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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095821
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】液体洗濯洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240703BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/20
C11D1/72
C11D1/68
C11D1/22
C11D1/14
C11D1/29
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024066186
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2022536600の分割
【原出願日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/089221
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】カオ、イージア
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ジァヤオ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC05
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB12
4H003EB22
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA12
4H003FA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】布地を処理するのに有用な、改善された悪臭制御効果を有する液体洗濯洗剤組成物を提供する。
【解決手段】液体洗濯洗剤組成物であって、(a)0.001重量%~5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであるヒンダードフェノール酸化防止剤と、(b)10重量%~40重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤と、(c)5重量%~30重量%の、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート及び0.1~5.0の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェートからなる群から選択される1種以上のアニオン性界面活性剤と、を含み、ここで、前記1種以上の非イオン性界面活性剤の前記1種以上のアニオン性界面活性剤に対する重量比が、1.5~8の範囲である、液体洗濯洗剤組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤組成物であって、
(a)0.001重量%~5重量%のヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(b)5重量%~60重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤と、
(c)1重量%~45重量%の1種以上のアニオン性界面活性剤と、
を含み、
ここで、前記1種以上の非イオン性界面活性剤の前記1種以上のアニオン性界面活性剤に対する重量比が、1~20の範囲である、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記1種以上の非イオン性界面活性剤の前記1種以上のアニオン性界面活性剤に対する重量比が、1.1~15、好ましくは1.2~10、より好ましくは1.5~8の範囲である、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、(a)少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位にある少なくとも1つのC~C22分枝鎖状アルキル、又は(b)少なくとも1つのフェノール性-OH基に対して各オルト位にある置換であって、前記置換が、独立して、ヒドロキシ、C~Cアルコキシ、C~C22直鎖状アルキル、及びそれらの組合せからなる群から選択される置換、を有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含み、前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、好ましくは、前記少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位にある少なくとも1つのC~C分枝鎖状アルキルを有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含み、前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、より好ましくは、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであり、及び前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、最も好ましくは、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステルである、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、0.005重量%~2重量%、好ましくは0.01重量%~1重量%、より好ましくは0.02重量%~0.5重量%の範囲の量で前記液体洗濯洗剤組成物中に存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記1種以上の非イオン性界面活性剤が、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びそれらの混合物からなる群から選択され、並びに好ましくは、前記1種以上の非イオン性界面活性剤が、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記1種以上の非イオン性界面活性剤が、8重量%~50重量%、好ましくは9重量%~45重量%、より好ましくは10重量%~40重量%の範囲の量で前記液体洗濯洗剤組成物中に存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記1種以上のアニオン性界面活性剤が、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルサルフェート、0.1~5.0の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエステルサルフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエステルスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルカルボキシレート、及びそれらの混合物からなる群から選択され、並びに好ましくは、前記1種以上のアニオン性界面活性剤が、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、及び0.1~5、好ましくは0.5~4、より好ましくは1~3の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェートを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記1種以上のアニオン性界面活性剤が、2重量%~30重量%、好ましくは3重量%~25重量%、より好ましくは5重量%~20重量%の範囲の量で前記液体洗濯洗剤組成物中に存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
9以下、好ましくは8.7以下、より好ましくは8.5以下のpH値を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
液体洗濯洗剤組成物であって、
(1)0.02重量%~0.5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステル及びその混合物からなる群から選択されるヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(2)10重量%~40重量%の、7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコール及びその混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤(NI)と、
(3)5重量%~20重量%の、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び1~3の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート(AES)と、
を含み、
NIのLAS+AESに対する重量比が、1.5~8の範囲である、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
布地を処理するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄組成物、具体的には、布地を処理するのに有用な、改善された悪臭制御効果を有する液体洗濯洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯洗浄方法は、布地から汚れ及び染みを除去するように設計されている。一部の汚れ及び染みは布地上で悪臭を発生させ得る。いくつかの例では、これらの悪臭は洗濯洗浄作業の後でさえも持続し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
総界面活性剤含有量を増加させることも、その環境「フットプリント」を拡大することもなく、改善された悪臭制御及び低減効果を伴う洗濯洗剤製品を提供することが、継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の驚くべき発見は、液体洗濯洗剤組成物が、特定の界面活性剤系、すなわち、比較的高いNI対AIの重量比で非イオン性(nonionic:NI)及びアニオン性(anionic:AI)界面活性剤の両方を含有するものと組み合わせてヒンダードフェノール酸化防止剤を使用する場合、得られる悪臭制御及び低減効果が、同じヒンダードフェノール酸化防止剤を含有するが異なる界面活性剤系中(例えば、より低いNI対AI重量比で)に含有する液体洗濯洗剤組成物と比較して、更に改善されることである。更に、本発明の液体洗濯洗剤組成物中のヒンダードフェノール酸化防止剤の存在は、そのような組成物からの香料放出を更に改善し得る。
【0005】
一態様において、本発明は、
(a)約0.001重量%~約5重量%のヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(b)約5重量%~約60重量%の1種以上の非イオン性(NI)界面活性剤と、
(c)約1重量%~約45重量%の1種以上のアニオン性(AI)界面活性剤と、
を含むが、
一方で、NI対AI重量比が、1~20の範囲である、液体洗濯洗剤組成物に関する。
【0006】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
(1)約0.02重量%~約0.5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステル及びその混合物からなる群から選択されるヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(2)約10重量%~約40重量%の、約7~約10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコール及びその混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤(NI)と、
(3)約5重量%~約20重量%の、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び約1~約3の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート(AES)と、
を含み、
NIのLAS+AESに対する重量比が、約1.5~約8の範囲である、液体洗濯洗剤組成物に関する。
【0007】
本発明はまた、布地を処理するための上述の液体洗濯洗剤組成物の使用にも関し得る。
【0008】
本発明のこれらの特徴及びその他の特徴は、以下の詳細な説明を添付の特許請求の範囲と併せて検討することで当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するところの「a」及び「an」なる冠詞は、特許請求の範囲において使用される場合、特許請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するところの「comprising(含む)」、「comprises(含む)」、「include(含む)」、「includes(含む)」及び「including(含む)」なる用語は、非限定的であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するところの「substantially free of(~を実質的に含まない)」又は「substantially free from(~を実質的に含まない)」なる用語は、示される物質が、約5重量%以下、好ましくは約2%重量以下、より好ましくは約1重量%以下の量で存在することを意味する。
【0012】
本明細書で使用するところの「essentially free of(~を本質的に含まない)」又は「essentially free from(~を本質的に含まない)」なる用語は、示される物質が極めて少量であり、組成物に意図的に添加されたものでなく、又は好ましくは、そのような組成物中に分析によって検出可能な濃度で存在しないことを意味する。示される物質がかかる組成物に意図的に添加された物質のうちの1種以上の不純物としてのみ存在するような組成物が含まれ得る。
【0013】
本明細書で使用するところの「液体」なる用語は、25℃及び20秒-1の剪断速度における粘度が、約1~約2000mPasである流体のことを指す。いくつかの実施形態では、液体の粘度は、25℃、20秒-の剪断速度で、約200~約1000mPasの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、液体の粘度は、25℃、20秒-の剪断速度で、約200~約500mPasの範囲であってもよい。
【0014】
特に記載のない限り、本明細書で使用するとき、用語「分子量」は、ポリマー組成物中のポリマー鎖の重量平均分子量(MWw)を指し、以下の式を用いて計算することができる。
MWw=(Σi Ni Mi)/(Σi Ni Mi)
式中、Niは、分子量Miを有する分子の数である。
【0015】
特に記載のない限り、本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、直鎖状又は分枝鎖状、置換又は非置換であり得るヒドロカルビル部分を意味する。
【0016】
本明細書で使用するところの「ヒドロカルビル」なる用語は、炭素原子及び水素原子で構成された任意の有機単位又は部分として本明細書では定義される。「ヒドロカルビル」の定義に含まれるものとして、芳香族(アリール)及び非芳香族炭素環がある。ヒドロカルビルという用語には、ヘテロ環が更に含まれる。「ヘテロ環」なる用語には、芳香族(ヘテロアリール)及び非芳香族のヘテロ環の両方が含まれる。
【0017】
本明細書における全ての温度は、別途指示のない限り、摂氏(℃)である。特に記載のない限り、本明細書における全ての測定は、25℃及び大気圧下で実施される。本発明の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0018】
本出願の試験方法の項に開示される試験方法を用いて、本明細書において説明されかつ特許請求される本出願者らの発明のパラメータのそれぞれの値が測定されなければならない点が理解されよう。
【0019】
ヒンダードフェノール酸化防止剤
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは、処理液中で少なくとも25ppb、より好ましくは少なくとも100ppb、更により好ましくは少なくとも250ppb、更により好ましくは少なくとも500ppb、最も好ましくは少なくとも1000ppbの酸化防止剤濃度を提供するのに充分な量で、少なくとも1種のヒンダードフェノール酸化防止剤を含有する。理論に拘束されることを望むものではないが、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、特に、本開示にかかる比較的高い含有量の非イオン性界面活性剤を有する界面活性剤系と組み合わせて、液体洗濯洗剤組成物の悪臭制御性能を改善するのに役立ち得るものと考えられる。
【0020】
本明細書で使用するところの「ヒンダードフェノール」という用語は、少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位にある置換基を有するフェノール基を含む、化合物を指すために使用される。好ましくは、本発明で使用されるヒンダードフェノール酸化防止剤は、(a)当該少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位にある少なくとも1つのC~C22分枝鎖状アルキルを有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含み、又は(b)少なくとも1つのフェノール性-OH基に対して各オルト位にある置換であって、当該置換が、独立して、ヒドロキシ、C~Cアルコキシ、C~C22直鎖状アルキル、及びそれらの組合せからなる群から選択される置換、を有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含む。
【0021】
そのようなヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール(ヒドロキシブチル化トルエン又は「BHT」としても知られる);2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、オクタデシルエステル、2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’-メチレンビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’,4’’-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(メチレン)]トリス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール];N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシルエステル;P-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルホスホン酸、ジエチルエステル;1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;3,5-ビス(1,1-5ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[1,2-エタンジイルビス(オキシ-2,1-エタンジイル)]エステル;4-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(チオジ-2,1-エタンジイル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2,2-ジメチル-2,1-エタンジイル)]エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-b-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-4-ヒドロキシ-b-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,2-エタンジイル)エステル;2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸、1,3-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル;3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-4,8,12-トリメチルトリデシル]-(2R)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;2,6-ジメチルフェノール;2,3,5-トリメチル-1,4-ベンゼンジオール;2,4,6-トリメチルフェノール;2,3,6-トリメチルフェノール;4,4’-(1-メチルエチリデン)-ビス[2,6-ジメチルフェノール];1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;4,4’-メチレンビス[2,6-ジメチルフェノール];及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0022】
追加の酸化防止剤が用いられてもよい。使用するのに好適な追加の酸化防止剤の例としては、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール、エトキシキン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸及びその塩、並びにこれらの混合物からなる群が挙げられるが、これらに限定されない。エトキシキン(1,2-ジヒドロ-6-エトキシ-2,2,4-トリメチルキノリン)は、Raschig(商標)カンパニーによりRaluquin(商標)という名称で販売されていることに留意されたい。組成物に使用され得る酸化防止剤の他の種類は、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(Trolox(商標))及び1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(Proxel GXL(商標))である。トコフェロールソルベート、ブチル化ヒドロキシル安息香酸及びその塩、没食子酸及びそのアルキルエステル、尿酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、並びにジヒドロキシフマル酸及びその塩などの酸化防止剤も有用な場合がある。他の有用な酸化防止剤としては、ガロタンニン、エラジタンニン、複合タンニン、縮合型タンニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンニンなどの、タンニンを挙げることができる。
【0023】
好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、当該少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位にある少なくとも1つのC~C分枝鎖状アルキルを有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含む。例えば、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール(BHT)であってもよい。
【0024】
より好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであり、最も好ましくは、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステルである。3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸の市販されているC~C22直鎖状アルキルエステルとしては、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステルであるRaschig USA(Texas、アメリカ)のRALOX(登録商標)、及び、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のオクタデシルエステルであるBASF(Ludwigshafen、ドイツ)のTINOGARD(登録商標)が挙げられる。
【0025】
また、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、アミンに関連する場合がある黄変を低減することにも役立ち得るので、アミンを比較的高濃度で配合することが可能になる。この点において、非黄変ヒンダードフェノール酸化防止剤を使用することが好ましい場合がある。消費者体験において知覚可能な負の属性(例えば、布地への黄色副生成物の付着など)につながり得るため、黄色副生成物を形成する酸化防止剤は望ましくない。当業者は、使用する酸化防止剤の選択に関して情報を得た上で決定を行うことができる。更に、
【0026】
上記ヒンダードフェノール酸化防止剤は、本発明の液体洗濯洗剤組成物中に、約0.001重量%~約5重量%、好ましくは約0.005重量%~約2重量%、より好ましくは約0.01重量%~約1重量%、最も好ましくは約0.02重量%~約0.5重量%の範囲の量で存在し得る。
【0027】
特に好ましい実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、約0.02重量%~約0.5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステルを含有する。
【0028】
界面活性剤系
上記のヒンダードフェノール酸化防止剤に加えて、本発明の液体洗濯洗剤組成物はまた、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の界面活性剤を含む界面活性剤系も含む。そのような液体洗濯洗剤組成物の総界面活性剤含量は、当該組成物の総重量の約10%~約90%、好ましくは約10%~約80%、より好ましくは約15%~約60%の範囲であってよい。
【0029】
液体洗濯洗剤組成物の界面活性剤系が、非イオン性(NI)界面活性剤及びアニオン性(AI)界面活性剤の両方を、約1~約20、好ましくは約1.1~約15、より好ましくは約1.2~約10、最も好ましくは約1.5~約8の範囲の特定のNI対AI重量比で含むことが、本発明の重要な特徴である。液体洗濯洗剤組成物中のNI界面活性剤及びAI界面活性剤の総量は、約6重量%~約90重量%、好ましくは約10重量%~約80重量%、より好ましくは約12重量%~約60重量%の範囲であってもよい。
【0030】
本発明の液体洗濯洗剤組成物に含まれ得る非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドなどが挙げられるがこれらに限定されない、任意の従来の非イオン性界面活性剤であってよい。好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、RはC~C18アルキル基又はアルキルフェニル基であり、nは約1~約80である)のものである。特に好ましいのは、Shellから市販されているNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などの、約1~約20、好ましくは約5~約15、より好ましくは約7~約10の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコールである。
【0031】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得るC~C12アルキルフェノールアルコキシレート;C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標)(BASF)など);C14~C22中鎖分岐鎖アルコール(branched alcohol、BA);C14~C22中鎖分岐鎖アルキルアルコキシレート、BAE(式中、xは1~30である);アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0032】
非イオン性界面活性剤は、本発明の液体洗濯洗剤組成物中に、約5重量%~約60重量%、好ましくは約8重量%~約50重量%、より好ましくは約9重量%~約45重量%、最も好ましくは約10重量%~約40重量%の範囲の濃度で提供され得る。特に好ましい一実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、約10重量%~約40重量%の、約7~約10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコールを含有する。
【0033】
本発明の液体洗濯洗剤組成物に使用されるアニオン性界面活性剤は、好ましくは、分子構造中に約10~約20個の炭素原子及びスルホン酸/ホスホン酸又は硫酸/リン酸エステル基を含有するアルキル基(アシル基のアルキル部分は用語「アルキル」に含まれる)を有する有機スルホン酸反応生成物の、水溶性塩、好ましくはアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩などの非石鹸合成アニオン性界面活性剤である。好適な合成アニオン性界面活性剤の例としては、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルサルフェート、0.1~5.0の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエステルサルフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエステルスルホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスフェート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスホネート、C10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルカルボキシレート、並びにこれらの組み合わせ(これらのナトリウム塩、カリウム塩、及び/又はアンモニウム塩を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本発明の実施に特に好ましいのは、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、及び約0.1~約5、好ましくは約0.5~約4、より好ましくは約1~約3の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート(AES)を含有する、アニオン性界面活性剤である。本発明の特に好ましい実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、LAS及びAESの両方を含む。
【0035】
アニオン性界面活性剤は、本発明の液体洗濯洗剤組成物中に、約1重量%~約45重量%、より好ましくは約2重量%~約30重量%、より好ましくは約3重量%~約25重量%、最も好ましくは約5重量%~約20重量%の範囲の濃度で提供され得る。特に好ましい一実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、約5重量%~約20重量%のLAS及びAESを含有し、一方でAESは、約1~約3の範囲の重量平均エトキシル化度を有する。LASとAESとの重量比は、好ましくは、1:2~8:1、好ましくは1:1~5:1、より好ましくは1.5:1~4:1の範囲である。最も好ましくは、NI対(LAS+AES)の重量比は、約1.5~約8の範囲である。
【0036】
本明細書において有用な他の界面活性剤としては、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。そのような界面活性剤は、洗濯洗剤において使用されることが周知であり、典型的には、0.1重量%、0.2重量%、又は0.5重量%~約5重量%、10重量%、又は20重量%の濃度で存在する。
【0037】
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、約0.2重量%~約10重量%の、1種以上の両性及び/又は双性イオン性界面活性剤を更に含有する。
【0038】
好ましい両性界面活性剤は、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドのようなアミンオキシド界面活性剤からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖状又は中鎖分岐状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖状アミンオキシドは、式R-N(R)(R)-Oを特徴歳、式中、RはC8-18アルキルであり、R及びRは、独立して、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピルなどの、C1~3アルキル及びC1~3ヒドロキシアルキルからなる群から選択される。本明細書で使用するとき、「中鎖分枝鎖状」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からα炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2の総和は、約10~約24個、好ましくは約12~約20個、より好ましくは約10~約16個の炭素原子である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるように、1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分枝の炭素原子数(n2)とおよそ同じでなければならない。本明細書で使用するとき、「対称」とは、本明細書で使用される中鎖分枝鎖状アミンオキシドの少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75重量%~約100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。特に好ましい両性界面活性剤は、C10~C14アルキルジメチルアミンオキシドである。
【0039】
好ましい双性イオン性界面活性剤は、ベタイン界面活性剤、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(スルタインとも呼ばれる)、並びにホスホベタインなどである。特に好ましいベタインは、ココアミドプロピルベタインである。
【0040】
高級脂肪酸、すなわち「石鹸」の水溶性塩もまた、本発明の液体洗濯洗剤組成物において有用なアニオン性界面活性剤であるが、本発明でNI対AI重量比を計算する際に、そのような石鹸は考慮されない。好適な石鹸としては、約8~約24個の炭素原子、好ましくは約12~約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、及びアルキルアンモニウム塩など)が挙げられる。石鹸は、油脂の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって作製することができる。特に有用なものは、ココナッツ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウムタロー及びココナッツ石鹸である。しかしながら、本発明の液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは、例えば、約6重量%以下、より好ましくは約2重量%又は1重量%以下の比較的低い濃度で石鹸を含有し、最も好ましくは、当該液体洗濯洗剤組成物は、石鹸を実質的に又は本質的に含まない。
【0041】
液体洗濯洗剤組成物
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、布地の自動機械洗浄若しくは手洗い、又は例えば、漂白剤、すすぎ助剤、添加剤、若しくは前処理タイプなどの洗浄助剤を含む布地洗浄用途に好適である。
【0042】
液体洗濯洗剤組成物は、完全に製剤化された洗濯洗剤製品であり得る。封入された及び/又は単位化された用量製品に含有される液体組成物が、2つ以上の別個であるが一緒に分注可能な部分を含む組成物のように含まれる。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、水性キャリアとして水を含有し、キャリアとして水単独又は有機溶媒と水との混合物のいずれを含有していてもよい。好適な有機溶媒は、直鎖状又は分枝鎖状の低級C~Cアルコール、ジオール、グリセロール、又はグリコール;C~Cアルカノールアミンなどの低級アミン溶媒、及びこれらの混合物である。代表的な有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、エタノール、グリセロール、モノエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。キャリアは、典型的には、液体洗濯洗剤組成物の総重量の約0.1%~約98%、好ましくは約10%~約95%、より好ましくは約25%~約75%の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、水は、キャリアの約85~約100重量%である。他の実施形態では、水は存在せず、組成物は無水である。本発明により得られる非常に好ましい組成物は、透明な等方性の液体である。
【0043】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、約1~約2000センチポアズ(1~2000mPa・s)、又は約200~約800センチポアズ(200~800mPa・s)の粘度を有する。粘度は、ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを使用し、60RPM/sで、25℃にて測定して決定することができる。
【0044】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、9以下、好ましくは8.7以下、より好ましくは8.5以下のpH値を特徴とすることが好ましい。そのようなpH値は、液体洗濯洗剤組成物をニートな(すなわち、未希釈)生成物として用いることで測定される。液体洗濯洗剤組成物のpH値が高すぎる場合、ヒンダードフェノール酸化防止剤が脱安定化されて、組成物の望ましくない色変化をもたらし得る黄色の副生成物が生じ得る。
【0045】
上記成分に加えて、本発明の液体洗濯組成物は、外部構造化剤を含んでいてもよく、この外部構造剤は、組成物の総重量の約0.001%~約1.0%、好ましくは約0.05%~約0.5%、より好ましくは約0.1%~約0.3%の範囲の量で存在し得る。本発明の実施に特に好ましい外部構造化剤は、トリヒドロキシルステアリンとも呼ばれ、Thixin(登録商標)の商標名で市販されている硬化ヒマシ油である。
【0046】
上記成分に加えて、本発明の液体洗濯洗浄組成物の残部は、典型的には、約5重量%~約70重量%、又は約10重量%~約60重量%の補助成分を含有する。洗濯洗剤製品に好適な補助成分としては、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、レオロジー変性剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光漂白剤、構造伸縮性付与剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、色相剤、抗菌剤、香料(未希釈香料油及び/又は香料マイクロカプセルを含む)、並びに/又は顔料が挙げられる。液体洗濯洗剤組成物中におけるこれら補助成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の具体的な種類、及び組成物が使用される洗浄作業の性質などの要因によって決まる。
【0047】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、任意の好適な方法によって形成され得る。例えば、上述の成分を同時に又は順次混合することによって形成することができる。好ましい実施形態では、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、ヒンダードフェノール酸化防止剤を乳化剤と混合することによって形成される、乳化した予混合物の一部として添加される。更に、ヒンダードフェノール酸化防止剤を安定化し、これを製造方法の最中にアルカリ度に対して保護するためには、少量の弱酸を予混合物へ添加することが望ましい。
【0048】
液体洗濯洗剤組成物の使用方法
一態様では、本発明は、布地を処理するための上記液体洗濯洗剤組成物の使用方法であって、(i)上記の液体洗濯洗剤組成物を提供する工程と、(ii)液体洗濯洗剤組成物を水で希釈することによって洗濯液を形成する工程と、(iii)洗濯液中で布地を洗浄する工程と、(iv)布地を水ですすぐ工程と、を含む方法を目的とする。
【0049】
機械洗濯法は、有効量の本発明による液体洗濯用洗浄組成物がその中に溶解又は分注されている縦型又はドラム型の自動又は半自動洗濯機内で、汚れた布地を水性洗浄溶液で処理することを含み得る。「有効量」の液体洗濯洗剤組成物とは、約10g~約300gの製品が約5L~約65Lの体積の洗浄溶液中に溶解又は分散していることを意味する。水温は、約5℃~約100℃の範囲であってよい。水の汚れた布地に対する比は、約1:1~約30:1であってよい。液体洗濯洗剤組成物は、溶液中約200ppm~約15,000ppmの濃度で使用されてもよい。洗剤の投入濃度は、汚れ及び染みの種類及び酷さだけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の体積、及び洗濯機の種類(例えば、縦型、ドラム型、垂直軸型日本式自動洗濯機)に応じても変化し得る。
【0050】
本明細書の液体洗濯洗剤組成物は、低い洗浄温度で布地を洗濯するために使用され得る。布地を洗濯するこれらの方法は、液体洗濯洗剤組成物を水に送達して、洗浄液を形成する工程と、洗濯する布地を当該洗浄液に加える工程と、を含み、洗浄液の温度は約0℃~約20℃又は約0℃~約15℃又は約0℃~約9℃である。液体洗濯洗剤組成物を水と接触させる前、後、又は同時に、布地を水に接触させてもよい。
【0051】
手洗浄/浸漬方法、及び半自動洗濯機を用いた組み合わせ手洗浄も含まれる。
【0052】
試験法
A.悪臭低減/除去のための感覚試験
悪臭及び鮮度の強度を評価するために、感覚試験を以下のように実行する。感覚パネルは少なくとも5人のパネリストからなる。パネルは、安全グラス、実験室用コート、及び廃棄用手袋を着用しなければならない。パネルの鼻は、評価中は試験布地に直接触れてはならない。パネリストは、鼻の飽和を避け、良好な評価品質を維持するために、適切な規則に従わなければならない。
【0053】
(1)布地の準備
試験布地は30cm×30cmのサイズの100%コットン製テリー織タオルである。試験布地は、いかなる染みもないことを確認し、試験前では新品のタオルである。次いで、ストリッピング作業として布地を洗浄して、タオルからデンプンを除去する。ストリッピング洗浄試験は2つの工程を有する:第1の工程は、40℃の試験条件で粉末洗剤(マイクロカプセル化香料洗剤なし)によって洗浄し、3回すすぎ、次いで第2の工程は、40℃で水によって洗浄し、3回すすぐ。
【0054】
(2)0.15%の悪臭汚れ溶液調製
この比(試験1回に対して、悪臭カクテル1%が105mLであり、ABS溶液が14.525mL、エタノールが581mL、合計700mL)のとおりに、悪臭カクテルと人工身体汚れ(ABS)とを混合することによって、0.15%の悪臭汚れ溶液を作製する。
【0055】
悪臭カクテルは、以下の組成を有するエタノール(CAS番号64-17-、5)中に悪臭物質を溶解することによって調製する。人工身体汚れ(artificial body soil、ABS)は、Accurate Product Development(2028 Bohlke Blvd,Fairfield,OH 45014)により市販されている。作業はヒュームフード中で行われるべきである。
【0056】
【表1】
【0057】
(3)試験布地上への悪臭汚れ溶液の適用
この方法はヒュームフード中で操作される。試験タオル布地を、試験片のために4等分(1/4)に切断する。タオルを水道水に浸漬し、洗濯機で3分間スピン乾燥させることによって、過剰な水を除去する。試験片(1/4サイズ布地)について、試験片の前面に5mLの混合物溶液(0.15%の悪臭汚れ溶液)を適用し、ピペットで5mLを試験片の背面に適用する。バラストの悪臭付加タオル(ホールサイズの布地)に対して、20mLの混合物溶液(0.15%の悪臭汚れ溶液)を前面に、20mLを背面に適用する。試験片をアルミニウムシートで包み、アルミニウムシートの縁部を折り畳んでこれを密封する(試験片×4を一緒に包んだ)。アルミニウムシートで包んだ試験片を5分間タップする。包まれたタオルをプラスチック袋に詰め、プラスチックケース中で保管し、40℃のCTCH又は40℃の較正インキュベータで7日間インキュベートする。次いで、アルミニウムシートを取り除き、タオルをヒュームフード中でおよそ3~4時間乾燥させる。3~4時間乾燥させた後、布地の悪臭をチェックする。これは使用する準備ができている。
【0058】
(4)試験布地の洗浄作業及び感覚査定
試験布地片(1/4に切ったタオル)を使用して洗剤によって洗浄し、悪臭低減/除去効果を査定する。試験区分(通常、3区分)では、3枚の試験布地片(1/4サイズ×3)が悪臭評価用であり、3枚のホールサイズのタオルはバラスト用の悪臭溶液を適用し、残ったその他が清潔なTシャツ3kgである。対照区分では、悪臭評価用が15枚の試験布地片(1/4サイズ×15)、清潔なTシャツ3kgが残りである。洗浄試験は、標準試験条件である洗濯機で行われる。
【0059】
基準洗濯洗剤もまた上記の方法に含まれる。基準は試験される洗濯洗剤のうちの1つであり得る。サンプル対基準の悪臭スコアは、以下の感覚スケール(9点スケール)に従って、パネルにより決定される。
【0060】
【表2】
【0061】
試験布地は少なくとも5人の適格なDoDパネリストによって評価される。各対(異なる布地から3組の対)において3連で、最大3人のパネリストによって各対を評価することができる。第1のパネリストが評価を完了した後、第2のパネリストが評価を開始する。全ての試験布地は、第2のパネリストが評価を完了するまで、プラスチック袋内にしっかりと保持される。パネリストは20分以内に評価を完了させなければならない。パネリストが20分以内に全ての対の評価を完了することができなかった場合、パネリストは少なくとも20分間休憩し、その後、残りの対を評価する必要がある。布地を評価する3つの時点がある:洗浄後1~2時間以内である洗浄後、乾燥後翌日以内である乾燥後、乾燥評価後と同日以内であり、かつ試験布地へ水を噴霧した後1~2時間以内である再湿潤。再湿潤とは、乾燥した試験布地への水の適用を意味し、タオル上での濡れた手の拭き取りをシミュレートする。
【0062】
B.悪臭低減についての定量的試験
以下の方法を使用して、組成物の悪臭低減効果を試験する。
【0063】
脂肪酸及び悪臭マーカーを、表Cに従ってテフロンライニングされたキャップを有する100mLのガラスジャーに添加し、渦を用いてよく混合する。
【0064】
【表3】
【0065】
次いで、表Dに記載の特定の量の各材料を、テフロンで裏打ちされたキャップを備えた200mLのガラス瓶へ入れて、身体汚れ悪臭組成物を調製する。人工身体汚れ(artificial body soil、ABS)は、Accurate Product Development(2028 Bohlke Blvd,Fairfield,OH 45014)により市販されている。
【0066】
【表4】
【0067】
次に、300μLの、表Dに記載の身体汚れ悪臭組成物を、2×5インチの白色ポリコットン50/50(PCW50/50)見本に適用することによって、洗浄投入分当たり16の悪臭試験布地を調製する。約51グラムの試験される各液体洗濯洗剤(例えば、実施例2、表3を参照)を、通常のサイクルに設定された日本製のナショナル縦型自動洗濯機に入れる;68°Fの洗浄サイクル、続いて68°Fのすすぎサイクル。米国オハイオ州シンシナティの軟水を、硬度目標を満たすために既知の比率で硬水と混合する。これは、洗濯機に備わる中継機器とコード化されたアルゴリズムとを合わせることによって自動的に行われる。悪臭試験布地を、3gpgの洗浄水中にて2.7kg、50×50cmのきれいなコットン及びポリコットンバラストを用いて洗浄し、次いで、低温に設定したMaytag回転式乾燥機で20分間乾燥させる。乾燥した布地をマイラー袋に入れ、24時間密封する。
【0068】
続いて、ABS/スクアレン悪臭センサを使用して、悪臭低減について、質量選択検出器(5977B)、Chemstation定量パッケージ、及び固相マイクロ抽出(SPME)プローブを備えたGerstel多目的サンプラーを備えた、Agilientガスクロマトグラフ7890Bを使用して、ガスクロマトグラフィ質量分析により定量的に決定する。6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(CAS110-93-0)、トランス-2-ヘプテナール(18829-55-5)、及び3-メチル-2-ブテナール(107-86-8)の較正標準を、これらの材料の既知の重量を軽質鉱油(CAS8020-83-5)(各材料はSigma Aldrichから入手可能)に溶解することによって、調製する。布地を、均一な2インチ×2.5インチの小片に切断し、10mLのヘッドスペースクリンプバイアルに入れる。バイアルを、分析12時間超前に平衡化する。以下の設定をオートサンプラーで使用する:80℃のインキュベーション温度、90分のインキュベーション時間、VT32-10サンプルトレイタイプ、22mmのバイアル浸透、20分の抽出時間、54mmの注入浸透、及び300秒の脱着時間。以下の設定をFront Split/Splitless入口ヘリウムについて使用する:スプリットモード、250℃の温度、12psiの圧力、79.5mL/分の総流量、3mL/分のセプタムパージ流量、50:1のスプリット比、及び22.5分のGCラン時間。以下の設定をオーブンにて使用する:40℃の初期温度、12℃/分の加熱プログラム、250℃の温度、及び5分の保持時間。各成分の分配係数(K、80℃で)に基づいて、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(K=3353)、トランス-2-ヘプテナール(K=3434)、及び3-メチル-2-ブテナール(K=1119)の総計nモル/Lリットルを計算する。
【0069】
これらの値の3つの測定値(nmol/L)を足して一つにし、所与の試験区分についての総計ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)を得る。
【0070】
酸化生成物の悪臭低減%については、(酸化防止剤なしの)基準組成物と比較して、試験組成物によってもたらされた、選択された悪臭マーカーの量の低減を比較する百分率として示す。値を、以下のように求める:
低減酸化生成物%=(Markersref-Markerstest)×100/Markersref
【0071】
Markersref及びMarkerstestの値は以下のように定義される:
Markersref=酸化防止剤を含まない配合物(例えば、基準又は対照配合物)で洗浄された布地の総ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)
Markerstest=試験された酸化防止剤を有する配合物で洗浄された布地の総ABS/スクアレンマーカー(nmol/L)
【0072】
測定した酸化生成物は、典型的には悪臭であると考えられるため、組成物によってもたらされた酸化生成物の低減%が高くなるほど、処理した布地では悪臭が減少する可能性が高いと考えられる。したがって、酸化生成物の悪臭低減%の値が大きくなることが、典型的には好ましい。本開示の組成物及びプロセスにより、少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%の、酸化生成物の悪臭低減%をもたらすことができる。
【0073】
悪臭低減はまた、MarkersrefとMarkerstestとの間の差として報告されてもよく、これにより、絶対差(例えば、デルタABS/スクアレン酸化)を示す。
【0074】
C.香料ヘッドスペース試験方法
布地ヘッドスペースの総香料強度は、SPME(固相マイクロ抽出)サンプリング技術、及びAgilent Technologies 5977B Mass Selective Detector&Agilent(登録商標)J&W(商標)DB-5ms Ultra Inert Column(長さ30m×内径0.25mm×フィルム厚0.25μm)を備えたAgilent Technologiesガスクロマトフ7890Bシステムを用いた、ガスクロマトグラフィ質量分析(GC-MS)を用いてアッセイする。布地を5×8cmに切断し、20mLのヘッドスペースバイアル中にスライドさせる。2kgの重量で3回プレスした後、ヘッドスペースバイアルをベンチ上の空気中で1時間調整し、分析前に直ちに密封する。
【0075】
以下の設定を多目的オートサンプラーMPS(GERSTEL)で使用する:65℃のインキュベーション温度、15分のインキュベーション時間、VT15-20-CVMサンプルトレイタイプ、2cmのDVB/CAR/PDMSでコーティングされたグレーノッチ付きSPMEファイバー(Supelco 57299-U)、30mmのバイアル浸透、5分の抽出時間、43mmの注入浸透、及び180秒の脱着時間。以下の設定をフロントスプリット/スプリットレス入口ヘリウムについて使用した:スプリットレスモード、270℃で加熱、12.9psiの圧力、1.6mL/分の流量。以下の設定をオーブンについて使用した:40℃の初期温度、及び0.5分の保持時間、17℃/分の加熱プログラム、270℃及び1分の保持時間。以下の設定をMSDについて使用した:35~300m/zの範囲のフルスキャンモード。
【実施例0076】
実施例1:酸化防止剤含有液体洗濯洗剤組成物の改善された悪臭低減効果
4つの液体洗濯洗剤組成物A~Dを提供するが、これらは全て、約22.0重量%の、NI界面活性剤及び2つのAI界面活性剤(LAS及びAES)の両方を含む界面活性剤を含有する。組成物A及び組成物Cは、約0.075重量%のヒンダードフェノール酸化防止剤を含有し、一方で組成物B及び組成物Cは、そのような酸化防止剤を含有しない。これらの液体洗濯洗剤組成物中のNI対AI重量比は異なっており、組成物A及び組成物Bにおけるそのような比は約1.5であり、組成物C及び組成物Dにおけるそのような比は約0.5である。以下は、液体洗濯洗剤組成物A~Dの詳細な組成分解である。
【0077】
【表5】
3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステル。
重量平均エトキシル化度が7であるC12~C14アルキルエトキシル化アルコール。
11~C12直鎖状アルキルベンゼンスルホネート。
重量平均エトキシル化度が約3であるC12~14アルキルエトキシル化サルフェート。
【0078】
異なるNI対AI比を有する異なる界面活性剤系におけるヒンダードフェノール酸化防止剤の悪臭低減効果を示すために、試験方法A:悪臭低減/除去のための感覚試験に従って、液体洗剤組成物A~Dについて悪臭感覚試験を実施した。組成物Aを参照として使用し、組成物B~D対組成物Aの悪臭スコアをパネルによって決定した。悪臭感覚試験の結果は以下の表に示す。
【0079】
【表6】
【0080】
ヒンダードフェノール酸化防止剤の添加は、異なるNI対AI比で改善された悪臭低減効果をもたらすことができ、すなわち、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む組成物Aは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含まない組成物Bよりも良好であり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む組成物Cは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含まない組成物Dよりも良好であることが明らかに示されている。より驚くべきことに、NI対AI重量比が1.5である組成物Aは、NI対AI重量比が0.5である組成物Cよりも良好であり、かつRaloxの添加が、低NIバックグラウンド(すなわち、洗浄後に0、及び乾燥/再湿潤後に0.2又は0.3、C対D)と比較して、高NIバックグラウンド(すなわち、洗浄後に0.2、及び乾燥/再湿潤後に0.7、A対B)下においてより大きな悪臭低減をもたらすので、悪臭低減効果は高NIバックグラウンド下で(すなわち、比較的高いNI対AI重量比で)更に改善される。
【0081】
実施例2:酸化防止剤含有液体洗濯洗剤組成物の悪臭低減効果に対する様々なNI対AI重量比の影響を示す比較例
7つの液体洗濯洗剤組成物E~Kを提供するが、これらは全て、約0.075重量%のヒンダードフェノール酸化防止剤と、約22.0重量%の、NI界面活性剤及び2つのAI界面活性剤(LAS及びAES)の両方を含む界面活性剤と、を含有する。これらの液体洗濯洗剤組成物中のNI対AI重量比は、約0.5~約5、例えば、約0.5、0.8、1、1.2、1.5、2、及び5で変動する。以下は、液体洗濯洗剤組成物E~Kの詳細な組成分解である。
【0082】
【表7】
3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステル。
重量平均エトキシル化度が7であるC12~C14アルキルエトキシル化アルコール。
11~C12直鎖状アルキルベンゼンスルホネート。
重量平均エトキシル化度が約3であるC12~14アルキルエトキシル化サルフェート。
【0083】
異なるNI対AI比を有する異なる界面活性剤系におけるヒンダードフェノール酸化防止剤の悪臭低減効果を示すために、液体洗剤組成物E~Kを、本明細書中上記で開示される試験方法Bに従って、それらの悪臭低減酸化生成物値%(すなわち、同じ成分を含有するがヒンダードフェノール酸化防止剤を含有しない、低減組成物対対照組成物)について試験する。
【0084】
実施例3:例示的な液体洗濯洗剤組成物
列挙された成分を示されている比率で一緒に混合することによって、液体洗濯洗剤組成物1~6を作製する。
【0085】
【表8】
3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステル。
3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のオクタデシルエステル。
重量平均エトキシル化度が7であるC12~C14アルキルエトキシル化アルコール。
重量平均エトキシル化度が9であるC12~C14アルキルエトキシル化アルコール。
11~C12直鎖状アルキルベンゼンスルホネート。
重量平均エトキシル化度が約3であるC12~14アルキルエトキシル化サルフェート。
【0086】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0087】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0088】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤組成物であって、
(a)0.001重量%~5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであるヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(b)10重量%~40重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤と、
(c)重量%~30重量%の、C 10 ~C 20 直鎖状アルキルベンゼンスルホネート及び0.1~5.0の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC 10 ~C 20 直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェートからなる群から選択される1種以上のアニオン性界面活性剤と、
を含み、
ここで、前記1種以上の非イオン性界面活性剤の前記1種以上のアニオン性界面活性剤に対する重量比が、1.5の範囲である、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステルである、請求項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記ヒンダードフェノール酸化防止剤が、0.005重量%~2重量%の範囲の量で前記液体洗濯洗剤組成物中に存在する、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記1種以上の非イオン性界面活性剤が、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記1種以上の非イオン性界面活性剤が、1~20の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC ~C 18 アルキルエトキシル化アルコールを含む、請求項4に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
記1種以上のアニオン性界面活性剤が、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、及び0.1~5の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェートを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記1種以上のアニオン性界面活性剤が、5重量%~25重量%の範囲の量で前記液体洗濯洗剤組成物中に存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
9以下のpH値を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
液体洗濯洗剤組成物であって、
(1)0.02重量%~0.5重量%の、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC~C22直鎖状アルキルエステル及びその混合物からなる群から選択されるヒンダードフェノール酸化防止剤と、
(2)10重量%~40重量%の、7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18アルキルエトキシル化アルコール及びその混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤(NI)と、
(3)5重量%~20重量%の、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び1~3の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルエトキシサルフェート(AES)と、
を含み、
NIのLAS+AESに対する重量比が、1.5~8の範囲である、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
布地を処理するための、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物の使用。
【外国語明細書】