(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096035
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】有機発光ダイオード表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/858 20230101AFI20240704BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240704BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240704BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
H10K50/858
H10K59/122
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K59/131
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218023
(22)【出願日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0189152
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】フ ジェスン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジュンス
(72)【発明者】
【氏名】アン ジュンハ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジェヒュク
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC05
3K107CC14
3K107CC33
3K107DD02
3K107DD89
3K107EE03
3K107EE29
3K107FF15
5C094AA07
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB01
5C094ED01
5C094FA03
5C094FA04
5C094JA09
(57)【要約】
【課題】光抽出効率を向上させ、輝点不良を低減した有機発光ダイオード表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機発光ダイオード表示装置は、表示領域と前記表示領域外郭の非表示領域を含む基板と、前記表示領域内発光領域と非発光領域を有する複数の副画素と、前記複数の副画素それぞれの前記発光領域に備えられる複数のマイクロレンズとを含み、前記表示領域内の前記複数の副画素のうち最外郭副画素の前記発光領域は前記複数のマイクロレンズが複数個除去された第1平坦部を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域および前記表示領域の外郭の非表示領域を含む基板と、
それぞれが前記表示領域内の発光領域および非発光領域を有する複数の副画素と,
それぞれの前記サブピクセルの発光領域に複数のマイクロレンズを含むオーバーコート層とを含み、
前記複数の副画素のうち最外郭副画素において、前記オーバーコート層は、前記発光領域においていくつかの前記マイクロレンズが除去された第1平坦部を有備える、有機発光ダイオード表示装置。
【請求項2】
前記第1平坦部は前記表示領域の左側および右側短辺の前記最外郭副画素ごとに備えられる、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項3】
前記表示領域の左側および右側短辺方向に配置される第1垂直配線をさらに含み、前記最外郭副画素の前記マイクロレンズは前記第1垂直配線と離隔して配置される、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項4】
前記最外郭副画素に水平方向に隣り合って配置される副画素と前記最外郭副画素の間に配置される第2垂直配線をさらに含み、前記最外郭副画素に水平方向に隣り合って配置される副画素の前記マイクロレンズは前記第2垂直配線と重なって配置される、請求項3に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項5】
前記第1平坦部は前記表示領域の左側短辺の前記最外郭副画素の左側にのみ備えられ、前記表示領域の右側短辺の前記最外郭副画素の右側にのみ備えられる、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項6】
前記複数の副画素において、前記オーバーコート層は前記発光領域の角部においていくつかの前記マイクロレンズが除去された第2平坦部をさらに含む、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項7】
前記複数の副画素に隣接または重なって水平に配置される複数の水平配線および前記複数の副画素の前記発光領域の間ごとに配置される複数の垂直配線をさらに含み、前記第2平坦部は前記水平配線と前記垂直配線が重なる領域に配置される、請求項6に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項8】
発光領域と非発光領域を有する複数の副画素が備えられた基板と、
前記基板の上部の前記非発光領域に配置され、薄膜トランジスタを含む回路部と、
前記薄膜トランジスタの上部に配置され、前記発光領域に複数のマイクロレンズを含むオーバーコート層と、
前記オーバーコート層の上部の前記発光領域に配置され、前記薄膜トランジスタに連結される発光ダイオードと、
前記発光領域に対応して開口部を有するバンクとを含み、
前記複数の副画素は第1方向に沿って順次配置された第1~第n副画素(nは1より大きい整数)を含み、
前記第1~第n副画素それぞれで前記バンクは前記第1方向に沿って対向する第1および第2側面を有し、
前記第1副画素で前記マイクロレンズは前記バンクの第1側面と離隔し、前記バンクの第2側面と重なり、
前記第n副画素で前記マイクロレンズは前記バンクの第1側面と重なり、前記バンクの第2側面と離隔する、有機発光ダイオード表示装置。
【請求項9】
前記基板の上部に前記第1方向に沿って配置される少なくとも一つの水平配線と、
第2方向に沿って配置され、前記少なくとも一つの水平配線と重なって重畳部を構成する少なくとも一つの垂直配線とをさらに含み、
前記第1~第n副画素のそれぞれで、前記マイクロレンズは前記重畳部と離隔する、請求項8に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項10】
前記第1~第n副画素のそれぞれにおいて、前記マイクロレンズは前記重畳部に隣接した前記バンクの開口部の角部と離隔する、請求項9に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項11】
前記発光ダイオードは第1電極と発光層および第2電極を含み、
前記第1~第n副画素のそれぞれにおいて、前記第1電極と前記バンクの開口部のそれぞれは前記重畳部に対応する角部が前記発光領域側に引き入れられる、請求項10に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの水平配線はゲート配線と補助配線を含み、
前記少なくとも一つの垂直配線は電源配線とデータ配線および基準配線を含み、
前記補助配線は前記電源配線と前記データ配線および前記基準配線のうち少なくとも一つと重なって前記重畳部を構成する、請求項9に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項13】
前記オーバーコート層は前記非発光領域に備えられるダミーレンズをさらに含み、前記ダミーレンズは前記開口部と離隔する、請求項8に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項14】
前記第1副画素において、前記ダミーレンズは前記バンクの第2側面に対応する前記非発光領域にのみ備えられ、
前記第n副画素において、前記ダミーレンズは前記バンクの第1側面に対応する前記非発光領域にのみ備えられる、請求項13に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項15】
前記ダミーレンズは前記マイクロレンズと同じ大きさおよび形状を有する、請求項13に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項16】
前記第1~第n副画素のうち少なくとも一つで前記マイクロレンズは、隣接したマイクロレンズの中心を連結した線が前記第1方向に対して特定の角度を有するように回転する、請求項8に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【請求項17】
前記マイクロレンズの回転角度は0度より大きいか同じであり、60度より小さい、請求項16に記載の有機発光ダイオード表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に、光抽出効率が向上した有機発光ダイオード表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて画像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態で増加しており、液晶表示装置(liquid crystal display device:LCD)と有機発光ダイオード表示装置(organic light emitting diode display device:OLED)のようなフラットパネル表示装置(flat panel display device:FPD)が開発されて多様な分野に適用されている。
【0003】
フラットパネル表示装置の中で、有機電界発光表示装置(organic electroluminescent display device)とも呼ばれる有機発光ダイオード表示装置は、電子注入電極である負極と正孔注入電極である正極の間に形成された発光層に電荷を注入して、電子と正孔の結合によって励起子が形成された後に消滅しながら光を出す素子である。このような有機発光ダイオード表示装置はプラスチックのようなフレキシブルな基板(flexible substrate)の上にも形成できるだけでなく、自発光型であるためコントラスト比(contrast ratio)が大きく応答時間が数マイクロ秒(μs)程度であるため動画像の具現が容易であり、視野角の制限がなく低温でも安定し、直流5V~15Vの比較的低い電圧で駆動が可能であるため、駆動回路の製作および設計が容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような有機発光ダイオード表示装置の発光層で生成された光が多くの構成要素を通過して外部に放出される過程で、構成要素の間の界面で全反射などにより一部の光が外部に放出できない場合、光抽出効率が減少することになり、これは輝度低下および消費電力の増加につながる。
【0005】
したがって、本発明は、マイクロレンズを備え、光抽出効率が向上した有機発光ダイオード表示装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の有機発光ダイオード表示装置は、表示領域および前記表示領域外郭の非表示領域を含む基板と、前記表示領域内発光領域と非発光領域を有する複数の副画素とを含み、前記複数の副画素それぞれは複数のマイクロレンズを含み、前記表示領域内の前記複数の副画素のうち最外郭副画素の前記発光領域は前記複数のマイクロレンズが複数個除去された第1平坦部を備える。
【0007】
前記第1平坦部は前記表示領域の左側および右側短辺での最外郭副画素ごとに備えられる。
【0008】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記表示領域の左側および右側短辺方向に配置される第1垂直配線をさらに含み、前記最外郭副画素の前記マイクロレンズは前記第1垂直配線と離隔して配置される。
【0009】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記最外郭副画素に水平方向に隣り合って配置される副画素と前記最外郭副画素の間に配置される第2垂直配線をさらに含み、前記最外郭副画素に水平方向に隣り合って配置される副画素の前記マイクロレンズは前記第2垂直配線と重なって配置される。
【0010】
前記第1平坦部は前記表示領域の左側短辺での最外郭副画素の左側にのみ備えられ、前記表示領域の右側短辺での最外郭副画素の右側にのみ備えられる。
【0011】
前記複数の副画素の前記発光領域は角部に前記マイクロレンズが複数個除去された第2平坦部をさらに含む。
【0012】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記複数の副画素に隣接または重なって水平に配置される複数の水平配線および前記複数の副画素の前記発光領域の間ごとに配置される複数の垂直配線をさらに含み、前記第2平坦部は前記水平配線と前記垂直配線が重なる領域に配置される。
【0013】
本発明の他の有機発光ダイオード表示装置は、発光領域と非発光領域を有する複数の副画素が備えられた基板と、前記基板の上部の前記非発光領域に配置され、薄膜トランジスタを含む回路部と、前記薄膜トランジスタの上部に配置され、前記発光領域に複数のマイクロレンズを含むオーバーコート層と、そして前記オーバーコート層の上部の前記発光領域に配置され、前記薄膜トランジスタに連結される発光ダイオードと、前記発光領域に対応して開口部を有するバンクを含み、前記複数の副画素は第1方向に沿って順次配置された第1~第n副画素(nは1より大きい整数)を含み、前記第1~第n副画素それぞれで前記バンクは前記第1方向に沿って対向する第1~第2側面を有し、前記第1副画素で前記マイクロレンズは前記バンクの第1側面と離隔し、前記バンクの第2側面と重なり、前記第n副画素で前記マイクロレンズは前記バンクの第1側面と重なり、前記バンクの第2側面と離隔する。
【0014】
本発明の有機発光ダイオード表示装置は、前記基板の上部に前記第1方向に沿って配置される少なくとも一つの水平配線と、第2方向に沿って配置され、前記少なくとも一つの水平配線と重なって重畳部を構成する少なくとも一つの垂直配線とをさらに含み、前記第1~第n副画素のそれぞれで、前記マイクロレンズは前記重畳部と離隔する。
【0015】
前記第1~第n副画素のそれぞれで、前記マイクロレンズは前記重畳部に隣接した前記バンクの開口部の角部と離隔する。
【0016】
前記発光ダイオードは第1電極と発光層および第2電極を含み、前記第1~第n副画素のそれぞれで、前記第1電極と前記バンクの開口部のそれぞれは前記重畳部に対応する角部が前記発光領域側に引き入れられる。
【0017】
前記少なくとも一つの水平配線はゲート配線と補助配線を含み、前記少なくとも一つの垂直配線は電源配線とデータ配線および基準配線を含み、前記補助配線は前記電源配線と前記データ配線および前記基準配線のうち少なくとも一つと重なって前記重畳部を構成する。
【0018】
前記オーバーコート層は前記非発光領域に備えられるダミーレンズをさらに含み、前記ダミーレンズは前記開口部と離隔する。
【0019】
前記第1副画素で、前記ダミーレンズは前記バンクの第2側面に対応する非発光領域にのみ備えられ、前記第n副画素で、前記ダミーレンズは前記バンクの第1側面に対応する非発光領域にのみ備えられる。
【0020】
前記ダミーレンズは前記マイクロレンズと同じ大きさおよび形状を有する。
【0021】
前記第1~第n副画素のうち少なくとも一つで前記マイクロレンズは、隣接したマイクロレンズの中心を連結した線が前記第1方向に対して特定の角度を有するように回転される。
【0022】
前記マイクロレンズの回転角度は0度より大きいか同じであり、60度より小さい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の有機発光ダイオード表示装置では、各副画素の発光領域内に複数のマイクロレンズを具備することによって、光抽出効率および輝度を向上させることができる。したがって、向上した効率および輝度を通じて低電力化が可能であるので消費電力を低減することができる。
【0024】
また、表示領域の縁側に配置される第1副画素と最後の副画素で、バンクの開口部の外側縁と離隔するようにマイクロレンズを配置することによって、マイクロレンズの形成工程中に下部の絶縁膜の流失を防止して第1電極と下部の配線間の電気的短絡を防止することができる。これによって輝点不良を防止して、画質を向上させることができる。
【0025】
また、配線の重畳部付近で第1電極とバンクの開口部の角部が発光領域側に引き入れられるようにすることによって第1電極と配線の重畳部が離隔するので、二重段差による第1電極と下部配線間の電気的短絡をさらに防止することができる。
【0026】
また、バンクの開口部の外側にダミーレンズを具備することによって、縦の帯状のムラを改善することができる。
【0027】
また、少なくとも一つの副画素のマイクロレンズを回転させて規則的な配列によって発生する虹パターンおよび/または円形リング(ring)パターンを防止または最小化して表示装置の画質を向上させることができる。
【0028】
また、発光領域にマイクロレンズが配置されない平坦部を具備することによってバンクの開口部の大きさを正確に測定して管理することができ、これによって光抽出効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の一つの副画素に対する概略的な等価回路図である。
【
図2】本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の第1画素に対する概略的な平面図である。
【
図5】本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の第m画素に対する概略的な平面図である。
【
図6】本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の第2画素~第(m-1)画素のうちいずれか一つに対する概略的な平面図である。
【
図8】
図5のII-II’線に対応する断面図である。
【
図9】
図6のIII-III’線に対応する断面図である。
【
図10】
図6のIV-IV線に対応する断面図である。
【
図11】本発明の第2実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図である。
【
図12】本発明の第3実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図である。
【
図13】本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に教えるために提供される。
【0031】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので本発明は図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。また、本発明を説明するにおいて、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上で言及した「含む」、「有する」、「なる」等が使われる場合、「のみ」が使われない限り他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0032】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0033】
位置関係に対する説明において、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」等で両部分の位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない限り、両部分間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0034】
第1、第2等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0036】
本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は表示領域上にマトリクス形態で配置された複数の画素を含み、各画素は複数の副画素を含み、各副画素は実質的に同じ構成を有する。このような副画素の構成について
図1と
図2を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の一つの副画素に対する概略的な等価回路図である。
【0038】
図1に図示した通り、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の副画素SPは第1、第2、第3トランジスタT1、T2、T3、すなわち、スイッチングトランジスタT1と駆動トランジスタT2、センシングトランジスタT3ストレージキャパシタCst、発光ダイオードDe、そしてセンシングトランジスタT3を含む。スイッチングトランジスタT1と駆動トランジスタT2およびセンシングトランジスタT3はn-型トランジスタであり得る。しかし、本発明はこれに制限されず、スイッチングトランジスタT1と駆動トランジスタT2およびはp-型トランジスタであってもよい。
【0039】
具体的には、ゲート信号SCANを供給するゲート配線とデータ信号Vdataを供給するデータ配線が互いに交差し、ゲート配線とデータ配線の交差地点にスイッチングトランジスタT1が位置する。スイッチングトランジスタT1のゲートはゲート配線に連結されてゲート信号SCANが印加され、スイッチングトランジスタT1のドレインはデータ配線に連結されてデータ信号Vdataが印加される。
【0040】
また、駆動トランジスタT2のゲートはスイッチングトランジスタT1のソースおよびストレージキャパシタCstの第1キャパシタ電極に連結され、駆動トランジスタT2のドレインは高電位電圧EVDDを供給する高電位配線に連結され、駆動トランジスタT2のソースは発光ダイオードDeのアノードとストレージキャパシタCstの第2キャパシタ電極およびセンシングトランジスタT3のソースに連結される。
【0041】
センシングトランジスタT3のゲートはゲート配線に連結され、センシングトランジスタT3のドレインは基準電圧Vrefを供給する基準配線に連結される。これとは異なり、センシングトランジスタT3のゲートは別途のセンシング配線に連結されてもよい。
【0042】
ここで、各薄膜トランジスタT1、T2、T3のソースとドレインの位置はこれに制限されず、その位置は互いに変わってもよい。
【0043】
一方、発光ダイオードDeのカソードは低電位電圧EVSSを供給する低電位配線に連結される。これとは異なり、発光ダイオードDeのカソードは基底電圧(ground)に連結されてもよい。
【0044】
一フレーム(frame)の発光区間の間、スイッチングトランジスタT1はゲート配線を通じて伝達されたゲート信号SCANによりスイッチングされてデータ配線を通じて伝達されたデータ信号Vdataを駆動トランジスタT2のゲートに供給し、駆動トランジスタT2はデータ信号Vdataによりスイッチングされて発光ダイオードDeの電流を制御する。この時、ストレージキャパシタCstはデータ信号Vdataに対応する電荷を一フレームの間維持して発光ダイオードDeを流れる電流の量を一定にし、発光ダイオードDeが表示する諧調を一定に維持させる役割をする。
【0045】
また、一フレームはセンシング区間をさらに含み、センシング区間の間、センシングトランジスタT3はゲート配線を通じて伝達されるゲート信号SCANによりスイッチングされて基準電圧Vrefを駆動トランジスタT2のソースに供給し、駆動トランジスタT2のソースの電圧変化を基準配線を通じて感知し、電圧変化量を判定範囲と比較することによって駆動トランジスタT2のしきい電圧Vthを算出する。これに伴い、リアルタイムでしきい電圧Vthを算出して映像データを補償することによって、駆動トランジスタT2の特性変化を補償して画質の低下を防止することができる。
【0046】
図2は本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な断面図であり、一つの副画素に対する断面を図示し、下部発光方式有機発光ダイオード表示装置を例として説明する。
【0047】
図2に図示した通り、本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は基板110と薄膜トランジスタTrおよび発光ダイオードDeを含む。
【0048】
基板110上には発光領域EAと非発光領域NEAを有する副画素SPが備えられる。発光領域EAには発光ダイオードDeが配置され、非発光領域NEAには薄膜トランジスタTrが配置される。
【0049】
具体的には、基板110の上部の非発光領域NEAに遮光層112が配置される。基板110は透明な絶縁物質からなり、一例として、ガラス基板やプラスチック基板であり得る。プラスチック基板としてはポリイミドが使われ得、これに制限されない。
【0050】
遮光層112はアルミニウム(Al)や銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)またはこれらの合金のうち少なくとも一つで形成され得、単一層または多重層構造であり得る。一例として、遮光層112はモリブデン-チタン合金(MoTi)の下部層と銅(Cu)の上部層を含む二重層構造を有することができ、上部層の厚さが下部層の厚さより厚くてもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0051】
遮光層112の上部には絶縁物質でバッファ層120が配置される。バッファ層120は実質的に基板110の全面(entire surface)に位置する。バッファ層120は酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)のような無機物質で形成され得、単一層または多重層構造を有することができる。
【0052】
バッファ層120の上部にはパターニングされた半導体層122が配置される。半導体層122は遮光層112と重なって位置する。このような半導体層122は酸化物半導体物質からなり得、遮光層112は半導体層122に入射する光を遮断して半導体層122が光によって劣化することを防止する。
【0053】
これとは異なり、半導体層122は多結晶シリコンからなってもよい。この場合、半導体層122の両端部には不純物がドーピングされていてもよい。
【0054】
半導体層122の上部にはゲート絶縁膜124とゲート電極126が順に配置される。ゲート絶縁膜124とゲート電極126は半導体層122の中央に対応して位置し、ゲート絶縁膜124はゲート電極126と同じ形状でパターニングされ得る。これとは異なり、ゲート絶縁膜124は実質的に基板110の全面に位置してもよい。
【0055】
ゲート絶縁膜124は酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成され得る。半導体層122が酸化物半導体物質からなる場合、ゲート絶縁膜124は酸化シリコン(SiO2)で形成され得る。これとは異なり、半導体層122が多結晶シリコンからなる場合、ゲート絶縁膜124は酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)で形成され得る。
【0056】
ゲート電極126は金属のような導電性物質からなり、アルミニウム(Al)や銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)またはこれらの合金のうち少なくとも一つで形成され得、単一層または多重層構造であり得る。一例として、金属のような導電性物質からなってモリブデン-チタン合金(MoTi)の下部層と銅(Cu)の上部層を含む二重層構造を有することができ、上部層の厚さが下部層の厚さより厚くてもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0057】
ゲート電極126の上部には絶縁物質からなる層間絶縁膜130が実質的に基板110の全面に配置される。層間絶縁膜130は酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成されるか、フォトアクリル(photo acryl)やベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)のような有機絶縁物質で形成され得る。
【0058】
層間絶縁膜130は半導体層122の両縁部の上面をそれぞれ露出するコンタクトホールを有する。コンタクトホールはゲート電極126の両側にゲート電極126と離隔して位置する。
【0059】
層間絶縁膜130の上部には金属のような導電性物質でソースおよびドレイン電極132、134が配置される。ソースおよびドレイン電極132、134はアルミニウム(Al)や銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)またはこれらの合金のうち少なくとも一つで形成され得、単一層または多重層構造であり得る。一例として、ソースおよびドレイン電極132、134はモリブデン-チタン合金(MoTi)の下部層と銅(Cu)の上部層を含む二重層構造を有することができ、上部層の厚さが下部層の厚さより厚くてもよい。これとは異なり、ソースおよびドレイン電極132、134は三重層構造を有してもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0060】
ソースおよびドレイン電極132、134はゲート電極126を中心に離隔して位置し、層間絶縁膜130のコンタクトホールを通じて半導体層122の両端部と接触する。
【0061】
半導体層122と、ゲート電極126、そしてソースおよびドレイン電極132、134は薄膜トランジスタTrをなす。ここで、薄膜トランジスタTrは半導体層122の一側、すなわち、半導体層122の上部にゲート電極126とソースおよびドレイン電極132、134が位置するコプラナー(coplanar)構造を有する。
【0062】
これとは異なり、薄膜トランジスタTrは半導体層の下部にゲート電極が位置し、半導体層の上部にソースおよびドレイン電極が位置する逆スタガド(inverted staggered)構造を有することができる。この場合、半導体層は酸化物半導体物質または非晶質シリコンからなり得る。
【0063】
薄膜トランジスタTrは
図1の駆動トランジスタT2であり得る。一方、基板110上の非発光領域NEAには薄膜トランジスタTrと実質的に同じ構造を有する少なくとも一つの薄膜トランジスタ、例えば、
図1のスイッチングトランジスタT1とセンシングトランジスタT3がさらに備えられ得る。
【0064】
ソースおよびドレイン電極132、134の上部には絶縁物質でパッシベーション層140が実質的に基板110の全面に配置される。パッシベーション層140は酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiNx)のような無機絶縁物質で形成され得る。
【0065】
パッシベーション層140の上部にはカラーフィルタ145が配置される。カラーフィルタ145は発光領域EAに位置し、赤、緑、青色フィルタの中の一つであり得る。
【0066】
カラーフィルタ145の上部には絶縁物質でオーバーコート層150が実質的に基板110の全面に配置される。オーバーコート層150はパッシベーション層140と共にソース電極132を露出するソースコンタクトホール152を有する。
【0067】
オーバーコート層150は有機絶縁物質からなり、一例として、オーバーコート層150はフォトアクリルで形成され得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0068】
発光領域EAでオーバーコート層150は上面に複数のマイクロレンズ154を含む。複数のマイクロレンズ154はマイクロレンズアレイ(micro lens array:MLA)を構成し、複数のマイクロレンズ154それぞれは凹部を有する。ここで、二つのマイクロレンズ154の隣接する部分凸部をなし、各凹部は凸部により囲まれ得る。これに伴い、マイクロレンズアレイは凹部と凸部が交互に位置するように構成され得る。
【0069】
一方、オーバーコート層150は非発光領域NEAで実質的に平坦な上面を有する。
【0070】
オーバーコート層150の上部の発光領域EAには比較的仕事関数が高い導電性物質で第1電極162が配置される。一例として、第1電極162はインジウム-ティン-オキサイド(indium tin oxide:ITO)やインジウム-ジンク-オキサイド(indium zinc oxide:IZO)のような透明導電性物質で形成され得、これに制限されない。
【0071】
第1電極162は非発光領域NEAまで延びてソースコンタクトホール152を通じてソース電極132と接触する。
【0072】
発光領域EAで第1電極162は、マイクロレンズ154を含むオーバーコート層150の上面のモルフォロジー(morphology)に沿って形成される。これに伴い、第1電極162は凹凸形態の上面を有する。
【0073】
第1電極162の上部には絶縁物質でバンク160が配置される。バンク160は有機絶縁物質で形成され得、第1電極162の縁と重なり、第1電極162の縁を覆う。バンク160は発光領域EAに対応して開口部160aを有し、開口部160aを通じて第1電極162の中央部が露出される。
【0074】
次に、バンク160の開口部160aを通じて露出した第1電極162の上部には発光層164が配置される。発光層164は実質的に基板110の全面に位置する。これに伴い、発光層164は発光領域EAで第1電極162の上部に位置して第1電極162と接触し、非発光領域NEAでバンク160の上部に位置してバンク160の上面と接触する。また、発光層164はバンク160の側面と接触する。
【0075】
発光層164は白色光を放出し、一つの発光部(light-emitting unit)を構成する少なくとも一つの正孔補助層(hole auxiliary layer)と少なくとも一つの発光物質層(light-emitting material layer)および少なくとも一つの電子補助層(electron auxiliary layer)を含むことができる。正孔補助層は正孔注入層(hole injection layer:HIL)と正孔輸送層(hole transport layer:HTL)のうち少なくとも一つを含むことができ、電子補助層は電子注入層(electron injection layer:EIL)と電子輸送層(electron transport layer:ETL)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0076】
このような発光層164は互いに異なる色の光を放出する二個以上の発光部が積層されたスタック構造を有することができ、両発光部の間には電荷生成層(charge generation layer)が備えられ得る。
【0077】
発光領域EAで発光層164は第1電極162の上面のモルフォロジーに沿って形成される。これに伴い、発光領域EAで発光層164は実質的にオーバーコート層150の上面のモルフォロジーに沿って形成され、発光層164は凹凸形態の上面を有する。
【0078】
ここで、発光層164は、マイクロレンズ154の凹部に対応する厚さが二つのマイクロレンズ154が隣接する凸部に対応する厚さより厚く、凹部と凸部の間で最も薄い厚さを有することができる。
【0079】
発光層164の上部には比較的仕事関数が低い導電性物質からなる第2電極166が実質的に基板110の全面に配置される。第2電極166は発光領域EAで第1電極162の上部に位置し、非発光領域NEAでバンク160の上部に位置する。
【0080】
第2電極166はアルミニウム(aluminum)やマグネシウム(magnesium)、銀(silver)またはこれらの合金で形成され得る。
【0081】
発光領域EAで第2電極166は発光層164の上面のモルフォロジーに沿って形成される。これに伴い、発光領域EAで第2電極166を実質的にオーバーコート層150の上面のモルフォロジーに沿って形成され、第2電極166は凹凸形態の上面を有する。
【0082】
第1電極162と発光層164および第2電極166は発光ダイオードDeをなす。ここで、第1電極162はアノード(anode)の役割をし、第2電極166はカソード(cathode)の役割をすることができ、これに制限されない。
【0083】
第1電極162は光を透過する透明導電物質からなり、第2電極166は光を反射する金属物質からなって、発光層164からの光は第1電極162を通じて放出され、カラーフィルタ145と基板110を通過して外部に出力され得る。
【0084】
第2電極166の上部にはエンカプセレーション層170が実質的に基板110の全面に配置される。エンカプセレーション層170は透明で接着特性を有する有機または無機絶縁物質からなるフェイスシールの形態であるか、無機膜/有機膜/無機膜が積層された多層膜構造を有することができる。
【0085】
エンカプセレーション層170の上部には対向基板180が配置される。対向基板180はガラス基板または金属基板であり得る。これとは異なり、対向基板180はフィルム形態からなってもよい。
【0086】
エンカプセレーション層170と対向基板180は外部の酸素または水分が発光ダイオードDe内部に浸透したり外部からの衝撃が発光ダイオードDeに加えられることを防止する。
【0087】
前述した通り、オーバーコート層150は発光領域EAで上面に複数のマイクロレンズ154を有し、オーバーコート層150の上部に配置される第1電極162、発光層164、そして第2電極166は実質的にオーバーコート層150の上面のモルフォロジーに沿って形成される。したがって、発光領域EAで第1電極162、発光層164、そして第2電極166もオーバーコート層150のマイクロレンズ154に対応する凹凸パターン、すなわち、マイクロレンズを有する。
【0088】
このようなマイクロレンズ154は、光の進行経路を変更して発光層164で発光後に全反射されて消滅していた光が外部に抽出されるようにすることによって、光抽出効率を向上させることができる。
【0089】
ところで、マイクロレンズ154は基板110上に有機物質を塗布してオーバーコート層150を形成した後、写真食刻工程およびアッシング工程を遂行して形成されるが、表示領域の縁側ではオーバーコート層150の厚さが相対的に薄く形成される。これに伴い、アッシング工程中にマイクロレンズ154に対応するオーバーコート層150とパッシベーション層140が流失され得、これによって第1電極162と配線間の電気的短絡(electrical short)が発生して輝点不良が発生する可能性がある。したがって、本発明の実施例では表示領域の縁側に配置される副画素SPのマイクロレンズ154を他の副画素SPのマイクロレンズ154と異なるように配置する。
【0090】
このような本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置について
図3を参照して説明する。
【0091】
図3は本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図であり、
図2を共に参照して説明する。
【0092】
図3に図示した通り、本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、映像を表示する表示領域DAと表示領域DA外郭の非表示領域NDAを含む。
【0093】
このような本発明の有機発光ダイオード表示装置は上側と下側に長辺を有し、左側と右側に短辺を有する四角形状を有することができる。長辺は水平方向に延びて水平方向に平行であり、短辺は垂直方向に延びて垂直方向に平行であり得る。
【0094】
ここで、水平方向はX方向であって、第1方向または表示領域DAの長辺方向と定義され得、垂直方向はY方向であって、第2方向または表示領域DAの短辺方向と定義され得る。
【0095】
表示領域DAには複数の画素P(1)~P(m)が備えられ、非表示領域NDAにはゲート駆動部GDが備えられ得る。ゲート駆動部GDは表示領域DAの左右両側に配置され得、複数の画素P(1)~P(m)の構成要素とともに形成されるゲートインパネル(gate-in-panel)タイプであり得る。
【0096】
具体的には、表示領域DAには水平方向に沿ってm個(mは0より大きい整数)の画素P(1)~P(m)が配置され、各画素P(1)~P(m)は複数の副画素SP(1)~SP(n)を含み、表示領域DAには水平方向に沿ってn個(nは1より大きい整数)の副画素SP(1)~SP(n)が配置される。例えば、一つの画素P(m)が4個の副画素を含む場合、表示領域DAには水平方向に沿って4m個の副画素が配置される。
【0097】
ここで、表示領域DAの最外郭副画素の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された平坦部を具備する。すなわち、表示領域DAの左側短辺での最外郭副画素である第1副画素SP(1)と右側短辺での最外郭副画素である第n副画素SP(n)の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された平坦部を具備する。これに伴い、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)のマイクロレンズ配置は第2副画素SP(2)~第(n-1)副画素SP(n-1)のマイクロレンズ配置と異なる。
【0098】
このような本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置について
図4~
図10を参照して詳細に説明する。
【0099】
図4~
図6は本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図であり、
図4は第1画素を図示し、
図5は第m画素を図示し、
図6は第2画素~第(m-1)画素の中の一つを図示し、
図1と
図3を共に参照して説明する。
【0100】
図4~
図6に図示した通り、本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、X方向である第1方向に沿って水平配線であるゲート配線GLが延び、Y方向である第2方向に沿って垂直配線であるデータ配線DL、電源配線PL、そして基準配線RLが延び、これらは互いに交差して複数の画素Pと複数の副画素SPを定義する。ここで、電源配線PLは
図1の高電位電圧EVDDを供給する高電位配線であり得る。
【0101】
この時、二つの電源配線PLの間に一つの基準配線RLが位置し、一つの電源配線PLと一つの基準配線RLの間に二つのデータ配線DLが位置し、各副画素SPは実質的に電源配線PLとデータ配線DLの間または基準配線RLとデータ配線DLの間に位置する。
【0102】
各副画素SPは実質的に四角形状を有することができる。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、各副画素SPの形状は変わり得る。
【0103】
前述した通り、一つの画素は複数の副画素SPを含み、一例として、一つの画素は4個の副画素SP、すなわち、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4を含むことができる。第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4は第1方向に沿って順次配列される。ここで、第1副画素SP1は赤色副画素であり、第2副画素SP2は青色副画素であり、第3副画素SP3は白色副画素であり、第4副画素SP4は緑色副画素であり得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、一つの画素に含まれる副画素の個数および赤、緑、青、白色副画素の配置順序は変わり得る。
【0104】
このような第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4の面積は互いに異なり得る。一例として、第1および第3副画素SP1、SP3の面積が第2および第4副画素SP2、SP4の面積より大きくてもよい。また、第3副画素SP3の面積が第1副画素SP1の面積より大きいか同じであり、第2副画素SP2の面積が第4副画素SP4の面積より大きいか同じであってもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されず、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4の面積関係は変わり得る。これとは異なり、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4の面積はすべて同一であってもよい。
【0105】
ここで、隣接した二つの副画素SP1、SP2、SP3、SP4の間には実質的に一つの電源配線PLや、二つのデータ配線DL、または一つの基準配線RLが位置する。例えば、第1および第2副画素SP1、SP2の間と第3および第4副画素SP3、SP4の間には二つのデータ配線DLが位置し、第2および第3副画素SP2、SP3の間には一つの基準配線RLが位置し、第4副画素SP4と次の画素の第1副画素SP1の間には一つの電源配線PLが位置する。これに伴い、隣接した電源配線PLの間には一つの画素Pが配置される。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0106】
また、第1方向に沿って水平配線である第1補助配線AL1と第2補助配線AL2がさらに配置される。第1補助配線AL1と第2補助配線AL2はゲート配線GLと平行し、電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RLのうち少なくとも一つと交差して重なる。
【0107】
第1補助配線AL1は各副画素SPの上端に配置されて第1画素P(1)の第1副画素SP1の第1副画素SP(1)から第m画素P(m)の第4副画素SP4の第n副画素SP(n)まで延びる。第1補助配線AL1は電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RLと交差する。これに伴い、第1補助配線AL1は電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RLと重なって第1重畳部OA1が備えられる。
【0108】
第2補助配線AL2は第2方向に沿ってゲート配線GLと第1補助配線AL1の間に位置し、各画素Pの第1副画素SP1から第4副画素SP4まで延びる。第2補助配線AL2はデータ配線DLおよび基準配線RLと交差する。これに伴い、第2補助配線AL2はデータ配線DLおよび基準配線RLと重なって第2重畳部OA2が備えられる。一方、第2補助配線AL2は電源配線PLと離隔する。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0109】
第1補助配線AL1は電源配線PLに電気的に連結され得る。第2補助配線AL2は回路部CPに電気的に連結され、第2補助配線AL2は基準配線RLにも電気的に連結され得る。しかし、本発明はこれに制限されない。
【0110】
第1補助配線AL1は第2方向に延びた補助パターンAL1aを含み、補助パターンAL1aは電源配線PLと重なる。第1方向に補助パターンAL1aの幅は電源配線PLの幅より狭く、補助パターンAL1aの二つの辺は電源配線PL上に置かれる。各副画素SPは発光領域EAと非発光領域NEAを含む。各副画素SPの発光領域EAには
図1の発光ダイオードDeが備えられ、非発光領域NEAには回路部CPが備えられる。発光ダイオードDeはアノードである第1電極162を含み、回路部CPは
図1の第1、第2、第3トランジスタT1、T2、T3とストレージキャパシタCstを含むことができる。
【0111】
第1電極162は非発光領域NEAまで延び、回路部CPに電気的に連結され、より詳細には、回路部CPの第2トランジスタT2に電気的に連結される。
【0112】
発光領域EAは第1電極162を露出するバンクの開口部160aにより定義され得る。バンクの開口部160aは第1電極162より小さい面積を有し、第1電極162の縁内に位置する。
【0113】
ここで、電源配線PLとデータ配線DLおよび基準配線RLは第1電極162と重なり、バンクの開口部160aと離隔され得る。この時、電源配線PLと基準配線RLのそれぞれは第1電極162と重なる部分の幅が他の部分より広くてもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0114】
また、第1補助配線AL1と第2補助配線AL2は第1電極162と重なってバンクの開口部160aと離隔され得る。
【0115】
各副画素SPの発光領域EAには複数のマイクロレンズ154が備えられる。マイクロレンズ154は開口部160a内部だけでなく開口部160aの外側にも配置され、バンクと重なる。この時、マイクロレンズ154はバンクと部分的に重なる。
【0116】
一方、マイクロレンズ154は第1電極162と重なり、第1電極162の縁とは重ならずに離隔する。
【0117】
また、マイクロレンズ154は第1補助配線AL1および第2補助配線AL2のうち少なくとも一つと重なり得る。本発明の第1実施例ではマイクロレンズ154が第1補助配線AL1と重なって第2補助配線AL2と離隔したものとして図示したが、本発明の実施例はこれに制限されず、マイクロレンズ154は第1補助配線AL1および第2補助配線AL2のすべてと重なってもよい。マイクロレンズ154は平面的に六角形状を有し、ハニカム構造をなすことができる。これとは異なり、マイクロレンズ154は平面的に円形、楕円形、四角形などの形状を有することができる。
【0118】
各副画素SPの開口部160aの外側には少なくとも一つのダミーレンズ156が備えられる。すなわち、ダミーレンズ156は発光領域EAの間の非発光領域NEAに備えられる。
【0119】
ダミーレンズ156は開口部160aと離隔してバンクと完全に重なる。また、ダミーレンズ156は隣接した配線PL、DL、RLと重なる。
【0120】
ここで、ダミーレンズ156は開口部160aの左右側、すなわち、第1方向に沿って対向する側にのみ備えられ、開口部160aの上下側、すなわち、第2方向に沿って対向する側には備えられない。したがって、ダミーレンズ156は第1方向に沿って対向する第1電極162の左右の縁と重なり、第2方向に沿って対向する第1電極162の上下の縁とは離隔する。
【0121】
ダミーレンズ156はマイクロレンズ154と同じ大きさおよび形状を有することができる。すなわち、ダミーレンズ156は平面的に六角形状を有することができる。これとは異なり、ダミーレンズ156の大きさおよび形状はマイクロレンズ154と異なってもよい。例えば、ダミーレンズ156の大きさはマイクロレンズ154より大きくてもよい。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0122】
このようなダミーレンズ156はバンクによる縦の帯状のムラを防止することができる。
【0123】
具体的には、バンクを形成する過程で、ダミーレンズ156はバンク物質が予め満たされるダムの役割を遂行してバンク物質が均一に広がるようにする。これに伴い、バンク物質が開口部160a内に流れ落ちて不均一にマイクロレンズ154を満たすことを防止することができ、縦の帯状のムラを改善することができる。
【0124】
また、前述した通り、ダミーレンズ156は開口部160aの左右側にのみ備えられ、上下側には備えられない。これは不良発生によるリペア工程時、リペアポイントにダミーレンズ156が配置されないようにすることによって、電気的短絡の発生を防止するためである。
【0125】
一方、表示領域DAの左側短辺での最外郭副画素、すなわち、第1画素P(1)の第1副画素SP1の第1副画素SP(1)で、マイクロレンズ154は電源配線PLに隣接した開口部160aの縁、すなわち、開口部160aの左側縁と重ならずに離隔する。しかも、第1副画素SP(1)で、開口部160aの左側にはダミーレンズ156が備えられない。
【0126】
したがって、第1副画素SP(1)の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された第1平坦部FP1を有する。このような第1平坦部FP1は第1副画素SP(1)の左側にのみ備えられる。
【0127】
同様に、表示領域DAの右側短辺での最外郭副画素、すなわち、第m画素P(m)の第4副画素SP4の第n副画素SP(n)で、マイクロレンズ154は電源配線PLに隣接した開口部160aの縁、すなわち、開口部160aの右側縁と重ならずに離隔する。しかも、第n副画素SP(n)で、開口部160aの右側にはダミーレンズ156が備えられない。
【0128】
したがって、nの副画素SP(n)の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された第1平坦部FP1を有する。このような第1平坦部FP1はnの副画素SP(n)の右側にのみ備えられる。
【0129】
また、各副画素SPで、第1および第2重畳部OA1、OA2にはマイクロレンズ154が備えられない。このような第1および第2重畳部OA1、OA2では重なる二つの配線の二重段差によってオーバーコート層の厚さが相対的に薄く形成される。これに伴い、アッシング工程中にマイクロレンズ154に対応するオーバーコート層とパッシベーション層が流失され得、これによって第1電極162と配線間の電気的短絡が発生して輝点不良が発生する可能性がある。
【0130】
したがって、第1および第2重畳部OA1、OA2にはマイクロレンズ154を配置しない。これに伴い、マイクロレンズ154は第1および第2重畳部OA1、OA2に対応する開口部160aの縁、すなわち、開口部160aの角部と重ならずに離隔する。しかも、各副画素SPで、第1および第2重畳部OA1、OA2にはダミーレンズ156が備えられない。
【0131】
このような複数の副画素SPの発光領域EAは角部にマイクロレンズ154が複数個除去された第2平坦部FP2を有する。
【0132】
このように、本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、表示領域DAの左右の縁側に配置される第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、電源配線PLに隣接した開口部160aの縁と離隔するようにマイクロレンズ154を配置する。これに伴い、表示領域DAの左右側短辺での最外郭副画素SP(1)、SP(n)の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された第1平坦部FP1を具備する。
【0133】
一方、各副画素SPの開口部160aの外側にはダミーレンズ156を具備して縦の帯状のムラを改善できるが、第1副画素SP(1)とnの副画素SP(n)で、電源配線PLに隣接した開口部160aの縁側にはダミーレンズ156を具備しない。
【0134】
また、各副画素SPで、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応する開口部160aの角部と離隔するようにマイクロレンズ154を配置する。しかも、第1および第2重畳部OA1、OA2にはダミーレンズ156を具備しない。したがって、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して、複数の副画素SPの発光領域EAは角部にマイクロレンズ154が複数個除去された第2平坦部FP2を含む。
【0135】
図4と
図5では一つの最外郭副画素SP(1)、SP(n)を図示したが、本発明の実施例はこれに制限されず、表示領域DAの左右の第1列のすべての副画素は発光領域EAに第1平坦部FP1を有する。
【0136】
具体的には、表示領域DAの左側の第1列のすべての副画素は発光領域EAの左側に第1平坦部FP1を具備し、表示領域DAの右側の第1列のすべての副画素は発光領域EAの右側に第1平坦部FP1を具備する。このような第1平坦部FP1が備えられる領域は、電源配線PLと第1補助配線AL1が重なる二重段差領域である。
【0137】
本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の断面構造について
図7~
図10を参照して説明する。
【0138】
図7は
図4のI-I’線に対応する断面図であり、
図8は
図5のII-II’線に対応する断面図であり、
図9は
図6のIII-III’線に対応する断面図であり、
図10は
図6のIV-IV’線に対応する断面図であり、
図3~
図6を共に参照して説明する。
【0139】
図7~
図10に図示した通り、基板110は複数の副画素、すなわち、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4を含む。基板110上には第1導電層である電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RLが配置される。電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RL上にはバッファ層120が配置され、バッファ層120上に第2導電層であるゲート配線GLと第1補助配線AL1および第2補助配線AL2が配置される。
【0140】
ここで、バッファ層120と第2導電層間、すなわち、バッファ層120とゲート配線GL、第1補助配線AL1、そして第2補助配線AL2の間には、
図10に図示した通り、ゲート絶縁膜124がさらに備えられ得、このようなゲート絶縁膜124は実質的に基板110の全面に配置され得る。
【0141】
ゲート配線GLと第1補助配線AL1および第2補助配線AL2は電源配線PL、データ配線DL、そして基準配線RLのうち少なくとも一つと交差して重なる。第1補助配線AL1は補助パターンAL1aを含み、補助パターンAL1aは電源配線PLの上部に位置し、電源配線PLと重なる。
【0142】
ゲート配線GLと第1補助配線AL1および第2補助配線AL2の上部にはパッシベーション層140が配置される。
【0143】
パッシベーション層140上には発光領域EAに対応してカラーフィルタ145が配置される。ここで、カラーフィルタ145の一部は非発光領域NEAまで延長され得る。
【0144】
カラーフィルタ145は赤、緑、青色フィルタ145R、145G、145Bを含むことができる。赤色フィルタ145Rは第1副画素SP1に配置され、青色フィルタ145Bは第2副画素SP2に配置され、緑色フィルタ145Gは第4副画素SP4に配置され得、第3副画素SP3にはカラーフィルタが配置されなくてもよい。
【0145】
カラーフィルタ145は隣接した配線と重なり得る。具体的には、赤色フィルタ145Rは電源配線PLおよび一データ配線DLと重なり、青色フィルタ145Bは他のデータ配線DLおよび基準配線RLと重なり、緑色フィルタ145Gはさらに他のデータ配線DLおよび他の電源配線PLと重なり得る。また、赤色フィルタ145Rと緑色フィルタ145Gのそれぞれは隣接した第1補助配線AL1の補助パターンAL1aと重なり得る。
【0146】
赤、青、緑色フィルタ145R、145B、145Gが互いに離隔したものとして図示されているが、これに制限されない。隣接した赤、青、緑色フィルタ145R、145B、145Gは互いに重なり得る。例えば、隣接した赤色および青色フィルタ145R、145Bは互いに重なり、隣接した緑色および赤色フィルタ145G、145Rは互いに重なり得る。
【0147】
カラーフィルタ145の上部にはオーバーコート層150が配置される。各副画素SP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EAでオーバーコート層150は上面に複数のマイクロレンズ154を有する。各マイクロレンズ154は凹部を含み、二つのマイクロレンズ154の隣接する部分が凸部をなす。第1、第2、第4副画素SP1、SP2、SP4でマイクロレンズ154はカラーフィルタ145と重なる。
【0148】
一方、表示領域DAの左側短辺での最外郭副画素、すなわち、第1画素P(1)の第1副画素SP1の第1副画素SP(1)と表示領域DAの右側短辺での最外郭副画素、すなわち、第m画素P(m)の第4副画素SP4のn副画素SP(n)で、マイクロレンズ154は隣接した電源配線PLと重ならずに離隔する。また、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、マイクロレンズ154は電源配線PLの上部の第1補助配線AL1の補助パターンAL1aとも重ならずに離隔する。
【0149】
したがって、第1副画素SP(1)の発光領域EAと第n副画素SP(n)の発光領域EAはマイクロレンズ154が複数個除去された第1平坦部FP1を有する。第1平坦部FP1でオーバーコート層150は平坦な上面を有する。
【0150】
各副画素SP1、SP2、SP3、SP4の非発光領域NEAで、オーバーコート層150の上面にはダミーレンズ156が備えられる。ダミーレンズ156はマイクロレンズ154と同じ大きさおよび形状を有する。第1、第2、第4副画素SP1、SP2、SP4でこのようなダミーレンズ156はカラーフィルタ145と重なる。
【0151】
各副画素SP1、SP2、SP3、SP4でダミーレンズ156は隣接した配線PL、DL、RLの上部に配置されてこれらと重なり得る。反面、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、ダミーレンズ156は隣接した電源配線PLの上部に配置されない。これに伴い、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で電源配線PLの上部のオーバーコート層150は平坦な上面を有する。
【0152】
一方、
図10でのように、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、マイクロレンズ154は互いに重なる二つの配線DL、AL1と重ならずに離隔する。すなわち、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、マイクロレンズ154は第1および第2重畳部OA1、OA2と離隔する。また、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、第1および第2重畳部OA1、OA2の上部にはダミーレンズ156が備えられない。
【0153】
したがって、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EAは角部にマイクロレンズ154が複数個除去された第2平坦部FP2を有する。このような第2平坦部FP2は第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して備えられ、第2平坦部FP2でオーバーコート層150は平坦な上面を有する。
【0154】
次に、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4それぞれのオーバーコート層150の上部には第1電極162が配置される。第1電極162は隣接した配線PL、DL、RLと重なる。
【0155】
また、第1電極162はマイクロレンズ154と重なってマイクロレンズ154を覆う。
【0156】
反面、第1電極162はダミーレンズ156の少なくとも一つと部分的に重なり得る。これに伴い、第1電極162の縁はダミーレンズ156内に置かれ得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。第1電極162の上部にはバンク160が備えられる。バンク160は各副画素SP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EAに対応して開口部160aを有し、第1電極162は開口部160aを通じて露出する。
【0157】
第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4のそれぞれでバンク160はマイクロレンズ154と重なる。ここで、バンク160はマイクロレンズ154と部分的に重なり得る。
【0158】
また、バンク160はダミーレンズ156と重なり、ダミーレンズ156を覆うことができる。これに伴い、バンク160の開口部160aはダミーレンズ156と離隔する。この時、少なくとも一つのダミーレンズ156はバンク160と完全に重なってバンク160により完全に覆われ得る。
【0159】
一方、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、バンク160の開口部160aの外側縁、すなわち、電源配線PLに対応するバンク160の開口部160aの縁はマイクロレンズ154と離隔する。これに伴い、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、電源配線PLに対応するバンク160の側面はマイクロレンズ154と離隔し、オーバーコート層150の平坦な上面上に位置することができる。また、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、電源配線PLに対応するバンク160はダミーレンズ156と重ならない。
【0160】
また、
図10でのように、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応するバンク160の開口部160aの縁はマイクロレンズ154と離隔する。これに伴い、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応するバンク160の側面はマイクロレンズ154と離隔し、オーバーコート層150の平坦な上面上に位置することができる。また、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応するバンク160はダミーレンズ156と重ならない。
【0161】
次に、第1電極162およびバンク160の上部に発光層164が配置される。発光層164は実質的に基板110の全面に位置する。発光層164は白色光を放出し、互いに異なる色の光を発光する発光部を含むスタック構造を有することができる。
【0162】
発光層164の上部には第2電極166が配置される。第2電極166は実質的に基板110の全面に位置する。
【0163】
第1電極162、第2電極166、そしてその間の発光層164は発光ダイオードDeをなす。
【0164】
前述した通り、オーバーコート層150は発光領域EAで上面にマイクロレンズ154を有し、オーバーコート層150の上部に配置される第1電極162、発光層164、そして第2電極166はオーバーコート層150の上面のモルフォロジーに沿って形成される。これに伴い、第1電極162、発光層164、そして第2電極166も発光領域EAで複数のマイクロレンズ154の形態を有し、このようなマイクロレンズ154は、光の進行経路を変更して光抽出効率を向上させることができる。
【0165】
このように、本発明の第1実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、表示領域DAの左右の縁側に配置される第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、電源配線PLに隣接した開口部160aの縁と離隔するようにマイクロレンズ154を配置することによって、表示領域DAの左右側短辺での最外郭副画素SP(1)、SP(n)は、二重段差領域に対応して発光領域EAに第1平坦部FP1を有し、マイクロレンズ154形成のためのアッシング工程中にオーバーコート層150とパッシベーション層140の流失を防止することができる。したがって、第1電極162と電源配線PL間の電気的短絡を防止することができる。したがって、輝点不良を防止して画質を向上させることができる。
【0166】
この時、第1副画素SP(1)と第n副画素SP(n)で、電源配線PLに隣接した開口部160aの縁側にはダミーレンズ156を具備しない。
【0167】
また、各副画素SPで、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応する開口部160aの角部と離隔するようにマイクロレンズ154を配置することによって、各副画素SPの発光領域EAは角部に第2平坦部FP2を有し、垂直配線PL、DL、RLと水平配線AL1、AL2が交差および重なって発生する二重段差によるオーバーコート層150とパッシベーション層140の流失を防止することができる。したがって、第1電極162と下部配線間の電気的短絡を防止することができる。したがって、輝点不良を防止して画質を向上させることができる。
【0168】
この時、第1および第2重畳部OA1、OA2にはダミーレンズ156を具備しない。
【0169】
一方、前記の実施例では第1方向に配列された一つの行の画素および副画素について説明したが、本発明の実施例はこれに制限されない。すなわち、第2方向に配列された同一列の画素および副画素は
図4~
図10に図示されたものと実質的に同じ構造を有する。
【0170】
本発明の実施例で、少なくとも一つの副画素内のマイクロレンズは回転するように備えられ得る。このような本発明の第2実施例について
図11を参照して説明する。
【0171】
図11は本発明の第2実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図であり、
図4のA1領域に対応する拡大図面である。
【0172】
図11に図示した通り、少なくとも一つの副画素に備えられたマイクロレンズ154は第1および第2方向に対して時計回り方向または反時計回り方向に回転する。ここで、第1方向はX方向で、第2方向はY方向である。
【0173】
例えば、マイクロレンズ154は第1および第2方向に対して角度θを有して時計回り方向に回転することができる。したがって、隣接したマイクロレンズ154の中心を連結した線は第1および/または第2方向に対して角度θを有する。
【0174】
ここで、角度θは0度より大きいか同じであり、60度より小さい範囲で選択され得る。
【0175】
この時、すべての副画素のマイクロレンズ154が回転してもよく、このような場合、隣接した副画素のマイクロレンズ154は互いに異なる回転角度を有する。
【0176】
例えば、マトリクス形態で配置された20個の副画素内のマイクロレンズ154が3度差の回転角度を有して時計回り方向または反時計回り方向に回転してランダムに配置され得る。しかし、本発明の実施例はこれに制限されない。
【0177】
このように、本発明の第2実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、少なくとも一つの副画素内のマイクロレンズ154を第1および第2方向に対して特定の角度で回転して配置する。これに伴い、マイクロレンズ154の規則的な配列によって発生する反射光の回折模様が相殺または最小化されるか、反射光の回折模様が非規則またはランダムになるので、反射光の放射形態の虹パターンと放射形態の円形リング(ring)パターンの発生が抑制されるか最小化され得る。したがって、表示装置の画質を向上させることができる。
【0178】
本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置はバンクの開口部の大きさ測定のための平坦部を具備することができる。このような本発明の第3実施例に係る有機発光ダイオード表示装置について
図12を参照して説明する。
【0179】
図12は本発明の第3実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図であり、
図6のA2領域に対応する拡大図面であり、
図6と
図9を共に参照して説明する。本発明の第3実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、バンクの開口部の大きさ測定のための平坦部を除いては第1実施例と実質的に同じ構成を有し、同一部分に同一符号を付与し、これに対する説明は省略または簡略にする。
【0180】
図12に図示した通り、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4のうち少なくとも一つは発光領域EAに少なくとも一つの第3平坦部(flat portion)FP3を有する。
【0181】
一例として、第1副画素SP1は発光領域EAに二つの第3平坦部FP3を有することができる。
【0182】
二つの第3平坦部FP3は第1方向に沿って対向する発光領域EAの両側にそれぞれ配置され、同一直線上に位置することができる。第3平坦部FP3内にはマイクロレンズ154が配置されず、第3平坦部FP3内でオーバーコート層150は実質的に平坦な上面を有する。
【0183】
また、第1副画素SP1でバンク160の対向する両側面は二つの第3平坦部FP3上にそれぞれ置かれる。
【0184】
このような二つの第3平坦部FP3はバンク160の開口部160aの大きさを測定するのに使われ得る。
【0185】
バンク160の開口部160aの大きさにより発光領域EAの大きさおよびマイクロレンズ154の個数が決定されるが、開口部160aの大きさが設定された範囲より小さく形成される場合、光抽出に寄与するマイクロレンズ154の個数が減って光抽出効率が低下し得るので、開口部160aの大きさを特定範囲内で管理することが必要である。
【0186】
この時、開口部160aの大きさの測定はパターニングされたバンク160の光学イメージ撮影を通じてなされるが、マイクロレンズ154により撮影された光学イメージが歪曲され得る。したがって、本発明の第3実施例では、発光領域EA内にマイクロレンズ154が実質的に配置されない第3平坦部FP3を具備し、発光領域EAの境界、すなわち、開口部160aの境界が第3平坦部FP3上に位置するようにすることによって、グレーレベルの歪曲なしにバンク160の開口部160aの大きさと開口部160aの間の距離、すなわち、バンク160の幅を正確に測定することができる。
【0187】
このような第3平坦部FP3は4個のマイクロレンズ154の面積より大きいか同じであり、9個のマイクロレンズ154の面積より小さいか同じであり得、これに制限されない。
【0188】
一方、第3平坦部FP3は
図4の第1副画素SP(1)と
図5のnの副画素SP(n)の発光領域EAに備えられる第1平坦部FP1と異なる大きさを有する。
【0189】
このように、本発明の第3実施例では、発光領域EAにオーバーコート層150の上面の少なくとも一部が平坦な第3平坦部FP3を具備し、バンク160の側面が第3平坦部FP3上に位置するようにすることによって、グレーレベルの歪曲なしに開口部160aの大きさとバンク160の幅を正確に測定することができる。これに伴い、バンク160の開口部160aを特定範囲内で管理することができるため、表示装置の光抽出効率の低下を防止することができる。
【0190】
本発明の実施例に係る有機発光ダイオード表示装置で第1電極とバンクの開口部は少なくとも一つの面取り(corner cutting)構造を有することができる。このような本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置について
図13と
図14を参照して説明する。
【0191】
図13は本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置の概略的な平面図であり、
図14は
図13のV-V’線に対応する断面図であり、
図13と
図14は第2画素~第(m-1)画素の中の一つを図示する。本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置は、面取り構造を除いては第1実施例と実質的に同じ構成を有し、同一部分に同一符号を付与し、これに対する説明は省略また簡略にする。
【0192】
図13と
図14に図示した通り、本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置で、第1、第2、第3、第4副画素SP1、SP2、SP3、SP4のそれぞれの第1電極162とバンク160の開口部160aは少なくとも一つの角部に面取り構造を有することができる。
【0193】
具体的には、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4で第1電極162とバンク160の開口部160aのそれぞれは第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して面取り構造を有する。この時、第1電極162とバンク160の開口部160aそれぞれの角部が角ばった形態で部分的に除去されて発光領域EA側に引き入れられ得る。
【0194】
このような面取り構造に対応してマイクロレンズ154およびダミーレンズ156が備えられない。これに伴い、マイクロレンズ154は面取り構造を有するバンク160の縁と離隔して配置される。また、マイクロレンズ154は面取り構造を有する第1電極162の縁と離隔して配置される。
【0195】
したがって、各副画素SP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EAは面取り構造に対応して第2平坦部FP2を有し、第2平坦部FP2でオーバーコート層150は平坦な上面を有する
【0196】
ここで、第1電極162とバンク160の開口部160aは角ばった形態の面取り構造を有するものとして図示されているが、本発明の実施例はこれに制限されない。これとは異なり、第1電極162とバンク160の開口部160aのそれぞれは第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して曲線や斜線形態の面取り構造を有してもよい。
【0197】
このように、本発明の第4実施例に係る有機発光ダイオード表示装置では、第1電極162とバンクの開口部160aのそれぞれが第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して発光領域EA側に引き入れられる面取り構造を有するようにすることによって、第1および第2重畳部OA1、OA2に対応して第1電極162と下部配線が重ならずに離隔するため、配線の二重段差による第1電極162と下部配線間の電気的短絡をさらに防止することができる。
【0198】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の通常の技術者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0199】
SP:サブピクセル
EA:発光領域
NEA:非発光領域
GL:ゲート配線
DL:データ配線
PL:電源配線
RL:基準配線
AL1:第1補助配線
AL1a:補助パターン
AL2:第2補助配線
154:マイクロレンズ
156:ダミーレンズ
160:バンク
160a:開口部
162:第1電極