(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096009
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ピン構造体及び電池セルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20240704BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240704BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20240704BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20240704BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240704BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/534
H01M50/553
H01M50/566
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209676
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】202223595177.X
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202322305080.9
(32)【優先日】2023-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】張 杰
(72)【発明者】
【氏名】陸 天奇
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA01
5H043AA05
5H043CA04
5H043DA09
5H043EA36
5H043EA39
5H043HA02E
5H043HA11E
5H043LA02E
5H043LA34E
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ピン構造体の厚さを制御しながら、ピン構造全体の強度を高めたピン構造体を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態では、互いに接続されたタブガイド部100と極溶接部200とを含むピン構造体及び電池セルアセンブリが開示される。タブガイド部はタブに接続されるように設置され、極溶接部は電極端子に接続されるように設置される。タブガイド部と極溶接部とは角度を持って設置される。タブガイド部は、ピア薄化領域130と非ピア薄化領域120とを含み、ピア薄化領域にはピア薄化工程が施され、ピア薄化領域は、タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、前記タブガイド部は、タブと接続されるように設置され、前記極溶接部は、電極端子に接続されるように設置され、前記タブガイド部と前記極溶接部とは、角度を持って設置され、前記タブガイド部は、ピア薄化領域と非ピア薄化領域とを含み、前記ピア薄化領域にはピア薄化工程が施され、前記ピア薄化領域は、前記タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される、
ピン構造体。
【請求項2】
前記タブが前記タブガイド部の表面における投影は、前記ピア薄化領域内に位置する、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項3】
前記非ピア薄化領域の厚さに対する前記ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である、
請求項2に記載のピン構造体。
【請求項4】
前記ピア薄化領域の厚さと前記タブの厚さは、前記非ピア薄化領域の厚さ以下である、
請求項2に記載のピン構造体。
【請求項5】
2つの前記タブが、それぞれ前記ピン構造体の2つの対向する側に沿って折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、2つの前記タブは、電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の表面に溶接される、
請求項4に記載のピン構造体。
【請求項6】
2つの前記タブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、前記交差領域に対応する前記ピア薄化領域の厚さは、前記ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である、
請求項5に記載のピン構造体。
【請求項7】
2つの前記タブの前記相対的に重なり合う交差領域により第1の段付構造を形成し、2つの前記タブの前記重なり合わない領域により第2の段付構造を形成し、前記第1の段付構造と前記第2の段付構造との間には間隙があり、前記タブを収容するための前記ピア薄化領域の表面には、第1の段付構造及び前記第2の段付構造と適合する間隙構造が形成される、
請求項6に記載のピン構造体。
【請求項8】
前記タブガイド部は、電極アセンブリのタブと溶接するための溶接領域を含み、ピア薄化領域は少なくとも部分的に溶接領域内に位置する、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項9】
前記溶接領域の表面に溶接痕が分布しており、前記タブガイド部は、前記溶接痕を介して前記タブに接続される、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項10】
前記タブが前記溶接領域における投影は、前記ピア薄化領域内に位置する、
請求項9に記載のピン構造体。
【請求項11】
前記非ピア薄化領域の厚さに対する前記溶接領域の厚さの比は、1/8以上1未満である、
請求項10に記載のピン構造体。
【請求項12】
前記溶接領域の厚さと前記タブの厚さは、前記非ピア薄化領域の厚さ以下である、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項13】
前記溶接タブの前記厚さが増すと、前記溶接部分の前記厚さは薄くなる、
請求項12に記載のピン構造体。
【請求項14】
前記溶接領域は、前記非ピア薄化領域の両側に対称的に分布する、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項15】
前記タブは電極アセンブリから導出され、前記ピア薄化領域は、前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の表面に設置され、前記タブは、前記ピア薄化領域で前記タブガイド部に溶接される、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項16】
前記タブは、電極アセンブリから導出され、前記ピア薄化領域は、前記電極アセンブリに面する前記タブガイド部の表面に設置され、前記タブは、前記ピア薄化領域で前記タブガイド部に溶接される、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項17】
前記ピア薄化領域の材質の硬度は、前記非ピア薄化領域の材質の硬度よりも大きい、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項18】
筐体と、
前記筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、前記電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、
上部カバー本体と、前記上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、前記上部カバー本体は前記筐体に接続される上部カバーアセンブリと、
請求項1に記載のピン構造体と、
を含み、
前記ピン構造体における前記タブガイド部が前記タブに接続され、
前記ピン構造体における前記極溶接部が前記電極端子に接続される電池セルアセンブリ。
【請求項19】
前記タブは、前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の前記表面の前記ピア薄化領域に溶接される、
請求項18に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項20】
前記電極アセンブリから突出するタブの数は2つであり、
2つの前記タブが前記ピン構造体の2つの対向する側に沿ってそれぞれ折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、2つの前記タブは前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の前記表面の前記ピア薄化領域に溶接され、前記タブが前記ピン構造体の表面における投影は、前記ピア薄化領域内に完全に位置し、
2つの前記タブは、折り曲げられた後に、前記相対的に重なり合う交差領域を形成し、前記交差領域に対応する前記ピア薄化領域の厚さは、前記ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である、
請求項18に記載の電池セルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池技術の分野に関し、特にピン構造及び電池セルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電池セル構造は、電池セルの正極タブと負極タブとの電気接続を形成するように構成された正極ピンと負極ピンを備えている。単一のピンは、互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、タブガイド部は、タブと接続されるように設置され、極溶接部は、電極端子に接続されるように設置される。ピンのタブガイド部と極溶接部は、異なる方向に延伸させるために湾曲させる必要があるため、ピン自体の太さは大きくなりにくい。ピンの厚さが薄いとピンの強度が低くなり、支持力が不足する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態によって解決される技術的課題は、現在の技術の欠陥を克服するピン構造体及び電池セルアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、以下の技術的解決策を通じて上記の技術的問題を解決する。
【0005】
ピン構造体は、互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、タブガイド部は、タブに接続されるように設置され、極溶接部は、電極端子に接続されるように設置される。タブガイド部と極溶接部とは角度を持って設置される。タブガイド部は、ピア薄化領域と非ピア薄化領域とを含み、ピア薄化領域にはピア薄化工程が施され、ピア薄化領域は、タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される。
【0006】
本解決策では、ピア薄化領域を薄化することにより、ピア薄化領域におけるピンの材質の厚さを低減し、ピア薄化領域におけるピンの材質の硬度を高めることができ、ピン構造体の厚さを制御しながら、ピン構造体全体の強度を確保する目的を実現する。さらにピア薄化領域を中心線に沿って対称に設置することで、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する。
【0007】
好ましくは、タブがタブガイド部の表面における投影は、ピア薄化領域内に位置する。
【0008】
タブがタブガイド部の表面における投影をピア薄化領域に設置することにより、ピン構造体の表面から突出するタブの寸法を効果的に低減するために、非ピア薄化領域に対するピア薄化領域間の間隙を利用して、タブを収容することができる。このようにして、接続が完了した後、接続されるタブのピン構造体全体の厚さが比較的薄くなり、空間が節約される。
【0009】
好ましくは、ピア薄化領域の厚さと非ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である。
【0010】
ピン構造体上でタブを溶接するためのピア薄化領域の厚さは、比率パラメータを通じて制御することができる。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、第1の領域はタブを効果的に収容することができ、また、ピア薄化領域の厚さが薄いことに起因する構造強度の問題も回避することができる。
【0011】
好ましくは、ピア薄化領域及びタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ以下である。
【0012】
タブを収容するために、非ピア薄化領域に対してピア薄化領域によって形成された凹部を使用することにより、ピアの薄化領域とタブの厚さの合計は、非ピアの薄化領域の厚さ以下になるまでさらに減少する。このようにして、接続すべきタブのピン構造体の接続が完了した後、タブがピン構造体の非ピア薄化領域の表面から突出することはない。
【0013】
ピア薄化領域の厚さとタブの厚さの合計が非ピア薄化領域の厚さと等しい場合、ピアの薄化領域の厚さが薄いことに起因するピン構造体の過電流能力が弱いという問題を効果的に回避することもできる。
【0014】
好ましくは、2つのタブがピン構造体の2つの対向する側に沿ってそれぞれ折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、それらは電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に溶接される。
【0015】
ピン構造体の2つの対向する側にある2つのタブを折り曲げて、それらを電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に溶接することによって、タブガイド部に対するタブの溶接が電極アセンブリによって妨げられることがなく、溶接工程の実施が容易になる。
【0016】
好ましくは、2つのタブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、交差領域に対応するピア薄化領域の厚さは、ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である。
【0017】
タブの重なり合う交差領域に対応するピア薄化領域により、この領域の厚さを特に減少させることにより、タブを収容するためにピア薄化領域を使用することができ、タブに接続された後にピン構造体全体の厚さが増加するのを防止することができる。
【0018】
好ましくは、2つのタブの相対的に重なり合う交差領域により第1の段付構造を形成し、2つのタブの重なり合わない領域により第2の段付構造を形成する。第1の段付構造と第2の段付構造との間には間隙があり、タブを収容するためのピア薄化領域の表面には、第1の段付構造及び第2の段付構造と適合する間隙構造が形成される。
【0019】
好ましくは、タブガイド部は、電極アセンブリのタブと溶接するための溶接領域を含み、ピア薄化領域は、少なくとも部分的に溶接領域内に位置する。
【0020】
ピア薄化領域にタブを溶接で接続する溶接部を設置し、ピア薄化領域を利用してタブを収容することで、過度に長いタブを収容することにより全体の厚さが増加するという現在の課題を効果的に克服することができる。
【0021】
好ましくは、溶接箇所の表面には溶接痕が分布しており、タブガイド部は溶接痕を介してタブに接続される。
【0022】
好ましくは、タブが溶接領域における投影は、ピア薄化領域内に位置する。
【0023】
本解決策において、溶接部にピア薄化領域を設置することで、タブがピア薄化領域の空間を合理的に利用して、外部空間の使用を削減することができる。このようにして、空間の合理的な利用が達成され得る。
【0024】
好ましくは、溶接領域の厚さと非ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である。
【0025】
ピン構造体上に溶接されるタブの溶接領域の厚さは、比率パラメータを通じて制御することができる。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、第1の領域はタブを効果的に収容することができ、また、溶接領域の厚さが薄いことに起因する構造強度の問題も回避することができる。
【0026】
好ましくは、溶接領域とタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ以下である。
【0027】
本解決策において、追加の外部空間を占有することなく、タブがピア薄化領域を合理的な方法で利用して、空間利用率をさらに向上させることができる。溶接部とタブの厚さの合計が非ピア薄化領域の厚さと等しい場合の解決策については、ピア薄化領域内の溶接領域にタブを収容できることを前提として、溶接部のピン構造体の厚さが薄いことに起因する過電流能力が弱いの問題を効果的に防止することができる。
【0028】
好ましくは、溶接タブの厚さが増すと、溶接部分の厚さは薄くなる。
【0029】
溶接タブの厚さが変化する状況(例えば、単一のタブの異なる部分の厚さが異なる場合や、長さの異なる複数のタブが互いに重なり合って、タブ全体の厚さが異なる場合)では、タブの厚さの増加に伴い溶接領域の厚さを減少させることにより、溶接領域における全体のピア薄化領域の厚さを確保することを前提として、特にタブの厚い部分を薄化するために溶接領域の肉厚を減少させる。このようにして、タブの溶接後に全体の厚さが厚くなりすぎないようにすることができる。
【0030】
好ましくは、溶接領域は、非ピア薄化領域の両側に対称的に分布する。
【0031】
本解決策において、タブの溶接を容易にするために、タブは両側から溶接領域に接続されて良い。
【0032】
好ましくは、タブは電極アセンブリから導出され、ピア薄化領域は電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に設置され、タブは、ピアの薄化領域でタブガイド部に溶接される。
【0033】
好ましくは、タブは、電極アセンブリから導出され、ピア薄化領域は、電極アセンブリに面するタブガイド部の表面に設置され、タブは、ピアの薄化領域でタブガイド部に溶接される。
【0034】
電極アセンブリから離れたピン構造体の表面にタブを溶接することにより、電極アセンブリによって溶接工程の実施が妨げられることがなく、溶接工程の実施がより容易になる。
【0035】
好ましくは、ピア薄化領域の材質の硬度は、非ピア薄化領域の材質の硬度よりも大きい。
【0036】
比較的板厚の薄いピア薄化領域について、この領域の材質の硬度を高めることで、ピン構造全体の強度を効果的に強化することができ、ピン構造体の強度と軽量化を両立させることができる。
【0037】
筐体と、
筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、
上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、上部カバー本体は筐体に接続される上部カバーアセンブリと、
ピン構造体と、を含み、
前記ピン構造体における前記タブガイド部が前記タブに接続され、前記ピン構造体における前記極溶接部が前記電極端子に接続される電池セルアセンブリ。
【0038】
本解決策では、ピン構造体の強度が向上し、ピン構造体がより好ましい支持力を有し、ピン構造体が損傷しづらくなる。上述のピン構造体を使用した電池セルアセンブリの安定性と耐用年数が改善される。
【0039】
好ましくは、タブは、電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面上のピア薄化領域に溶接される。
【0040】
このような構造設置により、溶接領域が露出し、タブとピン構造体の溶接工程が容易になる。
【0041】
好ましくは、電極アセンブリから突出するタブの数は2つである。2つのタブが、それぞれピン構造体の2つの対向する側に沿って折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、それらは、電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面のピア薄化領域に溶接され、タブがピン構造体の表面における投影は、ピア薄化領域内に完全に位置する。
【0042】
ピン構造体とタブが溶接された後に過度の厚さを避けるために、タブを収容するためのピア薄化領域が設置される。
【0043】
好ましくは、2つの前記タブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、交差領域に対応するピア薄化領域の厚さは、ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である。
【0044】
タブの交差領域に対応するピア薄化領域の特定領域は、タブを収容するためにピア薄化領域を使用するように薄化され、過電流能力を考慮しながら、ピン構造体の全体的な強度を確保する。
【0045】
本発明の実施形態の有利な効果は次のとおりである。
【発明の効果】
【0046】
本解決策において、ピア薄化領域を薄くして、ピア薄化領域におけるピンの材質の厚さを減少させ、ピア薄化領域におけるピンの材質の硬度を増加させることにより、ピン構造体の厚さを制御した状態で、ピン構造全体の強度を確保する。さらに、ピア薄化領域が中心線に沿って対称に設定されるため、ピン構造体全体の強度がさらに向上し、ピン構造体の支持力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第1の実施形態のピン構造体を示す概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態のピン構造体を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2実施形態のピン構造体のタブガイド部を示す概略構成図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態のピン構造体の概略側面図である。
【
図5】本発明の
図4の実施形態における位置Bを示す拡大構造図である。
【
図6】本発明の
図4の実施形態における位置Cを示す拡大構造図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体、電極アセンブリ、及び上部カバーアセンブリの位置関係を示す概略図(1)である。
【
図8】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体、電極アセンブリ及び上部カバーアセンブリの位置関係を示す概略図(2)である。
【
図9】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体と上部カバーアセンブリとの位置関係を示す概略図(1)である。
【
図10】本発明の第3実施形態におけるピン構造体と上部カバーアセンブリとの位置関係を示す概略図(2)である。
【
図11A】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体のピア薄化領域と非ピア薄化領域との厚さ関係を示す概略図(1)である。
【
図11B】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体のピア薄化領域と非ピア薄化領域との厚さの関係を示す概略図(2)である。
【
図12】本発明の第4実施形態におけるタブにおける電極アセンブリの概略構造図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態におけるピン構造体の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下は、好ましい実施形態であり、添付の図面と併せて本発明の実施形態をより明確かつ完全に説明するために提供される。
【0049】
第1の実施形態
【0050】
図1に示すように、本発明は、タブガイド部100を含むピン構造体を提供する。タブガイド部100は、ピア薄化領域130と、非ピア薄化領域120と、を含む。ピア薄化領域130にはピア薄化工程が施され、ピア薄化領域130は、タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される。ピア薄化領域130を薄化することにより、ピア薄化領域130を圧縮することができる。ピア薄化領域130の密度が高くなると、ピア薄化領域130の強度が強化される。さらに、ピア薄化領域130を中心線に沿って対称に設置することにより、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する.
【0051】
本実施形態において、タブガイド部100は、電池セルのタブと溶接するための溶接領域110を含み、ピア薄化領域130は溶接領域110内に位置する。ピア薄化領域130を溶接領域110内に設置することにより、タブがピア薄化領域130の空間を合理的に利用して、外部空間の使用を削減することができる。このようにして、空間の合理的な利用が達成され得る。
【0052】
具体的には、タブが溶接領域110における投影は、ピア薄化領域130内に位置する。タブは、ピア薄化領域130内に完全に設置することができ、これにより空間の利用がより合理的になり、空間の利用率がさらに改善される。
【0053】
本実施形態において、溶接領域110及びタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ120未満である。タブがピア薄化領域130の空間を合理的に利用して、追加の外部空間を占有することなく、空間利用率をさらに向上させることができる。
【0054】
その他の実施形態において、溶接領域110及びタブの厚さは、非ピア薄化領域120の厚さに等しくても良い。
【0055】
本実施形態において、溶接領域110は、非ピア薄化領域120の両側に対称的に分布する。タブガイド部100の前後端及び中間領域は、非ピア薄化領域である。溶接領域110は、中央の非ピア薄化領域120の両側に分布し、前後端で非ピア薄化領域に包まれている。タブは、両側から溶接領域110に接続することができ、これによりタブの溶接が容易になる。
【0056】
もちろん、その他の実施形態において、非ピア薄化領域120は、タブガイド部100の中央領域にのみ設置しても良く、ピア薄化領域130は非ピア薄化領域120の両側に設置しても良い。
【0057】
具体的には、本実施形態において、溶接領域110は、ピア薄化領域130と一致し、タブが完全にピア薄化領域130内に位置するようにする。
【0058】
もちろん、その他の実施形態において、タブが溶接領域110における投影は、部分的にピア薄化領域130内に位置していても良い。つまり、ピア薄化領域130は、溶接領域110より小さくても良い。
【0059】
本実施形態において、ピン構造体は、極溶接部200をさらに含み、極溶接部200とタブガイド部100は、アーク移行部300を形成する。アーク移行部300を極溶接部200とタブガイド部100との間に設置することにより、応力の集中を防止することができる。
【0060】
本実施形態において、ピア薄化領域130の厚さは、非ピア薄化領域120の厚さ以下であり、ピア薄化領域130の密度は、非ピア薄化領域120の密度よりも大きい。ピア薄化領域130の厚さは、非ピア薄化領域120の厚さ未満である。このようにして、タブの空間を節約することができ、空間の利用率を効果的に向上させることができる。ピア薄化領域130の密度は、非ピア薄化領域120の密度よりも大きく、これにより、ピア薄化領域130の強度が向上する。
【0061】
本実施形態はさらに、筐体と、筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、上部カバー本体は筐体に接続される上部カバーアセンブリと、上記のピン構造体と、を含む電池セルアセンブリを提供する。
【0062】
ピン構造体の強度が向上し、ピン構造体がより好ましい支持力を有し、ピン構造体が損傷しづらくなる。上述のピン構造体を使用した電池セルアセンブリの安定性と耐用年数が改善される。
【0063】
第2の実施形態
【0064】
本実施形態の解決策は基本的に第1の実施形態の解決策と同じであるが、次の点が異なる。
【0065】
図2~
図6に示すように、本実施形態において、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の外周に設置される。ピア薄化領域130は、タブガイド部100の外周に位置する。タブガイド部100の外周の強度が大幅に向上することにより、ピン構造体の強度が強化され、ピン構造体の支持力が向上する。
【0066】
図2及び
図3に示すように、本実施形態において、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の中央領域にさらに設置され、中心線に沿ってタブガイド部100の外周まで延伸する。ピア薄化領域130を中央領域に設置し、タブガイド部100の外周まで延在させることにより、タブガイド部100の中間領域の強度が向上する。外周のピア薄化領域130と合わせて、ピン構造体の強度をさらに向上させるのに役立つ。
【0067】
もちろん、その他の実施形態において、タブガイド部100の中間領域にはピア薄化領域130が設置されなくても良い。
【0068】
図2、
図4及び
図6に示すように、本実施形態において、タブガイド部100には、アーク移行部300の近傍にピア薄化領域130が設置される。タブガイド部100がアーク移行部300に近い位置にピア薄化領域130を設置することにより、タブガイド部100のアーク移行部300に近い位置の強度が強化され、タブガイド部100は極溶接部200に対して変形しにくい。
【0069】
第3の実施形態
【0070】
図7に示すように、それは第1の実施形態で提供される電池セルアセンブリを示す特定の構造概略図であり、ピン構造体、電極アセンブリ400及び上部カバーアセンブリ500の具体的な位置関係及び設置を示し、ピン構造体は、第1の実施形態又は第2の実施形態で提供されるピン構造体を採用することができる。
【0071】
具体的には、電極アセンブリ400は、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブ401と、を含み、上部カバーアセンブリ500は、上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子501と、を含む。第1の実施形態又は第2の実施形態で提供されるピン構造体のタブガイド部100がタブ401に接続され、極溶接部200は、電極端子501に接続される。
【0072】
具体的には、第1実施形態又は第2実施形態で提供されるタブガイド部100と極溶接部200とが90°の角度をなして設置され、これによりタブ401と電極端子501との間で電力を直接伝達するという目的を実現する。もちろん、その他の実施形態において、タブガイド部100と極溶接部200は、電力を伝達するという同じ目的を達成するために、他の角度で折り曲げても良い。
【0073】
本実施形態は、第1の実施形態で提供されるピン構造体を例として取り上げ、第1の実施形態で提供されるピン構造体が、ピン構造体のピア薄化領域130を介して電極アセンブリ400のタブにどのように接続されるかを具体的に説明する。第1の実施形態のピン構造では、ピア薄化領域130が溶接領域110内に設置されるため、つまり、タブ401が溶接される溶接領域110の全体が、ピア薄化領域130の相対的に薄くなった範囲に属しており、溶接領域の全体の厚さが比較的薄くなり、タブ401が溶接領域110に溶接された後、比較的薄くなった領域を利用してタブ401を収容することができる。
【0074】
図8に具体的に示されるように、ピン構造体のタブガイド部100のピア薄化領域130は、非ピア薄化領域120に対して薄化されており、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の中心線100aに沿って対称的に設置される。ピア薄肉化領域130を薄化することにより、ピア薄化領域130におけるピンの材質の厚さを薄化することができ、ピア薄化領域130におけるピンの材質の硬度を向上させることができ、これにより、ピン構造体の厚さを制御した状態で、ピン構造体全体の強度を確保することができる。さらに、ピア薄肉化領域130を中心線100aに沿って対称的に設置することにより、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する。
【0075】
ピン構造体が、冷間圧造工程を含むピア薄化工程を通じて加工されて、ピア薄化領域130が形成されるとき、ピア薄化領域130の材質の硬度は、非ピア薄化領域120の材質の硬度より大きくても良い。このようにして、この領域の材質の硬度を高めることで、ピン構造全体の強度を効果的に強化することができ、 ピン構造体の強度と軽量化を両立させることができる。
【0076】
図7より分かるように、単一のピン構造に対応して、電極アセンブリ400は、溶接する必要がある2つのタブ401を有する。2つのタブ401は、ピン構造体の両側から突出し、ピン構造体の対向する2つの側でそれぞれ折り曲げられる。2つのタブ401が互いに向けて延伸した後、それらは、電極アセンブリ400から離れたタブガイド部100の表面のピア薄化領域に溶接130される。第1の実施形態において、ピン構造体のタブガイド部100によって提供される2つのピア薄化領域130は、2つの湾曲タブ401に正確に対応し、これにより湾曲タブ401がピン構造体の表面における投影は、ピア薄化領域130内に完全に位置する。タブ401を収容するために、ピアの薄化領域130と非ピアの薄化領域120との間の間隙を利用することによって、ピン構造体の表面から突出するタブ401の寸法を効果的に低減することができるため、接続が完了した後、接続されるタブ401のピン構造体全体の厚さが比較的薄くなる。
【0077】
図9及び
図10に示すように、タブ401は、ピア薄化領域130内の溶接領域110を介して相対的に溶接される。溶接領域110の表面には溶接痕111が分布し、溶接痕111を介してタブガイド部100とタブ401とが接続される。本実施形態において、
図7及び
図8より分かるように、タブ401が溶接される単一の溶接領域110には、溶接痕111が1つだけ設置され、溶接痕111は、鉛直方向に延伸する。もちろん、その他の実施形態において、互いに比較的平行であり、溶接領域110内に均一に分布する複数の溶接痕111が設置されても良い。複数の溶接痕111を均一に設置して、タブ401との溶接及び接続を実現することにより、接続強度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態で使用されるピン構造体は、第1の実施形態で提供されるピン構造体から派生したものであるため、ピン構造体及びタブの溶接領域110の厚さ(すなわち、溶接領域110とタブの厚さの合計)は、非ピア薄化領域120の厚さ未満である。そのため、タブを完全に収容することができる。
【0079】
第1の実施形態で提供される厚さの関係に基づいて、溶接領域110を有するピア薄化領域130の厚さ、非ピア薄化領域120の厚さ、及びタブの厚さ間の好ましい寸法関係をここでさらに説明する。
図11A及び
図11Bを参照すると、それは、ピン構造体のピア薄化領域130の厚さS
1と非ピア薄化領域120の厚さS
2を示す。まず、タブが部分的に収容されることを保証するために、ピア薄化領域130の厚さS
1は、ピア薄化領域130に内向きの凹部を形成するために、非ピア薄化領域120の厚さS
2未満である。さらに、形成された凹部を利用してタブ401を収容するために、ピア薄化領域130内の溶接領域110でタブ401を溶接することによって、溶接及び接続が完了した後、接続されるタブ401のピン構造体全体の厚さを比較的薄くすることができる。
【0080】
さらに、ピア薄化領域130の厚さS1にタブ401の厚さを加えた値は、タブ401を収容するために、非ピア薄化領域120に対してピア薄化領域130によって形成された凹部を使用した後、ピア薄化領域130 とタブ 401の厚さの合計が、非ピア薄化領域120の厚さ以下になるように、非ピア薄化領域120の厚さS2以下でなければならない。このようにして、接続されるタブ401に対するピン構造体の接続が完了した後、タブ401がピン構造体の非ピア薄化領域120の表面から突出することはない。
【0081】
ピア薄化領域130の厚さS1にタブ401の厚さを加えたものが、非ピア薄化領域120の厚さS2に等しいという解決策が比較的良好である。なぜなら、このような構造構成により、全体の厚さを制御できるだけでなく、ピア薄化領域130の厚さが薄いことに起因するピン構造体の過電流能力が弱いも効果的に防止することができるからである。
【0082】
なお、本実施形態において、タブ401の厚さは延伸方向から変化しないため、ピア薄化領域130の厚さも変化しない。しかしながら、その他の実施形態において、タブ401が多層構造等であり、タブ401の延伸方向からの厚さが変化する場合、例えば、厚さが徐々に薄くなったり、徐々に厚くなったりする場合は、タブ401を完全に収容し、タブ401がピン構造体の表面から突出するのを防止するため、タブ401の厚さの変化に応じて、ピア薄化領域130の厚さS1も徐々に薄くなるか、又は徐々に厚くなることが好ましい。
【0083】
ピア薄化領域130の厚さS1と非ピア薄化領域120の厚さS2との比関係は、1/8以上1未満に制御されることが好ましい。ピン構造体において、比率パラメータは、溶接されるタブ401の溶接領域110を含むピア薄化領域130の厚さを制御するために提供されるため、ピア薄化領域130の厚さと非ピア薄化領域120の厚さの間には比関係がある。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、溶接領域110の薄化に起因する構造強度問題を回避するために、ピア薄化設計基準をより標準化する必要がある。ピア薄化領域130の厚さと非ピア薄化領域120の厚さの比率関係の下限を1/8に制御することにより、タブ401を溶接するための溶接領域110の不足を効果的に防止することができ、これにより、過電流能力、溶接痕111の強度が不足したりするリスクを防止できる。
【0084】
本実施形態において、第1実施形態で提供されるピン構造体が採用されるため、そのピア薄化領域130は、電極アセンブリ400から離れたタブガイド部100の表面に設置される。したがって、このような構成では、タブ401が電極アセンブリ400から導出された後、タブ401はタブガイド部100の電極アセンブリ400から離れた表面で折り曲げられ、ピン構造体に対して溶接される。
【0085】
もちろん、その他の実施形態において、また、ピン構造体のピア薄化領域130がタブガイド部100の電極アセンブリ400に面する表面に設置される場合もある。このような構成では、タブ401が電極アセンブリ400から導出された後、タブ401はタブガイド部100の電極アセンブリ400に表面で折り曲げられ、ピン構造体に対して溶接される。つまり、ピン構造体のどの表面にピア薄化領域130が設置されるかに関わらず、比較的好ましい解決策は、表面上のピア薄化領域130内でピンを折り曲げて溶接し、ピア薄化領域130によって形成された凹部を利用してタブ401を収容することである。
【0086】
さらに、本実施形態では、第1の実施形態で提供されるピン構造体を採用しているが、その他の場合に、第2の実施形態で提供されるピン構造体を採用することもできる。第2の実施形態においてピン構造体の表面に形成されたピア薄化領域130は、タブ401がピン構造体の表面から突出するのを防止するために、電極アセンブリ400から突出するタブ401を収容するために利用される。
【0087】
第4の実施形態
【0088】
本実施形態は、ピン構造体と、それを含む電池セルアセンブリと、をさらに提供する。ピン構造体及び電池セルアセンブリは、第1の実施形態、第2の実施形態、又は第3の実施形態で提供されるものと実質的に同じである。主な違いは、本実施形態では、
図12に示すように、2つのタブ401が、ピン構造体のの2つの対向する側に沿ってそれぞれ曲げられることである。2つのタブ401の長さが比較的長いため、折り曲げ後の相対的に重なり合う交差領域Dを有し、タブ401の厚さが不一致となり、交差領域Dの全体の厚さが厚くなる。この類型のタブ401を対応して収容するために、
図13に示すように、交差領域Dに対応するピア薄化領域130におけるピン構造体の厚さは、ピア薄化領域130の他の領域の厚さ未満である。ピン構造体のピア薄化領域130の重なり合う交差領域の厚さをタブ401に対して特に減少させることによって、タブ401を収容するためにピア薄化領域130を利用することができ、タブ401が接続された後に、ピン構造体全体の厚さが増加するのを防止することができる。
【0089】
具体的には、本実施形態において、
図12に示すように、2つのタブ401の相対的に重なり合う交差領域Dによって第1の段付構造が形成され、重なり合わない領域によって第2の段付構造が形成される。第1の段付構造と第2の段付構造との間には間隙Eが存在する。
図13に示すように、ピン構造体には、ピア薄化領域130でタブ401を収容するための表面が形成され、その表面には、第1の段付構造と第2の段付構造とに整合する間隙構造Fが形成される。間隙構造Fは、異なる厚さのタブ401を収容するために利用される。同時に、間隙構造Fは、ピア薄化領域130の全体の厚さが、ピン構造体全体の強度に影響を与えるほど薄くならないように保証することができる。
【0090】
本発明の実施形態の特定の実装を以上の通り説明したが、これらは専ら例に過ぎず、本発明の実施形態の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されることを当業者は理解すべきである。当業者は、本発明の実施形態の原理および本質から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができるが、これらの変更および修正はすべて、本発明の実施形態の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のピン構造体及び電池セルアセンブリは、ピン構造体の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
100: タブガイド部
100a: 中心線
110: 溶接領域
111: 溶接痕
120: 非ピア薄化領域
130: ピア薄化領域
200: 極溶接部
300: アーク移行部
400: 電極アセンブリ
401: タブ
500: 上部カバーアセンブリ
501: 電極端子
S1: 厚さ
S2: 厚さ
D: 交差領域
E: 間隙
F: 間隙構造
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池技術の分野に関し、特にピン構造及び電池セルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電池セル構造は、電池セルの正極タブと負極タブとの電気接続を形成するように構成された正極ピンと負極ピンを備えている。単一のピンは、互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、タブガイド部は、タブと接続されるように設置され、極溶接部は、電極端子に接続されるように設置される。ピンのタブガイド部と極溶接部は、異なる方向に延伸させるために湾曲させる必要があるため、ピン自体の太さは大きくなりにくい。ピンの厚さが薄いとピンの強度が低くなり、支持力が不足する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態によって解決される技術的課題は、現在の技術の欠陥を克服するピン構造体及び電池セルアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、以下の技術的解決策を通じて上記の技術的問題を解決する。
【0005】
ピン構造体は、互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、タブガイド部は、タブに接続されるように設置され、極溶接部は、電極端子に接続されるように設置される。タブガイド部と極溶接部とは角度を持って設置される。タブガイド部は、ピア薄化領域と非ピア薄化領域とを含み、ピア薄化領域にはピア薄化工程が施され、ピア薄化領域は、タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される。
【0006】
本解決策では、ピア薄化領域を薄化することにより、ピア薄化領域におけるピンの材質の厚さを低減し、ピア薄化領域におけるピンの材質の硬度を高めることができ、ピン構造体の厚さを制御しながら、ピン構造体全体の強度を確保する目的を実現する。さらにピア薄化領域を中心線に沿って対称に設置することで、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する。
【0007】
好ましくは、タブがタブガイド部の表面における投影は、ピア薄化領域内に位置する。
【0008】
タブがタブガイド部の表面における投影をピア薄化領域に設置することにより、ピン構造体の表面から突出するタブの寸法を効果的に低減するために、非ピア薄化領域に対するピア薄化領域間の間隙を利用して、タブを収容することができる。このようにして、接続が完了した後、接続されるタブのピン構造体全体の厚さが比較的薄くなり、空間が節約される。
【0009】
好ましくは、ピア薄化領域の厚さと非ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である。
【0010】
ピン構造体上でタブを溶接するためのピア薄化領域の厚さは、比率パラメータを通じて制御することができる。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、第1の領域はタブを効果的に収容することができ、また、ピア薄化領域の厚さが薄いことに起因する構造強度の問題も回避することができる。
【0011】
好ましくは、ピア薄化領域及びタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ以下である。
【0012】
タブを収容するために、非ピア薄化領域に対してピア薄化領域によって形成された凹部を使用することにより、ピアの薄化領域とタブの厚さの合計は、非ピアの薄化領域の厚さ以下になるまでさらに減少する。このようにして、接続すべきタブのピン構造体の接続が完了した後、タブがピン構造体の非ピア薄化領域の表面から突出することはない。
【0013】
ピア薄化領域の厚さとタブの厚さの合計が非ピア薄化領域の厚さと等しい場合、ピアの薄化領域の厚さが薄いことに起因するピン構造体の過電流能力が弱いという問題を効果的に回避することもできる。
【0014】
好ましくは、2つのタブがピン構造体の2つの対向する側に沿ってそれぞれ折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、それらは電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に溶接される。
【0015】
ピン構造体の2つの対向する側にある2つのタブを折り曲げて、それらを電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に溶接することによって、タブガイド部に対するタブの溶接が電極アセンブリによって妨げられることがなく、溶接工程の実施が容易になる。
【0016】
好ましくは、2つのタブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、相対的に重なり合う交差領域に対応するピア薄化領域の厚さは、ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である。
【0017】
タブの相対的に重なり合う交差領域に対応するピア薄化領域により、この領域の厚さを特に減少させることにより、タブを収容するためにピア薄化領域を使用することができ、タブに接続された後にピン構造体全体の厚さが増加するのを防止することができる。
【0018】
好ましくは、2つのタブの相対的に重なり合う交差領域により第1の段付構造を形成し、2つのタブの重なり合わない領域により第2の段付構造を形成する。第1の段付構造と第2の段付構造との間には間隙があり、タブを収容するためのピア薄化領域の表面には、第1の段付構造及び第2の段付構造と適合する間隙構造が形成される。
【0019】
好ましくは、タブガイド部は、電極アセンブリのタブと溶接するための溶接領域を含み、ピア薄化領域は、少なくとも部分的に溶接領域内に位置する。
【0020】
ピア薄化領域にタブを溶接で接続する溶接部を設置し、ピア薄化領域を利用してタブを収容することで、過度に長いタブを収容することにより全体の厚さが増加するという現在の課題を効果的に克服することができる。
【0021】
好ましくは、溶接箇所の表面には溶接痕が分布しており、タブガイド部は溶接痕を介してタブに接続される。
【0022】
好ましくは、タブが溶接領域における投影は、ピア薄化領域内に位置する。
【0023】
本解決策において、溶接部にピア薄化領域を設置することで、タブがピア薄化領域の空間を合理的に利用して、外部空間の使用を削減することができる。このようにして、空間の合理的な利用が達成され得る。
【0024】
好ましくは、溶接領域の厚さと非ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である。
【0025】
ピン構造体上に溶接されるタブの溶接領域の厚さは、比率パラメータを通じて制御することができる。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、第1の領域はタブを効果的に収容することができ、また、溶接領域の厚さが薄いことに起因する構造強度の問題も回避することができる。
【0026】
好ましくは、溶接領域とタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ以下である。
【0027】
本解決策において、追加の外部空間を占有することなく、タブがピア薄化領域を合理的な方法で利用して、空間利用率をさらに向上させることができる。溶接部とタブの厚さの合計が非ピア薄化領域の厚さと等しい場合の解決策については、ピア薄化領域内の溶接領域にタブを収容できることを前提として、溶接部のピン構造体の厚さが薄いことに起因する過電流能力が弱いの問題を効果的に防止することができる。
【0028】
好ましくは、溶接タブの厚さが増すと、溶接部分の厚さは薄くなる。
【0029】
溶接タブの厚さが変化する状況(例えば、単一のタブの異なる部分の厚さが異なる場合や、長さの異なる複数のタブが互いに重なり合って、タブ全体の厚さが異なる場合)では、タブの厚さの増加に伴い溶接領域の厚さを減少させることにより、溶接領域における全体のピア薄化領域の厚さを確保することを前提として、特にタブの厚い部分を薄化するために溶接領域の肉厚を減少させる。このようにして、タブの溶接後に全体の厚さが厚くなりすぎないようにすることができる。
【0030】
好ましくは、溶接領域は、非ピア薄化領域の両側に対称的に分布する。
【0031】
本解決策において、タブの溶接を容易にするために、タブは両側から溶接領域に接続されて良い。
【0032】
好ましくは、タブは電極アセンブリから導出され、ピア薄化領域は電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面に設置され、タブは、ピアの薄化領域でタブガイド部に溶接される。
【0033】
好ましくは、タブは、電極アセンブリから導出され、ピア薄化領域は、電極アセンブリに面するタブガイド部の表面に設置され、タブは、ピアの薄化領域でタブガイド部に溶接される。
【0034】
電極アセンブリから離れたピン構造体の表面にタブを溶接することにより、電極アセンブリによって溶接工程の実施が妨げられることがなく、溶接工程の実施がより容易になる。
【0035】
好ましくは、ピア薄化領域の材質の硬度は、非ピア薄化領域の材質の硬度よりも大きい。
【0036】
比較的板厚の薄いピア薄化領域について、この領域の材質の硬度を高めることで、ピン構造全体の強度を効果的に強化することができ、ピン構造体の強度と軽量化を両立させることができる。
【0037】
筐体と、
筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、
上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、上部カバー本体は筐体に接続される上部カバーアセンブリと、
ピン構造体と、を含み、
前記ピン構造体における前記タブガイド部が前記タブに接続され、前記ピン構造体における前記極溶接部が前記電極端子に接続される電池セルアセンブリ。
【0038】
本解決策では、ピン構造体の強度が向上し、ピン構造体がより好ましい支持力を有し、ピン構造体が損傷しづらくなる。上述のピン構造体を使用した電池セルアセンブリの安定性と耐用年数が改善される。
【0039】
好ましくは、タブは、電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面上のピア薄化領域に溶接される。
【0040】
このような構造設置により、溶接領域が露出し、タブとピン構造体の溶接工程が容易になる。
【0041】
好ましくは、電極アセンブリから突出するタブの数は2つである。2つのタブが、それぞれピン構造体の2つの対向する側に沿って折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、それらは、電極アセンブリから離れたタブガイド部の表面のピア薄化領域に溶接され、タブがピン構造体の表面における投影は、ピア薄化領域内に完全に位置する。
【0042】
ピン構造体とタブが溶接された後に過度の厚さを避けるために、タブを収容するためのピア薄化領域が設置される。
【0043】
好ましくは、2つの前記タブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、相対的に重なり合う交差領域に対応するピア薄化領域の厚さは、ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である。
【0044】
タブの相対的に重なり合う交差領域に対応するピア薄化領域の特定領域は、タブを収容するためにピア薄化領域を使用するように薄化され、過電流能力を考慮しながら、ピン構造体の全体的な強度を確保する。
【0045】
本発明の実施形態の有利な効果は次のとおりである。
【発明の効果】
【0046】
本解決策において、ピア薄化領域を薄くして、ピア薄化領域におけるピンの材質の厚さを減少させ、ピア薄化領域におけるピンの材質の硬度を増加させることにより、ピン構造体の厚さを制御した状態で、ピン構造全体の強度を確保する。さらに、ピア薄化領域が中心線に沿って対称に設定されるため、ピン構造体全体の強度がさらに向上し、ピン構造体の支持力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第1の実施形態のピン構造体を示す概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態のピン構造体を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2実施形態のピン構造体のタブガイド部を示す概略構成図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態のピン構造体の概略側面図である。
【
図5】本発明の
図4の実施形態における位置Bを示す拡大構造図である。
【
図6】本発明の
図4の実施形態における位置Cを示す拡大構造図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体、電極アセンブリ、及び上部カバーアセンブリの位置関係を示す概略図(1)である。
【
図8】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体、電極アセンブリ及び上部カバーアセンブリの位置関係を示す概略図(2)である。
【
図9】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体と上部カバーアセンブリとの位置関係を示す概略図(1)である。
【
図10】本発明の第3実施形態におけるピン構造体と上部カバーアセンブリとの位置関係を示す概略図(2)である。
【
図11A】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体のピア薄化領域と非ピア薄化領域との厚さ関係を示す概略図(1)である。
【
図11B】本発明の第3の実施形態におけるピン構造体のピア薄化領域と非ピア薄化領域との厚さの関係を示す概略図(2)である。
【
図12】本発明の第4実施形態におけるタブにおける電極アセンブリの概略構造図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態におけるピン構造体の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下は、好ましい実施形態であり、添付の図面と併せて本発明の実施形態をより明確かつ完全に説明するために提供される。
【0049】
第1の実施形態
【0050】
図1に示すように、本発明は、タブガイド部100を含むピン構造体を提供する。タブガイド部100は、ピア薄化領域130と、非ピア薄化領域120と、を含む。ピア薄化領域130にはピア薄化工程が施され、ピア薄化領域130は、タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される。ピア薄化領域130を薄化することにより、ピア薄化領域130を圧縮することができる。ピア薄化領域130の密度が高くなると、ピア薄化領域130の強度が強化される。さらに、ピア薄化領域130を中心線に沿って対称に設置することにより、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する.
【0051】
本実施形態において、タブガイド部100は、電池セルのタブと溶接するための溶接領域110を含み、ピア薄化領域130は溶接領域110内に位置する。ピア薄化領域130を溶接領域110内に設置することにより、タブがピア薄化領域130の空間を合理的に利用して、外部空間の使用を削減することができる。このようにして、空間の合理的な利用が達成され得る。
【0052】
具体的には、タブが溶接領域110における投影は、ピア薄化領域130内に位置する。タブは、ピア薄化領域130内に完全に設置することができ、これにより空間の利用がより合理的になり、空間の利用率がさらに改善される。
【0053】
本実施形態において、溶接領域110及びタブの厚さは、非ピア薄化領域の厚さ120未満である。タブがピア薄化領域130の空間を合理的に利用して、追加の外部空間を占有することなく、空間利用率をさらに向上させることができる。
【0054】
その他の実施形態において、溶接領域110及びタブの厚さは、非ピア薄化領域120の厚さに等しくても良い。
【0055】
本実施形態において、溶接領域110は、非ピア薄化領域120の両側に対称的に分布する。タブガイド部100の前後端及び中間領域は、非ピア薄化領域である。溶接領域110は、中央の非ピア薄化領域120の両側に分布し、前後端で非ピア薄化領域に包まれている。タブは、両側から溶接領域110に接続することができ、これによりタブの溶接が容易になる。
【0056】
もちろん、その他の実施形態において、非ピア薄化領域120は、タブガイド部100の中央領域にのみ設置しても良く、ピア薄化領域130は非ピア薄化領域120の両側に設置しても良い。
【0057】
具体的には、本実施形態において、溶接領域110は、ピア薄化領域130と一致し、タブが完全にピア薄化領域130内に位置するようにする。
【0058】
もちろん、その他の実施形態において、タブが溶接領域110における投影は、部分的にピア薄化領域130内に位置していても良い。つまり、ピア薄化領域130は、溶接領域110より小さくても良い。
【0059】
本実施形態において、ピン構造体は、極溶接部200をさらに含み、極溶接部200とタブガイド部100は、アーク移行部300を形成する。アーク移行部300を極溶接部200とタブガイド部100との間に設置することにより、応力の集中を防止することができる。
【0060】
本実施形態において、ピア薄化領域130の厚さは、非ピア薄化領域120の厚さ以下であり、ピア薄化領域130の密度は、非ピア薄化領域120の密度よりも大きい。ピア薄化領域130の厚さは、非ピア薄化領域120の厚さ未満である。このようにして、タブの空間を節約することができ、空間の利用率を効果的に向上させることができる。ピア薄化領域130の密度は、非ピア薄化領域120の密度よりも大きく、これにより、ピア薄化領域130の強度が向上する。
【0061】
本実施形態はさらに、筐体と、筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、上部カバー本体は筐体に接続される上部カバーアセンブリと、上記のピン構造体と、を含む電池セルアセンブリを提供する。
【0062】
ピン構造体の強度が向上し、ピン構造体がより好ましい支持力を有し、ピン構造体が損傷しづらくなる。上述のピン構造体を使用した電池セルアセンブリの安定性と耐用年数が改善される。
【0063】
第2の実施形態
【0064】
本実施形態の解決策は基本的に第1の実施形態の解決策と同じであるが、次の点が異なる。
【0065】
図2~
図6に示すように、本実施形態において、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の外周に設置される。ピア薄化領域130は、タブガイド部100の外周に位置する。タブガイド部100の外周の強度が大幅に向上することにより、ピン構造体の強度が強化され、ピン構造体の支持力が向上する。
【0066】
図2及び
図3に示すように、本実施形態において、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の中央領域にさらに設置され、中心線に沿ってタブガイド部100の外周まで延伸する。ピア薄化領域130を中央領域に設置し、タブガイド部100の外周まで延在させることにより、タブガイド部100の中間領域の強度が向上する。外周のピア薄化領域130と合わせて、ピン構造体の強度をさらに向上させるのに役立つ。
【0067】
もちろん、その他の実施形態において、タブガイド部100の中間領域にはピア薄化領域130が設置されなくても良い。
【0068】
図2、
図4及び
図6に示すように、本実施形態において、タブガイド部100には、アーク移行部300の近傍にピア薄化領域130が設置される。タブガイド部100がアーク移行部300に近い位置にピア薄化領域130を設置することにより、タブガイド部100のアーク移行部300に近い位置の強度が強化され、タブガイド部100は極溶接部200に対して変形しにくい。
【0069】
第3の実施形態
【0070】
図7に示すように、それは第1の実施形態で提供される電池セルアセンブリを示す特定の構造概略図であり、ピン構造体、電極アセンブリ400及び上部カバーアセンブリ500の具体的な位置関係及び設置を示し、ピン構造体は、第1の実施形態又は第2の実施形態で提供されるピン構造体を採用することができる。
【0071】
具体的には、電極アセンブリ400は、電極アセンブリ本体と、電極アセンブリ本体から延伸するタブ401と、を含み、上部カバーアセンブリ500は、上部カバー本体と、上部カバー本体に設置された電極端子501と、を含む。第1の実施形態又は第2の実施形態で提供されるピン構造体のタブガイド部100がタブ401に接続され、極溶接部200は、電極端子501に接続される。
【0072】
具体的には、第1実施形態又は第2実施形態で提供されるタブガイド部100と極溶接部200とが90°の角度をなして設置され、これによりタブ401と電極端子501との間で電力を直接伝達するという目的を実現する。もちろん、その他の実施形態において、タブガイド部100と極溶接部200は、電力を伝達するという同じ目的を達成するために、他の角度で折り曲げても良い。
【0073】
本実施形態は、第1の実施形態で提供されるピン構造体を例として取り上げ、第1の実施形態で提供されるピン構造体が、ピン構造体のピア薄化領域130を介して電極アセンブリ400のタブにどのように接続されるかを具体的に説明する。第1の実施形態のピン構造では、ピア薄化領域130が溶接領域110内に設置されるため、つまり、タブ401が溶接される溶接領域110の全体が、ピア薄化領域130の相対的に薄くなった範囲に属しており、溶接領域の全体の厚さが比較的薄くなり、タブ401が溶接領域110に溶接された後、比較的薄くなった領域を利用してタブ401を収容することができる。
【0074】
図8に具体的に示されるように、ピン構造体のタブガイド部100のピア薄化領域130は、非ピア薄化領域120に対して薄化されており、ピア薄化領域130は、タブガイド部100の中心線100aに沿って対称的に設置される。ピア薄肉化領域130を薄化することにより、ピア薄化領域130におけるピンの材質の厚さを薄化することができ、ピア薄化領域130におけるピンの材質の硬度を向上させることができ、これにより、ピン構造体の厚さを制御した状態で、ピン構造体全体の強度を確保することができる。さらに、ピア薄肉化領域130を中心線100aに沿って対称的に設置することにより、ピン構造全体の強度を高めることができ、これによりピン構造体の支持力が向上する。
【0075】
ピン構造体が、冷間圧造工程を含むピア薄化工程を通じて加工されて、ピア薄化領域130が形成されるとき、ピア薄化領域130の材質の硬度は、非ピア薄化領域120の材質の硬度より大きくても良い。このようにして、この領域の材質の硬度を高めることで、ピン構造全体の強度を効果的に強化することができ、 ピン構造体の強度と軽量化を両立させることができる。
【0076】
図7より分かるように、単一のピン構造に対応して、電極アセンブリ400は、溶接する必要がある2つのタブ401を有する。2つのタブ401は、ピン構造体の両側から突出し、ピン構造体の対向する2つの側でそれぞれ折り曲げられる。2つのタブ401が互いに向けて延伸した後、それらは、電極アセンブリ400から離れたタブガイド部100の表面のピア薄化領域に溶接130される。第1の実施形態において、ピン構造体のタブガイド部100によって提供される2つのピア薄化領域130は、2つの湾曲タブ401に正確に対応し、これにより湾曲タブ401がピン構造体の表面における投影は、ピア薄化領域130内に完全に位置する。タブ401を収容するために、ピアの薄化領域130と非ピアの薄化領域120との間の間隙を利用することによって、ピン構造体の表面から突出するタブ401の寸法を効果的に低減することができるため、接続が完了した後、接続されるタブ401のピン構造体全体の厚さが比較的薄くなる。
【0077】
図9及び
図10に示すように、タブ401は、ピア薄化領域130内の溶接領域110を介して相対的に溶接される。溶接領域110の表面には溶接痕111が分布し、溶接痕111を介してタブガイド部100とタブ401とが接続される。本実施形態において、
図7及び
図8より分かるように、タブ401が溶接される単一の溶接領域110には、溶接痕111が1つだけ設置され、溶接痕111は、鉛直方向に延伸する。もちろん、その他の実施形態において、互いに比較的平行であり、溶接領域110内に均一に分布する複数の溶接痕111が設置されても良い。複数の溶接痕111を均一に設置して、タブ401との溶接及び接続を実現することにより、接続強度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態で使用されるピン構造体は、第1の実施形態で提供されるピン構造体から派生したものであるため、ピン構造体及びタブの溶接領域110の厚さ(すなわち、溶接領域110とタブの厚さの合計)は、非ピア薄化領域120の厚さ未満である。そのため、タブを完全に収容することができる。
【0079】
第1の実施形態で提供される厚さの関係に基づいて、溶接領域110を有するピア薄化領域130の厚さ、非ピア薄化領域120の厚さ、及びタブの厚さ間の好ましい寸法関係をここでさらに説明する。
図11A及び
図11Bを参照すると、それは、ピン構造体のピア薄化領域130の厚さS1と非ピア薄化領域120の厚さS2を示す。まず、タブが部分的に収容されることを保証するために、ピア薄化領域130の厚さS1は、ピア薄化領域130に内向きの凹部を形成するために、非ピア薄化領域120の厚さS2未満である。さらに、形成された凹部を利用してタブ401を収容するために、ピア薄化領域130内の溶接領域110でタブ401を溶接することによって、溶接及び接続が完了した後、接続されるタブ401のピン構造体全体の厚さを比較的薄くすることができる。
【0080】
さらに、ピア薄化領域130の厚さS1にタブ401の厚さを加えた値は、タブ401を収容するために、非ピア薄化領域120に対してピア薄化領域130によって形成された凹部を使用した後、ピア薄化領域130 とタブ 401の厚さの合計が、非ピア薄化領域120の厚さ以下になるように、非ピア薄化領域120の厚さS2以下でなければならない。このようにして、接続されるタブ401に対するピン構造体の接続が完了した後、タブ401がピン構造体の非ピア薄化領域120の表面から突出することはない。
【0081】
ピア薄化領域130の厚さS1にタブ401の厚さを加えたものが、非ピア薄化領域120の厚さS2に等しいという解決策が比較的良好である。なぜなら、このような構造構成により、全体の厚さを制御できるだけでなく、ピア薄化領域130の厚さが薄いことに起因するピン構造体の過電流能力が弱いも効果的に防止することができるからである。
【0082】
なお、本実施形態において、タブ401の厚さは延伸方向から変化しないため、ピア薄化領域130の厚さも変化しない。しかしながら、その他の実施形態において、タブ401が多層構造等であり、タブ401の延伸方向からの厚さが変化する場合、例えば、厚さが徐々に薄くなったり、徐々に厚くなったりする場合は、タブ401を完全に収容し、タブ401がピン構造体の表面から突出するのを防止するため、タブ401の厚さの変化に応じて、ピア薄化領域130の厚さS1も徐々に薄くなるか、又は徐々に厚くなることが好ましい。
【0083】
ピア薄化領域130の厚さS1と非ピア薄化領域120の厚さS2との比関係は、1/8以上1未満に制御されることが好ましい。ピン構造体において、比率パラメータは、溶接されるタブ401の溶接領域110を含むピア薄化領域130の厚さを制御するために提供されるため、ピア薄化領域130の厚さと非ピア薄化領域120の厚さの間には比関係がある。ピン構造体の基本機能を満たすことを前提として、溶接領域110の薄化に起因する構造強度問題を回避するために、ピア薄化設計基準をより標準化する必要がある。ピア薄化領域130の厚さと非ピア薄化領域120の厚さの比率関係の下限を1/8に制御することにより、タブ401を溶接するための溶接領域110の不足を効果的に防止することができ、これにより、過電流能力、溶接痕111の強度が不足したりするリスクを防止できる。
【0084】
本実施形態において、第1実施形態で提供されるピン構造体が採用されるため、そのピア薄化領域130は、電極アセンブリ400から離れたタブガイド部100の表面に設置される。したがって、このような構成では、タブ401が電極アセンブリ400から導出された後、タブ401はタブガイド部100の電極アセンブリ400から離れた表面で折り曲げられ、ピン構造体に対して溶接される。
【0085】
もちろん、その他の実施形態において、また、ピン構造体のピア薄化領域130がタブガイド部100の電極アセンブリ400に面する表面に設置される場合もある。このような構成では、タブ401が電極アセンブリ400から導出された後、タブ401はタブガイド部100の電極アセンブリ400に表面で折り曲げられ、ピン構造体に対して溶接される。つまり、ピン構造体のどの表面にピア薄化領域130が設置されるかに関わらず、比較的好ましい解決策は、表面上のピア薄化領域130内でピンを折り曲げて溶接し、ピア薄化領域130によって形成された凹部を利用してタブ401を収容することである。
【0086】
さらに、本実施形態では、第1の実施形態で提供されるピン構造体を採用しているが、その他の場合に、第2の実施形態で提供されるピン構造体を採用することもできる。第2の実施形態においてピン構造体の表面に形成されたピア薄化領域130は、タブ401がピン構造体の表面から突出するのを防止するために、電極アセンブリ400から突出するタブ401を収容するために利用される。
【0087】
第4の実施形態
【0088】
本実施形態は、ピン構造体と、それを含む電池セルアセンブリと、をさらに提供する。ピン構造体及び電池セルアセンブリは、第1の実施形態、第2の実施形態、又は第3の実施形態で提供されるものと実質的に同じである。主な違いは、本実施形態では、
図12に示すように、2つのタブ401が、ピン構造体のの2つの対向する側に沿ってそれぞれ曲げられることである。2つのタブ401の長さが比較的長いため、折り曲げ後の相対的に重なり合う交差領域Dを有し、タブ401の厚さが不一致となり、交差領域Dの全体の厚さが厚くなる。この類型のタブ401を対応して収容するために、
図13に示すように、交差領域Dに対応するピア薄化領域130におけるピン構造体の厚さは、ピア薄化領域130の他の領域の厚さ未満である。ピン構造体のピア薄化領域130の重なり合う交差領域の厚さをタブ401に対して特に減少させることによって、タブ401を収容するためにピア薄化領域130を利用することができ、タブ401が接続された後に、ピン構造体全体の厚さが増加するのを防止することができる。
【0089】
具体的には、本実施形態において、
図12に示すように、2つのタブ401の相対的に重なり合う交差領域Dによって第1の段付構造が形成され、重なり合わない領域によって第2の段付構造が形成される。第1の段付構造と第2の段付構造との間には間隙Eが存在する。
図13に示すように、ピン構造体には、ピア薄化領域130でタブ401を収容するための表面が形成され、その表面には、第1の段付構造と第2の段付構造とに整合する間隙構造Fが形成される。間隙構造Fは、異なる厚さのタブ401を収容するために利用される。同時に、間隙構造Fは、ピア薄化領域130の全体の厚さが、ピン構造体全体の強度に影響を与えるほど薄くならないように保証することができる。
【0090】
本発明の実施形態の特定の実装を以上の通り説明したが、これらは専ら例に過ぎず、本発明の実施形態の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されることを当業者は理解すべきである。当業者は、本発明の実施形態の原理および本質から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができるが、これらの変更および修正はすべて、本発明の実施形態の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のピン構造体及び電池セルアセンブリは、ピン構造体の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
100: タブガイド部
100a: 中心線
110: 溶接領域
111: 溶接痕
120: 非ピア薄化領域
130: ピア薄化領域
200: 極溶接部
300: アーク移行部
400: 電極アセンブリ
401: タブ
500: 上部カバーアセンブリ
501: 電極端子
S1: 厚さ
S2: 厚さ
D: 交差領域
E: 間隙
F: 間隙構造
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続されたタブガイド部と極溶接部とを含み、前記タブガイド部は、タブと接続されるように設置され、前記極溶接部は、電極端子に接続されるように設置され、前記タブガイド部と前記極溶接部とは、角度を持って設置され、前記タブガイド部は、ピア薄化領域と非ピア薄化領域とを含み、前記ピア薄化領域にはピア薄化工程が施され、前記ピア薄化領域は、前記タブガイド部の中心線に沿って対称に設置される、
ピン構造体。
【請求項2】
前記タブが前記タブガイド部の表面における投影は、前記ピア薄化領域内に位置する、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項3】
前記非ピア薄化領域の厚さに対する前記ピア薄化領域の厚さの比は、1/8以上1未満である、
請求項2に記載のピン構造体。
【請求項4】
前記ピア薄化領域の厚さと前記タブの厚さは、前記非ピア薄化領域の厚さ以下である、
請求項2に記載のピン構造体。
【請求項5】
2つの前記タブが、それぞれ前記ピン構造体の2つの対向する側に沿って折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、2つの前記タブは、電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の表面に溶接される、
請求項4に記載のピン構造体。
【請求項6】
2つの前記タブは、折り曲げられた後に、相対的に重なり合う交差領域を形成し、前記相対的に重なり合う交差領域に対応する前記ピア薄化領域の厚さは、前記ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である、
請求項5に記載のピン構造体。
【請求項7】
2つの前記タブの前記相対的に重なり合う交差領域により第1の段付構造を形成し、2つの前記タブの重なり合わない領域により第2の段付構造を形成し、前記第1の段付構造と前記第2の段付構造との間には間隙があり、前記タブを収容するための前記ピア薄化領域の表面には、第1の段付構造及び前記第2の段付構造と適合する間隙構造が形成される、
請求項6に記載のピン構造体。
【請求項8】
前記タブガイド部は、電極アセンブリのタブと溶接するための溶接領域を含み、ピア薄化領域は少なくとも部分的に溶接領域内に位置する、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項9】
前記溶接領域の表面に溶接痕が分布しており、前記タブガイド部は、前記溶接痕を介して前記タブに接続される、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項10】
前記タブが前記溶接領域における投影は、前記ピア薄化領域内に位置する、
請求項9に記載のピン構造体。
【請求項11】
前記非ピア薄化領域の厚さに対する前記溶接領域の厚さの比は、1/8以上1未満である、
請求項10に記載のピン構造体。
【請求項12】
前記溶接領域の厚さと前記タブの厚さは、前記非ピア薄化領域の厚さ以下である、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項13】
前記溶接タブの前記厚さが増すと、前記溶接部分の前記厚さは薄くなる、
請求項12に記載のピン構造体。
【請求項14】
前記溶接領域は、前記非ピア薄化領域の両側に対称的に分布する、
請求項8に記載のピン構造体。
【請求項15】
前記タブは電極アセンブリから導出され、前記ピア薄化領域は、前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の表面に設置され、前記タブは、前記ピア薄化領域で前記タブガイド部に溶接される、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項16】
前記タブは、電極アセンブリから導出され、前記ピア薄化領域は、前記電極アセンブリに面する前記タブガイド部の表面に設置され、前記タブは、前記ピア薄化領域で前記タブガイド部に溶接される、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項17】
前記ピア薄化領域の材質の硬度は、前記非ピア薄化領域の材質の硬度よりも大きい、
請求項1に記載のピン構造体。
【請求項18】
筐体と、
前記筐体内に設置され、電極アセンブリ本体と、前記電極アセンブリ本体から延伸するタブと、を含む電極アセンブリと、
上部カバー本体と、前記上部カバー本体に設置された電極端子と、を含み、前記上部カバー本体は前記筐体に接続される上部カバーアセンブリと、
請求項1~17のいずれか一項に記載のピン構造体と、
を含み、
前記ピン構造体における前記タブガイド部が前記タブに接続され、
前記ピン構造体における前記極溶接部が前記電極端子に接続される電池セルアセンブリ。
【請求項19】
前記タブは、前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の前記表面の前記ピア薄化領域に溶接される、
請求項18に記載の電池セルアセンブリ。
【請求項20】
前記電極アセンブリから突出するタブの数は2つであり、
2つの前記タブが前記ピン構造体の2つの対向する側に沿ってそれぞれ折り曲げられ、互いに向けて延伸した後、2つの前記タブは前記電極アセンブリから離れた前記タブガイド部の前記表面の前記ピア薄化領域に溶接され、前記タブが前記ピン構造体の表面における投影は、前記ピア薄化領域内に完全に位置し、
2つの前記タブは、折り曲げられた後に、前記相対的に重なり合う交差領域を形成し、前記相対的に重なり合う交差領域に対応する前記ピア薄化領域の厚さは、前記ピア薄化領域の他の領域の厚さ未満である、
請求項18に記載の電池セルアセンブリ。
【外国語明細書】