(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096052
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】エイリアス構成の管理
(51)【国際特許分類】
H04L 61/30 20220101AFI20240704BHJP
H04L 61/45 20220101ALI20240704BHJP
【FI】
H04L61/30
H04L61/45
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023219540
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】18/092,077
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・クレイ
(57)【要約】
【課題】エイリアス構成の管理を提供すること。
【解決手段】エイリアス構成ファイルを照合調整するための実装形態が、本明細書において記載される。さまざまな実装形態では、エイリアスサーバから、ネットワーキング情報を取り出すことができる。ネットワーキング情報は、プロセスオートメーション施設の複数の分散制御ノード(DCN)によってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応することができる。登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報に基づいて、複数のDCNに問合せを行うことができる。問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成し、それを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと比較することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサを使用して実施される方法であって、
エイリアスサーバから、プロセスオートメーション施設の複数の分散制御ノード(DCN)によってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取り出すステップと、
前記登録済みのエイリアスに対応する前記ネットワーキング情報に基づいて、前記複数のDCNに問合せを行うステップと、
前記問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成するステップと、
前記更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと比較するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ネットワーキング情報が、前記登録済みのエイリアスに対応する接続文字列およびノード識別子(ID)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DCNの各々が、前記複数のデータソースのうちの1つまたは複数のデータソースのそれぞれへのアクセスを提供するサーバをホストする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記エイリアスサーバがグローバルディスカバリサーバ(GDS)を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記比較するステップに基づいて、前記複数のDCNによってアクセス可能にされた前記複数のデータソースが、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースに対応するかどうかを検証するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のDCNによってアクセス可能にされた前記複数のデータソースと、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる前記概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異を識別するステップと、
前記識別された差異のうちの1つまたは複数を伝達する出力をレンダリングさせるステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記比較するステップに基づいて、前記更新されたエイリアス構成ファイルを、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイルとマージするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記比較するステップに基づいて、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイルを更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のデータソースのうちの少なくともいくつかが、前記プロセスオートメーション施設のセンサおよび/またはアクチュエータ用の入力/出力(I/O)チャネルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記取り出すステップの前に、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる前記概念的な複数のデータソースを前記エイリアスサーバに登録するステップであって、前記比較するステップが前記登録するステップを検証する、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記取り出すステップが、前記エイリアスサーバから、前記登録済みのエイリアスのリストを取り出すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記問合せを行うステップが、前記複数のDCNから、ローカルに登録されたエイリアスを取得するステップを含み、前記方法が、前記エイリアスサーバから取り出された前記登録済みのエイリアスの前記リストを、前記ローカルに登録されたエイリアスと比較するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つまたは複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備えるシステムであって、前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによる実行に応答して前記1つまたは複数のプロセッサに、
プロセスオートメーション施設の分散コンピューティングシステムにわたってホストされている複数のサーバによってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取得することと、
登録済みのエイリアスのリストに対応する前記ネットワーキング情報を使用して、前記複数のサーバに問合せを行うことと、
前記問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成することと、
前記更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと照合調整することと
を行わせる、システム。
【請求項14】
前記ネットワーキング情報が、前記登録済みのエイリアスに対応する接続文字列およびノード識別子(ID)を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のデータソースのうちの1つまたは複数のデータソースのそれぞれへのアクセスを提供する前記サーバの各々が、それぞれの分散制御ノード(DCN)によってホストされる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のデータソースのうちの少なくともいくつかが、前記プロセスオートメーション施設のセンサおよび/またはアクチュエータ用の入力/出力(I/O)チャネルを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のサーバによってアクセス可能にされた前記複数のデータソースが、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースに対応するかどうかを検証するための命令、および
前記複数のサーバによってアクセス可能にされた前記複数のデータソースと、前記以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる前記概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異を識別するための命令
をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると前記1つまたは複数のプロセッサに、
エイリアスサーバから、プロセスオートメーション施設の複数の分散制御ノード(DCN)によってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取り出すことと、
登録済みのエイリアスのリストに対応する前記ネットワーキング情報に基づいて、前記複数のDCNに問合せを行うことと、
前記問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成することと、
前記更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと照合調整することと
を行わせる、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
取り出すための前記命令が、前記エイリアスサーバから、前記登録済みのエイリアスのリストを取り出すための命令を含む、請求項18に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
問合せを行うための前記命令が、前記複数のDCNから、ローカルに登録されたエイリアスを取得するための命令を含み、システムがさらに、前記エイリアスサーバから取り出された前記登録済みのエイリアスの前記リストを、前記ローカルに登録されたエイリアスと比較するための命令を含む、請求項19に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロセスオートメーション施設は、さまざまなコンポーネントの中でもとりわけ、無数のセンサ、アクチュエータ、および分散制御ノード(distributed control node:DCN)を含むことがある。これらのノードおよび/またはそれらの構成要素であるコンポーネントを、(本明細書において「ノードID」と呼ばれる)従来のノード識別子を使用して追跡すると、さまざまな課題が生じることがある。インターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)アドレスおよび/または伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)ポートを含むことのできる、個々のノードの接続文字列、ならびにそれらのノードからアクセス可能である個々のコンポーネントを識別するために使用されるノードIDは、人間によって容易に解釈可能ではなく、または人間にとって意味のあるものではなく、かつ容易にスケール変更することができない。したがって、Open Platform Communications Unified Architecture(OPC UA)には、接続文字列およびノードIDへのエイリアス(人間が読める/人間にとって意味のある文字の列)のマッピングを容易にする「エイリアスネームサービス(Alias Name Service)」(ANS)を提供するグローバルディスカバリサーバ(Global Discovery Server:GDS)が含まれている。換言すれば、GDSは、OPC UAクライアントのための「電話帳」のような働きをすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
エイリアスはしばしば、例えばエイリアスおよび対応する接続文字列/ノードIDのリストを含むエイリアス構成ファイルによって、バッチにて定められる。エイリアス構成ファイルを構成ツールに提供することができ、構成ツールは、エイリアスを作成し、対応するDCNに、それらのエイリアスをGDSに登録させる。時間の経過とともに、プロセスオートメーション施設に変更が起こることがあり、それらの変更が、システムインテグレータのオリジナルのエイリアス構成ファイルを陳腐にさせることがある。例えば、追加のエイリアスが別々に登録されることがある、ハードウェアが故障することがある、かつ/またはハードウェアが交換されることがある、などである。
【0003】
本開示の実装形態は、システムインテグレータにより作成されたエイリアス構成ファイルと、ANSを介してエイリアスに加えられた後続の/別々の変更とを、例えば、登録済みのエイリアスをGDSから照会し、それらの登録を検証またはテストするためのさまざまな技法を実施することによって、照合調整することを可能にするものである。オリジナルのエイリアス構成ファイルと、更新されたエイリアス構成ファイルとの、エイリアスの差異は、例として、どんな変更が加えられたかに関して適切な人員に通知する、応答のないノードおよび/または機能不全のノードを識別する、などのために使用することができる。例えば、新規に取り出された登録済みのエイリアスを使用して、それらのエイリアスを以前に登録した個々のDCNに、問合せを行うことができる。さまざまなものの中でもとりわけ、これにより、応答のない/機能不全のDCNの迅速な識別が可能になり得る。
【0004】
いくつかの実装形態では、方法は、1つまたは複数のプロセッサを使用して実施することができ、エイリアスサーバから、プロセスオートメーション施設の複数の分散制御ノード(DCN)によってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取り出すことと、登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報に基づいて、複数のDCNに問合せを行うことと、問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成することと、更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと比較することとを含むことができる。
【0005】
さまざまな実装形態では、ネットワーキング情報は、登録済みのエイリアスに対応する接続文字列およびノード識別子(identifier:ID)を含むことができる。さまざまな実装形態では、DCNの各々が、複数のデータソースのうちの1つまたは複数のデータソースのそれぞれへのアクセスを提供するサーバをホストする。さまざまな実装形態では、エイリアスサーバはグローバルディスカバリサーバ(GDS)とすることができる。
【0006】
さまざまな実装形態では、方法は、比較することに基づいて、複数のDCNによってアクセス可能にされた複数のデータソースが、以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースに対応するかどうかを検証することをさらに含むことができる。さまざまな実装形態では、方法は、複数のDCNによってアクセス可能にされた複数のデータソースと、以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異を識別することと、識別された差異のうちの1つまたは複数を伝達する出力をレンダリングさせることとをさらに含むことができる。
【0007】
さまざまな実装形態では、方法は、比較することに基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルとマージすることをさらに含むことができる。さまざまな実装形態では、方法は、比較することに基づいて、以前に利用されたエイリアス構成ファイルを更新することをさらに含むことができる。さまざまな実装形態では、複数のデータソースのうちの少なくともいくつかが、プロセスオートメーション施設のセンサおよび/またはアクチュエータ用の入力/出力(input/output:I/O)チャネルを含むことができる。
【0008】
さまざまな実装形態では、方法は、取り出すことの前に、以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースをエイリアスサーバに登録することであって、比較することがこの登録することを検証する、登録することを含むことができる。さまざまな実装形態では、取り出すことは、エイリアスサーバから、登録済みのエイリアスのリストを取り出すことを含むことができる。さまざまな実装形態では、問合せを行うことは、複数のDCNから、ローカルに登録されたエイリアスを取得することを含むことができ、方法は、エイリアスサーバから取り出された登録済みのエイリアスのリストを、ローカルに登録されたエイリアスと比較することをさらに含む。
【0009】
それに加えて、いくつかの実装形態は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサを含み、1つまたは複数のプロセッサは、関連するメモリ内に記憶された命令を実行するように動作可能であり、また、命令は、前述の方法のいずれかの実施を生じさせるように構成されている。いくつかの実装形態は、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な、前述の方法のいずれかを実施するためのコンピュータ命令を記憶した、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体も含む。
【0010】
別の態様では、システムが、1つまたは複数のプロセッサと、命令を記憶するメモリとを含むことができ、命令が、1つまたは複数のプロセッサによる実行に応答して1つまたは複数のプロセッサに、プロセスオートメーション施設の分散コンピューティングシステムにわたってホストされている複数のサーバによってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取得することと、登録済みのエイリアスのリストに対応するネットワーキング情報を使用して、複数のサーバに問合せを行うことと、問合せへの応答に基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを生成することと、更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと照合調整することとを行わせる。
【0011】
さまざまな実装形態では、ネットワーキング情報は、登録済みのエイリアスに対応する接続文字列およびノードIDを含むことができる。さまざまな実装形態では、複数のデータソースのうちの1つまたは複数のデータソースのそれぞれへのアクセスを提供するサーバの各々が、それぞれのDCNによってホストされ得る。さまざまな実装形態では、複数のデータソースのうちの少なくともいくつかが、プロセスオートメーション施設のセンサおよび/またはアクチュエータ用のI/Oチャネルを含むことができる。
【0012】
さまざまな実装形態では、システムは、複数のサーバによってアクセス可能にされた複数のデータソースが、以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースに対応するかどうかを検証するための命令、および複数のサーバによってアクセス可能にされた複数のデータソースと、以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に含まれる概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異を識別するための命令をさらに含むことができる。
【0013】
前述の概念、および本明細書においてより詳細に説明する追加の概念の、全ての組合せが、本明細書において開示する本主題の一部であるものとして企図されることを理解されたい。例えば、本開示の末尾に現れる特許請求の範囲において特許請求される主題の全ての組合せが、本明細書において開示する本主題の一部であるものとして企図される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】さまざまな実施形態による、本開示の選択された態様が実装されることが可能な環境を概略的に示す図である。
【
図2】さまざまな実施形態による、本明細書において説明する技法をどのように実装することができるかについての一例を概略的に示す図である。
【
図3】本開示の選択された態様を実施するための例示的な方法を示す図である。
【
図4】本開示の選択された態様をその上に実装することのできる、例示的なコンピュータアーキテクチャを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において記載される実装形態は、エイリアス構成ファイルを、登録済みのエイリアスと、例えば更新されたエイリアス構成ファイルを作成しそれらを以前に作成されたエイリアス構成ファイルと比較することによって、照合調整することに関する。オリジナルのエイリアス構成ファイルと、更新されたエイリアス構成ファイルとの差異は、例として、どんな変更が加えられたかに関して適切な人員に通知する、応答のないノードおよび/または機能不全のノードを識別する、などのために使用することができる。例えば、新規に取り出された登録済みのエイリアスを使用して、それらのエイリアスを以前に登録した個々のDCNに、問合せを行うことができる。さまざまなものの中でもとりわけ、これにより、応答のない/機能不全のDCNの迅速な識別が可能になり得る。
【0016】
ここで
図1を参照すると、本開示のさまざまな態様が実装され得る例示的な環境100が概略的に示されている。プロセスオートメーション施設108内で、プロセスオートメーション管理システム102がプロセスオートメーションネットワーク106と動作可能に結合されている。プロセスオートメーション施設108は、多数の形態をとることができ、少なくとも一部が自動化された任意数のプロセスを実施するように設計することができる。例えば、プロセスオートメーション施設108は、化学処理プラント、石油または天然ガス精製所、触媒工場、製造施設、海上石油プラットフォームなどの形態をとることができる。
【0017】
プロセスオートメーションネットワーク106は、限定はしないが、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.3標準(イーサネット)、IEEE802.11(Wi-Fi)、3GPP(登録商標)ロングタームエボリューション(「LTE」)や3G、4G、5G、およびそれ以降と称する他のワイヤレスプロトコルなどのセルラーネットワーク、ならびに/またはさまざまなタイプのトポロジー(例えばメッシュ)をもつ他のタイプの通信ネットワークを含む、さまざまな有線および/またはワイヤレス通信技術を使用して実装することができる。プロセスオートメーションはしばしば、人的安全性と利害関係者に対する財務コストの両方の点で失敗コストが大きくなる傾向のあるシナリオにおいて用いられる。したがって、さまざまな実装形態では、プロセスオートメーションネットワーク106は、高可用性(HA)および/または高サービス品質(QoS)を可能にするための冗長および/またはバックアップを用いて構成することができる。
【0018】
プロセスオートメーション管理システム102は、グローバルディスカバリサーバ(GDS)104と、エイリアス照合調整モジュール107と、本開示の選択された態様を実践するためにGDS104および/またはエイリアス照合調整モジュール107によって使用される情報を記憶するデータベース105とを含むことができる。GDS104および/またはエイリアス照合調整モジュール107など、プロセスオートメーション管理システム102のさまざまな態様は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せを使用して実装することができる。いくつかの実装形態では、プロセスオートメーション管理システム102は、しばしば「クラウドインフラストラクチャ」または単に「クラウド」と呼ばれるものの一部として複数のコンピュータシステムにわたって実装することができる。しかし、これは必須ではなく、
図1では、例として、プロセスオートメーション管理システム102は、例えば単一の建物内の、または複数の建物からなる単一の構内もしくは他の産業インフラストラクチャにわたる、プロセスオートメーション施設108内に実装される。そのような実装形態では、プロセスオートメーション管理システム102は、1つまたは複数のサーバコンピュータ上など、1つまたは複数のローカルコンピューティングシステム上に実装することができる。
【0019】
プロセスオートメーション管理システム102に加えて、多様な他のノードが、プロセスオートメーションネットワーク106と動作可能に結合されている。
図1では、例として、N(正の整数)個のDCN110-1から110-Nが、プロセスオートメーションネットワーク106と動作可能に結合されている。各DCNは、メモリ内の命令を実行するプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など、さまざまな形態をとることのできる回路またはロジック112を含むことができる。各DCN110は、プロセスオートメーションネットワーク106内で果たすべき特定の役割を有することができる。例として、「コンピュート(compute)」DCNは、さまざまな「フィールド」デバイス(例えばセンサおよび/またはアクチュエータを有するデバイス)が相互にインターフェースしていくつかの数の機能制御ブロック(FB)を実施するプロセスループ(例えば化学プロセスループ)を、制御することができる。
【0020】
各DCN110は、「チャネル」としてアクセス可能であるとともにその運用技術(operational technology:OT)ケイパビリティの少なくとも一部を、より一般にはプロセスオートメーション施設108におけるその役割を規定する、さまざまな入力/出力(I/O)コンポーネントを有することができる。例えば、第1のDCN110-1は、フロートランスミッタ(FT)コンポーネント114-1およびアクチュエータ(例えば弁)116-1を含む。いくつかの実装形態では、DCN110-1(または本明細書において述べた他の任意のDCN)上に実装されたソフトウェアコンポーネントが、アナログ信号をデジタルに変換し、かつ/または例として異なる測定単位間で信号を変換することができる。それに加えて、いくつかの実装形態では、DCN110-1上に実装されたソフトウェアコンポーネントが、さまざまなプロトコル間でデータを翻訳するように構成することができる。例えば、特定のベンダのDCN(または他のレガシーデバイス)が、OPC Unified Architecture(OPC UA)を使用してデータを通信するようにネイティブに構成されていないことがある。いくつかのそのような実装形態では、別のDCN110をデプロイして、このデータをそのベンダのプロプライエタリフォーマットからOPC UAに翻訳することができる。いくつかのそのようなDCN110は、レガシー技術とOPC UAなどの標準との間のリンクを形成するので、「ゲートウェイ」または「ブリッジ」と呼ばれることがある。
【0021】
アクチュエータ116-1(および本明細書において説明する他のアクチュエータ)は、プロセスオートメーション施設108において行われるプロセスオートメーションワークフローの何らかの態様に影響を及ぼすように制御可能な、任意の電気コンポーネント、液圧コンポーネント、機械コンポーネント、および/または空気圧コンポーネントとすることができる。多くの場合、アクチュエータ116は、センサ信号、またはコンピュートDCN(それら自体はセンサ信号がないかどうか監視することができる)からのコマンドなど、さまざまな信号に応答して、その機能を実施することができる。アクチュエータ116のいくつかの非限定的な例としては、限定はしないが、弁、ピストン、回転子、スイッチ、加熱器、冷却器、撹拌器、インジェクタ、真空を生み出す装置、ベルト、トラック、歯車、グリッパ、モータ、リレー、サーボ機構などがある。
【0022】
各DCN110は、他の、1つまたは複数の(例えば全ての)DCN110とは異なるOTケイパビリティを有することができる。
図1では、例として、第2のDCN110-2は、FTコンポーネント114-2を含むが、アクチュエータは含まない。第3のDCN110-3は、センサ118-3を含むが、アクチュエータは含まない。センサ118-3(および本明細書の別の場所のセンサ)は、限定はしないが、圧力センサ、温度センサ、流量センサ(例えばFTコンポーネント114)、さまざまなタイプの近接センサ、光センサ(例えばフォトダイオード)、圧力波センサ(例えばマイクロホン)、湿度センサ(例えばヒューミスタ)、放射線量計、レーザ吸収分光器(例えばマルチパス光学セル)などを含む、さまざまな形態をとることができる。第1のDCN110-1のように、第4のDCN110-4も、FTコンポーネント114-4とアクチュエータ116-4の両方を含む。
【0023】
DCN110-1から110-4とは異なり、DCN110-Nは、どんな入力/出力(アクチュエータまたはセンサ)コンポーネントも含まない。そうではなく、DCN110-Nは、少なくとも一部が自動化されたプロセスを実施する目的で、それ自体とプロセスオートメーションネットワーク106上の1つまたは複数の他のDCN110との間の協調を促進することが役割である、「コンピュートオンリー」DCNとすることができる。例えば、DCN110-Nは、1つまたは複数の他のDCN110が関与する単一のプロセスループ(例えば化学プロセス制御ループ)を制御することができる。いくつかの場合には、コンピュートDCN110は、航空機上の自動操縦装置と同様の役割を実施することができ、すなわちコンピュートDCN110は、さまざまな信号を受信し、それらの信号ならびにさまざまな基準および/またはしきい値に基づいて、さまざまなアクチュエータを制御することができる。例えば、コンピュートDCN110は、さまざまなセンサ118を監視して、化学的レベル(chemical level)、(例えば弁を通る)流量、タンク温度、制御レート(control rate)などについてのデータを確認することができ、またこれらのデータならびに/またはこれらのデータとさまざまな基準および/もしくはしきい値との比較に基づいて、1つまたは複数のアクチュエータ116を制御することができる。例として、コンピュートDCN110-Nは、DCN116-4に、DCN116-4に固有のプロトコルに任意選択で準拠してよい対応するコマンドを送信することによって、アクチュエータ116-4を制御することができる。
【0024】
多くのDCNは、複数の物理的なI/Oコンポーネントを有することがあり、したがって、例えば、他のDCN、GDS104、エイリアス照合調整モジュール107など、他のデバイスまたはシステムによってアクセスすることのできる複数のI/Oチャネルを有することがある。例えば、各DCN110は、DCN110のI/Oチャネルを含むDCNのさまざまなデータソースへのアクセスを提供する、OPC UAサーバなどのサーバをホストすることができる。DCN110上で動作するOPC UAクライアントなどのクライアントアプリケーションが、例としてFTコンポーネント114、センサ118などのセンサに関連する入力チャネルからデータを読み取れるように、DCNによってホストされるサーバに接続することができる。同様に、クライアントアプリケーションは、出力チャネルにデータを書き込むために、例えば制御信号またはコマンドをアクチュエータ116に提供するために、DCNによってホストされるサーバに接続することができる。
【0025】
上で言及したように、複雑なプロセスオートメーション施設108にわたってデプロイされているDCNの無数のデータソース(例えばI/Oチャネルおよび/または他のデータソース)を、(本明細書において「ノードID」と呼ばれる)従来のノード識別子を使用して追跡すると、さまざまな課題が生じることがある。インターネットプロトコル(IP)アドレスおよび/または伝送制御プロトコル(TCP)ポートを含むことのできる、個々のノードの接続文字列、ならびにそれらのノードを介してアクセス可能である個々のコンポーネントを識別するために使用されるノードIDは、人間によって容易に解釈可能ではなく、または人間にとって意味のあるものではなく、かつ容易にスケール変更することができない。したがって、DCNによって利用可能にされたさまざまなデータソースに、人間が解釈可能なおよび/または人間にとって意味のあるエイリアスを割り当てるために、GDS104が使用される。
【0026】
一例として、DCN110上で実行されているOPC UAサーバには、例えばOPC UAクライアントによって、以下の接続文字列
opc.tcp://10.0.1.1:48010
を使用することにより到達可能である。「opc.tcp」という文字は、使用する接続プロトコルを指定することができる。「10.0.1.1」という数字は、OPC UAサーバを実行しているDCNのIPアドレスとすることができる。「48010」という数字は、OPC UAサーバがそれに対して接続をリスンし受け入れているTCPポートすることができる。このOPC UAサーバは、I/Oチャネルや他の複数のデータ(例えばメモリ内に記憶されたセンサ読取値、計算結果、セマフォ値など)など、複数のデータソースへのアクセスを提供することができる。これらの個々のデータソースはそれぞれ、
ns=5;i=5242
などのノードIDを使用して参照することができる。OPC UAクライアント、ひいてはそれを制御する人物は、特定のデータソースにアクセスするために、これらの非直感的な値および/または暗号のような値を両方とも知っている必要がある場合がある。
【0027】
したがって、DCN上で実行されているOPC UAサーバは、エイリアスネームサーバ(Alias Name Server:ANS)を使用してGDS104にエイリアスを登録することができる。これにより、人間が解釈可能なエイリアス(例えば「MyAlias1」)を上述した接続文字列とノードIDの両方にマッピングするエイリアスが作成されることが可能になる。換言すれば、エイリアスはOPC UAクライアントのために、どのOPC UAサーバで、またそのOPC UAサーバ上のどこで、特定のデータソースにアクセスできるかを識別する。後に、そのデータソースにアクセスしようとするOPC UAクライアントが、エイリアス(例えば「MyAlias1」)を使用してGDS104に照会することができる。GDS104はそれに応答して、対応する接続文字列およびノードIDを含むネットワーキング情報を提供することができる。次いで、OPC UAクライアントは、このネットワーキング情報を使用して、対応するOPC UAサーバに接続し、そのデータソースからデータを読み取り、かつ/またはそのデータソースにデータ(例えば制御信号もしくはコマンド)を書き込むことができる。
【0028】
先に言及したように、エイリアスはしばしば、例えばエイリアスおよび対応する接続文字列/ノードIDのリストを含む構成ファイルによって、バッチにて定められる。構成ファイルを構成ツールに提供することができ、構成ツールは、エイリアスを作成し、対応するDCNに、それらのエイリアスをGDS104に登録させる。時間の経過とともに、プロセスオートメーション施設に変更が起こることがあり、それらの変更が、システムインテグレータのオリジナルの構成ファイルを陳腐にさせることがある。例えば、追加のエイリアスが個々のDCNにおいて別々に登録されることがある、ハードウェアが故障することがある、かつ/またはハードウェアが交換されることがある、などである。したがって、以前に利用されたエイリアス構成ファイルを、GDS104によって維持されるエイリアスと比較し、さまざまな応答アクションを実施するように、本開示の選択された態様を用いて照合調整モジュール107を構成することができる。
【0029】
ローカルクライアントデバイス122-Aおよびリモートクライアントデバイス122-Bも
図1に示されている。これらのクライアントデバイスは、プロセスオートメーション管理システム102のさまざまな態様を構成し、かつ/またはプロセスオートメーション管理システム102のさまざまな態様とインタラクションするように、システムインテグレータなどの人員によって動作可能であり得る。例えば、ユーザは、あるDCN110上で実行されているOPC UAクライアントを別のDCN110上で実行されているOPC UAサーバに接続するように、クライアントデバイス122を動作させることができる。ローカルクライアントデバイス122-Aは、106など、1つまたは複数のローカルエリアネットワークを介して、プロセスオートメーション管理システム102に接続させることができる。リモートクライアントデバイス122-Bは、インターネットなど、1つまたは複数の広域ネットワーク(120)を介して、プロセスオートメーション管理システム102に接続することができる。
【0030】
図2は、さまざまな実施形態による、本明細書において説明する技法をどのように実装することができるかについての一例を概略的に示す。左下から開始すると、例えばクライアントデバイス(例えば122-Aまたは122-B)を操作しているシステムインテグレータによって、エイリアス構成ファイル230-Aを作成することができる。エイリアス構成ファイル230-Aは、接続文字列/ノードIDとエイリアスとの間の意図されたマッピングを含むことができる。エイリアス構成ファイル230-A(ならびに本明細書において説明する他のエイリアス構成ファイル)は、限定はしないが、JavaScriptオブジェクト表記法(JavaScript Object Notation:JSON)、拡張マークアップ言語(extensible markup language:XML)、スプレッドシートデータなどを含む、さまざまな形態および/またはフォーマットをとることができる。いくつかの場合には、エイリアス構成ファイル230-Aを、例えば(ハードウェアまたはソフトウェアの任意の組合せを使用して実装することのできる)構成ツール232が、バッチエイリアス登録ファイルとして使用することができ、このバッチエイリアス登録ファイルが構成ツール232に、エイリアス構成ファイル230-A内にエイリアスが含まれている複数のDCN210-1から210-Nにおけるエイリアスを作成させる。
【0031】
例えば、構成ツール232は、エイリアスの接続文字列を使用して、DCN210-1上で実行されているOPC UAサーバに接続することができる。次いで、そのエイリアスに関連付けられた接続文字列/ノードIDの1つまたは複数の対を、DCN210-1に送信することができる。DCN210-1から210-Nは、それらのエイリアスをGDS104に登録することができる。その後、GDS104に、例えばDCN210-1から210-N上で実行されているOPC UAクライアントが照会して、エイリアスから接続文字列およびノードIDを特定することができる。
【0032】
システムインテグレータまたは他の人員が、エイリアス構成ファイル230-Aを、エイリアスを対応する接続文字列およびノードIDに正確にマッピングしたものとして利用することは、一般的である。しかし、先に言及したように、構成ファイル230-Aは時間の経過とともに陳腐になることがある。例えば、(例えばクライアントデバイス122を使用して)GDS104において直接、かつ/または1つもしくは複数のDCN210を介して、エイリアスに変更が加えられることがある。これらの変更は、エイリアス構成ファイル230-Aに反映されないことがある。その結果、システムインテグレータは、現在のエイリアスの誤った理解に基づいて、さまざまなアクションを間違って実施するおそれがある。
【0033】
したがって、
図2に破線矢印によって表される、本明細書において説明する技法は、システムインテグレータが「更新された」エイリアス構成ファイル230-Bを生成できるようにする。このプロセスは、例えば構成ツール232において受信されたコマンドに応答して、自動的におよび/または手動によりトリガすることができる。次いで、この更新されたエイリアス構成ファイル230-Bを、照合調整、オリジナルのエイリアス構成ファイル230-Aとのマージ、機能不全のまたは欠如しているDCN/OPC UAサーバの識別など、さまざまな目的に使用することができる。
【0034】
図2に示すように、さまざまな実装形態では、エイリアス照合調整モジュール107を、例えばGDS104などのエイリアスサーバから、プロセスオートメーション施設の複数のDCNによってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取り出すように構成することができる。このネットワーキング情報は、例えば、登録済みのエイリアスに対応する接続文字列およびノードIDを含むことができる。エイリアス照合調整モジュール107は、本明細書における動作のうちの多くを実施するものとして図示および説明されているが、これは限定することを意図するものではない。さまざまな実装形態では、構成ツール232を、本開示の選択された態様を実施するように構成することができる。いくつかの場合には、構成ツール232は、GDS104および/またはエイリアス照合調整モジュール107など、他のコンポーネントに接続することのできる能力を提供することができる。
【0035】
ネットワーキング情報に基づいて、エイリアス照合調整モジュール107は、どのDCN(またはより詳細にはどのOPC UAサーバ)が活動状態であるか、ならびにどのデータソース(例えばI/Oチャネル)が引き続き利用可能であるかを決定するために、複数のDCNに問合せを行うことができる。例えば、エイリアス照合調整モジュール107は、各OPC UAサーバによって提供されることになっている各読出し可能データソースから、データを読み出そうと試みることができる。読出し可能データソースとしては、例として、センサに関連する入力チャネル、(例えばアクチュエータに提供されている電流制御信号を読み出すための)アクチュエータに関連する出力チャネル、関心のある情報(途中集計、計算結果、セマフォなど)を記憶する共有メモリロケーションなどがあり得る。いくつかの場合には、エイリアス照合調整モジュール107はまた、1つまたは複数のデータソースに書き込もうと試みることができる。例えば、エイリアス照合調整モジュール107は、制御ループまたは産業プロセス全体にリスクをもたらさないと仮定して、制御信号をアクチュエータに送出しようと試みることもでき、あるいは共有メモリロケーションに書き込もうと試みることもできる。
【0036】
問合せに基づいて、例えば問合せへの応答に基づいて、エイリアス照合調整モジュール107は、更新されたエイリアス構成ファイル230-Bを生成することができる。更新されたエイリアス構成ファイル230-Bは、問合せに応答したDCN210(例えば、およびそれらが実行するOPC UAサーバ)についてのネットワーキング情報を含むことができる。応答しなかったDCNまたはサーバがあればそれは、更新されたエイリアス構成ファイル230-B内に含めることはできない。それに加えてまたはその代わりに、いくつかの実装形態では、エイリアス照合調整モジュール107は、GDS104によって識別されるDCNだけでなく、利用可能などんなDCNにも問合せを行うことができる。例えば、エイリアス照合調整モジュール107は、接続文字列だけを使用してDCNに接続することができ、それらのDCN(またはより詳細には、それらのDCNのOPC UAサーバ)に、GDS104上のノードIDによって表されるデータソースだけでなく、利用可能なデータソースがないかどうか問合せを行うことができる。どちらの場合にも、これにより、追加のDCN、I/Oチャネルなど、1つまたは複数の追加のデータソースを有する更新されたエイリアス構成ファイル230-Bがもたらされ得る。
【0037】
次いで、さまざまなアクションを実施することができる。例えば、更新されたエイリアス構成ファイル230-Bを、オリジナルのエイリアス構成ファイル230-Aと比較することができる。更新されたエイリアス照合調整ファイル230-B内にリストされている、複数のDCN210によってアクセス可能にされた複数のデータソースと、以前に利用されたエイリアス構成ファイル230-A内に含まれる概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異(欠如しているデータソース、追加のデータソース)を識別することができる。ファイル230-A内のデータソースは「概念的な」と記載され、というのもそれらは、意図されたデータソースとして作成された可能性があり、必ずしも実際にアクセス可能なデータソースとして検証されたとは限らない可能性があるためである。識別された差異に基づいて、エイリアス照合調整モジュール107(または別のコンポーネント、例えばクライアントデバイス122上で実行されているクライアントアプリケーション)は、識別された差異のうちの1つまたは複数を伝達する出力をレンダリングさせることができる。例えば、システムインテグレータに、問合せの間に到達可能ではなかったDCN、OPC UAサーバ、および/もしくは個々のデータソース(例えばI/Oチャネル)、または問合せの間に明らかにされた追加のデータソースがあればそれを含む、レポートまたはリストをもたらすことができる。
【0038】
いくつかの実装形態では、GDS104からエイリアス照合調整モジュール107によって取得されるネットワーキング情報は、登録済みのエイリアスのリストを含むことができる。いくつかのそのような実装形態では、エイリアス照合調整モジュール107は、例えば問合せの間に、複数のDCN210-1から210-Nから、ローカルに登録されたエイリアスも取得することができる。次いで、エイリアス照合調整モジュール107は、GDS104から取り出された登録済みのエイリアスのリストを、ローカルに登録されたエイリアスと比較することができる。このようにして、エイリアス照合調整モジュール107は、GDS104がDCN210-1から210-Nの現在の状態と対応しているかどうかを確認することができる。
【0039】
図3は、本明細書において開示する実装形態による、本開示の選択された態様を実践する例示的な方法300を示すフローチャートである。便宜上、フローチャートの動作については、それらの動作を実施するシステムを参照して説明する。本システムは、GDS104を含む、プロセスオートメーション管理システム102の1つまたは複数のコンポーネントなど、さまざまなコンピュータシステムのさまざまなコンポーネントを含むことができる。さらに、方法300の動作は特定の順序で示されているが、これは限定することを意図するものではない。1つまたは複数の動作を、並べ替え、省略し、または追加することができる。
【0040】
ブロック302において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、GDS104などのエイリアスサーバから、プロセスオートメーション施設の複数のDCNによってアクセス可能にされた複数のデータソースの登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報を取り出すことができる。このネットワーキング情報は、例として、例えばDCN210-1から210-NによってGDS104に登録されたエイリアスのリストを含むことができる。
図3には示していないが、いくつかの実装形態では、オリジナルのエイリアス照合調整ファイル(
図2の230-A)が、例えば複数のDCNにわたってエイリアスを作成するために、またそれらのエイリアスのGDS104への登録をトリガするために、以前に使用されていた可能性がある。そのような場合、
図3の続く動作のいくつかは、そのバッチエイリアス登録の完全性を検証するという目的を果たすことができる。
【0041】
ブロック304において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、登録済みのエイリアスに対応するネットワーキング情報に基づいて、複数のDCNに問合せを行うことができる。ブロック304の問合せへの応答に基づいて、ブロック306において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、更新されたエイリアス構成ファイル(例えば
図2の230-B)を生成することができる。ブロック308において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイル(例えば
図2の230-A)と比較することができる。この比較することに基づいて、エイリアス照合調整モジュール107は、多様な異なるアクションを実施することができる。
【0042】
例えば、ブロック310において、エイリアス照合調整モジュール107は、更新されたエイリアス構成ファイル(230-B)内のデータソースが、オリジナルのエイリアス構成ファイル(230-A)内にリストされた概念的な複数のデータソース(これらは本明細書において「概念的な」と呼ばれ、というのもそれらは、利用可能であることが期待され/意図され、必ずしも実際に利用可能なものであるとは限らない、データソースであるためである)に対応するかどうかを検証することができる。このようにして、システムは、オリジナルのエイリアス構成ファイル(230-A)が作成され、個々のDCNに対してエイリアスを構成するためにそれが使用されたときに実施された、エイリアスの以前のデプロイメントを検証することができる。
【0043】
ブロック310の検証に基づいて、ブロック312において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、複数のDCNによって実際にアクセス可能にされた複数のデータソース(例えば問合せに応答したデータソース)と、以前に利用されたエイリアス構成ファイル(230-A)内に含まれる概念的な複数のデータソースとの、1つまたは複数の差異を識別することができる。ブロック314において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、ブロック312において識別された差異のうちの1つまたは複数を伝達する出力をレンダリングさせることができる。例えば、クライアントデバイス122が、以前に利用されたエイリアス構成ファイル(230-A)内に識別されたが、問合せに応答しなかったデータソースのリスト、または以前に利用されたエイリアス構成ファイル内に見いだされなかったが、更新されたエイリアス構成ファイル(230-B)内に含まれていたデータソースのリストを含む、視覚的出力をレンダリングすることができる。
【0044】
別の例として、ブロック316において、システムは、例えばエイリアス照合調整モジュール107によって、比較することに基づいて、更新されたエイリアス構成ファイルを、以前に利用されたエイリアス構成ファイルと、例えば重複するエントリをなくし、両方からの一意のデータソースを全て含めるための新しいエントリを作成することによって、マージすることができる。別の例として、ブロック318において、システムは、比較することに基づいて、以前に利用されたエイリアス構成ファイルを更新することができる。このようにして、システムインテグレータは、オリジナルのエイリアス構成ファイル230-Aがリアルタイムで正確であることを利用することができる。
【0045】
図4は、本明細書において開示する技法の1つまたは複数の態様を実施するために任意選択で利用することのできる、例示的なコンピューティングデバイス410のブロック図である。コンピューティングデバイス410は、典型的には、いくつかの周辺デバイスとバスサブシステム412を介して通信する少なくとも1つのプロセッサ414を含む。これらの周辺デバイスは、例えばメモリサブシステム425およびファイルストレージサブシステム426を含むストレージサブシステム424、ユーザインターフェース出力デバイス420、ユーザインターフェース入力デバイス422、ならびにネットワークインターフェースサブシステム416を含むことができる。入力デバイスおよび出力デバイスは、コンピューティングデバイス410とのユーザインタラクションを可能にする。ネットワークインターフェースサブシステム416は、外部ネットワークへのインターフェースを提供し、他のコンピューティングデバイス内の対応するインターフェースデバイスに結合される。
【0046】
ユーザインターフェース入力デバイス422は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール、タッチパッド、もしくはグラフィックタブレットなど)、スキャナ、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、オーディオ入力デバイス(音声認識システム、マイクロホンなど)、および/または他のタイプの入力デバイスを含むことができる。一般に、「入力デバイス」という用語の使用は、情報をコンピューティングデバイス410内に、または通信ネットワーク上に入力するための、可能なあらゆるタイプのデバイスおよび方途を含むことが意図されている。
【0047】
ユーザインターフェース出力デバイス420は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファクス装置、またはオーディオ出力デバイスなどの非視覚的ディスプレイを含むことができる。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルデバイス、投影デバイス、または可視画像を作り出すための他の何らかのメカニズムを含むことができる。ディスプレイサブシステムは、オーディオ出力デバイスを介するなどして、非視覚的ディスプレイを提供することもできる。一般に、「出力デバイス」という用語の使用は、情報をコンピューティングデバイス410からユーザに、または別のマシンもしくはコンピューティングデバイスに出力するための、可能なあらゆるタイプのデバイスおよび方途を含むことが意図されている。
【0048】
ストレージサブシステム424は、本明細書において説明したモジュールの一部または全てのモジュールの機能を提供するプログラミング構造およびデータ構造を記憶する。例えば、ストレージサブシステム424は、
図3の方法の選択された態様を実施するための、また
図1~
図2に示したさまざまなコンポーネントを実装するための、ロジックを含むことができる。
【0049】
これらのソフトウェアモジュールは一般に、プロセッサ414単独で、またはプロセッサ514と他のプロセッサとの組合せによって、実行される。ストレージサブシステム424内で使用されるメモリ425は、プログラム実行中に命令およびデータを記憶するための主ランダムアクセスメモリ(RAM)430、ならびに固定の命令が中に記憶される読出し専用メモリ(ROM)432を含む、いくつかのメモリを含むことができる。ファイルストレージサブシステム426は、プログラムファイルおよびデータファイルのための永続ストレージを提供することができ、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブおよび関連するリムーバブルメディア、CD-ROMドライブ、光学式ドライブ、またはリムーバブルメディアカートリッジを含むことができる。いくつかの実装形態の機能を実装したモジュールは、ファイルストレージサブシステム426によって、ストレージサブシステム424内に、またはプロセッサ414からアクセス可能な他のマシン内に、記憶することができる。
【0050】
バスサブシステム412は、コンピューティングデバイス410のさまざまなコンポーネントおよびサブシステムを意図した通りに相互に通信させるためのメカニズムを提供する。バスサブシステム412は、単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実装形態では複数のバスを使用することができる。
【0051】
コンピューティングデバイス410は、ワークステーション、サーバ、コンピューティングクラスタ、ブレードサーバ、サーバファーム、または他の任意のデータ処理システムもしくはコンピューティングデバイスを含む、さまざまなタイプのものとすることができる。コンピュータおよびネットワークの常に変化する性質のため、
図4に示したコンピューティングデバイス410についての説明は、いくつかの実装形態を例示することを目的とした一特定例として意図されているにすぎない。
図4に示したコンピューティングデバイスよりも多数または少数のコンポーネントを有する、コンピューティングデバイス410の他の多くの構成が可能である。
【0052】
以上、いくつかの実装形態について、本明細書において説明し、図示してきたが、本明細書において説明した機能を実施するための、かつ/あるいは本明細書において説明した結果および/または利点のうちの1つもしくは複数の利点を取得するための、多様な他の手段および/または構造を利用することができ、そのような変形形態および/または修正形態はそれぞれ、本明細書において説明した実装形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般には、本明細書において説明した全てのパラメータ、寸法、材料、および構成は、例示的であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本教示が使用される1つまたは複数の特定の応用例に応じて決まる。当業者なら、本明細書において説明した特定の実装形態の多くの等価物を認識し、または通常の実験だけを使用してそれを確認することができよう。したがって、前述の実装形態は、ほんの一例として提示されたものであること、ならびに添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、具体的に説明し特許請求した以外の方法でも実装形態を実践できることを理解されたい。本開示の実装形態は、本明細書において説明した各個別の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。それに加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法のどんな組合せも、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
100 環境
102 プロセスオートメーション管理システム
104 グローバルディスカバリサーバ(GDS)
105 データベース
106 プロセスオートメーションネットワーク
107 エイリアス照合調整モジュール
108 プロセスオートメーション施設
110 DCN、コンピュートDCN
110-1 第1のDCN
110-2 第2のDCN
110-3 第3のDCN
110-4 第1のDCN
110-N DCN、コンピュートDCN
112 回路またはロジック
114 FTコンポーネント
114-1 フロートランスミッタ(FT)コンポーネント
114-2 FTコンポーネント
114-4 FTコンポーネント
116 アクチュエータ
116-1 アクチュエータ(例えば弁)
116-4 アクチュエータ、DCN
118 センサ
118-3 センサ
120 広域ネットワーク
122 クライアントデバイス
122-A ローカルクライアントデバイス
122-B リモートクライアントデバイス
210 DCN
210-1から210-N DCN
230-A オリジナルのエイリアス構成ファイル、以前に利用されたエイリアス構成ファイル、オリジナルのエイリアス照合調整ファイル
230-B 更新されたエイリアス構成ファイル、更新されたエイリアス照合調整ファイル
232 構成ツール
300 方法
410 コンピューティングデバイス
412 バスサブシステム
414 プロセッサ
416 ネットワークインターフェースサブシステム
420 ユーザインターフェース出力デバイス
422 ユーザインターフェース入力デバイス
424 ストレージサブシステム
425 メモリサブシステム、メモリ
426 ファイルストレージサブシステム
430 主ランダムアクセスメモリ(RAM)
432 読出し専用メモリ(ROM)
【外国語明細書】