(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095998
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示パネル及びこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240704BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240704BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20240704BHJP
G09G 3/3208 20160101ALI20240704BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240704BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240704BHJP
H10K 59/88 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09G3/32 A
G09G3/3208
G09G3/20 641A
H01L33/00
H10K59/88
H10K59/123
H10K59/121 213
H10K59/122
H10K59/131
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204334
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0189074
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】朴 佑 城
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F241
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC33
3K107DD39
3K107EE03
3K107FF04
3K107FF15
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD19
5C080FF11
5C080JJ03
5C080JJ05
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5C094AA32
5C094AA60
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094CA24
5C094DB01
5C094EA01
5C094FA02
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB24
5C380AB34
5C380AB36
5C380BD07
5C380CA08
5C380CB01
5C380CC26
5C380CF46
5F241CA40
5F241FF06
(57)【要約】
【課題】ベゼル領域に配置されて使用しない発光素子を、静電気放電(ESD)回路として使用できるようにする表示パネル、及びこれを含む表示装置に関する。
【解決手段】本明細書の実施形態による表示装置は、表示領域(AA)に少なくとも1つ以上の第1画素(P1)が配置され、ベゼル領域(BZA)にも少なくとも1つ以上の第2画素(P2)が配置され、第2画素は、第1画素と互いに異なる電位の電源で動作するように構成することができる。よって、ベゼル領域に配置されて使用しない発光素子を活用することにより、静電気放電(ESD)回路を設計することができる効果がある。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に配置され、表示領域の画素のそれぞれは、表示パネルに映像を表示するために発光するように構成された少なくとも1つ以上の表示領域のサブ画素を含む複数の表示領域の画素と、
前記表示領域の少なくとも一部を囲む前記表示パネルのベゼル領域に配置され、少なくとも1つ以上のベゼル領域の画素のそれぞれは、光を放出しない少なくとも1つ以上のベゼル領域のサブ画素を含む複数のベゼル領域の画素とを含み、
前記ベゼル領域のサブ画素は、
共通ノードに電気的に接続される第1電極および第1電源供給ラインに電気的に接続される第2電極を有する第1ベゼル領域のサブ画素と、
第3電極及び第4電極を含み、前記第3電極は、前記共通ノードに電気的に接続され、前記第4電極は、前記第1電源供給ラインと他の第2電源供給ラインに電気的に接続される第2ベゼル領域のサブ画素とを含む、
表示パネル。
【請求項2】
前記共通ノードから静電気が前記第1ベゼル領域のサブ画素を経由して、前記第1電源供給ラインに、あるいは前記第2ベゼル領域のサブ画素を経由して、前記第2電源供給ラインに放電する、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記共通ノードは、前記表示領域のサブ画素の電極に接続された共通電圧に電気的に接続される、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記共通ノードは、前記表示領域のサブ画素の電極にデータ電圧を駆動するデータラインと電気的に接続される、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記表示領域のサブ画素のそれぞれは、有機発光ダイオードまたはマイクロLEDを含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記表示領域のサブ画素のうち少なくとも1つは、
バンク層の上面と一側壁を覆うように、前記バンク層上に配置されるアノードと、
前記アノード及び前記バンク層上に配置される拡散ウインドウ層と、
前記アノード上に配置された導電層と、
前記導電層上に配置された活性層と、
前記導電層と前記活性層を囲むように、前記拡散ウインドウ層上に配置された側壁拡散層と、
前記側壁拡散層及び前記活性層上に配置されたカソードと、
を含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記ベゼル領域のサブ画素のうち少なくとも1つは、
バンク層の上面と両側壁面を覆うように、前記バンク層上に配置されるアノードと、
前記アノード上に配置される拡散ウインドウ層と、
前記アノード上に配置された導電層と、
前記導電層上に配置された活性層と、
前記導電層と前記活性層を囲むように、前記拡散ウインドウ層上に配置された側壁拡散層と、
前記側壁拡散層及び前記活性層上に配置されたカソードと、
を含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
上記請求項1に記載の表示パネルと、
前記表示領域における前記表示パネルの後面に配置されて、前記表示領域のサブ画素から放出する光量を制御する駆動部とを含む、
表示装置。
【請求項9】
第1領域に配置された少なくとも1つの第1画素と、第2領域に配置された少なくとも1つの第2画素と、前記第1領域で表示パネルの後面に配置されて、前記少なくとも1つの第1画素の発光動作を制御する駆動部を含む表示パネルと、を含み、
前記第1画素は、少なくとも1つのサブ画素を含み、前記少なくとも1つのサブ画素のそれぞれは、一側に第1電極を有し、他側に第2電極を有し、
前記第2画素は、少なくとも1つのサブ画素を含み、前記少なくとも1つのサブ画素のそれぞれは、一側に第1電極を有し、他側に電源電極を有し、
前記第2画素のサブ画素の第1電極は、接地に接続され、前記電源電極は、電源ラインに接続され、
前記第1画素と前記第2画素は、それぞれ互いに異なる電位の電圧で動作する、
表示装置。
【請求項10】
前記第1画素の少なくとも1つのサブピクセルは、赤、緑、青、及び白のうち1つの色の光を放出するように構成された、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
上記互いに異なる電位の電圧は、前記第1画素に印加されるデータ電圧と、前記第2画素に印加される静電気によって発生する衝撃電源の電圧と、を含む、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記駆動部は、発光させる各サブ画素の座標値を生成し、生成された座標値によって発光させる前記第1画素の少なくとも1つのサブ画素のそれぞれに、第1制御区間の間に設定されたデータ電圧が、第2制御区間の間に設定されたパルス幅で印加されるように構成された、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1領域は、表示領域であり、前記第2領域は、ベゼル領域である、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1画素と前記第2画素のそれぞれの周辺には、スペア領域が配置された、
請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示パネル及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自己発光素子を有する表示装置は、光源を内装する表示装置よりも薄く具現することができ、フレキシブルかつ折り畳める表示装置を具現することができるという長所がある。
【0003】
これらの自己発光素子を有する表示装置は、発光層として有機物を使用する有機発光表示装置と、マイクロ発光ダイオードを使用するマイクロLED表示装置などがあり得る。
【0004】
ところで、有機発光表示装置は、別途光源が不要である反面、水分と酸素による不良画素が発生しやすいため、酸素と水分の浸透を最小化するため様々な技術的構想がさらに要求される。かかる要求に対して近年は、微細なサイズのマイクロ発光ダイオード(Micro light emitting diode)を発光素子として使用する表示装置に関する研究及び開発が行われている。
【0005】
マイクロ発光ダイオードは、半導体に電流を流すと、光を出す性質を利用した半導体発光素子であって、照明、TV、各種の表示装置などに広く活用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マイクロ発光ダイオードを使用する表示装置は、半導体(a-Si)、酸化物(Oxide)及び低温多結晶シリコン(LTPS)などの層(Layer)がないことがあるため、パネル自ら薄膜トランジスタを具現することができない。
【0007】
よって、静電気放電(Electrostatic discharge;以下、ESD)回路を設計することができず、静電気に弱いという短所を有している。
【0008】
このため、本明細書の発明者は、上述した短所を解決するために、ベゼル領域(Bezel Area)に配置されているものの、画素として使用しない発光素子を、静電気を処理する素子として使用できるようにする表示パネルを発明した。
【0009】
よって、本明細書が解決しようとする課題は、表示パネルのベゼル領域に配置されている発光素子にそれぞれ静電気処理用電極を配置して、静電気処理領域として使用できるようにする表示パネル、及びこれを含む表示装置を提供することにその目的がある。
【0010】
上記した本明細書の目的は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書の一実施形態による表示パネルを提供することができる。前記表示パネルは、第1領域(AA)に少なくとも1つ以上の第1画素(P1)が配置され、第2領域(BZA)にも少なくとも1つ以上の第2画素(P2)が配置され、前記第1画素及び前記第2画素は、互いに異なる電位の電源で動作することができる。
【0012】
また、本明細書の一実施形態による表示装置を提供することができる。前記表示装置は、第1領域(AA)に配置されて、一側に第1電極かつ他側に第2電極を有する少なくても1つ以上の第1画素と、第2領域(BZA)に配置されて、一側に第1電極かつ他側に電源供給電極を有する少なくても1つ以上の第2画素と、を含む表示パネル;及び前記第1領域の背面に配置されて、前記少なくとも1つ以上の第1画素に対する発光駆動を制御するドライバを含み、前記第2画素の第1電極は、接地に接続され、前記電源供給電極は、電源供給ラインに接続され、前記第1画素及び前記第2画素は、互いに異なる電位の電源で動作することができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書の実施形態によれば、半導体(a-Si)、酸化物(Oxide)及び低温多結晶シリコン(LTPS)など、バックプレーン(Back Plane)のない表示装置において、ベゼル領域に配置されて使用しない発光素子を活用することにより、静電気放電(ESD)回路を設計することができる効果がある。
【0014】
また、本明細書の実施形態によれば、バックプレーンのない表示装置にもESD回路を具備することができることによって、静電気が発生しても、静電気からパネルを保護することができる効果がある。
【0015】
また、本明細書の実施形態によれば、別途静電気放電(ESD)回路を設置することなく、使用しない発光素子を活用してESD回路を構成することにより、製造工程を減らし、それによって製造コストを節約することができる。
【0016】
また、本明細書の実施形態によれば、静電気の発生によるパネルの損傷を防止することができるようになり、表示装置の品質向上と信頼性を高めることができる。
【0017】
そして、本明細書の実施形態によれば、使用しない発光素子を活用して静電気放電(ESD)機能を具現することで、製品の信頼性を確保することができるようになり、安定的なナローベゼル(Narrow Bezel)を実現することができる。
他の実施形態によれば、表示領域に配置され、表示領域の画素のそれぞれは、表示パネルに映像を表示するために発光するように構成された少なくとも1つ以上の表示領域のサブ画素を含む複数の表示領域の画素と、前記表示領域の少なくとも一部を囲む前記表示パネルのベゼル領域に配置され、少なくとも1つ以上のベゼル領域の画素のそれぞれは、光を放出しない少なくとも1つ以上のベゼル領域のサブ画素を含む複数のベゼル領域の画素とを含み、前記ベゼル領域のサブ画素は、共通ノードに電気的に接続される第1電極および第1電源供給ラインに電気的に接続される第2電極を有する第1ベゼル領域のサブ画素と、第3電極及び第4電極を含み、前記第3電極は、前記共通ノードに電気的に接続され、前記第4電極は、前記第1電源供給ラインと他の第2電源供給ラインに電気的に接続される第2ベゼル領域のサブ画素とを含む、表示パネルが提供される。
【0018】
本明細書の効果は、以上で言及した効果に限らず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【0019】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書の一実施形態による表示装置の前面と、表示領域及びベゼル領域を示した平面図である。
【
図2a】本明細書の一実施形態による表示領域に配置された第1画素の構造を概略的に示した図面である。
【
図2b】本明細書の一実施形態によるベゼル領域に配置された第2画素の構造を概略的に示した図面である。
【
図3】本明細書の一実施形態による表示パネルが適用される前の第1画素及び第2画素の接続構造を示した図面である。
【
図4】本明細書の一実施形態による表示パネルが適用された後の第2画素に対する接続構造を示した図面である。
【
図5a】本明細書の一実施形態による表示パネルの第2領域に配置された1つ以上の第2画素の接続構造を示した図面である。
【
図5b】
図5aの1つ以上の第2画素の接続構造によって具現されたESD回路例を示した図面である。
【
図6】本明細書の一実施形態による第1画素及び第2画素の接続構造を示した断面図である。
【
図7】本明細書の一実施形態による第2画素が有するダイオードの特性を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本文で開示されている本明細書の実施形態について、特定の構造的乃至機能的説明は、単に本明細書の実施形態を説明する目的で例示しただけであり、本明細書の実施形態は、様々な形態に実施することができ、本文で説明した実施形態に限定されるものであると解釈してはならない。
【0022】
本明細書による実施形態は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有していてもよいところ、特定の実施形態を図面に例示して、本文で詳説する。しかし、これは、本明細書を特定の開示形態について限定しようとするものではなく、本明細書の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものであると理解しなければならない。
【0023】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本明細書の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本明細書の技術的思想を容易に実施することができる。
【0024】
本明細書の説明にあたり、本明細書に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本明細書の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳説を省略する。
【0025】
以下では、添付の図面を参照して、本明細書による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一または類似の構成要素を指すために使われる。
【0026】
また、ある構成要素が他の構成要素に「接続」、「結合」または「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に接続されるかあるいは接続されていてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「接続」、「結合」または「接続」されていてもよいと理解しなければならないだろう。他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接接続されて」いるか、「直接接続されて」いると言及されているときは、その間に他の構成要素がないと理解すべきである。構成要素との関係を説明する他の表現、つまり「~間に」と「すぐ~間に」または「~に隣合う」と「~に直接隣合う」なども、同様に解釈すべきである。
【0027】
本明細書で使った用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本明細書を限定する意図はない。単数の表現は、文脈上明白に他に意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書における「含む」または「有する」などの用語は、開示の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在、または付加可能性を予め排除するものではないと理解すべきである。
【0028】
他に定義がなければ、本明細書で使われるあらゆる用語(技術及び科学的用語を含み)は、本明細書の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって共通して理解できる意味に使うことができる。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は、明白に特に定義しない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0029】
一方、ある実施形態が他に具現可能である場合、特定のブロック内に記述された機能または動作は、流れ図に示された手順と異なって行うことができる。例えば、連続した2つのブロックが実際は、実質的に同時に行うこともでき、関連した機能または動作によっては、前記ブロックを逆に行うこともできる。
【0030】
素子(element)または層が他の素子または「上(on)」と称されることは、他の素子または層の真上だけではなく、その間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。他方、素子が「直接上(directly on)」または「真上」と称されることは、その間に他の素子または層を介在しないことを示す。
【0031】
空間的に相対的な用語である「下(below,beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、1つの素子または構成要素と、他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使われるものである。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時、素子の互いに異なる方向を含む用語と理解しなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は、他の素子の「上(above)」に置かれるものであってもよい。よって、例示的な用語である「下」は、下と上の方向をいずれも含むものであってもよい。
【0032】
また、本明細書の構成要素の説明にあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。これら用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該構成要素の本質、順番、順序または個数などが限定されない。
【0033】
以下では、本明細書の実施形態による表示パネル、及びこれを含む表示装置を説明することとする。
【0034】
図1は、本明細書の一実施形態による表示装置の前面と、表示領域及びベゼル領域を示した平面図である。
【0035】
図1を参照すると、本明細書の一実施形態による表示装置1は、前面に配置されたカバー部材3と表示パネル5とを含んでいてもよい。
【0036】
カバー部材3は、カバーガラス(Cover Glass;CG)とも称することができる。カバー部材3は、カバーガラスとカバーウインドウ(Cover Window)とを含んでいてもよい。
【0037】
カバー部材3の背面には、不図示の表示モジュール及びバックフレームが配置されていてもよい。ここで、表示モジュールは例えば、基板、バッファ層、平坦化層、拡散ウインドウ(DW)、及びオーミック接触層(OC)などを含んでいてもよい。
【0038】
カバー部材3は、表示モジュールの前面を覆うように配置されて、外部の衝撃から表示モジュールを保護する役割が可能である。カバー部材3の縁部分は、表示モジュールが配置された背面方向に湾曲して形成されるラウンド状を有していてもよい。
【0039】
この場合、カバー部材3は、背面に配置された表示モジュールの側面の少なくとも一部領域まで覆うように配置することもでき、表示モジュールの前面だけではなく、側面も外部の衝撃から保護する役割が可能である。
【0040】
カバー部材3は、表示パネル5を含んでいてもよい。表示パネル5は、背面に表示モジュールを含んでいてもよい。カバー部材3は、画面を表示する表示領域(AA)を含むため、画面を表示できるように、カバーガラスのような透明な材質からなっていてもよい。例えば、カバー部材3は、透明なプラスチック材質、ガラス材質または強化ガラス材質からなっていてもよい。
【0041】
バックフレームは、表示モジュールの背面に配置されて、表示モジュールを収納し、カバー部材3を支持するように、カバー部材3と接触することができる。
【0042】
バックフレームは、表示装置1の外郭後面を形成するハウジングの役割が可能であり、ポリマーエポキシ(Polymer Epoxy)系樹脂(Resin)材質で形成することができる。
【0043】
この場合、バックフレームは、表示装置1の最も外郭を形成するケースとして機能することができるものの、これに限定されるものではない。例えば、バックフレームは、表示モジュールの後面を保護するハウジングの役割を担うミドルフレーム部として機能することができる。
【0044】
表示パネル5の背面に結合された表示モジュールは、ベンディング領域(Bending Area;BA)を含んでいてもよいものの、ベンディング領域(BA)は、-Z軸方向であるカバー部材3の背面にあるベゼル領域(BZA)に位置していてもよい。
【0045】
ベゼル領域(BZA)の縮小のためには、ベンディング領域(BA)の曲率半径の減少が必要である。ベンディング領域(BA)の曲率半径は、表示モジュール及び表示装置1の全体厚に比例するところ、全体厚が増加すると、ベンディング領域(BA)の曲率半径は増加し、全体厚が減少すると、ベンディング領域(BA)の曲率半径は減少する。よって、ベゼル領域(BZA)の大きさを増加させないためには、表示モジュール及び表示装置1の全体厚が増加しないようにする必要がある。
【0046】
表示パネル5は、第1領域(AA)と第2領域(BZA)とを含んでいてもよい。第1領域(AA)は、表示領域(Active Area;AA)であり、第2領域(BZA)は、ベゼル領域(Bezel Area;BZA)であってもよい。ベゼル領域(BZA)は、表示領域(AA)を囲む形態で表示装置1の最も外郭に沿って配置することができる。ベゼル領域(BZA)は、背面にベンディング領域(BA)を含んでいてもよい。
【0047】
第1領域(AA)には、少なくとも1つ以上の第1画素(P1)が配置され、第2領域(BZA)には、少なくとも1つ以上の第2画素(P2)が配置されていてもよい。第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、互いに異なる電位の電源で動作することができる。例えば、第1画素(P1)は、特定のデータ電圧によって動作し、第2画素(P2)は、静電気による衝撃パルス電圧で動作することができる。
【0048】
第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、有機電界発光ダイオード(OLED)を含んでいてもよい。
【0049】
第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれもマイクロLEDチップ(Micro LED Chip)を含んでいてもよい。この場合、第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれもフリップ(Flip)方式のマイクロLEDチップ(Micro LED Chip)が配置されていてもよい。また、第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれも水平(Lateral)方式や垂直(Vertical)方式のマイクロLEDチップ(Micro LED Chip)が配置されていてもよい。また、第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれも各画素の周辺にスペア(spare)領域がそれぞれ配置されていてもよい。
【0050】
第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれも赤(Red)、青(Blue)及び緑(Green)の光を発光するサブ画素(SP)であってもよいものの、これに限定されない。
【0051】
また、第1画素(P1)及び第2画素(P2)は、いずれも白(White)などの光を発するサブ画素(SP)であってもよい。
【0052】
図2aは、本明細書の一実施形態による表示領域に配置された第1画素を示した断面図であって、より詳細は、
図3のA-A’に沿う断面図であり、
図2bは、本明細書の一実施形態によるベゼル領域に配置された第2画素を示した断面図であって、より詳細は、
図5AのB-B’に沿う断面図である。
【0053】
図2aを参照すると、本明細書の一実施形態による第1画素(P1)は、表示領域(AA)に配置されて、一側に第1電極11が配置され、他側に第2電極12が配置されていてもよい。第1画素(P1)の第1電極11は、発光用アノード電極であり、第1画素(P1)の第2電極12は、発光用カソード電極であってもよい。
【0054】
第1画素(P1)には、バンク層16上に第1電極11が配置されていてもよい。第1画素(P1)の第1電極11は、バンク層16の上面と一側壁を覆うように配置されていてもよい。第1電極11は、発光用アノード電極であってもよい。よって、バンク層16の上面と一側壁を覆うように配置された第1画素(P1)の第1電極11は、駆動トランジスタ(Driving TR)から発光電源を印加される。
【0055】
第1電極11とバンク層16上には、拡散ウインドウ(Diffuser Window)層15が配置されていてもよい。
【0056】
第1電極11上には導電層13が配置され、導電層13上には活性層10が配置されていてもよい。活性層10は、「発光層」または「発光素子(LE)」と称することができる。よって、少なくとも1つ以上の第1画素(P1)は、赤(R)、緑(G)、青(B)、及び白(W)のいずれか色の光を発光するように構成することができる。また、赤(R)、緑(G)、青(B)の第1画素(P1)のみから構成することができる。この場合、赤(R)、緑(G)、青(B)の第1画素(P1)は、1つの単位画素または1つの単位画素領域を構成することができる。
【0057】
拡散ウインドウ層15上には、導電層13と活性層10を囲むように、側壁拡散(Sidewall Diffuser)層14が配置されていてもよい。
【0058】
側壁拡散層14及び活性層10上には、第2電極12が配置されていてもよい。第2電極12は、発光用カソード電極であってもよい。
【0059】
図2bを参照すると、本明細書の一実施形態による第2画素(P2)は、ベゼル領域(BZA)に配置されて、一側に第1電極21が配置され、他側に電源供給電極22が配置されていてもよい。
【0060】
第2画素(P2)の第1電極21は、接地に接続され、電源供給電極22は、電源供給ラインに接続されていてもよい。第2画素(P2)の第1電極21は、データ配線電極であってもよく、第2画素(P2)の第2電極である電源供給電極は、高電位電圧(VDD)電極または低電位電圧(VSS)電極であってもよい。
【0061】
第2画素(P2)には、バンク層26上に第1電極21が配置されていてもよい。第2画素(P2)の第1電極21は、バンク層26の上面と両側壁面を囲むように配置することができる。第1電極21は、データ配線用アノード電極であってもよい。ここで、第2画素(P2)の第1電極21は、第1画素(P1)の第1電極11が印加される発光電源よりも、より多量のVDD電源またはVSS電源を印加されるために、バンク層26の上面と両側壁面を囲むように配置することができる。
【0062】
第1電極21上には、拡散ウインドウ層25が配置されていてもよい。
【0063】
第1電極21上には導電層23が配置され、導電層23上には活性層20が配置されていてもよい。活性層20は、「発光層」または「発光素子(LE)」と称することができる。
【0064】
拡散ウインドウ層25上には、導電層23と活性層20を囲むように、側壁拡散層24が配置されていてもよい。
【0065】
側壁拡散層24及び活性層20上には、電源供給電極22が配置されていてもよい。電源供給電極22は、高電位電圧(VDD)電極または低電位電圧(VSS)電極であってもよい。
【0066】
本明細書の一実施形態による
図1の表示装置1は、少なくとも1つ以上の第1画素(P1)の発光動作を制御するためドライバ(Driver)を含んでいてもよい。ドライバは、第1領域である表示領域(AA)の背面に配置されていてもよい。ドライバは、タイミング制御部(Timing Controller)から映像データ及び発光制御命令を受信すると、映像データに相当する各第1画素(P1)にデータ電圧が印加されるように制御することができる。例えば、ドライバは、映像信号が印加されることによって、第1サブ画素乃至第3サブ画素のうち、発光させる各サブ画素の座標値を生成し、生成した座標値によって発光させる各サブ画素に、第1制御区間の間に設定されたデータ電圧が、第2制御区間の間に設定されたパルス幅で印加されるように制御することができる。
【0067】
図3は、本明細書の一実施形態による表示パネルが適用される前の第1画素及び第2画素の接続構造を示した図面である。
【0068】
図3を参照すると、本明細書の一実施形態による表示パネルが適用される前の第1画素(P1)は、第1領域(AA)に配置されて、1つ以上の発光素子(LE)を含んでいてもよく、1つの発光素子(LE)の一側には、信号配線として例えば、データ配線(Data Line;DL)が接続されており、他の発光素子(LE)の一側にも信号配線としてデータ配線(DL)が接続されていることが分かる。そして、多数の第1画素(P1)をいずれも覆うように、カソード電極(Cathode Electrode;CE)が配置されている。
図3のA-A’に沿う断面構造は、上述した
図2aのように形成することができる。
【0069】
これに対して、ベゼル領域である第2領域(BZA)に配置された第2画素(P2)は、各配置場所に発光素子(LE)が位置しているだけであり、一側にも配線が接続されておらず、他側にも配線が接続されていないことが分かる。また、多数の第2画素(P2)をいずれも覆うことができるカソード電極は、配置されていない。
【0070】
図4は、本明細書の一実施形態による表示パネルが適用された後の第2画素に対する接続構造を示した図面である。
【0071】
図4を参照すると、本明細書の一実施形態による表示パネルが適用された後の第2画素(P2)は、ベゼル領域である第2領域(BZA)に配置されて、一側に第1信号配線(SL1)が接続されており、他側に第2信号配線(SL2)が接続されていることが分かる。このとき、第2領域(BZA)における上部領域には、多数の第2画素(P2)を覆うように、第1電源配線板(VDD)が板状に配置されている。第1電源配線板(VDD)は、高電位電圧を印加されるための配線であり、第2画素(P2)の発光素子(LE)とそれぞれ接触されている。そして、第2領域(BZA)における下部領域には、多数の第2画素(P2)を覆うように、第2電源配線板(VSS)が板状に配置されている。第2電源配線板(VSS)は、低電位電圧を印加されるための配線であり、第2画素(P2)の発光素子(LE)とそれぞれ接触している。
【0072】
このため、表示パネル5で静電気が発生した場合、静電気による衝撃電源が表示パネル5に印加されても、第2領域(BZA)に配置された第2画素(P2)によって第1信号配線(SL1)または第2信号配線(SL2)から第1電源配線板(VDD)または第2電源配線板(VSS)に流れるようになる。よって、静電気による表示パネル5の損傷を防止することができる。
【0073】
図5aは、本明細書の一実施形態による表示パネルの第2領域に配置された1つ以上の第2画素の接続構造を示した図面である。
図5bは、
図5aの1つ以上の第2画素の接続構造によって具現されたESD回路例を示した図面である。
【0074】
図5a及び
図5bを参照すると、本明細書の一実施形態による表示パネルの第2領域に配置された1つ以上の第2画素(P2)は、一側に第1信号配線(SL1)または第2信号配線(SL2)が接続され、他側である上側方向に第1電源配線板(VDD)または第2電源配線板(VSS)が接続された構造によってESD回路を具現することができる。このように、ESD防止回路がTFT回路で構成されず、ダイオード特性を有する発光素子(LE)または画素を介して具現可能であるため、表示パネル5のP1素子が半導体層及びトランジスタなしに別途駆動チップで駆動される場合にも適用可能である。
【0075】
第2画素(P2)の電極接続構造によるESD回路は、一側に信号配線(SL1またはSL2)が配置され、これから第2画素(P2)は、第1ダイオード(D1)と第2ダイオード(D2)で作動する。第1ダイオード(D1)には高電源電圧(VDD)配線が接続され、第2ダイオード(D2)には低電位電圧(VSS)配線が接続される。このとき、一部の第2画素(P2)は、第2画素(P2)の第1信号配線(SL1)と第2信号配線(SL2)が接続されて、バンク層26の上面と両側壁面を囲むように配置されていてもよく、これは、B-B’の断面を示した上述の
図2bの説明と同様である。
【0076】
よって、静電気が発生すると、静電気による衝撃電源が信号配線(SL1またはSL2)に印加されて、第1ダイオード(D1)または第2ダイオード(D2)を介して高電源電圧(VDD)配線または低電位電圧(VSS)配線に流れるようになる。
【0077】
図6は、本明細書の一実施形態による第1画素及び第2画素の接続構造を示した断面図である。
図7は、本明細書の一実施形態による第2画素の接続構造によって構成されたESD回路を示した図面である。
【0078】
図6を参照すると、本明細書の一実施形態による第1画素(P1)は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の色の光を発光する素子であってもよい。
【0079】
第1画素(P1)は、それぞれ赤(R)、緑(G)及び青(B)の発光素子(LE)で配置され、前述した
図2aで説明した積層構造と同じ構造を有していてもよい。
【0080】
第1画素(P1)は、第2画素(P2)とは異なり、バンク層上に配置された第1電極がバンク層の上面と一側壁を覆うように配置されたものである。
【0081】
ベゼル領域の第2領域(BZA)に配置された第2画素(P2)も、それぞれ赤(R)、緑(G)及び青(B)の発光素子(LE)で配置され、前述した
図2aまたは
図2bで説明した積層構造と同じ構造を有していてもよい。
【0082】
第2画素(P2)の一部は、第1画素(P1)とは異なり、バンク層上に配置された第1電極がバンク層の上面と両側壁面を囲むように配置することができる。
【0083】
また、第2画素(P2)の第1電極は、示していないものの、接地に接続され、第2電極である電源供給電極は、電源供給ラインに接続されるものである。
【0084】
このとき、第2画素(P2)の第1電極は、データ配線電極であり、第2電極である電源供給電極は、高電位電圧(VDD)電極または低電位電圧(VSS)電極であってもよい。
【0085】
よって、第2画素(P2)についてそれぞれ赤(R)、緑(G)及び青(B)の発光素子(LE)からなる接続構造500は、
図5bに示したようなESD回路として機能することができる。
【0086】
このとき、ESD回路は、一側に信号配線が接続され、この信号配線から抵抗(R1)によって、第1ダイオード(D1)が上側方向の高電位電圧(VDD)配線に接続され、第2ダイオード(D2)が下側方向の低電位電圧(VSS)配線に接続される。このため、第2画素(P2)の発光素子(LE)は、光を出力する発光素子(LE)として機能せず、
図7に示した特性を有する第1ダイオード(D1)または第2ダイオード(D2)の機能を行うことができる。
図7は、本明細書の一実施形態による第2画素が有するダイオードの特性を示したグラフである。
図7に示したように、第2画素(P2)は、第1ダイオード(D1)または第2ダイオード(D2)の機能を行うとき、特定の電圧が加わると、一方向にのみ電流が流れる特性を示す。
【0087】
よって、静電気が発生する場合、静電気によって発生した衝撃電源がトランジスタ(TR)から第1ダイオード(D1)を介して高電位電圧(VDD)配線に流れるか、あるいは第2ダイオード(D2)を介して低電位電圧(VSS)配線に流れる。
【0088】
本明細書の一実施形態による発光素子(LE)は、青色波長を発光する青色の発光素子(LE)を使用し、色変換層として使用されるカラーフィルタ層に量子ドット(Quantum dot)粒子を混合して配置することができる。
【0089】
単一波長の発光素子(LE)を使用して、互いに異なる波長の発光素子(LE)をそれぞれ転写する工程が不要であり、一括して同じ波長の発光素子(LE)を使用しながら、色変換のためカラーフィルタ層を使用するが、量子ドット粒子をカラーフィルタ層に混合して、光効率は維持するものの、単純化した工程で表示装置1を提供することができる。
【0090】
単純化した転写工程によってサブ画素で発生し得る不良を最小化することができ、複数のサブ画素で単位画素を構成するため、複数のサブ画素のうち不良が発生しても、カラーフィルタ層を、単位画素を構成するいずれかサブ画素を使用して具現することができるため、不良に対処できる表示装置1を提供することができる。
【0091】
一方、本明細書の一実施形態による発光素子(LE)は、発光層、第1電極、第2電極、及び絶縁膜を含んでいてもよい。発光層は、第1半導体層、活性層及び第2半導体層を含んでいてもよい。発光素子(LE)は、第1電極と第2電極との間に流れる電流による電子と正孔の再結合によって発光する。
【0092】
第1半導体層は、p型半導体層であり、第2半導体層は、n型半導体層であってもよいものの、便宜上、第1半導体層及び第2半導体層に説明することとする。また、第1電極及び第2電極または電気的な接続関係によって、つまり電気的な接続をなす半導体層によってp型電極またはn型電極と称することができるものの、同様、便宜上、第1電極または第2電極に説明することとする。また、本明細書では、第1半導体層及び第2半導体層をそれぞれp型半導体層及びn型半導体層に説明するが、第1半導体層及び第2半導体層は、それぞれ逆であるn型半導体層及びp型半導体層であってもよい。
【0093】
第1半導体層は、活性層上に設けられて、活性層に正孔を提供する。本明細書の一実施形態による第1半導体層は、p-GaN系半導体物質からなってもよく、p-GaN系半導体物質では、GaN、AlGaN、InGaNまたはAlInGaNなどになり得る。ここで、第2半導体層のドープに使用される不純物では、Mg、ZnまたはBeなどを用いることができる。
【0094】
第2半導体層は、活性層に電子を提供する。本明細書の一実施形態による第2半導体層は、n-GaN系半導体物質からなってもよく、n-GaN系半導体物質では、GaN、AlGaN、InGaNまたはAlInGaNなどになり得る。ここで、第2半導体層のドープに使用される不純物では、Si、Ge、Se、TeまたはCなどを用いることができる。
【0095】
活性層は、第2半導体層上に設けられる。これらの活性層は、井戸層と、井戸層よりもバンドギャップの高い障壁層を有する多重量子井戸(MQW;Multi Quantum Well)構造を有する。本明細書の一実施形態による活性層は、InGaN/GaNなどの多重量子井戸構造を有していてもよい。
【0096】
第1電極は、第1半導体層と電気的に接続され、駆動薄膜画素である駆動トランジスタのドレイン電極またはソース電極と接続され、第2電極は、共通電源ラインに接続される。
【0097】
上述した第1電極は、p型電極であってもよく、第2電極は、n型電極であってもよい。これは、電子を供給するか、あるいは正孔を供給するかによって、つまりp型半導体層と電気的に接続されるか、あるいはn型半導体層と接続されるかによって区分することができるものの、本明細書では、第1電極と第2電極に説明することとする。
【0098】
本明細書の一実施形態による第1及び第2電極のそれぞれは、Au、W、Pt、Si、Ir、Ag、Cu、Ni、TiまたはCrなどの金属物質、およびその合金のうち1つ以上を含む物質からなっていてもよい。他の実施形態による第1及び第2電極のそれぞれは、透明な導電性材質からなっていてもよく、前記透明な導電性材質は、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などになり得るものの、これに限定されない。
【0099】
絶縁膜は、発光素子の外部をカバーするように配置され、第1電極及び第2電極の少なくとも一部をオープンするように、絶縁膜オープン領域(P-Open)を有する。絶縁膜は、SiNxまたはSiOxのような物質で配置され得、活性層をカバーするように配置される。
【0100】
絶縁膜は、発光素子にある第1電極及び第2電極と、画素電極(PE)または共通電極が電気的に接続されるように電極が配置されるとき、予期せぬ要素間の電気的接続が発生しないようにする。
【0101】
ちなみに、第2半導体層、活性層及び第1半導体層のそれぞれは、半導体基板上に順次積層して形成された発光素子であってもよい。ここで、半導体基板は、サファイア基板(sapphire substrate)またはシリコン基板などの半導体物質を含む。これらの半導体基板は、第2半導体層、活性層及び第1半導体層のそれぞれを成長させるための成長用基板として使用された後、基板分離工程によって第2半導体層から分離することができる。ここで、基板分離工程は、レーザリフトオフ(Laser Lift Off)またはケミカルリフトオフ(Chemical Lift Off)などになり得る。これによって、発光素子から成長用半導体基板が除去されることによって、発光素子は、相対的に薄厚を有することができ、これによって、各サブ画素に収納することができる。
【0102】
一方、発光素子におけるp-型電極及びn-型電極に電圧が印加されることによって、n-型GaN層及びp-型GaN層から活性層へそれぞれ電子及び正孔が注入されると、活性層内には励起子(exciton)が生成され、この励起子が消滅(decay)することによって、発光層のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)とHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)とのエネルギー差に相当する光が発生し、外部に発散するようになる。
【0103】
このとき、発光素子で発光する光の波長は、活性層の多重量子井戸構造の障壁層の厚さを調節することで調節することができる。
【0104】
発光素子は、約10-100μmサイズに形成することができる。発光素子は、基板110上にバッファ層を形成し、バッファ層上にGaN薄膜を成長することで製作することができる。このとき、GaN薄膜の成長のための基板では、サファイア(sapphire)、シリコン(si)、GaN、炭化ケイ素(SiC)、ガリウム砒素(GaAs)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる。
【0105】
また、バッファ層は、GaN薄膜成長用基板がGaN基板でない他の物質からなる場合、基板上にエピ(Epi)層であるn-型GaN層145を直接成長させる際に発生する、格子不整合による品質低下を防止するためのものであり、AlNまたはGaNなどを用いることができる。
【0106】
n-型GaN層は、不純物がドープされていないGaN層を成長させた後、ドープされていない薄膜の上部にSiのようなn型不純物をドープすることで形成することができる。また、p-型GaN層は、ドープされていないGaN薄膜を成長させた後、Mg、Zn、Beなどのp-型不純物をドープすることで形成することができる。
【0107】
特定の構造の発光素子が保護層上に配置され得るものの、本明細書では、このような特定の構造の発光素子にのみ限定されるものではなく、垂直構造の発光素子及び水平構造の発光素子のように、様々な構造の発光素子を適用することができる。
【0108】
一方、第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のうち、個々のサブ画素は、フリップ(Flip)方式で配置されていてもよい。ここで、フリップ方式は、発光素子が例えば、マイクロLEDチップである場合、チップの電極構造が上下方向にひっくり返した方式である。
【0109】
第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のうち、個々のサブ画素は、水平(Lateral)方式で配置することができる。ここで、水平方式は、発光素子が例えば、マイクロLEDチップである場合、チップの電極構造が上下方向に位置せず、左右方向に平行に位置した方式である。
【0110】
第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のうち、個々のサブ画素は、垂直(Vertical)方式で配置することができる。ここで、垂直方式は、発光素子が例えば、マイクロLEDチップである場合、チップの電極がそれぞれ上下に位置した方式である。
【0111】
第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のうち、個々のサブ画素の周辺には、各サブ画素に対応するスペア(spare)領域がそれぞれ配置されていてもよい。
【0112】
個々のスペア領域には、第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のいずれかと同じ色で発光する第5サブ画素がそれぞれ配置されていてもよい。
【0113】
個々の第5サブ画素は、各スペア領域に対応するサブ画素と同じ色の光を発光することができる。
【0114】
一方、ドライバは、映像信号が印加されることによって、第1サブ画素(R)乃至第4サブ画素(W)のうち、発光させる各サブ画素の座標値を生成し、生成された座標値によって発光させる各サブ画素に、第1制御区間の間に設定されたデータ電圧が、第2制御区の間に間設定されたパルス幅で印加されるように制御することができる。
【0115】
前述したように、本明細書の一実施形態によれば、ベゼル領域(BA)に配置されているものの、画素として使用しない発光素子を、静電気を処理する素子として使用できるようにする表示パネルを実現することができる。
【0116】
そして、本明細書の一実施形態によれば、表示パネルのベゼル領域に配置されている発光素子にそれぞれ静電気処理用電極を配置して、静電気処理領域に使用できるようにする表示パネル、及びこれを含む表示装置を実現することができる。
【0117】
他の実施形態によれば、表示領域に配置され、表示領域の画素のそれぞれは、表示パネルに映像を表示するために発光するように構成された少なくとも1つ以上の表示領域のサブ画素を含む複数の表示領域の画素と、前記表示領域の少なくとも一部を囲む前記表示パネルのベゼル領域に配置され、少なくとも1つ以上のベゼル領域の画素のそれぞれは、光を放出しない少なくとも1つ以上のベゼル領域のサブ画素を含む複数のベゼル領域の画素とを含み、前記ベゼル領域のサブ画素は、共通ノードに電気的に接続される第1電極および第1電源供給ラインに電気的に接続される第2電極を有する第1ベゼル領域のサブ画素と、第3電極及び第4電極を含み、前記第3電極は、前記共通ノードに電気的に接続され、前記第4電極は、前記第1電源供給ラインと他の第2電源供給ラインに電気的に接続される第2ベゼル領域のサブ画素とを含む、表示パネルが提供される。
【0118】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。さらに、本発明の実施形態を上述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0119】
1 表示装置
3 表示パネル
5 カバー部材
10,20 活性層
11,21 電極
13,23 導電層
14,24 側壁拡散層
15,25 拡散ウインドウ層
16,26 バンク層