(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095928
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】金属3D印刷製一体型ポンプ制御油圧式レベリングシステム及び消防車
(51)【国際特許分類】
A62C 27/00 20060101AFI20240704BHJP
F15B 1/26 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A62C27/00 506
F15B1/26
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077465
(22)【出願日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】202211727010.6
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521560414
【氏名又は名称】ジエンスー エックスシーエムジー コンストラクション マシーナリー リサーチ インスティチュート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェー,ビン
(72)【発明者】
【氏名】ボー,フーシャン
(72)【発明者】
【氏名】シー,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,イー
【テーマコード(参考)】
2E189
3H086
【Fターム(参考)】
2E189AB01
3H086AA25
3H086AB12
3H086AB14
3H086AE01
3H086AE18
(57)【要約】
【課題】プラットフォームのスペース利用効率を向上する。
【解決手段】本発明は消防車用空中作業プラットフォームと消防車に関し、該プラットフォームは、担持コンポーネント(5)と、担持コンポーネント(5)に取り付けられ水平性を調整するため担持コンポーネント(5)に対し揺動可能な作業プラットフォーム本体(1)と、担持コンポーネント(5)と該本体(1)に接続され、担持コンポーネント(5)に対し揺動するべく該本体(1)を駆動するよう構成された油圧作動要素(4)と、油圧ポンプ(7)と、油圧ポンプ(7)に流体接続され油圧作動要素(4)に流体接続された第1の逆転バルブ(9)と、油圧ポンプ(7)のポンプコンポーネントを収容する第1のポンプキャビティ及び第1の逆転バルブ(9)のバルブコアを収容する第1の逆転バルブキャビティが形成された第1のコンポーネント(16)と、を含む油圧動力ユニット(2)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消防車用空中作業プラットフォームであって、
担持コンポーネント(5)と、
前記担持コンポーネント(5)に取り付けられる作業プラットフォーム本体(1)であって、該作業プラットフォーム本体(1)の水平性を調整するために前記担持コンポーネント(5)に対して揺動可能な作業プラットフォーム本体(1)と、
前記担持コンポーネント(5)及び前記作業プラットフォーム本体(1)に接続され、前記担持コンポーネント(5)に対して揺動するべく前記作業プラットフォーム本体(1)を駆動するように構成された、油圧作動要素(4)と、
油圧動力ユニット(2)であって、油圧ポンプ(7)と、前記油圧ポンプ(7)に流体接続され、かつ前記油圧作動要素(4)に流体接続された第1の逆転バルブ(9)と、前記油圧ポンプ(7)のポンプコンポーネントを収容する第1のポンプキャビティ及び前記第1の逆転バルブ(9)のバルブコアを収容する第1の逆転バルブキャビティとが形成された第1のコンポーネント(16)と、を含む油圧動力ユニット(2)と、を備える、消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項2】
前記第1のコンポーネント(16)が3D印刷によって形成された、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項3】
前記第1のコンポーネント(16)が、前記油圧ポンプ(7)と前記第1の逆転バルブ(9)とを流体接続する流路と、前記油圧作動要素(4)と前記第1の逆転バルブ(9)とを流体接続する作動油入出口(18)とを更に形成する、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項4】
前記油圧動力ユニット(2)が、前記油圧ポンプ(7)に流体接続された第1のリリーフバルブ(10)を更に含み、前記第1のコンポーネント(16)が、前記第1のリリーフバルブ(10)のバルブコアを収容する第1のリリーフバルブキャビティを更に備える、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項5】
前記油圧動力ユニット(2)が、前記油圧ポンプ(7)と伝動接続されたモータ(8)を更に含み、前記モータ(8)が、前記第1のコンポーネント(16)の端部に取り付けられた、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項6】
前記油圧動力ユニット(2)が、前記油圧ポンプ(7)と流体連通された作動油タンク(6)を更に含み、前記作動油タンク(6)が、前記第1のコンポーネント(16)の、前記モータ(8)と反対側の端部に取り付けられた、請求項5に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項7】
前記モータ(8)と信号接続された制御装置を更に含み、前記制御装置が、前記モータ(8)の回転速度を制御することによって、前記油圧作動要素(4)の作動量を制御するように構成されている、請求項5に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項8】
手動制御ユニット(3)を更に含み、前記手動制御ユニット(3)が、人間が操作する第2の逆転バルブ(15)を含み、前記第2の逆転バルブ(15)が、前記油圧作動要素(4)に流体接続された、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項9】
第1のシャトルバルブ(11)を更に含み、前記第1のシャトルバルブ(11)の第1の入口が前記第1の逆転バルブ(9)に流体接続され、前記第1のシャトルバルブ(11)の第2の入口が前記第2の逆転バルブ(15)に流体接続され、前記第1のシャトルバルブ(11)の出口が前記油圧作動要素(4)に流体接続され、前記第1のコンポーネント(16)が、前記第1のシャトルバルブ(11)のバルブコアを収容する第1のシャトルバルブキャビティを更に備える、請求項8に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項10】
前記手動制御ユニット(3)が第2のコンポーネント(17)を更に含み、前記第2のコンポーネント(17)が、前記第2の逆転バルブ(15)のバルブコアを収容する第2の逆転バルブキャビティを備える、請求項8に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項11】
前記手動制御ユニット(3)が、前記第2の逆転バルブ(15)に流体接続された人力ポンプ(13)を更に含む、請求項10に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項12】
前記第2のコンポーネント(17)が、前記人力ポンプ(13)のポンプコンポーネントを収容する第2のポンプキャビティを備え、
前記手動制御ユニット(3)が、前記人力ポンプ(13)に流体接続された第2のリリーフバルブ(14)を更に含み、前記第2のコンポーネント(17)が、前記第2のリリーフバルブ(14)のバルブコアを収容する第2のリリーフバルブキャビティを備えた、請求項11に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項13】
前記第2のコンポーネント(17)が3D印刷によって形成された、請求項10に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項14】
前記油圧作動要素(4)が揺動油圧シリンダを含み、前記揺動油圧シリンダが、固定コンポーネント(19)と、作動油の駆動下で前記固定コンポーネント(19)に対して回転する回転コンポーネント(20)とを含み、前記固定コンポーネント(19)及び前記回転コンポーネント(20)の一方が前記担持コンポーネント(5)に接続され、他方が前記作業プラットフォーム本体(1)に接続された、請求項1に記載の消防車用空中作業プラットフォーム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の消防車用空中作業プラットフォームを備える、消防車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2022年12月30日に出願されたCN202211727010.6号に基づき、その優先権を主張し、その開示は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、工学機械の技術分野に関し、特に、消防車用空中作業プラットフォーム及び消防車に関する。
【背景技術】
【0003】
はしご消防車、空中消火機、消防車用空中作業プラットフォームなどは、高度な消火活動、人命救助、特殊作戦実行のための緊急救助装置である。有人空中救助車は、中空作業車の中で最も安全性能に対する要求が高く、設計思想の先進性及び技術の集約性が高い分野であり、極めて高い技術的内容を有する。レベリング油圧システムは、作業プラットフォームの角度をリアルタイムで調整するキーシステムであり、乗員の安定性を維持し、装置による救助作業を正確に行うことを保証するために重要である。現在、従来の設計及び製造工程による制限のために、空中作業プラットフォームのレベリング油圧システムの油圧要素は、独立した要素で構成されており、一体化が進んでおらず、このため、レベリング油圧システムが重く、かつ大きくなってしまう。その結果、プラットフォームの有効スペースが制限され、空中プラットフォームの安全性が低下し、様々な救助装置や救助員を運ぶプラットフォームの能力が制限されてしまう。現在、消防用ハイエンド製品シリーズの53mはしご付き消防車用プラットフォームの積載量は300kgにすぎず、そのうち乗員の搭乗スペースは80%に過ぎない。ポンプ、バルブ、モータ、アクチュエータ、及びその他の油圧システムの要素は別々に製造され、パイプラインで接続され、プラットフォーム上で個別に電気制御システム、消火放水砲とその送水管などと一緒にプラットフォーム上に配置されているため、プラットフォームには新しい機能を配置するための余分なスペースがない。外国製品と比較すると、プラットフォームには中継給水デバイスを配置するスペースがないため、消防士が外部の水源を室内に持ち込んで救助することができず、救助効率に大きな影響を与えるだけでなく、市場における製品の競争力を低下させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在するプラットフォームの非合理的なスペース利用効率の問題を改善する、消防車用空中作業プラットフォーム及び消防車を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の実施形態の一態様によれば、本発明は、消防車用空中作業プラットフォームを提供し、消防車用空中作業プラットフォームは、
担持コンポーネントと、
担持コンポーネントに取り付けられる作業プラットフォーム本体であって、作業プラットフォーム本体の水平性を調整するために担持コンポーネントに対して揺動可能な作業プラットフォーム本体と、
担持コンポーネント及び作業プラットフォーム本体にそれぞれ接続され、担持コンポーネントに対して揺動するべく作業プラットフォーム本体を駆動するように構成された、油圧作動要素と、
油圧動力ユニットであって、油圧ポンプと、油圧ポンプに流体接続され、かつ油圧作動要素に流体接続された第1の逆転バルブと、油圧ポンプのポンプコンポーネントを収容する第1のポンプキャビティ及び第1の逆転バルブのバルブコアを収容する第1の逆転バルブキャビティが形成された第1のコンポーネントと、を含む油圧動力ユニットと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、第1のコンポーネントは、3D印刷によって形成される。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1のコンポーネントは、油圧ポンプと第1の逆転バルブとを流体接続する流路と、油圧作動要素と第1の逆転バルブとを流体接続する作動油入出口とを更に形成する。
【0008】
いくつかの実施形態において、油圧動力ユニットは、油圧ポンプに流体接続された第1のリリーフバルブを更に含み、第1のコンポーネントは、第1のリリーフバルブのバルブコアを収容する第1のリリーフバルブキャビティを更に備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、油圧動力ユニットは、油圧ポンプと伝動接続されたモータを更に含み、モータは、第1のコンポーネントの端部に取り付けられている。
【0010】
いくつかの実施形態において、油圧動力ユニットは、油圧ポンプと流体連通された作動油タンクを更に含み、作動油タンクは、第1のコンポーネントの、モータと反対側の他端に取り付けられている。
【0011】
いくつかの実施形態において、消防車用空中作業プラットフォームはモータと信号接続された制御装置を更に含み、制御装置は、モータの回転速度を制御することによって、油圧作動要素の作動量を制御するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、消防車用空中作業プラットフォームは手動制御ユニットを更に含み、手動制御ユニットは、人間が操作する第2の逆転バルブを含み、第2の逆転バルブは、油圧作動要素に流体接続されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、消防車用空中作業プラットフォームは第1のシャトルバルブを更に含み、第1のシャトルバルブの第1の入口は第1の逆転バルブに流体接続され、第1のシャトルバルブの第2の入口は第2の逆転バルブに流体接続され、第1のシャトルバルブの出口は油圧作動要素に流体接続され、第1のコンポーネントは、第1のシャトルバルブのバルブコアを収容する第1のシャトルバルブキャビティを更に備えている。
【0014】
いくつかの実施形態において、手動制御ユニットは、第2のコンポーネントを更に含み、第2のコンポーネントは、第2の逆転バルブのバルブコアを収容する第2の逆転バルブキャビティを備えている。
【0015】
いくつかの実施形態において、手動制御ユニットは、第2の逆転バルブに流体接続された人力ポンプを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、
第2のコンポーネントは、人力ポンプのポンプコンポーネントを収容する第2のポンプキャビティを備え、かつ
手動制御ユニットは、人力ポンプに流体接続された第2のリリーフバルブを更に含み、第2のコンポーネントは、第2のリリーフバルブのバルブコアを収容する第2のリリーフバルブキャビティを備えている。
【0017】
いくつかの実施形態において、第2のコンポーネントは、3D印刷によって形成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、油圧作動要素は、揺動油圧シリンダを含み、揺動油圧シリンダは、固定コンポーネントと、作動油の駆動下で固定コンポーネントに対して回転する回転コンポーネントとを含み、固定コンポーネント及び回転コンポーネントのうちの一方は、担持コンポーネントに接続され、他方は、作業プラットフォーム本体に接続されている。
【0019】
本発明の別の態様によれば、上述の消防車用空中作業プラットフォームを備える消防車も提供される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願の技術的解決策の用途において、油圧ポンプの第1のポンプキャビティと第1の逆転バルブキャビティとが共に第1のコンポーネントに一体化されており、これは、油圧動力ユニットの小型化及び軽量化の実現に貢献し、また油圧動力ユニットの部品及びコンポーネントの点数削減に貢献する。
【0021】
本開示の他の特徴及び利点は、添付図面を参照した本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの立体構造図である。
【
図2】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームを別の角度から見た立体構造図である。
【
図3】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの油圧システムを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの油圧システムの構造図である。
【
図5】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの油圧動力ユニットの構造図である。
【
図6】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの手動制御ユニットの構造図である。
【
図7】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの第2のコンポーネントの構造図である。
【
図8】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの油圧作動要素の立体構造図である。
【
図9】本発明の一実施形態における消防車用空中作業プラットフォームの油圧作動要素の別の角度での立体構造図である。
【
図10】本発明の一実施形態における消防車の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の一部としての図面は、本開示の更なる理解を提供するために使用される。本開示の例示的実施形態及びその説明は、本開示を説明するために使用されるが、本開示を不適切に制限するものではない。
【0024】
以下、本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態における添付図面と合わせて、明確かつ完全に説明する。記載された実施形態は、明らかに、本発明の実施形態の一部にすぎず、すべての実施形態ではない。以下の少なくとも1つの例示的な実施形態の説明は、実際には例示にすぎず、本発明及びその用途又は使用に対するいかなる制限として機能しない。本発明における実施形態に基づいて、当業者により創造的作業なしで得られた他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0025】
図1~
図4を参照すると、本実施形態の消防車用空中作業プラットフォームは、担持コンポーネント5と、作業プラットフォーム本体1と、油圧作動要素4と、油圧動力ユニット2とを含む。
【0026】
作業プラットフォーム本体1は、担持コンポーネント5に取り付けられ、作業プラットフォーム本体1の水平性を調整するために担持コンポーネント5に対して揺動可能である。油圧作動要素4は、担持コンポーネント5及び作業プラットフォーム本体1にそれぞれ接続され、担持コンポーネント5に対して揺動するべく作業プラットフォーム本体1を駆動するように構成されている。油圧動力ユニット2は、油圧ポンプ7と、油圧ポンプ7に流体接続された第1の逆転バルブ9とを含む。第1の逆転バルブ9は、油圧作動要素4に流体接続されている。油圧動力ユニット2は、第1のコンポーネント16を含む。第1のコンポーネント16は、油圧ポンプ7のポンプコンポーネントを収容する第1のポンプキャビティと、第1の逆転バルブ9のバルブコアを収容する第1の逆転バルブキャビティとで形成されている。
【0027】
本実施形態において、油圧ポンプ7の第1のポンプキャビティと第1の逆転バルブキャビティとが共に第1のコンポーネントに一体化されており、これは、油圧動力ユニット2の小型化及び軽量化の実現に貢献し、更に油圧動力ユニット2の部品及びコンポーネントの点数削減に貢献している。
【0028】
いくつかの実施形態において、油圧ポンプ7は、ギアポンプであり、ポンプコンポーネントは、ギアポンプのギアである。いくつかの他の実施形態において、油圧ポンプ7は、インペラポンプであり、ポンプコンポーネントは、インペラポンプのインペラである。いくつかの他の実施形態において、油圧ポンプ7は、プランジャポンプであり、ポンプコンポーネントは、プランジャポンプのプランジャである。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1のコンポーネント16は、3D印刷によって形成される。
【0030】
第1のコンポーネント16には、油圧ポンプ7と第1の逆転バルブ9とを流体接続する流路、及び油圧作動要素4と第1の逆転バルブ9とを流体接続するための作動油入出口18が更に形成されている。
【0031】
本実施形態において、第1の逆転バルブ9は、油圧ポンプ7と連通する入口と、作動油タンク6と連通する戻りポートと、油圧作動要素4の第1のキャビティに接続された第1の作動ポートと、第1の油圧作動要素4の第2のキャビティに接続された第2の作動ポートとを含む。いくつかの実施形態において、第1のキャビティは、油圧作動要素4のロッド側キャビティであり、第2のキャビティは、油圧作動要素4のロッドがない側のキャビティである。
【0032】
油圧作動要素4の第1のキャビティに作動油が導入され、作動油が第2のキャビティから排出されると、油圧作動要素4の可動コンポーネントが第1の方向に移動し、油圧作動要素4の第2のキャビティに作動油が導入され、作動油が第1のキャビティから排出されると、油圧作動要素4の可動コンポーネントが第2の方向に移動する。第2の方向は、第1の方向と逆方向である。
【0033】
第1のコンポーネント16は、2つの作動油入出口18を備える。一方の作動油入出口は、第1の逆転バルブ9の第1の作動ポートと連通し、他方は、第1の逆転バルブ9の第2の作動ポートと連通する。
【0034】
いくつかの実施形態において、油圧動力ユニット2は、油圧ポンプ7に流体接続された第1のリリーフバルブ10を更に含み、第1のコンポーネント16は、第1のリリーフバルブ10のバルブコアを収容する第1のリリーフバルブキャビティを更に備える。
【0035】
図5に示すように、油圧動力ユニット2は、油圧ポンプ7と伝達接続されたモータ8を更に含む。モータ8は、第1のコンポーネント16の端部に取り付けられている。
【0036】
いくつかの実施形態において、油圧動力ユニット2は、油圧ポンプ7と連通した作動油タンク6を更に含む。作動油タンク6は、モータ8と反対側の、第1のコンポーネント16の他端に取り付けられている。
【0037】
消防車用空中作業プラットフォームは、モータ8と信号接続された制御装置を更に含む。制御装置は、モータ8の回転速度を制御することによって、油圧作動要素4の作動量を制御するように構成される。本実施形態において、作動油タンク6、第1の逆転バルブ9、モータ8及び油圧ポンプ7などの部品及びコンポーネントが一体化されており、これは、油圧動力ユニット2の軽量化及び小型化の実現、並びに部品及びコンポーネントの点数削減に貢献し、それによって、油圧動力ユニット2の構造を簡略化し、油圧動力ユニット2が占めるスペースを削減する。
【0038】
図3、
図4及び
図6に示すように、消防車用空中作業プラットフォームは、手動制御ユニット3を更に含む。手動制御ユニット3は、人間が操作する第2の逆転バルブ15を含む。第2の逆転バルブ15は、油圧作動要素4に流体接続されている。
【0039】
消防車用空中作業プラットフォームは、第1のシャトルバルブ11を更に含む。第1のシャトルバルブ11の第1の入口は第1の逆転バルブ9に流体接続され、第1のシャトルバルブ11の第2の入口は第2の逆転バルブ15に流体接続され、第1のシャトルバルブ11の出口は油圧作動要素4に流体接続されている。第1のコンポーネント16は、第1のシャトルバルブ11のバルブコアを収容する第1のシャトルバルブキャビティを更に備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1のコンポーネント16は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、及びアルミニウム合金のうちの1つで作られている。第1のコンポーネント16は、トポロジー最適化設計を採用する。
【0041】
第2の逆転バルブ15は、作動油を導入するための入口と、作動油タンク6と連通する戻りポートと、油圧作動要素4の第1のキャビティに接続された第1の作動ポートと、第1の油圧作動要素4の第2のキャビティに接続された第2の作動ポートとを含む。いくつかの実施形態において、第1のキャビティは、油圧作動要素4のロッド側キャビティであり、第2のキャビティは、油圧作動要素4のロッドがない側のキャビティである。
【0042】
本実施形態において、第1のシャトルバルブ11の出口は油圧作動要素4のロッド側キャビティに接続され、第1のシャトルバルブ11の第1の入口は第1の逆転バルブ9の第1の作動ポートに流体接続され、第1のシャトルバルブ11の第2の入口は第2の逆転バルブ15の第1の作動ポートに流体接続される。
【0043】
消防車用空中作業プラットフォームは、第2のシャトルバルブ12を更に含む。第2のシャトルバルブ12の出口は、油圧作動要素4のロッドがない側のキャビティに接続され、第2のシャトルバルブ12の第1の入口は、第1の逆転バルブ9の第2の作動ポートに流体接続され、第2のシャトルバルブ12の第2の入口は、第2の逆転バルブ15の第2の作動ポートに流体接続されている。
【0044】
いくつかの実施形態において、手動制御ユニット3は、第2のコンポーネント17を更に含む。第2のコンポーネント17は、第2の逆転バルブ15のバルブコアを収容する第2の逆転バルブキャビティを備える。
【0045】
第2のコンポーネント17は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、及びアルミニウム合金のうちの1つで作られている。第2のコンポーネント17は、トポロジー最適化設計を採用し、第2のコンポーネント17の質量を削減するために、
図7に見られるように油圧流路が存在しないくり抜き構造24を備える。
【0046】
図6に示すように、手動制御ユニット3は、第2の逆転バルブ15に流体接続された人力ポンプ13を更に含む。
【0047】
第2のコンポーネント17は、人力ポンプ13のポンプコンポーネントを収容する第2のポンプキャビティを備え、手動制御ユニット3は、人力ポンプ13に流体接続された第2のリリーフバルブ14を更に含み、第2のコンポーネント17は、第2のリリーフバルブ14のバルブコアを収容する第2のリリーフバルブキャビティを備える。
【0048】
本実施形態において、手動制御ユニット3の第2の逆転バルブ15と人力ポンプ13とは一体化されたコンポーネントに一体化されており、これは、手動制御ユニット3の軽量及び小型化の実現、並びに部品及びコンポーネントの点数削減に貢献し、それによって、手動制御ユニット3の構造を簡略化し、手動制御ユニット3が占めるスペースを削減する。
【0049】
いくつかの実施形態において、第2のコンポーネント17は、3D印刷によって形成される。
【0050】
本実施形態において、人力ポンプ13は、足で操作する人力ポンプである。手動制御ユニット3は作業プラットフォーム本体1の基部上に取り付けられ、作業プラットフォーム本体1の柵の下に配置される。油圧動力ユニット2は、作業プラットフォーム本体1上に作業スペースを確保するために、作業プラットフォーム本体1基部の下に配置される。
【0051】
図8及び
図9に示すように、油圧作動要素4は、揺動油圧シリンダを含む。揺動油圧シリンダは、固定コンポーネント19と、作動油の駆動下で固定コンポーネント19に対して回転する回転コンポーネント20とを含む。固定コンポーネント19及び回転コンポーネント20の一方は作業プラットフォーム本体1に接続され、他方は担持コンポーネント5に接続されている。
【0052】
消防車用空中作業プラットフォームは、バランスバルブ26を更に含む。バランスバルブ26は、油圧作動要素4に流体接続され、油圧作動要素4の動きの滑らかさを確保する。
【0053】
バランスバルブ26は、第1の流体ポートA及び第2の流体ポートBを含む。第1の流体ポートA及び第2の流体ポートBの一方に作動油が導入され、他方から作動油タンク6に作動油が排出される。第1の流体ポートAに作動油が導入されると、回転コンポーネント20は反時計回りに回転し、第2の流体ポートBに作動油が導入されると、回転コンポーネント20は時計回りに回転する。
【0054】
固定コンポーネント19は、作業プラットフォーム本体1を接続するための接続ラグ21を備える。回転コンポーネント20は、担持コンポーネント5を接続するためのフランジ22を備える。
【0055】
消防車用空中作業プラットフォームは、回転コンポーネント20の回転量を検出するための回転検出コンポーネント23を更に含む。いくつかの実施形態において、回転検出コンポーネント23は、エンコーダを含む。
【0056】
消防車用空中作業プラットフォームは、作業プラットフォーム本体1の水平方向に対する角度を検出するための角度検出コンポーネントを更に含む。角度検出コンポーネントによって検出された角度と、回転量検出コンポーネントによって検出された回転量とを監視することによって、作業プラットフォーム本体1の姿勢がリアルタイムで監視される。
【0057】
図1及び
図2に示すように、担持コンポーネント5は、接続アームを含み、油圧作動要素4は、作業プラットフォーム本体1の基部に取り付けられ、接続アームは、油圧作動要素4に接続され、作業プラットフォーム本体1から離れる方向に延在する。いくつかの実施形態において、作業プラットフォーム本体1は、2つの油圧作動要素4を備え、各油圧作動要素4は、接続アームに接続されている。2つの油圧作動要素4は、作業プラットフォーム本体1の中心線に対して対称的に配置されている。
【0058】
いくつかの実施形態において、油圧作動要素4は、軽量、小型、高トルクの揺動油圧シリンダである。従来技術の直動油圧シリンダ又は他の直動デバイスと比較して、占有スペースが小さく、軽量であるという特徴を有する。
【0059】
揺動油圧シリンダの直径が198mm以下、揺動油圧シリンダの軸方向の長さが171mm以下、回転コンポーネント20の回転角度が170°以上で、作動油圧20MPaの場合、1本の油圧シリンダは2300NMのトルクを出力することができる。
【0060】
本実施形態の油圧動力ユニット2は、はしご消防車、空中消火機、空中プラットフォーム、シザー型空中プラットフォーム、及びその他の空中緊急救助消防車に組み付けることができる。
【0061】
本実施形態の消防車用空中作業プラットフォームは、以下の技術的効果を有する。
【0062】
(1)エネルギー消費の少ないシステム:本実施形態の油圧動力ユニット2には,金属製3D印刷技術が用いられ、油路構造の適合設計及びプラグインの適合一体化設計が達成され、それによって流路圧力損失が削減される。油圧作動要素4は、ポンプ制御方式で制御され、バルブ制御方式で制御する従来の方法と比較して、高精度モータ8を用いることによって、必要に応じて流量を直接供給することを達成し、無駄を削減する。これは、システムが常に効率的な運転状態に維持され、モータが高速で回転する必要がなく、必要な速度に応じて自動調整され、それによって、システムのエネルギー消費を大幅に削減できるからである。
【0063】
(2)広い作業プラットフォームスペース:本実施形態の油圧動力ユニット2は、複数の要素の一体化設計を実現し、更に金属製3D印刷トポロジー最適化設計技術を適用して、油圧システムの全体的なコンパクト配置を達成し、従来の油圧要素が独立した配置と異なり、プラットフォームスペースを大幅に解放し、それによって機械全体に他の新規機能を配置することが可能になり、したがって機械全体の機能を効果的に向上する。
【0064】
(3)軽量なシステム:本実施形態の油圧動力ユニット2の重量は、従来の解決策の40%しかなく、積載量を効果的に50kg増加することが可能となり、機械全体により多くの救助装置を担持すること、又はより多くの人間を救助することの一助となり、それによって、製品の競争力を効果的に向上させることができる。
【0065】
(4)低コスト:本実施形態の油圧動力ユニット2は、駆動にモータを使用するため、高価な比例バルブの購入を回避でき、システム全体のコストを効果的に削減できる。
【0066】
(5)大きいプラットフォームパワー:本実施形態の油圧動力ユニット2は、小容積のスパイラル揺動油圧シリンダを装備し、重量及び容積を削減するだけでなく、同じ圧力下でより大きなトルクを提供し、それによって、プラットフォームの回転水平力がより適切になり、プラットフォームの積載量及び救助能力の向上を効果的に支援する。
【0067】
本発明の別の態様によれば、上述の消防車用空中作業プラットフォームを備える消防車も提供される。
図10に示すように、消防車は、作業アーム25を含み、作業プラットフォーム本体1は、担持コンポーネント5によって作業アーム25に取り付けられる。
【0068】
上記は、本発明の例示的な実施形態にすぎず、本発明を制限することを意図したものではなく、本発明の精神及び原理の範囲内でなされるすべての修正、同等の置換及び改良は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0069】
1 作業プラットフォーム本体
2 油圧動力ユニット
3 手動制御ユニット
4 油圧作動要素
5 担持コンポーネント
6 作動油タンク
7 油圧ポンプ
8 モータ
9 第1の逆転バルブ
10 第1のリリーフバルブ
11 第1のシャトルバルブ
12 第2のシャトルバルブ
13 人力ポンプ
14 第2のリリーフバルブ
15 第2の逆転バルブ
16 第1のコンポーネント
17 第2のコンポーネント
18 作動油入出口
19 固定コンポーネント
20 回転コンポーネント
21 接続ラグ
22 フランジ
23 回転検出コンポーネント
24 くり抜き構造
25 作業アーム
26 バランスバルブ
【外国語明細書】