(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095982
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240704BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240704BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20240704BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240704BHJP
H10K 50/00 20230101ALN20240704BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349Z
G09F9/00 302
G09F9/00 324
G09F9/30 310
G09F9/30 365
H10K50/842 141
H10K50/842 426
H10K50/844
H10K59/131
H10K59/12
H10K59/10
H10K50/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195569
(22)【出願日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0191135
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンユン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC41
3K107CC43
3K107DD13
3K107DD14
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3K107EE50
3K107EE55
5C094AA31
5C094AA36
5C094AA38
5C094BA27
5C094DA06
5C094DA07
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5C094EA10
5C094EB05
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5C094HA08
5G435AA13
5G435AA14
5G435BB05
5G435EE04
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】プラスチック基板を使用せず透湿特性が改善された表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施例に係る表示装置は、複数のサブ画素を含む表示領域及び表示領域を囲む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つからなる第1基板、第1基板上に配置される無機層、無機層上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置され、末端が第1基板の内側に位置する第2基板、第2基板の上部の一部を覆うように配置されるシール部材、シール部材と離隔されて第2基板上に配置される接着層、及び接着層上に配置され、接着層により第2基板と接着されるバックカバーを含む。従って、シール部材と第2基板間の段差による気泡発生を遮断して無機層のクラック(crack)発生が低減され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ画素を含む表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つからなる第1基板と、
前記第1基板上の無機層と、
前記無機層上の平坦化層と、
前記平坦化層上に配置され、前記第1基板の末端が第2基板の末端を通って延びるように前記第1基板の末端から挿入された末端を含む第2基板と、
前記第2基板の一部を覆うシール部材と、
前記第2基板上に配置され、前記シール部材と離隔される接着層と、
前記接着層上に配置され、前記接着層により前記第2基板と接着されるバックカバーとを含む、表示装置。
【請求項2】
前記無機層の末端は、前記非表示領域で前記第1基板の末端から挿入される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記無機層は、複数の無機層を含み、
前記非表示領域で前記複数の無機層のうち少なくとも一つ以上の層上には、高電位電源配線、低電位電源配線及びゲート駆動部のうち少なくとも一つ以上配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記接着層の末端は、高電位電源配線、前記低電位電源配線及び前記ゲート駆動部のいずれか一つの末端を通って延び、前記無機層の末端から挿入される、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記接着層の末端は、前記無機層の末端と整列するように位置する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記接着層の末端は、前記無機層の末端を通って延び、前記シール部材まで延びない、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記平坦化層は、前記無機層の末端と重畳し、前記第1基板の前面に配置される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記接着層は、両面テープを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1基板の一端に配置される複数のフレキシブルフィルムをさらに含み、
前記接着層は、前記複数のフレキシブルフィルムが配置された領域を除く領域で前記シール部材と離隔される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数のフレキシブルフィルムを含む領域で、前記接着層は、前記シール部材上に配置される、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
表示領域及び前記表示領域を囲む非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板の表示領域及び非表示領域上の無機層と、
前記表示領域で前記無機層の一部の上に配置され、光を発光する複数のサブピクセルと、
前記複数のサブピクセル上に位置する第2基板、前記第2基板は、前記非表示領域で前記第1基板の末端が前記第2基板の末端を通って延びるように前記非表示領域の前記第2基板の末端から挿入された末端を含み、
前記非表示領域に位置するシール部材、前記シール部材の最上部が第2基板の最上面より高く配置されて前記非表示領域で第2基板の最上面のエッジを覆い、
前記第2基板上のバックカバーと、
前記第2基板と前記バックカバーとの間の接着層とを含み、
前記接着層の末端は、前記非表示領域で前記シール部材と離隔される、表示装置。
【請求項12】
前記第1基板は、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つを含む、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記非表示領域で前記無機層上の導電性要素をさらに含み、
前記接着層の末端は、前記導電性要素の末端を通って延び、前記無機層の末端から挿入される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記非表示領域で前記無機層上の導電性要素をさらに含み、
前記接着層の末端は、前記導電性要素の末端を通って延び、前記無機層の末端と整列される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記非表示領域で前記無機層上の導電性要素をさらに含み、
前記接着層の末端は、前記無機層の末端及び導電性要素の末端を通って延び、前記シール部材まで延びない、請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳細には、プラスチック基板を使用せず透湿特性が改善され、無機層のクラック(crack)発生を低減させて剛性が改善された表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのモニタやTV、携帯電話等に使用される表示装置には、自ら光を発光する有機発光表示装置(OLED:Organic Light Emitting Display)等と、別途の光源を要する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等がある。
【0003】
表示装置は、コンピュータのモニタ及びTVだけではなく、個人携帯機器までその適用範囲が多様になっており、広い表示面積を有しながらも減少した体積及び重さを有する表示装置についての研究が進行している。
【0004】
また、近年は、フレキシブル(flexible)素材であるプラスチック等のように柔軟性のある基板に表示素子、配線等を形成して、折り畳むか巻いても画像表示が可能に製造されるフレキシブル表示装置が次世代の表示装置として注目を集めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基板を使用せず透湿特性が改善された表示装置を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、外郭部での気泡発生を低減した表示装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、表示装置の外郭部で発生する無機層のクラックを減少させて剛性が向上した表示装置を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、表示装置の外郭部の剛性が向上した表示装置を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、透湿特性を向上させるためにプラスチック基板を使用せず、無機膜層のクラックを減少させる表示装置を提供することである。
【0010】
本発明の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述したような課題を解決するために、本発明の一実施例に係る表示装置は、複数のサブ画素を含む表示領域及び表示領域を囲む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つからなる第1基板、第1基板上に配置される無機層、無機層上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置され、末端が第1基板の内側に位置する第2基板、第2基板の上部の一部を覆うように配置されるシール部材、シール部材と離隔されて第2基板上に配置される接着層、及び接着層上に配置され、接着層により第2基板と接着されるバックカバーを含む。従って、表示装置の透湿特性が改善され、外郭部領域で無機層のクラック(crack)発生を低減させることができる。
【0012】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層を表示装置の基板として使用して透湿度を容易に制御し、フレキシビリティを向上させることができる。
【0014】
本発明は、表示パネルとバックカバーを接着させる接着層の配置位置を調節して外郭部で発生し得る気泡発生を低減することができる。
【0015】
本発明は、気泡発生を最小化して、外郭部で発生し得る無機層及び配線に発生し得るクラックを低減して、表示装置の信頼性を改善することができる。
【0016】
本発明は、表示パネルとバックカバーを接着させる接着層がシール部材と離隔されるように配置され、表示装置の無機層を完全に覆うように配置されて表示装置の剛性を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る効果は、以上において例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本発明内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例に係る表示装置の平面図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る表示装置の概略的な断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る表示装置のサブ画素の回路図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る表示装置の一つの画素に対する拡大平面図である。
【
図6a】
図1のVIa-VIa’に沿った断面図である。
【
図6b】
図1のVIb-VIb’に沿った断面図である。
【
図6c】
図1のVIc-VIc’に沿った断面図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る表示装置の平面図である。
【
図8a】
図7のVIIIa-VIIIa’に沿った断面図である。
【
図8b】
図7のVIIIb-VIIIb’に沿った断面図である。
【
図8c】
図7のVIIIc-VIIIc’に沿った断面図である。
【
図9】本発明のまた他の実施例に係る表示装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形状に構成され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0020】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、面積、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に制限されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0021】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0022】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0023】
素子または層が他の素子または層の「上(on)」と称されるものは、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。
【0024】
また、第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0025】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0026】
図面で示された各構成の面積及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本発明は、示された構成の面積及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0027】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施してもよい。
【0028】
以下においては、添付の図面を参照して、本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係る表示装置の平面図である。
図2は、本発明の一実施例に係る表示装置の概略的な断面図である。
図1においては、説明の便宜のために、表示装置100の多様な構成要素のうち表示パネル120、複数のフレキシブルフィルム140、複数の印刷回路基板150及びシール(seal)部材160だけを示している。表示装置100は、図面に示された構成要素以外に他の構成要素を含んでもよい。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、バックカバー110は、表示パネル120の一面に配置されて表示パネル120を支持する。バックカバー110は、平面上で表示パネル120の大きさより大きく形成され得、これによって外部から表示装置100の他の構成を保護することができる。
【0031】
バックカバー110は、剛性を有する物質で形成されるが、バックカバー110の少なくとも一部分は、表示パネル120と共にワインディングまたはアンワインディングされるためにフレキシビリティ(flexibility)を有し得る。例えば、バックカバー110は、SUS(Steel Use Stainless)またはインバー(Invar)等の金属材質またはプラスチック等の物質からなり得る。ただし、バックカバー110の物質は、熱変形量、曲率半径、剛性等の物性条件を満たすならば、設計によって多様に変更され得、これに制限されるものではない。本発明の一実施例においては、バックカバー110全体が一体になされたものと示したが、これに限定されず、表示装置100がローリング(rolling)されるかフォールディング(folding)されるとき、これに対応するように複数のバックカバーからなってもよい。
【0032】
図2を参照すると、バックカバー110は、複数の開口部111を含む。表示パネル120がワインディングまたはアンワインディングされるとき、バックカバー110の複数の開口部111は、表示パネル120に加えられる応力により変形され得る。具体的に、表示パネル120がワインディングまたはアンワインディングされるとき、バックカバー110は、複数の開口部111が収縮または膨張するにつれ変形され得る。そして、複数の開口部111が収縮または膨張することで、バックカバー110上に配置された表示パネル120のスリップ(Slip)現象が低減されながら表示パネル120に加えられる応力、即ち、ストレスを低減することができる。
【0033】
表示パネル120は、映像を表示するための発光素子を含む複数のサブ画素が配置される。このような表示パネル120は、ローラーにワインディングまたはアンワインディングされるためのフレキシブルな表示パネル120であってよい。
【0034】
表示パネル120は、表示領域AA及び非表示領域NAを含む。
【0035】
表示領域AAは、映像を表示する領域である。表示領域AAには、映像を表示するために、複数のサブ画素からなる画素部PPが配置され得る。例えば、画素部PPは、発光素子及び駆動回路を含む複数のサブ画素からなって映像を表示することができる。
【0036】
非表示領域NAは、映像が表示されない領域であり、表示領域AAに配置されたサブ画素を駆動するための多様な配線、駆動集積回路(IC)等が配置される領域である。例えば、非表示領域NAには、ゲートドライバIC、データドライバICのような多様な駆動IC等が配置され得る。
【0037】
図2を参照すると、表示パネル120は、第1基板121、無機層122、平坦化層123、バンク124、画素部PP、(第2)接着層125及び第2基板126を含む。
【0038】
第1基板121は、表示パネル120の他の構成要素を支持するための支持部材である。第1基板121は、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり得る。例えば、第1基板121は、インジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO:Indium Tin Zinc Oxide)等のような透明伝導性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)からなり得る。
【0039】
また、第1基板121は、インジウム(In)及びガリウム(Ga)からなる酸化物半導体物質、例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO:Indium Gallium Zinc Oxide)、インジウムガリウム酸化物(IGO:Indium Gallium Oxide)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO:Indium Tin Zinc Oxide)等の透明な酸化物半導体からなり得る。ただし、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体の物質種類は例示的なものであり、本明細書に記載されていない他の透明伝導性酸化物及び酸化物半導体物質で第1基板121を形成でき、これに制限されない。
【0040】
一方、第1基板121は、透明伝導性酸化物または酸化物半導体を既存のプラスチック基板に比べて非常に薄い厚さに蒸着して形成することができる。そこで、第1基板121は、非常に薄い厚さに形成されることでフレキシビリティ(flexibility)を有することができる。そして、フレキシビリティを有する第1基板121を含む表示装置100の場合、折り畳むか巻いても画像表示ができるフレキシブルな表示装置100に構成され得る。例えば、表示装置100がフォルダブル表示装置である場合、フォールディング軸を中心に第1基板121を折り畳むか広げることができる。他の例を挙げて、表示装置100がローラブル表示装置である場合、表示装置をローラーに巻いて保管できる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100は、フレキシビリティを有する第1基板121を使用してフォルダブル表示装置またはローラブル表示装置のようにフレキシブルな表示装置100に構成され得る。
【0041】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100は、透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成された第1基板121を使用して、LLO(Laser Lift Off)工程を遂行することができる。LLO工程は、表示装置100の製造過程で第1基板121の下の仮基板と第1基板121をレーザを使用して分離する工程を意味する。そこで、第1基板121は、より容易なLLO工程のための層であるという点で、機能性薄膜、機能性薄膜層、機能性基板等とも称され得る。
【0042】
第1基板121は、表示領域AA及び非表示領域NAを含む。
【0043】
表示領域AAは、映像を表示する領域である。表示領域AAには、映像を表示するために、複数のサブ画素からなる画素部PPが配置され得る。例えば、画素部PPは、発光素子及び駆動回路を含む複数のサブ画素からなって映像を表示することができる。
【0044】
非表示領域NAは、映像が表示されない領域であり、表示領域AAに配置されたサブ画素を駆動するための多様な配線、駆動IC等が配置される領域である。例えば、非表示領域NAには、ゲートドライバIC、データドライバICのような多様な駆動IC等が配置され得る。
【0045】
第1基板121の一端に複数のフレキシブルフィルム140が配置される。第1基板121の一端に複数のフレキシブルフィルム140が電気的に連結される。複数のフレキシブルフィルム140は、延性を有するベースフィルムに各種の部品が配置され、表示領域AAの複数のサブ画素に信号を供給するためのフィルムである。複数のフレキシブルフィルム140は、第1基板121の非表示領域NAに一端が配置され、データ電圧等を表示領域AAの複数のサブ画素に供給できる。一方、
図1においては、複数のフレキシブルフィルム140が4個であるものと示したが、複数のフレキシブルフィルム140の個数は、設計によって多様に変更され得、これに制限されるものではない。
【0046】
一方、複数のフレキシブルフィルム140には、ゲートドライバIC、データドライバICのような駆動ICが配置され得る。駆動ICは、映像を表示するためのデータとそれを処理するための駆動信号を処理する部品である。駆動ICは、実装される方式によってチップオングラス(COG:Chip On Glass)、チップオンフィルム(COF:Chip On Film)、テープキャリアパッケージ(TCP:Tape Carrier Package)等の方式で配置され得る。本明細書においては、説明の便宜のために、駆動ICが複数のフレキシブルフィルム140上に実装されたチップオンフィルム方式であるものと説明したが、これに制限されるものではない。
【0047】
印刷回路基板150は、複数のフレキシブルフィルム140と連結される。印刷回路基板150は、駆動ICに信号を供給する部品である。印刷回路基板150には、駆動信号、データ電圧等のような多様な駆動信号を駆動ICに供給するための各種の部品が配置され得る。一方、
図1においては、印刷回路基板150が2個であるものと示したが、印刷回路基板150の個数は、設計によって多様に変更され得、これに制限されない。
【0048】
図2を参照すると、第1基板121上に無機層122が配置される。無機層122は、後述する下部バッファ層122a、上部バッファ層122b、ゲート絶縁層122c及びパッシベーション層122dを含む複数の無機層であってよい。無機層122についての説明は、
図4乃至
図6cを参照して詳細に後述する。
【0049】
無機層122上に平坦化層123及びバンク124が配置される。特に、平坦化層123は、第1基板121の非表示領域NAで無機層122の上面と側面を囲むように配置され得る。平坦化層123及びバンク124についてのより詳細な説明は、
図4乃至
図6cを参照して詳細に後述する。
【0050】
無機層122上に画素部PPが配置される。画素部PPは、表示領域AAに対応するように配置され得る。画素部PPは、複数のサブ画素を含んで映像を表示する構成である。画素部PPの複数のサブ画素は、表示領域AAを構成する最小単位であり、複数のサブ画素それぞれには、発光素子及び駆動回路が配置され得る。例えば、複数のサブ画素それぞれの発光素子は、アノード、有機発光層及びカソードを含む有機発光素子やN型及びP型半導体層と発光層を含むLED等を含むことができるが、これに制限されるものではない。そして、複数のサブ画素を駆動するための駆動回路は、薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタのような駆動素子等を含むことができるが、これに制限されない。以下においては、説明の便宜のために、複数のサブ画素それぞれの発光素子が有機発光素子であるものと仮定して説明するが、これに制限されない。
【0051】
一方、表示装置100は、発光素子で発光された光が放出される方向によって、トップエミッション(top emission)またはボトムエミッション(bottom emission)方式で構成され得る。
【0052】
トップエミッション方式は、発光素子で発光された光が発光素子が配置された第1基板121の上部に発光される方式である。トップエミッション方式である場合、発光素子で発光された光を第1基板121の上部に、即ち、カソード側に進行させるために、アノードの下部に反射層が形成され得る。
【0053】
ボトムエミッション方式は、発光素子で発光された光が発光素子が配置された第1基板121の下部に発光される方式である。ボトムエミッション方式である場合、発光素子で発光された光を第1基板121の下部に進行させるために、アノードは、透明導電性物質のみからなり得、カソードが反射率の高い金属物質からなり得る。
【0054】
以下においては、説明の便宜のために、本発明の一実施例に係る表示装置100がボトムエミッション方式であるものと仮定して説明するが、これに制限されるものではない。
【0055】
画素部PPを覆うように(第2)接着層125が配置される。また、接着層125は、第1基板121と第2基板126を接着させる機能を果たし、画素部PPを密封して外部の湿気、酸素、衝撃等から画素部PPの発光素子を保護することができる。接着層125は、フェイスシール(Face Seal)方式で構成され得る。例えば、紫外線または熱硬化性シーラントを画素部PPの前面に形成して接着層125を形成することができる。ただし、接着層125の構造は、多様な方式及び物質で形成することができ、これに制限されない。
図2に示されたように、第2基板126の末端は、第1基板121の末端が第2基板126の末端を通って延びるように第1基板121の末端から挿入され得る。
【0056】
一方、接着層125上に高い弾性率を有し、耐腐食性の強い金属材質からなる第2基板126が配置される。例えば、第2基板126は、約200~900MPaの高い弾性率を有する物質からなり得、耐腐食性が強く、ホイル(foil)あるいは薄膜形態に加工が容易なアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)とニッケルの合金材質等の金属材質からなり得る。そこで、第2基板126を金属材質で形成することで超薄膜形態に第2基板126の構成が可能であり、外部の衝撃及びスクラッチに強い耐保護性が提供され得る。
【0057】
第1基板121の下に偏光板180が配置される。偏光板180は、選択的に光を透過させ、第1基板121に入射する外部光の反射を低減させることができる。具体的に、表示装置100は、半導体素子、配線、発光素子等に適用される多様な金属物質が第1基板121上に形成される。そこで、第1基板121側に入射した外光は、金属物質から反射し得、外光の反射によって表示装置100の視認性が低減され得る。このとき、外光の反射を防止する偏光板180を第1基板121の下に配置して、表示装置100の野外視認性を高めることができる。ただし、偏光板180は、表示装置100の構成例によって省略されてもよい。
【0058】
一方、図面に示されてはいないが、第1基板121の下で偏光板180と共にバリアフィルムが配置され得る。バリアフィルムは、第1基板121の外側の水分、酸素が第1基板121に浸透することを低減して、発光素子を含む画素部PPを保護することができる。ただし、バリアフィルムは、表示装置100の構成例によって省略されてもよく、これに制限されない。
【0059】
このように構成される表示パネル120の上部には、バックカバー110と第2基板126を接着するための(第1)接着層130が配置される。即ち、表示パネル120の第2基板126とバックカバー110との間に接着層130が配置される。接着層130は、表示領域AAの前面に配置され得、非表示領域NAに配置された接着層130の末端は、表示パネル120で複数のフレキシブルフィルム140が連結される領域を除く領域で無機層122の末端より表示領域AAに隣接するように配置され得る。そこで、第2基板126とシール部材160との段差による接着層130の気泡発生を遮断して気泡発生によるクラック(crack)発生もまた遮断することができる。このような段差は、シール部材160の最上面の高さが第2基板126の最上面の高さより高いため発生する。接着層130は、接着性を有する物質からなり、例えば、両面テープ(DS tape)であってよい。接着層130についてのより詳細な説明は、
図6a乃至
図6cを参照して詳細に後述する。
【0060】
表示パネル120の側面を囲むように配置されたシール部材160が配置される。シール部材160は、バンク124の上面で非表示領域NAの末端まで延びて位置し、画素部PPの側面を囲みながら第2基板126の上部側面の一部分まで配置され得る。そこで、シール部材160は、表示パネル120の側部を通した画素部PPへの透湿を低減することができる。
【0061】
シール部材160は、表示パネル120の側面を密封すると同時に表示パネル120の側面剛性が補完され得るように弾性を有する非伝導性物質からなり得る。また、シール部材160は、接着性を有する物質からなってもよい。また、シール部材160は、外部から水分及び酸素等を吸収して表示パネル120の側部を通した透湿を低減するように吸湿剤をさらに含むことができる。例えば、シール部材160は、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリウレタン(polyurethane)、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)系列の物質からなり得るが、これに限定されない。
【0062】
以下においては、画素部PPの複数のサブ画素についてのより詳細な説明のために
図3乃至
図6cを共に参照する。
【0063】
図3は、本発明の一実施例に係る表示装置のサブ画素の回路図である。
【0064】
図3を参照すると、複数のサブ画素SPの発光素子OLEDを駆動するための駆動回路は、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3及びストレージキャパシタSCを含む。そして、このような駆動回路を駆動させるために、第1基板121上にゲート配線GL、データ配線DL、高電位電源配線VDD、センシング配線SL及び基準配線RLを含む複数の配線が配置される。
【0065】
一つのサブ画素SPの駆動回路に含まれた第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2及び第3トランジスタTR3それぞれは、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む。
【0066】
そして、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2及び第3トランジスタTR3は、P型薄膜トランジスタまたはN型薄膜トランジスタであってよい。例えば、P型薄膜トランジスタは、ソース電極からドレイン電極に正孔(Hole)が流れるので、ソース電極からドレイン電極に電流が流れ得る。N型薄膜トランジスタは、ソース電極からドレイン電極に電子(Electron)が流れるので、ドレイン電極からソース電極に電流が流れ得る。以下においては、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2及び第3トランジスタTR3がドレイン電極からソース電極に電流が流れるN型薄膜トランジスタであるものと仮定して説明するが、これに制限されない。
【0067】
第1トランジスタTR1は、第1アクティブ層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む。第1ゲート電極は第1ノードN1に連結され、第1ソース電極は発光素子OLEDのアノードに連結され、第1ドレイン電極は高電位電源配線VDDに連結される。第1トランジスタTR1は、第1ノードN1の電圧が閾値電圧(Threshold voltage)より高い場合、ターンオン(Turn-on)され、第1ノードN1の電圧が閾値電圧より低い場合、ターンオフ(Turn-off)され得る。そして、第1トランジスタTR1がターンオンされた場合、第1トランジスタTR1を通して発光素子OLEDに駆動電流が伝達され得る。そこで、発光素子OLEDに伝達される駆動電流を制御する第1トランジスタTR1は、駆動トランジスタとも称され得る。
【0068】
第2トランジスタTR2は、第2アクティブ層、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含む。第2ゲート電極はゲート配線GLに連結され、第2ソース電極は第1ノードN1に連結され、第2ドレイン電極はデータ配線DLに連結される。第2トランジスタTR2は、ゲート配線GLからのゲート電圧に基づいてターンオンまたはターンオフされ得る。第2トランジスタTR2がターンオンされた場合、データ配線DLからのデータ電圧を第1ノードN1に充電できる。そこで、ゲート配線GLによりターンオンまたはターンオフされる第2トランジスタTR2は、スイッチングトランジスタとも称され得る。
【0069】
第3トランジスタTR3は、第3アクティブ層、第3ゲート電極、第3ソース電極及び第3ドレイン電極を含む。第3ゲート電極はセンシング配線SLに連結され、第3ソース電極は第2ノードN2に連結され、第3ドレイン電極は基準配線RLに連結される。第3トランジスタTR3は、センシング配線SLからのセンシング電圧に基づいてターンオンまたはターンオフされ得る。そして、第3トランジスタTR3がターンオンされた場合、基準配線RLからの基準電圧を第2ノードN2及びストレージキャパシタSCに伝達できる。そこで、第3トランジスタTR3は、センシングトランジスタとも称され得る。
【0070】
一方、
図3においては、ゲート配線GLとセンシング配線SLが別途の配線であるものと示されたが、ゲート配線GLとセンシング配線SLは、一つの配線に構成されてもよく、これに制限されない。
【0071】
ストレージキャパシタSCは、第1トランジスタTR1の第1ゲート電極と第1ソース電極との間に連結される。即ち、ストレージキャパシタSCは、第1ノードN1と第2ノードN2との間に連結され得る。ストレージキャパシタSCは、発光素子OLEDが発光する間、第1トランジスタTR1の第1ゲート電極と第1ソース電極との間の電位差を維持させて、発光素子OLEDに一定の駆動電流が供給されるようにすることができる。ストレージキャパシタSCは、複数のキャパシタ電極を含み、例えば、複数のキャパシタ電極のうち一つは第1ノードN1に連結され、他の一つは第2ノードN2に連結され得る。
【0072】
発光素子OLEDは、アノード、発光層及びカソードを含む。発光素子OLEDのアノードは第2ノードN2に連結され、カソードは低電位電源配線VSSに連結される。発光素子OLEDは、第1トランジスタTR1から駆動電流の供給を受けて発光できる。
【0073】
一方、
図3においては、本発明の一実施例に係る表示装置100のサブ画素SPの駆動回路が3個のトランジスタ及び1個のストレージキャパシタSCを含む3T1C構造であるものと説明したが、トランジスタ及びストレージキャパシタSCの個数及び連結関係は、設計によって多様に変更され得、これに制限されない。
【0074】
図4は、本発明の一実施例に係る表示装置の一つの画素に対する拡大平面図である。
図5は、
図4のV-V’に沿った断面図である。
図6aは、
図1のVIa-VIa’に沿った断面図である。
図6bは、
図1のVIb-VIb’に沿った断面図である。
図6cは、
図1のVIc-VIc’に沿った断面図である。
図4は、表示パネル120の表示領域AAに配置された一つの画素を構成する赤色サブ画素SPR、白色サブ画素SPW、青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGに対する拡大平面図である。
図4においては、表示パネル120だけを示したものであり、説明の便宜のために、バンク124の図示は省略し、複数のカラーフィルタCFの枠は、太い実線で示した。
図4乃至
図6cを参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100は、第1基板121、無機層122、平坦化層123、バンク124、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3、ストレージキャパシタSC、発光素子OLED、ゲート配線GL、センシング配線SL、データ配線DL、基準配線RL、高電位電源配線VDD、複数のカラーフィルタCF、(第2)接着層125及び第2基板126を含む表示パネル120、バックカバー110、(第1)接着層130、シール部材160及び(選択的に)偏光板180を含む。
【0075】
図4を参照すると、複数のサブ画素SPは、赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG、青色サブ画素SPB及び白色サブ画素SPWを含む。例えば、行方向に沿って赤色サブ画素SPR、白色サブ画素SPW、青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGが順次に配置され得る。ただし、複数のサブ画素SPの配置順序は、これに制限されない。
【0076】
複数のサブ画素SPそれぞれは、発光領域及び回路領域を含む。発光領域は、独立して一つの色相の光を発光できる領域であり、発光素子OLEDが配置され得る。具体的に、複数のカラーフィルタCFとアノードANが互いに重畳する領域中、バンク124から露出され、発光素子OLEDから発光された光が外部に進行できる領域を発光領域と定義できる。例えば、
図4及び
図5を共に参照すると、赤色サブ画素SPRの発光領域は、赤色カラーフィルタCFRとアノードANが重畳する領域中、バンク124から露出された領域となり得、緑色サブ画素SPGの発光領域は、緑色カラーフィルタCFGとアノードANが重畳する領域中、バンク124から露出された領域となり得、青色サブ画素SPBの発光領域は、青色カラーフィルタCFとアノードANが重畳する領域中、バンク124から露出された領域が青色光を発光する青色発光領域となり得る。このとき、別途のカラーフィルタCFが配置されていない白色サブ画素SPWの発光領域は、バンク124から露出されたアノードANの一部分と重畳する領域が白色光を発光する白色発光領域であってよい。
【0077】
回路領域は、発光領域を除く残りの領域であり、複数の発光素子OLEDを駆動するための駆動回路DPと、駆動回路DPに各種の信号を伝達する複数の配線が配置され得る。そして、駆動回路DP、複数の配線及びバンク124等が配置された回路領域は、非発光領域であってよい。例えば、回路領域には、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3及びストレージキャパシタSCを含む駆動回路DP及び複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL、複数のゲート配線GL、センシング配線SL及びバンク124等が配置され得る。
【0078】
図3乃至
図6cを共に参照すると、第1基板121上に無機層122が配置される。無機層122は、第1基板121上に配置された無機物で構成された複数の層を含むことができる。例えば、無機層122は、下部バッファ層122a、上部バッファ層122b、ゲート絶縁層122c及びパッシベーション層122dを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0079】
無機層122は、非表示領域NAで第1基板121の最外郭領域を露出させるように配置され得る。即ち、無機層122の末端は、第1基板121の末端内側に位置し得る。即ち、無機層122の末端は、第1基板121の末端が無機層122の末端を通って延びるように第1基板121の末端から挿入され得る。
【0080】
一方、上述したように、透明伝導性酸化物層または酸化物半導体のうち一つで構成された第1基板121を使用する場合、LLO工程のために第1基板121を表示装置100の全体領域に配置し得る。即ち、第1基板121が表示装置100の表示領域AA及び非表示領域NAの全体に配置され得る。
【0081】
図6a乃至
図6cを参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100の無機層122は、第1基板121の最外郭領域が露出されるように非表示領域NAの基準ラインRまで配置され得る。ここで、基準ラインRは、無機層122の末端地点を定義するものであり、第2非表示領域NA2と第3非表示領域NA3との間に位置し得る。そこで、無機層122が最外郭領域に露出されてクラックされるか無機層122を通した透湿が発生することを低減することができる。
【0082】
参考までに、本発明の一実施例に係る表示装置100において、非表示領域NAは、第1非表示領域NA1、第2非表示領域NA2、第3非表示領域NA3及び第4非表示領域NA4を含むことができる。表示領域AAの末端から非表示領域NA内の配線等をなす導電性物質の末端まで延びた領域である第1非表示領域NA1、第1非表示領域NA1の末端から基準ラインRまで延びた領域である第2非表示領域NA2、基準ラインRから第2基板126の上部面に配置されたシール部材160の内側末端まで延びた領域である第3非表示領域NA3、及び第3非表示領域NA3の末端から第1基板121の末端まで延びた領域、即ち、第1基板121の最外郭領域である第4非表示領域NA4を含むことができる。第1非表示領域NA1は、第3非表示領域NA3により(少なくとも部分的に)囲まれ得る第2非表示領域NA2により(少なくとも部分的に)囲まれ得る。第4非表示領域NA4は、第1非表示領域NA1、第2非表示領域NA2及び第3非表示領域NA3により(少なくとも部分的に)囲まれ得る。
【0083】
第1基板121上に下部バッファ層122aが配置される。下部バッファ層122aは、第1基板121の外側から浸透した水分および/または酸素が拡散されることを防止できる。下部バッファ層122aの厚さや積層構造を制御して表示パネル120の透湿特性を制御できる。また、下部バッファ層122aは、透明伝導性酸化物または酸化物半導体からなる第1基板121が画素部PPのような他の構成に接してショート不良が発生することを防止できる。下部バッファ層122aは、無機物質からなり得、例えば、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単層や複層で構成され得るが、これに制限されるものではない。
【0084】
下部バッファ層122a上に複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL及び遮光層LSが配置される。
【0085】
複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL及び遮光層LSは、第1基板121上で同じ層に配置され、同じ導電性物質からなり得る。例えば、複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL及び遮光層LSは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金のような導電性物質で構成され得るが、これに制限されない。
【0086】
複数の高電位電源配線VDDは、複数のサブ画素SPそれぞれに高電位電源電圧を伝達する配線である。複数の高電位電源配線VDDは、複数のサブ画素SPの間に列方向に延び得、行方向で互いに隣り合う二つのサブ画素SPは、複数の高電位電源配線VDDのうち一つの高電位電源配線VDDを共有できる。例えば、一つの高電位電源配線VDDは、赤色サブ画素SPRの左側に配置され、赤色サブ画素SPR及び白色サブ画素SPWそれぞれの第1トランジスタTR1に高電位電源電圧を供給できる。他の高電位電源配線VDDは、緑色サブ画素SPGの右側に配置され、青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGそれぞれの第1トランジスタTR1に高電位電源電圧を供給できる。
図6cを参照すると、複数の高電位電源配線VDDの末端は、第1非表示領域NA1の末端及び第2非表示領域NA2の始点に位置し得る。
【0087】
データ配線DLは、サブ画素SPの間に列方向に延びて複数のサブ画素SPそれぞれにデータ電圧を伝達する配線であり、第1データ配線DL1、第2データ配線DL2、第3データ配線DL3及び第4データ配線DL4を含む。第1データ配線DL1は、赤色サブ画素SPRと白色サブ画素SPWとの間に配置され、赤色サブ画素SPRの第2トランジスタTR2にデータ電圧を伝達できる。第2データ配線DL2は、第1データ配線DL1と白色サブ画素SPWとの間に配置され、白色サブ画素SPWの第2トランジスタTR2にデータ電圧を伝達できる。第3データ配線DL3は、青色サブ画素SPBと緑色サブ画素SPGとの間に配置され、青色サブ画素SPBの第2トランジスタTR2にデータ電圧を伝達できる。第4データ配線DL4は、第3データ配線DL3と緑色サブ画素SPGとの間に配置され、緑色サブ画素SPGの第2トランジスタTR2にデータ電圧を伝達できる。
【0088】
基準配線RLは、複数のサブ画素SPの間に列方向に延びてサブ画素SPそれぞれに基準電圧を伝達する配線である。一つの画素をなす複数のサブ画素SPは、一つの基準配線RLを共有できる。例えば、一つの基準配線RLは、白色サブ画素SPWと青色サブ画素SPBとの間に配置され、赤色サブ画素SPR、白色サブ画素SPW、青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGそれぞれの第3トランジスタTR3に基準電圧を伝達できる。
【0089】
図4及び
図5を共に参照すると、下部バッファ層122a上に遮光層LSが配置される。遮光層LSは、複数のトランジスタTR1、TR2、TR3のうち少なくとも第1トランジスタTR1の第1アクティブ層ACT1と重畳するように配置され、第1アクティブ層ACT1に入射する光を遮断することができる。仮に、第1アクティブ層ACT1に光が照射されると漏れ電流が発生するので、駆動トランジスタである第1トランジスタTR1の信頼性が低下し得る。このとき、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金のような不透明な導電性物質で構成された遮光層LSを第1アクティブ層ACT1に重畳するように配置するならば第1基板121の下部で第1アクティブ層ACT1に入射する光を遮断することができるので、第1トランジスタTR1の信頼性を向上させることができる。ただし、これに制限されず、遮光層LSは、第2トランジスタTR2の第2アクティブ層ACT2及び第3トランジスタTR3の第3アクティブ層ACT3とも重畳するように配置されてもよい。
【0090】
一方、図面においては、遮光層LSが単層であるものと示したが、遮光層LSは、複数の層で形成されてもよい。例えば、遮光層LSは、無機層122の間、即ち、下部バッファ層122a、上部バッファ層122b、ゲート絶縁層122c、パッシベーション層122dのうち少なくともいずれか一つを挟んで重畳するように配置された複数の層からなり得る。
【0091】
複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL及び遮光層LS上に上部バッファ層122bが配置される。上部バッファ層122bは、第1基板121を通した水分または不純物の浸透を低減することができる。例えば、上部バッファ層122bは、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに制限されない。また、上部バッファ層122bは、第1基板121の種類やトランジスタの種類によって省略されてもよく、これに制限されない。
【0092】
複数のサブ画素SPそれぞれで上部バッファ層122b上に第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3及びストレージキャパシタSCが配置される。
【0093】
まず、第1トランジスタTR1は、第1アクティブ層ACT1、第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1を含む。
【0094】
上部バッファ層122b上に第1アクティブ層ACT1が配置される。第1アクティブ層ACT1は、酸化物半導体、非晶質シリコンまたはポリシリコン等のような半導体物質からなり得るが、これに制限されない。例えば、第1アクティブ層ACT1が酸化物半導体で形成された場合、第1アクティブ層ACT1は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域からなり、ソース領域及びドレイン領域は、導体化された領域であってよいが、これに制限されない。
【0095】
第1アクティブ層ACT1上にゲート絶縁層122cが配置される。ゲート絶縁層122cは、第1ゲート電極GE1と第1アクティブ層ACT1を絶縁させるための層であり、絶縁物質からなり得る。例えば、ゲート絶縁層122cは、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに制限されない。
【0096】
ゲート絶縁層122c上で第1アクティブ層ACT1に重畳するように第1ゲート電極GE1が配置される。第1ゲート電極GE1は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0097】
ゲート絶縁層122c上で互いに離隔された第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1が配置される。第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1は、ゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して第1アクティブ層ACT1と電気的に連結され得る。第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1は、第1ゲート電極GE1と同じ層に配置され、同じ導電性物質で形成され得るが、これに制限されるものではない。例えば、第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0098】
第1ドレイン電極DE1は、高電位電源配線VDDと電気的に連結される。例えば、赤色サブ画素SPR及び白色サブ画素SPWの第1ドレイン電極DE1は、赤色サブ画素SPRの左側の高電位電源配線VDDと電気的に連結され得る。青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGの第1ドレイン電極DE1は、緑色サブ画素SPGの右側の高電位電源配線VDDと電気的に連結され得る。
【0099】
このとき、第1ドレイン電極DE1を高電位電源配線VDDと電気的に連結するために、補助高電位電源配線VDDaがさらに配置され得る。補助高電位電源配線VDDaは、一端が高電位電源配線VDDに電気的に連結され、他端が複数のサブ画素SPそれぞれの第1ドレイン電極DE1に電気的に連結され得る。例えば、補助高電位電源配線VDDaが第1ドレイン電極DE1と同じ層で同じ物質からなる場合、補助高電位電源配線VDDaの一端は、ゲート絶縁層122c及び上部バッファ層122bに形成されたコンタクトホールを通して高電位電源配線VDDに電気的に連結され、補助高電位電源配線VDDaの他端は、第1ドレイン電極DE1側に延びて第1ドレイン電極DE1と一体になされ得る。
【0100】
このとき、同じ高電位電源配線VDDに電気的に連結される赤色サブ画素SPRの第1ドレイン電極DE1及び白色サブ画素SPWの第1ドレイン電極DE1は、同じ補助高電位電源配線VDDaに連結され得、青色サブ画素SPBの第1ドレイン電極DE1と緑色サブ画素SPGの第1ドレイン電極DE1もまた同じ補助高電位電源配線VDDaに連結され得る。ただし、第1ドレイン電極DE1と高電位電源配線VDDは、他の方式を通して電気的に連結されてもよく、これに制限されない。
【0101】
第1ソース電極SE1は、ゲート絶縁層122c及び上部バッファ層122bに形成されたコンタクトホールを通して遮光層LSと電気的に連結され得る。また、第1ソース電極SE1と連結された第1アクティブ層ACT1の一部分は、上部バッファ層122bに形成されたコンタクトホールを通して遮光層LSと電気的に連結され得る。仮に、遮光層LSがフローティング(floating)された場合、第1トランジスタTR1の閾値電圧等が変動して表示パネル120の駆動に影響を与え得る。そこで、遮光層LSを第1ソース電極SE1と電気的に連結して遮光層LSに電圧を印加することができ、第1トランジスタTR1の駆動に影響を与えなくて済む。ただし、本明細書においては、第1アクティブ層ACT1及び第1ソース電極SE1のいずれも遮光層LSにコンタクトするものと説明したが、第1ソース電極SE1及び第1アクティブ層ACT1のいずれか一つだけが遮光層LSに直接的にコンタクトしてもよく、これに制限されない。
【0102】
一方、
図5においては、ゲート絶縁層122cが第1基板121の前面に形成されたものと示したが、ゲート絶縁層122cは、第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1及び第1ドレイン電極DE1にのみ重畳するようにパターニングされ得、これに制限されない。
【0103】
第2トランジスタTR2は、第2アクティブ層ACT2、第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2及び第2ドレイン電極DE2を含む。
【0104】
上部バッファ層122b上に第2アクティブ層ACT2が配置される。第2アクティブ層ACT2は、酸化物半導体、非晶質シリコンまたはポリシリコン等のような半導体物質からなり得るが、これに制限されない。例えば、第2アクティブ層ACT2が酸化物半導体で形成された場合、第2アクティブ層ACT2は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域からなり、ソース領域及びドレイン領域は、導体化された領域であってよいが、これに制限されない。
【0105】
上部バッファ層122b上に第2ソース電極SE2が配置される。第2ソース電極SE2は、第2アクティブ層ACT2と一体になされ、互いに電気的に連結され得る。例えば、上部バッファ層122b上に半導体物質を形成し、半導体物質の一部分を導体化して第2ソース電極SE2を形成することができる。そこで、半導体物質のうち導体化されなかった部分は、第2アクティブ層ACT2になり得、導体化された部分は、第2ソース電極SE2になり得る。ただし、第2アクティブ層ACT2と第2ソース電極SE2を別に形成でき、これに制限されない。
【0106】
第2ソース電極SE2は、第1トランジスタTR1の第1ゲート電極GE1と電気的に連結される。第1ゲート電極GE1は、ゲート絶縁層122c上に形成されたコンタクトホールを通して第2ソース電極SE2と電気的に連結され得る。従って、第1トランジスタTR1は、第2トランジスタTR2からの信号によりターンオンまたはターンオフされ得る。
【0107】
第2アクティブ層ACT2及び第2ソース電極SE2上にゲート絶縁層122cが配置され、ゲート絶縁層122c上に第2ドレイン電極DE2及び第2ゲート電極GE2が配置される。
【0108】
ゲート絶縁層122c上で第2アクティブ層ACT2に重畳するように第2ゲート電極GE2が配置される。第2ゲート電極GE2は、ゲート配線GLと電気的に連結され得、第2トランジスタTR2は、第2ゲート電極GE2に伝達されたゲート電圧に基づいてターンオンまたはターンオフされ得る。第2ゲート電極GE2は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0109】
一方、第2ゲート電極GE2は、ゲート配線GLから延び得る。即ち、第2ゲート電極GE2は、ゲート配線GLと一体になされ得、第2ゲート電極GE2とゲート配線GLは、同じ導電性物質で形成され得る。例えば、ゲート配線GLは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0110】
ゲート配線GLは、複数のサブ画素SPそれぞれにゲート電圧を伝達する配線であり、複数のサブ画素SPの回路領域を横切って行方向に延び得る。ゲート配線GLは、行方向に延長配置され、列方向に延びた複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL及び複数の基準配線RLと交差し得る。
【0111】
ゲート絶縁層122c上に第2ドレイン電極DE2が配置される。第2ドレイン電極DE2は、ゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して第2アクティブ層ACT2と電気的に連結されると同時に、ゲート絶縁層122c及び上部バッファ層122bに形成されたコンタクトホールを通して複数のデータ配線DLのうち一つのデータ配線DLと電気的に連結され得る。例えば、赤色サブ画素SPRの第2ドレイン電極DE2は、第1データ配線DL1と電気的に連結され、白色サブ画素SPWの第2ドレイン電極DE2は、第2データ配線DL2と電気的に連結され得る。例えば、青色サブ画素SPBの第2ドレイン電極DE2は、第3データ配線DL3と電気的に連結され、緑色サブ画素SPGの第2ドレイン電極DE2は、第4データ配線DL4と電気的に連結され得る。第2ドレイン電極DE2は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。第3トランジスタTR3は、第3アクティブ層ACT3、第3ゲート電極GE3、第3ソース電極SE3及び第3ドレイン電極DE3を含む。
【0112】
上部バッファ層122b上に第3アクティブ層ACT3が配置される。第3アクティブ層ACT3は、酸化物半導体、非晶質シリコンまたはポリシリコン等のような半導体物質からなり得るが、これに制限されない。例えば、第3アクティブ層ACT3が酸化物半導体で形成された場合、第3アクティブ層ACT3は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域からなり、ソース領域及びドレイン領域は、導体化された領域であってよいが、これに制限されない。
【0113】
第3アクティブ層ACT3上にゲート絶縁層122cが配置され、ゲート絶縁層122c上に第3ゲート電極GE3、第3ソース電極SE3及び第3ドレイン電極DE3が配置される。
【0114】
ゲート絶縁層122c上で第3アクティブ層ACT3に重畳するように第3ゲート電極GE3が配置される。第3ゲート電極GE3は、センシング配線SLと電気的に連結され得、第3トランジスタTR3は、第3トランジスタTR3に伝達されたセンシング電圧に基づいてターンオンまたはターンオフされ得る。第3ゲート電極GE3は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0115】
一方、第3ゲート電極GE3は、センシング配線SLから延び得る。即ち、第3ゲート電極GE3は、センシング配線SLと一体になされ得、第3ゲート電極GE3とセンシング配線SLは、同じ導電性物質で形成され得る。例えば、センシング配線SLは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0116】
センシング配線SLは、複数のサブ画素SPそれぞれにセンシング電圧を伝達する配線であり、複数のサブ画素SPの間で行方向に延びる。例えば、センシング配線SLは、複数のサブ画素SP間の境界で行方向に延長配置され、列方向に延びた複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL及び複数の基準配線RLと交差し得る。
【0117】
第3ソース電極SE3は、ゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して第3アクティブ層ACT3と電気的に連結され得る。第3ソース電極SE3は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0118】
一方、第3ソース電極SE3とコンタクトする第3アクティブ層ACT3の一部分は、上部バッファ層122bに形成されたコンタクトホールを通して遮光層LSに電気的に連結され得る。即ち、第3ソース電極SE3は、第3アクティブ層ACT3を挟んで遮光層LSと電気的に連結され得る。それゆえ、第3ソース電極SE3及び第1ソース電極SE1は、遮光層LSを通して互いに電気的に連結され得る。
【0119】
第3ドレイン電極DE3は、ゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して第3アクティブ層ACT3と電気的に連結され得る。第3ドレイン電極DE3は、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに制限されない。
【0120】
第3ドレイン電極DE3は、基準配線RLと電気的に連結され得る。例えば、一つの画素をなす赤色サブ画素SPR、白色サブ画素SPW、青色サブ画素SPB及び緑色サブ画素SPGそれぞれの第3ドレイン電極DE3は、同じ基準配線RLに電気的に連結され得る。即ち、一つの画素をなす複数のサブ画素SPは、一つの基準配線RLを共有できる。
【0121】
このとき、列方向に延びた基準配線RLを行方向に沿って並んで配置された複数のサブ画素SPに伝達するために、補助基準配線RLaが配置され得る。補助基準配線Rlaは、行方向に延びて基準配線RLと複数のサブ画素SPそれぞれの第3ドレイン電極DE3を電気的に連結できる。補助基準配線Rlaの一端は、上部バッファ層122b及びゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して基準配線RLと電気的に連結され得る。そして、補助基準配線Rlaの他端は、複数のサブ画素SPそれぞれの第3ドレイン電極DE3と電気的に連結され得る。この場合、補助基準配線Rlaは、複数のサブ画素SPそれぞれの第3ドレイン電極DE3と一体になされ得、基準配線RLからの基準電圧は、補助基準配線Rlaを通して第3ドレイン電極DE3に伝達され得る。ただし、補助基準配線Rlaは、第3ドレイン電極DE3と別に形成され得、これに制限されない。
【0122】
複数のサブ画素SPの回路領域にストレージキャパシタSCが配置される。ストレージキャパシタSCは、一フレームの間、発光素子OLEDが引き続き同じ状態を維持するように第1トランジスタTR1の第1ゲート電極GE1と第1ソース電極SE1との間の電圧を貯蔵することができる。ストレージキャパシタSCは、第1キャパシタ電極SC1及び第2キャパシタ電極SC2を含む。
【0123】
複数のサブ画素SPそれぞれで下部バッファ層122aと上部バッファ層122bとの間に第1キャパシタ電極SC1が配置される。第1キャパシタ電極SC1は、第1基板121上に配置された導電性構成要素のうち第1基板121に最も近く配置され得る。第1キャパシタ電極SC1は、遮光層LSと一体になされ得、遮光層LSを通して第1ソース電極SE1と電気的に連結され得る。
【0124】
第1キャパシタ電極SC1上に上部バッファ層122bが配置され、上部バッファ層122b上に第2キャパシタ電極SC2が配置される。第2キャパシタ電極SC2は、第1キャパシタ電極SC1と重畳するように配置され得る。第2キャパシタ電極SC2は、第2ソース電極SE2と一体になされ、第2ソース電極SE2であり第1ゲート電極GE1に電気的に連結され得る。例えば、上部バッファ層122b上に半導体物質を形成し、半導体物質の一部分を導体化して第2ソース電極SE2及び第2キャパシタ電極SC2を形成することができる。それゆえ、半導体物質のうち導体化されなかった部分は、第2アクティブ層ACT2として機能し、導体化された部分は、第2ソース電極SE2であり第2キャパシタ電極SC2として機能できる。そして、上述したように、第1ゲート電極GE1は、ゲート絶縁層122cに形成されたコンタクトホールを通して第2ソース電極SE2と電気的に連結される。従って、第2キャパシタ電極SC2は、第2ソース電極SE2と一体になされ、第2ソース電極SE2及び第1ゲート電極GE1と電気的に連結され得る。
【0125】
まとめると、ストレージキャパシタSCの第1キャパシタ電極SC1は、遮光層LSと一体になされ、遮光層LS、第1ソース電極SE1及び第3ソース電極SE3と電気的に連結され得る。そして、第2キャパシタ電極SC2は、第2ソース電極SE2であり第2アクティブ層ACT2と一体になされ、第2ソース電極SE2及び第1ゲート電極GE1と電気的に連結され得る。従って、上部バッファ層122bを挟んで重畳する第1キャパシタ電極SC1及び第2キャパシタ電極SC2は、発光素子OLEDが発光する間、第1トランジスタTR1の第1ゲート電極GE1及び第1ソース電極SE1の電圧を一定に維持して発光素子OLEDを同じ状態に維持させることができる。
【0126】
図6a及び
図6bを参照すると、非表示領域NAでゲート絶縁層122c上に低電位電源配線VSS及びゲート駆動部GD(例えば、導電性要素)が配置され得る。
【0127】
図6aを参照すると、低電位電源配線VSSは、カソードCAと電気的に連結されてカソードCAに低電位電圧を供給できる。即ち、低電位電源配線VSSは、アノードANの形成時に共に形成される連結電極CEを通してカソードCAと電気的に連結され得る。低電位電源配線VSSの末端が第1非表示領域NA1と第2非表示領域NA2の境界であってよい。
【0128】
図6bを参照すると、非表示領域NAにゲート駆動部GDが配置され、ゲート駆動部GDは、クロック配線CLK及びステージSTを含む。
【0129】
クロック配線CLKは、クロック信号をステージSTに伝達できる。
図6bに示されたような4個のクロック配線CLKは、互いに異なる位相を有する少なくとも一つ以上のクロック信号をステージSTに伝達できる。このとき、4個のクロック配線CLKのうち第1基板121の末端と最も隣接するように配置されたクロック配線が第1非表示領域NA1と第2非表示領域NA2の境界であってよい。
図6bにおいては、4個のクロック配線CLKが使用されるものと示したが、クロック配線CLKの個数は、これに限定されない。
【0130】
ステージSTは、表示領域AAとクロック配線CLKとの間に配置され、駆動信号に対応してスキャン信号を出力できる。
図6bにおいては、ステージSTを単一導電層に示したが、それは、説明の便宜のためのものであるだけで、ステージSTは、多様なトランジスタおよび/またはキャパシタで構成され得る。
【0131】
図6cを参照すると、高電位電源配線VDDが非表示領域NAに配置される。複数の高電位電源配線VDDの末端は、第1非表示領域NA1と第2非表示領域NA2の境界であってよい。
【0132】
表示領域AAでの第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3及びストレージキャパシタSCと、非表示領域NAでの低電位電源配線VSS、高電位電源配線VDDとゲート駆動部GD上にパッシベーション層122dが配置される。パッシベーション層122dは、パッシベーション層122dの下部の構成を保護するための絶縁層である。例えば、パッシベーション層122dは、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに制限されない。また、パッシベーション層122dは、実施例によって省略されてもよい。
【0133】
パッシベーション層122d上で複数のサブ画素SPそれぞれの発光領域に複数のカラーフィルタCFが配置される。上述したように、本発明の一実施例に係る表示装置100は、発光素子OLEDで発光された光が発光素子OLED及び第1基板121の下部に向かうボトムエミッション方式であるので、発光素子OLEDの下に複数のカラーフィルタCFが配置され得る。発光素子OLEDで発光された光は、複数のカラーフィルタCFを通過して多様な色相の光に構成され得る。
【0134】
複数のカラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタCFR、青色カラーフィルタCFB及び緑色カラーフィルタCFGを含む。赤色カラーフィルタCFRは、複数のサブ画素SPのうち赤色サブ画素SPRの発光領域に配置され得、青色カラーフィルタCFBは、青色サブ画素SPBの発光領域に配置され得、緑色カラーフィルタCFGは、緑色サブ画素SPGの発光領域に配置され得る。
【0135】
パッシベーション層122d及び複数のカラーフィルタCF上に平坦化層123が配置される。
【0136】
平坦化層123は、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3、ストレージキャパシタSC、複数の高電位電源配線VDD、複数のデータ配線DL、複数の基準配線RL、複数のゲート配線GL及び複数のセンシング配線SLが配置された第1基板121の上部を平坦化する絶縁層である。平坦化層123は、第1基板121の前面に配置され得る。即ち、平坦化層123は、表示領域AAに配置されることはもちろん、非表示領域NAに位置した無機層122の末端を囲みながら第1基板121の末端まで配置され得る。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、平坦化層123を無機層122の末端を覆うように配置して無機層122の損傷を低減することができる。
【0137】
複数のサブ画素SPそれぞれで発光領域に発光素子OLEDが配置される。複数のサブ画素SPそれぞれで平坦化層123上に発光素子OLEDが配置される。発光素子OLEDは、アノードAN、発光層EL及びカソードCAを含む。
【0138】
発光領域で平坦化層123上にアノードANが配置される。アノードANは、発光層ELに正孔を供給するので、仕事関数の高い導電性物質からなり、アノードANとも称され得る。アノードANは、例えば、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)等のような透明導電性物質で形成され得るが、これに制限されない。
【0139】
一方、アノードANは、回路領域に向かって延び得る。アノードANの一部分は、発光領域から回路領域の第1ソース電極SE1に向かって延び得、平坦化層123及びパッシベーション層122dに形成されたコンタクトホールを通して第1ソース電極SE1と電気的に連結され得る。従って、発光素子OLEDのアノードANは、回路領域に延びて、第1トランジスタTR1の第1ソース電極SE1でありストレージキャパシタSCの第2キャパシタ電極SC2と電気的に連結され得る。
【0140】
発光領域及び回路領域でアノードAN上に発光層ELが配置される。発光層ELは、複数のサブ画素SPにわたって一つの層に形成され得る。即ち、複数のサブ画素SPのそれぞれの発光層ELは、互いに連結されて一体になされ得る。発光層ELは、一つの発光層で構成されてもよく、互いに異なる色の光を発光する複数の発光層が積層された構造であってよい。発光層ELは、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の有機層をさらに含むことができる。
【0141】
発光領域及び回路領域で発光層EL上にカソードCAが配置される。カソードCAは、発光層ELに電子を供給するので、仕事関数の低い導電性物質からなり得る。カソードCAは、複数のサブ画素SPにわたって一つの層に形成され得る。即ち、複数のサブ画素SPそれぞれのカソードCAは、互いに連結されて一体になされ得る。カソードCAは、例えば、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)等のような透明導電性物質またはイッテルビウム(Yb)合金で形成され得、金属ドーピング層がさらに含まれてもよく、これに制限されない。
【0142】
平坦化層123及びアノードAN上にバンク124が配置される。即ち、バンク124は、第1基板121の表示領域AAと非表示領域NAの前面に配置される。表示領域AAにおいて、バンク124は、アノードANと発光層ELとの間でアノードANのエッジを覆うように配置される。バンク124は、互いに隣接したサブ画素SP間の境界に配置され、複数のサブ画素SPそれぞれの発光素子OLEDから発光された光の混色を低減することができる。非表示領域NAにおいて、バンク124は、表示領域AAから延びて平坦化層123上に配置され得る。バンク124は、絶縁物質からなり得、例えば、バンク124は、ポリイミド(polyimide)からなり得るが、これに制限されるものではない。
【0143】
バンク124上にはカソードCAが配置され、カソードCA上に接着層125が配置され得る。
【0144】
接着層125上には、第2基板126が配置される。第2基板126は、接着層125と共に外部の湿気、酸素、衝撃から発光素子OLEDを保護する役割を果たすことができる。例えば、第2基板126は、約200~900MPaの高い弾性率を有する物質からなり得、第2基板126は、耐腐食性が強く、ホイル(foil)あるいは薄膜形態に加工が容易なアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)とニッケルの合金材質等の金属材質からなり得る。このように、第2基板126を金属材質で形成することで超薄膜形態に構成が可能であり、外部の衝撃及びスクラッチに強い耐保護性が提供され得る。
【0145】
第2基板126は、第1基板121の前面と重畳するように配置されず、非表示領域NAの一部の領域まで配置される。このとき、第2基板126は、接着層125より外部に突出するように配置され得る。
【0146】
第2基板126上には、バックカバー110との貼り付けのための(第1)接着層130が配置される。
【0147】
一般に、従来の技術においては、表示パネルとバックカバーの接着のための接着層は、表示装置の前面に配置された。即ち、第2基板の前面だけではなく、シール部材の上部面の前面にも接着層が配置された。このように配置された接着層上にバックカバーを配置させて表示パネルとバックカバーを接着させた後、表示パネルの下部に偏光板を配置させて表示装置を製造した。ここで、前述したように、シール部材が第2基板の上部面の一部を覆うように配置されるため、シール部材と第2基板との間に段差が生じるようになる。
【0148】
このように、シール部材の上部の前面と第2基板の前面に接着層を形成するようになると、シール部材と第2基板間の段差により気泡が発生するようになるが、発生した気泡によってクラック(crack)が発生するようになる。より具体的に、表示パネルの上部面とバックカバーを接着層により貼り付けた後、偏光板をラミネーション方法でローラーを使用して表示パネルの下部面と接着させるようになるが、シール部材と第2基板間の段差により発生した気泡によって表示パネルの無機層、即ち、下部バッファ層、上部バッファ層、ゲート絶縁層及びパッシベーション層に影響を与えるようになって無機層にクラックが発生するようになる。ただし、表示パネルと複数のフレキシブルフィルムが連結される領域には、複数のフレキシブルフィルムとの電気的な連結のための導電性接着層(ACF)が配置されるため、導電性接着層の無機層を固定させる役割を果たすようになり、表示パネルと複数のフレキシブルフィルムが連結される領域には接着層を前面配置してもクラックが発生しなくなる。
【0149】
そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100において、
図6a乃至
図6cに示されたように、表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層130は、複数のフレキシブルフィルム140が表示パネル120と連結される領域を除いてシール部材160と離隔されて配置される。即ち、接着層130は、シール部材160と重畳されない。接着層130の末端が非表示領域NAで第2非表示領域NA2と基準ラインRとの間に位置し得る。より具体的に、接着層130の末端は、非表示領域NAで低電位電圧配線VSS、ゲート駆動部GD及び高電位電圧配線VDDの末端と無機層122の末端との間に位置し得る。即ち、接着層130が無機層122に配置される導電性物質を覆うように配置され得る。即ち、接着層130の末端は、高電位電圧配線、低電位電圧配線及びゲート駆動部のいずれか一つの末端を通って延びるように無機層122の末端から挿入され得る。
【0150】
このように、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層130がシール部材160と一定距離だけ離隔されるように配置されることで、シール部材160と第2基板126間の段差による気泡発生を遮断して気泡によるクラック発生を低減させることができる。
【0151】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、接着層130がシール部材160と離隔されるように配置され、接着層130が無機層122に配置された導電性物質、即ち、低電位電源配線VSS、ゲート駆動部GD及び高電位電源配線VDDの末端を覆って(例えば、重畳して)接着層130の末端が導電性物質の末端を越えて位置することで、導電性物質で形成される配線等にクラックが発生する可能性を低減することができる。
【0152】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物及び酸化物半導体のいずれか一つで形成して表示装置100の厚さを減らすことができる。既存には表示装置の基板としてプラスチック基板を主に使用したが、プラスチック基板は、高温で基板物質をコーティング及び硬化する方式で形成されるので、時間が長くかかり、厚さを一定水準以下に薄く形成しにくい問題点がある。これとは異なり、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体は、スパッタリング(Sputtering)等の蒸着工程を通して非常に薄い厚さに形成が可能である。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、表示パネル120の様々な構成を支持する第1基板121を透明伝導性酸化物層または酸化物半導体層で構成して、表示装置100の厚さを減らすことができ、スリムなデザインを実現することができる。
【0153】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成して表示装置100のフレキシビリティを向上させ、表示装置100の変形時に発生するストレスを低減することができる。具体的に、第1基板121を透明伝導性酸化物層や酸化物半導体で構成する場合、第1基板121を非常に薄い薄膜に形成可能である。この場合、第1基板121を第1透明薄膜層とも称し得る。そこで、第1基板121を含む表示装置100は、高いフレキシビリティを有することができ、表示装置100を容易に曲げるか巻くことができる。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物層と酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、表示装置100のフレキシビリティが向上して表示装置100の変形時に発生する応力もまた緩和され得るので、表示装置100にクラック等が発生することを低減することができる。
【0154】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、第1基板121で静電気の発生可能性を下げることができる。仮に、第1基板121がプラスチックからなって静電気が発生する場合、静電気によって第1基板121上の各種の配線及び駆動素子が損傷されるか、駆動に影響を与えて表示品質が低下し得る。その代わりに第1基板121が透明伝導性酸化物層や酸化物半導体層で形成される場合、第1基板121で静電気が発生することを低減でき、静電気の遮断及び排出のための構成を簡素化できる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を静電気の発生可能性が低い透明伝導性酸化物層や酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、静電気による損傷や表示品質の低下を低減することができる。
【0155】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つで形成して、第1基板121を通して外部の水分や酸素等が表示装置100の内部に浸透することを低減することができる。透明伝導性酸化物層や酸化物半導体で第1基板121を形成する場合、第1基板121を真空環境で形成するので異物の発生可能性が顕著に低い。また、異物が発生しても異物の大きさが非常に小さいため表示装置100の内部に水分及び酸素が浸透することを低減することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を異物の発生可能性が低く、透湿性能に優れた透明伝導性酸化物や酸化物半導体で形成して、有機層を含む発光素子OLED及び表示装置100の信頼性を向上させることができる。
【0156】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成して、第1基板121の下部に薄く、安価なバリアフィルムを貼り付けて使用することができる。第1基板121が透湿性能の低い物質、例えば、プラスチック等からなる場合、厚く高価な高性能のバリアフィルムを貼り付けて透湿性能を補完し得る。しかし、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透湿性能に優れた透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成するため、第1基板121の下部に厚さが薄く安価なバリアフィルムの貼り付けが可能である。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透湿性能に優れた透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで構成して、表示装置の製造コストを節減できる。
【0157】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成して、LLO(Laser Lift Off)工程を遂行することができる。表示装置100の製造時、第1基板121の下に犠牲層が形成された仮基板を貼り付けた後、第1基板121上に画素部PPを形成することができる。犠牲層は、例えば、水素化された非晶質シリコン、または水素化処理され、不純物がドーピングされた非晶質シリコン等が使用され得る。そして、表示装置100の製造が完了した後、仮基板の下部でレーザを照射すると、犠牲層の水素が脱水素化されて犠牲層及び仮基板が第1基板121から分離され得る。このとき、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体は、犠牲層及び仮基板とのLLO工程が可能な物質であるので、第1基板121を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成しても第1基板121と仮基板を容易に分離することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1基板121がLLO工程が可能な透明伝導性酸化物層または酸化物半導体のうち一つで構成されるため、既存の工程及び装備でも表示装置100を容易に製造できる。
【0158】
図7は、本発明の他の実施例に係る表示装置の平面図である。
図8aは、
図7のVIIIa-VIIIa’に沿った断面図である。
図8bは、
図7のVIIIb-VIIIb’に沿った断面図である。
図8cは、
図7のVIIIc-VIIIc’に沿った断面図である。
図7乃至
図8cの表示装置700は、
図1乃至
図6cの表示装置100と比較して接着層730だけが異なり、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0159】
図7乃至
図8cを参照すると、本発明の他の実施例に係る表示装置700においては、表示パネル120とバックカバー110を接着させるための接着層730がシール部材160と離隔されて配置され、接着層730の末端は、無機層122の末端と整列するように位置し得る。即ち、接着層730の末端が非表示領域NAの基準ラインRに合わせて位置し得、接着層730の末端は、無機層122の末端と重畳し得る。そこで、本発明の他の実施例に係る表示装置700の接着層730は無機層122を完全に覆って、完全に重畳するように配置され得る。
【0160】
本発明の他の実施例に係る表示装置700において、表示パネル120と複数のフレキシブルフィルム140と連結される領域外の領域で表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層730は、シール部材160と離隔されて配置され、接着層730の末端は、無機層122の末端と対応して重畳するように配置され得る。そこで、本発明の他の実施例に係る表示装置700においては、表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層730がシール部材160と一定距離だけ離隔されるように配置されることで、シール部材160と第2基板126間の段差による気泡発生を遮断して気泡によるクラック発生を低減させることができる。
【0161】
また、本発明の他の実施例に係る表示装置700においては、シール部材160と離隔されるように配置され、接着層730が無機層122に配置された導電性物質、即ち、低電位電源配線VSS、ゲート駆動部GD及び高電位電源配線VDDの末端を覆って接着層730の末端が導電性物質の末端を越えて位置することで、導電性物質で形成される配線等に発生するクラック発生を低減することができる。
【0162】
また、本発明の他の実施例に係る表示装置700においては、接着層730の末端が無機層122の末端と対応して重畳するように配置され得る。そこで、接着層730が無機層122を完全に覆うように配置されることで、無機層122に加えられる応力を接着層730が吸収できるので、無機層122がクラックされることを低減することができる。
【0163】
図9は、本発明のまた他の実施例に係る表示装置の平面図である。
図10aは、
図9のXa-Xa’に沿った断面図である。
図10bは、
図9のXb-Xb’に沿った断面図である。
図10cは、
図9のXc-Xc’に沿った断面図である。
図9乃至
図10cの表示装置900は、
図1乃至
図6cの表示装置100と比較して接着層930だけが異なり、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0164】
図9乃至
図10cを参照すると、本発明のまた他の実施例に係る表示装置900においては、表示パネル120とバックカバー110を接着させるための接着層930がシール部材160と離隔されて配置され、接着層930の末端が第3非表示領域NA3に位置し得る。即ち、接着層930の末端がシール部材160とは離隔され、無機層122の末端である基準ラインRよりは外側に位置され得る。
【0165】
本発明のまた他の実施例に係る表示装置900において、表示パネル120と複数のフレキシブルフィルム140と連結される領域外の表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層930は、シール部材160と離隔されて配置され、接着層930の末端は、第3非表示領域NA3に配置され得る。そこで、本発明のまた他の実施例に係る表示装置900においては、表示パネル120とバックカバー110を接着させる接着層930がシール部材160と一定距離だけ離隔されるように配置されることで、シール部材160と第2基板126間の段差による気泡発生を遮断して気泡によるクラック発生を低減させることができる。
【0166】
また、本発明のまた他の実施例に係る表示装置900においては、シール部材160と離隔されるように配置され、接着層930が無機層122に配置された導電性物質、即ち、低電位電源配線VSS、ゲート駆動部GD及び高電位電源配線VDDの末端を覆って接着層930の末端が導電性物質の末端を越えて位置することで、導電性物質で形成される配線等に発生するクラック発生を最小化することができる。
【0167】
また、本発明のまた他の実施例に係る表示装置900においては、接着層930の末端が無機層122の末端を覆い、無機層122の末端を通って突出するように配置され得る。そこで、接着層930が無機層122を完全に覆うように配置されることで、無機層122に加えられる応力を接着層930が吸収できるので、無機層122がクラックされることを低減することができる。
【0168】
本発明の実施例に係る表示装置は、下記のように説明され得る。
【0169】
本発明の一実施例に係る表示装置は、複数のサブ画素を含む表示領域及び表示領域を囲む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つからなる第1基板、第1基板上に配置される無機層、無機層上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置される第2基板、第2基板の上部の一部を覆うように配置されるシール部材、シール部材と離隔されて第2基板上に配置される接着層、及び接着層上に配置され、接着層により第2基板と接着されるバックカバーを含む。
【0170】
本発明の他の特徴によれば、無機層の末端は、非表示領域で第1基板の末端内側に位置し得る。
【0171】
本発明のまた他の特徴によれば、無機層は、無機物質からなる複数の層で構成され、非表示領域で複数の層のうち少なくとも一つ以上の層上には、高電位電源配線、低電位電源配線及びゲート駆動部のうち少なくとも一つが配置され得る。
【0172】
本発明のまた他の特徴によれば、接着層の末端は、無機層の末端と、高電位電源配線、低電位電源配線及びゲート駆動部のいずれか一つの末端との間に位置し得る。
【0173】
本発明のまた他の特徴によれば、接着層の末端は、無機層の末端と重畳して位置し得る。
【0174】
本発明のまた他の特徴によれば、接着層の末端は、シール部材と無機層の末端との間に位置し得る。
【0175】
本発明のまた他の特徴によれば、平坦化層は、無機層の末端を覆い、第1基板の前面に配置され得る。
【0176】
本発明のまた他の特徴によれば、接着層は、両面テープであってよい。
【0177】
本発明のまた他の特徴によれば、表示装置は、第1基板の一端に配置される複数のフレキシブルフィルムをさらに含み、複数のフレキシブルフィルムが配置された領域を除く領域で接着層はシール部材と離隔され得る。
【0178】
本発明のまた他の特徴によれば、複数のフレキシブルフィルムが配置された領域で、接着層は、シール部材上に配置され得る。
【0179】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0180】
100 表示装置
110 バックカバー
111 開口部
120 表示パネル
121 第1基板
122 無機層
123 平坦化層
124 バンク
125 接着層
126 第2基板
130 接着層
140 フレキシブルフィルム
150 印刷回路基板
160 シール部材
180 偏光板
AA 表示領域
NA 非表示領域
PP 画素部
R 基準ライン