(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095846
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】報知装置、システム、移動体、及び、方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240704BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205813
(22)【出願日】2022-12-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 順
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA15
5H181AA26
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF17
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL09
5H181MA42
(57)【要約】
【課題】制御装置との通信品質が低下した後において、移動体に関する報知の精度低下を抑制できる報知装置、システム、移動体、及び、方法を提供する。
【解決手段】報知装置200は、移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、報知制御装置から受信するデータ通信回路294aを備える。また、報知装置200は、受信された時刻情報を保持する保持部と、保持された時刻情報で表される移動体関連時刻に基づいて、移動体に関する報知を実行する報知部231から233と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備えることを特徴とする報知装置。
【請求項2】
前記移動体に関する前記報知は、前記移動体の到着に関する到着報知を含み、
前記通信部は、前記到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令を、前記制御装置から受信し、
前記到着報知開始命令が受信されたタイミングで、前記到着報知の実行を開始するように前記報知部を制御する制御部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
前記報知は、前記移動体の出発に関する出発報知をさらに含み、
前記移動体関連時刻は、前記移動体の出発予定時刻に関連した時刻である出発関連時刻を含み、
前記通信部は、前記出発関連時刻を表す前記時刻情報を、前記制御装置から受信し、
前記保持部は、受信された前記時刻情報を保持し、かつ、
前記制御部は、保持された前記時刻情報で表される前記出発関連時刻に、又は、前記出発関連時刻に基づくタイミングで、前記出発報知の実行を開始するように前記報知部を制御する出発報知開始制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の報知装置。
【請求項4】
前記出発関連時刻は、(1)前記出発予定時刻、(2)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、(3)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記制御部は、
(1)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻を、前記出発報知の実行を開始する出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
(2)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、又は、
(3)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定後報知時間だけ後の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも、前記出発予定後報知時間と、前記出発予定前報知時間と、の合計時間だけ前の時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の報知装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記移動体の出発後に前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記出発報知終了命令が受信されたタイミングで、前記出発報知の実行を終了するように前記報知部を制御する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の報知装置。
【請求項6】
前記時刻情報が保持されると、前記時刻情報が保持されていることを表す表示を行う表示器、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の報知装置。
【請求項7】
前記移動体関連時刻は、前記移動体の出発予定時刻、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記時刻情報が保持されている旨の前記表示は、システム時刻から、前記時刻情報で表される、又は、前記時刻情報に基づいて得られる、前記出発予定時刻まで、の猶予時間の表示を含み、
前記表示器は、前記猶予時間の前記表示を行っている間に、新たな移動体関連時刻を表す新たな時刻情報が受信されると、前記猶予時間の前記表示を中止し、かつ、システム時刻から、受信された前記新たな時刻情報で表される、又は、前記新たな時刻情報に基づいて得られる、前記新たな出発予定時刻まで、の新たな猶予時間の表示を開始する、
ことを特徴とする請求項6に記載の報知装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
【請求項9】
前記通信部は、前記制御装置から前記ハートビートを、予め定められた周期で受信し、
前記制御部は、前記ハートビートが受信される度に、前記ハートビートの受信時刻を開始時刻とし、かつ、前記開始時刻よりも予め定められた時間だけ後の時刻を終了時刻とする期間を、前記制御装置と通信が可能な通信可能期間として設定し、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していると、前記制御装置との通信が可能でないと判別し、かつ、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していないと、前記制御装置との通信が可能であると判別する、
ことを特徴とする請求項8に記載の報知装置。
【請求項10】
前記制御部は、最新の前記通信可能期間の前記終了時刻よりも後において、前記報知の実行が開始されていない場合に、
最新の前記通信可能期間の前記終了時刻からの経過時間がより長い程、前記移動体関連時刻よりも、より早い時刻を、前記報知の実行が開始される報知開始時刻として設定し、かつ、
設定された前記報知開始時刻が到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする請求項9に記載の報知装置。
【請求項11】
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を送信する制御装置と、
前記移動体に関する報知を実行する報知装置と、
を備え、
前記報知装置は、
前記移動体関連時刻を表す前記時刻情報を、前記制御装置から受信し、
受信された前記時刻情報を保持し、かつ、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する前記報知を実行する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記報知は、前記移動体の出発に関する出発報知を含み、
前記報知装置は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記制御装置から受信すると、
前記出発報知の実行を終了し、かつ、
前記出発報知の実行を終了したことを告げる出発報知終了報告を、前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記出発報知終了命令が送信された時刻から予め定められた時間が経過しても、前記出発報知終了報告を受信しない場合、前記報知装置の位置に居る、又は、予め定められた距離以下の距離だけ前記報知装置の前記位置から離れた位置に居る、操作者の端末装置へ、前記出発報知の実行を終了させる操作を命じる出発報知終了操作命令を送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
移動を行う移動体であって、
前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備えることを特徴とする移動体。
【請求項14】
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする請求項13に記載の移動体。
【請求項15】
人工衛星から空間に放出された電波を受信し、受信された前記電波に基づいて、前記移動体の位置を計測する位置計測部、をさらに備え、
前記通信部は、空間に電波を放出することで、計測された前記位置を表す位置情報を、基地局を介して送信し、かつ、前記基地局から空間に放出された電波を受信することで、前記ハートビートを受信し、
前記報知開始命令は、送信された前記位置情報に基づくタイミングで、前記制御装置から受信される命令であり、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている前記間において、前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記報知開始命令が受信されていない場合に、前記報知の実行を開始させるタイミングである報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで、前記報知開始制御を実行し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている前記間において、前記報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで前記報知開始制御を実行すること、を抑制する、
ことを特徴とする請求項14に記載の移動体。
【請求項16】
報知装置、システム、又は、移動体が実行する方法であって、
前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信ステップと、
受信された前記時刻情報を保持する保持ステップと、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知装置、システム、移動体、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、管制装置等の制御装置との通信により、例えば、ドローンを含む移動体の着陸を通知する小型携帯端末が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の小型携帯端末では、制御装置との通信品質が低下した場合、その後において、移動体に関する報知の精度低下を抑制できない、という問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、制御装置との通信品質が低下した後において、移動体に関する報知の精度低下を抑制できる報知装置、システム、移動体、及び、方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る報知装置は、
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る報知装置、システム、移動体、及び、方法によれば、制御装置との通信品質が低下した後において、移動体に関する報知の精度低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る報知システムの一構成例を表すシステム構成図である。
【
図2】実施例に係る移動体の一外観例を表す外観構成図である。
【
図3】報知装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【
図4】報知装置が実行する出発情報取得処理の一例を表すフローチャートである。
【
図5】報知装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【
図6】報知装置が実行する出発報知制御処理の一例を表すフローチャートである。
【
図7】報知制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【
図8】報知制御装置が実行する出発情報出力処理の一例を表すフローチャートである。
【
図9】移動体の制御装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【
図10】報知装置が実行する到着情報取得処理の一例を表すフローチャートである。
【
図11】実施例の変形例16に係る報知装置が実行する到着報知制御処理の一例を表すフローチャートである。
【
図12】実施例の変形例20に係る報知装置が実行する到着報知制御処理の一例を表すフローチャートである。
【
図13】実施例の変形例22に係る移動体の一外観例を表す外観構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施例>
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ説明する。本発明の実施例に係る報知システム1は、
図1に示すような移動体100と、移動体100に関する報知を行う報知装置200と、報知装置200を制御する報知制御装置300と、移動体100を制御する移動体制御装置400と、を備える。
【0010】
本実施例では、移動体100に関する報知として、移動体100の出発に関する報知(以下、出発報知という)を具体例として挙げて説明するが、これに限定される訳では無い。また、本実施例では、移動体100の出発報知として、移動体100の出発が予定されている場所であるポートに居る人に、ポートからの立ち去りが命じられていることを知らせる報知(以下、立去命令報知という)を具体例として挙げて説明するが、これに限定される訳ではない。
【0011】
移動体100は、例えば、ドローン等の無人航空機である。本実施例では、移動体100は、例えば、電子市場に出店された店舗で販売された物品を、当該物品の購入者によって指定された時間帯に、指定された配送先へ配送するが、これに限定される訳ではない。また、本実施例では、ポートは、移動体100によって配送される物品が格納されている倉庫、又は、そのような物品を販売した店舗の駐車場であるが、これに限定される訳ではない。
【0012】
移動体100は、物品を格納して配送先まで飛行することで、物品の配送を行う。このため、移動体100は、移動体100の姿勢及び飛行を制御する、
図2に示すような制御装置190と、制御装置190から、制御装置190の外側へそれぞれ突出したプロペラアーム101から104と、プロペラアーム101から104の先端にそれぞれ設置されたプロペラ111から114と、制御装置190の制御に従ってプロペラ111から114を回転させる不図示のモータと、を備える。
【0013】
また、移動体100は、制御装置190の下面に、物品を囲持する囲持枠121a及び121bと、囲持枠121a及び121bを吊持し、かつ、囲持枠121a及び121bの移動方向を延設方向とするガイドレール122a及び122bと、制御装置190の制御に従って、囲持枠121a及び121bを互いに近づく方向、又は、互いに遠ざかる方向へ移動させる不図示のモータと、を備える。移動体100は、囲持枠121a及び121b、ガイドレール122a及び122b、並びに、モータに代えて、物品の格納に用いられる不図示の格納庫、又は、物品を吊持するフックを備えても良い。
【0014】
移動体100は、例えば、NIC(Network Interface Card)である不図示のデータ通信回路を備えている。移動体100のデータ通信回路は、例えば、LTE(Long Term Evolution)及び5G(5th Generation)を含む通信規格に従って、例えば、インターネットを含むネットワークINに接続された不図示の基地局と電波を用いてデータ通信を行う。
【0015】
移動体100は、囲持枠121a及び121bに物品を格納した後に、ネットワークINに接続された移動体制御装置400から出発命令を受信すると、ポートから離陸する。このようにして、移動体100は、ポートから出発する。本実施例では、出発命令は、ポートから配送先に到る配送経路を表す情報を含み、かつ、ポートから出発すること、及び、出発後に当該配送経路を移動すること、を命じる命令である。次に、移動体100は、出発命令から配送経路を表す情報を取得し、取得された情報で表される配送経路を飛行する。その後、移動体100は、配送先の上空に到着すると、配送先へ着陸し、囲持枠121a及び121bを互いに遠ざかる方向に移動させることで、囲持枠121a及び121bから物品を解放する。このようにして、移動体100は、物品の配送を終了する。
【0016】
報知装置200は、ポートの位置に、又は、ポートの近傍の位置に設置されている。ポートの近傍の位置とは、予め定められた距離以下の距離だけポートから離れた位置を意味する。報知装置200は、
図3に示すような土台210と、土台210によって垂直に支持されている支柱220と、支柱220によって支持されているスピーカ231、7セグメント表示器232、パトランプと称される回転灯233と、制御装置290と、を備える。
【0017】
報知装置200のスピーカ231は、予め定められた音声を出力することで、出発報知を行い、7セグメント表示器232は、予め定められた文字列、文字、又は、記号の少なくとも1つを表示することで、出発報知を行う。パトランプ233は、予め定められたパターンに従った点灯又は点滅の少なくとも1つを行うことで、出発報知を行う。これらのため、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233は、報知部231から233とそれぞれ総称される。
【0018】
報知装置200の制御装置290は、CPU(Central Processing Unit)291、RAM(Random Access Memory)292、ROM(Read Only Memory)293a、ハードディスク293b、データ通信回路294a、及び、入出力ポート298を備える。制御装置290は、複数のCPUを備えても良いし、複数のRAM及びフラッシュメモリを備えても良い。
【0019】
報知装置200のCPU291は、ROM293a又はハードディスク293bに保存されたプログラムを実行することで、報知装置200の全体制御を行う。RAM292は、CPU291によるプログラムの実行時において、処理対象とされるデータを一時的に記憶する。ROM293a及びハードディスク293bは、各種のプログラムと、プログラムの実行に用いられる各種のデータ及びデータが保存されたテーブルと、を記憶している。報知装置200が備えるデータ通信回路294aの構成及び機能は、移動体100が備える不図示のデータ通信回路の構成及び機能と同様である。報知装置200の入出力ポート298は、報知部231から233とそれぞれ接続された不図示のケーブルに接続されており、CPU291によって入力された信号を報知部231から233へ出力する。
【0020】
報知装置200のCPU291は、起動すると、移動体100に関する時刻(以下、移動体関連時刻という)を表す時刻情報を含み、かつ、当該移動体関連時刻に行われる移動体100に関する予定を表す、予定情報を取得する。本実施例では、移動体関連時刻の具体例として、移動体100のポートからの出発予定時刻に関連した時刻(以下、出発関連時刻という)を挙げて以下の説明を行う。
【0021】
また、本実施例では、説明を簡単にするため、移動体100に関する予定の具体例として、移動体100のポートからの出発予定を挙げ、かつ、出発関連時刻が出発予定時刻そのものである場合を具体例として挙げて以下の説明を行う。しかし、出発関連時刻は、出発予定時刻に限定されるわけでは無く、出発予定時刻よりも、予め定められた時刻だけ前の時刻、又は、予め定められた時間だけ後の時刻であっても良い。
【0022】
このため、報知装置200のCPU291は、起動すると、移動体100のポートからの出発予定を表し、かつ、移動体100のポートからの出発予定時刻を表す時刻情報を含んだ、予定情報(以下、出発予定情報という)を取得するため、
図4に示すような出発情報取得処理を実行する。これにより、CPU291は、出発予定情報を取得する、
図5に示すような取得部910、及び、出発予定情報に基づいて報知部231から233を制御する制御部920として機能し、ハードディスク293bは、出発予定情報を保持する保持部990として機能する。
【0023】
報知装置200の取得部910は、出発情報取得処理の実行が開始されると、データ通信回路294aから、出発予定情報の取得を試行する(ステップS01)。このとき、出発予定情報が取得されないと(ステップS02;No)、取得部910は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS01の処理を再度実行する。
【0024】
これに対して、出発予定情報が取得されると(ステップS02;Yes)、報知装置200の取得部910は、出発予定情報から時刻情報を取得する。本実施例では、出発予定情報には、出発予定時刻を表す時刻情報だけでなく、出発予定時刻にポートを出発する移動体100によって配送される物品を識別する物品ID(IDentification)が含まれている。このため、取得部910は、出発予定情報から物品IDをさらに取得する。その後、制御部920は、取得された物品ID及び時刻情報を保持部990へ保存し、保持部990は、保存された物品ID及び時刻情報を保持する(ステップS03及びS04)。
【0025】
次に、報知装置200の取得部910は、移動体100の出発予定時刻よりも前に出発報知が行われる時間(以下、出発予定前報知時間という)の長さを表す情報と、移動体100の出発予定時刻よりも後に出発報知が行われる時間(以下、出発予定後報知時間という)の長さを表す情報と、を保持部990から取得する。
【0026】
本実施例では、出発予定前報知時間の長さは、ポートからの立ち去りを人が開始してから、立ち去りを終えるまでに要する時間(以下、ポート立去所要時間という)として予め定められた時間の長さと、予め設定された余裕時間の長さと、の合計に等しい長さに、予め設定されている。しかし、これに限定される訳ではなく、出発予定前報知時間の長さは、ポート立去所要時間の長さと等しい長さに設定されていても良い。ポート立去所要時間の好適な長さ、及び、余裕時間の好適な長さは、当業者が実験により定めることができる。
【0027】
本実施例において、出発予定前報知時間の長さが、ポート立去所要時間の長さと、余裕時間の長さと、の合計に等しい長さに設定されているのは、ポートからの移動体100の出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻に、出発報知が開始され、かつ、出発報知の開始から余裕時間が経過するまでに、出発報知に従って人がポートからの立ち去りを開始すれば、移動体100の出発予定時刻までに、ポートからの立ち去りを終えることができるからである。このため、出発予定時刻以降に移動体100がポートを出発すれば、移動体100と人との物理的な接触を抑制できるため、安全性の低下を抑制できるからである。
【0028】
また、本実施例では、出発予定後報知時間の長さは、出発予定前報知時間の長さと同じ長さに、又は、出発予定前報知時間の長さよりも予め定められた時間だけ長い長さに、予め設定されている。本実施例において、出発予定後報知時間の長さがこのように設定されているのは、ポートからの移動体100の出発時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻に、出発報知が終了されれば、出発報知の終了後にポートへ人が立ち入っており、かつ、例えば、故障により、移動体100がポートへ引き返したとしても、移動体100がポートへ到着する時刻よりもポート立去所要時間以上前の時刻に、ポートからの人の立ち去りを開始できるからである。
【0029】
次に、報知装置200の制御部920は、報知部231から233に出発報知の実行を開始させる制御(以下、出発報知開始制御という)を行うタイミングと、報知部231から233に出発報知の実行を終了させる制御(以下、出発報知終了制御という)を行うタイミングと、を、出発予定時刻に基づいて設定する。本実施例では、報知装置200の制御部920が出発報知開始制御を行うタイミングとして、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻が到来するタイミング、を具体例として挙げ、かつ、出発報知開始制御が行われるタイミングとして、出発予定時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻が到来するタイミング、を具体例として挙げて以下の説明を行う。
【0030】
このため、報知装置200の制御部920は、ステップS04で取得された時刻情報で表される出発予定時刻よりも、取得された情報で表される出発予定前報知時間だけ前の時刻を、出発報知を開始する時刻(以下、出発報知開始時刻という)として設定する。また、制御部920は、出発予定時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻を、出発報知を終了する時刻(以下、出発報知終了時刻という)として設定する。
【0031】
その後、報知装置200の制御部920は、設定された出発報知開始時刻を表す情報と、出発報知終了時刻を表す情報と、を保持部990へ保存し、保持部990は、保存されたこれらの情報を保持する(ステップS05及びS06)。その後、ステップS01から上記処理が繰り返される。
【0032】
報知装置200のCPU291は、起動すると、報知部231から233に出発報知を実行させる、
図6に示すような出発報知制御処理を、
図4に示した出発情報取得処理と並列的に実行する。出発報知制御処理の実行が開始されると、取得部910は、移動体100に配送させる物品の物品IDを保持部990から取得することを試行する(ステップS11)。このとき、物品IDが取得されないと(ステップS12;No)、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後、ステップS11から上記処理が繰り返される。
【0033】
これに対して、物品IDが取得されると(ステップS12;Yes)、報知装置200の制御部920は、物品IDで識別される物品を移動体100に格納するように指示する格納指示を、スピーカ231及び7セグメント表示器232に出力させる制御(以下、格納指示出力制御という)を行う(ステップS13)。このため、取得部910は、物品IDを読み上げる音声を表す音声データと、物品を移動体100に格納するように指示する音声を表す音声データと、を保持部990から取得し、制御部920は、取得された音声データをスピーカ231へ出力する。スピーカ231は、入力されたデータに基づいて音声を出力することで、報知装置200の位置、又は、報知装置200の近傍の位置に居る作業員に対して格納指示を行う。報知装置200の近傍の位置とは、予め定められた距離以下の距離だけ報知装置200の位置から離れた位置を意味する。
【0034】
また、報知装置200の制御部920は、7セグメント表示器232に物品IDを出力し、7セグメント表示器232は、物品IDを表示することで、報知装置200の位置、又は、報知装置200の近傍の位置に居る作業員に対して格納指示を行う。スピーカ231の音声、又は、7セグメント表示器232の表示を確認した作業員は、移動体100に配送させる物品を、例えば、倉庫又は店舗の棚から、物品IDに基づいて探し出し、探し出した物品を移動体100の囲持枠121a及び121bに格納させる。
【0035】
次に、報知装置200の取得部910は、保持部990から出発報知開始時刻を表す情報を取得する(ステップS14)。その後、取得部910は、例えば、報知装置200のOS(Operating System)から、システム時刻を表す情報を取得する。次に、制御部920は、取得された情報に基づいて、出発報知開始時刻が到来したか否かを判別する。このとき、取得された情報で表されるシステム時刻が、出発報知開始時刻よりも前の時刻であるため、出発報知開始時刻が到来していないと判別されると(ステップS15;No)、ステップS11から上記処理が繰り返される。
【0036】
これに対して、報知装置200の制御部920は、システム時刻が出発報知開始時刻以降の時刻であるため、出発報知開始時刻が到来したと判別すると(ステップS15;Yes)、報知部231から233に出発報知開始制御を行う(ステップS16)。このために、制御部920は、出発報知の開始を命じる信号(以下、出発報知開始信号という)を報知部231から233を宛先として入出力ポート298へ出力する。報知部231から233は、入出力ポート298から出発報知開始信号を入力されると、出発報知の実行を開始し、出発報知の終了を命じる信号(以下、出発報知終了信号という)を入力されるまで、出発報知の実行を継続する。
【0037】
次に、報知装置200の取得部910は、出発報知終了時刻を表す情報を保持部990から取得する(ステップS17)。その後、制御部920は、ステップS15の処理に準じた処理を実行することで、出発報知終了時刻が到来したか否かを判別する。このとき、出発報知終了時刻が到来していないと判別されると(ステップS18;No)、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後、ステップS17から上記処理が繰り返される。
【0038】
これに対して、報知装置200の制御部920は、出発報知終了時刻が到来したと判別すると(ステップS18;Yes)、報知部231から233に出発報知終了制御を行う(ステップS19)。このために、制御部920は、ステップS16の処理に準じた処理を実行することで、出発報知終了信号を報知部231から233へ出力し、報知部231から233は、出発報知終了信号を入力されると、出発報知の実行を終了する。次に、制御部920は、保持部990が保持する物品ID、出発予定時刻を表す時刻情報、出発報知開始時刻を表す情報、及び、出発報知終了時刻を表す情報を削除する(ステップS20)。その後、ステップS11から上記処理が繰り返される。
【0039】
報知制御装置300は、例えば、サーバー機であり、例えば、電子市場を提供し、かつ、物品を販売する販売者と、物品を購入する顧客と、の間で、物品の売買を仲介する企業のオフィスビルに設置されている。報知制御装置300は、ハードウェアである、
図7に表すようなCPU301、RAM302、ROM303a、ハードディスク303b、データ通信回路304a、ビデオカード305a、ディスプレイパネル305b、及び、入力装置305cを備える。報知制御装置300は、複数のCPUを備えても良いし、複数のRAM及びフラッシュメモリを備えても良い。
【0040】
報知制御装置300が備えるCPU301、RAM302、ROM303a、ハードディスク303b、及び、データ通信回路304aの構成及び機能は、報知装置200が有するCPU291、RAM292、ROM293a、ハードディスク293b、及び、データ通信回路294aの構成及び機能と同様である。報知制御装置300のビデオカード305aは、CPU301から出力されたデジタル信号に基づいて画像信号を出力する。ディスプレイパネル305bは、EL(Electroluminescence)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)、又は、LCD(Liquid Crystal Display)であり、ビデオカード305aから出力された画像信号に従って画像を表示する。入力装置305cは、キーボード、マウス、タッチパッド、又は、ボタンの少なくとも1つであり、オフィスビルで勤務する従業員の操作に応じた信号を出力する。
【0041】
報知制御装置300のデータ通信回路304aが、例えば、電子市場を提供する不図示のサーバーから配送依頼を受信すると、報知制御装置300のCPU301は、配送依頼に基づいて移動体100の出発予定を生成する、不図示の出発予定生成処理を実行する。出発予定生成処理の実行を開始すると、CPU301は、データ通信回路304aから配送依頼を取得する。配送依頼は、販売された物品の物品IDと、当該物品の購入者によって指定された配送先の位置を表す情報と、当該物品が配送される時間帯として当該購入者によって指定された配送時間帯を表す情報と、を含み、かつ、当該物品を当該配送先へ当該時間帯に配達すること求める依頼である。
【0042】
次に、報知制御装置300のCPU301は、配送依頼から、物品IDと、配送先の位置を表す情報と、配送時間帯を表す情報と、を取得する。その後、CPU301は、ハードディスク303bから、移動体100が着陸しているポートの位置を表す情報と、移動体100が移動可能な部分経路を表す情報が保存された部分経路テーブルと、を取得する。本実施例では、移動体100が移動可能な部分経路は、例えば、道路、又は、河原若しくは公園内の経路を含むが、これに限定される訳ではない。その後、CPU301は、ポートの位置から配送先の位置に到る配送経路を、ポートの位置を表す情報と、配送先の位置を表す情報と、部分経路テーブルに保存されている情報と、に基づいて決定する。本実施例では、配送経路を決定するためのアルゴリズムとして、例えば、ダイクストラ法を用いるが、ダイクストラ法以外の公知の経路探索アルゴリズムを用いても良い。
【0043】
次に、報知制御装置300のCPU301は、ハードディスク303bから、予め設定された移動体100の移動速度を表す情報を取得し、取得された情報で表される移動速度と、決定された配送経路と、に基づいて、移動体100がポートから配送先の位置まで移動するのに要する移動時間を算出する。このために、CPU301は、例えば、配送経路を表す情報に基づいて、配送経路の距離を算出し、算出された距離を移動体100の移動速度で除算することで、移動時間を算出する。本実施例では、移動体100の移動速度は、移動体100の過去に計測された平均的な移動速度であるが、これに限定される訳ではなく、移動体100が達成可能な最高速度、又は、法律により定められた最高速度であっても良い。
【0044】
その後、報知制御装置300のCPU301は、配送時間帯に含まれる配送時刻をランダムに、又は、予め定められた規則に基づいて、決定する。次に、CPU301は、決定された配送時刻よりも、算出された移動時間だけ前の時刻を、移動体100の出発予定時刻に決定する。次に、CPU301は、移動体100に配送させる物品の物品IDと、決定された出発予定時刻を表す時刻情報と、を含み、かつ、移動体100が出発予定時刻にポートを出発する予定を表す出発予定情報を生成する。その後、CPU301は、ハードディスク303bへ、生成された出発予定情報と、決定された配送経路を表す情報と、を保存する。その後、CPU301は、出発予定生成処理の実行を終了する。
【0045】
報知制御装置300のCPU301は、起動すると、ハードディスク303bに保存されている出発予定情報を、報知装置200を宛先としてデータ通信回路304aに出力する、
図8に示すような出発情報出力処理を実行する。出発情報出力処理の実行が開始されると、CPU301は、ハードディスク303bから出発予定情報を取得することを試行する(ステップS21)。このとき、出発予定情報が取得されないと(ステップS22;No)、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後に、ステップS21の処理が再度実行される。
【0046】
これに対して、出発予定情報が取得されると(ステップS22;Yes)、報知制御装置300のCPU301は、取得された出発予定情報を、報知装置200を宛先として、データ通信回路304aへ出力する(ステップS23)。その後、報知制御装置300のデータ通信回路304aは、出力された出発予定情報を報知装置200へ送信する。報知装置200は、出発予定情報を受信すると、出発予定情報に含まれる時刻情報に基づくタイミングで、出発報知の実行を開始する。
【0047】
次に、報知制御装置300のCPU301は、出発予定情報から時刻情報を取得する。その後、CPU301は、取得された時刻情報で表される出発予定時刻が到来したか否かを、
図6のステップS15の処理に準じた処理を実行することで、判別する。このとき、出発予定時刻が到来していないと判別されると(ステップS24;No)、ステップS21から上記処理が繰り返される。
【0048】
これに対して、報知制御装置300のCPU301は、出発予定時刻が到来したと判別すると(ステップS24;Yes)、ハードディスク303bから、配送経路を表す情報を取得する。次に、CPU301は、移動体100を識別する機体IDをハードディスク303bから取得する。その後、CPU301は、移動体100の機体IDと、配送経路を表す情報と、を含み、かつ、ポートから出発すること、及び、出発後に配送経路を移動すること、を移動体100に命じる出発命令を生成する。その後、CPU301は、生成された出発命令を、移動体制御装置400を宛先としてデータ通信回路304aへ出力する(ステップS25)。
【0049】
その後、報知制御装置300のデータ通信回路304aは、出発命令を移動体制御装置400へ送信し、移動体制御装置400は、出発命令に含まれる機体IDに基づいて、出発命令を移動体100へ転送する。本実施例では、移動体100の機体IDは、移動体100に割り当てられている通信アドレスであるが、これに限定される訳ではなく、移動体100の識別番号であっても良い。
【0050】
次に、報知制御装置300のCPU301は、ハードディスク303bから、出発予定情報と、配送経路を表す情報と、を削除した後に(ステップS26)、ステップS21から上記処理を繰り返す。
【0051】
移動体制御装置400は、例えば、サーバー機であり、例えば、移動体100の製造及び販売を行う企業のオフィスビルに設置されている。移動体制御装置400は、ハードウェアである、不図示のCPU、RAM、ROM、ハードディスク、データ通信回路、ビデオカード、ディスプレイパネル、及び、入力装置を備える。移動体制御装置400が備えるハードウェアの構成及び機能は、報知制御装置300が備えるハードウェアの構成及び機能と同様である。
【0052】
これらの構成によれば、報知装置200は、移動体100に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、報知制御装置300から受信するデータ通信回路294aと、受信された時刻情報を保持する保持部990と、を備える。また、報知装置200は、保持された時刻情報で表される移動体関連時刻に基づいて、移動体100に関する報知である出発報知を実行する報知部231から233と、を備える。これらのため、報知装置200は、報知制御装置300から時刻情報を受信しさえすれば、時刻情報で表される移動体関連時刻に基づいて出発報知を実行できる。すなわち、報知装置200は、時刻情報の受信後に、報知制御装置300との通信品質が低下したとしても、通信品質が低下した後において、移動体100に関する出発報知の精度低下を抑制できる。
【0053】
本実施例では、通信品質が低下するとは、通信が途絶することを意味するが、これに限定される訳ではない。通信品質が低下するとは、通信が遅延することを意味しても良いし、通信パケットのロスが多くなることを意味しても良い。また、通信品質が低下するとは、通信が途絶すること、通信が遅延すること、又は、通信パケットのロスが多くなることの少なくとも1つを意味しても良い。
【0054】
また、本実施例では、出発報知の精度は、出発前の報知の精度と、出発後の報知の精度と、の双方を含む。しかし、これに限定される訳ではなく、出発報知の精度は、出発前の報知の精度、又は、出発後の報知の精度の片方のみを含んでも良い。
【0055】
また、本実施例では、出発前の報知の精度は、移動体100がポートを出発した回数(以下、出発回数という)に対する、出発報知の開始タイミングが適切であった回数(以下、出発報知適切開始回数という)の割合(以下、出発報知適切開始割合という)で表されるが、これに限定される訳ではない。出発報知適切開始回数とは、移動体100がポートを出発した出発時刻よりもポート立去所要時間だけ早い時刻以前に、出発報知の実行が開始された回数である。しかし、これに限定される訳ではなく、出発報知適切開始回数は、出発時刻よりもポート立去所要時間だけ早い時刻を終了時刻とする予め定められた長さの期間に、出発報知の実行が開始された回数であっても良い。当該期間に出発報知の実行が開始されるとは、当該期間の開始時刻以降、かつ、当該期間の終了時刻以前に、出発報知の実行が開始されることを意味する。また、当該期間の好適な長さは、当業者が実験により予め定めることができる。出発報知適切開始回数がこれらのように定義されているのは、出発時刻よりもポート立去所要時間だけ早い時刻以前に出発報知が開始されれば、出発報知が開始されたタイミングでポートに居る人が立ち去りを開始すれば、移動体100の出発時刻までにポートからの立ち去りを終えることができるからである。
【0056】
また、本実施例では、出発後の報知の精度は、移動体100の出発回数に対する、出発報知の終了タイミングが適切であった回数(以下、出発報知適切終了回数という)の割合(以下、出発報知適切終了割合という)で表されるが、これに限定される訳ではない。出発報知適切終了回数とは、移動体100がポートを出発した出発時刻よりもポート立去所要時間だけ遅い時刻以降に、出発報知の実行が終了された回数である。しかし、これに限定される訳ではなく、出発報知適切終了回数は、出発時刻よりもポート立去所要時間だけ遅い時刻を開始時刻とする予め定められた長さの期間に、出発報知の実行が終了された回数であっても良い。当該期間に出発報知の実行が終了されるとは、当該期間の開始時刻以降、かつ、当該期間の終了時刻以前に、出発報知の実行が終了されることを意味する。また、当該期間の好適な長さは、当業者が実験により予め定めることができる。出発報知適切終了回数がこれらのように定義されているのは、出発時刻よりもポート立去所要時間だけ遅い時刻以降に出発報知が終了されれば、例えば、出発報知の終了後に人が立ち入ったポートへ、例えば、故障により移動体100が戻ることがあったとしても、ポートへ移動体100が到着する時刻より、ポート立去所要時間だけ前の時刻以前に、ポートからの人の立ち去りを開始できるからである。
【0057】
本実施例では、出発報知の精度は、出発前の報知の精度と、出発後の報知の精度と、の双方を含み、出発前の報知の精度は、出発報知適切開始割合で表され、かつ、出発後の報知の精度は、出発報知適切終了割合で表されると説明した。このため、本実施例では、出発報知の精度は、出発報知適切開始割合を正の重付係数αbで重み付することで得られる値と、出発報知適切終了割合を正の重付係数αaで重み付することで得られる値と、の和で表される。当業者は、好適な正の重付係数αa及びαbを実験により定めることができる。しかし、これに限定される訳ではなく、出発報知適切開始割合がより高い程、出発報知の精度がより高い値に算出され、かつ、出発報知適切終了割合がより高い程、出発報知の精度がより高い値に算出される算出方法であれば、出発報知の精度の算出方法は、どのような算出方法であっても良い。
【0058】
また、これらの構成によれば、移動体100に関する報知は、移動体100の出発に関する出発報知を含み、移動体100に関連した時刻である移動体関連時刻は、移動体100の出発予定時刻に関連した時刻である出発関連時刻を含む。さらに、報知装置200のデータ通信回路294aは、出発関連時刻を表す時刻情報を、報知制御装置300から受信し、報知装置200の保持部990は、受信された時刻情報を保持する。また、報知装置200の制御部920は、保持された時刻情報で表される時刻であり、かつ、移動体100の出発予定時刻である出発関連時刻に基づくタイミングで、出発報知の実行を開始するように報知部231から233を制御する。このため、移動体100が、出発予定時刻に出発命令を受信してポートを出発すれば、報知装置200は、出発予定時刻に基づく適切なタイミングで、出発報知の実行を開始できるので、出発報知の精度低下を抑制できる。
【0059】
<実施例の変形例1>
実施例では、移動体100に関する報知として、移動体100の出発に関する出発報知を、報知装置200が行う場合を具体例として挙げて説明した。これに対して、本変形例では、移動体100に関する報知として、移動体100の到着に関する報知(以下、到着報知という)を、報知装置200が行う場合を具体例として挙げて説明する。
【0060】
また、実施例では、ポートは、移動体100の出発が予定されている場所であると説明したが、本変形例では、ポートは、移動体100の到着が予定されている場所である。このため、本変形例では、移動体100の到着報知として、移動体100の到着が予定されている場所であるポートに居る人に、ポートからの立ち去りが命じられていることを知らせる立去命令報知が実行される場合を具体例として挙げて説明するが、これに限定される訳ではない。
【0061】
本変形例では、物品の配送を終えた移動体100は、物品の配送先からポートに到る帰還経路を表す情報を含み、かつ、配送先から出発すること、及び、出発後に当該帰還経路を移動すること、を命じる出発命令を受信する。次に、移動体100は、出発命令に従って、配送先を出発し、ポートまで飛行する。その後、移動体100は、ポートの上空に到着すると、ポートへ着陸する。このようにして、移動体100は、ポートへ到着する。
【0062】
本変形例に係る報知装置200の報知部231から233は、到着報知を行う。このために、報知部231であるスピーカ231は、予め定められた音声を出力し、報知部232である7セグメント表示器232は、予め定められた文字列、文字、又は、記号の少なくとも1つを表示し、報知部233であるパトランプ233は、予め定められたパターンに従った点灯又は点滅の少なくとも1つを行う。
【0063】
報知装置200は、起動すると、移動体関連時刻を表す時刻情報を含み、かつ、当該移動体関連時刻に行われる、移動体100に関する予定を表す予定情報を取得する。本変形例では、移動体関連時刻の具体例として、移動体100のポートからの到着予定時刻に関連した時刻(以下、到着関連時刻という)を挙げて以下の説明を行う。
【0064】
また、本変形例では、説明を簡単にするため、移動体100に関する予定の具体例として、移動体100のポートへの到着予定を挙げ、かつ、到着関連時刻が到着予定時刻そのものである場合を具体例として挙げて以下の説明を行う。しかし、到着関連時刻は、到着予定時刻に限定されるわけでは無く、到着予定時刻よりも、予め定められた時刻だけ前の時刻、又は、予め定められた時間だけ後の時刻であっても良い。
【0065】
このため、報知装置200は、起動すると、移動体100のポートへの到着予定を表し、かつ、移動体100のポートへの到着予定時刻を表す時刻情報を含む、予定情報(以下、到着予定情報という)を取得する、不図示の到着情報取得処理を実行する。
【0066】
報知装置200は、到着情報取得処理の実行を開始すると、
図4のステップS01及びS02の処理に準じた処理を実行することで、データ通信回路294aから到着予定情報を取得することを試行する。このとき、到着予定情報が取得されないと、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後に、ステップS01の処理に準じた処理から上記処理が繰り返される。
【0067】
これに対して、到着予定情報が取得されると、報知装置200は、
図4のステップS04からS06の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200は、到着予定情報から到着予定時刻を表す時刻情報を取得する。また、報知装置200は、移動体100の到着予定時刻よりも前に到着報知が行われる時間(以下、到着予定前報知時間という)の長さを表す情報と、移動体100の到着予定時刻よりも後に到着報知が行われる時間(以下、到着予定後報知時間という)の長さを表す情報と、を保持部990から取得する。
【0068】
本変形例では、到着予定前報知時間の長さは、ポート立去所要時間の長さと、余裕時間の長さと、予め設定された予測相違時間の長さと、の合計に等しい長さに、予め設定されている。予測相違時間は、移動体100のポートへの到着予定時刻と、移動体100がポートへ実際に到着する到着時刻と、の相違であり、かつ、予め定められた確率以上の確率で生じると予め予測された時間である。予測相違時間の好適な長さは、当業者が実験により定めることができる。
【0069】
本変形例において、到着予定前報知時間の長さがこのように設定されているのは、移動体100のポートへの到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻に、到着報知が開始され、かつ、到着報知の開始から余裕時間が経過するまでに、到着報知に従って人がポートからの立ち去りを開始すれば、移動体100のポートへの到着が到着予定時刻よりも予測相違時間だけ早まったとしても、移動体100のポートへの到着までに、人のポートからの立ち去りを終えることができるからである。このため、移動体100と人との物理的な接触を抑制できるため、安全性の低下を抑制できるからである。
【0070】
また、本変形例では、到着予定後報知時間の長さは、予測相違時間の長さに等しい長さに、予め設定されている。本変形例において、到着予定後報知時間の長さがこのように設定されているのは、移動体100のポートへの到着予定時刻よりも到着予定後報知時間だけ後の時刻まで、到着報知を継続すれば、移動体100のポートへの到着が到着予定時刻よりも予測相違時間だけ遅くなったとしても、移動体100のポートへの到着まで、到着報知を継続できるからである。
【0071】
その後、報知装置200は、到着予定前報知時間の長さと、時刻情報で表される到着予定時刻と、に基づいて、到着報知を開始する時刻(以下、到着報知開始時刻という)を設定する。このために、報知装置200は、到着予定時刻よりも、到着予定前報知時間だけ前の時刻を、到着報知開始時刻に設定する。また、報知装置200は、到着予定後報知時間の長さと、到着予定時刻と、に基づいて、到着報知を終了する時刻(以下、到着報知開始時刻という)と、を設定する。このために、報知装置200は、到着予定時刻よりも、到着予定後報知時間だけ後の時刻を、到着報知終了時刻に設定する。次に、報知装置200は、到着予定時刻を表す時刻情報と、到着報知開始時刻を表す情報と、到着報知終了時刻を表す情報と、を保持部990へ保存してから、ステップS01の処理に準じた処理から上記処理を繰り返す。
【0072】
また、本変形例に係る報知装置200は、起動すると、報知部231から233に到着報知を実行させる不図示の到着報知制御処理を、既に説明した不図示の到着情報取得処理と並列的に実行する。到着報知制御処理の実行を開始すると、報知装置200は、
図6のステップS11の処理に準じた処理を実行することで、到着報知開始時刻を表す情報を保持部990から取得することを試行する。このとき、到着報知開始時刻を表す情報が取得されないと、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後、ステップS11の処理に準じた処理から上記処理が繰り返される。
【0073】
到着報知開始時刻を表す情報が取得されると、報知装置200は、ステップS14からS16の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200の制御部920は、到着報知開始時刻が到来すると、報知部231から233に到着報知の実行を開始させる制御(以下、到着報知開始制御という)を実行する。その後、報知装置200は、ステップS17からS19の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200の取得部910は、到着報知終了時刻を表す情報を保持部990から取得し、到着報知終了時刻が到来すると、制御部920は、報知部231から233に到着報知の実行を終了させる制御(以下、到着報知終了制御という)を実行する。次に、報知装置200は、ステップS20の処理に準じた処理を実行することで、保持部990が保持する到着予定時刻を表す時刻情報、到着報知開始時刻を表す情報、及び、到着報知終了時刻を表す情報を削除する。その後、報知装置200は、ステップS11の処理に準じた処理から、上記処理を繰り返す。
【0074】
本変形例に係る移動体100は、配送先に到着し、物品の配送を完了すると、配送先の位置を表す情報を含み、かつ、当該配送先への物品の配送が完了したことを告げる配送完了報告を、報知制御装置300へ送信する。報知制御装置300のデータ通信回路304aが配送完了報告を受信すると、報知制御装置300のCPU301は、配送完了報告から、配送先の位置を表す情報を取得する。次に、CPU301は、ハードディスク303bから、ポートの位置を表す情報と、移動体100が移動可能な部分経路を表す情報が保存された部分経路テーブルと、を取得する。その後、報知制御装置300は、配送先の位置からポートの位置に到る帰還経路を、ポートの位置を表す情報と、配送先の位置を表す情報と、部分経路テーブルに保存されている情報と、に基づいて決定する。
【0075】
次に、報知制御装置300は、移動体100の機体IDをハードディスク303bから取得し、移動体100の機体IDと、帰還経路を表す情報と、を含み、かつ、配送先から出発すること、及び、出発後に帰還経路を移動すること、を移動体100に命じる出発命令を生成する。その後、報知制御装置300は、生成された出発命令を移動体制御装置400へ送信し、移動体制御装置400は、出発命令を移動体100へ転送する。
【0076】
次に、報知制御装置300のCPU301は、例えば、OSからシステム時刻を表す情報を、出発命令の送信時刻を表す情報として取得する。その後、CPU301は、移動体100の移動速度を表す情報を取得し、取得された移動速度と、決定された帰還経路と、に基づいて、移動体100が配送先の位置からポートの位置まで移動するのに要する移動時間を算出する。次に、CPU301は、出発命令の送信時刻よりも、算出された移動時間だけ後の時刻を、移動体100のポートへの到着予定時刻に決定する。
【0077】
その後、報知制御装置300のCPU301は、決定された到着予定時刻を表す時刻情報を含んだ到着予定情報を生成し、生成された到着予定情報を、報知装置200を宛先として、報知制御装置300のデータ通信回路304aへ出力する。その後、報知制御装置300のデータ通信回路304aは、到着予定情報を報知装置200へ送信し、報知装置200は、到着予定情報を受信すると、到着予定情報に含まれる時刻情報に基づくタイミングで、到着報知の実行を開始する。
【0078】
これらの構成によれば、報知装置200の報知部231から233は、保持された時刻情報で表される移動体関連時刻に基づいて、移動体100の到着に関する到着報知を実行する。これらのため、報知装置200は、報知制御装置300から時刻情報を受信しさえすれば、時刻情報で表される移動体関連時刻に基づいて到着報知を実行できるので、到着報知の精度低下を抑制できる。
【0079】
本変形例では、到着報知の精度は、到着前の報知の精度と、到着後の報知の精度と、の双方を含む。しかし、これに限定される訳ではなく、到着報知の精度は、到着前の報知の精度、又は、到着後の報知の精度の片方のみを含んでも良い。
【0080】
本変形例では、到着前の報知の精度は、移動体100がポートに到着した回数(以下、到着回数という)に対する、到着報知の開始タイミングが適切であった回数(以下、到着報知適切開始回数という)の割合(以下、到着報知適切開始割合という)で表されるが、これに限定される訳ではない。到着報知適切開始回数とは、移動体100がポートに到着した到着時刻よりもポート立去所要時間だけ早い時刻以前に、到着報知の実行が開始された回数である。しかし、これに限定される訳ではなく、到着報知適切開始回数は、到着時刻よりもポート立去所要時間だけ早い時刻を終了時刻とする予め定められた長さの期間に、到着報知の実行が開始された回数であっても良い。当該期間に到着報知の実行が開始されるとは、当該期間の開始時刻以降、かつ、当該期間の終了時刻以前に、到着報知の実行が開始されることを意味する。また、当該期間の好適な長さは、当業者が実験により予め定めることができる。
【0081】
また、本変形例では、到着後の報知の精度は、移動体100の到着回数に対する、到着報知の終了タイミングが適切であった回数(以下、到着報知適切終了回数という)の割合(以下、到着報知適切終了割合という)で表されるが、これに限定される訳ではない。到着報知適切終了回数とは、移動体100がポートに到着した到着時刻以降に、到着報知の実行が終了された回数である。しかし、これに限定される訳ではなく、到着報知適切終了回数は、到着時刻を開始時刻とする予め定められた長さの期間に、到着報知の実行が終了された回数であっても良い。当該期間に到着報知の実行が終了されるとは、当該期間の開始時刻以降、かつ、当該期間の終了時刻以前に、到着報知の実行が終了されることを意味する。また、当該期間の好適な長さは、当業者が実験により予め定めることができる。
【0082】
本変形例では、到着報知の精度は、到着前の報知の精度と、到着後の報知の精度と、の双方を含み、到着前の報知の精度は、到着報知適切開始割合で表され、かつ、到着後の報知の精度は、到着報知適切終了割合で表される。このため、本変形例では、到着報知の精度は、到着報知適切開始割合を正の重付係数βbで重み付することで得られる値と、到着報知適切終了割合を正の重付係数βaで重み付することで得られる値と、の和で表される。当業者は、好適な正の重付係数βa及びβbを実験により定めることができる。しかし、これに限定される訳ではなく、到着報知適切開始割合がより高い程、到着報知の精度がより高い値に算出され、かつ、到着報知適切終了割合がより高い程、到着報知の精度がより高い値に算出される算出方法であれば、到着報知の精度の算出方法は、どのような算出方法であっても良い。
【0083】
<実施例の変形例2>
移動体100の出発に関する出発報知を、報知装置200が実行する実施例と、移動体100の到着に関する到着報知を、報知装置200が実行する実施例の変形例1と、は、組み合わせることができる。すなわち、報知装置200は、出発報知と、到着報知と、の双方を実行しても良い。
【0084】
<実施例の変形例3>
実施例では、時刻情報によって表される出発関連時刻が、出発予定時刻である場合を具体例として挙げて説明したが、これに限定される訳ではない。本変形例では、出発関連時刻が、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻である場合を具体例として挙げて説明を行う。
【0085】
このため、本変形例に係る報知制御装置300のCPU301は、出発予定時刻を決定すると、ハードディスク303bから、出発予定前報知時間を表す情報を取得し、取得された情報で表される出発予定前報知時間と、決定された出発予定時刻と、に基づいて、出発関連時刻を決定する。次に、報知制御装置300のCPU301は、移動体100に配送させる物品の物品IDと、決定された出発関連時刻を表す時刻情報と、を含む出発予定情報を生成する。その後、報知制御装置300は、生成された出発予定情報を報知装置200へ送信する。
【0086】
本変形例に係る報知装置200は、出発予定情報を受信し、
図4のステップS04において、出発予定情報から時刻情報を取得する。その後、報知装置200は、ステップS05において、時刻情報で表される時刻であり、かつ、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻である、出発関連時刻を、出発報知開始時刻として設定する。次に、報知装置200は、ステップS06において、出発関連時刻よりも、出発予定前報知時間と、出発予定後報知時間と、の合計時間だけ後の時刻を算出することで、出発予定時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻を算出する。その後、報知装置200は、算出された時刻を出発報知終了時刻として設定する。
【0087】
<実施例の変形例4>
実施例の変形例1では、時刻情報によって表される到着関連時刻が、到着予定時刻である場合を具体例として挙げて説明したが、これに限定される訳ではない。本変形例では、到着関連時刻が、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻である場合を具体例として挙げて説明を行う。
【0088】
このため、本変形例に係る報知制御装置300のCPU301は、到着予定時刻を決定すると、ハードディスク303bから、到着予定前報知時間を表す情報を取得し、取得された情報で表される到着予定前報知時間と、決定された到着予定時刻と、に基づいて、到着関連時刻を決定する。次に、報知制御装置300は、決定された到着関連時刻を表す時刻情報を含んだ到着予定情報を報知装置200へ送信する。
【0089】
本変形例に係る報知装置200は、到着予定情報を受信し、到着予定情報から時刻情報を取得する。その後、報知装置200は、時刻情報で表される時刻であり、かつ、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻である、到着関連時刻を、到着報知開始時刻として設定する。次に、報知装置200は、到着関連時刻よりも、到着予定前報知時間と、到着予定後報知時間と、の合計時間だけ後の時刻を算出することで、到着予定時刻よりも到着予定後報知時間だけ後の時刻を算出する。その後、報知装置200は、算出された時刻を到着報知終了時刻として設定する。
【0090】
<実施例の変形例5>
実施例の変形例3では、時刻情報によって表される出発関連時刻が、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻である場合を具体例として挙げて説明したが、これに限定される訳ではない。出発関連時刻は、出発予定時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻であっても良い。この場合、報知装置200は、出発関連時刻を出発報知終了時刻として設定すれば良い。また、この場合、報知装置200は、出発関連時刻よりも、出発予定前報知時間と、出発予定後報知時間と、の合計時間だけ前の時刻を算出することで、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻を算出し、算出された時刻を出発報知開始時刻として設定すれば良い。
【0091】
<実施例の変形例6>
実施例の変形例4では、時刻情報によって表される到着関連時刻が、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻である場合を具体例として挙げて説明したが、これに限定される訳ではない。到着関連時刻は、到着予定時刻よりも到着予定後報知時間だけ後の時刻であっても良い。この場合、報知装置200は、到着関連時刻を到着報知終了時刻として設定すれば良い。また、この場合、報知装置200は、到着関連時刻よりも、到着予定前報知時間と、到着予定後報知時間と、の合計時間だけ前の時刻を算出することで、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻を算出し、算出された時刻を到着報知開始時刻として設定すれば良い。
【0092】
<実施例の変形例7>
実施例の変形例2では、報知装置200は、出発報知と、到着報知と、を、保持している時刻情報に基づくタイミングで開始すると説明したが、これに限定される訳ではない。本変形例に係る報知装置200は、出発報知を、保持している時刻情報に基づくタイミングで開始するが、到着報知を、到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令が受信されたタイミングで開始する。
【0093】
このため、先ず、本変形例で行われる出発報知について説明する。本変形例に係る報知装置200は、実施例の変形例2で説明した通り、報知制御装置300から出発予定情報を受信すると、受信された出発予定情報に含まれる時刻情報を保持する。次に、報知装置200は、保持する時刻情報に基づいて、出発報知開始時刻と出発報知終了時刻とを設定する。その後、報知装置200は、出発報知開始時刻が到来すると、出発報知の実行を開始する。次に、物品を格納している移動体100は、出発命令を受信すると、ポートを出発する。その後、報知装置200は、出発報知終了時刻が到来すると、出発報知の実行を終了する。ポートを出発した移動体100は、物品の配送先まで移動し、物品の配送を終える。
【0094】
次に、本変形例で行われる到着報知について説明する。本変形例では、到着報知の開始は、到着報知開始命令が受信されたタイミングで行われる。到着報知開始命令が報知装置200によって受信される時刻は、到着報知開始命令が報知制御装置300によって送信されるタイミングによって決まる。本変形例では、報知制御装置300は、到着報知開始命令を送信するタイミングの到来を、移動体100の位置に基づいて判別する。
【0095】
このため、本変形例に係る移動体100は、
図9に示すような制御装置190を備える。制御装置190は、ハードウェアである、CPU191、RAM192、ROM193a、フラッシュメモリ193b、データ通信回路194a、位置計測回路196、及び、駆動回路199を備える。本変形例では、移動体100は、1つのCPU191を備えるが、複数のCPUを備えても良い。また、移動体100は、複数のRAM及びフラッシュメモリを備えても良い。
【0096】
移動体100が備えるCPU191、RAM192、ROM193a、及び、データ通信回路194aの構成及び機能は、報知制御装置300が備えるCPU301、RAM302、ROM303a、及び、データ通信回路304aの構成及び機能と同様である。移動体100が備えるフラッシュメモリ193bは、各種のプログラムと、プログラムの実行に用いられる各種のデータ及びデータが保存されたテーブルと、を記憶している。
【0097】
移動体100の位置計測回路196は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)回路である。位置計測回路196は、準天頂衛星から空間に発せられた電波信号を受信し、受信された電波信号に基づいて移動体100の位置を表す緯度、経度、及び、高度を計測し、計測された緯度、経度、及び、高度を表す信号を出力する。位置計測回路196は、QZSS回路ではなく、GPS(Global Positioning System)衛星から空間に発せられたGPS信号を受信し、受信されたGPS信号に基づいて移動体100の位置を表す緯度、経度、及び、高度を計測するGPS回路であっても良い。
【0098】
移動体100の駆動回路199は、プロペラ111から114を回転させる不図示のモータにそれぞれ接続された不図示のケーブルに接続されている。駆動回路199は、CPU191が出力する制御信号に従って当該モータを駆動させることで、プロペラ111から114を回転させる。
【0099】
ポートから配送先まで物品を配送し終えた後に、移動体100のデータ通信回路194aが、移動体制御装置400から出発命令を受信すると、移動体100のCPU191は、データ通信回路194aから出発命令を取得し、出発命令から帰還経路を表す情報を取得する。その後、CPU191は、配送先の離陸、帰還経路の飛行、及び、ポートへの着陸を順に行うための制御信号を、プロペラ111から114に接続された駆動回路199へ出力する。
【0100】
また、移動体100のCPU191は、予め定められた周期で、位置計測回路196から出力される信号を取得し、取得された信号に基づいて、移動体100の位置を表す位置情報を取得し、取得された位置情報を、移動体制御装置400を宛先として、データ通信回路194aへ出力する。移動体100のデータ通信回路304aは、出力された位置情報を、移動体制御装置400へ送信し、移動体制御装置400は、移動体100から受信した位置情報を、報知制御装置300へ転送する。
【0101】
本変形例に係る報知制御装置300のデータ通信回路304aが、移動体100の位置情報を、移動体制御装置400から受信すると、報知制御装置300のCPU301は、位置情報をデータ通信回路304aから取得する。次に、CPU301は、ハードディスク303bから、移動体100の移動速度を表す情報を取得する。その後、CPU301は、取得された情報で表される移動速度と、移動体100の位置と、移動体100の帰還経路と、に基づいて、移動体100の位置からポートの位置まで、移動体100が移動するのに要する移動時間を算出する。このために、CPU301は、例えば、帰還経路を表す情報と、移動体100の位置情報と、に基づいて、移動体100の位置からポートの位置までの帰還経路上の距離を算出し、算出された距離を移動体100の移動速度で除算することで、移動時間を算出する。
【0102】
次に、報知制御装置300のCPU301は、ハードディスク303bから、到着予定前報知時間を表す情報を取得し、取得された情報で表される到着予定前報知時間と、算出された移動体100の移動時間と、に基づいて、到着報知開始命令を送信するタイミングが到来したか否かを判別する。本変形例では、到着報知開始命令を送信するタイミングは、移動体100がポートへ接近したタイミングであるが、これに限定される訳ではない。また、本変形例では、移動体100がポートへ接近するとは、移動体100からポートまでの距離が、到着予定前報知時間において移動体100が移動する距離以下となったことを意味するが、これに限定される訳ではない。
【0103】
このため、報知制御装置300のCPU301は、移動体100の移動時間の長さが、到着予定前報知時間の長さよりも長いと判別すると、移動体100がポートへ接近していないため、到着報知開始命令を送信するタイミングが到来していないと判別する。次に、CPU301は、移動体100の位置情報が新たに受信されるまで、到着報知開始命令の出力及び送信を抑制する。
【0104】
これに対して、本変形例では、報知制御装置300のCPU301は、移動体100の移動時間の長さが、到着報知時間の長さ以下であると判別すると、移動体100がポートへ接近したため、到着報知開始命令を送信するタイミングが到来したと判別する。次に、CPU301は、到着報知開始命令を、報知装置200を宛先としてデータ通信回路304aへ出力し、データ通信回路304aは、到着報知開始命令を報知装置200へ送信する。
【0105】
本変形例に係る報知装置200のデータ通信回路294aが到着報知開始命令を受信すると、制御部920は、到着報知開始時刻が到来したと判別し、報知部231から233に対して到着報知開始制御を行う。このようにして、制御部920は、到着報知開始命令が受信されたタイミングで、到着報知の実行を開始するように報知部231から233を制御する。
【0106】
ポートへ向かって移動している移動体100のCPU191は、位置計測回路196から出力される信号に基づいて、予め定められた周期で位置情報を取得する。次に、CPU191は、取得された位置情報と、帰還経路を表す情報と、に基づいて、移動体100が帰還経路の終点であるポートの上空に到着したか否かを判別する。本変形例では、位置情報は、移動体100の位置を緯度、経度、及び、高度を用いて表す。また、帰還経路を表す情報には、帰還経路に含まれる複数のノードの位置を緯度、経度、及び、高度で表す位置情報と、複数のノードの到着順を表す情報と、が含まれている。このため、本変形例では、CPU191は、帰還経路を表す情報から、到着順が最後のノードの位置を表す位置情報を取得する。次に、CPU191は、取得された位置情報で表される緯度、経度、及び、高度に基づいて、移動体100の位置と、最後のノードの位置と、の距離を算出し、算出された距離が予め定められた距離以下であるか否かを判別する。
【0107】
このとき、移動体100のCPU191は、算出された距離が予め定められた距離よりも長いと、移動体100がポートの上空に到着していないと判別する。これに対して、CPU191は、算出された距離が予め定められた距離以下であると、移動体100がポートの上空に到着したと判別する。次に、CPU191は、ポートに着陸するための制御信号を、プロペラ111から114に接続された駆動回路199へ出力する。その後、移動体100がポートに着陸すると、移動体100のCPU191は、ポートに到着したことを告げる到着報告を、移動体制御装置400を宛先として、データ通信回路194aへ出力する。その後、移動体100のデータ通信回路194aは、移動体制御装置400へ到着報告を送信し、移動体制御装置400は、到着報告を報知制御装置300へ転送する。
【0108】
報知制御装置300のデータ通信回路304aが到着報告を受信すると、報知制御装置300のCPU301は、到着報知の実行の終了を命じる命令(以下、到着報知終了命令という)を送信するタイミングが到来したと判別する。次に、CPU301は、到着報知終了命令を、報知装置200を宛先として、データ通信回路304aへ出力し、データ通信回路304aは、到着報知終了命令を報知装置200へ送信する。
【0109】
報知装置200のデータ通信回路294aが到着報知終了命令を受信すると、制御部920は、到着報知終了時刻が到来したと判別し、報知部231から233に対して到着報知終了制御を行う。このようにして、制御部920は、到着報知終了命令が受信されたタイミングで、到着報知の実行を終了するように報知部231から233を制御する。
【0110】
これらの構成によれば、報知装置200の制御部920は、時刻情報で表される出発関連時刻に基づくタイミングで、出発報知の実行を開始するように報知部231から233を制御する。出発関連時刻は、出発予定時刻に関連した時刻であり、かつ、出発関連時刻を表す時刻情報は、報知制御装置300から報知装置200が受信した情報であり、かつ、受信後から報知装置200が保持している情報である。これに対して、報知装置200の制御部920は、到着報知開始命令が報知制御装置300から受信されたタイミングで、到着報知の実行を開始するように報知部231から233を制御する。ここで、移動体100の着陸時は、離陸時と異なり、外乱が多く予定通り着陸する可能性が高くないため、報知制御装置300が、直接、報知装置200を制御し、着陸と離陸とで報知装置200の制御形態を変えることにより、状況に応じた適切な警報を行うことができる。
【0111】
出発時の外乱より到着時の外乱の方が多い場合の一例として、出発予定時刻に移動体100がポートを出発するには、出発予定時刻に移動体100が出発命令を受信しさえすれば良いのに対して、到着予定時刻に移動体100がポートへ到着するには、到着予定時刻の決定に用いられた帰還経路に沿って、かつ、到着予定時刻の決定に用いられた移動速度で、移動体100が移動し続けなければならない場合を挙げることができる。このような場合であっても、報知装置200は、予定時刻通りに行われる可能性が低い移動体100の到着に関する到着報知を、到着報知開始命令が報知制御装置300から受信されたタイミングで開始することで、報知の精度低下を抑制できる。また、予定時刻通りに行われる可能性が高い移動体100の出発に関する出発報知を、出発予定時刻である出発関連時刻に基づくタイミングで開始することで、時刻情報の受信後に報知制御装置300との通信品質が低下したとしても、報知の精度低下を抑制できる。
【0112】
<実施例の変形例8>
実施例の変形例7では、報知装置200は、報知制御装置300から到着報知開始命令を受信したタイミングで、到着報知を開始すると説明した。しかし、報知制御装置300との通信品質が低下していると、報知装置200は、到着報知開始命令を報知制御装置300から受信できないため、移動体100がポートに接近しても、到着報知の実行を開始できない。
【0113】
このとき、本変形例において、報知装置200の位置、又は、報知装置200の近傍の位置に居る作業員は、例えば、飛行音といった移動体100が生じさせる音を聞き取ること、又は、移動体100を目視すること、の少なくとも1つによって、移動体100のポートへの接近を確認する。次に、作業員は、報知装置200が到着報知を開始していないことを確認すると、報知装置200が備える不図示の入力装置に対して、到着報知の実行を開始させる操作(以下、到着報知開始操作という)を行う。本変形例において、到着報知開始操作を行う作業員は、報知装置200の操作を行うため、操作者とも称される。
【0114】
報知装置200が備える不図示の入力装置は、キーボード、マウス、タッチパッド、又は、ボタンの少なくとも1つであり、操作に応じた信号を出力する。報知装置200の取得部910が、到着報知開始操作に応じた信号を入力装置から取得すると、制御部920は、到着報知開始制御を実行し、報知部231から233は、到着報知を開始する。
【0115】
その後、作業員は、移動体100がポートに着陸したことを確認すると、報知装置200の入力装置に対して、到着報知の実行を終了させる操作(以下、到着報知終了操作という)を行う。報知装置200の取得部910が、到着報知終了操作に応じた信号を入力装置から取得すると、制御部920は、到着報知終了制御を実行し、報知部231から233は、到着報知を終了する。
【0116】
これらの構成によれば、移動体100のポートへの接近時に、報知装置200と報知制御装置300との通信の品質が低下しているために、到着報知開始命令を報知装置200が受信できなくとも、報知装置200の位置、又は、報知装置200の近傍の位置に居る作業員が移動体100の接近を確認し、到着報知開始操作を報知装置200に行いさえすれば、報知装置200は、到着報知を開始できる。このため、移動体100がポートに接近しても到着報知が行われないことを抑制できるため、安全性の低下を抑制できる。
【0117】
<実施例の変形例9>
実施例の変形例7では、報知装置200の制御部920は、保持部990に保持された時刻情報に基づくタイミングで、出発報知終了制御を行うと説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、本変形例では、報知装置200の制御部920は、出発報知の実行の終了を命じる命令(以下、出発報知終了命令という)が受信されたタイミングで、出発報知終了制御を行う。
【0118】
本変形例に係る作業員は、移動体100に配送させる物品を、例えば、倉庫又は店舗の棚から探し出し、探し出した物品を移動体100の囲持枠121a及び121bに格納させる。作業員が物品を移動体100に格納させ終える前に、報知装置200が出発報知を開始すると、作業員は、移動体100が備える不図示の入力装置に対して、移動体100に出発を抑制させる操作(以下、出発抑制操作という)を行う。移動体100が備える入力装置の構成及び機能は、報知制御装置300が備える入力装置305cの構成及び機能と同様である。
【0119】
移動体100のCPU191は、入力装置から出発抑制操作に応じた信号が出力されると、フラッシュメモリ193bに保存されている出発抑制フラグを、出発が抑制されていないことを表す値「false」から、出発が抑制されていることを表す値「true」に変更する。その後、移動体100のデータ通信回路194aが出発命令を受信すると、CPU191は、フラッシュメモリ193bから出発抑制フラグを取得する処理を実行する。次に、CPU191は、取得された出発抑制フラグの値が「true」であるか否かを判別する。このとき、CPU191は、出発抑制フラグの値が「true」であると判別すると、ポートを出発するための制御信号、及び、配送経路を移動するための制御信号を出力することを抑制する。このため、移動体100は、出発命令が受信されたタイミングで、ポートを出発することを抑制する。その後、CPU191は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、出発抑制フラグを取得する処理から上記処理を繰り返す。
【0120】
作業員は、物品を移動体100に格納させ終えると、移動体100の入力装置に対して、出発の抑制を解除させる操作(以下、出発抑制解除操作という)を行う。移動体100のCPU191は、入力装置から出発抑制解除操作に応じた信号が出力されると、ポート立去所要時間と余裕時間との合計時間に亘ってスリープした後に、フラッシュメモリ193bに保存されている出発抑制フラグを、出発が抑制されていないことを表す値「false」に変更する。移動体100のCPU191がスリープする時間は、ポート立去所要時間と余裕時間との合計時間に限定される訳ではなく、ポート立去所要時間であっても良い。
【0121】
出発抑制フラグを取得する処理から上記処理を繰り返した後、移動体100のCPU191は、取得された出発抑制フラグの値が「false」であると判別すると、ポートを出発するための制御信号を出力する。
【0122】
その後、移動体100のCPU191は、ポートを出発したことを報告する出発報告を、移動体制御装置400を宛先として、データ通信回路194aへ出力する。移動体100のデータ通信回路194aは、出発報告を移動体制御装置400へ送信し、移動体制御装置400は、出発報告を報知制御装置300へ転送する。その後、移動体100のCPU191は、配送経路を移動するための制御信号を出力する。
【0123】
報知制御装置300のデータ通信回路304aが出発報告を受信すると、報知制御装置300のCPU301は、ハードウェアタイマー又はソフトウェアタイマーを用いて、出発報告の受信時刻からの経過時間を計時する。次に、CPU301は、ハードディスク303bから、出発予定後報知時間を表す情報を取得する。その後、CPU301は、経過時間の長さが出発予定後報知時間の長さ以上であるか否かを判別する処理を実行する。このとき、CPU301は、経過時間の長さが出発予定後報知時間の長さよりも短いと判別すると、出発報知終了命令を送信するタイミングが到来していないと判別する。次に、CPU301は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、経過時間の長さが出発予定後報知時間の長さ以上であるか否かを判別する処理を再度実行する。
【0124】
これに対して、報知制御装置300のCPU301は、経過時間の長さが出発予定後報知時間の長さ以上であると判別すると、出発報知終了命令を送信するタイミングが到来したと判別する。次に、CPU301は、出発報知終了命令を、報知装置200を宛先として、データ通信回路304aへ出力する。その後、報知制御装置300のデータ通信回路304aは、出発報知終了命令を報知装置200へ送信する。報知装置200のデータ通信回路294aが出発報知終了命令を受信すると、報知装置200の制御部920は、出発報知終了制御を実行する。
【0125】
これらの構成によれば、報知装置200のデータ通信回路294aは、出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、移動体100の出発後に、報知制御装置300から受信する。また、報知装置200の制御部920は、出発報知終了命令が受信されたタイミングで、出発報知の実行を終了するように報知部231から233を制御する。このため、報知装置200は、出発関連時刻に基づくタイミングで出発報知の実行を終了する場合と比べて、より確実に、移動体100がポートを出発してから出発報知の実行を終了できる。すなわち、報知装置200は、出発関連時刻に基づくタイミングで出発報知の実行を終了する場合と比べて、移動体100がポートを出発する前に、出発報知の実行を終了してしまうことを、より確実に抑制できる。
【0126】
また、これらの構成によれば、出発関連時刻を表す時刻情報を報知装置200が受信した後に、報知装置200と報知制御装置300との通信の品質が低下すると、報知装置200は、出発報知終了命令を受信しないため、出発報知を終了できないが、少なくとも、出発関連時刻に基づくタイミングで出発報知を開始できる。このため、時刻情報の受信後に通信の品質が低下しても、報知装置200は、ポートに居る人の安全性の低下を抑制できる。
【0127】
<実施例の変形例10>
実施例の変形例9では、報知装置200は、出発報知終了命令を報知制御装置300から受信したタイミングで、出発報知を終了すると説明した。しかし、報知制御装置300との通信品質が低下していると、報知装置200は、出発報知終了命令を報知制御装置300から受信できないため、出発報知の実行を終了できない。このため、本変形例では、報知制御装置300は、作業員が携帯する不図示の端末装置へ、出発報知の実行を終了させる操作(以下、出発報知終了操作という)をすることを命じる出発報知終了操作命令を送信する。また、作業員の端末装置は、出発報知終了操作命令を受信すると、出発報知終了操作命令を受信したことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行う。その後、作業員は、当該表示、又は、当該音声の少なくとも1つを確認すると、報知装置200に出発報知終了操作を行う。
【0128】
このため、本変形例に係る報知装置200の制御部920は、データ通信回路304aが出発報知終了命令を受信すると、報知部231から233に対して出発報知終了制御を行う。その後、報知装置200の制御部920は、出発報知の実行を終了したことを告げる出発報知終了報告を、報知制御装置300を宛先として、データ通信回路294aへ出力する。その後、報知装置200のデータ通信回路294aは、報知制御装置300へ出発報知終了報告を送信する。これに対して、制御部920は、データ通信回路304aが出発報知終了命令を受信しないと、出発報知終了制御を行わず、かつ、出発報知終了報告を出力しない。
【0129】
本変形例に係る報知制御装置300のCPU301は、報知装置200を宛先として、出発報知終了命令をデータ通信回路304aへ出力すると、不図示のハードウェアタイマー、又は、ソフトウェアタイマーを用いて、出発報知終了命令の出力時刻からの経過時間の計時を開始する。次に、CPU301は、出発報知終了命令の出力から出発報知終了報告の取得までに要する時間として予め設定された許容時間を表す情報を、ハードディスク303bから取得する。当業者は、好適な許容時間の長さを実験により定めることができる。
【0130】
次に、報知制御装置300のCPU301は、データ通信回路304aからの出発報知終了報告の取得を試行する処理を実行する。このとき、CPU301は、出発報知終了報告が取得されないと、到着報知終了命令の出力時刻からの経過時間の長さが、取得された情報で表される許容時間の長さ以下であるか否かを判別する。このとき、CPU301は、経過時間の長さが許容時間の長さ以下であると判別すると、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、出発報知終了報告の取得を試行する処理から上記処理を繰り返す。
【0131】
これに対して、報知制御装置300のCPU301は、経過時間の長さが許容時間の長さよりも長いと判別すると、報知制御装置300と報知装置200との通信の品質が低下しており、出発報知終了命令が報知装置200によって受信されなかった可能性があると判別する。次に、CPU301は、報知装置200の位置、又は、報知装置200の近傍の位置に居る作業員の端末装置に割り当てられた通信アドレスを表す情報を、ハードディスク303bから取得する。次に、取得された情報で表される通信アドレスを宛先として、出発報知終了操作命令をデータ通信回路304aへ出力する。報知制御装置300のデータ通信回路304aは、出発報知終了操作命令を作業員の端末装置へ送信する。
【0132】
これに対して、報知制御装置300のCPU301は、出発報知終了報告が取得されると、報知制御装置300と報知装置200との通信の品質が低下しておらず、かつ、出発報知終了命令が報知装置200によって受信されたと判別し、出発報知終了操作命令の出力を抑制する。このため、報知制御装置300は、出発報知終了操作命令を作業員の端末装置へ送信しない。
【0133】
作業員の端末装置は、例えば、スマートフォン、又は、タブレット型若しくはノートブック型のパーソナルコンピュータであり、作業員に携帯されている。作業員の端末装置は、ハードウェアである、不図示のCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、データ通信回路、ビデオカード、ディスプレイパネル、及び、入力装置を備える。端末装置のこれらのハードウェアの構成及び機能は、報知制御装置300のハードウェアの構成及び機能と同様である。また、作業員の端末装置は、不図示のスピーカを備え、CPUから出力される信号に基づいて音声を出力する。
【0134】
端末装置のデータ通信回路が、出発報知終了操作命令を受信すると、端末装置のCPUは、出発報知終了操作命令が受信されたことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行うように、ディスプレイパネル、又は、スピーカの少なくとも1つを制御する。作業員は、当該表示、又は、当該音声の少なくとも1つを確認すると、報知装置200の不図示の入力装置に出発報知終了操作を行う。報知装置200の入力装置が、出発報知終了操作に応じた信号を出力すると、報知装置200のCPU291は、出発報知終了制御を行う。このようにして、報知装置200の報知部231から233は、出発報知の実行を終了する。
【0135】
これらの構成によれば、報知システム1は、報知装置200と、報知制御装置300と、を備える。また、報知システム1の報知装置200は、出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、報知制御装置300から受信すると、出発報知の実行を終了し、かつ、出発報知の実行を終了したことを告げる出発報知終了報告を、報知制御装置300へ送信する。これに対して、報知装置200は、出発報知終了命令を受信しないと、出発報知の実行を終了せず、かつ、出発報知終了報告を送信しない。報知制御装置300は、出発報知終了命令が送信された時刻から予め定められた許容時間が経過しても、出発報知終了報告を受信しない場合、報知装置200の位置に居る、又は、報知装置200の近傍の位置に居る、操作者の端末装置へ、出発報知の実行を終了させる操作をすることを命じる出発報知終了操作命令を送信する。このため、報知システム1は、報知装置200と報知制御装置300との通信の品質が低下した場合であっても、出発報知の実行を終了できる。
【0136】
<実施例の変形例11>
実施例の変形例10では、作業員が携帯する端末装置が、出発報知終了操作命令を受信したことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行うと説明したが、これに限定される訳ではない。本変形例に係る作業員の端末装置は、到着報知の実行を開始させる操作をすることを命じる到着報知開始操作命令を受信したことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行う。また、本変形例に係る作業員は、当該表示、又は、当該音声の少なくとも1つを確認すると、報知装置200に到着報知開始操作を行う。
【0137】
このため、本変形例に係る報知装置200は、到着報知開始命令を受信すると、報知部231から233に到着報知開始制御を行ってから、到着報知の実行を開始したことを告げる到着報知開始報告を報知制御装置300へ送信する。これに対して、報知装置200は、到着報知開始命令を受信しないと、到着報知開始制御を行わず、かつ、到着報知開始報告を送信しない。
【0138】
本変形例に係る報知制御装置300は、報知装置200へ到着報知開始命令を送信すると、到着報知開始命令の送信時刻からの経過時間の計時を開始する。報知制御装置300は、経過時間の長さが、到着報知開始命令の送信から到着報知開始報告の取得までに要する時間として予め設定された許容時間の長さ以下である間に、到着報知開始報告を受信すると、到着報知開始操作命令を作業員の端末装置へ送信しない。これに対して、報知制御装置300は、経過時間の長さが許容時間の長さよりも長くなっても到着報知開始報告を受信していないと、到着報知開始操作命令を作業員の端末装置へ送信する。
【0139】
作業員の端末装置は、到着報知開始操作命令を受信すると、当該命令が受信されたことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行う。作業員は、当該表示、又は、当該音声の少なくとも1つを確認すると、報知装置200に到着報知開始操作を行い、報知装置200は、当該操作に応じて、到着報知の実行を開始する。
【0140】
本変形例では、端末装置は、到着報知開始操作命令を受信したことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行うと説明したが、これに限定される訳ではない。端末装置は、到着報知の実行を終了させる操作をすることを命じる到着報知終了操作命令を受信したことを表す表示、又は、音声出力の少なくとも1つを行っても良い。この場合、当該作業員は、当該表示、又は、当該音声の少なくとも1つを確認すると、報知装置200に到着報知終了操作を行っても良い。
【0141】
<実施例の変形例12>
実施例では、報知装置200の7セグメント表示器232は、予め定められた文字列、文字、又は、記号の少なくとも1つを表示することで、出発報知を行うと説明した。本変形例では、7セグメント表示器232は、出発関連時刻を表す時刻情報を保持部990が保持すると、当該時刻情報が保持されていることを表す表示(以下、出発関連時刻保持表示という)を、出発報知の実行を開始するまで行う。
【0142】
このために、報知装置200のCPU291は、起動すると、出発関連時刻保持表示を7セグメント表示器232に行わせるため、不図示の表示制御処理を実行する。表示制御処理の実行が開始されると、報知装置200の取得部910は、保持部990から時刻情報の取得を試行する処理を実行する。このとき、時刻情報が取得されないと、制御部920は、予め定められた初期表示を行うように7セグメント表示器232を制御する。その後、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後に、時刻情報の取得を試行する処理の実行が繰り返される。
【0143】
これに対して、時刻情報が取得されると、報知装置200の取得部910は、出発報知開始時刻を表す情報を保持部990から取得する。次に、取得部910は、例えば、OSからシステム時刻を表す情報を取得する処理を実行する。その後、取得された情報で表されるシステム時刻が、出発報知開始時刻よりも前の時刻であると、制御部920は、出発関連時刻保持表示を開始するように7セグメント表示器232を制御する。その後、システム時刻を表す情報を取得する処理から上記処理が繰り返される。
【0144】
これに対して、システム時刻が出発報知開始時刻以降の時刻であると、報知装置200の制御部920は、出発関連時刻保持表示を終了するように7セグメント表示器232を制御する。その後、時刻情報の取得を試行する処理から上記処理が繰り返される。
【0145】
<実施例の変形例13>
実施例の変形例12では、報知装置200の7セグメント表示器232は、出発関連時刻を表す時刻情報を保持部990が保持してから、7セグメント表示器232が出発報知の実行を開始するまでの間、出発関連時刻保持表示を行うと説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、7セグメント表示器232は、出発報知の実行を行わず、かつ、保持部990が時刻情報を保持してから、スピーカ231又はパトランプ233の少なくとも1つが出発報知の実行を終了するまでの間、出発関連時刻保持表示を行っても良い。
【0146】
また、報知装置200の7セグメント表示器232は、到着関連時刻を表す時刻情報を保持部990が保持してから、7セグメント表示器232が到着報知の実行を開始するまでの間、当該時刻情報が保持されていることを表す表示(以下、到着関連時刻保持表示という)を行っても良い。また、7セグメント表示器232は、到着報知の実行を行わず、かつ、保持部990が時刻情報を保持してから、スピーカ231又はパトランプ233の少なくとも1つが到着報知の実行を終了するまでの間、到着関連時刻保持表示を行っても良い。
【0147】
<実施例の変形例14>
実施例の変形例12では、報知装置200の7セグメント表示器232は、出発関連時刻保持表示を行うと説明したが、これに限定される訳ではない。本変形例に係る7セグメント表示器232は、保持部990が時刻情報を保持してから、移動体100の出発予定時刻までの間、システム時刻から出発予定時刻までの猶予時間の表示を行う。本変形例では、実施例と同様に、出発関連時刻が出発予定時刻である場合を一例として挙げて説明を行う。
【0148】
このために、報知装置200のCPU291は、起動すると、猶予時間の表示を7セグメント表示器232に行わせるため、不図示の表示制御処理を実行する。表示制御処理の実行が開始されると、報知装置200の取得部910は、保持部990から時刻情報の取得を試行する処理を実行する。このとき、時刻情報が取得されないと、制御部920は、予め定められた初期表示を行うように7セグメント表示器232を制御する。その後、予め定められた時間に亘ってスリープが行われた後に、時刻情報の取得を試行する処理の実行が繰り返される。
【0149】
これに対して、時刻情報が取得されると、報知装置200の取得部910は、出発報知開始時刻を表す情報を保持部990から取得する。次に、取得部910は、例えば、OSからシステム時刻を表す情報を取得する処理を実行する。その後、取得された情報で表されるシステム時刻が、出発予定時刻よりも前の時刻であると、制御部920は、時刻情報で表される出発関連時刻からシステム時刻を減算することで、出発予定時刻までの猶予時間を算出する。このようにして、猶予時間が算出されるのは、本変形例では、出発関連時刻が出発予定時刻である場合を具体例として挙げて説明を行っているためである。
【0150】
その後、報知装置200の制御部920は、出発予定時刻までの猶予時間を表示するように7セグメント表示器232を制御する。その後、システム時刻を表す情報を取得する処理から上記処理が繰り返される。このようにして、7セグメント表示器232は、出発予定時刻が到来するまで、猶予時間の表示を繰り返すことで、出発予定時刻までのカウントダウンを行う。
【0151】
これに対して、システム時刻が出発報知開始時刻以降の時刻であると、報知装置200の制御部920は、猶予時間の表示を終了して初期表示を行うように7セグメント表示器232を制御する。その後、時刻情報の取得を試行する処理から上記処理が繰り返される。
【0152】
ここで、移動体100の出発関連時刻が変更されたために、報知装置200のデータ通信回路294aが、報知制御装置300から、変更後の出発関連時刻(以下、新たな出発関連時刻とも称する)を表す新たな時刻情報を受信すると、報知装置200の制御部920は、不図示の表示制御処理の実行を終了し、かつ、初期表示を行うように7セグメント表示器232を制御する。このような制御により、7セグメント表示器232は、猶予時間の表示を中止する。次に、報知装置200のCPU291は、不図示の情報更新処理の実行を開始する。本変形例では、新たな出発関連時刻が、新たな出発予定時刻である場合を一例として挙げて以下の説明を行う。
【0153】
情報更新処理の実行が開始されると、報知装置200の取得部910は、新たな時刻情報をデータ通信回路294aから取得する。その後、制御部920は、保持部990が保持する時刻情報を、新たな時刻情報で更新する。次に、報知装置200の制御部920は、新たな時刻情報で表される新たな出発関連時刻に基づいて、新たな出発報知開始時刻と、新たな出発報知終了時刻と、を設定する。その後、制御部920は、保持部990が保持する出発報知開始時刻を表す情報を、新たな出発報知開始時刻を表す情報で更新し、かつ、保持部990が保持する出発報知終了時刻を表す情報を、新たな出発報知終了時刻を表す情報で更新する。その後、報知装置200は、情報更新処理の実行を終了する。
【0154】
その後、報知装置200のCPU291は、不図示の表示制御処理を再度実行することで、システム時刻から新たな出発予定時刻までの新たな猶予時間の表示を開始する。このように制御されることで、7セグメント表示器232は、出発予定時刻が変更前よりも遅い時間に変更されると、出発予定時刻までのカウントダウンの巻き戻しを行い、出発予定時刻が変更前よりも早い時間に変更されると、出発予定時刻までのカウントダウンの巻き上げを行う。
【0155】
本変形例では、時刻情報で表される移動体関連時刻が出発予定時刻である場合であり、かつ、猶予時間が、システム時刻から、時刻情報で表される出発予定時刻まで、の時間である場合を具体例として挙げて説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、時刻情報で表される移動体関連時刻は、出発予定時刻よりも出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、出発予定時刻よりも出発予定後報知時間だけ後の時刻であっても良い。また、この場合、猶予時間は、システム時刻から、時刻情報に基づいて得られる出発予定時刻まで、の時間であっても良い。
【0156】
<実施例の変形例15>
実施例の変形例14では、報知装置200の7セグメント表示器232は、保持部990が時刻情報を保持してから、移動体100の出発予定時刻が到来するまでの間、システム時刻から出発予定時刻までの猶予時間の表示を行うと説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、7セグメント表示器232は、保持部990が時刻情報を保持してから、移動体100の到着予定時刻が到来するまでの間、システム時刻から到着予定時刻までの猶予時間の表示を行っても良い。また、7セグメント表示器232は、到着予定時刻までの猶予時間の表示を行っている間に、新たな時刻情報が受信されると、当該猶予時間の表示を中止し、かつ、システム時刻から、新たな時刻情報で表される新たな到着予定時刻まで、の新たな猶予時間の表示を開始しても良い。
【0157】
本変形例では、時刻情報で表される移動体関連時刻が到着予定時刻である場合であり、かつ、猶予時間が、システム時刻から、時刻情報で表される到着予定時刻まで、の時間である場合を具体例として挙げて説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、時刻情報で表される移動体関連時刻は、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻、又は、到着予定時刻よりも到着予定後報知時間だけ後の時刻であっても良い。また、この場合、猶予時間は、システム時刻から、時刻情報に基づいて得られる到着予定時刻まで、の時間であっても良い。
【0158】
<実施例の変形例16>
実施例の変形例1では、報知装置200は、保持している時刻情報に基づくタイミングで、到着報知の実行を開始すると説明した。また、実施例の変形例7では、報知装置200は、到着報知開始命令が受信されたタイミングで、到着報知の実行を開始すると説明した。しかし、これらに限定される訳ではなく、実施例の変形例1と、実施例の変形例7と、は、組み合わせることができる。
【0159】
実施例の変形例1と、実施例の変形例7と、の組み合わせである本変形例では、報知装置200は、報知制御装置300からハートビートの受信を試行し、ハートビートが受信されるか否かに基づいて、報知装置200と報知制御装置300との通信が可能か否かを判別する。報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、到着報知開始命令が受信されると、到着報知開始命令が受信されたタイミングで、到着報知の実行を開始する。これに対して、報知装置200は、通信が可能でなく不能であると判別されている間において、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、保持している移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知の実行を開始する。本変形例では、実施例の変形例1と同様に、移動体100に関連する時刻である移動体関連時刻が、移動体100のポートへの到着予定時刻である場合を具体例として挙げて以下の説明を行う。
【0160】
このために、本変形例に係る移動体100は、ポートから配送先まで物品を配送し終えた後に、出発命令を受信すると、配送先を出発し、ポートに到る帰還経路の移動を開始する。その後、移動体100は、予め定められた周期(以下、位置送信周期という)で、位置計測回路196から出力される信号を取得する。本変形例に係る位置計測回路196は、実施例の変形例7で説明したQZSS回路又はGPS回路である。
【0161】
次に、移動体100は、取得された信号に基づいて、移動体100の位置を表す位置情報を取得し、取得された位置情報を移動体制御装置400へ送信する。移動体制御装置400は、位置情報を受信すると、位置情報を報知制御装置300へ転送する。
【0162】
本変形例に係る報知制御装置300は、出発命令を、移動体制御装置400を介して移動体100へ送信する。その後、報知制御装置300のデータ通信回路304aは、ポートを出発した移動体100から位置送信周期で送信される位置情報の受信を試行する。位置情報が受信されると、報知制御装置300のCPU301は、不図示の位置情報更新処理を実行することで、データ通信回路304aから位置情報を取得する。次に、CPU301は、取得された位置情報をハードディスク303bに新規保存又は上書き保存してから、位置情報更新処理の実行を終了する。このようにして、ハードディスク303bが記憶する位置情報は、位置送信周期で、更新される。
【0163】
位置情報更新処理の実行を終了すると、報知制御装置300は、更新された位置情報に基づいて、移動体100がポートへ接近したか否かを判別するために、実施例の変形例7で説明した処理を実行する。このように、報知制御装置300は、位置送信周期で、移動体100がポートへ接近したか否かを判別するため、位置送信周期を、以下、接近判別周期とも称する。
【0164】
このとき、報知制御装置300は、移動体100がポートへ接近していないため、到着報知開始命令を送信するタイミングが到来していないと判別すると、到着報知開始命令の送信を抑制する。これに対して、報知制御装置300は、移動体100がポートへ接近したため、到着報知開始命令を送信するタイミングが到来したと判別すると、到着報知開始命令を報知装置200へ送信する。
【0165】
報知制御装置300は、出発命令を送信した後、移動体100のポートへの到着予定時刻を決定するため、実施例の変形例1で説明した処理を実行する。次に、報知制御装置300は、決定された到着予定時刻を表す時刻情報を含んだ到着予定情報を生成し、生成された到着予定情報を報知装置200へ送信する。
【0166】
出発命令が送信された後、最初の到着予定情報が送信されると、報知制御装置300のCPU301は、予め定められた周期(以下、到着予定更新周期という)で、到着予定情報を更新する、不図示の到着予定更新処理を実行する。本変形例では、到着予定更新周期の長さは、接近判別周期の長さよりも長く予め設定されているが、これに限定される訳ではない。到着予定更新周期の長さは、接近判別周期の長さと同じに設定されていても良いし、接近判別周期の長さよりも短く設定されていても良い。
【0167】
報知制御装置300のCPU301は、到着予定更新処理の実行を開始すると、ハードディスク303bから更新された位置情報を取得し、取得された位置情報を用いて、実施例の変形例1で説明した処理を実行する。これにより、報知制御装置300は、更新された位置情報に基づいて、移動体100のポートへの新たな到着予定時刻を決定する。次に、報知制御装置300は、新たな到着予定時刻に基づいて到着予定を更新する。その後、更新された到着予定を表し、かつ、新たな到着予定時刻を表す時刻情報を含んだ新たな到着予定情報を生成する。次に、報知制御装置300は、生成された新たな到着予定情報を、ハートビートとして報知装置200へ送信してから、到着予定更新処理の実行を終了する。このようにして、報知装置200は、到着予定更新周期で、到着予定を更新し、かつ、更新された到着予定を表す新たな到着予定情報をハートビートとして送信するため、到着予定更新周期は、ハートビート送信周期とも称される。
【0168】
本変形例に係る報知装置200は、起動すると、
図10に示すような到着情報取得処理を実行する。報知装置200は、到着情報取得処理の実行を開始すると、実施例の変形例1で説明した処理を実行することで、最初の到着予定情報、又は、新たな到着予定情報であるハートビートの取得を試行する(ステップS31)。このとき、最初の到着予定情報、及び、新たな到着予定情報のいずれも取得されないと(ステップS32;No)、報知装置200は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS31の処理から上記処理を繰り返す。
【0169】
これに対して、最初の到着予定情報、又は、新たな到着予定情報が取得されると(ステップS32;Yes)、報知装置200の取得部910は、例えば、OSからシステム時刻を表す情報を、受信された最初の到着予定情報、又は、新たな到着予定情報(以下、単に、受信された到着予定情報という)の受信時刻として取得する。次に、制御部920は、取得された情報で表される受信時刻において、報知装置200と報知制御装置300との通信が可能であったと判別する。
【0170】
次に、報知装置200の取得部910は、報知装置200と報知制御装置300との通信が可能であり続けると予測される期間の長さ(以下、予測長さという)を表す情報を、保持部990から取得する。本変形例では、予測長さは、ハートビート送信周期の長さに予め設定されているが、これに限定される訳ではなく、ハートビート送信周期の長さ以上の長さに予め設定されていても良い。また、好適な予測長さは、当業者が実験により定めることができる。
【0171】
その後、報知装置200の制御部920は、到着予定情報の受信時刻を開始時刻とし、かつ、当該受信時刻よりも、取得された情報で表される予測長さの時間だけ後の時刻を終了時刻とする期間を、報知装置200と報知制御装置300との通信が可能であり続ける期間(以下、通信可能期間という)として設定する。その後、制御部920は、設定された通信可能期間を表す情報を、保持部990に新規保存又は上書き保存し、保持部990は、保存された情報を保持する(ステップS33)。このようにして、報知装置200は、到着予定更新周期で、保持部990に保持されている通信可能期間を表す情報を更新する。本変形例では、通信可能期間を表す情報は、通信可能期間の開始時刻を表す情報と、通信可能期間の終了時刻を表す情報と、を含む。
【0172】
次に、報知装置200は、実施例の変形例1で説明した処理を実行する。これにより、報知装置200は、受信された到着予定情報から、到着予定時刻を表す時刻情報を取得する。また、報知装置200は、取得された時刻情報で表される到着予定時刻と、到着予定前報知時間と、に基づいて、到着報知開始時刻を設定する。このために、報知装置200は、到着予定時刻よりも、到着予定前報知時間だけ前の時刻を、到着報知開始時刻に設定する。
【0173】
次に、報知装置200は、実施例の変形例1で説明した処理を実行することで、到着予定時刻と、到着予定後報知時間と、に基づいて、到着報知終了時刻を設定する。このために、報知装置200は、到着予定時刻よりも、到着予定後報知時間だけ後の時刻を、到着報知終了時刻に設定する。
【0174】
その後、報知装置200は、到着予定時刻を表す時刻情報と、到着報知開始時刻を表す情報と、到着報知終了時刻を表す情報と、を保持部990へ新規保存又は上書き保存し、保持部990は、保存されたこれらの情報を保持する(ステップS34からS36)。その後、報知装置200は、ステップS31の処理から上記処理を繰り返す。このようにして、報知装置200は、到着予定更新周期で、保持部990に保持されている到着予定時刻を表す時刻情報と、到着報知開始時刻を表す情報と、到着報知終了時刻を表す情報と、を更新する。
【0175】
また、本変形例に係る報知装置200は、起動すると、報知部231から233に到着報知を実行させる、
図11に示すような到着報知制御処理を、
図10の到着情報取得処理と並列的に実行する。到着報知制御処理の実行を開始すると、報知装置200は、到着予定時刻を表す時刻情報を保持部990から取得することを試行する(ステップS41)。このとき、時刻情報が取得されないと(ステップS42;No)、報知装置200は、予め定められた時間に亘ってスリープした後、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0176】
これに対して、時刻情報が取得されると(ステップS42;Yes)、報知装置200の取得部910は、例えば、OSからシステム時刻を表す情報を取得し、保持部990から通信可能期間を表す情報を取得する。保持部990が保持する通信可能期間を表す情報は、新規保存又は上書き保存された情報であるので、保持部990から取得部910が取得する情報は、最新の通信可能期間を表す情報である。
【0177】
次に、報知装置200の制御部920は、取得された情報で表されるシステム時刻が、最新の通信可能期間に含まれるか否かを判別する。このとき、システム時刻が、最新の通信可能期間の終了時刻よりも後の時刻であると、制御部920は、システム時刻が最新の通信可能期間に含まれないと判別する。すなわち、制御部920は、最新の通信可能期間が経過したと判別する(ステップS43;No)。このため、制御部920は、報知装置200と報知制御装置300との通信が不能であると判別する(ステップS44)。
【0178】
次に、報知装置200の制御部920は、最新の通信可能期間の終了時刻からシステム時刻までの経過時間を算出する。その後、取得部910は、保持部990から到着予定前報知時間を表す情報を取得する。次に、制御部920は、取得された情報で表される到着予定前報知時間の長さを、算出された経過時間がより長い程、より長く補正する。本変形例では、取得部910は、保持部990から、予め設定された正の補正係数を表す情報を取得し、制御部920は、取得された情報で表される正の補正係数を、算出された経過時間に乗算し、乗算により得た正の時間だけ補正前よりも長くなるように、補正前の到着予定前報知時間の長さを補正する。しかし、到着予定前報知時間の長さの補正方法は、これに限定される訳ではない。好適な正の補正係数は、当業者が実験により定めることができる。
【0179】
このように到着予定前報知時間の長さが補正されるのは、経過時間がより長い程、通信が不能になった時刻からの経過時間がより長いため、到着予定時刻を表す時刻情報が、報知装置200で、最後に更新された時刻からの経過時間がより長いからである。すなわち、経過時間がより長い程、報知装置200が保持する時刻情報で表される到着予定時刻よりも、移動体100が実際にポートへ到着する到着時刻の方が早くなり、かつ、到着予定時刻と、実際の到着時刻と、の相違がより大きくなる確率が高いからである。すなわち、到着予定時刻よりも実際の到着時刻の方が早く、かつ、到着予定時刻と到着時刻との相違がより大きくなっても、移動体100がポートに接近したタイミングで、又は、当該タイミングよりも早く、報知装置200が到着報知を開始できるようにするためである。
【0180】
その後、報知装置200の制御部920は、補正後の到着予定前報知時間と、到着予定時刻と、に基づいて、新たな到着報知開始時刻を設定する。本変形例では、制御部920は、到着予定時刻よりも、補正後の到着予定前報知時間だけ前の時刻を、新たな到着報知開始時刻に設定する(ステップS45)。
【0181】
その後、実施例の変形例1で説明した処理を実行することで、報知装置200の制御部920は、新たな到着報知開始時刻が、到来した、又は、既に到来しているか否かを判別する。このとき、制御部920は、システム時刻が、新たな到着報知開始時刻よりも前の時刻であると、新たな到着報知開始時刻が、未だ到来していないと判別する(ステップS46;No)。その後、報知装置200は、ステップS43から上記処理を繰り返す。
【0182】
これに対して、報知装置200の制御部920は、システム時刻が、新たな到着報知開始時刻以降の時刻であると、新たな到着報知開始時刻が、到来した、又は、既に到来していると判別する(ステップS46;Yes)。その後、制御部920は、実施例の変形例1で説明した処理を実行することで、報知部231から233に対して到着報知開始制御を実行する(ステップS47)。
【0183】
ステップS43において、システム時刻が、最新の通信可能期間の終了時刻以前の時刻であると、報知装置200の制御部920は、システム時刻が最新の通信可能期間に含まれると判別する。すなわち、制御部920は、最新の通信可能期間が経過していないと判別する(ステップS43;Yes)。このため、制御部920は、報知装置200と報知制御装置300との通信が可能であると判別する(ステップS48)。
【0184】
次に、報知装置200の取得部910は、データ通信回路294aから到着報知開始命令を取得することを試行する(ステップS49)。このとき、到着報知開始命令が取得されないと(ステップS50;No)、報知装置200は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS43から上記処理を繰り返す。これに対して、到着報知開始命令が取得されると(ステップS50;Yes)、報知装置200は、到着報知開始制御を実行する(ステップS47)。
【0185】
ステップS47で到着報知開始制御が実行された後、報知装置200は、ステップS43の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200は、最新の通信可能期間が経過したと判別すると(ステップS51;No)、ステップS44及びS45の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200は、報知制御装置300との通信が不能であると判別し(ステップS52)、新たな到着報知終了時刻を設定する(ステップS53)。
【0186】
このために、報知装置200は、最新の通信可能期間の終了時刻からシステム時刻までの経過時間を算出する。また、報知装置200の取得部910は、保持部990から到着予定後報知時間を表す情報を取得する。次に、制御部920は、取得された情報で表される到着予定後報知時間の長さを、算出された経過時間がより長い程、より長く補正する。
【0187】
このように到着予定後報知時間の長さが補正されるのは、経過時間がより長い程、報知装置200が保持する時刻情報で表される到着予定時刻よりも、移動体100が実際にポートへ到着する到着時刻が遅くなり、かつ、到着予定時刻と、実際の到着時刻と、の相違がより大きくなる確率が高いからである。すなわち、到着予定時刻よりも実際の到着時刻の方が遅く、かつ、到着予定時刻と到着時刻との相違がより大きくなっても、移動体100がポートに接近した後から、ポートへ到着する前までに、到着報知を報知装置200が終了することを抑制できるようにするためである。
【0188】
その後、報知装置200の制御部920は、補正後の到着予定後報知時間と、到着予定時刻と、に基づいて、新たな到着報知終了時刻を決定する。本変形例では、制御部920は、到着予定時刻よりも、補正後の到着予定後報知時間だけ後の時刻を、新たな到着報知終了時刻に設定する。
【0189】
その後、報知装置200は、ステップS46の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200は、新たな到着報知終了時刻が到来してないと判別すると(ステップS54;No)、ステップS51から上記処理を繰り返す。これに対して、報知装置200の制御部920は、新たな到着報知終了時刻が、到来した、又は、既に到来していると判別すると(ステップS54;Yes)、実施例の変形例1で説明した処理を実行する。これにより、制御部920は、報知部231から233に対して到着報知終了制御を実行する(ステップS55)。その後、報知装置200は、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0190】
ステップS51において、報知装置200は、最新の通信可能期間が経過していないと判別すると(ステップS51;Yes)、ステップS48からS50の処理に準じた処理を実行する。これにより、報知装置200は、報知制御装置300との通信が可能であると判別し(ステップS56)、データ通信回路294aから到着報知終了命令を取得することを試行する(ステップS57)。このとき、到着報知終了命令が取得されないと(ステップS58;No)、報知装置200は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS51から上記処理を繰り返す。これに対して、到着報知終了命令が取得されると(ステップS58;Yes)、報知装置200は、到着報知終了制御を実行する(ステップS55)。その後、報知装置200は、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0191】
これらの構成によれば、報知装置200のデータ通信回路294aは、報知制御装置300からハートビートを受信することを試行する。また、報知装置200の制御部920は、ハートビートが受信されるか否かに基づいて、報知制御装置300との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて報知部231から233を制御する。さらに、制御部920は、通信が可能であると判別されている間、到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令が受信されると、到着報知開始命令が受信されたタイミングで、到着報知の実行を開始するように報知部231から233を制御する到着報知開始制御を実行する。また、制御部920は、通信が可能であると判別されている間、上記のステップS45及び46の処理を実行しないため、報知制御装置300から受信された時刻情報に基づくタイミングで到着報知開始制御を実行すること、を抑制する。これに対して、報知装置200の制御部920は、通信が可能でないと判別されている間、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、時刻情報に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知開始制御を実行する。これらのため、報知装置200は、通信が可能であれば、報知制御装置300によって命令されたタイミングで、到着報知の実行を開始でき、かつ、通信が可能でなければ、時刻情報に基づくタイミングで、到着報知の実行を開始できる。よって、報知装置200は、報知制御装置300から時刻情報を受信した後に、報知制御装置300と通信が可能であっても、可能でなくても、移動体100に関する到着報知の精度低下を抑制できる。
【0192】
これらの構成によれば、報知装置200の制御部920は、最新の通信可能期間の終了時刻よりも後において、到着報知の実行が開始されていない場合に、最新の通信可能期間の終了時刻からの経過時間がより長い程、到着予定時刻よりも、より早い時刻を、到着報知の実行が開始される報知開始時刻として設定する。また、制御部920は、設定された報知開始予定時刻が到来すると、又は、既に到来していると、到着報知開始制御を実行する。このため、報知装置200は、通信が不能になった時刻からの経過時間がより長くなることで、移動体100が実際にポートへ到着する到着時刻の方が、到着予定時刻よりも早くなり、かつ、実際の到着時刻と到着予定時刻との相違がより大きくなったとしても、移動体100がポートに接近したタイミングで、又は、当該タイミングよりも早く、到着報知を開始できる確率を向上できる。
【0193】
また、これらの構成によれば、報知装置200の制御部920は、最新の通信可能期間の終了時刻よりも後において、到着報知の実行が終了されていない場合に、最新の通信可能期間の終了時刻からの経過時間がより長い程、到着予定時刻よりも、より遅い時刻を、到着報知の実行が終了される到着報知終了時刻として設定する。また、制御部920は、設定された到着報知終了時刻が到来すると、又は、既に到来していると、到着報知終了制御を実行する。このため、報知装置200は、通信が不能になった時刻からの経過時間がより長くなることで、実際の到着時刻の方が到着予定時刻よりも遅く、かつ、実際の到着時刻と到着予定時刻との相違がより大きくなったとしても、移動体100がポートに接近した後から、ポートへ到着する前までに、到着報知を報知装置200が終了することを抑制できる。
【0194】
<実施例の変形例17>
実施例の変形例16では、移動体関連時刻が到着予定時刻である場合を具体例として説明を行った。また、実施例の変形例16では、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、受信された時刻情報で表される移動体関連時刻に基づくタイミングで到着報知開始制御を実行すること、を抑制すると説明した。さらに、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、移動体関連時刻に基づくタイミングである到着報知開始時刻が、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知開始制御を実行すると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、実施例の変形例4と同様に、移動体関連時刻は、到着予定時刻よりも到着予定前報知時間だけ前の時刻であっても良い。この場合、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に到着報知開始制御を実行すること、を抑制しても良い。また、この場合、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、移動体関連時刻、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知開始制御を実行しても良い。
【0195】
また、移動体関連時刻が到着予定時刻である場合を具体例として挙げて説明した実施例の変形例16では、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に基づくタイミングで到着報知終了制御を実行すること、を抑制すると説明した。また、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、到着報知の実行が終了されておらず、かつ、移動体関連時刻に基づくタイミングである到着報知終了時刻が、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知終了制御を実行すると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、実施例の変形例6と同様に、移動体関連時刻は、到着予定時刻よりも、到着予定後報知時間だけ後の時刻であっても良い。この場合、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に到着報知終了制御を実行すること、を抑制しても良い。また、この場合、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、到着報知の実行が終了されておらず、かつ、移動体関連時刻、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知終了制御を実行しても良い。
【0196】
<実施例の変形例18>
実施例の変形例16及び17では、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングで、到着報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、到着報知開始命令が受信されたタイミングで、到着報知開始制御を実行すると説明した。さらに、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、移動体関連時刻が、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、到着報知開始制御を実行すると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングで、出発報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、出発報知開始命令が受信されたタイミングで、出発報知開始制御を実行しても良い。さらに、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、出発報知の実行が開始されておらず、かつ、移動体関連時刻が、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、出発報知開始制御を実行しても良い。また、これに限定される訳ではなく、報知装置200は、通信が可能であると判別されている間において、移動体関連時刻に、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングで、出発報知終了制御を実行すること、を抑制し、かつ、出発報知終了命令が受信されたタイミングで、出発報知終了制御を実行しても良い。さらに、報知装置200は、通信が不能であると判別されている間において、出発報知の実行が終了されておらず、かつ、移動体関連時刻が、又は、移動体関連時刻に基づくタイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、出発報知終了制御を実行しても良い。
【0197】
<実施例の変形例19>
実施例、及び、実施例の変形例1から18において、報知システム1は、移動体100、報知部231から233を備える報知装置200、報知制御装置300、及び、移動体制御装置400を備えると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、本変形例に係る報知システム1は、移動体100、報知制御装置300、及び、移動体制御装置400を備えるが、報知装置200を備えない。本変形例に係る移動体100は、不図示の報知部を備えており、かつ、移動体100の報知部の構成及び機能は、実施例、及び、実施例の変形例1から18で説明した報知部231から233の構成及び機能と同様である。
【0198】
また、本変形例に係る移動体100が有する制御装置190のハードウェアは、実施例及び実施例の変形例1から18で説明された報知装置200が有する制御装置290のハードウェアの構成及び機能を備えている。すなわち、移動体100のCPU191、RAM192、ROM193a、フラッシュメモリ193b、及び、データ通信回路194aは、報知装置200のCPU291、RAM292、ROM293a、ハードディスク293b、及び、データ通信回路294aが有する機能と同様の機能を有する。また、本変形例に係る移動体100の制御装置190は、不図示の入出力ポートをさらに備え、移動体100の不図示の入出力ポートは、実施例及び実施例の変形例1から18で説明された報知装置200の入出力ポート298の構成及び機能を備えている。
【0199】
これにより、移動体100のCPU191は、不図示の取得部、及び、制御部として機能し、移動体100のフラッシュメモリ193bは、不図示の保持部として機能する。移動体100の不図示の取得部、制御部、及び、保持部の機能は、報知装置200の取得部910、制御部920、及び、保持部990の機能と同様である。
【0200】
<実施例の変形例20>
実施例の変形例19では、移動体100は、不図示の報知部を備えると説明した。また、実施例の変形例19では、移動体100が有する制御装置190は、実施例の変形例16又は17で説明された報知装置200が有する制御装置290のハードウェアの構成及び機能を備えると説明した。すなわち、移動体100が有する制御装置190は、実施例の変形例16又は17で説明された、
図11の到着報知制御処理を実行する機能を有すると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、本変形例に係る移動体100は、
図12に示すような到着報知制御処理を実行する。
【0201】
これにより、移動体100の不図示の制御部は、報知制御装置300との通信が可能であると判別されている間において、移動体100の位置の計測精度が、予め定められた基準の精度以上の精度(以下、高精度という)であると判別する。これに対して、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能でないと判別されている間において、移動体100の位置の計測精度が、予め定められた基準の精度よりも低い精度(以下、低精度という)であると判別する。本変形例では、位置の計測精度が低精度であるとは、位置を計測できないことを含むが、これに限定される訳ではなく、位置を計測できないことを含まなくても良い。
【0202】
このように移動体100が判別するのは、移動体100の位置の計測は、移動体100の位置計測回路196で、不図示の人工衛星から空間に放出される電波を用いて行われ、かつ、報知制御装置300との通信は、移動体100のデータ通信回路194aが、空間に放出される電波を不図示の基地局と送受信することで行われるためである。不図示の基地局は、実施例で説明した通り、報知制御装置300とネットワークINを介して接続されている。
【0203】
すなわち、移動体100のデータ通信回路194aが報知制御装置300と通信可能でない場合には、基地局との間で送受信される電波だけでなく、人工衛星から送信された電波も遮る障害物が、移動体100の近傍の位置に存在する確率が、通信が可能である場合よりも高いためである。すなわち、通信が可能でない場合には、移動体100の位置の計測精度が低精度である確率が、予め定められた確率よりも高いためである。
【0204】
また、移動体100のデータ通信回路194aが報知制御装置300と通信可能である場合には、そのような障害物が移動体100の近傍の位置に存在する確率が、通信可能でない場合よりも低いためである。すなわち、通信が可能である場合には、移動体100の位置の計測精度が高精度である確率が、予め定められた確率よりも高いためである。
【0205】
基地局と送受信される電波と、人工衛星から送信された電波と、の双方を遮る障害物は、例えば、山を含む自然物、並びに、ビル及びマンションを含む人工物を含み、そのような障害物が近傍の位置に存在する場所は、例えば、渓谷、トンネルの内部、ビル又はマンションに囲まれた場所を含む。しかし、障害物は、これらに限定される訳ではない。
【0206】
移動体100のCPU191は、起動すると、
図12に示すような到着報知制御処理を実行する。到着報知制御処理の実行を開始すると、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS41からS43の処理を実行する。これにより、移動体100の取得部は、移動体100の到着関連時刻を表す時刻情報の取得を試行し(ステップS41)、時刻情報が取得されると(ステップS42;Yes)、移動体100の制御部は、最新の通信可能期間が経過したか否かを判別する(ステップS43)。最新の通信可能期間は、実施例の変形例16又は17で説明した通り、移動体100のデータ通信回路194aが、基地局から空間に放出された電波を受信することで、ハートビートを最後に受信した受信時刻に基づいて設定された期間である。
【0207】
このとき、移動体100の制御部は、最新の通信可能期間が経過したと判別すると(ステップS43;No)、移動体100と報知制御装置300との通信が不能であり、かつ、移動体100の位置計測回路196による位置の計測精度が低精度であると判別する(ステップS44a)。
【0208】
次に、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS45からS47の処理を実行する。これにより、移動体100の制御部は、新たな到着報知開始時刻を設定し(ステップS45)、新たな到着報知開始時刻が、到来した、又は、既に到来していると判別すると(ステップS46;Yes)、到着報知開始制御を実行する(ステップS47)。
【0209】
ステップS43において、移動体100の制御部は、最新の通信可能期間が経過していないと判別すると(ステップS43;Yes)、移動体100と報知制御装置300との通信が可能であり、かつ、位置の計測精度が高精度であると判別する(ステップS48a)。
【0210】
次に、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS49及びS50の処理を実行する。これにより、移動体100の取得部は、データ通信回路194aから到着報知開始命令を取得することを試行する(ステップS49)。次に、移動体100の制御部は、到着報知開始命令が取得されると(ステップS50;Yes)、到着報知開始制御を実行する(ステップS47)。
【0211】
これに対して、移動体100の取得部は、到着報知開始命令が取得されないと(ステップS50;No)、位置計測回路196から出力される信号を取得し、取得された信号に基づいて、移動体100の位置を表す位置情報を取得する(ステップS50a)。次に、移動体100の制御部は、実施例の変形例7で説明された報知制御装置300が実行する処理と同様の処理を実行する。これにより、移動体100の制御部は、取得された位置情報に基づいて、移動体100がポートに接近したか否かを判別する(ステップS50b)。
【0212】
このために、移動体100の制御部は、取得された位置情報で表される移動体100の位置からポートの位置まで、移動体100が移動するのに要する移動時間を算出する。次に、制御部は、算出された移動時間の長さが、到着予定前報知時間の長さよりも長いと、移動体100がポートへ接近していないため(ステップS50b;No)、到着報知を開始させるタイミング(以下、到着報知開始タイミングという)が到来していないと判別する。その後、移動体100は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS43から上記処理を繰り返す。
【0213】
これに対して、移動体100の制御部は、算出された移動時間の長さが、到着予定前報知時間の長さ以下であると、移動体100がポートへ接近しため(ステップS50b;Yes)、到着報知開始タイミングが到来したと判別する。その後、制御部は、到着報知開始制御を実行する(ステップS47)。
【0214】
到着報知開始制御が実行された後、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS51の処理を実行する。これにより、移動体100の制御部は、最新の通信可能期間が経過したと判別すると(ステップS51;No)、移動体100と報知制御装置300との通信が不能であり、かつ、位置の計測精度が低精度であると判別する(ステップS52a)。
【0215】
次に、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS53からS55の処理を実行する。これにより、移動体100の制御部は、新たな到着報知終了時刻を設定し(ステップS53)、新たな到着報知終了時刻が、到来した、又は、既に到来していると判別すると(ステップS54;Yes)、到着報知終了制御を実行する(ステップS55)。その後、移動体100は、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0216】
ステップS51において、移動体100の制御部は、最新の通信可能期間が経過していないと判別すると(ステップS51;Yes)、移動体100と報知制御装置300との通信が可能であり、かつ、位置の計測精度が高精度であると判別する(ステップS56a)。
【0217】
次に、移動体100は、実施例の変形例16又は17で説明されたステップS57及びS58の処理を実行する。これにより、移動体100の取得部は、データ通信回路194aから到着報知終了命令を取得することを試行する(ステップS57)。次に、移動体100の制御部は、到着報知終了命令が取得されると(ステップS58;Yes)、到着報知終了制御を実行する(ステップS55)。その後、移動体100は、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0218】
これに対して、移動体100の取得部は、到着報知終了命令が取得されないと(ステップS58;No)、位置計測回路196から出力される信号に基づいて、移動体100の位置を表す位置情報を取得する(ステップS58a)。本変形例では、位置情報は、緯度、経度、及び、高度で、移動体100の位置を表す情報である。このため、移動体100の制御部は、位置情報で表される移動体100の高度に基づいて、移動体100がポートに到着したか否かを判別する(ステップS58b)。
【0219】
このために、移動体100の取得部は、移動体100の保持部から、ポートの位置を、緯度、経度、及び、高度で表す位置情報を取得する。次に、移動体100の制御部は、取得された位置情報で表されるポートの位置の高度と、移動体100の高度と、の相違が、予め定められた相違よりも大きいと、移動体100がポートに着陸していないため、ポートに到着していないと判別する(ステップS58b;No)。その後、移動体100の制御部は、移動体100がポートに到着していないため、到着報知を終了させるタイミング(以下、到着報知終了タイミングという)が到来していないと判別する。その後、移動体100は、予め定められた時間に亘ってスリープした後に、ステップS51から上記処理を繰り返す。
【0220】
これに対して、移動体100の制御部は、取得された位置情報で表されるポートの位置の高度と、移動体100の高度と、の相違が、予め定められた相違以下であると、移動体100がポートに到着していると判別する(ステップS58b;Yes)。その後、制御部は、到着報知終了タイミングが到来したと判別し、到着報知終了制御を実行する(ステップS55)。その後、移動体100は、ステップS41から上記処理を繰り返す。
【0221】
これらの構成によれば、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能であると判別されている間において、到着報知の実行が開始されておらず、かつ、到着報知開始命令が受信されていないと、
図12のステップS50a、S50b、及び、S47の処理を順に実行する。これにより、制御部は、到着報知の実行を開始させるタイミングである到着報知開始タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで、到着報知開始制御を実行する。このため、移動体100は、例えば、故障により、報知制御装置300が到着報知開始命令を送信できない場合であっても、計測精度が高精度である確率が高い位置情報に基づいて到着報知の実行を開始できるため、到着報知の精度低下を抑制できる。
【0222】
また、これらの構成によれば、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能でないと判別されている間において、ステップS50a及びS50bの処理を実行しない。これにより、到着報知開始タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで到着報知開始制御を実行すること、を抑制する。このため、移動体100は、計測精度が低精度である確率が高い位置情報に基づいて到着報知の実行を開始することを抑制できるため、到着報知の精度低下を抑制できる。
【0223】
さらに、これらの構成によれば、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能でないと判別されている間において、移動体100の位置の計測精度が低精度であると判別する。このため、例えば、計測された位置間の距離が、計測が行われた時間間隔と、移動体100の最大の移動速度と、により決まる移動体100の最大の移動距離を超えない場合であっても、移動体100の位置の計測精度が低精度であることを、予め定められた確率よりも高い確率で判別できる。
【0224】
<実施例の変形例21>
実施例の変形例20では、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能であると判別されている間において、到着報知の実行が終了されておらず、かつ、到着報知終了命令が受信されていない場合に、到着報知終了タイミングが到来したか否かを位置情報に基づいて判別すると説明した。また、実施例の変形例20では、この場合に、移動体100の制御部は、到着報知終了タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで、到着報知終了制御を実行すると説明した。
【0225】
しかし、これに限定されるわけでは無く、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能であると判別されている間において、出発報知の実行が終了されておらず、かつ、出発報知終了命令が受信されていない場合に、出発報知の実行を終了させるタイミング(以下、出発報知終了タイミングという)が到来したか否かを、位置情報に基づいて判別しても良い。また、この場合に、移動体100の制御部は、出発報知終了タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで、出発報知終了制御を実行しても良い。
【0226】
また、実施例の変形例20では、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能でないと判別されている間において、到着報知終了タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで到着報知終了制御を実行すること、を抑制すると説明した。しかし、これに限定される訳では無く、移動体100の制御部は、報知制御装置300との通信が可能でないと判別されている間において、出発報知終了タイミングが到来したと位置情報に基づいて判別したタイミングで出発報知終了制御を実行すること、を抑制しても良い。
【0227】
<実施例の変形例22>
実施例及び実施例の変形例1から18では、報知システム1は、無人航空機である移動体100と、移動体100に関する報知を行う報知装置200と、を備えると説明した。また、実施例の変形例19から21では、報知システム1は、無人航空機であり、かつ、報知部を有する移動体100を備え、移動体100の報知部は、移動体100に関する報知を行う、と説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、報知システム1は、
図13に示すような無人地上車両である移動体500と、移動体500に関する報知を行う報知装置200と、を備えても良い。また、報知システム1は、無人地上車両であり、かつ、報知部を有する移動体500を備え、移動体500の報知部は、移動体500に関する報知を行っても良い。
【0228】
また、これらに限定される訳ではなく、報知システム1は、無人航空機である1台以上の移動体100と、無人地上車両である1台以上の移動体500と、1台以上の移動体100及び1台以上の移動体500に関する報知を行う報知装置200と、を備えても良い。また、報知システム1は、報知部をそれぞれ有する1台以上の移動体100と、報知部をそれぞれ有する1台以上の移動体500と、を備えても良い。
【0229】
移動体500は、車輪501及び502を含む複数の車輪を備える車台510と、車台510の上面に設置された格納庫520と、格納庫520に内蔵された制御装置590と、を備える。移動体500の格納庫520は、物品を格納する格納ボックス521を備える。格納ボックス521の箱体の開口部には、扉521aと、扉521aを受け止める扉枠521bと、が設置されている。
【0230】
移動体500の制御装置590は、ハードウェアである不図示のCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、データ通信回路、入力装置、位置計測回路、入出力ポート、及び、駆動回路を備える。移動体500の制御装置590が備えるハードウェアの構成及び機能は、移動体100の制御装置190が備えるハードウェアの構成及び機能と同様である。
【0231】
移動体500の駆動回路は、複数の車輪を回転させる不図示のモータにそれぞれ接続された不図示のケーブルに接続されている。移動体500の駆動回路は、移動体500のCPUが出力する制御信号に従って当該モータを駆動させることで、複数の車輪を回転させる。
【0232】
<実施例の変形例23>
実施例では、移動体100は、無人航空機であると説明したが、これに限定される訳ではなく、無人飛翔体であっても良い。さらに、実施例では、移動体100は、プロペラ111から114で揚力及び推力を得るドローンであると説明したが、これに限定される訳ではない。移動体100は、翼を備え、翼で揚力を得えても良いし、空気よりも比重の小さい気体で満たされた気嚢を備え、気嚢で揚力を得えても良い。また、移動体100は、ジェットエンジン又はロケットエンジンを備え、ジェットエンジン又はロケットエンジンで推力を得ても良い。
【0233】
<実施例の変形例24>
実施例では、ポートは、移動体100によって配送される物品が格納されている倉庫、又は、そのような物品を販売した店舗の駐車場であると説明したが、これに限定される訳ではない。ポートは、移動体100の出発又は到着の少なくとも1つが予定されている場所であれば、どのような場所でも良く、例えば、物品の配送先の駐車場であっても良い。
【0234】
また、ポートは、駐車場に限定される訳ではなく、例えば、共同住宅、オフィスビル、ホテル、若しくは、公共施設のエントランス、又は、一軒家の玄関前であっても良い。また、ポートは、共同住宅、オフィスビル、ホテル、又は、公共施設のロビーであっても良い。さらに、ポートは、一軒家、共同住宅、オフィスビル、ホテル、又は、公共施設の庭、屋上、又は、ベランダであっても良い。またさらに、ポートは、移動体100の着陸又は離陸が禁止されていない道路、河原、公園、若しくは、校庭であっても良い。
【0235】
<実施例の変形例25>
実施例では、報知装置200は、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233の全てを備え、かつ、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233の全てで、出発報知を行うと説明した。また、実施例の変形例1では、報知装置200は、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233の全てを備え、かつ、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233の全てで、到着報知を行うと説明した。しかし、これらに限定される訳ではなく、報知装置200は、スピーカ231、7セグメント表示器232、及び、パトランプ233の全てを備え、かつ、スピーカ231、7セグメント表示器232、又は、パトランプ233の少なくとも1つで、出発報知、又は、到着報知の少なくとも1つを行っても良い。また、報知装置200は、スピーカ231、7セグメント表示器232、又は、パトランプ233の少なくとも1つを備え、かつ、スピーカ231、7セグメント表示器232、又は、パトランプ233の当該少なくとも1つで、出発報知、又は、到着報知の少なくとも1つを行っても良い。また、報知部232は、7セグメント表示器であると説明したが、これに限定される訳では無く、ディスプレイパネルを含む表示装置であっても良い。また、報知部233は、回転灯であると説明したが、これに限定される訳では無く、例えば、LED(Light-Emitting Diode)、ハロゲンランプ、水銀灯、又は、メタルハライドランプを備えた投光器であっても良い。
【0236】
また、実施例では、移動体100の出発報知は、移動体100の出発が予定されているポートに居る人に対して行われると説明した。さらに、実施例の変形例1では、移動体100の到着報知は、移動体100の到着が予定されているポートに居る人に対して行われると説明した。しかし、これらに限定される訳ではなく、出発報知、又は、到着報知の少なくとも1つは、ポートに居る人と、ポートの近傍の位置に居る人と、の双方に対して行われても良いし、ポートの近傍の位置に居る人に対して行われるが、ポートに居る人に対して行われなくても良い。
【0237】
また、実施例では、報知装置200は、移動体100の出発に関する報知を行うと説明した。さらに、実施例の変形例1では、移動体100の到着に関する報知を行うと説明した。しかし、これらに限定される訳ではなく、報知装置200は、移動体100の出発に関する警告、又は、移動体100の到着に関する警告の少なくとも1つを行って良い。
【0238】
実施例及び実施例の変形例1では、報知装置200は、ポートからの立ち去りが命じられていることを知らせる立去命令報知を行うと説明したが、これに限定される訳ではない。報知装置200は、立去命令報知、立入禁止報知、ポート出発報知、ポート到着報知、又は、落下可能性報知の少なくとも1つを行っても良い。立入禁止報知は、ポートの立ち入りが禁止されていることを知らせる報知である。ポート出発報知は、ポートからの移動体100の出発予定、又は、ポートからの移動体100の出発の少なくとも1つを知らせる報知であり、かつ、ポート到着報知は、ポートへの移動体100の到着予定、又は、ポートへの移動体100の到着の少なくとも1つを知らせる報知である。落下可能性報知は、移動体100、又は、予め定められた落下物体の少なくとも1つが、ポートに落下するおそれがあることを知らせる報知である。予め定められた落下物体は、例えば、移動体100の部品、又は、移動体100が配送する物品の少なくとも1つを含む。
【0239】
<実施例の変形例26>
実施例の変形例16では、報知制御装置300は、ハートビートとして、新たな時刻情報を含む新たな到着予定情報を報知装置200へ送信すると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、ハートビートは、どのような情報であっても良い。例えば、ハートビートは、例えば、ACK(ACKnowledgement)と称される情報であり、かつ、報知装置200によって、ハートビート送信周期で、報知制御装置300へ送信された状態情報を、報知制御装置300が受信したことを報告する受信報告であっても良い。状態情報は、例えば、時刻未設定状態、時刻受取済状態、及び、報知中状態を含む。時刻未設定状態は、報知装置200が時刻情報を保持しておらず、かつ、報知装置200が到着報知開始時刻及び到着報知終了時刻を設定していない状態である。時刻受取済状態は、報知装置200が時刻情報を受信した後、到着報知を開始していない状態である。報知中状態は、報知装置200が到着報知を実行している状態である。
【0240】
<実施例の変形例27>
実施例では、時刻情報、出発報知開始時刻を表す情報、及び、出発報知終了時刻を表す情報を保持する保持部990として、報知装置200のハードディスク293bが機能すると説明した。また、実施例の変形例1では、時刻情報、到着報知開始時刻を表す情報、及び、到着報知終了時刻を表す情報を保持する保持部990として、ハードディスク293bが機能すると説明した。しかし、これらに限定される訳ではなく、報知装置200が備える不揮発性を有する記憶装置、又は、メモリならば、どのような記憶装置、又は、メモリであっても、保持部990として機能して良い。不揮発性を有するメモリは、例えば、フラッシュメモリを含み、不揮発性を有する記憶装置は、例えば、フロッピーディスク・ドライブ、及び、光ディスク・ドライブを含む。
【0241】
報知装置200の保持部990が不揮発性を有していれば、保持部990は、報知装置200の再起動前に保持していた時刻情報、出発報知開始時刻を表す情報、及び、出発報知終了時刻を表す情報を、再起動後も保持し続ける。このため、
図6に示した出発報知制御処理の実行中に再起動したとしても、報知装置200は、出発報知制御処理を再度実行すれば、再起動前に設定された出発報知開始時刻が、再起動時に到来している場合に、再起動の直後に出発報知を開始でき、かつ、再起動時に到来していない場合に、再起動前に設定された出発報知開始時刻に出発報知を開始できる。また、再起動前に設定された出発報知終了時刻が、再起動時に到来していなければ、再起動前に設定された出発報知終了時刻に出発報知を終了できる。また、不図示の到着報知制御処理の実行中に、再起動したとしても、報知装置200は、到着報知制御処理を再度実行すれば、再起動の直後に、又は、再起動前に設定された到着報知開始時刻に、到着報知を開始し、かつ、再起動前に設定された到着報知終了時刻に、到着報知を終了できる。
【0242】
本変形例では、報知装置200が備える不揮発性を有する記憶装置又はメモリが、保持部990として機能すると説明したが、これに限定される訳ではない。報知装置200が備える記憶装置又はメモリであり、かつ、例えば、RAM292を含む揮発性を有する記憶装置又はメモリが、保持部990として機能しても良い。
【0243】
<実施例の変形例28>
実施例の変形例2では、報知装置200の制御部920は、出発報知終了時刻に、出発報知の実行を報知部231から233に終了させ、かつ、到着報知開始時刻に、到着報知の実行を報知部231から233に開始させると説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、本変形例に係る制御部920は、出発報知終了時刻に、出発報知の実行を報知部231から233に終了させてから、移動報知の実行を報知部231から233に開始させる。また、制御部920は、到着報知開始時刻に、移動報知の実行を報知部231から233に終了させてから、到着報知の実行を報知部231から233に開始させる。
【0244】
本変形例では、移動報知は、移動体100が、ポートから配送先へ、又は、配送先からポートへ移動していることを、ポートに居る人に知らせる報知である。しかし、これに限定される訳ではなく、移動報知は、ポートに居る人と、ポートの近傍の位置に居る人と、に知らせる報知であっても良いし、ポートに居る人に知らせないが、ポートの近傍の位置に居る人に知らせる報知であっても良い。また、移動報知は、移動体100が飛行中であることを知らせる報知であっても良い。さらに、移動報知は、移動体100が飛行中であること、及び、ポートに立ち入らないことが勧告されていること、を知らせる報知であっても良し、移動体100の接近に注意することが勧告されていること、を知らせる報知であっても良い。
【0245】
報知装置200のスピーカである報知部231は、予め定められた音声を出力することで、移動報知を行い、7セグメント表示器である報知部232は、例えば、文字列「BUSY」を含む予め定められた文字列、文字、又は、記号の少なくとも1つを表示することで、移動報知を行う。パトランプと称される報知部233は、予め定められたパターンに従った点灯又は点滅の少なくとも1つを行うことで、移動報知を行う。
【0246】
本変形例では、報知装置200は、報知部231から233の全てで、移動報知を行うと説明したが、これに限定される訳ではない。報知装置200は、報知部231、報知部232、又は、報知部233の1つ又は2つで、移動報知を行っても良い。
【0247】
<実施例の変形例29>
移動体100が報知部を有する実施例の変形例19から21と、移動報知が行われる実施例の変形例28と、は、組み合わせることができる。実施例の変形例19から21と、実施例の変形例28と、の組み合わせである本変形例では、報知システム1は、報知部を有する移動体100と、ポートの位置に、又は、ポートの近傍の位置に設置されている報知装置200と、を備える。
【0248】
本変形例に係る移動体100は、ポートを出発した後、配送経路の移動を開始する。その後、移動体100のCPU191は、出発報知終了時刻に、又は、出発報知終了命令を受信したタイミングで、出発報知の実行を移動体100の報知部に終了させる。ポートの位置に、又は、ポートの近傍の位置に設置されている報知装置200のCPU291は、出発報知終了時刻に、又は、出発報知終了命令を受信したタイミングで、移動報知の実行を報知部231から233に開始させる。
【0249】
その後、移動体100は、配送先への物品の配送を終了した後、配送先を出発し、帰還経路の移動を開始する。報知装置200のCPU291は、到着報知開始時刻に、又は、到着報知開始命令を受信したタイミングで、移動報知の実行を報知部231から233に終了させ、移動体100のCPU191は、到着報知開始時刻に、又は、到着報知開始命令を受信したタイミングで、到着報知の実行を移動体100の報知部に開始させる。
【0250】
<実施例の変形例30>
実施例では、移動体100は、無人航空機であると説明した。また、実施例の変形例22では、移動体500は、無人地上車両であると説明した。しかし、移動体100及び500は、必ずしも無人である必要はなく、移動体制御装置400による制御を除き、自律して移動する物体であれば、人が乗っていても良い。
【0251】
本発明の実施例及び実施例の変形例1から30は、互いに組み合わせることができる。
【0252】
実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る機能を実現するための構成を備えた報知装置200として提供できることはもとより、複数の装置で構成されるシステムであって、実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る機能を実現するための構成をシステム全体として備えたシステムとして提供することもできる。
【0253】
実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る機能を実現するための構成を備えた制御装置290として提供できることはもとより、複数の装置で構成されるシステムであって、実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る機能を実現するための構成をシステム全体として備えたシステムとして提供することもできる。
【0254】
実施例の変形例19から21及び29のいずれかに係る機能を実現するための構成を備えた制御装置190として提供できることはもとより、複数の装置で構成されるシステムであって、実施例の変形例19から21及び29のいずれかに係る機能を実現するための構成をシステム全体として備えたシステムとして提供することもできる。
【0255】
本発明の実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る機能を実現するための構成を予め備えた制御装置290として提供できる。また、プログラムの適用により、既存の制御装置を実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る制御装置290として機能させることもできる。すなわち、上記実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかで例示した制御装置290による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の制御装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行することで、実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る制御装置290として機能させることができる。
【0256】
本発明の実施例の変形例19から21及び29のいずれかに係る機能を実現するための構成を予め備えた制御装置190として提供できる。また、プログラムの適用により、既存の制御装置を実施例の変形例19から21及び29のいずれかに係る制御装置190として機能させることもできる。すなわち、上記実施例の変形例19から21及び29のいずれかで例示した制御装置190による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の制御装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行することで、実施例の変形例19から21及び29のいずれかに係る制御装置190として機能させることができる。
【0257】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD(Compact Disc)-ROM、又は、DVD(Digital Versatile Disc)-ROMなどの記録媒体に収納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0258】
本発明に係る方法は、実施例及び実施例の変形例1から30のいずれかに係る報知システム1を用いて実施できる。また、本発明に係る方法は、実施例、並びに、実施例の変形例1から18、22から28、及び、30のいずれかに係る制御装置290、並びに、実施例の変形例19から21及び29に係る制御装置190を用いて実施できる。
【0259】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施例及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施例ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0260】
(付記)
(付記1)
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備えることを特徴とする報知装置。
【0261】
(付記2)
前記移動体に関する前記報知は、前記移動体の到着に関する到着報知を含み、
前記通信部は、前記到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令を、前記制御装置から受信し、
前記到着報知開始命令が受信されたタイミングで、前記到着報知の実行を開始するように前記報知部を制御する制御部、
をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の報知装置。
【0262】
(付記3)
前記報知は、前記移動体の出発に関する出発報知をさらに含み、
前記移動体関連時刻は、前記移動体の出発予定時刻に関連した時刻である出発関連時刻を含み、
前記通信部は、前記出発関連時刻を表す前記時刻情報を、前記制御装置から受信し、
前記保持部は、受信された前記時刻情報を保持し、かつ、
前記制御部は、保持された前記時刻情報で表される前記出発関連時刻に、又は、前記出発関連時刻に基づくタイミングで、前記出発報知の実行を開始するように前記報知部を制御する出発報知開始制御を行う、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の報知装置。
【0263】
(付記4)
前記出発関連時刻は、(1)前記出発予定時刻、(2)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、(3)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記制御部は、
(1)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻を、前記出発報知の実行を開始する出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
(2)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、又は、
(3)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定後報知時間だけ後の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも、前記出発予定後報知時間と、前記出発予定前報知時間と、の合計時間だけ前の時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の報知装置。
【0264】
(付記5)
前記通信部は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記移動体の出発後に前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記出発報知終了命令が受信されたタイミングで、前記出発報知の実行を終了するように前記報知部を制御する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の報知装置。
【0265】
(付記6)
前記時刻情報が保持されると、前記時刻情報が保持されていることを表す表示を行う表示器、
をさらに備えることを特徴とする付記1から5のいずれか一つに記載の報知装置。
【0266】
(付記7)
前記移動体関連時刻は、前記移動体の出発予定時刻、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記時刻情報が保持されている旨の前記表示は、システム時刻から、前記時刻情報で表される、又は、前記時刻情報に基づいて得られる、前記出発予定時刻まで、の猶予時間の表示を含み、
前記表示器は、前記猶予時間の前記表示を行っている間に、新たな移動体関連時刻を表す新たな時刻情報が受信されると、前記猶予時間の前記表示を中止し、かつ、システム時刻から、受信された前記新たな時刻情報で表される、又は、前記新たな時刻情報に基づいて得られる、前記新たな出発予定時刻まで、の新たな猶予時間の表示を開始する、
ことを特徴とする付記1から6のいずれか一つに記載の報知装置。
【0267】
(付記8)
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか一つに記載の報知装置。
【0268】
(付記9)
前記通信部は、前記制御装置から前記ハートビートを、予め定められた周期で受信し、
前記制御部は、前記ハートビートが受信される度に、前記ハートビートの受信時刻を開始時刻とし、かつ、前記開始時刻よりも予め定められた時間だけ後の時刻を終了時刻とする期間を、前記制御装置と通信が可能な通信可能期間として設定し、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していると、前記制御装置との通信が可能でないと判別し、かつ、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していないと、前記制御装置との通信が可能であると判別する、
ことを特徴とする付記1から8のいずれか一つに記載の報知装置。
【0269】
(付記10)
前記制御部は、最新の前記通信可能期間の前記終了時刻よりも後において、前記報知の実行が開始されていない場合に、
最新の前記通信可能期間の前記終了時刻からの経過時間がより長い程、前記移動体関連時刻よりも、より早い時刻を、前記報知の実行が開始される報知開始時刻として設定し、かつ、
設定された前記報知開始時刻が到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする付記1から9のいずれか一つに記載の報知装置。
【0270】
(付記11)
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を送信する制御装置と、
前記移動体に関する報知を実行する報知装置と、
を備え、
前記報知装置は、
前記移動体関連時刻を表す前記時刻情報を、前記制御装置から受信し、
受信された前記時刻情報を保持し、かつ、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する前記報知を実行する、
ことを特徴とするシステム。
【0271】
(付記12)
前記報知は、前記移動体の出発に関する出発報知を含み、
前記報知装置は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記制御装置から受信すると、
前記出発報知の実行を終了し、かつ、
前記出発報知の実行を終了したことを告げる出発報知終了報告を、前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記出発報知終了命令が送信された時刻から予め定められた時間が経過しても、前記出発報知終了報告を受信しない場合、前記報知装置の位置に居る、又は、予め定められた距離以下の距離だけ前記報知装置の前記位置から離れた位置に居る、操作者の端末装置へ、前記出発報知の実行を終了させる操作を命じる出発報知終了操作命令を送信する、
ことを特徴とする付記11に記載のシステム。
【0272】
(付記13)
移動を行う移動体であって、
前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備えることを特徴とする移動体。
【0273】
(付記14)
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする付記13に記載の移動体。
【0274】
(付記15)
人工衛星から空間に放出された電波を受信し、受信された前記電波に基づいて、前記移動体の位置を計測する位置計測部、をさらに備え、
前記通信部は、空間に電波を放出することで、計測された前記位置を表す位置情報を、基地局を介して送信し、かつ、前記基地局から空間に放出された電波を受信することで、前記ハートビートを受信し、
前記報知開始命令は、送信された前記位置情報に基づくタイミングで、前記制御装置から受信される命令であり、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている前記間において、前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記報知開始命令が受信されていない場合に、前記報知の実行を開始させるタイミングである報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで、前記報知開始制御を実行し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている前記間において、前記報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで前記報知開始制御を実行すること、を抑制する、
ことを特徴とする付記13又は14に記載の移動体。
【0275】
(付記16)
報知装置、システム、又は、移動体が実行する方法であって、
前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信ステップと、
受信された前記時刻情報を保持する保持ステップと、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【符号の説明】
【0276】
1:報知システム 100、500:移動体 101から104:プロペラアーム 111から114:プロペラ 121a、121b:囲持枠 122a、122b:ガイドレール 190、290、590:制御装置 191、291、301:CPU 192、292、302:RAM 193a、293a、303a:ROM 193b:フラッシュメモリ 194a、294a、304a:データ通信回路 196:位置計測回路 199:駆動回路 200:報知装置 210:土台 220:支柱 231:スピーカー(報知部) 232:7セグメント表示器(報知部) 233:回転灯(パトランプ、報知部) 293b、303b:ハードディスク 298:入出力ポート 300:報知制御装置 305a:ビデオカード 305b:ディスプレイパネル 305c:入力装置 400:移動体制御装置 501、502:車輪 510:車台 520:格納庫 521:格納ボックス 521a:扉 521b:扉枠 910:取得部 920:制御部 990:保持部 IN:インターネット
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の出発予定時刻に関連した時刻である出発関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記出発関連時刻に、又は、前記出発関連時刻に基づくタイミングで、前記移動体の出発に関する出発報知の実行を開始するように報知部を制御する出発報知開始制御を行う制御部と、
を備え、
前記通信部は、前記移動体の到着に関する到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令を、前記制御装置から受信し、かつ、
前記制御部は、前記到着報知開始命令が受信されたタイミングで、前記到着報知の実行を開始するように前記報知部を制御する、
ことを特徴とする報知装置。
【請求項2】
前記出発関連時刻は、前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻に含まれ、
前記移動体関連時刻は、前記時刻情報で表され、
前記出発報知は、前記移動体に関する報知に含まれ、かつ、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する前記報知を実行する前記報知部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
前記出発関連時刻は、(1)前記出発予定時刻、(2)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、(3)前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記制御部は、
(1)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻を、前記出発報知の実行を開始する出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
(2)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定前報知時間だけ前の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、又は、
(3)前記出発関連時刻が、前記出発予定時刻よりも前記出発予定後報知時間だけ後の前記時刻である場合、
(a)前記出発関連時刻よりも、前記出発予定後報知時間と、前記出発予定前報知時間と、の合計時間だけ前の時刻を、前記出発報知開始時刻として設定し、かつ、
(b)前記出発報知開始時刻に前記出発報知開始制御を行うことで、前記出発関連時刻に基づく前記タイミングで、前記出発報知の実行を前記報知部に開始させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の報知装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記移動体の出発後に前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記出発報知終了命令が受信されたタイミングで、前記出発報知の実行を終了するように前記報知部を制御する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の報知装置。
【請求項5】
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
前記時刻情報が保持されると、前記時刻情報が保持されていることを表す表示を行う表示器と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備え、
前記移動体関連時刻は、前記移動体の出発予定時刻、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定前報知時間だけ前の時刻、又は、前記出発予定時刻よりも予め定められた出発予定後報知時間だけ後の時刻であり、
前記時刻情報が保持されている旨の前記表示は、システム時刻から、前記時刻情報で表される、又は、前記時刻情報に基づいて得られる、前記出発予定時刻まで、の猶予時間の表示を含み、
前記表示器は、前記猶予時間の前記表示を行っている間に、新たな移動体関連時刻を表す新たな時刻情報が受信されると、前記猶予時間の前記表示を中止し、かつ、システム時刻から、受信された前記新たな時刻情報で表される、又は、前記新たな時刻情報に基づいて得られる、新たな出発予定時刻まで、の新たな猶予時間の表示を開始する、
ことを特徴とする報知装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記移動体の到着に関する到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令を、前記制御装置から受信し、
前記到着報知開始命令が受信されたタイミングで、前記到着報知の実行を開始するように前記報知部を制御する制御部、
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の報知装置。
【請求項7】
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備え、
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする報知装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記制御装置から前記ハートビートを、予め定められた周期で受信し、
前記制御部は、前記ハートビートが受信される度に、前記ハートビートの受信時刻を開始時刻とし、かつ、前記開始時刻よりも予め定められた時間だけ後の時刻を終了時刻とする期間を、前記制御装置と通信が可能な通信可能期間として設定し、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していると、前記制御装置との通信が可能でないと判別し、かつ、
前記制御部は、最新の前記通信可能期間が経過していないと、前記制御装置との通信が可能であると判別する、
ことを特徴とする請求項7に記載の報知装置。
【請求項9】
前記制御部は、最新の前記通信可能期間の前記終了時刻よりも後において、前記報知の実行が開始されていない場合に、
最新の前記通信可能期間の前記終了時刻からの経過時間がより長い程、前記移動体関連時刻よりも、より早い時刻を、前記報知の実行が開始される報知開始時刻として設定し、かつ、
設定された前記報知開始時刻が到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする請求項8に記載の報知装置。
【請求項10】
移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を送信する制御装置と、
前記移動体に関する報知を実行する報知装置と、
を備え、
前記報知装置は、
前記移動体関連時刻を表す前記時刻情報を、前記制御装置から受信し、
受信された前記時刻情報を保持し、かつ、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する前記報知を実行し、
前記報知は、前記移動体の出発に関する出発報知を含み、
前記報知装置は、前記出発報知の実行の終了を命じる出発報知終了命令を、前記制御装置から受信すると、
前記出発報知の実行を終了し、かつ、
前記出発報知の実行を終了したことを告げる出発報知終了報告を、前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記出発報知終了命令が送信された時刻から予め定められた時間が経過しても、前記出発報知終了報告を受信しない場合、前記報知装置の位置に居る、又は、予め定められた距離以下の距離だけ前記報知装置の前記位置から離れた位置に居る、操作者の端末装置へ、前記出発報知の実行を終了させる操作を命じる出発報知終了操作命令を送信する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
移動を行う移動体であって、
前記移動体に関する時刻である移動体関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する通信部と、
受信された前記時刻情報を保持する保持部と、
保持された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に基づいて、前記移動体に関する報知を実行する報知部と、
を備え、
前記通信部は、前記制御装置からハートビートを受信することを試行し、
前記移動体は、前記ハートビートが受信されるか否かに基づいて、前記制御装置との通信が可能であるか否かを判別し、かつ、判別結果に基づいて前記報知部を制御する制御部、をさらに備え、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている間、
(a)前記報知の実行の開始を命じる報知開始命令が受信されると、前記報知開始命令が受信されたタイミングで、前記報知の実行を開始するように前記報知部を制御する報知開始制御を実行し、かつ、
(b)受信された前記時刻情報で表される前記移動体関連時刻に、又は、前記移動体関連時刻に基づくタイミングで、前記報知開始制御を実行すること、を抑制し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている間、
前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記移動体関連時刻が、又は、前記移動体関連時刻に基づく前記タイミングが、到来すると、又は、既に到来していると、前記報知開始制御を実行する、
ことを特徴とする移動体。
【請求項12】
人工衛星から空間に放出された電波を受信し、受信された前記電波に基づいて、前記移動体の位置を計測する位置計測部、をさらに備え、
前記通信部は、空間に電波を放出することで、計測された前記位置を表す位置情報を、基地局を介して送信し、かつ、前記基地局から空間に放出された電波を受信することで、前記ハートビートを受信し、
前記報知開始命令は、送信された前記位置情報に基づくタイミングで、前記制御装置から受信される命令であり、
前記制御部は、
(1)前記通信が可能であると判別されている前記間において、前記報知の実行が開始されておらず、かつ、前記報知開始命令が受信されていない場合に、前記報知の実行を開始させるタイミングである報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで、前記報知開始制御を実行し、かつ、
(2)前記通信が可能でないと判別されている前記間において、前記報知開始タイミングが到来したと前記位置情報に基づいて判別したタイミングで前記報知開始制御を実行すること、を抑制する、
ことを特徴とする請求項11に記載の移動体。
【請求項13】
報知装置、システム、又は、移動体が実行する方法であって、
前記移動体の出発予定時刻に関連した時刻である出発関連時刻を表す時刻情報を、制御装置から受信する第1通信ステップと、
受信された前記時刻情報を保持する保持ステップと、
保持された前記時刻情報で表される前記出発関連時刻に、又は、前記出発関連時刻に基づくタイミングで、前記移動体の出発に関する出発報知の実行を開始するように報知部を制御する第1制御ステップと、
前記移動体の到着に関する到着報知の実行の開始を命じる到着報知開始命令を、前記制御装置から受信する第2通信ステップと、
前記到着報知開始命令が受信されたタイミングで、前記到着報知の実行を開始するように前記報知部を制御する第2制御ステップと、
を有することを特徴とする方法。