(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095870
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ゲート開閉用動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
E02B 7/20 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
E02B7/20 111
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212833
(22)【出願日】2022-12-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】523003180
【氏名又は名称】菅原産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134533
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 夏香
(74)【代理人】
【識別番号】100186451
【弁理士】
【氏名又は名称】梅森 嘉匡
(72)【発明者】
【氏名】大内 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友紀
【テーマコード(参考)】
2D019
【Fターム(参考)】
2D019AA57
2D019AA64
2D019BA02
2D019BA21
(57)【要約】
【課題】汎用性及び作業性等に優れ、水門等に適用可能なゲート開閉用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】ゲート開閉用動力伝達装置10は、充電式の電動工具により回転する連結具11と、連結具11に接続されるトルク増幅ユニット12と、アタッチメントと、を有し、トルク増幅ユニット12は、電動工具による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構13と、ラチェット機構に接続される歯車列よりなる減速機構16と、出力軸と、を備え、アタッチメントは、開閉バー20と、開閉バー20及びトルク増幅ユニット12との間に配置される回転プレート19と、を備え、回転プレート19は、出力軸が挿入される連結穴と、当該連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けられ開閉バー20の基端部が取り付けられる開閉バー取付け部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式の電動工具に装着し回転可能な連結具と、
前記電動工具による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構と、当該ラチェット機構に着脱可能に接続する減速機構と、当該減速機構により増幅されたトルクを出力する出力軸と、を備え、前記連結具に着脱可能に接続したトルク増幅ユニットと、
開閉バーと、当該開閉バー及び前記トルク増幅ユニットの間に配置した回転プレートと、を備えるアタッチメントと、
を有し、
前記回転プレートが、
前記出力軸を着脱可能に接続する連結穴と、
前記連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部と、
を備えることを特徴とするゲート開閉用動力伝達装置。
【請求項2】
前記開閉バーの基端部にはネジ山を形成してあり、
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの基端部を挿入可能な貫通穴が形成してあり、
前記アタッチメントが前記ネジ山に螺合するナットを備え、
前記貫通穴に挿入した前記開閉バーの基端部に前記ナットを締結することにより、前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる位置で保持することを特徴とする請求項1記載のゲート開閉用動力伝達装置。
【請求項3】
前記開閉バーの基端部には、前記開閉バーの直径よりも小径の小径部と、当該小径部の側面に設けられバネ力により当該側面から突出するように付勢してある抜け止め用突起部と、を設けてあり、
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの前記小径部を挿入可能な貫通穴を形成してあり、
前記貫通穴の内周面には、前記抜け止め用突起部が嵌まる凹溝を形成してあり、
前記貫通穴に挿入された前記開閉バーの前記抜け止め用突起部が、バネ力により前記凹溝に嵌まることにより、前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる位置で保持することを特徴とする請求項1記載のゲート開閉用動力伝達装置。
【請求項4】
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの基端部をピン接合する連結金具を設けてあり、
前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる向きに配置したときに互いに嵌合して当該向きを保持する凹部及び凸部のうち、いずれか一方を前記開閉バーの基端部に設けてあり、他方を前記連結金具に設けてあることを特徴とする請求項1記載のゲート開閉用動力伝達装置。
【請求項5】
支柱と、
締結具を用いて前記支柱の任意の高さ位置に着脱自在に取り付けてあり、前記電動工具及び前記トルク増幅ユニットを設置する受け台と、
を備えるスタンドを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゲート開閉用動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水門等のゲートの開閉に適用されるゲート開閉用動力伝達装置に関し、特に、スポークを備えるハンドルの回転により開閉するゲートに適用されるゲート開閉用動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
河川の堤防や農業用水路のほか、上下水道に係る浄水場、ポンプ場(揚排水機場)、ダム・農業用ため池等に設置される比較的小規模の水門には、ゲートを手動で開閉するための車輪型のハンドルを備えるものがある。当該ハンドルには、ゲートの開閉機構に連結される回転軸部と、当該回転軸部を中心軸として配置される環状部と、当該回転軸部から放射状に延びて当該環状部に固定される複数のスポークと、を有するものがあり、ハンドルの回転数に応じて回転軸部が回転しゲートが僅かずつ開閉する仕組みとなっている。そのため、手動によりハンドルを回転させる方式では、ゲートの開閉速度が遅く、急激に発達する低気圧、ゲリラ雷雨、線状降水帯等による洪水などのリスクが差し迫った緊急時に複数の水門の開閉作業が必要とされる際に間に合わないおそれがある。また、水門等の施設の管理者は急速に高齢化が進んでいることから、日常的な点検・管理においても開閉作業の肉体的な負担が問題となっている。
【0003】
この点、手動に代わる動力源として、電動工具(電動ドライバーや電動ドリル)を用いた水門開閉器の補助駆動装置が知られている(特許文献1参照)。もっとも、この特許文献1に係る補助駆動装置は、水門開閉器に付設する補助駆動装置であって、ハウジング内には駆動軸やスプロケット,チェーン等の構成部品が内蔵されるところ、これを水門開閉器に付設して使用するにあたり、特殊な形状の連結金具とボルトやナットの締結具とを用いて、水門(ゲート)を昇降する水門開閉器のケーシングに上記ハウジングを固定する必要がある(同文献の
図2、
図3及び明細書0022段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のとおり、手動によりハンドルを回転させる方式ではゲートの開閉に時間と労力を要する。この点、電動によりハンドルを回転させる方式によれば、ハンドルの操作に要する肉体的負担の低減を図ることができる。しかし、上述した従来の装置では、ゲートを開閉するための準備作業として、電動工具が装着される補助駆動装置を水門開閉器に固定する必要があるので、作業時間の短縮や肉体的負担の軽減を十分に図ることができない。特に、このような水門開閉器への固定を要する補助駆動装置1台を用いて複数の水門を順次開閉しようとすると、その都度、補助駆動装置の取付け取外し作業が必要となり煩雑である。一方、水門ごとに専用の補助駆動装置を製作し、各水門に固定したままの状態とするのでは、水門の数だけ補助駆動装置が必要となり、コストが嵩んでしまう。
【0006】
前述した車輪型のハンドルには、水門の種類や仕様等に応じ、スポークの本数や取付け角度、設置高さ等が異なる様々なタイプのものがある。また、ハンドルの回転軸部が横方向に配置されるタイプのものに限らず、回転軸部が縦方向に配置されるタイプ(即ち、環状部が横方向に配置されるタイプ)のものもある。従来の補助駆動装置に代わる、ゲートを開閉するための動力伝達装置としては、これらの様々なタイプのものに対して1台で対応できる汎用性の高いものが望ましい。加えて、各水門に対する取付け取外し作業が行いやすい上、水門が設置された場所まで携行し易く、保管も容易であり、かつ、発電機や電力設備が無い場所でも利用可能であることが望ましい。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、スポークを備えるハンドルの回転により開閉するゲートに適用され、優れた汎用性、作業性及び携行性を発揮し、保管も容易で、発電機等が無い場所でも利用できるゲート開閉用動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゲート開閉用動力伝達装置は、
充電式の電動工具に装着し回転可能な連結具と、
前記電動工具による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構と、当該ラチェット機構に着脱可能に接続する減速機構と、当該減速機構により増幅されたトルクを出力する出力軸と、を備え、前記連結具に着脱可能に接続したトルク増幅ユニットと、
開閉バーと、当該開閉バー及び前記トルク増幅ユニットの間に配置した回転プレートと、を備えるアタッチメントと、
を有し、
前記回転プレートが、
前記出力軸を着脱可能に接続する連結穴と、
前記連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
前述のゲート開閉用動力伝達装置は、好ましくは、
前記開閉バーの基端部にはネジ山を形成してあり、
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの基端部を挿入可能な貫通穴が形成してあり、
前記アタッチメントが前記ネジ山に螺合するナットを備え、
前記貫通穴に挿入した前記開閉バーの基端部に前記ナットを締結することにより、前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる位置で保持するものである。
【0010】
または、前述のゲート開閉用動力伝達装置は、好ましくは、
前記開閉バーの基端部には、前記開閉バーの直径よりも小径の小径部と、当該小径部の側面に設けられバネ力により当該側面から突出するように付勢してある抜け止め用突起部と、を設けてあり、
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの前記小径部を挿入可能な貫通穴を形成してあり、
前記貫通穴の内周面には、前記抜け止め用突起部が嵌まる凹溝を形成してあり、
前記貫通穴に挿入された前記開閉バーの前記抜け止め用突起部が、バネ力により前記凹溝に嵌まることにより、前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる位置で保持するものである。
【0011】
または、前述のゲート開閉用動力伝達装置は、好ましくは、
前記開閉バー取付け部には、前記開閉バーの基端部をピン接合する連結金具を設けてあり、
前記開閉バーを前記回転プレートに対して略直角となる向きに配置したときに互いに嵌合して当該向きを保持する凹部及び凸部のうち、いずれか一方を前記開閉バーの基端部に設けてあり、他方を前記連結金具に設けてあるものである。
【0012】
前述のゲート開閉用動力伝達装置は、更に好ましくは、
支柱と、
締結具を用いて前記支柱の任意の高さ位置に着脱自在に取り付けてあり、前記電動工具及び前記トルク増幅ユニットを設置する受け台と、
を備えるスタンドを有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、優れた汎用性、作業性及び携行性を発揮し、保管も容易で、発電機等が無い場所でも利用できる、スポークを備えるハンドルの回転により開閉するゲートに適用可能なゲート開閉用動力伝達装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置の斜視図である。
【
図2】
図1に示すゲート開閉用動力伝達装置を他の方向から示した斜視図である。
【
図3】
図1に示すゲート開閉用動力伝達装置の分解斜視図である。
【
図4】
図1に示す減速機構の内部構成説明図である。
【
図5】
図1に示すアタッチメントの構成を示す説明図である。
【
図9】
図1に示すゲート開閉用動力伝達装置の使用例を示す斜視図である。
【
図10】変形例1に係るゲート開閉用動力伝達装置のアタッチメントの構成を示す説明図である。
【
図11】
図10に示す開閉バーを回転プレートに取り付けた状態を示す説明図である。
【
図12】変形例2に係るゲート開閉用動力伝達装置のアタッチメントの構成を示す説明図である。
【
図13】
図12に示す開閉バーを回転プレートに対して略直角となる向きに配置した状態を示す説明図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置の外観構成図である。
【
図15】本発明の第3の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置の外観構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明を具体的に説明するが、本発明は図面に示す実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更可能である。本発明に係るゲート開閉用動力伝達装置は、充電式の電動工具を用いて駆動させ、水門等のゲートを開閉するためのハンドルを電動により回転させることが可能な装置であり、後説する連結具と、トルク増幅ユニットと、アタッチメントとを有するが、更に好ましくは、第1の実施形態に示すように可搬式のスタンドを有するものである。
【0016】
{第1の実施形態}
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置10の斜視図であり、特に、同装置10を回転プレート19の外面側(トルク増幅ユニット12が配置される面の反対面側、即ちハンドルに対向して配置される面側)から示した図である。
図2は、同装置10を他の方向から示した斜視図であり、特に、同装置10を回転プレート19の内面側(トルク増幅ユニット12が配置される面側)から示した図である。
図3は、同装置10の分解斜視図である。
【0017】
ゲート開閉用動力伝達装置10は、充電式の電動工具70に装着し回転可能な連結具11を有する。電動工具70は、10.8Vの充電式の電動工具であり、スイッチはトリガー式で、グリップ702の底部には着脱可能な充電式のバッテリー701が搭載される。ゲートの開閉いずれの作業時にも利用可能なように、電動工具としては連結具を正逆自在に回転可能な切り換えスイッチを備えるタイプのものが好ましいが、レバーやスイッチにより回転方向を正逆自在に切り替え可能な歯車列をトルク増幅ユニットの内部又はその前後に組み込むようにしても良い。連結具11は、電動工具70のチャックに装着されるアダプターであり、その先端側がトルク増幅ユニット12側の差込み口に嵌め込まれる。
【0018】
トルク増幅ユニット12は、電動工具70による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構13と、ラチェット機構13に着脱可能に接続する複数の歯車の組み合わせよりなる減速機構16と、減速機構16により増幅されたトルクを出力する出力軸17と、を備える。トルク増幅ユニット12は、連結具11に着脱可能に接続する(
図1参照)。本実施例においては、連結具11と減速機構16との間にラチェット機構13が配置されるように接続しているが(
図3参照)、ラチェット機構と減速機構の接続順序は入れ替え可能であり、連結具とラチェット機構との間に減速機構が配置されるように接続しても良い。
【0019】
ラチェット機構13はラチェット連結具を有し、一端側に連結具11の先端側が嵌合する差込み口を備え、他端側にはソケット14に嵌め込まれる挿入部を備える。本実施例においては、ラチェット機構13はソケット14を用いて減速機構16に接続する。ラチェット機構13は、電動工具70の駆動により回転する連結具11の回転トルクを減速機構16に伝達する一方、これと逆回りの回転トルクが負荷された場合には空転する。すなわち、ラチェット機構13が動力伝達を許容する回転方向と、電動工具70による連結具11の回転方向とが一致する場合に、ラチェット機構13を介して動力を伝達する。従って、ハンドル側で生じた反力(電力工具による回転方向と逆回りの回転トルク)がラチェット機構13に負荷された場合でも、これが空転することにより、電動工具70には反力が伝わらない。かかるラチェット機構13としては、好ましくは、双方向ラチェット等と称される回転方向を切り換えることが可能なラチェット連結具を用いる。これと正逆自在に回転可能な電動工具70とを併用することにより、回転プレート19の回転方向を切り換えることができ、ゲートの開閉操作のいずれにも対応することができる。
【0020】
図4は、減速機構16の内部構成説明図である。本実施例においては、減速機構16は、ハウジング18内に組み込まれた1組の遊星歯車160よりなる歯車列を有し、入力軸15をサンギヤに接続し、出力軸17を遊星キャリアに接続し、インターナルギヤをハウジング18に固定してある。入力軸15及び出力軸17はハウジング18に装着されたベアリング183、184により軸支する。入力軸15に着脱可能に接続されるソケット14を用いて、減速機構16をラチェット機構13に着脱可能に接続する。遊星歯車160により増幅されたトルクは、出力軸17に伝達される。ハウジング18の底部には、下方に延びる柱状の連結部181を設けてある。この連結部181を後説する受け部252に差し込むことにより、トルク増幅ユニット12を任意の高さ位置で支持する。連結部181の幅方向(減速機構の軸方向に直交する方向)には連結片182が突設されており、連結片182を受け部252の切込み253に入れ込むようにして差し込むことにより、受け台25の所定の位置に所定の向きでトルク増幅ユニット12を設置する。
【0021】
図5は、
図1に示すアタッチメント90の構成を示す説明図であり、特に、回転プレート19に開閉バー20を取り付ける前の状態を示す図である。
図6は、回転プレート19の正面図である。アタッチメント90は、開閉バー20と、開閉バー20及びトルク増幅ユニット12の間に配置した回転プレート19と、を備える。回転プレート19は円盤よりなり、出力軸17を着脱可能に接続する連結穴191を備える。また、回転プレートは、連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、開閉バー20の基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部を備える。本実施例においては、
図6に示すように、開閉プレート19には、開閉バー取付け部192が、連結穴191を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、及び、72°間隔を組合わせた間隔で複数設けてあるが、これに限られない。例えば、120°間隔で3箇所のみ設けても良く、90°間隔で4箇所のみ設けても良く、若しくは、72°間隔で5箇所のみ設けても良く、60°間隔で6箇所のみ設けても良い。
【0022】
連結穴191は、断面四角形状の出力軸17を着脱可能に挿入可能な四角形状の貫通穴である。開閉バー取付け部192には、開閉バー20の基端部が挿入される貫通穴が形成してある。本実施例の回転プレート19には、120°間隔、90°間隔、及び、72°間隔を組合せた間隔で開閉バー取付け部192(貫通穴)が設けてある。回転プレート19の外面側の中央部(連結穴191の外面側の開口部)には、好ましくは、ハンドル81に対する緩衝のためクッション材193を取り付ける。
【0023】
開閉バー20は、棒状の部材であり、本体部と、ネジ山を形成してある基端部とにより構成される。基端部は本体部よりも小径である。開閉バー20の本体部は、ハンドルのスポークに当接する部位であり、好ましくは、ハンドル81に対する緩衝のためゴムホース21(円筒状の合成ゴム)で被覆する。前記貫通穴は、基端部を挿入可能であるが、本体部を挿入できないサイズで形成する。開閉バー20は、回転プレート19の外面側から、基端部を開閉バー取付け部192に形成された貫通穴に挿入するようにして取り付ける。
【0024】
開閉バー20は、例えば、ハンドルが120°間隔で設けられた3本のスポークよりなる場合には、120°間隔で配置された開閉バー取付け部192のそれぞれに取り付け、ハンドルが72°間隔で設けられた5本のスポークよりなる場合には、72°間隔で配置された開閉バー取付け部192のそれぞれに開閉バーを取り付ける。なお、ハンドルが60°間隔で設けられた6本のスポークよりなる場合であっても、120°間隔で配置された開閉バー取付け部192に開閉バー20を装着して3本の開閉バー20でハンドルを回転させるようにしても良い。
【0025】
本実施例のゲート開閉用動力伝達装置10のアタッチメント90は、ネジ山に螺合するナット22を備える。開閉バー20の基端部を回転プレート19の外面側から開閉バー取付け部192(貫通穴)に挿入した後、当該基端部のネジ山にナット22を締結することにより、
図1及び
図2に示すように、開閉バー20を回転プレート19に対して略直角となる位置で保持する。
【0026】
図1及び
図2に示すゲート開閉用動力伝達装置10によれば、電動工具70を駆動することにより、減速機構16にて増幅された回転トルクが回転プレート19に伝達され、回転プレート19に立設された開閉バー20が一体として回転する。従って、開閉バー20を各スポークの間に差し込んだ状態で電動工具70を駆動することによりゲートの開閉を行うことができる。特に、ハンドルに設けられたスポークの本数等に対応して回転プレート19に対して取り付けられる開閉バー20の本数や取付け位置を調整することにより、スポークの本数等の異なる様々なタイプのハンドルに適用することができ汎用性に優れる。
【0027】
同装置10によれば、ゲートの開閉作業に際して開閉バー20をハンドルに固定する必要がなく、開閉バーを各スポークの間に差し込んだ状態でゲートの開閉を行うものであることから、各水門に対する取付け取外し作業が行いやすく作業性が良い。また、同装置10によれば、連結具11、トルク増幅ユニット12、回転プレート19等のそれぞれが着脱可能であり分解が容易であることから、水門が設置された場所まで携行し易く、コンパクトに収容できるため保管も容易であり、また、後述のとおり組立ても容易である。作業者が単独で携行して使用することも可能である。このように本装置10は携帯性に優れ、上述のとおりハンドルへの固定作業が不要であることから、本装置1台を用いて複数の水門を順次開閉する作業を行うことも容易である。特許文献1に係る技術のように、各水門の開閉器に専用の補助駆動装置を固定する必要がなく、パーツ単位での交換やメンテナンスを行い易く、経済的である。
【0028】
また、本装置10によれば、充電式の電動工具70によりゲートを開閉することができ、配線作業を行う必要がなく、発電機や電力設備が無い場所でも利用可能である。電源として商用電源を必要とするモータを駆動源とする動力装置は発電機を携行する負担があり、道路から遠く離れた辺鄙な場所や管理橋のある水門設備の場合には電力供給用の配線を長く引かなければならないが、本装置10によればこれらの負担が生じない。電動工具70が発生する回転トルクは、トルク増幅ユニットを介して増幅されて伝達されるため、市販された低出力の電動工具70でも適用することができ、安価である。その他、電動工具70による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構13を組み込むことにより、電動工具を停止させたときにハンドルから受ける反回転力が電動工具70や作業者に伝わらないため、電動工具70の故障防止や作業者の負担軽減を図ることができる。
【0029】
第1の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置10が奏するこれらの効果は、後述する変形例2、変形例3、並びに、第2及び第3の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置が発揮する効果でもある。
【0030】
ゲート開閉用動力伝達装置10は、支柱24と、受け台25と、を備えるスタンド23を有する。
図7は、
図1に示す受け台25の一部省略側面図であり、
図8は、受け台25の一部省略平面図である。受け台25は、締結具としてのノブ28を用いて支柱24の任意の高さ位置に着脱自在に取り付けてあり、電動工具70及びトルク増幅ユニット12を設置する。支柱24は鋼管よりなり、地面に設置され支柱24の差込み口を備える取付ベース26に差し込まれて立設する。ノブ28にはボルト部281が設けられ、丸単管27の上下2箇所に穿設された孔にボルト部281の先端が挿入されており、支柱24の任意の高さ位置まで丸単管27をスライドさせた後、ノブ28を締め付けることによりボルト部281で支柱24を押圧して固定する。なお、支柱は複数のパイプを組み合わせて伸縮可能に構成しても良い。
【0031】
受け台25は、丸単管27に直交する方向に固定された連結プレート251を備え、連結プレート251の先端側(回転プレート側)にトルク増幅ユニット12を載置し、後端側に電動工具70を載置する。受け台25は、丸単管27と一体として上下方向にスライドする。
【0032】
連結プレート251上面の前端側(回転プレート19が配置される側)には筒状の受け部252を固設する。受け部252には、切込み253とノブ29を設ける。ノブ29にはボルト部291を設け、受け部252に穿設された孔にボルト部291の先端を挿入する。連結片182が切込み253に入るようにして、連結部181を受け部252に差し込んだ後、ノブ29を締め付け、ボルト部291で連結部181を押圧することにより、受け部252からの脱落を防止する。
【0033】
連結プレート251の後端側には、側面視L字状の載置プレート255を固設する。載置プレート255の底板の両側辺には側板256を溶接し、底板の背面側には開閉プレート257を連結する。開閉プレート257は平面視コ字状に形成され、ヒンジを介して底板に連結されており、回転して上下方向に開閉可能である。側板256には、開閉プレート257を掛け留めるパチン錠258を取り付ける。連結プレート251、受け部252、及び、載置プレート255のそれぞれは、連結プレート251の上面に立設される補強プレート254に固定する。また、連結プレート251には、幅方向に延びるグリップ259を突設する。
【0034】
上記構成を有する受け台25に対して、
図3中実線矢印で示すように、減速機構16を受け部252に取り付け、ソケット14及びラチェット機構13に接続された連結具11を電動工具70に装着した後、開閉プレート257を開けて、ソケット14を減速機構16の入力軸15に嵌め込むようにしながら載置プレート255にバッテリー701を載置し、開閉プレート257を閉じる。スタンド23を有する場合には、受け台25の高さ位置を任意に調整することで、回転プレート19の高さ位置を調整することができ、設置高さの異なるハンドルにも適用することができる。なお、これらの手順は受け台25に対する設置手順の一例に過ぎない。受け台25の各寸法は、設置された状態で各構成部材が確実に接続される長さに設定する。前述のとおり、ラチェット機構と減速機構の接続順序を入れ替えて、連結具が減速機構を接続し、減速機構をラチェット機構を介して出力軸に接続する形態とする場合には、かかる形態に応じて受け部252の固設位置を変更する。
【0035】
次に、
図9も参照して、水門のゲート開閉器80にゲート開閉用動力伝達装置10を設置する手順の一例を説明する。先ず、取付ベース26に支柱24を差し込み、支柱24に丸単管27を差し込んで、受け台25を支柱24に取り付けた後、スタンド23をハンドル81前に据え付ける。次に、前述の手順により、受け台25に、トルク増幅ユニット12や電動工具70等を設置する。ハンドル81には120°間隔で3本のスポーク811が設けられていることに対応して、120°間隔で設けられた開閉バー取付け部192のそれぞれに開閉バー20を取り付けた後、回転プレート19の連結穴191に出力軸17を接続し、
図1及び
図2に示す形態に組み立てる。
【0036】
図9は、ゲート開閉器80のハンドル81へのゲート開閉用動力伝達装置10の設置例を示す斜視図である。ハンドル81は、ゲート開閉器80に連結される回転軸部812と、回転軸部812を中心軸として配置される環状部813と、回転軸部812から放射状に延びて環状部813に固定される複数のスポーク811と、を有し、ハンドル81の回転数に応じて回転軸部812が回転しゲートが僅かずつ開閉する。
【0037】
このハンドル81に対して、ハンドル81の回転軸部812と回転プレート19の回転中心とが同一の高さとなるように、受け台25の高さ位置を調整し、クッション材193がハンドル81に当接する位置までゲート開閉用動力伝達装置10を押し込んで、各スポーク811間に開閉バー20を配置する。なお、横方向の調整は取付ベース26自体を移動させることにより行う。電動工具70のスイッチを押すと、増幅されたトルクが回転プレート19に伝達され、開閉バー20が回転してスポーク811を押圧し、ハンドル81が回転する。グリップ259を掴み、取付ベース26を踏み付けながら、電動工具70を駆動させ、ゲート開閉用動力伝達装置10のズレを防ぐ。電動工具70のスイッチを離すことで、手動への切り換えも容易に行える。水門の開閉作業においては、全閉状態とする際には手動で強めの回転力を加えてハンドルを締め付ける等、ハンドルの開閉操作に要する回転力が常時一定ではないが、本装置によれば手動への切り換えが容易であり、また、本装置を補助動力として使用することも可能であり、ハンドル81の開閉操作を円滑に行える。電動工具70を作動状態から停止させた場合でも、ラチェット機構13によりハンドル81から受ける反力が電動工具70には伝達されないため、電動工具70の故障を防ぐことができる。
【0038】
ハンドル81を逆方向に回転させる必要がある場合には、電動工具70とラチェット機構13の回転方向を切り換える。電動工具70の回転方向とラチェット機構13が伝達する回転方向とが逆である場合、電動工具70を駆動させてもラチェット機構13が空転して減速機構16に回転力が伝達されない。連結具11、ラチェット機構13、減速機構、回転プレート、及び開閉バー20のそれぞれは相互に着脱自在に接続されており、スタンド23も取付ベース26、支柱24、受け台25に分解可能であり、開閉作業終了後は、パーツ単位に解体して携行することができる。
【0039】
{第1の実施形態の変形例1}
次に、変形例1としてアタッチメントのみ異なるゲート開閉用動力伝達装置を説明する。
図10は、変形例1に係るゲート開閉用動力伝達装置のアタッチメント91の構成を示す説明図であり、
図11は、アタッチメント91の開閉バー32を回転プレート30に取り付けた状態を示す説明図である。開閉バー32は、棒状の部材であり、その基端部には、開閉バー32の直径よりも小径の小径部321と、小径部321の側面に設けられバネ力により当該側面から突出するように付勢された抜け止め用突起部322と、を設けてある。開閉バー20の本体部(小径部以外の部分)は、ゴムホース323(円筒状の合成ゴム)で被覆する。抜け止め用突起部322は、バネ力により通常時は側面から突出しているが、押圧すると小径部321内に押し込まれ、押圧を解くとバネ力により再び側面から突出する。
【0040】
回転プレート30は、出力軸が着脱可能に接続する連結穴191と、連結穴191を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部が取り付け可能である開閉バー取付け部と、を備える。変形例1に係る開閉バー取付け部には、開閉バー32の小径部321が挿入可能な貫通穴301を形成してある。開閉バー取付け部は、好ましくは強度を確保するため、
図10に示すように、後面側(出力軸側)が凸状に延設しており、当該凸状の補強部302に貫通穴301を穿設してある。貫通穴301の内周面には、抜け止め用突起部322が嵌まる凹溝303を形成してある。補強部302はボスを溶接する等により形成する。アタッチメント91によれば、貫通穴301に挿入された開閉バー32の抜け止め用突起部321がバネ力により凹溝303に嵌まることにより、開閉バー32が回転プレート30に対して略直角となる位置で保持する。前述の開閉バー20とは異なり、ワンタッチで回転プレート30に装着することができる。
【0041】
貫通穴301は両端が開口しており、貫通穴301の内面側開口部から開閉バー32の基端部を押し込むことにより取り外すことができる。変形例1に係る開閉バー32は、回転プレート30に取り付けた状態において、その一端が貫通穴301の内面側開口部から突出するように設定されている。この突出部分を押し込むことにより取り外すことができる。かかる効果を発揮するアタッチメント92は、他のアタッチメント90、94に代えて用いることができる。
【0042】
{第1の実施形態の変形例2}
次に、変形例2としてアタッチメントのみ異なるゲート開閉用動力伝達装置を説明する。
図12は、変形例2に係るゲート開閉用動力伝達装置のアタッチメント92の構成を示す説明図であり、
図13は、開閉バー42を回転プレート40に対して略直角となる向きに配置した状態を示す説明図である。回転プレート40は、出力軸が着脱可能に接続する連結穴191と、連結穴191を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部と、を備える。変形例2では、開閉バー取付け部には、開閉バー42の基端部をピン接合又はヒンジ結合する連結金具41を設けてある。連結金具41にピン接合された開閉バー42は、ピン部411を回転軸として回転プレート40に対して略直角となる向き(
図13参照)と略平行となる向き(
図12参照)に配置可能である。
【0043】
開閉バー42を回転プレート40に対して略直角となる向きに配置したときに互いに嵌合して当該向きを保持する凹部412及び凸部421のうち、凸部421を開閉バー42の基端部に設けてあり、凹部412を連結金具41に設けてある。変形例2では、凸部421は開閉バー42の基端部に設けられる突起であり、凹部412は連結金具41に設けられる孔であるが、これに限られない。凹部を開閉バーの基端部に設け、凸部を連結金具に設けるようにしても良い。
【0044】
変形例2によれば、ハンドル81のスポーク数等に応じて選択される開閉バー42をつかんで、回転プレート40に対して略直角となる向きに配置することにより、凸部421が凹部412に嵌まり込み、開閉バー42が回転プレート40に対して略直角に配置された起立状態で保持される。開閉バー42を手で押し倒すことにより、嵌合状態を解いて回転プレート40と略平行な向きに戻すことができる。工具を用いることなく、開閉バー42を容易に起立させたり、元の位置に戻したりすることができる。開閉バー42は予め回転プレート40に備え付けてあり、開閉バー42を持参し忘れる心配が無い。かかる効果を発揮するアタッチメント94は、他のアタッチメント90、92に代えて用いることができる。なお、変形例2に係る開閉バー42は、回転プレート40に対して略平行となる位置(
図12参照)にあるとき、その先端が回転プレート40の中心部を向くように連結金具41が配置されているが、これに限られず、例えば、各開閉バーを連結穴を中心とする円周の接線方向を向くように配置しても良い。
【0045】
{第2の実施形態}
上述した第1の実施形態のゲート開閉用動力伝達装置10は、可搬型のスタンド23であるが、第2の実施形態及び後述する第3の実施形態に示すとおり固定型のスタンド51、61であっても良い。
図14は、本発明の第2の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置50の外観構成図であり、特に、ゲート開閉用動力伝達装置50がゲート開閉器80に取り付けられた状態を示す。なお、第1の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置10と共通する部品、部位ないし構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
ゲート開閉用動力伝達装置50は、支柱52と、締結具を用いて支柱52の任意の高さ位置に着脱自在に取り付けてある受け台25と、を備える固定型のスタンド51を有する。支柱52は、コンクリート製の土台99にアンカーボルト531を用いて立設される形鋼の上端に連結する。支柱52には丸単管54がスライド可能に挿入されており、支柱52の任意の高さ位置まで丸単管54をスライドさせ、ノブ55(締結具)を締め付けることにより固定する。ノブ55は、ノブ28と同様の構成である。受け台25には、電動工具70及びトルク増幅ユニット12を設置する。
【0047】
固定型のスタンド51は、ゲートの開閉作業時に、都度、立設するようにしても良いが、各ハンドル81に固有のものとして固定したままでも良い。ハンドル81の設置位置は変わらないため、例えば、頻繁にゲートの開閉を行う場合には、固定型のスタンド51を有するゲート開閉用動力伝達装置50を好適に利用することができる。
【0048】
{第3の実施形態}
図15は、本発明の第3の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置60の外観構成図であり、特に、ゲート開閉用動力伝達装置60がゲート開閉器82に取り付けられた状態を示す。同装置60が適用されるゲート開閉器82のハンドル83は、その回転軸部が縦方向に配置され、スポーク831が略水平方向に配置される。なお、第1の実施形態に係るゲート開閉用動力伝達装置10と共通する部品、部位ないし構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
ゲート開閉用動力伝達装置60は、ハンドル83の回転軸部が縦方向に配置される形態の水門の開閉器82に適用される。ゲート開閉用動力伝達装置60は、支柱62と、締結具を用いて支柱62の任意の高さ位置に着脱自在に取り付けてあり、電動工具70及びトルク増幅ユニット12を設置する受け台25と、を備える固定型のスタンド61を有する。支柱62は、コンクリート製の土台99にアンカーボルト631を用いて立設される形鋼の上端に連結する。支柱62には丸単管64がスライド可能に挿入されており、支柱62の任意の高さ位置まで丸単管64をスライドさせ、ノブ65(締結具)を締め付けることにより固定する。ノブ65は、ノブ28と同様の構成である。
【0050】
この丸単管64には、略水平方向に延びる鋼管66が固定され、この鋼管66に挿入された丸単管27に受け台25を固定する。受け台25には、電動工具70及びトルク増幅ユニット12を設置する。電動工具70を駆動させると、ゲート開閉用動力伝達装置60の回転プレート19は縦軸回りに回転する。この回転プレート19に取り付けられる開閉バーは縦方向に配置される。前述のとおり、スポーク831は略水平方向に配置されており、スポーク間に開閉バーを差し入れて電動工具70を駆動させることにより、ハンドル83を開閉することができる。
【0051】
本発明は、上記実施形態ないし実施例に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。例えば、回転プレートは円盤状のものに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、ハンドルを回転させることにより開閉する水門等のゲートの開閉に利用することができるが、スポークを有するハンドルであれば車輪型のものに限らず、水門以外のゲートでも利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 ゲート開閉用動力伝達装置
11 連結具
12 トルク増幅ユニット
13 ラチェット機構
14 ソケット
15 入力軸
16 減速機構
160 遊星歯車
17 出力軸
18 ハウジング
181 連結部
182 連結片
183 ベアリング
184 ベアリング
19 回転プレート
191 連結穴
192 開閉バー取付け部
193 クッション材
20 開閉バー
21 ゴムホース
23 スタンド
24 支柱
25 受け台
251 連結プレート
252 受け部
253 切込み
255 載置プレート
256 側板
257 開閉プレート
258 パチン錠
259 グリップ
26 取付ベース
27 丸単管
28 ノブ
281 ボルト部
29 ノブ
291 ボルト部
30 回転プレート(変形例1)
301 貫通穴
32 開閉バー(変形例1)
321 小径部
322 抜け止め用突起部
40 回転プレート(変形例2)
41 連結金具
411 ピン部
412 凹部
42 開閉バー(変形例2)
421 凸部
50 ゲート開閉用動力伝達装置(第2の実施形態)
51 スタンド
52 支柱
531 アンカーボルト
54 丸単管
55 ノブ
60 ゲート開閉用動力伝達装置(第3の実施形態)
61 スタンド
62 支柱
631 アンカーボルト
64 丸単管
65 ノブ
70 電動工具
701 バッテリー
702 グリップ
80 ゲート開閉器
81 ハンドル
811 スポーク
812 回転軸部
82 ゲート開閉器
83 ハンドル
831 スポーク
90 アタッチメント
91 アタッチメント(変形例1)
92 アタッチメント(変形例2)
99 土台
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
充電式の電動工具におけるチャックに装着し回転可能な連結具と、
前記電動工具による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構と、当該ラチェット機構に着脱可能に接続する減速機構と、当該減速機構により増幅されたトルクを出力する出力軸と、を備え、前記連結具に着脱可能に接続したトルク増幅ユニットと、
開閉バーと、当該開閉バー及び前記トルク増幅ユニットの間に配置した回転プレートと、を備えるアタッチメントと、
を有し、
前記回転プレートが、
前記出力軸を着脱可能に接続する連結穴と、
前記連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部と、
を備えることを特徴とするゲート開閉用動力伝達装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明のゲート開閉用動力伝達装置は、
充電式の電動工具におけるチャックに装着し回転可能な連結具と、
前記電動工具による回転方向と逆回りの回転を制限するラチェット機構と、当該ラチェット機構に着脱可能に接続する減速機構と、当該減速機構により増幅されたトルクを出力する出力軸と、を備え、前記連結具に着脱可能に接続したトルク増幅ユニットと、
開閉バーと、当該開閉バー及び前記トルク増幅ユニットの間に配置した回転プレートと、を備えるアタッチメントと、
を有し、
前記回転プレートが、
前記出力軸を着脱可能に接続する連結穴と、
前記連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、前記開閉バーの基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部と、
を備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
図5は、
図1に示すアタッチメント90の構成を示す説明図であり、特に、回転プレート19に開閉バー20を取り付ける前の状態を示す図である。
図6は、回転プレート19の正面図である。アタッチメント90は、開閉バー20と、開閉バー20及びトルク増幅ユニット12の間に配置した回転プレート19と、を備える。回転プレート19は円盤よりなり、出力軸17を着脱可能に接続する連結穴191を備える。また、回転プレートは、連結穴を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、72°間隔、若しくは、60°間隔、又はこれらを組合せた間隔で複数設けてあり、開閉バー20の基端部を取り付け可能である開閉バー取付け部を備える。本実施例においては、
図6に示すように、
回転プレート19には、開閉バー取付け部192が、連結穴191を中心とする円周上に120°間隔、90°間隔、及び、72°間隔を組合わせた間隔で複数設けてあるが、これに限られない。例えば、120°間隔で3箇所のみ設けても良く、90°間隔で4箇所のみ設けても良く、若しくは、72°間隔で5箇所のみ設けても良く、60°間隔で6箇所のみ設けても良い。