(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095705
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】クレードル
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240703BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20240703BHJP
H04M 1/12 20060101ALI20240703BHJP
G01S 7/38 20060101ALI20240703BHJP
G01S 7/03 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B60R11/02 T
H04M1/11 C
H04M1/12 D
G01S7/38
G01S7/03 240
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049044
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2022123149の分割
【原出願日】2012-12-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(71)【出願人】
【識別番号】508320239
【氏名又は名称】株式会社ユピテル鹿児島
(72)【発明者】
【氏名】時任 康広
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 祐介
(72)【発明者】
【氏名】福田 稔
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆行
(72)【発明者】
【氏名】高浜 忍
【テーマコード(参考)】
3D020
5J070
5K023
【Fターム(参考)】
3D020BA07
3D020BA10
3D020BC01
3D020BD02
5J070AA02
5J070AF03
5K023AA07
5K023AA09
5K023DD06
5K023KK01
5K023KK10
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP12
5K023PP16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な大きさの携帯機器を確実性高く保持できる車載機器を提供する。
【解決手段】車両に取り付けられると共に、乗員側に面する姿勢で携帯機器を保持可能なレーダークレードル1は、携帯機器に下側から当接する支持面15sを含むホルダー15と、携帯機器に外周側から当接する一対のガイドローラー130と、を備え、一対のガイドローラー130は、間隔を変更可能であり、各ガイドローラー130は、支持面15sからの高さを変更可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【請求項2】
車両側からの給電を受ける機能と、保持される前記スマートフォンへの給電を行う機能を備える請求項1に記載のスマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【請求項3】
筐体と、前記筐体内に収容されるGPS受信部を備え、
GPS受信部によって受信した信号に基づいて警報を行う機能を備える
請求項1または2に記載のスマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【請求項4】
スイッチを備え、前記スイッチへの操作に応じて、GPS機能を含む機能が動作する動作モードと、GPS機能が非動作の動作モードと変更する機能を備える
請求項1から3のいずれかに記載のスマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【請求項5】
カードスロットを備え、
カードスロットに挿入されたメモリカードからデータを制御部が読み込んで所定の処理を行う機能を備える
請求項1から4のいずれかに記載のスマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【請求項6】
前記スマートフォンの載置面とは反対側の面にスピーカー孔を備える
請求項1から5のいずれかに記載のスマートフォンを保持可能なレーダー探知機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の携帯機器を保持可能な車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話等の携帯機器を保持する機能を有し、車両のダッシュボード等に取り付けられる車載機器が各種提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。このような車載機器を利用し、運転者側から見易い位置に携帯電話をセットできれば、着信の確認やハンズフリーフォンの利用などが容易になって非常に便利である。
【0003】
一方、携帯電話は、近年、多機能携帯電話と定義されるスマートフォンが主流になりつつある。スマートフォン用のアプリケーションとしては、ナビゲーションなど車載用に特化したアプリケーションも提供されている。運転者側から見易い位置にスマートフォンをセットできれば、運転支援のための非常に有効なツールとなり得る。
【0004】
スマートフォン内部の比較的大規模な電気回路や、その表示画面を保護するガラスプレート等は、落下に応じて壊れやすく割れやすい。また、専用機である車載ナビゲーション装置に比べれば大きいとは言えないスマートフォンの表示画面は、細かい地図の表示に最適とは言えない。このようなことから、運転者側から見易い位置にスマートフォン等の携帯機器をセットするための車載機器が希求されている。
【0005】
しかしながら、携帯機器の保持機能を備える従来の車載機器では、次のような問題がある。特許文献1の車載機器によれば、携帯機器を確実に保持できる一方、保持可能な携帯機器が予め定められていて汎用性がなく、様々な携帯機器を保持できない。
特許文献2の車載機器では、携帯機器を水平方向に挟み込む部材が可動し、挟み込み幅を変更できるので汎用性が向上しているものの、2点で挟み込むだけでは落下等の心配がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8-186632号公報
【特許文献2】特開2007-314089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、様々な大きさの携帯機器を確実性高く保持できる車載機器を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に取り付けられると共に、乗員側に面する姿勢で携帯機器を保持可能な車載機器であって、
保持される携帯機器に下側から当接する支持面を含む支持部と、
保持される携帯機器に外周側から当接する一対のガイド部と、を備え、
前記一対のガイド部は、ガイド部間の間隔を変更可能であり、
前記一対のガイド部をなす各ガイド部は、前記支持面からの高さを変更可能である車載機器にある。
【0009】
本発明の車載機器は、保持される携帯機器に下側から当接する前記支持部のほか、携帯機器に外周側から当接する一対のガイド部を備えている。この車載機器によれば、前記一対のガイド部が幅方向(水平方向)両側から挟み込むと共に前記支持部が下側から支持する保持姿勢、あるいは前記支持部と前記各ガイド部とが高さ方向に挟持する保持姿勢で、携帯機器を保持できる。いずれの保持姿勢でも、前記支持部と前記一対のガイド部とによる少なくとも3点以上で携帯機器を支持できるため、2点支持の場合と比べて確実に携帯端末を保持できる。
【0010】
この車載機器においては、前記一対のガイド部は、他方のガイド部との間隔を変更可能であり、前記各ガイド部は、前記支持面からの高さを変更可能である。したがって、本発明の車載機器によれば、保持される際の水平方向の寸法が前記一対のガイド部の間隔の変更範囲に属しているか、あるいは、保持される際の高さ方向の寸法が前記各ガイド面の前記支持面からの高さの変更範囲に属している様々な大きさの携帯機器を保持可能である。
【0011】
以上のように、本発明の車載機器は、様々な大きさの携帯機器を確実性高く保持できる汎用性の高い車載機器である。
【0012】
本発明における携帯機器としては、通話機能がメインの携帯電話や、スマートフォンと称呼される多機能携帯電話や、音楽プレーヤーや、携帯ゲーム機や、小型タブレット型のPCや、電子ブックリーダーや、携帯情報端末(PDA)等がある。
本発明において、乗員側に面する姿勢としては、例えば、必ずしも乗員に正対する姿勢である必要はないが、乗員に正対する姿勢とすると特に良い。また「乗員側」は広く捉えてもかまわない。例えば車両の後方側を乗員側として捉えても良い。しかし、特に「乗員側」は乗員自身の側とすると良い。面するとは、例えば、携帯機器の一部が面していれば良いが、特に、携帯機器が保持される際の乗員側に面する姿勢としては、携帯機器の表示画面が乗員側から視認できたり、携帯機器の操作ボタン等が乗員側から操作可能な姿勢とすると特に良い。
本発明における支持面とは、目視による外観的には、点による支持のように見える支持面を含む広い概念である。厳密な意味で、点が持つ面積はゼロであるため、物と物とが接触する際、完全な点接触はあり得ない。本発明における支持面は、このような点接触のように見える接触面を包含している。
【0013】
本発明における好適な一態様の車載機器では、前記ガイド部間の間隔の変更範囲と、前記支持面から前記ガイド部までの高さの変更範囲と、の間に重複範囲が設定されている。
この場合には、短辺方向の寸法が前記重複範囲に属している携帯機器であれば、縦置き横置きが可能になる。
【0014】
前記一対のガイド部の間隔の変更範囲、及び前記各ガイド部の前記支持面からの高さの変更範囲の設定パターンの例としては、例えば、次のようなパターンがある。
例えば、前記間隔の変更範囲及び前記高さの変更範囲をいずれも8~13cmに設定すれば、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が8~13cmの携帯機器を縦置きでも横置きでも保持できる。縦置きの場合には、前記一対のガイド部の間隔を携帯機器の前記横幅に合致させれば良い。一方、横置きの場合には、前記各ガイド部の高さを携帯機器の前記横幅に合致させれば良い。
例えば、前記間隔の変更範囲を5~10cmに設定する一方、前記高さの変更範囲を10~15cmというように範囲をずらして設定すれば、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が5~15cmの携帯機器を縦置きか横置きで保持できる。前記横幅が5~10cmの携帯機器の場合には、前記一対のガイド部の間隔をその横幅に合致させて縦置きでき、前記横幅が10~15cmの携帯機器の場合には、前記各ガイド部の高さをその横幅に合致させた上で横置きできる。
さらに、例えば、前記間隔の変更範囲を7~12cmに設定する一方、前記高さの変更範囲を9~14cmに設定することにより、一方の範囲の一部を他方の範囲と重複させても良い。この場合には、正面が縦長の長方形状を呈し、その横幅が7~14cmの携帯機器を縦置き及び横置きの少なくと一方で保持できる。その横幅が9~12cmの携帯機器については、縦置きも横置きも可能になる、一方、その横幅が7~9cmの携帯機器については、前記一対のガイド部の間隔をその横幅に合致させれば縦置きできる。また、その横幅が12~14cmの携帯機器については、前記各ガイド部の高さを横幅に合致させて横置きできる。
【0015】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるガイド部は、前記ガイド部間の間隔を狭めると共に、前記支持面からの高さを低くする方向に向けて付勢されている。
この場合には、携帯機器が縦置きか横置きかに関わらず、携帯機器の外周に前記ガイド部を押し付けることができる。縦置きの場合には、前記一対のガイド部によって携帯機器を挟み込むように保持できる。横置きの場合には、前記ガイド部と前記支持部とで挟むようにして携帯機器を保持できる。
【0016】
本発明の好適な一態様の車載機器における各ガイド部は、車載機器の本体をなす筐体の両外側に向けて回動変位可能なように軸支された一対のアームにそれぞれ取り付けられている。
前記アームの先端に前記ガイド部を取り付ければ、このアームの軸支構造のみにより、前記一対のガイド部の間隔が変更される機構と、前記支持面からの前記各ガイド部の高さが変更される機構と、を実現できる。前記アームの軸支は、一般的な回動ドアの軸支構造のように機械的に簡単な構造で実現できるため、比較的シンプルな構造で上記の2つの機構を実現できる。
【0017】
前記一対のアームとしては、例えば、ガイド部を先端側に有すると共に、回動中心を越えた後端側で相互に連結されたアームの組み合わせであっても良い。一対のアームの連結部を鉛直方向に沿って変位させると、各アームの先端側のガイド部が回動変位することになる。このとき、回動中心から連結箇所までの距離が固定されていると、アームが回動できなくなる。各アームの後端側に長孔を設けると共に、各アームの長孔が交差して形成される貫通孔にピン等を貫通配置して連結部を構成することも良い。このピンを鉛直方向上方に引っ張り上げると、前記ガイド部間の間隔が狭くなるように各アームが回動変位する。ピンを下方に押し下げると、前記ガイド部間の間隔が広くなるように各アームが回動変位する。ピンをコイルバネ等で吊っておくことも良い。この場合には、前記ガイド部間の間隔が狭くなるように、各アームを付勢できる。
一方、一対のアームについて、各アームが全く独立に回動変位可能なように構成することも良い。このような構成であれば、一対のアームを相互に連結する構造が不要となり、その連結構造を収容するスペースも不要になる。一対のアーム同士を連結せず、隙間を空けて配置すれば、その隙間に電子部品を配置することが可能になる。特に、前記筐体の両外側に向けて回動変位可能なように設けられた前記一対のアームに、それぞれ前記ガイド部が設けられる構成を採用すると良い。特に、前記筺体は、電子部品を収容可能な中空構造を呈していると共に、各回動アームを支持する一対の取付部を有しており、当該取付部が前記電子部品の外側に配置される構成を採用すると良い。
【0018】
本発明の好適な一態様の車載機器における一対のガイド部のうちの少なくともいずれか一方のガイド部は、車載機器の本体をなす筐体により回動可能に軸支されたアームに取り付けられており、かつ、
該アームの回動に応じて他方のガイド部との間隔、及び前記支持面からの高さが変更される。
【0019】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する筐体は、表側部材と裏側部材との分割構造を呈していると共に、その分割方向に貫通する複数の固定ねじによって相互に固定され、
前記アームは、前記複数の固定ねじのうちのいずれかのねじの周りを回動するように配設されている。
【0020】
前記筐体の固定ねじを活用して前記アームを軸支すれば、その支持構造の構造的な強度を向上できる。前記固定ねじ周辺の強度は、前記筐体の強度を確保するために元来必要である。このような固定ねじの周辺の強度を活用すれば、前記アームの軸支構造の強度確保を大きなコストをかけることなく実現できる。
【0021】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する筐体は、電子回路を収容可能な中空構造を呈していると共に、各アームを支持する一対の取付部を有しており、
当該一対の取付部は、前記筐体の両外側に張り出すように設けられている。
前記筐体の両外側に張り出すように前記一対の取付部を設ける場合には、前記筐体の内周側に対する前記取付部のスペース的な侵食を抑制でき、中空形状の正面形状を矩形状に近づけることができる。正面形状が矩形状に近い中空形状は、例えば、電子回路を形成した電子基板等を収容するのに好適である。なお、電子回路としては、スピーカを含む音声出力回路や、FMトランスミッタやWIFIやブルートゥース等の通信回路や、ワイヤレス給電規格であるQI(チー)に対応する充電回路など各種の電源回路が考えられる。
【0022】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える一対のガイド部のうちの一方が前記アームに取り付けられ、他方のガイド部は、前記支持面からの高さの変更を伴って直線的に変位可能な状態で前記筐体側に取り付けられている。
回動変位するガイド部と、少なくとも高さの変更を伴って直線的に変位するガイド部と、を組み合わせれば、前記一対のガイド部の間隔が変更可能になると共に、前記各ガイド部の前記支持面からの高さが変更可能になる。
【0023】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるアームは、取り付けられたガイド部の前記支持面からの高さが最も低くなると共に、当該ガイド部と前記他方のガイド部との間隔が最も狭くなる回動位置に向けて付勢されている。
この場合には、前記アームに作用する付勢力により、前記ガイド部が携帯機器の外周に押し付けられる。前記ガイド部を携帯機器の外周に押し付ければ、さらに確実に携帯機器を保持できるようになる。
【0024】
本発明の好適な一態様の車載機器におけるガイド部が回動変位できる変位範囲は、前記アームの回動中心の直下に当たる位置を含まず、前記回動位置に位置するアームのガイド部は、前記回動中心の直下に当たる位置よりも前記変位範囲側にずれて位置している。
【0025】
この場合には、前記アームが前記回動位置に位置するとき、そのガイド部を下側から真上に押し上げる力の作用方向が、前記回動中心を貫くことなくオフセットして作用する。そのため、前記押し上げる力の一部は、前記アームを回動させる力に変換され、これにより、アームの回動を生じさせることができる。アームをこのように回動させる力を活用すれば、例えば、次の手順により、前記支持部と前記各ガイド部とで高さ方向に挟持される携帯機器の保持姿勢をワンタッチで実現できる。この手順では、まず、携帯機器を下側から前記各ガイド部に押し当てて前記アームの回動を生じさせ、これにより前記ガイド部を上方に押し上げる。高さ方向の間隙が十分に確保できたら、そのまま携帯機器を奥側に押し込む。
【0026】
一方、前記回動中心と前記ガイド部とが前記高さ方向に沿って配置されていると、前記ガイド部を下側から押し上げる力の作用方向が前記回動中心を貫くことになり、前記回動中心に対してオフセットして作用する力が発生しない。前記押し上げる力がアームを回動させる力に変換されることもなく、この押し上げる力によってアームを回動させることが不可能である。このような場合、上記のように携帯機器を下側から前記ガイド部を押し当てても、前記アームを回動させることが困難である。手などを使って前記アームを押し上げておき、前記ガイド部と前記支持部との高さ方向の間隙を確保した後、携帯機器を保持させる必要があり面倒である。
【0027】
本発明の好適な一態様の車載機器を構成する前記筐体は、前記回動位置に位置するアームの少なくとも一部を収容する構造を有し、
前記アームのうち前記筐体に収容される部分の少なくとも一部が、前記回動位置から回動変位したときに前記筐体の外側に露出する。
【0028】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記回動位置に位置するアームの外周面の少なくとも一部が、前記筐体の外周面と略面一をなしている。
携帯機器が保持されないときに前記アームを収容しておけば、前記車載機器をコンパクトに見せることができる。そのとき、前記アームの外周面の一部が前記筐体の外周面と面一をなしていれば、美観が向上する。
【0029】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、保持される携帯機器の裏面に面する載置面を有し、
保持される携帯機器に対する前記各ガイド部の当接面は、携帯機器の厚さ方向において前記載置面から離れるに伴って携帯機器の内周側に位置するように傾斜している。
この場合には、前記ガイド部を携帯機器の外周に押し付けると、上記のように傾斜する当接面を介して、その押し付け力の一部が載置面側に向かう押し付け力に変換される。このような押し付け力は、保持する携帯機器を載置面に押し付けるように作用する。
【0030】
さらに、携帯機器の厚さを超える位置まで前記当接面を延設されるように前記ガイド部を構成しておくことも良い。この場合には、厚さを超える範囲にある当接面が携帯機器の内周側に位置することになり、携帯機器の手前側への脱落のおそれを未然に抑制できる。保持する携帯機器の厚さに応じて、前記ガイド部を数種類用意しておくことも良い。厚さ方向の突出量が適切となるガイド部に交換すれば、携帯機器を保持したときの美観を向上できる。
【0031】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記当接面の傾斜角度が5度以上10度以下である。
傾斜角度が5度以下であると、上記のように携帯機器を保持できるという効果が十分とは言えなくなるおそれがある。一方、傾斜角度が10度を超えると携帯機器の角部との接触面積が小さくなり、携帯機器に対してガイド部を押し付けたとき、単位面積当たりの接触荷重が過大になるおそれがある。例えば、携帯機器にシリコン等のカバーが装着されている場合、そのカバーに一時的に凹みが生じるおそれがある。
【0032】
本発明の好適な一態様の車載機器が備えるガイド部は、回転可能に支持された回転ローラを有し、該回転ローラの外周面を介して携帯機器に当接する。
携帯機器を前記ガイド部に押し当てながらアームを回動させる際、携帯機器の外周に沿って前記ガイド部が移動しながらアームが回動する。上記のようにガイド部に回転ローラを設ければ、携帯機器の外周に沿う前記ガイド部の変位が容易となり、上記のようなアームの回動動作がスムースになる。
【0033】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器の裏面に面する載置面を有し、
前記支持面は、前記載置面から離れるに伴って上方側に位置するように傾斜している。
この場合には、前記支持面に作用する携帯機器の荷重の一部が、傾斜する支持面を介して前記載置面側に向かう押し付け力に変換される。このような押し付け力は、保持された携帯機器を確実性高く保持するために有効に作用する。
【0034】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える支持部は、所定の間隔を空けて配置されていると共に前記支持面がそれぞれ設けられた一対の受け部を含み、
前記所定の間隔は、保持される携帯機器に接続されるコネクタを前記一対の受け部の間隙に収容可能なように設定されている。
この場合には、保持された携帯機器に対するコネクタのアクセスが容易になる。
【0035】
本発明の好適な一態様の車載機器は、車載機器の本体をなし、保持される携帯機器の裏面に面する載置面をなす筐体を有し、
当該筐体の下端を基準とした前記支持面の高さは、前記コネクタが筐体の外周側に突出しないように設定されている。
この場合には、携帯機器に接続されたコネクタが車両のダッシュボード等に干渉することを未然に回避できる。コネクタの干渉を抑制できれば、コネクタの断線等のトラブルを未然に回避できる。
【0036】
本発明の好適な一態様の車載機器では、前記一対のガイド部の間隔を変更可能な範囲と、前記各ガイド部の前記支持面からの高さを変更可能な範囲と、が少なくとも5.5cm以上7.0cm以下の範囲において重複している。
携帯機器の大きさは、手の平の大きさや、ワイシャツのポケット等を基準として決定されることが多いと言われている。上記のように一対のガイド部の間隔や、前記各ガイド部の高さを設定すれば、100%近くほぼ全ての携帯機器を保持可能になり、汎用性を十分に確保できる。
【0037】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器の作動状況に応じた動作モードを選択可能である。
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持可能な携帯機器が備える機能と同様の機能を備えていると共に、当該機能を動作させるか否かを切り換える切換手段を備えている。
例えば、携帯機器で実行されるアプリによって実現される機能と同様の機能を本発明の車載機器が備えている場合には、その機能を動作させるか否かの切換手段を車載機器側に設けると良い。このようにすれば、当該アプリを携帯機器で実行しているときに、同様の機能が前記車載機器で実行されるという重複を排除できると共に、当該アプリを携帯機器で実行していないときには前記車載機器側でその機能を実現できる。
特に、前記切換手段は、物理的な切り換えスイッチで構成すると良い。このようにすれば、前記車載機器の重複する機能を容易かつ手早く停止できる。車載機器では特に、手早く操作できることが重要視されることが多い。
【0038】
本発明の好適な一態様の車載機器は、現在位置の測位機能を備える携帯機器を保持可能な車載機器であって、
現在位置を測位する機能を有している一方、現在位置の測位が実行される動作モードと、現在位置の測位が実行されない動作モードと、のいずれかを選択的に設定可能である。
測位機能を備えた携帯機器を保持している場合であれば、携帯機器から現在位置を取り込んだり、現在位置を利用した車載機器の機能を携帯機器側で実現するという構成も可能である。このような場合、車載装置側の測位機能を停止させる動作モードを選択すれば、その消費電力を抑制して省エネ効果を向上できる。
【0039】
本発明の好適な一態様の車載機器は、保持される携帯機器に対して電力を供給可能である。
保持した携帯機器を充電できれば、ユーザーが車両を降りた後の携帯機器の充電切れ等を未然に回避できる。給電方法としては、コネクタを利用する方法のほか、QIなどワイヤレス給電による方法等がある。
【0040】
本発明の好適な一態様の車載機器は、前記一対のガイド部が幅方向(水平方向)両側から挟み込むと共に前記支持部が下側から支持する第1の保持姿勢、及び前記支持部と前記各ガイド部とが高さ方向に挟持する第2の保持姿勢のうちの少なくとも一方の姿勢で、携帯機器を保持可能であると共に、
前記第1及び第2の保持姿勢のうち、いずれの保持姿勢で携帯機器が保持されているか検知可能である。
例えば、第1の保持姿勢によっても第2の保持姿勢によっても保持できる携帯端末の場合であれば、保持姿勢の違いは、縦置きか横置きかの違いになる。例えば、GPS機能を有する携帯機器のGPSアンテナの指向性が縦方向に設定され、かつ、車載機器にもGPS機能が設けられている場合には、縦置きのとき車載機器のGPS機能を停止して携帯機器のGPS機能を利用し、横置きのとき車載機器のGPS機能を利用するといった制御が可能になる。
【0041】
本発明の好適な一態様の車載機器は、使用者が操作する操作部を有し、当該操作部のうちの少なくともいずれかは、携帯機器が保持された場合であっても操作可能な位置に配置されている。
操作可能な位置とは、保持された携帯機器によって隠蔽されず、ユーザーの指等でアクセス可能な位置を意味している。上記のように操作部を配置すれば、携帯機器を保持した状態であっても車載機器を操作できるようになる。
【0042】
本発明の好適な一態様の車載機器においては、前記操作部のうちの少なくともいずれかは、携帯機器が保持されていても操作できるように前記支持部あるいは前記ガイド部の先端部分に配置されている。
前記支持部あるいは前記ガイド部の先端面であれば、保持した携帯機器によって隠蔽されることがない。このような先端面に配置された操作部は、携帯機器の有無や保持姿勢等に関わらず操作可能である。
【0043】
本発明の好適な一態様の車載機器における操作部としては、携帯機器が保持された場合であっても操作可能な位置に配置された第1の操作部と、携帯機器が保持された場合に操作不可能となる可能性がある第2の操作部と、があり、
前記第1の操作部と前記第2の操作部とでは、車両の運転中に想定される操作頻度の度合いが相違しており、前記第2の操作部の方が想定される操作頻度が低い。
操作不可能な位置とは、保持された携帯機器によって隠蔽され、ユーザーの指等でアクセスできない位置を意味している。前記第2の操作部を前記操作不可能な位置に配置する一方、携帯機器が保持されても操作可能な位置に操作頻度の高い前記第1の操作部を配置すれば、保持された携帯機器が車載機器の操作のじゃまになるおそれを未然に抑制できる。
【0044】
例えば、保持する携帯機器の縦置きか横置きかの姿勢によっては操作できなくなる可能性がある操作部と、保持する携帯機器の姿勢によらず操作可能な操作部と、を備え、操作できなくなる可能性がある操作部は、携帯機器を保持したときに操作の必要性が少なくなる操作部であるか、あるいは操作を禁止したほうが良い操作部であることが良い。
例えば、携帯機器の設置状態が縦(例えば携帯機器の長手方向が概ね鉛直方向)である場合に当該携帯機器によって隠れる位置に配置され、携帯機器の設置状態が横(例えば携帯機器の長手方向が概ね水平方向)である場合に当該携帯機器によって隠れない位置に配置された操作部は、当該携帯機器の設置状態が横である場合に操作の必要性がある操作部とすると良い。例えば、携帯機器の長手方向が携帯機器に備えた表示画面の長手方向となる携帯機器において、当該携帯機器が横の設置状態の際に画面を左右に分割表示するか、分割表示をせずに全画面表示をするかの切換スイッチをこの操作部として設けるなどすると良い。
【0045】
本発明の好適な一態様の車載機器は、使用者が操作する操作部を有し、当該操作部の少なくともいずれかは、保持された携帯機器を介在して操作可能である。
携帯機器を介在して操作可能とする構成としては、電気的に実現される構成や、機械的に実現される構成等がある。電気的に実現される構成としては、例えば、携帯機器と車載機器とを無線あるいは有線で通信可能な状態で接続しておき、車載機器の操作部に対応する操作部を携帯機器側で実現する構成がある。表示画面上の操作部が操作された旨を携帯機器から車載機器に送信すれば、携帯機器側の操作に応じて車載機器を操作できる。機械的に実現される構成としては、例えば、保持された携帯装置の背面に当接し、背面によって押し込み可能な操作部を設けておき、携帯機器を正面側から押し込むことで操作部が押し込み操作されるような構成がある。
【0046】
本発明の好適な一態様の車載機器が備える支持部は、車載機器の本体をなす筐体に回動可能に軸支された一対の支持アームを有し、当該一対の支持アームの先端側にそれぞれ前記支持面が設けられている。
この場合には、前記支持アームの回動位置に応じて、保持される携帯機器の高さを調整できるようになる。さらに、前記支持アームの回動に応じて支持面の高さを変更できるようになるため、前記支持面からの前記各ガイド部の高さの調整範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】実施例1における、レーダークレードル(ブラケットを含む)の正面側を示す斜視図。
【
図2】実施例1における、スマートフォンを保持するレーダークレードルを示す斜視図。
【
図3】実施例1における、レーダークレードルを斜めから見込む斜視図。
【
図4】実施例1における、ブラケットを示す斜視図。
【
図5】実施例1における、ジョイントポストの支柱がスケルトン表示されたブラケットの斜視図。
【
図6】実施例1における、中空カップがスケルトン表示されたブラケットの斜視図。
【
図7】実施例1における、ジョイント部を取り外したブラケットの斜視図。
【
図8】実施例1における、クレードル本体を正面側から見込む斜視図。
【
図9】実施例1における、クレードル本体を背面側から見込む斜視図。
【
図10】実施例1における、筐体を正面側から見込む斜視図。
【
図11】実施例1における、カバーの内側を見込む斜視図。
【
図12】実施例1における、ケースの内側を見込む斜視図。
【
図13】実施例1における、一対の回動アームを正面側から見込む斜視図。
【
図14】実施例1における、一対の回動アームを斜めから見込む斜視図。
【
図15】実施例1における、ゴム管を取り外した回動アームの側面図。
【
図16】実施例1における、ゴム管を取り付けた回動アームの側面図。
【
図17】実施例1における、トーションコイルバネと回動アームとの組合せを示す説明図。
【
図18】実施例1における、カバーと回動アームとの組合せを示す説明図。
【
図19】実施例1における、カバーとトーションコイルバネとの組合せを示す説明図。
【
図20】実施例1における、電子基板の収容構造を示す説明図。
【
図21】実施例1における、メイン基板のケースの底面側の表面を見込む斜視図。
【
図22】実施例1における、サブ基板のカバーの側面側の表面を見込む斜視図。
【
図23】実施例1における、レーダークレードルの電気的な構成を示すブロック図。
【
図24】実施例1における、保持可能な携帯機器のサイズの説明図。
【
図25】実施例1における、スマートフォンを縦置きする手順の説明図。
【
図26】実施例1における、スマートフォンを横置きする手順の説明図。
【
図27】実施例1における、スマートフォンを横置きする際の回動アームの回動動作の説明図。
【
図28】実施例2における、第1のレーダークレードルを示す正面図。
【
図29】実施例2における、第2のレーダークレードルを示す正面図。
【
図30】実施例2における、第3のレーダークレードルを示す正面図。
【
図31】実施例2における、第4のレーダークレードルを示す正面図。
【
図32】実施例2における、第5のレーダークレードルを示す正面図。
【
図33】実施例2における、第6のレーダークレードルを示す正面図。
【
図34】実施例2における、第7のレーダークレードルを示す正面図。
【
図35】実施例2における、第8のレーダークレードルを示す正面図。
【
図36】実施例2における、第9のレーダークレードルを示す正面図。
【
図37】実施例2における、第10のレーダークレードルを示す正面図。
【
図38】実施例2における、第11のレーダークレードルを示す正面図。
【
図39】実施例2における、第12のレーダークレードルを示す正面図。
【
図40】実施例2における、第13のレーダークレードルを示す正面図。
【
図41】実施例2における、第14のレーダークレードルを示す正面図。
【
図42】実施例2における、第15のレーダークレードルを示す正面図。
【
図43】実施例2における、第16のレーダークレードルを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、携帯機器であるスマートフォン(多機能型携帯電話)100を保持可能であると共に、レーダー探知機としての機能を備える車載機器(以下、レーダークレードルという)1に関する例である。この内容について、
図1~
図27を参照して説明する。
【0049】
本例のレーダークレードル1は、
図1及び
図2のごとく、背面側に取り付けられるブラケット2を介して車両のダッシュボード等に固定可能である。例えば、ダッシュボードに固定されたレーダークレードル1によれば、運転者側に面する状態でスマートフォン100等の携帯機器を保持できる。なお、本例のレーダークレードル1は、ブラケットの選択に応じてサンバイザーやルームミラー等への取付も可能である。
【0050】
レーダークレードル1は、クレードル本体1Aの両外側に向けて回動可能な一対の回動アーム(アーム)13を備えている。各回動アーム13がそれぞれ備えるガイドローラー(ガイド部)130によって両側から挟み込むように保持すれば、
図2のようにスマートフォン100を縦置きできる。さらに、スマートフォン100の重さを支えるホルダー(支持部)15とガイドローラー130とで鉛直方向(上下方向)に挟み込めば、スマートフォン100の横置きも可能である。以下、本例のレーダークレードル1の構成について説明する。
【0051】
まず、レーダークレードル1を車載するためのブラケット2は、
図3~
図7のごとく、クレードル本体1Aの背面に固定されるジョイント部21と、車両のダッシュボードの表面に吸着固定される吸着ベース22と、吸着ベース22から立設するように取り付けられると共にジョイント部21を回動可能に支持するジョイントポスト23と、を含んで構成されている。ジョイント部21とジョイントポスト23とは、ボールジョイント機構24を介して接続されている。
【0052】
ジョイント部21は、クレードル本体1Aに対する取付プレート210を有すると共に、この取付プレート210から延設された取付ステー212を有している。この取付ステー212の先端側では、断面円形状の軸部214を介して、この軸部214よりも大径の球状ボール部216(
図5)が設けられている。この球状ボール部216は、前記ボールジョイント機構24を構成するジョイントボールとして機能する。
【0053】
吸着ベース22は、お椀を伏せたような略ドーム形状を呈する中空カップ220と、この中空カップ220の下面形状よりもひと回り大きい略円形状のラバープレート222と、中空カップ220の中央付近に設けられたレバー224と、中空カップ220の中央から偏芯して立設された円柱状の凸部228(
図5)と、を含んで構成されている。
【0054】
中空カップ220は、上面に平坦部220sが形成され、平坦部220sの中央に貫通孔が穿孔されている。この貫通孔には、ラバープレート222の中央部に固定されたシャフト229(
図6)が進退可能な状態で貫通配置されている。シャフト229の他端には、レバー224が取り付けられている。
レバー224は、略L字状を呈する部材である。
図5中のLの文字の水平部分の先端側には、前記シャフト229を直交方向に貫通するピン229pを保持するためのピン孔224hが穿孔されている。Lの垂直部分は、水平部分よりも長く形成され、その先端側には、ユーザが親指等で操作する操作部224sが設けられている。
【0055】
操作部224sを倒し込むようにレバー224を操作すれば、この操作部224sを作用点、Lの角部分をなすコーナー部224cを支点、ピン孔224hを力点とする梃子の原理によりシャフト229を軸方向に引き上げ可能である。操作部224sが倒し込まれてコーナー部224cとピン孔224hとがシャフト229の軸方向に沿って位置したときに力学的に安定な状態が形成され、上記のようにシャフト229が軸方向に引き上げられた状態が安定的に維持されることになる。シャフト229の引き上げに応じてラバープレート222の中央部分が上方に引き上げられる一方、ラバープレート222の外周部分については、中空カップ220の外周が裏面から押し当たっているため、シャフト229に従動することがない。
【0056】
例えば、車両のダッシュボードの表面にラバープレート222を押し付けた状態でレバー224を倒し込むように操作すれば、シャフト229の引き上げに応じてラバープレート222の中央部分を引き上げできる。そうすると、ラバープレート222とダッシュボードの表面との間に負圧を形成でき、これにより、ブラケット2をダッシュボードに吸着固定できる。なお、本例では、レバー224の倒し込み操作に応じたシャフト229の揚程を長く確保できるよう、コーナー部224cが
図4~
図6中の水平方向外側に向けて若干張り出すように形成されている。さらに、コーナー部224cの張り出し形状は、平坦部220sに対する接触加重が過大にならないように略半円状に形成されている。
【0057】
ジョイントポスト23は、
図3~
図7のごとく、略八角柱状を呈する支柱231と、この支柱231を直交する方向に貫通するボルト233と、ボルト233を締め付ける操作ノブ234と、を含んで構成されている。
支柱231の底面には、中空カップ220の凸部228を収容するための貫通孔が穿孔されている。支柱231の先端部分は、先割れしており、ボルト233の貫通方向に対面する一対のポスト片236が形成されている。各ポスト片236は、他方のポスト片236に対面する内側の面に、すり鉢状の凹み236dを有している。一対のポスト片236は、それぞれの凹み236d(
図7)の組合せにより、ジョイント部21の球状ボール部216を収容する球状の空間を形成している。
【0058】
ボルト233の頭の部分(ネジではない側)は、回転止めされた状態で支柱231の側壁に固定されている(
図5及び
図7参照。)。操作ノブ234は、略円柱状をなす座部234zと、回転操作が容易となるように座部234zから径方向両側に突出するように対向配置された一対の指掛け部234yと、を有している。座部234zには、ボルト233を螺入する図示しないネジ孔が軸方向に沿って穿孔されている。ブラケット2に組み付けられた操作ノブ234を締め付けると、座部234zの先端面により支柱231の外側面を押圧できる。このように支柱の外側面を押圧すれば、ボルト233の軸方向に潰すように支柱233をわずかに弾性変形させることが可能である。支柱231がこのように弾性変形すると、一対のポスト片236の間隔が狭くなって、その間隙に収容された球状ボール部216を締め付けできると共に、有底孔の内周形状のわずかな変形に応じて円柱状の凸部228を締め付けできる。これにより、ジョイントポスト23に対するジョイント部21の回動位置を固定できると共に、凸部228(
図5)回りのジョイントポスト23の回転位置を固定できる。
【0059】
次に、クレードル本体1Aの構成について説明する。本例のクレードル本体1Aは、
図8及び
図9のごとく、正面側に突出するガイドローラー130及びホルダー15を除くと、下方に末窄まりの小判型の外形状を呈している。クレードル本体1Aは、ガイドローラー130を支持する回動アーム13を収容する構造を備え、スマートフォン等を保持していない状態のクレードル本体1Aは、その正面形状が逆さまの卵形(末窄まりの小判のような上下逆さまの卵形)となっている。
【0060】
クレードル本体1Aの正面側では、外周4箇所にガイドローラー130及びホルダー15が立設されている。ガイドローラー130及びホルダー15の内側領域に当たる逆立ち卵形の内周部110は、ガイドローラー130等が設けられた外周部111よりも高く盛り上げられ、厚さ方向の寸法が大きくなっている。内周部110の下半分近くには、ウレタン製の薄いクッションパッド110Sが貼付されている。クレードル本体1Aでは、内周部110の表面がスマートフォン100等の載置面となっている。
【0061】
外周部111の下側に立設された左右一対のホルダー15は、クレードル本体1Aの下端(鉛直方向における下側の端)よりも高い位置に、所定の間隔を空けて設けられている。ホルダー15の上面に当たる支持面15sは、ホルダー15に取り付けられたゴム製のパッド152によって形成されている。スマートフォン100(
図2)の支持面15sとなるパッド152の表面には、スマートフォンの脱落を防止するためのギザギザが形成されている。パッド152の厚さは、ホルダー15の立設方向の中間辺りから徐々に厚くなり、ホルダー15の先端側で最も厚くなっている。このようなパッド152により形成されるホルダー15の支持面15sでは、先端に近づくほど上方に位置する傾斜面が形成されている。このような傾斜面によれば、保持されるスマートフォン100の重力方向の荷重を、クレードル本体1A側に押し当てる方向の力に変換可能である。
【0062】
なお、本例では、一対のホルダー15の間隔(
図24中の寸法W)は、スマートフォン100の接続ポートに接続される各種の接続コネクタの幅を考慮し、その幅よりも広い3.8cmに設定してある。さらに、クレードル本体1Aの下端を基準とした支持面15s(ホルダー15)の高さ(同図中の寸法T)は、各種の接続コネクタの高さ等を考慮して3.1cmに設定してある。
【0063】
内周部110の上部では、逆立ち卵形の外縁形状に沿って4個の操作スイッチ(操作部)171~174が配置されている。4個の操作スイッチ171~174は、円弧状を呈する同じ形状仕様の押込みスイッチである。4つの操作スイッチ171~174は、その形状の円弧方向に沿って僅かな隙間を空けて配置され、全体として半円に近い円弧を形成している。外周部111の最下部には、LED光によって動作状況の報知や警報等を行う表示ランプを収容するインジケータパネル170が配設され、さらに、その下側に沿って2個の操作スイッチ175、176が並列配置されている。なお、個々の操作スイッチやインジケータパネル170等の仕様については、レーダークレードル1の内部的な仕様を説明した後で説明する。
【0064】
クレードル本体1Aの背面には、
図8及び
図9のごとく、ブラケット2の取付プレート210(
図4)を取り付ける台座部120、スマートフォン100(
図2)に電力等を供給するための接続ケーブルを接続するUSBコネクタ313、スピーカー孔122などが設けられている。
クレードル本体1Aの外周側面には、電源スイッチとしての機能を含むスライドスイッチ(切換手段)312、電源ケーブルを接続するDCコネクタ314、SDカードスロット311(
図21参照。)等が設けられている。
【0065】
クレードル本体1Aをなす筐体10は、
図10~
図12のごとく、運転者側に面する正面側のカバー11と、背面側のケース12と、を組み合わせた分割構造を呈する中空ケースである。カバー11及びケース12を組み合わせた筐体10の内部には、後述する電子基板等の電子部品が収容されている。本例のクレードル本体1Aでは、カバー11及びケース12を利用して回動アーム13の取付構造及び収容構造が実現されている。クレードル本体1Aの上部両側に当たる外周側面には、回動アーム13を収容するために窪む収容部101が設けられ、その収容部101の上部には、回動アーム13の回動軸となるネジ支柱116が厚さ方向に貫通配置されている。さらに、クレードル本体1Aの外周部111には、ガイドローラー130を突出させるための切欠き102が設けられ、これにより、収容部101への回動アーム13の収容が可能になっている。
【0066】
カバー11(
図11)の底面には、各種の操作スイッチを配置するための孔が穿設されていると共に、半透明の樹脂材料により形成されたインジケータパネル170を組み付けるための構造(図示略)が設けられている。ケース12(
図12)の底面には、USBコネクタ313(
図9)のアクセス孔等が穿設されている。ケース12の外周側面には、スライドスイッチ312、DCコネクタ314、SDカードスロット311等のアクセス孔あるいは切欠きが設けられている。
【0067】
カバー11及びケース12では、上部の両側に、クレードル本体1Aの収容部101を構成する収容部117、127が設けられている。カバー11あるいはケース12を正面から見込んだとき、両側の収容部117、127が漢字の八のような形状をなしている。これらの収容部117、127は、カバー11あるいはケース12の外周側壁が一部欠損し、内周側に側壁115、125が設けられて形成されている。カバー11側の収容部115のうちの上部には、軸方向に沿ってネジ孔が穿孔されたネジ支柱116が立設されている。ケース12側の収容部126には、ネジ支柱116の台座126が形成され、その中心には、ネジを貫通させるための貫通孔が穿設されている。カバ-11とケース12との固定には、この貫通孔に貫通配置され、ネジ支柱116に螺入される固定ネジが利用されている。また、カバー11の収容部117の下部に当たるカバー11の底面には、クレードル本体1Aの切欠き102をなす切欠き118が形成されている。
【0068】
回動アーム13は、
図13~
図17のごとく、そら豆のような正面形状を呈するベース部材13bを含んで構成されている。このベース部材13bのそら豆形状のうち、組付時に外側となる凸湾曲状の外縁形状は、筐体10逆立ち卵形の正面外縁形状に略一致している。このような外縁形状の略一致は、回動アーム13がクレードル本体1A側に収容されたときの美観を向上するのに非常に効果的である。
【0069】
そら豆形状のベース部材13bの両端には、貫通孔が穿設されている。回動中心側に位置する貫通孔133は、筐体10のネジ支柱116を貫通配置するための孔である。他方の貫通孔には、ガイドローラー130の回転軸131が貫通配置されている(
図15参照。)。この回転軸131は、一方の端部がベース部材13bによって軸支され、他端は、ベース部材13bの外側に向けて突出している。先端に大径の抜け止め131aが形成された回転軸131の突出部分には、円錐状に先端に向けて大径となるテーパー状のゴム製の回転ローラー132が外挿されている(
図15及び
図16)。
【0070】
回動アーム13の回動範囲(回動変位できる変位範囲)は、筐体10に収容される回動位置(
図8に示す収容位置。)から外側に向かう100度の範囲に設定されている。回動アーム13と筐体10との間には、
図17~
図19のごとく、バネ鋼よりなる線材をコイル状に巻回してなると共に、巻きはじめと巻き終わりの両端を接線方向に延長したトーションコイルバネ14が介設されている。トーションコイルバネ14の円筒状のコイル部分140は、回動アーム13の回動軸をなすネジ支柱116に外挿されて保持されている。トーションコイルバネ14の一方の端部142は、回動中心の外周側に当たる位置で回動アーム13側に固定されている。他方の端部141は、筐体10側に固定されている。回動アーム13は、このトーションコイルバネ14の付勢力によって
図8の収容位置に向けて付勢されている。本例のクレードル本体1Aでは、この収容位置から100度回動したときの付勢力が約8kgf、50度回動したときの付勢力が約4kgfとなっている。
【0071】
なお、本例のクレードル本体1Aでは、回動アーム13の回動動作に応じた一対のガイドローラー130の水平方向の間隔(ガイドローラー130間の間隔、
図24中の寸法H)の変動範囲が5.0cm~7.5cmに設定されている。また、回動アーム13の回動に伴って鉛直方向の位置が変化するガイドローラー130とホルダー15の支持面15sとの鉛直方向の間隔(支持面15sからガイドローラー130までの高さ、
図24中の寸法V)の変動範囲が5.5cm~8.0cmとなっている。水平方向、鉛直方向とも、変動範囲の最小寸法は、左右の回動アーム13が共に
図8の収容位置にあるときの寸法である。水平方向の最大寸法は、左右の回動アーム13が共に水平方向に回動したときに得られる寸法である。鉛直方向の最大寸法は、100度に渡る回動範囲の限界一杯まで左右の回動アーム13が回動したときに得られる寸法である。
【0072】
筐体10の内部には、
図20~
図22のごとく、同じ形状の電子基板31、32が2枚重ねて収容されている。なお、
図20では、奥側の電子基板31が手前側の電気基板32によって隠されている。クレードル本体1Aの背面側(ケース12の奥側)に組み込まれる
図21のメイン基板31には、図示しないマイコン、RDモジュール316、GPSモジュール315、表面実装タイプのスピーカー318、オーディオIC、SDカードスロット311、3ポジションのスライドスイッチ312、USBコネクタ313、DCコネクタ314等が実装されている。クレードル本体1Aの正面側(カバー11に面する側)に組み込まれる
図22のサブ基板32には、無線モジュール324(
図23)、各種の操作スイッチ171~176を構成するタクトスイッチ321、各種の表示ランプを構成するチップLED323等が実装されている。チップLED323は、インジケータパネル170(
図8)の内側に当たる位置に適宜、配置され、各種の表示ランプとしての機能を構成している。なお、
図22では、電子基板の裏側に実装される無線モジュール324が見えていない。
【0073】
GPSモジュール315は、GPS衛星から飛来するGPS信号を受信し、現在時刻、現在位置(緯度経度による位置情報)、現在の速度、高度等を出力する受信器である。
RDモジュール316は、移動式レーダー等の速度測定装置(以下、単にレーダーという。)から発せられるマイクロ波長帯のレーダー波を受信する受信器である。RDモジュール316は、マイクロ波を受信するアンテナ基板と、受信回路をなす高周波回路と、を備えている。アンテナ基板は、正方形のパッチアンテナ放射素子(図示略)をなす銅箔パターンが2組形成されたプリント基板である。特に、本例のアンテナ基板では、クレードル本体1Aの鉛直方向に対して、各パッチアンテナ放射素子が約27度傾けて配置されている。このようにパッチアンテナ放射素子を傾けて配置すれば、垂直偏波のマイクロ波の受信感度と、水平偏波のマイクロ波の受信感度と、を両立可能である。RDモジュール316は、未受信を表す受信レベルゼロを含め、レーダー波の受信レベルを出力可能である。
無線モジュール324(
図23)は、緊急車両等の無線を受信する受信器である。本例の無線モジュール324は、取締無線及びカーロケ無線の2種類の無線を受信可能なモジュールである。無線モジュール324には、サブ基板32に設けられた外部端子を介してアンテナ線(図示略)が接続されている。このアンテナ線は、筐体10内部の隙間に引き回しされている。無線モジュール324は、2種類の無線の種類毎に、無線電波の受信レベル(未受信を表す受信レベルゼロを含む。)を出力可能である。
【0074】
本例のクレードル本体1Aでは、GPSモジュール315及びRDモジュール316が背面側に組み込まれるメイン基板31に実装されている一方、無線モジュール324は、正面側に組み込まれるサブ基板32に実装されている。無線モジュール324が受信する無線電波は、GPSモジュール315が受信するマイクロ波やRDモジュール316が受信するマイクロ波に比べて波長が短く(周波数が高く)、回折が生じやすく回り込みし易い。このような受信電波の特性を考慮し、本例のクレードル本体1Aでは、GPSモジュール315やRDモジュール316が車両の進行方向に当たる背面側に配置され、無線モジュール324が車室側(正面側)に配置されている。
【0075】
一般に占有面積が大きい無線モジュール324をメイン基板31に配置しようとすると、基板の大型化を招来し、機器のコンパクト設計の難易度が高くなる。一方、上記のような受信電波の特性の違いを考慮して無線モジュール324をサブ基板32に実装すると共にメイン基板31と2枚重ね配置の基板構成を採用すれば、クレードル本体1Aのコンパクト設計が容易になる。
メイン基板31では、筐体10に組み込まれたとき、ブラケット2を取り付ける台座部120の裏側に図示しないマイコン等が位置する一方、RDモジュール316及びGPSモジュール315は台座部120よりも上側に配置されている。USBコネクタ313やスピーカー318は、クレードル本体1Aにブラケット2が取り付けられたときにもアクセス可能な位置に適宜配置されている。
【0076】
本例のレーダークレードル1は、
図23のように、制御部30を中心として電気的に構成されている。制御部30に対しては、GPSモジュール315、RDモジュール316、無線モジュール324、スピーカー318、メモリカードリーダ33等が電気的に接続されている。メモリカードリーダ33は、SDカードスロット311(
図21)に挿入されたメモリカード331からデータを読み込んで制御部30に転送する。さらに、レーダークレードル1では、制御部30からアクセス可能なデータベース300が設けられている。このデータベース300は、マイコンに組み込まれた不揮発性メモリであるEEPROMの記憶領域を利用して形成されている。
【0077】
制御部30は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等の不揮発性メモリ、I/O等が1チップ化されたマイコンによって構成されている。
ROMには、CPUに実行させるソフトウェアプログラム等が格納されている。
EEPROM等の不揮発性メモリの記憶エリアには、上記のデータベース300の記憶エリアのほか、各種設定に関する設定情報を格納する設定情報記憶エリア、及びユーザーが設定したマイエリアの位置情報等を格納するユーザ情報記憶エリアが設けられている。
【0078】
製品出荷時のデータベース300には、GPSコンテンツや、音声出力用情報が格納されている。GPSコンテンツとしては、レーダー式オービス、トンネル内オービス、ループコイル、LHシステム、新LHシステム、トンネル出口ターゲット、取締エリア、検問エリア、交差点監視ポイント、駐禁監視エリア、Nシステム、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、駐禁最重点エリア等の位置情報がある。音声出力用情報としては、「右方向1km先、高速道レーダーです。」、「この付近、駐禁監視エリアです。」等の音声データが格納されている。
【0079】
データベース300の格納データは、メモリーカード331を利用して更新可能である。GPSコンテンツや音声出力用情報などの更新データが格納されたメモリカード331をSDカードスロット311に挿入すれば、制御部30の制御によりその更新データが読み出され、データベース300内のデータを更新できる。なお、ハードディスク等に更新データが格納されたPCをUSB接続し、データベース300を更新することも可能である。
【0080】
レーダークレードル1は、ROMから読み出したソフトウェアプログラムをCPUに実行させることで各種の機能を実現する。本例のレーダークレードル1の機能としては、各種の警報を行う警報機能、設定機能、登録機能等がある。警報機能としては、GPS警報機能、RD警報機能、無線警報機能等がある。制御部30では、各機能に対応する手段がそれぞれ形成されている。
【0081】
GPS警報機能は、オービス(自動速度違反取締装置)等の警報対象への接近を警報する機能である。GPS警報機能では、警報対象の位置と現在位置との間の距離を求める演算処理が所定時間間隔(例えば1秒)で繰り返し実行される。この距離が所定の接近距離に到達して警報地点アプローチというイベントが発生したとき、その旨を表すGPS警報が実行される。
RD警報機能は、レーダー波(マイクロ波)の入射に応じてレーダー式取締装置への接近を警報する機能である。RDモジュール316によるレーダー波の受信(以下RD受信)というイベントが発生したとき、その旨を表すRD警報が実行される。
無線警報機能は、緊急車両等が発する無線電波の受信に応じて緊急車両等の接近を警報する機能である。緊急車両等の発する無線電波の受信(以下無線受信)というイベントが発生したとき、緊急車両等の走行の妨げとならないように運転者に注意を促す無線警報が実行される。
設定機能は、レーダークレードル1の動作に関する各種設定を行う機能である。設定項目及び設定方法については、後で説明する。
登録機能は、所定の位置情報を登録する機能である。所定の位置情報としては、ユーザー操作に応じて登録される位置情報のほか、制御部30によって登録される位置情報がある。
【0082】
次に、本例のレーダークレードル1のユーザーインターフェースの構成(操作スイッチ、表示等)を説明し、続いてレーダークレードル1の動作を説明する。
レーダークレードル1の電源スイッチは、上下方向に操作可能な3ポジションのスライドスイッチ312(
図9)である。一番上のオフポジションが電源オフに対応し、下2つのポジションが電源オンに対応している。電源オンのポジションのうち下側のオールオンポジションは、GPS機能を含む全機能が動作する動作モードに対応し、上側のポジションは、GPS機能が非動作の動作モードに対応している。
【0083】
クレードル本体1Aの正面側、内周部110の上部に配置された操作スイッチ171~174(
図8)は、セレクトボタン、セットボタン、UP・DOWNの音量調整ボタンである。外周部111の最下部に配置された2個の操作スイッチ175、176は、マイエリアボタン、テスト&ミュートボタンである。操作スイッチ175、176の上側に配置されたインジケータパネル170には、表示ランプであるオンオフランプ、RD警報ランプ、GPSランプ、及び無線警報ランプが配置されている。
【0084】
マイエリアボタン175は、ユーザーが自分でメモリーしたいエリアを登録するための操作ボタンである。
テスト&ミュートボタン176は、警報音の確認やミュート機能を動作させるための操作ボタンである。警報未発生の待機中に操作すれば、所定音量のテストトーンが発生する。テストトーンの音量を基準として音量調整ボタンを適宜操作することで、所望の音量を設定可能である。
セレクトボタン171は、設定項目を選択するための操作ボタンである。セレクトボタン171の操作回数に応じて設定項目を選択可能である。設定項目を選択後、セットボタン172を操作すれば、設定内容の切替が可能である。
【0085】
なお、本例のレーダークレードル1においては、マイエリアボタン175及びテスト&ミュートボタン176と、インジケータパネル170は、スマートフォン100(
図2)が保持されたときにも隠されることがない位置に配置されている。一方、設定用の操作ボタンであって使用中の操作頻度が低いセレクトボタン171、セットボタン172、音量調整ボタン173・174については、スマートフォン100によって隠される可能性がある位置に配置されている。
【0086】
レーダークレードル1の使用に当たって、電源スイッチをなすスライドスイッチ312を前記オールオンポジションに切り換えると、オンオフランプが赤色点灯(AAC/ASS機能オンの場合は橙色点灯。)すると共に、制御部30(
図23)の制御によって全ての機能の動作(オールオンモード)が開始される。なお、GPS機能のみ非動作となるポジションにスライドスイッチ312が操作されたときには、オンオフランプが緑色点灯すると共に、制御部30は、GPSモジュールを除く機能の動作を開始させる。
【0087】
オールオンモードの動作状態下の制御部30は、例えば1秒等、一定時間毎にGPSモジュール315、RDモジュール316、無線モジュール324による出力信号を取り込む。制御部30は、GPSモジュール315の現在位置を取り込む毎に、現在位置と警報対象の位置との間の距離である接近距離を求める演算処理を繰り返し実行する。
【0088】
制御部30は、上記の接近距離が所定の接近距離に到達したときには、警報地点アプローチというイベントの発生と判断する。所定の受信レベル以上のレーダー波を受信したときには、RD受信というイベントの発生と判断する。所定の受信レベル以上の無線を受信したときには、無線受信というイベントの発生と判断する。これら3つのイベントがいずれも未発生であるとき、レーダークレードル1は待機状態となる。
【0089】
制御部30は、いずれかのイベントの発生を判断したとき、対応する警報動作を実行する。なお、2つ以上のイベント発生が同時に判断された場合の警報の優先順位は、高いほうから、RD警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順となっている。
警報地点アプローチのイベント発生を判断した制御部30は、接近中の警報地点の種類と共に、接近している旨の音声が出力されるようにスピーカー318を制御する。特に、オービスが設置されたオービスポイント、マイエリアに接近したときには、GPSランプが青色で点滅する。
RD受信のイベント発生を判断した制御部30は、RD警報音設定により設定された警報音を出力できるようにスピーカー318を制御すると共に、RD警報ランプを点滅させる。このような動作は、レーダー波を受信しなくなるまで継続され、レーダー波の受信レベルが高くなるにつれて、RD警報ランプの点滅速度が速くなると共に、「ピッピッピッ・・・」という電子音が警報音として設定されている場合にはそのテンポが速くなる。
無線受信のイベント発生を判断した制御部30は、「取締無線です。」等の音声出力を実行すると共に、無線警報ランプを点灯させる。さらに、カーロケ無線の受信に応じた無線受信のイベント発生時には、発信元の接近度合いに応じて「カーロケ遠方受信です。」あるいは「カーロケ近接受信です。」等の音声出力を実行し、その後、カーロケ無線の受信が途切れたとき、「カーロケ圏外です。」という音声出力を実行する。
【0090】
本例のレーダークレードル1では、セレクトボタン171とセットボタン172とを適宜操作すれば、以下のような設定を実行できる。
(RD警報音設定)
RD警報時の警報音として、「ピッピッピッ・・・」という電子音、又は「スピード注意」というボイスを選択的に設定する。セレクトボタン171を1回操作すれば、RD警報音設定機能を選択でき、「ボイス、オンです。」等、そのときの設定内容が発音される。そのまま放置すれば、ボイスオンの状態を保持でき、セットボタン172を操作すれば、ボイスをオフに切替できると共に、「オフです。」という発音に応じて切替を確認できる。
【0091】
(告知設定)
GPSコンテンツに接近したときに告知するか否かの設定。対象となるGPSコンテンツとしては、Nシステム、駐禁監視エリア、警察署、事故多発エリア等がある。例えば、セレクトボタン171を5回操作すれば、Nシステム告知機能を選択でき、「Nシステム、オンです。」等、そのときの設定内容が発音される。そのまま放置すれば、その告知状態を保持でき、セットボタン172を操作すれば、Nシステムの告知機能をオフに切替できると共に、「オフです。」という発音に応じて切替を確認できる。セレクトボタン171の操作回数に応じて告知対象を切替でき、駐禁監視エリア告知機能は操作回数が6回、警察署告知機能は7回、事故多発エリア告知機能は8回となっている。
【0092】
(インテリジェントキャンセル機能設定)
自動ドア等による誤警報が発生したときのGPS位置情報を誤警報エリアとして自動登録し、次回以降、その場所を通過したときにマイクロ波を受信してもRD警報をキャンセルするというインテリジェントキャンセル機能を動作させるか否かを設定する。セレクトボタン171を2回操作すれば、インテリジェントキャンセル(Iキャンセル)機能を選択でき、「Iキャンセル、オンです。」等、そのときの設定内容が発音される。そのまま放置すれば、インテリジェントキャンセル機能をオン状態に保持でき、セットボタン172を操作すれば、インテリジェントキャンセル機能をオフに切替できると共に、「オフです。」という発音に応じて切替を確認できる。
【0093】
(AAC/ASS機能設定)
時速30km未満のときにRD警報をカットするというAAC機能、及び時速に応じてRDモジュールの受信感度を切り換えるというASS機能を動作させるか否かを設定する。セレクトボタン171を3回操作すれば、AAC/ASS機能を選択でき、「AAC、オンです。」等、そのときの設定内容が発音される。そのまま放置すれば、AAC/ASS機能をオン状態に保持でき、セットボタン172を操作すれば、AAC/ASS機能をオフに切替できると共に、「オフです。」という発音に応じて切替を確認できる。
【0094】
(無線受信機能設定)
無線2バンド(取締無線、カーロケ無線)を受信するか否かの設定。セレクトボタン171を4回操作すれば、無線受信機能を選択でき、「無線、オンです。」等、そのときの設定内容が発音される。そのまま放置すれば、無線受信機能をオン状態に保持でき、セットボタン172を操作すれば、無線受信機能をオフに切替できると共に、「オフです。」という発音に応じて切替を確認できる。
【0095】
次に、本例のレーダークレードル1にスマートフォンを保持させる手順について説明する。
本例のレーダークレードル1では、
図24のごとく、回動アーム13の回動動作に応じた一対のガイドローラー130の水平方向の間隔Hの変動範囲が5.0cm~7.5cmに設定されている。また、回動アーム13の回動に伴って鉛直方向の位置が変化するガイドローラー130とホルダー15の支持面15sとの鉛直方向の間隔Vの変動範囲が5.5cm~8.0cmとなっている。このレーダークレードル1によれば、水平方向の間隔Hの変動範囲と鉛直方向の間隔Vの変動範囲とが範囲的に重複する5.5cm~7.5cmまでの横幅(短辺寸法)のスマートフォン等の携帯機器を縦横いずれでも保持可能である。
【0096】
スマートフォンを縦置きする手順の一例を説明する。例えば、縦にしたスマートフォンを左右に傾け、一対のガイドローラー130の間隙のスペースにスマートフォンを左側から差し入れる。そして、
図25の矢印のごとく、スマートフォンの左側を押し当ててガイドローラー130を外側に回動変位させ、一対のガイドローラー130の間隔Hを押し拡げていく。スマートフォンの幅よりもこの間隙Hが広くなるまでガイドローラー130を回動変位させた後、スマートフォンの右側をクレードル本体1A側に向けて押し込む。このような取付操作を行えば、一対のガイドローラー130によって両側からスマートフォンが挟持されていると共に、スマートフォンの下側が支持面15sによって支持された縦置きの保持状態を実現できる(
図2参照。)。
【0097】
スマートフォンを横に保持する手順の一例を説明する。例えば、横にしたスマートフォンを上下に傾け、ガイドローラー130とホルダー15との間隙のスペースにスマートフォンを上側から差し入れる。そして、
図26の矢印のごとく、スマートフォンの上側を押し当てて左右のガイドローラー130を上方に回動変位させ、ガイドローラー130と支持面15sとの間隔Vを押し拡げていく。スマートフォンの幅よりもこの間隔Vが広くなるまで左右のガイドローラー130を回動変位させた後、スマートフォンの下側をクレードル本体1Aに向けて押し込む。このような取付操作を行えば、一対のガイドローラー130と一対のホルダー15によってスマートフォンが上下から挟持された横置きの保持状態を実現できる。
【0098】
ここで、本例のレーダークレードル1では、回動アーム13によりガイドローラー130が回転可能に軸支されている。このような軸支構造は、上記のような手順によりスマートフォンを保持する際に特に有効に作用する。この内容について説明する。
上記のようにスマートフォンをガイドローラー130に押し当てて回動アーム13を回動させると、所望の水平方向(鉛直方向)の変位に付随して鉛直方向(水平方向)の変位がガイドローラー130に発生する。スマートフォンをガイドローラー130に押し当てて水平方向(鉛直方向)に変位させるときには、スマートフォンに外接しながらその外周に沿って鉛直方向(水平方向)にガイドローラー130が変位する必要がある。回動アーム13に対して回転可能なガイドローラー130によれば、スマートフォンの外周に沿ってガイドローラー130が変位する際の摺動抵抗をゼロに近づけることが可能である。仮に、ガイドローラー130が回転しない場合には、スマートフォンの外周に沿ってガイドローラー130が変位する際の摺動抵抗が大きくなり、回動アーム13の回動動作の抵抗になる。特に、本例のゴム製のガイドローラー130の場合、接触箇所の摩擦係数が高くなるので、このような問題が顕著になる。
【0099】
また、本例のレーダークレードル1では、
図27のごとく、収容位置の回動アーム13が斜め下方を向いており、回動中心(本例ではネジ支柱116)を通る鉛直方向VLに対してガイドローラー130(中心位置)が外側に位置している。このような配置構造によれば、上記のように横置きする際の矢印の方向にガイドローラー130を押し上げる力Fを、ネジ支柱116を中心とした回転モーメントMに変換可能である。この回転モーメントMによれば、回動アーム13を外側に回動変位させることができる。一方、収容位置のガイドローラー130とネジ支柱116(回動アーム13の回動中心)とが、鉛直方向VLに沿って配置されていると、鉛直方向の押し上げ力Fに起因して回転モーメントが発生することがなく、回動アーム13を回動させることができない。
【0100】
本例のレーダークレードル1における一対のホルダー15の間隔W(
図24参照。)は、一般的なスマートフォン用のコネクタの幅よりも大きく設定されている。さらに、クレードル本体1Aの下端を基準とした支持面15sの高さTは、一般的なスマートフォン用のコネクタの突出寸法よりも大きく設定されている。例えば、縦置きしたときの下側面の中央に接続ポートが設けられたスマートフォンであれば、USBコネクタ313に接続された接続コードの他端のコネクタを一対のホルダー15の間隙に収容可能である。また、スマートフォンから下方に突出するコネクタの下端は、クレードル本体1Aの下端よりも高い位置になっているため、車両のダッシュボード等に干渉することがない。コネクタが車両側に押し当たる等の干渉を回避すれば、コネクタの変形や、車両側の傷つきや、コネクタから引き出された電線コードの断線等を未然に回避できる。なお、縦置きしたスマートフォンに対してコネクタを接続できるように、コネクタのアクセス寸法を考慮して高さTを十分に確保しておくことも良い。
【0101】
本例のレーダークレードル1では、様々な大きさのスマートフォンに対応可能とする構造が非常にシンプルな構造により実現されている。特に、本例の回動アーム13を利用した保持構造は、筐体10の外周側のスペースを利用して構成され、内周側のスペースを一切占有していない。筐体10の内周側のスペースを占有する場合、この保持構造に重ねて電気基板等を配置する必要が生じたり、保持構造を避けて電子基板を配置する必要があり、厚さ方向の寸法の拡大や、正面側の専有面積の拡大が招来され易い。上記のように筐体10の外周側のスペースを利用する本例の保持構造を採用すれば、筐体10の内周側のスペースを専ら電子基板等の電子部品を収容するために利用でき、厚み方向の寸法の拡大や、正面側の専有面積の拡大を抑制でき、コンパクト設計が可能である。さらに、筐体10の内周側を電子回路の配置領域に利用できれば、例えば、液晶ディスプレイの表示画面等を内周部110に配置することも可能になる。
さらに、本例のレーダークレードル1では、筐体10を正面から見込んだときの外縁形状に対して、収容位置にあるときの回動アーム13の外縁形状が略一致するようになっている。収容位置の回動アーム13は、筐体10と一体化されて収容されており、特に、スマートフォンを保持しない状態での美観が格段に高くなっている。
【0102】
本例のレーダークレードル1は、GPS機能を動作させない動作モードを選択するための切換手段を備えている。GPS機能を備えるスマートフォンを保持する場合には、この動作モードを選択する等、保持するスマートフォンと協調する動作が可能となっている。スマートフォン側から測位された現在位置等を取得して、GPS警報を実行することも良い。あるいは、GPS機能を備えるスマートフォンを保持している場合であれば、レーダークレードル1が保有するGPSコンテンツをスマートフォンに転送し、スマートフォンにGPS警報を実行させるという構成を採用することも良い。
【0103】
本例のレーダークレードル1では、ガイドローラー130の外周面の傾斜角度が約8度に設定してある。この傾斜角度は、5度~10度程度に設定することが良い。傾斜角度がこの範囲に満たないと、スマートフォンが手前側に抜け落ち易くなる。傾斜角度がこの範囲を超えていると、スマートフォンのカバーとして利用されることがあるシリコン製のカバー等に凹みが生じることもある。
【0104】
このレーダークレードル1では、クレードル本体1Aの内部に設けられ、スマートフォン100等の載置面(内周部110の表面)側に突出していないネジ支柱116が、回動アーム13の回転軸として利用されている。このように回動アーム13の回転軸が載置面側に突出しない構造を採用すれば、ガイドローラー130及びホルダー15の内側領域にスマートフォン100等を載置する際、回動アーム13の回転機構を構成する回転軸等がスマートフォン100等に干渉することがない。
【0105】
以上のように、本例のレーダークレードル1は、様々な大きさのスマートフォンを保持できる便利で汎用性の高い車載機器である。一般的な手のひらサイズのスマートフォン等であれば、縦置き、横置きが可能であり、車載時のスマートフォンの使い勝手を向上できる。
【0106】
本例の構成に代えて、スマートフォン100等を保持しているときに操作される頻度が高い操作スイッチについては、ホルダー15あるいはガイドローラー130の先端面に配置することも良い。これらの先端面であれば、スマートフォン100を保持したときに隠れることがない。さらに、これらの先端面に、表示ランプを配置することも良い。
ガイドローラー130については、保持する携帯機器に応じて変更可能なように構成することも良い。例えば、スライド式の携帯電話等、厚さ方向の寸法が大きい携帯機器については、軸方向に長いガイドローラー130を取り付ける一方、薄いスマートフォンを保持する場合には、短いガイドローラー130に付け替えれば、スマートフォン等の正面側の出っ張りを少なくできる。スマートフォンの正面側の出っ張りが少なくなれば、美観を向上できると共に、表示画面の視認性を向上できる。
【0107】
なお、本例では、レーダー探知機としての機能を備えるレーダークレードル1を例示しているが、クレードル本体1Aに収容する電子回路が実現する機能は他の機能であっても良い。例えば、音楽プレーヤー機能、動画プレーヤー機能、各種の通信機能、ナビゲーション機能、車速、冷却水温等の各種車両データ表示機能、ドライブレコーダー機能、空気清浄機能、覚醒度など運転者モニタリング機能等の各種の機能をクレードル本体1Aの内部に組み込むことができる。内部に収容する機能は、スマートフォン等の携帯機器に電力を供給する回路のみであっても良い。
【0108】
本例では、一対のホルダー15によって支持部を構成しているが、本例に代えて、ある程度の幅を備えた1箇所のホルダーによってスマートフォンの下側を支持しても良く、3本以上のホルダーによってスマートフォンを支持しても良い。本例では、支持部を構成する2本のホルダー15を同じ仕様で設けているが、幅など一部の仕様が相違していても良い。
さらに、回動アーム13とは別の新たな回動アームを設け、その先端にホルダーを取り付けることも良い。ガイドローラー130の回動アーム13と、ホルダーの回動アームと、の組み合わせによれば、特に鉛直方向の間隔V(
図24参照。)の変動範囲を拡大できる。鉛直方向の間隔の変動範囲を拡大する必要がなければ、一層のコンパクト設計により本例と同様の変動範囲を実現できる。
【0109】
保持されるスマートフォンがGPS機能を備えている場合であれば、GPS警報プログラム、及びGPSコンテンツのデータベースをスマートフォンにインストールすることも良い。この場合には、スマートフォンのハードウェア資源を利用してGPS警報を実行できるようになる。さらに、GPS警報プログラムのみをスマートフォンにインストールしておく一方、USBコネクタ313に接続された接続コードを介してスマートフォン側からデータベース300のGPSコンテンツにアクセス可能に構成しても良い。さらには、ブルートゥース等の無線通信によってスマートフォン側からデータベース300にアクセスすることも良い。GPS警報プログラムをインストールする方法としては、インターネット上のサーバーからインターネット回線を介してスマートフォンにプログラムをダウンロードしてインストールしても良いし、メモリーカード等を介してプログラムをダウンロードしても良い。さらには、接続コードや無線通信を介してレーダークレードル1側からスマートフォンにプログラムをダウンロードしても良い。
【0110】
保持するスマートフォンが縦置きか横置きかを検知する手段を追加することも良い。スマートフォン等は、一般に、縦の姿勢のときGPS受信器の感度が良好になるように設定されている。そこで、縦置きを検知したときには、スマートフォンのGPS機能を利用し、横置きのときには、スマートフォンのGPS機能を停止し、レーダークレードル1のGPS機能を利用するように構成することも良い。縦置きか、横置きかを検知する手段としては、例えば、クレードル本体1Aの内周部110において、複数の受光素子を鉛直方向に配列すると共に、ガイドローラー130の高さよりも高い位置に配置された受光素子による受光有無を判断すると良い。スマートフォン等を保持しているとき、ガイドローラー130よりも高い位置の受光素子による受光が有る場合には横置きであり、受光が遮断されていれば縦置きと判断できる。
【0111】
本例に代えて、クレードル本体1Aの内周部110の左右両側に押し込みボタンを1個ずつ配置しておくことも良い。例えば、縦置きのスマートフォンの背面に押し込みボタンが接触する状態であれば、スマートフォンの右側上部を指等で押すことで右側の押し込みボタンを操作でき、左側上部を押すことで左側の押し込みボタンを操作できる。このように、スマートフォンを介在して、レーダークレードル1を操作できるようになる。レーダークレードル1の操作ボタンの機能をなす仮想的な操作ボタンを、スマートフォンの表示画面上で実現すると良い。この場合には、スマートフォンの表示画面上でのタップ操作によってレーダークレードル1の設定等を実行できるようになる。
【0112】
(実施例2)
本例は、実施例1のレーダークレードル1を基にして、形状的な仕様を変更した例である。この内容について、
図28~
図43を参照して説明する。
図28は、正面矩形状をなすクレードル本体1Aの両外側に張り出す両肩に当たる部分に、回動アーム13の支持部を設けたレーダークレードル1の例である。
図29は、
図28のレーダークレードル1を基にして、一方の回動アーム13を廃し、上下方向に進退するガイドローラー130を設けた例である。このガイドローラー130は、進退溝138に沿って直線的に進退可能である一方、その進退方向に沿って収容されたコイルバネ139によって図示する位置に向けて付勢されている。
図30は、回動アーム13を廃し、斜め方向に進退する一対のガイドローラー130を設けた例である。このレーダークレードル1では、
図29と同様の仕組みで直線的に進退する一対のガイドローラー130が斜めに配置されている。
図29と同様、各ガイドローラー130は、コイルバネ139によって図示する位置に向けて付勢されている。
【0113】
図31~
図43は、
図28のレーダークレードル1と同様、一対の回動アーム13を備えたレーダークレードルの別デザインである。
図31のデザインは、本体を八角形の断面の押し出し形状とし、回動アーム13の回転軸部や後方の取り付け部を独立したパーツとしてシンプルに構成したデザインである。操作し易い様、隙間を空けて二段に操作スイッチが配置され、スペースを利用してLED表示も二段に配置されている。
図32のデザインは、外形を滑らかなラインで一体化し、大きく面を取ることで、シンプルでスリムに見せることを目指したデザインである。操作性を意識して操作スイッチを中央部に集中させ、その周囲に配されたLEDのリレー点滅が想定されている。
図33のデザインは、「ロボット的なイメージ」を求めるユーザーの要望に応えるため、操作・表示部でロボットのイメージを表現したデザインである。回動アーム13とホルダー15とのロボット的なデザインに加えて、人気アニメのガンダム(ロボットキャラクター)のコックピットや、「操縦支援型」のR2D2(映画のキャラクター)に見立てて、操作スイッチやLED表示部のレンズ形状がデザインされている。
図34のデザインは、上部に球体のイメージ与え「親しみやすい」ロボットの頭とし、全体はメカっぽくボリューム感を持たせた表現としたデザインである。表示・操作部は「顔」として認識できる様な配置とし、操作スイッチはスマートフォンのアイコンがイメージされている。
図35のデザインは、頭部の円筒形から滑らかに繋がるエリアに表示・操作部を配置するとともに、背面取り付け部(台座部)とホルダー15とをワンボリュームとし、一体感と重量感のある「塊」として表現されたデザインである。
図36のデザインは、超・有機的な形状のPCマウスを参考に、「生物」+メカが合体したロボットイメージの追求から、前後左右どこからも曲面が見えるフォルムを目指したデザインである。LED表示が「知能・生命」的な動作に見えるように「顔」の操作スイッチの周りに環状に配置されている。
図37のデザインは、「生命体」+メカの融合したサイボーグタイプのロボットをイメージして有機的なフォルムを追及したデザインである。スマートフォンの接続ケーブルを避けて、操作スイッチは前面に、表示は奥に配置して操作性が向上されている。
図38のデザインは、「生命体」+メカの融合したサイボーグタイプのロボットをイメージして有機的なフォルムを追及したデザインである。操作スイッチ、表示が最下部にまとめて配置され、操作と認識が容易となっている。
図39のデザインは、有機的なイメージと「ロボット」形状の融合を追及したデザインである。ホルダー15のボリュームを減らして出来たスペースに表示と操作スイッチとを配置し、操作・視認性が改善されている。
図40のデザインは、有機的なイメージと「ロボット」形状の融合を追及したデザインである。ホルダー15のボリュームを減らして出来たスペースに表示と操作スイッチを配置し、操作・視認性が改善されている。
図41のデザインは、「肩」部分の除去に合わせ、上面の「尖り」や操作スイッチ等の無駄な装飾を極力廃し、スマートフォンに合わせたデザインとなっている。
図42のデザインは、「肩」部分の除去に合わせ、上面の「尖り」と、背面の盛り上がり、操作スイッチ等の余分な意匠を極力廃し、スマートフォンに合わせたデザインとなっている。
図43のデザインは、違和感だった「肩」部分の除去に合わせ、回動アーム13を一体化し、“シームレス”という製品外観のコンセプトに近づけたデザインである。スマートフォン給電部によって操作・表示部が隠れない様、配慮されている。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0114】
以上、実施例1及び2のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0115】
1 レーダークレードル(車載機器)
1A クレードル本体
10 筐体
101 収容部
11 カバー
117 収容部
116 ネジ支柱
12 ケース
127 収容部
13 回動アーム(アーム)
130 ガイドローラー(ガイド部)
132 回転ローラー
14 トーションコイルバネ
15 ホルダー(支持部)
15s 支持面
171~176 操作スイッチ(操作部)
2 ブラケット
30 制御部
300 データベース
312 スライドスイッチ(切換手段)
315 GPSモジュール
316 RDモジュール
324 無線モジュール