(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096044
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】増幅プレートアセンブリ及びその状態検出方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240704BHJP
B65D 6/02 20060101ALI20240704BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20240704BHJP
B01L 3/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
C12M1/00 A
B65D6/02
G01N1/28 J
B01L3/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219297
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】202211738115.1
(32)【優先日】2022-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・イーシエン
(72)【発明者】
【氏名】ホー・ジエビアオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・シアオリン
(72)【発明者】
【氏名】ホー・グオヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュー・リエン
(72)【発明者】
【氏名】フー・イン
【テーマコード(参考)】
2G052
3E061
4B029
4G057
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB20
2G052DA06
2G052DA12
2G052DA13
2G052DA23
2G052HA12
2G052JA03
2G052JA23
3E061AA01
4B029AA07
4B029AA23
4B029BB20
4B029CC01
4B029GA03
4B029GB04
4B029GB05
4B029GB09
4B029HA05
4G057AB31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】核酸増幅プレートの封止方法が複雑である問題を解決する増幅プレートアセンブリを提供する。
【解決手段】増幅プレートアセンブリは、複数の収容溝11が設けられた増幅プレート本体10と、増幅プレート本体上を覆い、複数の収容溝の溝口が対向する取付口211を有する枠構造20と、枠構造に設けられ、取付口を閉塞する封止フィルムと、枠構造と増幅プレート本体との間に設けられており、挿着部31と、挿着部に係合する係合部とを含む挿着構造30であって、挿着部及び係合部は、一方が枠構造に設けられ、他方が増幅プレート本体に設けられ、係合部は、第1係合部と、第2係合部33とを含み、挿着部が第1係合部に挿入されて係合したときに、封止フィルムと増幅プレート本体との間に所定距離を有し、挿着部が第2係合部に挿入されて係合したときに、封止フィルムが増幅プレート本体の上面に密着して設けられる、挿着構造と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容溝(11)が設けられた増幅プレート本体(10)と、
前記増幅プレート本体(10)上を覆い、複数の前記収容溝(11)の溝口が対向する取付口(211)を有する枠構造(20)と、
前記枠構造(20)に設けられ、前記取付口(211)を閉塞する封止フィルムと、
前記枠構造(20)と前記増幅プレート本体(10)との間に設けられており、挿着部(31)と、前記挿着部(31)に係合する係合部とを含む挿着構造(30)であって、前記挿着部(31)及び前記係合部は、一方が枠構造(20)に設けられ、他方が前記増幅プレート本体(10)に設けられ、前記係合部は、第1係合部(32)と、第2係合部(33)とを含み、前記挿着部(31)が前記第1係合部(32)に挿入されて係合したときに、前記封止フィルムと前記増幅プレート本体(10)との間に所定距離を有し、前記挿着部(31)が前記第2係合部(33)に挿入されて係合したときに、前記封止フィルムが前記増幅プレート本体(10)の上面に密着して設けられる、挿着構造(30)と、を含む、ことを特徴とする増幅プレートアセンブリ。
【請求項2】
前記第1係合部(32)及び前記第2係合部(33)は、前記枠構造(20)を並進させることにより、前記第1係合部(32)と前記第2係合部(33)との間での挿着構造(30)の切り替えが実現されるように、前記増幅プレート本体(10)又は前記枠構造(20)の一方の側に間隔をあけて設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項3】
前記挿着部(31)は、前記枠構造(20)に設けられる挿着突起(311)を含み、
前記第1係合部(32)は、第1挿入溝(321)を含み、前記第2係合部(33)は、第2挿入溝(331)を含み、前記第1挿入溝(321)及び前記第2挿入溝(331)は、いずれも前記増幅プレート本体(10)に設けられ、
前記第2挿入溝(331)の溝底壁は、前記第1挿入溝(321)の溝底壁よりも低い、ことを特徴とする請求項2に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項4】
前記挿着突起(311)は、複数であり、前記枠構造(20)の第1端に複数の前記挿着突起(311)が間隔をあけて設けられ、前記枠構造(20)の第2端に複数の前記挿着突起(311)が間隔をあけて設けられ、
前記第1挿入溝(321)は、複数であり、複数の前記挿着突起(311)に1対1に対応して設けられ、
前記第2挿入溝(331)は、複数であり、複数の前記挿着突起(311)に1対1に対応して設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項5】
前記第1挿入溝(321)は、前記増幅プレート本体(10)の側壁に設けられ、前記増幅プレート本体(10)の頂壁を貫通し、
前記第2挿入溝(331)は、前記増幅プレート本体(10)の側壁に設けられ、前記増幅プレート本体(10)の頂壁を貫通する、ことを特徴とする請求項3に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項6】
前記枠構造(20)は、上枠(21)と、前記上枠(21)の周方向に設けられる側枠(22)とを含み、前記側枠(22)は、前記増幅プレート本体(10)の側壁の周方向外側に位置し、
前記増幅プレートアセンブリは、前記増幅プレート本体(10)の側壁に設けられる第1挿入穴(40)と、前記側枠(22)に設けられる第2挿入穴(50)と、をさらに含み、
前記挿着突起(311)が前記第1挿入溝(321)に挿入されて係合したときに、前記第1挿入穴(40)と前記第2挿入穴(50)とが対向して設けられ、
前記挿着部(31)が前記第2挿入溝(331)に挿入されて係合したときに、前記第1挿入穴(40)と前記第2挿入穴(50)とが対向して設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項7】
前記挿着部(31)が前記第1挿入溝(321)に挿入されて係合したときに、前記第1挿入穴(40)の前記側枠(22)への射影が、完全に前記第2挿入穴(50)内に位置し、
前記挿着部(31)が前記第2挿入溝(331)に挿入されて係合したときに、前記第1挿入穴(40)の前記側枠(22)への少なくとも一部の射影が、前記第2挿入穴(50)内に位置する、ことを特徴とする請求項6に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項8】
前記増幅プレート本体(10)は、前記増幅プレート本体(10)の長さ方向において対向して設けられた第1端(12)及び第2端(13)を含み、
前記第1挿入穴(40)は、複数であり、前記増幅プレート本体(10)の第1端(12)の側壁には複数の前記第1挿入穴(40)が設けられ、前記増幅プレート本体(10)の第2端(13)の側壁には複数の前記第1挿入穴(40)が設けられ、
前記第1挿入溝(321)は、複数であり、前記増幅プレート本体(10)の第1端(12)の側壁には複数の前記第1挿入溝(321)が設けられ、前記増幅プレート本体(10)の第2端(13)の側壁には複数の前記第1挿入溝(321)が設けられ、
前記第2挿入溝(331)は、複数であり、前記増幅プレート本体(10)の第1端(12)の側壁には複数の前記第2挿入溝(331)が設けられ、前記増幅プレート本体(10)の第2端(13)の側壁には複数の前記第2挿入溝(331)が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項9】
前記増幅プレート本体(10)は、複数の前記収容溝(11)に1対1に対応して設けられる複数の連結リング(14)をさらに含み、
各前記連結リング(14)は、前記収容溝(11)の溝口に設けられ、前記収容溝(11)の溝口に対して同心に設けられ、
前記連結リング(14)の上面が前記増幅プレート本体(10)の上面を形成する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項10】
複数の前記収容溝(11)は、アレイ状に設けられ、
各行の第1番目の前記収容溝(11)には第1標識(15)が設けられ、
各列の第1番目の前記収容溝(11)には第2標識(16)が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の増幅プレートアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)は、第1長エッジを有し、前記挿着部(31)が前記第2係合部(33)に挿入されて係合したときに、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジから突出する距離をL1とし、前記挿着部(31)が前記第1係合部(32)に挿入されて係合したときに、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジから突出する距離をL4とし、
前記増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)を、前記増幅プレート本体(10)が信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、かつ、前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジと、前記信号送信機と前記信号受信機とを結ぶ線との間に第1所定距離H1(H1<L1かつH1<L4)を有するように移動させることと、
前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信できていれば、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)上を覆っていないと判定し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信していなければ、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)上を覆っていると判定することと、
を含む、ことを特徴とする増幅プレートアセンブリの状態検出方法。
【請求項12】
請求項1に記載の増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)は、第1長エッジ及び第2長エッジを有し、前記挿着部(31)が前記第2係合部(33)に挿入されて係合したときに、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジから突出する距離をL1とし、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第2長エッジから突出する距離をL2とし、
前記増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)を、前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、かつ、前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジと、前記信号送信機と前記信号受信機との信号伝達線との間に第2所定距離H2(L2<H2<L1)を有するように移動させることと、
前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信できていれば、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)上を覆っていないと判定し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信していなければ、前記挿着部(31)が前記第2係合部(33)に挿入されて係合していると判定することと、
を含む、ことを特徴とする増幅プレートアセンブリの状態検出方法。
【請求項13】
請求項1に記載の増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)は、第1長エッジ及び第2長エッジを有し、前記挿着部(31)が前記第1係合部(32)に挿入されて係合したときに、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第1長エッジから突出する距離をL4とし、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)の第2長エッジから突出する距離をL3とし、
前記増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、
前記増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体(10)を、前記増幅プレート本体(10)の第2長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、かつ、前記増幅プレート本体(10)の第2長エッジと、前記信号送信機と前記信号受信機との信号伝達線との間に第3所定距離H3(L4<H3<L3)を有するように移動させることと、
前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信できていれば、前記枠構造(20)が前記増幅プレート本体(10)上を覆っていないと判定し、前記信号受信機が前記信号送信機から送信された信号を受信していなければ、前記挿着部(31)が前記第1係合部(32)に挿入されて係合していると判定することと、
を含む、ことを特徴とする増幅プレートアセンブリの状態検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸検出用消耗品の分野に関し、具体的には、増幅プレートアセンブリ及びその状態検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅プレートアセンブリは、その後の検出のためにサンプルから抽出された核酸を増幅するために使用される。核酸増幅を実行する前に、サンプルから抽出された核酸を増幅プレートアセンブリに移し、封止フィルムを用いて増幅プレートアセンブリを封止する必要がある。
【0003】
関連技術では、核酸検出用サンプルのフィルム封止操作を容易にするために、核酸増幅プレートが設計されており、関連技術における核酸増幅プレートは、封止フィルムリールと組み合わせて使用する必要がある。具体的には、封止フィルムリールは、封止フィルムリール固定構造に取り付けられ、増幅プレート本体を封止する必要がある場合、封止フィルムリールから封止フィルムを引き出し、封止機により封止フィルムを増幅プレート本体に熱プレスして封止し、最後に、切断機構により余分な封止フィルムを切断して、核酸増幅プレートの封止を完了させる。
【0004】
関連技術における核酸増幅プレートの封止方法は煩雑であり、追加の封止フィルムリール固定構造及び切断構造と組み合わせる必要があり、スペースを占有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、関連技術における核酸増幅プレートの封止方法が複雑であるという問題を解決する増幅プレートアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、増幅プレートアセンブリであって、複数の収容溝が設けられた増幅プレート本体と、増幅プレート本体上を覆い、複数の収容溝の溝口が対向する取付口を有する枠構造と、枠構造に設けられ、取付口を閉塞する封止フィルムと、枠構造と増幅プレート本体との間に設けられており、挿着部と、挿着部に係合する係合部とを含む挿着構造であって、挿着部及び係合部は、一方が枠構造に設けられ、他方が増幅プレート本体に設けられ、係合部は、第1係合部と、第2係合部とを含み、挿着部が第1係合部に挿入されて係合したときに、封止フィルムと増幅プレート本体との間に所定距離を有し、挿着部が第2係合部に挿入されて係合したときに、封止フィルムが増幅プレート本体の上面に密着して設けられる、挿着構造と、を含む、増幅プレートアセンブリを提供する。
【0007】
さらに、前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記枠構造を並進させることにより、第1係合部と前記第2係合部との間での挿着構造の切り替えが実現されるように、前記増幅プレート本体又は前記枠構造の一方の側に間隔をあけて設けられている。
【0008】
さらに、挿着部は、枠構造に設けられる挿着突起を含み、第1係合部は、第1挿入溝を含み、第2係合部は、第2挿入溝を含み、第1挿入溝及び第2挿入溝は、いずれも増幅プレート本体に設けられ、第2挿入溝の溝底壁は、第1挿入溝の溝底壁よりも低い。
【0009】
さらに、第1挿入溝及び第2挿入溝は、増幅プレート本体の一方の側に間隔をあけて設けられ、枠構造を並進させることにより、第1挿入溝と第2挿入溝とにおける挿着突起の切り替えを実現する。
【0010】
さらに、挿着突起は、複数であり、枠構造の第1端に複数の挿着突起が間隔をあけて設けられ、枠構造の第2端に複数の挿着突起が間隔をあけて設けられ、第1挿入溝は、複数であり、複数の挿着突起に1対1に対応して設けられ、第2挿入溝は、複数であり、複数の挿着突起に1対1に対応して設けられている。
【0011】
さらに、第1挿入溝は、増幅プレート本体の側壁に設けられ、増幅プレート本体の頂壁を貫通し、第2挿入溝は、増幅プレート本体の側壁に設けられ、増幅プレート本体の頂壁を貫通する。
【0012】
さらに、枠構造は、上枠と、上枠の周方向に設けられる側枠とを含み、側枠は、増幅プレート本体の側壁の周方向外側に位置し、増幅プレートアセンブリは、増幅プレート本体の側壁に設けられる第1挿入穴と、側枠に設けられる第2挿入穴と、をさらに含み、挿着突起が第1挿入溝に挿入されて係合したときに、第1挿入穴と第2挿入穴とが対向して設けられ、挿着部が第2挿入溝に挿入されて係合したときに、第1挿入穴と第2挿入穴とが対向して設けられる。
【0013】
さらに、挿着部が第1挿入溝に挿入されて係合したときに、第1挿入穴の側枠への射影が、完全に第2挿入穴内に位置し、挿着部が第2挿入溝に挿入されて係合したときに、第1挿入穴の側枠への少なくとも一部の射影が、第2挿入穴内に位置する。
【0014】
さらに、増幅プレート本体は、増幅プレート本体の長さ方向において対向して設けられた第1端及び第2端を含み、第1挿入穴は、複数であり、増幅プレート本体の第1端の側壁には複数の第1挿入穴が設けられ、増幅プレート本体の第2端の側壁には複数の第1挿入穴が設けられ、第1挿入溝は、複数であり、増幅プレート本体の第1端の側壁には複数の第1挿入溝が設けられ、増幅プレート本体の第2端の側壁には複数の第1挿入溝が設けられ、第2挿入溝は、複数であり、増幅プレート本体の第1端の側壁には複数の第2挿入溝が設けられ、増幅プレート本体の第2端の側壁には複数の第2挿入溝が設けられている。
【0015】
さらに、増幅プレート本体は、複数の収容溝に1対1に対応して設けられる複数の連結リングをさらに含み、各連結リングは、収容溝の溝口に設けられ、収容溝の溝口に対して同心に設けられ、連結リングの上面が増幅プレート本体の上面を形成する。
【0016】
さらに、複数の収容溝は、アレイ状に設けられ、各行の第1番目の第1収容溝には第1標識が設けられ、各列の第1番目の収容溝には第2標識が設けられている。
【0017】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体は、第1長エッジを有し、挿着部が第2係合部に挿入されて係合したときに、枠構造が増幅プレート本体の第1長エッジから突出する距離をL1とし、挿着部が第1係合部に挿入されて係合したときに、枠構造が増幅プレート本体の第1長エッジから突出する距離をL4とし、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体を、増幅プレート本体が信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、増幅プレート本体の第1長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第1所定距離H1(H1<L1かつH1<L4)を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、枠構造が増幅プレート本体上を覆っていると判定することと、を含む、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。
【0018】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体は、第1長エッジ及び第2長エッジを有し、挿着部が第2係合部に挿入されて係合したときに、枠構造が増幅プレート本体の第1長エッジから突出する距離をL1とし、枠構造が増幅プレート本体の第2長エッジから突出する距離をL2とし、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体を、増幅プレート本体の第1長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、増幅プレート本体の第1長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第2所定距離H2(L2<H2<L1)を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、挿着部が第2係合部に挿入されて係合していると判定することと、を含む、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。
【0019】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法であって、増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体は、第1長エッジ及び第2長エッジを有し、挿着部が第1係合部に挿入されて係合したときに、枠構造が増幅プレート本体の第1長エッジから突出する距離をL4とし、枠構造が増幅プレート本体の第2長エッジから突出する距離をL3とし、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体を、増幅プレート本体の第2長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、増幅プレート本体の第2長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第3所定距離H3(L4<H3<L3)を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、挿着部が第1係合部に挿入されて係合していると判定することと、を含む、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の技術態様によれば、増幅プレートアセンブリは、増幅プレート本体と、枠構造とを含み、枠構造には、取付口が開設され、取付口は封止フィルムによって閉塞され、封止フィルムは、複数の収容溝と対向して設けられ、封止フィルムは、熱プレス機の熱プレスにより増幅プレート本体に貼り付けられて、複数の収容溝を閉塞することができ、収容溝内の検出サンプルが溢れ出るのを防止する。一方、枠構造には、挿着部がさらに設けられ、増幅プレート本体には、挿着部にそれぞれ係合する第1係合部及び第2係合部が設けられており、増幅プレートアセンブリを輸送する際には、挿着部を第1係合部に挿嵌させることができ、このとき、封止フィルムと増幅プレート本体との間に所定距離を有するため、輸送時の揺れによって封止フィルムと増幅プレート本体との間に擦り傷が生じることがなく、封止フィルムが破損する確率を効果的に低減する。収容溝を封止する必要がある場合、挿着部を第2係合部に挿嵌させることができ、このとき、封止フィルムが増幅プレート本体の上面に密着して設けられ、熱プレス機により封止フィルムを加熱して、増幅プレート本体に接着することができ、収容溝の封止を実現する。上記構造では、挿着部が異なる係合部に係合することにより、増幅プレートアセンブリの輸送時に封止フィルムが破損する確率を効果的に低減することができるとともに、封止フィルムと増幅プレート本体との間の封止方法が簡便かつ迅速であり、熱プレス機だけでフィルム封止を実現することができ、別途、他の補助装置を設ける必要がない。
【0021】
本願の一部を構成する明細書用図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、また、本発明における模式的実施形態及びその説明は本発明を解釈するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による増幅プレートアセンブリの実施形態の立体構造模式図である。
【
図2】
図1の増幅プレートアセンブリの側面図である。
【
図3】
図1の増幅プレートアセンブリの増幅プレート本体の立体構造模式図である。
【
図4】
図1の増幅プレートアセンブリの、挿着部が第2係合部に係合したときの側方の概略構成図である。
【
図5】
図1の増幅プレートアセンブリの、挿着部が第1係合部に係合したときの側方の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
符号の説明
10…増幅プレート本体、11…収容溝、12…第1端、13…第2端、14…連結リング、15…第1標識、16…第2標識、20…枠構造、21…上枠、211…取付口、22…側枠、30…挿着構造、31…挿着部、311…挿着突起、32…第1係合部、321…第1挿入溝、33…第2係合部、331…第2挿入溝、40…第1挿入穴、50…第2挿入穴。
【0024】
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術態様を明瞭かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全部ではなく、一部に過ぎない。少なくとの1つの例示的な実施形態に関する以下の説明は、実際には、単なる例示に過ぎず、本発明及びその適用又は使用を何ら限定するものではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて、創造的な労働を必要とせずに得られる他の実施形態は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0025】
ここに使用される用語は、あくまでも具体的な実施形態を説明するためのものであり、本願の例示的な実施形態を限定することを意図していないことに注意が必要である。ここに使用されるように、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、単数形が使用されていても、複数形を含むものとする。また、本明細書に「含む」及び/又は「有する」といった用語が使用される場合、特徴、こと、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせがあることを示すことは、理解されるべきである。
【0026】
特に明記されない限り、これらの実施形態で説明される部材及びことの相対的な配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定しない。同時に、説明の便宜上、図面に示される各部の寸法は、実際の比例関係に従って描かれていないことが理解されるべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについては詳細に議論しないことがあるが、適切な場合、当該技術、方法及びデバイスは、特許される明細書の一部とみなされるべきである。ここに示され、議論されるすべての例において、任意の具体的な値は、限定するものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することができる。以下の図面では、類似の符号及び文字が類似の項目を示していることに留意すべきである。したがって、ある項目が1つの図面で定義されれば、それ以降の図面ではそれについてさらに議論する必要はない。
【0027】
図1~
図3に示すように、本実施形態の増幅プレートアセンブリは、増幅プレート本体10と、枠構造20と、封止フィルムと、挿着構造30とを含む。ここで、増幅プレート本体10には、複数の収容溝11が設けられている。枠構造20は、増幅プレート本体10上を覆い、枠構造20は、複数の収容溝11の溝口が対向する取付口211を有する。封止フィルムは、枠構造20に設けられ、取付口211を閉塞する。挿着構造30は、枠構造20と増幅プレート本体10との間に設けられており、挿着構造30は、挿着部31と、挿着部31に係合する係合部とを含み、挿着部31は、枠構造20に設けられ、係合部は、増幅プレート本体10に設けられている。係合部は、第1係合部と、第2係合部33とを含み、挿着部31が第1係合部に挿入されて係合したときに、封止フィルムと増幅プレート本体10との間に所定距離を有し、挿着部31が第2係合部33に挿入されて係合したときに、封止フィルムが増幅プレート本体10の上面に密着して設けられる。
【0028】
本実施形態に係る増幅プレートアセンブリによれば、増幅プレートアセンブリは、増幅プレート本体10と、枠構造20とを含み、枠構造20には、取付口211が開設され、取付口211は封止フィルムによって閉塞され、封止フィルムは、複数の収容溝11と対向して設けられ、封止フィルムは、熱プレス機の熱プレスにより増幅プレート本体10に貼り付けられて、複数の収容溝11を閉塞することができ、収容溝内の検体サンプルが溢れ出るのを防止する。一方、枠構造20には、挿着部31がさらに設けられ、増幅プレート本体10には、挿着部31にそれぞれ係合する第1係合部及び第2係合部33が設けられており、増幅プレートアセンブリを輸送する際には、挿着部31を第1係合部に挿入して係合させることができ、このとき、封止フィルムと増幅プレート本体10との間に所定距離を有するため、輸送中の揺れによって封止フィルムと増幅プレート本体10との間に擦り傷が生じることがなく、封止フィルムが破損する確率を効果的に低減する。収容溝11を封止する必要がある場合、挿着部31を第2係合部33に挿入して係合させることができ、このとき、封止フィルムが増幅プレート本体10の上面に密着して設けられ、熱プレス機により封止フィルムを加熱して、増幅プレート本体10に接着することができ、収容溝11の封止を実現する。上記構造では、挿着部31が異なる係合部に係合することにより、増幅プレートアセンブリの輸送時に封止フィルムが破損する確率を効果的に低減することができる。同時に、封止フィルムと増幅プレート本体10との間の封止方法が簡便かつ迅速であり、熱プレス機だけでフィルム封止を実現することができ、別途、他の補助装置を設ける必要がない。
【0029】
もちろん、図示しない他の実施形態では、挿着部は、増幅プレート本体に設けられてもよく、係合部は、枠構造に設けられてもよい。
【0030】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、挿着部31は、枠構造20に設けられる挿着突起311を含み、第1係合部は、第1挿入溝321を含み、第2係合部33は、第2挿入溝331を含み、第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、いずれも増幅プレート本体10に設けられ、第2挿入溝331の溝底壁は、第1挿入溝321の溝底壁よりも低い。上記構造では、挿着突起311が第1挿入溝321内に挿入されたときに、封止フィルムと増幅プレート本体10との間に所定距離を有する。挿着突起311が第2挿入溝331内に挿入されたときに、封止フィルムが増幅プレート本体10の上面に密着して設けられる。同時に、挿着突起311、第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、構造が簡単で、加工が容易である。挿着突起311と第1挿入溝321及び第2挿入溝331との接続が簡便であり、組み付けが迅速にできる。
【0031】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、枠構造20を並進させることにより、第1挿入溝321と第2挿入溝331との間での挿着突起311の切り替えが実現されるように、増幅プレート本体10の一方の側に間隔をあけて設けられている。上記構造により、挿着突起311を第1挿入溝321と第2挿入溝331との間で切り替えることが容易にできる。具体的には、本実施形態では、枠構造20は、把持装置の把持により、第1挿入溝321と第2挿入溝331との間での挿着突起311の切り替えを実現する。挿着突起311を第1挿入溝321から第2挿入溝331内に移動させる際には、把持装置が下方に移動して枠構造20を把持し、増幅プレート本体10を水平移動させた後、把持装置が枠構造20を下ろすことにより、第1挿入溝321から第2挿入溝331への挿着突起311の切り替えを実現することができる。
【0032】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、挿着突起311は、複数であり、枠構造20の第1端12に複数の挿着突起311が間隔をあけて設けられ、枠構造20の第2端13に複数の挿着突起311が間隔をあけて設けられている。第1挿入溝321は、複数であり、複数の挿着突起311に1対1に対応して設けられ、第2挿入溝331は、複数であり、複数の挿着突起311に1対1に対応して設けられている。上記構造では、枠構造20の第1端12には複数の挿着突起311が間隔をあけて設けられ、同様に、枠構造20の第2端13にも複数の挿着突起311が間隔をあけて設けられている。このような設置態様により、枠構造20で増幅プレート本体10上を覆う際に複数の接触点を有するため、枠構造20が増幅プレート本体10上を安定して覆うことができる。それに応じて、挿着突起311が第1挿入溝321及び第2挿入溝331にそれぞれ挿入されて係合できることを確保するために、第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、挿着突起311に対応して設けられる必要がある。
【0033】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、第1挿入溝321は、増幅プレート本体10の側壁に設けられ、増幅プレート本体10の頂壁を貫通する。第2挿入溝331は、増幅プレート本体10の側壁に設けられ、増幅プレート本体10の頂壁を貫通する。上記構造では、第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、いずれも増幅プレート本体10の側壁に設けられており、頂壁を貫通可能であるため、挿着突起311は、上から下へ第1挿入溝321又は第2挿入溝331内に挿入されることができ、枠構造20と増幅プレート本体10との組み付けを円滑に行うことができる。同時に、このような設置態様により、増幅プレート本体10の側壁のスペースを有効に利用し、増幅プレートアセンブリでは、第1挿入溝321及び第2挿入溝331が増幅プレート本体10の頂壁のスペースを過度に占有することを回避する。
【0034】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、枠構造20は、上枠21と、上枠21の周方向に設けられる側枠22とを含み、側枠22は、増幅プレート本体10の側壁の周方向外側に位置する。増幅プレートアセンブリは、増幅プレート本体10の側壁に設けられる第1挿入穴40と、側枠22に設けられる第2挿入穴50と、をさらに含み、挿着突起311が第1挿入溝321に挿入されて係合したときに、第1挿入穴40と第2挿入穴50とが対向して設けられ、挿着部31が第2挿入溝331に挿入されて係合したときに、第1挿入穴40と第2挿入穴50とが対向して設けられる。上記構造では、枠構造20は、把持装置の把持により、増幅プレートアセンブリの移動を実現し、第1挿入溝321と第2挿入溝331との間での挿着突起311の切り替えを実現することができる。具体的には、増幅プレート本体10が枠構造20から離れて配置される際に、把持装置の挟持爪は、増幅プレート本体10の第1挿入穴40内に個別に差し込んで、増幅プレート本体10を個別に挟持することを実現することができる。また、枠構造20の第2挿入穴50内に個別に差し込んで、枠構造20を個別に挟持することを実現することも可能である。また、枠構造20が増幅プレート本体10上を覆った場合、枠構造20の挿着突起311が第1挿入溝321に係合するか第2挿入溝331に係合するかに関わらず、把持装置の挟持爪は、第1挿入穴40及び第2挿入穴50内に同時に差し込んで、増幅プレートアセンブリの全体的な移動を実現することができる。
【0035】
なお、第1挿入穴40の面積は、第2挿入穴50の面積よりも小さい。枠構造20は2つの被覆状態を有するため、第2挿入穴50の面積を大きくすることで、枠構造20の挿着突起311が第1挿入溝321に係合したときに、第1挿入穴40と第2挿入穴50とが重なり合う面積が十分に大きくなるので、挟持爪は、挿着突起311が第1挿入溝321に係合したときに、第1挿入穴40及び第2挿入穴50内に同時に差し込むことができ、増幅プレートアセンブリ全体を挟持することが容易になる。それに応じて、枠構造20の挿着突起311が第2挿入溝331に係合したときにも、第2挿入穴50と第1挿入穴40とが重なり合う面積が大きくされ、挟持爪が第1挿入穴40及び第2挿入穴50内に同時に差し込むことができる。
【0036】
具体的には、
図1~
図3に示すように、挿着部31が第1挿入溝321に挿入されて係合したときに、第1挿入穴40の側枠22への射影が、完全に第2挿入穴50内に位置し、挿着部31が第2挿入溝331に挿入されて係合したときに、第1挿入穴40の側枠22への少なくとも一部の射影が、第2挿入穴50内に位置する。上記構造により、第1挿入穴40は、把持装置の挟持爪が差し込むのに十分な面積を有するため、把持装置が増幅プレートアセンブリを全体的に移動させる際の安定性を高めることができる。好ましくは、本実施形態では、第2挿入穴50の側枠22への射影が、第1挿入穴40を完全に覆う。
【0037】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、増幅プレート本体10は、増幅プレート本体10の長さ方向において対向して設けられた第1端12及び第2端13を有し、第1挿入穴40は、複数であり、増幅プレート本体10の第1端12の側壁には複数の第1挿入穴40が設けられ、増幅プレート本体10の第2端13の側壁には複数の第1挿入穴40が設けられている。第1挿入溝321は、複数であり、増幅プレート本体10の第1端12の側壁には複数の第1挿入溝321が設けられ、増幅プレート本体10の第2端13の側壁には複数の第1挿入溝321が設けられている。第2挿入溝331は、複数であり、増幅プレート本体10の第1端12の側壁には複数の第2挿入溝331が設けられ、増幅プレート本体10の第2端13の側壁には複数の第2挿入溝331が設けられている。上記構造では、複数の第1挿入穴40、複数の第1挿入溝321及び複数の第2挿入溝331は、それぞれ増幅プレート本体10の長さ方向における第1端12及び第2端13に設けられているので、挿着突起311を第1挿入溝321と第2挿入溝331との間で切り替える際には、枠構造20を挟持爪で掴み上げ、並進させるだけで、第1挿入溝321と第2挿入溝331との間での挿着突起311の切り替えを実現することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、第2挿入穴50の上縁は、第1挿入穴40の上縁よりも長い。また、本実施形態では、挟持爪は、複数の挟持ブロックから構成されており、複数の挟持ブロックは、互いに近接又は離間可能である。枠構造20を挟持する際に、複数の挟持ブロック間の距離は大きくされて、挟持ブロックが第2挿入穴50内にのみ差し込み、第1挿入穴40内には差し込まないことが確保され、枠構造20へのクランピングを実現する。増幅プレートアセンブリを全体的に挟持する際に、複数の挟持ブロック間の距離は小さくされて、挟持ブロックが第1挿入穴40及び第2挿入穴50内に同時に差し込むことができ、枠構造20への全体的なクランピングを実現する。
【0039】
なお、核酸検出用消耗品は、核酸検出用抽出プレートをさらに含み、核酸検出用抽出プレートは、増幅プレートアセンブリよりも体積が大きい96ウェルプレートであり、増幅プレートアセンブリの長さを核酸検出用抽出プレートの幅と同等のサイズに設定することができ、把持装置の挟持爪が差し込む挿入穴を増幅プレートアセンブリの長さ方向に設け、核酸検出用抽出プレートの挿入穴を核酸検出用抽出プレートの幅方向に設けることにより、核酸検出用抽出プレートと増幅プレートアセンブリとを同一の把持装置で把持することが可能となり、増幅プレートアセンブリの汎用性を向上させる。
【0040】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、増幅プレート本体10は、複数の連結リング14をさらに含み、複数の連結リング14は、複数の収容溝11に1対1に対応して設けられ、各連結リング14は、収容溝11の溝口に設けられ、収容溝11の溝口に対して同心に設けられている。連結リング14の上面が増幅プレート本体10の上面を形成する。上記構造では、熱プレス機は、封止フィルムを熱プレスにより連結リング14に接着することができ、連結リング14は、増幅プレート本体10と封止フィルムとの接着効果を高めることができ、封止フィルムによる収容溝11の封止効果を確保する。
【0041】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、複数の収容溝11は、アレイ状に設けられ、各行の第1番目の収容溝11には第1標識15が設けられ、各列の第1番目の収容溝11には第2標識16が設けられている。上記構造では、第1標識15を文字標識とし、第2標識16を数字標識とすることができ、操作者が複数の収容溝11のいずれかを位置決めすることが容易となる。
【0042】
本実施形態では、上から下へ向かう方向に見ると、増幅プレート本体10は、対向して設けられた2つの長エッジ(それぞれ第1長エッジ及び第2長エッジ)と、第1長エッジの両端及び第2長エッジの両端の間に接続された2つの短エッジ(それぞれ、上述した増幅プレート本体10の第1端12及び第2端13に対応)とを有する第1矩形構造である。ここで、増幅プレート本体10の第1端12には、複数の第1挿入溝321と、複数の第1挿入溝321に1対1に対応する複数の第2挿入溝331とが設けられている。
図3に示すように、隣接して設けられた第1挿入溝321及び第2挿入溝331は、一組の挿入溝構造となり、一組の挿入溝構造のうち第1挿入溝321は、第2長エッジに近接して設けられ、一組の挿入溝構造のうち第2挿入溝331は、第1長エッジに近接して設けられる。すなわち、
図3では、右上に位置する長エッジが第1長エッジであり、左下に位置する長エッジが第2長エッジであり、
図4及び
図5では、右側に位置する長エッジが第1長エッジであり、左側に位置する長エッジが第2長エッジである。
【0043】
図1及び
図2に示すように、上から下へ向かう方向に見ると、枠構造20は、第2矩形構造であり、第2矩形構造の長さは、第1矩形構造の長さよりも大きいため、枠構造20は、増幅プレート本体10上を覆うことができる。また、第2矩形構造は、第1矩形構造よりも幅が大きく、かつ一定の間隔があるため、枠構造20は、幅方向において増幅プレート本体10に対して移動可能となり、これにより、挿着部31は、第1係合部32に係合する位置と、第2係合部33に係合する位置との間で切り替わることができる。
図4は、増幅プレートアセンブリの、挿着部31が第2係合部33に係合したときの側方の概略構成図であり、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離L1は、枠構造20が増幅プレート本体10の第2長エッジから突出する距離L2よりも大きい。
図5は、増幅プレートアセンブリの、挿着部31が第1係合部32に係合したときの側方の概略構成図であり、枠構造20が増幅プレート本体10の第2長エッジから突出する距離L3は、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離L4よりも大きい。
【0044】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体10を、増幅プレート本体10が信号送信機と信号受信機とを結ぶ線に近接し、かつ、増幅プレート本体10の第1長エッジと、信号送信機と信号受信機とを結ぶ線との間に第1所定距離H1を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体10上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、枠構造が増幅プレート本体10上を覆っていると判定することと、を含む。
【0045】
上記態様では、増幅プレートアセンブリの状態検出方法を提供し、具体的には、増幅プレート本体10を、信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接した位置に移動させ、増幅プレート本体10の第1長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第1所定距離H1を有するようにすることができる。その後、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、信号を遮蔽する物体がないため、枠構造20は増幅プレート本体10上を覆っていないことが判明される。また、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、信号が枠構造20によって遮蔽されていることが判明され、このとき、枠構造が増幅プレート本体10上を覆っていると判定できる。上記態様では、信号送信機及び信号受信機を通じて、増幅プレートアセンブリの被覆状態を判断することができ、その後の増幅プレートアセンブリのフィルム封止操作を容易にする。
【0046】
挿着部31が第2係合部33に係合したときに、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離をL1とし、挿着部31が第1係合部32に係合したときに、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離をL4とする。
図4及び
図5に示すように、L4はL1よりも小さい。
【0047】
なお、上述した第1所定距離H1は、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離よりも小さい。ここでいう、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離とは、L1及びL4のうち小さい方を意味し、すなわち、上記距離は、L4を意味する。
【0048】
上記信号伝達線とは、信号送信機による信号の送信から信号受信機による信号の受信までの伝達経路を指し、対向型オプトカプラにおいて信号送信機と信号受信機との間に形成される直線接続線であってもよいし、反射型オプトカプラにおいて信号送信機と信号受信機とが同一端に位置し、信号受信機が反射光を受けて信号を受信することであってもよい。
【0049】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体10を、増幅プレート本体10の第1長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線に近接し、かつ、増幅プレート本体10の第1長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第2所定距離H2を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体10上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、挿着部31が第2係合部33に挿入されて係合していると判定することと、を含む。
【0050】
上記態様では、信号送信機及び信号受信機を通じて、増幅プレートアセンブリの被覆状態を判断できるだけでなく、枠構造の挿着部31が具体的にどの係合部に係合しているかを判断することができる。具体的には、挿着部31が第2係合部33に挿入されて係合したときに、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離L1は、枠構造20が増幅プレート本体10の第2長エッジから突出する距離L2よりも大きく、第2所定距離H2を、L2<H2<L1を満たすように設定することができ、送信機から送信された信号が枠構造によって遮断されたときに、挿着部31が第2係合部33に挿入されて係合している、すなわち、そのときの枠構造の封止フィルムが増幅プレート本体10に貼り付けられていることが判明される。
【0051】
本発明は、増幅プレートアセンブリの状態検出方法をさらに提供する。増幅プレートアセンブリは、上述した増幅プレートアセンブリであり、増幅プレートアセンブリの状態検出方法は、増幅プレート本体10を、増幅プレート本体10の第2長エッジが信号送信機と信号受信機との信号伝達線(すなわち、信号送信機と信号受信機とを結ぶ線)に近接し、かつ、増幅プレート本体10の第2長エッジと、信号送信機と信号受信機との信号伝達線との間に第3所定距離H3を有するように移動させることと、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信したか否かを判断し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信できていれば、枠構造が増幅プレート本体10上を覆っていないと判定し、信号受信機が信号送信機から送信された信号を受信していなければ、挿着部31が第1係合部32に挿入されて係合していると判定することと、を含む。
【0052】
上記態様では、信号送信機及び信号受信機を通じて、増幅プレートアセンブリの被覆状態を判断できるだけでなく、枠構造の挿着部31が具体的にどの係合部に係合しているかを判断することができる。具体的には、挿着部31が第1係合部32に挿入されて係合したときに、枠構造20が増幅プレート本体10の第2長エッジから突出する距離L3は、枠構造20が増幅プレート本体10の第1長エッジから突出する距離L4よりも大きく、第3所定距離H3を、L4<H3<L3を満たすように設定することができ、送信機から送信された信号が枠構造によって遮断されたときに、挿着部31が第2係合部33に挿入されて係合している、すなわち、そのときの枠構造の封止フィルムと増幅プレート本体10との間に所定距離を有することが判明される。
【0053】
なお、上述した実施形態では、信号送信機から送信された信号は、レーザ信号であり、信号送信機及び信号受信機は、いずれも固設されており、増幅プレートアセンブリを移動させることにより、信号送信機及び信号受信機との検出連携を実現する。他の実施形態では、信号送信機及び信号受信機を移動可能に設け、増幅プレートアセンブリを固定して配置し、信号送信機及び信号受信機の移動によって検出連携を実現してもよい。
【0054】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横、縦、垂直、水平」、「頂、底」などの方位語によって示される方位又は位置関係は、通常、図面に示される方位又は位置関係に基づいており、単に本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためであり、反対の説明がない限り、これらの方位語は、示される装置又は要素が特定の方位を有するか、又は特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示し、暗示するものではないため、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならないことは、理解されるべきである。また、「内、外」という方位語は、各部材自体に対する輪郭の内外を意味する。
【0055】
説明のために、ここでは空間上相対的な用語、例えば、「・・・の上にある」、「・・・の上方にある」、「・・・の上面に」、「上の」等を使うことで、図示されるようなデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を記載することができる。空間上相対的な用語は、デバイスの図示される方位以外の使用又は操作における異なる方位を含むことを意図することは、理解されるべきである。例えば、図面におけるデバイスが反転される場合、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記載されたデバイスは、反転された後、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」ように説明される。このため、示例的な用語である「・・・の上方にある」は、「・・・の上方にある」と「・・・の下方にある」という2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方式で位置決められてもよく(90度回転するか、或いは他の方位にある)、これに応じて、ここに使用される空間上相対的な説明について解釈する。
【0056】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定するのは、単に対応する部品を区別しやすくするためであり、他に説明がなければ、上記の用語は特別な意味を持たないので、本発明の保護範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0057】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。