(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095885
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】皮膚外用剤及び飲食品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/65 20060101AFI20240704BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240704BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20240704BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240704BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240704BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240704BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20240704BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A61K8/65
A61Q19/00
A61K8/99
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q19/10
A23L33/18
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212855
(22)【出願日】2022-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】000162021
【氏名又は名称】共栄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
【Fターム(参考)】
4B018MD20
4B018MD79
4B018ME14
4B018MF13
4C083AA031
4C083AA032
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4C083AD642
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4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】天然物由来で生体安全性及び安定性にすぐれ、さらに、皮膚への浸透性及び代謝性にすぐれたコラーゲン遺伝子の転写因子の活性を亢進する有効成分を提供することを目的とする。
【解決手段】コラーゲンのプロテアーゼ活性及びペプチダーゼ活性のうちの1以上の酵素活性を有する微生物による発酵物を有効成分とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアーゼ活性及びペプチダーゼ活性のうちの1以上の酵素活性を有する微生物によるコラーゲンの発酵物を有効成分とするコラーゲン遺伝子転写活性亢進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンの発酵物を有効成分とする皮膚外用剤及び飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加齢によるシワ、タルミ等の皮膚への老化に対して、様々な研究が進められており、それら外的要因から皮膚を十分に保護する有効成分が求められている。従来、保湿効果を有するコラーゲン又はその誘導体が皮膚外用剤や飲食品の有効成分として広く使用されているが、十分な効果が皮膚に適用した際に発揮されないという課題があった。この課題に鑑みて、従来、ヒトの真皮を構成するコラーゲンの合成を促進する様々な成分の開発も行われているが、有効性及び安全性の点で課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-087091号
【特許文献2】特開2015-504440号
【特許文献3】特開2019-085331号
【特許文献4】特開2019-136027号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】最新皮膚科学体系 第19巻 皮膚の発生・機能と病態,総編集:玉置邦彦,株式会社中山書店,2004年4月5日発行,168頁~171頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、上記従来の課題に鑑みて鋭意研究した結果、プロテアーゼ活性又はアミノペプチダーゼ活性を有する微生物でコラーゲンを発酵処理して得られる発酵物が、コラーゲン遺伝子の発現を制御する転写制御因子(SP1, AP-1, Smad)の活性を亢進する効果を有し、皮膚外用剤や飲食品の配合成分として有用であることを見出した。従来、非特許文献1に記載されているように、ヒトコラーゲン遺伝子のプロモーター領域には、コラーゲン遺伝子の発現を調整している転写制御因子(SP1 SP3, AP-1, Smad等)が存在することが知られているが、これらの転写制御因子の発現を亢進させる成分については知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プロテアーゼ活性及びペプチダーゼ活性のうちの1以上の酵素活性を有する微生物によるコラーゲンの発酵物を有効成分とするコラーゲン遺伝子転写活性亢進剤である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コラーゲン遺伝子の転写を活性化することで、コラーゲンの合成を促進し、肌のハリの向上、シワの予防又は改善の効果を発揮する皮膚外用剤や飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明はプロテアーゼ活性及びペプチダーゼ活性のうちの1以上の酵素活性を有する微生物によるコラーゲンの発酵物を有効成分とする皮膚外用剤又は飲食品である。
【0009】
本発明に係るコラーゲンは、皮膚外用剤又は飲食品に配合可能なものであればいずれものでも使用可能であり、例えば、魚由来のコラーゲン、クラゲ由来のコラーゲンが挙げられるが、これに限るものではない。魚由来のコラーゲンとして、サケ、マグロ、カツオ、サメ、チョウザメ、キンメダイ、ナンヨウキンメ、タイ、マツダイ、スズキ、ブリ、タラ、ヒラメ、カレイ、フグ、ウナギ、アナゴ、ハモ、カワハギ、テラピア、イカ等が挙げられる。
【0010】
本発明において、コラーゲンを分解するプロテアーゼ活性又はアミノペプチダーゼ活性を有する微生物として、ラビリンチュラ綱(Labyrinthulea)、放線菌(Streptomyces属)、枯草菌(Bacillus属)又はシアノバクテリア(Cyanobacteria)が挙げられる。
【0011】
ラビリンチュラ綱の微生物としては、例えば、ヤブレツボカビ科(Thraustochytriaceae)オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、シキオイドキトリウム属(Sicyoidochytrium)、スラウストキトリウム属(Thraustochytrium)、パリエティキトリウム属(Parietichytrium)、オブロンギキトリウム科(Oblongichytriidae)のオブロンギキトリウム属(Oblongichytrium)が挙げられる。これらラビリンチュラ綱の微生物は、例えば、NBRCにより入手可能である。NBRC102164 (Aurantiochytrium sp.)、NBRC102615(Schizochytrium sp.)などが独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(NBRC)より入手可能である。
【0012】
放線菌(Streptomyces属)としては、例えば、ストレプトマイセス アルブス(Streptomyces albus)、ストレプトマイセス99-GP-2D-5株(Streptomyces 99-GP-2D-5株)、ストレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)等が挙げられる。
【0013】
枯草菌(Bacillus属)としては、例えば、バシルス ナットー(Bacillus natto)、バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス サーキュランス(Bacillus circulans)等が挙げられる。
【0014】
コラーゲンを発酵処理する方法としては、例えば、コラーゲンを含む培地を使用し、静置培養、pHを一定にした中和培養や、回分培養、連続培養等、菌体が良好に生育する条件であれば、特に制限はない。
【0015】
培地には、必要に応じて、例えば、炭素源としてグルコール、澱粉、デキストリン、窒素源としてペプトン、ビタミン類、ミネラル類を含む人工海水等を加えることができる。
【0016】
発酵温度は、一般的に、25℃から35℃であるが本発明はこれに限るものではない。
【0017】
発酵時間は、一般的に、24時間から168時間であるが本発明はこれに限るものではない。
【0018】
上記発酵処理前に、微生物を前培養して、増殖能を活性することでも良い。
【0019】
上記発酵処理により得られる発酵物は分子量450~1500のコラーゲンペプチドを含むことが好ましい。特に、分子量950~1000のコラーゲンペプチド、分子量1100~1250のコラーゲンペプチドを含むことが好ましい。
【0020】
上記発酵処理終了後、発酵物をそのまま皮膚外用剤又は飲食品の成分として使用することができるが、必要に応じて、殺菌処理、脱臭処理、脱色処理又は濃縮処理を行ってもよい。
【0021】
また、皮膚外用剤又は飲食品に配合する発酵物の形態は、いずれの状態のものでも良く、液状、粉末状でもよい。
【0022】
本発明の発酵物は、例えば、皮膚(頭皮も含む)外用剤(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)、美容用又は健康増進用の飲食品に配合することができる。皮膚外用剤としては、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、シートマスク、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、頭皮,頭髪用シャンプー、頭髪用コンディショナー、育毛,養毛用のシャンプー又はトニック、石けん等の清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、美容用又は健康増進用の飲食品としては、美容飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ニアウォーター、ビタミン飲料、ミネラル飲料、アルコール飲料等の飲料;各種スープ類(粉末スープも含む)、乳製品、ゼリー、キャンディ、錠菓、ガム等の食品;錠剤、液状、顆粒状又はゼリー状の健康食品・飲料等に配合することができるが、本発明はこれらに限るものではなく、経口摂取できる飲食品等に配合することができる。
【0023】
本発明の発酵物を皮膚外用剤又は飲食品に配合する場合、必須成分である組成物のほかに、通常のそれら製品に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、消炎剤、防腐・殺菌剤、細胞賦活剤、抗アクネ剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、美白剤、色素、香料、キレート剤等を必要に応じて適宜配合することができる。また、当該組成物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
【0024】
ここで、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0025】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
【0026】
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
【0027】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、ヒアルロン酸発酵液、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、エストラジオール、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0028】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0029】
消炎剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等がある。
【0030】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、1、2-ペンタンジオール、プロパンジオール、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のエタノール又は1、3-ブチレングリコール等がある。
【0031】
細胞賦活剤としては、パントテニルアルコール、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等がある。
【0032】
抗アクネ剤としては、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン等がある。
【0033】
粉体成分しては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0035】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンE及びその誘導体(例えば、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル)、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)等がある。
【0036】
また、美白剤として、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、ニコチン酸誘導体、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)から選択される1以上のものが挙げられる。
【0037】
レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、t-シクロアミノ酸誘導体、ソウハクヒ抽出物、カミツレ抽出物、米糠抽出物の加水分解物、ユキノシタ抽出物及び白芥子抽出物又はその加水分解物から選択される1以上のものが挙げられる。
【0038】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0039】
また、抗シワ剤として、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体(酢酸トコフェロール等)、ビタミンC又はその誘導体(アスコルビン酸グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ナイアシンアミドが挙げられる。
【0040】
さらに、以下の動物、植物又は微生物由来の成分を併用することも可能である。例えば、コラーゲン又はその加水分解物、酵母抽出物又は加水分解物、乳酸菌培養物、イネ科植物、アブラナ科植物、ツバキ科植物、バラ科植物、ボタン科植物、ミカン科植物、ヒユ科植物、セリ科植物、アマモ科植物、マメ科植物、キク科植物、マメ科植物、アオイ科植物、リンドウ科植物、シソ科植物、ハス科植物、ウリ科植物、ウコギ科植物、ナス科植物、ノウゼンカズラ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、アヤメ科植物、キキョウ科植物、モクセイ科植物、マタタビ科植物、クワ科植物、クロウメモドキ科植物、ラン科植物、ウルシ科植物、フクギ科植物、バレンシ科植物、ミカン科植物、フトモモ科植物、ユリ科植物、ベンケイソウ科植物、ヒノキ科植物、ヒルガオ科の植物及びキジカクシ科のいずれかから選択される1以上の植物の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、コンブ科、ミリン科及びアオサ科のいずれかから選択される1以上の海藻の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物、クラゲ(ミズクラゲ、エチゼンクラゲ等の自己消化物)、ヒアルロン酸の加水分解物又は発酵物、及びローヤルゼリーの抽出物又はその加水分解物或いは発酵物挙げられる。
【0041】
イネ科の植物由来成分としては、特に、イネ葉加水分解物、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、発芽玄米加水分解物、米発酵液、清酒由来の酒粕抽出物、マダケ又はモウソウチクのタケノコ皮抽出物、ハトムギ種子発酵物が好ましい。また、アブラナ科植物としては、特に、ハクガイ、オウガイ又はコクガイの種子の抽出物又はその加水分解物或いは発酵物が好ましい。また、ツバキ科植物由来成分としては、特に、緑茶(やぶきた、さみどり、あさひ、ごこう、うじみどり、きょうみどり、うじひかり、さみどり、べにふうき等)及び紅茶(ダージリン、アッサム、セーロン、アールグレイ、蜜香紅茶等)が好ましい。バラ科植物由来成分としては、ダマスクバラの花の抽出物、モモの花、葉又は未成熟果実の抽出物、アンズの果実又は種子の抽出物、イチゴの花抽出物、サクラの花又は葉の抽出物が好ましい。また、ボタン科植物由来成分としては、ボタンの根又は花、及びシャクヤクの花又は根の抽出物が好ましい。また、ヒユ科植物由来成分としては、特に、アッケシソウ抽出物が好ましい。また、セリ科植物由来成分としては、センキュウ抽出物、ツボクサ抽出物又はピンピネラ抽出物が好ましい。また、アマモ科植物由来成分としては、特に、アマモ又はコアマモの抽出物が好ましい。マメ科植物由来成分としては、特に、白大豆又は黒大豆の抽出物又はその加水分解物或いは豆乳発酵液、アズキ抽出物、アカツメクサ抽出物、クズ根抽出物が好ましい。また、キク科植物由来成分としては、特に、ゴボウ根抽出物、ヒマワリ新芽抽出物、ハゴロモソウ抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ花抽出物、シラヌイギク抽出物又はヤバツイ抽出物が好ましい。アオイ科植物由来成分としては、ハイビスカス、ムクゲ又はフヨウの発酵物が好ましい。リンドウ科植物由来成分としては、ゲンチアナ抽出物が好ましい。また、シソ科植物としては、アオジソ抽出物、ムラサキシキブ果実抽出物が好ましい。ハス科植物由来成分としては、特に、ハスの花又はハス種子抽出物或いはハス種子発酵物が好ましい。ウリ科植物由来成分としては、特に、ヘチマ抽出物が好ましい。ウコギ科植物由来成分としては、オタネニンジンの抽出物又は発酵物が好ましい。ナス科植物由来成分としては、ナス(長ナス、水ナス、米ナス、賀茂ナス等)の抽出物が挙げられる。ノウゼンカズラ科植物由来成分としては、パウダルコ樹皮抽出物が好ましい。マタタビ科植物由来成分としては、未成熟のキウイ抽出物が好ましい。クワ科植物由来成分としては、ソウハクヒ抽出物、マルベリー果実抽出物、イチジクの果実又は樹皮の抽出物が好ましい。クロウメモドキ科植物由来成分としては、ナツメ果実抽出物が好ましい。また、アヤメ科植物由来成分としてはサフランが好ましい。キキョウ科植物由来成分としては、ヒカゲノツルニンジンの根の抽出物又は加水分解物が好ましい。ウルシ科植物由来成分としては、特に、マンゴ果実抽出物が好ましい。フクギ科植物由来成分としては、特に、マンゴスチン果実抽出物が好ましい。また、バレンシ科植物由来成分としては、チェリモヤ果実抽出物が好ましい。ミカン科植物由来成分として、温州ミカン、ベルガモット果実抽出物、グレープフルーツ又は晩白柚の果実(未成熟果実も含む)の抽出物、グレープフルーツ又はハッサク等の植物に含まれるフラボノイド及びその配糖体を含む抽出物、或いはサンショウ種子抽出物が好ましい。ユリ科植物由来成分としては、ホンカンゾウ、ヤブカンゾウ、カサブランカ、マドンナリリー、ササユリ又はチューリップの抽出物が好ましい。ベンケイソウ科植物由来成分としては、特に、イワベンケイ(紅景天)の抽出物又は発酵物が好ましい。モクセイ科植物由来成分としては、特に、ジャスミンの花抽出物が好ましい。ヒノキ科植物としては、特に、セイヨウネズ果実抽出物が好ましい。フトモモ科植物由来成分としては、特に、グアバ葉抽出物が好ましい。ラン科植物としては、特に、シランの根(白及)の抽出物が好ましい。ヒルガオ科植物由来成分としては、サツマイモの抽出物又はその発酵物或いは甘藷焼酎粕の抽出物又はその発酵物が好ましい。コンブ科海藻由来成分としては、特に、コンブ抽出物が好ましく、ミリン科海藻由来成分としてはカタメンキリンサイ抽出物が好ましく、特に、アオサ科海藻由来成分としてはアナアオサ抽出物が好ましい。フノリ科海藻由来成分としては、特に、フノリ抽出物が好ましい。
【0042】
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0043】
製造例1.発酵物(1)の調製
洗浄したハモ皮(360g)を5倍量(1800g)の人工海水を含む培地を加え加熱滅菌した。予め準備しておいたラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)の前培養液18mLを接種し、30℃で5日間静置培養した。培養終了後、加熱滅菌し、培養液をろ過、脱臭、脱色処理および脱塩処理を行ってほぼ無色透明の発酵物溶液2.5kg(固形分濃度1.1%)を得た。
【0044】
製造例2.発酵物(2)の調製
製造例1において、ハモ皮に代えて、サケ皮を使用する他は、製造例1と同様にして、2.7kg(固形分濃度1.3%)を得た。
【0045】
製造例3の発酵物(3)の調製
製造例1において、ハモ皮に代えて、タイ皮を使用する他は、製造例1と同様にして、2.4kg(固形分濃度1.0%)を得た。
【0046】
製造例4の発酵物(4)の調製
製造例1において、ハモ皮に代えて、ナンヨウキンメ皮を使用する他は、製造例1と同様にして、2.6kg(固形分濃度1.1%)を得た。
【0047】
製造例5の発酵物(5)の調製
製造例1において、ハモ皮に代えて、テラピア皮を使用する他は、製造例1と同様にして、2.4kg(固形分濃度1.0%)を得た。
【0048】
製造例6の発酵物(6)の調製
製造例1において、ハモ皮に代えて、マツダイ皮を使用する他は、製造例1と同様にして、2.6kg(固形分濃度1.3%)を得た。
【0049】
製造例7.発酵物(7)の調製
製造例1において、ラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)に代えて、ラビリンチュラ(シゾキトリウム)を使用する他は、製造例1と同様にして2.5kg(固形分濃度1.1%)を得た。
【0050】
製造例8.発酵物(8)の調製
製造例1において、ラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)に代えて、ラビリンチュラ(シキオイドキトリウム)を使用する他は、製造例1と同様にして、2.3kg(固形分濃度1.0%)を得た。
【0051】
製造例9.発酵物(9)の調製
製造例1において、ラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)に代えて、放線菌(Streptomyces)を使用する他は、製造例1と同様にして、2.2kg(固形分濃度1.0%)を得た。
【0052】
製造例10.発酵物(10)の調製
製造例1において、ラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)に代えて、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)を使用する他は、製造例1と同様にして、2.4kg(固形分濃度1.1%)を得た。
【0053】
製造例11.発酵物(11)の調製
製造例1において、ラビリンチュラ(オーランチオキトリウム)に代えて、シアノバクテリアを使用する他は、製造例1と同様にして、2.1kg(固形分濃度0.9%)を得た。
【0054】
比較製造例1.加水分解コラーゲンの調製
サケ皮(360g)に5倍量の精製水(1800g)に分散させてコラーゲン分散液を調製し、この液に加水分解型のパパインを0.01重量%添加し、40~50℃に保温下で、1時間撹拌して酵素加水分解を行った。加水分解終了後、80℃に昇温し、30分間保温して酵素を失活させ、ろ過して濃度1%の加水分解コラーゲン液2.0kgを得た。
【0055】
試験例1.発酵物の成分分析
製造例1の発酵物を以下の通り、質量分析を行った。発酵物溶液1μLとマトリックス(α-シアノ-4-ヒドロキシけい皮酸)溶液1μLを混合し、そのうち1μLをサンプルプレートにスポットした。マトリックス溶液は質量分析を行う際に一般的に用いられる調整方法で調整したものを用いた。サンプルを十分乾燥させたのち、分析装置内にサンプルプレートをセットした。分析はレーザーイオン化飛行時間型質量分析装置を用いた(SIMADZU社製)。分析における各種パラメーターは適宜調整し、特に、イオン化効率が最も良くなるレーザー強度の条件下で分析を行った。
【0056】
質量分析の結果、分子量950~1000、分子量1100~1250にピークが確認された。このことから、本発明に係る発酵物には、上記分子量のコラーゲンペプチドが含まれることが確認された。
【0057】
試験例1.コラーゲン遺伝子転写制御因子の発現促進効果の評価試験
正常なヒトの表皮細胞を、増殖添加剤を含有するHumedia-KG2(クラボウ社製)にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間培養後、各転写因子の応答配列の塩基配列を組み込んだホタルルシフェラーゼレポーターベクター及び内部標準としてのウミシイタケルシフェラーゼを組み込んだベクター(Cignal SP1 Reporter Assay Kit、Cignal Ap-1 Reporter Assay Kit、Cignal SMAD Reporter Assay Kit)[QIAGEN社製]を細胞へViaFectトランスフェクション試薬[Promega社製]を用いて導入した。さらに、24時間後、製造例1,製造例8の発酵物をそれぞれ試料溶液とする試験区を設定し、各試験区に試料溶液を添加した。各試料溶液の添加濃度は、培地全量に対する溶液としての終濃度は、製造例1の発酵物又は製造例8の発酵物が1.0%又は2.0%となるなるように調製した。各試料溶液を添加してから24時間培養後、培養した表皮細胞の内容物を抽出し、細胞抽出液のルシフェラーゼ活性をデュアルルシフェラーゼアッセイシステム[Promega社製]を用い、ルミノメーター(Promega GloMax-Multi+Detection System)にて測定した。各ホタルルシフェラーゼの測定値(ターゲットの転写量)をウミシイタケルシフェラーゼの測定値(細胞量)で割った数値を細胞あたりの転写活性量とした。なお、試料溶液の代わりに比較対照として30%1,3-ブチレングルコール(1,3-BG)を培地に添加した区(培地中の1,3-BGの溶液としての終濃度は0.6%)のルシフェラーゼ活性を100としてその相対値を算出した。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、ポジティブベクター(陽性対照であって、P.V.と略する。)を導入した場合についても、同様の試験を行った。
【0058】
【0059】
試験例1に示す通り、本発明に係る発酵物は、コラーゲン遺伝子の転写制御因子(SP1, AP-1, Smad(Smad2,3,4))の活性亢進することが確認された。これにより、本発明に係る発酵物を有効成分とすることで、コラーゲン遺伝子の転写活性を亢進して、肌のハリの向上、シワの改善等の効果を発揮する皮膚外用剤及び飲食品を提供することができる。
【0060】
試験例2.モニターテスト(皮膚への塗布)
[試料調製]
まず、以下のエッセンスを調製した。カッコ内の数字は全て重量%を示す。
(1)製造例1の発酵物又は製造例8の発酵物(20.0)
(2)1,3-ブチレングリコール(5.0)
(3)クエン酸(0.3)
(4)クエン酸ナトリウム(0.6)
(5)グリセリン(5.0)
(6)精製水(全量が100部となる量)
上記(1)において製造例1の発酵物(20.0)を含むエッセンスを本発明試料1とし、製造例8の発酵物(20.0)を含むエッセンスを本発明試料2とした。
また、上記(1)の製造例1の発酵物(20.0)に代えて、上記比較製造例1のコラーゲン水溶液を含むエッセンスを比較試料1とした。
[試験方法]
20才から55才の男女10名を被験者とし、1グループ5名の2グループ(A,B)に分け、Aグループには本発明試料1と比較試料を顔面の左右に、Bグループには本発明試料2と比較試料1を顔面の左右に、1日2回(朝、晩)1ヶ月間塗布し、比較テストを行った。各グループの使用試料と塗布部位は次のとおりである。
(1)Aグループ:本発明試料1 左顔面/比較試料1 右顔面
(2)Bグループ:本発明試料2 左顔面/比較試料1 右顔面
【0061】
[評価法]
左右顔面の肌の「ハリ」及び「小じわ」を自己判断により、以下の5段階の評価言語から該当すると思われる数値を選択し、評価点とした。
5:非常によい。(著しく改善された。)
4:良い。(かなり改善された。)
3:やや良い。(多少改善された。)
2:良くも悪くもない。(変化がない。)
1:悪い。(状態が悪くなった。)
【0062】
【0063】
[表2]
表2に示す通り、本発明試料1,2は比較試料1よりも肌の「ハリ」及び「小じわ」の改善効果が高いことが確認された。
【0064】
本発明に係る発酵物は上述の効果を有することから、抗シワ剤であるビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体(酢酸-dl-α-トコフェロール等)、パントテニルアルコール、トラネキサム酸、ニコチン酸アミドと併用することで、シワ改善の相乗効果も期待される。
【0065】
処方例1.化粧水
[成分] 部
ユーカリ油 0.2
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
製造例1の発酵物 2.0
トコフェロール酢酸エステル 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5
グリチルリチン酸ステアリル 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.1
アライントイン 0.1
D-パントテニルアルコール 0.1
サリチル酸 0.5
尿素 5.0
l-メントール 0.9
dl-メントール 0.2
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.1
ヒノキチオール 0・003
感光素201号 0.002
精製水 全量が100部となる量
【0066】
処方例2.化粧水
処方例1の化粧水の成分中、製造例1の発酵物に代えて、製造例2の発酵物2.0部を配合する他は、処方例1と同様の組成で、化粧水を得た。
【0067】
処方例3.化粧水
処方例1の化粧水の成分中、製造例1の発酵物に代えて、製造例3の発酵物2.0部を配合する他は、処方例1と同様の組成で、化粧水を得た。
【0068】
処方例4.化粧水
処方例1の化粧水の成分中、製造例1の発酵物に代えて、製造例4の発酵物2.0部を配合する他は、処方例1と同様の組成で、化粧水を得た。
【0069】
処方例5.化粧水
処方例1の化粧水の成分中、製造例1の発酵物に代えて、製造例5の発酵物2.0部を配合する他は、処方例1と同様の組成で、化粧水を得た。
【0070】
処方例6.化粧水
[成分] 部
カプリル酸グリセリル 3.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 3.0
セタノール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
メチルパラベン 0.1
製造例6の発酵物 2.0
アスコルビン酸 3.0
グリチルリチン酸 0.5
β-グリチルレチン酸 0.05
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
レゾルシン 0.1
酸化亜鉛 2.0
dl-カンフル 0.5
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0071】
処方例7.化粧水
処方例6の化粧水の成分中、製造例6の発酵物に代えて、製造例7の発酵物2.0部を配合する他は、処方例6と同様の組成で、化粧水を得た。
【0072】
処方例8.化粧水
処方例6の化粧水の成分中、製造例6の発酵物に代えて、製造例8の発酵物2.0部を配合する他は、処方例6と同様の組成で、化粧水を得た。
【0073】
処方例9.化粧水
処方例6の化粧水の成分中、製造例6の発酵物に代えて、製造例9の発酵物2.0部を配合する他は、処方例6と同様の組成で、化粧水を得た。
【0074】
処方例10.化粧水
処方例6の化粧水の成分中、製造例6の発酵物に代えて、製造例10の発酵物2.0部を配合する他は、処方例6と同様の組成で、化粧水を得た。
【0075】
処方例11.化粧水
処方例6の化粧水の成分中、製造例6の発酵物に代えて、製造例11の発酵物2.0部を配合する他は、処方例6と同様の組成で、化粧水を得た。
【0076】
処方例12.化粧水
[成分] 部
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
メチルパラベン 0.1
製造例1の発酵物 2.0
L‐アスコルビン酸 2‐グルコシド 2.0
トラネキサム酸 2.0
ε-アミノカプロン酸 0.1
イオウ 0.2
エストラジオール 0.1
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2
d-カンフル 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0077】
処方例13.乳液
[成分] 部
スクワラン 5.0
シクロペンタンシロキサン 1.0
ヘキサラン 3.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 5.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 5.0
ジパルミチン酸アスコルビル 15.0
水添大豆レシチン 1.5
製造例1の発酵物 2.0
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
アルブチン 3.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
キサンタンガム 0.2
シロキクラゲ多糖体 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
精製水 全量が100部となる量
【0078】
処方例14.乳液
処方例13の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例13と同様の組成で乳液を得た。
【0079】
処方例15.乳液
処方例13の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例13と同様の組成で乳液を得た。
【0080】
処方例16.乳液
処方例13の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例13と同様の組成で乳液を得た。
【0081】
処方例17.クリーム
[成分] 部
オリーブ油 5.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 5.0
ホホバワックス 1.0
シアバター 2.0
べヘニルアルコール 1.0
ステアリルアルコール 1.5
キャンデリラワックス 0.5
製造例1の発酵物 2.0
乳酸菌発酵米 3.0
水添レシチン 2.0
カタメンキリンサイ抽出物 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.2
グリセリン 4.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適 量
精製水 全量が100部となる量
【0082】
処方例18.シワ改善クリーム
[成分] 部
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
スクワラン 5.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 5.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)5.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
イソステアリルグリセリル 3.0
γ-オリザノール 0.1
ベヘニルアルコール 2.0
パルミチン酸 2.5
ニコチン酸アミド 5.0
アラントイン 0.1
リボフラビン 0.01
レゾルシン 0.1
塩化ベンザルコニウム 0.05
尿素 3.0
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
製造例1の発酵物 2.0
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 0.5
水添リゾレシチン 0.5
油溶性オタネニンジンエキス 2.0
キサンタンガム 1.0
酸化亜鉛 0.5
dl-カンフル 0.3
l-メントール 0.5
オタネニンジンエキス 0.5
オタネニンジン発酵エキス 0.5
米抽出物加水分解エキス 0.5
サクラ葉エキス 0.5
タイソウエキス 0.5
チャ葉エキス 0.5
ツボクサエキス 0.5
精製水 全量が100部となる量
【0083】
処方例19.クリーム
処方例18の成分中、ニコチン酸アミドに代えてパントテニルアルコール3.0部を用いるほかは処方例18と同様の組成でクリームを得た。
【0084】
処方例19.クリーム
処方例18の成分中、ニコチン酸アミドに代えて酢酸-dl-α-トコフェロール3.0部を用いるほかは処方例18と同様の組成でクリームを得た。
【0085】
処方例20.クリーム
処方例18の成分中、ニコチン酸アミド部に代えてL-アスコルビン酸2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例18と同様の組成でクリームを得た。
【0086】
実施例21.パック
[成分] 部
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
セタノール 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.3
グリチルリチン酸アンモニウム 0.3
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.5
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
D-パントテニルアルコール 0.3
レゾルシン 0.1
イオウ 2.0
エストラジオール 0.002
製造例1の発酵物 1.0
キサンタンガム 2.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-6 1.0
ココイルグルタミン酸カリウム 1.0
水添レシチン 3.0
水酸化レシチン 3.0
精製水 全量が100部となる量
【0087】
処方例22.ヘアシャンプー
[成分] 部
ラウレス硫酸ナトリウム 10.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
塩化ベンザルコニウム 1.0
ステアリルアルコール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
ジメチコン 3.0
製造例1の発酵物 2.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
サリチル酸ナトリウム 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.1
ピリチオン亜鉛 0.3
安息香酸 0.2
トリクロサン 0.2
クエン酸 0.1
プロピレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
【0088】
実施例23.ヘアコンディショナー
[成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
塩化ベンザルコニウム 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
製造例1の発酵物 2.0
アラントイン 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
サリチル酸 0.1
イオウ 0.5
臭化アルキルイソキノリニウム液(75%) 0.06
ピリチオン亜鉛 0.3
メチルパラベン 0.1
トリクロサン 0.2
レゾルシン 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0089】
処方例24.洗浄用化粧料
[成分] 部
ココイルグリシンカリウム 5.0
グリセリン 10.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 10.0
製造例1の発酵物 1.0
セタノール 3.0
ミリスチルアルコール 3.0
イソプロピルメチルアルコール 0.1
アラントイン 0.1
イオウ 0.5
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.2
トコフェロール酢酸エステル 0.2
トリクロサン 0.1
トリクロロカルバニド 0.5
トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル 0.2
濃ベンザルコニウム塩化物液50 0.2
ベンザルコニウム塩化物 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0090】
処方例25.シートマスク
不織布に下記の成分を含浸させてシートマスクを得る。
[成分] 部
製造例1の発酵物 2.0
グリセリン 3.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
L-アスコルビン酸 2-グルコシド 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
アマモ抽出物 1.0
米抽出物加水分解物 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
【0091】
処方例26.美容液
[成分] 部
1、3-ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 1.0
乳酸菌培養物 1.0
製造例1の発酵物 2.0
ナスエキス 1.0
チャ葉エキス 1.0
甘藷焼酎粕エキス 1.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
【0092】
処方例27.飲料
製造例1の発酵物 10.0
クエン酸 0.1
グルコシドセラミド 0.1
シロキクラゲ多糖体 0.1
リュウガンエキス 0.1
グアバ葉エキス 0.1
ビタミンC 0.01
精製水 全量が100部となる量
【0093】
処方例28.飲料
製造例1の発酵物 10.0
プロテオグリカン 1.0
クワンソウエキス 1.0
米糠エキス 1.0
ショウガエキス 1.0
ユズ種子エキス 1.0
オタネニンジンエキス 0.1
精製水 全量が100部となる量
【0094】
処方例29.飲料
処方例28の成分中、製造例1の発酵物10.0部に代えて製造例7の発酵物10.0部を用いるほかは処方例28と同様の組成で飲料を得た。