特開 2024-95954 円筒型バッテリ及び電子装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024095954

(43)【公開日】2024-07-11

(54)【発明の名称】円筒型バッテリ及び電子装置

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/559 20210101AFI20240704BHJP

   H01M 50/152 20210101ALI20240704BHJP

   H01M 50/184 20210101ALI20240704BHJP

【ＦＩ】

H01M50/559

H01M50/152

H01M50/184 D

【審査請求】有

【請求項の数】13

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2023136581

(22)【出願日】2023-08-24

(31)【優先権主張番号】202223550269.6

(32)【優先日】2022-12-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(71)【出願人】

【識別番号】507357232

【氏名又は名称】株式会社ＡＥＳＣジャパン

(74)【代理人】

【識別番号】100204490

【弁理士】

【氏名又は名称】三上 葉子

(72)【発明者】

【氏名】徐 永剛

【テーマコード（参考）】

5H011

5H043

【Ｆターム（参考）】

5H011AA13

5H011AA17

5H043AA04

5H043CA03

5H043JA01D

5H043JA02

(57)【要約】      （修正有）

【課題】電解質の漏洩を回避し、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることができる円筒型バッテリを提供する。
【解決手段】円筒型バッテリは、開口部を含むハウジング１と、セル本体及び前記セル本体の一端に位置する第１のタブを含むセル２と、前記第１のタブに電気的に接続され、突起部が設けられるカバー３と、前記カバーの縁を覆う封止部材４であって、前記突起部が突出する回避孔が設けられ、前記カバー上の前記突起部は前記封止部材の前記回避孔を通って前記ハウジングに直接接触することができる封止部材と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

開口部を含むハウジングと、
セル本体及び前記セル本体の一端に位置する第１のタブを含むセルと、
前記第１のタブに電気的に接続され、突起部が設けられるカバーと、
前記カバーの縁を覆う封止部材であって、前記突起部が突出する回避孔が設けられ、前記カバー上の前記突起部は前記封止部材の前記回避孔を通って前記ハウジングに直接接触することができる封止部材と、
を備える円筒型バッテリ。

【請求項2】

前記封止部材は、第１の包装部分と第２の包装部分とを備え、前記第１の包装部分は前記カバーの外面を覆い、前記第２の包装部分は前記カバーの内面を覆う、
請求項１に記載の円筒型バッテリ。

【請求項3】

複数の前記突起部は、前記カバーの外面に、前記カバーの周方向に沿って間隔をあけて配置され、
複数の前記回避孔は、前記封止部材の前記第１の包装部分に、前記封止部材の周方向に沿って間隔をあけて配置される、または、
複数の前記突起部は、前記カバーの内面に、前記カバーの周方向に沿って間隔をあけて配置され、
複数の前記回避孔は、前記封止部材の前記第２の包装部分に、前記封止部材の前記周方向に沿って間隔をあけて配置される、
請求項２に記載の円筒型バッテリ。

【請求項4】

前記封止部材には位置決め柱が設けられ、前記カバーには前記位置決め柱が貫通する位置決め孔が設けられる、
請求項２に記載の円筒型バッテリ。

【請求項5】

前記封止部材は、第３の包装部分をさらに備え、
前記第３の包装部分は、前記第１の包装部分と前記第２の包装部分とを接続するように構成される、
請求項４に記載の円筒型バッテリ。

【請求項6】

前記突起部は前記カバーの外周側に設けられ、前記回避孔は前記封止部材の前記第３の包装部分に設けられる、
請求項５に記載の円筒型バッテリ。

【請求項7】

複数の前記突起部は、前記カバーの前記外周側に、前記カバーの周方向に沿って間隔をあけて配置され、
複数の前記回避孔は、前記封止部材の前記第３の包装部分に、前記封止部材の周方向に沿って間隔をあけて配置される、
請求項６に記載の円筒型バッテリ。

【請求項8】

前記位置決め柱の一端は前記第１の包装部分に接続され、前記位置決め柱の他端は前記第２の包装部分から離隔されるか、
前記位置決め柱の一端は前記第２の包装部分に接続され、前記位置決め柱の他端は前記第１の包装部分から離隔される。
請求項５に記載の円筒型バッテリ。

【請求項9】

前記位置決め柱の一端は前記第１の包装部分に接続され、前記他端は前記第２の包装部分から離隔されるか、
前記位置決め柱の一端は前記第２の包装部分に接続され、前記他端は前記第１の包装部分から離隔される、
請求項６に記載の円筒型バッテリ。

【請求項10】

前記位置決め柱の一端は前記第１の包装部分に接続され、前記他端は前記第２の包装部分から離隔されるか、
前記位置決め柱の一端は前記第２の包装部分に接続され、前記他端は前記第１の包装部分から離隔される、
請求項７に記載の円筒型バッテリ。

【請求項11】

前記第１の包装部分と前記第２の包装部分とが間隔をあけて配置され、前記第１の包装部分と前記第２の包装部分との間の隙間が前記回避孔として機能し、
位置決め柱の両端は、それぞれ前記第１の包装部分と前記第２の包装部分に接続され、前記突起部の一方は前記カバーの外周側を取り囲み、前記突起部は前記回避孔を通過する、
請求項４に記載の円筒型バッテリ。

【請求項12】

前記突起部の厚さは、前記カバーの厚さよりも厚い、請求項９に記載の円筒型バッテリ。

【請求項13】

請求項１～１２のいずれかに記載の円筒型バッテリを備える電子装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は電池の技術分野に関し、特に円筒型バッテリ及び電子装置に関する。

【背景技術】

【0002】

円筒型バッテリは、高エネルギー密度、高い安全性、低コストを特徴としており、現在、新エネルギー動力電池分野における研究の重要なテーマとなっている。円筒型バッテリは、ハウジングと、セルと、極柱と、カバーと、を含む。ハウジングは、一端が開いた円筒型構造である。ハウジングは、端壁と、端壁を取り囲む周囲壁と、を含む。セルはハウジング内に設けられる。カバーは、ハウジングの開口端を封止する。セルの第１のタブは接続部品を介してハウジングに溶接され、極柱はハウジングの端壁に固定され、セルの第２のタブと電気的に接続される。

【0003】

従来技術において、円筒型バッテリのパッケージング工程は、次の通りである。セルをハウジングに装填した後、極柱から離れたハウジングの一端をピアシール（ｐｉｅｒ－ｓｅａｌｅｄ）し、タブとハウジングの間の電気的接続を実現するために、接続部品をハウジングの周囲壁に溶接して固定するというものである。接続部品ハウジングとの溶接がハウジング内で行われる場合、溶接プロセス中に発生する金属の削りくずがセル内に落下する可能性が非常に高く、セルの安全性に影響を及ぼす。接続部品とハウジングとの溶接がハウジング外で行われる場合、ハウジングと接続部品とが対応する位置は、一般に、ハウジングがピアシールされる位置に近いため、ピアシール処理後にハウジングの周囲壁が伸びて薄くなった場合、ハウジング外で貫通溶接を行うと、ハウジング周囲壁に亀裂が入り、電解質の漏洩が発生する可能性がある。

【0004】

以上のことから、これらの問題を解決する円筒型バッテリを提供することが急務となっている。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

本発明の目的は、電解質の漏洩を回避し、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることができる円筒型バッテリを提供することにある。

【0006】

本発明の別の目的は、上記円筒型バッテリを用いることにより、安定性及び安全性を向上させることができる電子装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記の目的を達成するために、次の技術的解決策が提供される。

【0008】

第１の態様において、開口部を含むハウジングと、セル本体及びセル本体の一端に位置する第１のタブを含むセルと、第１のタブに電気的に接続され、突起部が設けられるカバーと、カバーの縁を覆う封止部材であって、突起部が突出する回避孔が設けられ、カバー上の突起部は封止部材の回避孔を通ってハウジングに直接接触することができる封止部材と、を備える円筒型バッテリが提供される。

【0009】

円筒型バッテリの任意の解決策では、封止部材は第１の包装部分と第２の包装部分とを含み、第１の包装部分はカバーの外面を覆い、第２の包装部分はカバーの内面を覆う。

【0010】

円筒型バッテリの任意の解決策では、カバーの外面には、カバーの周方向に沿って複数の突起部が間隔をあけて配置され、封止部材の第１の包装部分には、封止部材の周方向に沿って間隔をあけて複数の回避孔が配置される。

【0011】

円筒型バッテリの任意の解決策では、カバーの内面には、カバーの周方向に沿って複数の突起部が間隔をあけて配置され、封止部材の第２の包装部分には、封止部材の周方向に沿って間隔をあけて複数の回避孔が配置される。

【0012】

円筒型バッテリの任意の解決策では、封止部材に位置決め柱が設けられ、カバー上には位置決め柱が貫通する位置決め孔が設けられる。

【0013】

円筒型バッテリの任意の解決策では、封止部材は第３の包装部分をさらに含み、第３の包装部分は第１の包装部分と第２の包装部分を接続するように構成される。

【0014】

円筒型バッテリの任意の解決策では、突起部はカバーの外周側に設けられ、回避孔は封止部材の第３の包装部分に設けられる。

【0015】

円筒型バッテリの任意の解決策では、カバーの外周側には、カバーの周方向に沿って複数の突起部が間隔をあけて配置され、封止部材の前記第３の包装部分には、前記封止部材の周方向に沿って間隔をあけて回避孔が複数配置される。

【0016】

円筒型バッテリの任意の解決策では、位置決め柱の一端は第１の包装部分に接続され、位置決め柱の他端は第２の包装部分から離隔される。

【0017】

円筒型バッテリの任意の解決策では、位置決め柱の一端は第２の包装部分に接続され、位置決め柱の他端は第１の包装部分から離隔される。

【0018】

円筒型バッテリの別の解決策では、第１の包装部分と第２の包装部分とが間隔をあけて配置され、第１の包装部分と第２の包装部分との間の隙間が回避孔として機能する。位置決め柱の両端は、それぞれ、第１の包装部分及び第２の包装部分に接続される。突起部の一方はカバーの外周側を取り囲み、突起部は回避孔を通過する。

【0019】

円筒型バッテリの任意の解決策では、突起部分の厚さはカバーの厚さよりも大きい。円筒型バッテリの任意の解決策では、円筒型バッテリは第１の接続部品をさらに含み、第１の接続部品は第１のタブとカバーを電気的に接続するように構成される。

【0020】

第２の態様において、上記円筒型バッテリを備える電子装置が提供される。

【発明の効果】

【0021】

従来技術と比較して、本発明の有利な効果は次のとおりである。

【0022】

本発明により提供される円筒型バッテリは、ハウジングと、セルと、カバー本体と、封止部材と、を備える。ハウジングは、端壁と、端壁を取り囲む周囲壁と、を含む。セルはセル本体と第１のタブとを含み、カバーは第１のタブに電気的に接続され、カバー上には突起部が設けられる。封止部材には、突起部が突出する回避孔が設けられる。カバー上の突起部は、封止部材の回避孔を通って周囲壁に直接接触することができ、これにより、カバーがハウジングの周囲壁に電気的接続されるよう確保することができる。このようにして、カバーとハウジングとを溶接することなく、カバーとハウジングとの間の電気的接続の安定性を確保することができる。また、円筒型バッテリの安定性及び安全性も向上し得る。さらに、封止部材は、カバーの周囲側を被覆し、カバーとハウジングの周囲壁との間の封止接続を実現し、電解質の漏洩を回避することができる。

【0023】

本発明により提供される電子装置は、上記の円筒型バッテリを用いることにより、電子装置の安定性及び安全性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0024】

本発明の実施形態における技術的態様をより明確に説明するために、本発明の実施形態の説明で使用する必要がある添付の図面を以下に簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎない。当業者は、実施形態の内容及び本発明のこれらの図面に従って、発明的努力なしに他の図面を取得することもできる。

【図1】本発明の実施形態に係る第１のタイプの円筒型バッテリの概略構造図である。

【図2】図１のＡ位置の拡大図である。

【図3】本発明の実施形態に係る第１のタイプの円筒型バッテリのカバー及び封止部材の分解概略図である。

【図4】本発明の実施形態に係る第２のタイプの円筒型バッテリの概略構造図である。

【図5】図４のＢ位置の拡大図である。

【図6】本発明の実施形態に係る第２のタイプの円筒型バッテリのカバー及び封止部材の分解概略図である。

【図7】本発明の実施形態に係る第３のタイプの円筒型バッテリの概略構造図である。

【図8】図７のＣ位置の拡大図である。

【図9】本発明の実施形態に係る第３のタイプの円筒型バッテリのカバー及び封止部材の分解概略図である。

【図10】本発明の実施形態に係る第４のタイプの円筒型バッテリの概略構造図である。

【図11】図１０のＤ位置の拡大図である。

【図12】本発明の実施形態に係る第４のタイプの円筒型バッテリのカバー及び封口部材の分解概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0025】

本発明によって解決される技術的課題、採用される技術的解決策、及び達成される技術的効果をより良く説明するために、以下では、本発明の技術的解決策を、添付の図面と併せて、具体的な実施方法を通じてさらに説明する。

【0026】

本発明の説明において、別途、明確に指定及び限定がない限り、「接続された」、「連結された」及び「固定された」という用語は、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体成形、又は、機械的又は電気的接続、直接的な接続又は仲介物を介した間接的な接続、又は２つのコンポーネントの内部通信、又は２つのコンポーネント間の相互作用関係などとして、広い意味で理解されるべきである。当業者は、特定の状況における本発明における上記の用語の特定の意味を理解することができる。

【0027】

本発明では、別途、明確に指定及び限定がない限り、第１の特徴が第２の特徴の「上」又は「下」にあることは、第１の特徴と第２の特徴との間の直接的な接触を示すことができ、また、第１及び第２の特徴が直接的には接触していないが、それらの間の他の特徴を介して、間接的に接触することを示すこともできる。さらに、第１の特徴が第２の特徴の「上方」、「の上」、及び「上」にあるとは、第１の特徴が第２の特徴の真上又は斜め上にあることを示すか、単に、第１の特徴が第２の特徴よりも高い階層にあることを示す。第１の特徴が第２の特徴の「下方」、「の下」、及び「下」にあるとは、第１の特徴が第２の特徴の真上又は斜め上にあることを示すか、単に、第１の特徴が第２の特徴よりも低い階層にあることを示す。

【0028】

本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」という用語の向き又は位置関係は、添付の図面に示される向き又は位置関係に基づいて解釈されるものであり、専ら説明の利便性と操作の簡素化のために用いられるものである。参照されている装置又は要素が特定の向きを有し特定の向きで構成され、動作する必要があることを示したり暗示したりするものではない。したがって、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。また、「第１」「第２」という用語は、説明上の区別のために使用するものであり、特別な意味はない。

【0029】

図１は、本発明に係る第１のタイプの円筒型バッテリの断面図を示す。図２は、図１のＡ位置の拡大図を示す。図１及び図２に示されるように、円筒型バッテリは、ハウジング１と、セル２と、カバー３と、封止部材４と、第１の接続部品５と、第２の接続部品６と、極柱７と、を備える。ハウジング１は、開口部を含み、具体的には、ハウジング１は、端壁１１と周囲壁１２とを備え、周囲壁１２の一端は端壁１１に接続され、周囲壁１２の他端は上記開口部を形成している。極柱７は端壁１１を貫通し、ハウジング１に絶縁接続されている。セル２はハウジング１内に配置され、カバー３は、周囲壁１２の端壁１１から離れた一端に封止部材４に適合して固定されている。セル２は、セル本体と、第１のタブと、第２タブとを含む。第１のタブは、ハウジング１の端壁１１から離れたセル本体の一端に位置し、第２のタブは、ハウジング１の端壁１１に近いセル本体の一端に位置する。第１のタブは、第１の接続部品５を介してカバー３に電気的に接続され、第２タブは、第２の接続部品６を介して極柱７に電気的に接続されている。ハウジング１とカバー３のパッケージング工程は次の通りであって良い。ハウジング１の周囲壁１２の端壁１１から離れた一端をピアシールして、本体部１２１とピアシール部１２２を形成し、次に、カバー３の外周側を封止部材４で覆ってカバーアセンブリを形成し、カバーアセンブリはピアシール部１２２上に設置され、最後にハウジング１の周囲壁１２を内側に折り曲げてカバー３に固定してパッケージ部１２３を形成し、これにより、ハウジング１のパッケージングが完了する。

【0030】

さらに、図２に示されるように、第１の接続部品５は、互いに接続された第１の接続部５１と第２の接続部５２とを備えている。第１の接続部５１は第１のタブに電気的に接続され、第２の接続部５２はカバー３に電気的に接続される。任意に、第１の接続部５１の形状は円盤状であり、第２の接続部５２の一端は、周囲壁１２に近い第１の接続部５１の周縁領域に溶接され、第２の接続部５２の一端は、第１の接続部５１の中心まで延び、カバー３に溶接される。もちろん、他の実施形態においては、第１の接続部品５を一体的に形成し、第１の接続部５１に打ち抜き加工することもできる。

【0031】

図３は、本発明に係る第１のタイプの円筒型バッテリのカバーアセンブリの分解概略図である。図２と合わせて図３に示されるように、カバー３には突起部３０が設けられ、封止部材４には突起部３０が突出する回避孔４０が設けられる。カバー３上の突起部３０は、封止部材４の回避孔４０を通って伸びて、周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触することができる。カバーアセンブリの形成により、一方では、カバー３の外周側が封止部材４を介して被覆され、これにより、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の封止接続が実現され、電解質の漏洩が防止される。一方では、カバー３と第１のタブとは電気的に接続され、カバー３の突起部３０が封止部材４の回避孔４０を通過して周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触し、これにより、カバー３がハウジング１の周囲壁１２に確実に電気的に接続されることを確保する。このようにして、カバー３とハウジング１とを溶接することなく、カバー３とハウジング１との電気的接続の安定性を確保することができる。また、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることができる。

【0032】

図２と合わせて図３に示されるように、封止部材４は、第１の包装部分４１と、第２の包装部分４２と、第３の包装部分４３と、を含む。第１の包装部分４１は、カバー３の外面３０１を覆い、第２の包装部分４２はカバー３の内面３０２を覆い、第３の包装部分４３は、第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とを接続するように構成されている。例示的に、封止部材４の断面はＣ字状に形成されている。カバー３を組み立てる際には、カバー３の周縁部を封止部材４で覆った後、カバーアセンブリをハウジング１のピアシール部１２２に設置する。これにより、カバー３の組立効率を向上させることができる。同時に、封止部材４がカバー３の端部を覆うため、ハウジング１をパッケージングする際に、封止体４がカバー３から剥がれにくくなり、これにより、ハウジング１のカバー３とパッケージ部１２３との気密効果が確保され、電解質の漏洩を回避し、円筒型バッテリの安定性と安全性を向上させることができる。

【0033】

さらに、図３に示されるように、カバー３の外周側には突起部３０が設けられ、封止部材４の第３の包装部分４３には回避孔４０が設けられる。カバー３の外周側には、カバー３の周方向に沿って、突起部３０が間隔をあけて４つ配置されている。封止部材４の第３の包装部分４３には、封止部材４の周方向に沿って間隔をあけて回避孔４０が４つ配置されている。封止部材４がカバー３の端部を覆うと、突起部３０が回避孔４０を通って突出可能となる。また、突起部３０と回避孔４０との協働により、封止部材４の位置決めが可能となり、これにより、カバー３をパッケージングする際の押圧力による封止部材４の変形やずれを回避し、封止部材４の気密効果を確保して電解質の漏洩を回避することができる。もちろん、他の実施形態において、突起部３０及び回避孔４０の数は上記の例に限定されず、突起部３０及び回避孔４０の数は必要に応じて自由に設定することができ、これに関する詳細はここでは省略する。なお、突起部３０の数が多いほど、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との電気的接続が安定する。ただし、回避孔４０の数が多くなると、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の気密性が低下しやすくなるので、突起部３０及び回避孔４０の数は３～２０個であることが好ましい。

【0034】

さらに、図３に示されるように、カバー３にはピアシンニング溝３２が設けられている。ピアシンニング溝３２は環状であり、ピアシンニング溝３２の中心はカバー３の中心と一致している。ピアシンニング溝３２の設定について、第１の態様では、ピアシンニング溝３２は、この位置でのカバー３の構造強度を低下させるため、ピアシンニング溝３２に防爆弁構造を形成することができる。円筒型バッテリに熱的不均衡が生じると、バッテリの爆発を防止するために、ピアシンニング溝３２が壊れて高温ガスを放出する。第２に、ピアシンニング溝３２により、カバー３の軽量化、材料の節約、材料費の削減が可能となり、円筒型バッテリの軽量設計が実現できる。カバー３にはパンチング部３３が設けられ、パンチング部３３は環状であり、パンチング部３３の中心はカバー３の中心と一致し、パンチング部３３はカバー３の外面３０１に向けて突出している。パンチング部３３を設けることにより、カバー３全体の構造強度が向上し、カバー３が力によって変形することを防止できる。カバー３は、例えば、鋼板を打ち抜き加工することにより形成される。

【0035】

図４は、本発明に係る第２のタイプの円筒型バッテリの断面図を示す。図５は、図４の位置Ｂの拡大図を示す。図４と合わせて図５に示されるように、円筒型バッテリは、ハウジング１と、セル２と、カバー３と、封止部材４と、第１の接続部品５と、第２の接続部品６と、極柱７と、を含む。ハウジング１は開口部を有する。具体的には、ハウジング１は、端壁１１と周囲壁１２とを備え、周囲壁１２の一端は端壁１１に接続され、周囲壁１２の他端は上記開口部を形成している。極柱７は端壁１１を貫通し、ハウジング１に絶縁接続されている。セル２はハウジング１内に配置され、カバー３は、周囲壁１２の端壁１１から離れた一端に封止部材４に適合して固定されている。セル２は、セル本体と、第１のタブと、第２タブとを含む。第１のタブは、ハウジング１の端壁１１から離れたセル本体の一端に位置し、第２のタブは、ハウジング１の端壁１１に近いセル本体の一端に位置する。ハウジング１の端壁１１から離れたセル本体の一端に位置し、第２のタブは、ハウジング１の端壁１１に近いセル本体の一端に位置する。第１のタブは、第１の接続部品５を介してカバー３に電気的に接続され、第２タブは、第２の接続部品６を介して極柱７に電気的に接続されている。ハウジング１とカバー３のパッケージング工程は次の通りであって良い。ハウジング１の周囲壁１２の端壁１１から離れた一端をピアシールして、本体部１２１とピアシール部１２２を形成し、次に、カバー３の外周側を封止部材４で覆って、ピアシール部１２２上にカバー３と封止部材４とのアセンブリ本体を設置し、最後にハウジング１の周囲壁１２を内側に折り曲げてカバー３に固定してパッケージ部１２３を形成し、これにより、ハウジング１のパッケージングが完了する。

【0036】

図６は、本発明に係る第２のタイプの円筒型バッテリのカバーアセンブリの分解概略図を示す。図５と合わせて図６に示されるように、カバー３には、突起部３０が設けられる。封止部材４には、突起部３０が突出する回避孔４０が設けられる。カバー３上の突起部３０は、封止部材４の回避孔４０を通って伸びて、周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触することができる。カバーアセンブリの形成により、一方では、カバー３の外周側が封止部材４を介して被覆され、これにより、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の封止接続が実現され、電解質の漏洩が防止される。一方では、カバー３と第１のタブとは電気的に接続され、カバー３の突起部３０が封止部材４の回避孔４０を通過して周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触し、これにより、カバー３がハウジング１の周囲壁１２に確実に電気的に接続されることを確保する。このようにして、カバー３とハウジング１とを溶接することなく、カバー３とハウジング１との電気的接続の安定性を確保することができる。また、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることもできる。

【0037】

カバー３にはピアシンニング溝３２が設けられている。ピアシンニング溝３２は環状であり、ピアシンニング溝３２の中心はカバー３の中心と一致している。ピアシンニング溝３２の設定について、第１の態様では、ピアシンニング溝３２は、この位置でのカバー３の構造強度を低下させるため、ピアシンニング溝３２に防爆弁構造を形成することができる。円筒型バッテリに熱的不均衡が生じると、バッテリの爆発を防止するために、ピアシンニング溝３２が壊れて高温ガスを放出する。第２に、ピアシンニング溝３２により、カバー３の軽量化、材料の節約、材料費の削減が可能となり、円筒型バッテリの軽量設計が実現できる。カバー３にはパンチング部３３が設けられ、パンチング部３３は環状であり、パンチング部３３の中心はカバー３の中心と一致し、パンチング部３３はカバー３の外面３０１に向けて突出している。パンチング部３３を設けることにより、カバー３全体の構造強度が向上し、カバー３が力によって変形することを防止できる。カバー３は、例えば、鋼板を打ち抜き加工することにより形成される。

【0038】

第２のタイプの円筒型バッテリと第１のタイプの円筒型バッテリの構造の類似点についてはここでは繰り返さない。両者の主な違いは、封止部材４とカバー３との協働が異なることである。詳細は以下の通りである。

【0039】

封止部材４は、第１の包装部分４１と、第２の包装部分４２と、第３の包装部分４３と、を含む。第１の包装部分４１は、カバー３の外面３０１を覆い、第２の包装部分４２は、カバー３の内面３０２を覆い、第３の包装部分４３は、第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とを接続するように構成されている。例示的に、封止部材４の断面はＣ字状に形成されている。突起部３０は、カバー３の外面３０１上に設けられ、回避孔４０は、封止部材４の第１の包装部分４１に設けられ、突起部３０は、回避孔４０を通過した後、周囲壁１２のパッケージ部１２３の内面に直接接触する。

【0040】

図６において、カバー３の外面３０１には、カバー３の周方向に沿って間隔をあけて突起部３０が４つ配置されている。封止部材４の第１の包装部分４１には、周方向に沿って間隔をあけて回避孔４０が４つ配置されている。封止部材４がカバー３の縁を覆うとき、突起部３０は回避孔４０から突出可能である。また、突起部３０と回避孔４０との協働により、封止部材４の位置決めが可能となり、これにより、カバー３をパッケージングする際の押圧力による封止部材４の変形やずれを回避し、封止部材４の気密効果を確保して電解質の漏洩を回避することができる。もちろん、他の実施形態において、突起部３０及び回避孔４０の数は上記の例に限定されず、突起部３０及び回避孔４０の数は必要に応じて自由に設定することができ、これに関する詳細はここでは省略する。なお、突起部３０の数が多いほど、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の電気的接続が安定する。ただし、回避孔４０の数が多くなると、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の気密性が低下しやすくなるので、突起部３０及び回避孔４０の数は３～２０個であることが好ましい。

【0041】

さらに、図６に示されるように、突起部３０は円筒型構造であり、回避孔４０は円形の貫通孔である。他の実施形態では、突起部３０は他の形状を有しても良く、ここでは限定されない。

【0042】

任意に、他の実施形態では、カバー３の内面３０２には、カバー３の周方向に沿って複数の突起部３０が間隔をあけて配置され、封止部材４の第２の包装部分４２には、封止部材４の方向に沿って複数の回避孔４０が間隔をあけて配置される。突起部３０及び回避孔４０の配置については、第２のタイプの円筒型バッテリの配置を参照することができ、ここでは詳細を繰り返さない。

【0043】

図７は、本発明に係る第３のタイプの円筒型バッテリの断面図である。図８は、図７のＣ位置の拡大図である。図７と合わせて図８に示されるように、円筒型バッテリは、ハウジング１と、セル２と、カバー３と、封止部材４と、第１の接続部品５と、第２の接続部品６と、極柱７と、を備える。ハウジング１は、開口部を含み、具体的には、ハウジング１は、端壁１１と周囲壁１２とを備え、周囲壁１２の一端は端壁１１に接続され、周囲壁１２の他端は上記開口部を形成している。極柱７は端壁１１を貫通し、ハウジング１に絶縁接続されている。セル２はハウジング１内に配置され、カバー３は、周囲壁１２の端壁１１から離れた一端に封止部材４に適合して固定されている。セル２は、セル本体と、第１のタブと、第２タブとを含む。第１のタブは、ハウジング１の端壁１１から離れたセル本体の一端に位置し、第２のタブは、ハウジング１の端壁１１に近いセル本体の一端に位置する。第１のタブは、第１の接続部品５を介してカバー３に電気的に接続され、第２タブは、第２の接続部品６を介して極柱７に電気的に接続されている。ハウジング１とカバー３のパッケージング工程は次の通りであって良い。ハウジング１の周囲壁１２の端壁１１から離れた一端をピアシールして、本体部１２１とピアシール部１２２を形成し、次に、カバー３の外周側を封止部材４で覆って、ピアシール部１２２上にカバー３と封止部材４とのアセンブリ本体を設置し、最後にハウジング１の周囲壁１２を内側に折り曲げてカバー３に固定してパッケージ部１２３を形成し、これにより、ハウジング１のパッケージングが完了する。

【0044】

図９は、本発明に係る第３のタイプの円筒型バッテリのカバーアセンブリの分解概略図である。図８と合わせて図９に示されるように、カバー３には突起部３０が設けられ、封止部材４には突起部３０が突出する回避孔４０が設けられる。カバー３上の突起部３０は、封止部材４の回避孔４０を通って伸びて、周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触することができる。カバーアセンブリの形成により、一方では、カバー３の外周側が封止部材４を介して被覆され、これにより、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の封止接続が実現され、電解質の漏洩が防止される。一方では、カバー３と第１のタブとは電気的に接続され、カバー３の突起部３０が封止部材４の回避孔４０を通過してハウジング１の周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触し、これにより、カバー３がハウジング１の周囲壁１２に確実に電気的に接続されることを確保する。このようにして、カバー３とハウジング１とを溶接することなく、カバー３とハウジング１との電気的接続の安定性を確保することができる。また、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることができる。

【0045】

カバー３にはピアシンニング溝３２が設けられている。ピアシンニング溝３２は環状であり、ピアシンニング溝３２の中心はカバー３の中心と一致している。ピアシンニング溝３２の設定について、第１の態様では、ピアシンニング溝３２は、この位置でのカバー３の構造強度を低下させるため、ピアシンニング溝３２に防爆弁構造を形成することができる。円筒型バッテリに熱的不均衡が生じると、バッテリの爆発を防止するために、ピアシンニング溝３２が壊れて高温ガスを放出する。第２に、ピアシンニング溝３２により、カバー３の軽量化、材料の節約、材料費の削減が可能となり、円筒型バッテリの軽量設計が実現できる。カバー３にはパンチング部３３が設けられ、パンチング部３３は環状であり、パンチング部３３の中心はカバー３の中心と一致し、パンチング部３３はカバー３の外面３０１に向けて突出している。パンチング部３３を設けることにより、カバー３全体の構造強度が向上し、カバー３が力によって変形することを防止できる。カバー３は、例えば、鋼板を打ち抜き加工することにより形成される。

【0046】

第３のタイプの円筒型バッテリにおける突起部３０及び回避孔４０の配置は、第１のタイプの円筒型バッテリと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。両者の主な違いは、封止部材４とカバー３との協働方法が異なることである。詳細は以下の通りである。

【0047】

封止部材４は、順に接続された第１の包装部分４１と、第２の包装部分４２と、第３の包装部分４３と、を備えている。第１の包装部分４１は、カバー３の外面３０１を覆い、第２の包装部分４２は、カバー３の内面３０２を覆い、第３の包装部分４３は、第１の包装部分４１と第２の包装部分とを接続するように構成されている。例えば、封止部材４の断面はＣ字状に形成されている。カバー３には位置決め孔３１が設けられ、封止部材４には位置決め柱４４が設けられ、位置決め柱４４は位置決め孔３１を貫通してカバー３と封止部材４とをさらに位置決めする。

【0048】

例えば、図８及び図９に示されるように、位置決め柱４４の一端は第１の包装部分４１に接続されており、位置決め柱４４の他端は第２の包装部分４２に接続されている。このようにして、カバー３と封止部材４とを射出成形により一体的に形成してもよい。具体的には、カバー３は埋設部材として機能し、カバー３に射出成形金型を用いて封止部材４を一体成形することにより、カバー３と封止部材４との一体成形を実現し、これにより、カバーアセンブリの組立効率を向上させることができる。もちろん、他の実施形態では、位置決め柱４４の一端は第１の包装部分４１に接続され、位置決め柱４４の他端は第２の包装部分４２から離隔される。あるいは、位置決め柱４４の一端が第２の包装部分４２に接続され、位置決め柱４４の他端が第１の包装部分４１から離隔される。このようにして、カバー３と封止部材との一体化は、封止部材４をカバー３の端部に被覆し、位置決め柱４４をカバー３の位置決め孔３１に手動で挿入することによっても実現できる。

【0049】

図１０は、本発明に係る第４のタイプの円筒型バッテリの断面図を示す。図１１は、図１０のＤ位置の拡大図を示す。図１０と合わせて図１１に示されるように、円筒型バッテリは、ハウジング１と、セル２と、カバー３と、封止部材４と、第１の接続部品５と、第２の接続部品６と、極柱７と、を備える。ハウジング１は、開口部を含み、具体的には、ハウジング１は、端壁１１と周囲壁１２とを備え、周囲壁１２の一端は端壁１１に接続され、周囲壁１２の他端は上記開口部を形成している。極柱７は端壁１１を貫通し、ハウジング１に絶縁接続されている。セル２はハウジング１内に配置され、カバー３は、周囲壁１２の端壁１１から離れた一端に封止部材４に適合して固定されている。セル２は、セル本体と、第１のタブと、第２タブとを含む。第１のタブは、ハウジング１の端壁１１から離れたセル本体の一端に位置し、第２のタブは、ハウジング１の端壁１１に近いセル本体の一端に位置する。第１のタブは、第１の接続部品５を介してカバー３に電気的に接続され、第２タブは、第２の接続部品６を介して極柱７に電気的に接続されている。ハウジング１とカバー３のパッケージング工程は次の通りであって良い。ハウジング１の周囲壁１２の端壁１１から離れた一端をピアシールして、本体部１２１とピアシール部１２２を形成し、次に、カバー３の外周側を封止部材４で覆って、ピアシール部１２２上にカバー３と封止部材４とのアセンブリ本体を設置し、最後にハウジング１の周囲壁１２を内側に折り曲げてカバー３に固定してパッケージ部１２３を形成し、これにより、ハウジング１のパッケージングが完了する。

【0050】

図１２は、本発明に係る第４のタイプの円筒型バッテリのカバーアセンブリの分解概略図である。図１１と合わせて図１２に示されるように、カバー３には突起部３０が設けられ、封止部材４には突起部３０が突出する回避孔４０が設けられる。カバー３上の突起部３０は、封止部材４の回避孔４０を通って伸びて、周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触することができる。カバーアセンブリの形成により、一方では、カバー３の外周側が封止部材４を介して被覆され、これにより、カバー３とハウジング１の周囲壁１２との間の封止接続が実現され、電解質の漏洩が防止される。一方では、カバー３と第１のタブとは電気的に接続され、カバー３の突起部３０が封止部材４の回避孔４０を通過してハウジング １の周囲壁１２のパッケージ部１２３に直接接触し、これにより、カバー３がハウジング１の周囲壁１２に確実に電気的に接続されることを確保する。このようにして、カバー３とハウジング１とを溶接することなく、カバー３とハウジング１との電気的接続の安定性を確保することができる。また、円筒型バッテリの安定性及び安全性を向上させることができる。

【0051】

カバー３にはピアシンニング溝３２が設けられている。ピアシンニング溝３２は環状であり、ピアシンニング溝３２の中心はカバー３の中心と一致している。ピアシンニング溝３２の設定について、第１の態様では、ピアシンニング溝３２は、この位置でのカバー３の構造強度を低下させるため、ピアシンニング溝３２に防爆弁構造を形成することができる。円筒型バッテリに熱的不均衡が生じると、バッテリの爆発を防止するために、ピアシンニング溝３２が壊れて高温ガスを放出する。第２に、第２に、ピアシンニング溝３２により、カバー３の軽量化、材料の節約、材料費の削減が可能となり、円筒型バッテリの軽量設計が実現できる。カバー３にはパンチング部３３が設けられ、パンチング部３３は環状であり、パンチング部３３の中心はカバー３の中心と一致し、パンチング部３３はカバー３の外面３０１に向けて突出している。パンチング部３３を設けることにより、カバー３全体の構造強度が向上し、カバー３が力によって変形することを防止できる。カバー３は、例えば、鋼板を打ち抜き加工することにより形成される。

【0052】

第４のタイプの円筒型バッテリと第３のタイプの円筒型バッテリとの主な違いは、封止部材４及びカバー３の構造が異なることである。詳細は以下の通りである。

【0053】

封止部材４は、第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とを備え、第１の包装部分４１は、カバー３の外面３０１を覆い、第２の包装部分４２は、カバー３の内面３０２を覆う。第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とは互いに略平行である。封止部材４は、封止部材４の一体性を確保するために、第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とを接続するように構成された位置決め柱４４をさらに含む。カバー３と封止部材４は、射出成形により一体的に形成される。封止部材４がカバー３の端を覆うので、ハウジング１をパッケージングする際に、封止部材４がカバー３から剥がれにくくなり、これにより、カバー３とパッケージ部１２３との間の気密効果が確保され、電解質の漏洩を回避し、円筒型バッテリの安定性と安全性を向上させることができる。

【0054】

具体的には、この例では、突起部３０の数は１つであり、カバー３の外周側に１つの突起部３０が配置されている。第１の包装部分４１と第２の包装部分４２との間の隙間は、突起部３０が通過するための回避孔４０として機能とする。突起部３０のバッテリの高さ方向の厚さは、カバー３の厚さよりも厚く、これにより、突起部３０と包囲壁１２のパッケージ部１２３との接触面積が増大し、電気的接続の安定性が確保される。

【0055】

図１１と合わせて図１２に示されるように、突起部３０は、カバー３に対して垂直に配置されており、したがって、逆Ｔ字状をなしている。封止部材４の第１の包装部分４１と第２の包装部分４２とは、位置決め柱４４を介して接続固定されており、これにより、封止部材４全体の一体性が確保されている。

【0056】

第４のタイプの円筒型バッテリでは、封口部材４の気密効果は、主として封口部材４の第１の包装部分４１と第２の包装部分４２によって実現される。この例では、カバー３の突起部 ３０とハウジング１のパッケージ部１２３との距離が最も大きく、接触効果が最も安定し、これにより、カバー３とハウジング１との間の電気的接続の安定性が効果的に向上する。

【0057】

本発明はさらに、上記円筒型バッテリを備える電子装置を提供する。円筒型バッテリを使用することにより、電子装置のエネルギー密度が高く、性能が安定し、ユーザ体験を向上させることができる。

【0058】

任意に、電子装置は、新エネルギー自動車の動力バッテリ、新エネルギー貯蔵装置、電子製品などであってもよいが、ここでは詳細に説明しない。

【0059】

本発明の説明において、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などのいくつかの表現は、本発明の一実施形態又は実施例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料又は特性が少なくとも含まれることを意味することに留意されたい。本発明において、上記用語の概略的表現は、必ずしも同一の実施形態又は実施例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料又は特性は、任意の１つ又は複数の実施形態又は実施例において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。

【0060】

以上は、本発明の好ましい実施形態及び本発明に適用される技術原理にすぎない。当業者は、本発明がここに記載された特定の実施形態に限定されず、本発明の保護範囲から逸脱することなく、様々な明白な変更、再調整、及び置換が当業者によってなされ得ることを理解するであろう。したがって、本発明は、上記の実施形態を通じて詳細に説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく、より多くの他の均等な実施形態を含むことができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。

【産業上の利用可能性】

【0061】

本発明の円筒型バッテリ及び電子装置は、バッテリの技術分野に応用することができる。

【符号の説明】

【0062】

１： ハウジング
１１： 端壁
１２： 周囲壁
１２１： 本体部
１２２： ピアシール部
１２３： パッケージ部
２： セル
３： カバー
３０： 突起部
３１： 位置決め孔
３２： ピアシンニング溝
３３： パンチング部
３０１： 外面
３０２： 内面
４： 封止部材
４０： 回避孔
４１： 第１の包装部分
４２： 第２の包装部分
４３： 第３の包装部分
４４： 位置決め柱
５： 第１の接続部品
５１： 第１の接続部
５２： 第２の接続部
６： 第２の接続部品
７： 極柱

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【外国語明細書】