(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095841
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】Ti-Zr合金粉末及びそれを含有するアノード
(51)【国際特許分類】
B22F 1/00 20220101AFI20240703BHJP
B22F 1/06 20220101ALI20240703BHJP
B22F 1/05 20220101ALI20240703BHJP
B22F 1/14 20220101ALI20240703BHJP
C22C 16/00 20060101ALI20240703BHJP
C22C 14/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B22F1/00 R
B22F1/06
B22F1/05
B22F1/14 600
C22C16/00
C22C14/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069615
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2021563264の分割
【原出願日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】62/839,807
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512189233
【氏名又は名称】グローバル アドバンスト メタルズ ユー.エス.エー.,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,メアリー
(72)【発明者】
【氏名】アビド,アーミル
(72)【発明者】
【氏名】イン,アイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】サンガイル,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA40
4K018BA20
4K018BB01
4K018BB04
4K018BB06
4K018BC33
4K018CA02
4K018CA09
4K018FA08
4K018FA50
4K018KA39
(57)【要約】 (修正有)
【課題】粉末の形態のTi-Zr合金を提供する。
【解決手段】TiとZrとの原子比が10:90~90:10であり、樹枝状の構造を有する、チタン-ジルコニウム(Ti-Zr)合金粉末とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TiとZrとの原子比が10:90~90:10であり、樹枝状の構造を有する、チタン-ジルコニウム(Ti-Zr)合金粉末。
【請求項2】
チタン-ジルコニウム合金粉末上に、Ti-Zr酸化物層を更に含む、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項3】
前記Ti-Zr酸化物層が、リンを更に含む、請求項2に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項4】
前記Ti-Zr酸化物層が、約50 重量ppm~約5000 重量ppmのレベルでリンを更に含む、請求項2に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項5】
前記Ti-Zr酸化物層が、約200 重量ppm~約5000 重量ppmのレベルでリンを更に含む、請求項2に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項6】
チタン-ジルコニウム合金粉末上に、Ti-Zr酸化物層を更に含み、かつ、該Ti-Zr酸化物層が約5 nm~約20 nmの厚さを有する、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項7】
チタン-ジルコニウム合金粉末を完全に被覆するTi-Zr酸化物層を更に含む、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項8】
TiとZrとの単相均質固溶体からなる粒子である、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項9】
前記チタン-ジルコニウム合金が、50 重量ppm未満の炭素を含む、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項10】
前記チタン-ジルコニウム合金が、前記チタン若しくはジルコニウムの個々の粒子、又はその両方を0 重量ppm以上500 重量ppm未満で含む、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【請求項11】
約0.1m2/g~約20m2/gのBET表面積を有する、請求項1に記載のチタン-ジルコニウム合金粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年4月29日に出願された先行する米国仮特許出願第62/839,807号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものであり、この出願の全体は引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、チタン-ジルコニウム(Ti-Zr)合金粉末、並びに焼結ペレット及びコンデンサアノード等を形成するためのこれら合金粉末の使用に関する。その作製方法について更に説明する。
【背景技術】
【0003】
焼結ペレット及び最終的にはコンデンサアノードを形成するために、タンタル及び場合によりニオブが粉末の形態で容易に使用されてきたが、コストを含む様々な理由により代替材料の使用が望まれている。他の理由としては、酸化タンタルと比較して誘電率がより高い材料を使用することにより、同等のCV/ccでより高い理論CV/gが可能となる。また、酸化チタンのような金属は、高い漏れを有する可能性があるが、本発明において示されるように、ジルコニウムチタン合金は、チタンと比較して、より低い漏れを有し得る。
【0004】
特許文献1に記載されるように、純粋なチタンは、その酸化物が高い誘電率、並びに耐食性及び低密度等の他の良好な性質を有することに鑑みて、コンデンサ電極材料としての使用の可能性が検討されてきた。しかしながら、チタン表面の誘電体酸化膜を高電圧での漏れ電流に優れたものにすることは困難であった。チタンのこのような欠点によって、その高い誘電率と良好な焼結性にもかかわらず、電解コンデンサに適合した電極としての幅広い使用が妨げられている。また、チタンの多孔質体は、固体電解コンデンサに形成した場合、漏れ電流に関して劣る可能性がある。
【0005】
特許文献2には、アノードに使用されるチタン粉末とジルコニウム粉末との混合物が記載されているが、この特許において合金として特定されている材料は、焼結粉末の混合物である粉末冶金型製品であり、通常、チタンとジルコニウムとの固溶体であるTi-Zr相を有する粒子又は材料ではない。
【0006】
よって、チタンとジルコニウムとの真の合金を開発し、上述の問題/不利点の1つ以上を克服する該合金から作製された製品を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,599,053号
【特許文献2】米国特許第3,649,880号
【発明の概要】
【0008】
本発明は、粉末又は粒子状の形態であり、チタンとジルコニウムとの固溶体であるチタン-ジルコニウム合金を提供することを特徴とする。
【0009】
本発明は、焼結ペレットの形成に利用することができる粉末又は粒子状の形態のチタン-ジルコニウム合金を提供することを他の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、樹枝状の構造又は団塊状の形状を有するチタン-ジルコニウム合金を提供することを特徴とする。
【0011】
本発明は、コンデンサ用アノードを形成するのに有用なチタン-ジルコニウム合金粉末を提供することを更なる特徴とする。
【0012】
これらの利点及び他の利点を達成するために、並びに本発明の目的に従って、本明細書中で具体化され、かつ概説されるように、本発明は、粉末の形態のTi-Zr合金を提供する。Ti-Zr合金粉末は、樹枝状の構造及び/又は団塊状の形状を有することができる。Ti-Zr合金粉末は、(Ti及びZr以外の)他の元素を実質的に含まなくてもよい。Ti-Zr合金粉末は、該粉末を焼結ペレット及び最終的にはアノードを形成するのに有用とする1つ以上の有利な性質を有するため、漏電制御及び/又はアノードに関連する他の性質等の1つ以上の好適なコンデンサ特性を提供することができる。
【0013】
さらに、本発明は、TiとZrとの原子比が10:90~90:10であるチタン-ジルコニウム(Ti-Zr)合金粉末に関する。Ti-Zr合金粉末は、500 nm~2ミクロンの平均一次粒子径を有することができる。Ti-Zr合金粉末は、該Ti-Zr合金粉末上にTi-Zr酸化物層を更に含むことができる。Ti-Zr合金粉末は、リンを更に含むことができる。Ti-Zr合金粉末の更なる選択肢及び詳細を本明細書において提供する。
【0014】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の明細書で一部説明され、本明細書から一部明らかとなるか、又は本発明の実施により認識することができる。本発明の目的及び他の利点は、本明細書及び添付の特許請求の範囲において具体的に指摘された要素及び組合せを用いて実現及び達成される。
【0015】
以上の一般的な記載及び以下の詳細な記載はいずれも、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に係る本発明の更なる説明を与えることを意図するものであることが理解される。
【0016】
引用することにより本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の特徴の一部を示すものであり、本明細書とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1A及び
図1Bは、本発明のTi-Zr合金粉末の一実施例のSEM画像を示す図であり、
図1Bはより高倍率での図である。
【
図2】本発明のTi-Zr合金粉末を形成するプロセスの例示的な部分を示す図である。
【
図3】本発明のTi-Zr合金粉末の形成に至る種々の工程の実施形態を示す概略図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施例からa)純粋なジルコニウム、b)Ti-15原子%、Zr-85原子%、c)Ti-40原子%、Zr-60原子%、d)Ti-50原子%、Zr-50原子%を示すXRD分析を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施例からa)純粋なジルコニウム、b)Ti-15原子%、Zr-85原子%、c)Ti-40原子%、Zr-60原子%、d)Ti-50原子%、Zr-50原子%を示すXRD分析を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、Ti-Zr合金粉末に関する。Ti-Zr合金粉末は、チタンとジルコニウムとの単なる物理的な混合物ではなく、本発明のTi-Zr合金粉末は、2つの元素の機械的混合を考慮するものでもない。代わりに、本発明のTi-Zr合金粉末は、各粒子又はほぼ全ての粒子が、通常はチタンとジルコニウムとの固溶体であるTi-Zr相を少なくとも有する複数の粒子を含む粉末である。
【0019】
Ti-Zr合金粉末は、樹枝状の構造を有することができる。Ti-Zr合金粉末は、団塊状の形状を有することができる。Ti-Zr合金粉末は、樹枝状の構造と団塊状の形状との両方を有することができる。本発明の目的のため、樹枝状の形状又は形態は、分岐構造及び/又は個々の分岐の不規則な巻線移動を有する粒子であると理解される。この用語は当該技術分野において理解されており、例えば、Lingxhuらによる"Modeling Dendritic Shapes Using Path Planning"を参照されたい。さらに、樹枝状の形状及び形態の例を
図1A及び
図1Bに示す。
【0020】
Ti-Zr合金粉末は、TiとZrとの原子比を約10:90~約90:10、例えば、限定するものではないが、TiとZrとの原子比を20:80~80:20、又は30:70~70:30、又は40:60~60:40とすることができる。更なる例として、Ti-Zr合金粉末は、50原子%のZr、又は約20原子%~約40原子%のZr、又は約30原子%~約40原子%のZrを含むことができる。更なる例として、Ti-Zr合金粉末は、50原子%のTi、又は約20原子%~約40原子%のTi、又は約30原子%~約40原子%のTiを含むことができる。
【0021】
Ti-Zr合金粉末は、任意で、少なくとも60原子%、又は少なくとも70原子%、又は少なくとも80原子%、又は少なくとも90原子%、又は少なくとも95原子%、又は少なくとも99原子%の主要Ti-Zr相を含む。例えば、Ti-Zr合金粉末は、約10原子%~99.99原子%、又は約10原子%~95原子%、又は約10原子%~90原子%等の主要Ti-Zr相を含むことができる。
【0022】
Ti-Zr合金粉末は、TiとZrとの単相均質固溶体からなる粒子とすることができる。
【0023】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、2元Ti-Zr合金粉末と見なすことができる。
【0024】
Ti-Zr合金粉末は、チタン若しくはジルコニウムの個々の粒子、又はその両方を500 ppm未満で含むことができ、例えば、チタン若しくはジルコニウムの個々の粒子、又はその両方を400 ppm未満、300 ppm未満、200 ppm未満、100 ppm未満、50 ppm未満、25 ppm未満、10 ppm未満、5 ppm未満、又は1 ppm未満で含むことができる。
【0025】
本発明のTi-Zr合金粉末は、Ti及びZr以外の元素を実質的に含まない粉末とすることができる。例えば、Ti-Zr合金粉末において存在するTi及びZr以外の非ガス状元素(例えば、非ガス状一般元素又は非ガス状金属元素)は、合金粉末の重量に対して、1重量%未満の量、例えば、約0.1 ppm~約500 ppm、又は約1 ppm~250 ppm、又は約1 ppm~100 ppm、又は約1 ppm~50 ppm、又は50 ppm未満、又は25 ppm未満、又は500 ppm未満の量で存在することができる。
【0026】
Ti-Zr合金粉末は、50 ppm未満の元素状炭素、例えば、40 ppm未満の炭素、30 ppm未満の炭素、20 ppm未満の炭素、10 ppm未満の炭素、5 ppm未満の炭素、1 ppm未満の炭素、例えば、0 ppm~49 ppm、又は0.1 ppm~20 ppm、又は0.1 ppm~2 ppmの炭素を含むことができる。
【0027】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、粉末の重量に対して、約0.1重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.3重量%~約5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1重量%~約5重量%)の酸素含量を有することができる。
【0028】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、粉末の重量に対して、約0.01重量%~約20重量%(例えば、約0.01重量%~約15重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%、約0.01重量%~約1重量%、約0.05重量%~約20重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約20重量%、約1重量%~約20重量%)の窒素含量を有することができる。
【0029】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、粉末の重量に対して、約0.001重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.3重量%~約5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1重量%~約5重量%)のリン含量を有することができる。
【0030】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、粉末の重量に対して、約0.001重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.3重量%~約5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1重量%~約5重量%)の水素含量を有することができる。
【0031】
窒素、リン、及び/又は水素等のガスを使用すると、不動態化剤として更に役立ち、Ti-Zr合金粉末を更に安定化することができる。
【0032】
チタン-ジルコニウム合金粉末(任意の酸化物層を除く)は、任意で、500 ppm未満のTi、Zr、O、及びP以外の元素、例えば、100 ppm未満(例えば、0 ppm~99 ppm、1 ppm~75 ppm、1 ppm~50 ppm、1 ppm~25 ppm、1 ppm~10 ppm、5 ppm未満)のTi、Zr、O、及びP以外の元素からなることができる。チタン-ジルコニウム合金粉末(任意の酸化物層を除く)は、500 ppm未満のTi、Zr、O、N、H、及びP以外の元素、例えば、100 ppm未満のTi、Zr、O、N、H、及びP以外の元素からなることができる。本明細書において記載するこれらのppm限度値は、記載された元素のうち1つの元素、又は2つ以上の元素、又は全ての元素に適用することができる。
【0033】
Ti-Zr合金粉末は、任意で、チタン-ジルコニウム合金粉末上にTi-Zr酸化物層を更に含むことができる。
【0034】
Ti-Zr酸化物層は、約1 nm~約20 nm又はそれ以上の厚さ、例えば、約5 nm~約20 nm、又は約10 nm~約20 nmの厚さを有することができる。
【0035】
Ti-Zr酸化物層が存在する場合、Ti-Zr酸化物層は、任意で、チタン-ジルコニウム合金粉末を部分的に被覆(encapsulate:被包)又は完全に被覆することができる。例えば、Ti-Zr粉末の95体積%超、又は99体積%超、又は99.9体積%超、又は100体積%が、該Ti-Zr粉末の有効外表面積の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、又は100%を被覆する酸化物層をその表面上に有することができる。
【0036】
Ti-Zr酸化物層は、任意で、リンを更に含むことができる。リンが存在する場合、リンは、約1 ppm~5000 ppm、又は約50 ppm~約5000 ppm、例えば、約100 ppm~4000 ppm、又は200 ppm~約5000 ppm、又は約100 ppm~3000 ppm、又は約100 ppm~2000 ppm、又は約100 ppm~1000 ppm、又は約100 ppm~500 ppmのレベルで存在することができる。
【0037】
粒子径及び粒度分布に関して、Ti-Zrは、様々な粒子径及び/又は粒度分布を有することができる。
【0038】
本発明のTi-Zr合金粉末は、約500 nm~約2ミクロン、又はこの範囲未満、又はこの範囲を超える平均一次粒子径を有することができる。粒子径の例としては、約600 nm~2ミクロン、600 nm~1.5ミクロン、600 nm~1ミクロン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
例えば、チタン-ジルコニウム合金粉末は、D50の35%以内のD10及びD90を有することができる。チタン-ジルコニウム合金粉末は、D50の25%以内のD10及びD90を有することができる。
【0040】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、約0.3ミクロン~約10ミクロン(例えば、約0.5ミクロン~約7ミクロン、又は約1ミクロン~約5ミクロン、又は約2ミクロン~約8ミクロン)のD10、及び/又は約0.5ミクロン~約400ミクロン(例えば、約0.5ミクロン~約300ミクロン、約0.5ミクロン~約200ミクロン、約0.5ミクロン~約100ミクロン、約0.5ミクロン~約50ミクロン、約1ミクロン~約400ミクロン、約5ミクロン~約400ミクロン、約10ミクロン~約400ミクロン、約20ミクロン~約400ミクロン、約50ミクロン~約400ミクロン、約100ミクロン~約400ミクロン)のD50、及び/又は約1ミクロン~約700ミクロン(例えば、約1ミクロン~約600ミクロン、約1ミクロン~約500ミクロン、約1ミクロン~約400ミクロン、約1ミクロン~約300ミクロン、約1ミクロン~約200ミクロン、約1ミクロン~約200ミクロン、約1ミクロン~約100ミクロン、約5ミクロン~約700ミクロン、約10ミクロン~約700ミクロン、約20ミクロン~約700ミクロン、約40ミクロン~約700ミクロン、約50ミクロン~約700ミクロン、約75ミクロン~約700ミクロン、約100ミクロン~約700ミクロン)のD90を有することができる。
【0041】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、約0.1 m2/g~約20 m2/g又はそれ以上のBET表面積、例えば、約0.5 m2/g~約20 m2/g、約1 m2/g~約20 m2/g、約3 m2/g~約20 m2/g、約5 m2/g~約20 m2/g、約0.1 m2/g~約15 m2/g、約0.1 m2/g~約10 m2/g、約0.1 m2/g~約5 m2/g、又は約0.3 m2/g~約2 m2/gのBET表面積を有することができる。
【0042】
更なる例として、Ti-Zr合金粉末は、約400 nm~600 nm、又は500 nm~600 nmの平均粒子径と、5 m2/g以下のBET表面積とを有することができる。
【0043】
チタン-ジルコニウム合金粉末は、任意で、非酸化物金属粉末(存在し得る任意の酸化物層は除く)と見なすことができる。言い換えると、Ti-Zr粉末は、任意で、合金自体の一部として酸化物を含まない。
【0044】
本発明のTi-Zr合金粉末は、約1.9~約3、例えば、約2~約3、又は約2.0~2.95、又は約2.2~2.8、又は約2~約2.2のフラクタル次元を有することができる。フラクタル次元は、例えば、ハウスドルフ法若しくはミンコフスキー-ブーリガン法を使用して計算することができ、又は修正されたボックスカウンティング法と、Wozniakらによって"Journal ofAerosol Science"(ISSN:0021-8502, Vol: 47, Page: 12-26)(その全体が、引用することにより本明細書の一部をなす)において提供された数値検量線とを使用して求めることができる。
【0045】
本発明のTi-Zr合金粉末は、以下のパラメータの1つ以上を有することができ、これらのパラメータの任意の組合せがTi-Zr合金粉末に存在することができる。
平均粒子径: 500 nm~2ミクロン
メッシュサイズ(US): -400~-40
スコット密度: 約6 g/in3~約30 g/in3(例えば、6 g/in3~13 g/in3)。
【0046】
上述のように、本発明のTi-Zr合金粉末は、(Ti-Zrに対して)少なくとも99重量%の純度、例えば、少なくとも99.5重量%、少なくとも99.9重量%、少なくとも99.99重量%、少なくとも99.995重量%等の純度を有することができる。ここで、この重量パーセントは、合金粉末に対する重量基準での割合である(存在し得る任意の酸化物層又は他の層を除く)。
【0047】
本発明のTi-Zr合金粉末は、多孔質とすることができ、又は多孔質性を有することができる。
【0048】
本発明のTi-Zr合金粉末は、非弱凝集性(non-agglomerated)又は弱凝集性(agglomerated)とすることができる。弱凝集性の場合、弱凝集体(agglomerate)のサイズは、約10個~約500000個の一次粒子とすることができる。
【0049】
Ti-Zr合金粉末は、任意で、窒素、リン、炭素、ホウ素、及び/又は水素、又はこれらの任意の組合せ等の1つ以上のドーパントでドープすることができる。本発明のTi-Zr合金粉末において存在することができるドーパントの量は、任意の好適な量、例えば、約10 ppm~1000 ppm、例えば、約50 ppm~1000 ppm、約100 ppm~1000 ppm、約200 ppm~1000 ppm、約350 ppm~1000 ppm又はそれ以上とすることができる。ドーパントは、固溶体として存在することができ、又は金属元素若しくは酸素を含む他のドーパントとの化合物として存在することができる。
【0050】
本発明のTi-Zr合金粉末は、焼結ペレットに形成することができ、アノードを形成するために使用することができ、最終的にはコンデンサの一部として存在することができる。コンデンサ、又はコンデンサ内のアノードは、湿式又は乾式とすることができる。
【0051】
本発明において、焼結ペレットは、プレス及び焼結された本発明のTi-Zr合金粉末を含む(comprise)か、本質的にこれからなる(consist essentially of)か、これからなる(consist of)か、又はこれを含む(include)ことができる。例えば、Ti-Zr合金粉末は、任意のサイズ又は形状、例えば、円筒形状、正方形状、又は他の幾何学的形状にプレスすることができ、好ましくは、アノードの目的に好適な形状である。本発明のTi-Zr粉末は、プレスして、例えば、圧粉体を形成することができ、このプレスは、約1.2 g/cm3~約3.0 g/cm3のプレス密度で行うことができる。焼結ペレットを形成するための焼結は、約400℃~約1200℃の温度で行うことができる。焼結時間は、焼結ペレットを形成するのに好適な任意の時間、例えば、約1分間~60分間又はそれ以上とすることができる。
【0052】
焼結ペレットは、任意で、焼結ペレットに少なくとも部分的に埋め込まれたリード線を更に含むことができる。このリード線は、Ti-Zr合金材料、又はチタン自体、又はジルコニウム自体、又はタンタル、又はニオブ、又はアルミニウム等の他の導電性材料を有するリード線等の金属リード線とすることができる。
【0053】
上述のように、本発明は、さらに、本発明の焼結ペレットを少なくとも1つ含むコンデンサアノードに関する。上述のように、ペレットは任意の形状又は寸法を有することができる。本発明のコンデンサアノードは、少なくとも1000 μFV/gの静電容量を有することができる。静電容量は、例えば、少なくとも5000 μFV/g、少なくとも10000 μFV/g、例えば、約1000 μFV/g~約50000 μFV/g、約10000 μFV/g~約100000 μFV/g、約50000 μFV/g~約150000 μFV/g、又は約1000 μFV/g~約260000 μFV/g又はそれ以上とすることができる。
【0054】
本発明のコンデンサアノードは、15 nA/μFV未満、例えば、10 nA/μFV未満、又は5 nA/μFV未満、例えば、約0.1 nA/μFV~5 nA/μFV、又は0.1 nA/μFV~10 nA/μFVのDC漏れを有することができる。
【0055】
本発明によると、焼結ペレット又はコンデンサアノードを陽極酸化すると、アノード表面上に陽極酸化膜が形成される。本発明によると、この陽極膜は、1つ以上の酸化物を含むか、本質的にこれからなるか、又はこれからなる。1つ以上の酸化物は、非晶質であっても、若しくは非晶質でなくてもよく、又は非晶質のみであってもよい。本発明によると、酸化物結晶は、任意で、大幅に回避されているか、存在しないか、又はコンデンサアノードの全体的な性能に影響を及ぼさない程度のわずかなレベルにすることができる。例えば、酸化物結晶が存在する場合、酸化物結晶は、陽極膜の総体積に対して、5体積%未満、又は1体積%未満となり得る。
【0056】
陽極膜は、不動態化層であるか、又はこれを含むか、又はその一部であるか、又は不動態化層と見なすことができる。この膜の厚さは、約5 nm~約600 nm、又は約20 nm~約600 nm又はそれ以上の厚さとすることができる。
【0057】
本発明のアノードは、約0.1 mL/g~約0.6 mL/g、例えば、約0.1 mL/g~約0.5 mL/g、又は約0.2 mL/g~約0.4 mL/gの累積空隙率を有することができる。
【0058】
本発明は、さらに、本発明のTi-Zr合金粉末を含むコンデンサアノードを形成する方法に関する。この方法は、Ti-Zr合金粉末をアノードの形状に成形し、好適な焼結温度、例えば、約400℃~約1200℃で、例えば、約1分間~約30分間又はそれ以上焼結することを含む。次いで、任意で、焼結材料の陽極酸化を、例えば、約10ボルト~約200ボルト、又は約10ボルト~約75ボルト又はそれ以上の陽極酸化電圧で、約10℃~約80℃の化成温度で行うことができる。他の化成電圧を使用することができ、及び/又は他の化成温度を使用することができる。次いで、アノードに対して、例えば、約300℃~約350℃の温度で、約10分間~約60分間又はそれ以上アニールを行うことができる。次いで、アノードに対して、任意で、例えば、220℃~約280℃の温度、又は他の温度でマンガン化(manganizing)を行うことができる。
【0059】
アノードを形成する際に、Ti-Zr合金粉末を、少なくとも1つのバインダー及び/又は少なくとも1つの潤滑剤と混合して、プレスされたアノードを形成することができる。よって、プレスされたアノードは、少なくとも1つのバインダー及び/又は少なくとも1つの潤滑剤を含むプレスされた本発明のTi-Zr合金粉末を含むか、本質的にこれからなるか、又はこれからなることができる。
【0060】
本発明のTi-Zr合金粉末を形成する際に、火炎粒子形成プロセス、例えば、その全体が、引用することにより本明細書の一部をなす米国特許第7,442,227号及び米国特許第5,498,446号に記載されるプロセスに類似のものが好ましく使用される。より具体的には、アルカリ金属供給物、好ましくはナトリウム供給物を火炎反応器に注入し、チタンを含有するハロゲン化物及びジルコニウムを含有するハロゲン化物の別個の供給物も同様に単数又は複数の供給物として火炎反応器に導入する。Tiを含有するハロゲン化物はTiCl
4とすることができ、Zrを含有するハロゲン化物はZrCl
4とすることができる。次いで、これら3つの供給物を、火炎反応器に導入する(例えば、注入する)。ハロゲン化チタンとハロゲン化ジルコニウムを含有する供給物は、火炎反応器に入れる前に組み合わせてもよく、又は別々に火炎反応器に導入してもよい。供給物の導入は、通常、アルゴン等の不活性ガス環境下で行うことができる。火炎反応器では、種々の供給物を、任意で、蒸気に変換してもよく、又は供給物を蒸気として反応器に供給してもよい。ハロゲン化チタン及びハロゲン化ジルコニウムは、典型的には、塩化ナトリウム等のハロゲン化物の存在下で、アルカリ金属と反応してTi-Zr合金粉末を形成する。例えば、
図3に示すように、一次粒子を核形成及び核成長させ、最終的にこれらの粒子の強凝集体(aggregates)を形成することができ、塩化ナトリウム等の塩によって被覆することができ、最終的に、塩、例えば塩化ナトリウムによってTi-Zr合金粉末が被覆されるように、固化させることができる。次いで、過剰なナトリウムを様々な技法で除去し、塩化ナトリウム等の塩で被覆された(coated)Ti-Zr合金粒子を、通常、粒子捕集器又はフィルターを介して収集する。この収集は、不活性ガス環境下又はその他の非反応性環境下で行うことができる。任意で、不活性ガス環境中又は真空環境中での更なる熱処理を用いることができ、これにより、一次粒子径を大きくすることができる。最終的に、塩化ナトリウムを除去(例えば、洗浄、又は溶解、又は昇華)することができ、Ti-Zr合金粉末が回収される。
【0061】
火炎反応器への反応物質の1つの好ましい導入方法を
図2に示す。
図2において分かるように、整流器を使用して、供給物を適当な方向及び配列に維持することができ、好ましくは、反応物質は、
図2に示すように、不活性環境でシースされる(sheathed)。
【0062】
本発明のTi-Zr合金の例のXRDを
図4A及び
図4Bに示し、純粋なジルコニウムと比較する。
【0063】
以下の実施例によって本発明を更に明確にするが、本実施例は本発明を例示するものであることが意図される。
【実施例0064】
実施例1
TiとZrとの質量比が27:63である塩被覆(salt-encapsulated:塩で被覆された)合金粉末を、米国特許第7,442,227号に記載された火炎合成プロセスによって、
図2に示す方法で製造した。蒸気状の塩化チタン及び塩化ジルコニウム(ハロゲン化物)を、ZrCl
4に対するTiCl
4の質量比が0.67となるように、中央管を通してアルゴンとともに反応器に導入した。同心Ar流を、ハロゲン化物と過剰に供給した蒸気ナトリウム流との間に配置した。米国特許第7,442,227号に記載されるように、塩化ナトリウムの副生成物は、粒子の焼結挙動を阻止する凝縮性蒸気材料として作用した。この塩被覆金属粉末を収集し、脱イオン水で洗浄して、塩化ナトリウムのコーティングを除去した。希硝酸を使用して粒子の沈降を補助した。この洗浄プロセスにより、薄い酸化物不動態化層が粒子の表面上に導入され、これは、粒子を真空下で乾燥しても維持された。次いで、得られたジルコニウムチタン合金を、2.0 g/cm
3の密度にプレスし、真空下にて500℃で30分間焼結した。陽極酸化を、五ホウ酸アンモニウムの0.1 M電解液にて、30 Vの電圧を用いて25℃で18時間行った。
【0065】
得られたアノードについての漏れ電流を、10重量%のリン酸溶液中で、21 Vの直流電圧を印加して2分後に求めた。静電容量も、同じリン酸溶液中で、100 Hzの周波数で、2 Vのバイアスで求めた。
【0066】
静電容量は260 mFV/gであり、漏れ電流は7 nA/CVであった。
【0067】
実施例2
TiとZrとの質量比が27:63である塩被覆合金粉末を、実施例1と同様に、火炎合成プロセスによって製造して洗浄し、次いで、実施例1と同様にプレスし、500℃で30分間焼結した。陽極酸化を、五ホウ酸アンモニウムの0.1 M電解液にて、10 Vの電圧を用いて25℃で12時間行った。
【0068】
得られたアノードについての漏れ電流を、10重量%のリン酸溶液中で、7 Vの直流電圧を印加して2分後に求めた。静電容量も、同じリン酸溶液中で、100 Hzの周波数で、2 Vのバイアスで求めた。
【0069】
静電容量は140 mFV/gであり、漏れ電流は120 nA/CVであった。
【0070】
実施例3
TiとZrとの質量比が15:85である塩被覆合金粉末を、反応物質の量及び窒素ドーピングを除いて実施例1と同様に、2.5重量%の窒素ドーピングを用いた火炎合成プロセスによって製造した。窒素ドーピングは、ハロゲン化物と同心ナトリウム蒸気流との間のアルゴン流に少量の窒素を導入することによって達成した。全ての窒素が粉末と反応したと判断された。得られた粉末を実施例1と同様に洗浄し、次いで、1.7 g/cm
3にプレスし、真空下にて550℃で30分間焼結した。この合金のXRDを
図4A及び
図4Bに示す。陽極酸化を、五ホウ酸アンモニウムの0.1 M電解液にて、30 Vの電圧を用いて25℃で6時間行った。
【0071】
得られたアノードについての漏れ電流を、10重量%のリン酸溶液中で、21 Vの直流電圧を印加して2分後に求めた。静電容量も、同じリン酸溶液中で、100 Hzの周波数で、2 Vのバイアスで求めた。
【0072】
静電容量は200 mFV/gであり、漏れ電流は340 nA/CVであった。
【0073】
実施例4
TiとZrとの質量比が27:63である塩被覆合金粉末を、実施例1と同様に火炎合成プロセスによって製造し、生成物を6つのロットに分割した。硝酸、過酸化水素、硫酸、リン酸、五ホウ酸アンモニウム、又は酢酸ナトリウムのいずれかの希釈溶液を使用して、合金粉末の表面から塩化ナトリウムを除去した。次いで、得られた粉末を、実施例1と同様にプレスし、500℃で30分間焼結した。陽極酸化を、五ホウ酸アンモニウムの0.1 M電解液にて、30 Vの電圧を用いて25℃で24時間行った。
【0074】
得られたアノードについての漏れ電流を、10重量%のリン酸溶液中で、7 Vの直流電圧を印加して2分後に求めた。静電容量も、同じリン酸溶液中で、100 Hzの周波数で、2 Vのバイアスで求めた。
【0075】
破損したアノードを除外すると、平均アノード静電容量の差は統計的に有意ではないことが分かったが、漏れの結果を以下の表にまとめる。
【0076】
【0077】
リン酸の最初の洗浄で処理され、次いで、脱イオン水と硝酸との両方で更に洗浄され、次いで、乾燥された粉末は、有意なリンドーピングを有することが分かった。
【0078】
本発明は以下の態様/実施形態/特徴を任意の順序及び/又は任意の組合せで包含する:
1. 本発明は、TiとZrとの原子比が10:90~90:10であり、かつ、平均一次粒子径が550 nm~2ミクロンである、チタン-ジルコニウム(Ti-Zr)合金粉末に関する。
2. チタン-ジルコニウム合金粉末上に、Ti-Zr酸化物層を更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
3. 前記Ti-Zr酸化物層が、リンを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
4. 前記Ti-Zr酸化物層が、約50 ppm~約5000 ppmのレベルでリンを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
5. 前記Ti-Zr酸化物層が、約200 ppm~約5000 ppmのレベルでリンを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
6. チタン-ジルコニウム合金粉末上に、Ti-Zr酸化物層を更に含み、かつ、該Ti-Zr酸化物層が約5 nm~約20 nmの厚さを有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
7. チタン-ジルコニウム合金粉末を完全に被覆するTi-Zr酸化物層を更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
8. TiとZrとの単相均質固溶体からなる粒子である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
9. 前記チタン-ジルコニウム合金が、50 ppm未満の炭素を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
10. 前記チタン-ジルコニウム合金が、チタン若しくはジルコニウムの個々の粒子、又はその両方を500 ppm未満で含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
11. D50の35%以内のD10及びD90を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
12. D50の25%以内のD10及びD90を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
13. 約0.3ミクロン~約10ミクロンのD10、約0.5ミクロン~約400ミクロンのD50、及び約1ミクロン~約700ミクロンのD90を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
14. 約0.1重量%~約5重量%の酸素含量を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
15. 約0.01重量%~約20重量%の窒素含量を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
16. 約0.1 m2/g~約20 m2/gのBET表面積を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
17. 存在する任意の酸化物層を除くチタン-ジルコニウム合金粉末が、非金属酸化物粉末である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
18. 2元Ti-Zr合金粉末である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
19. 前記チタン-ジルコニウム合金が、Ti、Zr、O、N、H、及びP以外の元素を500 ppm未満で含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
20. 前記チタン-ジルコニウム合金が、Ti、Zr、O、及びP以外の元素を100 ppm未満で含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末。
21. ペレットの形状に成形及び焼結された任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末を含む、焼結ペレット。
22. プレス及び焼結された任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のチタン-ジルコニウム合金粉末を含む、コンデンサアノード。
23. 任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のコンデンサアノードを含む、電解コンデンサ。
24. 任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のTi-Zr合金を含むコンデンサアノードを形成する方法であって、
前記Ti-Zr合金をアノードの形状に成形し、約400℃~約1200℃の温度で少なくとも1分間焼結することと、
約16ボルト~約200ボルトで陽極酸化することと、
前記アノードを、約300℃~約350℃の温度で約10分間~約60分間アニールすることと、
前記アノードをマンガン化することと、
を含む、方法。
【0079】
本発明は文及び/又は段落に記載される上記及び/又は下記のこれらの様々な特徴又は実施形態の任意の組合せを包含し得る。本明細書に開示される特徴の任意の組合せが本発明の一部であると見なされ、組み合わせることができる特徴に関しては何ら限定を意図しない。
【0080】
出願人らはこの開示における全ての引用文献の全内容を具体的に援用する。さらに、量、濃度又は他の値若しくはパラメータが範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値と好ましい下限値とのリストのいずれかとして与えられる場合、これは範囲が別々に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限又は好ましい値と任意の範囲下限又は好ましい値との任意の対からなる全ての範囲を具体的に開示するものと理解される。数値の範囲が本明細書で言及されている場合、特に指定のない限り、範囲はその端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を規定する場合に言及された特定の値に限定されることは意図されない。
【0081】
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者にとって明らかであろう。本明細書及び本実施例は単なる例示と見なされ、本発明の真の範囲及び趣旨は添付の特許請求の範囲及びその均等物により示されることが意図される。