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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095590
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】油性組成物、または化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20240703BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/29
A61K8/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216624
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2022211936
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】林 由香
(72)【発明者】
【氏名】石附 奈央
(72)【発明者】
【氏名】吉田 祥麻
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB432
4C083AB442
4C083AB472
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC441
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC642
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC862
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD222
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD412
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD662
4C083BB13
4C083BB25
4C083CC03
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD30
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】 本発明により、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーで球状粉体を均一に表面処理した粉体を用いることで、25℃で液状の油剤中における平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体による凝集を抑制しつつ、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマー自体の分散性も維持するという、分散性の向上効果をもたらし、肌へ塗布した際の柔らかな感触、伸び広がりの良さに優れる油性組成物、及びそれを含有する化粧料を提供するものである。
【解決手段】次の成分(A)~(C);(A)成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体(B)平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体(C)25℃で液状の油剤を含有し、前記成分(A)に対する成分(B)の含有質量割合、(B)/(A)=0.1~20である油性組成物、及びそれを含有する化粧料である。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体。
(B)平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体
(C)25℃で液状の油剤
を含有し、前記成分(A)に対する成分(B)の含有質量割合、(B)/(A)が0.1~20である油性組成物。
【請求項2】
前記成分(A)が、さらに成分(a3)不揮発性シリコーン油を含有する請求項1に記載の油性組成物。
【請求項3】
前記成分(A)が、さらに成分(a4)炭素数14~45の炭化水素基を有する、エステル、脂肪酸またはその塩、セラミド、及びリン脂質から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項4】
前記成分(C)が、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、及びシリコーン油から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項5】
さらに、成分(D)界面活性剤として、ポリヒドロキシステアリン酸、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項6】
前記成分(A)が、前記成分(a2)に前記成分(a1)と揮発性油剤を用いて表面被覆されたのちに、さらに前記揮発性油剤を蒸発させて得られるものである請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項7】
前記成分(A)において、前記成分(a2)に前記成分(a1)が乾式表面被覆された請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項8】
さらに、成分(E)皮膜形成剤として、(メタ)アクリル酸系皮膜形成剤、およびシリコーン系皮膜形成剤から選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項9】
前記油性組成物が化粧料である請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項10】
前記化粧料が、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、及び油性化粧料から選ばれる1種又は2種以上である請求項9に記載の油性組成物。
【請求項11】
成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体を有効成分とする粉体分散剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性組成物、または化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スキンケア化粧料やメイクアップ化粧料では、リキッドや固形など様々な剤型が存在しているが、より塗布時の官能に優れ、より美しい肌を演出すべく検討が重ねられている。特にメイクアップ化粧料に関しては、紫外線遮断能や、金属酸化物などの顔料の分散性と塗布時や塗布後の官能の両立が難しい問題があった。一方、特有の官能とメイクアップ効果を有する架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーは 、乳化化粧料をはじめとする、様々な剤型への配合検討がなされてきた。
具体的には、例えば特許文献1では、粉体の表面を、分散媒中に分散させたシリコーンエラストマーにせん断力を加えることにより凝集塊を粉砕したシリコーンエラストマー粉砕物溶液で被覆処理して得られる表面被覆粉体を含有することにより、しっとりとした感触を有し、滑らかで均一な仕上がりで、化粧もちに優れた化粧料が提案されている。
また、例えば特許文献2のように、特定の酸化チタンと、架橋型オルガノポリシロキサンと、球状シリコーン弾性粉体を特定量で組み合わせることにより、経時での毛穴の目立ちを抑制し、塗布時のすじムラを抑え、カバー力を高め、均一で自然な仕上がりにできる油中水型乳化化粧料が提案されている。
また、特許文献3のようにパール剤として酸化チタン被覆板状無機粉体を用い、これと赤酸化鉄顔料を組み合わせ、更に部分架橋ポリオキシアルキレン変性ポリオルガノシロキサンを用いることにより、パール剤と赤酸化鉄の分散性が良好で、スティック外観のパール感が鮮明であり、塗布時にざらつかずに感触に優れた口紅組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-163375号公報
【特許文献2】特開2019-26620号公報
【特許文献3】特開2003-171233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1においては、シリコーン重合物の水分散液を予め作成して粉体表面に被覆することで均一に処理する方法がとられていたが、予め分散液にする手順や、添加剤として乳化剤が必要となる場合もあり、被覆の効率化と、組成物への配合の均一性の点において欠点を有していた。
また、例えば特許文献2においては、特定の酸化チタンのすじムラが目立たない効果はあっても、本発明のような予め架橋型オルガノポリシロキサンが被覆された表面被覆粉体が、酸化チタンの凝集を抑制するという着眼点は見出されてはいなかった。また伸び広がりの面で満足できるものではなかった。また、架橋型オルカノポリシロキサン自体の長期保存下での凝集も抑制できるものではなかった。
また、特許文献3においても、顔料の分散性、架橋型オルカノポリシロキサンの凝集に関して満足できるものではなかった。
従って、本発明の課題は架橋型オルカノポリシロキサン自体の分散性の向上と、着色粉体の分散性を有し、塗布時の柔らかな感触と適度なおさまりに優れる油性組成物、及び/又は化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情を鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーで球状粉体を均一に表面被覆した粉体を用いることで、25℃で液状の油剤中における平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体の凝集を抑制し、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマー自体の分散性も維持するという、多面的な分散性の向上効果に優れ、肌へ塗布した際の柔らかな感触、塗布膜が自然に違和感なく形成される、適度なおさまりに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は
[1]
次の成分(A)~(C);
(A)成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体。
(B)平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体
(C)25℃で液状の油剤
を含有し、前記成分(A)に対する成分(B)の含有質量割合、(B)/(A)が0.1~20である油性組成物である。
[2]
前記成分(A)が、さらに成分(a3)不揮発性シリコーン油を含有する[1]に記載の油性組成物である。
[3]
前記成分(A)が、さらに成分(a4)炭素数14~45の炭化水素基を有する、エステル、脂肪酸またはその塩、セラミド、及びリン脂質から選ばれる1種または2種以上を含有する[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[4]
前記成分(C)が、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、及びシリコーン油から選ばれる1種または2種以上を含有する[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[5]
さらに、成分(D) 界面活性剤として、ポリヒドロキシステアリン酸、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含有する[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[6]
前記成分(A)が、前記成分(a2)に前記成分(a1)と揮発性油剤を用いて表面被覆されたのちに、さらに前記揮発性油剤を蒸発させて得られるものである[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[7]
前記成分(A)において、前記成分(a2)に前記成分(a1)が乾式表面被覆された[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[8]
さらに、成分(E)皮膜形成剤として、(メタ)アクリル酸系皮膜形成剤、およびシリコーン系皮膜形成剤から選ばれる1種または2種以上を含有する[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[9]
前記油性組成物が化粧料である[1]又は[2]に記載の油性組成物である。
[10]
前記化粧料が、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、及び油性化粧料から選ばれる1種又は2種以上である[9]に記載の化粧料である。
[11]
成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体を有効成分とする粉体分散剤である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる、凝集が少なく柔らかい感触を有する表面被覆粉体を配合することにより、長期保管による凝集が起きやすい、架橋型オルガノポリシロキサンエラストマー自体の分散性の向上と、平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体の分散性を向上させるという二つの分散性の向上を具現化し、肌へ塗布した際の柔らかな感触、適度なおさまりに優れる油性組成物、およびそれを含有する化粧料を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】表面被覆粉体(A)製造例1の電子顕微鏡画像である。
図2】油中水型乳化化粧料(リキッドファンデーション)における分散性を示す写真画像(実施例3、13-2、比較例4、5)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明に用いられる粉体の「平均粒子径」とは、画像解析法を用いて評価したメジアン径D50値である。ただし、本発明に用いられる表面被覆粉体の「平均粒子径」とは、粒度分布計(LA-960、HORIBA社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。表面被覆粉体以外の粉体の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM-7800prime)を用いて、表面状態を観察し、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による長径測定により1000個の測定により求めた個数平均値(D50)を用いるものである。
【0010】
<表面被覆粉体(A)>
本発明に用いられる成分(A)の表面被覆粉体は、成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーを成分(a2)平均粒子径0.5~50μmの球状粉体に被覆してなる表面被覆粉体である。本発明の柔らかな感触の効果は、成分(A)において、成分(a1)のみより芯がある使用感で、成分(a2)単独よりかさ高くふんわり柔らかな感触が出るため、表面被覆粉体成分(A)であることで発現する特有のものである。
【0011】
成分(A)に用いられる成分(a1)架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーは、オルガノポリシロキサン鎖を架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物である。これは、例えば、特公平8-6035号公報、特開平4-272932号公報、特開平5-140320号公報、特開2001-342255号公報、国際公開第2003/024413号パンフレットに記載されている。
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a1)の架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えば、次の(X)に示されるケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(Y)に示されるビニル基を含有する化合物との付加重合によって得ることができる。
【0012】
(X)は、SiO単位、HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、R2SiO単位、R3SiO0.5単位及びR2HSiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換もしくは非置換の炭素数1~30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等である。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0013】
(Y)は次の(Y-1)~(Y-3)から選ばれる1種又は2種以上である。
(Y-1)は、SiO単位、(CH=CH)SiO1.5単位、R(CH=CH)SiO単位、R2(CH=CH)SiO0.5単位、RSiO1.5単位、R2SiO単位、R3SiO0.5単位及び(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く置換もしくは非置換の炭素数1~30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基や、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等が挙げられる。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つ分子中にケイ素原子に結合したビニル基を平均で1.5個以上含有するオルガノポリシロキサンである。
(Y-2)は、下記一般式(2)で表わされるポリオキシアルキレンである。
2m-1O(CO)(CO)2m-1(2)
(式中、pは2~200の整数、qは0~200の整数、p+qは3~200の整数、mは2~6をそれぞれ示す)
(Y-3)は、下記一般式(3)で表される不飽和炭化水素である。
2n-1(CH2n-1(3)
(但し、nは2~6、rは1以上の整数である。)
【0014】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a1)の架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーの形状は問わない。球状でも略球状であっても、効果を大きく損なうことはない。また、母体表面を均一に被覆する上では成分(a1)の大きさの最小単位は(a2)球状粉体の平均粒子径より小さいことが好ましい。
【0015】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a1)としては、特に限定しないが、表示名称としては、架橋型のメチルポリシロキサン、架橋型のメチルフェニルポリシロキサン、架橋型のアルキル変性シリコーン、架橋型のポリエーテル変性シリコーン、および架橋型のポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。
具体的には、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。また、分子中に長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、アルキル(C30-45)セテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマー等の架橋型アルキル変性シリコーンが挙げられる。また、さらに分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。また、さらに分子中にポリグリセリン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。分子中にハロゲン化炭化水素基を含有する重合物としては、例えば、(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型フッ素変性シリコーンが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0016】
また、特に、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーン、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが、肌へ塗布した際の柔らかな感触、適度なおさまりに優れる点でより好ましい。
【0017】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a1)は、シリコーン油、炭化水素油、エステル油などの油剤で膨潤された状態で含有すると、より均一に分散され好ましいため、溶媒との混合物の形態で市販されることが多く、本発明ではそうした市販品を用いることができる。市販品としては、非乳化性架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーとしては、例えば、架橋型メチルポリシロキサンと環状シリコーンとの混合物としてKSG-15(固形分5%)(信越化学工業社製)、架橋型メチルポリシロキサンと揮発性直鎖シリコーンとの混合物としてDOWSIL EL-9081 Silicone Elastomer Blend(固形分14%)(ダウ・東レ株式会社製)、架橋型メチルポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG-16(固形分20~30%)(信越化学工業社製)、DOWSIL 9040 Silicone Elastomer Blend、DOWSIL EL-8040ID Silicone Organic Blend(いずれも、ダウ・東レ株式会社製)などが挙げられる。架橋型メチルフェニルポリシロキサンとフェニルトリメチコンとの混合物としてKSG-18(固形分10~20%)(信越化学工業社製)、架橋型アルキル変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG-41(固形分25~35%)、KSG-42(固形分20~30%)、KSG-43(固形分25~35%)及びKSG-44(固形分25~35%)、また、架橋型フッ素変性シリコーンは、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン等の環状フッ素含有シリコーンとの混合物として用いられ、例えばKSG-51(固形分15~25%:いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
また、乳化性架橋型オルガノポリシロキサンエラストマーとしては、架橋型ポリエーテル変性シリコーンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG-210(固形分20~30%)(信越化学工業社製)、架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンと油剤との混合物として、KSG-310(固形分25~35%)、KSG-320(固形分20~30%)、KSG-330(固形分15~25%)及びKSG-340(固形分25~35%)(信越化学工業社製)、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンと油剤との混合物としては、KSG-710(固形分20~25%)(信越化学工業社製)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a1)の含有量は特に限定はしないが、固形分として、下限として、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。上限としては、3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらに好ましい。また、0.1~3%が好ましく、0.3~2%がより好ましく、0.5~1.5%がさらに好ましい。この範囲であると、特に柔らかな感触、適度なおさまりに優れるに優れているため好ましい。
【0019】
本発明に用いられる成分(A)中の(a2)は、(a1)で被覆される母粉体であり、平均粒子径0.5~50μmの球状粉体である。本発明の成分(a2)の球状とは、長径と短径の割合が、長径/短径=1.0~1.5の範囲であることが好ましいが、特に限定せず、表面の細かい凹凸や、大きな凹凸の有無、中空、多孔性か無孔性等の表面形状も、特に限定しない。具体的に成分名としてはシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、セルロース、シルク、ナイロン、コーンスターチ等のデンプン、ポリ乳酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリエチレン、ポリウレタン等があげられる。なかでも、マイクロプラスティックではない粉体が好ましく、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の無機粉体、セルロース、シルク、デンプン等の天然由来の有機粉体、ポリ乳酸等の生分解性粉体等が、付着性、凝集のなさに優れているため好ましく、特に、シリカ、又は、セルロース、シルク、デンプン等の天然由来の有機粉体がより好ましく、処理工程中に粒子が破壊されないことが望ましい。粒子の硬さに応じて、処理中の圧力を調整することが好ましい。特にシリカが、処理時の形状維持がしやすいためにさらに好ましい。また、内部に金属酸化物等の無機粉体、または、色素等の有機粉体を含んでいる複合化されたものでもよく、その内部構造は特に限定しない。
【0020】
具体的に成分(a2)の市販品としては、例えば、シリカとしては、Sillica micro bead P-1505 (日揮触媒化成社製)(平均粒子径7.7μm、比表面積160(m2/g))、サンスフェアL-51(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径5μm、比表面積300(m2/g))、サンスフェアL-51(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径3μm、比表面積300(m2/g))、ゴッドボールE-90C(鈴木油脂香料株式会社製)(平均粒子径30μm、比表面積450(m2/g))、サンスフェアNP-200(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径20μm、比表面積100(m2/g))、サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径10μm、比表面積50(m2/g))、サンスフェアNP-30(AGCエスアイテック株式会社製)(平均粒子径4μm、比表面積40(m2/g))、シリカマイクロビードN-1505(日揮触媒化成社製)(平均粒子径10μm)、SILNO350(ABC NANOTECH社製)(平均粒子径9μm)等が挙げられる。セルロースとしては、CELLULOBEADS D-5(レンゴー社製)(平均粒子径10μm)、デンプンとしては、局方コーンスターチ(JPCS-YN)(日本コーンスターチ社製)(平均粒子径15μm)等、ポリ乳酸としては、MAKIBEADS ECO D-5(大東化成工業社製)(平均粒子径5μm)等、ポリウレタンとしては、PLASTIC POWDER CS-400(平均粒子径12μm)、PLASTIC POWDER D-400(平均粒子径15μm)(何れも、根上工業社製)等、ポリエチレンとしては、ミペロン PM-200(平均粒子径μm)(三井化学社製)等、ナイロンとしては、オルガソール2002D(平均粒子径21.5μm)(アトフィナジャパン社製)等、メタクリル酸メチルクロスポリマーとしては、ガンツパールGM-2800(平均粒子径28μm)(アイカ工業社製)、MX-4000(平均粒子径40μm)(綜研化学社製)等が挙げられる。
本発明に用いられる成分(a2)は、予め表面被覆を施しても、未処理のままでも特に限定しない。つまり成分(A)において、成分(a1)と成分(a2)が直接接触しているか否かは特に限定しない。なお、表面被覆粉体(A)として、以下の処理を併用しても構わない。具体的には、例えばシリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、脂肪酸又はその塩による処理、アシル化アミノ酸処理、無機化合物処理などが挙げられ、1種又は2種以上併用されていてもよい。
【0021】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a2)の平均粒子径は、下限としては、0.5μm以上であり、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。上限としては、50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。また、0.5~50μmが好ましく、3~40μmがより好ましく、5~30μmがさらに好ましい。この範囲であると、成分(A)としての被覆時に凝集や破壊が起きにくく、また本発明の油性組成物中での粉体(B)の分散性を高めることができ、適度なおさまりを得られるため好ましい。
【0022】
本発明に用いられる成分(A)において、成分(a2)の平均粒子径D50(a2)に対する、成分(A)の平均粒子径D50(A)の割合、D50(A)/D50(a2)は、特に限定するものではないが、D50(A)/D50(a2)が、4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく3.0以下であることがさらに好ましく、2.0以下であることがよりさらに好ましい。この範囲であると、凝集性のなさがより優れているため、均一な付着性をより維持しやすい。なお、1.0未満の場合は、被覆により成分(a2)が破壊されている可能性があるため、1.0以上であることが好ましい。なお、この範囲になりやすい被覆方法に関しては、乾式被覆が好ましい。具体的には実施例にて記載する。
【0023】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a2)の含有量は、成分(a1)と、以下に述べる成分(a3)、成分(a4)を含み、球状形状を保持できれば、とくに限定しないが、下限として、65%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上がより好ましい。上限としては、99.9%以下が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下がさらに好ましい。これらの範囲であると、分散性の向上の観点から好ましい。
【0024】
本発明に用いられる表面被覆粉体(A)には、さらに(a3)不揮発性シリコーン油を含んでいてもよい。成分(a3)としては通常化粧料に用いられるオルガノポリシロキサン骨格を有する不揮発性の油剤であり、常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない非架橋型のシリコーン油である。具体例としては、直鎖、分岐、環状等のジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等のフェニル変性シリコーン、ステアリルジメチコン、ステアロキシジメチコン、アルキル(C30-45)メチコン、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー等のアルキル変性シリコーン、又はアルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。ジメチコン、フェニル変性シリコーンとしては、室温25℃における動粘度(mm/s)は特に限定しないが、下限としては、6mm/s以上が好ましく50mm/s以上がより好ましく、100mm/s以上がさらに好ましく、上限としては、10000mm/s以下が好ましく、5000mm/s以下がより好ましく、1000mm/s以下がさらに好ましい。アルキル変性シリコーンとしては、融点が10~70℃であってもよく、表面処理する際に加熱工程を経てもよい。具体的には、ステアリルジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー等のアルキル変性シリコーンが好ましい。この成分であると、成分(a1)の柔らかな感触を調整し、成分(a2)表面への付着性を調整することができ、点において好ましい。なお、これらを1種又は2種以上併用してもよい。また、成分(a3)の処理方法としては、成分(a1)で成分(a2)表面に被覆後に成分(a3)を添加してさらに表面被覆しても、成分(a1)、(a3)を予め混合後、成分(a2)の表面に被覆してもどちらでも特に限定しないが、成分(a1)、(a3)を予め均一に混合後処理したほうが、適度なおさまりの観点から好ましい。
【0025】
本発明に用いられる表面被覆粉体(A)中の成分(a3)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)中の、成分(a1)に対する成分(a3)の含有質量割合は、含有質量割合(a3)/(a1)が、0.01~1.00が好ましく、0.03~0.70がより好ましく、0.07~0.30がさらに好ましい。この範囲であれば、柔らかな感触、適度なおさまりの観点から好ましい。
【0026】
本発明に用いられる成分(A)には、さらに、成分(a4)として炭素数14~45の炭化水素基を有する、エステル、脂肪酸またはその塩、セラミド、リン脂質から選ばれる1種または2種以上を含んでいてもよい。これらの成分は、不揮発性である。炭素数14~45の炭化水素基とは、直鎖でも分岐でも、または飽和でも不飽和でも特に限定しない。炭化水素基の鎖長がこの範囲であれば、柔らかな感触、付着性に優れながらも凝集性が少ないため好ましく、化粧持ちも向上させるため、より好ましい。特に炭素数16~24の炭化水素基であると、上記の効果の柔らかな感触と付着性のバランスを取りやすいためより好ましい。
【0027】
本発明に用いられうる成分(a4)の成分を、具体的に説明する。
(エステル)
前記炭化水素基を有し、エステル結合を有する化合物である。以下に挙げる構造は、通常化粧料に使用できる物であれば特に限定されない。例えば多価アルコール、ステロール、糖、ヒドロキシ酸及びアミノ酸から選ばれる1種または2種以上を骨格とするエステルが挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジペンタエリスリトール等が挙げられるが、特に限定しない。また糖類としては、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マルトース、シュークロース、ラクトース、乳糖、ショ糖、果糖、デンプン、デキストリン等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類を挙げることができる。好ましくは多糖であり、より好ましくはデキストリンが用いられる。ステロールとしては、コレステロール、フィトステロールが挙げられる。ヒドロキシ酸としては、具体的には、例えば、炭素数3~6のヒドロキシ酸が好ましく、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。アミノ酸としては、具体的には、例えばグルタミン酸、トリプトファン、メチオニン、グリシルグリシン、アラニン、システイン、バリン、リジン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、フェニルアラニン、グリシン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グリシルグリシン、テアニン等およびこれらの塩、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ラウロイルリシン、N-ミリストイルグルタミン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ステアロイルグルタミン酸2Na等のアミノ酸中のアミノ基の少なくとも一つが、アシル基によりアシル化されたN-アシルアミノ酸等を挙げることができる。中でも化粧料への分散性が高いアシル基によりアシル化されたN-アシルアミノ酸が好ましく、より好ましくはステアロイルグルタミン酸2Naが用いられる。
より具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、リンゴ酸エステル、N-アシルアミノ酸、N-アシルアミノ酸エステル、脂肪酸コレステリルエステル、および脂肪酸フィトステリルエステル等が好ましく挙げられるが、特に限定しない。
(脂肪酸またはその塩)
炭素数14~45の炭化水素基が脂肪酸の場合、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。なお、これらの中でも、付着性の観点から、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸が好ましい。塩は特に限定しない。
(セラミド)
セラミドは、生体内の脂質またはそれに近しい構造、すなわち長鎖アルキル構造と親水基を持つという共通の性質を有する両親媒性物質である。通常化粧料に使用できる物であれば、天然抽出物でも合成物でもよく、具体的には、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン及びそれらの長鎖脂肪酸アミドであるセラミドEOP、セラミドNS、セラミドNG、セラミドNP、セラミドAP等の天然セラミド類、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンのリン脂質誘導体であるスフィンゴミエリン、フィトスフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、それらの配糖体であるセレブロシドやガングリオシド等のスフィンゴ糖脂質及びフィトスフィンゴ糖脂質等を挙げることができる。中でも、天然セラミド類が好ましく、より好ましくはセラミドNGである。
(リン脂質)
リン脂質とは、グリセリン又はスフィンゴシンを中心骨格として脂肪酸とリン酸が結合し、さらにリン酸にアルコールがエステル結合した構造をもつものをいう。リン脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数7~22、好ましくは炭素数14~20の飽和及び不飽和カルボン酸が挙げられる。また、リン脂質を構成するアルコールとしては、窒素が含まれることが多く、このような例としては、コリン、エタノールアミン、イノシトール、セリンがある。
【0028】
本発明に用いられる成分(A)中の成分(a4)の含有量は、特に制限しない。下限として、0.005%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましく、0.05%以上がさらに好ましい。上限としては、5.0%以下が好ましく、3.0%以下がより好ましく、1.0%以下がさらに好ましい。また、0.005~5.0%が好ましく、0.01~3.0%がより好ましく、0.05~1.0%がさらに好ましい。この範囲であると、分散性の向上に優れ、適度なおさまりに優れるため、好ましい。
【0029】
本発明に用いられる成分(A)の処理方法は、従来から組成物や化粧料に使用する粉体の改質の為に使用されている公知の表面被覆処理方法を利用することができる。例えば、溶媒を用いた湿式法、気相中で処理する乾式法等を用いることができる。特に、混合後、分散物化または乾燥して微粉化することが好ましい。機器は特に限定しないが、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ウルトラミキサー、ニーダー等の回転混合機、さらに乾燥状態で粉砕するジェットマイザー、アトマイザー、グラインダー等の乾式粉砕機器、乾式メディアミル等を使用することができる。特に、乾式メディアミルを用いることで、シェアをかけることができ、成分(a1)の分散性を向上させることができるため好ましい。乾式メディアミルとは、粉末状のバルクを粉砕媒体とともに攪拌することで粉砕できる機器のことを指し、具体的にはボールミル(株式会社マキノ製)、遊星型ボールミル(フリッチュ社製)、アトライタ(日本コークス工業社製)、ドライスター(アシザワ・ファインテック株式会社製)、コンバージミル(株式会社真壁技研製)などが挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。特に、遊星型ボールミルにて粉砕する方法が、より凝集が少なく、付着性において均一であり、凹凸カバー力に優れる点から好ましい。なお、処理時間と力は、機器の特性に応じて調整されるものであり、成分(a2)の形状を球状の範囲で変化させないことが好ましい。
【0030】
本発明に用いられる成分(A)は、前記成分(a2)に前記成分(a1)と揮発性油剤を用いて表面被覆されたのちに、さらに前記揮発性油剤を蒸発させて得られるものであることが好ましい。この成分(A)の製造時に使用する揮発性油剤は、処方外成分として使用されるものであり、最終的に、表面被覆粉体(A)中に、実質的に含まない、または微量含んでいても0.1%未満であるものである。揮発性油とは、常温で揮発性を有する油剤をいい、低沸点(常圧での沸点が260℃以下)の、イソパラフィン等の炭化水素油やシリコーン油等の油剤等が好ましく用いられる。低沸点イソパラフィン等の炭化水素油(軽質イソパラフィン)としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。市販品としてアイソパーA、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM(以上、いずれもエクソン社製)、シェルゾール71(シェル社製)、ソルトロール100、ソルトロール130、ソルトロール220(いずれもフィリップ社製)ISODODECANE(INEOS OLIGOMERS)等が挙げられる。揮発性のシリコーン油として、シクロメチコン、低沸点のジメチルポリシロキサンが挙げられる。具体的には、シクロメチコンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられ、市販品としては、例えば、オクタメチルテトラシクロシロキサンとしては、エキセコールD-4(信越化学工業社製)、SH244、SH344(いずれも東レ・ダウコーニング社製〕、デカメチルシクロペンタシロキサンとしては、エキセコールD-5(信越化学工業社製)、SH245、DC345(いずれも東レ・ダウコーニング社製)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンとしては、DC246(東レ・ダウコーニング社製〕等が挙げられる。また、低沸点のジメチルポリシロキサンは、具体的には、KF-96L-2CS、KF-96L-1.5CS、分岐のTMF-1.5(信越化学工業社製)、等が挙げられる。また、エタノールやイソプロパノール等のアルコール溶媒を用いてもよい。特に、水を分散媒として併用して用いる場合は、凝集する可能性が高いため、極性を下げる、低沸点炭化水素油や低沸点ジメチルポリシロキサン、アルコールが好ましく用いられる。必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(A)の処理に用いる揮発性油は、特に限定されるものではないが処理時の(a1)の分散性を上げ、表面処理の均一性を上げる上で(a1)を膨潤させるものが好ましい。
【0031】
本発明に用いられる成分(A)に用いられる揮発性油は、(a1)に流動性を与え、均一な処理を実現するために一時的に用いられてもよい。含有量は特に限定しないが、これらの成分(A)の処理中での流動性は、粉体の吸油量や比表面積に応じて設定される。なかでも、乾式で処理することが好ましい。乾式とは、製造工程(混合)時に、粘土状の1連続層にならないことを意味する。この領域においては、費用、時間、処理時の機器への負荷解消、均一な被覆をより実現しやすい点により好ましい。成分(a1)、場合により(a3)、(a4)、処方外成分(揮発性油剤など)の合計含有質量が、成分(a2)を100質量部に対し、粉体の比表面積や吸油量に応じて適宜調整されるため、おおよそ1~40%であることが好ましいが特に限定しない。吸油量に到達しない領域、つまり、成分(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、処方外成分を含む混合状態が連続層にならない場合に、乾式処理が容易となる。これらの処方外成分の含有量を、成分(a1)~(a4)の均一性と処理効率の両方を考えて調整することが、結果的に均一な被覆や乾燥処理時間の短縮につながるため好ましい。具体的には、揮発性油剤の処理中の含有量は、成分(A)を100%とした場合に、1~30%が好ましく、5~20%がより好ましいが、特に限定されず、成分(a2)に応じて適宜調整されるものであってもよい。
【0032】
本発明の油性組成物における成分(A)の含有量は、特に制限しない。下限として、0.05%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましい。上限としては、60%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。また、0.05~60%が好ましく、0.1~40%がより好ましく、1.0~30%がさらに好ましい。この範囲であると、成分(A)が、成分(C)中での成分(B)の分散性を向上させ、柔らかな感触が優れるため、好ましい。
【0033】
なお、本発明においての成分(A)の粉体分散剤としての効果について述べる。成分(B)の着色粉体の分散性の向上効果が得られる要因は、特に限定はしないが、仮説としては以下のように考えられる。成分(A)として、成分(a2)の粉体表面に成分(a1)が均一に被覆されることで、成分(C)を含む油性組成物中に均一な成分(a1)層が経時安定的に拡散維持されることになり、成分(a1)層が、凝集物になりやすい成分(B)を吸着させ、均一な(a1)層に成分(B)が吸着することで自動的に成分(B)も分散し、成分(B)が安定的に分散性を向上かつ維持する効果を有すると考えられる。つまり、成分(a1)の均一分散が重要であり、成分(a2)が成分(a1)を表面に担持し、一定の大きさの球状形状で凝集しにくいことで、長期分散維持しやすいとも考えられる。単独の成分(a1)を、油性組成物中に一時的に圧力、または界面活性剤等で水相、又は油相に微細分散しても、長期静置により再凝集する課題が発生しやすいため、当該分散性の向上効果は得られにくいと考えられる。以上の考察により、成分(A)は、粉体分散剤としての効果を有していると考える。
【0034】
<成分(B)>
本発明に用いられる成分(B)平均粒子径0.01~1.0μmの着色粉体は、皮膚や毛等への着色効果を有する粉体であり、特に発色効果は限定するものではない。さらに、特にアスペクト比、屈折率、材質は特に限定しないが、成分(a2)の条件以外のものである。例えば、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボンブラック、コンジョウ、群青等の有色顔料、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト 、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の体質粉体、赤色201号 、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色20 4号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、黒色401号、褐色201号、紫 色401号、青色1号、青色2号、青色203号、青色205号、緑色3号、緑色201 号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、黄色4号、黄色5号、 黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号 の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色402号、赤色2号、赤色 3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、赤色2 27号、赤色230号(1)、赤色231号、赤色401号、赤色502号、赤色503 号、赤色504号、赤色506号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等が挙げられる。より好ましくは、金属酸化物、カーボンブラック、コンジョウ、群青等の有色顔料、タール色素が挙げられ、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、タール色素から選ばれる1種又は2種以上をより好ましく用いることができる。この範囲であると、分散性の向上効果を発揮しやすいため好ましい。
【0035】
本発明の油性組成物に用いられる成分(B)は、表面処理剤によって表面被覆されていてもよい。具体的には、無機物被覆としては、ケイ素、アルミニウム、及び鉄から選ばれる1種又は2種以上の酸化物または水酸化物でさらに被覆されているものが好ましい。
また、有機物被覆としては、シリコーン化合物、シラン処理、金属石鹸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、レシチン、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、アミノ酸、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面被覆を施したり、更にこれらを複合化したものを用いても良い。ここで、本発明における表面処理剤の金属石鹸とは、脂肪酸と塩基で中和されたものであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。また、本発明における表面処理剤のアミノ酸とは、テアニン等のアミノ酸だけでなく、アミノ酸の塩やその誘導体も含む。例えば、N-アシル化アミノ酸またはその塩等が挙げられ、具体的には、ステアロイルグルタミン酸2ナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム等が挙げられる。また、本発明における表面処理剤のシリコーン化合物とは、メチルポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。また、本発明における表面処理剤のシラン処理とは、例えば、トリエトキシカプリリルシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの表面処理を施すことで、成分(C)中での成分(B)の更なる分散性の向上が期待される。ただし、本発明においては、有機物処理を施さなくとも、成分(A)の粉体分散剤としての効果により、油性組成物の分散性の向上を実現できることが特筆すべき点であり、成分(B)を予め高圧分散しなくとも成分(A)により分散性が向上する点は、特に注目すべき点である。
【0036】
本発明の油性組成物における成分(B)の含有量は、下限として、0.1%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、1.5%以上がさらに好ましい。上限としては、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、20%以下がよりさらに好ましい。また、0.1~50%が好ましく、1.0~40%がより好ましく、1~30%がさらに好ましく、1.5~20%がよりさらに好ましい。この範囲であると、分散性の向上しつつ適度なおさまりに優れるため好ましい。
【0037】
本発明の油性組成物における前記成分(A)に対する成分(B)の含有質量割合、(B)/(A)は0.1~20である。(B)/(A)が0.2~20であるとより好ましい。この範囲より小さい場合は、当然分散性の向上効果は十分高いが、柔らかな感触が得られにくく、この範囲より大きいと、分散性の向上の点で十分ではなく、成分(A)自体の分散性の向上効果が下がるわけではないが、適度なおさまりの点で好ましくない。成分(A)の粉体分散剤としての機能が十分発揮される領域であるため好ましい。
【0038】
<成分(C)>
本発明に用いられる成分(C)は25℃で液状の油剤であれば、特に限定されず用いることができる。例えば、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、揮発性油、不揮発油等の特性を問わず、炭化水素油、エステル油、 高級アルコール、シリコーン油、フッ素系油、脂肪酸など化粧料一般に使用されるものが用いられる。より具体的には、炭化水素として流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワレン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン等が挙げられ、エステル油としてミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、安息香酸アルキルエステル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリジイソステアリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、メドウフォーム油、トウモロコシ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、アボカド油、米胚芽油、 小麦胚芽油、アーモンド油、大豆油、菜種油、胡麻油、ツバキ油、サザンカ油、パーシック油、オリーブ油、茶実油、シソ実油、ミンク油、ヒマシ油、アマニ油、月見草油、ボレッジ油、ホホバ油等、紫外線吸収剤としてパラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル等がエステル油として挙げられ、シリコーン油として低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等があり、フッ素系油としてパーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等が挙げられ、高級アルコールとして オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられ、 脂肪酸類としてオレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。特に、炭化水素油、エステル油、 高級アルコール、シリコーン油において、好ましい。これらの油剤であると、成分(A)の粉体分散剤としての機能をより発揮しやすいため、好ましい。特に、分散性向上効果を維持することができる。
【0039】
本発明の油性組成物における成分(C)の含有量は、特に制限はしないが、下限として、5%以上が好ましく、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上がさらに好ましく、30%以上がよりさらに好ましい。上限としては、90%以下が好ましく、87%以下がより好ましく、85%以下がさらに好ましい。また、5~90%が好ましく、15~87%がより好ましく、30~85%がさらに好ましい。この範囲であると、分散性の向上効果をもたらし、適度なおさまり効果に優れるため好ましい。
【0040】
本発明の油性組成物には、さらに成分(D)界面活性剤として、ポリヒドロキシステアリン酸、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。成分(D)市販品としては、例えば、KP-578(信越化学工業社製)、KF-6038(信越化学工業社製)、NIKKOL HEXAGLYN PR-15(日光ケミカルズ社製)、コスモール182V(日清オイリオ社製)が挙げられる。
【0041】
本発明の油性組成物における成分(D)の含有量は、下限として、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。上限としては、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。また、0.1~10%が好ましく、0.3~8%がより好ましく、0.5~6%がさらに好ましい。
本発明の化粧料における成分(D)の含有量は、下限として、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。上限としては、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。また、0.1~10%が好ましく、0.3~8%がより好ましく、0.5~6%がさらに好ましい。これらの範囲であると、分散性の向上、適度なおさまりに優れるが、特に限定されない。
【0042】
本発明の油性組成物には、さらに成分(E)皮膜形成剤として、(メタ)アクリル酸系皮膜形成剤、およびシリコーン系皮膜形成剤を用いることができる。通常の化粧料に用いられるものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸系皮膜形成剤として、アクリル酸・アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、シリコーン系皮膜形成剤としてはトリメチルシロキシケイ酸、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル 酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール等があげられる。1種または2種以上用いることができる。
【0043】
本発明の油性組成物における成分(E)の含有量は、下限として、0.5%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、2%以上がさらに好ましい。上限としては、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましい。また、0.5~15%が好ましく、1.0~10%がより好ましく、2~7%がさらに好ましい。
【0044】
本発明の油性組成物は、特に用途は限定しない。塗料、染料、印刷インキ、絵具、化粧料、皮膚外用剤等が挙げられる。好ましくは化粧料、皮膚外用剤として用いることが好ましく、化粧料としての利用がより好ましい。油性組成物を含有する化粧料、または油性組成物自体が化粧料でもよく、特にその範囲は限定するものではない。
本発明の油性組成物の製造方法は特に限定されず、上述した成分を混合することにより作製すればよい。混合方法も限定されず、均一に分散させることができる通常の手法を採用すればよい。例えば、ローラーミル、ビーズミル、ジェットミル、高圧ホモジナイザー等の分散機・装置を用いてもよいが、本発明の液状分散体はこれらの高圧分散機・装置を使用しなくても簡易な攪拌機、例えば、ディスパー、ハイローター、パドルミキサー、プロペラミキサー等の簡易な分散機でも容易に作製することができるため、成分(A)を加えることで、高圧分散機が不要、または、分散不良への補填になる場合もあるという利点も有する。
【0045】
本発明の油性組成物の性状は特に限定されず、液状、乳液状、粉末状、固状等の性状等特に限定しない。例えば、上記成分(A)および(B)、(C)に必要に応じて含有される成分(D)、成分(E)またはその他の成分を混合分散し油性組成物としてもよい。
【0046】
本発明の油性組成物を用いた化粧料には、通常化粧料に用いられる油剤、水性成分、粉体(顔料、色素、体質粉体)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、ワックス、防腐剤、香料、紫外線遮蔽剤(有機系、無機系を含み、UV-A、Bのいずれに対応していても構わない)、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、美容成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)などの成分を使用することができる。特に、成分(A)以外の球状粉体がマイクロプラスティックビーズではないものが好ましく、油性組成物及び化粧料中にマイクロプラスティックビーズを含まないものがより好ましい。
【0047】
本発明の油性組成物を用いた化粧料は、最適な性状としては、粉末状、液状、乳化状、エアゾール充填化粧料、溶融充填による固形状、粉末固形状等を挙げることができる。特に剤型としては、製造時に液状を経由するものが好ましく、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、及び油性化粧料から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。中でも、油中水型乳化化粧料や、油性化粧料が、効果を発揮しやすい点で好ましい。
固形状とする場合には、前記化粧料を金属製や樹脂製の容器に充填成型する方法(溶融充填成型)や、予め溶剤に分散してから充填し、溶媒除去または乾燥成型する方法(湿式充填成型)等が挙げられる。
【0048】
また、本発明の化粧料としては、皮膚または毛髪に塗布されるものであれば特に限定しないが、例えば、化粧水、乳液、日焼け止め、ファンデーション、コンシーラー、白粉、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、頬紅、口紅等のメイクアップ化粧料、毛髪着色料等の頭髪化粧料等を挙げることができる。特に、メイクアップ化粧料、または日焼け止め化粧料がより好ましい。
【0049】
また、本発明には以下の発明を追加することができる。
[12]
前記成分(C)が、炭化水素油、エステル油、 高級アルコール、及びシリコーン油から選ばれる1種または2種以上を含有する[3]に記載の油性組成物である。
[13]
さらに、成分(D)界面活性剤として、ポリヒドロキシステアリン酸、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含有する[3]又は[4]、[12]に記載の油性組成物である。
[14]
前記成分(A)が、前記成分(a2)に前記成分(a1)と揮発性油剤を用いて表面被覆されたのちに、さらに前記揮発性油剤を蒸発させて得られるものである[3]~[5]、[12]~[13]に記載の油性組成物である。
[15]
前記成分(A)において、前記成分(a2)に前記成分(a1)が乾式表面被覆された[3]~[6]、[12]~[14]に記載の油性組成物である。
[16]
さらに、成分(E)皮膜形成剤として、(メタ)アクリル酸系皮膜形成剤、およびシリコーン系皮膜形成剤から選ばれる1種または2種以上を含有する[3]~[7]、[12]~[15]に記載の油性組成物である。
[17]
[3]~[8]、[12]~[16]の何れか一項に記載の油性組成物が化粧料である。
【実施例0050】
次に実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0051】
<表面被覆粉体(成分(A))>
以下の製造方法に基づき、表1~4に記載の、製造例1~30と製造比較例1、2を作成した。なお、処方外成分を除いて100%処方として記載した。
【0052】
製造工程A:表1~4に記載の製造例1~5、12~30、製造比較例1、2(記載のNo.成分のみを配合するものとする。)
成分(1)~(10)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)と共に200ml分投入し、成分(11)~(30)を添加し、卓上ディスパーにて均一に混合し、重合物分散液を作成した。その後、卓上型ボールミル(V-1ML型/株式会社入江商会製)を用い、回転数100rpmにて、10時間粉砕し、処方外成分を蒸発回収し、成分(A)と製造比較例の粉体を得た。いずれも乾式工程の領域であった。

製造工程B:製造例6~11(記載のNo.成分のみを配合するものとする。)
成分(13)~(29)を卓上ディスパーにて均一に混合し、分散液を作成した。その後、成分(1)~(10)を、10Lヘンシェルミキサーに投入し、2000rpmで10分間攪拌し、分散液を1000rpm5分徐々に添加し攪拌後、得られた物を80℃で24時間加熱乾燥し、パルベライザーにて粉砕し、表面被覆粉体(A)を得た。いずれも乾式工程の領域であった。
【0053】
【表1】
*1:Sillica micro bead P-1505 (日揮触媒化成社製)
*2:Sillica micro bead P-1000 (日揮触媒化成社製)
*3:サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック社製)
*4:ゴッドボールE-90C(鈴木油脂香料株式会社製)
*5:SILNO350(ABC NANOTECH社製)
*6:CELLULOBEADS D-5(レンゴー社製)
*7:CELLULOBEADS D-30(レンゴー社製)
*8:局方コーンスターチ(JPCS-YN)(日本コーンスターチ社製)
*9:MAKIBEADS ECO D-5(大東化成工業社製)
*12:KSG-15(信越化学工業社製)(固形分:5% シクロペンタシロキサン:95%)
*17:DOWSIL 2503 Cosmetic Wax(ダウ・東レ株式会社製)
*23:KF-96L-2CS(信越化学工業社製)
*24:ISODODECANE(IMCD社製)
【0054】
【表2】
*13:DOWSIL9040 SILICONE ELASTOMER BLEND(ダウ・東レ株式会社製)(固形分:12.6% シクロペンタシロキサン:87.4%)
*14:KSG-18(信越化学工業社製)(固形分:15% ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン:85%)
*15:KSG-42Z(信越化学工業社製)(固形分:20% イソドデカン:80%)
*16:DOWSIL EL-9081 Silicone Elastomer Blend (ダウ・東レ株式会社製)(固形分:14% ジメチコン2CS:86%)
【0055】
【表3】
*10:タルクJA-46R(浅田製粉社製)
*11:NK-10G(日本光研工業社製)(平均粒子径:10μm)
*18:ABIL WAX 9840 (EVONIK GOLDSCHMIDT GMBH社製)
*19:KP-561P (信越化学工業社製)
*20:PLANDOOL-S (日本精化社製)
*21:ノムコート HK-G (日清オイリオグループ社製)
*22:レオパール KL2 (千葉製粉社製)
【0056】
【表4】
【0057】
表1~4の成分(A)製造例1~30の表面被覆粉体(成分(A))は、凝集性のなさに優れたものであった。なお、製造例1の電子顕微鏡写真を、図1に示す。表4に示すように、成分(A)は、表面被覆したのちも、合一凝集することなく、単一の粒子として観察されていたため、成分(a1)含む被覆成分が、均一に成分(a2)に被覆されていることが想定される。表3の製造比較例1、2も含めて、油性組成物及び化粧料にて以下配合し、評価を実施した。
【0058】
<油性組成物及び化粧料:実施例1~32及び比較例1~7:油中水型乳化化粧料(BBクリーム(リキッドファンデーション・日焼け止め下地化粧料)>
表5~8の組成及び製造方法により、化粧料実施例1~32及び比較例1~7の油中水型乳化化粧料を調製した。得られたBBクリーム(リキッドファンデーション・日焼け止め・下地化粧料)について、以下に示す方法により、分散性の向上、柔らかな感触、適度なおさまりについて評価した。この結果も併せて表5~8に示す。
【0059】
【表5】
*25:OTS-2 TiO2 MP-1133(大東化成工業社製)
*30:OTS-2 RED R-516P(大東化成工業社製)
*31:OTS-2 YELLOW YP-1200P(大東化成工業社製)
*32:OTS-2 BLACK BL-100P(大東化成工業社製)
*33:XZ3000F(堺化学工業社製)
*34:サラコスHS-6C(日清オイリオグループ社製)
*37:ABIL EM 97S(EVONIK NUTRITION & CARE GMBH社製)
*38:KF-6028P(信越化学工業社製)
*42:シリコーン KF-9021L(信越化学工業社製)
*43:パールリーム18(日油社製)
【0060】
【表6】
*26:MP-1133(テイカ社製)
*27:PGQ TiO2 R250(大東化成工業社製)
*28:MPY-100M(テイカ社製)
*29:MZY-505M(テイカ社製)
【0061】
【表7】
*35:KP-578(信越化学工業社製)
*36:KF-6038(信越化学工業社製)
*39:NIKKOL Hexaglyn PR-15(日光ケミカルズ社製)
【0062】
【表8】
*40:KSP-100(信越化学工業社製)
*41:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0063】
(製造方法1)実施例1~32、比較例1~4,6~8(表5~8:配合されているNoの原料のみを用いて製造)
A:成分(11)~(19)を成分(21)、(22)とローラーミルで分散する。
B:Aに、成分(23)と成分(27)、(28)を溶解し、成分(20)と(24)~(26)を添加し均一分散したものを添加し、成分(1)~(10)をディスパー分散性して油性組成物を作成する。
C:Bに、成分(29)~(36)を添加し、均一に混合分散する。
D:成分(37)~(40)を、均一に混合分散する。
E:Cを攪拌しながらDを注入し乳化し、油中水型乳化化粧料を得た。
(製造方法2)実施例13-2、比較例5(表6、8:配合されているNoの原料のみを用いて製造)
A:成分(1)~(22)をハイローターで分散する。
B:Aに、成分(23)と成分(27)、(28)を溶解し、成分(20)と(24)~(26)を添加し均一分散したものを添加し、油性組成物を作成する。
C:Bに、成分(29)~(36)を添加し、均一に混合分散する。
D:成分(37)~(40)を、均一に混合分散する。
E:Cを攪拌しながらDを注入し乳化させ、リキッドファンデーション(油中水型乳化化粧料)を得た。
【0064】
(評価方法:分散性の向上1)
前記実施例1~32、比較例1~8を、1に対して、軽質イソパラフィン*24を1混合し、容器に入れて20回振とう後にガラス板に1滴、滴下し、プレパラートで挟んで光学顕微鏡で観察した。「分散性の向上1」を以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。

評価基準「分散性の向上」1:
[評価結果] :[評点]
成分(B)の凝集がみられない、またはあっても5μm以下である
:5点
成分(B)の凝集が5μmを超え20μm以下である
:4点
成分(B)の凝集が20μmを超え最大50μm以下である
:3点
成分(B)の凝集が目視で1個確認できる :2点
成分(B)の凝集が目視で2個以上確認できる :1点

(評価方法:分散性の向上2)
前記実施例1~32、比較例1~8を肌上に指で0.5g塗布してもらい、塗布時の「分散性の向上2」を評価した。分散性の向上とは、肌塗布時に成分(B)の凝集性がなく、サンプル外観と塗布色の差が少ない、または塗布時の色変わりが少ない場合を分散性が良いと評価する。化粧料専門評価者5名で「分散性の向上」を以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全化粧料専門評価者の評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。

評価基準:「分散性の向上」2
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
やや良好 :4点
どちらでもない :3点
やや不良 :2点
非常に不良 :1点

判定基準:「分散性の向上」(1と2の総合評価)
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D

なお、図2に示すように、ガラス板に化粧料を1滴、滴下し、プレパラートで挟んで目視で観察したところ、色変化のあるサンプルは、比較例4,5のように凝集物も観察された。
【0065】
(評価方法:柔らかな感触)
以下の手順に従い前記化粧料実施例1~32、化粧料比較例1~8サンプルの「柔らかな感触」を評価した。化粧料専門評価者5名に表5~8に記載の実施例及び比較例のサンプルを肌上に指で0.5g塗布してもらい、塗布時の「柔らかな感触」を評価した。各自が以下の評価基準に従って5段階評価しサンプル毎に評点を付し、更に全化粧料専門評価者評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。

評価基準:「柔らかな感触」
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
やや良好 :4点
どちらでもない :3点
やや不良 :2点
非常に不良 :1点

判定基準:「柔らかな感触」
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
【0066】
(評価方法:適度なおさまり)
前記化粧料実施例1~32、化粧料比較例1~8のサンプルを肌上に指で0.5g塗布してもらい、塗布時の「適度なおさまり」を評価した。適度なおさまりとは、塗布中の、塗布膜が出来上がる直前に重くツッパリ感が出ることなく、塗布膜が均一になった後にべたつき感もないバランスの取れた伸び広がりのことを指す。化粧料専門評価者5名に、各自が以下の評価基準に従って5段階評価しサンプル毎に評点を付し、更に全化粧料専門評価者評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
判定基準「適度なおさまり」:
[評点の平均点] :[判定]
非常に良好 :5点
やや良好 :4点
どちらでもない :3点
やや不良 :2点
非常に不良 :1点

判定基準:「適度なおさまり」
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :AA
4.0以上~4.5未満:A
3.5以上~4.0未満:B
2.0以上~3.5未満:C
1.0以上~2.0未満:D
【0067】
実施例1~32の油中水型乳化化粧料(BBクリーム(リキッドファンデーション・日焼け止め・下地化粧料)は、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。これは、成分(A)がリキッドファンデーション全体に均一に存在することに起因すると予想される。実施例13-2は、工程違いであるが、成分(B)をローラーミル等の高圧分散しなくとも、分散性の向上効果がみられることを示し、成分(B)の予めの分散の有無にかかわらず、成分(A)の粉体分散剤効果が確認できた。
一方で、成分Aの代わりに成分(a1)のない成分(a2)多孔質シリカのみを配合した化粧料比較例1では、分散性の向上、柔らかな感触、適度なおさまりが好ましくなかった。
成分Aの代わりに成分(a2)無孔質シリカを配合した化粧料比較例2では、分散性の向上、柔らかな感触、適度なおさまりが好ましくなかった。
成分Aの代わりに成分(a1)のみ架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体を配合した化粧料比較例3では、分散性の向上、適度なおさまりが好ましくなかった。
成分Aの代わりに多孔質シリカに架橋型メチルポリシロキサンを表面処理せずに配合した化粧料比較例4では、分散性の向上が好ましくなかった。
成分Aの代わりに多孔質シリカに架橋型メチルポリシロキサンを表面処理せずに配合し、ハイローター工程で製造した化粧料比較例5では、分散性の向上、柔らかな感触、適度なおさまりが好ましくなかった。
成分Aの代わりにタルクへ架橋型メチルポリシロキサンを表面処理した粉体 製造比較例1を配合した化粧料比較例6では、分散性の向上、柔らかな感触が好ましくなかった。
なお、成分Aの代わりに合成フルオロフロゴパイトへ架橋型メチルポリシロキサンを表面処理した粉体 製造比較例2を配合した化粧料でも同様の評価であった。
成分(B)の代わりに粒径が大きい酸化亜鉛を配合した化粧料比較例7では、柔らかな感触、適度なおさまりが好ましくなかった。
成分(B)を配合していない化粧料比較例8では、適度なおさまりが好ましくない結果となった。
【0068】
実施例33:口紅(スティック状)
成分 (%)
1.成分(A)製造例4 10
2.赤色202号 1
3.酸化チタン 1.5
4.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
5.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 13
6.リンゴ酸ジイソステアリル 15
7.デシルテトラデカノール 5
8.N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル2-オクチルドデシル)*44

9.ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)*20
18
10.パラフィン(融点58℃) 9
11.(エチレン/プロピレン)コポリマー 4.5
12.マイクロクリスタリンワックス(融点83℃) 1.5
13.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
15.シリル化処理無水ケイ酸 1
*44:PLANDOOL-LG2(日本精化社製)
【0069】
(製造方法)
A.(1)~(8)をローラーミルで分散し油性組成物を得る。
B.Aと成分(9)~(14)を100~110℃にて均一に溶解する。
C.Bに成分(15)を加え、均一に混合分散する。
D.Cを脱泡後、100℃に加熱してスティック状口紅容器に直接流し込み、室温に冷却 後、口紅を得た。
【0070】
以上のようにして得られたスティック状口紅中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したスティック状口紅は、分散性に優れるため発色もよく、柔らかな感触を満たすものであった。
【0071】
実施例34:口紅(液状)
成分 (%)
1.成分(A)製造例8 10
2.赤色202号 1
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 20
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 13
5.エチルヘキサン酸セチル 残量
6.トリメリト酸トリトリデシル 8
7.ポリブテン 5
8.ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3
10.ワセリン*45 9
11.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.シリル化処理無水ケイ酸 1
14.N-ステアロイル-L-グルタミン酸2ナトリウム2%処理ホウケイ酸(Ca/Al)

15.シリコーン処理雲母チタン 1
*45:SNOW WHITE SPECIAL(SONNEBORN社製)
【0072】
(製造方法)
A.成分(2)~(8)ローラーミルで分散し、成分(1)をパドル添加して分散し油性組成物を得る。
B.Aに成分(10)~(13)を加え、80~90℃にて均一に溶解する。
C.成分(14)、(15)を添加混合する。
D.Cを脱泡後、90℃に加熱して容器に直接流し込み、室温に冷却後、口紅を得た。
【0073】
以上のようにして得られた液状口紅中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した液状口紅は、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0074】
実施例35:コンシーラー(油性)
(成分) (%)
1.成分(A)製造例1 8
2.N-ステアロイル-L-グルタミン酸2ナトリウム2%処理酸化チタン(平均粒子径0.25μm)

3.ジメチコン3%処理ベンガラ 0.5
4.ジメチコン3%処理黒色酸化鉄 0.1
5.ジメチコン3%処理黄色酸化鉄 2
6.ジカプリン酸プロピレングリコール 残量
7.エチルヘキサン酸セチル 5
8.スクワラン 1
9.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2
10.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5
11.イソノナン酸イソノニル 10
12.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 0.5
13.カルナウバワックス 1
14.フィッシャートロプシュワックス 4
15.ワセリン 2
16.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー*46 8
17.トリメチルシロキシケイ酸 2
18.カオリナイト 20
19.フェノキシエタノール 0.2
20.香料 0.1
*46:シリコンKSG-16(信越化学社製)
【0075】
(製造方法)
A.成分(2)~(12)ローラーミルで分散し、成分(1)を添加して油性組成物を得る。
B.成分(13)~(16)を100~110℃にて均一に溶解する。
C.AにBと成分(17)~(20)を加え、均一に混合分散する。
D.Cを脱泡後、100℃に加熱して容器に直接流し込み、室温に冷却後、コンシーラー を得た。
【0076】
以上のようにして得られたコンシーラー中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したコンシーラーは、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0077】
実施例36:油性アイカラー
(成分) (%)
1.成分(A)製造例2 15
2.赤色201号 1
3.黄色4号 1
4.黒色酸化鉄 0.5
5.酸化チタン 1
6.デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 10
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
8.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
9.ポリエチレンワックス(融点95℃) 4
10.キャンデリラワックス(融点73℃) 1
11.パルミチン酸デキストリン 0.5
12.ミリスチン酸イソプロピル 3
13.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)

14.ジプロピレングリコール 0.3
15.ステアリン酸3%処理タルク(平均粒子径10μm) 2
16.無水ケイ酸*2 7
17.カオリナイト 17
18.N-ラウロイル-L-リジン 1.5
19.ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
20.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
【0078】
(製造方法)
A.成分(2)~(8)ローラーミルで分散し成分(1)を添加して分散し油性組成物を得る。
B.成分(9)~(14)を110℃~120℃にて加熱溶解後、Aと成分(15)~(20)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、金皿に流し込み充填し、室温に冷却して成型する。
【0079】
以上のようにして得られた油性アイカラー中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した油性アイカラーは、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0080】
実施例37:白粉
(成分) (%)
1.成分(A)製造例6 4
2.ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径35μm) 10
3.酸化鉄被覆微粒子酸化チタン(平均粒子径0.035μm) 5
4.リンゴ酸ジイソステアリル 10
5.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 2
6.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4
7.合成フロロフロゴパイト 残量
8.N-ラウロイル-L-リジン 20
9.窒化ホウ素 10
10.無水ケイ酸*5 5
11.ベンガラ 0.15
12.黄色酸化鉄 0.2
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
【0081】
(製造方法)
A.成分(2)~(6)ローラーミルで分散し、成分(1)を添加混合し、油性組成物を得る。
B.成分(7)~(13)をスーパーミキサーで均一に混合する。
C.BにAを加え均一に混合し、溶媒として水を80部加え、均一に混合する。
D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥し白粉を得た。
【0082】
得られた白粉中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した白粉は、分散性に優れつつも柔らかな感触を満たすものであった。
【0083】
実施例38:チークカラー
(成分) (%)
1.成分(A)製造例10 4
2.赤色226号 0.5
3.赤色202号 0.2
4.黄色4号 0.2
5.赤色酸化鉄 0.2
6.酸化亜鉛(平均粒子径3μm) 2
7.セスキイソステアリン酸ソルビタン 2
8.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン*38 0.2
9.流動パラフィン 5
10.ジメチルポリシロキサン(6CS) 10
11.ホホバ油 0.3
12.ラベンダー油 0.3
13.セルロース*6 10
14.オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl 5
15.タルク(板状、平均粒子径7μm) 10
16.マイカ 残量
17.セリサイト 10
18.2%ジメチコン表面処理合成金雲母(平均粒子径20μm) 10
19.窒化ホウ素(平均粒子径8μm) 5
20.雲母チタン(干渉色:赤:黄:白=4:4:6、平均粒子径15μm)
14
21.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
22.ワセリン 5
23.ジプロピレングリコール 0.1
24.香料 0.2
【0084】
(製造方法)
A.成分(1)~(12)をウルトラミキサーで分散し油性組成物を得る。
B.成分(13)~(24)をスーパーミキサーで均一に混合する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cを粉砕後、プレス成型し、チークカラーを得た。
【0085】
得られたチークカラー中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したチークカラーは、分散性に優れつつも柔らかな感触を満たすものであった。
【0086】
実施例39:アイブロウ
(成分) (%)
1.成分(A)製造例25 4
2.黄色酸化鉄 1
3.黒色酸化鉄 4.5
4.ベンガラ 1
5.水添ヒマシ油 0.3
6.トコフェロール 0.1
7.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 5
8.ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度20CS) 0.3
9.硫酸バリウム 4
10.オキシ塩化ビスマス(平均粒子径10μm) 3
11.麻セルロース末 0.5
12.マイカ 残量
13.アミノ変性シリコーン1%処理マイカ(平均粒子径13μm) 10
14.酸化チタン被覆マイカ(干渉色、黄:赤=1:1) 4
15.ジメチルポリシロキサン1%処理合成金雲母 11
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
17.トリプロピレングリコール 17
18.無水ケイ酸(平均粒子径8μm、多孔質) 10
19.エタノール 0.3
20.マツリカ花エキス 0.01
【0087】
(製造方法)
A.成分(2)~(8)ローラーミルで分散し、成分(1)を添加して手混合し油性組成物を得る。
B.成分(9)~(20)をスーパーミキサーで均一に混合する。
C.BにAを加え均一に混合し、溶媒としてイソドデカンを40部加え、均一に混合する。 D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥しアイブロウを得た 。
【0088】
得られたアイブロウ中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したアイブロウは、分散性に優れつつも柔らかな感触を満たすものであった。
【0089】
実施例40:粉末固型ファンデーション
(成分) (%)
1.成分(A)製造例23 4
2.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理黄色酸化鉄 0.3
3.赤色酸化鉄 0.2
4.黒色酸化鉄 0.2
5.酸化亜鉛※16 3
6.酸化鉄3%、含水シリカ4%被覆酸化チタン(平均粒子径400nm)8
7.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 4
8.メドウフォーム油 5
9.コハク酸ジエチルヘキシル 1
10.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3
11.リンゴ酸ジイソステアリル 1
12.スクワラン 3
13.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2
14.パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8
15.窒化ホウ素 2
16.ジメチルポリシロキサン1%処理合成金雲母 11
17.ジメチルポリシロキサン2%処理タルク 残量
18.無水ケイ酸*5 8
19.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 3
20.トリプロピレングリコール 3
21.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素) 6
22.ヒアルロン酸Na 0.1
23.トコフェロール 0.1
24.1,3-ブチレングリコール 0.5
25.グリセリン 1
26.精製水 1
【0090】
(製造方法)
A.成分(2)~(14)ローラーミルで分散したのち、成分(1)をウルトラミキサーで添加混合し油性組成物を得る。
B.成分(15)~(21)を均一に混合する。
C.成分(22)~(28)を混合する。
D.AにB,Cを加え、均一に混合する。
E.Dにさらにイソドデカンをスラリー状になるまで添加し、容器に充填度、イソドデカンを表面抑えて吸い取り除去し、残された溶媒を乾燥し、プレス成型しファンデーションを得た。
【0091】
得られた粉末固型ファンデーション中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したアイブロウは、分散性に優れつつも柔らかな感触を満たすものであった。
【0092】
実施例41:油中水型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例13 4
2.黒色酸化鉄 5
3.軽質流動イソパラフィン*24 残量
4.イソステアリン酸デキストリン 4
5.パルミチン酸デキストリン 5
6.ヒマワリワックス 3
7.ポリエチレンワックス 3
8.ミツロウ 5
9.トリメチルシロキシケイ酸50%溶液 21
10.ジメチコノール(25℃、10万mPa・s) 3
11.デシルテトラデカノール 0.5
12.有機変性ベントナイト 4
13.無水ケイ酸 *4 4
14.N-ラウロイル-L-リジン 4
15.精製水 5
16.アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン*47 5
*47:ヨドゾールGH256F(固形分29%)(アクゾノーベル社製)
【0093】
(製造方法)
A.成分(1)~(3)ローラーミルで分散し油性組成物を得る。
B.Aと成分(4)~(8)を100℃に加熱し、均一に混合したのち成分(9)~(14)を加え均一に混合する。
C.成分(15)、(16)を均一に混合する。
D.BにCを加え乳化する。
E.Dを容器に充填して製品とする。
【0094】
得られた油中水型マスカラ(クリーム状)中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した油中水型マスカラ(クリーム状)は、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0095】
実施例42:油性マスカラ(繊維入りタイプ)
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例9 7
2.カーボンブラック 1.5
3.軽質イソパラフィン*24 8
4.シクロペンタシロキサン 残量
5.水添アビエチン酸グリセリル 3
6.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー溶液*48 15
7.ショ糖脂肪酸エステル 3
8.ヒマワリワックス 4
9.ライスワックス 3
10.パラフィンワックス 5
11.ステアリルジメチコン*17 2
12.N-ビニルピロリドントリアコンタンコポリマー 2
13.デシルテトラデカノール 3
14.レシチン 1
15.シリル化処理無水ケイ酸(煙霧状) 1
16.無水ケイ酸 4
17.シリコーン粉末 *49 0.5
18.ポリプロピレン繊維(5T、2mm) 0.5
19.ナイロン12繊維(5T、1mm) 1
20.レーヨン繊維(7D、2mm) 1
21.フェノキシエタノール 1
*48:KP545(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン)(信越化学工業社製)
*49:TOSPEARL 3000A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ ・ジャパン社製)
【0096】
(製造方法)
A.成分(1)~(3)ローラーミルで分散し油性組成物を得る。
B.成分(4)~(14)を100℃まで加熱し、均一に混合する。
C.AにBと成分(15)~(21)を加え、室温で均一に分散する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
【0097】
得られた油性マスカラ(繊維入りタイプ)中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した油性マスカラ(繊維入りタイプ)は、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0098】
実施例43:アイライナー
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例16 4
2.ジメチルポリシロキサン黒色酸化鉄 4
3.メチルポリシロキサン 10
4.イソドデカン*24 残量
5.パルミチン酸デキストリン 2
6.シア脂 1
7.マイクロクリスタリンワックス(融点83℃) 2
8.12-ヒドロキシステアリン酸 3
9.ケイ酸(Al/Mg) 2
10.ステアリル変性アクリレートシリコン*19 2
11.ポリビニルアルコール 0.3
12.1,2-ヘキサンジオール 0.5
13.オクチルドデカノール 0.5
14.水素添加レシチン 0.2
15.ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
0.7
16.ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル 10
17.ポリメチルシルセスキオキサン 2
18.シリル化処理無水ケイ酸 2
19.ジメチルポリシロキサン3%処理板状タルク 15
20.セリサイト(平均粒子径12μm) 3
21.グリチルレチン酸ステアリル 0.01
22.ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.05
【0099】
(製造方法)
A.成分(1)~(3)ローラーミルで分散し油性組成物を得る。
B.成分(4)~(17)を90℃まで加熱し、均一に混合する。
C.AにB及び成分(18)~(22)を加え、均一に分散する。
D.Cを室温まで冷却し、容器に充填して製品とする。
【0100】
得られたアイライナー中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有したアイライナーは、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0101】
実施例44:油中水型日焼け止め化粧料
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例7 5
2.メチルポリシロキサン処理酸化亜鉛(平均粒子径25nm)*29

3.イソドデカン*24 残量
4.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8
5.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2.5
6.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
7.安息香酸アルキル(C12-15) 1
8.ジメチルポリシロキサン(25℃動粘度2CS) 10
9.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン*38 2.5
10.セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース 0.2
11.イソステアリン酸デキストリン 2
12.イソノナン酸イソトリデシル 3
13.デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 10
14.ジカプリン酸プロピレングリコール 4
15.油溶性ポリウレタンポリマー*50 0.3
16.トリメチルシロキシケイ酸 1
17.タルク(平均粒子径12μm) 5
18.フェノキシエタノール 0.5
19.セルロース*6 1
20.塩化ナトリウム 0.2
21.1,3-ブチレングリコール 5.5
22.エチルアルコール 5
23.精製水 残量
*50:OILKEMIA 5S CC POLYMER(溶媒トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:70%、固形分(表示名称:水添ポリ(C6-20オレフィン)、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー):30%Lubrizol社製)
【0102】
(製造方法)
A.成分(2)~(7)をビーズミルで分散し成分(1)を添加して油性組成物を得る。
B.成分(8)~(15)を80~90℃まで加熱し、均一に混合する。
C.Aに成分(16)、(17)を添加し均一に混合する。
D.成分(18)~(23)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加しを室温で乳化し、容器に充填して製品とする。
【0103】
得られた油中水型日焼け止め中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した油中水型日焼け止めは、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0104】
実施例45:水中油型乳化ファンデーション
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例15 5
2.ジメチルポリシロキサン2%処理酸化チタン(平均粒子径35nm)

3.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 2.5
4.ジメチルポリシロキサン(25℃、動粘度20CS) 2.5
5.スクワラン 2
6.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 1.5
7.パラメトキシケイ皮酸2-エチルへキシル 5
8.ベヘニルアルコール 1.0
9.ショ糖脂肪酸エステル 1.0
10.ステアリン酸 1.5
11.モノステアリン酸グリセリル 0.2
12.オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
13.油溶性ポリウレタンポリマー*50 0.2
14.アクリレーツコポリマー*51 0.2
15.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体 *52

16.トリエタノールアミン 1
17.レシチン0.5%処理酸化チタン(平均粒子径250nm) 5
18.黄色酸化鉄 1.2
19.赤色酸化鉄 0.8
20.黒色酸化鉄 0.4
21.タルク(平均粒子径5μm) 2
22.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
23.1,3-ブチレングリコール 3
24.ジプロピレングリコール(DPG) 10
25.精製水 残量
*51:YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製)
*52:SIMLGEL EG(SEPPIC社製)
【0105】
(製造方法)
A.成分(2)~(6)をローラーミルで分散し、成分(1)を添加して混合し、油性組成物を得る。
B.成分(7)~(13)を80~90℃まで加熱し、Aを加えて均一に混合する。
C.成分(17)~(23)をローラーミルにて分散し、成分(14)~(16)、(24)、(25)を添加して均一に混合する。
E.CにBを徐々に添加し室温で乳化し、脱泡して容器に充填して製品とする。
【0106】
得られた水中油型乳化ファンデーション中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した水中油型乳化ファンデーションは、分散性に優れつつも柔らかな感触と適度なおさまりを満たすものであった。
【0107】
実施例46:粉末状フェイスパウダー
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例12 3
2.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(平均粒子径6μm)
残量
3.ステアリン酸マグネシウム3%処理マイカ(平均粒子径10μm)
20
4.窒化ホウ素 9
5.合成フルオロフロゴパイト 10
6.無水ケイ酸(平均粒子4μm)*53 6.5
7.セルロース*6 5
8.雲母チタン(平均粒子21μm) 8
9.黄色酸化鉄 0.25
10.赤色酸化鉄 0.1
11.黒色酸化鉄 0.02
12.2-エチルヘキサン酸セチル 6.2
13.オリーブ油 0.5
14.植物性スクワラン 1.0
*53:HARMONIE LUXE 4 POWDER(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0108】
(製造方法)
A.成分(9)~(14)をローラーミルで分散し、成分(1)を添加して混合し、油性組成物を得る。
B.成分(2)~(8)を均一混合する。
C.BにAを添加して均一に混合する。
D.Cを粉砕し、容器に充填して製品とする。
【0109】
得られた粉末状ルースパウダー中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した粉末状ルースパウダーは発色に優れ、塗布時の色変わりもなく柔らかな感触を満たすものであった。
【0110】
実施例47:粉末状チーク
(成分) (%)
1.表面被覆粉体(A)製造例3 3
2.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(平均粒子径7.5μm)
残量
3.ジメチコノール/アミノプロピルエトキシシラン処理マイカ*54
20
4.窒化ホウ素 9
5.合成フルオロフロゴパイト 10
6.雲母チタン(平均粒子21μm) 8
7.赤色226 0.15
9.ガラス末被覆パール(平均粒子87.5μm)*55 8
10.黄色酸化鉄 0.25
11.赤色酸化鉄 0.1
12.イソノナン酸イソトリデシル 5
13.リンゴ酸ジイソステアリル 1.5
14.植物性スクワラン 1.0
*54:SE-MA-23(三好化成社製)
*55:マイクログラスメタシャインMT1080RR(日本板硝子社製)
【0111】
(製造方法)
A.成分(12)~(14)をローラーミルで分散し、成分(1)を添加して混合し、油性組成物を得る。
B.成分(2)~(7)を均一混合する。
C.BにAを添加して均一に混合する。
D.Cを粉砕し、容器に充填して製品とする。
【0112】
得られた粉末状チーク中の油性組成物は、成分(B)の着色粉体や成分(a1)の分散性に優れていた。さらにそれを含有した粉末状チークは発色に優れ、塗布時の色変わりもなく柔らかな感触を満たすものであった。


図1
図2