(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096055
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240704BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240704BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20240704BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240704BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/30 338
H10K59/122
H10K59/65
H10K71/20
H10K50/84
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220086
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0190608
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ハンサップ
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ユホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ソンギ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC28
3K107CC41
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE68
3K107FF15
3K107GG11
5C094AA31
5C094BA27
5C094DA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カメラまたはセンサが配置される領域で透過率が改善された表示装置を提供する。
【解決手段】本明細書の一実施例に係る表示装置100は、発光領域及び透過領域を含む光学領域DA1及び光学領域を囲む一般領域NAを含む表示領域DA及び非表示領域NDAを含む基板、表示領域で基板上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む複数の発光素子、平坦化層上でアノードの末端を覆うように配置されるバンク、及び光学領域で発光領域及び透過領域のうち透過領域で発光層上に配置される蒸着防止層を含み、バンクは、光学領域で発光領域及び透過領域のうち発光領域に配置される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光領域及び透過領域を含む光学領域と前記光学領域を囲む一般領域とを含む表示領域、並びに非表示領域を含む基板;
前記表示領域で前記基板上に配置される平坦化層;
前記平坦化層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む複数の発光素子;
前記平坦化層上でアノードの末端を覆うように配置されるバンク;及び
前記光学領域の前記発光領域及び前記透過領域のうち前記透過領域で前記発光層上に配置される蒸着防止層を含み、
前記バンクは、前記光学領域の前記発光領域及び前記透過領域のうち前記発光領域に配置される、表示装置。
【請求項2】
前記光学領域で前記基板の下部に配置される光学電子装置をさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光学領域の前記透過領域で前記蒸着防止層は、平らな面に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光学領域の前記透過領域で前記発光層の下面は、前記平坦化層と接する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記光学領域で前記蒸着防止層と前記バンクは、互いに重畳しない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光学領域の前記発光領域に配置された前記カソードの側面と前記光学領域の前記透過領域に配置された前記蒸着防止層の側面は、互いに接する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記蒸着防止層は、厚さが一定である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記蒸着防止層は、
厚さが一定である第1部分;及び
前記第1部分を囲むように配置され、前記第1部分より厚さが薄い第2部分を含む、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2部分の厚さは、前記第1部分から離れるほど減少する、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1部分と前記第2部分は、一体であり、同じ物質からなる、請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示装置に関し、より詳細には、カメラまたはセンサが配置される領域で積層された膜の浮き上がりを防止できる表示装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化時代に入るに伴い、電気的情報信号を視覚的に表示する表示装置分野が急速に発展しており、様々な表示装置に対して、薄型化、軽量化及び低消費電力化等の性能を開発させるための研究が続いている。
【0003】
代表的な表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display;FED)、電気湿潤表示装置(Electro-Wetting Display;EWD)及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display;OLED)等が挙げられる。
【0004】
有機発光表示装置に代表される電界発光表示装置は、自体発光表示装置であって、液晶表示装置とは異なり別途の光源が不要であり、軽量薄型に製造が可能である。また、電界発光表示装置は、低電圧駆動により消費電力の側面で有利であるだけではなく、色相具現、応答速度、視野角、明暗対比比(Contrast Ratio;CR)にも優れており、多様な分野で活用が期待されている。
【0005】
近年、モバイル端末機のマルチメディア機能が向上している。例えば、表示装置の前面にカメラまたはセンサが基本的に内蔵される。しかし、表示装置の前面に配置されたカメラまたはセンサは、画面デザインを制限して画面デザインを難しくしている。表示装置の前面にカメラまたはセンサが占める空間を減らすためにノッチ(notch)またはパンチホール(punch hole)を含むデザインが表示装置に採択されたことがあるが、カメラまたはセンサによって画面の大きさが依然として制限され、フルスクリーンディスプレイ(Full-screen display)を具現することが難しい。
【0006】
フルスクリーンディスプレイを具現するために、表示装置の画面内に低解像度の画素が配置される領域を設け、低解像度の画素が配置される領域にカメラおよび/または各種のセンサを配置する方案が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書の一実施例において解決しようとする課題は、カメラまたはセンサが配置される領域で透過率が改善された表示装置を提供することである。
【0008】
本明細書の他の実施例において解決しようとする課題は、カメラまたはセンサが配置される領域で積層された膜の浮き上がりを防止できる表示装置を提供することである。
【0009】
本明細書のまた他の実施例において解決しようとする課題は、カメラまたはセンサが配置される領域でUV信頼性の評価時にUV光の透過による有機物質のアウトガス(outgassing)の発生による発光部の画素収縮現象を防止できる表示装置を提供することである。
【0010】
本明細書の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、発光領域及び透過領域を含む光学領域及び光学領域を囲む一般領域を含む表示領域及び非表示領域を含む基板、表示領域で基板上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む複数の発光素子、平坦化層上でアノードの末端を覆うように配置されるバンク、及び光学領域で発光領域及び透過領域のうち透過領域で発光層上に配置される蒸着防止層を含み、バンクは、光学領域で発光領域及び透過領域のうち発光領域に配置される。
【0012】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【0013】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、表示領域で発光素子またはタッチ電極の下端にカメラまたはセンサが配置されることで、その上部のディスプレイまたはタッチが切れなくて済む。
【0014】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、カメラまたはセンサが配置された領域と重畳される領域に蒸着防止層を配置し、以後、金属電極を蒸着することで、蒸着防止層上に金属電極のような不透明な構成要素が配置されない透過領域を位置させることができる。これによって、カメラまたはセンサが配置された領域での光透過率が改善されて表示装置の視感度を改善することができる。
【0015】
本明細書に係る効果は、以上において例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】本明細書の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図1b】本明細書の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図1c】本明細書の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図1d】本明細書の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【
図2】本明細書の一実施例に係る表示装置のシステム構成図である。
【
図3】本明細書の一実施例に係る表示パネルのサブ画素の等価回路図である。
【
図4】本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、表示領域のサブ画素の配置を示す図である。
【
図5a】本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【
図5b】本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【
図6】本明細書の一実施例に係る一般領域に配置された一つの画素領域の断面構造を示す断面図である。
【
図7】本明細書の一実施例に係る光学領域内の発光領域及び透過領域の断面構造を示す断面図である。
【
図8a】本明細書の一実施例に係る透過領域と蒸着防止層の位置関係を示す図である。
【
図8b】本明細書の一実施例に係る透過領域を拡大して示す拡大図である。
【
図9】本明細書の他の実施例に係る光学領域内の発光領域及び透過領域の断面構造を示す断面図である。
【
図10a】本明細書の他の実施例に係る透過領域と蒸着防止層の位置関係を示す図である。
【
図10b】本明細書の他の実施例に係る透過領域を拡大して示す拡大図である。
【
図11】本明細書の他の実施例に係るフレキシブル表示装置の第1光学領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下において開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現され、単に、本実施例は、本明細書の開示が完全なものとなるようにし、本明細書の属する技術の分野における通常の知識を有する者に本明細書の一実施例の範疇を完全に知らせるために提供される。
【0018】
本明細書の実施例を説明するための図面に開示された形状、面積、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本明細書の実施例が図示された事項に制限されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本明細書の一実施例を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本明細書の一実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0019】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0020】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0021】
素子または層が他の素子または層の「上(on)」と称されるものは、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。
【0022】
また、第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0023】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0024】
図面で示された各構成の面積及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本明細書の一実施例は、示された構成の面積及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0025】
本明細書の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施してもよい。
【0026】
以下においては、図面を参照して本明細書の一実施例について説明する。
【0027】
図1a乃至
図1dは、本明細書の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
【0028】
図1a乃至
図1dを参照すると、本明細書の一実施例に係る表示装置100は、映像を表示する表示パネルDP及び一つ以上の光学電子装置170、170a、170bを含むことができる。光学電子装置170、170a、170bは、カメラまたはセンサのように光を受信する受光装置を含むことができる。
【0029】
表示パネルDPは、ユーザに映像を表示するためのパネルである。
【0030】
表示パネルDPは、映像を表示するための表示素子、表示素子を駆動するための駆動素子、及び表示素子及び駆動素子に各種の信号を伝達する配線等を備えることができる。表示素子は、表示パネルDPの種類によって異に定義され得、例えば、表示パネルDPが有機発光表示パネルである場合、表示素子は、アノード、発光層及びカソードを含む有機発光素子であってよい。例えば、表示パネルDPが液晶表示パネルである場合、表示素子は、液晶表示素子であってよい。
【0031】
以下においては、表示パネルDPが有機発光表示パネルであるものと仮定するが、表示パネルDPが有機発光表示パネルに制限されるものではない。
【0032】
一方、表示パネルDPは、基板、及び基板上の多数の絶縁膜、トランジスタ層及び発光素子層等を含んで構成され得る。表示パネルDPは、映像表示のために、多数のサブ画素及び多数のサブ画素を駆動するための各種の信号ラインを含むことができる。信号ラインは、多数のデータライン、多数のゲートライン、多数の電源ライン等を含むことができる。このとき、多数のサブ画素それぞれは、トランジスタ層に位置するトランジスタ及び発光素子層に位置する発光素子を含むことができる。
【0033】
表示パネルDPは、表示領域DA及び非表示領域NDAを含むことができる。
【0034】
表示領域DAは、表示パネルDPで映像が表示される領域である。
【0035】
表示領域DAには、多数の画素を構成する多数のサブ画素及び多数のサブ画素を駆動するための回路が配置され得る。多数のサブ画素は、表示領域DAを構成する最小単位であり、多数のサブ画素それぞれに表示素子が配置され得、多数のサブ画素は、画素を構成できる。例えば、多数のサブ画素それぞれにアノード、発光層及びカソードを含む有機発光素子が配置され得るが、これに制限されない。また、多数のサブ画素を駆動するための回路には、駆動素子及び配線等が含まれ得る。例えば、回路は、薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ、ゲートライン、データライン等からなり得るが、これに制限されない。
【0036】
非表示領域NDAは、映像が表示されない領域である。
【0037】
非表示領域NDAは、ベンディングされて前面で見えないか、ケース(図示しない)により隠され得、ベゼル領域ともいう。
【0038】
図1a乃至
図1dにおいて、非表示領域NDAが四角形状の表示領域DAを囲んでいるものと示したが、表示領域DAと非表示領域NDAの形態及び配置は、
図1a乃至
図1dに示された例に制限されない。即ち、表示領域DA及び非表示領域NDAは、フレキシブル表示装置100を搭載した電子装置のデザインに適した形態であってよい。例えば、表示領域DAの例示的な形態は、五角形、六角形、円形、楕円形等であってもよい。
【0039】
非表示領域NDAには、表示領域DAの有機発光素子を駆動するための多様な配線及び回路等が配置され得る。例えば、非表示領域NDAには、表示領域DAの多数のサブ画素及び回路に信号を伝達するためのリンク配線、GIP(Gate-In-Panel)配線、またはゲートドライバIC、データドライバICのような駆動IC等が配置され得るが、これに制限されない。
【0040】
表示装置100は、多様な信号を生成するか表示領域DA内の画素を駆動するための、多様な付加要素をさらに含むことができる。画素を駆動するための付加要素は、インバータ回路、マルチプレクサ、静電気放電(Electro Static Discharge;ESD)回路等を含むことができる。表示装置100は、画素の駆動以外の機能と関連した付加要素も含むことができる。例えば、表示装置100は、タッチ感知機能、ユーザ認証機能(例;指紋認識)、マルチレベル圧力感知機能、触覚フィードバック(tactile feedback)機能等を提供する付加要素をさらに含むことができる。前記言及された付加要素は、非表示領域NDAおよび/または連結インターフェースと連結された外部回路に位置し得る。
【0041】
図1a乃至
図1dを参照すると、表示領域DAは、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2を含むことができるが、これに制限されない。
【0042】
図1a乃至
図1dにおいて、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bは、表示パネルDPの下(視聴面の反対側)に位置する電子部品である。
【0043】
光は、表示パネルDPの前面(視聴面)に入射し、表示パネルDPを透過して表示パネルDPの下(視聴面の反対側)に位置する一つ以上の光学電子装置170、170a、170bに伝達され得る。
【0044】
一つ以上の光学電子装置170、170a、170bは、表示パネルDPを透過した光を受信して、受信された光によって定められた機能を果たす装置であってよい。
【0045】
例えば、光学電子装置170、170a、170bは、カメラまたは近接センサのいずれか一つ以上を含むことができる。
【0046】
前述したように、光学電子装置170、170a、170bは、光受信が必要な装置であるが、表示パネルDPの下部に位置し得る。即ち、光学電子装置170、170a、170bは、表示パネルDPの視聴面の反対側に位置し得る。光学電子装置170、170a、170bは、フレキシブル表示装置100の前面に露出されない。従って、ユーザがフレキシブル表示装置100の前面を見たとき、光学電子装置170、170a、170bが見えない。
【0047】
一例として、表示パネルDPの下部に位置するカメラは、前面を撮影する前面カメラであり、カメラレンズで見ることもできる。
【0048】
光学電子装置170、170a、170bは、表示パネルDPの表示領域DAと重畳されるように配置され得る。即ち、光学電子装置170、170a、170bは、表示領域DA内に位置し得る。
【0049】
図1a乃至
図1dを参照すると、表示領域DAは、一般領域NAと一つ以上の光学領域DA1、DA2を含むことができる。
【0050】
一つ以上の光学領域DA1、DA2は、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bと重畳される領域であってよい。
【0051】
図1aの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA及び第1光学領域DA1を含むことができる。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置170と重畳され得る。
【0052】
図1aに第1光学領域DA1が円形である構造を示したが、本明細書の実施例に係る第1光学領域DA1の形状は、これに限定されるものではない。
【0053】
例えば、
図1bに示されたように、第1光学領域DA1の形状は、八角形になされ得、この他にも多様な多角形状になされ得る。
【0054】
図1cの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。
図1cの例示において、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2の間には、一般領域NAが存在し得る。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置170aと重畳され得、第2光学領域DA2の少なくとも一部は、第2光学電子装置170bと重畳され得る。
【0055】
図1dの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。
図1dの例示において、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2の間には、一般領域NAが存在しない。即ち、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、互いに接し得る。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置170aと重畳され得、第2光学領域DA2の少なくとも一部は、第2光学電子装置170bと重畳され得る。
【0056】
一つ以上の光学領域DA1、DA2は、映像表示構造及び光透過構造が全て形成されていなければならない。即ち、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、表示領域DAの一部の領域であるので、一つ以上の光学領域DA1、DA2には、映像表示のためのサブ画素が配置されなければならない。一つ以上の光学領域DA1、DA2には、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bに光を透過させるための光透過構造が形成されなければならない。
【0057】
一つ以上の光学電子装置170、170a、170bは、光受信が必要な装置であるが、表示パネルDPの裏(下、視聴面の反対側)に位置して、表示パネルDPを透過した光を受信するようになる。
【0058】
一つ以上の光学電子装置170、170a、170bは、表示パネルDPの前面(視聴面)に露出されない。従って、ユーザがフレキシブル表示装置100の前面を見たとき、光学電子装置170、170a、170bがユーザに見えない。
【0059】
例えば、第1光学電子装置170、170aは、カメラであってよく、第2光学電子装置170bは、近接センサ、照度センサ等の感知センサであってよい。例えば、感知センサは、赤外線を感知する赤外線センサであってよい。
【0060】
これと逆に、第1光学電子装置170、170aが感知センサであり、第2光学電子装置170bがカメラであってよい。
【0061】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学電子装置170、170aがカメラであり、第2光学電子装置170bが感知センサであるものと例を挙げる。ここで、カメラは、カメラレンズまたはイメージセンサであってよい。
【0062】
第1光学電子装置170、170aがカメラである場合、このカメラは、表示パネルDPの裏(下)に位置するが、表示パネルDPの前面方向を撮影する前面カメラであってよい。従って、ユーザは、表示パネルDPの視聴面を見ながら、視聴面に見えないカメラを通して撮影をすることができる。
【0063】
表示領域DAに含まれた一般領域NA及び一つ以上の光学領域DA1、DA2は、映像表示が可能な領域であるが、一般領域NAは、光透過構造が形成される必要がない領域であり、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、光透過構造が形成されなければならない領域である。
【0064】
従って、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、一定水準以上の透過率を有しなければならず、一般領域NAは、光透過性を有しないか一定水準未満の低い透過率を有し得る。
【0065】
例えば、一つ以上の光学領域DA1、DA2と一般領域NAは、解像度、サブ画素配置構造、単位面積当たりのサブ画素個数、電極構造、ライン構造、電極配置構造、またはライン配置構造等が互いに異なり得る。
【0066】
例えば、一つ以上の光学領域DA1、DA2での単位面積当たりのサブ画素個数は、一般領域NAでの単位面積当たりのサブ画素個数より小さくてよい。即ち、一つ以上の光学領域DA1、DA2の解像度は、一般領域NAの解像度より低くてよい。このとき、単位面積当たりのサブ画素個数は、解像度を測定する単位であり、1インチ(inch)内の画素個数を意味するPPI(Pixels Per Inch)ともいえる。
【0067】
例えば、第1光学領域DA1内の単位面積当たりのサブ画素個数は、一般領域NA内の単位面積当たりのサブ画素個数より小さくてよい。第2光学領域DA2内の単位面積当たりのサブ画素個数は、第1光学領域DA1内の単位面積当たりのサブ画素個数以上であってよい。
【0068】
第1光学領域DA1は、円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。第2光学領域DA2は、円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、同じ模様を有してもよく、異なる模様を有してもよい。
【0069】
図1cを参照すると、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が接している場合、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含む全体光学領域もまた円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。
【0070】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれは、円形であるものを例に挙げる。
【0071】
本明細書の一実施例に係るフレキシブル表示装置100において、外部に露出されずに表示パネルDPの下部に隠されている第1光学電子装置170、170aがカメラである場合、本明細書の実施例に係るフレキシブル表示装置100は、UDC(Under Display Camera)技術が適用されたディスプレイといえる。
【0072】
これによれば、本明細書の実施例に係るフレキシブル表示装置100の場合、表示パネルDPにカメラの露出のためのノッチ(Notch)またはカメラホールが形成されなくてもよいため、表示領域DAの面積減少が発生しない。
【0073】
これによって、表示パネルDPにカメラの露出のためのノッチ(Notch)またはカメラホールが形成されなくてもよいため、ベゼル領域の大きさが減ることができ、デザインの制約事項がなくなり、デザイン設計の自由度が高くなり得る。
【0074】
本明細書の一実施例に係るフレキシブル表示装置100に、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bが表示パネルDPの裏に隠されて位置するにもかかわらず、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bは、正常に光を受信して定められた機能を正常に遂行できなければならない。
【0075】
また、本明細書の一実施例に係るフレキシブル表示装置100において、一つ以上の光学電子装置170、170a、170bが表示パネルDPの裏に隠されて位置し、表示領域DAと重畳されて位置するにもかかわらず、表示領域DAで一つ以上の光学電子装置170、170a、170bと重畳される一つ以上の光学領域DA1、DA2で正常な映像表示が可能でなければならない。
【0076】
そこで、本明細書の一実施例に係るフレキシブル表示装置100は、光学電子装置170、170a、170bと重畳される第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2の透過率を向上させることができる構造を有し得る。
【0077】
図2は、本明細書の一実施例に係る表示装置のシステム構成図である。
【0078】
図2を参照すると、表示装置100は、映像表示のための構成要素として、表示パネルDP及びディスプレイ駆動回路を含むことができる。
【0079】
ディスプレイ駆動回路は、表示パネルDPを駆動するための回路であって、データ駆動回路DDC、ゲート駆動回路GDC、及びディスプレイコントローラDCTR等を含むことができる。
【0080】
表示パネルDPは、映像が表示される表示領域DAと映像が表示されない非表示領域NDAを含むことができる。非表示領域NDAは、表示領域DAの外郭領域であってよく、ベゼル(bezel)領域ともいえる。非表示領域NDAの全体または一部は、表示装置100の前面で見える領域であるか、ベンディングされて表示装置100の前面で見えることはない領域であってもよい。
【0081】
表示パネルDPは、基板SUBと基板SUB上に配置された複数のサブ画素SPを含むことができる。また、表示パネルDPは、複数のサブ画素SPを駆動するために、様々な種類の信号ラインをさらに含むことができる。
【0082】
本明細書の一実施例に係る表示装置100は、液晶表示装置等であってもよく、表示パネルDPが自ら発光する自体発光表示装置であってよい。本明細書の実施例に係る表示装置100が自体発光表示装置である場合、複数のサブ画素SPそれぞれは、発光素子を含むことができる。
【0083】
例えば、本明細書の実施例に係る表示装置100は、発光素子が有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)に具現された有機発光表示装置であってよい。他の例を挙げて、本明細書の実施例に係る表示装置100は、発光素子が無機物基盤の発光ダイオードに具現された無機発光表示装置であってよい。また他の例を挙げて、本明細書の実施例に係る表示装置100は、発光素子が自ら光を出す半導体結晶である量子ドット(Quantum Dot)に具現された量子ドットディスプレイ装置であってよい。
【0084】
表示装置100のタイプによって複数のサブ画素SPそれぞれの構造が変わり得る。例えば、表示装置100がサブ画素SPが光を自ら出す自体発光表示装置である場合、各サブ画素SPは、自ら光を出す発光素子、一つ以上のトランジスタ及び一つ以上のキャパシタを含むことができる。
【0085】
例えば、様々な種類の信号ラインは、データ信号(データ電圧または映像信号ともいう)を伝達する複数のデータラインDL及びゲート信号(スキャン信号ともいう)を伝達する複数のゲートラインGL等を含むことができる。
【0086】
複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLは、互いに交差し得る。複数のデータラインDLそれぞれは、第1方向に延びて配置され得る。複数のゲートラインGLそれぞれは、第2方向に延びて配置され得る。
【0087】
ここで、第1方向は列(Column)方向であり、第2方向は行(Row)方向であってよい。または、第1方向は行方向であり、第2方向は列方向であってよい。
【0088】
データ駆動回路DDCは、複数のデータラインDLを駆動するための回路であって、複数のデータラインDLにデータ信号を出力できる。ゲート駆動回路GDCは、複数のゲートラインGLを駆動するための回路であって、複数のゲートラインGLにゲート信号を出力できる。
【0089】
ディスプレイコントローラDCTRは、データ駆動回路DDC及びゲート駆動回路GDCを制御するための装置であって、複数のデータラインDLに対する駆動タイミングと複数のゲートラインGLに対する駆動タイミングを制御できる。
【0090】
ディスプレイコントローラDCTRは、データ駆動回路DDCを制御するためにデータ駆動制御信号DCSをデータ駆動回路DDCに供給し、ゲート駆動回路GDCを制御するためにゲート駆動制御信号GCSをゲート駆動回路GDCに供給できる。
【0091】
ディスプレイコントローラDCTRは、ホストシステムHSYSから入力映像データを受信して、入力映像データに基づいて映像データDataをデータ駆動回路DDCに供給できる。
【0092】
データ駆動回路DDCは、ディスプレイコントローラDCTRの駆動タイミング制御によって複数のデータラインDLにデータ信号を供給できる。
【0093】
データ駆動回路DDCは、ディスプレイコントローラDCTRからデジタル形態の映像データDataを受信し、受信された映像データDataをアナログ形態のデータ信号に変換して複数のデータラインDLに出力できる。
【0094】
ゲート駆動回路GDCは、ディスプレイコントローラDCTRのタイミング制御によって複数のゲートラインGLにゲート信号を供給できる。ゲート駆動回路GDCは、各種のゲート駆動制御信号GCSと共にターン-オンレベル電圧に該当する第1ゲート電圧及びターン-オフレベル電圧に該当する第2ゲート電圧の供給を受けて、ゲート信号を生成し、生成されたゲート信号を複数のゲートラインGLに供給できる。
【0095】
ゲート駆動回路GDCは、ディスプレイコントローラDCTRから供給されたゲート駆動制御信号GCSによってゲートラインGLにゲート信号を供給する。ゲート駆動回路GDCは、GIP(Gate In Panel)方式で表示パネル100の一側または両側に配置されてもよい。
【0096】
ゲート駆動回路GDCは、ディスプレイコントローラDCTRの制御下にゲート信号を複数のゲートラインGLに順次に出力する。ゲート駆動回路GDCは、シフトレジスタ(Shift register)を利用してゲート信号をシフトさせることでその信号をゲートラインGLに順次に供給できる。
【0097】
ゲート信号は、有機発光表示装置でスキャン信号SCと、発光制御信号EMを含むことができる。スキャン信号SCは、第1ゲート電圧と第2ゲート電圧との間でスイングするスキャン信号パルスを含む。発光制御信号EMは、第3ゲート電圧と第4ゲート電圧との間でスイングする発光制御信号パルスを含むことができる。
【0098】
スキャンパルスは、データ電圧Vdataに同期されてデータが書き込まれるラインのサブ画素SPを選択する。発光制御信号EMは、各サブ画素SPの発光時間を定義する。
【0099】
ゲート駆動回路GDCは、発光制御信号EMを出力する発光制御信号駆動部EDCとスキャン信号SCを出力する少なくとも一つ以上のスキャン駆動部SDCを含むことができる。
【0100】
発光制御信号駆動部EDCは、ディスプレイコントローラDCTRからのスタートパルスとシフトクロックに応答して発光制御信号EMを出力し、シフトクロックによって発光制御信号パルスを順次にシフトする。
【0101】
少なくとも一つ以上のスキャン駆動部SDCは、ディスプレイコントローラDCTRからのスタートパルス(start pulse)とシフトクロック(Shift clock)に応答してスキャン信号SCを出力し、シフトクロックタイミングに合わせてスキャン信号パルスをシフトする。
【0102】
GIP方式で配置されるゲート駆動回路GDCは、シフトレジスタが表示領域DAの両側で対称に構成され得る。また、ゲート駆動回路GDCは、表示領域DAの一側のシフトレジスタは、少なくとも一つのスキャン駆動部SDC及び発光制御信号駆動部310を含み、表示領域DAの他側のシフトレジスタは、少なくとも一つのスキャン駆動部SDCをそれぞれ含むように構成され得る。ただし、これに限定されず、発光制御信号駆動部EDC及び少なくとも一つのスキャン駆動部SDCは、実施例によって異に配置され得る。
【0103】
データ駆動回路DDCは、テープオートメーテッドボンディング(TAB:Tape Automated Bonding)方式で表示パネルDPと連結されるか、チップオングラス(COG:Chip On Glass)またはチップオンパネル(COP:Chip On Panel)方式で表示パネルDPのボンディングパッドに連結されるか、チップオンフィルム(COF:Chip On Film)方式で具現されて表示パネルDPと連結され得る。
【0104】
ゲート駆動回路GDCは、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式で表示パネルDPと連結されるか、チップオングラス(COG)またはチップオンパネル(COP)方式で表示パネルDPのボンディングパッド(Bonding Pad)に連結されるか、チップオンフィルム(COF)方式によって表示パネルDPと連結され得る。または、ゲート駆動回路GDCは、ゲートインパネル(GIP:GATE In Panel)タイプで表示パネルDPの非表示領域NDAに形成され得る。ゲート駆動回路GDCは、基板上に配置されるか基板に連結され得る。即ち、ゲート駆動回路GDCは、GIPタイプである場合、基板の非表示領域NDAに配置され得る。ゲート駆動回路GDCは、チップオングラス(COG)タイプ、チップオンフィルム(COF)タイプ等である場合、基板に連結され得る。
【0105】
一方、データ駆動回路DDC及びゲート駆動回路GDCのうち少なくとも一つの駆動回路は、表示パネルDPの表示領域DAに配置されてもよい。例えば、データ駆動回路DDC及びゲート駆動回路GDCのうち少なくとも一つの駆動回路は、サブ画素SPと重畳されないように配置されてもよく、サブ画素SPと一部または全体が重畳されるように配置されてもよい。
【0106】
データ駆動回路DDCは、表示パネルDPの一側(例:上側または下側)に連結されてもよい。駆動方式、パネル設計方式等によって、データ駆動回路DDCは、表示パネルDPの両側(例:上側と下側)に全て連結されるか、表示パネルDPの4側面のうち二以上の側面に連結されてもよい。
【0107】
ゲート駆動回路GDCは、表示パネルDPの一側(例:左側または右側)に連結されてもよい。駆動方式、パネル設計方式等によって、ゲート駆動回路GDCは、表示パネルDPの両側(例:左側と右側)に全て連結されるか、表示パネルDPの4側面のうち二以上の側面に連結されてもよい。
【0108】
ディスプレイコントローラDCTRは、データ駆動回路DDCと別途の部品に具現されてもよく、またはデータ駆動回路DDCと共に統合されて集積回路に具現され得る。
【0109】
ディスプレイコントローラDCTRは、通常のディスプレイ技術で利用されるタイミングコントローラ(Timing Controller)であるか、タイミングコントローラを含んで他の制御機能もさらに遂行できる制御装置であってよく、またはタイミングコントローラとは異なる制御装置であってもよく、または制御装置内の回路であってもよい。ディスプレイコントローラDCTRは、IC(Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable GATE Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはプロセッサ(Processor)等の多様な回路や電子部品に具現され得る。
【0110】
ディスプレイコントローラDCTRは、印刷回路基板、延性印刷回路等に実装され、印刷回路基板、延性印刷回路等を通してデータ駆動回路DDC及びゲート駆動回路GDCと電気的に連結され得る。
【0111】
ディスプレイコントローラDCTRは、予め定められた一つ以上のインターフェースによってデータ駆動回路DDCと信号を送受信できる。ここで、例えば、インターフェースは、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)インターフェース、EPI(Embedded Clock Point-to-Point Interface)、SPI(Serial Peripheral Interface)等を含むことができる。
【0112】
本明細書の実施例に係る表示装置100は、映像表示機能だけではなくタッチセンシング機能をさらに提供するために、タッチセンサと、タッチセンサをセンシングして指またはペン等のタッチオブジェクトによりタッチが発生したかを検出するかタッチ位置を検出するタッチセンシング回路を含むことができる。
【0113】
タッチセンシング回路は、タッチセンサを駆動しセンシングしてタッチセンシングデータを生成して出力するタッチ駆動回路と、タッチセンシングデータを利用してタッチ発生を感知するかタッチ位置を検出できるタッチコントローラ等をさらに含むことができる。
【0114】
タッチセンサは、複数のタッチ電極を含むことができる。タッチセンサは、複数のタッチ電極とタッチ駆動回路を電気的に連結するための複数のタッチラインをさらに含むことができる。
【0115】
タッチセンサは、表示パネルDPの外部にタッチパネルの形態に存在してもよく、表示パネルDPの内部に存在してもよい。タッチセンサがタッチパネルの形態に表示パネルDPの外部に存在する場合、タッチセンサは外付けタイプという。タッチセンサが外付けタイプである場合、タッチパネルと表示パネルDPは、別に作製され、組み立て過程で結合され得る。外付けタイプのタッチパネルは、タッチパネル用基板及びタッチパネル用基板上の複数のタッチ電極等を含むことができる。
【0116】
タッチセンサは、表示パネルDPの内部に存在する場合、表示パネルDPの作製工程中にディスプレイ駆動と関連した信号ライン及び電極等と共に基板SUB上にタッチセンサが形成され得る。
【0117】
タッチ駆動回路TDCは、複数のタッチ電極のうち少なくとも一つにタッチ駆動信号を供給し、複数のタッチ電極のうち少なくとも一つをセンシングしてタッチセンシングデータを生成できる。
【0118】
タッチセンシング回路は、セルフ-キャパシタンス(Self-Capacitance)センシング方式またはミューチュアル-キャパシタンス(Mutual-Capacitance)センシング方式でタッチセンシングを遂行することができる。
【0119】
タッチセンシング回路がセルフ-キャパシタンスセンシング方式でタッチセンシングを遂行する場合、タッチセンシング回路は、各タッチ電極とタッチオブジェクト(例:指、ペン等)との間のキャパシタンスに基づいてタッチセンシングを遂行することができる。
【0120】
セルフ-キャパシタンスセンシング方式によれば、複数のタッチ電極それぞれは、駆動タッチ電極の役割も果たし、センシングタッチ電極の役割も果たすことができる。タッチ駆動回路TDCは、複数のタッチ電極の全体または一部を駆動し、複数のタッチ電極の全体または一部をセンシングできる。
【0121】
タッチセンシング回路がミューチュアル-キャパシタンスセンシング方式でタッチセンシングを遂行する場合、タッチセンシング回路は、タッチ電極の間のキャパシタンスに基づいてタッチセンシングを遂行することができる。
【0122】
ミューチュアル-キャパシタンスセンシング方式によれば、複数のタッチ電極は、駆動タッチ電極とセンシングタッチ電極とに分けられる。タッチ駆動回路は、駆動タッチ電極を駆動し、センシングタッチ電極をセンシングできる。
【0123】
タッチセンシング回路に含まれたタッチ駆動回路及びタッチコントローラは、別途の装置に具現されてもよく、一つの装置に具現されてもよい。また、タッチ駆動回路とデータ駆動回路DDCは、別途の装置に具現されてもよく、一つの装置に具現されてもよい。
【0124】
表示装置100は、ディスプレイ駆動回路および/またはタッチセンシング回路に各種の電源を供給する電源供給回路等をさらに含むことができる。
【0125】
本明細書の実施例に係る表示装置100は、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末機であるか多様な大きさのモニタやテレビ(TV)等であってよく、これに制限されず、情報や映像を表出できる多様なタイプ、多様な大きさのディスプレイであってよい。
【0126】
前述したように、表示パネルDPにおいて、表示領域DAは、一般領域NA及び一つ以上の光学領域DA1、DA2を含むことができる。
【0127】
一般領域NA及び一つ以上の光学領域DA1、DA2は、映像表示が可能な領域である。しかし、一般領域NAは、光透過構造が形成される必要がない領域であり、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、光透過構造が形成されなければならない領域である。
【0128】
前述したように、表示パネルDPにおいて、表示領域DAは、一般領域NAと共に、一つ以上の光学領域DA1、DA2を含むことができるが、説明の便宜のために、表示領域DAが第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を全て含む場合(
図1c、
図1d)を仮定する。
【0129】
図3は、本明細書の一実施例に係る表示パネルでサブ画素の等価回路図である。
【0130】
図3は、説明のために画素回路を例示的に示すだけであり、発光信号EM(n)が印加されて発光素子ED、120の発光を制御できる構造であれば制限されない。例えば、画素回路は、さらなるスキャン信号及びこれに連結されたスイッチング薄膜トランジスタ、さらなる初期化電圧が印加されるスイッチング薄膜トランジスタを含むことができ、スイッチング素子の連結関係やキャパシタの連結位置も多様に配置され得る。以下においては、説明の便宜のために、
図3の画素回路構造を有する表示装置を説明する。
【0131】
図3を参照すると、複数のサブ画素SPそれぞれは、駆動トランジスタTdを有する画素回路、及び画素回路に連結された発光素子ED、120を含むことができる。
【0132】
表示パネルDPの表示領域DAに含まれた一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2に配置されたサブ画素SPそれぞれは、発光素子ED、120と、発光素子ED、120を駆動するための駆動トランジスタTdと、駆動トランジスタTdを動作させるための複数のスキャントランジスタT1~T7と、一フレームの間、一定の電圧を維持させるためのキャパシタCst等を含むことができる。
【0133】
画素回路は、発光素子ED、120に流れる駆動電流を制御して発光素子ED、120を駆動できる。画素回路は、駆動トランジスタTd、第1~第7トランジスタT1~T7及びキャパシタCstを含むことができる。トランジスタDT、T1~T7それぞれは、第1電極、第2電極及びゲート電極を含むことができる。第1電極及び第2電極のうち一つはソース電極であり、第1電極及び第2電極のうち他の一つはドレイン電極であってよい。
【0134】
トランジスタDT、T1~T7それぞれは、P TYPEの薄膜トランジスタまたはN TYPEの薄膜トランジスタであってよい。
図3の実施例においては、第1トランジスタT1と第7トランジスタT7は、N TYPEの薄膜トランジスタであり、その他の残りのトランジスタDT、T2~T6は、P TYPEの薄膜トランジスタであるものと構成されている。ただし、これに限定されず、実施例によってトランジスタDT、T1~T7の全部または一部がP TYPEの薄膜トランジスタであるか、N TYPEの薄膜トランジスタであってよい。また、N TYPEの薄膜トランジスタは、酸化物薄膜トランジスタであってよく、P TYPEの薄膜トランジスタは、多結晶シリコン薄膜トランジスタであってよい。
【0135】
以下においては、第1トランジスタT1と第7トランジスタT7は、N TYPEの薄膜トランジスタであり、その他の残りのトランジスタDT、T2~T6は、P TYPEの薄膜トランジスタであるものと例示して説明する。従って、第1トランジスタT1と第7トランジスタT7は、ハイ電圧が印加されてターンオン動作し、その他の残りのトランジスタDT、T2~T6は、ロー電圧が印加されてターンオン動作する。
【0136】
一例によれば、画素回路を構成する第1トランジスタT1は補償トランジスタ、第2トランジスタT2はデータ供給トランジスタ、第3及び第4トランジスタT3、T4は発光制御トランジスタ、第5トランジスタT5はバイアストランジスタ、第6及び第7トランジスタT6、T7は初期化トランジスタとして機能できる。
【0137】
発光素子ED、120は、アノード電極(あるいはアノード電極)及びカソード電極を含むことができる。発光素子ED、120のアノード電極は、第5ノードN5に連結され、カソード電極は、低電位駆動電圧EVSSに連結され得る。
【0138】
駆動トランジスタTdは、第2ノードN2に連結される第1電極、第3ノードN3に連結される第2電極及び第1ノードN1に連結されるゲート電極を含むことができる。駆動トランジスタTdは、第1ノードN1の電圧(または、後述するキャパシタCstに格納されたデータ電圧)に基づいて駆動電流Idを発光素子ED、120に提供できる。
【0139】
第1トランジスタT1は、第1ノードN1に連結される第1電極、第3ノードN3に連結される第2電極、及び第1スキャン信号SC1(n)を受信するゲート電極を含むことができる。第1トランジスタT1は、第1スキャン信号SC1(n)に応答してターンオンされ、データ電圧Vdataは、第1ノードN1及び第3ノードN3の間にダイオード連結されることで駆動トランジスタTdの閾値電圧Vthをサンプリングできる。このような第1トランジスタT1は、補償トランジスタであってよい。
【0140】
キャパシタCstは、第1ノードN1と第4ノードN4との間に連結されるか形成され得る。キャパシタCstは、提供される高電位駆動電圧EVDDを格納するか維持させることができる。また、場合によって、キャパシタCstは、一つ以上のキャパシタをさらに含んでもよい。
【0141】
第2トランジスタT2は、データラインDLに連結される(または、データ電圧Vdataを受信する)第1電極、第2ノードN2に連結される第2電極、及び第2スキャン信号SC2(n)を受信するゲート電極を含むことができる。第2トランジスタT2は、第2スキャン信号SC2(n)に応答してターンオンされ、データ電圧Vdataを第2ノードN2に伝達できる。このような第2トランジスタT2は、データ供給トランジスタであってよい。
【0142】
第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4(または、第1及び第2発光制御トランジスタ)は、高電位駆動電圧EVDD及び発光素子ED、120の間に連結され、駆動トランジスタTdにより生成される駆動電流Idが移動する電流移動経路を形成することができる。
【0143】
第3トランジスタT3は、第4ノードN4に連結されて高電位駆動電圧EVDDを受信する第1電極、第2ノードN2に連結される第2電極、及び発光制御信号EM(n)を受信するゲート電極を含むことができる。
【0144】
第4トランジスタT4は、第3ノードN3に連結される第1電極、第5ノードN5(または、発光素子ED、120のアノード電極)に連結される第2電極、及び発光制御信号EM(n)を受信するゲート電極を含むことができる。
【0145】
第3及び第4トランジスタT3、T4は、発光制御信号EM(n)に応答してターンオンされ、この場合、駆動電流Idが発光素子ED、120に提供され、発光素子ED、120は、駆動電流Idに対応する輝度をもって発光できる。
【0146】
第5トランジスタT5は、バイアス電圧Vobsを受信する第1電極、第2ノードN2に連結される第2電極、及び第3スキャン信号SC3(n)を受信するゲート電極を含むことができる。このような第5トランジスタT5は、バイアストランジスタであってよい。
【0147】
第6トランジスタT6は、第1初期化電圧Varを受信する第1電極、第5ノードN5に連結される第2電極、及び第3スキャン信号SC3(n)を受信するゲート電極を含むことができる。
【0148】
第6トランジスタT6は、発光素子ED、120が発光する前に(または、発光素子ED、120が発光した以後に)、第3スキャン信号SC3(n)に応答してターンオンされ、第1初期化電圧Varを利用して発光素子ED、120のアノード電極(または画素電極)を初期化させることができる。発光素子ED、120は、アノード電極とカソード電極との間に形成される寄生キャパシタを有することができる。そして、発光素子ED、120が発光する間、寄生キャパシタが充電されて発光素子ED、120のアノード電極が特定の電圧を有することができる。従って、第6トランジスタT6を通して第1初期化電圧Varを発光素子ED、120のアノード電極に印加することで発光素子ED、120に蓄積された電荷量を初期化させることができる。
【0149】
本明細書において、第5及び第6トランジスタT5、T6のゲート電極は、第3スキャン信号SC3(n)を共通して受信するものと構成されている。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、第5及び第6トランジスタT5、T6のゲート電極は、別個のスキャン信号を受信してそれぞれ独立して制御されるように構成され得る。
【0150】
第7トランジスタT7は、第2初期化電圧Viniを受信する第1電極、第1ノードN1に連結される第2電極、及び第4スキャン信号SC4(n)を受信するゲート電極を含むことができる。
【0151】
第7トランジスタT7は、第4スキャン信号SC4(n)に応答してターンオンされ、第2初期化電圧Viniを利用して駆動トランジスタTdのゲート電極を初期化させることができる。駆動トランジスタTdのゲート電極は、キャパシタCstに格納された高電位駆動電圧EVDDにより不要な電荷が残留し得る。従って、第7トランジスタT7を通して第2初期化電圧Viniを駆動トランジスタTdのゲート電極に印加することで残留する電荷量を初期化させることができる。
【0152】
一方、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つの透過率を高めるための一つの方法として、前述したように画素密集度差等設計方式が適用され得る。画素密集度差等設計方式によれば、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つの単位面積当たりのサブ画素の個数が一般領域NAの単位面積当たりのサブ画素個数より少ないように、表示パネルDPが設計され得る。
【0153】
しかし、場合によっては、これとは異なり、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つの透過率を高めるための他の方法として、画素大きさ差等設計方式が適用され得る。画素大きさ差等設計方式によれば、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つの単位面積当たりのサブ画素個数が一般領域NAの単位面積当たりのサブ画素個数と同一または類似し、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つに配置された各サブ画素SPの大きさ(即ち、発光領域の大きさ)が一般領域NAに配置された各サブ画素SPの大きさ(即ち、発光領域の大きさ)より小さくなるように、表示パネルDPが設計され得る。
【0154】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2のうち少なくとも一つの透過率を高めるための二つの方法(画素密集度差等設計方式、画素大きさ差等設計方式)のうち画素密集度差等設計方式が適用されたことを仮定して説明する。
【0155】
図4は、本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、表示領域のサブ画素の配置を示す図である。
【0156】
即ち、
図4は、本明細書の実施例に係る表示パネルの表示領域に含まれた三つの領域NA、DA1、DA2でのサブ画素SPの配置を示している。
【0157】
図4を参照すると、表示領域に含まれた一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれには、複数のサブ画素SPが配置され得る。
【0158】
一例として、複数のサブ画素SPは、赤色光を発光する赤色サブ画素Red SP、緑色光を発光する緑色サブ画素Green SP及び青色光を発光する青色サブ画素Blue SPを含むことができる。
【0159】
これによって、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれは、赤色サブ画素Red SPの発光領域EA、緑色サブ画素Green SPの発光領域EA及び青色サブ画素Blue SPの発光領域EAを含むことができる。
【0160】
図4を参照すると、一般領域NAは、光透過構造を含まず、発光領域EAを含むことができる。
【0161】
しかし、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、発光領域EAを含むだけではなく、光透過構造も含んでいなければならない。
【0162】
従って、第1光学領域DA1は、発光領域EAと第1透過領域TA1を含むことができ、第2光学領域DA2は、発光領域EAと第2透過領域TA2を含むことができる。
【0163】
発光領域EAと透過領域TA1、TA2は、光透過が可能か否かによって区別され得る。即ち、発光領域EAは、光透過が不可能な領域であり得、透過領域TA1、TA2は、光透過が可能な領域であり得る。
【0164】
また、発光領域EAと透過領域TA1、TA2は、特定のメタル層の形成の有無によって区別され得る。例えば、発光領域EAには、カソード電極が形成されており、透過領域TA1、TA2には、カソード電極が形成されないことがある。また、発光領域EAには、遮光層が形成されているが、透過領域TA1、TA2には、遮光層が形成されないことがある。
【0165】
このとき、第1光学領域DA1は第1透過領域TA1を含み、第2光学領域DA2は第2透過領域TA2を含むため、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2はいずれも光が透過できる領域である。
【0166】
このとき、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)と第2光学領域DA2の透過率(透過程度)は同一であり得る。
【0167】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様または大きさが同一であり得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様や大きさが異なっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率と第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率が同一であり得る。
【0168】
これとは異なり、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)と第2光学領域DA2の透過率(透過程度)は、互いに異なり得る。
【0169】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様または大きさが異なり得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様や大きさが同一であっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率と第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率が互いに異なり得る。
【0170】
例えば、第1光学領域DA1が重畳される第1光学電子装置がカメラであり、第2光学領域DA2が重畳される第2光学電子装置が感知センサである場合、カメラは、感知センサよりさらに大きな光量を必要とし得る。
【0171】
従って、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)は、第2光学領域DA2の透過率(透過程度)より高くなり得る。
【0172】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1は、第2光学領域DA2の第2透過領域TA2よりさらに大きな大きさを有し得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は大きさが同一であっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率が第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率より大きくなり得る。
【0173】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)が第2光学領域DA2の透過率(透過程度)より大きな場合を例に挙げて説明する。
【0174】
また、
図4に示されたように、本明細書の一実施例においては、透過領域TA1、TA2は透明領域ともいえ、透過率は透明度ともいえる。
【0175】
また、
図4に示されたように、本明細書の一実施例においては、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が表示パネルの表示領域の上端に位置し、左右に並んで配置される場合を仮定する。
【0176】
図4を参照すると、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が配置される横表示領域を第1横表示領域HA1といい、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が配置されない横表示領域を第2横表示領域HA2という。
【0177】
図4を参照すると、第1横表示領域HA1は、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。これに対して、第2横表示領域HA2は、一般領域NAだけを含むことができる。
【0178】
図5aは、本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【0179】
図5bは、本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【0180】
即ち、
図5aは、本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域DA1及び一般領域NAそれぞれでの信号ラインの配置を示しており、
図5bは、本明細書の一実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域DA2及び一般領域NAそれぞれでの信号ラインの配置を示している。
【0181】
図5a及び
図5bに示された第1横表示領域HA1は、表示パネルDPでの第1横表示領域HA1の一部であり、第2横表示領域HA2は、表示パネルでの第2横表示領域HA2の一部である。
【0182】
図5aに示された第1光学領域DA1は、表示パネルでの第1光学領域DA1の一部であり、
図5bに示された第2光学領域DA2は、表示パネルでの第2光学領域DA2の一部である。
【0183】
図5a及び
図5bを参照すると、第1横表示領域HA1は、一般領域、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。第2横表示領域HA2は、一般領域を含むことができる。
【0184】
表示パネルには、多様な種類の横ラインHL1、HL2が配置され、多様な種類の縦ラインVLn、VL1、VL2が配置され得る。
【0185】
本明細書の一実施例において、横方向と縦方向は、交差する二つの方向を意味するものであって、横方向と縦方向は、見る方向によって異なり得る。一例として、本明細書の一実施例において、横方向は、一つのゲートラインが延びて配置される方向を意味し、縦方向は、一つのデータラインが延びて配置される方向を意味し得る。このように、横と縦を例に挙げる。
【0186】
図5a及び
図5bを参照すると、表示パネルに配置される横ラインは、第1横表示領域HA1に配置される第1横ラインHL1及び第2横表示領域HA2に配置される第2横ラインHL2を含むことができる。
【0187】
表示パネルに配置される横ラインは、ゲートラインであってよい。即ち、第1横ラインHL1と第2横ラインHL2は、ゲートラインであってよい。ゲートラインは、サブ画素の構造によって多様な種類のゲートラインを含むことができる。
【0188】
図5a及び
図5bを参照すると、表示パネルに配置される縦ラインは、一般領域にのみ配置される一般縦ラインVLn、第1光学領域DA1と一般領域を全て通る第1縦ラインVL1及び第2光学領域DA2と一般領域を全て通る第2縦ラインVL2を含むことができる。
【0189】
表示パネルに配置される縦ラインは、データライン、駆動電圧ライン等を含むことができ、それだけではなく、基準電圧ライン、初期化電圧ライン等をさらに含むことができる。即ち、一般縦ラインVLn、第1縦ラインVL1及び第2縦ラインVL2は、データライン、駆動電圧ライン等を含むことができ、それだけではなく、基準電圧ライン、初期化電圧ライン等をさらに含むことができる。
【0190】
本明細書の一実施例において、第2横ラインHL2で「横」という用語は、信号が左側(または右側)から右側(または左側)に伝達されるという意味であるだけで、第2横ラインHL2が正確な横方向にのみ直線形態に延びるという意味ではなくてよい。即ち、
図5a及び
図5bにおいて、第2横ラインHL2は、一直線形態に示されているが、これとは異なり、第2横ラインHL2は、折れたか曲げられた部分を含むことができる。同様に、第1横ラインHL1もまた折れたか曲げられた部分を含むことができる。
【0191】
本明細書の一実施例において、一般縦ラインVLnで「縦」という用語は、信号が上側(または下側)から下側(または上側)に伝達されるという意味であるだけで、一般縦ラインVLnが正確な縦方向にのみ直線形態に延びるという意味ではない。即ち、
図5a及び
図5bにおいて、一般縦ラインVLnは、一直線形態に示されているが、これとは異なり、一般縦ラインVLnは、折れたか曲げられた部分を含むことができる。同様に、第1縦ラインVL1及び第2縦ラインVL2もまた折れたか曲げられた部分を含むことができる。
【0192】
図5aを参照すると、第1横領域HA1に含まれる第1光学領域DA1は、発光領域と第1透過領域を含むことができる。第1光学領域DA1内で、第1透過領域の外領域が発光領域を含むことができる。
【0193】
図5aを参照すると、第1光学領域DA1の透過率の改善のために、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1は、第1光学領域DA1内の第1透過領域を回避して通ることができる。
【0194】
従って、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1それぞれは、各第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0195】
これによって、第1横領域HA1に配置される第1横ラインHL1と第2横領域HA2に配置される第2横ラインHL2は、模様または長さ等が互いに異なり得る。即ち、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1と第1光学領域DA1を通らない第2横ラインHL2は、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0196】
また、第1光学領域DA1の透過率の改善のために、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1は、第1光学領域DA1内の第1透過領域を回避して通ることができる。
【0197】
従って、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1それぞれは、各第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0198】
これによって、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1と第1光学領域DA1を通ることなく一般領域に配置される一般縦ラインVLnは、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0199】
図5aを参照すると、第1横領域HA1内の第1光学領域DA1に含まれた第1透過領域は、斜線方向に配列され得る。
【0200】
図5aを参照すると、第1横領域HA1内の第1光学領域DA1で、左右に隣接した二つの第1透過領域の間には発光領域が配置され得る。第1横領域HA1内の第1光学領域DA1で、上下に隣接した二つの第1透過領域の間には発光領域が配置され得る。
【0201】
図5aを参照すると、第1横領域HA1に配置される第1横ラインHL1、即ち、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1は、全て第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間を少なくとも一つは含むことができる。
【0202】
図5bを参照すると、第1横領域HA1に含まれる第2光学領域DA2は、発光領域と第2透過領域TA2を含むことができる。第2光学領域DA2内で、第2透過領域TA2の外領域が発光領域を含むことができる。
【0203】
第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態は、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と同一であってもよい。
【0204】
これとは異なり、
図5bに示されたように、第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態は、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と異なり得る。
【0205】
例えば、
図5bを参照すると、第2光学領域DA2内で、第2透過領域TA2は、横方向(左右方向)に配列され得る。横方向(左右方向)に隣接した二つの第2透過領域TA2の間には、発光領域が配置されなくてよい。また、第2光学領域DA2内の発光領域は、縦方向(上下方向)に隣接した第2透過領域TA2の間に配置され得る。即ち、二つの第2透過領域TA2の行の間に発光領域が配置され得る。
【0206】
第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、
図5aと同じ形態に通ることができる。
【0207】
これとは異なり、
図5bに示されたように、第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、
図5aと異なる形態に通ることができる。
【0208】
即ち、
図5bの第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態と、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と異なるためである。
【0209】
図5bを参照すると、第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、曲線区間やベンディング区間なしに、上下に隣接した第2透過領域TA2の間を直線形態に通ることができる。
【0210】
言い換えれば、一つの第1横ラインHL1は、第1光学領域DA1内で曲線区間またはベンディング区間を有するが、第2光学領域DA2内では曲線区間またはベンディング区間を有しなくてよい。
【0211】
第2光学領域DA2の透過率の改善のために、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2は、第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2を回避して通ることができる。
【0212】
従って、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2それぞれは、各第2透過領域TA2の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0213】
これによって、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2と第2光学領域DA2を通ることなく一般領域に配置される一般縦ラインVLnは、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0214】
図5aに示されたように、第1光学領域DA1を通過する第1横ラインHL1は、第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間を有することができる。
【0215】
従って、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1の長さは、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2の長さより少しはさらに長くなり得る。
【0216】
これによって、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1の抵抗(以下、第1抵抗ともいう)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2の抵抗(以下、第2抵抗ともいう)より若干大きくなり得る。
【0217】
図5a及び
図5bを参照すると、光透過構造によって、第1光学電子装置170aと少なくとも一部が重畳される第1光学領域DA1は複数の第1透過領域TA1を含み、第2光学電子装置170bと少なくとも一部が重畳される第2光学領域DA2は複数の第2透過領域TA2を含むため、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、一般領域NAに比して単位面積当たりのサブ画素個数が少なくなり得る。
【0218】
第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数と、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域NAにのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数は、互いに異なり得る。
【0219】
第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数(第1個数)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数(第2個数)より少なくなり得る。
【0220】
第1個数と第2個数間の差は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれの解像度と一般領域の解像度の差によって変わり得る。例えば、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれの解像度と一般領域の解像度の差が大きくなるほど、第1個数と第2個数間の差は大きくなり得る。
【0221】
前述したように、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数(第1個数)が第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数(第2個数)より少ないため、第1横ラインHL1が周辺の他の電極やラインと重畳される面積が第2横ラインHL2が周辺の他の電極やラインと重畳される面積より小さくなり得る。
【0222】
従って、第1横ラインHL1が周辺の他の電極やラインと形成する寄生キャパシタンス(以下、第1キャパシタンスという)は、第2横ラインHL2が周辺の他の電極やラインと形成する寄生キャパシタンス(以下、第2キャパシタンス)より大きく小さくなり得る。
【0223】
第1抵抗及び第2抵抗間の大小関係(第1抵抗≧第2抵抗)及び第1キャパシタンス及び第2キャパシタンス間の大小関係(第1キャパシタンス≪第2キャパシタンス)を考慮するとき、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1のRC(Resistance-Capacitance)値(以下、第1RC値ともいう)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2のRC値(以下、第2RC値ともいう)より遥かに小さくなり得る(第1RC値≪第2RC値)。
【0224】
第1横ラインHL1の第1RC値と第2横ラインHL2の第2RC値間の差(以下において、RCロード(RC Load)偏差という)によって、第1横ラインHL1を通した信号伝達特性と第2横ラインHL2を通した信号伝達特性が変わり得る。
【0225】
以下においては、表示装置100の一般領域NAの断面構造についてのより詳細な説明のために
図6を共に参照する。
【0226】
図6は、本明細書の一実施例に係る一般領域に配置された一つの画素領域の断面構造を示す断面図である。
【0227】
一般領域NAにおいて、基板SUBの上部にトランジスタ層TRLが配置され、トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが配置され得る。また、平坦化層PLNの上部に発光素子層EDLが配置され、発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが配置され、封止層ENCAPの上部にタッチ感知層TSLが配置され、タッチ感知層TSLの上部に保護層PACが配置され得る。また、保護層PACの上部に有機物層PCLが配置され、有機物層PCLの上部に偏光層POLが配置され得る。
【0228】
基板SUBは、表示装置100に含まれた多様な構成要素を支持するための構成であり、絶縁物質からなり得る。基板SUBは、第1基板110aと第2基板110b及び層間絶縁膜110cを含むことができる。層間絶縁膜110cは、第1基板110aと第2基板110bとの間に配置され得る。このように基板SUBを第1基板110aと第2基板110b及び層間絶縁膜110cで構成することで、水分浸透を防止できる。例えば、第1基板110a及び第2基板110bは、ポリイミド(polyimide;PI)基板であってよい。
【0229】
一般領域NAでトランジスタ層TRLには、駆動トランジスタTdと少なくとも一つのスイッチングトランジスタTs等のトランジスタと、少なくとも一つのキャパシタ等のトランジスタを形成するための各種のパターン131、132、133、134、231、232、233、234、各種の絶縁膜111a、111b、112、113a、113b、114及び各種の金属パターンTM、GM、135が配置され得る。
【0230】
以下、トランジスタ層TRLの積層構造についてさらに詳細に説明する。
【0231】
マルチバッファ層(multi-buffer layer)111aが第2基板110b上に配置され、アクティブバッファ層111bがマルチバッファ層111a上に配置され得る。
【0232】
マルチバッファ層111a上に金属層135が配置され得る。
【0233】
ここで、金属層135は、ライトシールド(light shield)の役割を果たすことができ、遮光層とも称され得る。
【0234】
金属層135上にアクティブバッファ層111bが配置され得る。
【0235】
アクティブバッファ層111b上に駆動トランジスタTdの第1アクティブ層134が配置され得る。例えば、第1アクティブ層134は、多結晶シリコン(p-Si)、アモルファスシリコン(a-Si)、または酸化物半導体で形成され得るが、これに制限されるものではない。一方、駆動トランジスタTdは、アクティブバッファ層111b上に形成され、第1アクティブ層134、第1アクティブ層134を覆う第1ゲート絶縁膜112、第1ゲート絶縁膜112上に配置された第1ゲート電極131、第1ゲート電極131を覆う第1層間絶縁膜113a、第1層間絶縁膜113a上に配置された第2ゲート絶縁膜113b、第2ゲート絶縁膜113b上に配置された第3層間絶縁膜113c、第3層間絶縁膜113c上に配置された第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133を含む。
【0236】
第1アクティブ層134上に第1ゲート絶縁膜112が配置され得る。第1ゲート絶縁膜112は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)またはこれらの複層からなり得る。
【0237】
また、第1ゲート絶縁膜112上に駆動トランジスタTdの第1ゲート電極131が配置され得る。第1ゲート電極131は、第1ゲート絶縁層112上で第1アクティブ層134と重畳するように配置される。第1ゲート電極131は、多様な導電性物質、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、金(Au)、またはこれらの合金等で形成され得るが、これに制限されるものではない。
【0238】
駆動トランジスタTdの形成位置と異なる位置で、第1ゲート絶縁膜112上にゲート物質層GMが配置され得る。
【0239】
第1ゲート電極131及びゲート物質層GM上に第1層間絶縁膜113aが配置され得る。第1層間絶縁膜113a上に金属パターンTMが配置され得る。第1層間絶縁膜113a上に配置された金属パターンTMを覆いながら第2層間絶縁膜113bが配置され得る。
【0240】
第2層間絶縁膜113bは、第1アクティブ層134から第2アクティブ層234を離隔させ、第2アクティブ層234を形成できる基盤を提供する。
【0241】
第2層間絶縁膜113b上には、スイッチングトランジスタTsの第2アクティブ層234が配置され得る。例えば、第2アクティブ層234は、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、または酸化物半導体で形成され得るが、これに制限されるものではない。
【0242】
第2アクティブ層234上に第2ゲート絶縁膜113cが配置され得る。また、第2ゲート絶縁膜113c上にスイッチングトランジスタTsの第2ゲート電極231が配置され得る。第2ゲート電極231は、第2ゲート膜113c上で第2アクティブ層234と重畳するように配置される。
【0243】
第2ゲート絶縁膜113cは、スイッチングトランジスタTsの第2アクティブ層234を覆う。第2ゲート絶縁膜113cは、第2アクティブ層234上に形成されるため、無機膜に具現される。例えば、第2ゲート絶縁膜113cは、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiNx)、またはこれらの複層等であってよい。
【0244】
第2ゲート電極231は、金属物質で構成される。例えば、第2ゲート電極231は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層であってよいが、これに限定されない。
【0245】
一方、スイッチングトランジスタTsは、第2層間絶縁膜113b上に形成され、第2アクティブ層234、第2アクティブ層234を覆う第2ゲート絶縁膜113c、第2ゲート絶縁膜113c上に配置された第2ゲート電極231、第2ゲート電極231を覆う第3層間絶縁膜113c、第3層間絶縁膜113c上に配置された第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233を含む。
【0246】
スイッチングトランジスタTsは、第1層間絶縁膜113aの下部に位置し、第2アクティブ層234と重畳するゲート物質層GMをさらに含む。ゲート物質層GMは、第2アクティブ層234に入射する光を遮断してスイッチングトランジスタTsの信頼性を確保することができる。ゲート物質層GMは、第1ゲート電極131と同じ物質で形成され、第1ゲート絶縁膜112の上部表面に形成され得る。ゲート物質層GMは、第2ゲート電極234と電気的に連結されてデュアルゲートを構成することもできる。第3層間絶縁膜113d上には、駆動トランジスタTdの第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133とスイッチングトランジスタTsの第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233が配置され得る。
【0247】
第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233は、第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133と共に第3層間絶縁膜113d上で同じ物質で同時に形成することでマスク工程数を減らすことができる。
【0248】
第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133は、第3層間絶縁膜113d、第2ゲート絶縁膜113c、第2層間絶縁膜113b、第1層間絶縁膜113a及び第1ゲート絶縁膜112に備えられたコンタクトホールを通して、第1アクティブ層134の一側と他側にそれぞれ連結され得る。
【0249】
第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233は、第3層間絶縁膜113d及び第2ゲート絶縁膜113cに備えられたコンタクトホールを通して、第2アクティブ層234の一側と他側にそれぞれ連結され得る。
【0250】
第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133と第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233は、多様な導電性物質、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、金(Au)、またはこれらの合金等からなる単一層または多重層であってよいが、これに制限されるものではない。
【0251】
第1アクティブ層134で第1ゲート電極131と重畳される部分は、チャネル領域である。第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133のうちの一つは、第1アクティブ層134でチャネル領域の一側と連結され、残りの一つは、第1アクティブ層134でチャネル領域の他側と連結される。第2アクティブ層234は、第1アクティブ層134と同じ形態に構成され得、第2アクティブ層234が酸化物半導体物質で具現される場合、不純物がドーピングされていない真性の第2チャネル領域と不純物がドーピングされて導体化された第2ソース領域及び第2ドレイン領域を含む。
【0252】
第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133と第2ソース電極232及び第2ドレイン電極233上にパッシベーション層114が配置され得る。パッシベーション層114は、駆動トランジスタTdを保護するためのものであり、無機膜、例えば、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)またはこれらの複層からなり得る。
【0253】
一方、第1ゲート絶縁膜112上にゲート物質層GMと金属パターンTMを重畳するように配置してキャパシタCstを具現できる。金属パターンTMは、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層であってよい。
【0254】
キャパシタCstは、データラインDLを通して印加されるデータ電圧を一定期間格納してから発光素子ED、120に提供する。キャパシタCstは、互いに対応する二つの電極とその間に配置される誘電体を含む。ゲート物質層GMと金属パターンTMとの間には、第1層間絶縁膜113aが位置する。
【0255】
キャパシタCst中、ゲート物質層GMまたは金属パターンTMは、スイッチングトランジスタTs、第2ソース電極232または第2ドレイン電極233と電気的に連結され得る。しかし、これに限定されず、画素駆動回路によってキャパシタCstの連結関係は変わり得る。
【0256】
また、マルチバッファ層111a上に金属層135をゲート物質層GMと金属パターンTMにさらに重畳するように配置して二重のキャパシタCstに構成することもできる。
【0257】
本明細書の実施例において、少なくとも一つのスイッチングトランジスタTsは、酸化物半導体をアクティブ層として使用する。酸化物半導体をアクティブ層として使用するトランジスタは、漏れ電流の遮断効果に優れ、多結晶シリコンをアクティブ層として使用するトランジスタに比して相対的に製造コストが安価である。従って、消費電力を減少させ、製造コストを下げるために、本明細書の実施例に係る画素回路は、酸化物半導体物質を使用した駆動トランジスタまたは少なくとも一つのスイッチングトランジスタを含む。
【0258】
駆動トランジスタを含んで画素回路を構成するトランジスタのいずれも酸化物半導体を利用してアクティブ層を具現することもでき、一部のトランジスタのみ酸化物半導体を利用して具現することもできる。
【0259】
ただし、酸化物半導体を用いたトランジスタは、信頼性を確保することが難しく、多結晶シリコンを用いたトランジスタは、動作速度が速く、信頼性に優れるので、本明細書の実施例は、酸化物半導体を用いたトランジスタ及び多結晶シリコンを用いたトランジスタをいずれも含む。ただし、これに限定されず、設計によって、酸化物半導体を用いたトランジスタだけを適用するか、多結晶シリコンを用いたトランジスタだけを適用して画素回路を構成することもできる。
【0260】
トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが位置し得る。
【0261】
平坦化層PLNは、第1平坦化層115a及び第2平坦化層115bを含むことができる。平坦化層PLNは、駆動トランジスタTdを保護し、その上部を平坦化する。
【0262】
第1平坦化層115aは、パッシベーション層114上に配置され得る。
【0263】
第1平坦化層115a上に連結電極125が配置され得る。
【0264】
連結電極125は、第1平坦化層115aに備えられたコンタクトホールを通して第1ソース電極132及び第1ドレイン電極133のうちの一つと連結され得る。
【0265】
連結電極125上に第2平坦化層115bが配置され得る。
【0266】
第2平坦化層115bの上部に発光素子層EDLが位置し得る。
【0267】
以下、発光素子層EDLの積層構造を詳細に検討する。
【0268】
第2平坦化層115b上にアノード121が配置され得る。このとき、アノード121は、第2平坦化層115bに備えられたコンタクトホールを通して連結電極125と電気的に連結され得る。アノード121は、金属性物質で形成され得る。
【0269】
表示装置100が発光素子ED、120で発光された光が発光素子ED、120が配置された基板SUBの上部に発光される上部発光(top emission)方式である場合、アノード121は、透明導電層及び透明導電層上の反射層をさらに含むことができる。透明導電層は、例えば、ITO、IZO等のような透明導電性酸化物からなり得、反射層は、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)またはこれらの合金等からなり得る。
【0270】
バンク116がアノード121を覆いながら配置され得る。バンク116は、サブ画素の発光領域に対応する部分がオープン(open)され得る。バンク116がオープンされた部分(以下、オープン領域という)にアノード121の一部が露出され得る。このとき、バンク116は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)のような無機絶縁物質またはベンゾシクロブテン系樹脂、アクリル系樹脂またはイミド系樹脂のような有機絶縁物質からなり得るが、これに制限されるものではない。
【0271】
図示してはいないが、バンク116上にはスペーサーがさらに位置し得る。スペーサーは、バンク116と同じ物質で構成され得る。
【0272】
発光層122がバンク116のオープン領域とその周辺に配置され得る。これによって、発光層122は、バンク116のオープン領域を通して露出されたアノード121上に配置され得る。
【0273】
発光層122上にカソード123が配置され得る。
【0274】
アノード121、発光層122及びカソード123により発光素子ED、120が形成され得る。発光層122は、多数の有機膜を含むことができる。
【0275】
上述した発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが位置し得る。
【0276】
封止層ENCAPは、単一層構造または多層構造を有し得る。例えば、封止層ENCAPは、第1封止層117a、第2封止層117b及び第3封止層117cを含むことができる。
【0277】
このとき、第1封止層117a及び第3封止層117cは無機膜で構成され、第2封止層117bは有機膜で構成され得る。第1封止層117a、第2封止層117b及び第3封止層117cの中で第2封止層117bが最も厚く、平坦化層の役割を果たすことができる。
【0278】
第1封止層117aはカソード123上に配置され、発光素子ED、120と最も隣接するように配置され得る。第1封止層117aは、低温蒸着が可能な無機絶縁材質で形成され得る。例えば、第1封止層117aは、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)または酸化アルミニウム(Al2O3)等で構成され得る。第1封止層117aが低温雰囲気で蒸着されるため、蒸着工程時、高温雰囲気に脆弱な有機物を含む発光層122が損傷されることを防止できる。
【0279】
第2封止層117bは、第1封止層117aより小さな面積に形成され得る。この場合、第2封止層117bは、第1封止層117aの両末端を露出させるように形成され得る。第2封止層117bは、フレキシブル表示装置の反りによる各層間の応力を緩和させる緩衝の役割及び平坦化性能を強化する役割を果たすことができる。
【0280】
例えば、第2封止層117bは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、またはシリコンオキシカーボン(SiOC)等の有機絶縁材質で構成され得る。例えば、第2封止層117bは、インクジェット方式を通して形成されてもよいが、これに制限されない。
【0281】
第3封止層117cは、第2封止層117bが形成された基板SUBの上部に第2封止層117b及び第1封止層117aそれぞれの上部面及び側面を覆うように形成され得る。このとき、第3封止層117cは、外部の水分や酸素が第1封止層117a及び第2封止層117bに浸透することを最小化または遮断することができる。例えば、第3封止層117cは、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)、または酸化アルミニウム(Al2O3)等のような無機絶縁材質で構成され得る。
【0282】
図示してはいないが、封止層ENCAP上にはカラーフィルタが配置され得るが、これに制限されない。
【0283】
上述した封止層ENCAPの上部にタッチ感知層TSLが配置され得る。
【0284】
封止層ENCAPの上部にタッチバッファ膜118aが配置され、タッチバッファ膜118a上にタッチライン140が配置され得る。
【0285】
タッチライン140は、互いに異なる層に位置するタッチセンサメタル141とブリッジメタル142を含むことができる。タッチセンサメタル141とブリッジメタル142との間には、タッチ層間絶縁膜118bが配置され得る。
【0286】
例えば、タッチセンサメタル141は、互いに隣接するように配置される第1タッチセンサメタル、第2タッチセンサメタル及び第3タッチセンサメタルを含むことができる。第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルは、互いに電気的に連結されるが、第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルの間に第3タッチセンサメタルがある場合、第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルは、他の層にあるブリッジメタル142を通して電気的に連結され得る。ブリッジメタル142は、タッチ層間絶縁膜118bにより第3タッチセンサメタルと絶縁され得る。
【0287】
タッチ感知層TSLの形成時に、工程に利用される薬液(現像液または食刻液等)または外部からの水分等が発生し得る。タッチバッファ膜118aを配置し、その上にタッチ感知層TSLを配置することで、タッチ感知層TSLの製造時の薬液や水分等が有機物を含む発光層122に浸透することを防止できる。これによって、タッチバッファ膜118aは、薬液または水分に脆弱な発光層122の損傷を防止できる。
【0288】
タッチバッファ膜118aは、高温に脆弱な有機物を含む発光層122の損傷を防止するために、一定の温度(例;100℃以下の低温)で形成可能で1~3の低い誘電率を有する有機絶縁材質で形成され得る。例えば、タッチバッファ膜118aは、アクリル系列、エポキシ系列またはシロキサン(siloxane)系列の材質で形成され得る。フレキシブル表示装置の反りによって、封止層ENCAPが損傷され得、タッチバッファ膜118aの上部に位置するタッチセンサメタル141が割れ得る。フレキシブル表示装置が反っても、有機絶縁材質で構成されて平坦化性能を有するタッチバッファ膜118aは、封止層ENCAPの損傷及びタッチライン140を構成するメタル141、142の割れ現象を防止できる。
【0289】
保護層PAC、119がタッチライン140を覆うように配置され得る。保護層119は、有機絶縁膜で構成され得る。
【0290】
保護層119を覆うように有機物層PCL、150が配置される。
【0291】
表示装置100の最上層に有機絶縁膜からなる保護層119だけが配置される場合、保護層119だけでは保護層119の下部に配置されたタッチ感知層TSLによる段差を完璧に補完できず、ユーザにタッチライン140に起因した斑が視認される問題が発生し得る。
【0292】
保護層119の上部に有機絶縁膜からなる有機物層150を追加することで表示装置100の最上層での段差を防止して表示装置100の視認性を改善することができる。
【0293】
有機物層150は、封止層ENCAPの第2封止層117bと同じ物質で形成され得、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、またはシリコンオキシカーボン(SiOC)等の有機絶縁材質で構成され得る。有機物層150は、インクジェット方式を通して形成されてもよいが、これに制限されない。
【0294】
有機物層150上には、偏光層POL、160が配置される。
【0295】
偏光層160は、基板SUBの表示領域DA上で外部光の反射を抑制する。表示装置100が外部で使用される場合、外部の自然光が流入して発光素子のアノード121に含まれた反射層により反射するか、または発光素子120の下部に配置された金属で構成された電極により反射し得る。このように反射した光により表示装置100の映像が視認されないことがある。偏光層160は、外部から流入した光を特定の方向に偏光し、反射した光がまた表示装置100の外部に放出できないようにする。
【0296】
図示してはいないが、偏光層160上には、カバーガラスが接着層により接着され得る。接着層は、表示装置100の各構成要素を互いに接着させる役割を果たすことができ、例えば、感圧接着剤、光透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCR)、光透明レジン(Optical Clear Resin、OCR)等、光学的に透明なディスプレイ用接着剤を使用して形成され得るが、これに制限されない。
【0297】
カバーガラスは、外部の衝撃から表示装置100の構成要素を保護し、スクラッチ等の損傷が発生することを防止できる。
【0298】
以下においては、表示装置100の第1光学領域DA1についてのより詳細な説明のために
図7及び
図8を共に参照する。
【0299】
図7は、本明細書の一実施例に係る光学領域内の発光領域及び透過領域の断面構造を示す断面図である。
図8aは、本明細書の一実施例に係る透過領域と蒸着防止層の位置関係を示す図である。
図8bは、本明細書の一実施例に係る透過領域を拡大して示す拡大図である。
【0300】
以下においては、説明の便宜のために、表示パネルDPで表示領域DAが一般領域NA及び第1光学領域DA1を含む場合(
図1a、
図1b)を例に挙げて説明するが、第1光学領域DA1についての説明は、第2光学領域DA2にも同一に適用され得る。
【0301】
図7を参照すると、第1光学領域DA1は、発光領域EA及び透過領域TAを含む。
【0302】
第1光学領域DA1の発光領域EA及び透過領域TAはいずれも、基本的に、基板SUB、トランジスタ層TRL、平坦化層PLN、発光素子層EDL、封止層ENCAP、タッチセンサ層TSL、保護層PAC、有機物層PCL及び偏光層POLを含むことができる。
【0303】
第1光学領域DA1に含まれる基板SUB、トランジスタ層TRL、平坦化層PLN、発光素子層EDL、封止層ENCAP、タッチセンサ層TSL、保護層PAC、有機物層PCL及び偏光層POLは、表示パネルDPの一般領域NAに配置された同じ参照符号を有する構成要素と実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0304】
第1光学領域DA1で発光領域EAは、表示パネルDPの一般領域NAの構造と実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0305】
以下においては、第1光学領域DA1に配置された透過領域TAを説明する。
【0306】
第1光学領域DA1の発光領域EAに配置された基板SUBと各種の絶縁膜111a、111b、112、113a、113b、114、115a、115b、117a、117b、117c、PACは、第1光学領域DA1の透過領域TAにも同一に配置され得る。
【0307】
ただし、第1光学領域DA1の発光領域EAに配置された絶縁物質以外に、電気的な特性や不透明な特性を有する物質層は、第1光学領域DA1の透過領域TAには配置されなくてよい。
【0308】
本明細書の一実施例によれば、透過領域TAの透過率を確保するために、透過領域TAにはカソード123が配置されない。
【0309】
これを具現するために、透過領域TAの発光層122上に蒸着防止層150が配置される。
【0310】
例えば、蒸着防止層150は、透過領域TAに対応するようにマスク(fine metal mask、FMM)を利用して蒸着できる。具体的に、透過領域TAを露出するようにFMMを位置させた後、蒸着防止層150を形成することができる。
【0311】
透過領域TAの発光層122上に蒸着防止層150を配置した後、カソード123を蒸着する場合、蒸着防止層150は、その上部に配置された層との接着力が低いため、蒸着防止層150が配置された領域には、カソード123が蒸着されないことがある。
【0312】
従って、本明細書の一実施例に係る透過領域TAには、カソード123が配置されなくてよい。
【0313】
また、透過領域TAには、トランジスタと関連した金属物質層135、131、GM、TM、132、133、125と半導体層134が配置されない。また、発光素子120に含まれたアノード121も透過領域TAに配置されなくてよい。また、タッチラインは、透過領域TAに配置されなくてよい。
【0314】
即ち、第1光学領域の透過領域TAは、光学電子装置170と重畳されるため、光学電子装置170の正常な動作のために透過領域TAには金属電極のような不透明な構成要素を配置しないことで透過領域TAの透過率を高めることができる。
【0315】
また、第1光学領域DA1の透過領域TAには、金属電極のような構成要素が配置されないことで、第1光学領域DA1の透過領域TAは、平らな層だけで構成され得る。
【0316】
一方、UDCモデルまたはUDIRモデルで透過領域TAの透過率を確保するためにカソードを除去すれば、UV信頼性が脆弱になり得る。即ち、UV光の透過による有機物質のアウトガス(outgassing)の発生による発光部の画素収縮(shrinkage)不良が発生し得る。
【0317】
そこで、本明細書の一実施例によれば、透過領域TAの有機物質の一部を除去して有機物質の体積を減らすことでUV光の透過による有機物質のアウトガスの発生を抑制できる。
【0318】
本明細書の一実施例によれば、第1光学領域DA1の透過領域TAで、発光層122の下面は、平坦化層PLNと接し得る。即ち、透過領域TAには、バンク116が配置されなくてよい。これによって、透過領域TAに配置された有機物質の体積を減らすことができる。
【0319】
例えば、透過領域でバンクのような有機物質の体積を減らす場合、以後、透過領域に配置される蒸着防止層は、発光層の上部だけではなくバンクの側面にも配置され得る。蒸着防止層は、蒸着防止層の上部または下部に配置された層との接着力が低いため、蒸着防止層の下部に段差がある場合、段差に起因する膜の浮き上がりが発生し得る。
【0320】
そこで、本明細書の一実施例によれば、光学領域DA1で蒸着防止層150は平らな面に配置され得る。即ち、本明細書の一実施例によれば、光学領域DA1で蒸着防止層150の下部は平らであり得、蒸着防止層150は、バンク116と互いに重畳しなくなり得る。
【0321】
本明細書の一実施例によれば、蒸着防止層150の下部には段差が存在しないため、蒸着防止層150の配置による膜の浮き上がりを予防できる。
【0322】
一方、蒸着防止層150が配置されることで、以後、カソード123の蒸着時、カソード123は、蒸着防止層150の上部には配置されなくなる。即ち、カソード123は、光学領域DA1の発光領域EAにのみ配置され得る。発光領域EAに配置されたカソード123の側面と光学領域DA1の透過領域TAに配置された蒸着防止層150の側面は互いに接し得るが、これに制限されない。
【0323】
一方、
図8a及び
図8bを共に参照すると、透過領域TAの面積と蒸着防止層150の面積は同一であり得る。このとき、蒸着防止層150の厚さは一定であり得る。
【0324】
即ち、透過領域TA全体に蒸着防止層150が配置されることで透過領域TAでカソード123のような不透明な電極が配置されず、透過率を改善することができる。
【0325】
図8aに透過領域TAが三角形である構造を示したが、本明細書の一実施例に係る透過領域TAの形状は、これに限定されるものではない。例えば、透過領域TAは、円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。
【0326】
以下においては、
図9及び
図10を参考にして本明細書の他の実施例に係る表示装置について説明する。
【0327】
図9は、本明細書の他の実施例に係る表示装置200の光学領域DA1内の発光領域EA及び透過領域TAの断面構造を示す断面図である。
図10aは、本明細書の他の実施例に係る透過領域TAと蒸着防止層250の位置関係を示す図である。
図10bは、本明細書の他の実施例に係る透過領域TAを拡大して示す拡大図である。
【0328】
図9の表示装置は、
図1乃至
図8の表示装置と比較して蒸着防止層250を除く他の構成は実質的に同一である。そこで、説明の便宜のために、重複した説明は省略する。
【0329】
図9及び
図10を参照すると、本明細書の一実施例に係る蒸着防止層250は、厚さが一定である第1部分253、及び第1部分を囲むように配置され、第1部分より厚さが薄い第2部分255を含むことができる。
【0330】
このとき、第1部分253と第2部分255は一体になされ、同じ物質からなり得る。
【0331】
例えば、第2部分255の厚さは、第1部分253から離れるほど減少し得る。
【0332】
具体的に、本明細書の他の実施例によれば、蒸着防止層250の形成時、FMMを使用して蒸着防止層250を蒸着するようになる。このとき、工程マージンを考慮してFMMを透過領域TAの平らな面の一部と重畳されるように配置し、蒸着防止層250を形成する場合、FMMで露出された領域は、厚さが一定である第1部分253に形成され、FMMと重畳された領域は、工程マージンにより第1部分253から離れるほど厚さが減少する第2部分255に形成される。
【0333】
図10a及び
図10bを共に参照すると、透過領域TAの面積は、第1部分253及び第2部分255で構成される蒸着防止層250の面積と同一であり得る。このとき、
図10aの幅wは、
図10bで第1部分253から離れるほど厚さが減少する第2部分255の幅wに対応する。
【0334】
従って、第2部分255の厚さは、発光領域EAに隣接するほど減少するため、本明細書の他の実施例に係る第1部分253及び第2部分255で構成された蒸着防止層250は、発光領域EAに配置されたバンク116等、段差が形成された部分には配置されず、光学領域DA1の平らな面にのみさらに容易に配置され得る。
【0335】
本明細書の他の実施例によれば、蒸着防止層250の配置による膜の浮き上がり不良を予防する効果がさらに改善され得る。
【0336】
図11は、本明細書の他の実施例に係るフレキシブル表示装置の第1光学領域を示す平面図である。
図12は、
図11のX領域を拡大して示す図である。
【0337】
まず、
図11を参照すると、第1光学領域DA1は、中心領域310と中心領域310の外郭に位置するベゼル領域320を含むことができる。
【0338】
第1光学領域DA1は、複数個の横ラインHLを含むことができる。複数の横ラインHLによってベゼル領域320に位置するトランジスタと中心領域310に位置する発光素子が連結され得る。
【0339】
実施例に係るフレキシブル表示装置300は、ルーティング構造340を含むことができる。ルーティング構造340を含むことで、中心領域310が所定領域aだけ拡張され得る。ルーティング構造340により所定領域aに位置する画素がベゼル領域320に位置するトランジスタと連結され得るためである。
【0340】
ルーティング構造340を含む第1光学領域DA1の構造を具体的に検討すると、次のとおりである。
【0341】
図12を参照すると、第1光学領域は、中心領域310とベゼル領域320に位置する複数の発光素子EDを含むことができる。第1光学領域が複数の発光素子EDを含むことで、第1光学領域が画面を表示することができる。
【0342】
第1光学領域は、ベゼル領域320に位置する複数のトランジスタ350を含むことができる。中心領域310は、トランジスタ350が位置しなくてよい。中心領域310にトランジスタが位置しないことで、中心領域310がより高い透過率を有することができる。
【0343】
第1光学領域は、複数の行を含み、第1行R1及び第2行R2を含むことができる。第1光学領域に含まれる複数の行は、第1光学領域を横方向に横切る任意の領域であって、トランジスタ350のパターンによって規定され得る。
【0344】
フレキシブル表示装置は、中心領域310に位置して第1行R1に位置する発光素子ED及びベゼル領域320に位置して第2行R2に位置するトランジスタ350を含むことができる。
【0345】
フレキシブル表示装置は、第1行R1に位置する発光素子EDと第2行R2に位置するトランジスタ350を電気的に連結するルーティング構造340を含むことができる。
【0346】
ルーティング構造340によって、互いに異なる行に位置するトランジスタ350と発光素子EDが連結され得るので、発光素子EDより多くの数のトランジスタ350が配置された行に位置したトランジスタ350と、それより多くの数の発光素子EDが配置された行に位置した発光素子EDを互いに連結できる。
【0347】
中心領域310が第1行R1で含む発光素子EDの数は、中心領域310が第2行R2で含む発光素子EDの数よりさらに大きくなり得る。従って、第1行R1に含まれる発光素子EDを駆動するためにはさらに多くの数のトランジスタ350が必要であり、第2行R2に含まれる発光素子EDを駆動するためにはさらに少ない数のトランジスタ350が必要である。従って、ベゼル領域320の第2行R2に位置するトランジスタ350のうち第2行R2に位置する発光素子EDと電気的に連結されていない余剰トランジスタ350がルーティング構造340により第1行R1に位置する発光素子EDと電気的に連結され得る。
【0348】
中心領域310は、中心領域310全体で単位面積当たりの画素の数字が実質的に同一であり得る。単位面積当たりの画素の数字が実質的に同一であるとは、例えば、一つの画素パターンが中心領域310全体で実質的に均一であることを意味し得る。従って、中心領域310と重畳される面積が第2行R2より大きな第1行R1には、より多くの数の発光素子EDが位置し得る。
【0349】
例えば、ベゼル領域320が第1行R1で含むトランジスタ350の数は、ベゼル領域320が第2行R2で含むトランジスタ350の数と実質的に同一であり得る。前記例示において、中心領域310が第1行R1で含む発光素子EDの数がさらに多く、中心領域310が第2行R2で含む発光素子EDの数がさらに少なければ、第2行R2に含まれるトランジスタ350の一部は、第2行R2に位置する発光素子EDと電気的に連結されず、第1行R1に位置する発光素子EDと電気的に連結され得る。
【0350】
そして、ベゼル領域320は、ベゼル領域320全体で単位面積当たりのトランジスタ350の数字が実質的に同一であり得る。単位面積当たりのトランジスタのパターンが実質的に同一であるとは、ベゼル領域320全体で一つのトランジスタパターンが実質的に均一であることを意味し得る。
【0351】
ベゼル領域320が第1行R1と重畳される領域の面積は、ベゼル領域320が第2行R2と重畳される領域の面積と実質的に同一であり得る。このような例示において、ベゼル領域320の第1行R1に位置するトランジスタ350の数は、ベゼル領域の第2行R2に位置するトランジスタ350の数と実質的に同一であり得る。
【0352】
ベゼル領域320がこのような場合、ベゼル領域320の行に位置するトランジスタ350の数字が一定に維持され得、ルーティング構造340により特定の行の余剰トランジスタが他の行の余剰発光素子と電気的に連結され得るので、実施例に係るフレキシブル表示装置が比較例のフレキシブル表示装置よりさらに広い中心領域310を有することができる。
【0353】
本明細書の多様な実施例に係る表示装置は、下記のように説明され得る。
【0354】
本明細書の一実施例に係る表示装置は、発光領域及び透過領域を含む光学領域及び光学領域を囲む一般領域を含む表示領域及び非表示領域を含む基板、表示領域で基板上に配置される平坦化層、平坦化層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む複数の発光素子、平坦化層上でアノードの末端を覆うように配置されるバンク、及び光学領域で発光領域及び透過領域のうち透過領域で発光層上に配置される蒸着防止層を含み、バンクは、光学領域で発光領域及び透過領域のうち発光領域に配置される。
【0355】
本明細書の他の特徴によれば、光学領域で基板の下部に配置される光学電子装置をさらに含むことができる。
【0356】
本明細書の他の特徴によれば、光学領域の透過領域で蒸着防止層は、平らな面に配置され得る。
【0357】
本明細書の他の特徴によれば、光学領域の透過領域で発光層の下面は、平坦化層と接し得る。
【0358】
本明細書の他の特徴によれば、光学領域で蒸着防止層とバンクは、互いに重畳しなくなり得る。
【0359】
本明細書の他の特徴によれば、光学領域の発光領域に配置されたカソードの側面と光学領域の透過領域に配置された蒸着防止層の側面は、互いに接し得る。
【0360】
本明細書の他の特徴によれば、蒸着防止層は、厚さが一定であり得る。
【0361】
本明細書の他の特徴によれば、蒸着防止層は、厚さが一定である第1部分、及び第1部分を囲むように配置され、第1部分より厚さが薄い第2部分を含むことができる。
【0362】
本明細書の他の特徴によれば、第2部分の厚さは、第1部分から離れるほど減少し得る。
【0363】
本明細書の他の特徴によれば、第1部分と第2部分は一体になされ、同じ物質からなり得る。
【0364】
以上、添付の図面を参照して、本明細書の実施例をさらに詳細に説明したが、本明細書は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本明細書の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本明細書に開示された実施例は、本明細書の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本明細書の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本明細書の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本明細書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。