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特開2024-96007一定の抵抗及び速度を有する均一な流体流
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096007
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】一定の抵抗及び速度を有する均一な流体流
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20240704BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209211
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】18/148,323
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523468356
【氏名又は名称】プレキシウム インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PLEXIUM, INC.
【住所又は居所原語表記】9330 Scranton Road, Suite 500 San Diego, CA 92121 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス エドガー
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジェシー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058DA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体輸送のためのデバイス及び方法、具体的には、超ハイスループットマイクロ流体デバイス及び関連方法等を提供する。
【解決手段】流体輸送のための方法は、入口の入口ポートにおいて流体を受け入れ、入口の開口部を通ってチャネルに出力する。第1の距離と第2の距離との第1の比は、入口の第1の長さ寸法と第2の長さ寸法との間の第2の比の三乗根に実質的に等しく、第1の距離は、入口ポートの入口部から入口内の第1の位置まで測定され、第2の距離は、入口ポートの入口部から入口内の第2の位置まで測定され、第1の長さ寸法及び第2の長さ寸法はそれぞれ、第1の距離及び第2の距離に沿った測定方向に直交する方向に沿って測定され、第1の長さ寸法及び第2の長さ寸法はそれぞれ、第1の位置及び第2の位置で測定される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体輸送のためのデバイスであって、前記デバイスが、
入口を備える入口本体であって、前記入口が、入口ポートを備える、入口本体と、
前記入口本体を支持する基部であって、前記基部が、前記入口と流体連通するチャネルを備える、基部と
を備え、
前記入口が、前記入口ポートにおいて流体を受け入れるように構成され、
前記入口が、前記入口の底部にあり、前記チャネルと流体連通する開口部を通して流体を出力するように構成され、
第1の距離と第2の距離との第1の比が、前記入口本体の第1の長さ寸法と第2の長さ寸法との間の第2の比の三乗根に実質的に等しく、前記第1の距離が、前記入口ポートの入口部から前記入口本体内の第1の位置まで測定され、前記第2の距離が、前記入口ポートの前記入口部から前記入口本体内の第2の位置まで測定され、前記第1の長さ寸法及び前記第2の長さ寸法がそれぞれ、前記第1の距離及び前記第2の距離が測定される方向に直交する方向に沿って測定され、前記第1の長さ寸法が、前記第1の位置で測定され、前記第2の長さ寸法が、前記第2の位置で測定される、流体輸送のためのデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの前記寸法が、垂直面及び水平面のうちの一方である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記入口、前記チャネル、及び前記出口が、前記チャネルの水平面のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記入口、前記チャネル、及び前記出口が、前記チャネル内の立方体領域のかなりの部分を通る流体の実質的に均一な流れを実現するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスが、マイクロ流体デバイスであり、前記チャネルが、マイクロ流体チャネルである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記入口本体、前記基部、及び前記出口本体が、単一の本体を形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記入口が、前記デバイスの単一の入口であり、前記チャネルが、前記デバイスの単一のチャネルであり、前記出口が、前記デバイスの単一の出口である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記入口ポートの断面積と、前記チャネルの入口部の断面積との比が、約1対約7.5である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記入口ポートの断面積と、前記開口部の断面積との比が、約1対約50である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記開口部の断面積と、前記チャネルの入口部の断面積との比が、約6.67対約1である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記入口ポートの深さと、前記入口の端部における深さとの比が、約1対約2である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記入口ポートの深さと、前記入口の端部における深さと、前記入口ポート又はその付近の高さとの比が、約1対約2対約3である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記チャネルの高さと、前記入口ポートの深さと、前記入口の端部における深と、前記入口ポート又はその付近の高さとの比が、約1対約4対約8対約12である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
水平面における前記開口部の幅と深さとの比が、約25対約1である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
垂直面における前記チャネルの幅と高さとの比が、約180対約1である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
水平面内の前記入口及び/又は前記出口のうちの少なくとも1つの側面の断面形状が、ボウタイ形状又はベンチュリ形状を有し、前記少なくとも1つの側面が、前記チャネルから外方に面する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記水平面内の前記入口及び/又は前記出口の両側が、ボウタイ形状又はベンチュリ形状を有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
垂直面における前記入口及び/又は前記出口の断面形状が、弓形又は括弧形である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記基部が、平行板構造を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
流体輸送のための方法であって、前記方法が、
入口を備える入口本体を設けるステップと、
前記入口本体を支持する基部を設けるステップであって、前記基部が、前記入口と流体連通するチャネルを備える、ステップと、
前記入口の入口ポートにおいて流体を受け入れるステップと、
前記入口の底部にあり、前記チャネルと流体連通している、前記入口の開口部を通して、流体を出力するステップであって、第1の距離と第2の距離との第1の比が、前記入口本体の第1の長さ寸法と第2の長さ寸法との間の第2の比の三乗根に実質的に等しく、前記第1の距離が、前記入口ポートの入口部から前記入口本体内の第1の位置まで測定され、前記第2の距離が、前記入口ポートの前記入口部から前記入口本体内の第2の位置まで測定され、前記第1の長さ寸法及び前記第2の長さ寸法がそれぞれ、前記第1の距離及び前記第2の距離が測定される方向に直交する方向に沿って測定され、前記第1の長さ寸法が、前記第1の位置で測定され、前記第2の長さ寸法が、前記第2の位置で測定される、ステップと
を含む、流体輸送のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月30日に出願された米国仮出願第63/046,500号に対する35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する、2021年6月30日に出願された米国出願第17/364,710号の一部継続出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、流体輸送のためのデバイス及び方法に関する。具体的には、本開示は、超ハイスループットマイクロ流体デバイス及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
開発したマイクロ流体デバイス及び方法は、複数のチャネル又は単一のチャネルポートを含む。両方の設計では、それぞれのデバイスを通過する流体のチャネルにわたる速度プロファイルは、流れの主な方向において変化し、不均一な速度プロファイルを生成する。不均一な速度プロファイルは、望ましくないことに、デバイスに接続されたセンサの精度を低下させ、スループットを妨げる。更に、いくつかの開発されたマイクロ流体デバイスでは、デバイスのアクティブなセンサ領域は、数ミリメートル(一例示的デバイスでは約12mm)程度のチャネル長方向の距離だけ入口及び出口構造から区別され得る。更に、いくつかの開発されたマイクロ流体デバイスでは、入口及び出口構造、又は分岐チャネルネットワークの比較的大きい設置面積に一部起因して、センサ領域に利用可能な基板の領域が著しく減少する。
【0004】
本発明者らは、関連技術のデバイスに関する少なくとも上記の参照した問題を克服するマイクロ流体デバイス及び方法の改善を開発した。
【発明の概要】
【0005】
以下の特徴のうちの1つ又は複数は、任意の実行可能な組合せに含まれ得る。
【0006】
流体輸送のためのデバイスを提供する。デバイスは、入口を含む入口本体を含む。デバイスは、入口本体を支持する基部を含み、基部は、入口と流体連通するチャネルを含む。デバイスは、出口を含む出口本体を含み、基部は、出口本体を支持し、出口は、チャネルと流体連通する。入口は、入口ポートにおいて流体を受け入れるように構成される。入口は、チャネルと流体連通する開口部を通して流体を出力するように構成される。入口は、チャネルの少なくとも1つの寸法のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成される。
【0007】
少なくとも1つの寸法は、垂直面及び水平面のうちの一方であってもよい。
【0008】
入口、チャネル、及び出口は、チャネルの水平面のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成され得る。
【0009】
入口、チャネル、及び出口は、チャネル内の立方体領域のかなりの部分を通る流体の実質的に均一な流れを実現するように構成され得る。
【0010】
デバイスは、マイクロ流体デバイスであってもよい。チャネルは、マイクロ流体チャネルであってもよい。
【0011】
入口本体、基部、及び出口本体は、単一の本体を形成してもよい。
【0012】
入口は、デバイスの単一の入口であってもよい。チャネルは、デバイスの単一のチャネルであってもよい。出口は、デバイスの単一の出口であってもよい。
【0013】
入口ポートの断面積と、チャネルの入口部の断面積との比は、約1対約7.5であり得る。
【0014】
入口ポートの断面積と、開口部の断面積との比は、約1対約50であり得る。
【0015】
開口部の断面積と、チャネルの入口部の断面積との比は、約6.67対約1であり得る。
【0016】
入口ポートの深さと、入口の端部における深さとの比は、約1対約2であり得る。
【0017】
入口ポートの深さと、入口の端部における深さと、入口ポート又はその付近の高さとの比は、約1対約2対約3であり得る。
【0018】
チャネルの高さと、入口ポートの深さと、入口の端部における深さと、入口ポート又はその付近の高さとの比は、約1対約4対約8対約12であり得る。
【0019】
水平面内における開口部の幅と深さとの比は、約25対約1であり得る。
【0020】
垂直面におけるチャネルの幅と高さとの比は、約180対約1であり得る。
【0021】
水平面における入口及び/又は出口の少なくとも1つの側面の断面形状は、ボウタイ形状又はベンチュリ形状を有してもよく、少なくとも1つの側面は、チャネルから外方に面する。
【0022】
水平面における入口及び/又は出口の両側は、ボウタイ形状又はベンチュリ形状を有してもよい。
【0023】
垂直面における入口及び/又は出口の断面形状は、弓形又は括弧形であってもよい。
【0024】
水平面における入口ポートの断面形状は、矩形状であってもよい。
【0025】
基部は、平行板構造を含み得る。
【0026】
デバイスは、約1μL/秒~約1000μL/秒の体積流量における流体の実質的に均一な流れを実現するように構成され得る。
【0027】
更に、流体輸送のためのマイクロ流体システムを提供する。マイクロ流体システムは、マイクロ流体デバイスを含む。マイクロ流体デバイスは、入口を含む入口本体を含む。マイクロ流体デバイスは、入口本体を支持する基部を含む。基部は、入口と流体連通するチャネルを含む。マイクロ流体デバイスは、チャネルの表面に形成された1つ又は複数のセンサを、あるいはチャネルの表面に形成された1つ又は複数のウェルに形成された1つ又は複数のセンサを、含む。マイクロ流体デバイスは、出口を含む出口本体を含み、基部は、出口本体を支持し、出口は、チャネルと流体連通する。
【0028】
チャネルは、流体の流れを促進するように構成され得る。流体は、例えば、その中に懸濁された複数の固体ビーズを含んでもよい。流体は、複数の懸濁された細胞を含んでもよい。入口は、入口ポートにおいて流体を受け入れるように構成され得る。入口は、チャネルと流体連通する開口部を通して流体を出力するように構成され得る。入口は、チャネルの水平寸法のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成され得る。デバイスは、そうでなければその中に存在するエッジ効果を補償するように構成され得る。
【0029】
複数のビーズの各々は、最大寸法、例えば、約10μm~約200μmの幅又は直径を有してもよい。
【0030】
複数の懸濁された細胞の各々は、最大寸法、例えば、約10μm~約50μmの幅又は直径を有してもよい。
【0031】
約10万個のセンサをチャネルの表面に形成してもよく、又は約10万個のセンサを、それぞれ約10万個のウェルに形成してもよく、ウェルはチャネルの表面に形成されている。
【0032】
基部は、平行板構造を含み得る。
【0033】
マイクロ流体デバイスは、約1μL/秒~約1000μL/秒の体積流量における流体の実質的に均一な流れを実現するように構成され得る。
【0034】
流体輸送のための方法を提供する。本方法は、入口を含む入口本体を設けること、を含む。本方法は、入口本体を支持する基部を設けることであって、基部が、入口と流体連通するチャネルを含む、設けること、を含む。本方法は、出口を含む出口本体を設けることであって、基部が、出口本体を支持し、出口が、チャネルと流体連通する、設けること、を含む。本方法は、入口の入口ポートにおいて流体を受け入れること、を含む。本方法は、チャネルと流体連通する入口の開口部を通して流体を出力すること、を含む。本方法は、入口を用いて、チャネルの水平寸法のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現すること、を含む。
【0035】
本方法は、入口、チャネル、及び出口を用いて、チャネルの水平面のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現すること、を含み得る。
【0036】
基部は、平行板構造を含み得る。
【0037】
本方法は、入口、チャネル、及び出口を用いて、約1μL/秒~約1000μL/秒の体積流量における流体の実質的に均一な流れを実現すること、を含み得る。
【0038】
流体輸送のためのデバイスを提供する。デバイスは、入口を含む入口本体を含む。デバイスは、入口本体を支持する基部を含み、基部は、入口と流体連通するチャネルを含む。入口は、入口ポートにおいて流体を受け入れるように構成される。入口は、チャネルと流体連通する開口部を通して流体を出力するように構成される。入口は、チャネルの少なくとも1つの寸法のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成される。
【0039】
入口は、入口の底部にあり、チャネルと流体連通する、開口部を通して流体を出力するように構成される。
【0040】
第1の距離と第2の距離との第1の比が、入口本体の第1の長さ寸法と第2の長さ寸法との間の第2の比の三乗根に実質的に等しく、第1の距離は、入口ポートの入口部から入口本体内の第1の位置まで測定され、第2の距離は、入口ポートの入口部から入口本体内の第2の位置まで測定され、第1の長さ寸法及び第2の長さ寸法はそれぞれ、第1の距離及び第2の距離が測定される方向に直交する方向に沿って測定され、第1の長さ寸法は、第1の位置で測定され、第2の長さ寸法は、第2の位置で測定される。
【0041】
流体輸送のためのマイクロ流体システムを提供する。マイクロ流体システムは、マイクロ流体デバイスを含む。マイクロ流体デバイスは、入口を含む入口本体を含む。マイクロ流体デバイスは、入口本体を支持する基部を含む。基部は、入口と流体連通するチャネルを含む。基部は、チャネルの表面に形成された1つ又は複数のセンサを、又はチャネルの表面に形成された1つ又は複数のウェルに形成された1つ又は複数のセンサを含む。チャネルは、流体の流れを促進するように構成される。流体は、複数のビーズを含む。流体は、複数の懸濁された細胞を含む。入口は、入口ポートにおいて流体を受け入れるように構成される。入口は、チャネルと流体連通する開口部を通して流体を出力するように構成される。入口は、チャネルの水平寸法のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現するように構成される。デバイスは、他の方法でその中に存在するエッジ効果を補償するように構成される。
【0042】
開示した主題のこれら及び他の能力は、以下の図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲を検討した後に、完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
これら及び他の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。
【0044】
図1】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの斜視ワイヤフレーム図である。
図2】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口本体及び入口、又は出口本体及び出口の詳細斜視ワイヤフレーム図である。
図3】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口、入口移行部、チャネル、出口移行部、及び出口の流体流領域を強調する斜視ワイヤフレーム図である。
図4A】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約0.1マイクロリットル(μL)/秒の体積流量で流れる流体(例えば、水)の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図4B】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1μL/秒の体積流量で流れる流体(例えば、水)の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図5】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約10μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図6】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図7】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。
図8】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約500μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図9】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1,000μL/秒(又は約1ミリリットル(mL)/秒)の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図10】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約5,000μL/秒(又は約5mL/秒)の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図11】例示的な実施形態による、タイプベータ(タイプβ)マイクロ流体デバイスの斜視ワイヤフレーム図である。
図12】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口本体及び入口、又は出口本体及び出口の詳細な斜視ワイヤフレーム図である。
図13】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口、入口移行部、チャネル、出口移行部、及び出口における流体流領域を強調する斜視ワイヤフレーム図である。
図14】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。
図15】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図16A】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図16B】例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約10μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図17】例示的な実施形態による、タイプガンマ(タイプγ)マイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約10μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図18】例示的な実施形態による、タイプデルタ(タイプδ)マイクロ流体デバイスの斜視ワイヤフレーム図である。
図19】例示的な実施形態による、処理の図である。
図20】従来技術による、マルチチャネルマイクロ流体デバイスの斜視図である。
図21】従来技術による、単一チャネルマイクロ流体デバイスの従来のチャネルのXZ平面内を、約1,000μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図22A】例示的な実施形態による、タイプαデバイスのチャネルの第1の点を通ってXY平面内、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する断面図である。
図22B図22Aの底部の中心部分の拡大図である。
図23】例示的な実施形態による、タイプαデバイスのチャネルの第2の点を通ってXY平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する断面の拡大図である。
図24】例示的な実施形態による、ハーフスケール(50%)入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図25】例示的な実施形態による、ハーフスケール(50%)入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図26】例示的な実施形態による、3/4スケール(75%)の入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図27】例示的な実施形態による、9/10スケール(90%)の入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図28】例示的な実施形態による、9/10スケール(90%)の入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図29】例示的な実施形態による、フルスケール(100%)入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約2mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図30】例示的な実施形態による、3対2スケール(150%)の入口/出口を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図31】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約1μL/秒の体積流量で流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図32】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約10μL/秒の体積流量で流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図33】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約100μL/秒の体積流量で流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図34】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約0.1μL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図35】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約100μL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図36】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約2mL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図37】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約5mL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図38】例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を約10mL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図39】例示的な実施形態による、他の実施形態と同様の入口であるが比較的大きな体積の制限されない出口構造を有する代替的なタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
図40】例示的な実施形態による、代替的なタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。
図41A】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、ウェルを含むチャネルの斜視ワイヤフレーム図である。
図41B】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、ウェルを含むチャネルの斜視ワイヤフレーム図である。
図42A】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図42B】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図42C】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図42D】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図43】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図44】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図45】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図46】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの一部として、入口の斜視ワイヤフレーム図である。
図47】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの斜視ワイヤフレーム図である。
図48】例示的な実施形態による、タイプアルファ(タイプα)マイクロ流体デバイスの斜視ワイヤフレーム図である。
【0045】
図面は必ずしも縮尺通りではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示した主題の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。当業者は、本明細書に具体的に記載し、添付の図面に示す構造、システム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図20は、マルチチャネルマイクロ流体デバイス700の斜視図である。マルチチャネルマイクロ流体デバイス700は、入口本体705と、基部750と、出口本体795と、複数の入口、すなわち800a、800b、800...、及び800nと、複数の出口、すなわち800a’、800b’、800’...、及び800n’と、基部750内の複数のチャネル890と、を含み、各チャネルは、複数の入口800及び出口800’にそれぞれ対応する。複数の入口800及び出口800’(又は分岐チャネル)の実装形態は、研究室で一般的なモノリス(例えば、ガラスに結合されたシリコーンエラストマーキャスト)によってチャネルが画定されない用途において課題をもたらす可能性がある。更に、複数の入口800及び複数の出口800’は、アッセイに利用可能なデバイスの全領域のかなりの部分を必要とし得る。表面空間が、チャネル間の分割において失われる可能性があり、流速は、各チャネルの中心から縁部まで変化し得る。
【0047】
図21は、幅の広い単一チャネルマイクロ流体デバイス900のチャネル1090のXZ平面内を、約1,000μL/秒(約1mL/秒)の体積流量で流れる流体(例えば、水)の速度を強調する等高線プロット上面図である。単一チャネルマイクロ流体デバイス900は、入口本体905と、基部950と、出口本体995と、入口本体905内の単一の入口1000と、出口本体995内の単一の出口1000’と、基部950内のチャネル1090と、を含む。単一の入口1000は、単一の出口1000’に接続するチャネル1090に接続する。単一の入口1000、チャネル1090、及び単一の出口1000’により、流体は、単一チャネルマイクロ流体デバイス900を通って流れることができる。本明細書を通じて使用する場合、特に明記しない限り、例えば、図21に示すように、チャネル1090のおおよその中心1095において、X方向は、デバイスの幅(ページの上下)に対応し、Y方向は、デバイスの高さ(ページの内外)に対応し、Z方向は、流れの主な方向(ページの左から右)に対応する。おおよその中心1095は、チャネル1090のXZ平面内に生じる。
【0048】
一般に、流体は、単一の入口1000を介して単一チャネルマイクロ流体デバイス900に入り、主に負のY方向でチャネル1090内を下方に落下し、Z方向でチャネル1090を横切って一般に流れ、単一の出口1000’に流入し、単一チャネルマイクロ流体デバイス900から主にY方向で上方に上昇する。しかしながら、単一の入口1000及び単一の出口1000’により、流体の実質的な部分は、特に単一の入口1000及び単一の出口1000’の近くを、正及び負のX方向に伝播する。単一の入口1000及び単一の出口1000’の使用は、チャネル1090を通って流れる流体の不均一な速度プロファイルを生成する。
【0049】
この例では、体積流量を約1mL/秒(概ねアッセイチャネルが占める体積、すなわち約0.675mL/秒)に設定すると、単一の入口1000及び単一の出口1000’の下又はその付近の流体のZ方向の速度は、比較的高く、すなわち、約0.4444mm/秒(「4.444444e-01」として示す)~約0.5000mm/秒(「5.000000e-01」として示す)程度になり、一方、チャネル1090の縁部に沿った流体のZ方向の速度は比較的低く、すなわち約0.0000mm/秒~約0.05556mm/秒程度である。チャネル1090内の単一の入口1000と単一の出口1000’との間の流体のZ方向の速度は、図示のように、約0.0000mm/秒~約0.5000mm/秒の程度であり、その間では様々な増分、すなわち約0.05556mm/秒、約0.1111mm/秒、約0.1667mm/秒、約0.2222mm/秒、約0.2778mm/秒、約0.3333mm/秒、約0.3889mm/秒、及び約0.4444mm/秒で変化する。チャネル1090の中心1095付近の流体のZ方向の速度は、約0.05556mm/秒~約0.1111mm/秒程度である。流体の分析を行うためにこの設計を有するデバイスを使用し得るが、特に分析が、流速、せん断、又は媒体交換に敏感である場合、チャネル1090の有効利用可能領域は著しく減少する。更に、センサがチャネル1090の周囲、及び単一の入口1000又は単一の出口1000’の近くに設けられている場合、Z方向の不均一な速度は、単一チャネルマイクロ流体デバイス900内のセンサの精度を低下させる。更に、約0.05556mm/秒~約0.1111mm/秒程度のZ方向の速度であるチャネル1090の領域にのみ、センサが設けられていても、Z方向の速度は、依然として領域内で比較的不均一である場合があり、単一チャネルマイクロ流体デバイス900内のセンサの精度が低下する。入口における比較的高い速度(及びせん断応力)は、アッセイに使用される場合、生きた細胞を破壊し得る。
【0050】
入口及び出口を含むマイクロ流体デバイスを提供する。マイクロ流体デバイスは、未使用の潜在的でアクティブなセンサ領域を最小化し、アクティブなセンサ領域内の均一な流れ領域を最大化し、アクティブなセンサ領域内のチャネルの周囲における摩擦効果を相殺し、並びに/あるいは入口及び出口構造を通る流れを変更して、アクティブなセンサ領域のチャネル内の均一な流れを促進するように構成され得る。
【0051】
入口及び出口の各々は、Y方向に主に垂直な流体流のための開口部を形成し得る。入口及び出口の各々は、Z方向に主に水平な流体流のためのチャネルのそれぞれの端部に接続され得る。チャネルは、アッセイのためのセンサ及び/又はウェルで構成され得る。本開示によるデバイスは、1つ又は複数のウェルの底部において1つ又は複数のセンサを有する、並びに/あるいはチャネルの底部及び/又は上部において比較的平坦な表面に1つ又は複数のセンサを有する、チャネルに適用され得る。入口及び出口導管の各々は、Y方向の長さ(YZ平面における垂直方向)、及びZ方向の深さ(XZ平面における水平方向)が変化し得る。入口導管の幾何学的形状は、チャネルに入る前に、XY平面に沿って変化する抵抗を流体に与えるように構成され得る。出口導管の幾何学的形状は、出口の底部でX方向の幅に沿ってチャネルを出る流体を受け入れるために、抵抗を変化させる同じ方法で構成され得る。入口及び出口の幾何学的形状の各々は、デバイスのチャネルに入る際の平面(Z方向)速度プロファイルの変化を最小化するように構成され得る。入口の幾何学的形状は、流体の平面速度プロファイルを平滑化するように構成され得る。入口の幾何学的形状は、層流条件下でチャネルの平面壁及び表面に実質的に均一なせん断応力を生成するように構成され得る。マイクロ流体デバイスの様々な例示的な実施形態は、分岐した分岐チャネルの必要性を回避し、分岐した分岐チャネルは、開発したマイクロ流体デバイスを用いて、チャネルの幅にわたる流体の流れの均一化を実現した。
【0052】
更に、チャネルに対する入口の比較的短い長さ(Y方向)は、十分に速い層流速度の下で、入口の粒子(例えば、ビーズ及び細胞)の沈降を最小化するように構成され得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、ビーズは、約25μm~約50μmの最大寸法を有し、懸濁された細胞は、約10μm~約30μmの最大寸法を有し得る。
【0053】
更に、本マイクロ流体デバイスの入口及び出口の幾何学的形状は、効率的な製造可能性を促進するように構成され得る。入口及び出口の幾何学的形状は、キャビティ内に、XY平面に沿って変化する抵抗を実現する正の抜き勾配を生成するように構成されてもよい。入口及び出口導管の幾何学的形状は、射出成形による大規模な製造を促進するように構成されてもよい。入口及び出口は、射出成形されてもよい。入口及び出口は、先端部品、又はチャネルから分離した部品として形成されてもよい。あるいは、入口及び出口は、チャネルを囲む基部又は基板と共に形成されてもよい。入口、出口、及びそれらの間のチャネルは、単一の本体の射出成形によって形成されてもよい。
【0054】
いくつかの例示的な実施形態では、単一チャネルマイクロ流体デバイスは、チャネル内に比較的大きいセンサ領域を有し、単一の入口及び単一の出口(複数の入口及び出口とは対照的)を有し、更に単一の入口及び単一の出口の各々がセンサ領域に対して比較的最小の設置面積、及びチャネルの幅(X方向)に沿って比較的均一な流れを有する、ように構成されてもよい。上述したように、いくつかの以前に開発された設計は、分岐した分岐チャネルネットワークを使用して平面速度プロファイルを均一化し、これは、全平面の比較的大きい部分を占め、本質的に製造が困難である。更に、開発された入口及び出口の高さは、ほとんどがチャネルの高さに固定されており、比較的短く、特に比較的流速が遅い領域において、開発されたデバイスの入口及び出口における重い粒子(例えば、ビーズ及び細胞)の望ましくない沈降をもたらす。一方、本開示の例示的な実施形態による入口及び出口の(Y方向の)長さは、チャネルの高さよりも概ね1桁長くてもよく、入口及び出口の(Y方向の)長さは、流体中の沈降の移動方向に対応する。更に、本開示の例示的な実施形態の入口及び出口の導管の幾何学的形状は、入口及び出口全体にわたって十分な流れを生成するように構成され、粒子が、懸濁状態に留まり、表面せん断がデバイスを通る粒子の流れを促進するために十分に高いチャネルに到達することを可能にする。
【0055】
上述したように、いくつかの開発したマイクロ流体デバイスでは、入口及び出口構造とセンサ領域との間のZ方向の距離が約12mm程度であり、センサ領域には約5万ウェルのみを設けた。一方、本開示の例示的な実施形態の入口及び出口の設置面積が比較的小さい場合、実質的に多くのウェルを、例えば、約15万個のウェル及び/又は約15万個のセンサの程度で、比較可能なサイズのセンサ領域に設け得る。
【0056】
例示的な実施形態では、チャネルは、平行板マイクロ流体チャネルであってもよい。以下の流れ方程式は、チャネルを通る流れの属性を定量化するために使用され得る。平行板マイクロ流体チャネルの体積流を、以下の式(1)のように表し得る。
【0057】
本方程式では、入口本体200に沿った又は入口本体を横切る流れの観点から、流れの主な方向は、長さ、すなわちY方向に沿っており、h=高さ(Z方向)、w=幅(X方向)、L=流れの主な方向に沿った長さ(Y方向)、μ=粘度、ΔP=圧力差、R=抵抗、及びQ=体積流量である。ここで、流体流の主な方向が入口本体200とチャネル290との間で異なるので、入口本体200の「長さ」、「高さ」、及び「幅」方向は、チャネル290の「長さ」、「高さ」、及び「幅」方向とは異なり得る。平行板構造では、幅(X方向)は、高さ(Z方向)よりもかなり大きく、すなわちw>>hであることに留意されたい。ここで、Lは、流れの主な方向(例えば、流体が入口ポート205から特定の位置までどれだけ遠くに移動するか)における、入口本体200内の特定の点又は位置での流れの寸法又は距離を示し、又は表し、hは、流れLの寸法が決定される位置に対応する、高さ(z方向)における寸法を示し、又は表し、wは、X方向における寸法を表し、ここでは一定であってもよい。入口ポート205は、例えば、x及び/又はz方向又は寸法において内側又は外側でテーパ状であってもよい。
【0058】
平行板マイクロ流体チャネルの流れ原理を、以下の式(2)のように表し得る。
【0059】
平行板マイクロ流体チャネルの流れ抵抗の関係を、以下の式(3)のように表し得る。
【0060】
入口本体200に沿った、又はそれを横切る流れの観点から、抵抗は、高さ(Z方向)に強く依存する。具体的には、抵抗は、高さ(Z方向)の3乗に反比例する。
【0061】
式(3)を適用すると、図42A図42D及び図43図44の具体的な例示的な例として、入口本体200の位置206、207、208及び209における抵抗は、ほぼ一定である。ここで、概ね、+/-5パーセント以下の偏差、又は+/-10%以下の偏差を含んでもよい。したがって、式3より、位置206,207,208,及び209の各々において、hに対するLの比は、一定である。説明の便宜上、位置206におけるLは、3mm、位置207におけるLは、6mm、位置208におけるLは、12mm、位置209におけるLは、24mmと仮定する。言い換えれば、入口ポート205から位置206までの距離(例えば、x及びy方向の両方における斜辺又は直線距離)は、3mmであり、入口ポート205から位置207までの距離は、6mmであり、入口ポート205から位置208までの距離は、12mmであり、入口ポート205から位置209までの距離は、24mmである。また、位置206におけるhは、1mmと仮定する。したがって、式(3)を満たすために、入口本体200の斜視図及び上面図をそれぞれ示している図43図44に示すように、位置207におけるhは、21/3mm、すなわち約1.26mmであり、位置208におけるhは、41/3mm、すなわち約1.59mmであり、位置209におけるhは、81/3、すなわち2mmである。図42Aに示すように、位置206,207,208及び209における一定の抵抗の結果として、入口本体からチャネル290内への流体の流れの速度は、任意の位置で均一であり得る。
【0062】
数値は、式(3)の適用概念を説明するためにのみ提供されている。一般的には、
であり、ここで、L及びLはそれぞれ、入口ポート205から、入口本体200の基部における第1の位置まで、及び入口本体200の基部における第2の位置までの距離であり、h及びhはそれぞれ、第1の位置及び第2の位置における高さ方向の寸法である。図42B図44Dでは、位置206以外に、X方向の寸法が設けられているが、Lの寸法は設けられていないと仮定する。特に、位置206から位置217までのX方向の寸法は、8mm、位置206から位置218までのX方向の寸法は、16mm、位置206から位置219までのX方向の寸法は、24mmと仮定する。よって、Lの寸法は、ピタゴラスの定理によって決定又は近似され得る。したがって、図42Bに示すように、位置206におけるLが、3mmであり、位置217におけるLが、731/2、すなわち約8.54mmである場合、位置218におけるLは、2651/2、すなわち約16.28mmであり、位置219におけるLは、5851/2、すなわち約24mmである一方で、位置206におけるhは、1mmである。次に、位置217におけるhは、
すなわち約1.42mmであり、位置218におけるhは、
すなわち約1.76mmであり、位置219におけるhは、
すなわち約2mmである。位置217,218及び219におけるhの寸法を図45に示す。
【0063】
要約すると、第1の距離と、第2の距離との第1の比は、第1の長さ寸法と第2の長さ寸法との間の第2の比の三乗根に実質的に等しいか、ほぼ等しいか、又は等しい。第1の距離は、入口ポート205の入口部から入口本体200内の第1の位置まで測定され、第2の距離は、入口ポート205の入口部から入口本体200内の第2の位置まで測定され得る。第1の長さ寸法は、第1の位置に対応し、第1の位置で、又は第1の位置の真上(例えば、y方向に沿って延びる)で測定され、第2の長さ寸法は、第2の位置に対応し、第2の位置で、又は第2の位置の真上(例えば、y方向に沿って延びる)で測定され得る。非限定的な例として、第2の位置は、入口ポート205から最も遠い入口本体200の縁部にあってもよい。第1の位置は、入口ポート205に最も近い位置(例えば、入口ポート205の真下)で入口本体200の底部にあってもよい。
【0064】
本明細書に開示した機能及び目的を満たす任意の構造は、本開示の範囲内である。以下に、本明細書に開示した機能及び目的を満たす例示的な実施形態を詳細に提供する、しかしながら、本開示はこれに限定されない。本明細書の例示的な実施形態はマイクロ流体用途を対象としているが、開示した構成は、任意の適切なスケールにスケールアップ又はスケールダウンしてもよい。更に、本明細書の例示的な実施形態は、任意のデバイスの床又は水平構造を通る及び/又はその上の流体の均一な流れを実現し得る。例えば、本明細書の例示的な実施形態は、触媒反応を引き起こすための領域を通る及び/又はその上の流体の均一な流れを実現し得る。いくつかの例示的な実施形態では、デバイスは、触媒床を通る及び/又はその上の均一な流体流を促進するように構成されてもよい。
【0065】
タイプαマイクロ流体デバイス
【0066】
図1は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の斜視ワイヤフレーム図である。本明細書で使用される慣例に留意されたい、つまり、奇数(例えば、100,150など)で始まる参照番号は、構造を示し、偶数(例えば、200,290など)で始まる参照番号は、構造内の開口部又は開口を示す(この慣例はプロセス1100には適用されない)。タイプαマイクロ流体デバイス100は、入口本体105と、基部150と、出口本体195と、を含み得る。あるいは、タイプαマイクロ流体デバイス100は、出口本体195を含まずに、入口本体105と、基部150の一部と、のみを含んでもよい。入口200が、入口本体105に形成され得る。入口本体105は、出口本体195と実質的に同様であってもよい。あるいは、入口本体105は、出口本体195と比較して変形部があってもよい。入口本体105、基部150、及び出口本体195は、単一の本体又は別個の構成要素であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、入口本体105及び出口本体195は、交換可能である。いくつかの例示的な実施形態では、入口200及び出口200’は、実質的に同一であり、交換可能であり、向きが反転しているだけである。「入口」という用語は、限定することを意図するものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、流体流の方向を示してもよく、流体流の方向を逆にすることにより、「入口」及び「出口」という用語を逆にしてもよい。
【0067】
出口200’は、出口本体195に形成され得る。入口200は、出口200’と実質的に同様であってもよい。あるいは、入口200は、出口200’と比較して変形部があってもよい。チャネル290が、入口200と出口200’との間の流体接続に設けられてもよい。入口移行部285が、入口200の底部開口部とチャネル290の入口側との間に設けられてもよい。出口移行部295は、チャネル290の出口側と出口200’の底部開口部との間に設けられてもよい。タイプαマイクロ流体デバイス100が、出口本体195を含まず、入口本体105のみを含むように変更され得るシナリオでは、タイプαマイクロ流体デバイス100は、図46に示すように、チャネル290の一部のみを、又は部分チャネル151を、含む変更したマイクロ流体デバイス101に変更され得る。あるいは、変更マイクロ流体デバイス101は、チャネル290を含まなくてもよい。
【0068】
図41A及び図41Bに示すように、チャネル290は、上面4101、底面4102、並びに側面4103、4104、4105及び4106によって画定又は境界付けられ得る。言い換えれば、上面4101、底面4102、並びに側面4103、4104、4105及び4106は、チャネル290の境界を形成し得る。流体流は、入口本体205の底部から、入口本体205の表面と一致する側面4103を通ってチャネル290に入り得る。更に、いくつかの例では、チャネル290は、底面4102において、1つ又は複数のウェル4110を含むか、又は画定してもよい。したがって、流体が、チャネル290の内部及び1つ又は複数のウェル4110の上を流れるように、1つ又は複数のウェル4110は、チャネル290の底部に配置されてもよい。ウェル4110の上部開放面は、底面4102と一致してもよい。したがって、チャネル290に入る流体流は、ウェル4110に浸透し得る。いくつかの例では、図41Aに示すように、基部150は、ウェル4110の下に配置又は位置してもよい。他の例では、図41Bに示すように、ウェル4110は、任意の基部によって支持されていなくてもよい。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態では、マイクロ流体用途のために、チャネルは、平行板構造であってもよく、Y方向におけるチャネル290の高さは、均一で、約0.05mm~約0.50mm程度であってもよい。チャネル290は、直方体形状であってもよい。具体的には、Y方向のチャネル290の高さは、約0.25mm程度であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、Y方向のチャネル290の高さは、デバイス100を通る輸送流体の体積消費を最小化するように低減される。いくつかの例示的な実施形態では、Y方向のチャネル290の高さは、チャネル290の表面上のせん断応力を考慮するように最適化される。チャネル290の表面上のせん断応力は、一定の圧力差におけるチャネル290の高さの直接一次関数である。例えば、約25~50μmの最大寸法のビーズ、及び約10~20μmの最大寸法の懸濁された細胞の場合、約0.25mmのチャネル290の高さは、油状物などの流体を流体(例えば、水)に導入してウェルアレイを単離するとき、十分で望ましいせん断応力をもたらすものとして観察される。いくつかの例示的な実施形態では、X方向におけるチャネル290の幅は、約45.0mm程度であってもよい。他の例示的な実施形態では、X方向におけるチャネル290の幅は、約200mm程度であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、Y方向のチャネル290の高さと、X方向のチャネル290の幅との比は、約1対約180であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、Z方向のチャネル290の長さは、約70mm程度であってもよい。
【0070】
入口本体105、基部150、出口本体195、入口200、入口移行部285、チャネル290、出口移行部295、及び出口200’は、射出成形又は任意の他の適切な方法によって形成されてもよい。
【0071】
図2は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口本体105及び入口200の詳細な斜視ワイヤフレーム図である。追加的又は代替的に、出口本体195及び出口200’はそれぞれ、入口本体105及び入口200と実質的に同様又は同一に実装されてもよい。入口200は、入口200を通る流体の流れを入口200の入口(例えば、ポート205、以下に説明する例)から入口200の出口部(例えば、開口部240、以下に説明する例)に変換するように構成されてもよい。具体的には、入口200は、入口200の入口における(例えば、ポート205における)流体の流れを、入口200の出口部における(例えば、開口部240における)実質的に均一な流れに変換するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「実質的に均一な」流れという用語は、例えば、所与の試行におけるデバイスの所与の領域における最大観察値の約10%として定義される範囲内の流体流を指すために使用され得る。実質的に均一な流れの非限定的な例を以下に提供する。明確にするために、シミュレーションは、10段階の速度目盛で表され、それによって均一性の分解能を10%以内に制限する。
【0072】
逆に、出口200’は、出口200’の入口(例えば、開口部240)から、出口200’の出口部(例えば、ポート205)まで出口200’を通る流体の流れを変換するように構成されてもよい。具体的には、出口200’は、出口200’の入口における(例えば、開口部240における)流体の実質的に均一な流れを、出口200’(例えば、ポート205における)を出る流体に適した流れに変換するように構成されてもよい。
【0073】
したがって、入口200は、流体がチャネル290に入るときに、流体の実質的に均一な流れを提供するように構成される。チャネル290への実質的に均一な流れはデバイス100に接続されたセンサの精度を、及び/又はデバイス100を通る流体のスループットを改善する。
【0074】
いくつかの例では、デバイス100は、図47に示すように、入口本体105及び/又は出口本体205を除外してもよい。いくつかの例では、図48に示すように、例えばチャネル290の入口部及び/又は出口部に隣接して、1つ又は複数のセンサ4801が、チャネル290内に配置されてもよい。いくつかの例では、1つ又は複数のセンサ4802が、入口200内に配置されてもよく、並びに/あるいは1つ又は複数のセンサ4803が、出口200’内に配置されてもよい。
【0075】
示すように、例えば、以下の図4A図4B、及び図5図9の左側(特に図5図9)では、図2の破線矢印が表すように、流体の速度を破線矢印が示し、入口200の各ベクトルの端部における流体の速度は、X方向の入口200に沿った実質的にすべての点において実質的に同じである。X方向に沿って上部入口ポートから縁部に向かって入口及び出口導管の各々のZ方向の深さが徐々に深くなると、入口及び出口の各々が入口及び出口の各々の縁部に向かって開口する場合の断面抵抗が大幅に減少し、それにより、深さによってもたらされる反比例の抵抗は、入口ポートから入口の底部までの任意の経路長によってもたらされる直線抵抗と釣り合う(式3を参照)。例えば、構造が入口200であるとき、ポート205からの流路(例えば、図2において破線矢印が示しているもの)の累積抵抗は、入口200の底部の開口部240における流路の累積抵抗と同じ又はそれに近い。したがって、入口の底部におけるこれらの流路の速度も等しく均一である。
【0076】
図2の実施形態では、入口200の片側は、チャネル290に面し、かつ出口200’に面する入口200の側面のXY平面に対応する実質的に平坦(XY平面とほぼ同一平面)であってもよい。逆に、出口200’は、チャネル290に面し、かつ入口200に面する出口200’の側面のXY平面に対応する実質的に平坦(XY平面とほぼ同一平面)であってもよい。
【0077】
逆に、出口200’は、流体がチャネル290を出るとき、流体の実質的に均一な流れを受け入れるように構成される。チャネル290からの実質的に均一な流れは、デバイス100に接続されたセンサの精度を、及び/又はデバイス100を通る流体のスループットを保証する。例えば、以下の図4図9の右側では、チャネル290を出る流体のZ方向の速度は、X方向の出口200’に沿った実質的にすべての点で実質的に同じである。
【0078】
入口200及び/又は出口200’は、ポート205を含み得る。ポート205は、Z方向の深さ210を有し得る。いくつかの例示的な実施形態では、ポート205のZ方向の深さ210は、約0.5mm~約1.5mmの範囲内、いくつかの実施形態では、約0.9~約1.0mmの範囲内であってもよい。ポート205は、実質的に直線の縁部(図1に示すように)、又は非直線の縁部(図示せず)を有してもよい。ポート205は、開いた上部(XZ平面内)、開いた底部(XZ平面内)、及び4つの閉じた側面(XY平面及びYZ平面内に各2つ)で構成されてもよい。
【0079】
ポート205は、図2に示すように、XY、YZ、及びXZ平面の各々のうちの1つ又は複数において長方形(正方形を含む)の断面を有してもよい。円形又は楕円形などのXZ平面における他の断面形状も本開示の範囲内である(例えば、図18を参照)。
【0080】
入口200及び/又は出口200’は、テーパ状領域220を含み得る。テーパ状領域220は、Z方向にテーパ状であってもよい。すなわち、上側から(XZ平面から)見たとき、テーパ状領域220は、ポート205付近ではZ方向の深さが比較的浅く、変曲点225付近ではZ方向の深さが比較的深くてもよい。図2に示すように、上方から(XZ平面から)見たとき、テーパ状領域220は、入口200の一方の側面、すなわちチャネル290とは反対側にのみ設けられてもよい。逆に、上方から(XZ平面から)見たとき、テーパ状領域220は、出口200’の一方の側面、すなわちチャネル290とは反対側にのみ設けられてもよい。言い換えれば、チャネル290に面する入口200又は出口200’の側面は、テーパ状でなくてもよく、比較的平坦(XY平面とほぼ同一平面)であってもよい。(図11図15図16A、及び図16Bの例示的な実施形態を参照すると、入口400及び出口400’の両側はテーパ状である。)
【0081】
テーパ状領域220は、Y方向の高さ215を有し得る。いくつかの例示的な実施形態では、Y方向の高さ215は、約3.0mmであってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、Y方向の高さ215は、入口200及び/又は出口200’の中心から、(235における)縁部までの距離の約8分の1に等しくてもよく、Z方向の深さ235のテーパが徐々に倍増してもよい。入口は、本質的に垂直なチャネル(又は導管)であってもよい。
【0082】
変曲点225は、テーパ状領域220と、湾曲したテーパ状領域230との間に設けられてもよい。湾曲したテーパ状領域230は、Y方向に湾曲し、Z方向にテーパ状であってもよい。すなわち、側面から(XY平面から)見たとき、湾曲したテーパ状領域230は、変曲点225においてY方向に湾曲し始め、Y方向の湾曲は、湾曲したテーパ状領域230の端部において終了してもよい。また、上方から(XZ平面から)見たとき、湾曲したテーパ状領域230は、変曲点225においてZ方向に比較的浅い深さを有し、湾曲したテーパ状領域230の端部においてZ方向に比較的深い深さ235を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約1.0mm~約3.0mmの範囲、いくつかの実施形態では、約1.8~約2.0mmの範囲であってもよい。
【0083】
タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積は、約1,168μLであり、チャネル290の体積は、約742.5μLであり、入口200又は出口200’の体積は、約212.75μLであり、入口200及び出口200’の体積は、約425.5μLであり得る。したがって、タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積に対する入口200及び出口200’の体積の割合は、約36.43%であり得る。
【0084】
湾曲したテーパ状領域230は、比較的遅い流速を有するデッドボリューム領域(又は渦形成領域)であってもよく、これは、完全な媒体交換のために最小化されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、隣接する表面の比較的鋭い90°の交差部は、面取り及び/又は湾曲した交差部(図示せず)を用いて避けられ得る。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態では、図2に示すように、Z方向の深さは、例えば、ポート205の近くの約0.75mmから端部の約1.5mmまで、ポート205の近くの約0.9mmから端部の約1.8mmまで、ポート205の近くの約1.0mmから端部の約2.0mmまで、又はポート205の近くの約1.5mmから端部の約3.0mmまで、直線的に変化してもよい。図2に示す例示的な実施形態では、例えば、深さは、1:2の比で変化し、それにより、深さが寄与する反比例抵抗は、8(すなわち、2)だけ変化し、それによって、入口ポートの中心から入口縁部の底部までの長さの変化(約8)が寄与する直線抵抗、例えば、約3.0mm~約24.0mmのバランスをとる(例えば、式3を参照されたい)。入口200及び出口200’は、例えば、図2に示すように、1つ又は複数の実質的に直線状の縁部を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、Z方向の深さは、ポート205から端部まで(深さ235で)増加してもよい。入口200及び出口200’は、1つ又は複数の湾曲した縁部(図示せず)を有し得る。あるいは、いくつかの例示的な実施形態では、Z方向の深さは、実質的に直線状の縁部(図17参照)でポートから端部まで実質的に一定(例えば、テーパ状ではない)であってもよい。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態では、深さ210の約1.0mmから深さ235の約2.0mm(又は、約0.75mm~約1.5mm、又は約0.9mm~約1.8mm、又は約1.5mm~約3.0mm)へのテーパは、直線状であってもよい。直線テーパは、ポート205の中心と、開口部240に沿った任意の点との間の流れ抵抗のバランスを十分にとる。流体流の流路(図2の破線)の長さは、ポート205の約3.0mmから、ポート205と端部(深さ235)との間の約24.0mmまで(例えば、中心から端部までの8倍長い長さ)、それぞれ変化し、長さが寄与する抵抗は、8倍増加する。抵抗のバランスをとるために、深さのテーパは、ポート205の中心から深さ235まで倍増し、深さが寄与する抵抗を効果的に8(2)倍減少させる。他の例示的な実施形態では、直線テーパでは、端部と比較して中心の抵抗がわずかに小さい(最大Z方向速度に比較的迅速に達する)ので、テーパは、非直線又は湾曲していてもよい。直線テーパは、アッセイチャネル290の入口部で十分に均一な速度を生成し得る。いくつかの例示的な実施形態では、開口部240は、約1.5mm~約3.0、約2.0mm、約2.0mm超、又は約2.0mm未満の範囲のZ方向の深さを有する。
【0087】
開口部240は、入口本体105の底面、又は出口本体195の底面に形成されてもよい。すなわち、開口部240は、入口200の内部と入口移行部285との間の流体連通を実現するように形成され、又はデバイスの他方の側では、開口部は、出口移行部295と出口200’の内部との間の流体連通を実現するように形成されてもよい。入口移行部285及び/又は出口移行部は、実質的に直線形状又は任意の他の適切な形状を有してもよい。入口移行部285及び/又は出口移行部295は、実質的に直線状の縁部(図1に示す)、又は非直線状の縁部(図示せず)を有してもよい。
【0088】
入口移行部285は、入口200を出た後の流体の流れの主な方向を、Y方向の実質的に垂直な方向、及びX方向の実質的に水平な方向から、チャネル290に入る前のZ方向の実質的に水平な方向に、変化させるように機能し得る。逆に、出口移行部295は、出口200’に入る前に、流体の流れの主な方向を、チャネル290内のZ方向の実質的に水平な方向から、Y方向の実質的に垂直な方向及びX方向の実質的に水平な方向に変化させるように機能し得る。
【0089】
図3は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口200、入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295における流体流領域を強調する斜視ワイヤフレーム図である。図3内の中実形状は、流体流領域を示し、図3の左側において始まり、入口200のポート205に入り、ポート205を通って(Y方向に)下方に、入口200内を(Y方向に)下方に、及び外方又は側方に(X方向の両方に)、入口200の底部の開口部240から入口移行部285に入り、入口移行部285を出る前に方向を変えて右に(Z方向に)流れ、チャネル290に入り、チャネル290を通って左から右に(Z方向に)流れ、出口移行部295に出て、方向を変えて、出口200’の底部の開口部240に流入し、ポート205に向かって(Y方向に)上方に、かつ内方に(X方向の両方に)、ポート205を通って上方に(Y方向に)流れ、ポート205の上部から出る。本明細書に記載の流体流の主な方向は左から右であるが、流体が右から左に流れるように入口及び出口を反転してもよいことが理解される。
【0090】
表1は、本開示のマイクロ流体デバイスの様々な例示的な実施形態の速度研究をまとめたものである。
【0091】
【表1】
【0092】
図4Aは、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約0.1μL/秒の体積流量で流れる流体(例えば、水)の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。いくつかの例示的な実施形態では、流体の速度は、チャネル290の上部内面と下部内面との間のほぼ中間点で測定されてもよい。図4A図4B図5図10図14図15図16A図16B図17及び図24図30の例示的な実施形態では、Y方向におけるチャネル290の高さは、約0.25mmで、流体の速度は、チャネル290の上部内面の下約0.125mm、又は下部内面の上約0.125mmで、測定された。図4Aに示すような比較的低い流量では、水の粘性効果が顕著になる可能性があり、わずかなエッジ効果が観察される。本例示的設計の上限は、層流制約によって制限され得る。図4Aの例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約0.009893mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約0.009893mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約0.008793mm/秒~約0.009893mm/秒である。しかしながら、図4Aの例示的な実施形態では、チャネル290の4つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約0.007694mm/秒~約0.008793mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態では、ポート205の断面積(すなわち、X寸法×Y寸法)と、チャネル290の入口部の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)との第1の比は、約2.0(例えば、1.0mm×2.0mm)対約15.0(例えば、0.25mm×60.0mm)、又は約1.0対約7.5である。いくつかの例示的な実施形態では、ポート205の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)と、開口部240の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)との第2の比は、約2.0(例えば、1.0mm×2.0mm)対約100.0(2.0mm×50.0mm)、又は約1.0対約50.0である。いくつかの例示的な実施形態では、開口部240の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)と、チャネル290の入口部の断面積(すなわち、X寸法×Y寸法)との第3の比は、約100.0(2.0mm×50.0mm)対約15.0(例えば、0.25mm×60.0mm)、又は約6.67対約1.00である。いくつかの例示的な実施形態では、入口200又は出口200’の端部におけるポート205の深さ210と、深さ235との第4の比は、約1.0対約2.0である。いくつかの例示的な実施形態では、ポート205の深さ210と、入口200又は出口200’の端部における深さ235と、ポート205又はその付近の高さ215との第5の比は、約1.0対約2.0対約3.0である。いくつかの例示的な実施形態では、チャネル290の高さと、ポート205の深さ210と、入口200又は出口200’の端部における深さ235と、ポート205又はその付近の高さ215との第6の比は、約0.25対約1.0対約2.0対約3.0、又は約1.0対約4.0対約8.0対約12.0である。いくつかの例示的な実施形態では、XZ平面内の入口200又は出口200’の片側又は両側の断面形状は、ボウタイ形状、すなわち、ボウタイとして知られる首の周りに着用される衣服に似た形状、又はベンチュリ形状である。いくつかの例示的な実施形態では、XY平面において、入口200又は出口200’の断面形状は、弓形、すなわち弓及び矢の弓に似ている、又は括弧形、すなわち開いた中括弧(「{」)に似ている、又は閉じた中括弧(「}」)に似ている。
【0094】
図4Bは、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1μL/秒の体積流量で流れる流体(例えば、水)の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図4Bに示す試行の体積流量は、図4Aに示す試行で使用されたものより約10倍大きい。
【0095】
図4Bの例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約0.09886mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約0.09886mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、約0.08788mm/秒~約0.09886mm/秒である。図4Aの例示的な実施形態とは異なり、図4Bでは、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにある、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れるすべての流体の速度は、チャネル290の側縁部に沿った領域を含めて、実質的に均一、すなわち、約0.08788mm/秒~約0.09886mm/秒である。言い換えれば、タイプαマイクロ流体デバイス100の場合、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の速度が0.1μL/秒(図4Aの領域291において側縁部に沿った変化参照)でほぼ均一であるので、約0.1μL/秒(図4A)~約1μL/秒(図4B)への体積流量の変化が、重要である一方、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、1μL/秒(図4A及び図4Bを参照)で実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0096】
図5は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約10μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図5に示す試行の体積流量は、図4Bに示す試行で使用されたもよりも約10倍大きい。
【0097】
図5の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約1.000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約1.000mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、約0.9025mm/秒~約1.000mm/秒である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0098】
図6は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図6に示した試行の体積流量は、図5に示した試行で使用したものよりも約10倍大きい。図5の例示的な実施形態と同様に、図6では、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにある、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れるすべての流体の速度は、チャネル290の側縁部に沿った領域を含めて、実質的に均一、すなわち、約9.000mm/秒~約10.00mm/秒である。
【0099】
図7は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。図6図7との違いは視点のみである。
【0100】
図8は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約500μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図8に示す試行の体積流量は、図6及び図7に示す試行で使用したものよりも約5倍大きい。図4B及び図5図7の例示的な実施形態と同様に、図8では、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにある、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れるすべての流体の速度は、チャネル290の側縁部に沿った領域を含めて、実質的に均一、すなわち、約47.00mm/秒~約52.00mm/秒である。
【0101】
図9は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約1,000μL/秒(又は約1mL/秒)の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図9に示す試行の体積流量は、図8に示す試行で使用したものよりも約2倍大きい。図9では、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにある、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、実質的に相当に均一ではない(図4Aに示す試行よりも更に不均一である)。図9の左側では、入口本体105の下で、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、比較的大きく変化する。すなわち、デバイス100のZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の下方で約0.0000mm/秒~約110.0mm/秒、チャネル290内で約86.00mm/秒~約110.0mm/秒、出口本体195の下方で約110.0mm/秒~約24.00mm/秒である。最高速度は、入口200のポート205の右の点から、出口200’のポート205の左の点まで延在する不規則なほぼ楕円形の領域(図9に見られる)で観察され、最低速度は、入口200のポート205の両側の2つのゾーンにおいて図9の左側で観察される。チャネル290内では、最高速度は、図9で分かるように、チャネル290の中心で観察される。図9の例示的な実施形態では、チャネル290の4つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291の側縁部に沿って、Z方向の速度は、約86.00mm/秒~約98.00mm/秒であり、不規則なほぼ楕円形の領域に示される速度よりも遅い。
【0102】
図10は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約5,000μL/秒(又は約5mL/秒)の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、図10に示す試行の体積流量は、図9に示す試行で使用したものよりも約5倍大きい。図4B及び図5図8を含む例示的な実施形態とは異なり、図10では、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにある、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、実質的に相当に均一ではない(図4Aに示す試行よりも更に不均一である)。図10の左側では、入口本体105の下で、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、比較的大きく変化する。すなわち、デバイス100のZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の下方で約0.0000mm/秒~約733.0mm/秒、チャネル290内で約326.0mm/秒~約652.0mm/秒、出口本体195の下方で約163.0mm/秒~約652.0mm/秒である。最高速度は、入口200のポート205の近くで観察され、最低速度は、入口200のポート205の両側の2つのゾーンにおいて図10の左側で観察される。チャネル290内では、最高速度は、入口200のポート205の両側で観察され、局所的に比較的遅いスポットは、図10で分かるように、入口200のポート205のすぐ右(Z方向)のチャネル290内で生じる。
【0103】
図22Aは、例示的な実施形態による、デバイス100の入口200のポート205に対してZ方向に約3.0mmのチャネル290を通ってチャネル290に入るXY平面の断面図である。ポート205及び入口200の構造は、参照のために示されており、断面においてXY平面の一部を形成しないことに留意されたい。XZ平面内を約100μL/secの体積流量で流れ、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度を図22Aの下部に示す。図22Bは、図22Aの底部の拡大した中心部分を含む。図22Bは、放物速度プロファイルを示し、そこでは、最大速度が、平面の中間部分にあり、その中間部分は、Z方向の平面速度のすべての測定値が測定され、すなわち、チャネル290の底部から約0.125mmにある。図22A及び図22Bは、Z方向の速度が、図23に示すように、チャネル290内へのZ方向の約1.0mmと比較して、チャネル290内へのZ方向の約3.0mmでより均一であることを実証している。図22A及び図22Bにおいて、チャネル290内へのZ方向の約3.0mmにおけるZ方向の速度は、チャネル290の上縁部及び下縁部に隣接する約6mm/秒~約7mm/秒の最小速度から、チャネルのY方向の中間点、すなわちチャネルの底部から約0.125mmにおける約11mm/秒~約13mm/秒の最大速度まで変化する。
【0104】
図23は、例示的な実施形態による、デバイス100の入口200のポート205に対して、Z方向に約1.0mmのチャネル290の遠位縁部の左側を通ってチャネル290に入るXY平面の拡大断面図であり、すなわち、断面は、図22A及び図22Bの断面よりも入口200に近い。デバイス100のチャネル290の片側(負のX方向側)のみが、示されている。図23の下部において、XZ面内を体積流量約100μL/秒で流れ、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度を示している。図23は、図22A及び図22Bに示すように、Z方向の速度が、チャネル290内へのZ方向の3.0mmと比較して、チャネル290内へのZ方向の1.0mmでは均一ではないことを示している。また、図23は、チャネル290内の最大速度が必ずしもチャネル290の縁部まで延びるとは限らないことを示していることに留意されたい。XY平面内で図23を生成するために使用される分析システムの分解能は、本明細書に提示するすべてのXZ平面速度プロファイルにおいて、チャネルの縁部に近い比較的遅い速度に関連するデータ、及びその遅い速度に関する表示をもたらさない。図23が、比較的高い速度(約13mm/秒程度)が、チャネル290の縁部までずっと又はほぼずっと延在することを示唆し得る限りにおいて、これは、図23を生成するために使用される分解能及び分析システムのアーチファクトであり得る。本構造では、チャネル290の高さの約半分程度、すなわち、チャネルの縁部からX方向に約0.000mm~約0.125mm以内で、チャネル290の縁部の近くで比較的遅い速度が生じることが一般的に知られている。最大速度は、実際には、図23の左側の約11.00mm/秒~約13.00mm/秒の速度の延長によって示唆されるように、チャネル290の縁部に物理的に到達しない。言い換えれば、チャネル290の左右の側縁部は、チャネル290の上縁部及び下縁部と同様の段階的な速度プロファイルを有すると合理的に予想され得る。
【0105】
更に、図23は、チャネル290内の最も均一な速度がY方向においてチャネル290のほぼ中間で生じ続けることを示している。例えば、チャネル290が、約0.250mmのY方向の長さを有するとき、最も均一な速度は、Y方向のチャネル290の底部から約0.125mmで生じる。図23Bの右側では、Z方向の主な速度は、約6.000mm/秒~約13.00mm/秒である。一方、チャネル290の側縁部に対応する図23Bの最も左側では、Z方向の速度は、約6.000mm/秒~約11.00mm/秒である。チャネル290の上部付近では、Z方向の速度は、約6.000mm/秒~約7.000mm/秒である。チャネル290の底部付近では、Z方向の速度は、約4.000mm/秒~約6.000mm/秒である。言い換えれば、チャネル290の縁部付近では、チャネル290の中心と比較してZ方向の速度の変化が大きくなる。
【0106】
図24図28及び図30は、スケールダウン(図24図28)した入口200及び出口200’構造、並びにスケールアップ(図30)した入口200及び出口200’構造を有するタイプαマイクロ流体デバイスのXZ平面における速度プロファイルを示す。図29は、2,000μL/秒(又は約2mL/秒)の体積流量で流体が流れるフルスケール(100%)の入口200及び出口200’構造を有するタイプαマイクロ流体デバイスのXZ平面における別の速度プロファイルであり、すなわち、フルスケール(100%)の入口200及び出口200’を分析する目的で、図29は、図9の後(約1mL/秒)、及び図10の前(約5mL/秒)に順に見ることができる。
【0107】
このセクションで使用される場合、「スケールダウン」、「スケールアップ」、「フルスケール(100%)」などの用語は、約1.0mmのZ方向におけるポート205の深さ210を有し、かつ約2.0mmの湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向における深さ235を有する、タイプαマイクロ流体デバイスのものに対する入口200及び出口200’の構造の違いを指すことを意図している。スケールダウン、スケールアップ、フルスケール(100%)などの用語は、定性的と解釈されるべきではない。言い換えれば、例えば、「フルスケール(100%)」という用語は、他の設計と比較される基準設計を示すために便宜上使用される。また、本明細書で使用する場合、「スケール」という用語、及び変化(すなわち、ハーフスケール、3/4スケール(75%)など)は、いくつかの実施形態では、入口200及び出口200’の二次元の変化、すなわち、例えば、Z方向のポート205の深さ210、及び湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235を指し得る。図24図28及び図30では、深さ210及び深さ235以外、デバイス100の他の特徴は、上述のフルスケール(100%)バージョン、例えば、図1図3の例示的な実施形態のものと同じであってもよい。
【0108】
図24は、例示的な実施形態による、ハーフスケール(50%)入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。Z方向のポート205の深さ210は、約0.5mmであってもよく、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約1.0mmであってもよい。タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積は、約967μLであり、チャネル290の体積は、約742.5μLであり、入口200又は出口200’の体積は、約112.25μLであり、入口200及び出口200’の体積は、約224.5μLであり得る。したがって、タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積に対する入口200及び出口200’の体積の割合は、約23.21%であり得る。
【0109】
図24の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約4.000mm/秒~約11.00mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約11.00mm/秒~約4.000mm/秒まで変化する。チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約8.000mm/秒~約11.00mm/秒まで変化する。ピーク速度は、約10.00mm/秒~約11.00mm/秒であり、一方が入口200のポート205に比較的近い領域と、他方が出口200’のポート205に比較的近い領域との2つの領域で生じる。Z方向の実質的に均一な速度の観点から、約100μL/秒の体積流量において、ハーフスケール(50%)入口200/出口200’は、同じ又は同様の体積流量における他のスケールよりも理想的ではない。
【0110】
図25は、例示的な実施形態による、ハーフスケール(50%)入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面を、約1mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、体積流量は、図24に示す試行よりも約10倍大きい。図25の入口200/出口200’の設計は、図24のものと同一である。
【0111】
図25の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約43.00mm/秒~約128.0mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約128.0mm/秒~約43.00mm/秒まで変化する。チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約71.00mm/秒~約114.0mm/秒まで変化する。ピーク速度は、約114.0mm/秒~約128.0mm/秒であり、一方が入口200のポート205に比較的近い領域と、他方が出口200’のポート205に比較的近い領域との2つの領域で生じる。Z方向の実質的に均一な速度の観点から、約1mL/秒の体積流量において、ハーフスケール(50%)の入口200/出口200’は、同じ又は同様の体積流量における他のスケールよりも理想的ではない。
【0112】
図26は、例示的な実施形態による、3/4スケール(75%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。Z方向のポート205の深さ210は、約0.75mmであってもよく、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約1.5mmであってもよい。タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積は、約1,067μLであり、チャネル290の体積は、約742.5μLであり、入口200又は出口200’の体積は、約162.25μLであり、入口200及び出口200’の体積は、約324.5μLであり得る。したがって、タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積に対する入口200及び出口200’の体積の割合は、約30.41%であり得る。
【0113】
図26の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約4.000mm/秒~約10.00mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約10.00mm/秒~約4.000mm/秒まで変化する。チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約8.000mm/秒~約10.00mm/秒まで変化する。チャネル290の4つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約8.000mm/秒~約9.000mm/秒である。ピーク速度は、約9.000mm/秒~約10.00mm/秒であり、チャネル290のかなりの部分にわたって、及びチャネル290に隣接する、入口本体105の下方及び出口本体195の下方のデバイス100の部分で生じる。Z方向の実質的に均一な速度の観点から、約100μL/秒の体積流量において、3/4スケール(75%)の入口200/出口200’は、比較的小さいスケールのデバイスよりも理想的に近いが、同じ又は同様の体積流量での他のスケールのものよりも理想的ではない。
【0114】
図27は、例示的な実施形態による、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。Z方向のポート205の深さ210は、約0.9mmであり、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約1.8mmであり得る。タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積は、約1,128μLであり、チャネル290の体積は、約742.5μLであり、入口200又は出口200’の体積は、約192.75μLであり、入口200及び出口200’の体積は、約385.5μLであり得る。したがって、タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積に対する入口200及び出口200’の体積の割合は、約34.18%であり得る。
【0115】
図27の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約13.00mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約13.00mm/秒~約6.000mm/秒まで変化する。すなわち、移行部285及び295では、速度が大きく変化する。対照的に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約11.00mm/秒~約13.00mm/秒まで変化する。ピーク速度は、約11.00mm/秒~約13.00mm/秒であり、チャネル290のかなりの部分又は全体にわたって生じる。Z方向の実質的に均一な速度の観点から、約100μL/秒の体積流量では、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’は、比較的小さいスケールのデバイスよりも理想に近く、同じ又は同様の体積流量におけるフルスケール(100%)の入口200/出口200’を有する設計のものと同等である。
【0116】
図28は、例示的な実施形態による、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約1mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。すなわち、体積流量は、図27に示す試行のためのものよりも約10倍大きい。
【0117】
図28の例示的な実施形態では、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約16.00mm/秒~約146.0mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約130.0mm/秒~約49.00mm/秒まで変化する。チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約98.00mm/秒~約146.0mm/秒まで変化する。チャネル290のかなりの部分にわたって、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約114.0mm/秒~約130.0mm/秒まで変化する。ピーク速度は、約130.0mm/秒~約146.0mm/秒であり、入口200のポート205に比較的近い一領域で生じる。Z方向の実質的に均一な速度の観点から、約1mL/秒の体積流量において、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’は、同じ又は同様の体積流量での他のスケールよりも理想的ではないが、比較的小さいスケールのデバイスの多くよりも実質的に理想的に近い。
【0118】
図29は、例示的な実施形態による、フルスケール(100%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約2mL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。上記で詳細に述べたように、フルスケール(100%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の場合、ポート205のZ方向の深さ210は、約1.0mmであり、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約2.0mmであり得る。
【0119】
図29では、デバイス100のZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の下で約0.0000mm/秒~約424.0mm/秒であり、チャネル290内で約188.0mm/秒~約282.0mm/秒であり、出口本体195の下方で約47.00mm/秒~約282.0mm/秒である。約377.0mm/秒~約424.0mm/秒の間の最高速度は、入口200のポート205の近くで観察され、約0.0000mm/秒~約47.00mm/秒の間の最低速度は、入口200のポート205の両側の2つのゾーンにおいて図29の左側で観察される。チャネル290内で、最高速度は、約235.0mm/秒~約282.0mm/秒の速度を有するチャネル290のかなりの部分にわたる不規則な形状の領域で観察される。
【0120】
図29を、図9の後(約1mL/秒)及び図10の前(約10mL/秒)に順に見ると、すなわち、図4から図10への進行において、フルスケール(100%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100は、1μL/秒(図4B)、10μL/秒(図5)、100μL/秒(図6及び図7)、及び500μL/秒(図8)を含む複数の体積流量において、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。体積流量の0.1μL/秒(図4A)と1μL/秒(図4B)との間では、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、部分的に均一から実質的に均一に移行する。逆に、体積流量の500μL/秒(図8)と1mL/秒(図9)との間では、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高において測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、実質的に均一から部分的に均一に移行する。体積流量の1mL/秒(図9)と、2mL/秒(図29)と、5mL/秒(図10)との間では、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、部分的に均一から実質的に不均一に移行する。すなわち、フルスケール(100%)入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100は、約0.5μL/秒~約750μL/秒、より具体的には約1μL/秒~約500μL/秒の体積流量において、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。
【0121】
入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293におけるチャネル290のZ方向において、最大の実質的に均一な速度の約47.00mm/秒~約52.00mm/秒の範囲は、流体の体積流量が約500μL/秒(図8)であるとき、フルスケール(100%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100を用いて達成された。また、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293におけるチャネル290のZ方向において、最小の実質的に均一な速度の約0.08788mm/秒~約0.09886mm/秒の範囲は、流体の体積流量が約1μL/秒(図4B)であるとき、フルスケール(100%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100を用いて達成された。
【0122】
図30は、例示的な実施形態による、3対2スケール(150%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイスの入口移行部、チャネル、及び出口移行部のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。3対2スケール(150%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の場合、ポート205のZ方向の深さ210は、約1.5mmであり、湾曲したテーパ状領域230の端部のZ方向の深さ235は、約3.0mmであり得る。3対2スケール(150%)の入口200/出口200’を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の総体積は、約1,370μLであり、チャネル290の体積は、約742.5μLであり、入口200又は出口200’の体積は、約313.75μLであり、入口200及び出口200’の体積は、約627.5μLであり得る。したがって、タイプαマイクロ流体デバイス100の総体積に対する入口200及び出口200’の体積の割合は、約45.80%であり得る。図30は、流体が約100μL/秒の体積流量で流れる3対2スケール(150%)の入口200及び出口200’構造を有するタイプαマイクロ流体デバイスのXZ平面における速度プロファイルである。
【0123】
図30を、図26から図27から図6から図30への進行で見ると、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’(図27)、フルスケール(100%)の入口200/出口200’(図6)、及び3対2スケール(150%)の入口200/出口200’(図30)を有するタイプαマイクロ流体デバイス100の各々は、約100μL/秒の体積流量において、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。3/4スケール(75%)の入口200/出口200’(図26)と、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’(図27)との間では、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、部分的に不均一から、実質的に、又は完全に均一に移行する。約100μL/秒の体積流量において、9/10スケール(90%)の入口200/出口200’(図27)を有するタイプαマイクロ流体デバイス100は、約11.00mm/秒~約13.00mm/秒の範囲のチャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。約100μL/秒の体積流量でフルスケール(100%)の入口200/出口200’(図6)を有するタイプαマイクロ流体デバイス100は、約9.000mm/秒~約10.00mm/秒の範囲のチャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。約100μL/秒の体積流量における3対2スケール(150%)の入口200/出口200’(図30)を有するタイプαマイクロ流体デバイス100は、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて、約8.000mm/秒~約10.00mm/秒の範囲で測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的に均一な速度を示す。
【0124】
図31図38に関連する試行では、流体の粘度は、図4A図4B図5図10図14図15図16A図16B図17図22A図22B図23図30図39及び図40に関連する試行よりも実質的に大きい。図31図33は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、それぞれ約1μL/秒、約10μL/秒、及び約100μL/秒の体積流量で流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。図34図38は、例示的な実施形態による、タイプαマイクロ流体デバイス100の入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、それぞれ約0.1μL/秒、約100μL/秒、約2mL/秒、約5mL/秒、及び約10mL/秒の体積流量で流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。図31図36は、タイプαマイクロ流体デバイス100が、水の約1,000倍までの実質的に比較的高い粘度、及び約2mL/秒までの体積流量において、流体のためのチャネル290内に実質的に均一な流れを生成する能力を実証する。比較のために、図31に関連する試行を、図4Bの試行(約1μL/秒)と比較することができ、図32に関連する試行を、図5の試行(約10μL/秒)と比較することができ、図33及び図35に関連する試行の各々を、図6図7図22A図22B図23図24図26図27図30図39及び図40の試行の各々(約100μL/秒)と比較することができ、図34の試行を、図4Aの試行(約0.1μL/秒)と比較することができ、図36の試行を、図29の試行(約2,000μL/秒)と比較することができ、図37の試行を、図10の試行(約5,000μL/秒)と比較することができた。
【0125】
具体的には、図31の例示的な実施形態では、約1μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において、約0.0000mm/秒から約0.1226mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約0.1226mm/秒から約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約0.1089mm/秒~約0.1226mm/秒である。しかしながら、図31の例示的な実施形態では、チャネル290の2つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約0.09533mm/秒~約0.1089mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0126】
図32の例示的な実施形態では、約10μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において、約0.0000mm/秒から約1.000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約1.000mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293内のチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約0.9812mm/秒~約1.000mm/秒である。しかしながら、図32の例示的な実施形態では、チャネル290の2つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約0.8586mm/秒~約0.9812mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0127】
図33の例示的な実施形態では、約100μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも100倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において、約0.0000mm/秒~約12.00mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において、約12.00mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高において測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約11.00mm/秒~約12.00mm/秒である。しかしながら、図33の例示的な実施形態では、チャネル290の2つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約10.00mm/秒~約11.00mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0128】
図34の例示的な実施形態では、約0.1μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において、約0.0000mm/秒~約0.01224mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約0.01224mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約0.01088mm/秒~約0.01224mm/秒である。しかしながら、図34の例示的な実施形態では、チャネル290の2つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約0.009520mm/秒~約0.01088mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0129】
図35の例示的な実施形態では、約100μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒から約12.00mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において、約12.00mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高において測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約11.00mm/秒~約12.00mm/秒である。しかしながら、図35の例示的な実施形態では、チャネル290の2つの角において、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約10.00mm/秒~約11.00mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0130】
図36の例示的な実施形態では、約2,000μL/秒(約2mL/秒)の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約248.0mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約248.0mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち約221.0mm/秒~約248.0mm/秒である。言い換えれば、デバイス100のセンサ領域293内において、チャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記で参照した例示的な構成、及び出口200’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0131】
図37の例示的な実施形態では、約5,000μL/秒(約5mL/秒)の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約656.0mm/秒まで変化する。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において、約656.0mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化する。チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293において、チャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、約510.0mm/秒~約656.0mm/秒まで変化する。チャネル290の4つの角において、及びチャネル290の側縁部に沿って、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100のセンサ領域293の領域291において、Z方向の速度は、約510.0mm/秒~約583.0mm/秒である。ピーク速度は、約583.0mm/秒~約656.0mm/秒であり、チャネル290のかなりの部分にわたって、及びチャネル290に隣接する入口本体105の下方及び出口本体195の下方のデバイス100の部分で、生じる。約0.000mm/秒の最小速度は、入口200及び出口200’の各々の下方のデバイス100の4つの角の各々において生じる。
【0132】
図38では、約10,000μL/秒(約10mL/秒)の体積流量で流れ、チャネル290の底面から約0.125mm上方のZ方向の高さにおいて、デバイス100のセンサ領域293におけるチャネル290のZ方向に流れる、水よりも1,000倍高い粘度を有する流体の速度は、実質的に均一ではない(図37に示す試行よりも更に一様でない)。図38の左側では、入口本体105の下で、デバイス100のセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の速度は、比較的大きく変化する。すなわち、デバイス100のZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の下方で約0.0000mm/秒~約2,165mm/秒であり、チャネル290内で約481.0mm/秒~約1,684mm/秒であり、出口本体195の下方で約241.0mm/秒~約1,684mm/秒である。最高速度は、入口200のポート205の近くで観察され、最低速度は、入口200のポート205の両側の2つのゾーンにおいて図10の左側で観察される。チャネル290内では、最高速度は、入口200のポート205の両側で観察され、図38で分かるように、局所的に比較的遅いスポットが、入口200のポート205のすぐ右(Z方向)のチャネル290内で生じる。
【0133】
図39は、他の実施形態と同様の入口200を有する代替的なタイプαマイクロ流体デバイス100Aの入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図であるが、出口200’の代わりに、代替的なタイプαマイクロ流体デバイス100Aは、例示的な実施形態による、比較的大きな体積の制限されていない出口200Aを有する。具体的には、出口200Aは、出口移行部に隣接する開いた底部と、デバイス100Aの上方からアクセス可能な開いた上部と、出口本体195によって画定され、その中にある4つの側壁と、を有する実質的に直線的な形状を有してもよい。出口200Aの開口部は、チャネル290と実質的に等しいX方向の幅と、約2.0mmのZ方向の寸法と、を有してもよい。
【0134】
図39の例示的な実施形態では、約100μL/秒の体積流量で流れ、入口移行部285及びチャネル290をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体105の真下に位置する入口移行部285及びチャネル290の領域において約0.0000mm/秒~約13.00mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体105の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル290及び出口移行部295をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体195の真下に位置するチャネル290及び出口移行部295の領域において約13.00mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体195の下の領域に実質的に含まれる。逆に、チャネル290の下面と上面との間のほぼ中間のY方向の高さにおいて測定された、入口本体105と出口本体195との間に位置する、デバイス100Aのセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、比較的狭い範囲内、すなわち、約11.00mm/秒~約13.00mm/秒である。言い換えれば、デバイス100Aのセンサ領域293においてチャネル290のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口200の上記の例示的な構成の有利な効果であり、出口200Aの構造とは無関係である。
【0135】
図40は、例示的な実施形態による、代替的なタイプαマイクロ流体デバイス100Aの入口移行部285、チャネル290、及び出口移行部295のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。図39図40との違いは視点のみである。
【0136】
図39及び図40は、本明細書で上述及び実証したように、チャネル290のZ方向の実質的に均一な流れを達成するために、タイプαマイクロ流体デバイス100及び100Aの入口200が十分であり得る(出口200’又は出口200Aの特定の狭窄構造を必要としない)ことをまとめて実証する。
【0137】
β型マイクロ流体デバイス
【0138】
図11図15図16A、及び図16Bは、例示的な実施形態によるタイプβマイクロ流体デバイス300を示す。図11図15図16A、及び図16Bのタイプβマイクロ流体デバイス300は、図1図3図4A図4B、及び図5図10において、入口200及び出口200’の片側のみが平坦である(XY平面とほぼ同一平面上にある)、すなわち、チャネル290に面する側が平坦であり(XY平面とほぼ同一平面上にあり)、かつチャネル290から外方に面する側がテーパ状である、ことを除いて、図1図3図4A図4B、及び図5図10のタイプαマイクロ流体デバイス100と実質的に同様である。一方、図11図15図16A及び図16Bでは、入口400と出口400’との両側は、テーパ状になっている、すなわち、チャネル490に面する側とチャネル490から外方に面する側との両方がテーパ状になっている。そうでなければ、図11図15図16A及び図16Bのタイプβマイクロ流体デバイス300の1つ又は複数の特徴は、図1図3図4A図4B、及び図5図10のタイプαマイクロ流体デバイス100の対応する特徴と実質的に同様であり得る。
【0139】
図14は、例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイス300の入口移行部485、チャネル490、及び出口移行部495のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する斜視ワイヤフレーム図である。図15は、例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイス300の入口移行部485、チャネル490、及び出口移行部495のXZ平面内を、約100μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。
【0140】
入口移行部485及びチャネル490をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体305の真下に位置する入口移行部485及びチャネル490の領域において約0.0000mm/秒~約10.00mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体305の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル490及び出口移行部495をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体395の真下に位置するチャネル490及び出口移行部495の領域において約10.00mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体395の下の領域に実質的に含まれる。逆に、入口本体305と出口本体395との間に位置する、デバイス300のセンサ領域493(すなわち、チャネル490の直線領域)において、チャネル490をZ方向に流れる流体の実質的にすべて又は全体の速度は、約9.000mm/秒~約10.00mm/秒である。言い換えれば、デバイス300のセンサ領域493をチャネル490のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又は全体の速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口400の上記で参照した例示的な構成、及び出口400’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0141】
図16Aは、例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイス300の入口移行部485、チャネル490、及び出口移行部495のXZ平面内を、約1μL/秒(図14図15の約100倍)の比較的低い体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。図16Aの例示的な実施形態では、入口移行部485及びチャネル490をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体305の真下に位置する入口移行部485及びチャネル490の領域において約0.0000mm/秒~約0.09634mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体305の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル490及び出口移行部495をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体395の真下に位置するチャネル490及び出口移行部495の領域において約0.09634mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体395の下の領域に実質的に含まれる。逆に、入口本体305と出口本体395との間に位置するデバイス300のセンサ領域493をチャネル490のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、約0.08563mm/秒~約0.09634mm/秒である。流体の実質的に均一な流れは、入口400の上記で参照した例示的な構成、及び出口400’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0142】
図16Bは、例示的な実施形態による、タイプβマイクロ流体デバイス300の入口移行部485、チャネル490、及び出口移行部495のXZ平面内を、約10μL/秒(図15の約10倍未満)の比較的低い体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。図16Bの例示的な実施形態では、入口移行部485及びチャネル490をZ方向に流れる流体の速度は、入口本体305の真下に位置する入口移行部485及びチャネル490の領域において約0.0000mm/秒~約0.9858mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、入口本体305の下の領域に実質的に含まれる。同様に、チャネル490及び出口移行部495をZ方向に流れる流体の速度は、出口本体395の真下に位置するチャネル490及び出口移行部495の領域において約0.9858mm/秒~約0.0000mm/秒まで変化するが、この変化する速度の領域は、出口本体395の下の領域に実質的に含まれる。逆に、入口本体305と出口本体395との間に位置する、デバイス300のセンサ領域493をチャネル490のZ方向に流れる流体の実質的にすべての速度は、約0.8763mm/秒~約0.9858mm/秒である。言い換えれば、デバイス300のセンサ領域493をチャネル490のZ方向に流れる流体の実質的にすべて又はすべての速度は、実質的に均一である。流体の実質的に均一な流れは、入口400の上記で参照した例示的な構成、及び出口400’の上記で参照した構成の有利な効果である。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態では、ポート405の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)と、チャネル490の入口部の断面積(すなわち、X寸法×Y寸法)との第1の比は、約2.0(例えば、1.0mm×2.0mm)対約11.25(例えば、0.25mm×45.0mm)、又は約1.0対約5.625である。いくつかの例示的な実施形態では、ポート405の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)と、開口部440の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)との第2の比は、約2.0(例えば、1.0mm×2.0mm)対約45.0((2.0mm×45.0mm)/2)、又は約1.0対約22.5である。いくつかの例示的な実施形態では、開口部440の断面積(すなわち、X寸法×Z寸法)と、チャネル490の入口部の断面積(すなわち、X寸法×Y寸法)との第3の比は、約100.0(2.0mm×50.0mm)対約15.0(例えば、0.25mm×60.0mm)、又は約6.67対約1.00である。いくつかの例示的な実施形態では、ポート405の深さ410と、入口400又は出口400’の端部における深さ435との第4の比は、約1.0対約2.0である。いくつかの例示的な実施形態では、ポート405の深さ410と、入口400又は出口400’の端部における深さ435と、ポート405又はその付近の高さ415との第5の比は、約1.0対約2.0対約3.0である。いくつかの例示的な実施形態では、チャネル490の高さと、ポート405の深さ410と、入口400又は出口400’の端部における深さ435と、ポート405又はその付近の高さ415との第6の比は、約0.25対約1.0対約2.0対約3.0、又は約1.0対約4.0対約8.0対約12.0である。いくつかの例示的な実施形態では、XZ平面において、入口400又は出口400’の断面形状は、ボウタイ形状、すなわち、ボウタイとして知られる首の周りに着用される衣服に似た形状、又はベンチュリ形状である。いくつかの例示的な実施形態では、XY平面において、入口400又は出口400’の断面形状は、弓形、すなわち弓及び矢の弓に似ている、又は括弧形、すなわち開いた中括弧(「{」)に似ている、又は閉じた中括弧(「}」)に似ている。
【0144】
タイプγマイクロ流体デバイス
【0145】
図17は、例示的な実施形態による、タイプγマイクロ流体デバイス300Aの入口移行部485A、アッセイチャネルであり得るチャネル490A、及び出口移行部495AのXZ平面内を、約1,000μL/秒の体積流量で流れる流体の速度を強調する平面ワイヤフレーム図である。タイプγマイクロ流体デバイス300Aは、タイプβマイクロ流体デバイス300と実質的に同様であってもよく、したがって、同様の構造には同様に番号が付けられ、いくつかの同様の構造は簡潔にするために省略されている。タイプγマイクロ流体デバイス300Aとタイプβマイクロ流体デバイス300との間の違いの1つは、(タイプβマイクロ流体デバイス300の入口400及び出口400’と比較して)入口400A及び出口400’AのXZ平面におけるテーパ状の欠如であり得る。すなわち、入口400A及び出口400’Aの各々は、ポートから端部までテーパ状になる代わりに、Z方向において均一な深さを有し得る。入口400A及び出口400’A(それぞれのポートを含む)の各々の深さは、約1.0mmであり得る。この例示的な設計は、チャネル490A内で均一な速度を達成するために、Z方向の入口導管テーパを設け得ることを示している。
【0146】
例えば、図17に示すように、入口移行部485A及びチャネル490AをZ方向に流れる流体の速度は、入口本体305Aの真下に位置する入口移行部485A及びチャネル490Aの領域において、約0.046mm/秒~約0.103mm/秒まで変化する。同様に、チャネル490A及び出口移行部495AをZ方向に流れる流体の速度は、出口本体395Aの真下に位置するチャネル490A及び出口移行部495Aの領域において、約0.103mm/秒~約0.046mm/秒まで変化する。デバイス300Aのセンサ領域493Aの大部分において、Z方向の速度は、約0.080mm/秒~約0.091mm/秒である。しかしながら、図17の例示的な実施形態では、入口400A及び出口400’Aのポートの近くに位置するデバイス300Aのセンサ領域のおおよそ半円の領域491A(破線でマークした)において、Z方向の速度は、約0.091mm/秒~約0.103mm/秒である。言い換えれば、デバイス300Aのセンサ領域493A内をチャネル490AのZ方向に流れる流体の大部分の速度は、実質的に均一である。図14図15図16A、及び図16B(特に図14及び図15)を図17と比較することによって、テーパ状領域420及び湾曲したテーパ状領域430(図14図15図16A及び図16B、特に、図14及び図15)のテーパに関連するチャネル490内の実質的に均一な速度を、そのようなテーパを省略した設計(図17)にすることの改善が実証される。また、タイプγマイクロ流体デバイス300Aでは、タイプβマイクロ流体デバイス300で観察された差と比較して、最大観察速度(約0.103mm/秒)と最小観察速度(約0.046mm/秒)との間に比較的小さな差がある。
【0147】
タイプδマイクロ流体デバイス
【0148】
図18は、例示的な実施形態による、タイプδマイクロ流体デバイス500の斜視ワイヤフレーム図である。タイプδマイクロ流体デバイス500は、タイプαマイクロ流体デバイス100、又はタイプβマイクロ流体デバイス300、又はタイプγマイクロ流体デバイス300Aと実質的に同様であってもよく、したがって、同様の構造は、同様に番号が付けられ、いくつかの同様の構造は、簡潔にするために省略されている。タイプδマイクロ流体デバイス500と、タイプαマイクロ流体デバイス100又はタイプβマイクロ流体デバイス300又はタイプγマイクロ流体デバイス300Aとの違いの1つは、ポートの形状であり得る。タイプαマイクロ流体デバイス100と、タイプβマイクロ流体デバイス300又はタイプγマイクロ流体デバイス300Aとに与えたような略直線形状の代わりに、タイプδマイクロ流体デバイス500の場合、入口600及び出口600’のポートは、円筒形状を有してもよい。タイプβマイクロ流体デバイス300又はタイプγマイクロ流体デバイス300Aと同様に、タイプδマイクロ流体デバイス500は、(タイプαマイクロ流体デバイス100の入口200及び出口200’と比較して)入口600及び出口600’のXZ平面におけるテーパ状の欠如を含み得る。
【0149】
タイプαマイクロ流体デバイス100、タイプβマイクロ流体デバイス300、タイプγマイクロ流体デバイス300A、及びタイプδマイクロ流体デバイス500の任意の1つ又は複数の特徴は、制限なく任意の組合せで組み合わせられてもよい。タイプαマイクロ流体デバイス100、タイプβマイクロ流体デバイス300、タイプγマイクロ流体デバイス300A、及びタイプδマイクロ流体デバイス500の任意の1つ又は複数の特徴は、制限なく省略又は複製されてもよい。
【0150】
図19は、例示的な実施形態による、プロセス1100(又は方法)の図である。以下のプロセス1100を、タイプαデバイス100の例示的な特徴を参照して説明するが、プロセス1100は、代替のタイプαデバイス100A、タイプβデバイス300、タイプγデバイス300A、又はタイプδデバイス500を含む上記のデバイスのいずれにも適用され得る。プロセス1100は、開始1105及び終了1195を含み得る。プロセス1100は、入口(例えば、200)を含む入口本体(例えば、105)を設けること、を含み得る(ステップ1110)。プロセス1100は、入口本体(例えば、105)を支持する基部(例えば、150)を設けること、を含み得る(ステップ1115)。プロセス1100は、入口(例えば、200)と流体連通するチャネル(例えば、290)を基部(例えば、150)に設けること、を含み得る(ステップ1120)。プロセス1100は、出口(例えば、200’)を含む出口本体(例えば、195)を設ける、ことを含み得る(ステップ1125)。プロセス1100は、出口本体(例えば、195)を支持する基部(例えば、150)を設けること、を含み得る(ステップ1130)。プロセス1100は、チャネル(例えば、290)と流体連通する出口(例えば、200’)を設ける、ことを含み得る(ステップ1135)。プロセス1100は、入口(例えば、200)の入口ポート(例えば、205)で流体を受け入れること、を含み得る(ステップ1140)。プロセス1100は、チャネル(例えば、290)と流体連通する入口(例えば、200)の開口部(例えば、240)を通して流体を出力すること、を含み得る(ステップ1145)。プロセス1100は、入口(例えば、200)を用いて、チャネル(例えば、290)の幅のかなりの部分(X方向)にわたる流体の実質的に均一な流れを実現すること、を含み得る(ステップ1150)。プロセス1100は、例えば、少なくとも図4B図5図8図14図15図16A図16B図27及び図36に示すように、入口(例えば、200)、チャネル(例えば、290)、及び出口(例えば、200’)を用いて、チャネル(例えば、290)の水平面(XZ平面)のかなりの部分にわたる流体の実質的に均一な流れを実現すること、を含み得る(ステップ1155)。プロセス1100の1つ又は複数のステップは、限定することなく再配置、省略、又は複製し得る。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態では、チャネル290は、非平行板構造を有してもよい。例えば、入口200と出口200’との間に、チャネル290は、2つ以上の非平行な壁を有してもよい。チャネル290は、角錐台、すなわち、先端が除去され、Z方向の全長に沿って直線断面を有する角錐の形状を有してもよい。チャネル290の入口は、直線形状を有してもよく、チャネル290の出口は、直線形状を有してもよく、チャネル290の入口と出口との間に傾斜壁を設けてもよい。入口200は、出口200’より小さくても、大きくてもよい。小さい入口200及び大きい出口200’、並びに直線形状を有するチャネル290の例示的な実施形態では、チャネル290を画定する4つの壁のうちの少なくとも2つは、入口200から出口200’までサイズが直線的に増加してもよい。大きい入口200及び小さい出口200’、並びに直線形状を有するチャネル290の例示的な実施形態では、チャネル290を画定する4つの壁のうちの少なくとも2つは、入口200から出口200’までサイズが直線的に減少してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、直線形状チャネル290の4つの壁はすべて、入口200と出口200’との間のサイズを増加しても、減少してもよい。チャネル290は、楕円形、円形、規則的又は不規則な形状など、XY平面内の非直線断面形状を有してもよい。
【0152】
例示的な一実施形態では、入口200は、上述の入口のいずれかと同様の構造、すなわち、タイプα、タイプβ、タイプγ、タイプδなどを有してもよい。チャネルの出口は、出口200’のスケールアップ又はスケールダウンであってもよい。直線状のXY断面を有する角錐台型チャネル290の場合、チャネル290の4つの壁のうちの少なくとも2つは、サイズが徐々に増加しても、減少してもよい。このような構造では、入口200が出口200’よりも小さいとき、チャネル290は、Z方向にわたってサイズが徐々に一貫して増加し、入口200は、チャネル290の入口部に実質的に均一な流れを送り出するように構成され得る。チャネル290を通って流れる流体の速度プロファイルは、流体が大きいチャネル290を比較的大きい出口200’に、徐々に一貫して通って移動するにつれて、実質的に均一に減少する。逆に、入口200が出口200’よりも大きいとき、チャネル290は、Z方向にわたってサイズが徐々に一貫して減少してもよく、入口200は、チャネル290の入口部に実質的に均一な流れを送り出すように構成されてもよい。チャネル290を通って流れる流体の速度プロファイルは、流体が小さいチャネル290を比較的小さい出口200’に、徐々に一貫して通って移動するにつれて、実質的に均一に増加する。チャネル290の壁は、直線状、湾曲状、又は不規則な形状であってもよく、これにより、チャネル290のZ方向にわたる速度プロファイルは、直線状、湾曲状、又は不規則な変化を有することになる。非平行板構造であり、チャネル290の幅がチャネル290の高さの10倍未満である例示的な実施形態では、一定の体積流量を仮定すると、チャネルの幅(Z方向)にわたる速度は、断面積の相対的な変化による減少を除いて実質的に均一になる。
【0153】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」は、本明細書で使用される場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を示すものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないと理解される。本明細書で使用する場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙した項目のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組合せを含む。
【0154】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、例示的なプロセスを実行するために複数のユニットを使用するものとして説明しているが、例示的なプロセスは、1つ又は複数のモジュールによって実行されてもよいことが理解される。
【0155】
本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語の使用は、いかなる順序も記載することなく、様々な構造、寸法又は動作を識別するために提供され、構造、寸法又は動作は、特定の順序を文脈において明確に指定しない限り、記載した順序とは異なる順序で実行され得る。
【0156】
本明細書及び特許請求の範囲を通して本明細書で使用する近似を表す文言は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容範囲で変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語で修飾した値は、明記した厳密な値に限定しない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここで、並びに明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は、組合せ及び/又は置換が可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、そのような範囲を識別し、それに含まれるすべての部分範囲を含む。
【0157】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、又は文脈から明らかでない限り、「約」という用語は、当技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差以内であると理解される。「約」は、記載した値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内と理解され得る。文脈から明らかでない限り、本明細書で提供するすべての数値は、「約」という用語によって修飾される。
【0158】
上記の説明及び特許請求の範囲において、「少なくとも1つ(at least one of)」又は「1つ又は複数(one or more of)」などの語句が出現し、その後に連言的な要素又は特徴のリストが続く場合がある。「及び/又は」という用語はまた、2つ以上の要素又は特徴のリストに出現し得る。それが使用される文脈によって暗黙的又は明示的に矛盾しない限り、そのような語句は、列挙した要素又は特徴のいずれかを個別に、又は列挙した要素又は特徴のいずれかを他の列挙した要素又は特徴のいずれかと組み合わせて意味することを意図している。例えば、句「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ又は複数」、及び「A及び/又はB」は、「A単独、B単独、又はAとBを共に」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図される。例えば、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ又は複数」、及び「A、B、及び/又はC」は、それぞれ「A単独、B単独、C単独、AとB、AとC、BとC、又はAとBとC」を意味することを意図している。更に、上記及び特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、列挙していない特徴又は要素も許容するように、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。
【0159】
本明細書に記載の主題は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、及び/又は物品で実施され得る。前述の説明に記載した実施形態は、本明細書に記載した主題と一致するすべての実施形態を表すものではない。代わりに、それらは、記載した主題に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。いくつかの変形形態を上記で詳細に説明したが、他の修正又は追加も可能である。特に、本明細書に記載したものに加えて、更なる特徴及び/又は変形を提供し得る。例えば、上述の実施形態は、開示した特徴の様々な組合せ及び部分的組合せ、並びに/又は上に開示したいくつかの更なる特徴の組合せ及び部分的組合せを対象としてもよい。更に、添付の図面に示している、及び/又は本明細書に記載している論理フローは、望ましい結果を達成するために、示している特定の順序、又は連続した順序を必ずしも必要としない。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内であり得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41A
図41B
図42A
図42B
図42C
図42D
図43
図44
図45
図46
図47
図48
【外国語明細書】