(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095773
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】加齢及び長期性の質に関連する状態の診断及び治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20240703BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240703BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20240703BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240703BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240703BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240703BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240703BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240703BHJP
A61K 31/221 20060101ALI20240703BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20240703BHJP
A61K 31/23 20060101ALI20240703BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240703BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A23L33/10
A61P29/00
A61P7/06
A61P9/10
A61P37/06
A61P17/06
A61P9/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61K31/221
A61K31/198
A61K31/23
A61P11/00
A61P1/16
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063124
(22)【出願日】2024-04-10
(62)【分割の表示】P 2020565360の分割
【原出願日】2019-05-20
(31)【優先権主張番号】62/675,621
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/751,201
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/838,234
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520137235
【氏名又は名称】エピトラッカー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EPITRACKER, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベン-ワトソン、ステファニー
【テーマコード(参考)】
4B018
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD10
4B018MD18
4B018MD19
4B018ME10
4B018ME14
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA03
4C206FA53
4C206FA59
4C206GA16
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA36
4C206ZA55
4C206ZA59
4C206ZA89
4C206ZA96
4C206ZB11
4C206ZB15
4C206ZC33
4C206ZC52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態の治療又は改善するための組成物を提供する。
【解決手段】ペンタデカノイルカルニチン、プロリルヒドロキシプロリン、ペンタデカン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の化合物、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、又はそのエステルを含む、組成物とする。寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、炎症、貧血、線維性疾患、アテローム性動脈硬化症、臓器移植、乾癬、再狭窄、及び関節リウマチからなる群より選択される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態の治療又は改善するための組成物であって、
ここで、寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、炎症、貧血、線維性疾患、アテローム性動脈硬化症、臓器移植、乾癬、再狭窄、及び関節リウマチからなる群より選択され、
組成物は、ペンタデカノイルカルニチン、プロリルヒドロキシプロリン、ペンタデカン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の化合物、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、又はそのエステルを含む、組成物。
【請求項2】
1つ以上の化合物は、ペンタデカノイルカルニチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1つ以上の化合物は、プロリル-ヒドロキシプロリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
1つ以上の化合物は、ペンタデカン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、炎症である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
炎症は、Th1型炎症である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
Th1型炎症は、肺の炎症である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
Th1型炎症は、慢性炎症である、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
Th2型炎症は、慢性炎症である、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、乾癬である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、関節リウマチである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、線維性疾患である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
線維性疾患は、線維性肝疾患である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
線維性疾患は、線維性肺疾患である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、貧血である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、アテローム性動脈硬化症である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、再狭窄である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、臓器移植である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物であって、組成物が、サプリメント、栄養補助食品または食品としての形態であることを特徴とする、組成物。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物であって、組成物が単位投与形態、またはサプリメント、食品、または処方治療薬の形態であることを特徴とする、組成物。
【請求項21】
体重1kgあたり0.5mg~50mgの1つ以上の化合物またはその薬学的に許容される塩を患者に投与するために構成された、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
日1回投与するように構成された、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
0.01mg~10000mgの1種以上の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府主催の研究開発に関する声明)
米国政府は、CRADA番号NCRADA-SSCPACIFIC-17-261の下
で、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(関連出願の参照による引用)
出願データシートにおいて特定されたすべての優先権主張、又はそれらの補正は、特許
規則1.57に基づいて参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、平成30年5月
23日に出願された米国仮出願第62/675,621号、平成30年10月26日に出
願された米国仮出願第62/751,201号、及び平成31年4月24日に出願された
米国仮出願第62/838,234号の利益を主張する。前述の出願の各々はその全体が
参照により本明細書に組み込まれ、各々は本明細書の一部とされる。
【0003】
(技術分野)
小分子である代謝産物を含む組成物、ならびにその塩及び誘導体、ならびに加齢の質に
関連する状態の処置又は予防のための方法が提供され、これには、炎症、貧血、高血糖、
脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚完全性障害、創傷治癒、瘢痕化
、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含む、寿命及び加
齢の質に悪影響を及ぼす状態を処置するための組成物及び方法が含まれる。
【0004】
(技術分野)
小分子である代謝産物を含む組成物、ならびにその塩及び誘導体、ならびに加齢の質に
関連する状態の処置又は予防のための方法が提供され、これには、炎症、貧血、高血糖、
脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚完全性障害、創傷治癒、瘢痕化
、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含む、寿命及び加
齢の質に悪影響を及ぼす状態を処置するための組成物及び方法が含まれる。
【背景技術】
【0005】
加齢は、健康状態のリスクを増大させ、生活の質及び寿命を低下させる可能性がある。
加齢とともに、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過剰症
、皮膚の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害や問題、胃腸障
害や問題など一連の状態を発症するリスクが高くなる。これらの状態は生活の質の低下に
寄与する因子であり、したがって、これらの状態の治療は、寿命及び生活の質を改善する
手段として提案されている。
【発明の概要】
【0006】
生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢を伴う状態の治療又は予防のための組成物及び方
法が提供される。これらの組成物は1つ以上の小分子生化学物質、これらの生化学物質の
誘導体、又はそれらの塩を含み、これらは、他の薬剤と組み合わせて、又は本明細書中に
記載されるような種々の処置レジメンの一部として投与され得る。提供される組成物は、
生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態のマーカーを調節するために有効で
ある。組成物を投与するための方法が提供される。
【0007】
組成物は、Th1型炎症、Th2型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息
、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クロ
ーン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、代謝疾患、臓器移植、乾癬、
肺線維症、呼吸器感染症に対する肺反応、再狭窄、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫
瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、及び血管炎
症を含むがこれらに限定されない状態の治療、改善、又は予防に適している。
【0008】
以下の因子により引き起こされ又は悪化する疾患は、本明細書中に開示される組成物に
よって緩和又は治療され得る:α平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コ
ラーゲンI、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞
増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンG、インタ
ーフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10/CXCL10)、インターロイキン(I
-TAC/CXCL11)、インターロイキン(IL-1α、IL-2、IL-6、IL
-8(CXCL8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコ
ロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、M
MP-9、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CX
CL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2
(PGE2)、 血清アミロイドA、T又はB細胞増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子
(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、血管内
皮増殖因子2(VEGFR2)。
【0009】
したがって、一般的に適用可能な第1の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面
又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせることができる)において、1つ以上の小
分子代謝産物、又は薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物が提供され、ここで、1
つ以上の小分子代謝産物は、1つ以上の小分子代謝産物からなる群より選択される;及び
薬学的に許容可能なキャリアである。
【0010】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の小分子は、本明細書中に記載
される代謝産物である。
【0011】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、単位投薬形態である。
【0012】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は1kgの体重あたり、2.
5mg~50mgの1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学的に許容可能な塩の患者への
投与のために構成される。
【0013】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、1日1回の投与のために
構成される。
【0014】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、0.01mg~1000
0mgの1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0015】
一般的に適用可能な第2の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態
のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、QOL又は寿命に関連する状態
の処置又は予防のための医薬組成物の製造における、第1の局面又はその任意の実施形態
の医薬組成物の使用が提供され、ここで、QOL又は寿命に関連する状態は、炎症、貧血
、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚完全性障害、創傷治
癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題からなる
群より選択される。
【0016】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、使用は、生活の質又は寿命に関連する状
態の処置又は予防のための薬剤の製造におけるものである。
【0017】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、生活の質又は寿命に関連
する加齢関連条件のマーカー、又は生活の質又は寿命に関連する条件の症状を調節するよ
うに構成される。
【0018】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、生活の質又は寿命に関連する状態のマー
カーは血清又は血漿小分子代謝産物濃度、赤血球指数(すなわち、ヘモグロビン、赤血球
)、血清又は血漿コレステロール、トリグリセリド、インスリン、グルコース、γ-グル
タミルトランスペプチダーゼ、フェリチン、又は鉄からなる群より選択される。
【0019】
第2の側面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される側面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、1つ以上の小分子代謝産
物の血清、赤血球、又は組織濃度を0.2μMと20μMとの間に増加させるように構成
される。
【0020】
一般的に適用可能な第3の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態
のいずれかと独立して組み合わせることができる)において、炎症、貧血、高血糖、脂質
異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過剰、皮膚完全性障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛
、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含む、生活の質又は寿命
に関連する状態、ならびに他の関連する状態の処置又は予防の方法であって、有効量の1
つ以上の小分子代謝産物、又は薬学的に許容されるその塩を、それを必要とする患者に投
与する工程を包含し、ここで、1つ以上の小分子代謝産物は、本明細書中に記載される群
から選択される。
【0021】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学
的に許容可能な塩は、1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学的に許容可能な塩及び薬学
的に許容可能なキャリアを含む単位投薬形態の医薬組成物として提供される。
【0022】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、単位投薬形態は、0.01mg~100
00mgの1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0023】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、本明細書中に記載される1つ以上の小分
子代謝産物。
【0024】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、本明細書中に記載される
複数の異なる小分子代謝産物を含む。
【0025】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1日あたり1kgの体重あたり2.5m
g~50mgの1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学的に許容可能な塩が、患者に投与
される。
【0026】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の小分子代謝産物又はその薬学
的に許容可能な塩は、1日1回患者に投与される。
【0027】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の小分子代謝産物の血清、組織
、又は赤血球膜濃度は0.5μMと20μMとの間の濃度を達成するために、患者のベー
スラインレベルを1.25~6倍上回って増加される。
【0028】
一般に適用可能な第4の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明される組成
物が提供される。
【0029】
一般に適用可能な第5の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明される組成
物が提供される。
【0030】
一般に適用可能な第6の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明されるよう
な使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、改変された魚の食餌を与えている間の、個々のイルカの間のヘマトクリットの改善に関するデータを提供する。
【0032】
【
図2】
図2は、T細胞駆動慢性炎症及び自己免疫疾患を模倣するヒト細胞系におけるT細胞増殖に対するイルカ血清ベースの化合物の影響に関するデータを提供する。
【0033】
【
図3】
図3は、T細胞駆動慢性炎症及び自己免疫疾患を模倣するヒト細胞系におけるCD40に対するイルカ血清ベースの化合物の影響に関するデータを提供する。
【0034】
【
図4】
図4は、T細胞及び単球によって引き起こされる慢性炎症及び心血管疾患を模倣するヒト細胞系におけるプロスタグランジンE2分泌に対するイルカ血清ベースの化合物の影響に関するデータを提供する。
【0035】
【
図5】
図5は、喘息、自己免疫、及びアレルギーを模倣するヒト細胞系におけるIL-17Aに対するイルカ血清ベースの化合物の影響に関するデータを提供する。
【0036】
【
図6】
図6は、心血管炎症を模倣するヒト細胞系におけるIL-6に対するキサンツレネートの影響に関するデータを提供する。
【0037】
【
図7】
図7は、創傷治癒、リモデリング、線維症、及び慢性炎症を模倣するヒト細胞系におけるデコリンに対するイルカ血清ベースの化合物の影響に関するデータを提供する。
【0038】
【
図8】
図8は、創傷治癒、リモデリング、線維症、及び慢性炎症を模倣するヒト細胞系におけるイルカ血清ベースの化合物のIL-8に対する影響に関するデータを提供する。
【0039】
【
図9】
図9は、ヒト細胞系において実証された抗炎症活性を有するイルカ系化合物に関する情報を提供する表である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
炎症、貧血、高血糖症、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚の完
全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障
害及び問題、ならびに他の関連状態を含む、加齢に関係する状態の治療のための1つ以上
の小分子代謝産物を含む組成物、及び関連する方法を提供する。
【0041】
加齢は、炎症誘発性サイトカイン、好中球、及び進行性に活性化されたマクロファージ
の循環レベルの増加を特徴とする慢性の軽度の炎症と関連している。この炎症誘発性状態
は、高齢者(Franceschi C, Campisi J(2014)Chronic inflammation(インフラマジン
グ) 及び加齢に伴う疾患への潜在的寄与の両方に対する重大な危険因子である。J Geron
tol Ser A 69:S4-S9)100歳以上の人は年齢とともに炎症誘発性状態を発症す
る可能性が低く、さらに、慢性で軽度の炎症が生活の質と期間を損なうことを裏付けてい
る(Vasto S, Candore G, Balistreri M, Colonna-Romano G, Grimaldi MP, Listi F et
al.(2007)Inflammatory networks in age, age-related diseases, an。Mech Agein
g and Dev 128:83-91)そのため、複数の加齢関連疾患を同時に治療するために
、加齢の炎症を減少させるための介入が提案されており、その結果、生活の質が改善され
、寿命が延びた。
【0042】
加齢とともに、貧血の有病率は劇的に上昇する可能性がある。40歳、60歳、80歳
、90歳、100歳の集団(合計n=1,980)の比較では、以下の貧血の有病率であ
った。16.1%、19.1%、41.1%、46.2%、57.1%(Zhai Y、Yin ZX
、Xu JW、Liu YZ、Shi XM(2010)中国の長寿地域における80歳以上の高齢者における
貧血の状態とその関連因子。Chinese J of Prev Med 44:115-118)。貧血及び
低ヘモグロビン濃度の存在は、高齢者の3年死亡リスクを25%増加させ、寿命を減少さ
せた(Lyu Y, Yin Z, Luo J, Shi X, Zeng Y(2015)Zhonghua Liuxingbingxue Zazhi
36:682-686)。加齢による貧血を予防し治療する手段は生活の質を改善し、寿
命を延ばすことが期待される。
【0043】
加齢に伴うコレステロールの上昇は、生活の質又は寿命に悪影響を及ぼし得る。(Kries
berg RA and Kasim S (1987) コレステロール代謝と加齢、Am J Med 82:54-
60)。コレステロールの上昇、特に低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールの上昇は
、年齢とともに有病率も増加するアテローム性動脈硬化症を含む心血管疾患の基礎的原因
又は寄与因子として同定されている。コレステロール値の低下は、特に50歳未満の人で
は寿命の改善と関連している(Anderson KM, Castelli WP, Levy D(1987)Cholesterol
and mortality: Framingham Study JAMA 257:2176-2180からの30年間の
追跡)。同様に、トリグリセリドレベルはヒトの寿命の主要な予測因子であり得、長寿命
ファミリーに存在するトリグリセリドレベルは対照(Vaarhorst AAM, Beekman M, Suchima
n EHD, van Heemst DV, Houwing-Duistermaat JJ, Westerndorp RG et al(2010)Lei
den Longevity Study)と比較して低い。AGE 33:219-227)。脂質異常症の
予防と治療は生活の質を改善し、寿命を延ばすために重要であることが強調されている。
【0044】
高血糖及びインスリン抵抗性を含む糖尿病前症及び糖尿病状態は、生活の質及び寿命の
障害をもたらす。1999年から2011年まで、糖尿病から失われた平均年数は、男性
で46%、女性で44%増加している(Gregg EW, Zhuo X, Cheng YJ, Albright AL, Nara
yan KMV, Thompson TJ(2014)Trends in lifetime risk and years of life lost of
diabetes in USA, 1985-2011: A modelling st。Lancet Diab Endocrinol 2:
867-874)。インスリン抵抗性は高齢になるほど増加し、100歳以上の人は若い
人に比べてインスリン抵抗性が低くなる(Paolisso G, Barbieri M, Rizzo MR, Carella C
, Rotondi M, Bonafe M et al(2001)Lowインスリン抵抗性とβ細胞機能の保持は
ヒトの寿命に寄与するが、TH-INS遺伝子とは関連しない。Exp Gerontol 37:1
47-156)。メトホルミンを含む2型糖尿病を処理するために長い間使用されてきた
処理は、寿命を拡大することが実証されている(Novelle MG, Ali A, Dieguez C, Bernier
M, de Cabo R(2016)Metformin: A hopeful promise in aging research)。CSH Pers
pectives 6:a025932)及び高血糖及びインスリン抵抗性を治療し、寿命を延ば
すのに役立ち得る他の化合物を発見するための積極的な努力がある。
【0045】
特に先進国では、慢性肝疾患とそれに伴う肝硬変及び肝細胞癌の有病率が驚くべき割合
で増加している。この増加は、主に肥満及びメタボリックシンドローム(グルコースの上
昇、脂質異常症、及びインスリン抵抗性を含む)の世界的な増加と関連する非アルコール
性脂肪性肝疾患(NAFLD)による。慢性肝疾患は罹患率と死亡率に寄与し、肝不全、
移植、癌の減少を目指すことにより、肝疾患の治療薬はQOLを改善し、寿命を延ばすこ
とができる(Lim YS, Kim WR(2008) 肝線維症と末期肝疾患の世界的な影響。肝臓D
is 12:733-746)における臨床)。
【0046】
加齢に伴う鉄過剰及び高フェリチン血症は、生活の質又は寿命に悪影響を及ぼし得る。
鉄は加齢とともに脳(広瀬 W、池松 K、津田 R(2003))などの組織に蓄積し、剖
検脳では加齢に伴うヘムオキシゲナーゼ-1及びフェリチン免疫反応性の亢進が認められ
る。Legal Med 5:S360-366)。鉄は組織に酸化的損傷を誘発し、アルツハイマ
ー病などの加齢性疾患をもたらすことから、鉄過剰や高フェリチン血症を減少させる化合
物が加齢関連疾患の治療標的として提唱されている(Bartzokis G, Tishler TA, Lu PH, V
illablanca P, Altshuler LL, Carter M et al.(2007)脳フェリチン鉄は加齢や性別
による神経変性のリスクに影響を及ぼす可能性がある。Neurobiol Aging 28:414-
423)。
【0047】
皮膚の加齢及び創傷治癒の不良は、生活の質に悪影響を及ぼし得る。加齢皮膚は、その
完全性及び治癒能力を損なう構造及び機能に変化を有する(Farage MA, Miller KW, Elsne
r P, Maibach HI(2013)加齢皮膚の同定。Adv Wound Care 2: doi: 10.1089
)皮膚の完全性及び修復に影響を及ぼす、年齢に伴う内因性変化を予防又は補正する化合
物は、生活の質の改善を助けることができる。
【0048】
加齢及び疼痛に関しては、65歳以上の半数以上の人々が厄介な疼痛を有すると報告し
ており、そのほとんどは複数の部位に疼痛があり、関節炎、心代謝性疾患、肥満などの少
なくとも2つの慢性医学的状態を有する(Patel KVら(2013)米国の高齢者における
疼痛の有病率及び影響:2011年国民健康・加齢傾向研究からの知見。疼痛154:2
649-2657)。したがって、抗炎症剤、鎮痛剤、及び心臓代謝疾患を減弱させる化
合物は、加齢に関連する疼痛を含む疼痛を軽減するのに役立ち得る。一例として、プロス
タグランジンE2(PGE2)を減少させる化合物は、変形性関節症によって引き起こさ
れる疼痛を含む炎症、疼痛、及び発熱を減少させるのに役立ちうる(Lee ASら.(2013)
変形性関節症と痛みの分子メカニズムの現在のレビュー。遺伝子 527:440-44
7)。関節リウマチなど、自己免疫疾患に伴う炎症を軽減する他の化合物は、関節の炎症
及び疼痛を減弱させることができる。一例として、インターロイキン-17A(IL-1
7a)は多発性硬化症及び関節リウマチを含む自己免疫疾患の重要な寄与因子であり、I
L-17Aを低下させる化合物は、関節リウマチによる疼痛の緩和に役立つ可能性がある
(wakura Yら.(2008)IL-17A炎症性免疫応答及び病原体に対する宿主防御の役
割。Immunol Rev 226:)。さらに、加齢及び心臓代謝疾患に関連する慢性全身性炎症
を減少させる化合物は、これらの疾患及びそれらに関連する疼痛を減弱させる可能性があ
る。
【0049】
加齢及びアレルギーに関して、アレルギーは15歳を超える人々において最も急速に成
長している健康問題の1つであり、アレルギーの5%~10%は、高齢者に影響を及ぼし
ている(Martinis MDら(2017)Allergy and aging:古い/新しい健康問題。Aging and
Dis 8:162-175)。高齢者は加齢に伴う生理学的変化、併発疾患、多剤療法、
及び皮膚、消化管、呼吸器系を含む易感染性システムにより、アレルギーのリスクが高い
可能性がある。インターロイキン-17A(IL-17a)は、全身性及び皮膚過敏症及
びアレルギー性気道炎症を含むアレルギー反応の重要な寄与因子である(Iwakura Yら(2
008)IL-17A炎症性免疫応答及び病原体に対する宿主防御の役割。Immunol Rev
226)したがって、IL-17Aの減少を含むアレルギー応答を減少させる化合物は、
高齢者を含む人々の生活の質を改善することができる。
【0050】
加齢と睡眠障害に関しては、睡眠障害が高齢者人口の最大40%に影響を及ぼすことが
報告されている(Vitiello MV(1997) 睡眠障害と加齢 : 原因の理解。J Gerontol
52A:M189-M191)。この高い有病率は、一部には加齢に伴う生理学的変化、
ならびに慢性疾患の存在に起因する。疼痛などの慢性疾患のコントロールは睡眠の質を改
善し、不眠症を解消することが実証されている(Monjan A and Foley D(1996)医学的
及び心理社会的因子と関連する慢性不眠症の発症率:高齢者を対象とした疫学研究。Slee
p Res 25:108)。ベンゾジアザピン及び他の鎮静薬の使用に対する懸念が高まって
いるにもかかわらず、特に高齢者では、60歳を超える患者は40~59歳の患者と比較
して鎮静薬の処方を受ける可能性が高い(Baum C et al.(1986)U.S.-1985:第
7回年次レビュー。ロックビル、MD:食品医薬品局、医薬品生物学センター)。したが
って、睡眠に影響を及ぼす基礎的な医学的状態を軽減するのに役立ち得る天然化合物の使
用は、睡眠及び生活の質を改善する第1線の手段として使用され得る。鎮静薬の代替の可
能性として、炎症、疼痛及び発熱を軽減するために使用できるPGE2阻害薬は、後部視
床下部近傍の覚醒中枢を刺激するPGE2の役割を発揮するのにも役立つ可能性がある(H
ayaishi O(1991) 睡眠-覚醒調節の分子機構 : プロスタグランジンD2及びE2
の役割。FASEB J 5:2575-2581)。
【0051】
加齢及び/又は胃腸障害に関しては、加齢が正常な消化に影響し、感覚、炎症、嚥下不
良、微生物叢の不均衡、吸収不良、及び栄養不良に関連する障害(Shamburek RD and Farr
ar JT(1990)高齢者における消化器系の障害をもたらす。New Engl J Med 322:
438-443)。65歳以上の人々は全炎症性腸疾患入院の25%を占め、高齢は若年
患者と比較して死亡率の上昇と重症度の高い消化器疾患の有意な危険因子であった(Anant
hakrishnan AN et al.(2009)高齢者の炎症性腸疾患は転帰不良と関連する:入院に
関する全国調査。Inflamm Bowel Dis 15: 182-289)。胃腸の炎症を低下させ
、バランスのとれた微生物叢を回復させ、及び/又は栄養素の適切な吸収を改善する化合
物は、消化障害を緩和するのに役立ち得る。インターロイキン-17A(IL-17A)
は慢性腸炎症の一因であり、IL-17A分泌を低下させることは消化器疾患の軽減に役
立つ可能性がある(Coccia M et al.(2012))IL-1βはIL-17A分泌自然リ
ンパ系細胞及びCD4+ Th17細胞の蓄積を促進することにより、慢性腸炎症を媒介する
。J Exp Med 209:1595)。
【0052】
加齢及び皮膚状態及び/又は創傷治癒に関して、高齢は、創傷治癒を損なう可能性があ
る(Sgnoc R及びGruber J(2013) 皮膚創傷治癒の年齢関連側面:ミニレビュー。Ge
rontol 59:159-164)。この障害は、IL-6などのサイトカイン、及
び乾癬で上昇するCXCL8(インターロイキン8(IL-8)とも呼ばれる)などのケ
モカインの増加を含む、年齢とともに存在する慢性炎症状態による可能性がある。しかし
、胎児と高齢者の創傷治癒にはいくつかの相違点があり、それが有益であろう。一例とし
て、胎児及び高齢者の創傷は、それぞれ、瘢痕を全く又はほとんど残さずに治癒する。こ
の瘢痕を残さない修復は胎児組織においてそれぞれ観察される、細胞外マトリックスプロ
テオグリカン及びケモカインであるデコリン及びIL-8のより低いレベルに起因する可
能性がある(Beanes SRら(2001)形質転換成長因子-βモジュレーター、デコリンの
ダウンレギュレーションは瘢痕を残さない胎児創傷治癒と関係する。J Pediatr Surg 3
6:1666-71;Liechty KW(1997)胎児創傷治癒反応における減少したインタ
ーロイキン-8(IL-8)産生)。J Surg Res 77:80-84)。そのため、IL
-6、IL-8、及びデコリンのレベルが低いことは、慢性的で治癒しない創傷に関連す
る炎症の幹細胞化を助け、この治癒を最小限の瘢痕で起こすことを可能にする。
【0053】
本明細書に提供される状態に対する防御因子及び危険因子を検出するための方法を提供
するための、実施態様の特定の対象であり、これには、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症
、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚の完全性の障害、創傷治癒の障害、瘢痕化
、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびにコンパニオン動物及びヒトなどの哺乳
類被験者における他の関連状態が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態の目
的は哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)における生活の質又は寿命に影
響を及ぼす加齢に関連する状態を含むが、これらに限定されない状態を処置するための方
法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのよ
うな哺乳動物被験体において生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を含む
が、これに限定されない状態を検出する手法を提供することである。特定の実施形態の目
的は1つ以上の小分子代謝産物又は小分子代謝産物誘導体(表1に列挙される生化学物質
、例えば、2-メチルセリンのようなアミノ酸、及び/又は10-ウンデカノエートのよ
うな特定の脂質を含むが、これらに限定されない)の血清、血漿、又は赤血球膜レベルを
、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被験体において増加させるための方法
を提供することである。特定の実施形態の目的は加齢に関連する条件及び生活の質又は寿
命に影響を及ぼす条件を含むが、これらに限定されない条件を処置又は予防するための小
分子代謝産物サプリメント又は処方治療薬を提供することである。特定の実施形態の目的
は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体において生活の質又は寿命に影
響を及ぼす加齢に関連する状態を検出及び/又は治療するための、費用効果の高い方法で
達成することが容易な方法を提供することである。
【0054】
特定の実施形態の目的は、選択された疾患及び状態の予防、改善、及び/又は治療にお
いて、実施形態の組成物を使用することである。これらの疾患及び状態には口腔適応症、
例えば、虫歯(虫歯);歯周病(歯肉炎);歯周炎;過敏性歯;口腔癌;灼熱口症候群;
口内の潰瘍、ただれ、又は圧痛部位;歯磨き又はフロッシング後の歯肉の出血又は腫脹;
慢性的な口臭;熱い及び冷たい温度又は飲料に対する過敏性;痛み又は歯痛;歯ぐきの緩
み;歯肉の後退;噛みしめ又は噛みしめに伴う痛み;顔面及び頬の腫脹;顎のクリック;
頻繁な口内乾燥;及び口内炎が含まれるが、これらに限定されない。これらの疾患及び状
態には皮膚状態、例えば、ざ瘡、冷たくれ、水疱、蕁麻疹、日光角化症、酒さ、カルブン
ケル、湿疹、乾癬、蜂巣炎、蜂巣炎、麻疹、基底細胞癌腫、扁平上皮癌、黒色腫、ループ
ス、接触皮膚炎、白斑、いぼ、水痘、脂漏性湿疹、毛孔性角化症、白癬、黒皮症、膿痂疹
、おむつ発疹、細菌又は真菌感染による発疹、アレルギー反応、第5疾患、及び血管炎が
含まれるが、これらに限定されない。これらの疾患及び状態には疼痛、神経痛、心因性疼
痛、筋骨格痛、慢性筋肉痛、腹痛、関節痛、中枢性疼痛症候群、複合性局所疼痛症候群、
糖尿病関連神経痛(神経障害)、帯状疱疹痛(帯状疱疹後神経痛)、及び三叉神経痛が含
まれるが、これらに限定されない。これらの疾患及び状態はアレルギー、例えば、季節性
アレルギー(例えば、花粉、花粉)、動物製品に対するアレルギー(例えば、ペットダン
ダー、ダニ、ゴキブリ)、食品(例えば、ペニシリン及びスルファ)、食品(例えば、小
麦、ナッツ、卵、マメ科牧草、蚊)、カビ、植物(例えば、草からの花粉、雑草、毒オー
ク)、雑多なアレルギー(例えば、ラテックス、ニッケル)、接触皮膚炎、発疹、咽頭痛
、蕁麻疹、眼の腫れ、灼熱感、かゆみ、水様眼、鼻水、咳、喘息を含むが、これらに限定
されない 気道の炎症。これらの疾患及び状態には睡眠条件、例えば、閉塞性睡眠時無呼
吸、中枢性睡眠時無呼吸、不眠症、過眠症(日中の眠気)、睡眠随伴症、レム睡眠行動障
害、概日リズム睡眠障害、非24時間睡眠-覚醒障害、周期性四肢運動障害、交代勤務睡
眠障害、及びナルコレプシーが含まれるが、これらに限定されない。これらの疾患及び状
態には消化及び/又は胃の状態又は障害、例えば、下痢、便秘、酸逆流、胸やけ、嘔吐、
胃食道逆流症、胆石、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、痔核
、憩室炎、憩室症、裂肛、消化性潰瘍、胃不全麻痺、及び吐き気が含まれるが、これらに
限定されない。
【0055】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被験体にお
いて生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態のマーカーを調節するための方
法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのよ
うな哺乳動物被験体における生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を検出
する方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒ
トのような哺乳動物被験者における生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態
を治療する方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル
及びヒトのような哺乳動物被験体における生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連す
る状態の予防方法を提供することである。実施態様の特定の目的は、コンパニオンアニマ
ル及びヒトなどの哺乳類被験者において、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高インスリ
ン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー
、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題、ならびに他の関連状態を含む、生活の
質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を含む本明細書に提供される状態の予防方
法を提供することである。
【0056】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体の血清
、血漿、又は赤血球膜中の小分子代謝産物を増加させるための方法を提供することである
。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体の生活
の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を検出又は治療する方法を提供すること
である。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体
において、他の小分子代謝産物を実質的に含まない小分子代謝産物を提供することである
。
【0057】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体におい
て生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を検出及び治療するための方法を
提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような
哺乳動物被験体における生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を治療する
ための、表1に列挙される生化学物質のような小分子代謝産物を提供することである。特
定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被験体における
生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を予防するための手法を提供するこ
とである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被
験体における生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢に関連する状態を検出又は治療する方
法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのよ
うな哺乳動物被験体において生活の質又は寿命に影響を及ぼす状態を治療するための補足
のための、本明細書に記載されるような小分子代謝産物を提供することである。
【0058】
特定の実施形態の目的はコンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体に、生体
利用可能な形態の小分子代謝産物を提供することである。特定の実施形態の目的は本明細
書中に記載される1つ以上の小分子代謝産物に、本明細書中に記載される1つ以上の他の
小分子生化学物質を、哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)被験体に提供
することである。特定の実施形態の目的は哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及び
ヒト)の被験体の血清において、本明細書中に記載される小分子生化学物質を増加させる
ための方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、哺乳動物及びヒトなどの哺
乳動物被験体の血清、血漿、又は赤血球膜中の本明細書に記載されるような種々の小分子
代謝産物の濃度を変化させるための方法を提供することである。
【0059】
本明細書中に含まれる特定の小分子代謝産物の1つ以上を含む組成物、及び炎症の処置
のための関連する方法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可能な
代謝産物を含む組成物が提供される。
【0060】
表1からの1つ以上の特定の小分子代謝産物を含む組成物、及び貧血の処置のための関
連する方法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可能な代謝産物を
含む組成物が提供される。
【0061】
表1からの1つ以上の特定の小分子代謝産物を含む組成物、及び高血糖症の処置のため
の関連する方法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可能な代謝産
物を含む組成物が提供される。
【0062】
表1からの1つ以上の特定の小分子代謝産物を含む組成物、及び脂質異常症の処置のた
めの関連する手法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可能な代謝
産物を含む組成物が提供される。
【0063】
本明細書中に含まれる1つ以上の特定の小分子代謝産物を含む組成物、及び高インスリ
ン血症の処置のための関連する手法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学
的利用可能な代謝産物を含む組成物が提供される。
【0064】
本明細書中に含まれる特定の小分子代謝産物の1つ以上を含む組成物、及び肝疾患の処
置のための関連する手法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可能
な代謝産物を含む組成物が提供される。
【0065】
本明細書中に含まれる1つ以上の特定の小分子代謝産物を含む組成物、及び鉄過負荷の
処置のための関連する方法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上の生物学的利用可
能な代謝産物を含む組成物が提供される。
【0066】
本明細書中に含まれる特定の小分子代謝産物の1つ以上を含む組成物、ならびに損なわ
れた皮膚完全性、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃
腸障害及び問題の処置のための関連する方法が提供される。本明細書に含まれる1つ以上
の生物学的利用可能な代謝産物を含む組成物が提供される。
【0067】
前述のオブジェクトのうちの1つ以上は、本明細書に記載されるような様々な組成物、
方法、及び使用によって提供されるか、又は達成される。
定義
【0068】
本明細書で使用される用語「アルコール」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定される
べきではない)、そして1つ以上のヒドロキシ基を組み込むか、又は1つ以上のヒドロキ
シ基によって置換されるか、又は1つ以上のヒドロキシ基を含むように官能化される、本
明細書に記載される任意の化合物をいうが、これらに限定されない。
【0069】
本明細書で使用される用語「短鎖脂肪酸」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特別にカスタマイズされた意味に限
定されるべきではない)、2~6個の炭素原子を有する脂肪酸を指すが、これに限定され
ない。
【0070】
本明細書で使用される「中鎖脂肪酸」という用語は広い用語であり、当業者にその通常
の慣用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特注の意味に限定されるべき
ではない)、そして7~12個の炭素原子を有する脂肪酸を指すが、これに限定されない
。
【0071】
本明細書で使用される「長鎖脂肪酸」という用語は広い用語であり、当業者にその通常
の慣用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特注の意味に限定されるべき
ではない)、13~22個の炭素原子を有する脂肪酸を指すが、これに限定されない。
【0072】
本明細書で使用される「超長鎖脂肪酸」という用語は広い用語であり、当業者にはその
通常の及び慣用の意味を与えられるべきであり(そして、特別な又はカスタマイズされた
意味に限定されない)、23個以上の炭素原子を有する脂肪酸を指すが、これに限定され
ない。
【0073】
本明細書で使用される用語「誘導体」は広い用語であり、当業者にはその通常の及び慣
用の意味を与えられるべきであり(そして、特別な又はカスタマイズされた意味に限定さ
れるべきではない)、1つ以上の誘導体基を組み込んでいるか、又は1つ以上の誘導体基
によって置換されているか、又はそれを含むように官能化されている、本明細書に記載さ
れる任意の化合物を指すが、これらに限定されない。誘導体としてはエステル、アミド、
無水物、酸ハロゲン化物、チオエステル、リン酸塩、三リン酸塩、及びβ-スルフェニル
誘導体があげられるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される「炭化水素」という用語は広い用語であり、当業者にはその通常
の慣用的な意味が与えられるべきであり(そして、特別な又は特別な意味に限定されるべ
きではない)、炭素及び水素原子のみを含む任意の部分を指すが、これらに限定されない
。官能化又は置換された炭化水素部分は、本明細書の他の箇所に記載されるような1つ以
上の置換基を有する。
【0075】
本明細書で使用される用語「脂質」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用的な意
味を与えられるべきであり(そして、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない
)、特に、飽和及び不飽和油及びワックス、誘導体、アミド、グリセリド、小分子代謝産
物、脂肪アルコール、ステロール及びステロール誘導体、リン脂質、セラミド、スフィン
ゴ脂質、トコフェロール、及びカロテノイドを指すが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は広い用語であり、当業者に
その通常の慣用の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意
味に限定されるべきではない)、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレ
ルギー反応、又は妥当なリスク/利益比に相応する他の問題合併症を伴わずに、ヒト及び
動物の組織との接触及び/又はヒト及び動物による消費に適している化合物、材料、組成
物、及び/又は剤形を指すが、これらに限定されない。
【0077】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」及び「その薬学的に許容される塩」と
いう用語は広い用語であり、当業者にそれらの通常の慣用の意味を与えられるべきであり
(そして、特別な意味又は慣用の意味に限定されるべきではない)、薬学的に許容される
無毒の酸又は塩基から調製される塩を指すが、これらに限定されない。適切な薬学的に許
容される塩としては、金属塩(例えば、アルミニウム、亜鉛、アルカリ金属塩(例えば、
リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩)の塩;アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウ
ム及びマグネシウム塩);有機塩(例えば、リジン、N,N’’-ジベンジルエチレンジ
アミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミ
ン(N-メチルグルカミン)、プロカイン、及びトリスの塩);遊離酸及び塩基の塩;無
機塩(例えば、硫酸塩、塩酸塩、及び臭化水素塩);ならびに当業者に周知の供給源(例
えば、メルク インデックス)に現在広く医薬的に使用されており、そして当業者に周知
の供給源に列挙される他の塩があげられる。任意の適切な組成物は無毒性であり、所望の
活性を実質的に妨害しないという条件で、本明細書で議論される治療薬の塩を作製するよ
うに選択され得る。塩に加えて、薬学的に許容される化合物の前駆体及び誘導体を使用す
ることができる。薬学的に許容可能なアミド、低級アルキル誘導体、及び保護誘導体もま
た、好ましい実施形態の組成物及び方法における使用に適切であり得る。好ましい実施形
態の化合物を薬学的に許容される塩の形態で投与することが可能であり得るが、化合物を
中性形態で投与することが一般に好ましい。
【0078】
本明細書で使用される用語「医薬組成物」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
的な意味を与えられるべきであり(そして、特別な又はカスタマイズされた意味に限定さ
れるべきではない)、本明細書に開示される1つ以上の化合物と、希釈剤又は担体などの
他の化学成分との混合物を指すが、これらに限定されない。医薬組成物は、生物への化合
物の投与を容易にする。医薬組成物は、化合物を無機又は有機の酸又は塩基と反応させる
ことによっても得ることができる。医薬組成物は一般に、特定の意図される投与経路に合
わせて調整される。
【0079】
本明細書で使用される用語「担体」は広い用語であり、当業者にその通常の慣習的な意
味を与えられるべきであり(そして、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるべ
きではない)、細胞又は組織への化合物の取り込みを容易にする化合物を指すが、これに
限定されない。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は限定されないが、対象の細
胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを容易にする、一般的に利用される担体であ
る。水、生理食塩水、エタノール、及び鉱油もまた、特定の医薬組成物において使用され
る担体である。
【0080】
本明細書において使用される用語「希釈剤」は広い用語であり、当業者にその通常の慣
用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特別に注文された意味に限定され
るべきではない)、そして薬理学的活性を欠くが、薬学的に必要であり得るか又は所望さ
れ得る医薬組成物中の成分をいうが、これらに限定されない。例えば、希釈剤は、その質
量が製造及び/又は投与には小さすぎる強力な薬物のバルクを増加させるために使用され
得る。それはまた、注射、摂取又は吸入によって投与されるべき薬物の溶解のための液体
であり得る。当技術分野における一般的な形態の希釈剤はヒト血液の組成を模倣するリン
酸緩衝食塩水などの緩衝水溶液であるが、これに限定されない。
【0081】
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は広い用語であり、当業者にその通常の慣
用の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定され
るべきではない)、そして医薬組成物に添加されて、組成物にバルク、コンシステンシー
、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを提供する物質を指すが、これらに限定されな
い。
【0082】
本明細書で使用される用語「対象」は広い用語であり、当業者に通常の慣用の意味を与
えられるべきであり(特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されない)、治療、
観察又は実験の対象である動物を指すが、これに限定されない。「動物」は冷血脊椎動物
及び無脊椎動物、例えば、魚類、貝類、は虫類、特に哺乳類を含む。「哺乳類」は限定さ
れないが、イルカ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、
ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー及び類人間、特にヒトを含む。いくつ
かの実施形態では、対象はヒトである。
【0083】
本明細書で使用される「処理」、「処理」、「治療」、又は「治療」という用語は広範
な用語であり、それらの通常及び慣習的な意味(特殊又はカスタマイズされた意味に限定
されるものではない)を付与されるものであり、限定されるものではないが、必ずしも当
該病気又は状態の完全な硬化又は廃止を意味するものではない。疾患又は状態の任意の望
ましくないマーカー、徴候又は症状の任意の緩和は、任意の程度まで、処理及び/又は処
理と考えることができる。さらに、治療は、患者の全体的な健康感又は外観を悪化させ得
る行為を含み得る。
【0084】
本明細書中で使用される用語「治療有効量」及び「有効量」は広い用語であり、当業者
にその通常の慣用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされ
た意味に限定されるべきではない)、そして示される生物学的応答又は薬学的応答を誘発
する活性化合物又は医薬品の量を示すために使用されるが、これらに限定されない。例え
ば、治療有効量の化合物は状態のマーカー又は症状を予防、軽減又は改善するために、又
は処置される対象の生存を延長するために必要とされる量であり得る。この反応は、組織
、システム、動物又はヒトにおいて起こり得、治療されている疾患の徴候又は症状の緩和
を含む。治療有効量の決定は、本明細書中に提供される開示を考慮して、十分に当業者の
能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書中に開示される化合物の治療有効
量は、投与経路、処置されるヒトを含む動物の型、及び考慮中の特定の動物の物理的特徴
に依存する。用量は所望の効果を達成するように調整することができるが、体重、食事、
同時投薬、及び医学分野の当業者が認識する他の因子などの因子に依存するのであろう。
【0085】
本明細書で使用される用語「溶媒」は広い用語であり、当業者にはその通常の慣用的な
意味が与えられるべきであり(そして、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定さ
れない)、他の化合物又は手段に対する溶解性のいくつかの特徴を有する化合物を指し、
これは極性又は非極性、線状又は分岐、環状又は脂肪族、芳香族、ナフテン系であり得、
特に、アルコール、誘導体、ジエステル、ケトン、アセテート、テルペン、スルホキシド
、グリコール、パラフィン、炭化水素、無水物、複素環式を含むが、これらに限定されな
い。
【0086】
本明細書で言及される任意のパーセンテージ、比率、又は他の量は別段の指示がない限
り、重量基準である。
小分子代謝物
【0087】
小分子代謝産物は低分子量(典型的には900ダルトン未満であるが、時にはそれより
も高い)であり、限定されるものではないが、体内で同定及び本明細書に提供されるよう
に、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子及びビタミン、生体異物、又は脂質(モノヒ
ドロキシ脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、超長鎖脂肪酸、ジカルボン脂肪酸、ホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾリン脂質、プラスマロゲン、リゾ
プラスマロゲン、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、スフィンゴミエリン
、又はセラミドを含む)を含むことができる。小分子代謝産物は、食物又は他の経口産物
の摂取に由来し得るか、又は内因的に産生され得る。小分子代謝産物は、当業者によって
使用されるような従来の命名法を使用して言及され、記載される。
【0088】
特定の化合物又は化合物のクラスが本明細書中で言及される場合、これらの化合物又は
化合物のクラスは代謝プロセスによって(例えば、プロドラッグの投与によって、又は内
因性産生によって)産生され得るか、又は医薬組成物の形態で患者に提供され得る。必然
的に「代謝産物」という用語は治療されるべき患者における代謝プロセスによる化合物の
産生を必要とすることを意図するものではなく、「代謝産物」として同定される化合物は
in vivoで代謝産物として化合物を産生するプロドラッグ形態ではなく、医薬組成
物において患者に直接投与することができる。「代謝産物」という用語は患者に投与され
る化合物を特定の合成方法によって産生される化合物(in vivoではプロドラッグ
からex vivo)に限定することを意図しない広義の用語として用いられる。
【0089】
小分子代謝産物は様々な名称で呼ばれてもよく、例えば、2-メチルセリンは、2-ア
ミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸と呼ばれてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物が本明細書で提供されるアミノ酸、ペプチド
、炭水化物、補因子及びビタミン、生体異物、又は脂質であり得る。さらなる実施形態で
は、1つ又は複数の小分子代謝産物が本明細書で提供されるように、少なくとも1つのア
ミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子及びビタミン、生体異物、又は脂質を含むことがで
きる。
【0091】
バイオマーカー及び治療薬の両方として理想的な候補である小分子代謝産物は低分子量
(<900ダルトン)を有し、5というリピンスキーの法則を満たす、高いナノモル又は
マイクロモルレベルで血清中で首尾よく検出される代謝産物である。本明細書中に提供さ
れる全ての代謝産物は、これらの基準を満たす。
【0092】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物が2-メチルセリン、4-ヒドロキシグルタ
ミン酸、N-アセチル-アスパラギル-グルタミン酸、2-ピロリジノン、トランス-ウ
ロカネート、イミダゾールプロピオネート、1-リボシル-イミダゾールアセテート、5
-イミダゾールアセテート、N-アセチルヒスタミン、ヒダントイン5-プロリオン酸、
5-ヒドロキシリジン、5-アミノバレレート、2-オキソアジピン酸、キサンチュレネ
ート、メチオニンスルホン、ホモシトリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、プロリ
ル-ヒドロキシプロリン、又はグアニジノスクシネートを含むがこれらに限定されないア
ミノ酸であり得る。誘導体は、公表されている方法によって合成することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物がγ-グルタミルグルタミン、又はγ-グル
タミルグリシンを含むがこれらに限定されないペプチド;N6-カルボキシメチルリジン
を含むがこれらに限定されない炭水化物;N1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサ
ミド、N1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミドを含む補因子又はビタミン;又
は2,3-ジヒドロキシイソバレレートを含むがこれらに限定されない生体異物であり得
る。誘導体は、公表されている方法によって合成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物が2-ヒドロキシカトノエート、2-ヒドロ
キシデカノエート、8-ヒドロキシオクタノエート、2-ヒドロキシピリテート、又は1
6-ヒドロキシパルミテートを含むがこれらに限定されないモノヒドロキシ脂肪酸であり
得る。誘導体は、公表されている方法によって合成することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では小分子代謝産物が中鎖脂肪酸、例えば、ヘプタノエート(C7
:0、例えば、ヘプタン酸)、カプリル酸(C8:0、例えば、カプリル酸)、ペラルゴ
ン酸(C9:0、例えば、ペラルゴン酸)、ウンデカノエート(C11:0、例えば、ウ
ンデカン酸)、又は10-ウンデカノエート(C11:1n1、例えば、10-ウンデカ
ン酸)、長鎖脂肪酸、例えば、ペンタデカノエート(C15:0、例えば、ペンタデカン
酸)、マーガレート(C17:0、例えば、マーガリン酸)、10-ヘプタデカノエート
(C17:1n7、例えば、10-ヘプタデカン酸)、10-ノナデカノエート(19:
1n9、例えば、10-ノナデカン酸)、C20:0脂肪酸、又はC24:0又はC24
脂肪酸を含むがこれらに限定されない非常に長鎖の脂肪酸:1脂肪酸;15-メチルパル
ミテート(i17:0、例えば、メチルパルミチン酸)、17-メチルステアレート(i
19:0、例えば、17-メチルステアリン酸)、又は2-ヒドロキシフィタノレート(
例えば、2-ヒドロキシフィタン酸)を含むがこれらに限定されない分岐鎖脂肪酸;又は
ドデカジエノエート(C12:2、例えば、ドデカンジオン酸)又はドコサジオエート(
C22-DC、例えば、ドコサジオ酸)を含むがこれらに限定されないジカルボン酸脂肪
酸を含む、脂肪酸であり得る。誘導体は、公表されている方法によって合成することがで
きる。
【0096】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物は、プロピオニルグリシン、リグノセロ
イルカルニチン(C24)、セロトイルカルニチン(C26)、N-パルミトイルグリシ
ン、cis-4-デセノイルカルニチン(C10:1)、ベヘノイルカルニチン(C22
)、ペンタデカノイルカルニチン(C15)、又はアラキドノイルコリンを含むがこれら
に限定されない脂肪酸代謝の一部又は生成物であり得る。誘導体は、公表されている方法
によって合成することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では小分子代謝産物が1-ステアロイル-2-アラキドノイル-G
PC(18:0/20:4)、1-パルミトイル-2-アラキドノイル-GPC(16:
0/20:4)、PC(20:0/14:1)、PC(20:0/20:3)、又はPC(
20:0/22:4)を含むがこれらに限定されないホスファチジルエタノールアミン、
1-パルミトイル-2-アラキドノイル-GPE(16:0/20:4)、又はPE(1
6:0/16:0);1-ステアロイル-2-オレオイル-GPS(18:0/18:1
)を含むがこれらに限定されないホスファチジルセリン;1-アラキドノイル-GPC(
20:4n6)、1-リグノセロイル-GPC(24:0)、又は1-アラキドノイル-
GPE(20:4n6)を含むが、これらに限定されないリゾリン脂質であり得る。誘導
体は、公表されている方法によって合成することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物が1-(1-エニル-パルミトイル)-2-
アラキドノイル-GPE(P-16:0/20:4)、1-(1-エニル-パルミトイル
)-2-オレオイル-GPC(P-16:0/18:1)、1-(1-エニル-パルミト
イル)-2-アラキドノイル-GPC(P-16:0/20:4)、又は1-(1-エニ
ル-ステアロイル)-2-アラキドノイル-GPE(P-18:0/20:4)を含むが
これらに限定されないプラスマロゲン、又は1-(1-エニル-パルミトイル)-GPC(
P-16:0)を含むリゾプラスマロゲンであり得る。誘導体は、公表されている方法に
よって合成することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物がMAG(12:0)、MAG(17:0)、
MAG(20:0)、MAG(20:2)、1-アラキドニルグリセロール(20:4)又
は1-ヘプタデノイルグリセロール(17:1)を含むがこれらに限定されないモノアシ
ルグリセロール(MAG);、又はDAG(14:1/18:1)、ステアロイル-アラ
キドノイル-グリセロール(18:0/20:4)[2]、オレオイル-アラキドノイル
-グリセロール(18:1/20:4)[1]、又はオレオイル-アラキドノイル-グリ
セロール(18:1/20:4)[2]を含むがこれらに限定されないジアシルグリセロ
ール(DAG)であり得る。誘導体は、公表されている方法によって合成することができ
る。
【0100】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物はステアロイルスフィンゴミエリン(d
18:1/18:0)、ベヘノイルスフィンゴミエリン(d18:1/22:0)、トリ
コサノイルスフィンゴミエリン(d18:1/23:0)、リグノセロイルスフィンゴミ
エリン(d18:1/24:0)、スフィンゴミエリン(18:2/23:1)、スフィ
ンゴミエリン(18:2/24:2)スフィンゴミエリン(d17:1/14:0、d1
6:1/15:0)、スフィンゴミエリン(d17:1/16:0、d18:1/15:
0、d16:1/17:0)、スフィンゴミエリン(d17:2/16:0、d18:2
/15:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/17:0、d17:1/18:0、d
19:1/16:0、)、スフィンゴミエリン(d18:1/19:0、d19:1/1
8:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/21:0、d17:1/22:0、d16
:1/23:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/21:0、d16:2/23:0
)、又はスフィンゴミエリン(d18:2/23:0、d18:1/23:1、d17:
1/24:1)を含むが、これらに限定されないスフィンゴミエリンであり得る。誘導体
は、公表されている方法によって合成することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物は、CER(14:0)、HCER(26
:1)、又はLCER(26:0)を含むがこれらに限定されないセラミドであり得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物の誘導体は、β-スルフェニル誘導体で
あり得る。酸又はエステルのようなβ-スルフェニル誘導体は、体内でのβ-酸化に対し
て抵抗性であり得ると考えられる。誘導体は、公表されている方法によって合成すること
ができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物が生体利用可能な形態で提供される。「バイ
オアベイラビリティー」とは、薬物の主要な薬物動態学的特性の一つ体循環に到達する未
変化体の投与量の割合をいい、定義により、薬剤を静脈内投与する場合、そのバイオアベ
イラビリティーは100%である。本明細書で用いる「バイオアベイラビリティー」とい
う用語は静脈内以外の投与方法、例えば、経口治療を用いた場合に、身体によってうまく
吸収される小分子代謝産物の形態をいう。いくつかの実施形態では、小分子代謝産物ベー
スの組成物が吸収を最適化する適合を含み得る。
【0104】
純粋な又は精製された小分子代謝産物は、種々の物理的状態で存在し得る。例えば、4
-ヒドロキシグルタメートは室温で安定な白色粉末として存在し;この化合物が研究目的
に適した形態で、いくつかの商業的供給者(例えば、Sigma-Aldrich Co
rp.,St.Louis,MOから)から少量で購入することができる。他の小分子代
謝産物、又は立体異性体、又は溶媒和物、又はエステル、又はその塩もしくは他の誘導体
は、油、固体、結晶性固体、又は気体として存在し得る。
【0105】
小分子代謝産物又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体は少なくとも約10%、
少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、
少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、
少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9
%、少なくとも約99.99%、又は実質的に純粋な純度(例えば、バルク形態の小分子
代謝産物又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体のパーセンテージ)で提供され得
、ここで、実質的に純粋なものは不純物の存在からの生理学的効果が検出可能でないよう
なレベルの不純物を有する生成物を含み得るが、これらに限定されない。例えば、アミノ
酸及び/又は脂質、又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物
の混合物は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくと
も約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくと
も約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくと
も約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、又は実質的に純粋な
純度で存在し得る。小分子代謝産物、又はその混合物、又はその薬学的に許容される塩も
しくは誘導体は、他の小分子代謝産物を含まなくてもよい。限定するものではないが、本
明細書で提供される小分子代謝産物は単独で、又は一群として、他の小分子代謝産物を実
質的に含まなくてもよく、例えば、排除する小分子代謝産物はパルミチン酸(C16:0
)又はステアリン酸(C18:0)を含むことができる。ある態様において、本明細書中
に提供される小分子代謝産物は、本明細書中に含まれない他の種の脂質を実質的に含まな
くてもよい。
【0106】
アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそ
の薬学的に許容される塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物は、任意の供給源に由来し
得る。ある態様において、小分子代謝産物、又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導
体は、天然供給源中に存在してもよく、天然供給源から単離されてもよく、半合成であっ
てもよく、合成であってもよく、又はこれらのうちの1つ以上の混合物であってもよい。
小分子代謝産物又はその薬学的に許容される塩又は誘導体は、実験室で産生されてもよく
、天然で産生されてもよく、酵素プロセスによって産生されてもよく、野生微生物によっ
て産生されてもよく、遺伝子改変微生物によって産生されてもよく、動物組織から単離さ
れてもよく、化学合成によって産生されてもよく、又は複数のこれらのプロセスによって
産生されてもよい。
【0107】
小分子代謝産物は、天然の供給源、例えば、魚油に由来し得るか、又は当該分野で公知
の手法によって合成され得る。ある態様において、小分子代謝産物は、未精製又は未精製
の天然産物中に存在する望ましくない成分で汚染され得る。このような状況では、望まし
くない成分を除去すること、又は既知の分離又は精製技術を用いて所望の成分の濃度を増
加させることが望ましい場合がある。
【0108】
記載された任意の化合物において、全ての互変異性形態も含まれることが意図される。
限定するものではないが、カルボキシル基の全ての互変異性体が含まれることが意図され
る。
【0109】
E又はZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有す
る本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合は、独立して、E又はZ、又はそ
れらの混合物であってもよい。
【0110】
本明細書に開示される化合物が充填されていない原子価を有する場合、原子価は水素又
はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で充填されるべ
きである。
【0111】
本明細書中に記載されるように、小分子代謝産物(例えば、アミノ酸、ペプチド、炭水
化物、補因子及びビタミン、生体異物、又は脂質)は結晶形態(多形としても知られ、こ
れは化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶質相、塩、溶媒和物、及
び水和物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物が水、エタノールな
どの薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態で存在する。他の実施形態では、本明細書
に記載の化合物が非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は化学量論的又は非化学量論的量の
いずれかの溶媒を含み、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いた結晶化の
プロセスの間に形成され得る。水和物は溶媒が水である場合に形成され、又はアルコラー
トは溶媒がアルコールである場合に形成される。さらに、本明細書中に提供される化合物
は、溶媒和されていない形態及び溶媒和された形態で存在することができる。一般に、溶
媒和形態は本明細書中に提供される化合物及び手法の目的のために、非溶媒和形態と同等
であると考えられる。
【0112】
本明細書に記載の化合物は、同位体的に標識することができる。いくつかの状況におい
て、重水素のような同位体での置換はより大きな代謝安定性から生じる特定の治療的利点
(例えば、増加したインビボ半減期又は減少した投薬必要量)を提供し得る。同位体置換
は、例えば、化合物中の原子の運命をモニターする機会を提供することによって、化合物
の投与に対する被験体応答をモニターする際に有益であり得る。化合物構造で表される各
化学元素は、上記元素の任意の同位体を含むことができる。例えば、化合物構造において
、水素原子は、明示的に開示され得るか、又は化合物中に存在すると理解され得る。水素
原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は水素-1(プロチウム)及び
水素-2(重水素)を含むがこれらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。し
たがって、本明細書における化合物への言及は文脈が明らかにそわないことを指示しない
限り、全ての潜在的な同位体形態を包含する。
1つ以上の小分子代謝産物を含む組成物
【0113】
アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそ
れらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物、及び少なくとも1つの賦形剤を含む製剤
が提供される。本実施形態の化合物を経口製剤で投与することが一般に好ましいが、局所
投与のような他の投与経路も企図される。処方物は、店頭(OTC)製品、ならびにサプ
リメント及び食品を含む、消費者の健康及び健康製品としての使用に適している。
【0114】
本実施形態の組成物は、化粧品、化粧品及び一般的なスキンケア組成物において使用さ
れ得るか、又は医薬組成物において提供され得、健康な皮膚、皮膚再生及び増強された創
傷治癒の促進において使用され得る。組織リモデリング過程が自然免疫系の炎症反応を軽
減し、損傷後に線維性組織が正常な皮膚に置き換わるときに生じる瘢痕形成過程を最小限
にすると、創傷治癒の成功が起こる。創傷治癒の効率が低いか遅延すると、しばしばケロ
イド又は肥厚性瘢痕などの見た目がなく、刺激性で、痛みを伴う瘢痕が生じる。組成物は
皮膚の乾燥、鈍さ、弾性の喪失、輝きの欠如、誇張された線及びしわ、伸縮性の跡、クモ
の条件、赤いしみ、笑顔線、深い鼻唇折り線、カラス足、細い線/しわ、額の間の垂直線
、水平額の線、たるんでいる薄い/脆い皮膚、皮膚の赤み、鈍さ、光損傷した皮膚の外観
、細い線及びしわの外観、色素過剰、加齢した斑点、加齢した皮膚を処置又は予防するの
に役立ち、一般に皮膚の質を向上させることができる。
【0115】
実施形態の組成物はまた、粘膜、例えば、唇及び膣粘膜に関連して用いることもできる
。膣粘膜に適用される場合、膣アプリケーターは、商業的に入手可能であるように使用さ
れ得る。適切なアプリケータは、予め充填されたシリンジ、予め充填された絞り出し可能
なリザーバに取り付けられたチューブ、予め選択された量の組成物を含む予め包装された
ワンド、又は穿孔を通して組成物を分配するためのその長さに沿った穿孔を含む汎用膣ア
プリケータの形態であり得る。
【0116】
特定の組成物はさらなる治療薬、例えば、抗菌薬、抗原虫薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬
、殺精子薬、プロスタグランジン、及びステロイドなどの局所作用薬を含有することがで
きる。送達に適した薬物には、ブロモクリプチン、シルデナフィル、オキシトシン、カル
シトニン、黄体形成ホルモン放出ホルモン及び類似体、インスリン、ヒト成長ホルモン、
オキシブチニン、及びホルモン補充療法又は避妊に使用されるステロイドが含まれる。抗
真菌薬には、クロトリマゾール、エコナゾール、ミコナゾール、テルビナフィン、フルコ
ナゾール、ケトコナゾール、アムホテリシンなどがある。抗生物質には、アモキシシリン
、ドキシサイクリン、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、メトロ
ニダゾール、アジスロマイシン、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、アモキシシ
リン/クラブラン酸、レボフロキサシンなどがある。抗生物質の分類には、ペニシリン系
、テトラサイクリン系、セファロスポリン系、キノロン系、リンコマイシン系、マクロラ
イド系、スルホンアミド系、グリコペプチド系、アミノグリコシド系、カルバペネム系な
どがある。ホルモンの種類には、5-α-レダクターゼ阻害剤、副腎皮質ステロイド、グ
ルココルチコイド、副腎コルチコイド、抗アンドロゲン、抗利尿ホルモン、抗ゴナドトロ
ピン薬、アロマターゼ阻害剤、エストロゲン受容体拮抗薬、ゴナドトロピン放出ホルモン
拮抗薬、成長ホルモン受容体遮断薬、成長ホルモン、インスリン様成長因子、副甲状腺ホ
ルモン及び類似体、プロラクチン受容体調節薬、選択的エストロゲン受容体調節薬、性ホ
ルモン及び同化ステロイド、避妊薬、エストロゲン、ゴナドトロピン放出ホルモン、プロ
ゲスチン、性ホルモン併用、ソマトスタチン及びソマトスタチン類似体が含まれる 合成
排卵刺激薬、甲状腺薬。抗ウイルス薬には、アダマンタン系抗ウイルス薬、抗ウイルスブ
ースター、抗ウイルス併用、抗ウイルスインターフェロン、ケモカイン受容体拮抗薬、イ
ンテグラーゼ鎖転移阻害薬、その他の抗ウイルス薬、ノイラミニダーゼ阻害薬、NNRT
I、NS5A阻害薬、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、プロテアーゼ阻害
薬、プリンヌクレオシドなどがある。皮膚症状の治療薬には、ざ瘡治療薬(イソトレチノ
イン)、アトピー性皮膚炎治療薬(ステロイド外用薬)、帯状疱疹治療薬(バラシクロビ
ルなどの抗ウイルス薬)、蕁麻疹治療薬(ロラタジンやフェキソフェナジンなどの抗ヒス
タミン薬、オマリズマブ)、日焼け(リドカイン)、接触皮膚炎(抗ヒスタミン薬、ステ
ロイド外用薬)、おむつかぶれ(酸化亜鉛)、酒さ(メトロニダゾール、ドキシサイクリ
ン、アゼラ酸、イソトレチノイン、β遮断薬、エストロゲン)、運動選手の足(抗真菌薬
)、基底細胞癌(イミキモド、フルオロウラシル、ビスモデギブ)などがある。
【0117】
実施形態の組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含有する局所製剤を含む。賦形剤は、
非水性又は水性担体、ならびに保湿剤、pH調整剤、脱臭剤、芳香剤、キレート剤、防腐
剤、乳化剤、増粘剤、可溶化剤、浸透増強剤、抗刺激剤、着色剤、界面活性剤、有益剤、
医薬剤、及び皮膚の治療のための局所製剤と関連して使用するための当該分野で公知の他
の成分から選択される1つ以上の剤を含むことができる。組成物は、防腐剤を使用する必
要がないように処方することができる。
【0118】
適用を容易にするために、組成物は、軟膏、油、ローション、ペースト、粉末、ゲル、
又はクリームとして提供され得る。組成物はまた、保護剤、皮膚軟化剤、収斂剤、湿潤剤
、日焼け防止剤、日焼け防止剤、UV吸収剤、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗原
虫剤、抗ざ瘡剤、麻酔剤、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗かゆみ剤
、追加の抗酸化剤、化学療法剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン又はビタミン複合体、ホルモ
ン、抗ふけ剤、抗皺剤、抗皮膚萎縮剤、皮膚白化剤、クレンジング剤、及びそれらの組み
合わせなどの追加の成分を含んでもよい。さらなる実施形態において、組成物は皮膚刺激
を回避するために、動物又は細胞ベースの材料を回避し得る。組成物は、真皮又は粘膜に
適用することができる。
【0119】
組成物は健康な皮膚、皮膚再生、創傷治癒の増強を促進するために、及び炎症、発赤、
痛み、皮膚感受性、乾燥皮膚、打撲、及び類似の状態などの皮膚状態を治療するために使
用することができる。皮膚の赤み及び炎症の改善を客観的に測定するための適切な方法と
しては、三刺激比色法、狭帯域反射分光法、拡散反射分光法、皮膚反射分光法、及び/又
はUV写真法があげられ得る。
【0120】
いくつかの実施形態はアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、
もしくは脂質、又はその塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を局所製剤で投与するこ
とを含むが、経口投与に加えて他の投与経路(例えば、粘膜、皮下、経口など)も企図さ
れる。意図される投与経路には局所、粘膜、及び皮下が含まれるが、これらに限定されな
い。適切な液体形態としては、懸濁液、エマルジョン、溶液などがあげられる。単位投薬
形態はまた、例えば、予め測定された量の処方物を有する個々のパケットが提供され得、
予め決定されたスケジュールの処置前及び処置後に身体部分への投与のために構成され得
る。1日に2回又は3回の投与のために構成される単位投薬形態は特に好ましい;しかし
、特定の実施形態において、1日に1回、1日に4回、又はそれ以上の投与のために単位
投薬形態を構成することが所望され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、局所製剤及び他の製剤が典型的には小分子代謝産物、例えば
、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそ
の塩もしくは誘導体等の有効成分を、約0.001重量%以下から約50重量%まで、好
ましくは約0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06
、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、
0.7、0.8、0.9、又は1重量%~約2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
5、20、25、30、35、40、又は45重量%まで、含む。
【0122】
局所投与のための組成物及び製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル
、ドロップ、スプレー、液体、エアゾール、及び粉末を含むことができる。従来の医薬担
体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などを使用することができる。特定の適用において
、指を使用して皮膚に適用され得る軟膏、ローション、クリーム、ゲル又は類似の処方物
が提供され得る。このような製剤は典型的にはスクイーズチューブもしくはボトルもしく
はポット、又はロールオンで提供され、ここで、ボールは製剤の容器の頂部に固定され、
ここで、ボールはロールすることが可能である。ボールを皮膚表面上で転がすことによっ
て、容器内の液体は、制御された方法で皮膚に移される。代替の送達機構は、押出可能な
製剤を蓋を通して前進させるための機構を有する穿孔された蓋を有する容器を含む。別の
形態ではその形状を維持するのに十分な構造的完全性を有するゲル製剤が提供され、これ
はチューブ上に進められ、皮膚に適用される(例えば、スティック形態で)。スティック
形態の利点は製剤のみが、適用プロセスにおいて皮膚に接触し、指又は容器の一部には接
触しないことである。液体又はゲルはまた、アプリケーター(例えば、ワンド、スポンジ
、シリンジ、又は他の適切な方法)を使用して配置され得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物(例えば、アミノ酸、ペプチド、炭水化
物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体)は併
用療法において、又は適切なキャリア、希釈剤、もしくは賦形剤との混合物においてであ
り得、そして補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝剤、ゲル化もしくは粘
度増強添加剤、防腐剤、芳香剤、着色剤など)を、投与経路及び所望の調製物に依存して
含み得る。本明細書中に記載される化合物の処方及び投与のための技術は、当業者に公知
である。例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、Lippincott
Williams & Wilkins;20th edition(June 1, 2003)及び「Remington's Pharmac
eutical Sciences」、Mack Pub(株)第18版、第19版(それぞれ1985年12月、
1990年6月)を参照されたい。このような調製物には、錯化剤、金属イオン、ポリ酢
酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストランなどのポリマー化合物、リポソーム、
マイクロエマルジョン、ミセル、単層又は多層小胞、赤血球ゴースト又は球芽細胞が含ま
れ得る。リポソーム製剤に適した脂質にはモノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド
、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが含まれるが、これらに限定されない
。このような追加の成分の存在は、物理的状態、溶解度、安定性、放出速度、クリアラン
ス速度、及び活性成分の浸透に影響を及ぼし得る。
【0124】
局所投与のための組成物は、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体
異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体、ならびに皮膚科学的に許容される
ビヒクルなどの小分子代謝産物を含む。ビヒクルは水性であっても非水性であってもよい
。局所的組成物に使用される皮膚科用受容体のビークルは、ローション、ジェル、軟弱物
、液体、クリーム又はエマルジョンの形式であることができる。ビヒクルがエマルジョン
である場合、エマルジョンは、連続水相及び不連続非水相もしくは油相(水中油型エマル
ジョン)、又は連続非水相もしくは油相及び不連続水相(油中水型エマルジョン)を有し
得る。液体又はゲル形態で局所的に投与される場合、水、石油、落花生油、鉱油、大豆油
、又はゴマ油などの動物又は植物起源の油、又は合成油などの液体担体を、活性成分に添
加することができる。生理食塩水、デキストロース、又は他の糖類溶液、又はエチレング
リコール、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールなどのグリコールもまた
、適切な液体担体である。薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であり得る
。油相は植物油(例えば、オリーブ油又は落花生油)、鉱油(例えば、液体パラフィン)
、又はそれらの混合物であり得る。適当な乳化剤は、例えば、アラビアゴム及びトラガカ
ントゴムのような天然生成ガム、例えば、大豆レシチンのような天然生成ホスファチド、
例えば、ソルビタンモノオレエートのような、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導さ
れるエステル若しくは部分エステル、並びにこれらの部分エステルとエチレンオキシドと
の縮合生成物を包含する。エマルジョンは、着色剤及び芳香剤を含有することもできる。
【0125】
特定の実施形態では、シリコーンエラストマー(例えば、ジメチコンクロスポリマー)
を用いて、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質
、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物の皮膚への送達及び浸透を増加さ
せる。組成物の局所調製物に使用される医薬賦形剤は、溶媒、皮膚軟化剤及び/又は乳化
剤、油性基剤、防腐剤、酸化防止剤、張度調整剤、浸透促進剤及び可溶化剤、キレート剤
、緩衝剤、界面活性剤、1つ以上のポリマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群か
ら選択されてもよい。
【0126】
水性又は親水性局所製剤に適した溶媒には、水;エチルアルコール;イソプロピルアル
コール;水及びエチル及び/又はイソプロピルアルコールの混合物;グリセリン;エチレ
ン、プロピレン又はブチレングリコール;DMSO;及びそれらの混合物が含まれる。疎
水性局所製剤のための適切な溶媒には、鉱油、植物油、及びシリコーン油が含まれる。所
望であれば、本明細書に記載の組成物を疎水性油相中に溶解又は分散させ、次いで油相を
、水を単独で又は低級アルコール、グリセリン及び/又はグリコールと組み合わせて含む
水相中に乳化することができる。無水製剤を使用してもよいが、特定の実施形態では水ベ
ースの組成物を提供すること、又は限られた量の水を存在させることが許容されてもよい
。
【0127】
組成物の粘度は、薬学的に許容される増粘剤を使用して、選択されたレベルに維持され
得る。水性基剤を有する粘性ゲル又はクリームを調製するために使用され得る適切な粘度
増強剤又は増粘剤は、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルピロリド
ン、アクリル酸ポリマー、カラジナン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ポリエトキシル化ポリアクリルアミド、ポリエトキシル化ア
クリレート、及びポリエトキシル化アルカンチオールを含む。メチルセルロースは容易か
つ経済的に入手可能であり、取り扱いが容易であるので好ましい。他の適切な増粘剤とし
ては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボマーなどがあげられる。増粘剤の好ましい濃度は、選択される増粘剤に依
存する。好ましくは、選択された粘度を達成する量が使用される。粘性組成物は、通常、
そのような増粘剤の添加によって、又は許容可能なレベルの粘度を有する塩基を使用する
ことによって、溶液から調製される。
【0128】
適切な皮膚軟化剤には、炭化水素油及びワックス、例えば、鉱油、ペトロラタム、パラ
フィン、セレシン、オゾケライト、微結晶ワックス、ポリエチレン、スクアレン、ペルヒ
ドロスクアレン、シリコーン油、トリグリセリドエステル、アセチル化モノグリセリドの
ようなアセトグリセリドエステル;エトキシル化グリセリド、例えば、エトキシル化モノ
ステアリン酸グリセリル;脂肪酸又はジカルボン酸のアルキルエステルが含まれる。
【0129】
皮膚軟化剤として使用するのに適したシリコーン油には、ジメチルポリシロキサン、メ
チル(フェニル)ポリシロキサン、ならびに水溶性及びアルコール可溶性シリコーングリ
コールコポリマーが含まれる。皮膚軟化剤として使用するための適切なトリグリセリドエ
ステルには、ヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、
アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、及び大豆油を含む植物及び動物の脂肪及
び油が含まれる。
【0130】
皮膚軟化剤として使用するためのカルボン酸又は二酸の適切なエステルには、脂肪酸の
メチル、イソプロピル、及びブチルエステルが含まれる。ラウリン酸ヘキシル、ラウリン
酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デ
シル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソス
テアリン酸イソプロピル、乳酸ジラウリル、乳酸ミリスチル、及び乳酸セチルを含むアル
キルエステル;ならびにミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、及びオレイン酸
オレイルなどの脂肪酸のアルケニルエステルの具体例。二酸のアルキルエステルの具体例
には、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ビス(ヘキシ
ルデシル)、及びセバシン酸ジイソプロピルが含まれる。
【0131】
局所用製剤に使用され得る他の適切なクラスの皮膚軟化剤又は乳化剤には、脂肪酸、脂
肪アルコール、脂肪アルコールエーテル、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂
肪アルコールの脂肪酸エステル、及びワックスが含まれる。
【0132】
皮膚軟化剤として使用するための脂肪酸の具体例としては、ペラルゴン酸、ラウリン酸
、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸
があげられる。皮膚軟化剤として使用するための脂肪アルコールの具体例としては、ラウ
リル、ミリスチル、セチル、ヘキサデシル、ステアリル、イソステアリル、ヒドロキシス
テアリル、オレイル、リシノレイル、ベフェニル、及びエリシルアルコール、ならびに2
-オクチルドデカノールがあげられる。
【0133】
皮膚軟化剤として使用するのに適したワックスの具体例としては、ラノリン油、ラノリ
ンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン脂肪酸、イソプロピルラノ
ラート、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシ
ル化コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリンアルコー
ル、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリンアルコールリノール酸、ラノリンアルコー
ルリノール酸、ラノリンアルコールレシノール酸、ラノリンアルコールレシノール酸の酢
酸塩、ラノリンアルコールレシノール酸塩の酢酸塩、ラノリンアルコールレシノール酸塩
の酢酸塩、エトキシル化アルコールエステルの酢酸塩、ラノリンの水素化分解物、水素化
ラノリン、エトキシル化水素化ラノリン、エトキシル化ソルビトールラノリン、及び液体
及び半固体ラノリンがあげられる。また、ワックスとして使用可能なものには、炭化水素
ワックス、エステルワックス、及びアミドワックスが含まれる。有用なワックスとしては
、蜜蝋、精子アセチル、ミリスチルミリステート及びステアリルステアレートなどのワッ
クスエステル;ポリオキシエチレンソルビトール蜜蝋などの蜜蝋誘導体;ならびにカルナ
ウバ及びカンデリラワックスを含む植物ワックスがあげられる。
【0134】
多価アルコール及びポリエーテル誘導体は、局所製剤中の溶媒及び/又は界面活性剤と
して使用することができる。適切な多価アルコール及びポリエーテルとしては、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール2000及び400
0、ポリ(オキシエチレン-コ-オキシプロピレン)グリコール、グリセロール、ソルビ
トール、エトキシル化ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチレング
リコール200~6000、メトキシポリエチレングリコール350、550、750、
2000及び5000、ポリ[エチレンオキシド]ホモポリマー(100,000~5,
000,000)、ポリアルキレングリコール及び誘導体、ヘキシレングリコール、2-
メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサ
ントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、15~18個の炭素原子を有す
るビシナルグリコール、ならびにトリメチロールプロパンのポリオキシプロピレン誘導体
があげられる。
【0135】
多価アルコールエステルは、乳化剤又は皮膚軟化剤として使用することができる。適切
な多価アルコールエステルには、エチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ジ
エチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200-
6000)モノ-及びジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸
エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコー
ル2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グ
リセリルモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エト
キシル化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、
1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが
含まれる。
【0136】
局所製剤に使用するための適切な乳化剤には、アニオン性、カチオン性、非イオン性、
及び両性イオン性界面活性剤が含まれる。好ましいイオン性乳化剤には、レシチン及び誘
導体などのリン脂質が含まれる。
【0137】
本明細書に含まれるアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、も
しくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物は、リポソームとして
製剤化することができる。小分子代謝産物は、リポソームの脂質部分の成分であり得るか
、又はリポソームの水性部分にカプセル化され得る。本明細書に含まれるアミノ酸、ペプ
チド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは
誘導体などの小分子代謝産物は、シクロデキストリンと共製剤化することもできる。シク
ロデキストリンは、例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン又はスルホブ
チルエーテルシクロデキストリンであり得る。レシチン及び他のリン脂質は、本明細書中
に記載されるような活性成分を含むリポソームを調製するために使用され得る。脂質小胞
の形成は、レシチンなどのリン脂質が水中に置かれ、その結果、十分なエネルギーが供給
されると、それぞれが水分子によって分離された1つの二重層又は一連の二重層を形成す
る場合に生じる。リポソームは、水中でリン脂質を超音波処理することによって作製する
ことができる。低い剪断速度は、多層リポソームを生成する。高せん断超音波処理を続け
ると、より小さな単層リポソームが形成される傾向がある。疎水性化学物質は、リン脂質
二重層膜に溶解することができる。リポソームの脂質二重層は、本明細書中に記載される
ように組成物を送達する。
【0138】
局所処方物は、ミセル、又は水溶液中に分散された界面活性剤分子の凝集体を含み得る
。ミセルは界面活性剤を含む水溶液中に油溶媒を分散させることによって調製することが
でき、界面活性剤濃度は臨界ミセル濃度を超える。得られた製剤は水性溶媒中に分散され
たミセル、すなわち、極性界面活性剤分子の膜によって囲まれた球状油滴を含有する。
【0139】
ステロール(例えば、コレステロール及びコレステロール脂肪酸エステルを含む);ア
ミド(例えば、脂肪酸アミド、エトキシル化脂肪酸アミド、及び脂肪酸アルカノールアミ
ド)もまた、皮膚軟化剤及び/又は浸透促進剤として使用され得る。
【0140】
薬学的に許容される保存剤を使用して、組成物の貯蔵寿命を増加させることができる。
局所製剤に使用するための他の適切な防腐剤及び/又は酸化防止剤には、塩化ベンザルコ
ニウム、ベンジルアルコール、フェノール、尿素、パラベン、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、チメロサー
ル、クロロブタノールなど、及びこれらの混合物を使用することができる。抗酸化剤のよ
うな防腐剤が使用される場合、濃度は典型的には組成物の総重量に基づいて約0.02%
~約2%であるが、選択される薬剤に応じて、より多いか又はより少ない量が望ましいこ
とがある。本明細書に記載されるように、還元剤は、製剤の良好な貯蔵寿命を維持するた
めに有利に使用され得る。実施形態の無水製剤は製剤から保存剤を省略することができる
ように、満足できる安定性を示すことが一般に観察される。
【0141】
局所製剤に使用するのに適したキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸、そのアルカ
リ金属塩、そのアンモニウム塩、及びそのテトラアルキルアンモニウム塩が含まれる。
【0142】
担体は、好ましくは約4.0~10.0、より好ましくは約6.8~約7.8のpHを
有する。pHは、緩衝溶液又は他のpH改変剤を使用して制御され得る。適切なpH調整
剤には、リン酸及び/又はリン酸塩、クエン酸及び/又はクエン酸塩、水酸化物塩(すな
わち、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、及びトリエタノールア
ミンなどのアミンが含まれる。適切な緩衝液には、pHを5.8~8に維持するリン酸一
カリウム及びリン酸二カリウムの溶液を含む緩衝液;及びpHを6~7.5に維持するリ
ン酸一ナトリウム及びリン酸二ナトリウムの溶液を含む緩衝液が含まれる。他の緩衝液と
しては、クエン酸/クエン酸ナトリウム、及び二塩基性リン酸ナトリウム/クエン酸があ
げられる。実施形態の組成物は、好ましくはレシピエントの血液又は他の体液と等張であ
る。組成物の等張性は、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール又は他の無機又は有機
溶質を使用して達成することができる。塩化ナトリウムが特に好ましい。緩衝剤、例えば
、酢酸及び塩、クエン酸及び塩、ホウ酸及び塩、ならびにリン酸及び塩を使用することが
できる。製剤中に還元剤、例えば、ビタミンC、ビタミンE、又は医薬分野で知られてい
る他の還元剤を含めることが望ましいことがある。
【0143】
界面活性剤はまた、賦形剤として、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸
ジオクチルナトリウム及びスルホン酸ジオクチルナトリウムなどのアニオン性界面活性剤
、塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトニウムなどのカチオン性界面活性剤、又はポリ
オキシエチレン水素化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート、スク
ロース脂肪酸エステル、メチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースなどの非イ
オン性界面活性剤として使用することができる。
【0144】
実施形態の製剤が皮下注射によって投与される場合、好ましくは、発熱物質を含まない
、非経口的に許容される水溶液又は油性懸濁液、エマルジョン又は溶液の形態である。懸
濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当技術分野で周知の方法に従
って製剤化することができる。適切な特性、例えば、pH、等張性、安定性などを有する
許容可能な水性又は非水性溶液の調製は、当業者の範囲内である。例えば、等張ビヒクル
、例えば、1,3-ブタンジオール、水、等張塩化ナトリウム溶液、リンゲル溶液、デキ
ストロース溶液、デキストロース及び塩化ナトリウム溶液、乳酸リンゲル溶液、又は当技
術分野で公知の他のビヒクルを使用することができ、又は固定油を、溶媒又は懸濁媒体、
例えば、合成モノ又はジグリセリド、脂肪酸などとして従来から使用することができる。
処方物はまた、安定剤、保存剤、緩衝剤、酸化防止剤、又は当業者に公知の他の添加剤を
含み得る。
【0145】
特定の実施形態では、薬理学的活性を有する追加の薬剤を含むことが有利であり得る。
抗感染症薬にはアミノグリコシド系(ゲンタマイシン、ネオマイシン、トブラマイシン)
、抗真菌性抗生物質(アムホテリシンb、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ナイス
タチン、ミカチン、トルナフテート)、セファロスポリン系(セファゾリン、セフタジジ
ム、セフトリアキソン、セファレキシン)、β-ラクタム系抗生物質(セフォテタン、メ
ロペネム)、クロラムフェニコール、マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマ
イシン、エリスロマイシン)、ペニシリンGナトリウム塩、アモキシシリン、ジクロキサ
シリン、ナフシリン、ピペラシリン、アシクロビル、クリンダマイシン、ミノサイクリン
、テトラサイクリン、ポリミキシン、コリスチカルシリン、エファビレンツ、ガンシクロ
ビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サブジン、バラシクロビル、ジドブジ
ン、キノロン(シプロフロキサシン、レボフロキサシン)、スルホンアミド(スルファジ
アジン、スルホン)、フラゾリドン、メトロニダゾール、ペンタミジン、スルファニルア
ミドム、ガチフロキサシン、スルファメトキサゾール/トリメトプリムを含む抗ウイルス
薬が含まれるが、これらに限定されない。麻酔薬にはエタノール、ブピバカイン、クロロ
ブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、
デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フ
ェンタニル、ヒドロモルフォン、マルカイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシ
コドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマ
ドール、ベンゾカイン、ジブカイン、塩化エチル、キシロカイン、及びフェナゾピリジン
が含まれるが、これらに限定されない。抗炎症薬としてはアスピリン、セレコキシブ、コ
リンマグネシウムトリサリチレート、ジクロフェナクカリウム、ジフルニサル、エトドラ
ク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロラク、メレナム酸
、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、サルレート
、スリンダク、及びトルメチンなどの非ステロイド性抗炎症薬;ならびにコルチゾン、ヒ
ドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、ベタメソニン、ジプロピオン
酸ベクロメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルニソリド、プロピオン酸フル
チカゾン、アセトニドベタゾン、フルオシノニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸
ベタメタゾン、デソニド、デスオキシメタゾン、フルオシノロン、トリアムシノロン、プ
ロピオン酸クロベタゾール、及びデキサメタゾンなどのコルチコステロイドがあげられる
が、これらに限定されない。
【0146】
特定の実施形態では皮膚軟化剤、エマルジョン安定剤、保湿剤、賦形剤、及び他の化合
物の添加は局所組成物の感覚特性を増強するように改変され得、これには皮膚感触(シル
キネス、明度、クリーム性など)、吸収性(製品が湿った感触を失い、もはや皮膚上で知
覚されなくなる所要時間)、コンシステンシー、硬さ、広がり性(例えば、粘度、流動開
始、剪断速度)、粘着性、形状の完全性、光沢性、親水性又は疎水性などが含まれるが、
これらに限定されない。
【0147】
特定の実施形態では、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、
もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物の全身投与が望まし
い場合がある。そのような実施形態ではアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミ
ン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物は経
口投与に適した組成物に製剤化されるが、他の投与経路も企図される。
【0148】
本明細書中に記載される組成物は単独で被験体に投与され得るか、又はこれらが他の活
性剤と混合される組成物において、組み合わせ治療において、又はキャリア、希釈剤、賦
形剤、又はこれらの組み合わせとともに、投与され得る。製剤は、選択される投与経路に
依存する。本明細書に記載の化合物の処方及び投与のための技術は当業者に公知である(
例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、Lippincott Williams
& Wilkins;第20版(2003年6月1日)及び「Remington's Pharmaceutical Scienc
es」、Mack Pub(株)第18版、第19版(それぞれ1985年12月、1990年6月
)を参照のこと)。
【0149】
本明細書に開示される組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、レビ
ゲーション、乳化、カプセル化、封入、錠剤化、又は抽出プロセスによって、それ自体公
知のプロセスによって、投与可能な形態に製造され得る。本明細書中に開示される医薬組
合せにおいて使用される化合物の多くは、薬学的に許容される対イオンとの塩として提供
され得る。
【0150】
アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそ
れらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を投与する複数の技術が当技術分野に存在
し、経口、直腸、局所、エアロゾル、注射、及び筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、髄腔
内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内及び眼内注射を含む非経口送達があげられるが、これら
に限定されない。本明細書では、上記の任意の組合せ、又は当業者に知られている他の方
法が企図される(例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、Lip
pincott Williams & Wilkins;20th edition(June 1, 2003)及び「Remington's
Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub(株)第18版、第19版(それぞれ1985年
12月、1990年6月)を参照されたい)。
【0151】
実際にはアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質
、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物は活性成分として、従来の医薬配
合技術に従って医薬担体と密接に混合して組み合わせることができる。アミノ酸、ペプチ
ド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘
導体などの小分子代謝産物は患者による消費のために、例えば、ゼラチンカプセル又はソ
フトゲルカプセルに直接添加され得る。他の実施形態では、キャリアを使用することがで
きる。担体は、投与に望まれる調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとることができ
る。したがって、本明細書中に提供される組成物は、各々が所定量の活性成分を含有する
カプセル、カシェ剤又は錠剤などの経口投与に適した別個の単位として提供することがで
きる。さらに、組成物は本明細書の他の箇所に記載されている局所製剤と同様であるが、
ヒトの消費に適した成分を使用する油、粉末、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸
濁液として、非水性液体として、水中油型エマルジョンとして、又は油中水型液体エマル
ジョンとして提供することができる。上記の一般的な投薬形態に加えて、本明細書中に提
供される組成物はまた、制御放出及び/又は送達デバイスによって投与され得る。組成物
は、薬学的手法のいずれかによって調製することができる。一般に、このような方法は、
活性成分を、1つ以上の必要な成分を構成するキャリアと会合させる工程を包含する。一
般に、組成物は、活性成分を液体担体又は微細に分割された固体担体又はその両方と均一
かつ密接に混合することによって調製される。次いで、製品は、好都合には所望のプレゼ
ンテーションに成形することができる。
【0152】
製剤はまた、全身的ではなく局所的な様式で、例えば、組成物の標的領域への直接的な
注射を介して、例えば、デポー剤又は徐放性製剤で投与されてもよい。さらに、組成物の
ための標的薬物送達システムは、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソー
ムにおいて使用され得る。
【0153】
組成物は、所望の治療効果に有効な量で、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビ
タミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物
を含有する可能性がある。いくつかの実施形態において、組成物は単位投薬形態であり、
単位投薬形態あたり、約0.1mg以下から約5000mg以上の小分子代謝産物、例え
ば、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又は
それらの塩もしくは誘導体、を含む。さらなる実施形態では、組成物がアミノ酸、ペプチ
ド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘
導体などの小分子代謝産物の単位投薬形態あたり約1~約500mg、又は単位投薬形態
あたり約500~5000mgを含む。このような投薬形態は、固体、半固体、液体、エ
マルジョンであり得るか、又は吸入投与のためのエアロゾルなどを介した送達に適合され
得る。
【0154】
使用されるキャリアは、例えば、固体、液体、又は気体であり得る。固体担体の例には
、ラクトース、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア
、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、糖シロッ
プ、落花生油、オリーブ油、低級アルコール、及び水である。気体担体の例としては、二
酸化炭素及び窒素があげられる。
【0155】
本明細書で提供される組成物は、水又は非水性液体中のアミノ酸、ペプチド、炭水化物
、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小
分子代謝産物の溶液又は懸濁液として調製することができる。例えば、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどの適切な界面活性剤を含めることができる。分散液剤も、グリセロール
、液体ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物において調製することができる
。さらに、防腐剤は、例えば、微生物の有害な増殖を防止するために含まれ得る。
【0156】
注射用に好適な本明細書に提供される組成物には、無菌水溶液又は分散液が含まれる。
さらに、組成物は、そのような滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末の形
態であり得る。組成物は製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならない;したがって、
好ましくは細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担
体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコ
ール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの適切な混合物を含有する
溶媒又は分散媒体であり得る。
【0157】
上述の担体成分に加えて、上述の配合物は、適宜、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、
表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)などの1つ以上の追加の担体成
分を含むことができる。さらに、他のアジュバントを含めて、製剤を意図するレシピエン
トの血液又は他の体液と等張にすることができる。本明細書で提供される化合物、又はそ
の薬学的に許容される塩もしくは誘導体を含有する組成物はまた、希釈のために粉末又は
液体濃縮物形態で調製され得る。
【0158】
本明細書では、少なくとも1つの追加の活性剤と組み合わせて、本明細書に記載のアミ
ノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの
塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を含む組成物が意図される。アミノ酸、ペプチド
、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導
体などの小分子代謝産物及び少なくとも1つの追加の活性剤は単一の製剤中に、又は一緒
に提供される複数の製剤中に存在してもよく、又は未製剤であってもよい。いくつかの実
施形態では、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂
質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を、1つ又は複数の追加の薬剤
と一緒に単一の組成物中で投与することができる。例えば、アミノ酸、ペプチド、炭水化
物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの
小分子代謝産物は1つの組成物で投与することができ、追加の薬剤の少なくとも1つは、
第2の組成物で投与することができる。さらなる実施形態において、小分子代謝産物(例
えば、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又
はそれらの塩もしくは誘導体)及び少なくとも1つのさらなる活性剤は、キット中に同時
パッケージングされる。例えば、薬物製造業者、薬物再販業者、医師、調合店、又は薬剤
師は、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又
はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を、患者に送達するための別の製品又
は成分と組み合わせて含むキットを提供することができる。そのような追加の成分は、抗
感染剤、抗炎症剤、麻酔剤などを含むことができる。
【0159】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、本明細書に記載されるアミノ酸、ペプチ
ド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はその塩もしくは誘導体
などの小分子代謝産物の経口組成物、ならびに本明細書に記載されるアミノ酸、ペプチド
、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はその塩もしくは誘導体、
ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせなどの治療
有効量の小分子代謝産物を含むことができる。組成物は組成物のアミノ酸、ペプチド、炭
水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体な
どの小分子代謝産物を、組成物の、例えば、>1%、≧2%、≧3%、≧4%、≧5%、
≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%
、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、又は≧98%の量で含むことが
できる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、例えば、組成物の>1%、≧2%
、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧20%、≧
30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、又
は≧98%において、本明細書に記載されるアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビ
タミン、生体異物、及び/又は脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上などの複
数の小分子代謝物を含むことができる。
食品
【0160】
本明細書に記載のアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もし
くは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物を含む食品及び他の食品
が提供され、食品中の小分子代謝産物の量が強化されている(例えば、濃縮又は濃縮され
ている)。本明細書で提供される、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、
生体異物、又は脂質などの小分子代謝産物を、対象による消費のために食品に添加するこ
とができる。本明細書に記載されるアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、
生体異物、又は脂質などの小分子代謝産物は、食品の1つ以上の成分に組み込まれてもよ
い。本明細書に記載されるアミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物
、又は脂質などの小分子代謝産物は、成分として調製されてもよく、又は調製されなくて
もよい。化合物、又は化合物を含む調製物は、調製前、調製中、又は調製後に添加するこ
とができる。調製には限定されるものではないが、調理、混合、香味付け、調味付け、ブ
レンド、煮沸、フライ、ベーキング、又は当技術分野で公知の他のプロセスが含まれ得る
。強化は好ましくは本明細書の他の箇所に記載されるような小分子代謝産物の治療的な1
日用量を提供するようなレベルであるが;しかし、有益な効果はまた、そのような用量未
満の量で得ることもできる。
【0161】
本明細書中に提供されるような、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、
生体異物、もしくは脂質、又はそれらの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物は、例え
ば、植物、動物、細菌、又は真菌の代謝プロセスを改変することによって、天然において
公知のプロセスの操作によって、食品中の成分として存在し得る。本明細書に記載される
アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、もしくは脂質、又はそれ
らの塩もしくは誘導体などの小分子代謝産物の濃度を増加させるための植物、動物、細菌
、又は真菌の遺伝子改変が意図される。例として、小分子代謝産物は食品中に、少なくと
も約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%
、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なく
とも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なく
とも約50%、又はそれ以上、例えば、1%~2%、3%、又は4%、又は5%、又は6
%、又は7%、又は8%、又は9%、又は10%、又は20%、又は30%、又は40%
、又は50%の濃度で存在することができる。小分子代謝産物は食品中に天然に存在する
場合、食品について天然に存在する量を超える濃縮量、例えば、平均又は最高の天然に存
在する濃度を超える10%以上の濃度、例えば、平均又は最高の天然に存在する観察濃度
を超える20%又は30%又は40%又は50%又は100%又は200%又は300%
又は400%又は1000%又は2000%又は5000%以上の濃度で存在することが
できる。
効能・効果
【0162】
加齢の炎症、肥満関連炎症、慢性低溶解性貧血、及び自己免疫疾患(例えば、クローン
病、全身性エリテマトーデス、乾癬、1型糖尿病、多発性硬化症、及び潰瘍性大腸炎)、
溶血性貧血(限定されるわけではないが、サラセミア、遺伝性楕円赤血球症、グルコース
-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、ピルビン酸キナーゼ欠損症、免疫性溶血性貧血、
同種免疫性溶血性貧血、機械的溶血性貧血、及び発作性夜間ヘモグロビン尿症を含む)、
慢性疾患の貧血、再生不良性貧血(先天性低形成性貧血、ダイヤモンド-ブラックファン
貧血、ファンコニ貧血を含むがこれらに限定されない)、異常赤血球サイズの貧血(巨赤
芽球性貧血及び小球性貧血を含むが、これらに限定されない)、鉄欠乏性貧血、異常なR
BCサイズの貧血(巨核芽球性貧血および微小細胞性貧血を含むが、これらに限定されな
い)、ビタミン欠乏性貧血(有害な貧血を含むが、これらに限定されない)RBC変異の
貧血(サラセミア、副腎芽細胞性貧血およびシックルを含むが、これらに限定されない)
、II型糖尿病、肥満、前糖尿病、耐糖能異常、妊娠性糖尿病(GDM)、空腹時血糖障
害(IFG)、アディポネクチン産生障害、食後高血糖、脂質異常症、食後脂質異常症、
高脂質血症、高トリグリセリド血症、高トリグリセリド血症後、インスリン抵抗性、多嚢
胞性卵巣症候群(PCOS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコー
ル性脂肪性肝炎(NASH)、低インスリン血症、脂肪性肝疾患、グルコースレベルの上
昇、インスリンレベルの上昇、LDLコレステロールレベルの上昇、高トリグリセリドレ
ベル、低HDLコレステロールレベル、およびメタボリックシンドローム鉄過負荷症候群
(DIOS))、肝疾患、鉄過負荷を伴う状態及び鉄貯蔵障害、スチル病、特発性関節炎
、血球貪食性リンパ組織球症、マクロファージ活性化症候群、NAFLD NASHを含む肝疾患、
及び慢性炎症の貧血、アルツハイマー病及び認知症の他の形態を含む神経変性疾患)、な
らびに皮膚の完全性の障害、創傷治癒の遅延、ならびに瘢痕化及び皮膚の完全性の障害、
創傷治癒、及び瘢痕化(皮膚の完全性の障害、創傷治癒の遅延、及び加齢、肥満、慢性疾
患、免疫抑制、栄養状態、熱傷、又は血管不全による瘢痕化を含む)、疼痛、アレルギー
、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含むが、これらに限定されない、を治
療するための組成物及び方法が提供される。
【0163】
加齢とは、生物における一連の形態学的及び機能的変化であって、経時的に起こる変化
をいう。この用語はまた、生物がその最大生殖能力に達した後の生物学的機能の低下をい
う。炎症はミトコンドリアDNAの変異や他の過程を介して加齢に関連している可能性が
あると考えられている。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法が高コレステロール血
症、肥満、血栓症、線維症、皮膚完全性障害、創傷治癒、瘢痕化、高グロブリン血症、過
敏症、癌、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含む加齢
に関連する状態の治療、予防、予防又は維持のために示される。
【0165】
理論によって限定されることを望むものではないが、血清、血漿、及び細胞中の奇数鎖
飽和小分子代謝産物遊離小分子代謝産物又はリン脂質レベルを標的濃度まで増加させると
、加齢に関連する状態を減少させることができると考えられる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法が血清、血漿、又は赤血球膜奇数
鎖小分子代謝産物のレベルを増加させる。
【0167】
いくつかの実施形態では血清、血漿、又は赤血球膜の非常に長い鎖の小分子代謝産物の
レベルは1つ以上の奇数鎖の小分子代謝産物、又はその塩もしくは誘導体の投与後に増加
し得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、治療される状態が慢性疾患の貧血である。
【0169】
いくつかの実施形態では、治療される状態は自己免疫疾患である。
【0170】
いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物及び方法は、寿命又は生活の質
を損なう加齢に関連する状態のマーカーを調節する。特定の実施形態では、マーカーが血
清、血漿、又は赤血球膜小分子代謝産物百分率;本明細書に含まれる小分子代謝産物の血
清、血漿、又は赤血球膜濃度;血清血漿、又は赤血球膜全小分子代謝産物;コレステロー
ルである。いくつかの実施形態において、小分子代謝産物は、糖脂質の成分として測定さ
れる。さらなる実施形態において、小分子代謝産物は、リン脂質の構成要素として測定さ
れる。なおさらなる実施形態では、マーカーが血清又は赤血球膜であり、非常に長鎖の小
分子代謝産物であっても、非常に長鎖の小分子代謝産物の血清濃度、血清全の非常に長鎖
の小分子代謝産物であっても、非常に長鎖の小分子代謝産物である。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法が炎症マーカーの濃度を測定する
ステップを含む。当業者は本明細書に記載されるものを含むがこれに限定されない、その
ような測定のための適切な方法を実行することができるのであろう。
【0172】
本明細書では、小分子代謝産物又は非常に長鎖の小分子代謝産物などの小分子代謝産物
の用量を、所定の間隔で、又は被験者の裁量に任された間隔で投与するステップを含む、
治療方法が提供される。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がそれぞれ、血清、血
漿、又は赤血球膜小分子代謝産物のすべてに対して代謝性の小分子の閾値血清、血漿、又
は赤血球膜パーセンテージを提供し得る。例えば、閾値は約0.05%以下から90%以
上、例えば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、
少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0
.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なく
とも約1.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%
、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約
1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.1%の値で
あってもよい。約2.3%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.3%、少なくとも
約2.5%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少
なくとも約2.9%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.
5%、少なくとも約4.0%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約
6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、
少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、
少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、
少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、
又は90%を超える。
【0174】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び方法は奇数鎖小分子代
謝産物の血清又は血漿濃度、又は奇数鎖小分子代謝産物の赤血球膜濃度において、ベース
ライン値(例えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察
される一般値)を超える増加を提供し得る。例えば、小分子代謝産物の血清又は血漿小分
子代謝産物又は赤血球細胞膜濃度は、少なくとも約1μg/ml、少なくとも約2μg/
ml、少なくとも約3μg/ml、少なくとも約4μg/ml、少なくとも約5μg/m
l、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml
、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/m
l、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg
/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45
μg/ml、少なくとも約50μg/ml、又は50μg/mlを超えて増加され得る。
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物の奇数鎖小分子代謝産物又は赤血球膜濃度が少
なくとも約0.01x10-4 M、少なくとも約0.05x10-4 M、少なくとも約0
.1x10-4 M、少なくとも約0.2x10-4 M、少なくとも約0.3x10-4 M
、少なくとも約0.4x10-4 M、少なくとも約0.5x10-4 M、少なくとも約0
.6x10-4 M、少なくとも約0.7x10-4 M、少なくとも約0.8x10-4 M
、少なくとも約0.9x10-4 M、少なくとも約1x10-4 M、少なくとも約2x1
0-4 M、又は少なくとも約3x10-4 Mだけ、基準値(例えば、治療されている患者
における治療前値、又は特定の患者集団において観察される全般値)を超えて増大し得る
。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が血清又は血漿全奇数
鎖小分子代謝産物、又は赤血球膜全小分子代謝産物の増加を提供し得る。例えば、血清総
奇数鎖小分子代謝産物、又は赤血球細胞膜総奇数鎖小分子代謝産物は少なくとも約5μg
/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/
ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg
/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30
μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約
45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、少なくとも約60μg/ml、少なくと
も約70μg/ml、少なくとも約80μg/ml、少なくとも約90μg/mlだけベ
ースライン値(例えば、治療される患者において観察される治療前値、又は特定の患者集
団において観察される一般値)を超えて増加され得る。少なくとも約100μg/ml、
少なくとも約150μg/ml、少なくとも約200μg/ml、少なくとも約250μ
g/ml、少なくとも約300μg/ml、少なくとも約350μg/ml、少なくとも
約400μg/ml、少なくとも約450μg/ml、少なくとも約500μg/ml、
又は500μg/mlを超える。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がそれぞれ、血清、血
漿、又は赤血球膜奇数鎖小分子代謝産物のすべての血清又は赤血球膜小分子代謝産物と比
較して、血清、血漿、又は赤血球膜奇数鎖小分子代謝産物において、ベースライン値(例
えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一般値
)を超える増加を提供し得る。例えば、血清、血漿、又は赤血球膜小分子代謝産物は、少
なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約
0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少な
くとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9
%、少なくとも約1%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1
.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なく
とも約1.7%、少なくとも約1. 約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約
2%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少なくと
も約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.7%、
少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約3.5
%、少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、又は5%超の、ベー
スライン値(例えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観
察される一般値)を超える増加を提供し得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が赤血球沈降速度の上
昇を減少させることができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が上昇したアルカリ
ホスファターゼの低減を提供し得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が血清フェリチンの
減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは少なくとも約10ng/ml、少なくとも
約100ng/ml、少なくとも約200ng/ml、少なくとも約300ng/ml、
少なくとも約400ng/ml、少なくとも約500ng/ml、少なくとも約600n
g/ml、少なくとも約700ng/ml、少なくとも約800ng/ml、少なくとも
約900ng/ml、少なくとも約1000ng/ml、少なくとも約1100ng/m
l、少なくとも約1200ng/ml、少なくとも約1300ng/ml、少なくとも約
1400ng/ml、少なくとも約1500ng/ml、少なくとも約2000ng/m
l、少なくとも約2500ng/ml、少なくとも約3000ng/ml、少なくとも約
3500ng/ml、少なくとも約3500ng/ml。4000ng/ml、少なくと
も約4500ng/ml、少なくとも約5000ng/ml、少なくとも約6000ng
/ml、少なくとも約7000ng/ml、少なくとも約8000ng/ml、少なくと
も約9000ng/ml、少なくとも約10000ng/ml、又は10000ng/m
lを超える、ベースライン値(例えば、治療中の患者において観察される前治療値)未満
に減少され得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が特定のレベル未満
の血清フェリチンの減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは、約20000ng/
ml、約15000ng/ml、約12000ng/ml、約10000ng/ml、約
8000ng/ml、約5000ng/ml、約2000ng/ml、約1000ng/
ml、又は約500ng未満に減少され得る。
【0181】
いくつかの実施形態において、小分子代謝産物は、奇数鎖小分子代謝産物の血清又は血
漿総パーセント、又は全ての奇数鎖小分子代謝産物を、所定の閾値を超えて維持するため
に投与される。これらの実施形態のバリエーションでは、小分子代謝産物はヘプタデカン
酸である。さらなる変法において、小分子代謝産物は、約0.1%、約0.2%、約0.
3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約
1%、約1.2%、約1.4%、約1.6%、約1.8%、約2%、約2.2%、約2.
4%、又は約2.6%を超える奇数鎖小分子代謝産物、又はすべての奇数鎖小分子代謝産
物の血清を維持するように投与される。
【0182】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がすべての血清又は赤
血球膜小分子代謝産物に対して、それぞれ、閾値血清、血漿、又は赤血球膜パーセンテー
ジの非常に長い鎖の小分子代謝産物を提供し得る。例えば、閾値は約0.05%以下から
90%以上、例えば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0
.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なく
とも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%
、少なくとも約1.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約
1.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少な
くとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.1
%の値であってもよい。約2.3%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.3%、少
なくとも約2.5%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.
8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくと
も約3.5%、少なくとも約4.0%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少な
くとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約
10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約
30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約
50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約
90%、又は90%を超える値であり得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が小分子代謝産物の血
清又は血漿濃度、又は小分子代謝産物の赤血球膜濃度において、ベースライン値(例えば
、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一般値)を
超える増加を提供し得る。例えば、非常に長鎖の小分子代謝産物又は赤血球膜小分子代謝
産物の血清非常に長鎖の小分子代謝産物又は赤血球膜濃度は、少なくとも約0.01μg
/ml、少なくとも約0.05μg/ml、少なくとも約0.1μg/ml、少なくとも
約0.4μg/ml、少なくとも約0.4μg/ml、少なくとも約1μg/ml、1μ
g/ml、少なくとも約2μg/ml、少なくとも約3μg/ml、少なくとも約4μg
/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/
ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/
ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μ
g/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約4
0μg/ml、少なくとも約45μg/ml増加され得る。μg/ml、少なくとも約5
0μg/ml、又は50μg/mlを超えて増加し得る。いくつかの実施形態では、非常
に長鎖の小分子代謝産物、又は非常に長鎖の小分子代謝産物の赤血球膜濃度さえも、少な
くとも約0.001×10Mの-4、少なくとも約0.005×10Mの-4、少なくとも
約0.01×10Mの-4、少なくとも約0.05×10Mの-4、少なくとも約0.2×
10Mの-4、少なくとも約0.4×10Mの-4、少なくとも約0.5×10Mの-4、
少なくとも約0.6×10Mの-4、少なくとも約0.7×10Mの-4、少なくとも約0
.9×10Mの-4、少なくとも約1×10Mの-4、少なくとも約2×10M又は少なく
とも約3×10-4だけ、基準値(例えば、治療される患者における治療前値、又は特定
の患者集団において観察される全般値)を超えて増大し得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が血清又は血漿全小分
子代謝産物、又は赤血球膜全小分子代謝産物の増加を提供し得る。例えば、血清総非常に
長鎖の小分子代謝産物、又は赤血球細胞膜総小分子代謝産物は少なくとも約0.05μg
/ml、少なくとも約0.1μg/ml、少なくとも約0.5μg/ml、少なくとも約
1μg/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7
μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10
μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約
25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくと
も約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、約50μg/ml、少なくとも約6
0μg/ml、少なくとも約70μg/ml、少なくとも約80μg/ml、少なくとも
約90μg/ml、少なくとも約100μg/ml、少なくとも約150μg/ml、少
なくとも約200μg/ml、少なくとも約250μg/ml、少なくとも約300μg
/ml、少なくとも約350μg/ml、少なくとも約400μg/ml、少なくとも約
450μg/ml、少なくとも約500μg/ml、又は500μg/mlを超えるよう
、ベースライン値(例えば、治療されている患者において観察される治療前値、又は特定
の患者集団において観察される一般値)を超えて増加され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物又は方法が赤血球数の増加を提
供し得る。例えば、赤血球カウントレベルは少なくとも約0.1細胞/μL、少なくとも
約0.2細胞/μL、少なくとも約0.3細胞/μL、少なくとも約0.4細胞/μL、
少なくとも約0.5細胞/μL、少なくとも約0.6細胞/μL、少なくとも約0.7細
胞/μL、少なくとも約0.8細胞/μL、少なくとも約0.9細胞/μL、少なくとも
約1細胞/μL、少なくとも約1.2細胞/μL、少なくとも約1.4細胞/μL、少な
くとも約1.6細胞/μL、又は少なくとも約2細胞/μLだけ、ベースライン値(例え
ば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一般値)
を超えて増加され得る。
併用療法
【0186】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物(例えば、小分子代謝産物
、又はその塩もしくは誘導体、又は非常に長鎖の小分子代謝産物、又はその塩もしくは誘
導体、又は本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物、又はその塩もしくは誘導体)
は、1つ以上のさらなる活性剤と組み合わせて使用され得る。小分子代謝産物の化合物、
又はその塩もしくは誘導体、又は小分子代謝産物の化合物、又はその塩もしくは誘導体を
含む組成物と組み合わせて使用され得るさらなる活性薬剤の例は本明細書に提供される状
態を処置するために現在使用されている薬剤を含み、そわなければ医学に公知であるが、
これらに限定されない。
【0187】
いくつかの実施形態では、奇数鎖小分子代謝産物の化合物、又はその塩もしくは誘導体
、又は小分子代謝産物の化合物、又はその塩もしくは誘導体を含む組成物を、本明細書に
記載の1つ、2つ、3つ以上の追加の活性剤と共に使用することができる。このような薬
剤には小分子代謝産物などの第2の小分子代謝産物、又はその塩もしくは誘導体が含まれ
るが、これらに限定されない。
【0188】
いくつかの実施形態では、小分子代謝産物の化合物、又はその塩もしくは誘導体、又は
本明細書に記載される小分子代謝産物の化合物を含む組成物、又はその塩もしくは誘導体
は、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚完全
性障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及
び問題を含む、本明細書に提供される状態の治療、予防、維持、又は予防のための別の薬
剤と組み合わせて、又は状態のマーカーの調節のために、使用(例えば、投与又は摂取)
することができる。いくつかの実施形態において、状態は、炎症(限定するわけではない
が、加齢、肥満関連炎症、慢性低溶解性炎症、及び自己免疫疾患(例えば、クローン病、
全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、及び潰瘍性大腸炎)、溶
血性貧血(限定されるわけではないが、サラセミア、遺伝性楕円赤血球症、グルコース-
6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、ピルビン酸キナーゼ欠損症、免疫性溶血性貧血、同
種免疫性溶血性貧血、機械的溶血性貧血、及び発作性夜間ヘモグロビン尿症を含む)、慢
性疾患の貧血、再生不良性貧血(先天性低形成性貧血、ダイヤモンド-ブラックファン貧
血、ファンコニ貧血を含むがこれらに限定されない)、異常赤血球サイズの貧血(巨赤芽
球性貧血及び小球性貧血を含むが、これらに限定されない)、鉄欠乏性貧血、異常なRB
Cサイズの貧血(巨核芽球性貧血および微小細胞性貧血を含むが、これらに限定されない
)、ビタミン欠乏性貧血(有害な貧血を含むが、これらに限定されない)RBC変異の貧
血(サラセミア、副腎芽細胞性貧血およびシックルを含むが、これらに限定されない)、
II型糖尿病、肥満、前糖尿病、耐糖能異常、妊娠性糖尿病(GDM)、空腹時血糖障害
(IFG)、アディポネクチン産生障害、食後高血糖、脂質異常症、食後脂質異常症、高
脂質血症、高トリグリセリド血症、高トリグリセリド血症後、インスリン抵抗性、多嚢胞
性卵巣症候群(PCOS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール
性脂肪性肝炎(NASH)、低インスリン血症、脂肪性肝疾患、グルコースレベルの上昇
、インスリンレベルの上昇、LDLコレステロールレベルの上昇、高トリグリセリドレベ
ル、低HDLコレステロールレベル、およびメタボリックシンドローム鉄過負荷症候群(
DIOS))、肝疾患、鉄過負荷を伴う状態及び鉄貯蔵障害、スチル病、特発性関節炎、
血球貪食性リンパ組織球症、マクロファージ活性化症候群、NAFLD NASHを含む肝疾患、及
び慢性炎症の貧血、アルツハイマー病及び認知症の他の形態を含む神経変性疾患)、なら
びに皮膚の完全性の障害、創傷治癒の遅延、ならびに瘢痕化及び皮膚の完全性の障害、創
傷治癒、及び瘢痕化(皮膚の完全性の障害、創傷治癒の遅延、及び加齢、肥満、慢性疾患
、免疫抑制、栄養状態、熱傷、又は血管不全による瘢痕化を含む)、疼痛、アレルギー、
睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題であり得る。例えば、本明細書中に開示さ
れる小分子代謝産物の化合物は、鉄キレート剤、アルビグルチド、アレグリタザル、バラ
グリタゾン、カナグリフロジン、CJ-30001(CJ Cheiljedang C
orporation)、CJ-30002(CJ Cheiljedang Corp
oration)、Diamyd(登録商標)(グルタミン酸デカルボキシラーゼ(rh
GAD65))、デュラグルチド、エキセンジンジン4、リキシセナチド、ロベグリタゾ
ン、シェンゲI(Tibet Pharmaceuticals)、SK-0403(S
anwa Kagaku Kenkyusho)、テングリプチン、テプリズマブ、トホ
グリフロジン、アカルボース、アログリプチン安息香酸塩、クロロプロパミド、Diab
II(Biotech Holdings)、エキセナチド、グリベンチド、グリベン
クラジドから選択される1つ以上の薬剤と組合せて使用され得る。グリピリド、グリスア
ミド、グリスアミド、インスリン(ヒト)、インスリン類似体(Eli Lilly(登
録商標))、インスリンアスパルト、インスリングラルギン、インスリスプロ、ジャヌメ
ット(登録商標)、リナグリプチン、メトホルミン、ミグリニド、ナテグリニド、Nov
o Mix 30(登録商標)、ピオグリタゾン、プラムリンタイド、レパグリナド、マ
レイン酸ロシグリタゾン、サキサグリプチン、トレシバ、トラザミド、トルブタミド、ビ
ルダグリプチン、ボグリプチン酸、ジフルニサル、ケイ皮酸、グリブタミド、グリベンク
ラミド、フェンブタミド、及びトルシクロアミドであって、これらのクラスには、スルホ
ニル尿素、非スルホニル尿素分泌促進薬、グルカゴン様ペプチド、エキセンジン-4ポリ
ペプチド、β3アドレナリン受容体作動薬、PPAR作動薬、ジペプチジルペプチダーゼ
IV阻害薬、ビグアニド、アルファ-グルコシダーゼ阻害薬、免疫調節薬、スタチン及び
スタチン含有組合せ、アンギオテンシンA1受容体作動薬、アデノシンA2受容体作動薬
、アルドステロン拮抗薬、アルファ1アドレナリン受容体拮抗薬、アルファ2アドレナリ
ン受容体作動薬が含まれる。α2受容体拮抗薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、アンジ
オテンシン受容体拮抗薬、心房ペプチド拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、ジグアニド
、ドパミンD1受容体作動薬、エンドペプチダーゼ阻害薬、エンドセリン受容体拮抗薬、
グアニル酸シクラーゼ刺激薬、ホスホジダーゼV阻害薬、プロテインキナーゼ阻害薬、レ
ニン阻害薬、トロンボキサンシンターゼ阻害薬、バソプレシンI拮抗薬、バソプレシンII
拮抗薬、血管新生阻害薬、アポリポ蛋白質A1拮抗薬、血管新生阻害薬、胆汁酸産生阻害
薬、コレステロール誘導体拮抗薬、コレステロール誘導体拮抗薬、サイトカイン合成阻害
薬、ドパミンD2受容体作動薬、エンドセリン受容体拮抗薬、成長ホルモン拮抗薬、イン
スリン増感薬、リパーゼ過酸化阻害薬、リポ蛋白質A拮抗薬、ミクロソーム輸送蛋白質阻
害薬、一酸化窒素シンターゼ阻害薬、ホスホリパーゼA2阻害薬、ラジカル形成拮抗薬、
プロスタグランジンシンターゼ刺激薬、逆コレステロール輸送活性化薬、rhoキナーゼ
阻害薬、選択的エストロゲン受容体調節薬、スクアレンシンターゼ阻害薬、スクアレンシ
ンターゼ阻害薬、スクアレン受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体拮抗薬、コレシストキ
ニンA作動薬、コルチコトロピン放出因子作動薬、ドパミン取り込み阻害薬、g蛋白質共
役受容体調節薬、グルタミン酸拮抗薬、グルカゴン様ペプチド1作動薬、メラニン濃縮ホ
ルモン受容体拮抗薬、神経成長因子作動薬、神経ペプチドY作動薬、神経ペプチド拮抗薬
、SNRI、蛋白質チロシンホスファターゼ阻害薬、抗うつ薬(ブプロピオン)、ノルア
ドレナリン再取り込み阻害薬(GW320659)、選択的セロトニン2C受容体作動薬
、抗発作薬(トピラマート、ゾニサミド)、ドパミン拮抗薬、カンナビノイド1受容体拮
抗薬(CB-1受容体拮抗薬)(リモナバント)、レプチン/インスリン/中枢神経系経
路薬(レプチン類似体、レプチン受容体プロモーター、繊毛神経栄養因子(アクソカイン
)、神経ペプチドY及び作動薬関連ペプチド拮抗薬、プロオピラノコルチン及びコカイン
の転写物など)α-メラノサイト刺激ホルモン類似体、メラノコリチン-4受容体作動薬
、及びインスリン代謝/活性に影響を及ぼす薬剤(プロテイン-チロシンホスファターゼ
-IB阻害薬、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体拮抗薬、短時間作用性ブロモクリ
プチン(エルゴセット)、ソマトスタチン作動薬(オクトレオチド)、及びアディポネク
チン/Acrp30(ファモキシン又は小分子代謝産物)代謝性酸化誘導物質;コレシス
トキニン活性(CCK)、PY活性、及びPP活性を増加させ、グルカゴン様ペプチド-
1活性を増加させる物質(エキセンジン4、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤)、な
らびにアミリン類似体(プラムリンタイド)を減少させる物質;安静時代謝速度を増加さ
せる物質(選択的β-3刺激物質/アゴニスト、脱共役蛋白質相同体、及び甲状腺受容体
アゴニスト);メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、フィトスタノール類似体、機能性
油、P57、増殖ホルモン断片、デヒドロエピアンドロステロン硫酸の合成類似体、脂肪
細胞11B-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型活性のアンタゴニスト、コルチ
コトロピン放出ホルモンアゴニストを含む、他のより多様な物質小分子代謝産物(セルレ
ニン及びC75)、カルボキシペプチダーゼ阻害剤、アミノステロール(トロズスクエミ
ン/trodulamine)、及び他の胃腸リパーゼ阻害剤(ATL962);デキス
トロアンフェタミンなどのアンフェタミン;フェンテルミン、ベンズフェタミン、フェン
ジメトラジン、マジンドール、及びジエチルプロピオンを含む他の交感神経作用性アドレ
ナリン作動薬;又はエコピパム;オキシントモジュリン(OM);グルコセデペンデント
インスリン分泌性ポリペプチド(GIP);ガストリン放出ペプチド;ニューロメジンB
;エンテロスタチン;アンフェブタモン、SR-58611;CP-045598;QC
-04516;CP-1426;N-5984;ISIS-13715;solabeg
ron;SR-147778;Org-34517;cetilistat-II;C-
2735;C-2624;APD-356;radafaxine;fluastero
ne;GP-389255;85644;S2367;AVE1625;T-71;ol
eoyl-estrone;ペプチドYY[3-36]intranasal;andr
ogen receptor agonists;PYY 3-36;tagatose
;SLV-319;1954(Aventis Pharma AG);oxyntom
odulin,Thiakis;bromocriptine,PLIVA;diabe
tes/hypemia therapy Yissum;CKD-502;甲状腺受容
体β作動薬;CDK-A作動薬;ガラニン拮抗薬;ドーパミンD1作動薬;メラノコルチ
ン調節薬;verongamine;神経ペプチド受容体拮抗薬;CGEN-P-4;キ
ナーゼ拮抗薬;ヒトMCH受容体拮抗薬;GHR受容体拮抗薬;DG70阻害薬;コチニ
ン;CRF-BP阻害薬;ウロコルチン作動薬;UCL-2000;インペンタミン;β
-3アドレナリン受容体作動薬;トロズスクエミン;GT-2016;c-75;CPO
P;MCH-1受容体拮抗薬;RED-103004;アミノステロール;オレキシン-
1拮抗薬;神経ペプチドY5受容体拮抗薬;PTPase阻害薬;A37215;SA-
0204;糖脂質代謝産物;MC-4作動薬;PTP-1B阻害薬;GT-2394;神
経ペプチドY5アンタゴニスト;メラノコルチン受容体モジュレーター;MLN4760
;NPY5RA-972;5-HT2c受容体アゴニスト;神経ペプチドY5受容体アン
タゴニスト(フェニル尿素類似体);AGRP/MC4アンタゴニスト;神経ペプチドY
5アンタゴニスト(ベンゾイミダゾール);グルココルチコイドアンタゴニスト;MCH
R1アンタゴニスト;アセチルCoAカルボキシラーゼ YOB1モジュレーター;HO
B 1モジュレーター;R-1496;NOX-36(エリゲン);5-HT1モジュレ
ーター;GRC-1087;CB-1アンタゴニスト;LY-448100;ボンベシン
BRS3アゴニスト;MC4アンタゴニスト;ステアロイルCoAパンアゴニスト;EP
-01492;小分子代謝産物結合タンパク質4インヒビター;チオラクトン誘導体;タ
ンパク質チロシンホスファターゼIBインヒビター;MCH-1アンタゴニスト;PPA
Rガンマリガンド;メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト;チアゾール胃動態;PA-4
52;T-226296;A-331440;免疫薬ワクチン;糖尿病・肥満治療薬(B
ioagency,Biofrontera Discovery GmbH);P-7
(Genfit);DT-011M;PTP1Bインヒビター;抗糖尿病ペプチド複合体
;KATPアゴニスト;肥満治療薬(Lexicon);5-HT2アゴニスト;MCH
-
1受容体アンタゴニスト;GMAD-1/GMAD-2;STG-A-MD;血管新生阻
害薬;ニコチン性受容体作動薬;ニコチン性治療薬(Abbott);メラニン濃縮ホル
モン;MC-4R作動薬;オーファンH3拮抗薬;MITO-3108;NLC-002
;HE-2-13;5HT2c作動薬;ML-22952;神経ペプチドY受容体拮抗薬
;AZ-40140;抗肥満療法(Nisshin Flour);GNTI;メラノコ
ルチン受容体調節薬;α-アミラーゼ阻害薬;β-3アドレナリン受容体作動薬;ob遺
伝子産物(Eli Lilly&Co.);SWR-0342-SA;SP-18904
;経口インスリン模倣薬;肥満治療薬(7TM Pharma);β-ヒドロキシステロ
イドデヒドロゲナーゼ(HSD)阻害薬;E-6776;RI-450;メラノコルチン
-4拮抗薬;肥満治療薬(CuraGen);レプチン模倣薬;A-74498;第二世
代レプチン;NBI-103;CL-314698;CP -114271;β-3アド
レナリン受容体作動薬;NMI-1283;BMS-192548;PD-160754
;LY-226552;CKD-711;PPAR阻害薬;g-タンパク質治療薬(アミ
リン製剤);BW-1229;モノクローナル抗体(ObeSys/CAT);L-74
2791;(S)-シブトラミン;MBU-23;YM-268;チューブ様タンパク質
遺伝子;ゲノム学(摂食障害;Allelix/Lilly);MS-706;GI-2
64879A;GW-409890類似体;FR-79620類似体;肥満治療薬(Hy
brigenics SA);ICI-198157;ESP-A;5-HT2cアゴニ
スト;PD-170292;LG-100641;GI-181771;抗肥満治療薬(
Genzyme);レプチンモジュレーター;肥満治療薬(山之内製薬株式会社);SB
-251023;CP331684;BIBO-3304;コレステン-3-ones;
BRL-48962;PY-1アンタゴニスト;A-71378;肥満治療薬(ブリスト
ル-マイヤーズスクイブ社);LY-226936;NPYアンタゴニスト;FPL-1
4294;ZA-7114;CL-316243;SR-58878;BDBP-322
6;HP228;タリベグロン;FR-165914;AZM-008;AZM-120
;AZM-090;AZM-131;AZM-132;AZM-134;AZM-127
;AZM-083;AZM-140;ボメロフェリン;D-3800;遺伝子発見(Ax
ys/Glaxo);BRL-26830A;SX-013;ERRモジュレーター;ア
ジプシン;AC-253;A-71623;A-68552;BMS-210285;T
AK-677;MPV-1743;肥満治療薬(Melacure therapeut
ics AB);GI-248573;肥満治療薬(Melacure therape
utics AB);SSR-125180;肥満治療薬(Melacure ther
apeutics AB);BRL-35135;CGP-71583A;RF-105
1;マニファキシン;DMNJ(Korea Research Institute
of Bioscience and Biotechnology);BVT-518
2;SNX-024;ガラニン拮抗薬;デキスフルラミン;マジンドール;ジエチルプロ
ピオン;フェンジメトラジン;ベンズフェタミン;アンフェブトモン;セルトラリン;A
OD9604;ATL-062;GT389-255;SLV319;HE-2500;
PEG-axokine;L-796568;ABT239;リモナビン、オルリスタッ
ト、CB-1アンタゴニスト、レプチン、フェンテルミン、及びエキセンジン類似体;G
PR1 19アゴニスト(例えば、AR-231、453;MBX-2982;オレオイ
ルエタノールアミド;PSN-365,963;PSN-632,408;パルミトイル
エタノールアミド);GPR120アゴニスト;及びSGLT2インヒビターから選ばれ
る1つ以上の試薬と組み合わせて使用し得る。
【0189】
さらに、本明細書中に提供されるような小分子代謝産物又は塩もしくは誘導体は、Al
toprev(ロバスタチン)、Crestor(ロスバスタチン)、Lipitor(
フルバスタチン)、Livalo(ピタバスタチン)、Pravachol(プラバスタ
チン)、Zocor(シンバスタチン)、抗血小板薬、β遮断薬、ACE阻害薬、利尿薬
、抗凝固薬、アスピリン、胆汁酸隔離剤、Ezetimibe、フィブラート、糖タンパ
ク質IIb/IIIa受容体阻害剤、硝酸塩、血小板阻害剤、リシノプリル経口、アテノ
ール経口、ジオバン経口、ヒドロクロロチアジド経口、メトプロロールコハク酸塩から選
択される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用され得る。アムロジピン経口、ノルバスク経
口、酒石酸メトプロロール経口、リシノピアジド経口、クロニジンHCT経口、コザール
経口、プロプラノロール経口、スピロノラクトン経口、アゾール経口、カルベジロール経
口、コレガルHCT経口、エクフォージ経口、アバプロ経口、ロトレル経口、ベラパミル
経口、 フロセミド経口、Hyzaar経口、Tekturna経口、Locardis
経口、Locardis経口、Micardis HCT経口、Avalide経口、ト
リアムテルエン-ヒドロクロロチアジド経口、ラベトシン経口、アムロジピン-ベンアゼ
プリル経口、Tribenzor経口、トリアムテルエン経口、ドキサゾシン経口、ニフ
ェジピン経口、Aldactone経口、Maxzide経口、Cartia XT経口
、プラゾシン経口、Cardizem CD経口、Zestril経口、Dyazide
経口、ビソプロロールフマレート経口、Tenex経口、Coreg CR経口、Pri
nivil バルサルタン経口、エダルビクロル経口、ベンアゼプリル-ヒドロチアジド
経口、フェラヘム静脈内、フェオソール経口、インテグラ、フェレックス150フォーテ
経口、タンデムデュアルアクション経口、フェレックス150経口、グルコン酸第1鉄経
口、コーバイト150経口、ノバフェラム経口、鉄(硫酸第1鉄)経口、ビトロン-C経
口 酸、リツキシマブ、メチルプレドニゾロン経口、メドロール(Pak)経口、メドロ
ール経口、デポメドロール注射、プレドニゾロン経口、DexPak 13日間経口、ソ
ルメドロール経口、コルテフ経口、デルタゾン経口、トリアムシノロンアセトニド注射、
コルチゾン経口、ドネペジル(Aricept)、リバスチグミン(Exelon)、及
びガランタミン(Razadyne)、メマンチン、ナメンダ(Namenda)、XR
、Razadyne ER、Alpha E、ビタミンE、Hydergine、Nam
zaric、プラミペキソール(Mirapex)、ロピニロール(Requip)、ロ
チゴチン(Apokyn)、ベンジトロピン(Cogentin)、トリヘキシフェニジ
ル、MAO-B阻害剤(Eldepryl、Zelapar)、ラサギリン(Comta
n)、カルビドパ/Levodopa(Sinemet(R))、アマンタジン(Xena
zine)、ハロペリドール(Haldol)、クロルプロマジン(risperido
ne)、クエチアピン(Seroquel)、オランザピン(Zyprexa)、インド
メタシン、スリンダック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、メクロフェ
ナム酸ナトリウム、フルフェナム酸、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、ジクロ
フェナクナトリウム、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェノ
プロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジンピロキシカム、メロ
キシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、シンノキシカム、スドキ
シカム、及びテノキシカムなどのドパミン作動薬から選ばれる1つ以上の試薬と組み合わ
せて使用し得る。
【0190】
さらに、本明細書中に開示される小分子代謝産物の化合物は、鉄デキストラン、スマル
酸鉄、フェルスフマル酸鉄、カルボニルアスパルトグリシネート、ヘム鉄ポリペプチド、
アンドロゲンホルモン(例えば、エリスロポエチン、葉酸、ビタミンC、コハク酸、ピリ
ドキシン、リボフラビン、ビオチン、チアミン、アミノキシン、Anadrol-50、
Chromagen Forte、Epoetin alfa、Fe C Tab Pl
us、Ferocon、Ferralet 90、Ferrogels Forte、F
umatinic、Hematogen Forte、Hemetab)のような他の薬
剤の投与であり得る。Integra Plus、Irospan 42/6、レナリド
ミド、Myferon 150 Forte、MyKidz Iron、NovaFer
rum、Oxymetholone、Procrit、Pyridoxine、Repl
iva 21/7、Revlimid、及びTricon)のようなフェルスビスグリシ
ネートのような他の薬剤の投与と同様に、から選択される1つ以上の薬剤と組み合わせて
使用され得る。
投与
【0191】
当業者に容易に明らかなように、投与される有用なインビボ用量及び特定の投与様式は
、年齢、体重、状態の重症度、及び処置される哺乳動物種、使用される化合物の特定の形
態、ならびにこれらの化合物が使用される特定の使用に依存して変化する。有効用量レベ
ル、すなわち、所望の結果を達成するために必要な用量レベルの決定は日常的な方法、例
えば、インビボ研究を用いて、当業者によって達成され得る。例えば、「Estimating Max
imum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Hea
lthy Volunteers」、U.S. Food and Drug Administration、2005年7月を参照された
い。
【0192】
ある態様において、本明細書中に提供される方法は、本明細書中に提供される組成物の
治療有効量を投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、治療有効量が炎症、貧
血、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾患、鉄過負荷、皮膚完全性障害、創傷
治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、ならびに胃腸障害及び問題を含む
、本明細書中に提供される状態のマーカーの調節を参照することによって決定され得る。
いくつかの実施形態では、治療有効量が本明細書中に提供される状態の症状の調節を参照
することによって決定され得る。さらに他の実施形態では、炎症を含む本明細書で提供さ
れる状態の治療のためのガイドラインを含むがこれに限定されない、本明細書で説明され
る状態のための確立されたガイドラインを参照することができる。
【0193】
投薬量は、所望の効果及びマーカー値などの治療適応症に応じて、広く変化し得る。あ
るいは、用量が当業者によって理解されるように、患者の表面積又は体重に基づいて計算
され得る。正確な用量はケースバイケースで決定されるか、又は場合によっては被験者の
情報に基づいた裁量に委ねられる。成人ヒト患者のための1日用量レジメンは、例えば、
小分子代謝産物もしくは非常に長鎖の小分子代謝産物、又はその塩もしくは誘導体、又は
複数の小分子代謝産物の混合物、又はその塩もしくは誘導体の経口用量であり得、約0.
01mg~約10000mg、約1mg~約5000mg、約5mg~約2000mg、
約10mg~約1000mg、又は約50mg~約500mgである。単回用量は、約0
.01mg、約0.1mg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg
、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600
mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約2000mg、約5000mg
、又はそれ以上の小分子代謝産物、又はその塩もしくは誘導体を含み得る。投薬量は被験
体の体重に従って調節され得、例えば、投薬量は、約0.001mg/kg、約0.01
mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/k
g、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/k
g、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20m
g/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、またはそれ以上であり得る。投薬量は
個々の被験体に適切であるように、1日以上の過程で与えられる単一の1つ又は一連の2
つ以上であり得る。いくつかの実施形態では、化合物が約1週間以上(例えば、1週間、
2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、6週間、7週間、8週間、8週間、又はそれ
以上)、数週間、約1ヶ月以上(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6
ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上)、約1
年以上、又は複数年間、連続治療の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態にお
いて、小分子代謝産物(例えば、小分子代謝産物又は非常に長鎖の小分子代謝産物)、又
はその塩もしくは誘導体は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、又はそれ以上投与又
は摂取され得る。
【0194】
当業者には理解されるように、特定の状況では、対象を効果的に治療するために、上記
の好ましい用量範囲を超える量で本明細書に開示される化合物を投与することが必要であ
り得る。
【0195】
単位投薬形態、例えば、予め測定された量の組成物を有する個々のパッケージを、所定
のスケジュールでの投与のために構成することもできる。1日に1~3回の投与のために
構成された単位投薬形態が好ましい;しかし、特定の実施形態において、1日に3回以上
、又は1日に1回未満の投与のために単位投薬形態を構成することが所望され得る。
【0196】
投与量及び間隔は所定のパラメーター、指標、又はマーカー値、又は最小有効濃度(M
EC)を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するために、個々の被験者に調
節されてもよい。所望の結果を達成するために必要な用量は、個々の特徴及び投与経路に
依存する。しかし、アッセイ、例えば、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを使用して
、血清濃度を決定し得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が、例えば、米国特許
7,651,845;米国特許番号8,251,904;米国特許番号8,251,9
04;米国特許番号4,985,015;米国特許番号8,827,957;米国特許番
号4,252,159;米国特許番号5,318,521;米国特許番号4,718,4
30;米国特許番号9,713,600、米国特許番号9,707,199、米国特許番
号9,687,461、米国特許番号9,662,306、米国特許番号9,561,2
06、米国公開公報番号2011/01907、米国公開公報番号2017/02661
44, 米国公開公報番号2016/0324814、米国公開公報番号2016/019
5559, 米国公開公報番号2016/0195558、米国公開公報番号2016/0
193172, 2米国公開公報番号016/0193171、米国公開公報番号201
6/0193170、WO 2016/111843、DE2615061で提供される
ように、デバイス及びデバイスを使用する方法と併せて使用されてもよく、;及び、例え
ば、米国公開公報番号No.2012/0072236に提供されるような診断デバイス
と関連して用いられてもよい。前述の特許文献の各々の内容は、その全体が参照により本
明細書に組み込まれる。
診断とモニタリング
【0198】
炎症を含む、本明細書中に提供される状態の診断及びモニタリングのための方法が、本
明細書中に提供される。
【0199】
いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法が体液中の、本明細書に記載の
アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子及びビタミン、生体異物、又は脂質などの小分子
代謝産物のパーセンテージを測定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態
において、診断又はモニタリングの方法は、対象における炎症を含む、本明細書中に提供
される状態のマーカーを測定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態において、診断
又はモニタリングの方法は、慢性疾患の貧血のマーカーを測定する工程を含み得る。いく
つかの実施形態では、1つのマーカーと別のマーカーとの間の相関が有益であることが証
明され得る。いくつかの実施形態において、炎症又は関連する状態は赤血球沈降速度の閾
値レベル、例えば、血清小分子代謝産物又は血清超長鎖小分子代謝産物を参照することに
よって診断され得る。いくつかの実施形態では、炎症を含む本明細書で提供される状態が
状態のマーカーの閾値レベル、例えば、血清小分子代謝産物パーセンテージ、小分子代謝
産物の血清濃度、血清総小分子代謝産物、血清小分子代謝産物、血清総超長鎖小分子代謝
産物、又は2つの血清小分子代謝産物間の比率を参照することによって診断され得る。例
えば、閾値は、炎症を含む本明細書中に提供される状態の症状又はマーカーを参照するこ
とによって決定され得る。例えば、状態はメタボリックシンドロームであり得る。
【0200】
被験体における小分子代謝産物(例えば、小分子代謝産物又は非常に長鎖の小分子代謝
産物)、又は本明細書中に提供される状態のマーカー(炎症を含む)のパーセンテージは
、任意の手段によってモニターされ得る。分析のためのサンプルは、被験体の任意の流体
又は組織に由来し得る。例えば、血清、血漿、赤血球膜、尿及び糞からである。
【実施例0201】
例1
小分子代謝産物は、バイオマーカー、治療標的、天然サプリメント、又は治療薬として
働くことができる。最も有望な代謝産物は、1)血中で検出可能であること、2)症例集
団と対照集団との間に実証可能な差があること、3)介入により集中力を高める能力があ
ること、4)これらの濃度上昇が臨床的利益と相関していることが予想される。小分子代
謝産物バイオマーカー、治療標的、天然サプリメント、及び治療薬は、ボトルノースイル
カ集団からのサンプルを使用して、上記の4つの基準のうちの少なくとも3つを満たす代
謝産物を同定することによって発見され得ると仮定された。
【0202】
ボトルノースイルカ(Tursiops truncatus)はヒトに類似した加齢に関連する状態を発症
する大脳長寿哺乳類であり、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高インスリン血症、肝疾
患、鉄過剰(Venn-Watson S(2013))ボトルノースイルカ(Tursiops truncatus)にお
けるインスリン抵抗性とメタボリックシンドロームの血液ベースの指標を含む。フロンテ
ィアEndo 4:136, Venn-Watson S(2013)Bont-Watson S(Tursiops truncat
us)J Comp Clin Path DOI: 10.1007/s00580-013-1738-0, Ven
n-Watson S(2012)Hemochromatosis and fatty change: bottlenoseイルカ(Tursiops
truncatus)のインスリン抵抗性に関するビルディングエビデンス。J Zoo Wildlf Med 4
3:S35-S47, Venn-Watson S(2011) 健康で年長のボトルノースイルカ(Tur
siops truncatus)間の加齢の生理学:加齢ヒトとの比較。J Comp Phys B 181:667
-680, Venn-Watson S(2008) ボトルノースイルカ(Tursiops truncatus)集団に
おけるトランスアミナーゼ上昇の臨床的関連性。J Wildlf Dis 44: 318-330)
60年以上にわたり、米国海軍は約100人のイルカを世話してきた。野生のイルカの平
均寿命は20年であるが、海軍のイルカは平均32年で、野生のイルカよりも50%以上
長い。海軍イルカの約3分の1は30~50歳である。これらの個体群の年齢差のために
、海軍イルカは、フロリダ州サラソタ湾に住む野生イルカと比較して、より高い平均グル
コース、コレステロール、トリグリセリド、GGT、インスリン、鉄、及びフェリチンレ
ベルを有する。
【0203】
平均年齢の違いに加えて、海軍及び野生イルカは、異なる魚ベースの食餌を摂取する。
歴史的に、海軍イルカには、カペリンやイカなどの小型低脂肪種の食餌が与えられてきた
。サラソタ湾の野生イルカは、マレットやピンフィッシュなどの大型の高脂肪種を含む多
種多様な魚を摂取する。ナビーイルカに野生イルカに似た改良食を与えると、フェリチン
の低下やグルコース、インスリン、トリグリセリドの正常化など、加齢に伴う病態の臨床
指標が改善されることは、これまでに実証されている。
【0204】
26頭の海軍イルカの寿命を通して採取し、-80℃で保管した通常の絶食血清サンプ
ルを、世界的なメタボロミクス及び複雑な脂質プロファイリングのために提出した。サン
プルセットは各イルカの生後1年につき1つのサンプルを標的とし、対になった臨床病理
学データを有する研究のための355サンプルをもたらした。さらに、フロリダ州サラソ
タ湾に住む38匹の野生イルカからの単一血清サンプルをサンプルセットに含めた。
【0205】
海軍イルカは、生後直近の1年間(生存している場合)又は死亡前の1年間(死亡して
いる場合)に以下の基準の有無に基づいて分類された:グルコース上昇(95mg/dl
を超える)、コレステロール上昇(250mg/dlを超える)、トリグリセリド上昇(
137mg/dlを超える)、赤血球沈降速度上昇(19mm/hrを超える)、肝酵素
上昇(ALT、AST、又はGGT値がそれぞれ41、255、31 U/Lを超える)
、又は鉄上昇(300μg/dlを超える)を伴うルーチン及び空腹時の血液検体の少な
くとも50%以上。動物を、早期症例(基準の2つ又は3つの存在)、進行症例(3つ以
上の基準の存在)、及び対照(基準の1つ以下の存在)として分類した。野生イルカを第
2の対照群とみなした。
【0206】
血清サンプルを、全体的メタボロミクス及び複合脂質プロファイリングを用いて小分子
について分析した。簡単に述べると、血清抽出物を調製し、3つの方法:陽イオンモード
エレクトロスプレーイオン化(ESI)による超高速液体クロマトグラフィー-タンデム
質量分析(UPLC-MS/MS)、陰イオンモードESIによるUPLC-MS/MS
、及び親水性相互作用液体クロマトグラフィー(UPLC-MS/MS)を用いて分析し
た。
【0207】
情報システムは、研究所情報管理システム(LIMS)、データ抽出及びピーク識別ソ
フトウェア、QC及び化合物識別のためのデータ処理ツール、ならびにデータアナリスト
が使用するための情報解釈及び視覚化ツールの収集という4つの主要な構成要素から構成
された。これらの情報学コンポーネントのハードウェアとソフトウェアの基盤は、LAN
バックボーンと、Oracle 10.2.0.1エンタープライズ版を実行するデータ
ベース・サーバーであった。
【0208】
生データを抽出し、ピーク同定し、独自のハードウェア及びソフトウェアを用いてQC
処理した。化合物は、精製された標準又は再発性の未知の実体のライブラリーエントリー
との比較によって同定された。生化学的同定は、3つの基準:提案された同定の狭いRI
ウィンドウ内の保持指数、ライブラリー+/10ppmへの正確な質量一致、ならびに実
験データと真正標準との間のMS/MS順方向スコア及び逆方向スコアに基づいた。ピー
クは、曲線下面積を用いて定量した。データ正規化ステップを実施して、器具の日間調整
差から生じる変動を補正した。
【0209】
血清サンプルも複合脂質について分析した。簡単に述べると、内部標準の存在下でメタ
ノール:ジクロロメタン中のサンプルから脂質を抽出した。抽出物を窒素下で濃縮し、1
0mM酢酸アンモニウムジクロロメタン:メタノール(50:50)0.25mLに再構
成した。抽出物をインサートに移し、注入-MS分析のためにバイアルに入れ、ナノPE
EKチューブ及びSciex SelexIon-5500 QTRAPを用いてShimazdu LCで行った。
試料は、ポジティブ及びネガティブモードの両方のエレクトロスプレーを介して分析した
。5500 QTRAPスキャンは、合計1,100MRMを超えるMRMモードで実施
した。個々の脂質種を、標的化合物及びそれらに割り当てられた内部標準のピーク面積比
をとり、次いで、サンプルに添加された内部標準の濃度を乗じることによって定量した。
脂質クラス濃度はクラス内の全ての分子種の合計から計算し、小分子代謝産物組成は、個
々の小分子代謝産物に含まれる各クラスの割合を計算することによって決定した。
【0210】
いくつかの統計モデルを用いて、標的生化学物質を同定した。Welchの2試料試験
を実施して、海軍のイルカと野生のイルカとの間の代謝産物量を比較した。表1は、海軍
のイルカと比較して野生のイルカにおいて有意に高かった小分子代謝産物を要約する。
【表1】
【0211】
線形相関を用いて、特定の生化学物質と臨床病理学的指標、特にグルコース、好中球、
コレステロール、トリグリセリド、GGT、リンパ球、鉄、赤血球との関連性を検査した
。表2は、グルコース、好中球、コレステロール、トリグリセリド、GGT、リンパ球、
及び/又は鉄と負の相関;及び/又は赤血球と正の相関を示す小分子代謝産物をまとめた
ものである。
【表2】
【0212】
年齢区分の存在と各生化学物質との関連性は、疾患区分、年齢、混合疾患:年齢バイン
計算を考慮した二元配置ANOVA主効果を用いて評価した。表3は、動物試験集団にお
ける小分子代謝物に対する年齢、疾患、及び/又は年齢+疾患の有意な(P値≦0.05
)影響を要約したものである。
【表3】
例2
【0213】
ボトルノースイルカ(Tursiops truncatus)は、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、高イ
ンスリン血症、肝疾患、鉄過剰症など、ヒトに類似した加齢に関連する状態を発症する、
大脳長寿の哺乳類である。60年以上にわたり、米国海軍は約100人のイルカを世話し
てきた。野生のイルカの平均寿命は20年であるが、海軍のイルカは平均32年で、野生
のイルカよりも50%以上長い。海軍イルカの約3分の1は30~50歳である。これら
の個体群の年齢差のために、海軍イルカは、フロリダ州サラソタ湾に住む野生イルカと比
較して、より高い平均グルコース、コレステロール、トリグリセリド、GGT、インスリ
ン、鉄、及びフェリチンレベルを有する。MMPイルカにおけるこれらの病態の危険因子
として提唱されているものには、高齢及び食事(Venn-Watson S, Smith CR, Gomez F, Je
nsen ED(2011) 健康で高齢のボトルノースイルカ(Tursiops truncatus): 加齢ヒト
との比較を参照)がある。J Comp Phys B 181:667-680)食事性魚類の違い(
及び魚を主体とした食事の変化に伴う一定の小分子代謝産物の違い)が、貧血、高コレス
テロール血症、高インスリン血症など、寿命及び生活の質にマイナスの影響を及ぼす条件
を悪化させるリスクの原因となりうるという仮説を立てることができる。
【0214】
本研究では、20種類のMMPイルカ(「改変食」)において、改変魚食を介して血清
代謝産物を改変することによる貧血への影響を検討した。イルカはサンディエゴ湾内の網
で囲まれた囲いに住んでいた。20種の改変飼料イルカの飼料を、75%カペリン(イカ
、ニシン、又はサバの25%混合)ベースライン飼料から、同じキロカロリーを維持しな
がら、25%カペリン、50%マレット、及び25%イカ、ニシン、又はサバの混合から
なる飼料に改変した。採血日に、改変食餌イルカに、朝、日常の一晩絶食後及び食後2時
間、水中で、毎日の食餌の3分の1を与え、訓練された血液サンプルを採取した(典型的
には、午前10:00付近)。さらに10匹のMMPイルカ(「ベースライン食」)が、
試験期間を通じてベースラインのカペリン食餌で維持された。両群を比較したところ、年
齢、性別、体重に差はなかった(Table4)。
【0215】
表4は、改変食餌イルカとベースライン食餌イルカ間の血液ベースの臨床値の比較を提
供している。* =p値≦0.05。
【表4】
【0216】
ベースライン時(0ヵ月目)及び改変食への切り替え後の3時点:1ヵ月目、3ヵ月目
、6ヵ月目に、改変食餌療法群のイルカ及びベースライン食餌療法群のイルカから食後2
時間サンプルを採取した。ドルフィンについて、血清代謝物、コレステロール、インスリ
ン、及びヘマトクリット、濃厚赤血球容積、赤血球数、ヘモグロビン、及び赤血球分布を
含む貧血の指標の変化を評価した。
【0217】
血清代謝産物、ならびにコレステロール、インスリン、及びヘマトクリット、濃厚赤血
球容積、赤血球数、ヘモグロビン、及び赤血球分布を含む貧血の指標の変化を、1、3、
及び6ヵ月の間に試験イルカで比較し、反復Wilcoxon順位和検定を用いて0ヵ月
と比較した。改変飼料中イルカ及びベースライン飼料中イルカの臨床マーカーのアウトカ
ムを表4に示す。コレステロール、インスリン、及び貧血のすべての指標は、改良型ダイ
エットイルカでは1ヵ月目まで及び6ヵ月目までに改善した。ベースラインの飼料中イル
カに変化は確認されなかった。
図1において、低ヘマトクリットを有する個々の改変食餌
イルカは、改変食餌を与えられている間に貧血を解消したことが明らかである。
【0218】
本試験では、血清中の小分子代謝物濃度の上昇に成功し、有意な上昇が認められた(表
5)。ほとんどの場合、血清中代謝物濃度の上昇はベースライン(0ヵ月目)の1.1~
3.0倍であった。ほとんどの場合、食餌の1ヵ月目までに血清の有意な倍増が達成され
た。表5に、1ヵ月目に改変飼料群のイルカ間で有意に増加した血清中の小分子代謝物を
要約する。これに対して、1)1ヵ月目にベースライン飼料群のイルカ、2)0ヵ月目に
改変飼料群のイルカでは有意な増加が認められた。
【表5】
【0219】
改良食でのA群イルカの特定の小分子代謝産物の血清中濃度の上昇が実証されたことは
、コレステロールの低下、インスリンの低下、貧血の改善と相関していた(表6)。この
ように、これらのデータは特定の小分子代謝産物の血清濃度を上昇させると、コレステロ
ールが低下し、インスリンが低下し、貧血が解消されることを裏付けている。表6に、改
変食餌療法中のイルカで有意に増加し、実証された臨床的有益性、特にコレステロール低
下、インスリン低下及び/又は赤血球(RBC)上昇と相関した小分子代謝産物を要約す
る。
【表6】
【0220】
要約すると、イルカ試験の結果は1)食餌介入によって血清ベースの代謝産物を変化さ
せることができる、2)ほとんどの場合、血清中の代謝産物濃度はベースラインの1.1
~3倍に上昇し、介入前のレベル、3)特定の小分子代謝産物の血清濃度の上昇は、コレ
ステロールの低下、インスリンの低下、及び/又は貧血の軽減を含む実証された臨床的利
益と相関することを実証した。
検体採取・搬送
【0221】
血液をBD Vacutainer血清分離管(血清脂肪酸プロフィール用)に収集した。血清分離
管を、収集の30~60分以内に3000rpmで10分間遠心分離し、出荷まで処理中
に冷却した。血清をクライオバイアルに移し、ドライアイス上に出荷されるまで、参照研
究所への一晩の宅配便を介して-80℃で保存した。
検体分析
【0222】
赤血球数及びヘモグロビンを含む赤血球指数は、海軍医療センターサンディエゴが実施
した。ベータジン及びアルコールスワブを使用して、適切な無菌技術を使用してイルカの
吸虫の腹側を洗浄した。次いで、21g×3/4インチで血液を採取した。ルアーアダプ
タとバキュテイナーハブを備えた翼付き注入セット。次いで、7.2mgのEDTAを含
むBDバキュテイナー血液チューブをルアーアダプターに適用し、チューブからの真空を
使用して血液を排気した。次いで、血液を氷パック上で参照実験室に輸送した。4mlの
EDTAバキュテイナーを氷パック上で輸送し、サンディエゴのNaval Medical Centerに
よって分析した。自動化HCT、ヘモグロビン及び赤血球数を、製造者のプロトコールに
従ってSysmex XE-5000(Sysmex Canada Inc., Mississauga, Ontario)を使用して分
析した。自家充填細胞容量については、7.2mgのEDTAを含む4mLのBD Vacutai
nerチューブから全血を採取し、ヘパリン化マイラーラップ75MMヘマトクリットチュ
ーブを充填するために使用した。遠心分離中の漏れを防ぐために、粘土を一端に充填した
。ヘマトクリットチューブを封止したら、Thermo IEC MICRO-MB遠心分離機(Thermo Fish
er Scientific, Waltham, Ma. 02451)に入れた。血液サンプルを11,500rp
mで5分間回転させた。次に、ヘマトクリット管を取り出し、マイクロキャピラリーリー
ダーに入れて結果を決定した。
【0223】
血清サンプルを、全体的メタボロミクス及び複合脂質プロファイリングを用いて小分子
について分析した。簡単に述べると、血清抽出物を調製し、3つの方法:陽イオンモード
エレクトロスプレーイオン化(ESI)による超高速液体クロマトグラフィー-タンデム
質量分析(UPLC-MS/MS)、陰イオンモードESIによるUPLC-MS/MS
、及び親水性相互作用液体クロマトグラフィー(UPLC-MS/MS)を用いて分析し
た。
【0224】
情報システムは、研究所情報管理システム(LIMS)、データ抽出及びピーク識別ソ
フトウェア、QC及び化合物識別のためのデータ処理ツール、ならびにデータアナリスト
が使用するための情報解釈及び視覚化ツールの収集という4つの主要な構成要素から構成
された。これらの情報学コンポーネントのハードウェアとソフトウェアの基盤は、LAN
バックボーンと、Oracle 10.2.0.1エンタープライズ版を実行するデータ
ベース・サーバーであった。
【0225】
生データを抽出し、ピーク同定し、独自のハードウェア及びソフトウェアを用いてQC
処理した。化合物は、精製された標準又は再発性の未知の実体のライブラリーエントリー
との比較によって同定された。生化学的同定は、3つの基準:提案された同定の狭いRI
ウィンドウ内の保持指数、ライブラリー+/10ppmへの正確な質量一致、ならびに実
験データと真正標準との間のMS/MS順方向スコア及び逆方向スコアに基づいた。ピー
クは、曲線下面積を用いて定量した。データ正規化ステップを実施して、器具の日間調整
差から生じる変動を補正した。
【0226】
血清サンプルも複合脂質について分析した。簡単に述べると、内部標準の存在下でメタ
ノール:ジクロロメタン中のサンプルから脂質を抽出した。抽出物を窒素下で濃縮し、1
0mM酢酸アンモニウムジクロロメタン:メタノール(50:50)0.25mLに再構
成した。抽出物をインサートに移し、注入-MS分析のためにバイアルに入れ、ナノPE
EKチューブ及びSciex SelexIon-5500 QTRAPを用いてShimazdu LCで行った。
試料は、ポジティブ及びネガティブモードの両方のエレクトロスプレーを介して分析した
。5500 QTRAPスキャンは、合計1,100MRMを超えるMRMモードで実施
した。個々の脂質種を、標的化合物及びそれらに割り当てられた内部標準のピーク面積比
をとり、次いで、サンプルに添加された内部標準の濃度を乗じることによって定量した。
脂質クラス濃度はクラス内の全ての分子種の合計から計算し、小分子代謝産物組成は、個
々の小分子代謝産物に含まれる各クラスの割合を計算することによって決定した。
【0227】
統計解析は、World Programming Systemソフトウェア(World Programming Ltd., Hamps
hire, United Kingdom)を用いて行った。有意性は、0.05以下のP値として定義した
。1、3、6ヵ月目の赤血球指数値(ヘマトクリット値、赤血球濃厚液量、ヘモグロビン
値、赤血球数)及び血清中小分子代謝物濃度(総及び個体別クラス)を、改変飼料及びベ
ースライン飼料中イルカのいずれについても、0ヵ月目と比較し、ANOVA対比を用い
て比較した。
赤血球指数値
【0228】
6か月間にわたって改変食餌を与えたボトルノースイルカ(Tursiops truncatus)とベー
スライン食餌を与えた場合の赤血球指数値の比較。改変食餌は、上記の通りである。表7
(
図1にグラフで示す)は、改変食餌中の個々のイルカのヘマトクリットの改善に関する
データを提供する。
【表7】
【0229】
本明細書に記載の小分子(分子量900ダルトン未満と定義される)代謝産物は、食品
の摂取又は内因性産生のいずれかのために血清中に存在し得る。何千もの小分子代謝産物
を、イルカ及びヒトを含む動物の血清中で検出及び測定することができる。代謝産物の研
究であり、その生物学的に重要な役割であるメタボロミクスは、比較的新しい研究分野で
ある。ヒト集団において、複雑な食事、環境、遺伝学、及び長期投薬によって引き起こさ
れる代謝産物の存在する多数の代謝産物及び高い潜在的変動のため、最大のバイオマーカ
ー及び治療可能性を有する代謝産物を同定することは複雑であった。実施形態の方法を使
用する結果に基づいて、本明細書に記載される小分子代謝産物は生活の質及び寿命に影響
を及ぼす加齢に関連する状態を検出し、予防し、及び処置する際の重要な役割を果たし得
ることが提案され得る。
【0230】
これらの利点を利用するために、本明細書に記載の小分子代謝産物は、サプリメント、
医療用食品、食品添加物、食品強化剤、飲料添加物、飲料強化剤、又は医薬において、錠
剤、カプセル化丸剤、ゲルキャップ丸剤、液体懸濁剤、スプレー剤、及び粉末剤を含む任
意の形態で使用することができる。さらに、ヒト及び動物サンプル(血液(血清、血漿、
及び赤血球膜を含む)、尿、及び糞中の本明細書に記載の小分子代謝産物についての診断
試験及びアッセイを使用して、小分子代謝産物を検出し、患者における小分子代謝産物レ
ベルを継続的にモニターすることができる。小分子代謝産物の使用は、以下を予防、幹、
及び治療することができる:炎症、貧血、高血糖症、脂質異常症、高インスリン血症、肝
疾患、鉄過負荷、皮膚の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害
及び問題、ならびに胃腸障害及び問題、及び他の関連状態を含む、生活の質及び/又は寿
命に影響する加齢及び加齢に関連する状態。
【0231】
データは、炎症、コレステロール、トリグリセリド、グルコース、インスリン、肝酵素
、及び鉄を低下させ、貧血を治療又は減弱させる、本明細書に記載の高レベルの小分子代
謝産物に対する直接的な効果を実証する。
【0232】
データはベースライン血清レベルよりも1.1~6倍の範囲の用量依存的(すなわち、
直線的)濃度での小分子代謝産物の有益な活性を実証し、最も有益な効果は、血清レベル
の少なくとも4倍の増加によって検出される。これらの血清、血漿、細胞、又は組織レベ
ルを達成するための小分子代謝産物の投与は、観察された有益な効果を与えることが期待
される。
【0233】
加齢又は関連条件に関連するか、又は適用可能な方法及び組成物は以下の参考文献にお
いて議論され、これらはその全体が参照により本明細書中に援用される: Venn-Watson S
、Parry C、Baird M、Stevenson S、Carlin K、Daniels R、Smith CR、Jones R、Wells R
S、Ridgway S、Jensen ED(2015)フェリチンの減少及びイルカにおけるメタボリック
シンドロームの軽減に関連する飽和脂肪酸ヘプタデカン酸(C17:0)の食事摂取の増
加。PLOS ONE 10(7):e0132117, Collino S(2013)Metabolic signatur
es of extreme longevity in Northern Italian centenariansは、脂質、アミノ酸、及び
腸内微生物叢代謝の複雑なリモデリングを明らかにしている。PLOS ONE 8:e5656
4, Siming M(2015)Organization of mammalian metabolome according to organ fu
nction, lineage specialization, and longevity. Cell Metab 22:332-343,
Cheng(2015)Distinct metabolomic signaturesは、ヒトにおける寿命に関連する。Na
t Comm doi:10.1039/ncomms7791, Gonzalez-Covarrubias V(201
3) Lipidomics of familial longevity. Aging Cell 12:426-434, Montoliu
I(2014)Serum profiling of healthy agingは、ヒト寿命のマーカーとしてリン脂質
及びスフィンゴ脂質種を同定する。加齢6:9-25、ビタミンとカロリー制限の関数と
してのEvans C(2010)NAD+代謝産物レベル:寿命の異なる機構のエビデンス。BMC
Chem Biol 10:2, Gonzalez-Covarrubias V(2013) Lipidomics in longevity an
d healthy aging. Biogerontol 14:663-672, Kristal BS(200
5) Metabolomics: opening another window into aging. Sci Aging Know Environ 26
:pe19.。
例3
【0234】
本研究は、クオリティオブライフと寿命に影響し得る加齢の疾患に対する保護プロファ
イルを有するイルカ血清中で発見された小分子の活性を調べた。これらの分子を、Dis
coverXのBioMAP Diversity Plusプログラムの一部として、12のヒト一次細胞ベ
ースのシステムにわたって試験した。これらのシステムは、血管系、皮膚、肺、及び炎症
組織の複雑なヒト組織及び疾患生物学をモデル化するように設計される。この広範なパネ
ルにわたるバイオマーカー活性の定量的測定、ならびに公知の生物活性剤の生物活性の比
較分析を使用して、4つの化合物の効力及び機能を予測及び比較した。化合物を4つの濃
度(740nm及び2.2、6.7及び20μM)で試験した。
【0235】
BioMAPパネルは、in vitroフォーマットでヒト身体の異なる局面をモデ
ル化するように設計されたヒト一次細胞ベースのシステムからなる。Diversity
PLUSパネルの12のシステムは、様々なヒト疾患状態をモデル化するシステムの広
範なセットにわたって、偏りのない方法で試験薬剤の特徴付けを可能にする。BioMA
Pシステムはヒト組織又は病理学的状態で自然に生じる関連するシグナル伝達ネットワー
クを捕捉するために、刺激(サイトカイン又は増殖因子など)を加えた、健康なヒトドナ
ー由来の1つ以上の一次細胞型で構築される。血管生物学は動脈平滑筋細胞に特異的なT
h1炎症状態(CASM3C系)と同様に、Th1(3C系)とTh2(4H系)炎症環
境の両方でモデル化される。さらなる系は、単球駆動性Th1炎症(LPS系)又はT細
胞刺激(SAg系)、マクロファージ活性化により引き起こされる慢性Th1炎症(lM
phg系)及び胚中心(BT系)で起こるB細胞のT細胞依存性活性化を含む全身性免疫
応答の側面を再現する。BE3C系(Th1)とBF4T系(Th2)は肺の気道炎症を
表し、一方MyoF系は筋線維芽細胞-肺組織リモデリングをモデル化する。最後に、皮
膚生物学は、Th1皮膚炎症をモデリングするKF3CTシステム及び創傷治癒をモデリ
ングするHDF3CGFシステムで扱われている。
【0236】
各試験薬剤は、個々のシステム環境内でのタンパク質バイオマーカー読み出しの変化か
ら作成されるシグネチャBioMAPプロファイルを生成する。バイオマーカーの測定値
(1システムにつき7~17)は治療及び生物学的意義に応じて選択され、疾患の転帰又
は特定の薬剤の効果を予測し、既知の作用機序を有する薬剤(MoA)を用いて検証され
る。各読み出しは、タンパク質を検出する免疫ベースの方法(例えば、ELISA)又は
増殖及び生存率を測定する機能アッセイによって定量的に測定される。バイオMAPの読
みは多様であり、細胞表面受容体、サイトカイン、ケモカイン、マトリックス分子及び酵
素を含む。全体として、Diversity PLUSパネルは、特定のBioMAPシ
ステムの生理学的状況内で生じる生物学的変化を捕捉する148のバイオマーカー読み出
しを含む。特定BioMAP活性はインビボ生物学と相関しており、多様な生理学的系に
わたるMoA及び標的選択性に基づいて化合物を区別するために、マルチパラメータBi
oMAPプロフィールが使用されている。
【0237】
12の細胞系にわたって測定された148の疾患バイオマーカーに対するそれらの潜在
的な影響について試験された9つのイルカベースの分子の全ては、イルカモデルにおける
それらの防御プロフィールと一致する、炎症を模倣する種々の系にわたって活性を首尾よ
く実証した7つ(78%)。8つの化合物(4-ヒドロキシグルタミン酸、4-イミダゾ
ールアセテート、5-アミノバレレート、メチオニンスルホン、ホモシトリン、トランス
-4-ヒドロキシプロリン、γ-グルタミルグリシン、及び10-ウンデカノエート)は
、740nm~6.7μMの範囲の濃度で、T細胞駆動慢性炎症及び自己免疫疾患を模倣
するヒト細胞系におけるT細胞増殖を減少させた(
図2)。γ-グルタミルグリシン及び
10-ウンデカノエートはまた、この系において740nm、2.2μM、及び6.7μ
Mの濃度でCD40を低下させた(
図3)。
【0238】
試験した化合物の大部分(5-アミノバレレート、キサンツレネート、メチオニンスル
ホン、ホモシトルリン、γ-グルトミルグリシン、及び10-ウンデカノエート)は、T
細胞及び単球によって引き起こされる慢性炎症及び心血管疾患を模倣するヒト細胞系にお
けるプロスタグランジンE2(PGE2)の分泌を低下させた(
図4)。トランス-4-
ヒドロキシプロリン、γ-グルタミルグリシン、及び10-ウンデカノエートは、喘息、
自己免疫及びアレルギーを模倣するヒト細胞系においてインターロイキン17A(IL-
17A)を低下させた(
図5)。キサントレネートは、心血管炎症を模倣するヒト細胞系
においてIL-6を低下させた(
図6)。
【0239】
試験した9つの化合物のうち7つは、創傷治癒、リモデリング、線維症及び慢性炎症を
模倣するヒト細胞系において、デコリン(4-ヒドロキシグルタミン酸、5-アミノバレ
レート、メチオニンスルホン、trans-4-ヒドロキシプロリン及びγ-グルタミル
グリシン)又はインターロイキン8(IL-8)(キサントレネート及びホモシトルリン
)のいずれかの阻害活性を示した(
図7及び8)。
【0240】
要約すると、イルカの炎症及び加齢の他の疾患に対する保護プロフィールを有すること
が発見され、炎症を模倣するヒト細胞系でも試験された全ての分子は、In vitro
抗炎症活性を実証した。本研究は、イルカにおいて保護プロフィールを有する血清中で発
見された分子が加齢のヒトモデル疾患において臨床的に重要で有益な活性に効果的に翻訳
することを支持する。さらに、標的とされる特定の疾患に基づいて、異なるイルカ系化合
物を治療薬として選択することができる。一例として、選択された化合物についての標的
疾患及びメカニズムの一般的な要約を
図9の表に提供する。
例4
【0241】
我々のスクリーニングされた化合物が複数の加齢関連疾患に関連する活性を有すること
を実証するために、合成された化合物の選択されたサブセットを使用して、ヒト細胞に基
づく試験を完了した。概念の証拠として、イルカにおける炎症を低下させる際の予想され
る有効性に基づいて、本発明者らの化合物ライブラリーから14の化合物を選択した。こ
れらの化合物の純粋な合成形態を、種々の疾患状態を模倣する12の異なるヒト一次細胞
系を使用して、細胞ベースの活性(複数の加齢関連疾患及び寿命に影響を及ぼし得る疾患
に関連する)についてスクリーニングした(表8-ライブラリー中の選択された化合物を
スクリーニングするために使用される一次ヒト細胞系の説明)。
方法
【0242】
Diversity PLUSパネルは、様々なヒト疾患状態をモデル化するシステム
の広範なセットにわたって、偏りのない方法で試験薬剤の特徴付けを可能にする。これら
のシステムは、血管系、皮膚、肺、及び炎症組織の複雑なヒト組織及び疾患生物学をモデ
ル化するように設計される。この広範なパネルにわたる148のバイオマーカー活性の定
量的測定、ならびに公知の生物活性剤からの生物活性の比較分析を使用して、4つの濃度
(740nm及び2.2、6.7及び20μM)での各選択された化合物の効力及び機能
を予測及び比較した。
【0243】
BioMAPシステムはヒト組織又は病理学的状態で自然に生じる関連するシグナル伝
達ネットワークを捕捉するために、刺激(サイトカイン又は増殖因子など)を加えた、健
康なヒトドナー由来の1つ以上の一次細胞型で構築される。血管生物学は動脈平滑筋細胞
に特異的なTh1炎症状態(CASM3C系)と同様に、Th1(3C系)とTh2(4
H系)炎症環境の両方でモデル化される。さらなる系は、単球駆動性Th1炎症(LPS
系)又はT細胞刺激(SAg系)、マクロファージ活性化により引き起こされる慢性Th
1炎症(lMphg系)及び胚中心(BT系)で起こるB細胞のT細胞依存性活性化を含
む全身性免疫応答の側面を再現する。BE3C系(Th1)とBF4T系(Th2)は肺
の気道炎症を表し、一方MyoF系は筋線維芽細胞-肺組織リモデリングをモデル化する
。最後に、皮膚生物学は、Th1皮膚炎症をモデリングするKF3CTシステム及び創傷
治癒をモデリングするHDF3CGFシステムで扱われている。
【0244】
各試験薬剤は、個々のシステム環境内でのタンパク質バイオマーカー読み出しの変化か
ら作成されるシグネチャBioMAPプロファイルを生成する。バイオマーカーの測定値
(1システムにつき7~17)は治療及び生物学的意義に応じて選択され、疾患の転帰又
は特定の薬剤の効果を予測し、既知の作用機序を有する薬剤(MoA)を用いて検証され
る。各読み出しは、タンパク質を検出する免疫ベースの方法(例えば、ELISA)又は
増殖及び生存率を測定する機能アッセイによって定量的に測定される。バイオMAPの読
みは多様であり、細胞表面受容体、サイトカイン、ケモカイン、マトリックス分子及び酵
素を含む。全体として、Diversity PLUSパネルは、特定のBioMAPシステムの生理学
的状況内で生じる生物学的変化を捕捉する148のバイオマーカー読み出しを含む。特異
的BioMAP活性はインビボ生物学と相関しており、多様な生理学的系にわたるMoA
及び標的選択性に基づいて化合物を区別するために、マルチパラメータBioMAPプロ
フィールが使用されている。
【0245】
活性化BioMAP系を各化合物と24~72時間インキュベートした。活性化細胞系
からのタンパク質ベースのバイオマーカーを測定し、非処理対照系と比較した。バイオマ
ーカー活性は少なくとも1つの化合物濃度が有意エンベロープの外側にあり、20%を超
える効果サイズ(log10比)>0.1を有する場合に「有意」であると認められた。
BioMAPアッセイは現在、高インスリン血症、高血糖症、及び脂質異常症を含む代謝
性疾患をモデル化するための細胞系を有していない;したがって、これらのアッセイは化
合物の潜在的な抗炎症特性及び抗線維化特性を評価することに限定された。
【0246】
この研究に含まれる化合物は、複数の経路にわたる種々のアミノ酸、ペプチド及び脂質
を表した。具体的には、4-ヒドロキシグルタミン酸(アミノ酸、グルタミン酸代謝)、
4-イミダゾールアセテート(アミノ酸、ヒスチジン代謝)、5-アミノバレレート(ア
ミノ酸、リジン代謝)、キサンツレン酸(アミノ酸、トリプトファン代謝)、メチオニン
スルホン(アミノ酸、メチオニン代謝)、γ-グルタミルグリシン(ペプチド、γ-グル
タミルアミノ酸)、10-ウンデカン酸(脂質、脂肪酸代謝/アシルカルニチン)、1-
パルミトイル-2-アラキドノイル-GPC(16:0/20:4n6)(脂質、グリセ
ロホスファチジルコリン、N-アセチルヒスタミン(アミノ酸、ヒスチジン代謝)、10
-ヘプタノエート(脂質、長鎖脂肪酸)、ペンタデカン酸(脂質、長鎖脂肪酸)。
結果
【0247】
全ての化合物は、種々の加齢関連疾患を模倣する複数の細胞系にわたって、0.7~2
0μMの濃度の治療活性を首尾よく示した(表9:種々の加齢関連疾患を模倣する一次ヒ
ト細胞系における選択された化合物の治療活性)。Th1及びTh2型炎症、T細胞依存
性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性炎症、慢性
閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍
学、代謝疾患、臓器移植、乾癬、肺線維症、呼吸器感染症に対する肺反応、再狭窄、関節
リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス(SL
E)、潰瘍性大腸炎、及び血管炎症を代表とする我々の選択した化合物によってうまく減
弱された関連する細胞ベースの疾患系。選択された化合物によって標的化される疾患の要
約例が提供される(表10-ヒト一次細胞表現型プロファイリング活性データに基づいて
、選択された化合物によって標的化されるTh2型炎症又はT細胞依存性B細胞増殖を含
む疾患の例;表11-ヒト一次細胞表現型プロファイリング活性データに基づいて、選択
された化合物によって標的化されるTh1型炎症を含む疾患の例;表12-ヒト一次細胞
表現型プロファイリング活性データに基づいて、選択された化合物によって標的化される
疾患の例)。
【0248】
さらに、この研究の知見に基づいて、以下の因子によって引き起こされ又は悪化する疾
患が選択された化合物によって減弱又は治療される可能性がある:α平滑筋アクチン(α
SMA)、CD40、CD69、コラーゲンI、デコリン、e-セレクチン、エオタキシ
ン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-D
R)、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10/CXCL10)、インター
ロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-17A、
IL-17F、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプ
ロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γ
インターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI
-1),プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T又はB細胞増殖、
組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接
着分子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子2(VEGFR2)。
【0249】
要約すると、この調査は、イルカメタボロームにおいて同定され、加齢関連疾患に関連
する治療活性を有すると予測された複数の経路にわたるアミノ酸、脂質、及びペプチドを
含む複数の化合物が種々の疾患状態を模倣するヒト細胞系における疾患修飾活性を首尾よ
く実証したことを実証した。
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
例示的な組成物、使用、及び方法
【0250】
医薬組成物1:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態の治療又は改
善するための医薬組成物であって、寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する
状態は、炎症、貧血、高血糖症、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、皮膚の完全
性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題
、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己
免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反
応、線維症、血液学的腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、皮膚炎、肺線
維症、呼吸器感染症に対する肺の反応、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における
間質の生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α
平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオ
タキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HL
A-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CX
CL10)、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL
8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子
(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球
走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラ
スミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、
血清アミロイドA、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、
腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因
子2(VEGFR2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる又は
悪化する疾患からなる群から選択され、上記医薬組成物は、アミノ酸、ペプチド、炭水化
物、補因子、ビタミン、生体異物、脂質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れる1つ以上の化合物、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体、又はそのエ
ステル、ならびに薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【0251】
医薬組成物2:1つ以上の化合物がペンタデカノイルカルニチンである医薬組成物1。
【0252】
医薬組成物3:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型炎
症である医薬組成物2。
【0253】
医薬組成物4:Th1型炎症が肺炎症である医薬組成物3。
【0254】
医薬組成物5:Th1型炎症が慢性炎症である医薬組成物3。
【0255】
医薬組成物6:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が皮膚炎であ
る医薬組成物2。
【0256】
医薬組成物7:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が乾癬である
医薬組成物2。
【0257】
医薬組成物8:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が心血管疾患
である医薬組成物2。
【0258】
医薬組成物9:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾患
である医薬組成物2。
【0259】
医薬組成物10:線維性疾患が線維性肝疾患である医薬組成物9。
【0260】
医薬組成物11:線維性疾患が線維性肺疾患である医薬組成物9。
【0261】
医薬組成物12:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血であ
る医薬組成物2。
【0262】
医薬組成物13:1つ以上の化合物がメチオニンスルホンである医薬組成物1。
【0263】
医薬組成物14:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型
炎症である医薬組成物13。
【0264】
医薬組成物15:Th1型炎症が慢性炎症である医薬組成物14。
【0265】
医薬組成物16:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾
患である医薬組成物13。
【0266】
医薬組成物17:線維性疾患が線維性肝疾患である医薬組成物16。
【0267】
医薬組成物18:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血であ
る医薬組成物13。
【0268】
医薬組成物19:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高コレス
テロール血症である医薬組成物13。
【0269】
医薬組成物20:1つ以上の化合物がN-アセチルヒスタミンである医薬組成物1。
【0270】
医薬組成物21:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型
炎症である医薬組成物20。
【0271】
医薬組成物22:Th1型炎症が慢性炎症である医薬組成物21。
【0272】
医薬組成物23:Th1型炎症が肺炎症である医薬組成物21。
【0273】
医薬組成物24:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が、T細胞
依存性B細胞増殖を含む炎症性疾患である医薬組成物20。
【0274】
医薬組成物25:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh2型
炎症である医薬組成物20。
【0275】
医薬組成物26:Th2型炎症が肺炎症である医薬組成物25。
【0276】
医薬組成物27:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が心血管疾
患である医薬組成物20。
【0277】
医薬組成物28:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾
患である医薬組成物20。
【0278】
医薬組成物29:線維性疾患が線維性肝疾患である医薬組成物28。
【0279】
医薬組成物30:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血であ
る医薬組成物20。
【0280】
医薬組成物31:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高コレス
テロール血症である医薬組成物20。
【0281】
医薬組成物32:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が、高トリ
グリセリド血症である医薬組成物20。
【0282】
医薬組成物33:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高インス
リン血症である医薬組成物20。
【0283】
医薬組成物34:1つ以上の化合物がアミノ酸である医薬組成物1。
【0284】
医薬組成物35:アミノ酸が、2-メチルセリン、4-ヒドロキシグルタミン酸、N-
アセチル-アスパラギル-グルタミン酸、2-ピロリジノン、トランス-ウロカネート、
イミダゾールプロピオネート、1-リボシル-イミダゾールアセテート、5-イミダゾー
ルアセテート、N-アセチルヒスタミン、ヒダントイン5-プロリオン酸、5-ヒドロキ
シリジン、5-アミノバレレート、2-オキソアジピン酸、キサンチュレネート、メチオ
ニンスルホン、ホモシトリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、プロリル-ヒドロキ
シプロリン、グアニジノスクシネート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され
る、医薬組成物34。
【0285】
医薬組成物36:1つ以上の化合物がペプチドである医薬組成物1。
【0286】
医薬組成物37:ペプチドが、γ-グルタミルグルタミン、γ-グルタミルグリシン、
及びそれらの組合せからなる群から選択される、医薬組成物36。
【0287】
医薬組成物38:1つ以上の化合物が炭水化物である医薬組成物1。
【0288】
医薬組成物39:炭水化物がN6-カルボキシメチルリジンである医薬組成物38。
【0289】
医薬組成物40:1つ以上の化合物が補因子又はビタミンである医薬組成物1。
【0290】
医薬組成物41:補因子又はビタミンが、N1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキ
サミド、N1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミド、及びそれらの組み合わせか
らなる群より選択される、医薬組成物40。
【0291】
医薬組成物42:1つ以上の化合物が生体異物である医薬組成物1。
【0292】
医薬組成物43:生体異物が2,3-ジヒドロキシイソバレレートである医薬組成物4
2。
【0293】
医薬組成物44:1つ以上の化合物がモノヒドロキシ酸である医薬組成物1。
【0294】
医薬組成物45:モノヒドロキシ酸が、2-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシデ
カン酸、8-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシミリスチン酸、16-ヒドロキシパ
ルミチン酸、又はそれらの組合せからなる群から選択される、医薬組成物44。
【0295】
医薬組成物46:1つ以上の化合物が中鎖脂肪酸である医薬組成物1。
【0296】
医薬組成物47:中鎖脂肪酸が、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン
酸、10-ウンデカン酸、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬組成
物46。
【0297】
医薬組成物48:1つ以上の化合物が長鎖脂肪酸である医薬組成物1。
【0298】
医薬組成物49:長鎖脂肪酸が、ペンタデカン酸、マーガリン酸、10-ヘプタデカン
酸、10-ノナデカン酸、C20:0脂肪酸、C20:2脂肪酸、及びそれらの組み合わ
せからなる群より選択される、医薬組成物48。
【0299】
医薬組成物50:1つ以上の化合物が非常に長鎖の脂肪酸である医薬組成物1。
【0300】
医薬組成物51:非常に長鎖の脂肪酸が、C24:0脂肪酸、C24:1脂肪酸、及び
それらの組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物50。
【0301】
医薬組成物52:1つ以上の化合物が分岐鎖脂肪酸である医薬組成物1。
【0302】
医薬組成物53:分岐鎖脂肪酸が、メチルパルミチン酸、17-メチルステアリン酸、
22-ヒドロキシフィタン酸、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬
組成物52。
【0303】
医薬組成物54:1つ以上の化合物がジカルボン酸脂肪酸である医薬組成物1。
【0304】
医薬組成物55:ジカルボン酸脂肪酸が、ドデカンジオン酸、ドコサジオン酸、及びそ
れらの組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物54。
【0305】
医薬組成物56:1つ以上の化合物が脂肪酸代謝産物である医薬組成物1。
【0306】
医薬組成物57:脂肪酸代謝産物が、プロピオニルグリシン、リグノセルカルニチン、
セロチルカルニチン、N-パルミトイルグリシン、シス-4-デセノイルカルニチン、ベ
ヘノイルカルニチン、ペンタデカニルカルニチン、アラキドノイルコリン、及びこれらの
組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物56。
【0307】
医薬組成物58:1つ以上の化合物がホスファチジルコリンである医薬組成物1。
【0308】
医薬組成物59:ホスファチジルコリンが、1-ステアロイル-2-アラキドノイル-
GPC(18:0/20:4)、1-パルミトイル-2-アラキドノイル-GPC(16
:0/20:4n6)、PC(18:2/22:4)、PC(20:0/14:1)、PC
(20:0/20:3)、PC(20:0/22:4)、及びそれらの組み合わせからなる
群より選択される、医薬組成物58。
【0309】
医薬組成物60:1つ以上の化合物がホスファチジルエタノールアミンである医薬組成
物1。
【0310】
医薬組成物61:ホスファチジルエタノールアミンが、1-パルミトイル-2-アラキ
ドノイル-GPE(16:0/20:4)、1-ステアロイル-2-アラキドノイル-G
PE(18:0/20:4)、PE(16:0/16:0)、及びそれらの組み合わせか
らなる群より選択される、医薬組成物60。
【0311】
医薬組成物62:1つ以上の化合物がホスファチジルセリンである医薬組成物1。
【0312】
医薬組成物63:ホスファチジルセリンが1-ステアロイル-2-オレオイル-GPS
(18:0/18:1)である医薬組成物62。
【0313】
医薬組成物64:1つ以上の化合物がリゾリン脂質である医薬組成物1。
【0314】
医薬組成物65:リゾホスホリピドが、1-アラキドノイル-GPC(20:4n6)
、1-リグノセロイル-GPC(24:0)、1-アラキドノイル-GPE(20:4n6
)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬組成物64。
【0315】
医薬組成物66:1つ以上の化合物がプラスマロゲンである医薬組成物1。
【0316】
医薬組成物67:プラスマロゲンが、1-(1-エニル-パルミトイル)-2-アラキ
ドノイル-GPE(P-16:0/20:4)、1-(1-エニル-パルミトイル)-2
-オレオイル-GPC(P-16:0/18:1)、1-(1-エニル-パルミトイル)
-2-アラキドノイル-GPC(P-16:0/20:4)、1-(1-エニル-ステア
ロイル)-2-アラキドノイル-GPE(P-18:0/20:4)、及びそれらの組み
合わせからなる群より選択される、医薬組成物66。
【0317】
医薬組成物68:1つ以上の化合物がリソプラスマロゲンである医薬組成物1。
【0318】
医薬組成物69:リソプラスマロゲンが1-(1-エニル-パルミトイル)-GPC(
P-16:0)である医薬組成物68。
【0319】
医薬組成物70:1つ以上の化合物がモノアシルグリセロールである医薬組成物1。
【0320】
医薬組成物71:モノアシルグリセロールが、MAG(12:0)、MAG(17:0)
、MAG(20:0)、MAG(20:2)、1-アラキドニルグリセロール(20:4)
、1-ヘプタデセノイルグリセロール(17:1)、及びそれらの組み合わせからなる群
より選択される、医薬組成物70。
【0321】
医薬組成物72:1つ以上の化合物がジアシルグリセロールである医薬組成物1。
【0322】
医薬組成物73:ジアシルグリセロールがDAG(14:1/18:1)、ステアロイ
ル-アラキドノイル-グリセロール(18:0/20:4)、オレオイル-アラキドノイ
ル-グリセロール(18:1/20:4)、オレオイル-アラキドノイル-グリセロール
(18:1/20:4)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬組成
物72。
【0323】
医薬組成物74:1つ以上の化合物がスフィンゴミエリンである医薬組成物1。
【0324】
医薬組成物75:スフィンゴミエリンが、ステアロイルスフィンゴミエリン(d18:
1/18:0)、ベヘノイルスフィンゴミエリン(d18:1/22:0)、トリコサノ
イルスフィンゴミエリン(d18:1/23:0)、リグノセロイルスフィンゴミエリン
(d18:1/24:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/23:1)、スフィンゴ
ミエリン(d18:2/24:2)、スフィンゴミエリン(d17:1/16:0、d1
8:1/15:0、d16:1/17:0)、スフィンゴミエリン(d17:2/16:
0、d18:2/15:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/17:0、d17:1
/18:0、d19:1/16:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/19:0、d
19:1/18:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/21:0、d17:1/22
:0、d16:1/23:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/21:0、d16:
2/23:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/23:0、d18:1/23:1、
d17:1/24:1)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、医薬組成
物74。
【0325】
医薬組成物76:1つ以上の化合物がセラミドである医薬組成物1。
【0326】
医薬組成物77:セラミドが、CER(14:0)、HCER(26:1)、LCER(
26:0)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬組成物76。
【0327】
医薬組成物78:1つ以上の化合物がβ-スルフェニル誘導体である医薬組成物1。
【0328】
医薬組成物79:β-スルフェニル誘導体が、β-スルフェニル酸、β-スルフェニル
エステル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、医薬組成物78。
【0329】
医薬組成物80:1つ以上の化合物が脂質代謝産物である医薬組成物1。
【0330】
医薬組成物81:組成物が単位剤形である医薬組成物1~80のいずれか1つ。
【0331】
医薬組成物82:1kg体重当たり2.5mg~50mgの1つ以上の化合物又はその
薬学的に許容される塩の患者への投与のために構成される、医薬組成物1~81のいずれ
か1つ。
【0332】
医薬組成物83:1日1回の投与のために構成された医薬組成物1~82のいずれか一
つ。
【0333】
医薬組成物84:0.01mg~10000mgの1つ以上の化合物又はその薬学的に
許容される塩を含む、医薬組成物1~83のいずれか1つ。
【0334】
医薬組成物85:
寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態の治療又は改善するための医薬
組成物であって、寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態は、炎症、貧
血、高血糖症、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、皮膚の完全性の障害、創傷治
癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題、Th1型炎症、
T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステ
ロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液
学的腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、皮膚炎、肺線維症、呼吸器感染
症に対する肺の反応、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質の生物学、全
身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α平滑筋アクチン(
αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン3(CC
L26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫
グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CXCL10)、イン
ターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10
、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質
1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性
化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA
、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(
TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(VEGFR
2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる又は悪化する疾患から
なる群から選択され、上記医薬組成物は、1つ以上の小分子代謝物、又は薬学的に許容可
能な塩、溶媒和物、立体異性体、又はそのエステル、ならびに薬学的に許容可能な担体を
含む、医薬組成物。
【0335】
医薬組成物86:1つ以上の小分子代謝産物が、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因
子及びビタミン、生体異物、ならびに脂質からなる群より選択される、医薬組成物85。
【0336】
医薬組成物87:1つ以上の小分子代謝産物が1~10ナノモル又は1~10マイクロ
モルレベルの濃度で血清中で検出可能であり、<900ダルトンの小分子量を有し、5と
いうリピンスキーの法則を満たす、医薬組成物85又は86のいずれか1つ。
【0337】
使用88:炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、高トリグリセリド血症、皮膚の
完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び
問題、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、
自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮
膚反応、線維症、血液腫瘍学、代謝疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、皮膚
炎、肺線維症、再狭窄、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質生物学、全
身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α平滑筋アクチン(
αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン3(CC
L26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫
グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CXCL10)、イン
ターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10
、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質
1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性
化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA
、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(
TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(VEGFR
2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる又は悪化する疾患、の
治療又は予防のための医薬品の製造における、医薬組成物1~87の使用。
【0338】
使用89:使用88において、ここで、医薬組成物は、炎症、貧血、高血糖、脂質異常
症、肝疾患、高トリグリセリド血症、皮膚の完全性の障害、傷の治癒、瘢痕化、疼痛、ア
レルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増
殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞
性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、代謝性疾患、
心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、肺線維症、呼吸器感染に対する肺の反応を含む
炎症性疾患、T細胞依存性B細胞増殖、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コ
レステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚
反応、血液腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、肺線維症、呼
吸器感染症、再狭窄、関節リウマチ、腫瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス
(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α平滑筋アクチン(αSMA)、CD40
、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞
増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンG、インタ
ーフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CXCL10)、インターロイキン(IL)
-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10、IL-17F、ケラ
チン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプ
ロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γ
インターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI
-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T又はB細胞の増殖
、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞
接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(VEGFR2)からなる群から選
択される1つ以上の因子から引き起こされる又は悪化する疾患のマーカー又は症状を調節
するように構成されている。
【0339】
使用90:炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、高トリグリセリド血症、皮膚の
完全性の障害、傷の治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び
問題、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、
自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮
膚反応、線維症、血液腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、肺
線維症、呼吸器感染に対する肺の反応を含む炎症性疾患、T細胞依存性B細胞増殖、喘息
、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(CO
PD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、血液腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患
、臓器移植、乾癬、肝線維症、肺線維症、呼吸器感染症、再狭窄、関節リウマチ、腫瘍に
おける間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び
、α平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、
エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(
HLA-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/
CXCL10)、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CX
CL8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激
因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、
単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、
プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2
)、血清アミロイドA、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA
)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増
殖因子2(VEGFR2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる
又は悪化する疾患のマーカーは、1つ以上の小分子代謝産物の血清、血漿、細胞、又は組
織レベルからなる群から選択される、使用88~89のいずれか1つ。
【0340】
使用91:医薬組成物が、1つ以上の小分子代謝産物の血清、血漿、又は赤血球膜濃度
を、患者のベースライン濃度の1.1~6倍、及び/又は0.5μMを超え30μM未満
の濃度まで増加させるように構成される、使用88~90のいずれか1つ。
【0341】
方法92:加齢に関連する状態の治療又は予防方法であって、ここで、加齢に関連する
状態は、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、高トリグリセリド血症、皮膚の完全
性の障害、傷の治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題
、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己
免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反
応、線維症、血液腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、肝線維症、肺線維
症、呼吸器感染に対する肺の反応を含む炎症性疾患、T細胞依存性B細胞増殖、喘息、ア
テローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD
)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、血液腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓
器移植、乾癬、肝線維症、肺線維症、呼吸器感染症、再狭窄、関節リウマチ、腫瘍におけ
る間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α
平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオ
タキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HL
A-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CX
CL10)、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL
8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子
(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球
走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラ
スミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、
血清アミロイドA、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、
腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因
子2(VEGFR2)からなる群から選択され、上記方法は、それらを必要とする患者に
、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、脂質、及びこれらの組
合せからなる群から選択される1つ以上の化合物、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物
、立体異性体、もしくはそれらのエステルの有効量を投与することを含む方法。
【0342】
方法92:1つ以上の化合物がペンタデカノイルカルニチンである方法92。
【0343】
方法94:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型炎症で
ある方法93。
【0344】
方法95:Th1型炎症が肺炎症である方法94。
【0345】
方法96:Th1型炎症が慢性炎症である方法94。
【0346】
方法97:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が皮膚炎で方法9
3。
【0347】
方法98:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が乾癬である方法
93。
【0348】
方法99:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が心血管疾患で方
法93。
【0349】
方法100:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾患で
ある方法93。
【0350】
方法101:線維性疾患が線維性肝疾患である方法100。
【0351】
方法102:線維性疾患が線維性肺疾患である方法100。
【0352】
方法103:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血である方
法93。
【0353】
方法104:1つ以上の化合物がメチオニンスルホンである方法92。
【0354】
方法105:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型炎症
である方法104。
【0355】
方法106:Th1型炎症が慢性炎症である方法105。
【0356】
方法107:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾患で
ある方法104。
【0357】
方法108:線維性疾患が線維性肝疾患である方法107。
【0358】
方法109:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血である方
法104。
【0359】
方法110:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高コレステロ
ール血症である方法104。
【0360】
方法111:1つ以上の化合物がN-アセチルヒスタミンである方法92。
【0361】
方法112:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh1型炎症
である方法111。
【0362】
方法113:Th1型炎症が慢性炎症である方法112。
【0363】
方法114:Th1型炎症が肺炎症である方法112。
【0364】
方法115:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が、T細胞依存
性B細胞増殖を含む炎症性疾患で方法111。
【0365】
方法116:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態がTh2型炎症
である方法111。
【0366】
方法117:Th2型炎症が肺炎症である方法116。
【0367】
方法118:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が心血管疾患で
方法111。
【0368】
方法119:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が線維性疾患で
方法111。
【0369】
方法120:線維性疾患が線維性肝疾患である方法119。
【0370】
方法121:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が貧血で方法1
11。
【0371】
方法122:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高コレステロ
ール血症である方法111。
【0372】
方法123:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が、高トリグリ
セリド血症である方法111。
【0373】
方法124:寿命又は生活の質に負の影響を及ぼす加齢に関連する状態が高インスリン
血症である方法111。
【0374】
方法125:1つ以上の化合物がアミノ酸である方法92。
【0375】
方法126:アミノ酸が、2-メチルセリン、4-ヒドロキシグルタミン酸、N-アセ
チル-アスパラギル-グルタミン酸、2-ピロリジノン、トランス-ウロカネート、イミ
ダゾールプロピオネート、1-リボシル-イミダゾールアセテート、5-イミダゾールア
セテート、N-アセチルヒスタミン、ヒダントイン5-プロリオン酸、5-ヒドロキシリ
ジン、5-アミノバレレート、2-オキソアジピン酸、キサンチュレネート、メチオニン
スルホン、ホモシトリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、プロリル-ヒドロキシプ
ロリン、グアニジノスクシネート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
方法125。
【0376】
方法127:1つ以上の化合物がペプチドである方法92。
【0377】
方法128:ペプチドが、γ-グルタミルグルタミン、γ-グルタミルグリシン、及び
それらの組み合わせからなる群より選択される、方法127。
【0378】
方法129:1つ以上の化合物が炭水化物である方法92。
【0379】
方法130:炭水化物がN6-カルボキシメチルリジンである方法129。
【0380】
方法131:1つ以上の化合物が補因子又はビタミンである方法92。
【0381】
方法132:補因子又はビタミンが、N1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサミ
ド、N1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミド、及びそれらの組み合わせからな
る群より選択される、方法131。
【0382】
方法133:1つ以上の化合物が生体異物である方法92。
【0383】
方法134:生体異物が2,3-ジヒドロキシイソバレレートである方法133。
【0384】
方法135:1つ以上の化合物がモノヒドロキシ酸である方法92。
【0385】
方法136:モノヒドロキシ酸が、2-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシデカン
酸、8-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシミリスチン酸、16-ヒドロキシパルミ
チン酸、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、方法135。
【0386】
方法137:1つ以上の化合物が中鎖脂肪酸である方法92。
【0387】
方法138:中鎖脂肪酸が、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、
10-ウンデカン酸、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、方法137。
【0388】
方法139:1つ以上の化合物が長鎖脂肪酸である方法92。
【0389】
方法140:長鎖脂肪酸が、ペンタデカン酸、マーガリン酸、10-ヘプタデカン酸、
10-ノナデカン酸、C20:0脂肪酸、C20:2脂肪酸、及びそれらの組み合わせか
らなる群より選択される、方法139。
【0390】
方法141:1つ以上の化合物が非常に長鎖の脂肪酸である方法92。
【0391】
方法142:非常に長鎖の脂肪酸が、C24:0脂肪酸、C24:1脂肪酸、及びそれ
らの組み合わせからなる群から選択される、方法141。
【0392】
方法143:1つ以上の化合物が分岐鎖脂肪酸である方法92。
【0393】
方法144:分岐鎖脂肪酸が、メチルパルミチン酸、17-メチルステアリン酸、22
-ヒドロキシフィタン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法14
3。
【0394】
方法145:1つ以上の化合物がジカルボン酸脂肪酸である方法92。
【0395】
方法146:ジカルボン酸脂肪酸が、ドデカンジオン酸、ドコサジオン酸、及びそれら
の組み合わせからなる群から選択される、方法145。
【0396】
方法147:1つ以上の化合物が脂肪酸代謝産物である方法92。
【0397】
方法148:脂肪酸代謝の製品が、プロピオニルグリシン、リグノセロイルカルニチン
、セロトイルカルニチン、N-パルミトイルグリシン、cis-4-デセノイルカルニチ
ン、ベヘノイルカルニチン、ペンタデカノイルカルニチン、アラキドノイルコリン、及び
それらの組合せからなる群より選択される、方法147。
【0398】
方法149:1つ以上の化合物がホスファチジルコリンである方法92。
【0399】
方法150:ホスファチジルコリンが、1-ステアロイル-2-アラキドノイル-GP
C(18:0/20:4)、1-パルミトイル-2-アラキドノイル-GPC(16:0
/20:4n6)、PC(18:2/22:4)、PC(20:0/14:1)、PC(2
0:0/20:3)、PC(20:0/22:4)、及びそれらの組み合わせからなる群
より選択される、方法149。
【0400】
方法151:1つ以上の化合物がホスファチジルエタノールアミンである方法92。
【0401】
方法152:ホスファチジルエタノールアミンが、1-パルミトイル-2-アラキドノ
イル-GPE(16:0/20:4)、1-ステアロイル-2-アラキドノイル-GPE
(18:0/20:4)、PE(16:0/16:0)、及びそれらの組み合わせからな
る群より選択される、方法151。
【0402】
方法153:1つ以上の化合物がホスファチジルセリンである方法92。
【0403】
方法154:ホスファチジルセリンが1-ステアロイル-2-オレオイル-GPS(1
8:0/18:1)である方法153。
【0404】
方法155:1つ以上の化合物がリゾリン脂質である方法92。
【0405】
方法156:リゾホスホリピドが、1-アラキドノイル-GPC(20:4n6)、1
-リグノセロイル-GPC(24:0)、1-アラキドノイル-GPE(20:4n6)、
及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、方法155。
【0406】
方法157:1つ以上の化合物がプラスマロゲンである方法92。
【0407】
方法158:プラスマロゲンが、1-(1-エニル-パルミトイル)-2-アラキドノ
イル-GPE(P-16:0/20:4)、1-(1-エニル-パルミトイル)-2-オ
レオイル-GPC(P-16:0/18:1)、1-(1-エニル-パルミトイル)-2
-アラキドノイル-GPC(P-16:0/20:4)、1-(1-エニル-ステアロイ
ル)-2-アラキドノイル-GPE(P-18:0/20:4)、及びそれらの組み合わ
せからなる群より選択される、方法157。
【0408】
方法159:1つ以上の化合物がリソプラスマロゲンである方法92。
【0409】
方法160:リソプラスマロゲンが1-(1-エニル-パルミトイル)-GPC(P-
16:0)である方法159。
【0410】
方法161:1つ以上の化合物がモノアシルグリセロールである方法92。
【0411】
方法162:モノアシルグリセロールが、MAG(12:0)、MAG(17:0)、M
AG(20:0)、MAG(20:2)、1-アラキドニルグリセロール(20:4)、1
-ヘプタデセノイルグリセロール(17:1)、及びそれらの組み合わせからなる群より
選択される、方法161。
【0412】
方法163:1つ以上の化合物がジアシルグリセロールである方法92。
【0413】
方法164:ジアシルグリセロールがDAG(14:1/18:1)、ステアロイル-
アラキドノイル-グリセロール(18:0/20:4)、オレオイル-アラキドノイル-
グリセロール(18:1/20:4)、オレオイル-アラキドノイル-グリセロール(1
8:1/20:4)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される方法163。
【0414】
方法165:1つ以上の化合物がスフィンゴミエリンである方法92。
【0415】
方法166:スフィンゴミエリンが、ステアロイルスフィンゴミエリン(d18:1/
18:0)、ベヘノイルスフィンゴミエリン(d18:1/22:0)、トリコサノイル
スフィンゴミエリン(d18:1/23:0)、リグノセロイルスフィンゴミエリン(d
18:1/24:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/23:1)、スフィンゴミエ
リン(d18:2/24:2)、スフィンゴミエリン(d17:1/16:0、d18:
1/15:0、d16:1/17:0)、スフィンゴミエリン(d17:2/16:0、
d18:2/15:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/17:0、d17:1/1
8:0、d19:1/16:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/19:0、d19
:1/18:0)、スフィンゴミエリン(d18:1/21:0、d17:1/22:0
、d16:1/23:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/21:0、d16:2/
23:0)、スフィンゴミエリン(d18:2/23:0、d18:1/23:1、d1
7:1/24:1)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法165。
【0416】
方法167:1つ以上の化合物がセラミドである方法92。
【0417】
方法168:セラミドが、CER(14:0)、HCER(26:1)、LCER(26
:0)、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、方法167。
【0418】
方法169:1つ以上の化合物がβ-スルフェニル誘導体である方法92。
【0419】
方法170:β-スルフェニル誘導体が、β-スルフェニル酸、β-スルフェニルエス
テル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法169。
【0420】
方法171:1つ以上の化合物が脂質代謝産物である方法92。
【0421】
方法172:1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体
、又はエステルが、1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容さ
れる担体を含む単位剤形の医薬組成物として提供される、方法92~171のいずれか1
つ。
【0422】
方法173:単位剤形が、0.01mg~10000mgの1つ以上の化合物又はその
薬学的に許容される塩を含む、方法172。
【0423】
方法174:1つ以上の化合物がアミノ酸又は脂質である方法92。
【0424】
方法175:1つ以上の化合物が複数の異なる化合物を含む、方法92~174のいず
れか1つ。
【0425】
方法176:2.5mg~50mgの上記1つ以上の化合物又はその薬学的に許容され
る塩、溶媒和物、立体異性体、又はエステルを、体重1kg/日当たり患者に投与する、
方法92~175のいずれか1つ。
【0426】
方法177:1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体
、又はエステルが、1日1回患者に投与される、方法92~176のいずれか1つ。
【0427】
方法178:1つ以上の化合物の血清、血漿、赤血球、又は組織濃度が、患者のベース
ライン濃度の1.1~6倍、及び/又は0.5μMを超え30μM未満の濃度に増加する
、方法92~177のいずれか1つ。
【0428】
方法179:加齢に関連する状態の治療又は予防法であって、加齢に関連する状態は、
炎症、貧血、高血糖症、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、皮膚の完全性の障害
、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題、Th1
型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高
コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反応、線維
症、血液学的腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、皮膚炎、肺線維症、呼
吸器感染症に対する肺の反応、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質の生
物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α平滑筋ア
クチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン
3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR
)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CXCL10
)、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、I
L-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-C
SF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タ
ンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノー
ゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミ
ロイドA、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死
因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(V
EGFR2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる又は悪化する
疾患からなる群から選択され、上記方法は、それらを必要とする患者に、アミノ酸、ペプ
チド、炭水化物、補因子、ビタミン、生体異物、脂質、及びこれらの組合せからなる群か
ら選択される1つ以上の小分子代謝産物、又は薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異
性体、もしくはそれらのエステルの有効量を投与することを含む方法。
【0429】
方法180:1つ以上の小分子代謝産物が、アミノ酸、ペプチド、炭水化物、補因子及
びビタミン、生体異物、ならびに脂質からなる群より選択される、方法179。
【0430】
手法181:1つ以上の小分子代謝産物が1~10ナノモル又は1~10マイクロモル
レベルの濃度で血清中で検出可能であり、<900ダルトンの小分子量を有し、5という
リピンスキーの法則を満たす、手法179又は180のいずれか1つ。
【0431】
方法182:血清中の1つ以上の小分子代謝産物を検出することをさらに含む、方法1
79又は181のいずれか1つ。
【0432】
方法183:マーカー又は症状が調節され、マーカー又は症状が、炎症、貧血、高血糖
症、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、皮膚の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化
、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及び問題、Th1型炎症、T細胞依存
性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、高コレステロール血症
、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液学的腫瘍学
、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、皮膚炎、肺線維症、呼吸器感染症に対する
肺の反応、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質の生物学、全身性エリテ
マトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及び、α平滑筋アクチン(αSMA)
、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン、エオタキシン3(CCL26)、
線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリン
G、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10/CXCL10)、インターロイキ
ン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10、IL-1
7F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリック
スメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質1(MCP
-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子
1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T又はB
細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)
、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮増殖因子2(VEGFR2)からな
る群から選択される1つ以上の因子から引き起こされる又は悪化する疾患の症状からなる
群から選択される、方法92~182のいずれか1つ。
【0433】
方法184:炎症、貧血、高血糖症、高インスリン血症、高トリグリセリド血症、皮膚
の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃腸障害及
び問題、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、アテローム性動脈硬化症
、自己免疫、高コレステロール血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、組織損傷に対する
皮膚反応、線維症、血液学的腫瘍学、代謝性疾患、心血管疾患、臓器移植、乾癬、皮膚炎
、肺線維症、呼吸器感染症に対する肺の反応、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍に
おける間質の生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及
び、α平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンIII、デコリン
、エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ
(HLA-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導蛋白質10(IP-10
/CXCL10)、インターロイキン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(C
XCL8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺
激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9
、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)
、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE
2)、血清アミロイドA、T又はB細胞の増殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tP
A)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、及び血管内皮
増殖因子2(VEGFR2)からなる群から選択される1つ以上の因子から引き起こされ
る又は悪化する疾患のマーカーは、1つ以上の小分子代謝産物の血清、血漿、細胞、又は
組織レベルからなる群から選択される、方法183。
【0434】
方法184:1つ以上の小分子代謝産物の血清、血漿、又は赤血球膜濃度が、患者のベ
ースライン濃度の1.1~6倍の間で、及び/又は0.5μMを超え30μM未満の濃度
まで増加する、方法179~184のいずれか1つ。
【0435】
本開示は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図
示及び説明は例示的又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本開示
は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する変形は図面、開示
、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された開示を実施する際に当業者によ
って理解され、実施されることができる。
【0436】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ
る。本明細書に含まれる開示と矛盾する参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許
出願の範囲において、本明細書は、そのような矛盾する材料に取って代わる及び/又は優
先することが意図される。
【0437】
別段の定義がない限り、すべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は当業者にその
通常の慣習的意味及び慣習的意味を与えられるべきであり、本明細書において明示的に定
義されない限り、特別の又はカスタマイズされた意味に限定されない。本開示の特定の特
徴又は態様を説明するときの特定の用語の使用は、その用語が関連付けられる本開示の特
徴又は態様の任意の特定の特徴を含むように限定されるように本明細書で用語が再定義さ
れることを暗示すると解釈されるべきではないことに留意されたい。本願において使用さ
れる用語及び語句、ならびに、特に添付の特許請求の範囲において、別段の明示の記載が
ない限り、それらの変形は、限定するものではなく、公開されたものとして解釈されるべ
きである。前述の例として、「含む」という用語は「限定されるものではないが」等を意
味すると解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含む」等と同義であり、「含む
」、「含む」又は「特徴付けられる」と同義であり、「包含する」又は「特徴付けられる
」は追加の、非記載の要素又は方法ステップを排除するものではなく、「有する」という
用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含むが」という用語は「限定さ
れるものではない」と解釈されるべきであり、「例」という用語は論議中のアイテムの例
示的なインスタンスを提供するために使用され、そのリストを網羅的又は限定するもので
はなく、「既知の」、「通常の」、「標準の」等の形容詞及び同様の意味の用語は記載さ
れたアイテムを所与の期間又は所与の時間に利用可能なアイテムに限定するものと解釈さ
れるべきではなく、代わりに、利用可能な既知の、通常の、又は標準の技術を包含すると
解釈されるべきである。現在又は将来のいつでも知られているか、又はいつでも、「好ま
しくは」、「好ましい」、「望ましい」、又は「望ましい」という用語、及び同様の意味
の用語の使用は特定の特徴が本発明の構造又は機能にとって重要、本質的、又は重要であ
ることを暗示するものとして理解されるべきではなく、代わりに、本発明の特定の実施形
態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを単に意図したも
のとして理解されるべきである。同様に、用語「及び」にリンクされたアイテムのグルー
プはそれらのアイテムの各々及び全てがグループ内に存在することを要求するものとして
解釈されるべきではなく、むしろ、特に断らない限り、「及び/又は」として解釈される
べきである。同様に、用語「又は」にリンクされた項目のグループは、そのグループ間で
相互排他性を要求するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、特に断らない限り「
a及び/又は」として解釈されるべきである。
【0438】
以下の特許請求の範囲及び本開示の全体にわたって使用されるように、「から本質的に
なる」という語句は語句の後に列挙される任意の要素を含むことを意味し、列挙される要
素についての開示に指定される活動又は動作に干渉又は寄与しない他の要素に限定され、
したがって、「から本質的になる」という語句は列挙される要素が必要又は必須であるこ
とを示すが、他の要素は任意であり、列挙される要素の活動又は動作に影響を及ぼすか否
かに応じて存在しても存在しなくてもよい。
【0439】
ある範囲の値が提供される場合、上限及び下限、ならびにその範囲の上限及び下限の間
の各介在する値は、実施形態内に包含されることが理解される。
【0440】
本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は
文脈及び/又は用途に適切であるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へと
翻訳することができる。様々な単数/複数の置換は明確にするために、本明細書に明確に
記載されてもよい。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッ
サ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たす
ことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実
は、これらの手段の併用療法が有利に使用されることができないことを示すものではない
。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべ
きではない。
【0441】
特定の数の導入されたクレームの列挙が意図される場合、そのような意図はクレームに
明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当
業者によってさらに理解されるのであろう。例えば、理解の一助として、以下の特許請求
の範囲はクレームの記載を導入するための導入語句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」
の使用を含むことができるが、そのような語句の使用は当該導入されたクレームの記載を
含む特定のクレームの記載を、そのような記載を1つのみ含む実施形態に限定することを
意味すると解釈すべきではなく、同じクレームが「1つ以上」又は「少なくとも1つ」の
導入語句及び「A」又は「an」のような不明確な物品を含む場合であっても、クレーム
の記載を導入するために使用される特定の物品の使用についても同様である。さらに、導
入されたクレームの記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は
そのような記載が典型的には以下を意味すると解釈すべきであることを認識するのであろ
う。さらに、「A、B、C等の少なくとも1つ」と類似する慣例を用いる場合には当該慣
例を理解することが一般的に当業者が意図されている(例えば、「A、B、Cの少なくと
も1つ」はAのみ、Bのみ、Cのみ、A、Bのみ、AとB、AとCを一緒に、AとCを一
緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、B、Cと一緒に、及び/又はA、B、Cを一緒に
有するシステムを含むが、これらに限定されない)また、「A、B、Cの少なくとも1つ
」と類似する慣例を用いる場合には一般に、このような構造は当業者が理解するのであろ
うという意味で意図されている 「A、B、Cのうちの少なくとも1つを有するシステム
」(例えば、「Aのみ、Bのみ、C、AとB、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/
又はA、B、Cと一緒に、及び/又はB、Cと一緒に、及び/又はCなど)を含むが、こ
れらに限定されない。さらに、明細書、クレーム、又は図面において、これらのいずれか
の用語を含むことの可能性を理解すべきであり、例えば、「A」又は「B」の用語は「A
」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるのであろう。
【0442】
明細書に記載されている成分数、反応条件等の数値は全て「約」という言葉であらゆる
場合に変更されているものと理解されるため、記載されている数値が逆でない限り、求め
られる性質によって異なる近似値となる。最低限でも、本出願に対する優先権を主張する
いずれの出願においても、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく
、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の四捨五入手法に照らして解釈されるべき
である。
【0443】
さらに、上記は明確さ及び理解の目的のために、例示及び実施例によっていくらか詳細
に記載されているが、特定の変更及び修正が実施され得ることは当業者に明らかである。
したがって、説明及び実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載された特定の実施形態及
び実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び精神
に含まれるすべての修正及び代替を包含するものと解釈されるべきである。