(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095881
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】段ボールシート、包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 81/02 20060101AFI20240704BHJP
B65D 81/03 20060101ALI20240704BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
B65D81/02
B65D81/03
B65D81/03 200
B65D5/50 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212847
(22)【出願日】2022-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
(72)【発明者】
【氏名】米丸 武
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060BA08
3E060CC02
3E060CC12
3E060CC18
3E060CC19
3E066AA24
3E066AA34
3E066AA35
3E066BA10
3E066CA04
3E066DA04
3E066DB01
3E066FA02
3E066JA02
3E066JA03
3E066KA08
(57)【要約】
【課題】廃棄が容易な緩衝機能を有する段ボールシート及び該段ボールシート製の包装箱を提供する。
【解決手段】
段ボールシート1Xは、第1ライナ11と、第2ライナ12と、その間に配置される波状の中芯13とを有する。段ボールシート1Xは、第1ライナ11から中芯13まで切断し、上下方向に沿って延設された複数の第1半切線41及び左右方向に沿って延設された複数の第2半切線42と、隣接する一対の前記第1半切線41と隣接する一対の前記第2半切線42とにより区切られた複数の単位セル部44と、複数の前記単位セル部44を前記厚み方向に潰した段潰部45と、前記単位セル部44と前記段潰部45とが第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて交互に配置されることにより形成される緩衝部4と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って延設された複数の第1半切線と、
前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向で隣接する一対の前記第1半切線により挟まれた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第2方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが第2方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項2】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って延設された複数の第1半切線、及び、前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向に沿って延設された複数の第2半切線と、
複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線とが交差することで連設され、隣接する一対の前記第1半切線と隣接する一対の前記第2半切線とにより区切られた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第1方向及び第2方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項3】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って直線状に延設された複数の第1半切線、及び、前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向に沿って直線状に延設された複数の第2半切線と、複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線とが交差することで連設され、隣接する一対の前記第1半切線と隣接する一対の前記第2半切線とにより矩形状に区切られた複数の同一形状の矩形領域の対角線上の隅部を連続的に繋ぐ第3の方向に沿って直線状に延設された複数の第3半切線と、
複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線と複数の前記第3半切線とが交差することで連設され、前記第1半切線と前記第2半切線と前記第3半切線とにより三角形状に区切られた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第1方向乃至第3方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが第1方向乃至第3方向のいずれにおいても交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項4】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する方向に沿って同心円状に設けられた複数の円形半切線と、
隣接する一対の前記円形半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項5】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する方向に沿って同心の多角形状に設けられた複数の多角形半切線と、
隣接する一対の前記多角形半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項6】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する方向に沿って同心の閉曲線形状に設けられた複数の閉曲状半切線と、
隣接する一対の前記閉曲状半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、
複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、
前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項7】
第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、
前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する方向に沿って閉曲線形状であって互いに離間して設けられた複数の浮島半切線と、
複数の前記浮島半切線により閉曲線形状に区切られた複数の単位セル部と、
前記段ボールシートのうち複数の前記単位セル部を除いた領域を前記厚み方向に潰した段潰部と、
前記段潰部に囲まれた前記単位セル部が浮島状に点在することで形成される緩衝部と、を有することを特徴とする段ボールシート。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成された緩衝部材であって、
被包装物を収納した包装箱に取り付けられ、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする緩衝部材。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成された仕切部材であって、
被包装物を収納した包装箱に取り付けられ、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする仕切部材。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成されて前記緩衝部に被包装物が載置される載置板であって、前記被包装物が載置される前記単位セル部を前記厚み方向に潰して、
前記被包装物の側方を複数の前記単位セル部の側端で囲うことを特徴とする載置板。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成されて被包装物を包装する包装具であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする包装具。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成されて被包装物を包装する包装箱であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする包装箱。
【請求項13】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載された段ボールシートで形成されて被包装物を包装する封筒であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする封筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールシート、緩衝部材、仕切部材、載置板、包装具及び包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートを用いた包装箱を使って被包装物を送る際、段ボールシートと荷物の間に隙間があると、配送時の衝撃で被包装物が破損するおそれがあることから、隙間を埋めるための工夫が必要とされる。そのため、従来、被包装物を包んだ状態で箱内に収納されるエアーキャップでできた緩衝用シートを備えた緩衝用シート付き包装箱が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この包装箱では、廃棄の際に、紙製の箱本体とビニール製のエアーキャップとを分別しなければならないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、廃棄が容易な緩衝機能を有する段ボールシート及び該段ボールシート製の包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[第1の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って延設された複数の第1半切線と、前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向で隣接する一対の前記第1半切線により挟まれた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第2方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが第2方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第1の本発明の段ボールシート」という。)。
【0007】
第1の本発明の段ボールシートでは、潰されていない単位セル部と段潰部とが第2方向において交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第1の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0008】
したがって、第1の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。
【0009】
また、第1の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0010】
よって、第1の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0011】
[第2の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って延設された複数の第1半切線、及び、前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向に沿って延設された複数の第2半切線と、複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線とが交差することで連設され、隣接する一対の前記第1半切線と隣接する一対の前記第2半切線とにより区切られた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第1方向及び第2方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第2の本発明の段ボールシート」という。)。
【0012】
第2の本発明の段ボールシートでは、潰されていない単位セル部と段潰部とが第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第2の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0013】
したがって、第2の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第2の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0014】
よって、第2の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0015】
[第3の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、前記段ボールシートの厚み方向に交差する第1方向に沿って直線状に延設された複数の第1半切線、及び、前記厚み方向と第1方向とにそれぞれ交差する第2方向に沿って直線状に延設された複数の第2半切線と、複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線とが交差することで連設され、隣接する一対の前記第1半切線と隣接する一対の前記第2半切線とにより矩形状に区切られた複数の同一形状の矩形領域の対角線上の隅部を連続的に繋ぐ第3の方向に沿って直線状に延設された複数の第3半切線と、複数の前記第1半切線と複数の前記第2半切線と複数の前記第3半切線とが交差することで連設され、前記第1半切線と前記第2半切線と前記第3半切線とにより三角形状に区切られた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、第1方向乃至第3方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが第1方向乃至第3方向のいずれにおいても交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第3の本発明の段ボールシート」という。)。
【0016】
第3の本発明の段ボールシートでは、潰されていない単位セル部と段潰部とが第1方向乃至第3方向のいずれにおいても交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第3の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0017】
したがって、第3の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第3の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0018】
よって、第3の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0019】
[第4の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、同心円状に設けられた複数の円形半切線と、隣接する一対の前記円形半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第4の本発明の段ボールシート」という。)。
【0020】
第4の本発明の段ボールシートでは、環状の潰されていない単位セル部と環状段潰部とが緩衝部の内側から外側に向って交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第4の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0021】
したがって、第4の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第4の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0022】
よって、第4の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0023】
[第5の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、同心の多角形状に設けられた複数の多角形半切線と、隣接する一対の前記多角形半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第5の本発明の段ボールシート」という。)。
【0024】
第5の本発明の段ボールシートでは、環状の潰されていない単位セル部と環状段潰部とが緩衝部の内側から外側に向って交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第5の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0025】
したがって、第5の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第5の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0026】
よって、第5の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0027】
[第6の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、同心の閉曲線形状に設けられた複数の閉曲状半切線と、隣接する一対の前記閉曲状半切線により環状に区切られた複数の単位セル部と、複数の前記単位セル部を前記厚み方向に潰した段潰部であって、内側の前記単位セル部から外側の前記単位セルに向かう放射方向に断続的に設けられる段潰部と、前記単位セル部と前記段潰部とが前記放射方向において交互に配置されることにより形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第6の本発明の段ボールシート」という。)。
【0028】
第6の本発明の段ボールシートでは、環状の潰されていない単位セル部と環状段潰部とが緩衝部の内側から外側に向って交互に配置されることにより緩衝部が形成されている。そのため、第6の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0029】
したがって、第6の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第6の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0030】
よって、第6の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0031】
[第7の本発明]
本発明の段ボールシートは、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中芯とを有する段ボールシートであって、前記第1ライナから前記中芯まで切断した半切線であって、閉曲線形状であって互いに離間して設けられた複数の浮島半切線と、複数の前記浮島半切線により閉曲線形状に区切られた複数の単位セル部と、前記段ボールシートのうち複数の前記単位セル部を除いた領域を前記厚み方向に潰した段潰部と、前記段潰部に囲まれた前記単位セル部が浮島状に点在することで形成される緩衝部と、を有することを特徴とする(以下、「第7の本発明の段ボールシート」という。)。
【0032】
第7の本発明の段ボールシートでは、潰されていない単位セル部の周囲が段潰部に囲まれることにより緩衝部が形成されている。そのため、第7の本発明の段ボールシートの上に被包装物を載置した状態で配送時などに衝撃が加わると、各単位セル部は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないために衝撃により厚み方向に潰されやすい。
【0033】
したがって、第7の本発明の段ボールシートでは、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい。また、第7の本発明の段ボールシートは、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0034】
よって、第7の本発明の段ボールシートによれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0035】
[第8の本発明]
本発明の緩衝部材は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成された緩衝部材であって、被包装物を収納した包装箱に取り付けられ、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする(以下、「第8の本発明の緩衝部材」という。)。
【0036】
第8の本発明の緩衝部材は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されているため、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0037】
よって、第8の本発明の緩衝部材によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0038】
[第9の本発明]
本発明の仕切部材は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成された仕切部材であって、被包装物を収納した包装箱に取り付けられ、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする(以下、「第9の本発明の仕切部材」という。)。
【0039】
第9の本発明の仕切部材は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されているため、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0040】
よって、第9の本発明の仕切部材によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0041】
[第10の本発明]
本発明の載置板は、第1~7の本発明の段ボールシートで形成されて前記緩衝部に被包装物が載置される載置板であって、前記被包装物が載置される前記単位セル部を前記厚み方向に潰して、前記被包装物の側方を複数の前記単位セル部の側端で囲うことを特徴とする(以下、「第10の本発明の載置板」という。)。
【0042】
第10の本発明の載置板は、緩衝部に被包装物を載置して上から押し込むことで、被包装物の下にある単位セル部を厚み方向に潰すことができる。これにより、被包装物は緩衝部にめり込むことになるので、被包装物は、その側方を複数の単位セル部の側端で囲まれる。そのため、被包装物が配送時などに衝撃により段ボールシートの面上を移動しようとしても、周囲の単位セル部に係止されて載置場所がズレにくく、被包装物の位置決めまたは滑り止めとして機能する。
【0043】
すなわち、第10の本発明の載置板によれば、被包装物が大きく移動して側板などに衝突して衝撃が発生することを防止でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0044】
よって、第10の本発明の載置板によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0045】
[第11の本発明]
本発明の包装具は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されて被包装物を包装する包装具であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする(以下、「第11の本発明の包装具」という。)。
【0046】
第11の本発明の包装具は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されているため、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0047】
よって、第11の本発明の包装具によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0048】
[第12の本発明]
本発明の包装箱は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されて被包装物を包装する包装箱であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする(以下、「第12の本発明の包装箱」という。)。
【0049】
第12の本発明の包装箱は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されているため、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0050】
よって、第12の本発明の包装箱によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0051】
[第13の本発明]
本発明の封筒は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されて被包装物を包装する封筒であって、前記緩衝部が前記被包装物に対向することを特徴とする(以下、「第13の本発明の封筒」という。)。
【0052】
第13の本発明の封筒は、第1~第7の本発明の段ボールシートで形成されているため、緩衝部の各単位セル部が積極的に潰れることで衝撃を吸収でき、かつ、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0053】
よって、第13の本発明の封筒によれば、廃棄が容易であり、かつ、被包装物に対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の第1実施形態の包装箱を示す斜視図。
【
図3】第1実施形態の包装箱の組立てを説明するための斜視図。
【
図4】第1実施形態の緩衝部の機能を説明するための端面図であって、
図4Aは衝撃吸収前の端面図、
図4Bは衝撃吸収後の端面図。
【
図5】第1実施形態の緩衝部を説明するための平面図。
【
図6】本発明の第2実施形態のトレーを示す斜視図。
【
図7】本発明の第3実施形態の載置板に商品をめり込ませた状態を示す説明図であって、
図7Aは斜視図、
図7Bは端面図。
【
図8】本発明の第4実施形態の包装具を示す平面図。
【
図9】本発明の第5実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【
図10】本発明の第6実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【
図11】本発明の第7実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【
図12】本発明の第8実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【
図13】本発明の第9実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【
図14】本発明の第10実施形態の包装箱の底板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
[第1実施形態]
以下、
図1~5を参照しながら、本発明の実施形態(以下、単に「第1実施形態」という。)の一例に係る包装箱1について説明する。なお、第1実施形態の包装箱1は「第12の本発明の包装箱」の1つの例に相当する。
【0056】
第1実施形態の包装箱1は、
図1で示すように、ポストに投函可能な包装箱である。すなわち、包装箱1は、背の低い略直方体形状であって、左右方向に延びる四角筒状の胴部2と、胴部2の左右端開口をそれぞれ閉塞する一対の閉塞部3とを有する。
【0057】
胴部2は、底板21、一対の側板22、上部天板23及び下部天板24により構成されている。
【0058】
図2に示すように、包装箱1は、一枚の段ボール製の板紙を打ち抜いた略矩形状の板紙1Xによって形成されるものである。なお、板紙1Xは、「第2の本発明の段ボールシート」に相当する。以下、
図2を参照しながら、板紙1Xの構成について説明する。
【0059】
まず、板紙1Xの構成の概略について説明する。
図2に示すように、板紙1Xの中央部には、略矩形状の底板21が配置される。
【0060】
底板21には、その上端縁に胴部折目線aを介して上側の側板22が連設されている。上側の側板22は、略矩形状であって、その上端縁に胴部折目線bを介して略矩形状の上部天板23が連設されている。
【0061】
上部天板23には、その左右端縁に、折目線cを介して一対の第1蓋部差込片23aが形成されている。第1蓋部差込片23aは、略台形状であって、上部天板23の上下方向中間部に形成されている。
【0062】
図2に示すように、底板21には、その下端縁に胴部折目線aを介して下側の側板22が連設されている。下側の側板22は、略矩形状であって、その下端縁に胴部折目線bを介して下部天板24が連設されている。下部天板24の上下方向の長さは、底板21の上下方向の長さの半分程度に設計されている。
【0063】
下部天板24には、下部天板24の左右端縁に折目線dを介して一対の第2蓋部差込片24aが連設されている。第2蓋部差込片24aは、略台形状であって、下部天板24の左右端縁の下端側に形成されている。
【0064】
図2に示すように、底板21には、その側縁に折目線eを介して略矩形状の一対の閉塞板31が連設されている。各閉塞板31には、その先端縁に略矩形状の内フラップ32がそれぞれ連設されている。上述した閉塞部3は、閉塞板31及び内フラップ32によって構成されている。
【0065】
閉塞部3には、閉塞板31と内フラップ32との境界線上に沿って、閉塞部3の上端から中間部及び閉塞部3の下端から中間部までそれぞれ折目線fが形成されている。また、閉塞部3には、上側の折目線fの下端と下側の折目線fの上端とを繋いで、内フラップ32に向かって突出するコ字状の切込み33が形成されている。
【0066】
次いで、本発明の特徴部分である底板21、上部天板23及び下部天板24に形成された緩衝部4に先んじて、板紙1Xから包装箱1を組み立てる工程を、
図3を参照して説明する。
【0067】
まず、底板21に対して、左右の閉塞板31を折目線eで上方に向かって略90°折り曲げて起立させる。
【0068】
次に、閉塞板31に対して、連設された内フラップ32を折目線fで略90°折り曲げて底板21と対向させる。このとき、閉塞板31と内フラップ32との境界付近には、一対の折目線fに挟まれるように内フラップ32に向かって突出するコ字状の切込み33が形成されているため、内フラップ32を折り曲げた際に、コ字状の切込み33と折目線fの延長線とで囲まれる領域が閉塞板31に沿って起立し、内フラップ32には該領域が抜け出たことで閉塞部差込孔34が形成される。
【0069】
次に、底板21に対して、前方の側板22を胴部折目線aで上方に向かって略90°折り曲げて起立させる。
【0070】
次に、下部天板24に対して、第2蓋部差込片24aを折目線dで底板21の上方に向かって略90°予め折り曲げる。そして、前方の側板22に対して、下部天板24を胴部折目線bで略90°折り曲げて底板21と対向させるとともに、第2蓋部差込片24aを内フラップ32の閉塞部差込孔34に挿入する。
【0071】
次に、底板21及び下部天板24の隙間に商品Kを収納する。
【0072】
次に、底板21に対して、後方の側板22を胴部折目線aで上方に向かって略90°折り曲げて起立させる。次に、上部天板23に対して、第1蓋部差込片23aを折目線cでそれぞれ底板21の上方に向かって略90°予め折り曲げる。そして、後方の側板22に対して、上部天板23を胴部折目線bで略90°折り曲げて底板21と対向させるとともに、第1蓋部差込片23aを内フラップ32の閉塞部差込孔34に挿入する。
【0073】
これにより、
図1の包装箱1が組み立てられ、商品Kの梱包が完了する。
【0074】
次いで、底板21、上部天板23及び下部天板24に矩形状に形成された緩衝部4について、底板21を例に説明する。
【0075】
まず、緩衝部4を説明する前提として、板紙1Xは段ボールシートによって作られているため、段ボールシートの厚み方向の構成について説明する。
図4Aに示すように、板紙1X(段ボールシート)は、第1ライナ11と、第1ライナ11と間隔をあけて位置する第2ライナ12とを有する。そして、第1ライナ11と第2ライナ12の間には、中芯13が配置されている。中芯13は、第1ライナ11に向けて突出する凸条及び第2ライナ12に向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状に形成されている。第1実施形態では第1ライナ11は商品Kに対向し、第2ライナ12は包装箱の外表面を構成する。
【0076】
図5に示すように、底板21には、直線状の第1半切線41が複数形成されている。
図5において、第1半切線41は、段ボールシートの厚み方向に直交する上下方向(第1方向)に沿って延びるものである。また、底板21には、直線状の第2半切線42が複数形成されている。
図5において、第2半切線42は、段ボールシートの厚み方向及び上下方向(第1方向)の両方に直交する左右方向に沿って延びるものである。第1半切線41及び第2半切線42は、
図4Aに示すように、段ボールシートの第1ライナ11から中芯13の少なくとも一部まで切断する。すなわち、第1半切線41及び第2半切線42は、必ずしも中芯13の段底部を切る必要はなく、段頂部や中間部を切断することもできる。
【0077】
図5に示すように、底板21では、複数の第1半切線41と複数の第2半切線42とが直交しており、この結果、隣接する一対の第1半切線41と隣接する一対の第2半切線42とにより区切られた同一の正方形状の単位セル部44が上下左右方向に複数連設されている。
【0078】
この単位セル部44の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部45として形成されている。段潰部45は、上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)に、単位セル部44の1個おきに断続的に設けられている。
【0079】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部44と段潰部45とが上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)のそれぞれにおいて交互に配置されることにより、上述した緩衝部4が形成される。第1実施形態の包装箱1では、緩衝部4は、所謂、市松模様状に形成されている。
【0080】
次いで、第1実施形態の包装箱1の作用効果を説明する。
【0081】
図4Aに示すように、第1実施形態の包装箱1の緩衝部4は、潰されていない未加工の単位セル部44と段潰部45とが、
図5における上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)のそれぞれにおいて交互に配置されている。このとき、段潰部45は、第2ライナ12に向かって潰されて商品Kから離間しているため、商品Kに対しては、未加工の単位セル部44のみが接している。そして、この未加工の単位セル部44は、周囲を段潰部45で囲まれているので、結果的に狭い面積で独立して商品Kを支持することになる。
【0082】
そのため、包装箱1に対して配送時などに衝撃が加わると、未加工の単位セル部44は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないため、
図4Bに示すように、衝撃により厚み方向、すなわち第2ライナ12に向かって潰されやすい。なお、
図4Bでは、底板21の緩衝部4の未加工の単位セル部44が新たに潰れた例を図示したが、上部天板23及び下部天板24に形成された緩衝部4が潰れることも当然にありえる。
【0083】
すなわち、第1実施形態の緩衝部4では、緩衝部4の未加工の単位セル部44が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、商品Kに対して衝撃が伝わりにくい。また、第1実施形態の包装箱1は、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0084】
以上説明したように、第1実施形態の包装箱1によれば、廃棄が容易であり、かつ、商品Kに対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0085】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態乃至第5実施形態では、第1実施形態と同様の緩衝部4が形成された板紙の用途について、包装箱以外のバリエーションを説明する。
【0086】
まず、
図6を参照しながら、本発明の実施形態(以下、単に「第2実施形態」という。)の一例に係るトレー14について説明する。
【0087】
第2実施形態のトレー14は、
図6で示すように、底部が閉塞された四角筒状であり、その内部に格子状の仕切部材14aが備えられている。仕切部材14aの側面には、それぞれ第1実施形態と同様の緩衝部4が形成されている。なお、第2実施形態の仕切部材14aは「第9の本発明の仕切部材」の1つの例に相当する。
【0088】
また、トレー14は、仕切部材14aで仕切られた個々の空間の床面に、緩衝部材14bがそれぞれ敷き詰められている。緩衝部材14bの上面には、それぞれ第1実施形態と同様の緩衝部4が形成されている。なお、第2実施形態の緩衝部材14bは「第8の本発明の緩衝部材」の1つの例に相当する。
【0089】
トレー14は、仕切部材14aで仕切られた個々の空間に商品Lを収納している。また、トレー14は、仕切部材14a及び緩衝部材14bも含めて、すべて段ボール製の板紙によって形成されるものである。特に、仕切部材14a及び緩衝部材14bを形成するための板紙は、「第2の本発明の段ボールシート」に相当することになる。
【0090】
第2実施形態のトレー14の作用効果を説明する。
【0091】
第2実施形態のトレー14に備えられた仕切部材14a及び緩衝部材14bの緩衝部4は、潰されていない未加工の単位セル部44と段潰部45とが、上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)のそれぞれにおいて交互に配置されている。このとき、段潰部45は、第2ライナ12に向かって潰されて商品Lから離間しているため、商品Lに対しては、未加工の単位セル部44のみが接している。そして、この未加工の単位セル部44は、周囲を段潰部45で囲まれているので、結果的に狭い面積で独立して商品Lを支持することになる。
【0092】
そのため、トレー14に対して配送時などに衝撃が加わると、未加工の単位セル部44は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないため、
図4Bに示すように、衝撃により厚み方向、すなわち第2ライナ12に向かって潰されやすい。
【0093】
すなわち、第2実施形態のトレー14に備えられた仕切部材14a及び緩衝部材14bの緩衝部4では、緩衝部4の未加工の単位セル部44が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、商品Lに対して衝撃が伝わりにくい。また、第2実施形態のトレー14は、すべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0094】
以上説明したように、第2実施形態のトレー14によれば、廃棄が容易であり、かつ、商品Lに対して衝撃が伝わりにくい緩衝機能を奏することができる。
【0095】
[第3実施形態]
以下、
図7A及び
図7Bを参照しながら、本発明の実施形態(以下、単に「第3実施形態」という。)の一例に係る載置板15について説明する。
【0096】
第3実施形態の載置板15は、例えば、段ボール製の包装箱の底板の上に載置される矩形状の板状部材であって、段ボール製の板紙によって形成されるものである。載置板15を形成するための板紙は、「第2の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0097】
載置板15の全面には、第1実施形態と同様の緩衝部4が形成されている。載置板15は、その上面に商品Mを若干めり込ませて載置している。なお、第3実施形態の載置板15は「第10の本発明の載置板」の1つの例に相当する。
【0098】
第3実施形態の載置板15の作用効果を説明する。
【0099】
図7Aに示すように、第3実施形態の載置板15の緩衝部4は、潰されていない未加工の単位セル部44と段潰部45とが、上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)のそれぞれにおいて交互に配置されている。
【0100】
図7Bに示すように、載置板15は、緩衝部4に商品Mを載置して上から押し込むことで、商品Mの下にある潰されていない未加工の単位セル部44を厚み方向に若干潰すことができる。このとき、段潰部45は、第2ライナ12に向かって潰されて商品Mから離間しているため、商品Mに対しては、未加工の単位セル部44のみが接しているので、容易につぶすことができる。
【0101】
これにより、商品Mは緩衝部4にめり込むことになるので、商品Mは、その側方を未加工の単位セル部44の側端または途中まで潰した単位セル部44の上面で囲まれる。そのため、商品Mが配送時などに衝撃により載置板15の上面を水平方向に移動しようとしても、周囲の単位セル部44に係止されて載置場所がズレにくく、商品Mの位置決めまたは滑り止めとして機能する。
【0102】
すなわち、第3実施形態の載置板15によれば、商品Mが大きく水平方向に移動して包装箱の側板などに衝突して衝撃が発生することを防止できる。
【0103】
また、商品Mに対しては、潰しかけの単位セル部44のみが接し、段潰部45は離間している。そのため、載置板15に対して配送時などに衝撃が加わると、潰しかけの単位セル部44は、狭い面積で独立してその衝撃を吸収しなければならないため、
図7Bの状態よりさらに厚み方向、すなわち第2ライナ12に向かって潰されやすい。
【0104】
すなわち、第3実施形態の載置板15の緩衝部4では、緩衝部4の潰しかけの単位セル部44が積極的に潰れることで衝撃を吸収できるため、商品Mに対して衝撃が伝わりにくい。また、第3実施形態の載置板15は、包装箱を含めてすべて紙製であるため、廃棄の際に分別する必要がない。
【0105】
以上説明したように、第3実施形態の載置板15によれば、廃棄が容易であり、かつ、商品Mに対して、位置決め機能、滑り止め機能及び緩衝機能を奏することができる。
【0106】
[第4実施形態]
以下、
図8を参照しながら、本発明の実施形態(以下、単に「第4実施形態」という。)の一例に係る包装具16について説明する。
【0107】
第4実施形態の包装具16は、段ボール製の包装箱に収納される載置される矩形状の板状部材であって、段ボール製の板紙によって形成されるものである。包装具16を形成するための板紙は、「第2の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0108】
包装具16は、左右方向に沿って可撓性フィルム(図示せず)に挿入され、この可撓性フィルムとの隙間で商品を保持して、包装箱内に収容されるものである(特開2019-127278を参照)。
【0109】
包装具16の上面には、第1実施形態と同様の緩衝部4が形成されている。なお、第4実施形態の包装具16は「第11の本発明の包装具」の1つの例に相当する。
【0110】
第4実施形態の包装具16の作用効果を説明する。
【0111】
第4実施形態の包装具16の緩衝部4の作用効果は、原則として第2実施形態と同様であるため省略する。ただし、この可撓性フィルムとの隙間で商品を保持する際、可撓性フィルムの復元力によって商品が包装具16の緩衝部4に押し付けられて、商品の下にある未加工の単位セル部44が厚み方向に潰されて、第3実施形態と同様の作用効果を奏することもある。
【0112】
[第5実施形態]
以下、第5実施形態乃至第10実施形態では、第1実施形態乃至第5実施形態を形成するための板紙に設けることができる緩衝部4のバリエーションを説明する。具体的には、
図5と対比可能に、第1実施形態の底板21に第5実施形態乃至第10実施形態の緩衝部をそれぞれ設けた例を説明する。なお、いずれの実施形態においても、底板21としての効果には、第1実施形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。
【0113】
第5実施形態では、
図9に示すように、底板21の中央部に矩形状の緩衝部140が形成されている。具体的には、底板21には、波状の第1半切線141が複数形成されている。
図9において、第1半切線141は、段ボールシートの厚み方向に直交する上下方向(第1方向)に沿って延びるものである。また、底板21には、複数の第1半切線141を囲んで緩衝部140の輪郭を示す矩形状の輪郭半切線140aが形成されている。
【0114】
図9に示すように、底板21では、隣接する一対の第1半切線141とその上下端をそれぞれ繋ぐ輪郭半切線140aとにより区切られた同一の帯状の単位セル部144が左右方向に複数連設されている。
【0115】
この単位セル部144の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部145として形成されている。段潰部145は、左右方向(第2方向)に、単位セル部144の1個おきに断続的に設けられている。
【0116】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部144と段潰部145とが左右方向(第2方向)において交互に配置されることにより、上述した緩衝部140が形成される。なお、緩衝部140が形成された板紙(底板21)は、「第1の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0117】
[第6実施形態]
第6実施形態では、
図10に示すように、底板21の中央部に矩形状の緩衝部240が形成されている。
【0118】
具体的には、底板21には、クランク形状の第1半切線241が複数形成されている。具体的には、第1半切線241は、右に向かって凸状の倒等脚台形(両脚部及び上底部)と直線とが交互に連続するクランク形状である。
図10において、第1半切線241は、段ボールシートの厚み方向に直交する上下方向(第1方向)に沿って延びるものである。
【0119】
また、底板21には、緩やかな三角波状の第2半切線242が複数形成されている。
図10において、第2半切線242は、段ボールシートの厚み方向及び上下方向(第1方向)の両方に直交する左右方向に沿って延びるものである。第1半切線241の一部と第2半切線242の一部とは、上述した第1半切線241の両脚部の位置において重複して形成されている。
【0120】
図10に示すように、底板21では、隣接する一対の第1半切線241と隣接する一対の第2半切線242とにより区切られた同一の正六角形状の単位セル部244が上下左右方向に複数連設されている。
【0121】
この単位セル部244の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部245として形成されている。段潰部245は、左右方向(第2方向)に、単位セル部244の1個おきに断続的に設けられている。
【0122】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部244と段潰部245とが左右方向(第2方向)において交互に配置されることにより、上述した緩衝部240が形成される。第6実施形態の緩衝部240は、所謂、ハニカム構造の模様に形成されている。
【0123】
なお、緩衝部240が形成された板紙(底板21)は、第2半切線242を有するもの、左右方向(第2方向)のみにおいて、未加工の単位セル部244と段潰部245とを交互に設けるものであるため、「第2の本発明の段ボールシート」ではなく、第6実施形態と同様に「第1の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0124】
[第7実施形態]
第7実施形態では、
図11に示すように、底板21の中央部に矩形状の緩衝部340が形成されている。
【0125】
具体的には、底板21には、直線状の第1半切線341が複数形成されている。
図11において、第1半切線341は、段ボールシートの厚み方向に直交する上下方向(第1方向)に沿って延びるものである。
【0126】
また、底板21には、鋭角な三角波状の第2半切線342が複数形成されている。
図11において、第2半切線342は、段ボールシートの厚み方向及び上下方向(第1方向)の両方に直交する左右方向に沿って延びるものである。
【0127】
また、底板21には、複数の第1半切線341の上下端をそれぞれ結んで緩衝部340の輪郭を示す一対の直線状の輪郭半切線340aが形成されている。
【0128】
図11に示すように、底板21では、隣接する一対の第1半切線341と隣接する一対の第2半切線342とにより区切られた同一(線対称を含む)の平行四辺形状の単位セル部344が上下左右方向に複数連設されている。
【0129】
この単位セル部344の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部345として形成されている。段潰部345は、上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)に、単位セル部344の1個おきに断続的に設けられている。
【0130】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部344と段潰部345とが上下方向(第1方向)及び左右方向(第2方向)において交互に配置されることにより、上述した緩衝部340が形成される。
【0131】
なお、緩衝部340が形成された板紙(底板21)は、第1実施形態の底板21と同様に、「第2の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0132】
[第8実施形態]
第8実施形態では、
図12に示すように、底板21の中央部に矩形状の緩衝部440が形成されている。
【0133】
具体的には、底板21には、直線状の第1半切線441が複数形成されている。
図12において、第1半切線441は、段ボールシートの厚み方向に直交して右下から左上に傾斜する方向(第1方向)に沿って延びるものである。
【0134】
また、底板21には、直線状の第2半切線442が複数形成されている。
図12において、第2半切線442は、段ボールシートの厚み方向及び上下方向(第1方向)の両方に直交して左下から右上に傾斜する方向(第2方向)に沿って延びるものである。
【0135】
また、底板21には、直線状の第3半切線443が複数形成されている。
図12において、第3半切線443は、段ボールシートの厚み方向及び上下方向の両方に直交する左右方向(第3方向)に沿って延びるものである。
【0136】
また、底板21には、複数の第3半切線442の左右端をそれぞれ結んで緩衝部440の輪郭を示す直線状の輪郭半切線440aが形成されている。
【0137】
図12に示すように、底板21では、交差する第1半切線441と第2半切線442と第3切目線433とにより区切られた同一(線対称を含む)の三角形状の単位セル部444が上下左右方向に複数連設されている。
【0138】
この単位セル部444の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部445として形成されている。段潰部445は、第1方向、第2方向及び第3方向(左右方向)において、単位セル部444の1個おきに断続的に設けられている。
【0139】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部444と段潰部445とが第1方向、第2方向及び第3方向(左右方向)において、交互に配置されることにより、上述した緩衝部440が形成される。第8実施形態の緩衝部440は、所謂、鱗文様に形成されている。
【0140】
なお、緩衝部440が形成された板紙(底板21)は、「第3の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0141】
[第9実施形態]
第9実施形態では、
図13に示すように、底板21の中央部に円形状の緩衝部540が形成されている。具体的には、底板21には、円形の円形半切線541が複数形成されている。複数の円形半切線541は、同心円状に配置されている。
図13において、円形半切線541は、段ボールシートの厚み方向に直交して正円形状に延びるものである。
【0142】
図13に示すように、底板21では、隣接する一対の円形半切線541により区切られた相似形状の環状の単位セル部544が同心円状に複数連設されている。
【0143】
この単位セル部544の約半数は、厚み方向に潰されて段潰部545として形成されている。段潰部545は、放射状に単位セル部544の1個おきに断続的に設けられている。
【0144】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部544と段潰部545とが放射方向において交互に配置されることにより、上述した緩衝部540が形成される。なお、緩衝部540が形成された板紙(底板21)は、「第4の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0145】
[第10実施形態]
第10実施形態では、
図14に示すように、底板21の中央部に矩形状の緩衝部640が形成されている。具体的には、底板21には、円形の浮島半切線641が複数形成されている。複数の浮島半切線641は、互い離間して配置されている。
図14において、浮島半切線641は、段ボールシートの厚み方向に直交して正円形状に延びるものである。
【0146】
図14に示すように、底板21では、浮島半切線641により区切られた同一の環状の単位セル部644が互いに離間して設けられている。
【0147】
また、底板21には、複数の浮島半切線641の全てを囲んで緩衝部640の輪郭を示す矩形状の輪郭半切線640aが形成されている。
【0148】
この輪郭半切線640aで囲まれた領域のうち単位セル部644を除いた部分は、厚み方向に潰されて段潰部645として形成されている。
【0149】
この結果、潰されていない未加工の単位セル部644が互いに離間して配置され、その隙間をすべて段潰部645で埋めることにより、未加工の単位セル部644が浮島状に点在して、上述した緩衝部640が形成される。なお、緩衝部640が形成された板紙(底板21)は、「第7の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0150】
[変形例1]
次いで、その他の実施形態として本発明の段ボールシートの変形例について説明する。
【0151】
第1実施形態乃至第10実施形態では、材質として段ボール紙を例に説明したが、材質は、折り曲げて組立て可能であれば、ボール紙や薄い合成樹脂板であってもよい。
【0152】
第1実施形態乃至第10実施形態では、第1ライナ11と第2ライナ12の間に中芯13が配置されている3層構造の段ボールシートを例に説明したが、本発明はこれに限られず、第2ライナ12の下方にさらに中芯及びライナを有する5層構造であってもよい。あるいは、第1ライナ11の上方に中芯及びライナを有する5層構造であって、中芯13までの4層を各種半切線で半切りするものであってもよい。
【0153】
第1実施形態、並びに、第5実施形態乃至第10実施形態では、各実施形態の緩衝部を底板21に形成したものを例に説明したが、本発明はこれに限られず、各実施形態の緩衝部は、包装箱の側板の内面、天板の内面、仕切部材、緩衝部材、載置板及び包装具に設けることもでき、さらには、商品に接するように対向する段ボールシートの表面であればどこでもよい。
【0154】
第1実施形態、並びに、第5実施形態乃至第8実施形態では、第1半切線乃至第3半切線として段ボールシートの厚み方向に直交して延びるものを例に説明したが、第1半切線乃至第3半切線は、段ボールシートの厚み方向に対して斜めに交差して延びるものであってもよい。
【0155】
第1実施形態、並びに、第5実施形態乃至第8実施形態では、第1半切線乃至第3半切線として直線状、波状、三角波及びクランク形状のものを例に説明したが、第1半切線乃至第3半切線は、第1方向乃至第3方向に沿って延びていれば開曲線状であってもよい。
【0156】
第1実施形態、並びに、第5実施形態乃至第8実施形態に示すように、第1半切線乃至第3半切線の線形状に限定はないため、互いに直交する必要はなく、交差していれば足りる。
【0157】
第1実施形態、並びに、第5実施形態乃至第8実施形態では、未加工の単位セル部と段潰部とが、1個ずつ交互に設けられたものを例に説明したが、本発明はこれに限られず、未加工の単位セル部と段潰部とが交互であれば、2個の未加工の単位セル部と1個の段潰部とが交互に配置されてもよく、さらには、未加工の単位セル部と段潰部とが不規則な個数ずつ交互に配置されてもよい。
【0158】
第5実施形態、第7実施形態、第8実施形態及び第10実施形態では、底板21に緩衝部の輪郭を示す輪郭半切線が形成されたものを例に説明したが、輪郭半切線は適宜追加・省略可能である。
【0159】
第9実施形態では、同心円状に配置する複数の半切線として円形状のものを例に説明したが、本発明はこれに限られず、三角形、四角形状などの多角形状の半切線であってもよい。すなわち、例えば、底板21に複数の多角形半切線を同心円状に配置し、隣接する一対の多角形半切線により区切られた相似形状の環状の単位セル部を放射方向に交互に段潰部として潰すことで、緩衝部を形成することができる。なお、この緩衝部が形成された板紙は、「第5の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0160】
また、複数の半切線は、両端が閉じられた閉曲線形状であれば足りるため、例えば、底板21に複数の閉曲状半切線を同心円状に配置し、隣接する一対の閉曲状半切線により区切られた相似形状の環状の単位セル部を放射方向に交互に段潰部として潰すことで、緩衝部を形成することができる。なお、この緩衝部が形成された板紙は、「第6の本発明の段ボールシート」に相当する。
【0161】
[変形例2]
第1実施形態乃至第10実施形態では、本発明の段ボールシートの用途として、包装箱、仕切部材、緩衝部材、載置板及び包装具を例に説明したが、本発明はこれに限られず、商品に接するように対向する段ボールシートであって、所定の緩衝部を形成できれば、本発明の段ボールシートに相当する。
【0162】
例えば、図示しないが、第1実施形態の包装箱1から側板22及び閉塞板31を省略する要領で、緩衝部4を有する段ボール製の板紙で封筒を作ることもできる。封筒の形状には、限定がなく、センター貼り、サイド貼り、ダイヤ貼り、カマス貼りなどのいずれでもよい。なお、第5実施形態の封筒は「第13の本発明の包装具」の1つの例に相当する。
【符号の説明】
【0163】
1 包装箱
1X 段ボールシート
4 緩衝部
11 第1ライナ
12 第2ライナ
13 中芯
14a 仕切部材
14b 緩衝部材
15 載置板
16 包装具
41 第1半切線
42 第2半切線
44 単位セル部
45 段潰部
140 緩衝部
141 第1半切線
144 単位セル部
145 段潰部
240 緩衝部
241 第1半切線
244 単位セル部
245 段潰部
340 緩衝部
341 第1半切線
342 第2半切線
344 単位セル部
345 段潰部
440 緩衝部
441 第1半切線
442 第2半切線
443 第3半切線
444 単位セル部
445 段潰部
540 緩衝部
541 円形半切線
544 単位セル部
545 段潰部
640 緩衝部
641 浮島半切線
644 単位セル部
645 段潰部