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特開2024-95720デバイスが接続または固定されていることを確認するための遠方界と併せた近傍界
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095720
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】デバイスが接続または固定されていることを確認するための遠方界と併せた近傍界
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/641 20060101AFI20240703BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240703BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240703BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01R13/641
G06K19/077 296
G06K19/077 240
G06K7/10 236
H01Q1/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024058837
(22)【出願日】2024-04-01
(62)【分割の表示】P 2022547282の分割
【原出願日】2020-12-29
(31)【優先権主張番号】20155462.3
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コイル オン チップ
(71)【出願人】
【識別番号】501427157
【氏名又は名称】アッサ アブロイ アーベー
【氏名又は名称原語表記】ASSA ABLOY AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロバディ、ジャン-ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ミルス、クリスティアン
【テーマコード(参考)】
5E021
5J047
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC38
5E021FC40
5E021KA11
5E021KA20
5J047AB07
5J047AB11
5J047EF00
5J047EF05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、コネクタ位置保証(「CPA」)部材を有するコネクタシステムが閉位置にあるかどうかをチェックする方法に関する。
【解決手段】この方法は、遠方界RFID通信が可能であり、近傍界RFID通信が可能ではない集積回路(10)に対する距離Dに位置決めされている、RFIDタグ読取機を準備することを含む。さらに、この方法は、RFIDタグ読取機による集積回路(10)の可読性をチェックすること、集積回路(10)がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではない場合に、CPA部材(9)が閉位置にないことを示す警告信号を発すること、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタシステムにCPA部材が閉位置で設けられているかどうかをチェックするための方法であって、
第1のコネクタ(2)および第2のコネクタ(4)を準備することであって、該第2のコネクタ(4)は、該第1のコネクタ(2)と嵌合されるように構成されており、該第1のコネクタ(2)または該第2のコネクタ(4)には遠方界アンテナ(5)が設けられている、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)を準備すること、
集積回路(10)と、該集積回路(10)に電気的に接続されている近傍界アンテナ(3)とを含むCPA部材(9)を準備することであって、該CPA部材(9)は、開位置および閉位置を有するように構成されており、該閉位置において、該CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の適切な接続を確認し、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の予期せぬ離脱を防止する、前記CPA部材(9)を準備すること、
前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)を嵌合させること、
前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させることであって、前記CPA部材(9)の前記閉位置において、前記近傍界アンテナ(3)は、前記CPA部材(9)の前記集積回路(10)との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、前記遠方界アンテナ(5)と誘導結合される、前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させること、
RFIDタグ読取機(6)を準備することであって、該RFIDタグ読取機(6)は、該RFIDタグ読取機と前記集積回路(10)との間で、遠方界RFID通信が可能であり、近傍界RFID通信が可能ではないような距離Dにおいて、前記集積回路(10)に対して位置決めされている、前記RFIDタグ読取機(6)を準備すること、
前記RFIDタグ読取機(6)による前記集積回路(10)の可読性をチェックすること、を備える方法。
【請求項2】
前記集積回路(10)が前記RFIDタグ読取機(6)によって読み取り可能ではない場合に、前記CPA部材(9)が前記閉位置にないことを示す警告信号を発することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させるステップは、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)が適切に嵌合されている場合にのみ可能である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
コネクタが適切に嵌合および固定されていることを保証するためのコネクタシステムであって、
第1のコネクタ(2)および第2のコネクタ(4)であって、該第2のコネクタ(4)は、該第1のコネクタ(2)と嵌合されるように構成されており、該第1のコネクタ(2)または該第2のコネクタ(4)には遠方界アンテナ(5)が設けられている、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)と、
集積回路(10)と、該集積回路(10)に電気的に接続されている近傍界アンテナ(3)とを含むCPA部材(1)であって、前記CPA部材(1)は、開位置および閉位置を有するように構成されており、該閉位置において、該CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の適切な接続を確認し、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の予期せぬ離脱を防止する、前記CPA部材(1)と、を備え、
前記CPA部材(9)の前記閉位置において、前記近傍界アンテナ(3)は、前記CPA部材(9)の前記集積回路(10)との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、前記遠方界アンテナ(5)と誘導結合されている、コネクタシステム。
【請求項5】
前記第1のコネクタ(2)、前記第2のコネクタ(4)および前記CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)が適切に嵌合されている場合にのみ、前記CPA部材(1)を前記閉位置に移動させることを可能にするように構成されている、請求項4に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記CPA部材(9)を受け入れるために、前記第1のコネクタ(2)には受け入れ手段(7)が設けられており、前記第2のコネクタ(4)には受け入れ手段(8)が設けられている、請求項4または5に記載のコネクタシステム。
【請求項7】
前記CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ上の前記受け入れ手段(7)または前記第2のコネクタの前記受け入れ手段(8)に移動可能に接続されており、前記CPA部材(9)は、予め組み付けられた位置から前記閉位置まで移動させることができる、請求項6に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
前記近傍界アンテナ(3)および前記遠方界アンテナ(5)は異なる読み取り範囲を有し、たとえば、前記近傍界アンテナ(3)は、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであり、前記遠方界アンテナ(5)は、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナである、請求項4~7のいずれか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記コネクタシステムは、前記CPA部材(9)の意図的な取り外し、ならびに、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の嵌合を外すことを、前記CPA部材(9)、前記第1のコネクタ(2)または前記第2のコネクタ(4)を破壊することなく容易に行うことができるように構成されている、請求項4~8のいずれか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
RFIDタグ(1)であって、
集積回路(10)と、該集積回路(10)に電気的に接続されている近傍界アンテナ(3)とが設けられている第1の構成要素(2)と、
遠方界アンテナ(5)が設けられている第2の構成要素(4)と、
前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)が、前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)が分離されている開位置から、前記集積回路(10)が近傍界RFID通信においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能となるように、近傍界アンテナ(3)を用いる前記集積回路(10)が前記遠方界アンテナ(5)と誘導結合される閉位置へと枢動することを可能にするように構成されている枢動機構(6)と、を備えるRFIDタグ。
【請求項11】
前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)のうちの一方に位置付けられている第1のロック部分(7)と、前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)のうちの他方に位置付けられている第2のロック部分(8)と、を含むロック機構を有する請求項10に記載のRFIDタグ(1)。
【請求項12】
前記ロック機構は、開位置および閉位置を有するように構成されており、前記閉位置において、前記第1のロック部分(7)は前記第2のロック部分(8)に押し込まれ、前記第1の構成要素(2)と前記第2の構成要素(4)との分離を防止する、請求項11に記載のRFIDタグ(1)。
【請求項13】
前記第1のロック部分(7)および前記第2のロック部分(8)は、前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)の一体的な部分であり、前記ロック部分(7、8)は、前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)をそれぞれ囲んでいる、請求項11または12に記載のRFIDタグ。
【請求項14】
前記枢動機構(6)は、
前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)を接続するとともに、前記第1の構成要素(2)および前記第2の構成要素(4)の枢動のための回転軸であるピン(9)を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項15】
前記近傍界アンテナ(3)および前記遠方界アンテナ(5)は異なる読み取り範囲を有し、たとえば、前記近傍界アンテナ(3)は、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであり、前記遠方界アンテナ(5)は、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナである、請求項10~14のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項16】
前記ロック機構は、前記RFIDタグを破壊することなく、閉じられた後で開状態にすることができる、請求項10~15のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、コネクタおよびRFID通信の分野に関し、より詳細には、RFID通信を使用することによって、嵌合しているコネクタの適切な位置決めを保証することに関する。
【背景技術】
【0002】
特に自動車産業において、コネクタ位置保証に関するCPA(Connector Position Assurance)と呼ばれる新たな基準が存在する。CPAは、閉位置において、コネクタ同士の適切な嵌合を確実にし、嵌合しているコネクタの予期せぬ離脱を防止するロック機構である。組み付けプロセス中に、ロック機構が閉位置にあるかどうかをチェックする必要がある。このチェックを行う1つの既知の方法は、コネクタに刻まれており、開位置ではロック機構によって隠されていてロック機構が閉位置にならないと見えないデータマトリックスコードレーザー(Data Matrix code laser)の使用である。ロック機構が閉位置にあるかどうかをチェックする別の選択肢は、操作者による目視検査である。これらのチェックプロセスは、データマトリックスコードスキャナまたは操作者に対する視覚的なアクセシビリティを必要とする。
【0003】
特許文献1は、コネクタおよび該コネクタと嵌合するのに好適な相手方のコネクタを有する接続デバイスと、上記コネクタのうちの一方に取り付けられるとともに、読取機と通信するのに好適な少なくとも1つのRFIDタグと、を記載しており、上記RFIDタグはアンテナを含む。このデバイスは、コネクタの完全なまたは不完全な嵌合状態に応じて、RFIDタグを第1の通信状態または第2の通信状態にするように構成されているスイッチをさらに含む。
【0004】
特許文献2は、RFID回路を含むコネクタを有するコネクタシステムを記載している。コネクタが対応するコネクタと嵌合されるまで、RFID回路は、所望の周波数において所望の通りに機能しないようにチューニングされる。コネクタが嵌合されると、RFID回路が所望の周波数において所望の通りに機能するように、RFID回路のチューニングが修正される。
【0005】
特許文献3は、容器の開状態判定を助けるための、RFIDデバイスを使用する方法および装置を記載している。たとえば、第1のRFIDタグが、容器の第1の部分に固定されており、第2のRFIDタグが、容器の第2の部分に固定されている。使用者が容器を少なくとも部分的に開くように動作すると、RFIDタグのうちの1つまたは複数がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではなくなるかまたはその時点で読取機によって読み取り可能となるように、第1の部分および第2の部分が互いに対して移動する。1つまたは複数のRFIDタグの読み取りまたは読み取りの停止は、容器の少なくとも1つの開状態を示す。いくつかの実施形態において、開状態は、未シール確認、開封動作開始状態、開封動作確認、部分的な開状態および完全な開状態、のうちの少なくとも1つである。
【0006】
特許文献4は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、嵌合検出デバイスと、を備えるコネクタアセンブリを開示している。第1のコネクタは、第1のロック特徴部を備える。第2のコネクタは、第1のロック特徴部と協働する第2のロック特徴部を備える。嵌合検出デバイスは、第1のコネクタおよび第2のコネクタがロック状態にあるときに、第1の電気的な状態をとるように構成されている。嵌合検出デバイスは、第1のロック特徴部および第2のロック特徴部が上記第1のコネクタおよび上記第2のコネクタを一緒にロックするまで、第1の状態をとることが機械的に防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7854623号明細書
【特許文献2】米国特許第9711903号明細書
【特許文献3】米国特許第10448231号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2153496号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示は、少なくとも部分的に、従来のシステムの1つまたは複数の態様を改善または克服することに関する。
一態様によると、本開示は、コネクタシステムにコネクタ位置保証部材(Connector Position Assurance member)(本明細書において用いられる場合、「CPA部材」)が閉位置で設けられているかどうかをチェックするための方法に関する。この方法は、第1のコネクタと、第1のコネクタと嵌合されるように構成されている第2のコネクタとを準備するステップを含んでもよく、第1のコネクタまたは第2のコネクタには遠方界アンテナが設けられている。さらに、この方法は、集積回路と、集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナとを含むCPA部材を準備するステップを含んでもよい。CPA部材は、開位置および閉位置を有するように構成されていてもよく、閉位置において、CPA部材は、第1のコネクタおよび第2のコネクタの適切な接続を確認して、第1のコネクタおよび第2のコネクタの予期せぬ離脱を防止してもよい。さらに、この方法は、第1のコネクタおよび第2のコネクタを嵌合させるステップと、接続位置保証部材を閉位置に移動させるステップと、を含んでもよく、閉位置において、近傍界アンテナは、CPA部材の集積回路との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、遠方界アンテナと誘導結合される。さらに、この方法は、RFIDタグ読取機を準備するステップを含んでもよく、RFIDタグ読取機は、RFIDタグ読取機と集積回路との間で、遠方界RFID通信が可能であり、近傍界RFID通信が可能ではないような距離Dにおいて、集積回路に対して位置決めされる。さらに、この方法は、RFIDタグ読取機による集積回路の可読性をチェックするステップを含んでもよい。
【0009】
別の態様によると、本開示は、コネクタが適切に接続および固定されていることを保証するためのコネクタシステムに関する。コネクタシステムは、第1のコネクタと、第1のコネクタと嵌合されるように構成されている第2のコネクタとを備えてもよく、第1のコネクタまたは第2のコネクタには遠方界アンテナが設けられている。さらに、コネクタシステムは、集積回路と、集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナとを含むCPA部材を備えてもよく、CPA部材は、開位置および閉位置を有するように構成されていてもよく、閉位置において、CPA部材は、第1のコネクタおよび第2のコネクタの適切な接続を確認して、第1のコネクタおよび第2のコネクタの予期せぬ離脱を防止してもよい。閉位置において、近傍界アンテナは、CPA部材9の集積回路10との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、遠方界アンテナと誘導結合されてもよい。
【0010】
別の態様によると、本開示はRFIDタグに関する。RFIDタグは、集積回路および集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナが設けられている第1の構成要素と、遠方界アンテナが設けられている第2の構成要素と、第1の構成要素および第2の構成要素が、第1の構成要素および第2の構成要素が分離されている開位置から、近傍界アンテナが遠方界アンテナと誘導結合され、集積回路がRFID通信の近傍界においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能になる閉位置へと枢動することを可能にするように構成されている枢動機構と、を備えてもよい。
【0011】
本開示の他の特徴および態様は、以下の説明および添付の図面から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1のコネクタおよび第2のコネクタが嵌合していない状態の、本開示によるコネクタシステムの第1の実施形態を示す。
図2】第1のコネクタおよび第2のコネクタが嵌合しており、CPA部材が閉位置にある状態の、図1に示されているようなコネクタシステムを示す。
図3】第1のコネクタが第2のコネクタに部分的に挿入されており、CPA素子が予め組み付けられた位置にある状態の、本開示によるコネクタシステムの第2の実施形態を示す。
図4】第1のコネクタが第2のコネクタに完全に挿入されており、CPA部材が閉位置にある状態の、図3に示されているようなシステムを示す。
図5】集積回路用の読み取り距離を変えるための、近傍界アンテナと遠方界アンテナとの結合の原理を示す。
図6】本開示による、コネクタシステムにCPA部材が閉位置で設けられているかどうかをチェックする方法を適用することができるシステムを示す。
図7】本開示によるRFIDタグの一実施形態を示す。
図8】閉位置および開位置にある、図7に示されているRFIDタグの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。本明細書に記載の例示的な実施形態は、本開示の原理を教示することを意図しており、当業者が、本開示を多くの異なる環境において多くの異なる用途で実施および使用することを可能にする。したがって、例示的な実施形態は、保護範囲の限定的記載であることは意図されず、保護範囲の限定的記載とみなされるべきではない。むしろ、保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものとする。
【0014】
図1は、本開示によるコネクタシステムの第1の実施形態を示している。コネクタシステムは、第1のコネクタ2、第2のコネクタ4およびCPA部材9を備える。第2のコネクタ4は、第1のコネクタ2と嵌合されるように構成されている。第2のコネクタ4には遠方界アンテナ(far-field antenna)5が設けられている。CPA部材9は、近傍界アンテナ(near-field antenna)3および集積回路10を含む。近傍界アンテナ3は、たとえば図1ではCOB(coil on board:コイルオンボード)を有するチップである集積回路10に電気的に接続されている。図1は、嵌合していない第1のコネクタ2および第2のコネクタ4と、開位置にあるCPA部材9と、を示している。
【0015】
図2は、第1のコネクタ2が第2のコネクタ4に完全に挿入されており、CPA部材9が閉位置にある状態の、図1に示されているようなシステムを示している。近傍界アンテナ3は遠方界アンテナ5のループ内に位置付けられている。したがって、集積回路10は、この時点で、近傍界RFID通信においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能である。
【0016】
図3は、本開示によるコネクタシステムの第2の実施形態を示している。コネクタシステムは、第1のコネクタ2、第2のコネクタ4およびCPA部材9を備える。第2のコネクタ4は、第1のコネクタ2と嵌合されるように構成されている。第2のコネクタ4には、遠方界アンテナ5(COBを有するチップ)が設けられており、これらはいずれも図3に概略的に示されている。CPA部材9は、集積回路10および近傍界アンテナ3(概略的に示されている)を含む。近傍界アンテナ3は、集積回路10に電気的に接続されている。CPA部材9を受け入れるために、受け入れ手段7が第1のコネクタ2に形成されており、受け入れ手段8が第2のコネクタ4に形成されている。図3の実施形態において、受け入れ手段7は、第1のコネクタ2の一体的な部分であり、受け入れ手段8は、第2のコネクタ4の一体的な部分である。CPA部材9は、第1のコネクタ2上の受け入れ手段7に移動可能に結合されている。CPA部材9は、予め組み付けられた位置から閉位置まで移動させることができる。図3は、第2のコネクタ4に部分的に挿入された第1のコネクタ2と、予め組み付けられた位置にあるCPA部材9とを示している。近傍界アンテナ3は、第2のコネクタ4の遠方界アンテナ5に結合されていない。
【0017】
図4は、第1のコネクタ2が第2のコネクタ4に完全に挿入されており、CPA部材9が閉位置にある状態の、図3に示されているようなシステムを示している。近傍界アンテナ3は、第2のコネクタ4の遠方界アンテナ5(概略的に示されている)に結合されている。したがって、集積回路10は、この時点で、RFID通信の近傍界においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能である。
【0018】
図5は、近傍界アンテナ3と遠方界アンテナ5とを結合する原理を示している。近傍界アンテナ3は集積回路10に電気的に接続されている。近傍界アンテナ3および集積回路10は、CPA部材9上に設けられている。近傍界アンテナ3が遠方界アンテナ5の結合ループ11内に位置決めされていない場合、集積回路は、短距離において、すなわちRFID通信の近傍界において読み取り可能である。しかし、近傍界アンテナ3が遠方界アンテナ5の結合ループ11内に位置決めされている場合、集積回路は、長距離において、すなわちRFID通信の遠方界において読み取り可能である。
【0019】
図6は、本開示による、コネクタシステムにCPA部材9が閉位置で設けられているかどうかをチェックする方法を適用することができるシステムを示している。このシステムは、第1のコネクタ2および第2のコネクタ4を備える。第1のコネクタ2および第2のコネクタ4は、互いに嵌合するように構成されている。第2のコネクタ4には、遠方界アンテナ5(概略的に示されている)が設けられている。本開示による方法の1つのステップは、第1のコネクタ2と第2のコネクタ4とを点線Lに沿って嵌合させることであってもよい。図6に示されているシステムは、集積回路10と、電気的に接続されている近傍界アンテナ3、すなわちCOB(コイルオンボード)を有するチップと、が設けられているCPA部材9をさらに備える。本開示による方法のさらなるステップは、CPA部材9を、点線Lに沿って、第1のコネクタ2上の受け入れ手段7内に、および、第2のコネクタ4上の受け入れ手段8内に挿入することによって、その閉位置まで移動させることであってもよい。閉位置において、近傍界アンテナ3を用いる集積回路10は、遠方界アンテナ5に誘導結合され、この時点で、RFID通信の近傍界においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能である。さらに閉位置において、CPA部材9は、嵌合しているコネクタの予期せぬ離脱を防止する。組み付けられているコネクタ2、4にCPA部材9を挿入することができない場合、これは、コネクタ2、4が適切に係合していないことを示す。本明細書において用いられる場合、「適切に嵌合している」という用語は、コネクタが十分に嵌合しており、それらの意図する目的を達成すること(たとえば、電気コネクタは適切に接続されているときに電流が流れることを可能にする)を意味することが意図される。システムは、RFIDタグ読取機6および出力ユニット11をさらに備える。RFIDタグ読取機6は、遠方界RFID通信を可能にし、RFIDタグ読取機と集積回路10との間の近傍界RFID通信を許可しないような距離Dにおいて集積回路10に対して位置決めされる。本開示による方法のさらなるステップは、RFIDタグ読取機6による集積回路10の可読性(readability)をチェックすることであってもよい。集積回路10がRFIDタグ読取機によって読み取り可能である場合、近傍界アンテナは遠方界アンテナに結合されており、すなわち、第1のコネクタ2および第2のコネクタ4は適切に嵌合されており、予期せぬ離脱に抗して固定されている。本開示は、さらなるステップとして、出力ユニット12において信号を発することを含んでもよい。信号は、赤色の光であるか、または、集積回路10がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではないことを操作者に警告する何らかの他の方法であり得る。集積回路10がRFIDタグ読取機6によって読み取り可能である場合、信号は、操作者に知らせるための緑色の光などであってもよい。
【0020】
図7は、本開示によるRFIDタグの一実施形態を示している。図7は、RFIDタグの第1の構成要素2および第2の構成要素4を示している。第1の構成要素2および第2の構成要素4は、一端がそれぞれ、第1の構成要素2および第2の構成要素4の枢動(pivoting)を可能にする枢動機構(pivoting mechanism)6に接続されている。枢動機構6は、第1の構成要素2および第2の構成要素4を接続するとともに、第1の構成要素2および第2の構成要素4の枢動のための回転軸であるピン9を備える。第1の構成要素2は、近傍界アンテナ3に電気的に接続されている集積回路10を備える。第2の構成要素4は遠方界アンテナ5を備える。第1の構成要素2および第2の構成要素4が閉位置にある場合、すなわち、第1の構成要素2および第2の構成要素4が隣り合っている場合、近傍界アンテナ3および遠方界アンテナ5は結合される。近傍界アンテナ3および遠方界アンテナ5が結合されているとき、近傍界アンテナ3を用いる集積回路は、RFID通信の近傍界においてだけではなく遠方界RFID通信においても読み取り可能である。
【0021】
図8は、閉位置および開位置にある、図7に示されている実施形態を示している。閉位置において、第1の構成要素2および第2の構成要素4は隣り合っており、近傍界アンテナ3を用いる集積回路と遠方界アンテナ5とが結合されている。開位置において、第1の構成要素2および第2の構成要素4は分離されており、近傍界アンテナ3を用いる集積回路は遠方界アンテナ5と結合されていない。
【0022】
上記の説明が、開示されているシステムおよび方法の例を提供することは理解される。しかし、本開示の他の実施態様は、上記の例とは詳細が異なり得ることが意図される。本開示またはその例に対するすべての言及は、その時点で説明されている特定の例に言及するものであることが意図されており、包括的な開示に関するいかなる限定の示唆も意図されていない。
【0023】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別途示されない限り、その範囲内に入るそれぞれの別個の値に個々に言及する簡潔な方法として働くことが単に意図され、それぞれの別個の値は、本明細書において個々に列挙されるかのように本明細書に援用される。本明細書に記載されるすべての方法のステップは、別途示されるかまたは文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。
【0024】
本開示の好ましい実施形態を本明細書で説明したが、以下の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、改良および変更を組み込んでもよい。
産業上の利用可能性
本開示は、コネクタシステムにCPA部材が閉位置で設けられているかどうかをチェックするための確実な解決策が必要とされているという認識に、少なくとも一部は基づく。これに関して、このチェックプロセスのためのコネクタに対する視覚的な視認の必要性を回避することができれば有利であるということが認識されている。この着想は、CPA部材上の集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナ、および、コネクタ自体上のブースター(booster)としての遠方界アンテナを使用することである。集積回路を有する近傍界アンテナの場合、UHF PCBコイン(coin)、UHFコイルオンチップ(coil-on-chip)もしくはコイルオンチップもしくはオンチップコイル(on-chip-coil)または何らかの同等のものを使用してもよい。コネクタが差し込まれると、CPA部材を閉位置にして近傍界アンテナと遠方界アンテナとを結合させ、これによって、RFIDシステムの読み取り範囲を増大させる必要がある。CPA部材が閉位置にない(ロックされていない)場合、読み取り距離は、非常に限られた読み取り範囲を有する近傍界アンテナの読み取り距離まで短縮される。この原理を使用して、(近傍界アンテナを含む)プラグが(遠方界アンテナを含む)コンセントに接続されていることを確かめることもできる。別の使用事例は、タンパーエビデンスタグ(tamper evidence tags)にも使用される。たとえば、タグを物体から取り外そうとすると、近傍界アンテナが遠方界アンテナから切り離され、タグは自身の読み取り範囲を失う。本開示の1つの利点は、コネクタがロックされていることを確かめるためにコネクタの視覚的な視認が必要ないことである。
【0025】
本開示の好ましい実施形態によると、コネクタシステムは、第1のコネクタおよび第2のコネクタが適切に嵌合されている場合にのみ、CPA部材が閉位置に移動することを可能にしてもよい。さらなる実施形態には、CPA部材を受け入れるための、第1のコネクタおよび第2のコネクタ上の受け入れ手段を設けてもよい。受け入れ手段は、第1のコネクタおよび第2のコネクタの一体的な部分であり得る。コネクタシステムは、CPA部材の意図的な取り外し、ならびに、第1のコネクタおよび第2のコネクタの嵌合を外すことを、CPA部材、第1のコネクタまたは第2のコネクタを破壊することなく容易に行うことができるように構成され得る。例示的な実施形態において、近傍界アンテナは、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよく、遠方界アンテナは、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよい。
【0026】
本開示のRFIDタグに関して、RFIDタグの好ましい実施形態には、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの一方に位置付けられる第1のロック部分と、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの他方に位置付けられる第2のロック部分と、を含むロック機構を設けてもよい。ロック機構は好ましくは、開位置および閉位置を有するように構成されており、閉位置において、第1のロック部分は、第2のロック部分に押し込まれ、第1の構成要素と第2の構成要素との分離を防止する。第1のロック部分および第2のロック部分は、第1の構成要素および第2の構成要素の一体的な部分であってもよく、ロック部分は、第1の構成要素および第2の構成要素をそれぞれ囲んでもよい。例示的な実施形態において、ロック機構は、RFIDタグを破壊することなく、閉じられた後で開状態にすることができるように構成してもよい。枢動機構は、第1の構成要素と第2の構成要素とを接続するとともに、第1の構成要素および第2の構成要素の枢動のための回転軸であるピン(pin)を用いて実現してもよい。例示的な実施形態において、近傍界アンテナは、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよく、遠方界アンテナは、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよい。
【0027】
本開示の方法に関して、この方法は、好ましくは、集積回路がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではない場合に警告信号を発するステップを含んでもよい。そのような警告信号は、コネクタ位置保証が閉位置にないことを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグであって、
集積回路と、該集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナとが設けられている第1の構成要素と、
遠方界アンテナが設けられている第2の構成要素と、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素が、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素が分離されている開位置から、前記集積回路がRFID通信の近傍界においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能となるように、前記近傍界アンテナを用いる前記集積回路が前記遠方界アンテナと誘導結合される閉位置へと枢動することを可能にするように構成されている枢動機構と、を備えるRFIDタグ。
【請求項2】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素のうちの一方に位置付けられている第1のロック部分と、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素のうちの他方に位置付けられている第2のロック部分と、を含むロック機構をさらに備える請求項に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記ロック機構は、開位置および閉位置を有するように構成されており、前記ロック機構の前記閉位置において、前記第1のロック部分は前記第2のロック部分に押し込まれ、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素との分離を防止する、請求項に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記第1のロック部分および前記第2のロック部分は、それぞれ前記第1および第2の構成要素の一体的な部分であ、請求項2または3に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記第1および第2のロック部分は、前記第1および第2の構成要素をそれぞれ囲んでいる、請求項4に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記枢動機構は、
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素を接続するとともに、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素の枢動のための回転軸であるピンを含む、請求項に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
前記近傍界アンテナおよび前記遠方界アンテナは異なる読み取り範囲を有する、請求項1~3,6のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記近傍界アンテナは、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであり、前記遠方界アンテナは、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナである、請求項7に記載のRFIDタグ。
【請求項9】
前記ロック機構は、前記RFIDタグを破壊することなく、前記閉位置となった後で前記位置にすることができる、請求項2または3に記載のRFIDタグ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図6は、本開示による、コネクタシステムにCPA部材9が閉位置で設けられているかどうかをチェックする方法を適用することができるシステムを示している。このシステムは、第1のコネクタ2および第2のコネクタ4を備える。第1のコネクタ2および第2のコネクタ4は、互いに嵌合するように構成されている。第2のコネクタ4には、遠方界アンテナ5(概略的に示されている)が設けられている。本開示による方法の1つのステップは、第1のコネクタ2と第2のコネクタ4とを点線Lに沿って嵌合させることであってもよい。図6に示されているシステムは、集積回路10と、電気的に接続されている近傍界アンテナ3、すなわちCOB(コイルオンボード)を有するチップと、が設けられているCPA部材9をさらに備える。本開示による方法のさらなるステップは、CPA部材9を、点線Lに沿って、第1のコネクタ2上の受け入れ手段7内に、および、第2のコネクタ4上の受け入れ手段8内に挿入することによって、その閉位置まで移動させることであってもよい。閉位置において、近傍界アンテナ3を用いる集積回路10は、遠方界アンテナ5に誘導結合され、この時点で、RFID通信の近傍界においてだけではなくRFID通信の遠方界においても読み取り可能である。さらに閉位置において、CPA部材9は、嵌合しているコネクタの予期せぬ離脱を防止する。組み付けられているコネクタ2、4にCPA部材9を挿入することができない場合、これは、コネクタ2、4が適切に係合していないことを示す。本明細書において用いられる場合、「適切に嵌合している」という用語は、コネクタが十分に嵌合しており、それらの意図する目的を達成すること(たとえば、電気コネクタは適切に接続されているときに電流が流れることを可能にする)を意味することが意図される。システムは、RFIDタグ読取機6および出力ユニット12をさらに備える。RFIDタグ読取機6は、遠方界RFID通信を可能にし、RFIDタグ読取機と集積回路10との間の近傍界RFID通信を許可しないような距離Dにおいて集積回路10に対して位置決めされる。本開示による方法のさらなるステップは、RFIDタグ読取機6による集積回路10の可読性(readability)をチェックすることであってもよい。集積回路10がRFIDタグ読取機によって読み取り可能である場合、近傍界アンテナは遠方界アンテナに結合されており、すなわち、第1のコネクタ2および第2のコネクタ4は適切に嵌合されており、予期せぬ離脱に抗して固定されている。本開示は、さらなるステップとして、出力ユニット12において信号を発することを含んでもよい。信号は、赤色の光であるか、または、集積回路10がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではないことを操作者に警告する何らかの他の方法であり得る。集積回路10がRFIDタグ読取機6によって読み取り可能である場合、信号は、操作者に知らせるための緑色の光などであってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図7は、本開示によるRFIDタグの一実施形態を示している。図7は、RFIDタグの第1の構成要素2および第2の構成要素4を示している。第1の構成要素2および第2の構成要素4は、一端がそれぞれ、第1の構成要素2および第2の構成要素4の枢動(pivoting)を可能にする枢動機構(pivoting mechanism)13に接続されている。枢動機構13は、第1の構成要素2および第2の構成要素4を接続するとともに、第1の構成要素2および第2の構成要素4の枢動のための回転軸であるピン14を備える。第1の構成要素2は、近傍界アンテナ3に電気的に接続されている集積回路10を備える。第2の構成要素4は遠方界アンテナ5を備える。第1の構成要素2および第2の構成要素4が閉位置にある場合、すなわち、第1の構成要素2および第2の構成要素4が隣り合っている場合、近傍界アンテナ3および遠方界アンテナ5は結合される。近傍界アンテナ3および遠方界アンテナ5が結合されているとき、近傍界アンテナ3を用いる集積回路は、RFID通信の近傍界においてだけではなく遠方界RFID通信においても読み取り可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本開示の好ましい実施形態を本明細書で説明したが、以下の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、改良および変更を組み込んでもよい。
産業上の利用可能性
本開示は、コネクタシステムにCPA部材が閉位置で設けられているかどうかをチェックするための確実な解決策が必要とされているという認識に、少なくとも一部は基づく。これに関して、このチェックプロセスのためのコネクタに対する視覚的な視認の必要性を回避することができれば有利であるということが認識されている。この着想は、CPA部材上の集積回路に電気的に接続されている近傍界アンテナ、および、コネクタ自体上のブースター(booster)としての遠方界アンテナを使用することである。集積回路を有する近傍界アンテナの場合、UHF PCBコイン(coin)、UHFコイルオンチップ(coil-on-chip)もしくはコイルオンチップもしくはオンチップコイル(on-chip-coil)または何らかの同等のものを使用してもよい。コネクタが差し込まれると、CPA部材を閉位置にして近傍界アンテナと遠方界アンテナとを結合させ、これによって、RFIDシステムの読み取り範囲を増大させる必要がある。CPA部材が閉位置にない(ロックされていない)場合、読み取り距離は、非常に限られた読み取り範囲を有する近傍界アンテナの読み取り距離まで短縮される。この原理を使用して、(近傍界アンテナを含む)プラグが(遠方界アンテナを含む)コンセントに接続されていることを確かめることもできる。別の使用事例は、タンパーエビデンスタグ(tamper evidence tags)である。たとえば、タグを物体から取り外そうとすると、近傍界アンテナが遠方界アンテナから切り離され、タグは自身の読み取り範囲を失う。本開示の1つの利点は、コネクタがロックされていることを確かめるためにコネクタの視覚的な視認が必要ないことである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
本開示のRFIDタグに関して、RFIDタグの好ましい実施形態には、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの一方に位置付けられる第1のロック部分と、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの他方に位置付けられる第2のロック部分と、を含むロック機構を設けてもよい。ロック機構は好ましくは、開位置および閉位置を有するように構成されており、閉位置において、第1のロック部分は、第2のロック部分に押し込まれ、第1の構成要素と第2の構成要素との分離を防止する。第1のロック部分および第2のロック部分は、それぞれ第1の構成要素および第2の構成要素の一体的な部分であってもよく、ロック部分は、第1の構成要素および第2の構成要素をそれぞれ囲んでもよい。例示的な実施形態において、ロック機構は、RFIDタグを破壊することなく、閉じられた後で開状態にすることができるように構成してもよい。枢動機構は、第1の構成要素と第2の構成要素とを接続するとともに、第1の構成要素および第2の構成要素の枢動のための回転軸であるピン(pin)を用いて実現してもよい。例示的な実施形態において、近傍界アンテナは、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよく、遠方界アンテナは、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであってもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本開示の方法に関して、この方法は、好ましくは、集積回路がRFIDタグ読取機によって読み取り可能ではない場合に警告信号を発するステップを含んでもよい。そのような警告信号は、コネクタ位置保証が閉位置にないことを示す。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
コネクタシステムにCPA部材が閉位置で設けられているかどうかをチェックするための方法であって、
第1のコネクタ(2)および第2のコネクタ(4)を準備することであって、該第2のコネクタ(4)は、該第1のコネクタ(2)と嵌合されるように構成されており、該第1のコネクタ(2)または該第2のコネクタ(4)には遠方界アンテナ(5)が設けられている、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)を準備すること、
集積回路(10)と、該集積回路(10)に電気的に接続されている近傍界アンテナ(3)とを含むCPA部材(9)を準備することであって、該CPA部材(9)は、開位置および閉位置を有するように構成されており、該閉位置において、該CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の適切な接続を確認し、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の予期せぬ離脱を防止する、前記CPA部材(9)を準備すること、
前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)を嵌合させること、
前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させることであって、前記CPA部材(9)の前記閉位置において、前記近傍界アンテナ(3)は、前記CPA部材(9)の前記集積回路(10)との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、前記遠方界アンテナ(5)と誘導結合される、前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させること、
RFIDタグ読取機(6)を準備することであって、該RFIDタグ読取機(6)は、該RFIDタグ読取機と前記集積回路(10)との間で、遠方界RFID通信が可能であり、近傍界RFID通信が可能ではないような距離Dにおいて、前記集積回路(10)に対して位置決めされている、前記RFIDタグ読取機(6)を準備すること、
前記RFIDタグ読取機(6)による前記集積回路(10)の可読性をチェックすること、を備える方法。
(付記2)
前記集積回路(10)が前記RFIDタグ読取機(6)によって読み取り可能ではない場合に、前記CPA部材(9)が前記閉位置にないことを示す警告信号を発することをさらに備える付記1に記載の方法。
(付記3)
前記CPA部材(9)を前記閉位置に移動させるステップは、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)が適切に嵌合されている場合にのみ可能である、付記1または2に記載の方法。
(付記4)
コネクタが適切に嵌合および固定されていることを保証するためのコネクタシステムであって、
第1のコネクタ(2)および第2のコネクタ(4)であって、該第2のコネクタ(4)は、該第1のコネクタ(2)と嵌合されるように構成されており、該第1のコネクタ(2)または該第2のコネクタ(4)には遠方界アンテナ(5)が設けられている、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)と、
集積回路(10)と、該集積回路(10)に電気的に接続されている近傍界アンテナ(3)とを含むCPA部材(1)であって、前記CPA部材(1)は、開位置および閉位置を有するように構成されており、該閉位置において、該CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の適切な接続を確認し、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の予期せぬ離脱を防止する、前記CPA部材(1)と、を備え、
前記CPA部材(9)の前記閉位置において、前記近傍界アンテナ(3)は、前記CPA部材(9)の前記集積回路(10)との通信がこの時点でRFID通信の遠方界において可能となるように、前記遠方界アンテナ(5)と誘導結合されている、コネクタシステム。
(付記5)
前記第1のコネクタ(2)、前記第2のコネクタ(4)および前記CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)が適切に嵌合されている場合にのみ、前記CPA部材(1)を前記閉位置に移動させることを可能にするように構成されている、付記4に記載のコネクタシステム。
(付記6)
前記CPA部材(9)を受け入れるために、前記第1のコネクタ(2)には受け入れ手段(7)が設けられており、前記第2のコネクタ(4)には受け入れ手段(8)が設けられている、付記4または5に記載のコネクタシステム。
(付記7)
前記CPA部材(9)は、前記第1のコネクタ上の前記受け入れ手段(7)または前記第2のコネクタの前記受け入れ手段(8)に移動可能に接続されており、前記CPA部材(9)は、予め組み付けられた位置から前記閉位置まで移動させることができる、付記6に記載のコネクタシステム。
(付記8)
前記近傍界アンテナ(3)および前記遠方界アンテナ(5)は異なる読み取り範囲を有し、たとえば、前記近傍界アンテナ(3)は、数ミリメートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナであり、前記遠方界アンテナ(5)は、数メートルの読み取り範囲を有するUHFアンテナである、付記4~7のいずれか一項に記載のコネクタシステム。
(付記9)
前記コネクタシステムは、前記CPA部材(9)の意図的な取り外し、ならびに、前記第1のコネクタ(2)および前記第2のコネクタ(4)の嵌合を外すことを、前記CPA部材(9)、前記第1のコネクタ(2)または前記第2のコネクタ(4)を破壊することなく容易に行うことができるように構成されている、付記4~8のいずれか一項に記載のコネクタシステム。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【外国語明細書】