が形成され、前記右側部位の上面に、前記右側紐状部材を内部に取り込むための右側透孔が形成されており、
前記筐体の内部に、前記左側透孔を通じて取り込まれた前記左側紐状部材を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラムを有した左側ドラム装置と、前記右側透孔を通じて取り込まれた前記右側紐状部材を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラムを有した右側ドラム装置と、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の動作を制御する制御部と、前記筐体内の各部材に動作用電圧を供給する電源部とが設けられ、
前記制御部は、前記左側紐状部材を巻き取る動作及び巻き戻す動作と、前記右側紐状部材を巻き取る動作及び巻き戻す動作とが連動して行われるように、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置を制御する物干し装置である。
【0008】
前記物干し竿が原点高さに水平に配置された時の前記左側部位の高さを左側原点高さ、前記右側部位の高さを右側原点高さとし、
前記左側紐状部材の途中の位置、又は前記構造物の、前記左側紐状部材が固定されている位置の近傍に、前記左側原点高さを規定する左側原点部材が取り付けられ、前記物干し竿の前記左側透孔の近傍に、前記左側原点部材を検出対象とし、前記左側部位と前記左側原点部材との離間距離が基準値以下になると左側近接信号を出力する左側原点検出装置が設置され、前記右側紐状部材の途中の位置、又は前記構造物の、前記右側紐状部材が固定されている位置の近傍に、前記右側原点高さを規定する右側原点部材が取り付けられ、前記物干し竿の前記右側透孔の近傍に、前記右側原点部材を検出対象とし、前記右側部位と前記右側原点部材との離間距離が基準値以下になると右側近接信号を出力する右側原点検出装置が設置されており、
前記制御部は、外部から、前記物干し竿を前記原点高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材を巻き取る動作を開始させ、前記左近接信号を受信すると前記左側紐状部材を巻き取る動作を停止させ、前記右近接信号を受信すると前記右側紐状部材を巻き取る動作を停止させる制御を行い、外部から、前記物干し竿を、前記原点高さよりも低い高さである指定高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材を巻き取る動作又は巻き戻す動作を開始させ、前記物干し竿の前記左側部位及び右側部位を、前記指定高さに対応した高さに各々移動させる制御を行う。
【0009】
前記制御部は、外部から、前記物干し竿を収納高さに移動させる旨の指令を受信すると、前記物干し竿を前記原点高さに移動させる旨の指令を受信した時と同じ制御を行うようにすることが好ましい。また、前記制御部は、前記左側ドラム装置が前記左側紐状部材を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数、及び前記右側ドラム装置が前記右側紐状部材を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数を検出し、前記左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の両方が動作している時、双方の前記回転速度及び動作開始からの前記回転回数が互いに等しくなるように制御するようにすることが好ましい。
【0010】
前記電源部は、バッテリを備え、前記バッテリを電源として前記動作用電圧を生成し、前記筐体内の各部材に向けて出力する構成にすることが好ましい。この場合、前記電源部には、前記筐体の外部からの前記バッテリの充電を可能にする充電用インターフェイスが設けられていることが好ましい。
【0011】
前記制御部は、前記電源部の動作を監視し、異常が検出されると、左側ドラム装置及び前記右側ドラム装置の動作を強制停止させるようにすることが好ましい。また、前記左側紐状部材及び前記右側紐状部材の上端部は、前記構造物の下面側に、左側固定具及び右側固定具を介して各々固定され、前記左側固定具は、前記構造物の下面に固定される左側本体部材と、前記左側紐状部材の上端部に取り付けられ、前記左側本体部材の係合受け部に着脱可能な左側係合部材とで構成され、前記右側固定具は、前記構造物の下面に固定される右側本体部材と、前記右側紐状部材の上端部に取り付けられ、前記右側本体部材の係合受け部に着脱可能な右側係合部材とで構成されるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の物干し装置は、左側及び右側ドラム装置、制御部及び電源部が物干し竿の内部に設けられ、天井等の構造物の下面側に固定されるのは左側及び右側紐状部材の上端部だけ(又は、左側及び右側固定具だけ)なので、凸凹した天井や傾斜している天井等にも容易に設置することができる。
【0013】
また、動作用電圧は、吊り下げられた物干し竿だけに供給すればよいので、例えば、家庭用のコンセントから電源ケーブルを通じて物干し竿に給電することができる。また、電源部にバッテリを内蔵させ、未使用時、物干し竿を手の届く高さに降ろした状態でバッテリ充電装置を接続してバッテリを充電し、使用時に、バッテリ充電装置を取り外してワイヤレスで動作させることも可能である。したがって、施工時に特別な電気工事が不要であり、設置場所の変更も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の物干し装置の一実施形態を、下面側が傾斜している構造物に設置した状態を示す正面図(a)、物干し竿の外観を示す斜視図(b)である。
【
図2】
図1(b)の物干し竿の、制御系及び電気系のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1(b)の物干し竿の、筐体内部の構造を示す斜視図である。
【
図4】
図3(a)の中のA部を拡大した斜視図である。
【
図5】
図3(a)の中のB部を拡大した斜視図である。
【
図6】
図3(a)の中のC部を拡大した斜視図である。
【
図7】
図1(a)の左側原点部材を拡大した正面図(a)、さらに拡大した斜視図(b)である。
【
図8】
図1(a)の左側固定具を拡大した正面図(a)、左側固定具の内部構造を示す断面図(b)である。
【
図9】この実施形態の物干し装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図7に示す左側原点部材の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の物干し装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の物干し装置10は、構造物(部屋の天井等)の下面側に設置して使用される装置であり、例えば、下面が傾斜した構造物KB1に設置されると、
図1(a)に示すような状態になる。
【0016】
<物干し装置10の構成の概要>
まず、
図1(a)、(b)に基づいて、物干し装置10の構成の概要を簡単に説明する。ここでは、説明を分かりやすくするため、横方向に離れて位置する2つの部材及び部位を、「左側」と「右側」と表して区別する。この表記は、「前側」と「後側」等と読み替えても意味は同じである。
【0017】
物干し装置10は、物干し竿12と、左側紐状部材14(L)及び右側紐状部材14(R)とを備えている。物干し竿12は、洗濯物を掛けて干すための棒状の部材である。左側紐状部材14(L)は、柔軟な金属ワイヤ等であり、上端部が左側固定具16(L)を介して構造物KB1の下面側に固定され、物干し竿12の長さ方向の特定の部位である左側部位18(L)を吊り下げて支持する。同様に、右側紐状部材14(R)は、上端部が右側固定具16(R)を介して構造物KB1の下面側に固定され、物干し竿12の右側部位18(R)を吊り下げて支持する。
【0018】
物干し竿12は中空の筐体20を有し、筐体20の内部に、ドラム装置や回路基板等の複数の機器が収容されている。筐体20は、長尺な筒状本体20aと、筒状本体20aの両端部を閉鎖する一対のキャップ20b(L),20b(R)とで構成され、筒状本体20aは、左側部位18(L)の上面に、左側紐状部材14(L)を内部に取り込むための左側透孔22(L)が形成され、右側部位18(R)の上面に、右側紐状部材14(R)を内部に取り込むための左側透孔22(R)が形成されている。筐体20の内部の機器については、後で詳しく説明する。
【0019】
左側紐状部材14(L)の途中の位置には、左側原点高さHG(L)を規定する左側原点部材24(L)が取り付けられ、右側紐状部材14(R)の途中の位置には、右側原点高さHG(R)を規定する右側原点部材24(R)が取り付けられている。左側原点高さHG(L)とは、物干し竿12が原点高さHGに水平に配置された時の左側部位18(L)の高さで、右側原点高さHG(R)とは、物干し竿12が原点高さHGに水平に配置された時の右側部位18(R)の高さである。
【0020】
物干し竿12の左側透孔22(L)の近傍には、左側原点検出装置26(L)が設置されている。左側原点検出装置26(L)は、左側原点部材24(L)を検出対象とし、左側部位18(L)と左側原点部材24(L)との離間距離が基準値以下になると左側近接信号SK(L)を出力する装置である。また、物干し竿12の右側部位18(R)の上面には、右側原点検出装置26(R)が設置されている。右側原点検出装置26(R)は、右側原点部材24(R)を検出対象とし、右側部位18(R)と右側原点部材24(R)との離間距離が基準値以下になると右側近接信号SK(R)を出力する部材である。以下、上記の各部材の詳細な構造と機能を順に説明する。
【0021】
<物干し竿12>
物干し竿12の内部の構成を、
図2のシステム構成図及び
図3~
図6の構造図に基づいて詳しく説明する。
【0022】
筐体20の内部には、左側及び左側ドラム装置28(L),28(R)が設けられている。左側ドラム装置28(L)は、
図3及び
図4に示すように、左側透孔22(L)を通じて取り込まれた左側紐状部材14(L)を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラム30(L)と、回転ドラム30(L)を駆動するモータ装置32(L)とで構成され、モータ装置32(L)は、電動モータ32a(L)と電動モータ32a(L)を回転ドラム30(L)に接続するギアボックス32b(L)とで構成される。さらに、電動モータ32a(L)の端部には、回転ドラム30(L)の回転速度及び回転回数を検出するためのエンコーダ部材34(L)が装着されている。このエンコーダ部材34(L)は、後述する制御部34の一部である。
【0023】
右側ドラム装置28(R)も左側ドラム装置28(L)とほぼ同じ構成である。すなわち、右側ドラム装置28(R)は、
図3及び
図5に示すように、左側透孔22(R)を通じて取り込まれた右側紐状部材14(R)を巻き取る又は巻き戻すための回転ドラム30(R)と、回転ドラム30(R)を駆動するモータ装置32(R)とで構成され、モータ装置32(R)は、電動モータ32a(R)と電動モータ32a(R)を回転ドラム30(R)に接続するギアボックス32b(R)とで構成される。さらに、電動モータ32a(R)の端部には、回転ドラム30(R)の回転速度及び回転回数を検出するためのエンコーダ部材34(R)が装着されている。このエンコーダ部材34(R)も、後述する制御部34の一部である。
【0024】
その他、筐体20の内部には、制御部34と電源部42とが設けられている。制御部34は、左側及び左側ドラム装置28(L),28(R)の動作を制御するブロックで、使用者が外部機器36を操作して送信した指令(例えば、赤外線信号)を受信し、その指令に基づいて左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)を動作させる。使用者からの指令の内容については、後で説明する。
【0025】
制御部34は、モータ装置32(L),32(R)の動作させる時、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)を巻き取る動作及び巻き戻す動作が連動して行われるように制御する。具体的には、エンコーダ部材34(L)を通じて左側紐状部材14(L)を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数の情報JK(L)を取得し、エンコーダ部材34(R)を通じて右側紐状部材14(R)を巻き取る時及び巻き戻す時の回転速度と回転回数の情報JK(R)を取得し、左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)の両方が動作している時、常に双方の回転速度及び動作開始からの回転回数が互いに等しくなるように制御する(以下、同期制御と称する)。
【0026】
また、制御部34は、左側紐状部材14(L)を巻き取る動作を行っている時、左側原点検出装置22(L)から左側近接信号SK(L)を受信すると、使用者の指令に関係なく、左側紐状部材14(L)を巻き取る動作を停止させる。同様に、右側紐状部材14(R)を巻き取る動作を行っている時、右側原点検出装置22(R)から右側近接信号SK(R)を受信すると、使用者の指令に関係なく、右側紐状部材14(R)を巻き取る動作を停止させる。
【0027】
また、制御部34は、電源部42を起動/停止させる機能や、電源部42の動作を監視し、異常が検出されと、左側ドラム装置28(L)及び右側ドラム装置28(R)の動作を強制停止させる保護機能も備えている。
【0028】
制御部34は、大部分が
図3に示す細長い回路基板38に搭載されているが、外部機器36と通信を行う部分(例えば、赤外線通信部)は、
図6に示す小形の回路基板40に搭載されている。
【0029】
電源部42は、筐体20内の各部材に動作用電圧を供給するブロックで、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の充電式のバッテリ44と、バッテリ44の電圧を基に動作用電圧を生成して各部材に分配する分配回路とで構成される。バッテリ44は、
図3に示すように、筒状本体20aの中央部に配置された長い円柱形の部材である。分配回路は、バッテリ44の側方にある回路基板38に搭載されている。
【0030】
また、電源部42には、筐体20の外部からのバッテリ44の充電を可能にする充電用インターフェイスが設けられている。充電用インターフェイスは、ここでは、バッテリ充電装置の出力ケーブルを接続するためのコネクタ46で、コネクタ46は、
図6に示すように、キャップ20b(L)の内側に設置された回路基板40に実装され、キャップ20b(L)に貫通形成された透孔を通じて外部から接続可能になっている。
【0031】
<左側及び右側原点部材24(L),24(R)>
左側原点部材24(L)は、合成樹脂製の略円柱形の部材で、
図7に示すように、上下の端部に、外周面から中心軸に向かって半径方向に延びるスリット24a(L),24b(L)が設けられ、スリット24a(L)と24b(L)との間の位置に、バネ性を有した左右一対の挟持板24c(L)が設けられている。そして、左側原点部材24(L)を左側紐状部材14(L)に取り付けた状態で、左側紐状部材14(L)は、スリット24a(L),24b(L)を通じて左側原点部材24(L)のほぼ中心軸の位置に配されて、一対の挟持板24c(L)によって強く挟持され、左側原点部材24(L)の位置が固定される。そして、下面24d(L)が、上述した左側原点高さHG(L)を規定する面となる。
【0032】
右側原点部材24(R)は、左側原点部材24(L)と同一部材であり、同じように右側紐状部材14(R)に取り付けられ、下面24d(R)が、上述した右側原点高さHG(R)を規定する面となる。
【0033】
<左側及び右側原点検出装置26(L),26(R)>
左側原点検出装置26(L)は、
図3及び
図4に示すように、筐体20の左側部位18(L)にある左側透孔22(L)の近傍に設置されており、カバー26a(L)の内側に、一端部が軸支されて上下に揺動可能なトリガ部材26b(L)が設けられ、トリガ部材26b(L)の他端部の上面に立設された接触部26c(L)がカバー26a(L)の開口部を通じて上方に突出している。さらに、トリガ部材26b(L)の位置に応じて電気接点がオン又はオフするスイッチ(図示せず)と、このスイッチの状態に応じて動作する信号出力回路(図示せず)とが設けられている。
【0034】
左側部位18(L)が上昇し、接触部26c(L)が左側原点部材24(L)の下面24d(L)に接触すると、トリガ部材26b(L)が下向きに移動してスイッチの電気接点がオン又はオフに反転し、信号出力回路が上述した左側近接信号SK(L)を出力する。
【0035】
右原点検出装置26(R)は、
図3及び
図5に示すように、左側原点検出装置26(L)と同様の部材である。そして、右側部位18(R)が上昇し、接触部26c(R)が右側原点部材24(R)の下面24d(R)に接触すると、トリガ部材26b(R)が下向きに移動してスイッチの電気接点がオン又はオフに反転し、信号出力回路が上述した右側近接信号SK(R)を出力する。
【0036】
<左側及び右側固定具16(L),16(R)>
左側固定具16(L)は、左側紐状部材14(L)の上端部を構造物KB1の下面側に着脱可能に固定する部材で、
図8(a)、(b)に示すように、左側本体部材48(L)と左側係合部材50(L)とで構成される。左側本体部材48(L)は、上面が構造物KB1の下面に固定される中空の箱形の部材で、下面の一端部に差し込み口48a(L)が設けられ、下面の中央部に、差し込み口48a(L)に連続する幅狭な吊り下げ口48b(L)設けられている。
【0037】
左側係合部材50(L)は、小形のボビンのような形状の部材で、同軸の大径部50a(L)、小径部50b(L)及び大径部50c(L)が順に設けられている。大径部50a(L)は、左側本体部材48(L)に着脱される部分で、大径部50c(L)は、左側紐状部材14(L)の上端部に取り付けられる部分である。
【0038】
大径部50a(L)は、左側本体部材48(L)の差し込み口48a(L)を通過して左側本体部48(L)の中に収まる大きさで、且つ吊り下げ口48b(L)を通過できない大きさに設定されている。小径部50b(L)は、左側本体部48(L)の差し込み口48a(L)と吊り下げ口48b(L)の両方を通過できる大きさに設定されている。
【0039】
左側係合部材50(L)を左側本体部材48(L)に装着する時は、まず、大径部50a(L)を差し込み口48a(L)に差し込み、次に、差し込んだ大径部50a(L)を吊り下げ口48b(L)の位置にスライドさせる。すると、
図8(b)に示すように、フランジ状の大径部50a(L)が吊り下げ口48b(L)を狭くしている部分(係合受け部48c(L))に係合し、小径部50b(L)が吊り下げ口48b(L)を通じて下方に突出し、左側紐状部材14(L)が吊り下げ支持される。左側係合部材50(L)を左側本体部材48(L)から取り外す時は、上記の逆の操作を行えばよい。
【0040】
左側固定具16(L)は、例えば、本願出願人による特開2018-175628号公報に開示された吊り掛け装置の技術を応用することによって、非常に小型で使い勝手が良いものにすることができる。
【0041】
右側固定具16(R)も同様に、右側紐状部材14(R)の上端部を構造物KB1の下面側に着脱可能に固定する部材である。右側固定具16(R)は、左側固定具16(L)と同一の部材であり、左側本体部材48(L)と同じ構造の右側本体部材48(R)と、左側係合部材50(L)と同じ構造の右側係合部材50(R)とで構成され、着脱する時の操作も同じである。
【0042】
<物干し装置10の動作(代表的な使用例)>
ここで、使用者が外部機器36を操作することによって制御部34に送信できる指令の中の代表的な4つの指令と、その指令を受けた時の物干し装置10の動作を、
図9のフローチャートに基づいて説明する。ここで、物干し装置10の初期状態は、物干し竿12が原点高さHGに水平に配置された状態、すなわち、左側部位18(L)が左側原点高さHG(L)に配され、右側部位18(R)が右側原点高さHG(R)に配された状態とする。
【0043】
第1の指令は、物干し竿12を指定高さHS1(<HG)に移動させる旨の指令である。指定高さHS1は、洗い終わった洗濯物を干すのに都合がよい高さ(例えば、床から1mの高さ)である。指定高さHS1の情報は、あらかじめ制御部34に、制御部34が認識可能な数値情報に変換して登録されており、使用者は、操作ボタンを1プッシュするだけで簡単に指令を送ることができる。
【0044】
物干し装置10(制御部34)は、物干し竿12を指定高さHS1に移動させる旨の指令を受信すると、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)を巻き戻す動作を開始させ、物干し竿12の左側及び右側部位18(L),18(R)を、指定高さHS1に対応した高さに各々移動させる[ステップS11]。
【0045】
第2の指令は、物干し竿12を指定高さHS2(HS1<HS2<HG)に移動させる旨の指令である。指定高さHS2は、洗濯物を乾燥させため放置するのに都合がよい高さであり、上記のように、指定高さHS2の情報は、あらかじめ制御部34に登録されている。
【0046】
物干し装置10(制御部34)は、物干し竿12を指定高さHS2に移動させる旨の指令を受信すると、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)を巻き取る動作を開始させ、物干し竿12の左側及び右側部位18(L),18(R)を、指定高さHS2に対応した高さに各々移動させる[ステップS12]。
【0047】
第3の指令は、物干し竿12を上記の指定高さHS1(<HG)に戻す旨の指令である。指定高さHS1は、乾燥した洗濯物を取り外すのに都合がよい高さである。
【0048】
物干し装置10(制御部34)は、物干し竿12を指定高さHS1に戻す旨の指令を受信すると、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)を巻き戻す動作を開始させ、物干し竿12の左側及び右側部位18(L),18(R)を、指定高さHS1に対応した高さに各々移動させる[ステップS13]。
【0049】
第4の指令は、物干し竿12を収納高さHSxに移動させる旨の指令である。収納高さHSxは、洗濯物を取り外した物干し竿12を退避させる高さ(天井等に近くて視界に入らない高さ)である。ここでは、制御部34に、「収納高さHSx=原点高さHG」と登録してある。
【0050】
物干し装置10(制御部34)は、物干し竿12を収納高さHSxに移動させる旨の指令を受信すると、物干し竿12を原点高さHGに移動させる旨の指令を受信した時と同様の制御を行う。まず、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)を巻き取る動作を開始させる。その後、左側原点位置検出装置26(L)から左側近接信号SK(L)を受信したタイミングで左側紐状部材14(L)を巻き取る動作を停止させ、右側原点位置検出装置26(R)から右側近接信号SK(R)を受信したタイミングで右側紐状部材14(R)を巻き取る動作を停止させる。これで、物干し装置12が収納高さHSx(=HG)に配置されることになる[ステップS14]。
【0051】
ステップS11~S14において、左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)の巻き取り及び巻き戻しの動作は、制御部34が各々の回転速度と回転回数とを検出して同期制御しているので、物干し竿12は水平な状態で移動する。そして、ステップS14の途中、物干し竿12が水平な状態で原点高さHGに達すると、左側及び右側近接信号SK(L),SK(R)が同時に出力され、左右の巻き取り動作が同時に停止することになる。
【0052】
しかしながら、ステップS11~S14を行う過程で、何らかの原因で物干し竿12が傾いてしまい、ステップS14の途中、その傾いた状態で原点高さHGに近づいたとすると、左側及び右側近接信号SK(L),SK(R)が出力されるタイミングにずれが生じ、左右の巻き取り動作が異なるタイミングで停止することになる。
【0053】
例えば、左側部位18(L)が右側部位18(L)よりも高くなった状態で原点高さHGに近づいたとすると、まず、左側近接信号SK(L)が出力されたタイミングで左側の巻き取り動作が停止する。一方、右側近接信号SK(R)が出力されていないので、右側の巻き取り動作は継続され、その後、少し遅れて右側近接信号SK(R)が出力され、右側の巻き取り動作を停止する。したがって、左右の巻き取り動作が停止した時は、物干し竿12は、適切に傾きが補正され、収納高さHSx(=HG)に水平に配置される。
【0054】
このように、「収納高さHSx=原点高さHG」と登録すると、物干し竿12を収納高さHSxに収納する毎に、物干し竿12の傾きが補正され、且つ左右の巻き取り動作を行う制御部34の原点調整を行うことができるので、次回以降のステップS11~S13を高い精度で実行することができる。
【0055】
<物干し装置10の動作(その他の使用例)>
上記の動作説明で、指定高さHS1,HS2は、あらかじめ制御部34に、制御部34が認識可能な数値情報に変換して登録されているとした。この指定高さHS1,HS2は、例えば物干し装置10の製造工場でデフォルト設定された標準的な高さであり、使用者が自分の好みの高さに変更登録することも可能である。
【0056】
上記のステップS11~S13の説明では、指定高さHS1,HS2は、例えば「床から1mの高さ」のように絶対的な高さとして登録するとしたが、指定高さは、「今の高さより50mm上方の高さ」とか「今の高さより30mm下方の高さ」のように相対的な高さとして登録することも可能である。このように登録すれば、使用者は、操作ボタンを何回かプッシュすることによって、物干し竿12を少しずつ移動させ、物干し竿12の高さを適宜の高さに調整することが可能になる。あるいは、使用者が操作ボタンを押し続けている間、物干し竿12の上昇又は低下を継続させ、操作ボタンを押すのを止めた位置を指定高さと認識して物干し竿12を停止させるようにしてもよい。
【0057】
また、上記のステップS14の説明では、「収納高さHSx=原点高さHG」と登録するとしたが、収納高さHSxは、上記の指定高さHS1,HS2,・・・(<HG)の中の1つとして登録して使用してもよい。ただし、このようにすると、ステップS14を行った時に物干し竿12の傾きの補正が行われず、制御部34の原点調整もできなくなるので、ステップS11~S14を何十回も繰り返すうちに誤差が蓄積し、高精度な制御ができなくなる可能性がある。この問題は、制御部34が左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)の回転速度や回転回数を検出して同期制御を行ったとしても、完全に回避することは難しい。したがって、このような使い方をする時は、使用者が、時々(例えば1~2か月に1回程度)、物干し竿12を原点高さHGに移動させる旨の指令を送り、原点調整を行うことが好ましい。
【0058】
以上説明したように、物干し装置10は、左側及び右側ドラム装置28(L),28(R)、制御部34、電源部42が物干し竿12の内部に設けられ、構造物KB1の下面側に固定されるのは左側及び右側紐状部材14(L),14(R)の上端部だけなので、凸凹した天井や傾斜している天井等にも容易に設置することができる。
【0059】
物干し装置10は、左側及び右側紐状部材14(L),14(R)の上端部を、左側及び右側固定具16(L),16(R)を介して着脱可能に固定する構成なので、各固定具の本体部材(左側及び右側本体部材48(L),48(R))を複数の部屋の天井に取り付けておけば、物干し装置10を自由に移設することができる。
【0060】
物干し装置10は、電源部42にバッテリ44を内蔵し、未使用時、物干し竿12を手の届く高さに降ろした状態で、バッテリ充電装置の出力ケーブルをコネクタ46に接続してバッテリ44を充電し、使用時は、バッテリ充電装置を取り外してワイヤレスで動作させる構成になっている。したがって、施工時に特別な電気工事が不要であり、設置場所の変更も容易である。
【0061】
なお、本発明の物干し装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の物干し装置10の説明は、下面が傾斜している構造物KB1に設置される場合を想定して説明したが、下面が水平な場合も同様の方法で設置することができる。また、下面が水平な場合は、左側及び右側原点部材は、左側及び右側紐状部材の途中の位置に固定するのではなく、構造物に直接固定してもよい。あるいは、左側及び右側固定具に固定することも可能であり、例えば
図10に示すように、構造物KB2に設置された左側及び右側固定具16(L),16(R)に、四角形のブロック体で成る左側及び右側原点部材52(L),52(R)を装着し、左側及び右側原点部材52(L),52(R)の下面52a(L),52a(R)で左右の原点高さHG(L),HG(R)を規定するようにすることができる。また、条件が合えば、左側及び右側固定具16(L),16(R)を左側及び右側原点部材として兼用し、左側及び右側固定具16(L),16(R)の特定部位の下面で左右の原点高さHG(L),HG(R)を規定するようにしてもよい。
【0062】
物干し装置を移設する必要がない時は、左側及び右側紐状部材の上端部は、左側及び右側固定部を介して着脱可能にするのではなく、構造物の下面に取り付けたフックに引っ掛けて固定したり、横梁に縛り付けて固定したりすることも可能である。
【0063】
上記の左側及び右側原点検出装置22(L),22(R)は、検出対象物である左側及び右側原点部材24(L),24(R)との位置関係を接触式で検出する構成であるが、例えば公知の近接センサ(誘導型、静電容量型、磁気式等)を使用して非接触式で検出する構成してもよい。
【0064】
上記の電源部42は、筐体20の外部からのバッテリ44の充電を可能にする充電用インターフェイスとして、充電装置の出力ケーブルを接続するコネクタ46が設けられている。この充電用インターフェイスの形態は、充電方法に応じて適宜変更されるものであり、例えば、非接触充電システムを使用して充電する場合は、充電用インターフェイスとして、送電側機器からの送電を受ける受電側機器(受電用コイル等)を設ければよい。
【0065】
使用者が外部機器を操作して制御部に送信する指令は、無線で伝達されることが好ましいが、有線で伝達される構成にしてもよい。また、物干し竿内の機器に供給される動作用電圧は、物干し竿12内の電源部42のバッテリ44から分配することが好ましいが、外部から有線で電源を供給し、それを電源部42が分配する構成にしてもよい。
【0066】
図3~
図6に物干し竿12の内部構造を示しているが、これはあくまでも一例であり、物干し差内の各機器の構造や配置は、状況に合わせて適宜変更されるものである。つまり、物干し差内の各機器の構造や配置は、物干し竿の仕様に基づいて決定される筐体のサイズ(長さ、太さ、重量)や、十分なパワーで巻き取り及び巻き戻し動作を行うために必要なドラム装置のサイズや、制御部や電源部を構成する部品の数や大きさによって決まる回路基板のサイズや、工場等で物干し竿を効率よく製造するための組み立て手順等、諸事情を考慮して最適化すればよい。
【符号の説明】
【0067】
10 物干し装置
12 物干し竿
14(L) 左側紐状部材
14(R) 右側紐状部材
16(L) 左側固定具
16(R) 右側固定具
18(L) 物干し竿の左側部位
18(R) 物干し竿の右側部位
20 筐体
22(L) 左側透孔
22(R) 右側透孔
24(L),52(L) 左側原点部材
24(R),52(R) 右側原点部材
26(L) 左側原点検出装置
26(R) 右側原点検出装置
28(L) 左側ドラム装置
28(R) 右側ドラム装置
34 制御部
42 電源部
44 バッテリ
46 コネクタ(充電用インターフェイス)
48(L) 左側本体部材(左側固定具)
48c(L) 係合受け部(左側固定具)
48(R) 右本体部材(右側固定具)
48c(R) 係合受け部(右側固定具)
50(L) 左側係合部材(左側固定具)
50(R) 右側係合部材(右側固定具)
KB1,KB2 構造物