(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095974
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】埋込部品パッケージング基板及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240704BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H01L23/12 501B
H05K3/46 L
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187394
(22)【出願日】2023-11-01
(31)【優先権主張番号】202211716959.6
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シャンミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】イェジ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンシア ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウエンジャン リン
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA03
5E316AA12
5E316AA22
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD03
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE41
5E316FF07
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】埋込部品パッケージング基板及びその作製方法を提供する。
【解決手段】埋込部品パッケージング基板は、第1絶縁層123と前記第1絶縁層123の上面に位置する第1回路層131とを含む回路基板100と、前記第1回路層100を覆うコア層134であって、予め設けられた開口部を含むコア層134と、前記予め設けられた開口部の中に埋め込まれる部品133と、前記コア層134を覆い且つ前記コア層134と前記部品133との間のギャップを充填するパッケージング層135と、前記パッケージング層135に位置する外回路層141とを含み、前記外回路層141は、前記パッケージング層135の第1ビアピラー138を貫通することによって前記部品133の端子に接続され、且つ、前記コア層134及び前記パッケージング層135の第2ビアピラー139を貫通することによって前記第1回路層131に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込部品パッケージング基板であって、
第1絶縁層と前記第1絶縁層の上面に位置する第1回路層とを含む回路基板と、
前記第1回路層を覆うコア層であって、予め設けられた開口部を含むコア層と、
前記予め設けられた開口部の中に埋め込まれる部品と、
前記コア層を覆い且つ前記コア層と前記部品との間のギャップを充填するパッケージング層と、
前記パッケージング層に位置する外回路層とを含み、
前記外回路層は、前記パッケージング層の第1ビアピラーを貫通することによって前記部品の端子に接続され且つ前記コア層及び前記パッケージング層の第2ビアピラーを貫通することによって前記第1回路層に接続されることを特徴とする埋込部品パッケージング基板。
【請求項2】
自体の粘性で前記部品を仮固定する前記第1回路層上のコア粘着性媒体層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項3】
前記コア層は、ガラス繊維樹脂材料又は金属材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項4】
前記パッケージング層は、ガラス繊維のない樹脂材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項5】
前記ガラス繊維のない樹脂材料は、液晶高分子ポリマー、BT樹脂、プリプレグ、ABFフィルム、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂から一方又は複数選ばれることを特徴とする請求項4に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項6】
前記予め設けられた開口部は、第1開口部と、第2開口部とを含み、前記第1開口部の中に前記部品が埋め込まれ、前記第2開口部の中に前記第2ビアピラーが設けられることを特徴とする請求項1に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項7】
前記回路基板は、前記第1絶縁層の下面に位置する第2回路層と、前記第1回路層と前記第2回路層を導通及び接続させる第3ビアピラーとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の埋込部品パッケージング基板。
【請求項8】
埋込部品パッケージング基板の作製方法であって、
(a)回路基板を用意することであって、前記回路基板は、第1絶縁層と前記第1絶縁層の上面に位置する第1回路層とを含むことと、
(b)前記第1回路層にコア粘着性媒体層を形成させることと、
(c)部品の背面を前記コア粘着性媒体層に貼り合わせることと、
(d)前記コア粘着性媒体層にコア層を積層することであって、前記コア層は、前記部品を収容するために予め設けられた開口部を含むことと、
(e)前記部品をパッケージングするために、前記コア層にパッケージング層を積層することと、
(f)前記部品の端子に接続される第1ビアピラー及び前記第1回路層に接続される第2ビアピラーを形成させることと、
(g)前記パッケージング層に外回路層を形成させることであって、前記外回路層と前記部品の端子は前記第1ビアピラーによって導通及び接続され、前記外回路層と前記第1回路層は前記第2ビアピラーによって導通及び接続されることとを含むことを特徴とする作製方法。
【請求項9】
前記パッケージング層は、ガラス繊維のない樹脂材料を含み、且つ/又は、前記コア層は、ガラス繊維樹脂材料又は金属材料を含むことを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項10】
前記コア層の予め設けられた開口部は、第1開口部と、第2開口部とを含み、前記第1開口部は、前記部品を埋め込むために用いられ、前記第2開口部は、前記第2ビアピラーを形成させるために用いられることを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項11】
前記コア粘着性媒体層は、粘性を備える熱硬化性媒体又は感光性媒体を含むことを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項12】
ステップ(b)に記載のコア粘着性媒体層を形成させるプロセスは、印刷、圧着及びコーティングから選ばれることを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項13】
前記回路基板は、前記第1絶縁層の下面に位置する第2回路層と、前記第1回路層と前記第2回路層を導通及び接続させる第3ビアピラーとをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体パッケージングの技術分野に関し、特に、埋込部品パッケージング基板及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術が日増しに発展するのにつれて、電子製品の性能要件はますます高度化し、電子部品及び基板回路はますます複雑になる。また、電子製品のサイズは、ますます小型化、薄型化を求めるようになる。したがって、チップなどの電子部品パッケージング基板の高密度集積化、小型化、多機能化は必然的な趨勢となっている。電子製品の多機能、高性能、小型化を実現するために、どのようにしてチップなどの能動・受動素子を効率的に低コストで基板の内部に埋め込み、パッケージングするのかは、現在、半導体パッケージング業界の研究で重要な方向性となっている。
【0003】
従来の基板レベルのチップパッケージングファンアウト技術は、長方形のキャビティを備えるポリマーフレームを予め作製し、次に、チップを長方形のキャビティに埋め込み、パッケージングし、さらに、再配線層を作製してチップとポリマーフレームを接続させることを含む。複数層のチップ埋込パッケージング基板の場合は、前記パッケージングに加え、両面においてビルドアップ作製を行う。このような技術的解決手段を用いる場合は、キャビティを備えるポリマーフレームを予め作製する必要があるため、加工プロセスは長くなり、また、ポリマーフレームのキャビティでは犠牲銅ピラーを電気メッキした後、エッチングで犠牲銅ピラーを除去して、キャビティを形成させる必要があるため、原料コストの大きな無駄を招いてしまう。
【0004】
また、チップの埋込パッケージングプロセスは、加工プロセスの全体で前半に設けられおり、チップが薄く、割れやすいため、後の長い加工プロセスで、廃棄チップの割合は高く、また、加工プロセスにおける基板の廃棄はチップの無駄をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本開示の目的は、埋込部品パッケージング基板及びその作製方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的から、第1態様として、本開示は、
第1絶縁層と前記第1絶縁層の上面に位置する第1回路層とを含む回路基板と、
前記第1回路層を覆うコア層であって、予め設けられた開口部を含むコア層と、
前記予め設けられた開口部の中に埋め込まれる部品と、
前記コア層を覆い且つ前記コア層と前記部品との間のギャップを充填するパッケージング層と、
前記パッケージング層に位置する外回路層とを含む、埋込部品パッケージング基板を提供し、
前記外回路層は、前記パッケージング層の第1ビアピラーを貫通することによって前記部品の端子に接続され且つ前記コア層及び前記パッケージング層の第2ビアピラーを貫通することによって前記第1回路層に接続される。
【0007】
第2態様として、本開示は、埋込部品パッケージング基板の作製方法を提供し、前記作製方法は、
(a)回路基板を用意することであって、前記回路基板は、第1絶縁層と前記第1絶縁層の上面に位置する第1回路層とを含むことと、
(b)前記第1回路層にコア粘着性媒体層を形成させることと、
(c)部品の背面を前記コア粘着性媒体層に貼り合わせることと、
(d)前記コア粘着性媒体層にコア層を積層することであって、前記コア層は、前記部品を収容するために予め設けられた開口部を含むことと、
(e)前記部品をパッケージングするために、前記コア層にパッケージング層を積層することと、
(f)前記部品の端子に接続される第1ビアピラー及び前記第1回路層に接続される第2ビアピラーを形成させることと、
(g)前記パッケージング層に外回路層を形成させることであって、前記外回路層と前記部品の端子は前記第1ビアピラーによって導通及び接続され、前記外回路層と前記第1回路層は前記第2ビアピラーによって導通及び接続されることとを含む。
【発明の効果】
【0008】
上記の説明から分かるように、本開示によって提供される埋込部品パッケージング基板及びその作製方法は、最初に回路基板を作製し、続いて、予め設けられた開口部を備えるコア層によって部品を収容し、さらに、パッケージング層を利用して前記部品を埋め込んでパッケージングし、最後に外回路層を形成させることであり、チップなどの部品は回路基板の製造を完了した後に埋め込んでパッケージングするため、回路基板の廃棄による部品の無駄を防ぐことができ、また、コア層の予め設けられた開口部は形成しやすく犠牲銅ピラーが不要でるため、原料コストは効果的に削減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本開示又は関連技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の説明で使用する図面を簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に説明される図面は、本開示の実施例に過ぎず、当業者は、新規性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の構造模式図である。
【
図2】
図2は、本開示の別の実施例の埋込部品パッケージング基板の構造模式図である。
【
図3(a)】
図3(a)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(b)】
図3(b)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(c)】
図3(c)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(d)】
図3(d)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(e)】
図3(e)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(f)】
図3(f)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(g)】
図3(g)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(h)】
図3(h)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(i)】
図3(i)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるよう、特定の実施例を用い、図面を参照して、本開示をより詳細に説明する。
【0011】
なお、特に定義がない限り、本開示の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解している一般的な意味を有する。本開示の実施例で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、順番、数量又は重要度を一切表さず、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」又はこれに類似する用語は、当該用語より先に現れる素子又は物体が、当該用語の後ろに列挙される素子又は物体及びその同等なものをカバーし、ただし他の素子又は物体は除外しないことを意味する。「接続」又はこれに類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接なのか間接なのかを問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係だけを表すために使用され、説明対象の絶対的な位置が変わると、当該相対的な位置関係はこれに応じて変わる可能性がある。
【0012】
図1及び
図2が参照されるとおり、本開示の実施例によって提供される埋込部品パッケージング基板の構造模式図が示される。具体的には、前記埋込部品パッケージング基板は、第1絶縁層123と第1絶縁層の上面に位置する第1回路層131とを含む回路基板100と、第1絶縁層123及び第1回路層131に位置するコア層134,134’であって、予め設けられた開口部を含むコア層134,134’と、予め設けられた開口部の中に埋め込まれる部品133と、コア層134,134’及び部品133を覆うパッケージング層135と、パッケージング層135に設けられる外回路層141とを含み、外回路層141は、パッケージング層135の第1ビアピラー138を貫通することによって部品133の端子に接続され、且つコア層134,134’及びパッケージング層135の第2ビアピラー139を貫通することによって第1回路層131に接続される。
【0013】
一部の実施例では、回路基板100は、複数層の回路基板であってもよく、例えば、2層、3層又は4層などである。
図1及び
図2に示されるとおり、回路基板100は、厚さ方向に沿って積層される第1絶縁層123及び第2絶縁層113を含んでもよい。第1絶縁層123は、第1絶縁層123の上面に位置する第1回路層131と、第1絶縁層123の下面に位置する第2回路層121とを含み、第1回路層131と第2回路層121は、第1絶縁層123を貫通する第3ビアピラー122によって導通及び接続される。第2絶縁層113は、第2絶縁層113の下面に位置する第3回路層111を含み、第3回路層111は、第2絶縁層113を貫通する第4ビアピラー112によって第2回路層121と導通及び接続されてもよい。
【0014】
第1絶縁層123の材料は、樹脂材料を含んでもよく、例えば、液晶高分子ポリマー、BT(bismaleimide triazine(ビスマレイミドトリアジン))樹脂、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up(味の素ビルドアップ))フィルム、エポキシ樹脂(expoxy)及びポリイミド(polyimide)樹脂からなる群から選ばれる1つであり、本開示はこれについて限定しない。第2絶縁層113と第1絶縁層123は、同じ素材の樹脂材料であってもよいし異なってもよく、本開示はこれについて限定しない。
【0015】
当業者は、回路基板100に含まれる絶縁層の層数は2層に限らず、3層、4層などであってもよいということを理解できるだろう。
【0016】
本実施形態において言及される回路基板は、コアレス基板を含んでもよいし、コア付き基板を含んでもよく、実際のニーズに応じて選ぶことができる。
【0017】
一部の実施例では、埋込部品パッケージング基板は、第1回路層131に設けられる、コア層134と第1絶縁層123との間に位置するコア粘着性媒体層132をさらに含む。コア粘着性媒体層132の材料は、一般には、常温又は加熱条件で粘性を備える媒体材料であり、部品の仮固定のために用いることができ、例えば、チップである。任意に、コア粘着性媒体層132は、熱硬化性媒体材料又は感光性媒体材料である。
【0018】
部品133は、能動素子(例えば、トランジスタ、IC部品、論理回路素子、電力増幅器)又は受動素子(コンデンサ、インダクタ、抵抗器)又はそれらの組み合わせであってもよい。部品133の数量は、1つだけに限定されない。
【0019】
埋込パッケージング材料及びビルドアップ媒体材料として、一般に、ガラス繊維のない樹脂材料を用いるが、その熱膨張率(Coefficient of Thermal Expansion、略称CTE)は大きいため、後の加工で反りを制御しにくい。
【0020】
これに鑑みて、一部の実施例では、コア層134としてガラス繊維樹脂材料を選ぶことができる。ガラス繊維樹脂材料は、高い強度を備えるため、基板の反りの軽減のために役立つ。
【0021】
また、樹脂材料の熱伝導率は小さく、計算量の大きいチップに求める高放熱を満たすことができない。したがって、一部の実施例では、コア層134として金属材料を選ぶことができ、例えば、銅板である。金属材料は、高い放熱性能を備えるため、チップの放熱要件をよく満たすことができる。
【0022】
任意に、パッケージング層135は、ガラス繊維のない樹脂材料を含む。ガラス繊維のない樹脂材料は、良い充填特性を備えるため、部品133に対してよくパッケージングすることができる。さらに、当該ガラス繊維のない樹脂材料は、液晶高分子ポリマー、BT樹脂、プリプレグ、ABFフィルム、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれる一方又は複数であってもよい。
【0023】
一部の実施例では、
図2及び
図3(h)が参照されるとおり、コア層134’が例えば、金属材料である場合は、予め設けられた開口部は、第1開口部1342と、第2開口部1341とを含んでもよく、第1開口部1342の中に部品133が埋め込まれ、第2開口部1341の中に第2ビアピラー139が収容される。第2開口部を設けるのは、第2ビアピラー139の形成の難しさを軽減させるために役立ち、プロセスはよりシンプルで実施しやすい。
【0024】
さらに、パッケージング層135は、コア層134’と部品133、及び第2ビアピラー139との間のギャップを充填する。
【0025】
任意に、コア層134,134’の高さは、部品133の高さより大きく又は等しい。
【0026】
図3(a)~
図3(i)は、本開示の一実施例の埋込部品パッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【0027】
前記製造方法は、以下のステップを含む。
図3(a)に示されるとおり、回路基板100を作製する-ステップa。回路基板100は、第1絶縁層123と、第1絶縁層123の上面に位置する第1回路層131とを含む。回路基板100の他の層の構造は、上述したとおりであり、説明は省略する。
【0028】
本実施形態において言及される回路基板としては、代わりにプリント回路基板を用いてもよく、ニーズに応じて選ぶことができ、後のプロセスでは、回路基板だけを示して説明しているが、当該作製方法は回路基板だけに適するようには限定しない。回路基板に含まれる絶縁層の層数は2層に限らず、後のプロセスでは、2層の絶縁層を含む回路基板だけを示して説明する。
【0029】
任意に、tenting(テンティング法)プロセス、MSAPプロセス又はSAPプロセスにより回路基板を作製することができ、Coreless(コアレス)技術又は通常のCCLビルドアップ技術を用いて複数層の絶縁層を作製することができ、層間導通の方式として、銅ピラーでの導通、レーザーによる穴あけでの導通又は機械による穴あけでの導通などが挙げられ、具体的に限定しない。
【0030】
続いて、
図3(b)に示されるとおり、第1絶縁層123及び第1回路層131にコア粘着性媒体層132を形成させる-ステップb。
【0031】
一般に、コア粘着性媒体層132は、常温で又は加熱されると粘性を備え、部品を接着させて固定することができる。任意に、コア粘着性媒体層は、熱硬化性媒体材料又は感光性媒体材料である。
【0032】
一部の実施では、コア粘着性媒体層132を形成させるプロセスは、印刷、圧着、コーティングから選ばれる。例示的に、液状樹脂のスピンコート又は/及び塗布の方式でコア粘着性媒体層132を形成させてもよいし、ドライフィルム型でコンフォーマルコーティング機能を備える媒体材料を圧着する方式でコア粘着性媒体層132を形成させてもよい。
【0033】
任意に、コア粘着性媒体層132の厚さは、10~40μmであり、例えば、10μm、15μm、30μm、40μmである。
【0034】
次に、
図3(c)に示されるとおり、部品133の背面をコア粘着性媒体層132に貼り合わせる-ステップc。具体的には、チップマウンターで部品133を第1絶縁層123の表面のコア粘着性媒体層132に貼り合わせてもよく、貼り合わせる時はコア粘着性媒体層132の粘性の大きさによって加熱するかどうかを選ぶことができ、例えば、粘性が低い場合は部品133を加熱するか又は加熱機能を備えるチップマウンターを用いて回路基板を加熱してから部品133を貼り合わせてもよい。
【0035】
続いて、
図3(d)に示されるとおり、コア粘着性媒体層にコア層134及びパッケージング層135を積み重ね、コア層134は、部品133を収容するために予め設けられた開口部を含む-ステップd。
【0036】
任意に、コア層134は、ガラス繊維樹脂材料を含んでもよい。任意に、予め設けられた開口部は、プレス加工又は穴あけ-フライス加工プロセスによって作製される。犠牲銅ピラーを利用してキャビティを作製する従来技術と比べて、原料の無駄を効果的に減らし、加工の期間を短縮させ、加工コストを削減することができる。
【0037】
任意に、パッケージング層は、ガラス繊維のない樹脂材料を含む。例示的に、ガラス繊維のない樹脂材料は、液晶高分子ポリマー、BT樹脂、プリプレグ、ABFフィルム、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂から一方又は複数選ばれる。
【0038】
代替的な一実施形態では、
図3(h)に示されるとおり、コア層134’は、金属材料であってもよく、例えば、銅板である。予め設けられた開口部は、第1開口部1342と、第2開口部1341とを含み、第1開口部1342は、部品133を埋め込むために用いられ、第2開口部1341は、第2ビアピラーを収容するために用いられる。
【0039】
次に、
図3(e)に示されるとおり、部品をパッケージングするためにパッケージング層135を圧着し、硬化する-ステップe。パッケージング層135の材料は、コア層134’と部品133との間のギャップを充填して部品133の埋め込み及びパッケージングを実現する。任意に、コア層134’が金属材料である場合は、硬化結果は
図3(i)に示されるとおりである。パッケージング層135の材料は、第2開口部1341も充填する。
【0040】
続いて、
図3(f)に示されるとおり、パッケージング層135内に、部品133の端子を露出させる第1導通ブラインドビア136を形成させ、パッケージング層135、コア層134,134’及びコア粘着性媒体層132内に、第1回路層131を露出させる第2導通ブラインドビア137を形成させる-ステップf。任意に、レーザーによる穴あけプロセスにより第1導通ブラインドビア136及び第2導通ブラインドビア137を形成させる。
【0041】
次に、
図3(g)に示されるとおり、第1導通ブラインドビア136内に第1ビアピラー138を形成させ、第2導通ブラインドビア137内に第2ビアピラー139を形成させ、パッケージング層135の上面に外回路層141を形成させ、外回路層141と端子は第1ビアピラー138によって接続され、外回路層141と第1回路層131は第2ビアピラー139によって接続される-ステップg。
【0042】
このような技術的解決手段を用いると、外回路層141を作製する前に部品を埋め込み、部品のパッケージング後のプロセスを減らすために役立ち、部品廃棄のリスクを低減させることができ、また基板の廃棄による部品の無駄も低減される。
【0043】
一部の実施例では、ステップ(g)は、第1導通ブラインドビア136、第2導通ブラインドビア137の底部と側壁、及びパッケージング層135の上面に第1金属シード層を形成させることと、第1導通ブラインドビア136に電気メッキを施して第1ビアピラー138を形成させ、第2導通ブラインドビア137に電気メッキを施して第2ビアピラー139を形成させ、パッケージング層135の上面に電気メッキを施して第2銅層を形成させることと、第2銅層に第1フォトレジスト層を付与し、第1フォトレジスト層の露光及び現像により第1特徴パターンを形成させることと、第1特徴パターンにおいて、露出している第2銅層をエッチングして外回路層141を形成させることと、第1フォトレジスト層を取り除くこととを含む。
【0044】
一部の代替可能な実施例では、ステップ(g)は、第1導通ブラインドビア136、第2導通ブラインドビア137の底部と側壁、及びパッケージング層135の上面に第1金属シード層を形成させることと、第1金属シード層に第2フォトレジスト層を付与し、第2フォトレジスト層の露光及び現像により第2特徴パターンを形成させることと、第1導通ブラインドビア136に電気メッキを施して第1ビアピラー138を形成させ、第2導通ブラインドビア137に電気メッキを施して第2ビアピラー139を形成させ、パッケージング層135の上面に電気メッキを施して外回路層141を形成させることと、第2フォトレジスト層を取り除くことと、露出している第1金属シード層をエッチングすることとを含む。
【0045】
本開示の実施例は、特許請求の範囲の広い範囲に入るそのような差し替え、補正及び変形の全てを含もうとする。したがって、本開示の実施例の趣旨と原則において、いずれの省略、補正、同等な差し替え、改善などを行う場合は、そのいずれも本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
100 回路基板、111 第3回路層、112 第4ビアピラー、113 第2絶縁層、121 第2回路層、122 第3ビアピラー、123 第1絶縁層、131 第1回路層、132 コア粘着性媒体層、133 部品、134 コア層、134' コア層、135 パッケージング層、136 第1導通ブラインドビア、137 第2導通ブラインドビア、138 第1ビアピラー、139 第2ビアピラー、141 外回路層、1341 第2開口部、1342 第1開口部