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特開2024-95715端末デバイス又はネットワークデバイスにより実行される方法、端末デバイス、およびネットワークデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095715
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】端末デバイス又はネットワークデバイスにより実行される方法、端末デバイス、およびネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/1607 20230101AFI20240703BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20240703BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20240703BHJP
【FI】
H04L1/1607
H04W72/232
H04W28/04 110
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053360
(22)【出願日】2024-03-28
(62)【分割の表示】P 2021575210の分割
【原出願日】2019-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA02
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックに用いられる方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】方法は、ネットワークデバイスから第1制御情報を受信することを含む。第1制御情報は、第1データチャネルグループについての第1チャネルインデックスと、第2データチャネルグループについての第2チャネルインデックスとを少なくとも含み、第1データチャネルグループは、ネットワークデバイスから端末デバイスへのデータ送信のためにスケジューリングされる第1データチャネルセットの少なくとも一部であり、第2データチャネルグループは、データ送信のためにスケジューリングされる第2データチャネルセットの少なくとも一部である。方法はまた、第1制御情報に基づいてフィードバック情報を生成することと、アップリンクチャネルを介してフィードバック情報をネットワークデバイスに送信することと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)をスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)を受信し、前記DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の第1のグループおよびPDSCHの第2のグループのためのトータルダウンリンク割当インデックス(DAI)フィールド情報を含み、
前記PUSCHでHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)-ACK(Acknowledgement)情報を送信する、
端末デバイスにより実行される方法。
【請求項2】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)をスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)を送信し、前記DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の第1のグループおよびPDSCHの第2のグループのためのトータルダウンリンク割当インデックス(DAI)フィールド情報を含み、
前記PUSCHでHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)-ACK(Acknowledgement)情報を受信する、
ネットワークデバイスにより実行される方法。
【請求項3】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)をスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)を受信する手段であって、前記DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の第1のグループおよびPDSCHの第2のグループのためのトータルダウンリンク割当インデックス(DAI)フィールド情報を含むようにする手段と、
前記PUSCHでHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)-ACK(Acknowledgement)情報を送信する手段と、
を備える、端末デバイス。
【請求項4】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)をスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)を送信する手段であって、前記DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の第1のグループおよびPDSCHの第2のグループのためのトータルダウンリンク割当インデックス(DAI)フィールド情報を含むようにする手段と、
前記PUSCHでHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)-ACK(Acknowledgement)情報を受信する手段と、を備える、
ネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全体として通信分野に関し、特に、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックのための方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術は、様々な通信規格で開発されており、異なる無線デバイスが自治体レベル、国レベル、地域レベル、さらにはグローバルレベルで通信することを可能にする共通のプロトコルを提供している。新たな通信規格の例として新無線(NR)、例えば5G無線アクセスが挙げられる。NRは第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))が公表したロングタームレボリューション(LTE)モバイル規格の拡張セットである。
【0003】
送信の信頼性を向上させるために、通信システムではHARQ機構が広く用いられている。HARQでは、受信機は、送信機からのデータが正しく検出された場合には肯定応答(ACK)を送信機にフィードバックし、データが正しく検出されなかった場合には否定応答(NACK)を送信機にフィードバックする。そして送信機は、受信機からACKとNACKのどちらを受信したかによって、新規送信又は再送を行う。したがって、ACK/NACKフィードバック(HARQフィードバックと称してもよい)は、データ送信のスケジューリングにとって重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の例示的な実施形態は全体として、HARQフィードバックのための方法、デバイス及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、端末デバイスで実施される方法が提供される。前記方法は、ネットワークデバイスから第1制御情報を受信することを含む。前記第1制御情報は、第1データチャネルグループについての第1チャネルインデックスと、第2データチャネルグループについての第2チャネルインデックスとを少なくとも含み、前記第1データチャネルグループは、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへのデータ送信のためにスケジューリングされる第1データチャネルセットの少なくとも一部であり、前記第2データチャネルグループは、前記データ送信のためにスケジューリングされる第2データチャネルセットの少なくとも一部である。前記方法はさらに、前記第1制御情報に基づいてフィードバック情報を生成することを含む。前記フィードバック情報は、前記第1チャネルインデックスに関連付けられて前記第1データチャネルグループにおけるデータの第1受信状態と、前記第2チャネルインデックスに関連付けられて前記第2データチャネルグループにおけるデータの第2受信状態とを示す。前記方法はさらに、アップリンクチャネルを介して前記フィードバック情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含む。
【0006】
第2の態様において、ネットワークデバイスで実施される方法が提供される。前記方法は、端末デバイスに第2制御情報を送信することを含む。前記第2制御情報は、前記ネットワークデバイスから前記端末デバイスへのデータ送信のためにスケジューリングされる第1データチャネルセットと、前記データ送信のためにスケジューリングされる第2データチャネルセットとに関連付けられている。前記方法はさらに、フィードバック情報を受信することを含む。前記フィードバック情報は、第1データチャネルグループについての第1チャネルインデックスに関連付けて前記第1データチャネルグループにおけるデータの第1受信状態と、第2データチャネルグループについての第2チャネルインデックスに関連付けて前記第2データチャネルグループにおけるデータの第2受信状態とを示し、前記第1データチャネルグループは、第1データチャネルセットの少なくとも一部であり、前記第2データチャネルグループは、前記第2データチャネルセットの少なくとも一部である。前記方法はさらに、前記第2制御情報及び前記フィードバック情報に基づいて、再送すべきデータを決定することを含む。
【0007】
第3の態様では、端末デバイスが提供される。前記端末デバイスは、プロセッサと、前記プロセッサに結合され命令が記憶されているメモリとを備え、前記命令は前記プロセッサにより実行される場合、前記第1の態様に記載の動作を実行させる。
【0008】
第4の態様では、ネットワークデバイスが提供される。前記ネットワークデバイスは、プロセッサと、前記プロセッサに結合され命令が記憶されているメモリとを備え、前記命令は前記プロセッサにより実行される場合、前記第2の態様に記載の動作を実行させる。
【0009】
第5の態様では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに前記第1の態様に記載の方法を実行させる命令が記憶されている、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0010】
第6の態様では、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに前記第2の態様に記載の方法を実行させる命令が記憶されている、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0011】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明し、本開示の上述及びその他の目的、特徴、利点を、さらに明らかにする。
図1】本開示に係るいくつかの実施形態を実施可能な通信環境の模式図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態に係る検出漏れの例示の模式図を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的方法のフローチャートを示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態に係るフィードバック情報の例示の模式図を示す。
図5】本開示の他のいくつかの実施形態に係るフィードバック情報の別の例示の模式図を示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態に係る例示的方法のフローチャートを示す。
図7】本開示の実施形態を実現するのに適したデバイスの概略ブロック図である。 全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、いくつかの例示的実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明のために記述され、当業者が本開示を理解し実施する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を暗示するものではない。本明細書で説明する本開示は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実施可能である。
【0014】
以下の説明及び請求項において、別途定義されない限り、文中で使用される全ての技術用語・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0015】
文中で使用される用語「ネットワークデバイス」(network device)又は「基地局」(BS)とは、端末デバイスが通信可能なセル又はカバレッジ(coverage)を、提供又はホスト可能なデバイスを指す。ネットワークデバイスの例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等のような低電力ノードが含まれるが、これらに限定されない。議論を目的として、以下、ネットワークデバイスの例としてgNBを参照しつついくつかの実施形態を説明する。
【0016】
文中で使用される用語「端末デバイス」(terminal device)は、無線での通信能力又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、デジタルカメラのような画像取込デバイス、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧が可能なインターネットデバイス等が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
文中で使用される場合、文脈の中で別途明記しない限り、単数形式である「1つ」(a)、「1つの」(an)及び「当該」(the)は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると理解されるべきである。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「実施形態」及び「1つの実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「他の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を指すことができる。以下の説明では、その他の定義も、明確及び暗黙のものとして含むことができる。
【0018】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能の代替案から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0019】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワークデバイス110と、ネットワークデバイス110がサービスを提供する端末デバイス120とを含む。ネットワークデバイス110のサービングエリアはセル102と称される。理解できるように、ネットワークデバイス及び端末デバイスの数は、説明のためのものにすぎず、何らかの限定を暗示するものではない。ネットワーク100は、本開示の実施形態の実施に適した任意の適切な数のネットワークデバイス及び端末デバイスを含むことができる。図示されていないが、理解すべき点として、セル102内に1つ又は複数の端末デバイスが位置し、ネットワークデバイス110からサービスを受けることができる。
【0020】
通信ネットワーク100において、ネットワークデバイス110は、データ及び制御情報を端末デバイス120に送ることができ、端末デバイス120も、データ及び制御情報をネットワークデバイス110に送ることができる。ネットワークデバイス110から端末デバイス120へのリンクは、ダウンリンク(DL)又はフォワードリンクと呼ばれ、一方、端末デバイス120からネットワークデバイス110へのリンクは、アップリンク(UL)又はリバースリンクと呼ばれる。
【0021】
ネットワーク100は通信技術に応じて、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワーク又は任意の他のネットワークであり得る。ネットワーク100で論じる通信としては、適切な規格に適合した任意のものを使用することができる。こうした規格には、新無線アクセス(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE エボリューション(LTE-Evolution)、LTE-アドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、cdma2000、及び移動通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現在既知の又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づいて、通信を実行することができる。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で説明する技術は、上述した無線ネットワーク及び無線技術並びに他の無線ネットワーク及び無線技術において用いることができる。明確性の観点から、以下ではLTEについてこれらの技術のいくつかの面を説明しており、以下の説明の大部分において、LTEの技術用語が使用されている。
【0022】
上述したように、送信の信頼性を向上させるために、通信システムではHARQ機構が広く用いられている。HARQプロセスでは、受信機は、送信機からのデータが正しく検出された場合には肯定応答(ACK)を送信機にフィードバックし、データが正しく検出されなかった場合には否定応答(NACK)を送信機にフィードバックする。そして送信機は、受信機からACKとNACKのどちらを受信したかによって、新規送信又は再送を行う。したがって、ACK/NACKフィードバック(HARQフィードバックと称してもよい)は、データ送信のスケジューリングにとって重要である。
【0023】
図1に示すように、ネットワークデバイス110は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介してダウンリンク制御情報(DCI)を端末デバイス120に送信することができる。DCIは、端末デバイス120とネットワークデバイス110との間の物理ダウンリンク共有チャネルを介して端末デバイス120がデータを受信できるように、ネットワークデバイス110から端末デバイス120にデータを送信するためのリソースを示すことができる。また、DCIは、HARQフィードバックを送信するためのリソース及び動作を示すために、端末デバイス120のためのHARQフィードバックの設定を含んでもよい。
【0024】
HARQ機構におけるエラーは、ACK/NACKのフィードバック又は検出の失敗を引き起こす可能性がある。その結果、送信機は、データが正しく受信されたか否かを知ることができない。
【0025】
経路損失、チャネルフェージング及び/又はチャネル干渉のために、データ送信又はHARQフィードバックの中にエラーが発生し、HARQ機構においてDL検出漏れが発生することが観察されている。
【0026】
送信機によってDCIが送信されたが、受信機によって検出されない場合、DCI検出漏れが発生する。このような場合、送信機の方ではACK/NACKフィードバックを期待するが、受信機から提供されないため、送信機側と受信機側で曖昧さが生じる。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で伝送されるDCIは高い復号精度を有するが、典型的な復号誤り率は依然として約1%であり、これは、DCIの検出漏れを完全には回避できないことを意味する。
【0027】
複数機会(occasions)の多重化のHARQフィードバック(すなわち、複数のPDSCH送信に対するフィードバック)については、最後の1つ又は複数の送信機会のDCI検出漏れを除く、DCI検出漏れに起因する問題を解決するために、DCIにダウンリンク割当インデックス(DAI)を含めることができる。DCIのDAIフィールドに基づいて、端末デバイス120は、検出漏れがあったPDCCHを認識する。これにより、端末デバイス120は、検出漏れが発生しても、フィードバックされるべきHARQ-ACKビットの長さについて、ネットワークデバイス110と同じ知識を持つことができる。例えば、2ビットのDAIでは、4つの連続したDCIが見逃された場合に限って、フィードバックのサイズ(すなわち、フィードバックビットの数)に曖昧さが生じる。
【0028】
HARQフィードバックをサポートするために、いくつかのプロトコルにおいて、ダイナミックHARQコードブックが提案されている。HARQフィードバックのためにダイナミックコードブックを用いると、HARQビットを生成する際に、ペイロードのサイズを減らすために、送信されるPDSCHのみが考慮される。このような場合、端末デバイス120は、DCIが検出された場合にのみHARQフィードバックを送信し、フィードバックの内容(すなわちACK又はNACK)は、検出されたDCIによってスケジューリングされたPDSCHが正しく復号されるか否かに依存する。そのため、送信機からDCIが送信されても受信機で検出されない場合(すなわちDCIの検出漏れが発生した場合)、ACK/NACKは送信されず、送信機側と受信機側で曖昧さが生じる可能性がある。
【0029】
ダイナミックHARQコードブックを用いた操作では、例えばアンライセンスバンド(unlicensed band)でのNR操作又は複数パネルでのNR送信等、いくつかの場合に、PDSCHをスケジューリングするDCIにおいてグループインデックスを明示的に信号で送信することで、PDSCHをグループ化することができる。例えば、PDSCHグループの最大数は2である。或いは、PDSCHグループの最大数は4であってもよい。1つのPDSCHグループのためのHARQ-ACKのビット数は、同じPDSCHグループに対するHARQ-ACKフィードバックの連続的な要求の間で変化すること可能性がある。同一グループ内の全てのPDSCHに対するHARQ-ACKフィードバックは、同一の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で伝送される。1つ又は複数のPDSCHグループに対するHARQ-ACKフィードバックも、同じPUCCHで伝送することができる。また、カウンタDAI(C-DAI)とトータルDAI(T-DAI)は、各PDSCHグループ内でのみ蓄積することができる。各PDSCHグループについてのACK-フィードバックグループ指標は、トグルビット(toggle bit)として操作することができる。
【0030】
現在のNRシステムでは、最後の1つ又は複数の送信機会の検出漏れに起因する問題は、各DCIに含まれるC-DAI及び/又はT-DAIによって解決することができる。ここで、DCI中のC-DAIは、現在のPDSCHまでにPDSCHグループ(すなわち、同一のPUCCHフィードバック機会に関連付けられたPDSCHグループ)で送信されたDCIの総数を示し、DCI中のT-DAIは、キャリアアグリゲーションが採用される場合に現在のタイムインスタンス(time instance)までにPDSCHグループで送信されるDCIの総数を示す。キャリアアグリゲーションのT-DAIは、最後の1つ又は複数の送信機会の検出漏れによる問題の解決に寄与することができる。しかし、シングルキャリア設定に対しては、T-DAIは存在しない。
【0031】
1つのPUCCHに1つのPDSCHグループしかない現在のNRシステムとは異なり、1つのPUCCHにもっと多くのPDSCHグループ(例えば2つのPDSCHグループ)があり、自然な符号化順序(第2グループのHARQ-ACKビットが第1グループのHARQ-ACKビットに続く)の場合、第1グループの最後のPDCCHの検出漏れは、エンコーダでのHARQ-ACKビットのシフトを引き起こす。ネットワークデバイス110は、このシフトしたHARQ-ACKビットに気づかない可能性があり、NACKからACKへの問題が発生する可能性がある。これは、単一のPDSCHグループよりも更に深刻な問題である。
【0032】
図2は、検出漏れの例を説明する模式図である。11ビットのRMエンコーダはブロック210~21010によって示すことができ、それらは、端末デバイス120により生成されたフィードバック情報のビット列の符号化フォーマットを示す。2つのPDSCHグループがあり、そのうちPDSCHグループ1が5つのPDSCHチャネルを含み、PDSCHグループ2が3つのPDSCHチャネルを含む場合、ネットワークデバイス110は、8ビットのHARQ ACK/NACKフィードバックを受信すると期待することができる。これは、図2のビット列250によって示すことができる。ビット列250は、PDSCHグループ1のための5ビットのHARQ ACK/NACKフィードバック(ブロック220~220で表される)と、PDSCHグループ2のための3ビットのHARQ ACK/NACKフィードバック(ブロック230~230で表される)とを含むことができる。
【0033】
しかしながら、端末デバイス120がPDSCHグループ1の最後のPDSCHチャネルを見逃した場合、言い換えれば、端末デバイス120がPDSCHグループ1の最後のPDSCHチャネルに気づかない場合、端末デバイスは、ビット列240においてPDSCHグループ1に対して4ビットのHARQ ACK/NACK(ブロック220~220で表される)のみをフィードバックする可能性がある。自然な符号化順序によれば、ビット列240においてPDSCHグループ2に対して返される3ビットのHARQ ACK/NACK(ブロック230~230で表される)は、PDSCHグループ1に対する4ビットのHARQ ACK/NACKの後に続くことができる。
【0034】
ビット列250と比較すると、ビット列240におけるPDSCHグループ2に対するHARQ ACK/NACKが1ビットだけ前にシフトしてしまう可能性があることが分かる。ネットワークデバイス110は、このシフトしたHARQ-ACKビットに気づかない可能性があり、NACKからACKへの問題が発生する可能性がある。これは、単一のPDSCHグループの問題よりも更に深刻な問題である。すなわち、第1グループの最後のPDCCHの1%の検出漏れ率によって、NACK からACKへのエラーが発生する可能性があり、これによって、NACKからACKへのエラーが、ワークポイント(work point)(0.1%)をはるかに超えてしまう可能性がある。このような状況は受け入れられない。
【0035】
検出漏れの問題に対処するために、本開示の実施形態では、HARQ ACK/NACKフィードバックの方法を提供する。各PDSCHグループ内のチャネルインデックス、又は全てのPDSCHグループ内のチャネルのチャネルインデックスを示すためのいくつかの情報を、ダウンリンク制御情報に導入することができる。これらの情報は、ネットワークデバイス110が、端末デバイス120からのHARQ ACK/NACKフィードバックに基づいて、端末デバイス120におけるPDSCHの検出漏れを認識するのに役立つことができる。
【0036】
以下、図を参照しつつ原理及び例示的な実施形態を詳細に説明する。しかし当業者であれば、本開示がこれらの限定された実施形態を超えており、ここで図面に関して示された詳述は、説明のためであることを容易に理解するはずである。
【0037】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的方法300のフローチャートを示す。方法300は、図1に示す端末デバイス120において実現することができる。理解すべき点として、方法300は、図示されていない付加的ブロックを含むことができ、且つ/又は、図示された一部のブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されない。議論しやすいように、図3を参照して方法300を説明する。
【0038】
図3に示すように、ブロック310において、端末デバイス120はネットワークデバイス110から制御情報を受信する。制御情報は、2つのデータチャネルグループ、すなわち、第1データチャネルグループと第2データチャネルグループに関わることができる。上述したように、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110から実際に送信された制御情報の一部を見逃すことがあるが、そのことに気づかないことがある。端末デバイス120が受信する制御情報は、以下、第1制御情報とも称することができ、少なくとも、第1データチャネルグループにおけるデータチャネルの第1チャネルインデックスと、第2データチャネルグループにおけるデータチャネルの第2チャネルインデックスとを含むことができる。
【0039】
ネットワークデバイス110から送信される制御情報は、以下、第2制御情報とも称することができる。第2制御情報は第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットに関わることができる。当該第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットは、ネットワークデバイスから端末デバイスへのデータ送信のために、ネットワークデバイス110によってすでにスケジューリングされている。理解すべき点として、第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットのうち1つ又は複数のPDSCHが端末デバイス120で検出されない場合、第1データチャネルグループは第1データチャネルセットの少なくとも一部であり、第2データチャネルグループは第2データチャネルセットの少なくとも一部であり得る。
【0040】
図2に示す例のように、ネットワークデバイスは第2制御情報を送信することができる。当該第2制御情報は、5つのデータチャネルを含む第1データチャネルセットと、3つのデータチャネルを含む第2データチャネルセットとに関わる。しかし、第1データチャネルセットの最後のPDSCHが欠落している。したがって、端末デバイスが受信した第1制御情報は、第1データチャネルセットの一部と第2データチャネルセットの全てに関わる。この場合、第1データチャネルグループは、第1データチャネルセットの一部を指し、第2データチャネルグループは、第2データチャネルセットの全てを指すことができる。
【0041】
ブロック320において、端末デバイス120は、第1制御情報に基づいてフィードバック情報を生成する。フィードバック情報は、端末デバイスによって受信された第1制御情報が関わる第1データチャネルグループ及び第2データチャネルグループを示すことができる。いくつかの例示的な実施形態では、第1チャネルインデックス及び第2チャネルインデックスと関連してフィードバック情報を生成することができる。
【0042】
ここで、図4及び図5を参照する。図4及び図5は、フィードバック情報のいくつかの例を示す。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス120は、第1チャネルインデックスに基づいて、受信された第1データチャネルグループにおける最後のチャネルのインデックスを決定することができる。端末デバイス120は、決定された最後のデータチャネルのインデックス、第1受信状態及び第2受信状態に基づいてビット列を生成することができる。生成されたビット列において、最後のチャネルのインデックスを示すビット部分は、第1受信状態及び第2受信状態を示すビット部分に先行することができる。
【0044】
図4に示すように、11ビットのRMエンコーダは、ブロック210~21010によって示すことができ、端末デバイス120によって生成されるフィードバック情報のビット列の符号化フォーマットを示す。ビット列420は、HARQ ACK/NACKフィードバックのために生成される。ビット列420の先頭には、最後のデータチャネルのインデックスを示すための2ビット(ブロック410-410)がある。第1受信状態及び第2受信状態を示す他のビットは、自然な符号化順序でこれらの2ビットに続くことができる。
【0045】
したがって、フィードバック情報がネットワークデバイス110によって受信されると、ネットワークデバイス110はまず、データ送信のためにスケジューリングされた第1データチャネルセットの最後のデータチャネルが、端末デバイスによって見逃されたかどうかを判定することができる。最後のデータチャネルが見逃されたとネットワークデバイス110が判定した場合、ネットワークデバイス110は、次の送信機会にこのデータチャネルでデータを再送することができる。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態において、端末デバイス120さらに、第1チャネルインデックスに基づいて、第1データチャネルグループにおけるデータチャネルの総数を決定し、前記総数、第1受信状態及び第2受信状態を示すビット列を生成することができる。第1データチャネルグループにおける最後のデータチャネルのインデックスと同様に、第1データチャネルグループにおけるデータチャネルの総数を示すビット部分が、第1受信状態及び第2受信状態を示すビット部分に先行することができる。
【0047】
同様に、前記総数、第1受信状態及び第2受信状態を示すビット列も、図4のビット列420を参照することができる。図4では、列の先頭にデータチャネルの総数のインデックスを示すための2ビット(ブロック410-410)がある。第1受信状態及び第2受信状態を示す他のビットは、自然な符号化順序でこれらの2ビットに続くことができる。
【0048】
データチャネルのグループが2つ以上ある場合、ビット列420に、第2グループのチャネルのインデックス又は第2グループのチャネル総数を示すためのいくつかのビットを、導入してもよいことが理解できる。
【0049】
上述したように、端末デバイス120は、第1PDSCHグループの最後のPDCCHに検出漏れがあったかどうかをネットワークデバイス110が判断するために、最初にいくつかの情報を送信することができる。2つより多いPDSCHグループが許可される場合は、単純な拡張として、最後のグループの前のPDSCHグループの情報を、最初に順序付けることができる。情報フィールドの存在は、RRCによって明示的に設定することができる。また、
及び
等、何らかの設定に基づいて暗黙的に追加してもよい。
【0050】
いくつかの例示的な実施形態では、PUSCH上のHARQ-ACKフィードバック及び/又はビット長が11よりも大きいHARQ-ACKフィードバックに対して、ポーラーコード(polar code)を用いて符号化することができる。ポーラーコードは、RMコードよりもはるかに大きいビット長を許容する。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態では、端末デバイス120は、符号化順序が変更された、HARQ ACK/NACKフィードバック用のビット列を生成することができる。すなわち、第1受信状態及び第2受信状態は、自然な符号化順序で符号化されなくてもよい。
【0052】
図5に示すように、11ビットのRMエンコーダは、ブロック210~21010によって示すことができる。ブロック210~21010は、端末デバイス120によって生成されるフィードバック情報のビット列の符号化フォーマットを示す。HARQ ACK/NACKフィードバックのためにビット列510が生成される。第1受信状態(ブロック220-220)は、ビット列510の開始からビット列510の終わりまで、ビット列510に符号化され得る。第2受信状態(ブロック230~230)は、ビット列510の終わりからビット列510の開始まで、ビット列510に符号化され得る。ビット列510は、第1グループの最後のチャネルが見逃された状況を反映することができる。ビット列520は、第2グループの最後のチャネルが見逃された状況を反映することができる。
【0053】
上述の実施形態では、1つのPUCCHにおいて最多で2つのPDSCHグループを用いることができる。追加のビットを用いる実施形態と比較して、上述の実施形態ではビットを節約することができる。こうして、この符号化方法では、第1グループ又は第2グループのいずれについても、最後のPDCCHの検出漏れをネットワークデバイスにおいてNACKとして処理することができる。
【0054】
本実施形態では、ポーラエンコーダも使用することができる。RMエンコーダとの違いは、エンコーダのマッピングの総ビット長の長さが、PUCCHでの送信のためのPUSCHグラントで示される総ビット長、又はPUCCHでの送信のためのDAIで示される2つのPDSCHグループのビット長の合計であることである。PUSCH上のポーラエンコーディングでは、ネットワークデバイスは、HARQ-ACKビット列の対応する位置のNACKを検出することで、最後のPDCCHの検出漏れ問題を解決することができる。
【0055】
PUCCH上のポーラーコーディングでは、ネットワークデバイスは、ポーラーコーディングの長さをブラインドデコーディング(blind decoding)することによって、最後のPDCCHの検出漏れ問題を解決することができる。影響を受ける可能性があるのは各グループの最後のPDSCHだけであり、gNBは対応するビットを単純に無視することができる。ポーラエンコーダでは、エンコーダに対しビット列の先頭に「0」ビットを追加すると、同じ符号化ビットにつながる可能性があり、これはブラインドデコーディングには不利である。ブラインドデコーディングのためのDCI CRC生成と同様に、長さLの「1」ビットを、CRCビットを生成するようにビット列の先頭に追加しCRCの後に最終ビット列において削除する。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態では、第1チャネルインデックス及び第2チャネルインデックスに加えて、端末デバイス120は、DCIにおける他の情報を受信してもよい。例えば、前記第1データチャネルセット及び前記第2データチャネルセットに跨がる、前記第1データチャネルグループ及び前記第2データチャネルグループにおけるチャネルの第3チャネルインデックスが挙げられる。端末デバイス120は、第1チャネルインデックス、第2チャネルインデックス及び第3チャネルインデックスに基づいて、ビット列を生成してもよい。
【0057】
例は、以下のように表に示すことができる。
表1及び表2:第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットに跨がるチャネルインデックスの例
【表1】
【表2】
【0058】
表1及び表2には、それぞれスロット0~スロット11が示されている。第1データチャネルグループ及び第2データチャネルグループの各データチャネルについて、2つのインデックスを使用することができる。表中のC-DAIは、データチャネルグループ内のチャネルのインデックスを示し、表中のT-DAIは、2つのデータチャネルグループに跨がるチャネルのインデックスを示すことができる。第3、第6、第10のスロットでは、PUCCHを介してHARQ ACK/NACKフィードバックを報告することができる。
【0059】
端末デバイス120は、DCIの表中のT-DAIの指示を受信し、T-DAIに基づいて、フィードバック用ビット列におけるHARQ ACK/NACKフィードバックのビット順序を決定することができる。例えば、第7スロットで、第1データチャネルグループにおける第3のPDSCHを送信することができる。自然な順序付けでは、第3のPDSCHは、HARQ ACK/NACKビット列における第3のビットを占めることができる。しかし、第1データチャネルグループ及び第2データチャネルグループに跨がるチャネルを考慮すると、第1グループにおける第3のPDSCHは、第1データチャネルグループ及び第2データチャネルグループに跨がるチャネルにおける第5のPDSCHである。当該PDSCHの符号化順序は、T-DAIに応じて変更することができる。
【0060】
上述したように、T-DAIは全てのPDSCHグループにわたって累積され、これはDCIのビットフィールドを再利用することができる。また、T-DAIは、C-DAIが各PDSCHグループ内にあることを除いて、C-DAIと似ている。PUCCHのHARQ-ACKのビットの順序付けは、蓄積されたT-DAIに基づく。T-DAIによって示される1つのHARQ-ACKビットについて、ネットワークデバイスによって示される対応するPDSCHグループが受信された場合(ビットがトグルされた場合)は、カウントされない。
【0061】
図3に戻ると、ブロック330において、端末デバイス120は、アップリンクチャネルを介してネットワークデバイス110にフィードバック情報を送信することができる。
【0062】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係る例示的方法600のフローチャートを示す。方法600は、図1に示すネットワークデバイス110において実現することができる。理解すべき点として、方法600は、図示されていない付加的ブロックを含むことができ、且つ/又は、図示された一部のブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されない。議論しやすいように、図6を参照して方法600を説明する。
【0063】
ブロック610において、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイスから端末デバイスへのデータ送信のために、第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットをスケジューリングし、第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットに関連付けられた第2制御情報を送信することができる。
【0064】
ブロック620において、ネットワークデバイス110はフィードバック情報を受信することができる。当該フィードバック情報は、第1データチャネルグループの第1チャネルインデックスに関連付けられた前記第1データチャネルグループにおけるデータの第1受信状態と、第2データチャネルグループの第2チャネルインデックスに関連付けられた前記第2データチャネルグループにおけるデータの第2受信状態とを示す。図3を参照して説明したように、第1データチャネルグループは、第1データチャネルセットの少なくとも一部であり、第2データチャネルグループは、第2データチャネルセットの少なくとも一部であり得る。
【0065】
ブロック630において、ネットワークデバイス110は、第2制御情報及びフィードバック情報に基づいて、再送すべきデータを決定することができる。
【0066】
上述したように、様々な解決手段に従って、HARQ要求のためのビット列を生成することができる。端末デバイス側の符号化処理とネットワークデバイス側の復号化処理の両方に対し、対応する符号化順序を予め設定することができる。したがって、ネットワークデバイスはフィードバック情報に基づいて、複数のPDSCHグループにおけるDCIの検出漏れを認識することができる。
【0067】
このようにして、HARQ ACK/NACKフィードバックが同一PUCCH内の複数のPDSCHグループに関わる場合、ネットワークデバイスが検出漏れを認識し再送すべきデータを決定することができるように、複数のPDSCHグループにおけるDCIの検出漏れをHARQ ACK/NACKフィードバックのためのビット列に反映することができる。
【0068】
上述したように、1つより多いPDSCHグループを処理するための解決手段を議論してきた。しかし、1つのPDSCHグループに対してもいくつかの曖昧さの問題があり、この問題は、単一キャリアの場合、C-DAIと機能的に同等のT-DAIを使用することで解決することができる。
【0069】
NR-UにおけるシングルセルのT-DAIは、Rel-15 NRのC-DAIと同様に、グループ内に蓄積されない。すなわち、グループ内の新しいPUCCH機会に対し、NR-UにおけるシングルセルのT-DAIは初期値にリセットされる。
【0070】
このようなT-DAIがない場合、場合によっては、グループの不連続なC-DAIに対して、前のPUCCH機会の最後のPDCCHの検出漏れと、現在のPUCCH機会の最初のPDCCHの検出漏れと、を区別できない可能性がある。
【0071】
1つのPDSCHグループに用いられるT-DAIの例は、以下の表に示すことができる。
【0072】
表3:第1データチャネルセット及び第2データチャネルセットに跨がるチャネルインデックスの例
【表3】
【0073】
例えば、ケース1ではスロット3のPDCCHが見逃され、ケース2ではスロット7のPDCCHが見逃されている。端末デバイス側から見ると、欠落したC-DAI 3がどこにあるのか判断しにくく、ケースが異なるとビット長も異なり(ケース1では2ビット、ケース2では3ビット)、揃っていないと、HARQ-ACKのビットがずれてしまう。シングルセルのT-DAIを利用すれば、UEはこのケースを決定することができる。すなわち、端末デバイスは、スロット8のT-DAIフィールドでケース1又はケース2を決定することができる。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態では、HARQ-ACKがPUSCHで送信されると、総ビット数はPUSCHグラントのDCI(Rel-15 NR)によって示される。PUSCHでのHARQ-ACK送信に対し、図4及び図5を参照して説明した実施形態を導入することができる。例えば、総符号化ビット長は、PUSCHグラントのDAIで示される長さに、前のPDSCHグループの情報ビット長を加えたものとなる。1つのPUCCH内にもっと多くのPDSCHグループが存在しHARQ-ACKフィードバックのためにPUSCHを送信する場合、各PDSCHグループに対応するPUSCHアップリンクグラントのDCI(DCIフォーマット0-0又は0-1)における、より多くのトータルDAIのフィールドを採用して、前記PDSCHグループの最後のPDCCHの検出漏れを解決することができる。
【0075】
本開示の解決手段のほとんどは、1つより多いPDSCHグループを処理するために提供されている。いくつかの例示的な実施形態では、ダウンリンク送信の設定に何らかの制限を適用することを考慮してもよい。例えば、同一PUCCH内のPDSCHグループの数を設定することができる。シングルセル操作の場合、端末デバイスは、同一PUCCH内に1つより多いPDSCHグループを設定することを想定していない。例えば、RRCはパラメータ

を有する場合がある。
であれば、
であり、そうでない場合は
である。フィードバック用のPUSCHとPUCCHが1つのスロットで重なっており、PUSCHのHARQ-ACKフィードバックの条件が満たされている場合、端末デバイスは、同一PUSCH内で複数のPDSCHグループのHARQフィードバックを送信することを想定していない。
【0076】
図7は、本開示の実施形態を実施するのに適したデバイス700の概略ブロック図である。デバイス700は、図1に示すネットワークデバイス110又は端末デバイス120のさらなる例示の実施形態であるとみなすことができる。したがって、デバイス700は、ネットワークデバイス110又は端末デバイス120で実現することができ、又はネットワークデバイス110、端末デバイス120の少なくとも一部として実現することができる。
【0077】
図に示すように、デバイス700は、プロセッサ710、プロセッサ710に結合されるメモリ720、プロセッサ710に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)740、並びにTX/RX740に結合される通信インタフェースを含む。メモリ710は、プログラム730の少なくとも一部を記憶する。TX/RX740は双方向通信に用いられる。TX/RX740は、通信のための少なくとも1つのアンテナを有し、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有することができる。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、モビリティ・マネージメント・エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインタフェースを表すことができる。
【0078】
プログラム730がプログラム命令を含むと仮定する。これらのプログラム命令が、関連するプロセッサ710により実行されると、デバイス700は、文中で図2図6を参照して述べた本開示の実施形態に基づいて操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス700のプロセッサ710が実行可能なコンピュータソフトウェアにより実現するか、ハードウェアにより実現するか、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実現することができる。プロセッサ710は、本開示の各実施形態を実現するように設定することができる。また、プロセッサ710及びメモリ710の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理部材750を構成することができる。
【0079】
メモリ710は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)により実現することができる。デバイス700には1つのメモリ710しか示されていないが、デバイス700には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置することができる。例として、プロセッサ710は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、一つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。デバイス700は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0080】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組合せにおいて実施することができる。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現することができる。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他のいくつかの図形によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータデバイス、又はそれらの組合せにおいて実現することができるが、これらに限定されない。
【0081】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該コンピュータが実行可能な命令は、ターゲット実プロセッサ(target real processor)又はターゲット仮想プロセッサ(target virtual processor)上のデバイスにおいて実行され、例えばプログラムモジュールに含まれて、図2を参考に上述したプロセス又は方法を実行する。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、各実施形態での必要に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割することができる。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスにおいて実行することができる。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカルの記憶媒体及びリモートの記憶媒体の両方に置くことができる。
【0082】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組合せにより記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供可能であり、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作を実現することができる。プログラムコードは全てマシン上で実行してもよいし、部分的にマシン上で実行してもよいし、独立したソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、マシン上で部分的に実行するとともに、リモートのマシン上で部分的に実行してもよいし、又は完全にリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0083】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具体化することができ、マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は記憶する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシンが読み取り可能な信号媒体又はマシンが読み取り可能な記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム、装置又はデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらに具体的な例には、一つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0084】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、図示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態が持つ特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の背景において説明したいくつかの特徴は、ある一つの実現形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、一つの実施形態の背景において説明された各種特徴は、複数の実施形態において単独で、又は任意の適切なサブ的な組合せにより、実現されてもよい。
【0085】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作の専門用語で説明したが、添付の請求項によって限定される本開示は、必ずしも上述の具体的な特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述の具体的な特徴や動作はむしろ、請求項を実施する例示的形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7