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  • 特開-標示鋲設置シートおよび設置標示体 図1
  • 特開-標示鋲設置シートおよび設置標示体 図2
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  • 特開-標示鋲設置シートおよび設置標示体 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095889
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】標示鋲設置シートおよび設置標示体
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/553 20160101AFI20240704BHJP
   A61F 9/08 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
E01F9/553
A61F9/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212862
(22)【出願日】2022-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】592048176
【氏名又は名称】ケージーパルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119389
【弁理士】
【氏名又は名称】門脇 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA03
2D064AA06
2D064BA01
2D064BA11
2D064EA12
(57)【要約】
【課題】 透明性、可撓性を備え、表面に梨地状凸部を有することで、被設置面に対する影響を抑制し、被設置面に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じる標示鋲設置シートおよび設置標示体を提供する。
【解決手段】 標示鋲設置シート1は、標示体として機能する標示鋲10と、標示鋲10を支持する合成樹脂シート15と、合成樹脂シート15の裏面を被設置面50に接着する粘着剤層と、を備え、標示鋲10を被設置面50に設置する。合成樹脂シート15は、透明性と可撓性を有するフィルム状基材部の表面に梨地状凸部を形成するガラス粉末を備え、標示鋲10の裏面はフィルム状基材部の表面に接着層を介して接着してある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標示体として機能する標示鋲と、前記標示鋲を支持する合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートの裏面を被設置面に接着する粘着剤層と、を備え、前記標示鋲を被設置面に設置する標示鋲設置シートであって、
前記合成樹脂シートは、透明性と可撓性を有するフィルム状基材部の表面に梨地状凸部を形成するガラス粉末を備え、
前記標示鋲の裏面は前記合成樹脂シートの表面に接着層を介して接着してあること、
を特徴とする標示鋲設置シート。
【請求項2】
請求項1に記載の標示鋲設置シートであって、
前記ガラス粉末は、前記合成樹脂シートの合成樹脂シート厚みに対して略20%から略80%までの大きさの外形を有すること、
を特徴とする標示鋲設置シート。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の標示鋲設置シートであって、
前記梨地状凸部の10mm四方での配置密度は、略30個から略200個までであること、
を特徴とする標示鋲設置シート。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の標示鋲設置シートであって、
前記標示鋲は、平面視で点型、または、長尺型であること、
を特徴とする表示鋲設置シート。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の標示鋲設置シートであって、
前記合成樹脂シートは、正方形であること、
を特徴とする標示鋲設置シート。
【請求項6】
標示体として機能する標示鋲と、前記標示鋲を支持する合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートの裏面に位置して被設置面に接着される粘着剤層と、を備える標示鋲設置シートを適用して被設置面に設置された設置標示体であって、
前記標示鋲設置シートは、請求項1または請求項2に記載の標示鋲設置シートであること、
を特徴とする設置標示体。
【請求項7】
請求項6に記載の設置標示体であって、
前記被設置面は、屋内の床面であること、
を特徴とする設置標示体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の標示鋲の設置を容易にする標示鋲を備えた標示鋲設置シート、および標示鋲設置シートを適用して被設置面に設置された設置標示体に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、道路に設置する点字鋲等の開発を続けている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示した技術は、視覚障害者誘導用標示セットおよび視覚障害者用誘導用標示構造体に関する。このように、多面的な観点から標示鋲の活用と開発について検討を進めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-72532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような開発検討を進める過程においてなされた。
本発明は、透明性、可撓性を備え、表面に梨地状凸部を有することで、被設置面に対する影響を抑制し、被設置面に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じる標示鋲設置シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、このような標示鋲設置シートを適用して設置した設置標示体を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る標示鋲設置シートは、標示体として機能する標示鋲と、前記標示鋲を支持する合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートの裏面を被設置面に接着する粘着剤層と、を備え、前記標示鋲を被設置面に設置する標示鋲設置シートであって、前記合成樹脂シートは、透明性と可撓性を有するフィルム状基材部の表面に梨地状凸部を形成するガラス粉末を備え、前記標示鋲の裏面は前記合成樹脂シートの表面に接着層を介して接着してあること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る標示鋲設置シートは、標示鋲設置シートは、透明性、可撓性に加えて、表面の梨地状凸部を有するので、被設置面に対する影響を抑制し、被設置面に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じるので標示鋲の設置を更に効果的に実施できる。
【0006】
また、本発明の一実施の形態に係る標示鋲設置シートでは、前記ガラス粉末は、前記合成樹脂シートの合成樹脂シート厚みに対して略20%から略80%までの大きさの外形を有すること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る標示鋲設置シートでは、前記梨地状凸部の10mm四方での配置密度は、略30個から略200個までであること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る標示鋲設置シートでは、前記標示鋲は、平面視で点型、または、長尺型であること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る標示鋲設置シートでは、前記合成樹脂シートは、正方形であること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る設置標示体は、標示体として機能する標示鋲と、前記標示鋲を支持する合成樹脂シートと、前記合成樹脂シートの裏面に位置して被設置面に接着される粘着剤層と、を備える標示鋲設置シートを適用して被設置面に設置された設置標示体であって、前記標示鋲設置シートは、本発明に係る標示鋲設置シートであること、を特徴とする。
したがって、本発明の一実施の形態に係る設置標示体は、標示鋲設置シートの適用により、周囲への影響を抑制した状態で表示鋲を機能させるので、特に室内での適用において効果的である。
また、本発明の一実施の形態に係る設置標示体では、前記被設置面は、屋内の床面であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る標示鋲設置シートは、被設置面に対する影響を抑制し、被設置面に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じるという効果を奏する。
また、本発明に係る設置標示体は、このような標示鋲設置シートを適用して、周囲への影響を抑制した状態で表示鋲を容易に設置し、併せて滑り止め作用を生じさせるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る標示鋲設置シートおよび設置標示体を示す平面図である。
図2図1に示した標示鋲設置シートおよび設置標示体の側面を模式的に示す模式側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る標示鋲設置シートおよび設置標示体の他の例を示す平面図である。
図4図3に示した標示鋲設置シートおよび設置標示体の側面を模式的に示す模式側面図である。
図5図1に示した標示鋲設置シートおよび設置標示体における要部としてのフィルム状基材部、および梨地状凸部、梨地状凸部を生じるガラス粉末の相関を模式的に断面で示す模式断面図である。
図6図5に示した梨地状凸部の平面状での分布状態を模式的に示す分布模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面(図1ないし図6)を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る標示鋲設置シート1および設置標示体5を示す平面図である。なお、平面上に現れる梨地状凸部22(図6参照)については、図の分かりやすさを考慮して省略する。
梨地状凸部22の他、標示鋲設置シート1、合成樹脂シート15等、標示鋲10を載置する部材の詳細は、図5図6に示し、詳細は、図1ないし図4とは別に説明する。
図2は、図1に示した標示鋲設置シート1および設置標示体5の側面を模式的に示す模式側面図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る標示鋲設置シート1および設置標示体5の他の例を示す平面図である。
図4は、図3に示した標示鋲設置シート1および設置標示体5の側面を模式的に示す模式側面図である。
【0011】
本実施の形態に係る標示鋲設置シート1は、標示体として機能する標示鋲10と、標示鋲10を支持する合成樹脂シート15(図5参照)と、合成樹脂シート15の裏面を被設置面50に接着する粘着剤層17(図5参照)と、を備え、標示鋲10を被設置面50に設置する。
標示鋲10は、標示形状に応じて平面視で点型(標示鋲10p:図1)、または、長尺型(標示鋲10n:図3)である。
標示鋲10は、点型(標示鋲10p)、長尺型(標示鋲10n)のいずれも合成樹脂シート15に適用されるので、被設置面50に応じた標示鋲10を採用できる。つまり、標示鋲設置シート1は、標示鋲10の形状に関係なく適用しやすい。標示鋲10p、標示鋲10nを区別する必要がないときは、単に標示鋲10とする。標示鋲10は、例えば、ステンレス製の基台にポリカーボネートの表示部を埋め込んだものである。
標示鋲10pは、点型つまり点鋲であり、平面視で円形を示し、側面は、略台形状である。本実施の形態では、標示鋲外径Wpは22mmであり、標示鋲高さHpは5.5mmである。
標示鋲10nは、長尺型つまり長鋲であり、平面視で長方形(角丸長方形)を示し、側面は、略台形状である。本実施の形態では、標示鋲幅Wnは27mmであり、標示鋲長さLnは280mmであり、標示鋲高さHnは5.5mmである。
【0012】
標示鋲10の標示鋲高さHp、標示鋲高さHnに対する標示鋲設置シート1の高さ(厚み)は、合成樹脂シート15の合成樹脂シート厚みT20=0.17mm、粘着剤層17の粘着剤層厚みT17=0.04mmであり、合成樹脂シート15と粘着剤層17を合計した値は、0.21mmである(図5参照)。標示鋲設置シート1の厚みなどについての詳細は、図5図6で説明する。
これから、標示鋲10の標示鋲高さHn、標示鋲高さHpに対する合成樹脂シート15の厚み(合成樹脂シート厚みT20)は、0.17mm/5.5mm=0.0309となる。つまり、合成樹脂シート15は、高さ方向で、標示鋲10の高さの3%(3/100)である(図5参照)。
また、合成樹脂シート厚みT20(0.17mm)に粘着剤層厚みT17(0.04mm)を加えた場合でも、0.21mm/5.5mm=0.0382となる。つまり4%(4/100)弱である(図5参照)。合成樹脂シート15は、標示鋲10の高さ(標示鋲高さHn、標示鋲高さHp)に対してほとんど無視される高さ(薄さ)である。
標示鋲設置シート1は、被設置面50に対する標示鋲10の高さに対して、合成樹脂シート15および粘着剤層17の高さを大きく抑制できる。このため、合成樹脂シート15は、バリアフリーを更に実現し、また、周囲への影響を抑制できる等の所期の作用効果を確実に得やすい。つまり、標示鋲設置シート1は、標示鋲10に対して実質上の高さが無視できるので、標示鋲10の設置性を向上しやすい。また、標示鋲設置シート1は、高さ(厚み)の観点からも、周囲に対する影響を抑制しやすい。
標示鋲設置シート1において、合成樹脂シート15は、正方形であることが好ましい。
合成樹脂シート15を正方形とすることで、点型の標示鋲10p、長尺型の表示鋲10nのいずれに対しても標準化しやすい。合成樹脂シート15のシート幅W1は、例えば300mmである。これにより、広い場所での設置が効率的で容易となりやすい。
【0013】
設置標示体5は、標示体として機能する標示鋲10と、標示鋲10を支持する合成樹脂シート15と、合成樹脂シート15の裏面に位置して被設置面50に接着される粘着剤層17と、を備える標示鋲設置シート1を適用して被設置面50に設置される。なお、図1図3は、正方形と、その周囲の空白部分(周辺部分)が被設置面50となり、図2図4は、標示鋲設置シート1を含む左右の水平部分が被設置面50となる。
標示鋲設置シート1は、図1から図4に示した標示鋲設置シート1であり、被設置面50に設置された状態が設置標示体5である。
設置標示体5は、標示鋲設置シート1の適用により、周囲への影響を抑制した状態で表示鋲を容易に設置し、併せて滑り止め作用(図5図6で更に説明する)を生じさせるので、特に室内での適用において効果的である。
被設置面50は、屋内の床面であることが好ましい。つまり、被設置面50は、デザイン性が重要視される屋内の床面であり、設置標示体5は、透明性を有するので、床面のデザイン性をそのまま活かすことができる。
【0014】
図5および図6を参照して、標示鋲設置シート1、設置標示体5における細部について更に説明する。
図5は、図1に示した標示鋲設置シート1および設置標示体5における要部としてのフィルム状基材部20、および梨地状凸部22、梨地状凸部22を生じるガラス粉末24の相関を模式的に断面で示す模式断面図である。なお、図の分かりやすさを考慮して断面のハッチングは省略する。
本実施の形態に係る合成樹脂シート15は、透明性と可撓性を有するフィルム状基材部20の表面に梨地状凸部22を形成するガラス粉末24を備え、標示鋲10の裏面は、合成樹脂シート15の表面に接着層26を介して接着してある。
合成樹脂シート15(フィルム状基材部20)は、透明性と可撓性を有する。透明性があるため、被設置面50に対して視覚上の影響を抑制するので被設置面50の景観デザインを維持しやすい。特に室内の床面に適用した場合に効果が大きい。また、薄いことから可撓性を持つため、被設置面50の形状(湾曲面、凹凸面など)の影響を抑制しやすく、被設置面50に沿って容易に貼りやすい。
なお、合成樹脂シート15は、例えば塩ビ(ポリ塩化ビニル)シート等が適用される。また、ガラス粉末における「粉末」との文言は、寸法を特定あるいは限定するものではなく、薄い膜である合成樹脂シート15(フィルム状基材部20)に対して梨地状凸部22を形成できる程度の大きさを表現するためである。
【0015】
合成樹脂シート15は、ガラス粉末24を一体化させて表面に梨地状凸部22を備える。梨地状凸部22は、標示鋲設置シート1の全面にわたって分散して分布するので、全面で滑り止めの作用を確保しやすい。
標示鋲10の裏面は接着層26を介して合成樹脂シート15の表面に接着される。接着層26は、合成樹脂シート15の表面の梨地状凸部22の段差を吸収して標示鋲10と合成樹脂シート15の間の接着強度を確保しやすい。接着層26は、適宜の接着剤を適用すれば良く、接着層厚みT26は、例えば数十μmである。
標示鋲設置シート1は、透明性、可撓性に加えて、表面の梨地状凸部22を有するので、被設置面50に対する影響を抑制し、被設置面50に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じるので標示鋲10は更に効果的に作用する。
標示鋲設置シート1は、不使用時、保管時には、粘着剤層17の外側を剥離紙40で覆われ、使用時は、剥離紙40が除去され、被設置面50に粘着剤層17を介して設置される。剥離紙40の剥離層厚みT40は、剥離性能を確保できれば良く、任意に設定できる。
【0016】
フィルム状基材部20へのガラス粉末24の供給は、例えば練り込み、コーティング等で対処される。透明性を有するフィルム状基材部20とガラス粉末24を組み合わせることで透明性を維持した状態で硬度を有する梨地状凸部22を形成できる。被設置面50への接着に有効な粘着剤層17は、例えばアクリル系粘着剤が好ましい。
標示鋲設置シート1において、ガラス粉末24は、合成樹脂シート15の厚み(合成樹脂シート厚みT20)に対して略20%から80%までの大きさの外形を有する。合成樹脂シート厚みT20は、ガラス粉末24(梨地状凸部22)の存在を無視した平均的な厚みを示す。
ガラス粉末24は、固形であり、フィルム状基材部20(合成樹脂シート15)に対して形状的な影響を生じ、ガラス粉末24が存在する部分はガラス粉末24の大きさに応じて合成樹脂シート15の外部に現れる梨地状凸部22の厚み(高さ)が異なってくる。したがって、ガラス粉末24の外形の大きさが合成樹脂シート15の厚みに対して、略20%から略80%であればそれに応じた厚みの変化を生じる。
厚みの変化は、外部にそのまま梨地状凸部22の形状として表れるので、合成樹脂シート15は、凸部による滑り止めの作用を生じやすくなる。
【0017】
フィルム状基材部20の合成樹脂シート厚みT20が例えば170μmであるとき、ガラス粉末24の外形の大きさは、20%では34μm、80%では136μmとなる。中間値(50%)では、85μmとなる。この中間値では170μmに対して略半分の大きさとなり、梨地状の凹凸を形成しやすい。ガラス粉末24が136μmのときは、多少厚い凸となり、34μmのときは、多少薄い凸となる。また、中間値の85μmでは、周囲との高低差が略同様に生じ、指先の感覚で容易に検知し得る程度となることから、滑り止めとして作用しやすい。
なお、ガラス粉末24において、外形の大きさとは、各粉末において、最も大きい数値が得られる方向での数値を基準とする。
【0018】
図6は、図5に示した梨地状凸部22の平面状での分布状態を模式的に示す分布模式図である。
図6では、15mm四方における、梨地状凸部22の分布状態が示され、約170個の梨地状凸部22が示される。実際には更に少ない個数の梨地状凸部22であっても十分に感知される。
合成樹脂シート15(標示鋲設置シート1)において、梨地状凸部22の15mm四方での配置密度は、略30個から略200個までであることが好ましい。梨地状凸部22の密度は、ガラス粉末24の大きさによっても変化する。
梨地状凸部22の10mm四方における配置密度は、略30ないし略200個であれば、指の感触としてザラザラ感を生じるので、被設置面50での滑り止め効果を発揮しやすい。
標示鋲設置シート1全体としては、できるだけ均一な配置密度が好ましく、全体にわたって、10mm四方における配置密度を満たしていることが好ましい。また、ガラス粉末24の大きさが大きければ配置密度を小さくし、ガラス粉末24の大きさが小さければ配置密度を大きくすることで滑り止め効果を調整できる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明に係る標示鋲設置シートおよび設置標示体は、被設置面に対する影響を抑制し、被設置面に対する設置性を向上し、併せて滑り止め作用を生じる。これにより、標示鋲として有効に利用しうる。
【符号の説明】
【0020】
1 標示鋲設置シート
5 設置標示体
10 標示鋲:
10p 標示鋲
10n 標示鋲
15 合成樹脂シート
17 粘着剤層
20 フィルム状基材部
22 梨地状凸部
24 ガラス粉末
26 接着層
40 剥離紙
50 被設置面
Hn 標示鋲高さ
Hp 標示鋲高さ
Ln 標示鋲長さ
T17 粘着剤層厚み
T20 合成樹脂シート厚み
T26 接着層厚み
T40 剥離紙厚み
W1 シート幅
Wn 標示鋲幅
Wp 標示鋲外径
図1
図2
図3
図4
図5
図6