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特開2024-95947デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095947
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240704BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20240704BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240704BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240704BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/67
H02J7/00 301B
H02J7/02 B
H02J7/10 H
H02J7/04 C
H02J7/10 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124323
(22)【出願日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】63/436,065
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510238605
【氏名又は名称】微星科技股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】512268479
【氏名又は名称】恩斯邁電子(深▲シン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リン チュアンイー
(72)【発明者】
【氏名】リン ホンヘン
(72)【発明者】
【氏名】リン チーヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュー チエンチー
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CB06
5G503CC02
5G503FA03
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC24
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE51
5H125EE61
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デュアルスタンダードのACスマートチャージングパイルを提供する。
【解決手段】デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル100は、第1の充電銃、第1の電源回路、第2の充電銃、第2の電源回路および信号処理回路を含む。二つの充電銃の各々は、異なる仕様に適合する充電ポートを備える。二つの電源回路の各々は、対応する充電銃に電気的に接続され、それぞれ異なる仕様に基づいて対応する充電銃に電力を供給する。信号処理回路は、第1の充電銃、第2の充電銃、第1の電源回路および第2の電源回路に電気的に接続され、第1の充電銃の第1のトリガー時点および第2の充電銃の第2のトリガー時点の一方または両方に従って、第1の電源回路と第2の電源回路の一方または両方を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の仕様に適合した充電ポートを有する第1の充電銃、
前記第1の充電銃に電気的に接続され、前記第1の仕様に基づいて前記第1の充電銃に電力を供給するように構成された第1の電源回路、
前記第1の仕様とは異なる第2の仕様に適合した充電ポートを有する第2の充電銃、
前記第2の充電銃に電気的に接続され、前記第2の仕様に基づいて前記第2の充電銃に電力を供給するように構成された第2の電源回路、および
前記第1の電源回路と前記第2の電源回路に電気的に接続され、前記第1の充電銃の第1のトリガー時点と前記第2の充電銃の第2のトリガー時点の一方または両方に応じて、前記第1の電源回路と前記第2の電源回路の一方または両方を制御するように構成された信号処理回路を備えるデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項2】
前記信号処理回路は、
前記第2のトリガー時点に先行する前記第1のトリガー時点の時間差が第1の閾値時間未満である場合、前記第1の電源回路が出力する第1の充電電力と前記第2の電源回路が出力する第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御し、
前記時間差が前記第1の閾値時間以上第2の閾値時間未満である場合、前記第1の充電電力よりも第1のプリセット値高くなるように前記第2の充電電力を制御し、
前記時間差が前記第2の閾値時間以上である場合、前記第1の充電電力より第2のプリセット値高くなるように前記第2の充電電力を制御するように構成され、
前記第2の閾値時間は前記第1の閾値時間より大きく、前記第2のプリセット値は前記第1のプリセット値より大きい、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項3】
前記信号処理回路は、
前記第2のトリガー時点に先行する前記第1のトリガー時点の時間差が第1の閾値時間未満である場合、前記第1の電源回路が出力する第1の充電電力と前記第2の電源回路が出力する第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御し、
前記時間差と第2の閾値時間の半分との差が別のプリセット誤差よりも小さい場合、前記第1の充電電力よりも第3のプリセット値高くなるように前記第2の充電電力を制御し、
前記時間差が前記第2の閾値時間以上の場合、前記第1の充電電力より第4のプリセット値高くなるように前記第2の充電電力を制御するように構成され、
前記第2の閾値時間の半分は前記第1の閾値時間より大きく、前記第3のプリセット値は前記第4のプリセット値より大きい、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項4】
前記第1の電源回路は、前記第1の充電銃と前記信号処理回路に電気的に接続された第1の充電通信回路を有し、
前記第2の電源回路は、前記第2の充電銃と前記信号処理回路に電気的に接続された第2の充電通信回路を有し、
前記信号処理回路は、
前記第1の充電銃が第1の電気自動車に接続されている場合、前記第1の充電通信回路を介して前記第1の電気自動車の第1の通信信号を取得して第1のトリガー時点を取得し、前記第1の仕様と前記第1の通信信号に従って前記第1の電源回路を制御することで前記第1の充電銃を制御して電力を出力させ、
前記第2の充電銃が第2の電気自動車に接続されている場合、前記第2の充電通信回路を介して前記第2の電気自動車の第2の通信信号を取得して前記第2のトリガー時点を取得し、前記第2の仕様および前記第2の通信信号に従って前記第2の電源回路を制御することで前記第2の充電銃を制御して電力を出力させるように構成される、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項5】
前記第1の電源回路は、さらに、
前記第1の充電銃に電気的に接続され、前記第1の充電銃に電力を供給するように構成された第1のリレー、および
前記第1のリレーと前記信号処理回路に電気的に接続され、前記信号処理回路によって制御されて前記第1のリレーを無効状態または有効状態に調整する第1のスイッチ制御回路を有し、
前記第2の電源回路は、さらに、
前記第2の充電銃に電気的に接続され、前記第2の充電銃に電力を供給するように構成された第2のリレー、および
前記第2のリレーと前記信号処理回路に電気的に接続され、前記信号処理回路によって制御されて前記第2のリレーを無効状態または有効状態に調整する第2のスイッチ制御回路を有する、請求項4に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項6】
前記第1の電源回路と前記信号処理回路に電気的に接続され、前記第1の電源回路の第1の充電電力を検出し、前記第1の充電電力の検出結果を前記信号処理回路に送り返すことによって前記信号処理回路が前記第1の電源回路を制御して前記第1の充電電力を調整するように構成された第1の電流検出回路、および
前記第2の電源回路と前記信号処理回路に電気的に接続され、前記第2の電源回路の第2の充電電力を検出し、前記第2の充電電力の検出結果を前記信号処理回路に送り返すことによって前記信号処理回路が前記第2の電源回路を制御して前記第2の充電電力を調整するように構成された第2の電流検出回路をさらに備え、
前記第1の充電電力と前記第2の充電電力の和は、最大充電電力よりも大きくない、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項7】
前記信号処理回路に電気的に接続され、ユーザ設定コマンドを受信するように構成された通信ユニットをさらに備え、
前記信号処理回路は、前記ユーザ設定コマンドに従って、前記第1の電源回路と前記第2の電源回路の第1の充電電力と第2の充電電力の一方または両方を制御するようにさらに構成される、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項8】
前記信号処理回路は、
第1の電気自動車に関連する第1のユーザ設定コマンドを取得し、
第2の電気自動車に関連する第2のユーザ設定コマンドを取得し、
前記第1のユーザ設定コマンドと前記第2のユーザ設定コマンドを比較し、優先順位情報を生成し、
前記優先順位情報に従って、第1の重み付け比率と第2の重み付け比率を生成し、
前記第1の重み付け比率と前記第2の重み付け比率に応じて最大充電電力を割り当てることで前記第1の充電電力と前記第2の充電電力を調整するように構成される、請求項7に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項9】
前記通信ユニットに電気的に接続されたヒューマン-コンピュータインタラクションデバイスをさらに備え、前記ヒューマン-コンピュータインタラクションデバイスは、前記ユーザ設定コマンドを受信するためのグラフィカルユーザインタフェースを有する、請求項7に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【請求項10】
前記第1の仕様は、SAE J1772(タイプ1)、IEC 62196(タイプ2)、GBT 20234.2-2015、および北米充電規格(NACS)のうちの一つに従う充電仕様であり、前記第2の仕様は、SAE J1772(タイプ1)、IEC 62196(タイプ2)、GBT 20234.2-2015、およびNACSのうちの別の一つに従う充電仕様である、請求項1に記載のデュアルスタンダードACスマートチャージパイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャージングパイル、特にデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車用チャージングパイルのコネクタは統一規格がなく、これまでのチャージングパイルの設計はすべて単一銃の設計であり、消費者が既に自動車の選択を決定しているという条件下では合理的で適切である。しかし、充電サービスを商業施設や公共の場所に建設する場合、様々な仕様のチャージングパイルを建設する割合と割り当てを検討する必要がある。そして、このような計画は、サービス設定の難易度や充電駐車場の建設効率に大きく影響する可能性がある。
【0003】
電気自動車チャージングパイルの発展に伴い、充電システムの通信プロトコルの設計には様々な種類のコネクタが存在する。そのため、単一の規格に制限されない、あるいは異なる仕様や規格を利用できる地域や国によっては、充電サービスのある目的地においてチャージングパイルを建設することが困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本開示は、デュアルスタンダードのACスマートチャージングパイルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つ以上の実施形態によれば、デュアルスタンダードACスマートチャージングパイルは、第1の充電銃、第1の電源回路、第2の充電銃、第2の電源回路、および信号処理回路を備える。第1の充電銃は、第1の仕様に適合する充電ポートを備える。第1の電源回路は、第1の充電銃に電気的に接続され、第1の仕様に基づいて第1の充電銃に電力を供給するように構成される。第2の充電銃は、第1の仕様とは異なる第2の仕様に適合する充電ポートを備える。第2の電源回路は、第2の充電銃に電気的に接続され、第2の仕様に基づいて第2の充電銃に電力を供給するように構成される。信号処理回路は、第1の電源回路と第2の電源回路に電気的に接続され、第1の充電銃の第1のトリガー時点および第2の充電銃の第2のトリガー時点の一方または両方に従って、第1の電源回路および第2の電源回路の一方または両方を制御するように構成される。
【0006】
以上の記載から、本開示のデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルは、異なる充電仕様の充電銃を装備することができ、異なる電気自動車で同時に使用することができ、充電のトリガー時点に応じてスマートな電流配分を実施することができる。このように、固定電流スキームを採用することにより、現場の電力使用状況に応じて、あるいは管理プラットフォーム若しくは個々のパイルの電力供給設定結果に応じて、スマートに出力を調整することができる。また、二つの駐車スペースで一つのチャージングパイルを共有することができ、仕様の異なる2台の車両に同時に給電することができ、全体的な建設コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、以下に示す詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。ここで、図面は説明のために与えられたものであり、したがって、本開示を限定するものではない。
図1】本開示の実施形態の一つに係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図。
図2】本開示の実施形態の一つに係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの動作フローチャート。
図3図2に示した実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの詳細な動作フローチャート。
図4図2に示した実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの別の詳細な動作フローチャート。
図5】本開示の別の実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図。
図6】本開示のさらに別の実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図。
図7】本開示のさらに別の実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの動作フローチャート。
図8図7に示した実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの詳細な動作フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、説明のため、開示された実施形態の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。明細書に開示された説明、特許請求の範囲、および図面によれば、当業者は本発明の概念と特徴を容易に理解することができる。以下の実施形態は、本発明の様々な態様をさらに説明するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0009】
本開示の実施形態の一つに係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図である図1を参照されたい。図1に示すように、デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル100は、第1の充電銃1a、第1の電源回路2a、第2の充電銃1b、第2の電源回路2b、および信号処理回路3を備える。第1の充電銃1aは、第1の仕様に適合した充電ポートを有する。第1の電源回路2aは、第1の充電銃1aに電気的に接続され、第1の仕様に基づいて第1の充電銃1aに電力を供給するように構成される。第2の充電銃1bは、第1の仕様とは異なる第2の仕様に適合した充電ポートを有する。第2の電源回路2bは、第2の充電銃1bに電気的に接続され、第2の仕様に基づいて第2の充電銃1bに電力を供給するように構成されている。信号処理回路3は、第1の電源回路2aと第2の電源回路2bに電気的に接続され、第1の充電銃1aの第1のトリガー時点および第2の充電銃1bの第2のトリガー時点の一方または両方に応じて、第1の電源回路2aおよび第2の電源回路2bの一方または両方を制御するように構成される。
【0010】
本実施形態において、第1の充電銃1aの第1の仕様は、SAE J1772(タイプ1)、IEC 62196(タイプ2)、GBT 20234.2-2015、および北米充電規格(NACS)のうちの一つに従うAC充電仕様でよく、第2の充電銃1bの第2の仕様は、SAE J1772(タイプ1)、IEC 62196(タイプ2)、GBT 20234.2-2015および北米充電規格(NACS)のうちの別の一つによるAC充電仕様でもよい。他の実施形態では、第1の充電銃1aおよび第2の充電銃1bは、他のAC充電仕様に基づくことで異なる地域での充電要件を満たしてもよい。第1の電源回路2aと第2の電源回路2bは、いずれも制御パイロットをサポートする回路などの充電通信回路を含むことができ、充電通信回路は、対応する充電銃の電源を調整するために信号処理回路3によって制御される。一つの実施形態において、第1の電源回路2aと第2の電源回路2bは、共通の電源システムに接続されてもよい。信号処理回路3は、二つの電源回路を制御するため、マイクロコントローラまたはプログラマブルロジックコントローラなどのコンピューティングコンポーネントを含むことができる。具体的には、信号処理回路3は、二つの充電銃がそれぞれ第1の電源回路2aと第2の電源回路2bを介して出力する電力の大きさを制御することができる。
【0011】
図1と共に図2を参照されたい、図2は、本開示の実施形態の一つに係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの動作フローチャートである。図1図2に示すように、本実施形態の信号処理回路3は、ステップS1:二つの充電銃(第1の充電銃1aと第2の充電銃1b)が電気自動車に接続されたときの二つのトリガー時点を決定するステップ、およびステップS3:それぞれ二つのトリガー時点に応じて二つの電源回路(第1の電源回路2aと第2の電源回路2b)を制御するステップを実行することができる。具体的には、第1の充電銃1aの充電ポートが第1の電気自動車に接続された場合、信号処理回路3は、通信回路を介して第1の充電銃1aからトリガー信号を受信し、トリガー信号に応じて第1のトリガー時点を生成し、第1の電源回路2aを制御して第1の充電銃1aに電力を供給して充電動作を行うことができる。第2の充電銃1bのトリガーと充電に関する説明は、第1の充電銃1aのトリガーと充電に関する説明と同様であり、ここでは繰り返さない。第1の充電銃1aと第2の充電銃1bの充電ポートがそれぞれの電気自動車に同時に接続された場合、信号処理回路3は、第1の電源回路2aと第2の電源回路2bを同時に制御して対応する充電銃に電力を供給することができ、双方の充電電力または電流の和が定格最大充電電力を超えないように調整することができる。さらに、第1の充電銃1aの充電ポートが第1の電気自動車に接続された後に第2の充電銃1bの充電ポートが第2の電気自動車に接続された場合、信号処理回路3は、まず、第1のトリガー時点に従って定格最大充電電力を第1の電源回路2aに分配し、次に、第2のトリガー時点に従って定格最大充電電力を第1の電源回路2aと第2の電源回路2bに均等に分配することができる。
【0012】
図2と共に図3を参照すると、図3は、図2に示した実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの詳細な動作フローチャートである。図3に示すように、ステップS1の後に信号処理回路によって実行されるステップS3は、ステップS31:先の第1のトリガー時点と第2のトリガー時点との時間差を計算すること、ステップS32:時間差が第1の閾値時間未満であるか否かを判定し、ステップS32の判定結果がyesである場合、ステップS33:第1の電源回路によって出力される第1の充電電力と第2の電源回路によって出力される第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御し、ステップS32の判定結果がNoである場合、ステップS34:上記時間差が第2の閾値時間より小さいか否かを判定することを実行すること、ステップS34の判定結果がyesのとき、ステップS35:第2の充電電力を第1の充電電力より第1のプリセット値高くなるように制御し、ステップS34の判定結果がnoのとき、ステップS36:第2の充電電力を第1の充電電力より第2のプリセット値高くなるように制御することを含んでもよい。なお、上記ステップは、第1のトリガー時点が第2のトリガー時点に先行する場合を例としているが、本実施形態は、第2のトリガー時点が第1のトリガー時点に先行する場合にも適用可能である。その場合、対応するステップS35とS36は、「第1の充電電力を第2の充電電力よりも高くなるように制御し...」に修正され、ここでは繰り返しの説明は省略される。また、ステップS32とステップS34の順序を入れ替えてもよいし、同時に実行してもよく、本開示において限定されるものではない。具体的には、ステップS33、S35、およびS36において充電電力を制御する解決策については、一例として以下に示す表1を参照されたい。
【0013】
【表1】
【0014】
表1に示すように、本実施形態におけるデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルは、二つの充電銃の二つの充電時点間の時間差に応じて異なる充電スキームを提供するために使用することができる。最初に、充電銃が電気自動車に接続されると、信号処理回路は、充電に使用される充電銃が一つだけであるか否かを判定することができる。充電に使用される充電銃が一つだけである場合、チャージングパイルによって充電銃に割り当てられる初期電流は、充電銃の使用可能な電流規格に従って上限電流(例えば60アンペア)に適切に調整することができる。すなわち、チャージングパイルは、充電動作が完了するまで、充電銃の電流許容範囲に従って充電電流を調整することができる。
【0015】
さらに、図3とともに表1を参照されたい。二つの充電銃が共に電気自動車の充電に使用される場合、二つの充電銃の電力と電流の配分を計画する必要がある。ステップS31からステップS33において、第1のトリガー時点と第2のトリガー時点との時間差が第1の閾値時間未満である場合、信号処理回路は、第1の電源回路と第2の電源回路、特に電源回路の充電通信回路を用いることにより、第1の充電銃が出力する第1の充電電力と第1の充電銃が出力する第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御することができる。具体的には、信号処理回路が、二つのトリガー時点の時間差が第1の閾値時間未満(例えば、2時間未満)であると判断した場合、二つの充電銃の充電電力が基本的に同じ(例えば、第1の充電銃と第2の充電銃の出力電流が30アンペア)になるように二つの充電銃の充電電力をバランス出力方式で制御する。ステップS34およびS35において、時間差が第1の閾値時間以上第2の閾値時間未満である場合、信号処理回路は、第1の充電電力よりも第1のプリセット値だけ高くなるように第2の充電電力を制御することができる。具体的には、信号処理回路は、二つのトリガー時点の時間差が第1の閾値時間以上第2の閾値時間未満(例えば、2時間から4時間の間)であると判定すると、第1の充電電力よりも第1のプリセット値だけ高くなるように第2の充電電力を制御する(例えば、第1のプリセット値を10アンペアに設定することができ、第1の充電銃の出力電流は25アンペアとし、第2の充電銃電流の出力電流は35アンペアとする)。ステップS36では、時間差が少なくとも第2の閾値時間ある場合、信号処理回路は、第1の充電電力よりも第2のプリセット値だけ高くなるように第2の充電電力を制御することができる。具体的には、信号処理回路が二つのトリガー時点の時間差が少なくとも第2の閾値時間ある(例えば、少なくとも4時間ある)と判定した場合、第1の充電電力よりも第2のプリセット値だけ高くなるように第2の充電電力を制御する(例えば、第2のプリセット値を30アンペアに設定することができ、第1の充電銃の出力電流を15アンペアとし、第2の充電銃電流の出力電流を45アンペアとする)。上記二つの充電銃が共に使用されている場合、チャージングパイルによって実行される電流調整によって、二つの充電銃の出力電流がそれぞれの規定電流を超えることはない。なお、表1に記載した電流値や各種時間パラメータなどの各種数値はあくまで一例であり、他の実施態様においては、実際の状況に応じて適切な上限電流(例えば80アンペア)を設定し、それに比例して上記第1プリセット値と第2プリセット値を調整してもよい。
【0016】
図2と共に図4を参照すると、図4は、図2に示した実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの別の詳細な動作フローチャートである。図4に示すように、ステップS1の後、信号処理回路によって実行されるステップS3は、ステップS31´:第2のトリガー時点より先の第1のトリガー時点の時間差を計算すること、ステップS32´:時間差が第1の閾値時間未満か否かを判定し、ステップS32´の判定結果がyesの場合、ステップS33´:第1の電源回路が出力する第1の充電電力と第2の電源回路が出力する第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御し、ステップS32´の判定結果がnoの場合、ステップS34´:時間差が第2の閾値時間未満か否かを判定することを実行すること、ステップS34´の判定結果がyesのとき、ステップS35´:時間差と第2の閾値時間の半分との差が別のプリセット誤差より小さいとき、第1の充電電力より第3のプリセット値高くなるように第2の充電電力を制御し、ステップS34´の判定結果がnoのとき、ステップS36:第1の充電電力より第4のプリセット値高くなるように第2の充電電力を制御することを含むことができる。なお、上記ステップは、第1のトリガー時点が第2のトリガー時点に先行する場合を例としているが、本実施形態は、第2のトリガー時点が第1のトリガー時点に先行する場合にも適用可能である。その場合、対応するステップS35´とS36´は、「第1の充電電力を第2の充電電力よりも高くなるように制御し...」に修正され、ここでは繰り返しの説明は省略される。また、ステップS32´とステップS34´の順序を入れ替えたり、同時に実行したりすることも可能であり、本開示において限定されるものではない。
【0017】
ステップS31´からS33´において、第1のトリガー時点と第2のトリガー時点との時間差が第1の閾値時間未満である場合、信号処理回路は、第1の電源回路と第2の電源回路を用いて、特に電源回路の充電通信回路を用いて、第1の充電銃が出力する第1の充電電力と第2の充電銃が出力する第2の充電電力との差が予め設定された誤差よりも小さくなるように制御することができる。具体的には、信号処理回路が、二つのトリガー時点の時間差が第1の閾値時間未満(例えば1時間未満)であると判定した場合、二つの充電銃の充電電力が基本的に同じ(例えば、第1および第2の充電銃の出力電流が30アンペア)になるようにバランス出力方式で二つの充電銃の充電電力を制御する。ステップS34´とステップS35´において、時間差と第2の閾値時間の半分との差が別のプリセット誤差よりも小さい場合、信号処理回路は、第1充電電力よりも第3プリセット値高くなるように第2充電電力を制御することができる。具体的には、信号処理回路が二つのトリガー時点の時間差と第2の閾値時間の半分との差(例えば4時間)が別のプリセット誤差よりも小さいと判定した場合、第1の充電電力よりも第3のプリセット値高くなるように第2の充電電力を制御する(例えば、第1の充電銃の出力電流を25アンペアとし、第2の充電銃電流の出力電流を35アンペアとする)。ステップS36´において、時間差が少なくとも第2の閾値時間ある場合、信号処理回路は、第1の充電電力よりも第4のプリセット値高くなるように第2の充電電力を制御することができる。具体的には、信号処理回路が二つのトリガー時点の時間差が少なくとも第2の閾値時間あると判定した場合、第1の充電電力よりも第4のプリセット値高くなるように第2の充電電力を制御する(例えば、第1の充電銃の出力電流を15アンペアとし、第2の充電銃電流の出力電流を45アンペアとする)。
【0018】
本開示の別の実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図である図5を参照されたい。図5に示すように、デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル100´も、図1に示すように、第1の充電銃1a、第1の電源回路2a、第2の充電銃1b、第2の電源回路2b、および信号処理回路3含み、第1の電源回路2aは、第1の充電通信回路21aを含み、第2の電源回路2bは、第2の充電通信回路21bを含む。第1の充電通信回路21aは、第1の充電銃1aと信号処理回路3と電気的に接続されている。第2の充電通信回路21bは、第2の充電銃1bと信号処理回路3に電気的に接続されている。本実施形態において、信号処理回路3は、第1の充電銃1aが第1の電気自動車に接続されている場合には、第1の充電通信回路21aを介して第1の電気自動車の第1の通信信号を取得して第1のトリガー時点を取得し、第1の仕様および第1の通信信号に応じて第1の電源回路2aを介して電力を出力するように第1の充電銃1aを制御すること、および第2の充電銃1bが第2の電気自動車に接続されている場合には、第2の充電通信回路21bを介して第2の電気自動車の第2の通信信号を取得して第2のトリガー時点を取得し、第2の仕様および第2の通信信号に従って第2の電源回路2bを介して電力を出力するように第2の充電銃1bを制御することを実行するように構成されている。
【0019】
本実施形態において、第1の充電通信回路21aと第2の充電通信回路21bは、いずれも信号処理回路3および対応する充電銃に信号接続される有線通信ユニットを有していてもよい。例えば、第1の充電通信回路21aと第2の充電通信回路21bは、制御パイロットを支援する回路であってもよい。信号処理回路3は、第1の充電通信回路21aおよび第2の充電通信回路21bを介して第1の充電銃1aおよび第2の充電銃1bに接続された電気自動車の通信信号をそれぞれ取得し、それに応じて第1の電源回路2aおよび第2の電源回路2bが充電するように制御することができる。本実施形態において、第1の電源回路2aは、第1のリレー22aと第1のスイッチ制御回路23aをさらに任意に含んでもよく、第2の電源回路2bは、第2のリレー22bと第2のスイッチ制御回路23bをさらに任意に含んでもよい。第1/第2のリレー22a/22bは、第1/第2の充電銃1a/1bに電力を供給するために、第1/第2の充電銃1a/1bにそれぞれ電気的に接続される。第1/第2のスイッチ制御回路23a/23bは、第1/第2のリレー22a/22bにそれぞれ電気的に接続されるとともに、信号処理回路3に接続され、信号処理回路3によって制御されて、第1/第2のリレー22a/22bをそれぞれ無効状態または有効状態に調整する、すなわち、第1/第2の充電銃1a/1bの「オン」または「オフ」を調整する。
【0020】
図5に示すように、本実施形態のデュアルスタンダードACスマートチャージングパイル100´は、第1の電流検出回路4aおよび第2の電流検出回路4bをさらに含む。第1の電流検出回路4aは、第1の電源回路2aと信号処理回路3に電気的に接続される。第2の電流検出回路4bは、第2の電源回路2bと信号処理回路3に電気的に接続される。一つの実施態様において、第1の電流検出回路4aと第2の電流検出回路4bは、第1のリレー22aおよび第2のリレー22bが出力する電流をそれぞれ測定することができ、あるいは、第1の充電銃1aおよび第2の充電銃1bの電流をそれぞれ測定することができる。第1の電流検出回路4aと第2の電流検出回路4bは、電流検出の機能を実現するための電流検出器を含んでもよい。第1のリレー22aと第2のリレー22bは、その動作原理によって、電磁リレー、誘導リレー、電子リレーなどに分類することができる。スイッチ制御回路は、リレーの種類に応じて異なる入力信号を用いてスイッチ制御を行うことができる。さらに、本実施形態の信号処理回路3は、第1/第2のスイッチ制御回路23a/23bおよび第1/第2の電源回路2a/2bの他の構成に接続され、充電電流のスイッチングを制御し、第1/第2の充電通信回路21a/21bを介して、電力、電流、時間、周波数、デューティサイクルなどの充電電流の各種パラメータを制御することができる。
【0021】
第1の電流検出回路4aは、第1の充電電力を検出し、その検出結果を信号処理回路3に送り返すように構成され、これにより、信号処理回路3は、第1の充電通信回路21aを介して第1の充電電力を調整する。第2の電流検出回路4bは、第2の充電電力を検出し、その検出結果を信号処理回路3に送り返すように構成され、これにより、信号処理回路3は、第2の充電通信回路21bを介して第2の充電電力を調整する。ここで、第1の充電電力と第2の充電電力との和は、最大充電電力よりも大きくない。なお、本実施形態における第1の電流検出回路4aおよび第2の電流検出回路4bは、任意である。
【0022】
本実施形態では、信号処理回路3は、図3および図4に示すフローチャートを実行することにより、トリガー時点に基づいて第1の電源回路2aと第2の電源回路2bをそれぞれ制御することができる。あるいは、電気自動車のバッテリ情報を判定基準に含めることもできる。例えば、電力が大きい電気自動車に対しては、対応する電源回路の出力電流を小さくし、電力が小さい電気自動車に対しては、対応する電源回路の出力電流を大きくすることができる。
【0023】
本開示のさらに別の実施形態によるデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの機能ブロック図である図6を参照されたい。図6に示すように、第1の充電銃1a、第1の電源回路2a、第2の充電銃1b、第2の電源回路2b、および信号処理回路3に加え、デュアルスタンダードACスマートチャージングパイル100´´は、通信ユニット5およびヒューマン-コンピュータインタラクションデバイス6をさらに含む。通信ユニット5は、有線または無線方式で信号処理回路3に接続され、ユーザ設定コマンドを受信するように構成される。信号処理回路3はさらに、ユーザ設定コマンドに従って、第1の電源回路2aと第2の電源回路2bの充電通信回路を介し、第1の充電銃1aと第2の充電銃1bの第1の充電電力および/または第2の充電電力の一方または両方を制御するように構成される。ヒューマン-コンピュータインタラクションデバイス6は、通信ユニット5に電気的に接続され、ヒューマン-コンピュータインタラクションデバイス6は、ユーザ設定コマンドを受信するためのグラフィカルユーザインタフェースを有する。
【0024】
本実施形態において、通信ユニット5は、信号処理回路3とヒューマン-コンピュータインタラクションデバイスに無線または有線で信号接続することができる。例えば、ヒューマン-コンピュータインタラクションデバイス6は、ユーザがユーザコマンドを選択するためのグラフィカルユーザインターフェースを表示するためのサーバーを備えたタッチスクリーンでもよく、この場合、信号処理回路3が情報を統合し、充電スキームを決定するために、ユーザコマンドを通信ユニット5に送信することができる。あるいは、ヒューマン-コンピュータインタラクションデバイス6をユーザの携帯電話とし、通信ユニット5を遠隔サーバーとすることもできる。
【0025】
本開示のさらに別の実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの動作フローチャートである図7を参照されたい。図7に示すように、本実施形態の信号処理回路は、上述したステップS1とステップS3を実行することに加えて、その間のステップS2:ユーザコマンドに従って二つの電源回路を制御することも実行する。さらに、ステップS2とステップS3の順序は入れ替えてもよく、同時に行ってもよく、本願では特に限定されない。
【0026】
詳細には、図7に示す実施形態に係るデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの詳細な動作フローチャートである図8を参照されたい。図8に示すように、ステップS1とステップS3との間で、信号処理回路は、ステップS21:2台の電気自動車に関連する二つのユーザ設定コマンドを取得すること、ステップS22:二つのユーザ設定コマンドを比較して優先順位情報を生成すること、ステップS23:優先順位情報に従って重み付け比率を生成すること、およびステップS24:重み付け比率に従って最大充電電力を割り当て、第1の充電電力と第2の充電電力を調整することを実行する。
【0027】
具体的には、本実施形態の信号処理回路3は、図6に示す通信ユニット5を介して、第1の電気自動車に関連付けられた第1のユーザ設定コマンド、および第2の電気自動車に関連付けられた第2のユーザ設定コマンドを取得することができる。そして、信号処理回路3は、二つのユーザ設定コマンドを比較して優先順位情報を生成し、優先順位情報に従って、第1の電気自動車に対応する第1の重み付け比率、および第2の電気自動車に対応する第2の重み付け比率を生成し、最大充電電力を割り当ててることで第1の充電電力と第2の充電電力を調整する。ここで、第1の充電電力と第2の充電電力との和は、最大充電電力よりも大きくない。
【0028】
ここで説明するデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルの様々な実施形態は、互いに組み合わせることができる。例えば、図5に示す実施形態のチャージングパイルは、図6に示す実施形態の通信ユニットおよびヒューマン-コンピュータインタラクションデバイスを含むことができる。様々な実施形態における充電を実行するための手順も、互いに組み合わせることができる。例えば、図3に示す実施形態のトリガー時点に従った制御フローを、図8に示す実施形態のユーザ設定コマンドに従った制御フローと組み合わせて、様々な状況における本願のチャージングパイルの要求を満たすことができる。
【0029】
以上の説明に鑑み、本開示のデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルは、異なる充電仕様の充電銃を備えることができ、異なる電気自動車によって同時に使用することができ、充電のトリガー時点に応じたスマートな電流配分を実施することができる。このように、固定電流スキームを採用したり、現場での電力使用状況に応じて、あるいは管理プラットフォームや個々のパイルの電力供給設定結果に応じて、スマートに出力を調整することができる。また、二つの駐車スペースで一つのチャージングパイルを共有し、仕様の異なる2台の車両に同時に対応することができ、全体的な建設コストを削減することができる。さらに、本願で開示されたデュアルスタンダードACスマートチャージングパイルは、様々な状況での応用要求を満たすために、ユーザ設定コマンドに基づくアルゴリズムを実行することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8