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特開2024-95697N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態
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  • 特開-N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095697
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20240703BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/4439
A61K9/20
A61K9/30
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/04
A61K47/12
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024045596
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2021568319の分割
【原出願日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】62/848,857
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/949,599
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】ドッド,ステファニ カイ
(72)【発明者】
【氏名】グランジャリ,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ロウサキ,エヴゲニヤ
(72)【発明者】
【氏名】サファート,エマニュエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC27
4C076CC44
4C076DD29
4C076DD41C
4C076DD67
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE32B
4C076FF04
4C076FF06
4C076FF09
4C076FF21
4C076FF53
4C076GG04
4C076GG12
4C076GG14
4C076GG16
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC36
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA13
4C086GA15
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤であるN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの特定の結晶性形態を提供する。
【解決手段】本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態、および塩酸塩の結晶性形態を提供する。また、その調製方法、前記結晶性形態を含む医薬組成物、及び疾患を処置するための前記結晶性形態及び医薬組成物の使用方法も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態A。
【請求項2】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.6±0.2°、18.9
±0.2°及び20.9±0.2°の2-シータ角での反射を含む、請求項1に記載の結
晶性形態。
【請求項3】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.6±0.2°、17.0
±0.2°、18.9±0.2°、20.9±0.2°及び32.5±0.2°の2-シ
ータ角での反射を含む、請求項1又は2に記載の結晶性形態。
【請求項4】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、8.5°±0.2°、9.5°
±0.2°、11.8°±0.2°、12.3°±0.2°、12.6°±0.2°、1
3.9°±0.2°、14.8°±0.2°、15.9°±0.2°、16.5°±0.
2°、17.0°±0.2°、17.6°±0.2°、18.9°±0.2°、19.1
°±0.2°、19.8°±0.2°、20.4°±0.2°、20.9°±0.2°、
21.2°±0.2°、22.4°±0.2°、22.7°±0.2°、23.9°±0
.2°、24.3°±0.2°、24.8°±0.2°、25.0°±0.2°、25.
9°±0.2°、26.8°±0.2°、27.0°±0.2°、28.3°±0.2°
、28.6°±0.2°、28.9°±0.2°、29.8°±0.2°、30.5°±
0.2°、31.3°±0.2°、31.5°±0.2°、31.8°±0.2°、32
.1°±0.2°、32.5°±0.2°、32.9°±0.2°、33.6°±0.2
°、34.0°±0.2°、34.6°±0.2°、35.0°±0.2°、35.6°
±0.2°、36.3°±0.2°及び38.8°±0.2°からなる群から選択される
3つ、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(クロロジフルオロメト
キシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1
H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A。
【請求項5】
図8に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A。
【請求項6】
2℃/分の加熱速度で測定したときに、90℃の開始温度を有する吸熱ピークを含む示
差走査熱量測定曲線を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の結
晶性形態。
【請求項7】
30℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱したときに、結晶性形態の重量を基準
として3.3重量%以下の質量損失を示す熱重量分析曲線を有することを特徴とする、請
求項1~5のいずれか一項に記載の結晶性形態。
【請求項8】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態B。
【請求項9】
図11に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロ
メトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-
(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態B。
【請求項10】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態H
【請求項11】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、10.4±0.2°、21.8
±0.2°及び30.6±0.2°の2-シータ角での反射を含む、請求項10に記載の
結晶性形態。
【請求項12】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、10.4±0.2°、12.0
±0.2°、16.8±0.2°、21.8±0.2°及び30.6±0.2の2-シー
タ角での反射を含む、請求項10に記載の結晶性形態。
【請求項13】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、7.9°±0.2°、10.4
°±0.2°、12.0°±0.2°、13.0°±0.2°、13.3°±0.2°、
13.8°±0.2°、15.5°±0.2°、15.9°±0.2°、16.4°±0
.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、19.7°±0.2°、20.
1°±0.2°、20.5°±0.2°、20.8°±0.2°、21.1°±0.2°
、21.8°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、23.0°±
0.2°、23.5°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、24
.6°±0.2°、25.0°±0.2°、26.0°±0.2°、26.3°±0.2
°、26.5°±0.2°、26.8°±0.2°、27.8°±0.2°、28.2°
±0.2°、28.5°±0.2°、28.8°±0.2°、29.5°±0.2°、3
0.0°±0.2°、30.6°±0.2°、31.0°±0.2°、31.3°±0.
2°、31.7°±0.2°、32.0°±0.2°、33.2°±0.2°、34.0
°±0.2°、34.2°±0.2°、35.3°±0.2°、35.9°±0.2°、
36.7°±0.2°、37.0°±0.2°、37.4°±0.2°、37.7°±0
.2°、38.2°±0.2°、28.9°±0.2°及び39.6°±0.2°からな
る群から選択される3つ、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(ク
ロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1
-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の
結晶性形態H
【請求項14】
図13に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロ
メトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-
(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態H
【請求項15】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミドの結晶性形態A。
【請求項16】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.7±0.2°、18.9
±0.2°及び20.8±0.2°の2-シータ角での反射を含む、請求項15に記載の
結晶性形態。
【請求項17】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.7±0.2°、15.3
±0.2°、18.9±0.2°、20.8±0.2°及び25.0±0.2°の2-シ
ータ角での反射を含む、請求項15又は16に記載の結晶性形態。
【請求項18】
0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の
範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、5.8°±0.2°、11.3
°±0.2°、11.6°±0.2°、12.2°±0.2°、12.7°±0.2°、
13.2°±0.2°、14.7°±0.2°、15.3°±0.2°、17.0°±0
.2°、17.4°±0.2°、18.6°±0.2°、18.9°±0.2°、19.
4°±0.2°、19.8°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°
、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、23.4°±0.2°、24.0°±
0.2°、24.5°±0.2°、25.0°±0.2°、25.5°±0.2°、26
.7°±0.2°、27.1°±0.2°、27.7°±0.2°、28.7°±0.2
°、29.3°±0.2°、29.6°±0.2°、30.2°±0.2°、31.2°
±0.2°、32.0°±0.2°、32.3°±0.2°、32.8°±0.2°、3
3.7°±0.2°、34.5°±0.2°、35.3°±0.2°、37.0°±0.
2°、38.4°±0.2°、及び38.6°±0.2°からなる群から選択される3つ
、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ
)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-
ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態A。
【請求項19】
図1に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態A。
【請求項20】
5℃/分の加熱速度で測定したときに、194℃の開始温度を有する吸熱ピークを含む
示差走査熱量測定曲線を有することを特徴とする、請求項15~19のいずれか一項に記
載の結晶性形態。
【請求項21】
30℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱したときに、結晶性形態の重量を基準
として0.3重量%以下の質量損失を示す熱重量分析曲線を有することを特徴とする、請
求項15~19のいずれか一項に記載の結晶性形態。
【請求項22】
図4に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
【請求項23】
図5に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
【請求項24】
図6に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
【請求項25】
図7に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
【請求項26】
請求項1~25に記載の結晶性形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項27】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態Aを調製するためのプロセスであって、
(a)塩酸及び適切なアルコール溶媒の混合物中に、N-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドを溶解させることと、
(b)前記混合物にtert-ブチルメチルエーテルを添加することと、任意選択的に
(c)N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒ
ドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-
カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを単離することと
を含むプロセス。
【請求項28】
(a)治療的に有効な量の、請求項1~25のいずれか一項に記載のN-[4-(クロ
ロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-
イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又
は塩酸塩の結晶性形態と、
(b)少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、媒体又は賦形剤と
を含む医薬組成物。
【請求項29】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態Aである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態Bである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態Hである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの形態Aである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの形態Sである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの形態Sである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの形態Sである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの形態Sである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項37】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含む錠剤製剤。
【請求項38】
前記錠剤を単位剤形で配合することができ、各剤形が、約5~約500mgの活性成分
を含有する、請求項37に記載の錠剤製剤。
【請求項39】
前記単位剤形が、10mg~200mg(包括的)のN-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含
有する、請求項38に記載の錠剤。
【請求項40】
前記単位剤形が、25mg~150mg(包括的)のN-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含
有する、請求項38に記載の錠剤。
【請求項41】
前記単位剤形が、20mg、40mg、又は60mgのN-[4-(クロロジフルオロ
メトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-
(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを
含有する、請求項38に記載の錠剤。
【請求項42】
重量百分率により、10~30%のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル
]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール
-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aと、60~80%の1
つ又は複数の充填剤と、2~10%の1つ又は複数の崩壊剤と、0.2~3%の1つ又は
複数の流動化剤とをさらに含む、請求項37に記載の錠剤製剤。
【請求項43】
粒内相、粒外相及びフィルムコーティングをさらに含み、前記粒内相が、N-[4-(
クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-
1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
の結晶性形態A、ラクトース、Avicel PH101、HP-Celllulose
low subst_40UM、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200
PH、及びステアリン酸マグネシウムを含み、前記粒外相が、ラクトース、セルロースM
K GR、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸
マグネシウムを含み、且つ、前記フィルムコーティングが1つ又は複数のフィルム形成物
質を含むことができ、さらに可塑剤、腸の潤滑剤、着色剤及び/又は顔料などの物質を含
むことができる、請求項37に記載の錠剤製剤。
【請求項44】
粒内相、粒外相及びフィルムコーティングをさらに含み、前記粒内相が、重量百分率に
より、約22%のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)
-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジ
ン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、約33%のラクトース、約18%のAv
icel PH101、約5%のHP-Celllulose low subst_4
0UM、約2%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200P
H、及び約0.5%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項37に記載の錠剤製剤。
【請求項45】
前記粒外相が、重量百分率により、約10%のラクトース、約5.6%のセルロースM
K GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200
PH、及び約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つ、前記フィルムコーティン
グが、重量百分率により、約4.8%のコーティングプレミックス白、約0.16%のコ
ーティングプレミックス黄、及び約0.008%のコーティングプレミックス赤を含有す
る、請求項44に記載の錠剤製剤。
【請求項46】
前記粒外相が、重量百分率により、約10%のラクトース、約5.6%のセルロースM
K GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200
PH、及び約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つ、前記フィルムコーティン
グが、重量百分率により、約8%のコーティングプレミックス白、約0.02%のコーテ
ィングプレミックス赤、及び約0.02%のコーティングプレミックス黒を含有する、請
求項44に記載の錠剤製剤。
【請求項47】
請求項37に記載の錠剤製剤を製造するためのプロセスであって、
(a)粒内相成分:N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、Avicel PH101、HP-
Celllulose low subst_40UM、ナトリウム-CMC XL、A
erosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(b)前記ステップ(a)からのブレンドした成分をふるいにかけ、ブレンドし、ロー
ラー圧縮し、製粉するステップと、
(c)粒外相成分:ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-CMC XL、
Aerosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(d)前記ステップ(c)からの成分をふるいにかけるステップと、
(e)前記ステップ(b)及びステップ(d)からの成分をブレンドするステップと、
(f)前記ステップ(e)の成分を錠剤に圧縮して、前記錠剤を脱塵するステップと、
(g)精製水と、白、黄、赤及び黒から選択される1つ又は複数のコーティングプレミ
ックスの混合物とを含むフィルムコーティングの懸濁液を形成するステップと、
(h)前記ステップ(f)の脱塵した錠剤をフィルムコートするステップと
を含むプロセス。
【請求項48】
ABL1/BCR-ABL1媒介性障害を処置するための方法であって、このような処
置を必要としている患者に、請求項1~25のいずれか一項に記載の有効量のN-[4-
(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン
-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離
塩基又は塩酸塩の結晶性形態を投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3
-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-
3-カルボキサミドの結晶性形態(結晶形)、その製造方法、それを含む医薬組成物、及
びそれを使用する処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多形性は、物質の2つ以上の結晶性形態の存在を示す。多形体(又は結晶変態)は同一
の化学構造を有するが、多くの場合、全く異なる物理化学的特性を有する。多形体は、エ
ナンチオトロピー多形体及びモノトロピー多形体を含む。化学物質が2つ以上の結晶性形
態で結晶化するこの能力は、薬物の貯蔵期間、溶解度、製剤特性、及び加工特性に対して
重大な影響を与えることができる。加えて、薬物の作用は、薬物分子の多形性によって影
響され得る。異なる多形体は体内で異なる取込み速度を有し、所望されるよりも低い又は
高い生物活性をもたらし得る。極端な場合、望まれない多形体は、毒性を示すことさえあ
る。製造中の未知の結晶性形態の発生は、大きい影響を与え得る。
【0003】
多形性を理解して制御することは、次に、新しい薬物を市場に出す際に明らかな利点を
与える。何よりもまず、薬物製品のための可能性のあるあらゆる多形体の探索を用いて、
薬物の製造又は貯蔵中に他の多形形態による汚染の可能性を低くすることができる。汚染
を捕らえ損なうことは、場合により、生命にかかわる結果をもたらし得る。製造中の意図
しない多形体の結晶化は、数週間又はさらに数か月の製造停止期間を意味することになり
、その間、科学者は新しい結晶性形態の原因を見出して訂正するか、又は新しい結晶性形
態の承認を得るために別の一連の試験を行う。
【0004】
第2に、特定の場合に薬物のどの結晶性形態が可能であるかを理解することにより、研
究者らは、溶解度、製剤特性、加工特性、及び貯蔵期間などの化合物の所望の特性を最大
にすることができる。新しい薬物の開発においてこれらの因子を早期に理解することは、
より活性な薬物、より安定した薬物、又はより安価に製造された薬物を意味し得る。
【0005】

【化1】

の化合物N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒ
ドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-
カルボキサミドは、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤である。式(I)の化合物、
式(I)の化合物の調製、及び式(I)の化合物の医薬組成物は、最初に、国際公開第2
013/171639A1号パンフレットにおいて実施例9として記載されている。式(
I)の化合物は、(R)-N-(4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル)-6-(
3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ニコチン
アミド、又はアシミニブとしても知られている。
【0006】
国際公開第2013/171639A1号パンフレットは、Abelsonタンパク質
(ABL1)、Abelson関連タンパク質(ABL2)及び関連のキメラタンパク質
、特にBCR-ABL1のチロシンキナーゼ酵素活性の阻害に応答する疾患を処置するの
に有用であるとして式(I)の化合物を提供する。国際公開第2013/171639A
1号パンフレットは、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの非晶質分散体を含む医薬組成物を記載するが、N-[4-
(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン
-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの任
意の結晶性形態又はそれを含む医薬品製剤は特に開示されていない。
【発明の概要】
【0007】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミドの結晶性形態が発見されており、これらは、新しい薬理学的特性を得るために活
用され得る、そしてN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R
)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリ
ジン-3-カルボキサミドの薬物製品の開発において利用され得る新しい物理的特性を示
す。
【0008】
本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3
-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-
3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態に関する。
【0009】
また本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)
-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジ
ン-3-カルボキサミドの塩酸塩の結晶性形態にも関する。
【0010】
また本発明は、(a)治療的に有効な量の、本発明のN-[4-(クロロジフルオロメ
トキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(
1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又はその塩酸塩の
結晶性形態と、(b)少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も提
供する。
【0011】
また本発明は、ABL1/BCR-ABL1媒介性障害を処置するための方法であって
、このような処置を必要としている対象に、治療的に有効な量の、本発明のN-[4-(
クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-
1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩
基又はその塩酸塩の結晶性形態を投与するステップを含む方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態AのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
図2】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態Aの示差走査熱量測定曲線を示す。
図3】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態Aの熱重量プロットを示す。
図4】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の形態SのXRPDパターンを示す。
図5】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の形態SのXRPDパターンを示す。
図6】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の形態SのXRPDパターンを示す。
図7】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の形態SのXRPDパターンを示す。
図8】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の結晶性形態AのXRPDパターンを示す。
図9】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の結晶性形態Aの示差走査熱量測定曲線を示す。
図10】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の結晶性形態Aの熱重量プロットを示す。
図11】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の結晶性形態BのXRPDパターンを示す。
図12】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の形態A及びBのXRPDパターンを示す。
図13】本発明に従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の形態HのXRPDパターンを示す。
図14】N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含む錠剤の製造のために使用される製造プロセスの流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明との関連において、他に明確に記載されない限り、以下の定義は指示された意味
を有する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「室温」又は「RT」という用語は、20~30℃の範囲
の温度を指す。
【0015】
本明細書で使用されるX線粉末回折(XRPD)に関する「反射」という用語はX線デ
ィフラクトグラムにおけるピークを意味し、これは、固体材料内の原子の平行面で散乱さ
れたX線からの建設的干渉によって特定の回折角(ブラッグ角)において起こり、長期間
の位置秩序で規則正しい反復性のパターンに分配される。このような固体材料は結晶性材
料として分類されるが、非晶質材料は、長期間の秩序を欠いており、短期間の秩序のみを
示し、従って、幅広の散乱をもたらす固体材料として定義される。文献によれば、長期間
の秩序は、例えば、約100~1000個の原子にわたって広がるが、短期間の秩序は、
わずか数個の原子にわたるものである(“Fundamentals of Powde
r Diffraction and Structural Characteriz
ation of Materials”by Vitalij K.Pecharsk
y and Peter Y.Zavalij,Kluwer Academic Pu
blishers,2003,page 3を参照)。
【0016】
本発明の結晶性形態は、本明細書では、図面「に示される」グラフィックデータ、例え
ばXRPDを特徴とすると言及され得る。当業者は、機器のタイプの変化、応答、並びに
サンプル方向性、サンプル濃度、及びサンプル純度の変化などの因子が、グラフ形態で示
されたときにこのようなデータの小さい変化、例えば、正確なピーク位置及び強度に関す
る変化をもたらし得ることを理解する。しかしながら、本明細書中の図面のグラフィック
データと、別の又は未知の固体形態について作成されたグラフィックデータとを比較し、
2組のグラフィックデータが同じ結晶形態に関すると確認することは、十分に当業者の知
識の範囲内である。
【0017】
本明細書で使用される「固体形態」又は「固体状態形態」という用語は、化合物の任意
の結晶性相及び/又は非晶質相を互換的に指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「非晶質」という用語は、結晶性でない化合物の固体形態
を指す。非晶質化合物は長期間の秩序を有さず、反射による明確なXRPDパターンを示
さない。
【0019】
本明細書で使用される場合、「多形体」という用語は、同じ化学組成を有するが、結晶
を形成する分子、原子、及び/又はイオンの異なる空間的配置を有する結晶性形態を指す
【0020】
本明細書で使用される「水和物」という用語は、水が結晶構造内で協働しているか又は
結晶構造により収容されている、例えば、結晶構造の一部であるか又は結晶内に捕捉され
ている(包含水)結晶性固体を指す。それにより、水は、化学量論量又は非化学量論量で
存在することができる。水が化学量論量で存在する場合、水和物は、ギリシャ数字の接頭
辞を付加することにより言及され得る。例えば、水和物は、水/化合物の化学量論に応じ
て、半水和物又は一水和物と呼ぶことができる。含水量は、例えば、カールフィッシャー
電量分析によって測定することができる。
【0021】
本明細書で使用される「脱水すること」又は「脱水」という用語は、ホスト分子の結晶
構造から水を少なくとも部分的に除去することを説明する。
【0022】
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、1つ又は複数の有機溶媒が結晶構造
内で協働しているか又は結晶構造により収容されている、例えば、結晶構造の一部である
か又は結晶内に捕捉されている(包含水)結晶性固体を指す。それにより、1つ又は複数
の有機溶媒は、化学量論量又は非化学量論量で存在することができる。1つ又は複数の有
機溶媒が化学量論量で存在する場合、溶媒和物は、ギリシャ数字の接頭辞を付加すること
により言及され得る。例えば、溶媒和物は、溶媒/化合物の化学量論に応じて、半溶媒和
物又は一溶媒和物と呼ぶことができる。溶媒含有量は、例えば、GC、NMR、SXRD
及び/又はTGA/MSによって測定することができる。
【0023】
本明細書で使用される「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、所与の用量で有意
な薬理活性を示さず、医薬品有効成分に加えて医薬組成物に添加される物質を指す。賦形
剤は、特に、媒体、希釈剤、離型剤、崩壊剤、溶解変更剤、吸収増強剤、安定剤又は製造
助剤の機能を担い得る。賦形剤は、充填剤(希釈剤)、結合剤、崩壊剤、潤滑剤及び流動
化剤を含み得る。
【0024】
本明細書で使用される「充填剤」又は「希釈剤」という用語は、送達の前に医薬品有効
成分を希釈するために使用される物質を指す。希釈剤及び充填剤は、安定剤としての機能
を果たすこともできる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「結合剤」という用語は、医薬品有効成分及び薬学的に許
容される賦形剤を結合させて、密着した別々の部分を保持する物質を指す。
【0026】
本明細書で使用される「崩壊剤」又は「崩壊する薬剤」という用語は、固体医薬組成物
に添加されると、投与後にその分解又は崩壊を促進し、医薬品有効成分をできるだけ効率
的に放出させて、その急速な溶解を可能にする物質を指す。
【0027】
本明細書で使用される「潤滑剤」という用語は、粉末ブレンドに添加されて、圧縮され
た粉末塊が錠剤化又はカプセル化プロセスの間に装置に粘着するのを防止する物質を指す
。潤滑剤は錠剤をダイから排出するのを助け、粉末の流動を改善することができる。
【0028】
本明細書で使用される「流動化剤」という用語は、錠剤圧縮中の流動特性を改善するた
め、及び固化防止効果を生じるために錠剤及びカプセル製剤に使用される物質を指す。
【0029】
本発明の1つの態様は、化合物N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-
6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5
-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの遊離塩基及び塩酸塩の別個の結晶性形態を提供
する。これらの「結晶性形態」(又は「結晶形態」又は「結晶変態」又は「多形形態」又
は「多形体」、これら用語は本明細書中で互換的に使用され得る)は、熱力学的安定性、
物理的パラメーター、x線構造及び調製方法に関して異なる。多形体は、エナンチオトロ
ピー又はモノトロピーの2つの主要なカテゴリーにおいて存在する。「エナンチオトロピ
ー」多形体は、所与の圧力で温度に応じて又は所与の温度で圧力に応じて(転移温度又は
圧力と呼ばれる)、相互変換することができるものである。相対的な熱力学的安定性は、
転移温度又は圧力の上下で反転する。温度に関係なく1つの多形体がより安定であれば、
それは「モノトロピー」である。多形性は古典的には2つ以上の別個の結晶の種類(同一
の化学構造を有するが、全く異なる物理化学的特性を有する)に結晶化する化合物の能力
を指すが、偽多形性という用語は、通常、溶媒和物及び水和物結晶性形態に適用される。
しかしながら、本発明の目的のために、真の多形体も偽多形体、すなわち水和物及び溶媒
和物形態も「結晶性形態」の範囲内に含まれる。さらに、「非晶質」は、無秩序の固体状
態を指す。特定の結晶性形態の異なるサンプルは、同じ主要なX線粉末回折(XRPD)
「ピーク」又は「反射」を共有することになるが、小さいピークに関しては粉末パターン
の変動があり得ることに注意すべきである。加えて、XRPDピーク値(度)に関する「
約」という用語は、一般に、所与の値の0.3°以内、より好ましくは0.2°以内、最
も好ましくは0.1°以内を意味する。或いは、「約」という用語(このこと及び全てに
関して)は、当業者により考慮される場合に許容される標準誤差の範囲内を意味する。本
明細書で使用される場合、「実質的に純粋」という用語は、結晶性N-[4-(クロロジ
フルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル
]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド又はその塩酸塩
の50%超が本明細書に記載される形態の1つで存在すること、そして好ましくは少なく
とも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の本明
細書に記載される結晶性形態の1つが存在することを意味する。
【0030】
一実施形態では、遊離塩基の結晶性形態Aと呼ばれる、N-[4-(クロロジフルオロ
メトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-
(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態が提供され
る。遊離塩基の形態Aは非吸湿性(92%までの相対湿度において25℃で0.1%未満
の水分取込みを示す)であり、pH3を超えるとかなり低い溶解度を有する。Cary
100光度計を用いてVanKel機器において測定したときに、形態Aの固有溶解速度
は、pH4.5、pH6.8及び0.1NのHCl媒体中で以下の通りであると決定され
た:
【0031】
【表1】
【0032】
一実施形態では、本発明は、0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放
射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、
12.7±0.2°、18.9±0.2°及び20.8±0.2°;又は
12.7±0.2°、15.3±0.2°、18.9±0.2°、20.8±0.2°及
び25.0±0.2°;又は
5.8°±0.2°、11.3°±0.2°、11.6°±0.2°、12.2°±0.
2°、12.7°±0.2°、13.2°±0.2°、14.7°±0.2°、15.3
°±0.2°、17.0°±0.2°、17.4°±0.2°、18.6°±0.2°、
18.9°±0.2°、19.4°±0.2°、19.8°±0.2°、20.8°±0
.2°、21.8°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、23.
4°±0.2°、24.0°±0.2°、24.5°±0.2°、25.0°±0.2°
、25.5°±0.2°、26.7°±0.2°、27.1°±0.2°、27.7°±
0.2°、28.7°±0.2°、29.3°±0.2°、29.6°±0.2°、30
.2°±0.2°、31.2°±0.2°、32.0°±0.2°、32.3°±0.2
°、32.8°±0.2°、33.7°±0.2°、34.5°±0.2°、35.3°
±0.2°、37.0°±0.2°、38.4°±0.2°、及び38.6°±0.2°
の2-シータ角(2シータ値)での反射を含むXRPDパターンを有することを特徴とす
る、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロ
キシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カル
ボキサミドの結晶性形態Aに関する。
【0033】
別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミドの結晶性形態Aは、0.1541Åの波長を有するCu-K
アルファ1,2放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、5.8°、
11.3°、11.6°、12.2°、12.7°、13.2°、14.7°、15.3
°、17.0°、17.4°、18.6°、18.9°、19.4°、19.8°、20
.8°、21.8°、22.2°、22.7°、23.4°、24.0°、24.5°、
25.0°、25.5°、26.7°、27.1°、27.7°、28.7°、29.3
°、29.6°、30.2°、31.2°、32.0°、32.3°、32.8°、33
.7°、34.5°、35.3°、37.0°、38.4°、及び38.6°(2θ度±
0.2°)からなる群から選択される少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なく
とも5つ、又は全ての2シータ値を含むXRPDパターンを有することを特徴とする。
【0034】
本発明の別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6
-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-
イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基の結晶性形態Aは、図1のXRPDパター
ンを特徴とする。
【0035】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミドの結晶性形態Aの熱的特性は、5℃/分の走査速度における示差走査熱量測定(
DSC)(図2)及び熱重量分析(TGA)(図3)によって分析した。
【0036】
さらに、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-
ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3
-カルボキサミドの結晶性形態Aの平衡化、結晶化、及び沈殿研究中に、いくつかの溶媒
和物が発見された。それぞれの溶媒を用いた平衡化及び結晶化研究中に、メタノール溶媒
和物形態S、1-プロパノール溶媒和物形態S、及びエタノール溶媒和物形態S
単離された。アセトン及び水を用いた沈殿研究では、アセトン溶媒和物形態Sが単離さ
れた。溶媒和物形態S、S、S、及びSは、それぞれ図4~7に示されるXRP
Dパターンを特徴とする。
【0037】
別の実施形態では、本発明は、結晶性形態A及びB及び三水和物変態Hと呼ばれる、
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミドの塩酸塩の結晶性形態に関する。形態A及びBは、エナンチオトロピー的に関連す
る。形態Aは、65℃~90℃のエナンチオトロピー転移温度範囲よりも低い温度でより
大きい物理的安定性を有し、形態Bは、この範囲よりも高い温度でより大きい物理的安定
性を有する。形態Bは、周囲条件で自然に形態Aに転換する。形態Aは、pH1の水中で
平衡化されると、変態H又は形態Hに変換され得る。
【0038】
塩酸塩の形態Aは非吸湿性(95%までの相対湿度において25℃で0.4%未満の水
分取込みを示す)であり、pH3を超えるとかなり低い溶解度を有する。Cary 10
0光度計を用いてVanKel機器において測定したときに、形態Aの固有溶解速度は、
pH3.5、pH4.5及び0.1NのHCl媒体中で以下の通りであると決定された:
【0039】
【表2】
【0040】
別の実施形態では、本発明は、0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2
放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、
12.6±0.2°、18.9±0.2°及び20.9±0.2°;又は
12.6±0.2°、17.0±0.2°、18.9±0.2°、20.9±0.2°及
び32.5±0.2°;又は
8.5°±0.2°、9.5°±0.2°、11.8°±0.2°、12.3°±0.2
°、12.6°±0.2°、13.9°±0.2°、14.8°±0.2°、15.9°
±0.2°、16.5°±0.2°、17.0°±0.2°、17.6°±0.2°、1
8.9°±0.2°、19.1°±0.2°、19.8°±0.2°、20.4°±0.
2°、20.9°±0.2°、21.2°±0.2°、22.4°±0.2°、22.7
°±0.2°、23.9°±0.2°、24.3°±0.2°、24.8°±0.2°、
25.0°±0.2°、25.9°±0.2°、26.8°±0.2°、27.0°±0
.2°、28.3°±0.2°、28.6°±0.2°、28.9°±0.2°、29.
8°±0.2°、30.5°±0.2°、31.3°±0.2°、31.5°±0.2°
、31.8°±0.2°、32.1°±0.2°、32.5°±0.2°、32.9°±
0.2°、33.6°±0.2°、34.0°±0.2°、34.6°±0.2°、35
.0°±0.2°、35.6°±0.2°、36.3°±0.2°及び38.8°±0.
2°
の2-シータ角(2シータ値)での反射を含むXRPDパターンを有することを特徴とす
る、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロ
キシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カル
ボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aに関する。
【0041】
別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態AのXRPDパターンは、0.1541
Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測
定したときに、8.5°、9.5°、11.8°、12.3°、12.6°、13.9°
、14.8°、15.9°、16.5°、17.0°、17.6°、18.9°、19.
1°、19.8°、20.4°、20.9°、21.2°、22.4°、22.7°、2
3.9°、24.3°、24.8°、25.0°、25.9°、26.8°、27.0°
、28.3°、28.6°、28.9°、29.8°、30.5°、31.3°、31.
5°、31.8°、32.1°、32.5°、32.9°、33.6°、34.0°、3
4.6°、35.0°、35.6°、36.3°、38.8°(2θ度±0.2°)から
なる群から選択される少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、又は
全ての2シータ値を特徴とする。
【0042】
本発明の別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6
-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-
イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aは、図8及び/又は12のX
RPDパターンを特徴とする。
【0043】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態Aの熱的特性は、2℃/分の走査速度における示差走査熱量
測定(DSC)(図9)及び熱重量分析(TGA)(図10)によって分析した。
【0044】
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド塩酸塩の結晶性形態BのXRPDパターンは、0.1541Åの波長を有するC
u-Kアルファ1,2放射線を用いて100~125℃の範囲の温度で測定したときに、
8.5°、8.6°、9.2°、10.8°、11.8°、12.7°、13.8°、1
4.7°、15.6°、14.8°、15.9°、16.1°、16.9°、18.0°
、18.4°、18.9°、19.2°、19.5°、19.8°、20.2°、20.
4°、20.8°、20.9°、21.1°、21.6°、21.9°、22.3°、2
2.6°、23.1°、23.4°、23.7°、24.0°、24.1°、24.3°
、24.6°、24.7°、25.2°、25.5°、25.9°、26.5°、27.
0°、27.6°、28.4°、28.5°、28.9°、29.5°、及び29.8°
(2θ度±0.2°)からなる群から選択される少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、
又は少なくとも5つ、又は全ての2シータ値を特徴とする。
【0045】
本発明の別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6
-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-
イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Bは、図11及び/又は12の
XRPDパターンを特徴とする。
【0046】
別の実施形態では、本発明は、0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2
放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、
10.4±0.2°、21.8±0.2°及び30.6±0.2°;又は
10.4±0.2°、12.0±0.2°、16.8±0.2°、21.8±0.2°及
び30.6±0.2°;又は
7.9°±0.2°、10.4°±0.2°、12.0°±0.2°、13.0°±0.
2°、13.3°±0.2°、13.8°±0.2°、15.5°±0.2°、15.9
°±0.2°、16.4°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、
19.7°±0.2°、20.1°±0.2°、20.5°±0.2°、20.8°±0
.2°、21.1°±0.2°、21.8°±0.2°、22.2°±0.2°、22.
7°±0.2°、23.0°±0.2°、23.5°±0.2°、23.9°±0.2°
、24.2°±0.2°、24.6°±0.2°、25.0°±0.2°、26.0°±
0.2°、26.3°±0.2°、26.5°±0.2°、26.8°±0.2°、27
.8°±0.2°、28.2°±0.2°、28.5°±0.2°、28.8°±0.2
°、29.5°±0.2°、30.0°±0.2°、30.6°±0.2°、31.0°
±0.2°、31.3°±0.2°、31.7°±0.2°、32.0°±0.2°、3
3.2°±0.2°、34.0°±0.2°、34.2°±0.2°、35.3°±0.
2°、35.9°±0.2°、36.7°±0.2°、37.0°±0.2°、37.4
°±0.2°、37.7°±0.2°、38.2°±0.2°、28.9°±0.2°及
び39.6°±0.2°
の2-シータ角(2シータ値)での反射を含むXRPDパターンを有することを特徴とす
る、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロ
キシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カル
ボキサミド塩酸塩の結晶性三水和物形態Hに関する。
【0047】
別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性三水和物形態HのXRPDパターンは、0
.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ1,2放射線を用いて20~25℃の範囲
の温度で測定したときに、7.9°、10.4°、12.0°、13.0°、13.3°
、13.8°、15.5°、15.9°、16.4°、16.8°、17.5°、19.
7°、20.1°、20.5°、20.8°、21.1°、21.8°、22.2°、2
2.7°、23.0°、23.5°、23.9°、24.2°、24.6°、25.0°
、26.0°、26.3°、26.5°、26.8°、27.8°、28.2°、28.
5°、28.8°、29.5°、30.0°、30.6°、31.0°、31.3°、3
1.7°、32.0°、33.2°、34.0°、34.2°、35.3°、35.9°
、36.7°、37.0°、37.4°、37.7°、38.2°、38.9°、及び3
9.6°(2θ度±0.2°)からなる群から選択される少なくとも3つ、又は少なくと
も4つ、又は少なくとも5つ、又は全ての2シータ値を特徴とする。
【0048】
本発明の別の実施形態では、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6
-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-
イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性三水和物形態Hは、図13のXR
PDパターンを特徴とする。
【0049】
種々の方法を用いて、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(
3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)
ピリジン-3-カルボキサミドの遊離塩基の結晶性形態(形態A、S、S、S、及
びS)及び塩酸塩の結晶性形態(形態A、B、及びH)を達成することができる。こ
のような方法は上記に記載される通りであり、そして以下に提示される実施例に記載され
る通りであり、溶媒による平衡化、室温での結晶化、熱い飽和溶液からの結晶化、及び溶
媒の添加による沈殿が含まれる。
【0050】
本発明の別の実施形態は、
(a)治療的に有効な量の、本発明の先の実施形態の1つに従うN-[4-(クロロジ
フルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル
]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又はそ
の塩酸塩の結晶性形態と、
少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、媒体又は賦形剤と
を含む医薬組成物に関する。
【0051】
好ましい実施形態では、結晶性形態は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェ
ニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾ
ール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の形態Aである。好ましくは、
組成物中に存在する結晶性形態の50%超、より好ましくは少なくとも70%、さらによ
り好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%は、選択される形態の
うちの1つである。
【0052】
以下に詳細に記載されるように、本発明の医薬組成物は、以下に適しているものを含む
、固体又は液体形態での投与のために特別に配合され得る:(1)経口投与、例えば、水
薬(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身性の吸収
を標的とする錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;(2)例えば
、無菌溶液若しくは懸濁液、又は徐放性製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内又
は硬膜外注射による非経口投与;(3)例えば、皮膚へ適用されるクリーム、軟膏、又は
制御放出パッチ若しくはスプレーとしての局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリー
ム又はフォームとしての腟内又は直腸内投与;(5)舌下投与;(6)眼内投与;(7)
経皮投与;(8)経鼻投与;(9)肺投与;又は(10)髄腔内投与。
【0053】
以上及び以下において使用される一般用語は、他に記載されない限り、本開示の文脈に
おいて、好ましくは以下の意味を有し、ここでより一般的な用語は、使用される場合はい
つも、互いに独立してより具体的な定義によって置き換えられても、又はそのままであっ
てもよく、したがって、本発明のより詳細な実施形態を定義し得る:
【0054】
「崩壊剤」という用語は、湿潤したときに錠剤を膨張及び溶解させ、消化管内で錠剤を
粉々にさせて、吸収のために活性成分を放出する物質を意味する。崩壊剤は、錠剤が水と
接触したときに、急速に分解して、溶解を促進することを保証する。崩壊剤は、架橋ポリ
ビニルピロリドン(クロスポビドン)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、例
えば、クロスカルメロースナトリウム及びデンプングリコール酸ナトリウム、好ましくは
、クロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される。
【0055】
「希釈剤」としても知られる「充填剤」という用語は、活性薬物の量が少なすぎて便利
に取り扱えない(製造及び取扱いが困難である)ので、剤形の内容物を増大させるために
錠剤及びカプセルにおいてよく使用される不活性成分を意味する。充填剤/希釈剤の例と
しては、デンプン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、サッカリンナトリウム、
アセスルファムカリウム、キシリトール、アスパルテーム、マンニトール、デンプン、P
VP(ポリビニルピロリドン)、低分子量HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、微
結晶セルロース(MCC)、低分子量HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
、低分子量カルボキシメチルセルロース、エチル-セルロース、リン酸二カルシウム、ケ
イ化微結晶セルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、アカシア、デ
キストリン、スクロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリメタクリレート、ラク
チトール、ラクトース、適切な無機カルシウム塩、スクロース、グルコース、マンニトー
ル、ケイ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。充填剤は
、錠剤製剤の全重量を基準として、重量百分率により約60%~約80%を構成する粒内
成分である。
【0056】
「流動化剤」という用語は、粉末の「流動する」能力、すなわち流動性を改善するため
に粉末に添加される物質を意味する。例としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸
ステアリルナトリウム、タルク、炭酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(二酸化ケイ素)
、シリカ、エアロゾル(コロイド状無水/コロイド状二酸化ケイ素)及びデンプン、又は
これらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
「潤滑剤」という用語は、圧縮及び排出の間に錠剤成分とダイ壁との間に中間層を挿入
することにより摩擦を減らすように作用する化合物を意味する。潤滑剤の例としては、ス
テアレート、フマル酸ステアリルナトリウム、マグネシウム塩、及びステアリン酸マグネ
シウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
「治療的に有効な量」は、それを必要としている対象に投与されたときに、Abels
onタンパク質(ABL1)、Abelson関連タンパク質(ABL2)及び関連のキ
メラタンパク質、特にBCR-ABL1のチロシンキナーゼ酵素活性の阻害によって軽減
される病状の処置をもたらすのに十分である、発明的な結晶性形態の量を意味することが
意図される。治療的に有効であり得る本発明の所与の化合物の量は、病状及びその重症度
、それを必要としている対象の同一性などの因子に応じて異なることになり、この量は、
当業者によってルーチン的に決定され得る。
【0059】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、正しい医学的判断の範囲内
で、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激作用、アレルギー応
答、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、人間及び動物の組織と接触して使用す
るのに適している化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために使用される。
【0060】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語句は、1つの臓器又は身体
の一部から別の臓器又は身体の一部への本化合物の運搬又は輸送に関与する、液体又は固
体の充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステア
リン酸カルシウム若しくは亜鉛、又はステアリン酸(steric acid))、又は
溶媒カプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物又は媒体を意味する。各担体
は、製剤の他の成分と適合性であり、且つ患者に有害でないという意味で「許容され」な
ければならない。薬学的に許容される担体としての機能を果たすことができる材料のいく
つかの例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース;(2)
デンプン、例えば、コーンスターチ及びジャガイモデンプン;(3)セルロース及びその
誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セ
ルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦
形剤、例えば、ココアバター及び坐薬ワックス;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実
油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油;(10)グリコール、例
えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール
、マンニトール及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エ
チル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウ
ム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(1
7)等張生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH
緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物;並びに(2
2)医薬品製剤において使用される他の無毒の適合性物質が挙げられる。
【0061】
湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネ
シウム、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料及び香料、防腐剤及び
酸化防止剤も、組成物中に存在することができる。
【0062】
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、(1)水溶性酸化防止剤、例えば、アス
コルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナ
トリウムなど;(2)油溶性酸化防止剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化
ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、
没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;及び(3)金属キレート剤、例えば
、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など
が挙げられる。
【0063】
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣及び/又は非
経口投与に適したものが含まれる。製剤は便利に単位剤形で提供されることがあり、薬学
分野において周知の任意の方法によって調製され得る。単一剤形を製造するために担体材
料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置されているホスト、特定の投与方法
に応じて異なり得る。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活
性成分の量は、一般に、治療効果をもたらす化合物の量となる。一般に、100パーセン
トのうち、この量は、約0.1パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセン
ト~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの活性成分
の範囲となる。
【0064】
特定の実施形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム
、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、及び高分子担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水
物からなる群から選択される賦形剤と、本発明の結晶性形態とを含む。特定の実施形態で
は、上記の製剤は、本発明の発明的な結晶性形態を経口的に生体利用可能にする。
【0065】
これらの製剤又は組成物の調製方法には、本発明の発明的な結晶性形態と、担体及び任
意選択的に、1つ又は複数の補助的成分とを関連させるステップが含まれる。一般に、製
剤は、本発明の発明的な結晶性形態と、液体担体若しくは微粉化固体担体又はその両方と
を均一及び密接に関連させ、次に必要であれば、生成物を成形することによって調製され
る。
【0066】
経口投与に適した発明の製剤は、カプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(風味付
けされた基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカントを用いる)、粉末、顆粒
の形態で、又は水性若しくは非水性液体中の溶液、懸濁液若しくは固体分散体として、又
は水中油若しくは油中水液体エマルションとして、又はエリキシル剤若しくはシロップと
して、又は香錠(不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びア
カシアを用いる)として、及び/又はマウスウォッシュなどとしての形態でよく、これら
はそれぞれ、所定量の本発明の発明的な結晶性形を活性成分として含有する。また本発明
の発明的な結晶性形態は、ボーラス、舐剤又はペーストとして投与されてもよい。
【0067】
また本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)
-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジ
ン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態を含む錠剤製剤、並びにその使
用方法にも関する。
【0068】
一実施形態では、本明細書に提供される錠剤製剤は単位剤形で配合することができ、各
剤形は、約5~約500mgのN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6
-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-
イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態を含有する。
【0069】
さらなる実施形態では、単位剤形は、10mg~200mgのN-[4-(クロロジフ
ルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]
-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸
塩の結晶性形態を含有する。
【0070】
さらなる実施形態では、単位剤形は、25mg~150mg(包括的)のN-[4-(
クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-
1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩
基又は塩酸塩の結晶性形態を含有する。
【0071】
さらなる実施形態では、単位剤形は、20mg、40mg、又は60mgのN-[4-
(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン
-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離
塩基又は塩酸塩の結晶性形態を含有する。
【0072】
別の実施形態では、本発明の錠剤製剤は、重量百分率により、10~30%のN-[4
-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジ
ン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊
離塩基又は塩酸塩の結晶性形態、60~80%の1つ又は複数の充填剤、2~10%の1
つ又は複数の崩壊剤、及び0.2~3%の1つ又は複数の流動化剤を含む。
【0073】
さらなる実施形態では、充填剤は、ラクトース、無水ラクトース、スプレー乾燥ラクト
ース、直接圧縮性デンプン、加水分解デンプン、MCC(セルロースMK GR、Avi
cel PH 101)、他のセルロース誘導体(ナトリウム-CMC XL)、二塩基
性リン酸カルシウム二水和物、ソルビトール、スクロース、脱水硫酸カルシウム及びデキ
ストロースから選択される1つ又は複数である。
【0074】
さらなる実施形態では、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、ヒ
プロメロース(低置換ヒドロキシプロピルセルロース)、架橋カルボキシメチルセルロー
スナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)及びデンプングリコール酸ナトリウムか
ら選択される1つ又は複数である。
【0075】
さらなる実施形態では、流動化剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリル
ナトリウム、炭酸マグネシウム、ヒュームドシリカ、シリカ、エアロゾル(コロイド状無
水/コロイド状二酸化ケイ素;Aerosil 200PH)及びデンプンから選択され
る1つ又は複数である。
【0076】
別の実施形態では、本発明の錠剤製剤は、粒内相、粒外相及びフィルムコーティングを
含む。
【0077】
さらなる実施形態では、粒内相は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル
]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール
-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態、ラクトー
ス、Avicel PH101、HP-Celllulose low subst_4
0UM、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸マ
グネシウムを含む。
【0078】
さらなる実施形態では、粒外相は、ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-
CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0079】
さらなる実施形態では、本発明の錠剤製剤は、フィルムコートすることができる。
【0080】
さらなる実施形態では、フィルムコーティングは1つ又は複数のフィルム形成物質を含
むことができ、さらに可塑剤、潤滑剤、着色剤及び/又は顔料などの物質を含むことがで
きる。
【0081】
さらなる実施形態では、フィルムコーティングは、精製水と、白、黄、赤及び黒から選
択される1つ又は複数のコーティングプレミックスの混合物とを含む。
【0082】
別の実施形態では、粒内相は、重量百分率により、22%のN-[4-(クロロジフル
オロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-
5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態
A、33%のラクトース、17%のAvicel PH101、5%のHP-Celll
ulose low subst_40UM、2%のナトリウム-CMC XL、0.2
5%のAerosil 200PH、及び0.50%のステアリン酸マグネシウムを含有
する。
【0083】
さらなる実施形態では、粒外相は、重量百分率により、10%のラクトース、6%のセ
ルロースMK GR、3%のナトリウム-CMC XL、0.25%のAerosil
200PH、及び1%のステアリン酸マグネシウムを含有する。
【0084】
さらなる実施形態では、フィルムコーティングは、重量百分率により、4.83%のコ
ーティングプレミックス白、0.16%のコーティングプレミックス黄、0.008%の
コーティングプレミックス赤及び85%の精製水を含有する。
【0085】
さらなる実施形態では、フィルムコーティングは、重量百分率により、7.96%のコ
ーティングプレミックス白、0.019%のコーティングプレミックス赤、0.024%
のコーティングプレミックス黒及び85%の精製水を含有する。
【0086】
さらなる実施形態では、錠剤製剤は、粒内相、粒外相及びフィルムコーティングを含み
、ここで、前記粒内相は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[
(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル
)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、ラクトース、Avicel P
H101、HP-Celllulose low subst_40UM、ナトリウム-
CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸マグネシウムを含み、前
記粒外相は、ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-CMC XL、Aero
sil 200PH、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ前記フィルムコーティ
ングは、1つ又は複数のフィルム形成物質を含むことができ、さらに可塑剤、腸の潤滑剤
、着色剤及び/又は顔料などの物質を含むことができる。
【0087】
さらなる実施形態では、錠剤製剤は、粒内相、粒外相及びフィルムコーティングを含み
、ここで、前記粒内相は、重量百分率により、約22%のN-[4-(クロロジフルオロ
メトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-
(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、
約33%のラクトース、約17%のAvicel PH 101、約5%のHP-Cel
llulose low subst_40UM、約2%のナトリウム-CMC XL、
約0.25%のAerosil 200PH、及び約0.50%のステアリン酸マグネシ
ウムを含む。
【0088】
さらなる実施形態では、粒外相は、重量百分率により、約10%のラクトース、約6%
のセルロースMK GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAero
sil 200PH、約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つフィルムコーテ
ィングは、重量百分率により、約4.83%のコーティングプレミックス白、約0.16
%のコーティングプレミックス黄、約0.008%のコーティングプレミックス赤及び約
85%の精製水を含有する。
【0089】
別の実施形態では、粒外相は、重量百分率により、約10%のラクトース、約6%のセ
ルロースMK GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosi
l 200PH、約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つフィルムコーティン
グは、重量百分率により、約7.96%のコーティングプレミックス白、約0.019%
のコーティングプレミックス赤、約0.024%のコーティングプレミックス黒及び約8
5%の精製水を含有する。
【0090】
また本発明は、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)
-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジ
ン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態を含む錠剤を製造するためのプ
ロセス(方法)にも関し、ここで、本プロセスは、
(a)粒内相成分:N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3
R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピ
リジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、Avicel PH101、HP-
Celllulose low subst_40UM、ナトリウム-CMC XL、A
erosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(b)ステップ(a)からのブレンドした成分をふるいにかけ、ブレンドし、ローラー
圧縮し、製粉するステップと、
(c)粒外相成分:ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-CMC XL、
Aerosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(d)ステップ(c)からの成分をふるいにかけるステップと、
(e)ステップ(b)及びステップ(d)からの成分をブレンドするステップと、
(f)ステップ(e)の成分を錠剤に圧縮して、前記錠剤を脱塵するステップと、
(g)精製水と、白、黄、赤及び黒から選択される1つ又は複数のコーティングプレミ
ックスの混合物とを含むフィルムコーティングの懸濁液を形成するステップと、
(h)ステップ(f)の脱塵した錠剤をフィルムコートするステップと
を含む。
【0091】
本発明の別の態様は、ABL1/BCR-ABL1媒介性障害を処置する方法であって
、このような処置を必要としている対象に、治療的に有効な量の、本発明の先の実施形態
の1つに従うN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3
-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-
3-カルボキサミド遊離塩基又はその塩酸塩の結晶性形態を投与するステップを含む方法
に関する。好ましい実施形態では、結晶性形態は、N-[4-(クロロジフルオロメトキ
シ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H
-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの塩酸塩の形態Aである。好ま
しくは、投与される結晶性形態の50%超、より好ましくは少なくとも70%、さらによ
り好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%は、発明的な形態のう
ちの1つである。上記のように、実例となる投与方法には、経口、経鼻、非経口、局所、
経皮、及び直腸が含まれる。結晶性形態の投与は、本発明の医薬組成物の投与によって、
又は任意の他の有効な手段を介して達成され得る。
【0092】
本発明の特定の実施形態は、ここで、以下の実施例を参照することにより実証されるで
あろう。これらの実施例が単に本発明を説明するために開示されており、決して本発明の
範囲を限定すると解釈されてはならないことは理解されるべきである。
【実施例0093】
一般的な試験条件
以下の手順を各試験条件下で使用した。
【0094】
25℃における溶媒による平衡化
25℃における平衡化のために、25℃±0.5においてEppendorfシェーカ
ー内で約50mgの原薬を1mlの溶媒により少なくとも1週間及び約4週間平衡化した
。溶液をろ過し、空中で10分間乾燥させた。固体部分をXRPD(X線粉末回折)で調
べた。XRPDからの情報が変化を評価するのに不十分であれば、TG及びNMRによる
付加的な調査を実施した。
【0095】
50℃における溶媒による平衡化
50℃における溶媒による平衡化のために、50℃±0.1においてEppendor
fシェーカー内で約50mgの原薬を1mlの溶媒により2日間平衡化した。ろ液を上記
のように調べた。
【0096】
25℃における結晶化
平衡化と組み合わせて、重量測定により溶解度が決定された場合は、残渣をその多形形
態について検査した。
【0097】
熱い飽和溶液からの結晶化
熱い飽和溶液からの結晶化のために、約300mgの原薬を60℃の最少量の溶媒に溶
解させ、熱時ろ過した。残存する結晶は見られなかった。溶液を氷浴に入れ、攪拌した。
沈殿物をフィルタ上に集め、乾燥させ、平衡化実施例において記載したように調べた。
【0098】
溶媒の添加による沈殿
溶媒の添加による沈殿のために、原薬を溶解度の高い溶媒中に溶解させ、物質が非常に
溶けにくい溶媒を添加した。平衡化実施例において記載したように沈殿物を処理した。
【0099】
X線回折
本明細書に記載されるX線粉末回折(XRPD)パターンは、CuKα放射線を用いて
Bruker D8 Advance回折計において記録した。2°~40°(2-シー
タ)の間でXRPDパターンを記録した。
【0100】
当業者は、XRPDパターンが使用される測定条件に依存する測定誤差と共に獲得され
得ることを認識するであろう。特に、XRPDパターンの強度は、使用される測定条件に
応じて変動し得ることが一般的に知られている。さらに、相対強度も使用される実験条件
及びX線放射線の波長に応じて異なり得ることが理解されるべきである。試料とリファレ
ンスとの間の2-シータ-回折角の一致は、同じ結晶形態では0.2°以内であり、この
ような測定誤差の度合いは、上記の回折角に付随すると考慮されるべきである。その結果
として、本発明の結晶形態は、本明細書に開示される添付図面に記載されるXRPDパタ
ーンと完全に同一であるX線回折パターンを提供する結晶形態に限定されないことが理解
されるべきである。添付図面に開示されるものと実質的に同一であるXRPDパターンを
提供するあらゆる結晶形態が本発明の範囲内に含まれる。XRPDパターンの実質的な同
一性を確認する能力は当業者の範囲内である。
【0101】
熱重量測定法
結晶性形態を試験するために使用したTGA機器は、TA Q5000であった。10
~20ミリグラムのサンプルを、30℃~約300℃の温度範囲において20℃/分の加
熱速度で分析した。
【0102】
示差走査熱量測定(DSC)
結晶性形態を試験するために使用したDSC機器は、Mettler DSC1又はP
erkin Elmer Diamondであった。30mL/分の窒素流の下で30℃
~300℃の温度範囲において10℃/分で加熱するように機器をプログラムした。
【0103】
実施例1
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド遊離塩基の形態Aの調製
出発材料のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3
-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-
3-カルボキサミドは、国際公開第2013/171639A1号パンフレットの実施例
9に従って調製される。出発材料をメタノール中に懸濁させ、30℃に加熱して溶液を得
る。水を添加し、遊離塩基を結晶化させる。懸濁液を10℃に冷却し、ろ過及び乾燥によ
り遊離塩基の結晶形態Aを単離する。
【0104】
遊離塩基の結晶形態AのXRPDパターンは図1に示される。遊離塩基の形態Aの示差
走査熱量測定曲線は、図2に示されるように、約194℃における融解の開始と、それに
続く約198℃におけるピークとを示した。図3は、遊離塩基の結晶形態Aの熱重量プロ
ットを示す。100Kにおける遊離塩基の結晶形態Aの単結晶データは次の通りである:
分子式: C2018ClF
分子量: 449.84
空間対称性 単斜晶系
空間群 C2
セル容積(Å) 2001.0(8)
結晶密度(g/cm) 1.493
a(Å) 14.422(3)
b(Å) 9.368(2)
c(Å) 14.989(4)
ベータ(°) 98.853(12)
z 4
【0105】
実施例2
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド遊離塩基の形態Sの調製
50℃のメタノール中での遊離塩基の結晶形態Aの平衡化と、60℃のメタノール中の
遊離塩基の結晶形態Aの熱い飽和溶液からの結晶化とにより、遊離塩基のメタノール溶媒
和物形態Sを得た。遊離塩基の結晶形態SのXRPDパターンは、図4に示される。
【0106】
実施例3
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド遊離塩基の形態Sの調製
25℃(1及び4週間)及び50℃の1-プロパノール中での遊離塩基の結晶形態Aの
平衡化と、25℃での、及び1-プロパノール中の60℃の熱い飽和溶液での結晶化とに
より、遊離塩基の1-プロパノール溶媒和物形態Sを得た。遊離塩基の結晶形態S
XRPDパターンは、図5に示される。
【0107】
実施例4
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド遊離塩基の形態Sの調製
50℃のエタノール中での遊離塩基の結晶形態Aの平衡化と、エタノール中の60℃の
熱い飽和溶液からの結晶化とにより、遊離塩基のエタノール溶媒和物形態Sを得た。遊
離塩基の結晶形態SのXRPDパターンは、図6に示される。
【0108】
実施例5
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド遊離塩基の形態Sの調製
アセトン及び水中の遊離塩基の結晶形態Aの溶媒の添加による沈殿により、遊離塩基の
アセトン溶媒和物形態Sを得た。遊離塩基の結晶形態SのXRPDパターンは、図7
に示される。
【0109】
実施例6
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の形態Aの調製
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド遊離塩基の結晶形態Aをメタノール中に懸濁させ、塩酸を添加する。懸濁液を加
熱して、溶液を得る。tert-ブチルメチルエーテル(TBME)を添加して、塩酸塩
の結晶形態Aを形成する。懸濁液を冷却し、ろ過によって塩酸塩の結晶形態Aを単離し、
乾燥させる。
【0110】
或いは、塩酸塩の結晶形態Aは、以下の条件下で単離することもできる:
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド(1wt)を35℃のメタノール(8wt)中に溶解する。この溶液に塩酸(1.
15eq)を添加して、塩酸塩の結晶形態Aを形成する。溶液を50℃に加熱する。te
rt-ブチルメチルエーテル(TBME)(5wt)を35分かけて添加する。TBME
(0.01vol)中でスラリー化した塩酸塩の結晶形態A(0.0009wt)の種を
用いて溶液に種入れする。懸濁液を135分間エージングする。TBME(9.25wt
)を1.5時間かけて添加する。スラリーを3時間かけてIT=0℃まで冷却し、0℃に
保持する。その後、スラリーをろ過し、ケーキをメタノール:TBME1:9w/w(2
V)で洗浄してから、TBME(2V)で洗浄する。ウェットケーキを50℃で24時間
、真空下で乾燥させる。
【0111】
塩酸塩の結晶形態AのXRPDパターンは、図8に示される。塩酸塩の形態Aの示差走
査熱量測定曲線は、図9に示されるように、約90℃における吸熱事象を示す。図10
、塩酸塩の結晶形態Aの熱重量プロットを示す。100Kにおける塩酸塩の結晶形態Aの
単結晶データは次の通りである:
空間対称性 三斜晶系
空間群 P1
セル容積(Å) 1053.6(6)
結晶密度(g/cm) 1.533
a(Å) 8.203(3)
b(Å) 11.116(3)
c(Å) 12.627(4)
ベータ(°) 97.711(12)
Z 2
【0112】
298Kにおける塩酸塩の結晶形態Aの単結晶データは次の通りである:
空間対称性 三斜晶系
空間群 P1
セル容積(Å) 1082.9(6)
結晶密度(g/cm) 1.491
a(Å) 8.245(3)
b(Å) 11.352(4)
c(Å) 12.697(4)
ベータ(°) 97.289(18)
Z 2
【0113】
実施例7
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の形態Aの種結晶の調製
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキ
シピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボ
キサミド遊離塩基の結晶形態A及び塩酸をイソプロパノール中に溶解させ、固体が完全に
溶解するまで加熱する。透明溶液をRTにおいて平衡化させ、自発的な結晶化を観察する
。固体材料を単離し、乾燥させ、XRPD、NMR及びHPLCにより分析する。
【0114】
実施例8
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の形態Bの調製
塩酸塩の結晶形態A及びBは、エナンチオトロピー的に関連する。加熱されると、N-
[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロ
リジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミ
ド塩酸塩の結晶形態Aは、自然に形態Bに転換する。分解が起こらなければ(分解は24
0℃超で観察される)、現象は完全に可逆的である。形態Bは、周囲条件で自然に転換し
て形態Aに戻る。転移温度を正確に決定することはできなかったが、65℃~90℃の範
囲が画定されている。塩酸塩の結晶形態Aは、この転移温度よりも低温で熱力学的に安定
な形態であり、結晶形態Bは、それよりも高温で好まれる形態である。
【0115】
塩酸塩の結晶形態BのXRPDパターンは、図11に示される。塩酸塩の結晶形態A及
びBのXRPDパターンの重ね合わせは、図12に示される。363Kにおける塩酸塩の
結晶形態Bの単結晶データは次の通りである:
空間対称性 三斜晶系
空間群 P1
セル容積(Å) 1114.6(15)
結晶密度(g/cm) 1.449
a(Å) 9.957(8)
b(Å) 10.461(8)
c(Å) 11.146(8)
ベータ(°) 75.71(5)
Z 2
【0116】
実施例9
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の形態A及びBの熱力学的安定性
熱的研究の間に、形態Bは300℃まで加熱されると融解する前に分解することが分か
ったので、塩酸塩の結晶形態A及びBの融点はいずれも決定できなかった。
【0117】
加熱速度が転移温度に与える影響は、-20℃から200℃まで、そして-20℃に戻
るまでの40、20、10、5、1及び0.5℃/分の種々の速度の加熱及び冷却サイク
ルによって評価した。これらの測定の全てについて、密封して閉じた金るつぼを使用した
【0118】
各実験(異なる加熱速度)のために、新しいサンプルを調製した。観察された転移温度
は、表3に記載される。
【0119】
【表3】
【0120】
形態A及びBは、その対応するXRPDパターン及び熱パラメーターによって同定及び
確認される。
【0121】
実施例10
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の形態Hの調製
水中で平衡化される場合、pHに応じて、塩酸塩の結晶形態Aは不均衡になりやすく(
pH>3.5)、遊離塩基の結晶形態Aとして再結晶して安定性を保つか、又は三水和物
に転換している(pH1)。遊離塩基の結晶形態HのXRPDパターンは、図13
に示される。
【0122】
実施例11
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の結晶性形態Aを含む錠剤製剤
即時放出特性及び許容されるサイズと共に合理的な用量強度、好ましい溶解プロファイ
ル、並びに経済的な製造プロセスを可能にする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ
)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-
ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの適切な製剤を開発するために、
いくつかの試みを行った。N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[
(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル
)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶形態Aのフィルムコート錠剤は、薬物開発
のために有利な薬理学的特性を示すことが発見された。
【0123】
【表4】
【0124】
実施例12
N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシ
ピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキ
サミド塩酸塩の結晶形態Aを含むフィルムコート錠剤の製造プロセス
以下に記載されるプロセスは、異なるバッチサイズ及び/又は装置特性を補償するよう
に同じ基本製造ステップを保持しながら、及び/又は経験に基づいて合理的に調整され得
る。
【0125】
コア錠剤の製造は、標準的な混合ステップ、ふるい分けステップ、乾燥造粒ステップ、
錠剤化ステップ及びフィルムコーティングステップからなる。手順は以下の通りである:
【0126】
ステップ1:適切な容器内へ内相の全ての成分を以下の順序で混合した:ラクトース、
化合物1、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH、HP-Celll
ulose low subst_40UM及びAvicel PH101。混合物を拡
散ミキサー内でブレンドした。
【0127】
ステップ2:0.800mmの手ふるい(hand sieve)を取り付けたスクリ
ーニングミル又は振動ミルを用いて、ステップ1からのブレンドをスクリーニングした。
拡散ミキサー内で、混合物をさらにステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0128】
ステップ3:ローラー圧縮機を用いてステップ2からのブレンドを圧縮し、0.8mm
のスクリーンを取り付けたスクリーニングミルを用いて製粉する。
【0129】
ステップ4:0.800mmの手ふるいを取り付けたスクリーニングミル又は振動ミル
を用いてスクリーニングした後、外相賦形剤を以下の順序で適切なブレンド容器(ble
nding bin)に入れた:ラクトース、ナトリウム-CMC XL、Aerosi
l 200PH及びセルロースMK GR。拡散ミキサー内でこの混合物をステップ3か
らのブレンドとブレンドした。
【0130】
ステップ5:拡散ミキサー内で、ステップ4からのブレンドからの混合物をさらにステ
アリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0131】
ステップ6:ロータリー打錠機を用いて、ステップ5からの混合物を錠剤に圧縮した。
コア錠剤を脱塵し、金属について検査した。
【0132】
ステップ7:孔あきパンコーターにおいて、コーティングプレミックス及び精製水を混
合して、ステップ6の脱塵した錠剤をフィルムコートするために使用されるコーティング
懸濁液を形成した。
【0133】
このプロセスの説明は、図14に見られる。
【0134】
実施例13
薬物動態学的研究
ヒトにおける食効予測を実証するために、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フ
ェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラ
ゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの固体非晶質分散体のカプセル製剤、
及びN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロ
キシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カル
ボキサミドの結晶性形態Aのカプセル製剤を用いて、イヌの研究を行った。固体分散体製
剤及び結晶性製剤の薬物動態パラメーター平均±SDは、投与の前に一晩絶食させ、給餌
が吸収に与える影響を観察するために投与後2時間絶食及び給餌状態にした150mg用
量の経口投与に従う群ごとにイヌモデルの血漿において評価した(n=3)。投与前、並
びに投与の0.25、0.5、1、2、4、8、24、30、及び48時間後に、各動物
からいくつかの血液サンプルを採取した。
【0135】
【表5】
【0136】
食効は製剤に依存する。以下の観察を行った:
1.結晶性製剤については、食事なしの場合と比較して食事ありの場合に、投与後に13
3%(AUCinf、26100対11200ng・h/mL)の曝露の増大があった(
正の食効)。
2.固体分散体製剤については、食事なしの場合と比較して食事ありの場合に、投与後
に22.5%(AUCinf、41400対32100ng・h/mL)の曝露の減少が
あった(負の食効)。
3.絶食条件下では、結晶性製剤と比較して固体分散体製剤を用いると、3.7倍高い
曝露(AUCinf、41400対11200ng・h/mL)があった。
【0137】
実施例14
薬物動態学的研究
ヒトにおける食効予測を実証するために、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フ
ェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラ
ゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aの製剤を用いて
、イヌの研究を行った。製剤の薬物動態パラメーター平均±SDは、約18時間絶食させ
、給餌が吸収に与える影響を観察するために投与の2時間後に給餌した150mgの経口
投与に従うイヌモデルの血漿において評価した(n=3)。投与前、並びに投与の0.2
5、0.5、1、2、4、8、24、30、及び48時間後に、各動物からいくつかの血
液サンプルを採取した。
【0138】
【表6】
【0139】
以下の観察を行った:
1.食事なしで摂取した固体分散体製剤と比較して、塩酸塩製剤の場合に1.6倍高い曝
露(AUCinf、51800対32000ng・h/mL)があった。
2.塩酸塩製剤及び固体分散体製剤は、ヒトにおいて同等の生物学的利用能を提供するこ
とが予想される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
本発明の特定の実施形態は、ここで、以下の実施例を参照することにより実証されるであろう。これらの実施例が単に本発明を説明するために開示されており、決して本発明の範囲を限定すると解釈されてはならないことは理解されるべきである。

本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A。
2.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.6±0.2°、18.9±0.2°及び20.9±0.2°の2-シータ角での反射を含む、上記1に記載の結晶性形態。
3.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.6±0.2°、17.0±0.2°、18.9±0.2°、20.9±0.2°及び32.5±0.2°の2-シータ角での反射を含む、上記1又は2に記載の結晶性形態。
4.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、8.5°±0.2°、9.5°±0.2°、11.8°±0.2°、12.3°±0.2°、12.6°±0.2°、13.9°±0.2°、14.8°±0.2°、15.9°±0.2°、16.5°±0.2°、17.0°±0.2°、17.6°±0.2°、18.9°±0.2°、19.1°±0.2°、19.8°±0.2°、20.4°±0.2°、20.9°±0.2°、21.2°±0.2°、22.4°±0.2°、22.7°±0.2°、23.9°±0.2°、24.3°±0.2°、24.8°±0.2°、25.0°±0.2°、25.9°±0.2°、26.8°±0.2°、27.0°±0.2°、28.3°±0.2°、28.6°±0.2°、28.9°±0.2°、29.8°±0.2°、30.5°±0.2°、31.3°±0.2°、31.5°±0.2°、31.8°±0.2°、32.1°±0.2°、32.5°±0.2°、32.9°±0.2°、33.6°±0.2°、34.0°±0.2°、34.6°±0.2°、35.0°±0.2°、35.6°±0.2°、36.3°±0.2°及び38.8°±0.2°からなる群から選択される3つ、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A。
5.図8に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A。
6.2℃/分の加熱速度で測定したときに、90℃の開始温度を有する吸熱ピークを含む示差走査熱量測定曲線を有することを特徴とする、上記1~5のいずれかに記載の結晶性形態。
7.30℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱したときに、結晶性形態の重量を基準として3.3重量%以下の質量損失を示す熱重量分析曲線を有することを特徴とする、上記1~5のいずれかに記載の結晶性形態。
8.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態B。
9.図11に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態B。
10.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態H
11.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、10.4±0.2°、21.8±0.2°及び30.6±0.2°の2-シータ角での反射を含む、上記10に記載の結晶性形態。
12.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、10.4±0.2°、12.0±0.2°、16.8±0.2°、21.8±0.2°及び30.6±0.2の2-シータ角での反射を含む、上記10に記載の結晶性形態。
13.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、7.9°±0.2°、10.4°±0.2°、12.0°±0.2°、13.0°±0.2°、13.3°±0.2°、13.8°±0.2°、15.5°±0.2°、15.9°±0.2°、16.4°±0.2°、16.8°±0.2°、17.5°±0.2°、19.7°±0.2°、20.1°±0.2°、20.5°±0.2°、20.8°±0.2°、21.1°±0.2°、21.8°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、23.0°±0.2°、23.5°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、24.6°±0.2°、25.0°±0.2°、26.0°±0.2°、26.3°±0.2°、26.5°±0.2°、26.8°±0.2°、27.8°±0.2°、28.2°±0.2°、28.5°±0.2°、28.8°±0.2°、29.5°±0.2°、30.0°±0.2°、30.6°±0.2°、31.0°±0.2°、31.3°±0.2°、31.7°±0.2°、32.0°±0.2°、33.2°±0.2°、34.0°±0.2°、34.2°±0.2°、35.3°±0.2°、35.9°±0.2°、36.7°±0.2°、37.0°±0.2°、37.4°±0.2°、37.7°±0.2°、38.2°±0.2°、28.9°±0.2°及び39.6°±0.2°からなる群から選択される3つ、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態H
14.図13に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態H
15.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態A。
16.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.7±0.2°、18.9±0.2°及び20.8±0.2°の2-シータ角での反射を含む、上記15に記載の結晶性形態。
17.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、12.7±0.2°、15.3±0.2°、18.9±0.2°、20.8±0.2°及び25.0±0.2°の2-シータ角での反射を含む、上記15又は16に記載の結晶性形態。
18.0.1541Åの波長を有するCu-Kアルファ 1,2 放射線を用いて20~25℃の範囲の温度で測定したときに、X線粉末回折パターンが、5.8°±0.2°、11.3°±0.2°、11.6°±0.2°、12.2°±0.2°、12.7°±0.2°、13.2°±0.2°、14.7°±0.2°、15.3°±0.2°、17.0°±0.2°、17.4°±0.2°、18.6°±0.2°、18.9°±0.2°、19.4°±0.2°、19.8°±0.2°、20.8°±0.2°、21.8°±0.2°、22.2°±0.2°、22.7°±0.2°、23.4°±0.2°、24.0°±0.2°、24.5°±0.2°、25.0°±0.2°、25.5°±0.2°、26.7°±0.2°、27.1°±0.2°、27.7°±0.2°、28.7°±0.2°、29.3°±0.2°、29.6°±0.2°、30.2°±0.2°、31.2°±0.2°、32.0°±0.2°、32.3°±0.2°、32.8°±0.2°、33.7°±0.2°、34.5°±0.2°、35.3°±0.2°、37.0°±0.2°、38.4°±0.2°、及び38.6°±0.2°からなる群から選択される3つ、4つ、5つ又はそれ以上の2シータ値を含む、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態A。
19.図1に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態A。
20.5℃/分の加熱速度で測定したときに、194℃の開始温度を有する吸熱ピークを含む示差走査熱量測定曲線を有することを特徴とする、上記15~19のいずれかに記載の結晶性形態。
21.30℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱したときに、結晶性形態の重量を基準として0.3重量%以下の質量損失を示す熱重量分析曲線を有することを特徴とする、上記15~19のいずれかに記載の結晶性形態。
22.図4に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
23.図5に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
24.図6に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
25.図7に示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶性形態S
26.上記1~25に記載の結晶性形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
27.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを調製するためのプロセスであって、
(a)塩酸及び適切なアルコール溶媒の混合物中に、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドを溶解させることと、
(b)前記混合物にtert-ブチルメチルエーテルを添加することと、任意選択的に
(c)N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを単離することと
を含むプロセス。
28.(a)治療的に有効な量の、上記1~25のいずれかに記載のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態と、
(b)少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、媒体又は賦形剤と
を含む医薬組成物。
29.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態Aである、上記28に記載の医薬組成物。
30.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態Bである、上記28に記載の医薬組成物。
31.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の形態H である、上記28に記載の医薬組成物。
32.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態Aである、上記28に記載の医薬組成物。
33.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態S である、上記28に記載の医薬組成物。
34.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態S である、上記28に記載の医薬組成物。
35.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態S である、上記28に記載の医薬組成物。
36.前記結晶性形態が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態S である、上記28に記載の医薬組成物。
37.N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含む錠剤製剤。
38.前記錠剤を単位剤形で配合することができ、各剤形が、約5~約500mgの活性成分を含有する、上記37に記載の錠剤製剤。
39.前記単位剤形が、10mg~200mg(包括的)のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含有する、上記38に記載の錠剤。
40.前記単位剤形が、25mg~150mg(包括的)のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含有する、上記38に記載の錠剤。
41.前記単位剤形が、20mg、40mg、又は60mgのN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aを含有する、上記38に記載の錠剤。
42.重量百分率により、10~30%のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態Aと、60~80%の1つ又は複数の充填剤と、2~10%の1つ又は複数の崩壊剤と、0.2~3%の1つ又は複数の流動化剤とをさらに含む、上記37に記載の錠剤製剤。
43.粒内相、粒外相及びフィルムコーティングをさらに含み、前記粒内相が、N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、ラクトース、Avicel PH101、HP-Celllulose
low subst_40UM、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸マグネシウムを含み、前記粒外相が、ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH、及びステアリン酸マグネシウムを含み、且つ、前記フィルムコーティングが1つ又は複数のフィルム形成物質を含むことができ、さらに可塑剤、腸の潤滑剤、着色剤及び/又は顔料などの物質を含むことができる、上記37に記載の錠剤製剤。
44.粒内相、粒外相及びフィルムコーティングをさらに含み、前記粒内相が、重量百分率により、約22%のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、約33%のラクトース、約18%のAvicel PH101、約5%のHP-Celllulose low subst_40UM、約2%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200PH、及び約0.5%のステアリン酸マグネシウムを含む、上記37に記載の錠剤製剤。
45.前記粒外相が、重量百分率により、約10%のラクトース、約5.6%のセルロースMK GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200PH、及び約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つ、前記フィルムコーティングが、重量百分率により、約4.8%のコーティングプレミックス白、約0.16%のコーティングプレミックス黄、及び約0.008%のコーティングプレミックス赤を含有する、上記44に記載の錠剤製剤。
46.前記粒外相が、重量百分率により、約10%のラクトース、約5.6%のセルロースMK GR、約3%のナトリウム-CMC XL、約0.25%のAerosil 200PH、及び約1%のステアリン酸マグネシウムを含有し、且つ、前記フィルムコーティングが、重量百分率により、約8%のコーティングプレミックス白、約0.02%のコーティングプレミックス赤、及び約0.02%のコーティングプレミックス黒を含有する、上記44に記載の錠剤製剤。
47.上記37に記載の錠剤製剤を製造するためのプロセスであって、
(a)粒内相成分:N-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩の結晶性形態A、Avicel PH101、HP-Celllulose low subst_40UM、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(b)前記ステップ(a)からのブレンドした成分をふるいにかけ、ブレンドし、ローラー圧縮し、製粉するステップと、
(c)粒外相成分:ラクトース、セルロースMK GR、ナトリウム-CMC XL、Aerosil 200PH及びステアリン酸マグネシウムをブレンドするステップと、
(d)前記ステップ(c)からの成分をふるいにかけるステップと、
(e)前記ステップ(b)及びステップ(d)からの成分をブレンドするステップと、
(f)前記ステップ(e)の成分を錠剤に圧縮して、前記錠剤を脱塵するステップと、
(g)精製水と、白、黄、赤及び黒から選択される1つ又は複数のコーティングプレミックスの混合物とを含むフィルムコーティングの懸濁液を形成するステップと、
(h)前記ステップ(f)の脱塵した錠剤をフィルムコートするステップと
を含むプロセス。
48.ABL1/BCR-ABL1媒介性障害を処置するための方法であって、このような処置を必要としている患者に、上記1~25のいずれかに記載の有効量のN-[4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル]-6-[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-カルボキサミド遊離塩基又は塩酸塩の結晶性形態を投与することを含む方法。
【外国語明細書】