(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095616
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】平面カテーテルエンドエフェクタの電極配置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023220653
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】63/435,652
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/514,868
(32)【優先日】2023-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フアン・エム・ロドリゲス・ソト
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・イー・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】フン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK38
4C160KL03
4C160NN01
(57)【要約】
【課題】電気生理学的用途のためのカテーテルを提供すること。
【解決手段】電気生理学的用途のためのカテーテルは、シャフト及びエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、シャフトの遠位端部に連結されている。エンドエフェクタは、複数のループ部材と、複数のループ部材に取り付けられた複数の電極と、を含む。各ループ部材は、対応する一対のスパインを含む。スパインは、シャフトによって画定される長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されている。横軸及び長手方向軸は、集合的に平面を画定する。電極は、平面に対して非対称に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、
(a)長手方向軸に沿って遠位端部まで延在するシャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端部に連結されたエンドエフェクタであって、
(i)複数のループ部材であって、前記複数のループ部材のうちの各ループ部材が、対応する一対のスパインを含み、前記複数のループ部材のうちの各ループ部材の前記スパインが、前記長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、前記横軸及び前記長手方向軸が、集合的に平面を画定する、複数のループ部材と、
(ii)前記複数のループ部材に取り付けられた複数の電極であって、前記平面に対して非対称に配置されている、複数の電極と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記複数のループ部材が、3つのループ部材を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記複数のループ部材が、一対の外側ループ部材と、前記長手方向軸に対して前記一対の外側ループ部材の半径方向内側に位置付けられた内側ループ部材と、を含む、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記複数のループ部材が、一対の内側ループ部材と、前記長手方向軸に対して前記一対の内側ループ部材の半径方向外側に位置付けられた外側ループ部材と、を含む、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記複数のループ部材のうちの各ループ部材が、細長い構造部材を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のループ部材のうちの前記対応するループ部材の前記細長い構造部材に取り付けられている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記複数のループ部材のうちの各ループ部材が、前記対応する細長い構造部材の周りに配設されたカバーを含む、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のループ部材のうちの前記対応するループ部材の前記カバーに取り付けられている、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記スパインの各々が、長方形断面形状を伴って構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記スパインの各々が、互いに平行に配向された一対の平坦な表面を伴って構成されており、前記複数の電極が、前記スパインの各々の前記一対の平坦な表面のうちの一方のみに配置されている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記スパインの各々が、
(A)前記平面に平行に配向された第1の平坦な表面と、
(B)前記平面に直交して配向された第2の平坦な表面と、
(C)前記平面に平行に配向された第3の平坦な表面と、
(D)前記平面に直交して配向された第4の平坦な表面と、を含み、
前記複数の電極が、前記スパインの各々の前記第1の平坦な表面及び前記第2の平坦な表面のみに配置されている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記スパインの各々が、三角形断面形状を伴って構成されている、請求項1のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記スパインの各々が、3つの平坦な表面を伴って構成されており、前記複数の電極が、前記スパインの各々の前記3つの平坦な表面の各々に配置されている、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記スパインの各々が、円形断面形状を伴って構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記スパインの各々が、円筒形の表面を伴って構成されており、前記複数の電極が、不均一な間隔で前記スパインの各々の前記円筒形の表面に配置されている、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記スパインの各々が、複数の表面を有する少なくとも1つの多角形断面形状を伴って構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記少なくとも1つの多角形断面形状が、五角形又は八角形のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記複数の表面が、前記平面に対して対称に配置されている、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記複数の表面が、前記平面に対して非対称に配置されている、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記少なくとも1つの多角形断面形状が、前記それぞれのスパインの長さに沿って提供される複数の多角形断面形状を含む、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記複数の多角形断面形状が、五角形、長方形、及び三角形を含む、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記スパインの各々が、複数の曲線を有する少なくとも1つの多曲線断面形状を伴って構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記少なくとも1つの多曲線断面形状が、不規則的な楕円又はルーローの三角形のうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記複数の曲線が、前記平面に対して対称に配置されている、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記複数の曲線が、前記平面に対して非対称に配置されている、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記スパインの各々が、前記それぞれのスパインの長さに沿って提供される複数の断面形状を伴って構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記複数の断面形状が、正方形、楕円形、及び円形を含む、請求項26に記載のカテーテル。
【請求項28】
カテーテルのエンドエフェクタであって、
(a)複数のループ部材であって、前記複数のループ部材のうちの各ループ部材が、対応する一対のスパインを含み、前記複数のループ部材のうちの各ループ部材の前記スパインが、長手方向軸に平行に延在する少なくとも一部分を含み、前記複数のループ部材のうちの各ループ部材の前記スパインが、前記長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、前記横軸及び前記長手方向軸が、集合的に平面を画定する、複数のループ部材と、
(b)前記複数のループ部材に取り付けられた複数の電極であって、前記平面に対して非対称に配置されている、複数の電極と、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項29】
前記スパインの各々が、長方形断面形状、三角形断面形状、又は円形断面形状のうちの少なくとも1つを伴って構成されている、請求項28に記載のエンドエフェクタ。
【請求項30】
カテーテルのエンドエフェクタであって、
(a)長手方向軸に沿って延在する中央ループ部材と、
(b)前記長手方向軸の第1の側に少なくとも部分的に配設された第1の側部ループ部材と、
(c)前記長手方向軸の第2の側に少なくとも部分的に配設された第2の側部ループ部材であって、前記第2の側部ループ部材、前記第1の側部ループ部材、及び前記中央ループ部材が、前記長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、前記横軸及び前記長手方向軸が、集合的に平面を画定する、第2の側部ループ部材と、
(d)複数の電極であって、前記複数の電極の各々が、前記中央ループ部材、前記第1の側部ループ部材、又は前記第2の側部ループ部材のうちの対応する1つに取り付けられており、前記複数の電極が、前記平面に対して非対称に配置されている、複数の電極と、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項31】
前記中央ループ部材が、前記長手方向軸に対して前記第1の側部ループ部材及び前記第2の側部ループ部材の各々の半径方向内側に位置付けられている、請求項30に記載のエンドエフェクタ。
【請求項32】
前記中央ループ部材が、前記長手方向軸に対して前記第1の側部ループ部材及び前記第2の側部ループ部材の各々の半径方向外側に位置付けられている、請求項30に記載のエンドエフェクタ。
【請求項33】
前記複数の電極のうちの1つの電極が、前記平面に対して非対称である、請求項30に記載のエンドエフェクタ。
【請求項34】
前記複数の電極のうちの1つの電極が、第1の平面に対して非対称であり、前記第1の平面が、前記電極を通って延在し、前記エンドエフェクタによって画定される前記平面に平行である、請求項30に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月28日に出願された米国特許仮出願第63/435,652号の優先権及び利益を主張するものであり、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、カテーテル、特に、患者の組織をマッピング及びアブレーションするための電気生理学的カテーテルを対象とする。
【背景技術】
【0003】
心房細動などの心不整脈は、心組織の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、これにより、正常な心周期が乱されて、非同期的律動を引き起こす。望ましくない信号源は、心房又は心室の組織に位置する場合がある。望ましくない信号は、心臓組織を通って他の箇所に伝導する場合があり、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させ得る。
【0004】
不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に妨害すること、及びそのような信号の伝導路を妨害することが挙げられる。心内膜の電気特性及び心容積をマッピングし、エネルギーの印加により心組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の1つの部位から別の部位への望ましくない電気信号の伝搬を中断させるか又は修正することが可能な場合がある。アブレーションプロセスは、組織の非導電性領域の形成によって、望ましくない電気経路を破壊し得る。
【0005】
マッピングとそれに続くアブレーションを含む、この二段階処置においては、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを備えるカテーテルを心臓内へと進入させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気活動が感知及び測定され得る。次に、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的領域が選択され得る。
【0006】
平面状のエンドエフェクタを有するカテーテルは、平面状のエンドエフェクタが、より平坦かつより平滑な組織表面を横切って引きずることができるように、又は「掃引」運動で操作することができるように、特定の組織表面トポグラフィ、例えば、より平坦かつより平滑な組織表面をマッピング及びアブレーションするためにより好適であることができる。本出願人らは、各平面状の表面上の電極が組織接触表面の異なる場所により良好に接触することができるように、エンドエフェクタによって画定される平面に対して電極が非対称に配置された平面状のエンドエフェクタを有するカテーテルを提供する必要があることを認識した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、電気生理学的用途のためのカテーテルは、エンドエフェクタによって画定される平面に対して非対称に有利に配置された電極を有する平面状のエンドエフェクタを含み、これによって、対向する平面状の表面上の電極は、組織接触している平面状の表面に応じて異なる場所に接触するように構成されている。カテーテルは、長手方向軸に沿って遠位端部まで延在するシャフトと、シャフトの遠位端部に連結されたエンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、複数のループ部材と、複数の電極と、を含む。複数のループ部材のうちの各ループ部材は、対応する一対のスパインを含み、複数のループ部材のうちの各ループ部材のスパインは、長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、横軸及び長手方向軸は、集合的に平面を画定する。複数の電極は、複数のループ部材に取り付けられており、複数の電極は、平面に対して非対称に配置されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数のループ部材は、3つのループ部材を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数のループ部材は、一対の外側ループ部材と、長手方向軸に対して一対の外側ループ部材の半径方向内側に位置付けられた内側ループ部材と、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のループ部材は、一対の内側ループ部材と、長手方向軸に対して一対の内側ループ部材の半径方向外側に位置付けられた外側ループ部材と、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数のループ部材のうちの各ループ部材は、細長い構造部材を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の電極のうちの各電極は、複数のループ部材のうちの対応するループ部材の細長い構造部材に取り付けられている。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のループ部材のうちの各ループ部材は、対応する細長い構造部材の周りに配設されたカバーを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の電極のうちの各電極は、複数のループ部材のうちの対応するループ部材のカバーに取り付けられている。
【0015】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、長方形断面形状を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、互いに平行に配向された一対の平坦な表面を含み、複数の電極は、スパインの各々の一対の平坦な表面のうちの一方のみに配置されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、平面に平行に配向された第1の平坦な表面と、平面に直交して配向された第2の平坦な表面と、平面に平行に配向された第3の平坦な表面と、平面に直交して配向された第4の平坦な表面と、を含み、複数の電極は、スパインの各々の第1の平坦な表面及び第2の平坦な表面のみに配置されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、三角形断面形状を伴って構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、3つの平坦な表面を伴って構成されており、複数の電極は、スパインの各々の3つの平坦な表面の各々に配置されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、円形断面形状を伴って構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、円筒形の表面を伴って構成されており、複数の電極は、不均一な間隔でスパインの各々の円筒形の表面に配置されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、複数の表面を有する少なくとも1つの多角形断面形状を伴って構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの多角形断面形状は、五角形又は八角形のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数の表面は、平面に対して対称に配置されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数の表面は、平面に対して非対称に配置されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの多角形断面形状は、それぞれのスパインの長さに沿って提供される複数の多角形断面形状を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の多角形断面形状は、五角形、長方形、及び三角形を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、複数の曲線を有する少なくとも1つの多曲線断面形状を伴って構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの多曲線断面形状は、不規則的な楕円又はルーローの三角形のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数の曲線は、平面に対して対称に配置されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の曲線は、平面に対して非対称に配置されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、それぞれのスパインの長さに沿って提供される複数の断面形状を伴って構成されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、複数の断面形状は、正方形、楕円形、及び円形を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、カテーテルのエンドエフェクタは、複数のループ部材と、複数の電極と、を含む。複数のループ部材のうちの各ループ部材は、対応する一対のスパインを含み、複数のループ部材のうちの各ループ部材のスパインは、長手方向軸に平行に延在する少なくとも一部分を含み、複数のループ部材のうちの各ループ部材のスパインは、長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、横軸及び長手方向軸は、集合的に平面を画定する。複数の電極は、複数のループ部材に取り付けられており、複数の電極は、平面に対して非対称に配置されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、スパインの各々は、長方形断面形状、三角形断面形状、又は円形断面形状のうちの少なくとも1つを伴って構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、カテーテルのエンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延在する中央ループ部材と、長手方向軸の第1の側に少なくとも部分的に配設された第1の側部ループ部材と、長手方向軸の第2の側に少なくとも部分的に配設された第2の側部ループ部材と、を含む。第2の側部ループ部材、第1の側部ループ部材、及び中央ループ部材は、長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、横軸及び長手方向軸は、集合的に平面を画定する。エンドエフェクタはまた、複数の電極を含み、複数の電極の各々は、中心ループ部材、第1の側部ループ部材、又は第2の側部ループ部材のうちの対応する1つに取り付けられており、複数の電極は、平面に対して非対称に配置されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、中心ループ部材は、長手方向軸に対して第1の側部ループ部材及び第2の側部ループ部材の各々の半径方向内側に位置付けられている。
【0038】
いくつかの実施形態では、中心ループ部材は、長手方向軸に対して第1の側部ループ部材及び第2の側部ループ部材の各々の半径方向外側に位置付けられている。
【0039】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの電極は、エンドエフェクタによって画定される平面に対して非対称である。
【0040】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの電極は、電極を通って延在し、エンドエフェクタによって画定される平面に平行である、第1の平面に対して非対称である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例解的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図を描示する。
【
図2】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの一例の正面図を描示する。
【
図2A】
図2の線2A-2Aに沿って取られた、
図2のエンドエフェクタの断面図を描示する。
【
図2B】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図2C】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図2D】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図3】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の正面図を描示する。
【
図3A】
図3の線3A-3Aに沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの断面図を描示する。
【
図3B】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図3C】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図3D】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図4】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の正面図を描示する。
【
図4A】
図4の線4A-4Aに沿って取られた、
図4のエンドエフェクタの断面図を描示する。
【
図4B】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図4C】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図4D】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の断面図を描示する。
【
図5A】
図2Bの電極の非対称配置を有し、第2の側が組織接触している、
図2のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図5B】第1の側が組織接触している、
図5Aのエンドエフェクタの斜視図である。
【
図5C】第1の側が組織接触している、
図5Aのエンドエフェクタの斜視図である。
【
図6A】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の内側ループ部材の断面図を描示する。
【
図6B】非対称配置の電極を有する、
図6Aのエンドエフェクタの外側ループ部材の斜視図を描示する。
【
図6C】
図6Bの線6C-6Cに沿って取られた、
図6Bの外側ループ部材の断面図を描示する。
【
図6D】
図1のカテーテルとともに使用するための、非対称配置の電極を有するエンドエフェクタの別の例の外側ループ部材の断面図を描示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には、同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として、本発明の原理を例解する。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形形態、代替物及び使用を説明する。
【0043】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書で説明される意図された目的のために機能することを可能にする、好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。
【0044】
加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、操作者に近い方の場所を示す一方、「遠位」とは、操作者又は医師から更に遠い場所を示す。
【0045】
本明細書で説明される教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で説明される他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされ得る。したがって、以下で説明されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示と組み合わされ得る様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。そのような修正例及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0046】
略平面状であり、マッピング及び/又はアブレーションのために構成され得る複数の電極を含む例示的なエンドエフェクタが、本明細書において例解及び開示される。エンドエフェクタは、本明細書に開示されるプロセス、及び当業者によって周知のものと同様のプロセスを通じて、マッピング及び/又はアブレーションカテーテルを形成するために、追加のカテーテル構成要素を有するシャフトに接合され得る。本明細書に例解される例示的なエンドエフェクタは、当業者によって理解されるように、追加のエンドエフェクタ設計を形成するために組み合わせ可能な変形形態及び特徴を含む。
【0047】
I.カテーテルシステムの実施例の概要
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム(10)を示す
図1を参照する。システム(10)は、患者の血管系を通って、心臓(12)の腔又は血管構造内へと医師(24)によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓(12)の所望の場所の近くの左心房又は右心房内へと挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の場所に到達させ得る。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、並びに/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。IEGMを感知するように構成されている例示的なカテーテル(14)が、本明細書に例解されている。医師(24)は、心臓(12)の標的部位を感知するために、カテーテル(14)の遠位先端部(28)を、心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師(24)は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端部を、アブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0048】
カテーテル(14)は、遠位先端部(28)において複数のスプライン(22)にわたって任意選択的に分布し、IEGM信号を感知するように構成された1つ、好ましくは複数の電極(26)を含む例示的なカテーテルである。カテーテル(14)は、遠位先端部(28)の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部(28)内又はその近くに埋め込まれた位置センサ(29)を更に含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、位置センサ(29)は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む、磁気系の位置センサである。
【0049】
磁気系の位置センサ(29)は、所定の作業体積内に磁場を発生させるように構成された複数の磁気コイル(32)を含む場所パッド(25)とともに、動作され得る。カテーテル(14)の遠位先端部(28)の実時間位置は、場所パッド(25)によって発生させられ、磁気系の位置センサ(29)によって感知される磁場に基づいて、追跡され得る。磁気系の位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号において説明される。
【0050】
システム(10)は、場所パッド(25)の場所基準並びに電極(26)のインピーダンス系の追跡を確立するために、患者(23)における皮膚接触のために位置付けられた1つ又は2つ以上の電極パッチ(38)を含む。インピーダンス系の追跡のために、電流が電極(26)に向けられ、電極皮膚パッチ(38)において感知され、これによって、各電極の場所を電極パッチ(38)を介して三角測量し得る。インピーダンス系の場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号において説明される。
【0051】
記録器(11)は、身体面上のECG電極(18)で捕捉された電位図(21)と、カテーテル(14)の電極(26)で捕捉されたIEGMと、を表示する。記録器(11)は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング機能を含み得、かつ/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0052】
システム(10)は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝導するように適合された、アブレーションエネルギー発生器(50)を含み得る。アブレーションエネルギー発生器(50)によって生成されるエネルギーは、不可逆電気穿孔法(irreversible electroporation、IRE)をもたらすために使用され得るような、単極又は双極の高電圧DC(直流)パルスを含む、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー若しくはパルスフィールドアブレーション(Pulsed-Field Ablation、PFA)エネルギー、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0053】
患者インターフェースユニット(Patient Interface Unit、PIU)(30)は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム(10)の動作を制御するワークステーション(55)と、の間の電気通信を確立するように構成された、インターフェースである。システム(10)の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド(25)、身体面上ECG電極(18)、電極パッチ(38)、アブレーションエネルギー発生器(50)、及び記録器(11)を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU(30)は、カテーテルの場所の実時間計算を実装し、ECG計算を実行するための、処理機能を更に含む。
【0054】
ワークステーション(55)は、メモリと、適切な動作ソフトウェアがその内部にロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション(55)は、複数の機能を提供し得、任意選択的に、心臓内解剖学的構造を三次元(3D)でモデル化し、そのモデル又は解剖学的マップ(20)を表示デバイス(27)に表示するためにレンダリングすることと、表示デバイス(27)上に、記録された電位図(21)からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ(20)上に重ね合わされた代表的な視覚的印又は画像で表示することと、心腔内の複数のカテーテルの実時間場所及び実時間配向を表示することと、アブレーションエネルギーが印加された場所などの目的部位を表示デバイス(27)上に表示することと、を含む。システム(10)の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.(31 Technology Drive,Irvine,CA,92618)から市販されている、CARTO(商標)3システムとして、入手可能である。
【0055】
II.エンドエフェクタのための非対称電極配置の例
いくつかの処置では、カテーテル(14)に、エンドエフェクタによって画定される平面に対して非対称に配置された複数の電極を有する、略平面状のエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。電極のそのような非対称配置は、カテーテル(14)に改善されたマッピング機能及び/又はアブレーション機能を提供し得ることが、理解されよう。以下で説明されるエンドエフェクタ(110、210、310、410、510、610、710、810,910、1010、1110、1210)の実施例の各々は、そのような様式で機能し得る。
【0056】
A.非対称電極配置の第1の例
図2~
図2Aは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(110)の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(110)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(112a、112b)と、内側ループ部材(114)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。ループ部材(112a、112b、114)はまた、パドル、ループ、及び/又は電極ループアセンブリと称される場合もある。
【0057】
示される実施例では、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(112a、112b)は、長手方向軸(L-L)のいずれかの側に、第3のループ部材又は中央ループ部材(114)の少なくとも部分的に半径方向外側に、配設される。より具体的には、外側ループ部材(112a、112b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(120a、120b)及び対応する最も内側のスパイン部材(122a、122b)を含み、一方で、内側ループ部材(114)は、一対の中間スパイン部材(124a、124b)を含む。スパイン部材(120a、120b、122a、122b、124a、124b)はまた、スパインと称される場合もある。これに関して、最も外側のスパイン(120a、120b)は、長手方向軸(L-L)に対して、中間のスパイン(124a、124b)の半径方向外側に位置付けられ、最も内側のスパイン(122a、122b)は、少なくとも
図2の基準系の範囲内で、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(124a、124b)の半径方向内側に位置付けられている。第1の最も外側のスパイン部材(120a)は、第1の外側ループ(112a)の一部として第1の最も内側のスパイン部材(122a)と一体であり、第2の最も外側のスパイン部材(120b)は、第2の外側ループ(112b)の一部として第2の最も内側のスパイン部材(122b)と一体であることが、理解されよう。同様に、第1の中間スパイン部材(124a)は、内側ループ(114)の一部として第2の中間スパイン部材(124b)と一体である。
【0058】
図2Aに最良に示されるように、スパイン部材(120a、120b、122a、122b、124a、124b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(110)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(120a)、第1の中間スパイン部材(124a)、及び第2の最も内側のスパイン部材(122b)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(120b)、第2の中間スパイン部材(124b)、及び第1の最も内側のスパイン部材(122a)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0059】
ループ部材(112a、112b、114)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(120a、120b、122a、122b、124a、124b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(130)も含む。電極(130)は、例えば、アブレーションの標的とされるべき組織領域を識別するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを提供するように構成され得る。例えば、感知電極(130)は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の場所を特定し得る。単に一例として、電極(130)は、2020年11月5日に公開された、米国特許出願公開第2020/0345262号、発明の名称「Mapping Grid with High Density Electrode Array」(その開示が全体として、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0060】
示される実施例では、各ループ部材(112a、112b、114)は、対応する構造部材(140a、140b、142)を含む。この点に関して、各外側ループ部材(112a、112b)が、それぞれの外側ループ部材(112a、112b)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する、対応する細長い構造部材(140a、140b)を有する一方で、内側ループ部材(114)は、内側ループ部材(114)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する細長い構造部材(142)を有する。構造部材(140a、140b、142)は、ループ構造部材、スパインフレーム、又はフレームと称され得る。構造部材(140a、140b、142)は、各々、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はニチノールなどの生体適合性金属を含むことができる。
【0061】
図2Aに最良に示されるように、各構造部材(140a、140b、142)は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(150a)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第2の略平坦な表面(150b)と、第1の平面(P1)に略平行に配向された第3の略平坦な表面(150c)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第4の略平坦な表面(150d)と、を含む4つの略平坦な表面(150a、150b、150c、150d)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(140a、140b、142)は、略長方形断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面及び第3の表面(150a、150c)は各々、第2の表面及び第4の表面(150b、150d)の長さよりも長い、同じ長さを有する。各構造部材(140a、140b、142)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(140a、140b、142)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(140a、140b、142)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0062】
いくつかの変形例では、各ループ部材(112a、112b、114)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(140a、140b、142)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(130)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0063】
上で述べられるように、各ループ部材(112a、112b、114)の電極(130)は、エンドエフェクタ(110)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(130)は、ループ部材(112a、112b、114)の構造部材(140a、140b、142)の第1の表面及び第2の表面(150a、150b)のみに配設され、ループ部材(112a、112b、114)の構造部材(140a、140b、142)の第3の表面及び第4の表面(150c、150d)には配設されない。示されるように、構造部材(140a、140b、142)の第1の表面(150a)に配設された各電極(130)は、同じ構造部材(140a、140b、142)の第2の表面(150b)に配設された対応する隣接する電極(130)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(130)は、2つの電極(130)からなる隣接する群に配置され得る。2つの電極(130)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(110)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(150a)の電極(130)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面(150b)の電極(130)は、第1の平面(P1)の第1の側及び第2の側の両方に及ぶ。
【0064】
電極(130)の配置は、各スパイン部材(120a、120b、122a、122b、124a、124b)に対して同じであるように示されているが、電極(130)は、各スパイン部材(120a、120b、122a、122b、124a、124b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(130)は、最も外側のスパイン(120a、120b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(122a、122b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(124a、124b)に第3の配置で配向され得る。電極(130)の異なる配置は、別のスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)の電極(130)間の間隔と異なる、あるスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)の電極(130)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)の電極(130)の角度配向が、別のスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)の電極(130)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(130)が、あるスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)上の他の電極(130)に相対的に、同じスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)から別のスパイン(120a、120b、122a、122b、124a、124b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0065】
B.非対称電極配置の第2の例
図2Bは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(210)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(210)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(110)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(210)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(212a、212b)と、内側ループ部材(214)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(212a、212b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(220a、220b)及び対応する最も内側のスパイン部材(222a、222b)を含み、一方で、内側ループ部材(214)は、一対の中間スパイン部材(224a、224b)を含む。
【0066】
示されるように、スパイン部材(220a、220b、222a、222b、224a、224b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(210)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(220a)、第1の中間スパイン部材(224a)、及び第2の最も内側のスパイン部材(222b)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(220b)、第2の中間スパイン部材(224b)、及び第1の最も内側のスパイン部材(222a)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0067】
ループ部材(212a、212b、214)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(220a、220b、222a、222b、224a、224b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(230)も含む。示される実施例では、各ループ部材(212a、212b、214)は、各々が略円筒形の表面(250)を有する対応する構造部材(240a、240b、242)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(240a、240b、242)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(240a、240b、242)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(240a、240b、242)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(240a、240b、242)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0068】
示される実施例では、各ループ部材(212a、212b、214)は、対応するカバー(260a、260b、262)を更に含み、対応する構造部材(240a、240b、242)は、対応するカバー(260a、260b、262)の下にあり、対応する複数の電極(230)は、対応するカバー(260a、260b、262)の外面(270)に配設される。カバー(260a、260b、262)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0069】
上で述べられるように、各ループ部材(212a、212b、214)の電極(230)は、エンドエフェクタ(210)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(230)は、不均一な間隔でループ部材(212a、212b、214)のカバー(260a、260b、262)の表面(270)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(260a、260b、262)の表面(270)に配設された各電極(230)は、同じカバー(260a、260b、262)の表面(270)に配設された2つの対応する隣接する電極(230)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(230)は、3つの電極(230)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(230)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(210)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(230)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の他の2つの電極(230)は、第1の平面(P1)の第2の側に完全に配設されている。
【0070】
電極(230)の配置は、各スパイン部材(220a、220b、222a、222b、224a、224b)に対して同じであるように示されているが、電極(230)は、各スパイン部材(220a、220b、222a、222b、224a、224b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(230)は、最も外側のスパイン(220a、220b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(222a、222b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(224a、224b)に第3の配置で配向され得る。電極(230)の異なる配置は、別のスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)の電極(230)間の間隔と異なる、あるスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)の電極(230)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)の電極(230)の角度配向が、別のスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)の電極(230)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(230)が、あるスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)上の他の電極(230)に相対的に、同じスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)から別のスパイン(220a、220b、222a、222b、224a、224b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0071】
C.非対称電極配置の第3の例
図2Cは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(310)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(310)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(110)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(310)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(312a、312b)と、内側ループ部材(314)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(312a、312b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(320a、320b)及び対応する最も内側のスパイン部材(322a、322b)を含み、一方で、内側ループ部材(314)は、一対の中間スパイン部材(324a、324b)を含む。
【0072】
示されるように、スパイン部材(320a、320b、322a、322b、324a、324b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(310)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(320a)、第1の中間スパイン部材(324a)、及び第2の最も内側のスパイン部材(322b)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(320b)、第2の中間スパイン部材(324b)、及び第1の最も内側のスパイン部材(322a)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0073】
ループ部材(312a、312b、314)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(320a、320b、322a、322b、324a、324b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(330)も含む。示される実施例では、各ループ部材(312a、312b、314)は、各々が略円筒形の表面(350)を有する対応する構造部材(340a、340b、342)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(340a、340b、342)は、略円形断面形状を有し、各々が略円筒形の表面(350)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(340a、340b、342)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(340a、340b、342)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(340a、340b、342)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(340a、340b、342)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0074】
示される実施例では、各ループ部材(312a、312b、314)は、対応するカバー(360a、360b、362)を更に含み、対応する構造部材(340a、340b、342)は、対応するカバー(360a、360b、362)の下にあり、対応する複数の電極(330)は、対応するカバー(360a、360b、362)の外面(370)に配設される。カバー(360a、360b、362)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0075】
上で述べられるように、各ループ部材(312a、312b、314)の電極(330)は、エンドエフェクタ(310)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(330)は、不均一な間隔でループ部材(312a、312b、314)のカバー(360a、360b、362)の表面(370)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(360a、360b、362)の表面(370)に配設された各電極(330)は、同じカバー(360a、360b、362)の表面(370)に配設された2つの対応する隣接する電極(330)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(330)は、3つの電極(330)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(330)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(310)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(330)は、第1の平面(P1)の第1の側に少なくとも部分的に配設されており、各群の他の2つの電極(330)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0076】
電極(330)の配置は、各スパイン部材(320a、320b、322a、322b、324a、324b)に対して同じであるように示されているが、電極(330)は、各スパイン部材(320a、320b、322a、322b、324a、324b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(330)は、最も外側のスパイン(320a、320b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(322a、322b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(324a、324b)に第3の配置で配向され得る。電極(330)の異なる配置は、別のスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)の電極(330)間の間隔と異なる、あるスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)の電極(330)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)の電極(330)の角度配向が、別のスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)の電極(330)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(330)が、あるスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)上の他の電極(330)に相対的に、同じスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)から別のスパイン(320a、320b、322a、322b、324a、324b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0077】
D.非対称電極配置の第4の例
図2Dは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(410)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(410)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(110)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(410)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(412a、412b)と、内側ループ部材(414)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(412a、412b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(420a、420b)及び対応する最も内側のスパイン部材(422a、422b)を含み、一方で、内側ループ部材(414)は、一対の中間スパイン部材(424a、424b)を含む。
【0078】
示されるように、スパイン部材(420a、420b、422a、422b、424a、424b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(410)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(420a)、第1の中間スパイン部材(424a)、及び第2の最も内側のスパイン部材(422b)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(420b)、第2の中間スパイン部材(424b)、及び第1の最も内側のスパイン部材(422a)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0079】
ループ部材(412a、412b、414)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(420a、420b、422a、422b、424a、424b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(430)も含む。示される実施例では、各ループ部材(412a、412b、414)は、対応する構造部材(440a、440b、442)を含み、各構造部材は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(450a)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第2の略平坦な表面(450b)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第3の略平坦な表面(450c)と、を含む3つの略平坦な表面(450a、450b、450c)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(440a、440b、442)は、略三角形の断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面、第2の表面、及び第3の表面(450a、450b、450c)は各々、同じ長さを有する。各構造部材(440a、440b、442)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(440a、440b、442)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(440a、440b、442)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0080】
いくつかの変形例では、各ループ部材(412a、412b、414)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(440a、440b、442)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(430)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0081】
上で述べられるように、各ループ部材(412a、412b、414)の電極(430)は、エンドエフェクタ(410)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(430)は、ループ部材(412a、412b、414)の構造部材(440a、440b、442)の各表面(450a、450b、450c)に配設される。示されるように、構造部材(440a、440b、442)の第1の表面(450a)に配設された各電極(430)は、同じ構造部材(440a、440b、442)の第2の表面及び第3の表面(450b、450c)に配設された2つの対応する隣接する電極(430)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(430)は、3つの電極(430)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(430)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(410)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(450a)の電極(430)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面及び第3の表面(450b、450c)の他の2つの電極(430)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0082】
電極(430)の配置は、各スパイン部材(420a、420b、422a、422b、424a、424b)に対して同じであるように示されているが、電極(430)は、各スパイン部材(420a、420b、422a、422b、424a、424b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(430)は、最も外側のスパイン(420a、420b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(422a、422b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(424a、424b)に第3の配置で配向され得る。電極(430)の異なる配置は、別のスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)の電極(430)間の間隔と異なる、あるスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)の電極(430)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)の電極(430)の角度配向が、別のスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)の電極(430)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(430)が、あるスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)上の他の電極(430)に相対的に、同じスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)から別のスパイン(420a、420b、422a、422b、424a、424b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0083】
E.非対称電極配置の第5の例
図3~
図3Aは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(510)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(510)は、第1の内側ループ部材及び第2の内側ループ部材(512a、512b)と、外側ループ部材(514)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。ループ部材(512a、512b、514)はまた、パドル、ループ、及び/又は電極ループアセンブリと称される場合もある。
【0084】
示される実施例では、第1の内側ループ部材及び第2の内側ループ部材(512a、512b)は、長手方向軸(L-L)のいずれかの側に、第3のループ部材又は中央ループ部材(514)の半径方向内側に、配設される。より具体的には、内側ループ部材(512a、512b)は、各々、対応する最も内側のスパイン部材(520a、520b)及び対応する中間スパイン部材(522a、522b)を含み、一方で、外側ループ部材(514)は、一対の最も外側のスパイン部材(524a、524b)を含む。スパイン部材(520a、520b、522a、522b、524a、524b)はまた、スパインと称される場合もある。この点に関して、最も内側のスパイン(520a、520b)は、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(522a、522b)の半径方向内側に位置付けられ、最も外側のスパイン(524a、524b)は、少なくとも
図3の座標系内で、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(522a、522b)の半径方向外側に位置付けられる。第1の最も内側のスパイン部材(520a)は、第1の内側ループ(512a)の一部として第1の中間スパイン部材(522a)と一体であり、第2の最も内側のスパイン部材(520b)は、第2の内側ループ(512b)の一部として第2の中間スパイン部材(522b)と一体であることが理解されるであろう。同様に、第1の最も外側のスパイン部材(524a)は、外側ループ(514)の一部として第2の最も外側のスパイン部材(524b)と一体である。
【0085】
図3Aに最良に示されるように、スパイン部材(520a、520b、522a、522b、524a、524b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(510)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(524a)、第1の中間スパイン部材(522a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(520a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(524b)、第2の中間スパイン部材(522b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(520b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0086】
ループ部材(512a、512b、514)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(520a、520b、522a、522b、524a、524b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(530)も含む。電極(530)は、例えば、アブレーションの標的とされるべき組織領域を識別するために、電気生理学(EP)マッピングを提供するように構成され得る。例えば、感知電極(530)は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の場所を特定することができる。単に一例として、電極(530)は、2020年11月5日に公開された、米国特許出願公開第2020/0345262号、発明の名称「Mapping Grid with High Density Electrode Array」(その開示が全体として、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0087】
示される実施例では、各ループ部材(512a、512b、514)は、対応する構造部材(540a、540b、542)を含む。この点に関して、各内側ループ部材(512a、512b)が、各々の内側ループ部材(512a、512b)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する、対応する細長い構造部材(540a、540b)を有する一方で、外側ループ部材(514)は、外側ループ部材(514)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する細長い構造部材(542)を有する。構造部材(540a、540b、542)は、ループ構造部材、スパインフレーム、又はフレームと称され得る。構造部材(540a、540b、542)は、各々、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はニチノールなどの生体適合性金属を含むことができる。
【0088】
図3Aに最良に示されるように、各構造部材(540a、540b、542)は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(550a)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第2の略平坦な表面(550b)と、第1の平面(P1)に略平行に配向された第3の略平坦な表面(550c)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第4の略平坦な表面(550d)と、を含む4つの略平坦な表面(550a、550b、550c、550d)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(540a、540b、542)は、略長方形断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面及び第3の表面(550a、550c)は各々、第2の表面及び第4の表面(550b、550d)の長さよりも長い、同じ長さを有する。各構造部材(540a、540b、542)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(540a、540b、542)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(540a、540b、542)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0089】
いくつかの変形例では、各ループ部材(512a、512b、514)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(540a、540b、542)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(530)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0090】
上で述べられるように、各ループ部材(512a、512b、514)の電極(530)は、エンドエフェクタ(510)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(530)は、ループ部材(512a、512b、514)の構造部材(540a、540b、542)の第1の表面及び第2の表面(550a、550b)のみに配設され、ループ部材(512a、512b、514)の構造部材(540a、540b、542)の第3の表面及び第4の表面(550c、550d)には配設されない。示されるように、構造部材(540a、540b、542)の第1の表面(550a)に配設された各電極(530)は、同じ構造部材(540a、540b、542)の第2の表面(550b)に配設された対応する隣接する電極(530)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(530)は、2つの電極(530)からなる隣接する群に配置され得る。2つの電極(530)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(510)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(550a)の電極(530)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面(550b)の電極(530)は、第1の平面(P1)の第1及び第2の側の両方に及ぶ。
【0091】
電極(530)の配置は、各スパイン部材(520a、520b、522a、522b、524a、524b)に対して同じであるように示されているが、電極(530)は、各スパイン部材(520a、520b、522a、522b、524a、524b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(530)は、最も外側のスパイン(524a、524b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(520a、520b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(522a、522b)に第3の配置で配向され得る。電極(530)の異なる配置は、別のスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)の電極(530)間の間隔と異なる、あるスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)の電極(530)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)の電極(530)の角度配向が、別のスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)の電極(530)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(530)が、あるスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)上の他の電極(530)に相対的に、同じスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)から別のスパイン(520a、520b、522a、522b、524a、524b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0092】
F.非対称電極配置の第6の例
図3Bは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(610)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(610)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(510)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(610)は、第1の内側ループ部材及び第2の内側ループ部材(612a、612b)と、外側ループ部材(614)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。内側ループ部材(612a、612b)は、各々、対応する最も内側のスパイン部材(620a、620b)及び対応する中間スパイン部材(622a、622b)を含み、一方で、外側ループ部材(614)は、一対の最も外側のスパイン部材(624a、624b)を含む。
【0093】
示されるように、スパイン部材(620a、620b、622a、622b、624a、624b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(610)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(624a)、第1の中間スパイン部材(622a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(620a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(624b)、第2の中間スパイン部材(622b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(620b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0094】
ループ部材(612a、612b、614)はまた、各々各々、それぞれのスパイン部材(620a、620b、622a、622b、624a、624b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(630)も含む。示される実施例では、各ループ部材(612a、612b、614)は、各々が略円筒形の表面(650)を有する対応する構造部材(640a、640b、642)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(640a、640b、642)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(640a、640b、642)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(640a、640b、642)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(640a、640b、642)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0095】
示される実施例では、各ループ部材(612a、612b、614)は、対応するカバー(660a、660b、662)を更に含み、対応する構造部材(640a、640b、642)は、対応するカバー(660a、660b、662)の下にあり、対応する複数の電極(630)は、対応するカバー(660a、660b、662)の外面(670)に配設される。カバー(660a、660b、662)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0096】
上で述べられるように、各ループ部材(612a、612b、614)の電極(630)は、エンドエフェクタ(610)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(630)は、不均一な間隔でループ部材(612a、612b、614)のカバー(660a、660b、662)の表面(670)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(660a、660b、662)の表面(670)に配設された各電極(630)は、同じカバー(660a、660b、662)の表面(670)に配設された2つの対応する隣接する電極(630)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(630)は、3つの電極(230)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(630)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(610)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(630)は、第1の平面(P1)の第1の側に少なくとも部分的に配設されており、各群の他の2つの電極(630)は、第1の平面(P1)の第2の側に完全に配設されている。
【0097】
電極(630)の配置は、各スパイン部材(620a、620b、622a、622b、624a、624b)に対して同じであるように示されているが、電極(630)は、各スパイン部材(620a、620b、622a、622b、624a、624b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(630)は、最も外側のスパイン(624a、624b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(620a、620b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(622a、622b)に第3の配置で配向され得る。電極(630)の異なる配置は、別のスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)の電極(630)間の間隔と異なる、あるスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)の電極(630)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)の電極(630)の角度配向が、別のスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)の電極(630)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(630)が、あるスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)上の他の電極(630)に相対的に、同じスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)から別のスパイン(620a、620b、622a、622b、624a、624b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0098】
G.非対称電極配置の第7の例
図3Cは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(710)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(710)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(510)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(710)は、第1の内側ループ部材及び第2の内側ループ部材(712a、712b)と、外側ループ部材(714)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。内側ループ部材(712a、712b)は、各々、対応する最も内側のスパイン部材(720a、720b)及び対応する中間スパイン部材(722a、722b)を含み、一方で、外側ループ部材(714)は、一対の最も外側のスパイン部材(724a、724b)を含む。
【0099】
示されるように、スパイン部材(720a、720b、722a、722b、724a、724b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(710)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(724a)、第1の中間スパイン部材(722a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(720a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(724b)、第2の中間スパイン部材(722b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(720b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0100】
ループ部材(712a、712b、714)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(720a、720b、722a、722b、724a、724b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(730)も含む。示される実施例では、各ループ部材(712a、712b、714)は、各々が略円筒形の表面(750)を有する対応する構造部材(740a、740b、742)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(740a、740b、742)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(740a、740b、742)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(740a、740b、742)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(740a、740b、742)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0101】
示される実施例では、各ループ部材(712a、712b、714)は、対応するカバー(760a、760b、762)を更に含み、対応する構造部材(740a、740b、742)は、対応するカバー(760a、760b、762)の下にあり、対応する複数の電極(730)は、対応するカバー(760a、760b、762)の外面(770)に配設される。カバー(760a、760b、762)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0102】
上で述べられるように、各ループ部材(712a、712b、714)の電極(730)は、エンドエフェクタ(710)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(730)は、不均一な間隔でループ部材(712a、712b、714)のカバー(760a、760b、762)の表面(770)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(760a、760b、762)の表面(770)に配設された各電極(730)は、同じカバー(760a、760b、762)の表面(770)に配設された2つの対応する隣接する電極(730)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(730)は、3つの電極(730)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(730)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(710)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(730)は、第1の平面(P1)の第1の側に少なくとも部分的に配設されており、各群の他の2つの電極(730)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0103】
電極(730)の配置は、各スパイン部材(720a、720b、722a、722b、724a、724b)に対して同じであるように示されているが、電極(730)は、各スパイン部材(720a、720b、722a、722b、724a、724b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(730)は、最も外側のスパイン(724a、724b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(720a、720b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(722a、722b)に第3の配置で配向され得る。電極(730)の異なる配置は、別のスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)の電極(730)間の間隔と異なる、あるスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)の電極(730)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)の電極(730)の角度配向が、別のスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)の電極(730)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(730)が、あるスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)上の他の電極(730)に相対的に、同じスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)から別のスパイン(720a、720b、722a、722b、724a、724b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0104】
H.非対称電極配置の第8の例
図3Dは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(810)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(810)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(510)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(810)は、第1の内側ループ部材及び第2の内側ループ部材(812a、812b)と、外側ループ部材(814)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。内側ループ部材(812a、812b)は、各々、対応する最も内側のスパイン部材(820a、820b)及び対応する中間スパイン部材(822a、822b)を含み、一方で、外側ループ部材(814)は、一対の最も外側のスパイン部材(824a、824b)を含む。
【0105】
示されるように、スパイン部材(820a、820b、822a、822b、824a、824b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(810)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(824a)、第1の中間スパイン部材(822a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(820a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(824b)、第2の中間スパイン部材(822b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(820b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0106】
ループ部材(812a、812b、814)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(820a、820b、822a、822b、824a、824b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(830)も含む。示される実施例では、各ループ部材(812a、812b、814)は、対応する構造部材(840a、840b、842)を含み、各構造部材は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(850a)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第2の略平坦な表面(850b)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第3の略平坦な表面(850c)と、を含む3つの略平坦な表面(850a、850b、850c)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(840a、840b、842)は、略三角形の断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面、第2の表面、及び第3の表面(850a、850b、850c)は各々、同じ長さを有する。各構造部材(840a、840b、842)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(840a、840b、842)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(840a、840b、842)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0107】
いくつかの変形例では、各ループ部材(812a、812b、814)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(840a、840b、842)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(830)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0108】
上で述べられるように、各ループ部材(812a、812b、814)の電極(830)は、エンドエフェクタ(810)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(830)は、ループ部材(812a、812b、814)の構造部材(840a、840b、842)の各表面(850a、850b、850c)に配設される。示されるように、構造部材(840a、840b、842)の第1の表面(850a)に配設された各電極(830)は、同じ構造部材(840a、840b、842)の第2の表面及び第3の表面(850b、850c)に配設された2つの対応する隣接する電極(830)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(830)は、3つの電極(830)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(830)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(810)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(850a)の電極(830)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面及び第3の表面(850b、850c)の他の2つの電極(830)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0109】
電極(830)の配置は、各スパイン部材(820a、820b、822a、822b、824a、824b)に対して同じであるように示されているが、電極(830)は、各スパイン部材(820a、820b、822a、822b、824a、824b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(830)は、最も外側のスパイン(824a、824b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(820a、820b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(822a、822b)に第3の配置で配向され得る。電極(830)の異なる配置は、別のスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)の電極(830)間の間隔と異なる、あるスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)の電極(830)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)の電極(830)の角度配向が、別のスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)の電極(830)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(830)が、あるスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)上の他の電極(830)に相対的に、同じスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)から別のスパイン(820a、820b、822a、822b、824a、824b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0110】
I.非対称電極配置の第9の例
図4~
図4Aは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(910)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(910)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(912a、912b)と、内側ループ部材(914)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。ループ部材(912a、912b、914)はまた、パドル、ループ、及び/又は電極ループアセンブリと称される場合もある。
【0111】
示される実施例では、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(912a、912b)は、長手方向軸(L-L)のいずれかの側に、第3のループ部材又は中央ループ部材(914)の少なくとも部分的に半径方向外側に、配設される。より具体的には、外側ループ部材(912a、912b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(920a、920b)及び対応する最も内側のスパイン部材(922a、922b)を含み、一方で、内側ループ部材(914)は、一対の中間スパイン部材(924a、924b)を含む。スパイン部材(920a、920b、922a、922b、924a、924b)はまた、スパインと称される場合もある。この点に関して、最も外側のスパイン(920a、920b)は、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(924a、924b)の半径方向外側に位置付けられ、最も内側のスパイン(922a、922b)は、少なくとも
図2の座標系内で、長手方向軸(L-L)に対して中間スパイン(924a、924b)の半径方向内側に位置付けられる。第1の最も外側のスパイン部材(920a)は、第1の外側ループ(912a)の一部として第1の最も内側のスパイン部材(922a)と一体であり、第2の最も外側のスパイン部材(920b)は、第2の外側ループ(912b)の一部として第2の最も内側のスパイン部材(922b)と一体であることが、理解されよう。同様に、第1の中間スパイン部材(924a)は、内側ループ(914)の一部として第2の中間スパイン部材(924b)と一体である。
【0112】
図4Aに最良に示されるように、スパイン部材(920a、920b、922a、922b、924a、924b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(910)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(920a)、第1の中間スパイン部材(924a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(922a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(920b)、第2の中間スパイン部材(924b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(922b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0113】
ループ部材(912a、912b、914)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(920a、920b、922a、922b、924a、924b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(930)も含む。電極(930)は、例えば、アブレーションの標的とされるべき組織領域を識別するために、電気生理学(EP)マッピングを提供するように構成され得る。例えば、感知電極(930)は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の場所を特定することができる。単に一例として、電極(930)は、2020年11月5日に公開された、米国特許出願公開第2020/0345262号、発明の名称「Mapping Grid with High Density Electrode Array」(その開示が全体として、参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。
【0114】
示される実施例では、各ループ部材(912a、912b、914)は、対応する構造部材(940a、940b、942)を含む。この点に関して、各外側ループ部材(912a、912b)が、各々の外側ループ部材(912a、912b)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する、対応する細長い構造部材(940a、940b)を有する一方で、内側ループ部材(914)は、内側ループ部材(914)の長さにわたってベース部材まで及びベース部材から連続的に延在する細長い構造部材(942)を有する。構造部材(940a、940b、942)は、ループ構造部材、スパインフレーム、又はフレームと称され得る。構造部材(940a、940b、942)は、各々、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はニチノールなどの生体適合性金属を含むことができる。
【0115】
図4Aに最良に示されるように、各構造部材(940a、940b、942)は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(950a)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第2の略平坦な表面(950b)と、第1の平面(P1)に略平行に配向された第3の略平坦な表面(950c)と、第1の平面(P1)に略直交して配向された第4の略平坦な表面(950d)と、を含む4つの略平坦な表面(950a、950b、950c、950d)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(940a、940b、942)は、略長方形断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面及び第3の表面(950a、950c)は各々、第2の表面及び第4の表面(950b、950d)の長さよりも長い、同じ長さを有する。各構造部材(940a、940b、942)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(940a、940b、942)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(940a、940b、942)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0116】
いくつかの変形例では、各ループ部材(912a、912b、914)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(940a、940b、942)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(930)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0117】
上で述べられるように、各ループ部材(912a、912b、914)の電極(930)は、エンドエフェクタ(910)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(930)は、ループ部材(912a、912b、914)の構造部材(940a、940b、942)の第1の表面及び第2の表面(950a、950b)のみに配設され、ループ部材(912a、912b、914)の構造部材(940a、940b、942)の第3の表面及び第4の表面(950c、950d)には配設されない。示されるように、構造部材(940a、940b、942)の第1の表面(950a)に配設された各電極(930)は、同じ構造部材(940a、940b、942)の第2の表面(950b)に配設された対応する隣接する電極(930)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(930)は、2つの電極(930)からなる隣接する群に配置され得る。2つの電極(930)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(910)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(950a)の電極(930)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面(950b)の電極(930)は、第1の平面(P1)の第1及び第2の側の両方に及ぶ。
【0118】
電極(930)の配置は、各スパイン部材(920a、920b、922a、922b、924a、924b)に対して同じであるように示されているが、電極(930)は、各スパイン部材(920a、920b、922a、922b、924a、924b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(930)は、最も外側のスパイン(920a、920b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(922a、922b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(924a、924b)に第3の配置で配向され得る。電極(930)の異なる配置は、別のスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)の電極(930)間の間隔と異なる、あるスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)の電極(930)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)の電極(930)の角度配向が、別のスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)の電極(930)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(930)が、あるスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)上の他の電極(930)に相対的に、同じスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)から別のスパイン(920a、920b、922a、922b、924a、924b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0119】
J.非対称電極配置の第10の例
図4Bは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1010)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(1010)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(910)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(1010)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(1012a、1012b)と、内側ループ部材(1014)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(1012a、1012b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(1020a、1020b)及び対応する最も内側のスパイン部材(1022a、1022b)を含み、一方で、内側ループ部材(1014)は、一対の中間スパイン部材(1024a、1024b)を含む。
【0120】
示されるように、スパイン部材(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(1010)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(1020a)、第1の中間スパイン部材(1024a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(1022a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(1020b)、第2の中間スパイン部材(1024b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(1022b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0121】
ループ部材(1012a、1012b、1014)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(1030)も含む。示される実施例では、各ループ部材(1012a、1012b、1014)は、各々が略円筒形の表面(1050)を有する対応する構造部材(1040a、1040b、1042)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(1040a、1040b、1042)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(1040a、1040b、1042)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(1040a、1040b、1042)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(1040a、1040b、1042)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0122】
示される実施例では、各ループ部材(1012a、1012b、1014)は、対応するカバー(1060a、1060b、1062)を更に含み、対応する構造部材(1040a、1040b、1042)は、対応するカバー(1060a、1060b、1062)の下にあり、対応する複数の電極(1030)は、対応するカバー(1060a、1060b、1062)の外面(1070)に配設される。カバー(1060a、1060b、1062)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0123】
上で述べられるように、各ループ部材(1012a、1012b、1014)の電極(1030)は、エンドエフェクタ(1010)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(1030)は、不均一な間隔でループ部材(1012a、1012b、1014)のカバー(1060a、1060b、1062)の表面(1070)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(1060a、1060b、1062)の表面(1070)に配設された各電極(1030)は、同じカバー(1060a、1060b、1062)の表面(1070)に配設された2つの対応する隣接する電極(1030)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(1030)は、3つの電極(1030)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(1030)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(1010)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(1030)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の他の2つの電極(1030)は、第1の平面(P1)の第2の側に完全に配設されている。
【0124】
電極(1030)の配置は、各スパイン部材(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)に対して同じであるように示されているが、電極(1030)は、各スパイン部材(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(1030)は、最も外側のスパイン(1020a、1020b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(1022a、1022b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(1024a、1024b)に第3の配置で配向され得る。電極(1030)の異なる配置は、別のスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)の電極(1030)間の間隔と異なる、あるスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)の電極(1030)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)の電極(1030)の角度配向が、別のスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)の電極(1030)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(1030)が、あるスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)上の他の電極(1030)に相対的に、同じスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)から別のスパイン(1020a、1020b、1022a、1022b、1024a、1024b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0125】
K.非対称電極配置の第11の例
図4Cは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1110)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(1110)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(910)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(1110)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(1112a、1112b)と、内側ループ部材(1114)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(1112a、1112b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(1120a、1120b)及び対応する最も内側のスパイン部材(1122a、1122b)を含み、一方で、内側ループ部材(1114)は、一対の中間スパイン部材(1124a、1124b)を含む。
【0126】
示されるように、スパイン部材(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(1110)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(1120a)、第1の中間スパイン部材(1124a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(1122a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(1120b)、第2の中間スパイン部材(1124b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(1122b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0127】
ループ部材(1112a、1112b、1114)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(1130)も含む。示される実施例では、各ループ部材(1112a、1112b、1114)は、各々が略円筒形の表面(1150)を有する対応する構造部材(1140a、1140b、1142)を含み、これによって、本実施例の各構造部材(1140a、1140b、1142)は、略円形断面形状を有する。各構造部材(1140a、1140b、1142)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(1140a、1140b、1142)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(1140a、1140b、1142)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0128】
示される実施例では、各ループ部材(1112a、1112b、1114)は、対応するカバー(1160a、1160b、1162)を更に含み、対応する構造部材(1140a、1140b、1142)は、対応するカバー(1160a、1160b、1162)の下にあり、対応する複数の電極(1130)は、対応するカバー(1160a、1160b、1162)の外面(1170)に配設される。カバー(1160a、1160b、1162)は各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0129】
上で述べられるように、各ループ部材(1112a、1112b、1114)の電極(1130)は、エンドエフェクタ(1110)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(1130)は、不均一な間隔でループ部材(1112a、1112b、1114)のカバー(1160a、1160b、1162)の表面(1170)に円周方向に配設される。示されるように、カバー(1160a、1160b、1162)の表面(1170)に配設された各電極(1130)は、同じカバー(1160a、1160b、1162)の表面(1170)に配設された2つの対応する隣接する電極(1130)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(1130)は、3つの電極(1130)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(1130)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(1110)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の1つの電極(1130)は、第1の平面(P1)の第1の側に少なくとも部分的に配設されており、各群の他の2つの電極(1130)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0130】
電極(1130)の配置は、各スパイン部材(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)に対して同じであるように示されているが、電極(1130)は、各スパイン部材(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(1130)は、最も外側のスパイン(1120a、1120b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(1122a、1122b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(1124a、1124b)に第3の配置で配向され得る。電極(1130)の異なる配置は、別のスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)の電極(1130)間の間隔と異なる、あるスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)の電極(1130)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)の電極(1130)の角度配向が、別のスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)の電極(1130)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(1130)が、あるスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)上の他の電極(1130)に相対的に、同じスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)から別のスパイン(1120a、1120b、1122a、1122b、1124a、1124b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0131】
L.非対称電極配置の第12の例
図4Dは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1210)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(1210)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(910)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(1210)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(1212a、1212b)と、内側ループ部材(1214)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸(L-L)に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。外側ループ部材(1212a、1212b)は、各々、対応する最も外側のスパイン部材(1220a、1220b)及び対応する最も内側のスパイン部材(1222a、1222b)を含み、一方で、内側ループ部材(1214)は、一対の中間スパイン部材(1224a、1224b)を含む。
【0132】
示されるように、スパイン部材(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(1210)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。第1の最も外側のスパイン部材(1220a)、第1の中間スパイン部材(1224a)、及び第1の最も内側のスパイン部材(1222a)は、長手方向軸(L-L)と、Y軸及び長手方向軸(L-L)の両方に直交するZ軸とによって画定される第2の平面(P2)の第1の側に配置されており、第2の最も外側のスパイン部材(1220b)、第2の中間スパイン部材(1224b)、及び第2の最も内側のスパイン部材(1222b)は、第2の平面(P2)の第2の側に配置されている。
【0133】
ループ部材(1212a、1212b、1214)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)に固定され、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(1230)も含む。示される実施例では、各ループ部材(1212a、1212b、1214)は、対応する構造部材(1240a、1240b、1242)を含み、各構造部材は、第1の平面(P1)に略平行に配向された第1の略平坦な表面(1250a)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第2の略平坦な表面(1250b)と、第1の平面(P1)に略斜めに配向された第3の略平坦な表面(1250c)と、を含む3つの略平坦な表面(1250a、1250b、1250c)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(1240a、1240b、1242)は、略三角形の断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面、第2の表面、及び第3の表面(1250a、1250b、1250c)は各々、同じ長さを有する。各構造部材(1240a、1240b、1242)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(1240a、1240b、1242)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(1240a、1240b、1242)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0134】
いくつかの変形例では、各ループ部材(1212a、1212b、1214)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(1240a、1240b、1242)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(1230)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0135】
上で述べられるように、各ループ部材(1212a、1212b、1214)の電極(1230)は、エンドエフェクタ(1210)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(1230)は、ループ部材(1212a、1212b、1214)の構造部材(1240a、1240b、1242)の各表面(1250a、1250b、1250c)に配設される。示されるように、構造部材(1240a、1240b、1242)の第1の表面(1250a)に配設された各電極(1230)は、同じ構造部材(1240a、1240b、1242)の第2の表面及び第3の表面(1250b、1250c)に配設された2つの対応する隣接する電極(1230)と長手方向軸(L-L)に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(1230)は、3つの電極(1230)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(1230)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(1210)によって画定される第1の平面(P1)に対して非対称であり、各群の第1の表面(1250a)の電極(1230)は、第1の平面(P1)の第1の側に完全に配設されており、各群の第2の表面及び第3の表面(1250b、1250c)の他の2つの電極(1230)は、第1の平面(P1)の第2の側に少なくとも部分的に配設されている。
【0136】
電極(1230)の配置は、各スパイン部材(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)に対して同じであるように示されているが、電極(1230)は、各スパイン部材(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)に対して様々な異なる配置で配向され得ることが理解されよう。例えば、電極(1230)は、最も外側のスパイン(1220a、1220b)に第1の配置で、最も内側のスパイン(1222a、1222b)に第2の配置で、かつ中間スパイン(1224a、1224b)に第3の配置で配向され得る。電極(1230)の異なる配置は、別のスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)の電極(1230)間の間隔と異なる、あるスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)の電極(1230)間の間隔を含み得ることが理解されるであろう。加えて、又は代わりに、異なる配置は、あるスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)の電極(1230)の角度配向が、別のスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)の電極(1230)の角度配向と異なることを含み得る。異なる配置はまた、電極(1230)が、あるスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)上の他の電極(1230)に相対的に、同じスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)上に位置付け及び/又は配向され得る任意の他の方法、並びにその相対的な位置付け及び/又は配向が、あるスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)から別のスパイン(1220a、1220b、1222a、1222b、1224a、1224b)まで、どのように変化し得るかを含み得る。
【0137】
M.エンドエフェクタの使用例
図5Aは、
図2のエンドエフェクタ(210)を描示する。上で説明されるように、エンドエフェクタ(210)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(212a、212b)と、内側ループ部材(214)と、外側ループ部材(212a、212b)と、を有し、対応するスパイン部材(220a、220b、222a、222b、224a、224b)は、長手方向軸(L-L)に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(210)は、Y軸と長手方向軸(L-L)とによって画定される第1の平面(P1)内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。また、上で説明されるように、ループ部材(212a、212b、214)は各々、第1の平面(P1)に対して非対称に配置された対応する複数の電極(230)を含み、1つの電極(230a)は、第1の平面(P1)内のスパイン部材の第1の側S1に配設され、他の2つの電極(230b、230c)は、第1の平面(P1)内のスパイン部材の第2の側S2に配設される。
【0138】
図5Aに描示されるように、第2の側S2が組織Tに面した状態で、エンドエフェクタ(210)を置くか、又はエンドエフェクタ(210)をある方向(又は前方)に掃引する際に、第2の側S1上の電極(230b、230c)は、それぞれの場所で、又は組織に沿ったそれぞれのトラックに沿って、組織と接触している。その後、
図2Bに描示されるように、エンドエフェクタ(210)を反転させてエンドエフェクタを置くか、又はエンドエフェクタを一方向(又は前方)に掃引する際に、又は代替的に、
図5Cに描示されるように、第1の側S1が組織Tに面した状態で、エンドエフェクタ(210)を置くか、又はエンドエフェクタ(210)を反対方向(又は後方)に掃引する際に、電極(230a)は、第2の側S2上の電極(230b、230c)のそれぞれの場所及びトラックとは異なり別個である、それぞれの場所又はトラックにおいて組織と接触する。有利には、電極(230a)及び電極(230b、230c)を平面P1に対して非対称に配置することによって、エンドエフェクタは、マッピング及びアブレーションの改善のために電極と組織との間の異なる接触場所を好都合に提供し、場所及びトラックのいずれかのセットは、エンドエフェクタを単に反転させるか、又は反対方向に置くか若しくは掃引することによって、容易にアクセス及び使用することができる。
【0139】
上で説明される使用及び利点は、本明細書で説明される電極の非対称配置のいずれにも適用され得ることが理解される。
【0140】
N.非対称電極配置の第13の例
図6A~
図6Cは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1310)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(1310)は、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(1312)(1つが図示されている)と、内側ループ部材(1314)と、を含み、各々が、それ自体が長手方向軸に沿って延在するベース部材又はシャフト(図示せず)から遠位方向に延在する。ループ部材(1312、1314)はまた、パドル、ループ、及び/又は電極ループアセンブリと称される場合もある。外側ループ部材(1312)は各々、対応する一対のスパイン部材(1320)(1つが図示されている)を含み、内側ループ部材(1314)は、一対の中間スパイン部材(1324)(1つが図示されている)を含む。
【0141】
スパイン部材(1320、1324)は、長手方向軸に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(1310)は、Y軸と長手方向軸とによって画定される平面内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。
【0142】
ループ部材(1312、1314)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(1320、1324)に固定され、平面に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(1330a、1330b、1330c)も含む。示される実施例では、各ループ部材(1312、1314)は、対応する構造部材(1340、1342)を含み、各外側ループ部材(1312)の構造部材(1340)は、平面に略平行に配向された第1の略平坦な表面(1350a)と、平面に略直交して配向された第2の略平坦な表面(1350b)と、平面に略平行に配向された第3の略平坦な表面(1350c)と、平面に略直交して配向された第4の略平坦な表面(1350d)と、を含む4つの略平坦な表面(1350a、1350b、1350c、1350d)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(1340)は、略長方形断面形状を有し、一方、内側ループ部材(1314)の構造部材(1342)は、略円筒形の表面(1352)を有し、これによって、本実施例の構造部材(1342)は、略円形断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面及び第3の表面(1350a、1350c)は各々、第2の表面及び第4の表面(1350b、1350d)の長さよりも長い、同じ長さを有する。各構造部材(1340、1342)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(1340、1342)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(1340、1342)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0143】
いくつかの変形例では、各ループ部材(1312、1314)は、対応するカバー(図示せず)を更に含み得、対応する構造部材(1340、1342)は、対応するカバーの下にあり、対応する複数の電極(1330a、1330b、1330c)は、対応するカバーの外面に配設される(又は別様にカバーに対して露出される)。そのようなカバーは各々、電気絶縁性であり得、かつ/又は各々、例えば、ポリウレタンなどのポリマー材料を含み得る。
【0144】
上で述べられるように、各ループ部材(1312、1314)の電極(1330a、1330b、1330c)は、エンドエフェクタ(1310)によって画定される平面に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(1330a)は、外側ループ部材(1312)の各構造部材(1340)の第1の表面(1350a)に配設される。
図6B及び
図6Cに示されるように、構造部材(1340)の第1の表面(1350a)に配設された各電極(1330a)は、電極(1330a)の非対称配置を提供するために、同じ構造部材(1340)の第3の表面(1350c)に対応する電極(1330a)が配設されていない、長手方向軸に沿った高さに位置付けられる。示されるように、各電極(1330a)は、それ自体、電極(1330a)を通って延在し、エンドエフェクタ(1310)によって画定される平面に平行な別の平面に対して非対称であるように成形され得る。加えて、又は代替的に、本実施例の電極(1330b、1330c)は、内側ループ部材(1314)の構造部材(1342)の表面(1352)に円周方向に配設され、電極(1330b)は、第1の構成を有し、電極(1330c)は、第1の構成とは異なる第2の構成を有する。例えば、電極(1330b)は各々、略三角形であり得、電極(1330c)は各々、略弓形であり得る。
図6Aに示されるように、構造部材(1342)の表面(1352)に配設された各電極(1330c)は、構造部材(1342)の表面(1352)に配設された2つの対応する隣接する電極(1330b)と長手方向軸に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(1330b、1330c)は、3つの電極(1330b、1330c)からなる隣接する群に配置され得る。3つの電極(1330b、1330c)からなる各隣接する群は、少なくとも対応する電極(1330b)に対する各電極(1330c)の異なる構成によって、エンドエフェクタ(1310)によって画定される平面に対して非対称である。
【0145】
O.非対称電極配置の第14の例
図6Dは、遠位先端部(28)の代わりにカテーテル(14)に容易に組み込まれ得るエンドエフェクタ(1410)の別の実施例を描示する。本実施例のエンドエフェクタ(1410)は、以下で説明される点を除き、上で説明されるエンドエフェクタ(1310)と同様である。この点に関して、エンドエフェクタ(1410)は、対応する一対のスパイン部材(1420)(1つが図示されている)を含む、第1の外側ループ部材及び第2の外側ループ部材(1412)(1つが図示されている)を含む。
【0146】
スパイン部材(1420)は、長手方向軸に直交するY軸に沿って概ね配置され得、これによって、エンドエフェクタ(1410)は、Y軸と長手方向軸とによって画定される平面内に概ね存在し得、したがって、略平面状であり得る。
【0147】
ループ部材(1412)はまた、各々、それぞれのスパイン部材(1420)に固定され、エンドエフェクタ(1410)によって画定される平面に対して非対称に配置された、対応する複数の感知電極(1430)も含む。示される実施例では、各ループ部材(1412)は、対応する構造部材(1440)を含み、対応する構造部材(1440)は、平面に略平行に配向された第1の略平坦な表面(1450a)と、平面に略直交して配向された第2の略平坦な表面(1450b)と、平面に略平行に配向された第3の略平坦な表面(1450c)と、平面に略直交して配向された第4の略平坦な表面(1450d)と、を含む4つの略平坦な表面(1450a、1450b、1450c、1450d)を有し、これによって、本実施例の各構造部材(1440)は、略長方形断面形状を有する。示される実施例では、第1の表面及び第3の表面(1450a、1450c)は各々、第2の表面及び第4の表面(1450b、1450d)の長さよりも長い、同じ長さを有する。各構造部材(1440)は、任意の他の好適な断面形状を有し得、かつ/又は構造部材(1440)の長さに沿って遷移する任意の好適な数の異なる断面形状を有し得ることが理解されよう。例えば、各構造部材(1440)は、対称形状、非対称形状、多角形形状、三角形形状(例えば、ルーローの三角形)、長方形形状、正方形形状、五角形形状、八角形形状、円形形状、多曲線形状、及び/又は楕円形形状(例えば、不規則的な楕円形)のうちの任意の1つ又は2つ以上を有し得る。
【0148】
上で述べられるように、各ループ部材(1412)の電極(1430)は、エンドエフェクタ(1410)によって画定される平面に対して非対称に配置される。この点に関して、本実施例の電極(1430)は、外側ループ部材(1412)の各構造部材(1440)の第1の表面及び第3の表面(1450a、1450c)に配設される。示されるように、構造部材(1440)の第1の表面(1450a)に配設された各電極(1430)は、同じ構造部材(1440)の第3の表面(1450c)に配設された対応する隣接する電極(1430)と長手方向軸に沿って同じ高さに位置付けられ、これによって、電極(1430)は、2つの電極(1430)からなる隣接する群に配置され得る。2つの電極(1430)からなる各隣接する群は、エンドエフェクタ(1410)によって画定される平面に対して非対称であり、各群の第1の表面(1450a)の電極(1430)は、第3の表面(1450b)の隣接する電極(1430)からY軸に沿ってオフセットされている。示されるように、各電極(1430)は、それ自体、電極(1430)を通って延在し、エンドエフェクタ(1410)によって画定される平面に平行な別の平面に対して非対称であるように成形され得る。
【0149】
III.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされ得るか又は適用され得る、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得るいかなる特許請求の範囲も限定することを意図するものではないことを、理解されたい。一切の権利放棄が、意図されていない。以下の実施例は、単に例解目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方式で構成及び適用され得ることが、企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることもまた、企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由のためにも追加されているものとみなされるべきではない。
【実施例0150】
電気生理学的用途のためのカテーテルであって、(a)長手方向軸に沿って遠位端部まで延在するシャフトと、(b)シャフトの遠位端部に連結されたエンドエフェクタであって、(i)複数のループ部材であって、複数のループ部材のうちの各ループ部材が、対応する一対のスパインを含み、複数のループ部材のうちの各ループ部材のスパインが、長手方向軸に垂直である横軸に沿って配置されており、横軸及び長手方向軸が、集合的に平面を画定する、複数のループ部材と、(ii)複数のループ部材に取り付けられた複数の電極であって、平面に対して非対称に配置されている、複数の電極と、を含む、エンドエフェクタと、を備える、カテーテル。