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特開2024-95656医療手術中の高密度センシングおよびアブレーションのための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095656
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】医療手術中の高密度センシングおよびアブレーションのための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240703BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024037244
(22)【出願日】2024-03-11
(62)【分割の表示】P 2019570056の分割
【原出願日】2018-06-18
(31)【優先権主張番号】62/521,983
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. オルソン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM33
4C160NN01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】心臓組織との接触および心臓電気活動のモニタリングならびに組織のアブレーションのための装置および方法に関する。
【解決手段】可撓性カテーテル構造体は、センサの平面アレイ188を備え、組織(例えば心臓)のさまざまな場所において、診断(例えばマッピング)または治療(例えばアブレーション)目的で使用可能である。センサの平面アレイ188は、1つまたは複数のストラット192および複数の相互作用要素194を含む拡張可能な構造190により形成可能である。センサの平面アレイ188は、可撓性基板196等の拡張可能な構造190にとりつけられた指示構造体を具備し得る。
【選択図】図17A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の成形要素と、
前記第1の成形要素に対して遠位に位置付けられた第2の成形要素であって、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれは、収縮状態から拡張状態へと拡張可能であり、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれは、前記拡張状態の場合に、各成形要素の中心を通って延びる長手方向の軸に対して横方向に向けられている、前記第2の成形要素と、
前記第1の成形要素と前記第2の成形要素との間に延びた支持構造体と、
相互作用要素と、
を備える、可撓性カテーテル構造体。
【請求項2】
前記相互作用要素が、前記支持構造体上に位置している、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項3】
前記相互作用要素が、前記第1の成形要素上に位置しており、
第2の相互作用要素が、前記第2の成形要素上に位置している、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項4】
複数のリング電極をさらに備え、
前記複数のリング電極が、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素上に位置している、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項5】
可撓性平面基板をさらに備え、
前記可撓性平面基板が、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素に接続され、
前記相互作用要素が、前記可撓性平面基板上に位置している、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項6】
前記支持構造体が、前記第1の成形要素と前記第2の成形要素との間に延びた編組材料である、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項7】
前記第1の成形要素および前記第2の成形要素が、単一の細長要素により形成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項8】
前記第1の成形要素が、第1の細長要素により形成され、前記第2の成形要素が、第2の細長要素により形成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項9】
前記相互作用要素が、エネルギー送達要素、熱電対、診断要素、治療要素、薬品要素、薬剤要素、生物要素、音響要素、超音波要素、発光要素、磁気要素、および熱電要素のうちの1つまたは複数をさらに備える、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項10】
前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれが、潰れた状態および拡張状態を有し、前記潰れた状態が、送達機器の中に収まるように構成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項11】
前記第1の成形要素の前記拡張状態の幅が、前記送達機器の直径よりも大きく、前記第2の成形要素の前記拡張状態の幅が、前記第1の成形要素の前記拡張状態の前記幅よりも小さい、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項12】
前記第1の成形要素、前記第2の成形要素、および前記支持構造体のうちの1つまたは複数が、形状記憶材料により形成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項13】
前記細長医療機器の遠位端に結合され、拡張状態および潰れた状態を有するように構成されている可撓性基板と、
前記可撓性基板と結合されている支持構造体と、
前記可撓性基板上のパターンで配置されている複数の相互作用要素と、
を備える、可撓性カテーテル構造体。
【請求項14】
前記パターンが、
前記細長医療機器の遠位端から近位端まで延びた複数の長手方向ラインに配置されている複数の相互作用要素、
軸周りで円周方向に配設され、軸を中心とする相互作用要素が長手方向に離間している複数列の相互作用要素、および
グリッド状に配置されている複数の相互作用要素、
のうちの1つを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の相互作用要素が、複数の導電性トレースにより電気的に接続され、
前記複数の導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記相互作用要素が、エネルギー送達要素、熱電対、診断要素、治療要素、薬品要素、薬剤要素、生物要素、音響要素、超音波要素、発光要素、磁気要素、および熱電要素のうちの1つまたは複数をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
縁部材料をさらに備え、
前記縁部材料が、前記可撓性平面基板の縁部の近傍に位置しており、
前記縁部材料が、前記長手方向の軸に対して前記可撓性平面基板の半径を拡張するように構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
螺旋形状を有する第1の平面基板と、
前記第1の平面基板と結合されている相互作用要素と、
前記第1の平面基板と結合され、複数の相互作用要素を含む第2の平面基板と、
を備える、可撓性カテーテル構造体を備える、螺旋状医療機器。
【請求項19】
第2の平面基板をさらに備え、前記第2の平面基板が、前記第1の平面基板と前記相互作用要素との間にある、請求項18に記載の螺旋状医療機器。
【請求項20】
前記第2の平面基板が、前記第1の基板の一部を覆う、請求項19に記載の螺旋状医療機器。
【請求項21】
前記第2の平面基板が、複数の小さな平面基板を備え、
前記複数の小さな平面基板のそれぞれが、相互作用要素を含む、請求項19に記載の螺旋状医療機器。
【請求項22】
前記相互作用要素のそれぞれが、対応する導電性トレースにより電気的に接続されており、
前記導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、請求項20に記載の螺旋状医療機器。
【請求項23】
前記相互作用要素が、印刷プロセス、積層造形プロセス、および堆積プロセスから成る群から選択されるプロセスを用いて、前記第1の平面基板および前記第2の平面基板の少なくとも一方に堆積されている、請求項19に記載の螺旋状医療機器。
【請求項24】
細長医療機器用の装置であって、
シャフト遠位端に位置している支持構造体であって、長手方向軸に対して収縮状態から拡張状態へと拡張可能である、前記支持構造体と、
前記支持構造体により形成されている外側面において前記支持構造体と結合されている可撓性平面基板と、
前記可撓性平面基板と結合されている複数の相互作用要素と、
を備える、装置。
【請求項25】
前記複数の相互作用要素が、エネルギー送達要素と、熱電対、力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、およびバイオセンサのうちの1つと、をさらに備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記支持構造体が、編組材料により形成されている、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記支持構造体が、形状記憶材料により形成されている、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記支持構造体が、組織を前記支持構造体の前記拡張状態に適合させるように構成されている、請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記支持構造体の前記拡張状態が、複数の異なる直径を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項30】
前記複数の相互作用要素の数が、前記支持構造体の近位部よりも前記支持構造体の遠位部において多い、請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記複数の相互作用要素が、複数の導電性トレースにより電気的に接続され、
前記複数の導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、請求項24に記載の装置。
【請求項32】
前記複数の相互作用要素が、印刷プロセス、積層造形プロセス、および堆積プロセスから成る群から選択されるプロセスを用いて、前記支持構造体に堆積されている、請求項24に記載の装置。
【請求項33】
複数のリング電極をさらに備え、
前記複数のリング電極が、前記支持構造体上に位置している、請求項24に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/521,983号の利益を主張するものであり、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【0002】
本開示の実施形態は、心臓組織との接触および心臓電気活動のモニタリングならびに組織のアブレーションのための装置および方法に関する。特に、本開示の実施形態は、第1の形状から第2の形状へと拡張可能な1つまたは複数の基板を備えた細長医療機器および基板上に位置付けられた複数の相互作用要素ならびにこのような機器および要素を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多様な診断的および/または治療的な医療処置において、たとえば異所性心房頻拍、心房細動、および心房粗動を含む心房性不整脈等の状態に対処するため、電気生理学的カテーテルが用いられる。不整脈は、不規則心拍、同期性房室収縮の喪失、および血流の停止を含む多様な危険状態を生み出す可能性があり、多様な病気ひいては死に至る可能性がある。
【0004】
通常の手術においては、患者の血管系を通じて、たとえば患者の心臓へとカテーテルが操作され、診断、マッピング、アブレーション、または他の処置に使用可能な1つまたは複数の電極を運ぶ。対象部位においては、無線周波数(RF)アブレーション、冷凍アブレーション、レーザ、薬剤、高強度集束超音波等を処置に伴う場合がある。アブレーション・カテーテルがこのようなアブレーション・エネルギーを心臓組織に与えることにより、変化を心臓組織に生じさせる。この変化は、望ましくない電気経路を妨害することにより、不整脈に至る漂遊電気信号を制限または防止する。容易に明らかとなる通り、このような処置には、処置部位への送達時および処置部位での使用時のカテーテルの精密な制御を必要とするため、常にユーザの能力レベルに依存し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一部の従来事例では、複数のアブレーションを組織に行って、変化ラインを生じさせる。たとえば、複数のアブレーションを組織に行う一部の従来事例には、アブレーション・カテーテルによって第1の点で第1のアブレーションを実行することと、その後、アブレーション・カテーテルによって第2の点で第2のアブレーションを実行することと、その後、アブレーション・カテーテルによって第3の部位で第3のアブレーションを実行すること等を伴う。これにより、多くの単点アブレーションが行われ(互いに隣接することが多い)、変化ラインが生じる。アブレーション・ラインのための頻繁な位置付けは、心臓の左心房における肺静脈の周り/間で行われる。ただし、このような事例において、ユーザは、アブレーション部位が互いに隣接するとともに、各アブレーション部位において十分な接触が実現されるようにしなければならなくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、少なくとも1つの実施形態において、第1の成形要素と、第1の成形要素に対して遠位に位置付けられた第2の成形要素とを備え、第1の成形要素および第2の成形要素がそれぞれ、収縮状態から拡張状態へと拡張可能であり、拡張状態の場合に、各成形要素の中心を通って延びる長手方向軸に対して横方向に向けられる、可撓性カテーテル構造体に関する。また、この装置は、第1の成形要素と第2の成形要素との間に延びた支持構造体と、相互作用要素と、を備える。
【0007】
別の実施形態において、細長医療機器用の装置は、細長医療機器の遠位端と結合され、拡張状態および潰れた状態を有するように構成された可撓性基板と、可撓性基板と結合された支持構造体と、可撓性基板上でパターン状に配置された複数の相互作用要素と、を備える。
【0008】
さらに別の実施形態において、螺旋状医療機器は、螺旋形状を有する第1の平面基板と、第1の平面基板と結合された相互作用要素と、第1の平面基板と結合され、複数の相互作用要素を含む第2の平面基板と、を備える。
【0009】
別の実施形態において、装置は、シャフト遠位端に位置付けられた支持構造体であって、長手方向軸に対して収縮状態から拡張状態へと拡張可能である、支持構造体と、支持構造体により形成された外側面において支持構造体と結合された可撓性平面基板と、可撓性平面基板と結合された複数の相互作用要素と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る、医療機器および医療用位置決めシステムを示した模式システム図である。
【0011】
図2】本開示の実施形態に係る、医療手術を実行するシステムのブロック図である。
【0012】
図3A】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の側面図である。
【0013】
図3B】本開示の実施形態に係る、図3Aからの収縮状態の可撓性カテーテル構造体の側面図である。
【0014】
図3C】本開示の実施形態に係る、付加的な環状構造を備えた図3Aと類似の可撓性カテーテル構造体の側面図である。
【0015】
図4】本開示の実施形態に係る、可撓性カテーテル構造体の別の実施形態の側面図である。
【0016】
図5A】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
図5B】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
図5C】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
図5D】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
図5E】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
図5F】本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な一構成の等角側面・遠位端図である。
【0017】
図6】本開示の実施形態に係る、可撓性カテーテル構造体の例示的な一実施形態の等角側面・近位端図である。
【0018】
図7】本開示の実施形態に係る、医療手術中の使用に先立った、並列に示された第1の成形要素および第2の成形要素を具備し得る可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。
【0019】
図8】本開示の実施形態に係る、本実施形態において接続され、第1すなわち近位の成形フープおよび第2すなわち遠位の成形フープを含む複数の成形フープを備えた別の成形要素を具備し得る可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。
【0020】
図9A】本開示の実施形態に係る、図7に示すように第1の成形要素および第2の成形要素を具備し、肺静脈(PV)中に位置付けられた可撓性カテーテル支持構造体の等角側面・遠位端図である。
【0021】
図9B】本開示の実施形態に係る、PV中の図8と類似の第1の成形フープおよび第2の成形フープを構成する単一の細長要素を示した可撓性カテーテル支持構造体の等角側面・遠位端図である。
【0022】
図10】本開示の実施形態に係る、第1の成形フープおよび第2の成形フープと、両者間に延びた支持構造体(可撓性基板)とを一体的に含む解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体の等角側面図である。
【0023】
図11】本開示の実施形態に係る、図10の成形フープおよび第2の成形フープの構成に用いられる解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。
【0024】
図12】本開示の実施形態に係る、図10および図11に示す可撓性カテーテル構造体の近位端図である。
【0025】
図13】本開示の実施形態に係る、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体を肺静脈中に位置付けようとしている心臓の一部の前面断面図である。
【0026】
図14】本開示の実施形態に係る、組織成形要素の展開に先立って、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体が右上肺静脈内に位置決めされた心臓の前面断面図である。
【0027】
図15】本開示の実施形態に係る、解剖学的構成の機器の展開に先立って、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素が内部に位置決めされた肺静脈の拡大前面断面図である。
【0028】
図16】本開示の実施形態に係る、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素が内部に展開されたことを示す図15と類似の前面断面図である。
【0029】
図17A】本開示の実施形態に係る、横方向センサの平面アレイを備えた可撓性カテーテル構造体の側面図である。
【0030】
図17B】本開示の実施形態に係る、図17Aに示す横方向センサの平面アレイの一実施形態を伴う人間の心臓のグラフィック描写の側面断面図である。
【0031】
図18A】本開示の実施形態に係る、拡張状態の第1の基板および複数の相互作用要素を備えた螺旋状医療機器の等角図である。
【0032】
図18B】本開示の実施形態に係る、収縮状態の図18Aの螺旋状医療機器の等角図である。
【0033】
図18C】本開示の実施形態に係る、図18Aおよび図18Bの螺旋状医療機器の断面図である。
【0034】
図19A】本開示の実施形態に係る、収縮状態の第1の基板、第2の基板、および複数の相互作用要素を備えた螺旋状医療機器の等角図である。
【0035】
図19B】本開示の実施形態に係る、収縮状態の図19Aの螺旋状医療機器の等角図である。
【0036】
図19C】本開示の実施形態に係る、図19Aおよび図19Bの螺旋状医療機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
いくつかの実施形態において、図1を参照するに、システム10は、医療機器12および医療用位置決めシステム14を具備し得る。医療機器12は、たとえばカテーテル、またはシース、導入器、内視鏡、もしくは体内に挿入するように構成された他の機器等の細長医療機器を具備し得るが、これらに限定されない。例示および明瞭化を目的として、以下の説明は、医療機器12がカテーテルを備える一実施形態に限定する(サンプル的なカテーテルを図1に示す(たとえば、カテーテル12))。ただし、当然のことながら、本開示は、カテーテルに限定されるものではなく、ガイドワイヤ、導入器、または他の何らかの細長医療機器であってもよいし、これらを含んでいてもよい。
【0038】
引き続き図1を参照して、カテーテル12は、患者の身体16、より詳細には、患者の心臓18に挿入されるように構成可能である。カテーテル12は、たとえば近位端30を有するハンドル20と、近位端部24および遠位端部26を有するシャフト22と、当該カテーテル12のシャフト22中またはシャフト22上に取り付けられた1つまたは複数のセンサ28と、を具備し得る。本明細書において、「センサ28(sensor 28またはsensors 28)」は、必要に応じて、大略図示するように、1つまたは複数のセンサ28、28、・・・28を表す可能性がある。例示的な一実施形態において、センサ28は、シャフト22の遠位端部26に配設されている。カテーテル12は、たとえば温度センサ、付加的なセンサまたは電極、アブレーション要素(たとえば、RFアブレーション・エネルギーを送達するアブレーション・チップ電極、高強度集束超音波アブレーション要素等)、および対応する導電体またはリード等、他の従来の構成要素をさらに具備していてもよいが、これらに限定されない。
【0039】
シャフト22としては、身体16内で移動するように構成された細長管状可撓性部材が可能である。シャフト22は、たとえばセンサ28、関連する導電体、ならびに信号処理および調節に用いられる付加可能な電子機器等、搭載されたセンサおよび/または電極を支持するが、これらに限定されない。また、シャフト22は、液体(灌流液、低温アブレーション液、および体液を含む)、薬、ならびに/または手術道具もしくは器具の搬送、送達、および/または除去を可能にし得る。シャフト22は、ポリウレタン等の従来の材料により構成され、導電体、液体、または手術道具の収容および/または搬送を行うように構成された1つまたは複数のルーメンを画定していてもよい。シャフト22は、従来の導入器によって、身体16内の血管等の構造に導入されるようになっていてもよい。そして、シャフト22は、当技術分野においてよく知られている手段を用いることにより、身体16を通じて、心臓18等の所望の場所まで操作またはガイドされるようになっていてもよい。
【0040】
カテーテル12のシャフト22中またはシャフト22上に取り付けられたセンサ28は、多様な診断および治療の目的で設けられていてもよく、たとえば電気生理学的研究、ペーシング、心臓マッピング、およびアブレーションが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な一実施形態においては、場所または位置検知機能の実行のため、1つまたは複数のセンサ28が設けられている。より詳細には、以下により詳しく説明する通り、特に、特定の時点におけるカテーテル12およびそのシャフト22の遠位端部26の場所(たとえば、位置および向き)に関する情報を提供する位置センサとして、1つまたは複数のセンサ28が構成されている。したがって、このような実施形態においては、心臓18の関心構造の表面に沿ったカテーテル12の移動および/または関心構造の内部のカテーテル12の移動があると、センサ28の使用によって、関心構造の表面および/または関心構造内の他の場所に対応する場所データ点を収集することができる。そして、これらの場所データ点を多くの目的で使用可能であり、たとえば関心構造の表面モデルの構成が挙げられるが、これに限定されない。
【0041】
明瞭化および図示を目的として、以下の説明は、カテーテル12の単一のセンサ28が位置センサを含む一実施形態に関して行う。ただし、当然のことながら、本開示の主旨および範囲に含まれる他の例示的な実施形態において、カテーテル12は、2つ以上の位置センサのほか、他の診断および/または治療機能を実行するように構成された他のセンサまたは電極を備えていてもよい。以下により詳しく説明する通り、センサ28は、検知要素(たとえば、コイル)から延び、たとえば医療用位置決めシステム14等、システム10の他の構成要素に対してセンサ28を電気的に結合するように構成された一対のリードを具備し得る。いくつかの実施形態において、検知要素としては、患者の近傍で生成された磁界を検知し得るセンサ・コイル等の電磁位置センサが可能である。電磁位置センサの位置および向き(P&O)に応じて、コイルにより異なる電気信号を生成し、医療用位置決めシステムに伝達することによって、電磁位置センサのP&Oを示し得る場所測定値を決定することができる。
【0042】
場所測定値にはそれぞれ、基準座標系(医療用位置決めシステム14の座標系であってもよい)に対する位置および向き(P&O)の少なくとも一方または両方を含み得る。ある種のセンサについて、P&Oは、磁界発生器もしくは送信機に対する磁界中のセンサ28ならびに/または電界発生器に対する印加電界中の複数の電極(たとえば、一組の電極パッチ)の3次元(3D)位置(すなわち、3つの軸X、Y、およびZの座標)および2次元(2D)の向き(たとえば、方位角および仰角)としての5自由度(5DOF)で表されるようになっていてもよい。その他のセンサ種について、P&Oは、3D位置(すなわち、X、Y、Z座標)および3Dの向き(すなわち、ロール、ピッチ、およびヨー)としての6自由度(6DOF)で表されるようになっていてもよい。
【0043】
図2は、医療手術を実行するシステム10の例示的な一実施形態のブロック図である。システム10は、たとえば患者の心臓等、患者の組織18に対するアブレーション手術の実行に用いられるようになっていてもよい。システム10は、マッピングナビゲーションシステム14、アブレーション生成器23、力検知システム25、インピーダンス検知システム19、およびカテーテル12を具備していてもよい。
【0044】
カテーテル12は、一実施形態において、アブレーション・エネルギーを送達するとともにアブレーション・エネルギーの送達に関連するさまざまな測定を行う構成要素を含めて、アブレーション手術を実行するさまざまな構成要素を具備していてもよい。たとえば、カテーテル12は、一実施形態において、力センサ15および複数の相互作用要素17を具備していてもよい。また、カテーテル12は、ハンドル20、シャフト22、および他の構成要素を具備していてもよい。システムおよび構成要素に関する詳しい説明については、2016年5月3日に出願された米国仮特許出願第62/331,398号に含まれており、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【0045】
引き続き図1および図2を参照して、複数の相互作用要素17(図2)は、カテーテル12がアブレーション・エネルギーを身体16の組織18に送達するように設けられていてもよい。複数の相互作用要素17(図2)のほか、カテーテル12には、1つまたは複数の付加的な電極を具備可能であり、リング電極、チップ電極、スポット電極等が挙げられる。
【0046】
インピーダンス検知システム19(図2)は、組織のインピーダンスを測定するように設けられていてもよい。インピーダンス検知システム19は、電極(たとえば、複数の相互作用要素17(図2)、2つ以上のパッチ電極)およびインピーダンス・センサであってもよいし、これらを具備していてもよい。インピーダンス検知システム19が信号を生成する一実施形態においては、以下に詳しく説明する通り、たとえば複数の相互作用要素17のうちの1つと第2の電極(たとえば、パッチ電極)との間の電流の駆動によって、組織18のインピーダンス(複素インピーダンスであってもよい)を決定するようにしてもよい。組織18のインピーダンスは、たとえば身体の首、胸のある場所、または脚のある場所等、身体16のある場所のパッチ電極を用いて測定可能である。また、組織18のインピーダンスは、米国特許出願公開第2014/0364715号の記載と類似の1つまたは複数の電極(たとえば、多電極インピーダンスまたは双極子)を用いて測定可能であり、そのすべての内容を本明細書に援用する。
【0047】
引き続き図2を参照して、力センサ15は、カテーテル12と組織18との間の接触力を測定するように設けられていてもよい。たとえば、力センサ15は、接触力の大きさおよび/または力ベクトルを測定可能な出力を生成するように構成されていてもよい。接触力は、一実施形態において、カテーテル12の一部(たとえば、相互作用要素17)と組織18との間の接触を表していてもよい。たとえば、本開示の実施形態に関して、超音波センサ、磁気センサ、インピーダンス・センサ、歪みゲージ・センサ、圧電センサ、または力を検出する他のセンサ等の種類の力センサを使用可能である。
【0048】
アブレーション生成器23は、カテーテル12と結合して(たとえば、図2の複数の相互作用要素17と電気的に結合して)、アブレーション・エネルギーをカテーテル12(たとえば、複数の相互作用要素17)に与えるように構成されていてもよい。たとえば、アブレーション生成器23は、一実施形態において、およそ450MHzの電気信号を与えるようにしてもよい。アブレーション生成器23は、一実施形態において、組織18のインピーダンスを測定するようにさらに構成されていてもよい。
【0049】
力検知システム25(図1および図2)は、力センサ(図2)と電気的に結合されて、カテーテル12と組織18との間の接触力を決定するようにしてもよい。力検知システム25は、一実施形態において、プロセッサ27、メモリ29、および光信号源31を具備していてもよい。光信号源31は、カテーテル12中の1つまたは複数の光ファイバと結合され、光ファイバを通じて光信号を与えるようにしてもよい。力検知システム25は、反射光信号を受信し、この反射光信号に基づいて接触力を計算するようにさらに構成されていてもよい。一実施形態において、光信号源31は、光信号を生成してカテーテル中の3つの光ファイバに送信するように構成されていてもよく、力検知システム25は、3つの反射光信号を受信して、カテーテル12と組織18との間の接触力ベクトル(たとえば、大きさおよび方向)を計算するように構成されていてもよい。
【0050】
力検知システム25および力センサ15(図2)は、St.Paul、MinnesotaのSt.Jude Medical,Inc.から市販されているTactiCath(商標)Quartz(商標)Ablation Catheterシステムで用いられているものと同様または同一の技術を含んでいてもよい。この追加または代替として、力検知システム25および力センサ15は、米国特許出願公開第2007/0060847号、第2008/0009750号、および第2011/0270046号のうちの1つまたは複数に図示および/または記載の力検知センサ、システム、および技術を含んでいてもよく、それぞれのすべての内容を本明細書に援用する。
【0051】
さらに図1および図2を参照して、マッピングナビゲーションシステムマッピングナビゲーションシステム30は、臨床医が組織16を可視化するとともに、数ある機能の中でも診断または治療を目的として組織16およびその周りにカテーテル14をナビゲートし得るように設けられていてもよい。したがって、マッピングナビゲーションシステム30には、数ある機能の中でも、組織のモデルの生成および表示、組織16の電気生理学的(EP)マップの生成および表示、カテーテルの追跡、ならびに1つまたは複数のマップまたはモデルのディスプレイ34へのカテーテル14の重ね合わせ(組織16に対するカテーテル14の場所を臨床医が観察できるようにする)等、多様な機能が設けられていてもよい。マッピングナビゲーションシステム30は、ECU32およびディスプレイ34を備えていてもよく、ECU32は、本明細書に記載の機能および/または他の機能を実行するプロセッサ33およびメモリ35を具備する。
【0052】
図3Aは、本開示の実施形態に係る、拡張状態の可撓性カテーテル構造体の側面図である。可撓性カテーテル構造体40は、拡張状態(図3A参照)および潰れた状態(図3B参照)を含む。可撓性カテーテル構造体40は、対象の治療部位までの送達時には潰れた状態とし、その後、対象の治療部位に達したら拡張状態(図3A参照)へと展開可能である。潰れた状態において、可撓性カテーテル構造体40は、たとえばカテーテルまたは導入器に収まって、対象の治療部位まで送達可能となる。可撓性カテーテル構造体40は、ニチノールまたは形状記憶を有する他の材料等、形状を維持するとともに潰れた後の自己拡張を可能にする材料により構成可能である。医療用ステントの技術分野において知られている他の適当な材料も使用可能である。この材料は、たとえば編組によって拡張可能な構造を構成可能である。可撓性カテーテル構造体40としては、織り合わせ支持構造体が可能である(たとえば、支持構造体のさまざまな部材の接続、織り合わせ、撚り合わせ、交差、または類似の構成がなされている。たとえば、St.Jude Medical AMPLATZER(商標)P.I. Muscular VSD Occluderにおいて、例示的な編組技術が見られ、これを拡張可能な構造42またはその一部としての使用可能である。St.Jude Medical AMPLATZER(商標)P.I. Muscular VSD Occluderに関する付加的な情報については、たとえば米国特許出願第6,123,715号に見られるが、このすべての内容を本明細書に援用する。
【0053】
可撓性カテーテル構造体40は、任意の好適な形状が可能である。たとえば、可撓性カテーテル構造体40は、拡張時に、円筒状、円錐状、楕円状、球状、または他の形状が可能である。可撓性カテーテル構造体40の潰れた状態は、任意の好適な形状(たとえば、図3B参照)が可能である。たとえば、第1の潰れた状態は、円筒状が可能であり、拡張可能な構造が医療機器12のシャフト22Aに容易に収まる。他の実施形態において、潰れた状態の可撓性カテーテル構造体40は、たとえばカテーテルまたは導入器に収まって、対象の治療部位まで送達可能となる。いくつかの実施形態において、拡張可能な構造は、シャフト22Aの遠位端から長手方向軸に関して遠位方向に延伸可能である。潰れた状態から拡張状態への遷移において、可撓性カテーテル構造体40は、潰れた状態から拡張状態へと、長手方向軸から半径方向外方に拡張可能である。
【0054】
展開時の可撓性カテーテル構造体40の拡張は、治療部位においてセンサ44を組織に接触させるのに十分な拡張力を与え得る。拡張力は、可撓性カテーテル構造体40の拡張を制御することにより変更可能である。たとえば、可撓性カテーテル構造体40は、初期設定のプリフォーム形状に従う可変拡張力によって、肺静脈への進入および肺静脈とのはめ合いを容易化するようにしてもよい。可撓性カテーテル構造体40の拡張は、たとえば力センサ、歪みゲージ、または歪みセンサ等の適当なセンサを用いて測定可能である。
【0055】
いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体40は、1つまたは複数の気体(たとえば、空気)または液体(たとえば、水)を用いて拡張可能なバルーンまたは類似機器(不図示)を具備し得る。たとえば、バルーンは、液体または気体の内部への追加による拡張によって、収縮状態から拡張状態へと変形可能である。いくつかの実施形態においては、バルーンの拡張によって、可撓性カテーテル構造体40が拡張することにより、センサ44が治療部位において組織に接触可能となる。
【0056】
図3Aに戻って、可撓性カテーテル構造体40は、1つまたは複数のセンサ44を具備し得る。センサ44としては、たとえば電極、熱電対、(たとえば、組織接触および/または組織に加わる合力を検知する)力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、(たとえば、生物学的反応を電気信号に変換可能な)バイオセンサ、診断センサ、治療センサ、(たとえば、薬品/薬剤等の送達および/またはモニタリングが可能な)薬剤センサ、発光センサ、音響センサ、超音波センサ、エネルギー受容および/もしくは測定センサ、磁気コイルもしくはセンサ、熱電素子、または他のセンサが挙げられる。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数のセンサ44を別のセンサおよび/またはエネルギー送達要素と組み合わせて、「相互作用要素」とも称する1つの要素にすることができる。相互作用要素は、(たとえば、範囲内において間隙を生じ得るセンサとエネルギー送達要素との交互配置の代わりに)要素の間隔の狭小化を可能にし得る。相互作用要素に含み得るセンサの組み合わせとしては、任意のセンサ(エネルギー送達要素、熱電対、力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、およびバイオセンサを含む上掲の一部の例)の任意の組み合わせ(2つのセンサ、3つのセンサ、4つのセンサ等)が挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態においては、たとえば3重モード要素を構成するように組み合わされた3つのセンサおよび/もしくは要素または「多重モード要素」を構成するように組み合わされた他の複数のセンサおよび/もしくは要素を含み得る。相互作用要素としては、2重モード要素、3重モード要素、および/または多重モード要素が可能であり、また、たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかと併用可能である。いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体40は、1つまたは複数のセンサ44のほか、複数の相互作用要素48またはセンサ44を具備し得る。1つまたは複数のセンサ44は、積層造形法(たとえば、直接堆積)を含む任意の好適な方法(たとえば、接着)を用いて、可撓性カテーテル構造体40に取り付け可能である。
【0058】
また、いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体40は、基板(不図示)を具備し得る。基板としては、たとえばポリマーまたは金属を含む任意の好適な材料が可能である。また、基板は、任意の好適な構成(たとえば、フィルム、メッシュ、編組等)が可能である。基板は、可撓性である。基板は、可撓性カテーテル構造体40の1つまたは複数の場所に接続または取り付け可能である。基板は、たとえば接着を含む任意の好適な方法を用いて、可撓性カテーテル構造体40に取り付け可能である。可撓性カテーテル構造体40に接続された基板上には、1つまたは複数のセンサ44および/または複数の相互作用要素48を位置付け可能である。いくつかの実施形態において、基板は、可撓性カテーテル構造体40から独立可能である。センサ44および/または相互作用要素48は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または信号の生成に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース46、ワイヤ等で)接続可能である。
【0059】
いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体40は、1つまたは複数のエネルギー送達機器50を具備し得る。エネルギー送達機器50は、任意の好適な方法を用いて、可撓性カテーテル構造体40に取り付け可能である。これには、たとえば可撓性カテーテル構造体40へのエネルギー送達機器50の直接印刷(たとえば、インク・ジェット・プロセス)を含む。エネルギー送達機器50は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または信号の生成に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース46、ワイヤ等で)接続可能である。
【0060】
可撓性カテーテル構造体40または基板上において、さまざまなセンサおよび要素(たとえば、センサ44、相互作用要素48、エネルギー送達機器50等)をさまざまなパターンに配置可能である。たとえば、センサおよび/または要素は、可撓性カテーテル構造体40または基板上のある場所において、等間隔(たとえば、類似密度)で一様に分布させることも可能であるし、異なる間隔または集中度(たとえば、異なる密度または可変密度)にすることも可能である。可撓性カテーテル構造体40および基板を含むいくつかの実施形態においては、両者の上にセンサおよび/または要素が存在し得る。
【0061】
エネルギー送達機器50は、拡張可能な構造上の任意の好適な場所に位置付け可能である。たとえば、エネルギー送達機器50は、パターン状(対称または非対称)配置によって、使用時に所望の分布および範囲をもたらし得る。たとえば、対称パターンによって、対象の治療部位の対称な範囲をもたらすことができ、非対称パターンによって、対象の治療部位の特定エリアを対象とすることができる。
【0062】
図3Aは、センサ44、相互作用要素48、およびエネルギー送達機器50、ならびに可撓性カテーテル構造体上のさまざまな場所を示している。図示の例示的な構成は、さまざまな要素(たとえば、センサ44、相互作用要素48、およびエネルギー送達機器50)を図示の場所のいずれかに位置付け可能であるので、限定的なものではない(たとえば、図2においてセンサ44の一部および/または全部を示す場所に相互作用要素48を位置決め可能である、相互作用要素48の一部および/または全部が位置付けられた場所にエネルギー送達機器50を位置付け可能である、等)。
【0063】
可撓性カテーテル構造体40は、シャフト22Aを用いて、身体の所望の場所に送達可能である。可撓性カテーテル構造体40は、シャフト22Aの端部の内側に位置付け可能である。たとえばバルーン、プルワイヤ、または類似方法を用いることによって、可撓性カテーテル構造体40のシャフト22Aに対する伸長および/またはシャフト22Aの可撓性カテーテル構造体40に対する後退が可能であり、可撓性カテーテル構造体40は、その構造がシャフト22Aの端部を越えて遠位方向に前進することで露出する。
【0064】
図3Bは、本開示の実施形態に係る、図2Aからの収縮状態の可撓性カテーテル構造体の側面図である。可撓性カテーテル構造体40は、拡張可能な構造を患者のさまざまな場所(たとえば、対象の治療部位)に送達する際の拡張可能な構造の容易な移動を可能にする潰れた状態を有し得る。また、潰れた状態は、可撓性カテーテル構造体40のシャフト22Aからの展開および可撓性カテーテル構造体40のシャフト22A内の格納を補助する。たとえば、可撓性カテーテル構造体40は、送達時にシャフト22Aの中に収まる。展開時は、上述の方法または他の適当な方法のうちの1つを用いることにより、シャフト22Aの後退および/または可撓性カテーテル構造体40の伸長によって、可撓性カテーテル構造体40を(たとえば、図3Aに示す拡張状態へと)拡張可能である。
【0065】
図3Cは、本開示の実施形態に係る、付加的な環状構造を備えた図3Aと類似の可撓性カテーテル構造体の側面図である。可撓性カテーテル構造体40Aは、図3Aに示すとともに上述した可撓性カテーテル構造体40に類似し得る。可撓性カテーテル構造体40Aは、図3Cに示すような構造の形状を生じる付加的な要素を具備し得る。可撓性カテーテル構造体40Aは、図3Cに示すような球根環形状および/または「ウィング」を含むことにより、当該可撓性カテーテル構造体40Aと組織との接触(たとえば、PVの内側、PVの開口の近傍の組織(たとえば、腔壁)等を含めたPVとの接触)を容易化し得る。図3Aおよび図3Bに関する上記説明と同様に、可撓性カテーテル構造体40Aは、シャフト22Aから展開可能(たとえば、拡張状態へ遷移)であるとともに、展開時に潰れて(たとえば、潰れた状態へ遷移)、シャフト22Aの中に収まり得る。
【0066】
図4は、本開示の実施形態に係る、可撓性カテーテル構造体の別の実施形態の側面図である。可撓性カテーテル構造体60は、複数の相互作用要素64を支持する複数の可撓性ワイヤ(または、ストラット)62を具備し得る。たとえば、図4に示すように、拡張可能な構造は、7つのストラットを含み得る。ただし、いくつかの実施形態では、ストラットの数を減らすことも増やすことも可能である。相互作用要素64については、上記により詳しく説明している。可撓性ワイヤまたはストラット62は、ニチノールおよび形状記憶を有する他の材料等、上記所望の形状を可能にする任意の好適な材料により構成可能である。
【0067】
可撓性カテーテル構造体60は、いくつかの実施形態において、拡張状態となるように、自然に付勢可能である。別の実施形態において、可撓性カテーテル構造体60は、潰れた状態となるように付勢可能である。可撓性カテーテル構造体60は、任意の好適な数の可撓性ワイヤまたはストラット62を有し得る。可撓性カテーテル構造体60は、シャフト68に取り付けられる近位端66上に支持可能である。いくつかの実施形態において、遠位端70には、端部支持部72を含み得る。端部支持部72は、たとえば遠位端70において、可撓性カテーテル構造体60のさまざまな端部形状を支持可能である。また、端部支持部72は、複数のワイヤまたはストラット62を接続可能である。いくつかの実施形態において、遠位端70は、開放可能である(たとえば、フープ、円、長円等)。他の実施形態において、遠位端70は、閉鎖(たとえば、表面(たとえば、平坦、凸状、凹状等)を構成する付加的な可撓性カテーテル構造体60を有すること)も可能であるし、開口のサイズを小さくすることも可能である。他の実施形態において、遠位端70では、これら2つを組み合わせることができる。本実施形態は、St.Jude Medical device HD EnSite(商標)Array(商標)Catheterに類似し得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体60は、上述の複数のワイヤ(または、ストラット)62のほか、可撓性基板(不図示)を具備し得る。可撓性基板は、上述の他の実施形態に類似する1つまたは複数の相互作用要素を具備し得る。
【0069】
図5A図5Fは、本開示の実施形態に係る、さまざまな拡張状態の可撓性カテーテル構造体の例示的な構成の等角側面・遠位端図である。図5Aは、第1の拡張状態76(たとえば、展開状態)の可撓性カテーテル構造体74の等角側面・遠位端図である。図示のように、可撓性カテーテル構造体74は、一端に接続されて円形構造を構成する単一の要素を具備し得る。可撓性カテーテル構造体74は、(たとえば、図3A図3Cと同様に)シャフト22Bから展開可能である。いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体74は、三角形、矩形、方形等の他の形状を構成可能である。図5Bは、第2の拡張状態76の可撓性カテーテル構造体74の等角側面・遠位端図である。図5Aとは対照的に、円形構造の両側が折り畳まれて、鞍形状(双曲放物面)を構成している。図5Cおよび図5Dは、状態76および76の可撓性カテーテル構造体74の鞍の両側がさらに上方に配設され、互いに近づいている状態を示している。図5Eは、「折畳み」(たとえば、潰し)プロセスを続けるための可撓性カテーテル構造体74のさらなる変形を示している。図5Fは、円形構造が第1の拡張状態よりも小さくなるように構成された第6の状態76(たとえば、格納状態)の可撓性カテーテル構造体74の等角側面・遠位端図である。この第6の状態は、可撓性カテーテル構造体74を患者のさまざまな場所(たとえば、対象の治療部位)に送達する際に、可撓性カテーテル構造体74の容易な移動を可能にする。これは、可撓性カテーテル構造体74がカテーテル、導入器、または他の類似機器に収まり得るようにすることで実現可能である。
【0070】
可撓性カテーテル構造体74は、当該可撓性カテーテル構造体74が所望のサイズおよび/または形状に収まり得るように、小さな配置/構成への折畳みまたは潰しが行われるように構成された支持構造体を有し得る。たとえば、可撓性カテーテル構造体74は、たとえば拡張可能な構造のシャフト(たとえば、シャフト22B)もしくは他の類似送達機器内側への格納またはシャフトの外側への取り付けが行われている間に、格納状態76となって使用可能である。身体の所望の場所(たとえば、心臓の内側)へのシャフトの誘導後は、可撓性カテーテル構造体74を拡張可能である。たとえば、可撓性カテーテル構造体74は、状態76の場合、ある場所(たとえば、心臓)への誘導および本明細書に記載のような展開がなされる間に、シャフト22Bに収まるようにサイズ設定可能である。たとえば、プルワイヤまたは他の適当な機構の使用により、図5Fに示す第6の状態76から図5Aに示す第1の拡張状態76へと可撓性カテーテル構造体74を「展開」または拡張可能である。
【0071】
図6は、本開示の実施形態に係る、可撓性カテーテル構造体の例示的な一実施形態の等角側面・近位端図である。可撓性カテーテル構造体80は、当該可撓性カテーテル構造体80が所望のサイズおよび/または形状に収まり得るように、小さな配置への折畳みまたは潰しが行われるように構成された支持構造体を有し得る。たとえば、可撓性カテーテル構造体80は、たとえばシャフト22Cもしくは他の類似送達機器の内側への格納またはシャフト22Cの外側への取り付けを可能にする第1の潰れた状態(不図示)とすることができる。身体16の所望の場所(たとえば、心臓の内側)へのシャフト22Cの誘導後は、図6に示すように、第2の拡張状態(たとえば、展開)となるように可撓性カテーテル構造体80を拡張可能である。たとえば、1つまたは複数のプルワイヤまたは他の適当な機構の使用により、第1の潰れた状態から図6に示す第2の拡張状態へと可撓性カテーテル構造体80を「展開」または拡張可能である。いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体は、図示のように、第2の拡張状態においてドーム形状とすることができる。ただし、いくつかの実施形態において、可撓性カテーテル構造体は、第2の拡張状態において、円錐形状等の他の形状へと拡張可能である。
【0072】
図6に示す実施形態において、可撓性カテーテル構造体80は、複数のストラット82および可撓性基板84を具備し得る。他の実施形態において、可撓性カテーテル構造体80は、図3Aに関する上記説明と同様に、可撓性基板なく使用可能である。可撓性基板82としては、可撓性カテーテル構造体80のすべての所望部分(たとえば、ストラット82)を覆う単一の要素も可能であるし、複数の小さな可撓性基板を使用して、可撓性カテーテル構造体80の異なる部分(たとえば、さまざまなストラット82間)を覆うことも可能である。可撓性基板84は、たとえば可撓性カテーテル構造体80の内側面または外側面上で伸長させる(たとえば、テント状にする)ことも可能であるし、可撓性カテーテル構造体80のストラット82間に位置付けることも可能である。
【0073】
可撓性基板84は、可撓性カテーテル構造体80のストラット82および/または当該可撓性基板84上に位置付けられた複数の相互作用要素86を具備し得る。複数の相互作用要素86は、本明細書に記載の他の相互作用要素に類似し得る。複数の相互作用要素86は、図3Aに関する上記説明と同様に、可撓性カテーテル構造体80の任意の場所に位置付け可能である。拡張可能な構造80は、図6に示すように可撓性カテーテル構造体80が拡張される第1の状態を有し得る。図6に示す第1の拡張状態は、相互作用要素86のうちの少なくとも1つを治療部位(たとえば、心臓)の組織に接触させ得る。また、可撓性カテーテル構造体80は、対象の治療部位(不図示)への送達時に拡張可能な構造80が潰れる第2の状態を有し得る。潰れた状態の可撓性カテーテル構造体80は、たとえばカテーテルまたは導入器に収まって、対象の治療部位まで送達可能となる。
【0074】
可撓性カテーテル構造体80は、複数の相互作用要素86を具備し得る。相互作用要素84は、たとえば電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または信号の生成に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース88、ワイヤ等で)接続可能である。相互作用要素86によれば、たとえばある機器における有効性の緊急測定(acute measurement)を可能にするPVの遠位場所での能動センシングが可能となり得る。有効性の測定としては、たとえば電気的活動、抵抗、リアクタンス、インピーダンス、組織接触、組織力、温度、エネルギー、電力、時間等が挙げられる。
【0075】
相互作用要素86は、治療送達(たとえば、アブレーション)場所でのデータの取得に使用可能な温度センサまたは他種のセンサを内蔵し得る。相互作用要素86は、上述の通り、組織のアブレーションによって変化を生じさせるアブレーション・エネルギーを与えるエネルギー送達機器を具備し得る。相互作用要素86は、単極構成(たとえば、個々の変化成長および相互作用要素の緊密間隔を用いた)、双極構成(たとえば、電極間)、またはこれらの組み合わせにおいて、間隙の閉鎖(たとえば、アブレーション変化間の間隙の低減および/または除去)に対応するように離隔可能である。相互作用要素86の間隔は、可撓性カテーテル構造体80の設計および形状に応じて一定(たとえば、等距離)とすることができる。
【0076】
たとえば、相互作用要素86が可撓性カテーテル構造体80の同じストラット82または構造に沿う場合、ストラット82に沿った各相互作用要素86間の間隔は、固定可能である。可撓性カテーテル構造体80の異なるストラット82または構造上の相互作用要素86(たとえば、可撓性基板84上の相互作用要素86)間の間隔は、拡張量が変動するにつれて変動し得る。相互作用要素86は、ユーザによって、選択的に作動し得る(たとえば、相互作用要素のうちの1つまたは複数が作動する一方、その他の相互作用要素は非作動のままとなる)。異なる組み合わせの相互作用要素86を選択して使用することにより、さまざまなパターンを生成可能である。パターンの変動により、たとえばユーザは、身体および/または異なる患者の異なる場所における異なる解剖学的サイズに対処可能となり得る。パターンの変動の別の例示的な使用として、異なる変化パターンを生成可能である。いくつかの実施形態において、相互作用要素86は、付加的な要素またはセンサを具備し得る。たとえば、エネルギー送達要素と併せて、2つ以上のセンサが要素に備わっていてもよい(たとえば、熱電対および組織接触センサ)。
【0077】
図7は、本開示の実施形態に係る、医療手術中の使用に先立った、並列に示された第1の成形要素および第2の成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。可撓性カテーテル構造体92は、第1の成形要素94および第2の成形要素96を備え得る。第1の成形要素94が第1の成形フープ98を具備可能であり、第2の成形要素96が第2の成形フープ100を具備可能であり、それぞれの形状としては、円形が可能である。第1および第2の成形フープ98および100は、他の形状(楕円形、長方形、方形等)も可能である。いくつかの実施形態において、第1および第2の成形フープ98、100はそれぞれ、異なる形状が可能である。たとえば、第1の成形フープ98を円形、第2の成形フープ100を楕円形等とすることができる。第1の成形要素94および第2の成形要素96は、それぞれ第1および第2の成形フープ98および100に接続された第1および第2の接続部102および104(たとえば、支持構造体)を含み得る。
【0078】
第1および第2の接続部102および104は、プルワイヤまたは他の類似機器への接続によって、体内のさまざまな場所における第1の成形要素94および第2の成形要素96の展開を容易化し得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の成形要素94および96それぞれと関連付けられた第1および第2の接続部102および104ならびに第1および第2の成形フープ98および100は、単一の材料により形成可能である。たとえば、第1の成形フープ98は、遠位端108を含み得る単一の材料により形成可能であり、第2の成形フープ100は、遠位端112を含み得る単一の材料により形成可能である。
【0079】
第1および第2の成形フープ98および100は、完全な円でなくてもよい。たとえば、第1および/または第2の成形フープ98、100は、図7に示すように、端部を開放可能である。それに応じて、遠位端108および112が取り付けられていなくてもよい。いくつかの実施形態において、第1および/または第2のカテーテル端部フープは、端部を閉鎖可能であり、遠位端が接続されて閉鎖ループを構成する(たとえば、遠位端108および112が第1または第2の接続部102または104の一部と結合されている)。
【0080】
第1および第2の成形要素94および96はそれぞれ、たとえば近位部および遠位部を含む細長要素により形成可能である。いくつかの実施形態において、近位部としては、線AAにより画定される軸と平行な第1の接続部102および/または第2の接続部104が可能である。いくつかの実施形態において、遠位部は、第1の成形フープ98および/または第2の成形フープ100により形成可能であり、フープの平面は、線AAにより画定される軸に対して特定の角度(たとえば、直角)をなす。
【0081】
たとえば、細長要素は、直線状の近位部からフープ状の遠位部へと(たとえば、第1の接続部102から第1の成形フープ98へと)遷移可能である。第1の成形要素94および第2の成形要素96は、いくつかの実施形態において、完全な円であってもよい(たとえば、第1のカテーテル端部フープ98および第2のカテーテル端部フープ100の細長要素の遠位端108、112は、第1および第2の接続部102、104ならびにフープ98、100に接続可能である)。第1の成形要素94および第2の成形要素96は、上記説明と同様に、体内のある場所(たとえば、治療部位)での展開に際して、当該第1および第2の成形要素94および96が自然に付勢された形状を仮定し得るように形状記憶を有する材料(たとえば、ニチノール、ステンレス鋼、および/またはポリマー)により形成された別個の細長要素により形成可能である。他の実施形態においては、第1または第2の成形フープ98、100いずれかの上の1つまたは複数の場所に1つまたは複数のプルワイヤを取り付けることも可能であるし、第1および第2の成形フープ98、100の両者に1つまたは複数のプルワイヤを取り付けることも可能である。これにより、第1および/または第2の成形要素98、100の別途操作によって、たとえば成形要素と組織との接触を増大させるように位置決め可能である。
【0082】
図8は、本開示の実施形態に係る、本実施形態において接続され、第1すなわち近位の成形フープおよび第2すなわち遠位の成形フープを含む複数の成形フープを備えた別の成形要素を具備し得る可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。図7とは対照的に、単一の細長要素の使用によって、成形要素120を備えた可撓性カテーテル構造体を構成可能である。成形要素120は、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124を具備し得る。いくつかの実施形態において、成形要素120は、付加的な成形フープ(すなわち、第3の成形フープ、第4の成形フープ等)を具備し得る。付加的な成形フープは、たとえば生成された形状のプロファイルの変形により、組織形状/構成の変動に対してより接触可能となるように使用可能である。本明細書に記載の通り、付加的な成形フープについても同様に、たとえば当該成形フープの操作(たとえば、成形フープの長手方向移動、成形フープの変形等)を可能にする1つまたは複数のプルワイヤまたは他の類似機器に接続可能である。
【0083】
第1および第2の成形フープ122および124は、複数の相互作用要素134(図9Bに示す)を具備し得る。複数の相互作用要素は、任意の好適な方法(たとえば、接着等)を用いて、第1および第2の成形フープ122および124に搭載可能である。複数の相互作用要素134は、複数の導電性トレース136と接続可能である。導電性トレース136は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または信号の生成に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース、ワイヤ等で)接続可能である。
【0084】
いくつかの実施形態において、第1の成形フープ122は、第2の成形フープ124よりも大きな半径を有し、第2の成形フープ124に関して近位方向に位置付け可能である。フープ相互接続部130(たとえば、支持構造体)が第1および第2の成形フープ122および124を接続可能である。フープ相互接続部130は、任意の好適な長さによって、第1および第2の成形フープ122および124間の所望の空間を実現することができる。上記図6と同様に、第1の成形フープ122は、身体16のさまざまな場所(たとえば、心臓)に第1の成形フープ122および第2の成形フープ124を構成可能な単一の細長要素の展開を容易化するプルワイヤまたは他の類似機器に接続可能な接続部132(たとえば、支持構造体)に接続可能である。
【0085】
第1の成形フープ122および第2の成形フープ124は、各成形フープのフープ122および124が線BBにより画定される軸を中心とするように位置合わせ可能である。また、接続部132は、線BBに画定される軸と位置合わせされる一方で軸からオフセットした部分を有し得る。第1の成形フープ122および第2の成形フープ124は、上述の通り、プリフォーム熱処理を含む任意の好適な方法により形成されるようになっていてもよい。
【0086】
第1の成形フープ122および第2の成形フープ124は、ワイヤ、ポリマー、または他の適当な材料により形成可能である。第1の成形フープ122および第2の成形フープ124に用いられる材料は、いくつかの実施形態において、PVを「再モデル化」するのに十分な剛性とすることができる(たとえば、成形フープの特定の直径で十分に剛性の材料)。成形要素120は、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124を体内のある場所(たとえば、PVまたはその他任意の表面構造形状)に位置決めし得るように誘導可能である。サイズ(たとえば、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124の直径は、PV中の場所の予想される直径よりもわずかに大きくなり得るように指定可能である)。第1の成形フープ122および第2の成形フープ124は、PVの一部と接触するように配置可能である。この接触は、いわゆるPVの「再モデル化」の原因となり得る。PVの再モデル化は、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124の形状をPVが一時的に取る場合に生じ得る。PVの再モデル化は、組織と可撓性カテーテル構造体(たとえば、成形要素120)との接触を増大し得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124は、たとえばプルワイヤまたは他の類似機器に対してサイズ変形および/または形状の調整が可能である。第1の成形フープ122および第2の成形フープ124を調整可能であることにより、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124と組織との接触が増大可能となり得る。
【0088】
図9Aは、本開示の実施形態に係る、図7に示すように第1の成形要素および第2の成形要素を具備し、肺静脈(PV)中に位置付けられた可撓性カテーテル支持構造体の等角側面・遠位端図である。第1の成形要素94(下側すなわち近位)は、PVの広い腔部に収まるようにサイズ設定されている。第2の成形要素96(上側すなわち遠位)は、PVの開口近くの広い腔部を過ぎたPVのスリーブにさらに収まるようにサイズ設定されている。第1の成形要素94および第2の成形要素96は、たとえば12~33mmの範囲の直径を有し得る。第1および第2の成形要素94および96は、任意の好適な方法を用いることにより、PVに隣接して誘導可能である。また、第1の成形要素94および第2の成形要素96は、PVのある場所まで誘導可能である。PVの場所としては、たとえばPVが第1の成形要素94および第2の成形要素96と略同じサイズ(直径)となる場所(たとえば、PVの開口の近く)が可能である。いくつかの実施形態において、第1の成形要素94および第2の成形要素96は、PV中のある場所に別個に配置可能である(たとえば、別個のカテーテルまたは導入器によって、各カテーテル端部形状が展開される)。また、第1の成形要素94および第2の成形要素96は、別個の移動によって、第1の成形要素94および第2の成形要素96と組織との良好な接触を可能にし得る(たとえば、第1の成形要素94が第2の成形要素96から独立して移動可能であり、逆もまた同様である)。
【0089】
上記と同様に、第1および第2の成形要素94および96は、複数の相互作用要素114(図9Aに示す)を具備し得る。複数の相互作用要素は、任意の好適な方法(たとえば、接着等)を用いて、第1および第2の成形要素94および96に搭載可能である。複数の相互作用要素114は、複数の導電性トレース116と接続可能である。いくつかの実施形態において、第1および第2の成形要素94および96は、複数の電極(たとえば、リング電極)(不図示)を具備し得る。複数のリング電極は、第1および第2の成形要素94および96上に位置付け可能であり、相互作用要素と同様に(たとえば、電気的かつ機械的に)接続可能である。リング電極は、可撓性カテーテル構造体上の任意の好適な場所に位置付け可能であり、たとえば図3Aに示すように、センサ44、相互作用要素114、および/もしくはエネルギー送達機器50の場所、相互作用要素114、または本明細書に記載のセンサ148の場所が挙げられる。導電性トレース116は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または、たとえば信号の生成、増幅、受信、および/もしくは処理に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース、ワイヤ等で)接続可能である。
【0090】
第1の成形要素94および第2の成形要素96がPV中に位置決めされる結果として、相互作用要素114は、PVの組織に接触可能となる。第1の成形要素94および第2の成形要素96は、PVを再モデル化するように配置可能である(たとえば、PVの当該場所で一時的にのみ組織を伸長させる)。PVの再モデル化は、たとえば第1の成形要素94および第2の成形要素96の構造と比較して、PVの柔軟性(compliancy)によりもたらされ得る。
【0091】
上記図3A図3Cと同様に、第1の成形要素94および第2の成形要素96は、送達時にシャフト22Dの中に収まり得る。展開時は、上述の方法または他の適当な方法のうちの1つを用いることにより、シャフト22Dの後退ならびに/または第1の成形要素94および第2の成形要素96の伸長によって、第1の成形要素94および第2の成形要素96を拡張可能である。
【0092】
図9Bは、本開示の実施形態に係る、PV中の図8と類似の第1の成形フープおよび第2の成形フープを構成する単一の細長要素を示した可撓性カテーテル支持構造体の等角側面・遠位端図である。上記と同様に、第1の成形フープ122は、PVの広い腔部に収まるようにサイズ設定可能である。第2の成形フープ124は、PVの開口近くの広い腔部を過ぎたPVのスリーブにさらに収まるようにサイズ設定可能である(たとえば、より小さな直径を有し得る)。上記図5および図8と同様に、第1および第2の成形フープ122および124には、複数の相互作用要素134を取り付け可能である。
【0093】
いくつかの実施形態において、第1の成形フープは、PV(不図示)の開口よりも広くなるようにサイズ設定可能である。たとえば、第1の成形フープは、図9Bの成形フープ122により示す実施形態よりも大きくすることができ、第1の成形フープがPV開口の近傍で組織に接触可能となる(たとえば、腔壁に寄り掛かる)。いくつかの実施形態において、第2の成形フープは、PVのさまざまな場所に収まるようにサイズ設定可能である。たとえば、上述の通り第1の成形フープが大きい場合、第2の成形フープは、図9Bに示す第1の成形フープ122と同様にサイズ設定することも可能であるし、図9Bに示す第2の成形フープ124より小さくすることも可能である(たとえば、第2の成形フープがPVのより小さな部分および/または他の場所に収まる)。
【0094】
上記図9Aと同様に、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124がPVの近傍に位置決めされる結果として、相互作用要素134は、PVの組織に接触可能となる。第1のカテーテル成形フープ122および第2のカテーテル成形フープ124は、PVを再モデル化するように配置可能である(たとえば、PVの当該場所で一時的にのみ組織を伸長させる)。PVの再モデル化は、第1の成形フープ122および第2の成形フープ124の構造と比較して、PVの柔軟性によりもたらされる。
【0095】
上記図3A図3Cおよび図9Aと同様に、第1の成形要素94および第2の成形要素96は、送達時にシャフト22Dの中に収まり得る。展開時は、上述の方法または他の適当な方法のうちの1つを用いることにより、シャフト22Dの後退ならびに/または第1の成形要素94および第2の成形要素96の伸長によって、第1の成形要素94および第2の成形要素96を拡張可能である。
【0096】
図10は、本開示の実施形態に係る、第1の成形フープおよび第2の成形フープと、両者間に延びた支持構造体(可撓性基板)とを一体的に含む解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体の等角側面図である。上記図8および図9Bに記載の通り、解剖学的構成の組織成形要素140の使用によって、第1の成形フープ142および第2の成形フープ144を構成可能である。第1および第2の成形フープ142および144間には、可撓性基板146を取り付け可能である。可撓性基板146には、複数の相互作用センサ148を取り付け可能である。複数の相互作用センサ148は、複数の導電性トレース150に接続可能である。複数の導電性トレース150は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または、たとえば信号の生成、増幅、受信、および/もしくは処理に用いられる他の機器に接続可能である。
【0097】
複数の導電性トレース150は、複数の相互作用要素148を別個のワイヤ(図10に示す)と接続可能である。いくつかの実施形態においては、相互作用要素群を1つの導電性トレースと接続することによって、より多くの相互作用要素の小型カテーテルとの組み合わせが容易化される。いくつかの実施形態においては、たとえば共通導電性トレースに沿ったさまざまな送信周波数を用いることにより、異なる相互作用要素を制御可能である。如何なるセンサ(たとえば、熱電対)も、類似構成にて配線可能である。
【0098】
図10に示す一実施形態において、解剖学的構成のアブレーション組織成形要素140は、PVの近位の場所に適合するように成形可能である。たとえば、図10は、PVのある場所に収まるようにそれぞれサイズ設定可能な第1の成形フープ142および第2の成形フープ144を示している(たとえば、第1の成形フープ142は、PVの開口におけるより近位の場所に適合可能であり、第2の成形フープ144は、PVにおけるより遠位の場所に適合可能である)。可撓性基板146は、第1の成形フープ142と第2の成形フープ144との間で拡大または湾曲して、第1の成形フープ142および第2の成形フープ144が配置されたPVの対応する輪郭または形状に略整合し得る。他の実施形態において、可撓性基板146の輪郭または形状は、第1の成形フープ142および/または第2の成形フープ144を変形することにより調整可能である。この調節可能性は、たとえば第1の成形フープ142および/または第2の成形フープ144の一方または両方の1つまたは複数の場所に接続された1つまたは複数のプルワイヤにより実現可能である。
【0099】
図10の実施形態に示すように、複数の相互作用センサ148を可撓性基板146上に位置付け可能である。複数の相互作用センサ148は、たとえば、すべての相互作用センサ148間が等間隔のパターンに配置可能である。他の実施形態において、相互作用センサ148は、さまざまな間隔を有し得る。たとえば、さまざまな間隔としては、第1の成形フープ142近くの近距離間隔(たとえば、相互作用センサ148間の距離が短く、密度が高い場合等)および第2の成形フープ144近くの遠距離間隔(たとえば、相互作用センサ148間の距離が長く、密度が低い場合等)が挙げられる。
【0100】
上記図9Bと同様に、いくつかの実施形態において、第1の成形フープは、PV(不図示)の開口よりも広くなるようにサイズ設定可能である。たとえば、第1の成形フープは、図9Bの成形フープ122により示す実施形態よりも大きくすることができ、第1の成形フープがPV開口の近傍で組織に接触可能となる(たとえば、腔壁に寄り掛かる)。いくつかの実施形態において、第2の成形フープは、PVのさまざまな場所に収まるようにサイズ設定可能である。たとえば、上述の通り第1の成形フープが大きい場合、第2の成形フープは、図9Bに示す第1の成形フープ122と同様にサイズ設定することも可能であるし、図9Bに示す第2の成形フープ124より小さくすることも可能である(たとえば、第2の成形フープがPVのより小さな部分および/または他の場所に収まる)。
【0101】
上述のフープサイズの変動によって、可撓性基板146は、組織のさまざまな部分に接触可能となり得る。たとえば、図9Bの成形フープ122により示す実施形態よりも第1の成形フープが大きい実施形態において、可撓性基板146は、PVの近傍の腔壁の組織に接触し得る。可撓性基板146は、組織の輪郭に適合して、複数の相互作用要素148および/または可撓性基板146と結合された他のセンサ間の接触を可能にし得る。第1の成形フープが大きくなれば、(たとえば、PV開口の近傍のエリアから、図9Aおよび図9Bの図示以外のPV中のエリアまで)第1および第2の成形フープ間の任意の点でマッピングおよび/または治療(たとえば、組織のアブレーション)を適用可能である。
【0102】
図11は、本開示の実施形態に係る、図10の第1の成形フープおよび第2の成形フープの構成に用いられる解剖学的構成のアブレーション組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体の等角側面・遠位端図である。可撓性基板146は、第1の成形フープ142および第2の成形フープ144に取り付けられている。可撓性基板146の代替および/または追加として、他の支持構造体も使用可能である。また、可撓性基板146としては、編組材料も可能である。可撓性基板146としては、連続材料および/または非連続材料(たとえば、ウェブもしくは格子、または組み合わせ)が可能である。可撓性基板146は、組織の接触、力、温度、電気的活動、位置、および/または他の所望の特性を検知する複数の相互作用要素148を具備し得る。
【0103】
可撓性基板146上の相互作用要素の数は、変動し得る。図11は、複数の相互作用要素148が等間隔で、第1の成形フープ142と第2の成形フープ144との間のエリア全体を覆う様子を示している。いくつかの実施形態において、複数の相互作用要素148間の間隔は、変動し得る。たとえば、第1の成形フープ142(たとえば、大径)に最も近い相互作用要素は、第2の成形フープ144(たとえば、小径)に最も近い相互作用要素によりも互いに接近し得る。いくつかの実施形態において、相互作用要素は、ライン状または他の構成(たとえば、放射パターンの1つまたは複数のライン状等)の配置により、体内の第1および第2の成形フープの配置に対する特定場所での組織の処置またはデータ収集を容易化可能である。
【0104】
図11の一実施形態では、たとえば直径28.5mmの第1の成形フープ142および直径18mmの第2の成形フープ144を有し得る。第1の成形フープ142と第2の成形フープ144との間の距離としては、(ラインCCと平行な軸に沿った測定で)7.5mmが可能である。いくつかの実施形態において、相互作用要素148は、各辺の長さを0.5mmとすることができる(たとえば、方形構成)。導電性トレース150は、たとえば0.01mmの厚さが可能である。相互作用要素148は、他の適当なサイズも使用可能である。第1および第2の成形フープ142および144は、屈曲性カテーテルまたはガイドワイヤに基づく送達方法または他の送達方法によって展開または送達可能である。
【0105】
図12は、本開示の実施形態に係る、図10および図11に示す可撓性カテーテル構造体の近位端図である。解剖学的構成の組織成形要素140の使用によって、第1の成形フープ142および第2の成形フープ144を構成可能であり、支持構造体146は、線Dにより画定される軸(ここでは、図面の紙面に垂直であるため、単一の点として示している)を中心とする。支持構造体146としては、たとえば可撓性基板、編組材料、格子、またはウェブが可能である。
【0106】
また、支持構造体146は、線Dにより画定される軸と第1の成形フープ142および第2の成形フープ144が位置合わせされている場合に、両者間に延びるように成形可能である。たとえば、支持構造体146は、複数の相互作用要素148を支持することにより、当該複数の相互作用要素148と組織(たとえば、PVの近傍の場所)との接触を容易化し得る(上述の)湾曲面を備えた大略円錐形状および/または拡大円錐形状を有し得る。相互作用要素148については、本明細書においてさらに説明する。また、いくつかの実施形態において、支持構造体146は、単一の機能(たとえば、温度、接触力、合力、歪み、位置等の測定)を有する複数のセンサを有し得る。本明細書に記載の通り、相互作用要素148等のセンサと組織との接触によって、さまざまな処置(たとえば、アブレーション)またはデータ収集(たとえば、温度、接触力、合力、歪み、位置等の測定)が可能となり得る。
【0107】
第1の成形フープ142および第2の成形フープ144がPVと接触している場合のPVの再モデル化によって、PV組織は、第1の成形フープ142および第2の成形フープ144上(または、他のセンサを備えた支持構造体146上)に位置付けられた複数の相互作用要素148と接触し得る。相互作用要素148は、PVの空洞部および開口部/袖部の両者の検知および/または両者へのエネルギー送達を可能にし得る。複数の相互作用要素148は、PVの分離を検出するための十分な分布を与える。たとえば、複数の相互作用要素148は、第1の相互作用要素で第1の組織場所にテスト電気信号を送り、第2の組織場所で電気信号を検出することにより、PVを分離する手術中に十分なアブレーションが実行されたかを判定するのに使用可能である。
【0108】
図13は、本開示の種々態様に係る、図10図12の解剖学的構成の機器を備えたカテーテルを肺静脈中に位置付けようとしている心臓の一部の前面断面図である。図13に示すように、心筋152は、左心房154および右心房156と称する2つの上側チャンバと、左心室および右心室(不図示)と称する2つの下側チャンバとを含む。
【0109】
図13に示すように、組織成形機器158が導入器160によって左心房154に導入されるようになっていてもよい。導入器160によって左心房154に導入された組織成形機器158は、ガイドワイヤ162およびカテーテル164がガイドするようにしてもよい。任意選択として、組織成形機器158は、本明細書に記載の通り、当該組織成形機器158の1つまたは複数の場所に位置センサ(たとえば、マッピング電極(不図示))を具備していてもよい。動作時、導入器160は、その遠位端が左心室154内に位置決めされ得る。図13に示すように、導入器160が末梢静脈(通常、大腿静脈)を通じて導入され、右心房156まで前進する経中隔法が利用されるようになっていてもよい。導入器160は、卵円窩166に小さな切開部を作成可能であり、導入器160の遠位端が(経中隔壁168を通じて)左心房154に進入するとともに、卵円窩166の壁に固定され得る。
【0110】
また、組織成形機器158は、動脈系を通じて左心房154に導入されるようになっていてもよい。この場合、導入器160は、動脈(大腿動脈等)に導入され、動脈を通じて大動脈(大動脈弓)まで逆行して、左心室に入る。組織成形機器158は、導入器160のルーメン内から、僧帽弁170を通じて左心房154に延入し得る。
【0111】
導入器160が左心房154内の適所に位置付けられたら、組織成形機器158を導入器160の遠位端から、肺静脈のうちの1つ(たとえば、172、174、176、および178)に向かって前進可能となる。図13において、対象の肺静脈は、右上肺静脈172である。組織成形機器158が肺静脈(たとえば、上肺静脈172)に延入した後は、組織成形機器158の遠位端を対象の肺静脈の開口部に向かって案内可能となるまで、ガイドワイヤ162およびカテーテル164を操作可能である。
【0112】
組織成形機器158は、カテーテル164の遠位端の近くに搬送されて、導入器160を通過できるように潰れた状態を維持するとともに、対象の肺静脈172に進入可能である。組織成形機器158は、適所に位置決めされたら、対象の肺静脈172の軸方向のある位置に係合および固定されるとともに、肺静脈172の組織と接触するように展開(たとえば、拡張)可能である。
【0113】
図13の実施形態は、マッピング電極(不図示)を含んでいてもよい。マッピング電極は、肺静脈172の伝導電位の展開前電気的マッピングを臨床医が実行できるようにするリング電極であってもよい。組織成形機器158がマッピングに用いられる電極またはセンサを具備し得るものの、その代替として、マッピング電極またはセンサが別個の電気生理学的カテーテル(不図示)に搭載されていてもよい。
【0114】
図14は、本開示の実施形態に係る、組織成形要素の展開に先立って、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素を備えた可撓性カテーテル構造体が右上肺静脈内に位置決めされた心臓の前面断面図である。
【0115】
図14は、組織成形機器158が肺静脈172の開口部中に前進した様子を示している。組織成形機器158が肺静脈172に進入した場合は、組織成形機器158の展開に先立って、位置センサ/電極(不図示)を用いたマッピングの実施により適正な場所を確認するようにしてもよい。
【0116】
本開示の態様は、腔部とその開口部との間の肺静脈172の輪郭により適合する解剖学的構成の機器のプロファイルによって、肺静脈172内の組織成形機器158の収容を改善し得る。この拡張した組織成形機器158と肺静脈172との間の改善された適合によって、アブレーション治療の有効性が改善されるとともに、重複する治療の必要性が抑えられる。
【0117】
別の例示的な実施形態において、組織成形機器158は、特定の肺静脈に固有であってもよい。たとえば、さまざまな研究によって、さまざまな患者人口統計にわたる肺静脈の平均径、最大径、および最小径が決定されている。このようなデータを用いることにより、たとえば心房細動患者の治療手術において、肺静脈ごとの解剖学的構成の機器が生成されるとともに置換されるようになっていてもよい。これにより、アブレーション手術の有効性が改善される。また、特別な治療ソリューションの調整に対して、肺静脈のその他さまざまなパラメータを考慮することにより、各肺静脈と組織成形機器158との間の接触が改善されるようになっていてもよい。肺静脈(たとえば、右上肺静脈)の開口部の直径の範囲が15~20ミリメートルである1つの具体例においては、組織成形機器158の第1の部分が19ミリメートル前後の直径を有することにより、肺静脈組織に対する過剰な壁応力によって永久的にダメージを受け得る小径の肺静脈に対するダメージの可能性を制限しつつ、ほとんどの患者について、(膨張時の)肺静脈と第1の部分との間の接触を保証するようにしてもよい。さらに、組織に過剰な壁応力が加わっている場合、アブレーション治療は、アブレーションの有効性および一貫性が低下し得る。
【0118】
図15は、本開示の実施形態に係る、解剖学的構成の機器の展開に先立って、図10図12の解剖学的構成の機器が内部に位置決めされた肺静脈の拡大前面断面図である。図15は、組織成形機器158が展開に先立って、対象の肺静脈180内の適所に存在する様子を示している。本開示の一実施形態において、組織成形機器158の適正な場所は、当該組織成形機器158の展開に先立って、マッピングにより決定/確認されるようになっていてもよい。図15に示すように、肺静脈の開口部182および腔部184はそれぞれ不規則であり、肺静脈の長手方向長さおよび断面の両者に沿って形状が変動する。重要なこととして、多くの肺静脈が円形ではなく、矩形の断面を示すことが発見されている。したがって、組織成形機器158の実施形態が実質的に円形となり得る場合は、拡張時に、肺静脈の矩形断面の特定部分が過剰に応力を受け得る一方、肺静脈の他の部分は解剖学的構成の機器に接触せず、たとえばアブレーション治療の有効性が制限される。したがって、本開示の態様は、実質的に矩形状を有する解剖学的構成の機器を対象とする。このような実施形態では、肺静脈組織の円周に沿う壁応力が最小限に抑えられるとともに一元化される。
【0119】
図16は、本開示の実施形態に係る、図10図12の解剖学的構成の組織成形要素が内部に展開されたことを示す図15と類似の前面断面図である。図16は、拡張した組織成形機器158が対象の肺静脈180の開口部182と腔部184との間にはめ合わされた様子を示している。図13に示す拡張状態において、組織成形機器158は、対象の肺静脈180の内壁にはめ合う。組織成形機器158の拡張形状は、肺静脈の輪郭により正確に整合するように設計された異なる部分を有し得る。この異なる形状によって、肺静脈と拡張した組織成形機器158との表面積接触が増大し得るため、たとえばアブレーション治療または組織成形機器158と肺静脈組織との表面接触に依拠する他の治療の有効性が改善され得る。肺静脈の円周に沿う連続的な接触がない場合に、円周に沿う連続的な変化が形成されないことがあり、他のセンサについては、データが正確でなかったり、不可能だったりすることがある。
【0120】
治療(たとえば、アブレーション、組織冷却等)が完了したら、組織成形機器158が収縮した後、導入器160へと後退するようになっていてもよい。組織成形機器158の除去に先立って、電気生理学的カテーテルすなわち組織成形機器158の近位および遠位の電極/センサの使用により、治療の有効性を確認するようにしてもよい。また、本開示の種々実施形態においては、本明細書に記載の通り、付加的な電極/センサが単独または他のセンサと併せて組織成形機器158上に位置決めされていてもよい。
【0121】
図17Aは、本開示の実施形態に係る、センサの平面アレイを備えた可撓性カテーテル構造体の側面図である。組織(たとえば、心臓186)は、心臓186の静脈または類似構造の開口と異なる場所に適合するように成形された機器を要する。センサの平面アレイ188は、心臓186のさまざまな場所において、診断(たとえば、マッピング)または治療(たとえば、アブレーション)目的で使用可能である。センサの平面アレイ188は、(本明細書に記載の)1つまたは複数のストラット192および複数の相互作用要素194を含む拡張可能な構造190(上記説明に類似)により形成可能である。センサの平面アレイ188は、たとえば可撓性基板196等の拡張可能な構造190に取り付けられた支持構造体を具備し得る。
【0122】
図17Aに示す一実施形態において、拡張可能な構造190は、4つのストラット192を具備し得る。他の実施形態では、ストラット192の数を減らすことも増やすことも可能である。ストラット192は、拡張状態となるように、自然に付勢可能である(たとえば、図17A)。別の実施形態において、拡張可能な構造190は、潰れた状態(不図示)となるように付勢可能である。また、拡張可能な構造190の自己正立材料(たとえば、ニチノール)による構成および/または他の手段による構造(たとえば、プルワイヤ、バルーン等)の拡張が可能である。ストラット192および拡張可能な構造190は、可撓性基板196を横方向に(たとえば、ストラットに垂直かつカテーテル/導入器の遠位端と大略垂直に)向くように構成可能である。他の実施形態(不図示)においては、カテーテル/導入器の遠位端と平行に(たとえば、カテーテル/導入器と同延に)可撓性基板を向けるように構成されたストラットおよび拡張可能な構造をセンサの平面アレイが有し得る。
【0123】
可撓性基板196としては、連続材料により形成することも可能であるし、格子またはウェブに類似する非連続材料も可能である。また、可撓性基板196としては、編組材料も可能である。可撓性基板196は、たとえば組織の接触、力、温度、電気的活動、位置、または他の所望の特性を検知する複数の相互作用要素194を具備し得る。複数の相互作用要素194は、診断(たとえば、マッピング)または治療(たとえば、アブレーション)目的で使用可能である。相互作用要素194は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または、たとえば信号の生成、増幅、受信、および/もしくは処理に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース、ワイヤ等で)接続可能である。センサの横方向平面アレイ188は、たとえば方形、円形、または長方形等、任意の好適な形状が可能である。センサの横方向平面アレイ188は、任意の好適な方法を用いて展開可能である。たとえば、センサの横方向平面アレイ188は、円筒状または管状に巻き上げ可能であり、展開状態(図17A参照)から、平面状医療機器が巻かれてチューブを構成する潰れた状態(不図示)へと変形可能である。潰れた状態では、たとえばシャフト、カテーテル、または導入器等の中に平面状医療機器が収まり得る。シャフトは、体内の所望の場所(たとえば、心臓の上部または壁)に誘導可能である。シャフトが所望の場所となったら、(たとえば、シャフトからのセンサの横方向平面アレイ188の押し出しおよび/または近位方向へのシャフトの引っ張りによるセンサの横方向平面アレイ188の露出によって、)センサの横方向平面アレイ188を展開可能である。センサの横方向平面アレイ188は、使用のために位置決めされると(たとえば、導入器160Aから展開されると)、導入器160Aの長手方向軸に大略垂直となり得る。
【0124】
センサの横方向平面アレイ188は、可撓性基板196が任意の好適な方法を用いてさまざまな形状を取るように誘導可能である。たとえば、平面状医療機器は、プルワイヤを用いて拡張可能な構造190および/または可撓性基板196の形状を調整することにより、湾曲面(たとえば、凸状、凹状、または何らかの組み合わせ)として形成可能である。センサの横方向平面アレイ188は、そのさまざまな形状によって、体内の多様な場所(たとえば、心臓)で組織に接触可能となり得る。たとえば、センサの横方向平面アレイ188は、心臓の上部、壁、および/または上部/壁界面に治療および/または処置(たとえば、アブレーション)を施すのに使用可能である。上記と同様に、可撓性カテーテル構造体190は、ニチノールおよび形状記憶を有する他種の材料等、任意の好適な材料により構成可能である。
【0125】
図17Bは、本開示の実施形態に係る、図17Aに示すセンサの横方向平面アレイの一実施形態を伴う人間の心臓のグラフィック描写の側面断面図である。上述の通り、センサの横方向平面アレイ188は、たとえば可撓性基板196等の拡張可能な構造190に取り付けられた支持構造体(たとえば、ストラット192)を具備し得る。センサの横方向平面アレイ188は、心臓152Aの一部等、組織の一部と接触するように展開および操作可能である。
【0126】
たとえば、センサの横方向平面アレイ188は、屈曲性カテーテル(たとえば、導入器160A)またはガイドワイヤ(たとえば、第1のカテーテル部162A)に基づく送達方法または他の送達方法によって展開または送達可能である。センサの横方向平面アレイ188は、相互作用要素194(図17Bでは見えない)および/または可撓性基板196と組織の一部(たとえば、肺静脈172Aの近傍)との接触を容易化するように位置決め可能である。
【0127】
図18Aは、本開示の実施形態に係る、拡張状態の螺旋状医療機器の等角図である。いくつかの実施形態において、螺旋状医療機器200は、近位端204および遠位端206を備えた第1の平面基板202を具備し、線EEにより画定される長手方向軸に沿って延伸可能である。第1の形状として、螺旋状医療機器200の第1の長さ208が近位端204と遠位端206との間で縮むことにより、全体の最大径210または他の寸法が増大可能である。直径(たとえば、直径210)の増大により、螺旋状医療機器200と組織との接触が容易化され得る。直径の縮小により、螺旋状医療機器200の送達プロファイルが抑えられ、既存の設計よりも配置に役立ち得る(図18B参照)。全体の直径が大きくなることにより、組織(たとえば、PV)との接触時の螺旋状医療機器200の(たとえば、線EEにより画定される軸と垂直な)外方力を増大可能となり得る。外方力の増大により、螺旋状医療機器200を囲む組織との接触を増大可能となる。
【0128】
螺旋状医療機器200は、任意の好適な材料(たとえば、ポリマーまたは金属)により構成可能であり、任意の好適な材料被膜(たとえば、金属上のポリマー被膜)を有し得る。たとえば、螺旋状医療機器200は、第1の平面基板202を具備し得る。第1の平面基板202としては、図18Aに示すように、螺旋状構造に変形された長方形ストリップである単一の連続材料が可能である。第1の平面基板202は、外側面212を有し得る。外側面212には、上記と類似の複数の相互作用要素214を含み得る。複数の相互作用要素214は、任意の好適な方法(たとえば、接着、印刷プロセスによる外側面212への直接印刷、積層造形プロセスによる堆積等)を用いて、螺旋状医療機器200の第1の平面基板202に取り付け(たとえば、結合)可能である。
【0129】
いくつかの実施形態においては、相互作用要素214により生成されるインピーダンス信号に基づいて、相互作用要素が組織と接触しているか否かを判定することができる。たとえばインピーダンスの測定によって、相互作用要素214が組織と接触しているか、または、(たとえば、螺旋状医療機器200の重なりにより)相互作用要素214が組織と接触していないかを把握することができる。螺旋状医療機器200の第2の部分と重なる螺旋状医療機器200の第1の部分に相互作用要素212が存在する場合には、たとえばインピーダンス測定結果を取得可能である。たとえばインピーダンスがゼロまたはゼロ近く(または、その他何らかの値)である場合には、相互作用要素214は、組織以外の何か(たとえば、螺旋状医療機器200および/または他の相互作用要素214)と接触している可能性がある。
【0130】
螺旋状医療機器200は、複数の導電性トレース216を具備し得る。複数の導電性トレース216は、任意の好適な印刷技術(たとえば、インク・ジェット印刷、積層造形等)によって、螺旋状医療機器200上に形成可能である。複数の導電性トレース216は、たとえば複数の相互作用要素214を接続可能である。導電性トレース216は、電源、コントローラ、医療用位置決めシステム14、または信号の生成に用いられる他の機器に対して電気的に(たとえば、複数の導電性トレース、ワイヤ等で)接続可能である。螺旋状医療機器200は、診断(たとえば、マッピング)または治療(たとえば、アブレーション)目的で使用可能である。
【0131】
螺旋状医療機器200は、自己拡張可能である。螺旋状医療機器200は、線EEにより画定される軸に垂直な方向へと放射状に拡張可能なように設計可能である。複数のプルワイヤまたは他の類似機器の使用により、螺旋状医療機器200の拡張を調整可能である。たとえば、螺旋状医療機器200の遠位端において、螺旋状医療機器200の近位端側へと近位方向(たとえば、長手方向または軸EEにより画定される線と平行)にプルワイヤを引っ張ることにより、螺旋状医療機器200の拡張力を増大することができる(たとえば、遠位端206を近位端204に近づけることで、隣接組織に印加される拡張力を増大させることができる)。別の実施形態においては、複数のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200の形状をさらに調整可能である。たとえば、第1のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200の第1の場所での拡張力を調整可能であり(たとえば、遠位端206を近位端204から遠ざけることで、隣接組織に印加される拡張力を弱めることができる)、第2のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200の第2の場所での拡張力を調整可能である。複数のプルワイヤの使用によって、螺旋状医療機器の形状をテーパ状にすることができる(たとえば、螺旋状医療機器200の異なる場所に取り付けられた異なるプルワイヤによって、遠位端での直径を狭くするとともに、近位端での直径を広くすることができる)。
【0132】
螺旋状医療機器200のテーパ状構成により、特定の場所において、良好な組織接触が可能となり得る(たとえば、組織と接触する螺旋状医療機器200の表面積および/または組織の接触力が増大し得る)。付加的なプルワイヤ(たとえば、複数のテーパ状部)によって、他の構成も可能である。螺旋状医療機器200の拡張範囲としては、たとえば半径方向に(線EEにより画定される軸と垂直に)5~10mmが可能である。螺旋状構成以外の他の自己拡張形状も可能である。たとえば、トラス、ストラット、編組ワイヤ、または他の類似構造等の自己拡張編組ワイヤおよび非自己拡張機構が挙げられる。
【0133】
図18Bは、本開示の実施形態に係る、収縮状態の図18の螺旋状医療機器の等角図である。収縮状態では、線EEにより画定される軸に沿って、長さ208から第2の長さ218まで螺旋状医療機器200が伸長または延長することにより、全体の直径もしくは他の寸法の低減(収縮)および/または外方力の低減が可能である(たとえば、遠位端206を近位端204から遠ざけることで、隣接組織に印加される拡張力を弱めることができる)。たとえば、拡張力は、螺旋状医療機器200の線EEにより画定される軸と垂直にすることができる。外方力の低下およびその結果としての直径220の低下(最大径210よりも小さくできる)は、身体の解剖学的場所への螺旋状医療機器200の移動および配置に役立ち得る(たとえば、収縮状態では、たとえばシャフト、カテーテル、または導入器等の中に螺旋状医療機器が収まり得る)。
【0134】
螺旋状医療機器200は、任意の好適な方法を用いて配置可能である。たとえば、螺旋状医療機器200は、ガイドワイヤ、カテーテル、導入器、または類似機器を用いて組織場所に送達可能である。ガイドワイヤの直径としては、たとえば5~8フレンチが可能である。
【0135】
図18Cは、本開示の実施形態に係る、図18Aおよび図18Bの螺旋状医療機器の一部の断面図である。相互作用要素214は、第1の平面基板202の外側面212と結合可能である。
【0136】
図19Aは、本開示の実施形態に係る、拡張状態の螺旋状医療機器の等角図である。本実施形態において、螺旋状医療機器200Aは、可撓性基板222(たとえば、第2の平面基板)、縁部材料224、および複数の相互作用要素214Aを具備し得る。複数の相互作用要素は、可撓性基板222(たとえば、第2の平面基板)に取り付け(たとえば、結合)可能であり、可撓性基板222は、任意の好適な方法を用いて螺旋状医療機器200Aの外側面212A(たとえば、第1の平面基板)に取り付けられる。可撓性基板222は、螺旋状医療機器200Aの外側面212A(たとえば、近位端204Aから遠位端206Aまで、螺旋状医療機器200Aの外側面212Aの全長に沿ってスパイラル状の1つの基板)に沿って連続的であってもよいし、螺旋状医療機器200Aの外側面212Aに沿って複数の可撓性基板222が存在していてもよい。いくつかの実施形態において、可撓性基板222(たとえば、第2の平面基板)は、螺旋状医療機器200Aの外側面212A(たとえば、第1の平面基板)の全部または一部を覆うことができる。
【0137】
図18Aにおいて上述した実施形態と同様に、収縮状態では、線FFにより画定される軸に沿って、長さ208Aから第2の長さ218Aまで螺旋状医療機器200Aが伸長または延長することにより、全体の直径もしくは他の寸法の低減(収縮)および/または外方力の低減が可能である(たとえば、遠位端206Aを近位端204Aから遠ざけることで、隣接組織に印加される拡張力を弱めることができる(図19Bと関連する説明参照))。たとえば、拡張力は、螺旋状医療機器200Aの線FFにより画定される軸と垂直にすることができる。外方力の低下およびその結果としての直径220Aの低下(最大径210Aよりも小さくできる)は、身体の解剖学的場所への螺旋状医療機器200Aの移動および配置に役立ち得る(たとえば、収縮状態では、たとえばシャフト、カテーテル、または導入器等の中に螺旋状医療機器が収まり得る)。
【0138】
また、図19Aに示すように、螺旋状医療機器200Aは、縁部材料224を具備し得る。いくつかの実施形態において、縁部材料224は、図19Aに示すように、螺旋状医療機器200Aの縁部の近傍に位置付け可能である。縁部材料224としては、ニチノールおよび形状記憶を有する他種の材料等、任意の好適な材料が可能である。縁部材料224としては、たとえば平坦または丸型ワイヤ等、任意の好適な形状が可能である。縁部材料224は、第1の平面基板202Aおよび/または第2の基板222により与えられる拡張力に加えて、付加的な拡張力を与え得る。付加的な拡張力は、組織に対する螺旋状医療機器200Aの押圧の補助となり得る。螺旋状医療機器200Aは、その一部が重なり得るように配置可能である。スパイラル状/螺旋状構成によれば、螺旋状医療機器200Aは、「スパイラル上昇」(たとえば、遠位端206Aを近位端204Aに近づけることで、隣接組織に印加される拡張力を増大させること)または拡張による体内のさまざまな場所(たとえば、腎動脈の外径)とのはめ合いが可能となり得る。螺旋状医療機器の形状の変動によって、身体の各場所との良好な適合(たとえば、近位端から遠位端まで直径が小さくなるテーパ状)が可能となり得る。螺旋状医療機器200Aの複数の部分は、(たとえば、螺旋状医療機器200Aが拡張状態または潰れた状態の場合)互いに重なり合う可能性がある。
【0139】
螺旋状医療機器200Aは、任意の好適な方法を用いて配置可能である。たとえば、螺旋状医療機器200Aは、ガイドワイヤ、カテーテル、導入器、または類似機器を用いて組織場所に送達可能である。ガイドワイヤの直径としては、たとえば5~8フレンチが可能である。
【0140】
いくつかの実施形態においては、相互作用要素214Aにより生成されるインピーダンス信号に基づいて、相互作用要素214Aが組織と接触しているか否かを判定することができる。たとえばインピーダンスの測定によって、相互作用要素214Aが組織と接触しているか、または、(たとえば、螺旋状医療機器200Aの重なりにより)相互作用要素214Aが組織と接触していないかを把握することができる。螺旋状医療機器200Aの第2の部分と重なる螺旋状医療機器200Aの第1の部分に相互作用要素214Aが存在する場合には、たとえばインピーダンス測定結果を取得可能である。たとえばインピーダンスがゼロまたはゼロ近く(または、その他何らかの値)である場合には、相互作用要素214は、組織以外の何か(たとえば、螺旋状医療機器200A、可撓性基板222、および/または他の相互作用要素214A)と接触している可能性がある。
【0141】
医療機器200Aは、自己拡張可能である。螺旋状医療機器200Aは、線FFにより画定される軸と垂直な方向へと放射状に拡張可能なように設計可能である。複数のプルワイヤまたは他の類似の機器の使用により、螺旋状医療機器200Aの拡張を調整可能である。たとえば、螺旋状医療機器200Aの遠位端において、螺旋状医療機器200Aの近位端側へと近位方向(たとえば、長手方向または軸FFにより画定される線と平行)にプルワイヤを引っ張ることにより、螺旋状医療機器200Aの拡張力を増大することができる(たとえば、遠位端206Aを近位端204Aに近づけることで、隣接組織に印加される拡張力を増大させることができる)。別の実施形態においては、複数のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200の形状をさらに調整可能である。たとえば、第1のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200Aの第1の場所での拡張力を調整可能であり(たとえば、遠位端206Aを近位端204Aから遠ざけることで、隣接組織に印加される拡張力を減少させることができる)、第2のプルワイヤの使用により、螺旋状医療機器200Aの第2の場所での拡張力を調整可能である。複数のプルワイヤの使用によって、螺旋状医療機器の形状をテーパ状にすることができる(たとえば、螺旋状医療機器200Aの異なる場所に取り付けられた異なるプルワイヤによって、遠位端での直径を狭くするとともに、近位端での直径を広くすることができる)。
【0142】
螺旋状医療機器200Aのテーパ状構成により、特定の場所において、良好な組織接触が可能となり得る(たとえば、組織と接触する螺旋状医療機器200Aの表面積および/または組織の接触力が増大し得る)。付加的なプルワイヤ(たとえば、複数のテーパ状部)によって、他の構成も可能である。螺旋状医療機器200Aの拡張範囲としては、たとえば半径方向に(線EEにより画定される軸と垂直に)5~10mmが可能である。螺旋状構成以外の他の自己拡張形状も可能である。たとえば、トラス、ストラット、編組ワイヤ、または他の類似構造等の自己拡張編組ワイヤおよび非自己拡張機構が挙げられる。
【0143】
図19Bは、本開示の実施形態に係る、収縮状態の図19Aの螺旋状医療機器の等角図である。収縮状態では、線FFにより画定される軸に沿って、第2の長さ218Aまで螺旋状医療機器200Aが伸長または延長することにより、全体の直径もしくは他の寸法の低減および/または外方力の低減が可能である(たとえば、遠位端206を近位端204Aから遠ざけることで、隣接組織に印加される拡張力を弱めることができる)。たとえば、拡張力は、螺旋状医療機器200Aの線FFにより画定される軸と垂直にすることができる。外方力の低下およびその結果としての直径220Aの低下(最大径210Aよりも小さくできる)は、身体の解剖学的場所への螺旋状医療機器200Aの移動および配置に役立ち得る(たとえば、収縮状態では、たとえばシャフト、カテーテル、または導入器等の中に螺旋状医療機器が収まり得る)。
【0144】
図19Cは、本開示の実施形態に係る、図19Aおよび図19Bの螺旋状医療機器の一部の断面図である。相互作用要素214Aは第2の基板222と結合可能であり、第2の基板は第1の平面基板202Aと結合可能である。縁部材料224は、図19Cに示すように、第1の平面基板202Aと結合可能である。他の実施形態においては、縁部材料224が第2の平面基板222と結合可能であり、その組み合わせが第1の基板(不図示)と結合可能である。縁部材料224および第2の基板222は、任意の好適なサイズが可能である。図19Cに示す実施形態において、縁部材料224および第2の基板222は、第1の平面基板202Aの(当該特定部の)外側面212Aの全部を覆う。他の実施形態において、外側面212Aの一部は、縁部材料224および/または第2の基板222により覆われていなくてもよい(たとえば、縁部材料224と第2の基板222との間に間隙が存在し得る)。
【0145】
他の構造または構成によって、上述の要素および構造の位置付けおよび使用を容易化可能である。同時に出願された米国特許出願第_号「Apparatuses and Methods for Cooling Tissue or Fluid」(代理人整理番号CD-1133US/065513-001245)および第_号「Apparatuses and Methods for Delivering Multiple Cardiac Ablations」(代理人整理番号CD-1151US/065513-001512)のすべての内容を本明細書に援用する。
【0146】
本明細書においては、さまざまな装置、システム、および/または方法について、種々実施形態を説明している。本明細書に記載するとともに添付の図面に示す実施形態の全体構造、機能、製造、および使用の十分な理解が得られるように、多くの具体的詳細を示している。ただし、当業者であれば、このような具体的詳細なく実施形態を実現可能であることが了解されよう。他の例では、本明細書に記載の実施形態が不明瞭になることのないように、周知の動作、構成要素、および要素を詳しく説明していない。当業者であれば、本明細書に記載および図示の実施形態が非限定的な例であることが了解されようし、当然のことながら、本明細書に開示の構造および機能の具体的詳細は代表例と考えられ、添付の特許請求の範囲のみにより規定される実施形態の範囲を必ずしも制限しない。
【0147】
本明細書の全体を通して、「種々実施形態(various embodiments)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「一実施形態(one embodimentまたはan embodiment)」等に対する言及は、当該実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書の全体を通して、表現「種々実施形態において(in various embodiments)」、「いくつかの実施形態において(in some embodiments)」、「一実施形態において(in one embodimentまたはin an embodiment)」等が各所に現れても、これらすべてが必ずしも同じ実施形態を参照しない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意適当に組み合わせ可能である。このため、一実施形態に関連して図示または記載の特定の特徴、構造、または特性は、非論理的でも非機能的でもないことを所与として、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と制限なく、全体的または部分的に組み合わせ可能である。
【0148】
当然のことながら、用語「近位(proximal)」および「遠位(distal)」は、本明細書の全体にわたり、患者の処置に用いられる器具の一端を臨床医が操作することに関連して使用可能である。用語「近位(proximal)」は、臨床医に最も近い器具の部分を表し、用語「遠位(distal)」は、臨床医から最も遠い部分を表す。さらに、当然のことながら、簡略化および明瞭化のため、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上(up)」、および「下(down)」等の空間的用語は本明細書において、図示の実施形態に関して使用可能である。ただし、手術器具は多くの向きおよび位置で使用可能であるため、これらの用語は、何ら制限するものでも絶対的なものでもない。
【0149】
本明細書に援用すると書いた如何なる特許、刊行物、または他の開示資料も、本開示に示す既存の定義、記述、または他の開示内容と相反しない範囲のみで全部または一部を本明細書に援用する。このため、必要に応じて、本明細書において明示的に示す開示内容は、本明細書に援用する如何なる相反資料にも優先する。本明細書に援用するとは書いたが、本明細書に示す既存の定義、記述、または他の開示内容と相反する如何なる資料またはその一部も、当該援用資料と既存の開示内容とが相反しない範囲のみで援用することになる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いシャフトと、
拡張可能な構造を形成している複数個のストラットであって、前記細長いシャフトの遠位端に結合され、拡張状態と潰れた状態との間で選択的に変化可能に構成されている、前記複数個のストラットと、
前記拡張可能な構造に配置されている平面アレイであって、複数個の相互作用要素を有する、前記平面アレイと、
を備える、可撓性カテーテル構造体。
【請求項2】
前記複数個のストラットと前記平面アレイは、構造内で潰れるように構成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項3】
前記平面アレイは、前記複数個のストラットと前記複数個の相互作用要素に結合されている可撓性基板を有する、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項4】
前記可撓性基板は、格子を有する、請求項3に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項5】
前記平面アレイは、前記細長いシャフトの長手方向の軸に対して横方向に向けられている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項6】
前記平面アレイは、前記細長いシャフトの長手方向の軸に対して平行な方向に向けられている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項7】
前記平面アレイは、前記複数個の相互作用要素と患者の肺静脈の間の接触を容易化するように構成されている、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項8】
前記複数個のストラットのそれぞれは、自己正立材料を有する、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【請求項9】
前記複数個のストラットは、少なくとも4個のストラットを有する、請求項1に記載の可撓性カテーテル構造体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
本明細書に援用すると書いた如何なる特許、刊行物、または他の開示資料も、本開示に示す既存の定義、記述、または他の開示内容と相反しない範囲のみで全部または一部を本明細書に援用する。このため、必要に応じて、本明細書において明示的に示す開示内容は、本明細書に援用する如何なる相反資料にも優先する。本明細書に援用するとは書いたが、本明細書に示す既存の定義、記述、または他の開示内容と相反する如何なる資料またはその一部も、当該援用資料と既存の開示内容とが相反しない範囲のみで援用することになる。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
第1の成形要素と、
前記第1の成形要素に対して遠位に位置付けられた第2の成形要素であって、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれは、収縮状態から拡張状態へと拡張可能であり、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれは、前記拡張状態の場合に、各成形要素の中心を通って延びる長手方向の軸に対して横方向に向けられている、前記第2の成形要素と、
前記第1の成形要素と前記第2の成形要素との間に延びた支持構造体と、
相互作用要素と、
を備える、可撓性カテーテル構造体。
(項目2)
前記相互作用要素が、前記支持構造体上に位置している、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目3)
前記相互作用要素が、前記第1の成形要素上に位置しており、
第2の相互作用要素が、前記第2の成形要素上に位置している、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目4)
複数のリング電極をさらに備え、
前記複数のリング電極が、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素上に位置している、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目5)
可撓性平面基板をさらに備え、
前記可撓性平面基板が、前記第1の成形要素および前記第2の成形要素に接続され、
前記相互作用要素が、前記可撓性平面基板上に位置している、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目6)
前記支持構造体が、前記第1の成形要素と前記第2の成形要素との間に延びた編組材料である、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目7)
前記第1の成形要素および前記第2の成形要素が、単一の細長要素により形成されている、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目8)
前記第1の成形要素が、第1の細長要素により形成され、前記第2の成形要素が、第2の細長要素により形成されている、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目9)
前記相互作用要素が、エネルギー送達要素、熱電対、診断要素、治療要素、薬品要素、薬剤要素、生物要素、音響要素、超音波要素、発光要素、磁気要素、および熱電要素のうちの1つまたは複数をさらに備える、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目10)
前記第1の成形要素および前記第2の成形要素のそれぞれが、潰れた状態および拡張状態を有し、前記潰れた状態が、送達機器の中に収まるように構成されている、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目11)
前記第1の成形要素の前記拡張状態の幅が、前記送達機器の直径よりも大きく、前記第2の成形要素の前記拡張状態の幅が、前記第1の成形要素の前記拡張状態の前記幅よりも小さい、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目12)
前記第1の成形要素、前記第2の成形要素、および前記支持構造体のうちの1つまたは複数が、形状記憶材料により形成されている、項目1に記載の可撓性カテーテル構造体。
(項目13)
前記細長医療機器の遠位端に結合され、拡張状態および潰れた状態を有するように構成されている可撓性基板と、
前記可撓性基板と結合されている支持構造体と、
前記可撓性基板上のパターンで配置されている複数の相互作用要素と、
を備える、可撓性カテーテル構造体。
(項目14)
前記パターンが、
前記細長医療機器の遠位端から近位端まで延びた複数の長手方向ラインに配置されている複数の相互作用要素、
軸周りで円周方向に配設され、軸を中心とする相互作用要素が長手方向に離間している複数列の相互作用要素、および
グリッド状に配置されている複数の相互作用要素、
のうちの1つを含む、項目13に記載の装置。
(項目15)
前記複数の相互作用要素が、複数の導電性トレースにより電気的に接続され、
前記複数の導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、項目13に記載の装置。
(項目16)
前記相互作用要素が、エネルギー送達要素、熱電対、診断要素、治療要素、薬品要素、薬剤要素、生物要素、音響要素、超音波要素、発光要素、磁気要素、および熱電要素のうちの1つまたは複数をさらに備える、項目13に記載の装置。
(項目17)
縁部材料をさらに備え、
前記縁部材料が、前記可撓性平面基板の縁部の近傍に位置しており、
前記縁部材料が、前記長手方向の軸に対して前記可撓性平面基板の半径を拡張するように構成されている、項目13に記載の装置。
(項目18)
螺旋形状を有する第1の平面基板と、
前記第1の平面基板と結合されている相互作用要素と、
前記第1の平面基板と結合され、複数の相互作用要素を含む第2の平面基板と、
を備える、可撓性カテーテル構造体を備える、螺旋状医療機器。
(項目19)
第2の平面基板をさらに備え、前記第2の平面基板が、前記第1の平面基板と前記相互作用要素との間にある、項目18に記載の螺旋状医療機器。
(項目20)
前記第2の平面基板が、前記第1の基板の一部を覆う、項目19に記載の螺旋状医療機器。
(項目21)
前記第2の平面基板が、複数の小さな平面基板を備え、
前記複数の小さな平面基板のそれぞれが、相互作用要素を含む、項目19に記載の螺旋状医療機器。
(項目22)
前記相互作用要素のそれぞれが、対応する導電性トレースにより電気的に接続されており、
前記導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、項目20に記載の螺旋状医療機器。
(項目23)
前記相互作用要素が、印刷プロセス、積層造形プロセス、および堆積プロセスから成る群から選択されるプロセスを用いて、前記第1の平面基板および前記第2の平面基板の少なくとも一方に堆積されている、項目19に記載の螺旋状医療機器。
(項目24)
細長医療機器用の装置であって、
シャフト遠位端に位置している支持構造体であって、長手方向軸に対して収縮状態から拡張状態へと拡張可能である、前記支持構造体と、
前記支持構造体により形成されている外側面において前記支持構造体と結合されている可撓性平面基板と、
前記可撓性平面基板と結合されている複数の相互作用要素と、
を備える、装置。
(項目25)
前記複数の相互作用要素が、エネルギー送達要素と、熱電対、力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、およびバイオセンサのうちの1つと、をさらに備える、項目24に記載の装置。
(項目26)
前記支持構造体が、編組材料により形成されている、項目24に記載の装置。
(項目27)
前記支持構造体が、形状記憶材料により形成されている、項目24に記載の装置。
(項目28)
前記支持構造体が、組織を前記支持構造体の前記拡張状態に適合させるように構成されている、項目24に記載の装置。
(項目29)
前記支持構造体の前記拡張状態が、複数の異なる直径を含む、項目24に記載の装置。
(項目30)
前記複数の相互作用要素の数が、前記支持構造体の近位部よりも前記支持構造体の遠位部において多い、項目24に記載の装置。
(項目31)
前記複数の相互作用要素が、複数の導電性トレースにより電気的に接続され、
前記複数の導電性トレースが、電源と電気的に接続されている、項目24に記載の装置。
(項目32)
前記複数の相互作用要素が、印刷プロセス、積層造形プロセス、および堆積プロセスから成る群から選択されるプロセスを用いて、前記支持構造体に堆積されている、項目24に記載の装置。
(項目33)
複数のリング電極をさらに備え、
前記複数のリング電極が、前記支持構造体上に位置している、項目24に記載の装置。
【外国語明細書】