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特開2024-95632機能ブロックタイプに基づいて決定されたデフォルトのアラーム設定ファイルを分散制御ノード(DCN)に伝送すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095632
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】機能ブロックタイプに基づいて決定されたデフォルトのアラーム設定ファイルを分散制御ノード(DCN)に伝送すること
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
G05B23/02 302Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222846
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】18/090,326
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エマーソン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・クレー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエン・グエン
(72)【発明者】
【氏名】澤原 英則
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA03
3C223BB02
3C223BB06
3C223BB12
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF03
3C223FF12
3C223FF15
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロセス自動化システムアラームを生成、更新、および/または展開する際の、様々な技術的課題を解決する技法を提供する。
【解決手段】特定タイプの機能ブロックに基づいて決定されるデフォルトのアラーム設定ファイルを分散制御ノード(DCN)に伝送する。DCNが特定タイプの機能ブロックを遂行していること、アラーム監視において特定のタイプの機能ブロックを利用しているという決定に基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送する。DCNに伝送されるデフォルトのアラーム設定ファイルは、DCNとインターフェースするHMIを介して閲覧、編集できるようにするために、DCNにローカルに記憶することができる。DCNにローカルに記憶されているデフォルトのアラーム設定ファイルに対してHMIを介して行われるローカル更新を、プロセス自動化ネットワークを介してアクセス可能なアラームデータベースに反映する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサによって実装される方法であって、
プロセス自動化システムの分散制御ノード(DCN)が特定のタイプの機能ブロックを遂行しているかどうかを決定するステップと、
前記特定のタイプに基づいてデフォルトのアラーム設定ファイルを決定するステップと、
前記DCNが前記特定のタイプの前記機能ブロックを遂行しているとの決定に応答して、
前記プロセス自動化システムのネットワークを介して、前記DCNに、前記特定のタイプに基づいて決定された前記デフォルトのアラーム設定ファイルを伝送するステップと
を備え、
前記デフォルトのアラーム設定ファイルが、前記DCNを介してローカルに編集可能であり、編集されると、前記機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装する際に前記DCNによって使用される、方法。
【請求項2】
前記DCNに前記特定のタイプの前記デフォルトのアラーム設定ファイルを伝送した後、
前記ネットワークを介して、および前記DCNから、
前記DCNによって遂行される前記機能ブロックの機能ブロック識別子と、
以前に伝送されたデフォルトのアラーム設定ファイルの編集したバージョンである、更新されたアラーム設定ファイルと
を含むアラーム設定更新を受信するステップと、
前記更新されたアラーム設定ファイル、および前記更新されたアラーム設定ファイルと前記機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベースに記憶するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記更新されたアラーム設定ファイル、および前記更新されたアラーム設定ファイルと前記機能ブロック識別子との前記関連付けを前記アラームデータベースに記憶した後、
前記プロセス自動化システムの追加のDCNによって伝送されたアラーム設定要求を前記ネットワークを介して受信するステップであって、前記アラーム設定要求が、
前記機能ブロック識別子を含む、ステップと、
前記アラーム設定要求の受信に応答して、
前記アラームデータベースから、前記機能ブロック識別子に関連付けて記憶されている前記アラーム設定ファイルと、前記受信したアラーム設定要求に含まれている前記機能ブロック識別子とに基づいて、前記更新されたアラーム設定ファイルを取得するステップと、
前記プロセス自動化システムの前記ネットワークを介して、前記更新されたアラーム設定ファイルを前記追加のDCNに伝送するステップであって、
前記更新されたアラーム設定ファイルを伝送するステップにより、前記追加のDCNが、前記更新されたアラーム設定ファイルに準拠したアラーム監視を実装する、ステップと
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記追加のDCNが、前記プロセス自動化システムにおける前記DCNに代わる、新たに稼働されたDCNである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記追加のDCNが、前記アラーム設定要求時に前記機能ブロックを遂行している、以前に稼働されたDCNであり、前記DCNが前記アラーム設定要求時に前記機能ブロックを遂行しなくなる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記DCNが前記特定のタイプの前記機能ブロックを遂行していると決定するステップが、
前記DCNによって伝送され、前記機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を前記ネットワークを介して受信するステップと、
前記アラーム設定要求に含まれる前記機能ブロック識別子に基づいて、前記DCNが前記特定のタイプの前記機能ブロックを遂行していることを決定するステップと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アラーム設定要求に含まれる前記機能ブロック識別子に基づいて、前記DCNが前記特定のタイプの前記機能ブロックを遂行していることを決定するステップが、
前記機能ブロック識別子が前記特定のタイプにマッピングされる1つまたは複数の文字を含むことに基づいて、前記特定のタイプを決定するステップを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アラーム設定要求の受信に応答して、
アラームデータベース内に前記機能ブロック識別子に関連付けて記憶されている特定のアラーム設定ファイルがあるかどうかを決定するステップをさらに備え、
前記デフォルトのアラーム設定ファイルを前記DCNに伝送するステップが、前記機能ブロック識別子に関連付けて記憶された特定のアラーム設定ファイルが存在しないとの決定にさらに応答する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記デフォルトのアラーム設定ファイルが、アラーム監視を実装する際に監視される1つまたは複数の条件を定義し、前記1つまたは複数の条件ごとに、対応するデフォルト値を含むか、値を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記DCNによって遂行される前記機能ブロックを識別するステップをさらに備え、
前記デフォルトのアラーム設定ファイルを決定するステップが、前記特定のタイプの汎用アラーム設定ファイルを修正して、前記DCNによって遂行される前記機能ブロックの1つまたは複数のプロセス変数を含めるステップを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
プロセス自動化システムの分散制御ノード(DCN)の1つまたは複数のプロセッサによって実装される方法であって、
前記DCNと直接インターフェースするヒューマンマシンインターフェース(HMI)を介してユーザインターフェース入力を受信するステップと、
前記ユーザインターフェース入力に基づいて、前記DCNにローカルに記憶され、前記DCNによって遂行される機能ブロックに関連付けられているデフォルトのアラーム設定ファイルに対する1つまたは複数の更新を決定するステップと、
前記デフォルトのアラーム設定ファイルおよび前記1つまたは複数の決定された更新に基づく、更新されたアラーム設定ファイルを生成するステップと、
前記更新されたアラーム設定ファイルおよび前記機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装するステップと、
前記プロセス自動化システムのネットワークを介して、前記更新されたアラーム設定ファイルおよび前記機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定更新を伝送するステップであって、
前記要求を伝送するステップにより、前記更新されたアラーム設定ファイルが、前記機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベースに記憶される、ステップと
を備える、方法。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースの入力に基づいて、前記デフォルトのアラーム設定ファイルに対する前記1つまたは複数の更新を決定するステップが、
前記ユーザインターフェース入力に基づいて、前記1つまたは複数の更新の特定の値を決定するステップであって、前記特定の値が前記デフォルトのアラーム設定ファイルの条件に関するものである、ステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記デフォルトのアラーム設定ファイルには前記条件の値が不足しており、前記更新されたアラーム設定ファイルが前記条件の前記特定の値を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デフォルトのアラーム設定ファイルが前記条件のデフォルト値を含み、前記更新されたアラーム設定ファイルが前記条件の前記特定の値を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記HMIを介して前記ユーザインターフェース入力を受信する前に、
前記ネットワークを介して、前記機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を伝送するステップと、
前記アラーム設定要求の伝送に応答して、および前記ネットワークを介して、前記デフォルトのアラーム設定ファイルを受信するステップと
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
1つまたは複数のアラーム設定条件の発生を検出するステップをさらに備え、
前記アラーム設定要求を伝送するステップが、前記1つまたは複数のアラーム設定条件の前記発生の検出に応答する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数のアラーム設定条件の発生を検出するステップが、
前記DCNの電源投入を検出するステップ、
前記DCNが前記プロセス自動化システムにおいて新たに稼働したことを検出するステップ、および/または
前記機能ブロックの前記DCNによって、アラーム監視が現在アクティブではないことを検出するステップ
を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機能ブロック識別子が前記機能ブロックに固有であり、前記プロセス自動化システムの任意の他の機能ブロックには割り当てられない、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセス自動化システムのネットワークに通信可能に結合された1つまたは複数のネットワークインターフェースと、
複数の機能ブロック固有のアラーム設定ファイルと、前記機能ブロック固有のアラーム設定ファイルの各々についての、対応する機能ブロック識別子への対応する関連付けを含むアラームデータベースと、
複数のアラーム設定プロセッサであって、
前記ネットワークを介して、前記プロセス自動化システムのノードによって伝送され、前記機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を受信することであって、
前記アラーム設定要求が、前記ノードによるアラーム監視において使用するために割り当てられている前記機能ブロックに基づく前記機能ブロック識別子を含む、ことと、
前記アラーム設定要求を受信することに基づいて、前記アラームデータベースの前記対応する関連付けが前記機能ブロック識別子への関連付けを含むかどうかを決定することと、
前記アラームデータベースの前記対応する関連付けが前記機能ブロック識別子への関連付けを含むとの決定に応じて、
前記機能ブロック固有のアラーム設定ファイルのうち、前記関連性を有する機能ブロック固有のアラーム設定ファイルを、前記アラーム設定要求に応じて前記ノードに伝送することと、
前記アラームデータベースの前記対応する関連付けが前記機能ブロック識別子への関連付けを含まないとの決定に応じて、
前記機能ブロック識別子によって識別される機能ブロックの特定のタイプに基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルを決定することと、
前記ネットワークを介して、前記特定のタイプに基づいて決定された前記デフォルトのアラーム設定ファイルを前記ノードに送信することとであって、
前記デフォルトのアラーム設定ファイルが、前記ノードを介してローカルに編集可能であり、編集されると、前記機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装する際に前記ノードによって使用される、ことと、
を行うために、記憶された命令を遂行する、1つまたは複数のアラーム設定プロセッサと
を含む、アラーム設定サーバを備える、プロセス自動化システム。
【請求項20】
前記ノードをさらに備え、前記ノードが、前記機能ブロックを遂行する分散制御ノード(DCN)である、請求項19に記載のプロセス自動化システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アラームは、潜在的な異常を検出し、潜在的な異常の検出に応じてアクションを実行させるために、プロセス自動化システムにおいて利用される。潜在的な異常は、プロセス自動化システムに関するもの、および/またはプロセス自動化システムが導入されているプロセス自動化プロセスに関するものである可能性がある。アラームに対するアクションは、たとえば、オペレータによって監視されているインターフェースにおいて対応する通知を表示させること、および/または自動的に修復を実行させること(たとえば、自動的に停止または調整される自動化プロセスまたはサブプロセス)を含むことができる。例として、アラームは、プロセス自動化システムのセンサからのセンサ読取り値を監視し、センサ読取り値が高い値(および/または、高-高値(high-high value))を超えている場合、および/または低い値(および/または低-低値)を下回っている場合に、対応する通知を表示させるように構成することができる。
【0002】
いくつかのプロセス自動化システムでは、プロセス自動化システムのプロセス自動化制御ノードのハードウェアおよび/またはソフトウェアはすべて、単一のエンティティ(たとえば、単一の会社)によって供給および/または管理され得る。これにより、単一のエンティティは、対応するプロセス自動化制御ノードに関連付けられるアラームを作成および管理するために独自の技法を利用することができるようになる。
【0003】
しかしながら、他のプロセス自動化システムは、複数のエンティティによって供給および/または管理される、ならびに/あるいは分散方式で展開される異種ハードウェアおよび/または異種ソフトウェアを含む。たとえば、プロセス自動化システムは、第1のエンティティによって供給および/または管理されるいくつかのプロセス自動化制御ノード、第2のエンティティによって供給および/または管理される他のプロセス自動化制御ノードなどを含むことができる。各プロセス自動化制御ノードは、プロセス自動化制御ノードによって実行される制御を定義する異なる機能ブロックを含む、異なるハードウェアおよび/またはソフトウェア仕様を有することができる。
【0004】
プロセス自動化制御ノードは、ハードウェア(たとえば、プロセッサ、メモリ、ネットワークインターフェース、入力および/または出力ポート、ならびに/あるいは他のハードウェア)を含む分散制御ノード(DCN)、ならびに少なくともいくつかのハードウェアによって遂行されるソフトウェア(たとえば、機能ブロック)を含むことができる。たとえば、ソフトウェアはDCNのメモリに含めることができ、DCNのプロセッサによって遂行することができる。DCNのソフトウェアは、たとえば、遂行中にDCNの入力ポートからのデータおよび/または他のDCNからのデータを利用することができ、ならびに/あるいは出力ポートおよび/またはネットワークインターフェースを介して提供する(たとえば、プロセス自動化システムのプロセス自動化ネットワークを介して1つまたは複数のエンドポイントに伝送する)ための出力を生成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散型および/または異種ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むプロセス自動化システムにおいてプロセス自動化アラームを生成、更新、および/または展開する際には、様々な技術的課題が存在する。たとえば、プロセス自動化アラームは、アラームエンジンによる、特定の機能ブロックの入力変数、出力変数、および/または内部変数などの、特定の機能ブロックのプロセス変数の監視が必要になる場合がある。アラームエンジンによるそれらのプロセス変数の監視を可能にするためには、プロセス変数を生成する、および/またはプロセス変数へのアクセスを有効にするDCNが、アラームエンジンにアクセスできる必要がある。さらに、アラームエンジンは、対応するアラーム条件の発生を監視し、それに応じて対応するアクションを発生させる際に、適切なアラーム設定ファイルにアクセスして利用する必要がある。アラーム設定ファイルは対応するプロセス変数の条件を定義することができ、条件が満たされると、アラームエンジンに、対応するアクションを開始させる。さらに、アクションが、アラームビューアにおける対応する出力のレンダリング(たとえば、視覚的および/または可聴レンダリング)の開始を含む場合、アラームエンジンとアラームビューアとの間の接続指向の接続の確立が必要または望ましい場合がある。
【0006】
しかしながら、プロセス自動化システムの分散型および/または異質な性質により、上記または本明細書の他の箇所で言及した要望および/または要件のうちの1つまたは複数を達成することは、面倒であり、および/またはエラーが発生しやすい可能性がある。一例として、アラーム設定ファイルが特定のDCNにローカルに記憶され、特定のDCN上の特定の機能ブロックのプロセス変数を監視する(たとえば、特定の機能ブロックの遂行中にそれらの変数の値を監視する)際に、特定のDCNのローカルアラームエンジンによって利用されていると仮定する。さらに、アラーム設定ファイルは、特定のDCNに事前にロードされる(プロセス自動化システムにおけるDCNの稼働の前に)ことに基づいて、または稼働中にDCNに結合されるヒューマンマシンインターフェース(HMI)によって完全に手動で設定されることに基づいて、特定のDCNによってローカルに記憶され、利用されると仮定する。特定のDCNが新しいDCNに置き換えられ、同じ機能ブロックが遂行される場合、新しいDCNにアラーム設定ファイルを手動で事前にロードするか、HMIを介して新しいDCNを手動で設定することが必要になる場合がある。同様に、特定の機能ブロックおよび/またはアラームエンジンが特定のDCNから削除され、代替DCNに新たに実装された場合、代替DCNへのアラーム設定ファイルの手動再割当てが必要になる場合がある。手動再割当ては面倒でコンピューティングリソースの使用が必要であることに加え、手動再割当てでエラーが発生すると、対応するアラームが実際にアクティブではなくなったり、(たとえば、違った値が定義されているため)正確ではなくなったりする可能性がある。その結果、アラームの条件の発生を監視できなくなり、対応するアクションが実行されなくなり、プロセス自動化設定に危険な状態または他の悪影響が生じる可能性がある。
【0007】
DCNにおいてプロセス自動化アラームをローカルに設定できるようにしたい場合、これらおよび/または他の課題がさらに悪化する可能性がある。たとえば、プロセス自動化設備における従業員または請負業者が、DCNと直接インターフェースするヒューマンマシンインターフェース(HMI)とのユーザ対話を通じて、機能ブロックのプロセス自動化アラームを設定できるようにしたいという要望がある場合がある。HMIは、DCNとのワイヤードまたはワイヤレス接続を介して、および任意で、HMIへの入力を介して認証(たとえば、ユーザ名および/またはパスワードを使用して)が実行された後に、DCNと直接インターフェースすることができる。たとえば、プロセス自動化アラームの条件を定義する値をローカルに指定したり、プロセス自動化アラームの他のパラメータの値(たとえば、アラーム感度値、アラームメッセージの内容、および/または他のパラメータの値)をローカルに指定したりすることが望まれる場合がある。しかしながら、所与のDCNとの対話を介して行われたローカル適応は、所与のDCNを置き換える新しいDCNにおいて、および/または機能ブロックが所与のDCNから削除されて代替DCNに実装された場合、反映されない場合がある。さらに、それらのローカル仕様は、システムのすべてのアラームの閲覧および/または編集を可能にする非ローカルアラーム設定GUIによって使用され得る中央データベースに反映されない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示される実装形態は、デフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに自動的に展開することによって、これらおよび他の課題に対処する。これらの実装形態では、デフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに自動的に展開する際に、DCNによって遂行される、および/またはアラーム監視の際にDCNのローカルアラームエンジンによって利用される機能ブロックの機能ブロックタイプに基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルを決定する。たとえば、「AO」機能ブロックタイプの場合、デフォルトのアラーム設定ファイルは、「エラー」、「レベル」、「変化率」、および「逸脱」アラームタイプのファイルを含むことができるが、たとえば「離散」、「アンサーバック不一致」および/または「アンサーバックエラー」アラームタイプは省略される。別の例として、「DI」機能ブロックタイプの場合、デフォルトのアラーム設定ファイルは、「エラー」および「離散状態」アラームタイプのファイルを含むことができるが、たとえば「変化率」、「レベル」、「逸脱」「アンサーバック不一致」、および/または「アンサーバックエラー」アラームタイプは省略される。
【0009】
上で参照したように、DCNに展開されるデフォルトのアラーム設定ファイルは、DCNがデフォルトのアラーム設定ファイルに対応する特定のタイプの機能ブロックを遂行するという決定、および/または、DCNが特定のタイプの機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装するとの決定に応答して、DCNに展開することができる。たとえば、DCNは、プロセス自動化ネットワークを介してアラーム設定サービスに、DCNによって遂行される、および/またはDCNによるアラーム監視の際に利用される機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を伝送することができる。アラーム設定サービスは、アラーム設定要求の機能ブロック識別子に基づいて機能ブロックタイプを決定することができる。さらに、要求に応じて、アラーム設定サービスは、それらの機能ブロックタイプのデフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送することができる。
【0010】
一例として、所与の機能ブロックは、「FT101.PV」という機能ブロック識別子を有することができる。機能ブロック識別子「FT101.PV」は、所与の機能ブロックを作成する際に、所与の機能ブロックのプログラマによって生成することもでき、自動的に作成することもでき、プロセス自動化システムの他のすべての機能ブロックの他のすべての機能ブロック識別子に対して一意になるように作成または生成することもできる。さらに、機能ブロック識別子の一部は、機能ブロックのタイプを示すことができ、標準化されたタイプ指定スキームに準拠することができる。たとえば、「FT101.PV」における「PV」は、機能ブロックが「プロセス変数」タイプであることを示すことができる。また、たとえば、「.AI」は「アナログ入力」タイプの機能ブロックを示すことができ、「.AO」は「アナログ出力」タイプの機能ブロックを示すことができ、および/または「.PID」は「比例-積分-微分」タイプの機能ブロックを示すことができる。それらまたは他の実装形態の一部では、機能ブロック識別子の少なくとも一部は、標準化された指定スキームに準拠していない可能性があるが、意味論的に意味があり、かつ/またはプロセス自動化システムを実装するプログラマおよび/またはエンティティの非標準化された指定スキームに準拠している可能性がある。「FT101.PV」における「FT101」は、機能ブロック識別子のそのような一部の例である。たとえば、プロセス自動化システムでは、「.PV」で終わる複数の機能ブロック識別子が存在する場合がある。しかしながら、それらのうちの1つだけが「.PV」の前に「FT101」を含み、さらにそれらのすべては、「.PV」の前に相互に関連した一意の文字を含む。したがって、様々な実装形態では、アラーム設定サービスは、DCNからのアラーム設定要求に含まれる機能ブロック識別子の処理を通じて、DCNによって実装される機能ブロックタイプを決定することができる。たとえば、アラーム設定サービスは、DCNからのアラーム設定要求に含まれる機能ブロック識別子の接尾辞(たとえば、「.」に続く部分)に基づいて、DCNによって利用される機能ブロックタイプを決定することができる。
【0011】
機能ブロックタイプに基づいて決定されるデフォルトのアラーム設定ファイルは、対応するアラームタイプの条件を含むことができるが、条件のデフォルト値を含んでもよく、含まなくてもよい。たとえば、「アナログ入力」機能ブロックタイプの場合、デフォルトのアラーム設定ファイルは、高-高、高、低、および低-低設定点条件などの「レベル」アラームタイプの条件を含むことができる。しかしながら、デフォルトのアラーム設定ファイルは、それらの条件ごとに、対応するデフォルト値を含んでもよく、含まなくてもよい。むしろ、本明細書で説明するように、それらの条件の値は、デフォルトのアラーム設定ファイルが提供されローカルに記憶されるDCNに結合されたHMIとの対話を介して後で指定することができる。
【0012】
デフォルトのアラーム設定ファイルを決定する際に対応する機能ブロックへのアクセスが利用できる場合など、いくつかの実装形態または状況では、デフォルトのアラーム設定ファイルは、条件が関係する実際のプロセス変数を含むことができる。いくつかの代替実装形態または状況では、デフォルト設定ファイルはプレースホルダプロセス変数を含んでもよく、および/または含まなくてもよい。むしろ、それらは、デフォルトのアラーム設定ファイルが提供されローカルに記憶されるDCNに結合されたHMIとの対話を介して後で指定することができる。デフォルトのアラーム設定ファイルは、追加および/または代替のパラメータを含むことができ、任意でデフォルト値を定義するか、および/または、値を定義しない。たとえば、デフォルトのアラーム設定ファイルは、デフォルトのセキュリティレベル(たとえば、機能ブロックタイプおよび/またはアラームタイプに対して定義されるデフォルトレベル)を指定することができ、および/または、対応する条件が満たされた場合にアラームビューアに表示されるデフォルトメッセージ(たとえば、機能ブロックタイプおよび/またはアラームタイプに対して定義されたデフォルトメッセージ)を指定することができる。
【0013】
DCNに伝送されるデフォルトのアラーム設定ファイルは、DCNとインターフェースするHMIを介して閲覧および/または編集できるようにするために、DCNにローカルに記憶することができる。たとえば、HMIは、ワイヤード接続(たとえば、DCNのI/Oを介して)またはワイヤレスBluetooth接続などのワイヤレス接続を介して、少なくとも一時的にDCNとインターフェースすることができる。DCNにローカルに記憶されているデフォルトのアラーム設定ファイルは、最初は無効なフラグが設定されている場合があり、これにより、DCNのアラームエンジンによる実装が妨げられる。DCNにローカルに記憶されているデフォルトのアラーム設定ファイルはまた、最初は条件および/または他のパラメータの値が欠けている場合や、ならびに/あるいはパラメータの初期デフォルト値を含んでいる場合がある。HMIがDCNとインターフェースすると、HMIはデフォルトのアラーム設定ファイルの閲覧、編集、および/または削除を可能にすることができる。さらに、デフォルトのアラーム設定ファイルの無効フラグは、HMIを介してアラーム設定ファイルが更新された後(および任意で更新が確認された後)、またはHMIを介してデフォルトのアラーム設定ファイルが確認された後、削除するか、有効なフラグに変更することができる。任意で更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルの無効フラグが削除されるか、有効フラグに変更されると、任意で更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルに基づいて、DCNにおけるローカルアラーム監視を開始することができる。
【0014】
本明細書で開示される実装形態に従ってデフォルトのアラーム設定ファイルを提供することによって、オペレータは、制限されたユーザインターフェース入力を使用してHMIを介して、またHMIを介してアラーム設定ファイルを最初から作成する場合よりも効率的な方法で、デフォルトのアラーム設定ファイル(たとえば、そのパラメータの値)を編集することができる。さらに、オペレータが実装したくないアラーム設定ファイルについては、HMIを介して容易に削除することも、無効な状態のままにすることもできる。さらに、様々な実装形態は、DCNへのデフォルト設定ファイルのプリロードを必要とせずに、DCNの稼働中にDCNにデフォルトのアラーム設定ファイルを提供し、ならびに/あるいはDCNによって遂行される、および/またはDCNによるアラーム監視において利用される機能ブロックに関連するデフォルト設定ファイルのみを提供し、無関係なデフォルト設定ファイルを記憶する際のDCNメモリの浪費を防ぐ。
【0015】
本明細書に開示される実装形態は、追加的または代替的に、DCNにローカルに記憶されているデフォルトのアラーム設定ファイルに対してHMIを介して行われるローカル更新を、プロセス自動化ネットワークを介してアクセス可能なアラームデータベースに反映することに関する。たとえば、DCNに伝送されたデフォルトのアラーム設定ファイルに基づく更新されたアラーム設定ファイルをアラームデータベースに記憶するが、そのファイルはデフォルトのアラーム設定ファイルへの修正を含み、それらの修正は、DCNと結合されたHMIを介して受信した入力に応答する。さらに、それらの実装形態はまた、更新されたアラーム設定ファイルと、それが関係する機能ブロックの機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベースに記憶することができる。機能ブロック識別子への更新されたアラーム設定ファイルの割当ては、更新されたアラーム設定ファイルをローカルに記憶し、ローカルに使用するDCNのDCN識別子へのアラームの割当てに加えて(または、その代わりに)行うことができる。たとえば、所与の機能ブロックは、「FT101.PV」という識別子を有することができ、これは所与の機能ブロックのプログラマによって生成され、システムの他のすべての機能ブロックに対して一意であり得る。さらに、所定の機能ブロックに基づいてアラーム監視のための更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルをアラームデータベースに記憶することができ、「FT101.PV」と更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルとの間の関連付けもアラームデータベースに記憶することができる。
【0016】
たとえば、DCNは、アラームデータベースを管理するアラーム設定サービスに、DCNにおいてローカルに修正された更新された任意のアラーム設定ファイルを含むアラーム設定更新を、更新されたアラーム設定ファイルが関係する機能ブロック識別子とともに伝送することができる。DCNは、DCNにおけるローカル修正に応じてそのような送信を送信することができる。これにより、修正を反映するために、アラーム設定サービスがアラームデータベースを更新することができるようになる。これにより、非ローカルアラーム設定グラフィカルユーザインターフェース(GUI)による更新されたアラーム設定ファイルの閲覧と、任意で、非ローカルアラーム設定GUIを介した更新されたアラーム設定ファイルのさらなる修正(そしてその後、さらに修正されたアラーム設定ファイルのDCNへの提供)が可能になる。さらに、アラーム設定ファイルを機能ブロック識別子に関連付けて記憶することによって、元のDCNの代わりに機能ブロックを後で実装する新しいDCNまたは代替DCNに、対応するデフォルトのアラーム設定ファイルを提供する代わりに、更新されたアラーム設定ファイルを提供することができる。たとえば、新しいDCNまたは代替DCNは、機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求をアラーム設定サービスに提供することができる。アラーム設定サービスは、アラームデータベースからアラーム設定ファイルを識別するために要求の機能ブロック識別子を使用し、識別されたアラーム設定ファイルを実装のためにDCNに返すことができる。機能ブロック識別子に関連付けて記憶されているアラーム設定ファイルがない場合、機能ブロックのタイプに応じたデフォルトのアラーム設定ファイルを上記のように提供することができる。
【0017】
アラーム設定サービスは、プロセス自動化ネットワークに結合された1つまたは複数のサーバ上で実装することができ、本明細書で説明するように、アラームデータベースを管理し、および/またはDCNと対話することができる。アラーム設定サービスは、DCNからアラーム設定要求を受信し、それに応じて対応するデフォルトのアラーム設定ファイルを提供することができる。いくつかの実装形態では、アラーム設定サービスは、DCN識別子との関連付けが記憶されている任意の固有の(すなわち、デフォルトではない)アラーム設定ファイルがあるかどうかを決定するために、まずアラーム設定要求に含まれるDCN識別子に基づいてアラームデータベースを検索することができる。あると決定した場合、デフォルトのアラーム設定ファイルの代わりに固有のアラーム設定ファイルをDCNに伝送することができる。たとえば、DCN識別子に関連付けて記憶される固有のアラーム設定ファイルは、一括アップロードを介して提供されるファイル、非ローカルのアラーム設定GUIとの対話を介して定義されるファイル、または以前のアラーム設定の更新において提供されるファイル(たとえば、デフォルトのアラーム設定ファイルのHMIベースの修正に基づいて提供されるファイル)であり得る。このような方法、および他の方法で、新たに稼働されたDCN(たとえば、プロセス自動化システムの初回稼働時の稼働、または取り外したDCNを置き換えるための稼働)は、新たに稼働されたDCNによって利用される(たとえば、それによって遂行される、および/またはそれによってアラーム監視において使用するために割り当てられる)機能ブロックの機能ブロック識別子のみを利用して、適切なデフォルトおよび/または固有のアラーム設定ファイルを取得することができる。さらに、アラーム設定サービスは、任意で、所与の機能ブロックが実装される特定のDCNのアドレス指定可能なDCN識別子を参照せずに、アラーム設定ファイルを検索および提供することができる。
【0018】
本明細書に開示される実装形態によるアラームを展開する際の機能ブロック識別子の利用は、分散型および/または異種プロセス自動化システム設定において堅牢である、および/またはそのような設定におけるエラーを軽減するアラーム展開を可能にすることができる。たとえば、アラーム設定要求に応じてどのアラーム設定ファイルを提供するかを決定する際に機能ブロック識別子を利用すると、古いDCNが新しいDCN(新しいDCN識別子を有する)に置き換えられること、アラームエンジン監視機能が所与のDCN(所与のDCN識別子を有する)から代替DCN(代替DCN識別子を有する)に切り替わることなどによって発生する可能性のある問題を軽減することができる。
【0019】
様々な実装形態では、1つまたは複数のアラーム設定条件の発生を検出するDCNに応答して、DCNによってアラーム設定要求を発行することができる。たとえば、アラーム設定要求は、DCNが新たに稼働した(たとえば、プロセス自動化システムに新たに追加された)ことを決定することと、電源が投入された(たとえば、最初に、または再起動後)と決定することと、アラームエンジンが機能ブロックを監視するために割り当てられているが、その監視が現在アクティブではないと決定することと(たとえば、機能ブロックのアラーム設定ファイルが不足しているため)、最後にアラーム設定要求を発行してからしきい値期間を超えていると決定することと、アラーム設定サービスから更新要求を受信することと、および/または他の状態の発生を検出することとを行ったDCNに応答して、DCNによって発行することができる。そのような特定の条件の検出に応じてDCNがアラーム設定要求を発行するようにすると、必要とされる可能性が高い状況においてDCNがアラーム設定ファイルを積極的に検索できるようになる。追加的または代替的に、特定の条件が検出されない場合にDCNによるアラーム設定要求の発行を防止することによって、プロセス自動化システムのリソースを節約することができる。たとえば、DCNからアラーム設定サービスにアラーム設定要求を伝送する際に利用されるネットワークリソース、および/またはアラーム設定要求に応答する際にアラーム設定サービスによって利用されるネットワークリソースなどを節約することができる。
【0020】
したがって、本明細書に開示される実装形態は、プロセス自動化ノードが新たに稼働されたプロセス自動化システム内においてオンラインになるときに、適切なプロセス自動化ノードにアラーム設定ファイルを効果的に展開することを可能にする。さらに、追加的または代替的に、実装形態により、アクティブなプロセス自動化システムにおけるプロセス自動化ノードおよび/または他のシステムコンポーネントの置換および/または修正に対する堅牢な適応が可能になる。たとえば、実装形態は、第1の機能ブロックを遂行および/または監視する第1のDCNが、同様に第1の機能ブロックを遂行および/または監視する第2のDCN(たとえば、異なるハードウェア仕様を有する)によって置き換えられる場合に、堅牢なアラーム適応を可能にする。
【0021】
上記の説明は、本開示のいくつかの実装形態の概要として提供される。それらの実装形態および他の実装形態のさらなる説明は、以下でより詳細に説明される。
【0022】
さらに、いくつかの実装形態は、1つまたは複数のデバイスの1つまたは複数のプロセッサを含み、1つまたは複数のプロセッサは、関連付けられるメモリに記憶された命令を遂行するように動作可能であり、命令は、前述の方法のいずれかを実行させるように構成される。プロセッサは、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または他のプロセッサなどの様々なハードウェアプロセッサを含むことができる。いくつかの実装形態は、追加的または代替的に、本明細書に開示される方法のいずれかを実行するために1つまたは複数のプロセッサによって遂行可能なコンピュータ命令を記憶する1つまたは複数の一時的または非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含む。
【0023】
前述の概念および本明細書でより詳細に説明される追加の概念のすべての組合せが、本明細書に開示される主題の一部として企図されることを理解されたい。たとえば、本開示の最後に記載される特許請求の範囲に記載された主題のすべての組合せは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】様々な実装形態による、本開示の選択された態様を実装することができる例示的な環境を示す図である。
図2】DCNにおいて、DCNのうちのいくつかにおいて以前に受信したデフォルトのアラーム設定ファイルを更新するためにHMIが使用された後の図1の例示的な環境を示す図である。
図3図2の時点以降の、および図1図2のDCNが代替DCNに置き換えられた後の、図1および図2の例示的な環境を示す図である。
図4図2の時点以降の、および図1図2のDCNがアラーム監視機能を削除するように変更された後であり、DCNから削除されたアラーム監視機能が別のDCNに実装された、図1および図2の例示的な環境を示す図である。
図5】アラーム設定要求によって示される機能ブロックの機能ブロックタイプに基づいて決定されるデフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送することによって、アラーム設定要求に少なくとも選択的に応答することを含む、DCNからのアラーム設定要求を処理する例示的な方法を示す図である。
図6】DCNからのアラーム設定更新を処理する例示的な方法を示す図である。
図7】アラーム設定要求を生成および伝送し、応答としてアラーム設定ファイルを受信し、受信したアラーム設定ファイルに基づいてローカルアラーム監視を実装する例示的な方法を示す図である。
図8】本開示の選択された態様を実装することができる例示的なコンピュータアーキテクチャを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で開示される実装形態は、プロセス自動化システムのDCNによって実装される機能ブロックに基づいて、堅牢および/または正確なアラーム監視を保証することに関する。そのような機能ブロックの少なくともサブセットはそれぞれ、対応する少なくとも部分的に自動化されたプロセスの少なくとも一部を実装する際に利用される。本明細書で使用される場合、「少なくとも部分的に自動化されたプロセス」は、人間の介入がほとんどまたはまったくない、複数のデバイスによってプロセス自動化システム内で協働して実装される任意のプロセスを含む。少なくとも部分的に自動化されたプロセスの一般的な例の1つは、1つまたは複数のセンサの出力に基づいて1つまたは複数のアクチュエータが自動的に(人間の介入なしで)動作されるプロセスループである。一部の少なくとも部分的に自動化されたプロセスは、前述の単一プロセスループなど、プロセス自動化システムワークフロー全体のサブプロセスになる可能性がある。他の少なくとも部分的に自動化されたプロセスは、プロセス自動化システムワークフロー全体のすべてまたは重要な部分を含むことができる。場合によっては、プロセスが自動化される程度は、自動化の勾配、範囲、または規模に応じて存在することがある。部分的に自動化されているが、依然として人間の介入を必要とするプロセスは、規模の一方の端に達しているか、それに近いものである可能性がある。人間の介入をあまり必要としないプロセスは、完全に自律的なプロセスを表すスケールの他方の端に近づく可能性がある。一般に、プロセス自動化は、様々なドメイン、たとえば、化学物質(たとえば、化学処理)、触媒、機械、および/または他のドメインの製造、開発、および/または精製などのプロセスを自動化するために使用され得る。
【0026】
ここで図1を参照すると、本開示の様々な態様を実装することができる例示的な環境100が概略的に示されている。環境100は、化学処理プラント、石油または天然ガス精製所、触媒工場、製造施設、あるいは他の産業環境の一部などの、様々な産業環境において実装することができるプロセス自動化システム108を含む。プロセス自動化システム108は、アラーム設定サービス120、アラームデータベース125、非ローカルアラーム設定グラフィカルユーザインターフェース(GUI)130、アラームビューア140、プロセス自動化ネットワーク106、および分散制御ノード(DCN)110A~110Nを含むものとして図1に示されている。プロセス自動化システム108は、様々な追加コンポーネントを含むことができる。しかしながら、簡単にするためにそれらは図1には図示されていない。
【0027】
プロセス自動化ネットワーク106は、電気電子技術者協会(IEEE)802.3規格(イーサネット)、IEEE802.11(Wi-Fi)、3GPP(登録商標)ロングタームエボリューション(「LTE」)または3G、4G、5G、およびそれ以降として指定される他のワイヤレスプロトコルなどのセルラーネットワーク、ならびに/あるは様々なタイプのトポロジ(たとえば、メッシュ)の他のタイプの通信ネットワークなどを含むがこれらに限定されない、様々なワイヤードおよび/またはワイヤレス通信技術を使用して実装することができる。プロセスの自動化は、人間の安全と利害関係者の経済的コストの両方において、失敗によるコストが大きくなる傾向にあるシナリオにおいてよく採用される。したがって、様々な実装形態において、プロセス自動化ネットワーク106は、高可用性(HA)および/または高サービス品質(QoS)を提供するために冗長性および/またはバックアップを備えて構成され得る。さらに、プロセス自動化ネットワーク106を介してデータを交換するノードは、時間同期および/またはリアルタイム制御ストリームを容易にするために、タイムセンシティブネットワーキング(TSN)を実装することができる。アラーム設定サービス120、アラームビューア140、およびDCN110A~Nなどの様々なノード/デバイスがプロセス自動化ネットワーク106と動作可能に結合される。
【0028】
DCN110A、110B、110C、および110Nが図1に示されている。しかしながら、DCN110CとDCN110Nとの間の省略記号によって示されるように、追加の(たとえば、数百またはさらには数千の)DCNをプロセス自動化システム108に設けることができる点に留意されたい。プロセス自動化システム108内の一部のDCNは、センサ、HMI、アクチュエータ、および/または他のコンポーネントと結合するための入力/出力(I/O)を有することができる。プロセス自動化システム108内の他のDCNは、任意でI/Oを省略することができる。
【0029】
DCN110Aは、第1のI/Oを介してフロートランスミッタ(FT)コンポーネント111Aに結合され、第2のI/Oを介してアクチュエータ(たとえば、バルブ)113Aに結合される。アクチュエータ113A、および本明細書に記載される他のアクチュエータは、プロセス自動化設備108において行われるプロセス自動化ワークフローのいくつかの態様に影響を与えるように制御可能な電気、油圧、機械、および/または空気圧コンポーネントであり得る。FTコンポーネント111Aは、対応する流体の流れの流量を示すセンサデータを提供するセンサを含み、対応する流体の流れを制御するように調整可能なアクチュエータも含む。本明細書に記載されるセンサは、これらに限定されないが、圧力センサ、温度センサ、流量センサ、様々なタイプの近接センサ、光センサ(たとえば、フォトダイオード)、圧力波センサ(たとえば、マイクロフォン)、湿度センサ(たとえば、ヒューミスタ)、放射線量計、レーザ吸収分光器(たとえば、マルチパス光学セル)、および/または他の形態を含む、様々な形態をとることができる。
【0030】
DCN110Aは、DCN110Aの対応する機能を実装するために関連付けられるメモリ(および、そこに記憶された対応する命令)を利用することができるプロセッサ112Aを含む。それらの機能は、関連メモリのうちのいくつかに記憶することができるDCN110Aの機能ブロック114Aを実装することを含む。それらの機能はまた、アラームエンジン116Aを実装することを含む。
【0031】
DCN110Aの機能ブロック114Aの各々は、DCN110Aによって実行されるセンサ監視および/またはアクチュエータ制御の1つまたは複数の態様を定義することができる。いくつかの実装形態では、機能ブロック114Aの各々は、入力/出力変数、スルー変数、内部変数、および/または機能ブロックによって実行される機能の内部動作記述を含む、対応するソフトウェアモデルである。非限定的な例として、DCN110Aの機能ブロック114Aのうちの1つは、FTコンポーネント111Aのセンサからのセンサデータに基づいてFTコンポーネント111Aのアクチュエータを制御することができる。別の非限定的な例として、DCN110Aの別の機能ブロック114Aは、DCN110Aおよび/または他のDCN110B-Nにおいて実装される他の機能ブロックなどの他の機能ブロックからの出力に応じてアクチュエータ113Aを制御することができる。
【0032】
アラームエンジン116Aは、任意で、オープン標準プロトコルを利用して実装することができる。たとえば、アラームエンジン116Aは、DCN110A上でそのプロセッサ112Aによって遂行されるオープンプラットフォーム通信(OPC)統合アーキテクチャ(OPC-UA)サーバによって実装することができる。アラームエンジン116Aは、アラーム設定ファイルによって指示されるアラーム状態の発生を監視し、アラーム状態が検出された場合に対応するアクションを実行する際に、本明細書で説明されるアラーム設定ファイルを利用することができる。対応するアクションは、任意でアラーム設定ファイルによって指示することもできる。アラーム設定ファイルによって定義される条件は、入力変数、出力変数、スルー変数、および/または機能ブロックの内部変数などの機能ブロックのプロセス変数を参照する条件を含むことができるか、またはこれらに限定される。
【0033】
アラームエンジン116Aによって検出されたアラーム状態に応答して実行されるアクションは、たとえば、対応するデータをアラームビューア140に送信して、1つまたは複数の出力インターフェースにおいて、対応する可聴および/または視覚的なアラームメッセージのレンダリングを引き起こすことを含むことができる。対応するデータの送信は、アラームエンジン116Aとアラームビューア140との間で確立されるコネクション型通信セッションを介して行うことができる。追加的または代替的に、検出されたアラーム状態に応答して実行されるアクションは、修復を実行させることを含むことができる。たとえば、アラーム状態の原因となる機能ブロックおよび/または関連する機能ブロックを停止および/または変更する。
【0034】
DCN110Bは、第1のI/Oを介してフロートランスミッタ(FT)コンポーネント111Bに結合され、第2のI/Oを介してセンサ115Bに結合される。DCN110Bは、DCN110Bの対応する機能を実装するために関連付けられるメモリ(および、そこに記憶された対応する命令)を利用することができるプロセッサ112Bを含む。それらの機能は、関連メモリのうちのいくつかに記憶することができるDCN110Bの機能ブロック114Bを実装することを含む。特に、DCN110Bは、対応するアラームエンジンを含まず、したがって、プロセッサ112Bによって実装される機能は、アラームエンジンの実装を含まない。むしろ、DCN110Aの機能ブロック114Bに関係するアラーム監視は、DCN110Cによって実行される(後述)。
【0035】
DCN110Bの機能ブロック114Bの各々は、DCN110Bによって実行されるセンサ監視および/またはアクチュエータ制御の1つまたは複数の態様を定義することができる。いくつかの実装形態では、機能ブロック114Bの各々は、入力/出力変数、スルー変数、内部変数、および/または機能ブロックによって実行される機能の内部動作記述を含むソフトウェアモデルである。非限定的な例として、DCN110Bの機能ブロック114Bのうちの1つは、FTコンポーネント111Bのセンサからのセンサデータ、センサ115Bからのセンサデータ、および/または他のセンサ(たとえば、FT111Aのセンサ)からのセンサデータに基づいて、FTコンポーネント111Bのアクチュエータを制御することができる。
【0036】
DCN110Cは、I/Oを介して外部コンポーネントに接続されておらず、任意でI/Oを省略することができる。さらに、DCN110Cは、それが遂行する機能ブロックを含まない。したがって、DCN110Cは、プロセス自動化システム108の任意の自動化プロセスを直接的または間接的に「制御」する機能ブロックを実装しない。しかしながら、DCN110Cのプロセッサ112Cは、プロセス自動化システムの他のDCNの機能ブロックを監視するアラームエンジン116Cを実装する。いくつかの実装形態では、DCN110Cをアラーム監視専用にすることができる。
【0037】
アラームエンジン116Cは、任意で、DCN110C上でそのプロセッサ112Cによって遂行されるOPC-UAサーバなどのオープン標準プロトコルを利用して実装することができる。アラームエンジン116Cは、アラーム設定ファイルによって指示されるアラーム状態の発生を監視し、アラーム状態が検出された場合に対応するアクションを実行する際に、本明細書で説明されるアラーム設定ファイルを利用することができる。アラーム設定ファイルによって定義される条件は、機能ブロックのプロセス変数を参照する条件を含むこともでき、それらに限定することもできる。アラームエンジン116Cによって監視される機能ブロックは、DCN110Cによって遂行されない機能ブロックを含む(DCN110Cはいかなる機能ブロックも遂行しないため)。たとえば、アラームエンジン116Cは、DCN110Bの機能ブロック114Bおよび/または他のDCNの機能ブロックを監視することができる。たとえば、機能ブロック114Bの遂行中の監視は、遂行中の機能ブロック114Bのプロセス変数を反映する、DCN110Bからの通信を介して行うことができる。そのような通信は、任意で、たとえばプロセス自動化ネットワーク106を介した、DCN110BとDCN110Cとの間のコネクション型通信セッションを介して行うことができる。
【0038】
アラームエンジン116Cによって検出されるアラーム状態に応答して実行されるアクションは、たとえば、修復を実行させること、および/またはコネクション型通信セッションを介して、対応するデータをアラームビューア140に送信して、1つまたは複数の出力インターフェースにおいて、対応する可聴および/または視覚的なアラームメッセージのレンダリングを引き起こすことを含むことができる。
【0039】
DCN110Nは、第1のI/Oを介して、センサ115Nに結合される。DCN110Nは、DCN110Nの対応する機能を実装するために関連付けられるメモリ(および、そこに記憶された対応する命令)を利用することができるプロセッサ112Nを含む。それらの機能は、関連メモリのうちのいくつかに記憶することができるDCN110Nの機能ブロック114Aを実装することを含む。それらの機能はまた、アラームエンジン116Nを実装することを含む。本明細書で説明されるように、DCN110Nは、アラームエンジン116Nによって監視されるアラームを定義するアラーム設定ファイルを、アラーム設定サービス120からプロセス自動化ネットワーク106を介して取得することができる。
【0040】
アラームエンジン116Nによって検出されるアラーム状態に応答して実行されるアクションは、たとえば、修復を実行させること、および/またはコネクション型通信セッションを介して、対応するデータをアラームビューア140に送信して、1つまたは複数の出力インターフェースにおいて、対応する可聴および/または視覚的なアラームメッセージのレンダリングを引き起こすことを含むことができる。
【0041】
アラーム設定サービス120は、設定モジュール122、要求および/または更新モジュール124、ならびにプッシュモジュール126を含むものとして示されている。いくつかの実装形態では、アラーム設定サービス120は、プロセス自動化設備内、たとえば、単一の建物内、または建物の単一キャンパス、または他の産業インフラ全体にわたって実装される。そのような実装形態では、アラーム設定サービス120は、1つまたは複数のサーバコンピュータなどの1つまたは複数のローカルコンピューティングシステム上で実装され得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、アラーム設定サービス120の一部またはすべての態様は、プロセス自動化設備から離れたコンピューティングシステムにおいて実装することができる。それらの実装形態のいくつかでは、アラーム設定サービス120は、広域ネットワークを介してプロセス自動化ネットワーク106と通信することができる。
【0042】
設定モジュール122は、アラーム設定ファイル、およびそれらのアラーム設定ファイルの機能ブロック識別子への割当てを受信し、それらのアラーム設定ファイルおよび関連付けられる機能ブロック識別子をアラームデータベース125に記憶することができる。たとえば、第1のアラーム設定ファイルを第1の機能ブロック識別子「FT101.PV」に割り当て、第2のアラーム設定ファイルを第2の機能ブロック識別子「FT202.SP」に割り当てることができる、などである。さらに、設定モジュール122は、第1のアラーム設定ファイルと、「FT101.PV」機能ブロック識別子への第1のアラーム設定ファイルの割当て(たとえば、ポインタまたは他の関連付け)を、および第2のアラーム設定ファイルと、「FT202.SP」機能ブロック識別子への第1のアラーム設定ファイルの割当て(たとえば、ポインタまたは他の関連付け)などを、アラームデータベース125に記憶することができる。
【0043】
アラーム設定ファイルおよびそれらの関連付けは、プロセス自動化システム108を実装および/または保守するエンジニアおよび/または他の人間からのユーザインターフェース入力に基づいて生成することができる。
【0044】
いくつかの実装形態では、設定モジュール122によって記憶されるアラーム設定ファイルおよびそれらの関連付けの一部またはすべては、要求および/または更新モジュール124から受信される。一例として、要求および/または更新モジュール124が機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求に応答してデフォルトのアラーム設定ファイルを伝送するとき、要求および/または更新モジュール124は、機能ブロック識別子およびデフォルトのアラーム設定ファイルの指示を設定モジュール122に提供することができる。これに応答して、設定モジュール122は、機能ブロック識別子、デフォルトのアラーム設定ファイル、および機能ブロック識別子とデフォルトのアラーム設定ファイルとの間の関連付けをアラームデータベース125に記憶することができる。別の例として、要求および/または更新モジュール124が更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを含むアラーム設定更新と、対応する機能ブロック識別子を受信するとき、要求および/または更新モジュール124は、機能ブロック識別子および更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルの指示を設定モジュール122に提供することができる。これに応答して、設定モジュール122は、機能ブロック識別子、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイル、および機能ブロック識別子とデフォルトのアラーム設定ファイルとの間の関連付けをアラームデータベース125に記憶することができる。
【0045】
いくつかの実装形態では、アラーム設定ファイルおよびそれらの関連付けの一部は、バルク設定ファイル135を介して受信される。バルク設定ファイル135は、たとえば、.csv、または他の構造化フォーマット、または非構造化フォーマットとすることができ、1つまたは複数のプログラムを利用して作成することができる。
【0046】
いくつかの実装形態では、アラーム設定ファイルおよびそれらの関連付けの一部は、非ローカルアラーム設定グラフィカルユーザインターフェース(GUI)130を介して受信することができる。アラーム設定GUI130は、設定モジュール122を介して実装することもでき、少なくとも選択的に設定モジュール122と通信する別個のコンポーネントを介して実装することもできる。アラーム設定GUI130は、機能ブロック識別子を指定するため、および機能ブロック識別子に対するアラーム設定ファイルパラメータを指定するためのグラフィカルインターフェース要素を含むことができる。たとえば、アラーム設定GUI130は、(たとえば、ドロップダウンメニューから、自由形式の入力を介して、検索または入力された文字に基づくオートコンプリートを介して)機能ブロック識別子を指定するためのフィールドを含むことができ、また、機能ブロック変数とそれらの変数の条件を指定するためのフィールドを含むことができる。たとえば、アラーム設定GUI130は、機能ブロック識別子の指定を可能にすることができ、機能ブロック識別子が指定されると、対応する機能ブロックの機能ブロック変数を提示することができる。さらに、機能ブロック変数の各々は選択可能であってよく、選択された場合、アラーム設定GUIとのさらなる対話を通じて、機能ブロック変数に対応する条件を定義することができる。対応するアラーム設定ファイル、および機能ブロック識別子に関連付けられる対応するアラーム設定ファイルを生成するために、選択した機能ブロック変数と条件を使用することができる。アラーム設定ファイルの更新は、さらなるバルク設定ファイルを介して、および/またはアラーム設定GUI130とのさらなる対話を介して実行することができる。たとえば、アラーム設定GUI130は、アラームデータベース125内の既存のアラーム設定ファイルの閲覧および修正(または、削除)を可能にすることができる(任意で、機能ブロック識別子との、および任意でDCN識別子との関連付けを維持しながら)。
【0047】
本明細書で説明するように、アラーム設定ファイルを定義および/または更新することと、アラーム設定ファイルと機能ブロック識別子との関連付けを定義することとを行うために、アラーム設定GUI130との対話を使用することができる点に留意されたい。さらに、アラーム設定ファイルおよび関連付けは、アラームデータベース125に記憶することができ、DCNからの対応するアラーム設定要求に応答して、またはプッシュモジュール126によるDCNへのプッシュに応答して、対応するDCN上での実装のために提供することができる。しかしながら、様々な実装形態において、本明細書で説明されるHMIとは異なり、アラーム設定GUI130は、いかなるDCNとも通信可能に直接結合されなくてもよく、および/またはアラーム設定ファイルを定義および/または更新する際にいかなるDCNとも(たとえば、そのアラームエンジンと)直接対話しなくてもよい。
【0048】
要求および/または更新モジュール124は、プロセス自動化ネットワーク106を介して受信される、DCN110A~Nのうちの1つまたは複数などのDCNからアラーム設定要求および/またはアラーム設定更新を受信し、処理する。
【0049】
要求および/または更新モジュール124によって受信されるアラーム設定要求は、機能ブロックの機能ブロック識別子、および任意で、アラーム設定要求を伝送したDCNのDCN識別子を含むことができる。アラーム設定要求の受信に応答して、要求および/または更新モジュール124は、アラームデータベース125にアクセスし、アラームデータベース125内に、アラーム設定要求の識別子と一致し、アラーム設定ファイルに関連付けて記憶されている固有の機能ブロック識別子があるかどうかを決定することができる。あると決定された場合、要求および/または更新モジュール124は、一致する機能ブロック識別子に関連付けて記憶されているアラーム設定ファイルを識別することができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、プロセス自動化ネットワークを介して、アラーム設定要求およびアラーム設定要求を発行したDCNに応答して、識別された固有のアラーム設定ファイルを伝送することができる。要求および/または更新モジュール124が、アラームデータベース125内に、アラーム設定要求の識別子と一致し、アラーム設定ファイルに関連付けて記憶されている固有の機能ブロック識別子が存在しないと決定した場合、機能ブロック識別子に基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルを決定することができる。たとえば、デフォルトのアラーム設定ファイルは、アラームデータベース125に記憶することができ、および/またはアラームデータベース125からのデータに基づいて生成することができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、プロセス自動化ネットワークを介して、アラーム設定要求およびアラーム設定要求を発行したDCNに応答して、デフォルトのアラーム設定ファイルを伝送することができる。
【0050】
いくつかの実装形態では、要求および/または更新モジュール124はまた、設定モジュール122に、アラームデータベース125を更新させて、任意でアラーム設定要求に含まれるDCN識別子と、識別された機能ブロック識別子および/または識別されたアラーム設定ファイルとの関連付けを記憶させることもできる。そうする際、設定モジュール122は、任意で、識別された機能ブロック識別子および/または識別されたアラーム設定ファイルに対する異種のDCN識別子の記憶された関連付けを削除することができる。
【0051】
要求および/または更新モジュール124によって受信されるアラーム設定更新は、機能ブロック識別子、および以前に提供されたデフォルトのアラーム設定ファイルに基づく対応するアラーム設定ファイルを含むことができる。たとえば、アラーム設定更新において受信されたアラーム設定ファイルは、以前にDCNに提供されたデフォルトのアラーム設定に基づく、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルである可能性があるが、これは、HMIとDCNとの対話を介して行われた修正に基づく新しい値を含む。アラーム設定更新の受信に応答して、要求および/または更新モジュール124は、関連データを設定モジュール122に提供して、設定モジュール122に、アラーム設定更新の機能ブロック識別子とアラーム設定ファイル、およびアラーム設定ファイルへの機能ブロック識別子の関連付けをアラームデータベース125に記憶させることができる。いくつかの実装形態では、要求および/または更新モジュール124はまた、設定モジュール122に、任意でアラーム設定更新に含まれるDCN識別子と、受信した機能ブロック識別子および/または受信したアラーム設定ファイルとの関連付けを記憶させることができる。
【0052】
プッシュモジュール126は任意であり、提供される場合、更新されたアラーム設定ファイルが、そのアラーム設定ファイルの更新前バージョンを利用している対応するDCNに提供されるように使用することができる。たとえば、アラーム設定GUI130を介したアラーム設定ファイルの更新に応答して、設定モジュール122は、DCN識別子に対する機能ブロック識別子の関連付けを維持しながら、および/またはDCN識別子に対する更新されたアラーム設定ファイルの関連付けを作成しながら、更新されたアラーム設定ファイルをその機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベース125に記憶することができる。要求および/または更新モジュール124に関して説明したように、要求および/または更新モジュール124は、任意で、設定モジュール122に、機能ブロック識別子を含む、対応するDCNからのアラーム設定要求またはアラーム設定更新に応答して、DCN識別子と機能ブロック識別子および/またはアラーム設定ファイルとの関連付けをアラームデータベース125に記憶させることができる。プッシュモジュール126は、設定モジュール122からの通知に応答して、またはアラームデータベース125内の更新の認識に応答して、更新されたアラーム設定ファイルを識別することができる。更新されたアラーム設定ファイルの識別に応答して、プッシュモジュール126は、更新されたアラーム設定ファイルに関連付けられるDCN識別子および/またはその関連付けられる機能ブロック識別子に対応するDCNに、更新されたアラーム設定ファイルを提供させることができる。
【0053】
いくつかの実装形態では、更新されたアラーム設定ファイルをDCN識別子に対応するDCNに提供させる際に、プッシュモジュール126は、DCNからのアラーム設定要求とは無関係に、更新されたアラーム設定ファイルをDCN識別子に伝送することができる。たとえば、DCN識別子はIPアドレスとすることができ、プッシュモジュール126は、更新されたアラーム設定ファイルをそのIPアドレスに伝送することができる。いくつかの実装形態では、更新されたアラーム設定ファイルをDCN識別子に対応するDCNに提供させる際に、プッシュモジュール126は、DCNによって受信されるとアラーム設定条件であると決定することができる更新要求をDCN識別子に伝送することができる。その後、DCNは、DCNによって適切であるとみなされた場合、アラーム設定要求を伝送することができる。アラーム設定要求は、要求および/または更新モジュール124によって処理されてよく、更新されたアラーム設定ファイルは、アラーム設定要求に応答して、要求および/または更新モジュール124によってDCNに伝送される。
【0054】
いくつかの実装形態では、アラームビューア140は、プロセス自動化設備内に実装される。そのような実装形態では、アラームビューア140は、1つまたは複数のサーバコンピュータ上などの1つまたは複数のローカルコンピューティングシステム上で実装され得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、アラームビューア140の一部またはすべての態様は、プロセス自動化設備から離れたコンピューティングシステムにおいて実装することができる。それらの実装形態のいくつかでは、ビューア140は、広域ネットワークを介してプロセス自動化ネットワーク106と通信することができる。アラームビューア140は、コネクション型通信セッションを介してDCN110A~Nのアラームエンジンと通信することができる。
【0055】
アラームビューア140は、それぞれのコネクション型通信セッションを介してアラームエンジンを介して受信されたアラームメッセージに応答して、およびそれに従って、1つまたは複数の出力デバイスを介して、少なくとも任意のアクティブなアラームのレンダリングを引き起こすことができる。たとえば、アラームビューア140は、プロセス自動化設備内の固定ディスプレイ画面を介して、少なくともアクティブなアラームを表示させることができる。固定ディスプレイ画面は、アラームビューアを実装するコンピューティングシステムと通信可能に結合することができる。また、たとえば、アラームビューア140は、少なくともいくつかのアクティブなアラーム(たとえば、対応するアラーム設定ファイルにおいて「高重大度」として指定されたアラーム)を、モバイル電話にインストールされているアラームアプリを通じて、たとえばテキストメッセージアラートまたはプッシュ通知として個人のモバイル電話に伝送させることができる。そのような伝送は、プロセス自動化ネットワーク106を介して、および/またはプロセス自動化ネットワークに接続された1つまたは複数のWANを介して行うことができる。アラームビューア140によるアクティブなアラームのレンダリングは、任意で、アラーム用のアラーム設定ファイルにおいて定義された記述子などの、アラームを引き起こした条件に対応する記述子または他のメッセージの聴覚的および/または視覚的レンダリングを含むことができる。
【0056】
アクティブなアラームは、そのアラームエンジンがアクティブなアラームの発生を決定したDCNからの伝送に基づいて、アラームビューア140に信号を送ることができる。伝送は、アラームに関するメッセージ、たとえば、アラーム設定ファイルを使用して決定されたアラームの記述子、アラームを引き起こした機能ブロックおよび/またはプロセス変数の識別、ならびに/あるいはアラーム設定ファイルの表示を含むことができる。アラームビューア140は、アラームの詳細をレンダリングする際に、DCNからの伝送に含まれる情報、および/または伝送に含まれる情報を利用してアラームデータベース125から導出される情報を利用することができる。
【0057】
図1は、プロセス自動化システム108の初期コミッショニング中またはその直後など、第1の時点における例示的な環境100を示している。いくつかの実装形態では、初期コミッショニング中、DCN110A~Nのうちの1つまたは複数は、最初は、ローカルに記憶された機能ブロック(および、対応する機能ブロック識別子)および/またはローカルに記憶されたアラームエンジン(および、対応する機能ブロック識別子)を含むが、アラーム設定ファイルが記憶されていない可能性がある。プロセス自動化ネットワーク106に接続した後、そのようなDCN110A~Nのうちの1つまたは複数はそれぞれ、対応するアラーム設定要求を伝送し、それに応答して、応答する固有のアラーム設定ファイルおよび/または応答するデフォルトのアラーム設定ファイルをアラーム設定サービス120から取得することができる。
【0058】
たとえば、図1において、DCN110Aは、アラームエンジン116Aによって監視される機能ブロック114Aの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求117Aを要求および/または更新モジュール124に伝送する。要求および/または更新モジュール124は、アラームデータベース125にアクセスし、要求117Aの機能ブロック識別子に関連して固有のアラーム設定ファイルが記憶されていないことを決定することができる。固有のアラーム設定ファイルは、非デフォルトのアラーム設定ファイルである。固有のアラーム設定ファイルは、たとえば、バルク設定ファイル135内で定義される関連付け、アラーム設定GUI130を介して定義される関連付け、または、以前のアラーム設定更新によって定義されている関連付けに基づいて、機能ブロック識別子と関連付けてアラームデータベース125に記憶することができる。
【0059】
要求117Aの機能ブロック識別子に関連付けて固有のアラーム設定ファイルが記憶されていないとの決定に応答して、要求および/または更新モジュール124は、機能ブロック識別子によって示される機能ブロックタイプに基づいて、機能ブロックタイプに対応するデフォルトのアラーム設定ファイル119Aを決定することができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、デフォルトのアラーム設定ファイル119AをDCN110Aに伝送して、それらをDCN110Aによってローカルに記憶させることができる。特定の例として、要求117Aの機能ブロック識別子は、プロセス変数タイプであることを示す「.PV」で終わることができる。そのタイプのデフォルトのアラーム設定ファイル119Aは、たとえば、「エラー」、「レベル」、「変化率」、および「偏差」のデフォルトのアラーム設定ファイルを含むことができる。
【0060】
また、たとえば、図1では、DCN110Cは、要求および/または更新モジュール124に、上述したようなDCN110Bの機能ブロック114Bなどの、アラームエンジン116Cによって監視される機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求117Cを伝送する。要求および/または更新モジュール124は、アラームデータベース125にアクセスし、固有のアラーム設定ファイル119Cが要求117Cの機能ブロック識別子に関連付けて記憶されていることを決定することができる。たとえば、機能ブロック識別子に関連付けて記憶される固有のアラーム設定ファイルは、バルク設定ファイル135を介して定義されたものであり得る。固有のアラーム設定ファイル119Cが要求117Cの機能ブロック識別子に関連付けて記憶されているとの決定に応答して、要求および/または更新モジュール124は、固有のアラーム設定ファイル119CをDCN110Cに伝送して、それらをDCN110Cによってローカルに記憶させ、アラームエンジン116Cに固有のアラーム設定ファイル119Cに基づいてローカルアラーム監視を実装させることができる。したがって、固有のアラーム設定ファイル119Cが、要求117Cの機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベース125に記憶されている固有のアラーム設定ファイル119Cに応答して、デフォルトのアラーム設定ファイルの代わりにDCN110Cに伝送される。
【0061】
また、たとえば、図1では、DCN110Nは、要求および/または更新モジュール124に、アラームエンジン116Nによって監視される機能ブロック114Nの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求117Nを伝送する。要求および/または更新モジュール124は、アラームデータベース125にアクセスし、要求117Nの機能ブロック識別子に関連して固有のアラーム設定ファイルが記憶されていないことを決定することができる。
【0062】
要求117Nの機能ブロック識別子に関連して固有のアラーム設定ファイルが記憶されていないとの決定に応答して、要求および/または更新モジュール124は、機能ブロック識別子によって示される機能ブロックタイプに基づいて、機能ブロックタイプに対応するデフォルトのアラーム設定ファイル119Nを決定することができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、デフォルトのアラーム設定ファイル119NをDCN110Nに伝送して、それらをDCN110Aによってローカルに記憶させることができる。特定の例として、要求117Aの機能ブロック識別子は、アナログ入力タイプであることを示す「.AI」で終わることができる。そのタイプのデフォルトのアラーム設定ファイル119Nは、たとえば、「エラー」および「離散状態」のデフォルトのアラーム設定ファイルを含むことができる。
【0063】
次に図2を参照すると、図1のアラーム設定要求117A~Cが提供された後の例示的な環境100が示されており、デフォルトのアラーム設定ファイル119Aおよび119Nが、DCN110Aおよび110Nのそれぞれに提供される。さらに、例示的な環境100は、HMI145AがDCN110Aにおいてデフォルトのアラーム設定ファイル119Aを更新するために利用され、HMI145BがDCN110Nにおいてデフォルトのアラーム設定ファイル119Nを更新するために利用された後に示されている。
【0064】
一例として、DCN110Aに伝送されるデフォルトのアラーム設定ファイル119Aは、機能ブロック114Aの測定された流量変数(FTコンポーネント111Aのセンサに基づく)のレベルアラームであるファイルを含むことができるが、高-高、高、低、および/または低-低の任意の指定値が不足している場合がある。HMI145Aは、(たとえば、ワイヤード接続またはワイヤレス接続を介して)DCN110Aと結合されると、高-高、高、低、および/または低-低の指定値を定義するために使用できるGUIを提供し、それによって、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを作成することができる。別の例として、デフォルトのアラーム設定ファイル119Aは、測定された流量変数の変化率アラームであるものを含むことができるが、測定された流量変数の最大変化率の指定値が不足している場合がある。HMI145Aは、(たとえば、ワイヤード接続またはワイヤレス接続を介して)DCN110Aと結合されると、最大変化率の値を定義するために使用され、それによって追加の更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを作成することができる。
【0065】
DCN110Aにおける更新に応答して、図2に示されるように、DCN110Aは、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルおよび対応する機能ブロック識別子を含むアラーム設定更新118Aをアラーム設定サービス120に伝送する。アラーム設定更新118Aの受信に応答して、アラーム設定サービス120は、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルおよびファイルと対応する機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベース125に記憶する。
【0066】
DCN110Nにおける更新に応答して、図2に示されるように、DCN110Nは、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルおよび対応する機能ブロック識別子を含むアラーム設定更新118Nをアラーム設定サービス120に伝送する。アラーム設定更新118Nの受信に応答して、アラーム設定サービス120は、更新されたデフォルトのアラーム設定ファイル、およびファイルと対応する機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベース125に記憶する。
【0067】
次に図3を参照すると、図2の時点以降の、および図1図2のDCN110Aが代替DCN110A1に置き換えられた後の例示的な環境100が示されている。代替DCN110A1は、たとえばDCN110Aの故障によりDNC110Aを置き換えることができる。図3において、DCN110A1は、第1のI/Oを介してFTコンポーネント111Aに結合され、第2のI/Oを介してアクチュエータ113Aに結合されている。DCN110A1は、DCN110A1の対応する機能を実装するために関連付けられるメモリ(および、そこに記憶された対応する命令)を利用することができるプロセッサ112A1を含む。それらの機能は、関連付けられるメモリの一部に記憶することができ、DCN110Aの機能ブロック114Aと同じとすることができる、DCN110A1の機能ブロック114A1を実装することを含む。それらの機能はまた、アラームエンジン116A1を実装することを含む。稼働または電源オンに応答して、DCN110A1は、機能ブロック114A1および/またはアラームエンジン116A1によって監視される機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求117A1を伝送することができ、DCN110A(図1)のものと同じであり得る。
【0068】
要求および/または更新モジュール124は、アラーム設定要求117A1に応答して、アラームデータベース125から、アラーム設定更新118A(図2)に含まれる更新されたアラーム設定ファイルを識別することができる。それらの更新されたアラーム設定ファイルは、アラーム設定要求117A1の機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベース125に記憶されていることに基づいて識別することができ、また、それらの機能ブロック識別子に関連付けて記憶されることに基づいて、固有のアラーム設定ファイル119A1とみなすことができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、DCN110A1のアラームエンジン116A1によって固有のアラーム設定ファイル119A1を実装させるために、固有のアラーム設定ファイル119A1をDCN110A1に伝送することができる。
【0069】
さらに、要求および/または更新モジュール124は、DCN110A1のDCN識別子と、固有のアラーム設定ファイル119A1および/または機能ブロック識別子との関連付けを記憶するために、任意でアラームデータベース125を更新することができ、および/または、DCN110A1のDCN識別子をアラームビューア140に提供することができる。DCN110A1のDCN識別子は、置換されたDCN110AのDCN識別子に対して一意であり得ることに留意されたい。DCN110A1のDCN識別子を反映するようにアラームデータベース125を更新すること、および/またはアラームビューア140にプッシュ通知を提供することにより、アラームビューア140がDCN110A1とのコネクション型通信セッションを確立できるようにすることができ、および/またはプッシュモジュール126による、更新されたアラーム設定ファイルの効果的なプッシュを可能にすることができる。さらに、DCN110A1の一意のDCN識別子は、アラーム設定要求に機能ブロック識別子を含めることの堅牢性、およびアラーム設定要求117A1に応答する際の要求および/または更新モジュール124によるその使用を示す。たとえば、応答する固有のアラーム設定ファイル119A1のうちのいくつかが代わりに、DCN110AのDCN識別子とのみ関連付けられて記憶されており、DCN110A1のDCN識別子が機能ブロック識別子の代わりに要求に含まれていた場合、要求および/または更新モジュール124は、DCN110A1からのアラーム設定要求に応答して、そのようなアラーム設定ファイルを識別することができないであろう。
【0070】
図4は、図2の時点以降の、および図1図2のDCN110Aがアラームエンジン116Aを削除するように変更された後であり、アラームエンジン116Aによって以前実行されたアラーム監視機能が、現在、DCN110Cの修正されたアラームエンジン116C1による監視のために割り当てられている、図1および図2の例示的な環境を示している。アラーム設定条件の検出に応答して、DCN110Cは、アラームエンジン116Aによって以前に監視された少なくとも機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求117C1を伝送することができる。
【0071】
要求および/または更新モジュール124は、アラーム設定要求117C1に応答して、アラームデータベース125から、アラーム設定更新118A(図2)に含まれる更新されたアラーム設定ファイルを識別することができる。それらの更新されたアラーム設定ファイルは、アラーム設定要求117C1の機能ブロック識別子に関連付けて記憶されていることに基づいて識別することができ、また、それらの機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベース125に記憶されることに基づいて、固有のアラーム設定ファイル119A1とみなされる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、DCN110Cのアラームエンジン116C1によって固有のアラーム設定ファイル119A1を実装させるために、固有のアラーム設定ファイル119A1をDCN110Cに伝送することができる。さらに、要求および/または更新モジュール124は、DCN110CのDCN識別子と、固有のアラーム設定ファイル119A1および/または機能ブロック識別子との関連付けを記憶するために、任意でアラームデータベース125を更新することができる。
【0072】
図5は、アラーム設定要求によって示される機能ブロックの機能ブロックタイプに基づいて決定されるデフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送することによって、アラーム設定要求に少なくとも選択的に応答することを含む、DCNからのアラーム設定要求を処理する例示的な方法500を示すフローチャートである。便宜上、フローチャートの動作は、その動作を実行するシステムを参照して説明される。このシステムは、アラーム設定サービス120(たとえば、要求および/または更新モジュール124)などの様々なコンピュータシステムの様々なコンポーネントを含み得る。さらに、方法500の動作は特定の順序で示されているが、これは限定を意味するものではない。1つまたは複数の動作が並べ替えられてもよく、省略または追加されてもよい。
【0073】
ブロック502において、システムは、プロセス自動化ネットワークを介して、およびDCNから、機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を受信する。たとえば、アラーム設定要求は、図7の方法700のDCN実行ブロック704に基づいてDCNによって伝送されるものとすることができる。
【0074】
ブロック504において、システムは、(ブロック502のアラーム設定要求の)機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベースに記憶されている固有のアラーム設定ファイルがあるかどうかを決定する。たとえば、システムは、機能ブロック識別子と固有のアラーム設定ファイルとの関連付けが記憶されているかどうかを決定するために、機能ブロック識別子を使用してアラームデータベースを検索することができる。本明細書で説明するように、固有のアラーム設定ファイルは、(HMI入力に基づいて)更新されたデフォルトのアラーム設定ファイル、またはバルクアップロードおよび/または非ローカルアラーム設定GUIを介して定義されたものなどの、非デフォルトのアラーム設定ファイルである。
【0075】
ブロック504において決定が「はい」の場合、システムはブロック506に進み、固有のアラーム設定ファイルをDCNに伝送する。システムは、ブロック502の要求に応じて、およびプロセス自動化ネットワークを介して、固有のアラーム設定ファイルを伝送する。次いで、システムは、任意で、オプションのブロック508に進むことができ、ここで、システムは、伝送されたアラーム設定ファイルと関連付けて、および/または機能ブロック識別子と関連付けて、アラームデータベースに、アラーム設定要求に関連付けられるDCN識別子を記憶する。たとえば、DCN識別子は、アラーム設定要求のヘッダまたは本体に含まれるアドレス指定可能なDCN識別子(たとえば、IPアドレス)とすることができる。
【0076】
ブロック504において決定が「いいえ」である場合、システムはブロック510に進み、ブロック502のアラーム設定要求の機能ブロック識別子に基づいて機能ブロックタイプを決定する。たとえば、システムは、機能ブロック識別子における「.」に続く接尾辞文字など、機能ブロックタイプにマッピングされている機能ブロック識別子の文字に基づいて、機能ブロックタイプを決定することができる。
【0077】
ブロック512において、システムは、ブロック510において決定された機能ブロックタイプに基づいてデフォルトのアラーム設定ファイルを決定する。いくつかの実装形態では、ブロック510はサブブロック512Aおよび/またはサブブロック512Bを含む。
【0078】
サブブロック512Aにおいて、システムが機能ブロック識別子に対応する機能ブロックにアクセスできる場合、システムは任意で機能ブロックからのプロセス変数をデフォルトのアラーム設定ファイルに含む。システムは、機能ブロックがブロック502のアラーム設定要求に含まれていることに基づいて、または機能ブロックがアラームデータベースに機能ブロック識別子に関連付けて記憶されることに基づいて、その機能ブロックにアクセスすることができる。サブブロック512Aの一例として、「逸脱」アラームタイプのデフォルトのアラーム設定ファイルと、機能ブロックが「tank123temp」のプロセス変数を含むと仮定する。サブブロック512Aにおいて、システムは、デフォルトのアラーム設定ファイルのプロセス変数として「tank123temp」を含むことができ、逸脱状態が発生したかどうかを決定する際に逸脱値と比較される。これにより、DCNに結合接続されたHMIを介してプロセス変数を将来指定する必要がなくなる。
【0079】
サブブロック512Bにおいて、システムは、アラーム設定ファイルのパラメータの値として、空白および/またはデフォルト値を含む。サブブロック512Aの例として、「変化率」のデフォルトのアラーム設定ファイルを想定し、ここで、変化率の条件が満たされるかどうかを決定するために、変化量の値と指定された時間の値が必要である。いくつかの実装形態では、システムは、変化量の値と指定された時間の値の両方に空白またはヌル値を含むことができる。いくつかの実装形態では、システムは、変化量の値と指定された時間の値の一方または両方のデフォルト値を含むことができる。たとえば、システムは、アラームタイプ(逸脱)および/または機能ブロックタイプに基づいて、デフォルトの変化量の値とデフォルトの指定された時間の値を識別し、両方をアラーム設定ファイルに組み込むことができる。たとえば、第1のデフォルトの変化量の値は、逸脱アラームタイプおよび「アナログ入力」機能ブロックタイプに対して定義することができ、第2のデフォルトの変化量の値は、逸脱アラームタイプおよび「比率」機能ブロックタイプに対して定義することができる。サブブロック512Aの別の例として、アラーム重大度パラメータを含むデフォルトのアラーム設定ファイルを想定する。いくつかの実装形態では、システムは重大度パラメータに空白またはヌル値を含むことができる。いくつかの実装形態では、システムは、アラームタイプおよび/または機能ブロックタイプのデフォルト値などの、重大度パラメータのデフォルト値を含むことができる。
【0080】
ブロック514において、システムは、ブロック512において決定されたデフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送する。システムは、ブロック502の要求に応じて、プロセス自動化ネットワークを介してデフォルトのアラーム設定ファイルを伝送する。次いで、システムは、任意で、オプションのブロック508に進むことができ、ここで、システムは、伝送されたアラーム設定ファイルと関連付けて、および/または機能ブロック識別子と関連付けて、アラームデータベースに、アラーム設定要求に関連付けられたDCN識別子を記憶する。たとえば、DCN識別子は、アラーム設定要求のヘッダまたは本体に含まれるアドレス指定可能なDCN識別子(たとえば、IPアドレス)とすることができる。
【0081】
図6は、DCNからのアラーム設定更新を処理する例示的な方法600を示すフローチャートである。便宜上、フローチャートの動作は、その動作を実行するシステムを参照して説明される。このシステムは、アラーム設定サービス120(たとえば、要求および/または更新モジュール124)などの様々なコンピュータシステムの様々なコンポーネントを含み得る。さらに、方法600の動作は特定の順序で示されているが、これは限定を意味するものではない。1つまたは複数の動作が並べ替えられてもよく、省略または追加されてもよい。
【0082】
ブロック602において、システムは、プロセス自動化ネットワークを介して、およびDCNから、機能ブロック識別子およびアラーム設定ファイルを含むアラーム設定更新を受信する。たとえば、アラーム設定更新は、図7の方法700のDCN実行ブロック722に基づいてDCNによって伝送されるものとすることができる。アラーム設定更新のアラーム設定ファイルは、(たとえば、図5の方法500のブロック514において)DCNに以前に伝送されたデフォルトのアラーム設定ファイルの更新バージョンであるアラーム設定ファイルを含むことができる。たとえば、含まれるアラーム設定ファイルは、以前に伝送されたデフォルトのアラーム設定ファイルと同じにすることができるが、DCNに通信可能に結合されたHMIとの対話を介して定義された様々な追加または代替の値を含むことができる。
【0083】
ブロック604において、システムは、アラーム設定更新のアラーム設定ファイルをアラームデータベースに固有のファイルとして記憶する。また、システムは、アラーム設定更新の機能ブロック識別子に関連付けて、アラーム設定更新のアラーム設定ファイルの各々をアラームデータベースに記憶する。
【0084】
図7は、アラーム設定要求を生成および伝送し、応答としてアラーム設定ファイルを受信し、受信したアラーム設定ファイルに基づいてローカルアラーム監視を実装する例示的な方法700のフローチャートである。便宜上、フローチャートの動作は、その動作を実行するシステムを参照して説明される。このシステムは、DCN110A~Nのいずれかなどの様々なコンピュータシステムの様々なコンポーネントを含み得る。さらに、方法700の動作は特定の順序で示されているが、これは限定を意味するものではない。1つまたは複数の動作が並べ替えられてもよく、省略または追加されてもよい。
【0085】
ブロック702において、システムはアラーム設定条件の発生を監視する。ブロック702においてアラーム設定条件が検出された場合、システムはブロック704に進む。いくつかの実装形態では、ブロック702において、システムは、新たに稼働したことを決定すること、電源が投入されたと決定すること、アラームエンジンが監視機能ブロックに割り当てられているが、監視が現在アクティブではないと決定すること、最後にアラーム設定要求を発行してからの時間がしきい値期間を超えていると決定すること、および/またはアラーム設定サービスから(たとえば、プッシュモジュール126から)更新要求を受信することなど、複数の条件のうちのいずれか1つの発生を監視する。
【0086】
ブロック704において、システムは、ローカルに遂行されている、および/またはアラーム監視においてローカルに利用されている機能ブロックに基づいて、機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を生成する。たとえば、システムは、アラーム監視において、システムのアラームエンジンによって使用されるために割り当てられた機能ブロック識別子に基づいて、機能ブロック識別子を含むことができる。いくつかの実装形態では、アラーム設定要求は、それぞれがローカルに遂行されている、および/またはアラーム監視においてローカルに利用されている複数の機能ブロックに基づいて、複数の機能ブロックの複数の機能ブロック識別子を含む。いくつかの実装形態では、ブロック704は、サブブロック704Aを含み、システムはまた、アラーム設定要求内に、アラーム設定要求を生成および伝送するDCNのDCN識別子を含む。
【0087】
ブロック706において、システムは、ブロック804において生成されたアラーム設定要求を、プロセス自動化ネットワークを介して伝送する。
【0088】
ブロック708において、システムは、プロセス自動化ネットワークを介して、また要求に応じて、機能ブロック識別子のアラーム設定ファイルを受信する。ブロック708において、システムは、たとえばアラーム設定要求が複数の機能ブロック識別子を含む場合、任意で複数のアラーム設定ファイルを受信することができる。いくつかの実装形態では、アラーム設定ファイルは、図5の方法500のブロック506またはブロック510の実行に応答して、ブロック708において受信される。
【0089】
ブロック710において、システムは、受信したすべてのアラーム設定ファイルが重複しているかどうかを決定する。すなわち、受信したすべてのアラーム設定ファイルがすでにローカルに記憶されており、アラーム監視を実行する際にシステムのアラームエンジンによってローカルに利用されているかどうかである。重複している場合、システムはブロック702に戻り、別のアラーム設定条件の発生を監視する。重複してない場合、システムはブロック712に進む。
【0090】
ブロック712において、システムは、受信したアラーム設定ファイルごとに、それがデフォルトのアラーム設定ファイルであるか、それとも固有のアラーム設定ファイルであるかを決定する。システムが、アラーム設定ファイルは固有のアラーム設定ファイルであると決定した場合、システムはブロック714に進み、受信したアラーム設定ファイルおよび機能ブロックに基づいてローカルアラーム監視を実装する。アラーム設定ファイルおよび機能ブロックに基づいてローカルアラーム監視を実装する際、システムは、アラーム設定ファイルの条件を満たしていることについて機能ブロックを監視し(たとえば、機能ブロックの遂行中)、条件を満たしていることの検出に応答して、満たされた条件に対して対応するアクションを実行することができる。
【0091】
ブロック712において、アラーム設定ファイルがデフォルトのアラーム設定ファイルであるとシステムが決定した場合、システムはブロック716に進む。ブロック716において、システムはデフォルトのアラーム設定ファイルをローカルに記憶するが、デフォルトのアラーム設定ファイルに基づくアラーム監視をすぐには実装しない。むしろ、システムは、更新されたアラーム設定ファイルに基づいてアラーム監視を実装する前に、デフォルトのアラーム設定ファイルを更新するHMI対話を待機し、任意で更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを確認する。
【0092】
ブロック717において、システムはデフォルトのアラーム設定ファイルを更新するHMI対話を待機し、任意で更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを確認する。たとえば、システムは、システムと通信可能に結合されている間にHMIを介して提供される、デフォルトのアラーム設定ファイルの1つまたは複数の不特定の値を指定する、および/またはデフォルトのアラーム設定ファイルの1つまたは複数のデフォルト値を変更するユーザ入力を待機する。
【0093】
ブロック717において、デフォルトのアラーム設定ファイルを更新し、任意で更新されたデフォルトのアラーム設定ファイルを確認するHMI対話が発生すると、システムはブロック720に進む。ブロック720において、システムは、更新されたアラーム設定ファイルおよび機能ブロックに基づいてローカルアラーム監視を実装する。
【0094】
システムはまた、ブロック722に進み、更新されたアラーム設定ファイルおよび機能ブロックを含むアラーム設定更新を伝送する。
【0095】
ブロック810は、任意でサブブロック810Aを含むことができる。サブブロック810Aにおいて、受信アラーム設定ファイルおよび機能ブロックに基づいてローカルアラーム監視を実装する際、システムは、アラーム設定ファイルの条件を満たしていることについて機能ブロックを監視し(たとえば、機能ブロックの遂行中)、条件を満たしていることの検出に応答して、対応するデータをアラームビューアに伝送するなど、満たされた条件に対して対応するアクションを実行する。
【0096】
図8は、本明細書で説明される技法の1つまたは複数の態様を実行するために任意で利用され得る例示的なコンピューティングデバイス810のブロック図である。たとえば、コンピューティングデバイス810は、アラーム設定サービスの全部または一部、および/あるいは、任意で、いくつかのDCNの全部または一部を実装できるコンピューティングデバイスの一例である。コンピューティングデバイス810は、通常、バスサブシステム812を介して多数の周辺デバイスと通信する少なくとも1つのプロセッサ814を含む。これらの周辺デバイスは、たとえば、メモリサブシステム825およびファイルストレージサブシステム826を含むストレージサブシステム824、ユーザインターフェース出力デバイス820、ユーザインターフェース入力デバイス822、ならびにネットワークインターフェースサブシステム816を含み得る。入力デバイスおよび出力デバイスにより、ユーザはコンピューティングデバイス810と対話できるようになる。ネットワークインターフェースサブシステム816は、外部ネットワークへのインターフェースを提供し、他のコンピューティングデバイス内の対応するインターフェースデバイスに結合される。
【0097】
ユーザインターフェース入力デバイス822は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックタブレットなどのポインティングデバイス、スキャナ、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システム、マイクロフォン、および/または他のタイプの入力デバイスなどのオーディオ入力デバイスを含み得る。一般に、「入力デバイス」という用語の使用は、コンピューティングデバイス810または通信ネットワーク上に情報を入力するためのあらゆる可能なタイプのデバイスおよび方法を含むことを意図している。
【0098】
ユーザインターフェース出力デバイス820は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス機、またはオーディオ出力デバイスなどの非視覚的ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルデバイス、投影デバイス、または可視画像を作成するための他の何らかのメカニズムを含み得る。ディスプレイサブシステムはまた、オーディオ出力デバイスなどを介して非視覚的ディスプレイを提供し得る。一般に、「出力デバイス」という用語の使用は、コンピューティングデバイス810からユーザまたは別のマシンもしくはコンピューティングデバイスに情報を出力するためのあらゆる可能なタイプのデバイスおよび方法を含むことを意図している。
【0099】
ストレージサブシステム824は、本明細書で説明されるモジュールの一部またはすべての機能を提供するプログラミングおよびデータ構造を記憶する。たとえば、ストレージサブシステム824は、図5図7の方法の選択された態様を実行するための、同様に図1図4における様々なコンポーネントを実装するためのロジックを含み得る。
【0100】
これらのソフトウェアモジュールは、一般に、プロセッサ814単独によって、または他のプロセッサと組み合わせて遂行される。ストレージサブシステム824において使用されるメモリ825は、プログラム遂行中に命令およびデータを記憶するためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)830と、固定命令が記憶される読取り専用メモリ(ROM)832を含む、多数のメモリを含むことができる。ファイルストレージサブシステム826は、プログラムおよびデータファイルのための永続的なストレージを提供することができ、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブと関連付けられるリムーバブルメディア、CD-ROMドライブ、光学ドライブ、またはリムーバブルメディアカートリッジを含み得る。特定の実装形態の機能を実装するモジュールは、ストレージサブシステム824内のファイルストレージサブシステム826によって、またはプロセッサ814によってアクセス可能な他のマシンに記憶され得る。
【0101】
バスサブシステム812は、コンピューティングデバイス810の様々なコンポーネントおよびサブシステムが意図したとおりに相互に通信できるようにするメカニズムを提供する。バスサブシステム812は単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実装形態では複数のバスを使用し得る。
【0102】
コンピューティングデバイス810は、ワークステーション、サーバ、コンピューティングクラスタ、ブレードサーバ、サーバファーム、あるいは任意の他のデータ処理システムまたはコンピューティングデバイスを含む様々なタイプのものであり得る。コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変化する性質のため、図8に示されるコンピューティングデバイス810の説明は、いくつかの実装形態を説明することを目的とした固有の例としてのみ意図されている。図8に示されるコンピューティングデバイスよりも多いまたは少ないコンポーネントを有するコンピューティングデバイス810の他の多くの構成が可能である。
【0103】
本明細書ではいくつかの実装形態を説明および図示してきたが、本明細書で説明される機能を実行し、ならびに/あるいは結果および/あるいは1つまたは複数の利点を得るために、他の様々な手段および/または構造が利用されてもよく、そのような変形および/または修正の各々は、本明細書に記載される実装形態の範囲内にあるものとみなされる。より一般的には、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示的なものであることを意図しており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、特定の用途、または教示が使用される用途に依存するであろう。当業者であれば、本明細書に記載の特定の実装形態に対する多くの均等物を認識する、または単に定常的な実験を用いて追究することができるであろう。したがって、前述の実装形態は単なる例示として提示されたものであり、添付の特許請求の範囲およびこれと均等の範囲内で、実装形態は、具体的に記載され請求される以外の方法で実施され得ることが理解されるべきである。本開示の実装形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法を対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の2つ以上の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0104】
いくつかの実装形態では、ハードウェアプロセッサによって実装される方法が提供され、プロセス自動化システムの分散制御ノード(DCN)が特定のタイプの機能ブロックを遂行しているかどうかを決定するステップを含む。本方法は、特定のタイプに基づいてデフォルトのアラーム設定ファイルを決定するステップをさらに含む。本方法はさらに、DCNが特定のタイプの機能ブロックを遂行しているとの決定に応答して、プロセス自動化システムのネットワークを介して、DCNに、特定のタイプに基づいて決定されたデフォルトのアラーム設定ファイルを伝送するステップを含む。デフォルトのアラーム設定ファイルは、DCNを介してローカルに編集可能であり、編集されると、機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装する際にDCNによって使用される。
【0105】
本明細書に開示される技術のこれらおよび他の実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0106】
いくつかの実装形態では、本方法は、DCNに特定のタイプのデフォルトのアラーム設定ファイルを伝送した後、ネットワークを介して、およびDCNから、DCNによって遂行される機能ブロックの機能ブロック識別子と、以前に伝送されたデフォルトのアラーム設定ファイルの編集したバージョンである、更新されたアラーム設定ファイルとを含むアラーム設定更新を受信するステップと、更新されたアラーム設定ファイル、および更新されたアラーム設定ファイルと機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベースに記憶するステップとをさらに含む。これらの実装形態のいくつかのバージョンでは、本方法は、更新されたアラーム設定ファイル、および更新されたアラーム設定ファイルと機能ブロック識別子との関連付けをアラームデータベースに記憶した後、プロセス自動化システムの追加のDCNによって伝送され、機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求をネットワークを介して受信するステップをさらに備える。それらのバージョンでは、本方法は、アラーム設定要求の受信に応答して、アラームデータベースから、機能ブロック識別子に関連付けて記憶されているアラーム設定ファイルと、受信したアラーム設定要求に含まれている機能ブロック識別子とに基づいて、更新されたアラーム設定ファイルを取得するステップと、プロセス自動化システムのネットワークを介して、更新されたアラーム設定ファイルを追加のDCNに伝送するステップとをさらに含む。更新されたアラーム設定ファイルを伝送するステップにより、追加のDCNは、更新されたアラーム設定ファイルに準拠したアラーム監視を実装する。それらのバージョンの一部では、追加のDCNは、プロセス自動化システムにおけるDCNに代わる、新たに稼働されたDCNである。それらの他のバージョンでは、追加のDCNは、アラーム設定要求時に機能ブロックを遂行している、以前に稼働されたDCNであり、DCNはアラーム設定要求時に機能ブロックを遂行しなくなる。
【0107】
いくつかの実装形態では、DCNが特定のタイプの機能ブロックを遂行していると決定するステップは、DCNによって伝送され、機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求をネットワークを介して受信するステップと、アラーム設定要求に含まれる機能ブロック識別子に基づいて、DCNが特定のタイプの機能ブロックを遂行していることを決定するステップとを含む。これらの実装形態のいくつかのバージョンでは、アラーム設定要求に含まれる機能ブロック識別子に基づいて、DCNが特定のタイプの機能ブロックを遂行していることを決定するステップは、機能ブロック識別子が特定のタイプにマッピングされる1つまたは複数の文字を含むことに基づいて、特定のタイプを決定するステップを含む。それらの実装形態のいくつかの追加または代替バージョンでは、本方法は、アラーム設定要求の受信に応答して、アラームデータベース内に機能ブロック識別子に関連付けて記憶されている特定のアラーム設定ファイルがあるかどうかを決定するステップをさらに含む。それらの追加または代替バージョンでは、デフォルトのアラーム設定ファイルをDCNに伝送するステップは、機能ブロック識別子に関連付けて記憶された特定のアラーム設定ファイルが存在しないとの決定にさらに応答する。
【0108】
いくつかの実装形態では、デフォルトのアラーム設定ファイルは、アラーム監視を実装する際に監視される1つまたは複数の条件を定義し、1つまたは複数の条件ごとに、対応するデフォルト値を含むか、値を含まない。それらの実装形態のいくつかでは、本方法は、DCNによって遂行される機能ブロックを識別するステップをさらに含み、デフォルトのアラーム設定ファイルを決定するステップは、特定のタイプの汎用アラーム設定ファイルを修正して、DCNによって遂行される機能ブロックの1つまたは複数のプロセス変数を含めるステップを含む。
【0109】
いくつかの実装形態では、プロセス自動化システムの分散制御ノード(DCN)のハードウェアプロセッサによって実装される方法が提供され、本方法は、DCNと直接インターフェースするヒューマンマシンインターフェース(HMI)を介してユーザインターフェース入力を受信するステップを含む。本方法は、ユーザインターフェース入力に基づいて、DCNにローカルに記憶され、DCNによって遂行される機能ブロックに関連付けられているデフォルトのアラーム設定ファイルに対する1つまたは複数の更新を決定するステップをさらに含む。本方法は、デフォルトのアラーム設定ファイルおよび1つまたは複数の決定された更新に基づく、更新されたアラーム設定ファイルを生成するステップと、更新されたアラーム設定ファイルおよび機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装するステップと、プロセス自動化システムのネットワークを介して、更新されたアラーム設定ファイルおよび機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定更新を伝送するステップとをさらに含む。要求を伝送するステップにより、更新されたアラーム設定ファイルは、機能ブロック識別子に関連付けてアラームデータベースに記憶される。
【0110】
本明細書に開示される技術のこれらおよび他の実装形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0111】
いくつかの実装形態では、ユーザインターフェースの入力に基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルに対する1つまたは複数の更新を決定するステップは、ユーザインターフェース入力に基づいて、1つまたは複数の更新の特定の値を決定するステップであって、その特定の値がデフォルトのアラーム設定ファイルの条件に関するものである、ステップを含む。これらの実装形態のいくつかのバージョンでは、デフォルトのアラーム設定ファイルには条件の値が不足しており、更新されたアラーム設定ファイルは条件の特定の値を含む。それらの実装形態の他のバージョンでは、デフォルトのアラーム設定ファイルは条件のデフォルト値を含み、更新されたアラーム設定ファイルは条件の特定の値を含む。
【0112】
いくつかの実装形態では、本方法は、HMIを介してユーザインターフェース入力を受信する前に、ネットワークを介して、機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を伝送するステップと、アラーム設定要求の伝送に応答して、およびネットワークを介して、デフォルトのアラーム設定ファイルを受信するステップとをさらに含む。これらの実装形態のいくつかのバージョンでは、本方法は、1つまたは複数のアラーム設定条件の発生を検出するステップをさらに含み、それらのバージョンでは、アラーム設定要求を伝送するステップが、1つまたは複数のアラーム設定条件の発生の検出に応答する。それらのバージョンの一部では、1つまたは複数のアラーム設定条件の発生を検出するステップは、DCNの電源投入を検出するステップ、DCNがプロセス自動化システムにおいて新たに稼働したことを検出するステップ、および/または機能ブロックのDCNによって、アラーム監視が現在アクティブではないことを検出するステップを含む。
【0113】
いくつかの実装形態では、機能ブロック識別子は機能ブロックに固有であり、プロセス自動化システムの任意の他の機能ブロックには割り当てられない。
【0114】
いくつかの実装形態では、プロセス自動化システムのネットワークに通信可能に結合された1つまたは複数のネットワークインターフェースと、複数の機能ブロック固有のアラーム設定ファイルと、機能ブロック固有のアラーム設定ファイルの各々についての、対応する機能ブロック識別子への対応する関連付けとを含むアラームデータベースと、1つまたは複数のアラーム設定プロセッサとを含む、アラーム設定サーバを含むプロセス自動化システムが提供される。アラーム設定プロセッサは、ネットワークを介して、プロセス自動化システムのノードによって伝送され、機能ブロックの機能ブロック識別子を含むアラーム設定要求を受信することであって、ノードによるアラーム監視において使用するために割り当てられている機能ブロックに基づく機能ブロック識別子を含む、ことと、アラーム設定要求を受信することに基づいて、アラームデータベースの対応する関連付けが機能ブロック識別子への関連付けを含むかどうかを決定することと、アラームデータベースの対応する関連付けが機能ブロック識別子への関連付けを含むとの決定に応じて、機能ブロック固有のアラーム設定ファイルのうち、関連性を有する機能ブロック固有のアラーム設定ファイルを、アラーム設定要求に応じてノードに伝送することと、アラームデータベースの対応する関連付けが機能ブロック識別子への関連付けを含まないとの決定に応じて、機能ブロック識別子によって識別される機能ブロックの特定のタイプに基づいて、デフォルトのアラーム設定ファイルを決定することと、ネットワークを介して、特定のタイプに基づいて決定されたデフォルトのアラーム設定ファイルをノードに送信することとを行うために、記憶された命令を遂行する。デフォルトのアラーム設定ファイルは、ノードを介してローカルに編集可能であり、編集されると、機能ブロックに基づいてアラーム監視を実装する際にノードによって使用される。
【符号の説明】
【0115】
100 環境
106 プロセス自動化ネットワーク
108 プロセス自動化システム
108 プロセス自動化設備
110A~110N 分散制御ノード(DCN)
110A1 代替DCN
110B DCN
110C DCN
110N DCN
111A フロートランスミッタ(FT)コンポーネント
111B フロートランスミッタ(FT)コンポーネント
112A プロセッサ
112A1 プロセッサ
112B プロセッサ
112C プロセッサ
112N プロセッサ
113A アクチュエータ
114A 機能ブロック
114A1 機能ブロック
114B 機能ブロック
114N 機能ブロック
115B センサ
115N センサ
116A アラームエンジ
116A1 アラームエンジン
116C アラームエンジン
116C1 アラームエンジン
116N アラームエンジン
117A~C アラーム設定要求
117A アラーム設定要求
117A1 アラーム設定要求
117C 要求
117C1 アラーム設定要求
117N アラーム設定要求
118A アラーム設定更新
118N アラーム設定更新
119A デフォルトのアラーム設定ファイル
119A1 特定のアラーム設定ファイル
119C アラーム設定ファイル
119N デフォルトのアラーム設定ファイル
120 アラーム設定サービス
122 設定モジュール
124 要求および/または更新モジュール
125 アラームデータベース
126 プッシュモジュール
130 非ローカルアラーム設定グラフィカルユーザインターフェース(GUI)
135 バルク設定ファイル
140 アラームビューア
145A HMI
145B HMI
500 方法
600 方法
700 方法
704 DCN実行ブロック
810 コンピューティングデバイス
812 バスサブシステム
814 プロセッサ
816 ネットワークインターフェースサブシステム
820 ユーザインターフェース出力デバイス
822 ユーザインターフェース入力デバイス
824 ストレージサブシステム
825 メモリサブシステム
825 メモリ
826 ファイルストレージサブシステム
830 メインランダムアクセスメモリ(RAM)
832 読取り専用メモリ(ROM)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】