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特開2024-95981ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステム
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  • 特開-ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステム 図1
  • 特開-ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステム 図2
  • 特開-ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095981
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステム
(51)【国際特許分類】
   C01B 25/37 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
C01B25/37 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192580
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】202211739294.0
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202310714688.9
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523222220
【氏名又は名称】シェンツェン・パーティアン・エコタイピック・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN BATIAN ECOTYPIC ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】30th, 31st Floor, United Headquarters Building, No.63, Xuefu Road, High-tech Park, Nanshan District, Shenzhen City, Guangdong Province, China (Postcode 518057)
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーミン・フアン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーリー・ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂィン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】グオヂュン・ヂァオ
(72)【発明者】
【氏名】ファーアン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンチン・フア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不純物の含有量が低く、収率が高く、反応速度が速いリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステムを提供する。
【解決手段】ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスを開示し、鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、保護剤を反応釜に加え、得られた混合液を90~100℃で予備反応させ、予備反応後、85~90℃でケトル型外部循環反応を行うステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、保護剤を反応釜に加え、得られた混合液を90~100℃で予備反応させ、予備反応後、85~90℃でケトル型外部循環反応を行うステップを含む、ことを特徴とするケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項2】
前記予備反応時間は1.5~2hである、請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項3】
前記循環反応時間は2~3hである、請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項4】
前記反応釜に循環ラインが設けられ、前記循環ラインに循環ポンプが設けられ、循環ポンプにより混合液反応釜を循環管道に搬送し、混合液を循環管道から反応釜に搬送して循環を構成し、ケトル型外部循環反応を行う、請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項5】
前記循環ラインの一端は反応釜の底部に接続され、前記循環ラインの他端は反応釜の頂部に接続され、循環ポンプによって、反応釜内の混合液を反応釜の底部から流出させ、材料液を反応釜の頂部から反応釜内の循環過程に供給する、請求項4に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項6】
前記反応釜内の攪拌パドルの攪拌速度は800~900r/minであり、前記循環ポンプの材料液輸送速度は50m/hである、請求項4に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項7】
前記反応釜内の攪拌パドルは混合方向攪拌パドルである、請求項6に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項8】
前記反応釜は、傾斜した底部を有する反応釜である、請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項9】
前記保護剤は過酸化水素である、請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスを実行するためのコントローラを含む、ことを特徴とするケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸第二鉄の技術分野に関し、特にケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
リン酸第二鉄は、一段階法と二段階法で調製される。一段階法は、リン酸第二鉄の沈殿と型変換を同じ反応で行うもので、すなわち、まず黄色のリン酸第二鉄の沈殿物を生成し、その後90℃以上の高温でピング白色のリン酸第二鉄に変換する。二段階法は、主に最初の反応で生成した黄色のリン酸第二鉄の沈殿物を濾過した後別の反応に移し、一定濃度の希リン酸を加え、その後90℃以上の高温でピング白色のリン酸第二鉄に変換する。二段階法で生成したリン酸第二鉄の不純物含有量が低く、特に硫黄含有量は数十ppmまで低減できるが、低い反応効率が必要であるため、工業生産には適していない。
【0003】
一段階法は、反応過程が簡単であるが、得られたリン酸第二鉄の純度が低いという欠点がある。
【0004】
このため、ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステムを提供する。
【発明の概要】
【0005】
先行技術の欠点を克服するために、本発明は、ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスおよびそのシステムを提供する。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を採用している。
【0007】
ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスは、
鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、保護剤を反応釜に加え、得られた混合液を90~100℃で予備反応させ、予備反応後、85~90℃でケトル型外部循環反応を行うステップを含む。
【0008】
さらに、前記予備反応時間は1.5~2hである。
【0009】
さらに、前記循環反応時間は2~3hである。
【0010】
さらに、前記反応釜の供給口は供給分配器を備え、この供給分配器を介して、供給における材料の接触範囲を拡大し、反応がより完全になるようにする。
【0011】
さらに、前記反応釜に循環ラインが設けられ、前記循環ラインに循環ポンプが設けられ、循環ポンプにより混合液反応釜を循環管道に搬送し、混合液を循環管道から反応釜に搬送して循環を構成し、ケトル型外部循環反応を行う。
【0012】
さらに、前記循環ラインの一端は反応釜の底部に接続され、前記循環ラインの他端は反応釜の頂部に接続され、循環ポンプによって、反応釜内の混合液を反応釜の底部から流出させ、材料液を反応釜の頂部から反応釜内の循環過程に供給する。
【0013】
さらに、前記釜外循環ポンプはセラミック分散ポンプであり、このラミック分散ポンプは一定の分散効果があり、材料を分散させることができ、釜の中に、反応速度を向上させる。
【0014】
さらに、前記反応釜は鋼裏打ちPE材質を採用し、内側に二重の加熱コイルが取り付けられ、上下の温度計と組み合わせて、材料の温度を均一に制御することができ、反応条件は一定であり、外側に冷却コイルが取り付けられ、反応終了時の材料の熱交換に使用され、生産効率を向上させることができる。
【0015】
さらに、前記反応釜内の攪拌パドルの攪拌速度は800~900r/minであり、前記循環ポンプの材料液輸送速度は50m/hである。
【0016】
さらに、前記反応釜内の攪拌パドルは混合方向攪拌パドルである。
【0017】
さらに、前記反応釜は、傾斜した底部を有する反応釜である。
【0018】
さらに、前記保護剤は過酸化水素である。
【0019】
本出願では、反応釜内にフローバッフルが設けられ、混合方向攪拌パドルが攪拌すると、反応液が攪拌状態でフローバッフルに衝突して逆流を形成し、逆流する反応液とフローバッフルに衝突する反応液は乱流を形成し、反応液中の各原料の混合や接触状況が早くなり、反応を促進することができる。
【0020】
また、予備反応後、一部のリン酸第二鉄が沈殿し、反応釜の傾斜底部に堆積し、反応釜の底部に設けられた排出口(循環原料出口の対向面の底部に設けられ)から一部のリン酸第二鉄を排出し、攪拌の進行を促進することができる。
【0021】
循環反応時、循環ポンプにより反応釜の底部および上層の材料液の混合を促進し、まだ接触し反応していない原料を十分に接触させ、反応の進行を促進することができる。
【0022】
ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製システムは、上記に記載のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスを実行するためのコントローラを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明は以下の有益な効果を有する。
本出願のプロセスは、反応速度が速く、調製によってリン酸第二鉄を得、リン酸第二鉄の収率が高く、リン酸第二鉄中の不純物の含有量が低い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、図面および実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1】本発明の循環プロセスに関与する反応釜と循環ラインを示す模式図である。
図2】本発明の循環プロセスに関与する反応釜を示す模式図である。
図3】本発明の循環プロセスに関与する反応釜の釜内構造を示す模式図。
【符号の説明】
【0025】
1 反応釜
2 循環ライン
3 循環ポンプ
11 攪拌パドル
12 スポイラー
13 循環材出口
14 循環材入口
15 ジャケット
111 上部分枝パドル
112 中部分枝パドル
113 下部分枝パドル
【発明を実施するための形態】
【0026】
当業者の理解を容易にするために、以下、実施例を参照して本発明をさらに説明するが、実施形態で言及された内容は本発明を限定するものではない。
【0027】
本明細書で使用される「および/または」の用語は、1つまたは複数の関連例示のすべての組み合わせを含む。ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的でのみ使用され、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数形「一」、「一つ」、「一種」および「この」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含む。さらに、本明細書で「含む」を使用する場合、特定の特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または組成を含むが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、組成および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除しないことを理解されたい。
【0028】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、特に明確に定義しない限り、一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連分野の文脈における意味と一致する方法で解釈され、理想化または過度にフォーマルな意味ではないことを理解されたい。
【0029】
ここで説明される例示的な発明は、1つまたは複数の要素限定を適切に欠くことも可能であり、ここで特に限定されない。したがって、「包含」、「含む」、「含有」などの用語は、広範囲かつ無制限に理解されるものとする。さらに、本明細書で使用される用語表現は説明の目的で、制限するものではなく、等価特性を含まないこれらの用語表現は特定の意図なく、それらの部分特性を説明するために使用され、特許請求の範囲によると、本発明の範囲内で様々な修正を加えることが可能である。したがって、本発明は好ましい実施例および任意の特徴を具体的に開示したが、本発明の変形を具現化するために本明細書に開示された修正は、当業者によって記録されることができ、そのような修正および変形は、本発明の範囲内にあると見なされるであろう。
【0030】
本発明の実施例および比較例で使用される原料または試薬は、いずれも市場の主流メーカーから購入され、メーカーが示されていない場合、または濃度が示されていない場合、分析的に純粋なグレードで日常的に入手可能であり、意図した目的を果たすならば、特に制限されるものではない。本実施例で使用される反応釜や循環ポンプなどの装置はいずれも市場の主流メーカーから購入され、意図した目的を果たすならば、特に制限されるものではない。本実施例において、特定の技術や条件が示されていない場合、当該分野の文献や製品仕様書に記載されている技術や条件に従うものとする。
【0031】
本出願では、反応釜1の構造は具体的に、反応釜は、傾斜した底部を有する反応釜1である。傾斜は10~30度であり、生成したリン酸第二鉄の取出および排出を容易にし、反応釜の容積は10~100立方メートルであり、頂部に投入口、観察窓およびモータ位置が対応して設けられ、反応釜内に混合方向攪拌パドル11が設けられ、混合方向攪拌パドル11に上、中、下の3つの異なる方向の分枝パドルが設けられ、上部分枝パドル111は35~45度の角度で下向きに分布し、中部分枝パドル112は15~20度の角度で上向きに分布し、下部分枝パドル113は、15~20度の角度で上向きに分布している。反応釜内にスポイラー12がさらに設けられ、スポイラー12は具体的に反応釜の内壁に設けられた台形状のブロックであり、厚さは実際のニーズに応じて設定され得、一般的に、攪拌パドルのメインロッド厚さと同じであり、スポイラーの底部が攪拌パドルの底部に平行であり、スポイラーの頂部が攪拌パドルの上部分枝パドルよりも高い。
【0032】
反応釜の底部に循環材出口13が設けられ、循環材出口13は循環ライン2に接続され、循環ライン2に循環ポンプ3が設けられ、反応釜の頂部に循環材入口14が設けられ、循環材入口14は循環ライン2に接続され、反応釜1内の材料液は循環ポンプ3の輸送下で循環ライン2を介して循環される。
【0033】
反応釜の外部にジャケットやコイルが設けられ、蒸気を通すことで反応釜を加熱するか、または氷水や冷水などを通すことで反応釜を冷却することができる。
【0034】
本出願では、反応釜内の関する用意過程は、鉄塩溶液:硫酸第一鉄を鉄プールで水に溶かし、ポンプによって沈殿槽に送って沈殿させ、濾過して硫酸第一鉄濾液を得、硫酸第一鉄濾液を一定濃度の鉄塩溶液に調製する。
【0035】
本出願では、鉄塩溶液の投入量は750kgであり、鉄塩溶液中の硫酸第一鉄七水和物の重量含有率は21.7%であり、モノアンモニウムリン酸溶液の投入量は445kgであり、モノアンモニウムリン酸溶液中のモノアンモニウムリン酸の重量含有率は19.6%であり、アンモニア水の投入量は49kgであり、濃度は20%であり、過酸化水素の投入量は60kgである。
【0036】
実施例1
ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスは、以下のステップを含む。
鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、アンモニア水、過酸化水素を反応釜に加え、得られた混合液を90℃で予備反応させ、反応時間を1.5hとし、予備反応後、85℃でケトル型外部循環反応を行い、反応時間を2hとする。
混合方向攪拌パドルの攪拌速度は800r/minであり、前記循環ポンプの材料液輸送速度は50m/hである。
【0037】
実施例2
鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、アンモニア水、過酸化水素を反応釜に加え、得られた混合液を90℃で予備反応させ、反応時間を2hとし、予備反応後、90℃でケトル型外部循環反応を行い、反応時間を3hとする。
混合方向攪拌パドルの攪拌速度は900r/minであり、前記循環ポンプの材料液輸送速度は50m/hである。反応釜の容積は80mである。
【0038】
実施例3
鉄塩溶液、モノアンモニウムリン酸溶液、アンモニア水、過酸化水素を反応釜に加え、得られた混合液を95℃で予備反応させ、反応時間を1.8hとし、予備反応後、88℃でケトル型外部循環反応を行い、反応時間を2.5hとする。
混合方向攪拌パドルの攪拌速度は850r/minであり、前記循環ポンプの材料液輸送速度は50m/hである。反応釜の容積は80mである。
【0039】
比較例1
この比較例では、循環反応は行わず(すなわち、反応釜の外部に循環ラインと循環ポンプが設けられない)、混合液を90℃で予備反応させ、反応時間を1.5hとし、予備反応後、85℃で反応させ、反応時間を2hとする。その他の条件は実施例1と同じである。
【0040】
比較例2
この比較例では、循環反応は行わず(すなわち、反応釜の外部に循環ラインと循環ポンプが設けられない)、混合方向攪拌パドルの攪拌速度を850r/minとする。その他の条件は実施例1と同じである。
【0041】
比較例3
この比較例では、循環反応は行わず(すなわち、反応釜の外部に循環ラインと循環ポンプが設けられない)、混合方向攪拌パドルの攪拌速度を1200r/minとする。その他の条件は実施例1と同じである。
【0042】
上記実施例1~3および比較例1~3について、反応後、反応材料液を後処理し:反応終了後、反応材料液を複数回濾過して洗浄し、濾過残渣をスラリー槽に送って純水を加え高速に分散洗浄し、再度プレス濾過してリン酸第二鉄濾過ケーキを得:リン酸第二鉄濾過ケーキを洗浄して合格した後、濾過ケーキをフラッシュドライヤーに送ってリン酸鉄二水和物を得、乾燥前の含水量は約45%であり、乾燥後の含水量は1%であり、フラッシュ乾燥後のリン酸鉄二水和物をロータリーキルンで焼成して無水リン酸第二鉄を得る。
【0043】
実施例1および比較例1~3で調製したリン酸第二鉄の物理的指標および化学組成を検出し、結果を以下の表1にまとめる。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から分かるように、実施例1および比較例1で得られたリン酸第二鉄の質量を比較したところ、実施例1で得られたリン酸第二鉄重量は比較例1で得られたリン酸第二鉄の1.4倍であり、比較例1の反応後材料液を検出した結果、反応していない鉄塩溶液が多量にあり、実施例1と比較例1~3の不純物相の割合から分かるように、実施例1の不純物含有量全体が低く、対応する純度が向上しており、比較例1~3の粒子径よりも小さく、粒子が比較的均一に分布し、リン酸鉄リチウム電池の後期では、Li+拡散経路を短縮する。
【0046】
比較例1~3から分かるように、循環ポンプを有効にしない場合、攪拌速度が遅すぎて材料の反応が不完全であり、攪拌速度を対応して高めると振動密度をある程度改善できるが、比表面積がある程度減少し、気孔率も少なくなり、後期Li+モザイクと脱離速度に不利であり、本出願はこの差に着目して比較試験したところ、実施例1では釜外循環反応を追加して得られた粒子径は比較的均一でより良く、その高い振動密度を確保する同時に比表面積も考慮し、材料のエネルギー密度と電気化学的活性を向上させる。。
【0047】
ケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製システムは、上記のケトル型外部循環混合攪拌によるリン酸第二鉄の調製プロセスを実行するためのコントローラを含む。当業者にとっては、上記実施例方法中の全部または一部の流れは既存のコントローラ(コンピュータープログラム)指令に関連するハードウェアによって実施可能であることが理解され、前記のコンピュータープログラムは不揮発性コンピューター可読記憶媒体に格納され、このコンピュータープログラムが実行されると、上記各方法の実施例の流れを構成し得る。ここで、本出願が提供する各実施例で使用されるメモリ、ストレージ、データベースまたは他の媒体の任意の導入は、いずれも不揮発性および/または揮発性メモリを含む場合がある。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)またはフラッシュメモリなどを含み得る。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または外部キャッシュメモリを含み得る。例示で限定ではなく、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクロナスリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、メモリバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトメモリバスダイナミックRAM(DRDRAM)、およびメモリバスダイナミックRAM(RDRAM)などの様々な形態で利用できる。
【0048】
上記の実施例は本発明の好ましい実施形態であり、これに加えて、本発明は他の方法で実施することができ、本発明の概念から逸脱することなく明白な置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3