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特開2024-96056移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096056
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20240704BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240704BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240704BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20240704BHJP
【FI】
B60L3/00 N
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y20/30
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220128
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】111150903
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】姚 立和
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125CC04
5H125CD10
5H125DD01
5H125DD06
5H125EE07
5H125EE09
5H125EE47
5H125EE55
(57)【要約】
【課題】本発明は、エッジコンピューティング技術により、クラウドにアップロードする際の帯域幅の負荷を軽減し、アップロード速度を向上させ、クラウドサーバーの計算、データ保存、及びデータ処理の負荷を軽減できる移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法を提供する。
【解決手段】制御モジュールにより高周波率で位置情報を読み取り、モーターが出力するトルクと回転角度により小角度から単位力学的エネルギーを計算し、累積演算された単位力学的エネルギーが累積力学的エネルギーになると、走行中のすべての累積力学的エネルギーと相互に対応する位置情報がクラウドにアップロードされ、前記走行の炭素排出量に変換される。高周波測定と累積演算方式により、移動車両の走行中に出力される力学的エネルギーの正確性が大幅に向上し、各走行の炭素排出量は誤って推定されない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両におけるバッテリーユニットを操作制御し、モーターを駆動する制御モジュールに使用される、移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法であって、
前記制御モジュールは、少なくとも、中央処理装置と、前記中央処理装置に接続される保存ユニットと、前記モーターを操作制御するモーター制御ユニットと、前記モーターの出力トルクと回転角度を検知する少なくとも1つのセンサーユニットと、タイマーユニットと、外部の少なくとも1つの測位衛星システムに接続されるGPSモジュールと、外部の少なくとも1つのクラウドサーバーにデータを送信する通信ユニットとからなり、そのうち、前記保存ユニットは、さらに、累積演算ユニットと、データ収集分析ユニットを備え、
前記炭素排出量計算方法は、
移動車両の電源をオンにし走行を開始するプロセス(a)と、
走行の力学的エネルギーの計算を起動するプロセス(b)と、
設定された周期で走行中の単位周期測定パラメータを取得するプロセス(c)と、
単位周期の単位力学的エネルギーを計算するプロセス(d)と、
走行中の単位力学的エネルギーを累積演算し、累積力学的エネルギーを生成するとともに、クラウドにアップロードするプロセス(e)と、
走行終了のトリガーを受信したかどうか判定するプロセス(f)と、
走行を終了するプロセス(g)と、からなり、
プロセス(a)では、電源をオンにして走行準備をするとともに、外部から前記モーターが起動され前記移動車両が作動するのを待った後にプロセス(b)を実行し、
プロセス(b)では、前記モーターが外部から起動されると、前記センサーユニットによって前記モーターの回転角度が設定値に達したかどうかを検出し、内部起動するとともにプロセス(c)を実行し、同時に、外部起動の力学的エネルギーを計算し、前記外部起動の力学的エネルギーは、起動力学的エネルギーと定義されるとともに、前記保存ユニットに一時保存され、
プロセス(c)では、設定された周期で走行中の単位周期測定パラメータを取得し、前記GPSモジュールを使用して、前記タイマーユニットで設定された周期に基づいて前記移動車両の位置情報を読み取るとともに、設定された周期に基づいて、前記モーターの回転角度とトルクを測定し、続いてプロセス(d)を実行し、
プロセス(d)では、上述で取得された回転角度とトルクのパラメータに基づいて、前記モーターの各単位周期の力学的エネルギーを計算し、前記単位周期の力学的エネルギーは、単位力学的エネルギーと定義され、引き続きプロセス(e)を実行し、
プロセス(e)では、アップロードする時間設定及び條件に基づいて、上述の完了した計算を累積演算するが、累積されていない単位力学的エネルギーは、累積力学的エネルギーを生成するとともに、前記複数の累積力学的エネルギー及び前記複数の位置情報を指定の前記クラウドサーバーにアップロードした後にプロセス(f)を実行し、
プロセス(f)では、システムが走行終了のトリガーを受信していない場合、プロセス(c)~プロセス(e)をループ実行し、反対に走行終了のトリガーを受信した場合、プロセス(g)を実行し、
プロセス(g)では、システムが走行終了のトリガーを受信すると、最終データを指定の前記クラウドサーバーにアップロードし、前記最終データは、前記複数の累積力学的エネルギーと前記複数の位置情報を含むがこれらに限定されず、前記クラウドサーバーは、前記走行中にアップロードされた前記起動力学的エネルギー、前記複数の累積力学的エネルギー、及び、前記複数の位置情報を炭素排出量に換算するとともに、それらを合計して、一回の走行の総炭素排出量を算出することで、引き続きカーボンクレジットの取引を行うことを特徴とする移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【請求項2】
走行の力学的エネルギーの計算を起動するプロセス(b)において検知される前記モーターの駆動回転角度の設定値は、10度であることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【請求項3】
設定された周期で走行中の単位周期測定パラメータを取得するプロセス(c)における前記GPSモジュールは、前記タイマーユニットの設定周期である10秒ごとに、前記移動車両の位置情報を一度読み取ることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【請求項4】
設定された周期で走行中の単位周期測定パラメータを取得するプロセス(c)における前記センサーユニットは、前記モーターの回転角度の設定周期である10度ごとに、前記モーターのトルク情報を一度測定することを特徴とする、請求項1に記載の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【請求項5】
走行中の単位力学的エネルギーを累積演算し、累積力学的エネルギーを生成するとともに、クラウドにアップロードするプロセス(e)における、アップロードの時間は、60秒に一回であることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【請求項6】
前記制御モジュールは、モーター制御パネルと、通信制御パネルからなり、前記モーター制御パネルは、中央処理装置と、前記中央処理装置に接続されるメモリーユニットと、前記モーターを操作制御するモーター制御ユニットと、前記モータートルクと回転角度を検知する少なくとも1つのセンサーユニットと、第1送信ユニットを備え、そのうち、前記メモリーユニットは、さらに、累積演算ユニットを備え、また、前記通信制御パネルは、処理コアユニットと、前記処理コアユニットに接続される保存ユニットと、タイマーユニットと、外部に接続される少なくとも1つの測位衛星システムのGPSモジュールと、前記第1送信ユニットに接続される第2送信ユニットと、外部の少なくとも1つのクラウドサーバーにデータを送信する通信ユニットを備え、そのうち、前記保存ユニットは、さらに、データ収集分析ユニットを備えることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーターの技術分野に関し、特に、移動車両の炭素排出量の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気自動車の炭素排出量は、主に、走行中にバッテリーが出力する電気エネルギーに基づいて推定されている。従来の一般的なバッテリーの電力測定方法は、主に以下の2つの方法である。1つ目は、バッテリーユニットの電圧を外部から直接測定する方法である。2つ目は、バッテリーユニット内部のバッテリー管理システムによって電圧を測定する方法である。しかしながら、負荷が急に大きくなると(出力電流が大きくなった場合)、バッテリーの電圧が低下し、単純に電圧だけで残量を判断すると誤判断する可能性がある。また、バッテリーを一定期間使用すると、充放電を繰り返すことでバッテリーのセルが劣化し、それにより内部抵抗が増加することで、同様に電量を誤判断する可能性がある。上述のバッテリーセルの劣化問題を改善するため、現在のバッテリーには充放電回数がより多いリチウム鉄電池が使用されるようになっている。しかしながら、リチウム鉄電池の特性上、充放電の過程における電圧の変化が小さいため、依然として、正確なバッテリーの残量を推定するのが難しいという問題が存在する。
【0003】
言い換えると、バッテリーの残量を誤って推定してしまうと、バッテリーの使用電力量も誤って推定されてしまい、さらに、電気自動車における各走行の炭素排出量も誤推定されてしまう。加えて、従来の炭素排出量の計算方法は、送信帯域幅、速度、及びサーバー容量等の問題に制限され、電気自動車の各走行距離及び前記走行の開始時と終了時の残量のみが、前記走行の炭素排出量の計算の基礎として使用できるため、不正の余地が存在する。それにより、炭素排出量を真に正確に計算することができないため、上述の問題をいかに解決するかが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高周波測定、エッジコンピューティング、及び累積演算の技術により、各走行の炭素排出量の計算の正確性を大幅に向上させ、それにより、すべての人が環境に優しい移動車両を有効活用できるようにし、カーボンクレジットを効率良く取り引きできるようにするとともに、カーボンクレジット市場におけるシェアリングエコノミーを創出する移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、さらに、高周波測定により、モーターの出力が位置情報の起伏変化に対応しているかどうかを確認することで、モーターの実際の使用状況を検証し、それにより、炭素排出量の不正を減らし、カーボンクレジットが公平に取り引きされるようにすることで、温室効果ガスを確実に削減することのできる移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、さらに、エッジコンピューティング技術により、クラウドにアップロードする際の帯域幅の負荷を軽減するとともに、アップロードの速度を向上させることで、クラウドサーバーの計算、データの保存、及びデータ処理の負荷をさらに軽減することのできる移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法は、移動車両におけるバッテリーユニットを操作制御し、モーターを駆動する制御モジュールに使用することができ、本発明の制御モジュールは、少なくとも、中央処理装置と、前記中央処理装置に接続される保存ユニットと、前記モーターを操作制御するモーター制御ユニットと、前記モーターの出力トルクと回転角度を検知する少なくとも1つのセンサーユニットと、タイマーユニットと、外部の少なくとも1つの測位衛星システムに接続されるGPSモジュールと、外部の少なくとも1つのクラウドサーバーにデータを送信する通信ユニットとからなり、そのうち、前記保存ユニットは、さらに、累積演算ユニットと、データ収集分析ユニットを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の好ましい実施例におけるシステムの組織図である。
図2】本発明の別の好ましい実施例におけるシステム構成図である。
図3】本発明の方法のフローチャートである。
図4】本発明を実際の操作に応用した際の組織図である。
図5】本発明を実際の操作に応用した際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示す通り、本発明は、移動車両におけるモーター50とバッテリーユニット60の制御モジュール100の制御に応用される。前記制御モジュール100は、モーター制御パネル10と、通信制御パネル20を備え、前記モーター制御パネル10は、中央処理装置11と、前記中央処理装置11に接続されるメモリーユニット12と、モーター制御ユニット15と、少なくとも1つのセンサーユニット16と、第1送信ユニット18を備える。そのうち、前記中央処理装置11は、各プログラム、データ及びコマンドを実行及び処理するのに用いられ、前記メモリーユニット12は、プログラムを保存したり、力学的エネルギー計算公式、測定情報及び累加計算の結果データを出力したりするのに用いられる。また、前記メモリーユニット12は、さらに、同じ走行中における複数の力学的エネルギーの計算結果を累加することのできる累積演算ユニット14を備え、前記モーター制御ユニット15は、外部のモーター50に接続されることで、前記モーター50の動作が操作制御される。さらに、前記複数のセンサーユニット16は、前記モーター50の出力軸の負荷経路に設けられることで、前記モーター50における出力軸のトルクと回転角度が測定される。また、前記第1送信ユニット18は、前記モーター制御パネル10と上述の通信制御パネル20間で相互にデータを送信するのに用いられる。複数の実施例に基づき、前記中央処理装置11、前記メモリーユニット12、前記モーター制御ユニット15、及び/または前記第1送信ユニット18は、一体型半導体裝置であることができる。
【0010】
前記通信制御パネル20は、処理コアユニット21と、前記処理コアユニット21に接続される保存ユニット22と、タイマーユニット23と、GPSモジュール24と、第2送信ユニット26と、通信ユニット27を備える。そのうち、前記処理コアユニット21は、各プログラム、データ及びコマンドを実行及び処理するのに用いられ、前記保存ユニット22は、プログラム及び各種データを保存するのに用いられる。また、前記保存ユニット22は、さらに、同じ走行中における力学的エネルギーの累加結果、走行位置、及び走行距離を収集分析することのできるデータ収集分析ユニット25を備える。加えて、前記GPSモジュール24は、外部の少なくとも1つの測位衛星システム70に接続されることで、走行位置及び走行距離を読み取ることができる。さらに、前記第2送信ユニット26は、前記モーター制御パネル10の第1送信ユニット18に接続されることで、相互にデータを送信することができ、前記通信ユニット27によって、インターネットで外部のクラウドサーバー80に接続できることで、データをアップロードすることができる。加えて、前記タイマーユニット23によって、前記GPSモジュール24を設定及び操作制御し、走行位置、走行距離、及び前記通信ユニット27のデータアップロードの周期を読み取ることができる。さらに、複数の実施例に基づき、前記処理コアユニット21、前記保存ユニット22、前記タイマーユニット23、前記第2送信ユニット26、及び/または、前記通信ユニット27は、一体型半導体裝置であることができる。
【0011】
本発明を実際に使用する場合、図1図3及び図4に示す通り、前記制御モジュール100によって、移動車両の同一走行中に高周波で測定することができるとともに、エッジコンピューティングの技術により、前記モーター50が出力する少なくとも1つの単位の力学的エネルギーを計算するとともに、前記走行におけるすべての単位の力学的エネルギーを累積して累積力学的エネルギーを生成した後、前記累積力学的エネルギーをアップロードして走行における炭素排出量を換算することで、カーボンクレジットの取り引きを行うことができる。本発明を使用する前に、前記制御モジュール100のモーター制御パネル10における中央処理装置11と通信制御パネル20の処理コアユニット21によって実行されるプログラムにおける各項目の操作制御を前もって設定しておくことができる。前記設定は、トリガー条件及び測定周期の設定(例えば、出力軸の回転角度が10度に達したら一回測定する)、位置情報の読み取り周期の設定(例えば、10秒ごとに一回読み取る)及び、アップロードする時間の設定(データをアップロードする時間の間隔、例えば、60秒ごとに一回アップロードする)を少なくとも備える。本発明の移動車両におけるモーターの力学的エネルギーに基づく炭素排出量の計算方法のプロセスは以下の通りである。
【0012】
移動車両の電源をオンにし走行を開始するプロセス(a)では、前記移動車両が、一回の走行を実行する準備を始めると、移動車両の電源をまずオンにした後、前記通信制御パネル20の通信ユニット27によって、前記モーター制御パネル10と前記通信制御パネル20におけるメモリーユニット12及び保存ユニット22に保存されている前記移動車両の走行開始に関連するデータをクラウドに送信する。前記データには、累積された力学的エネルギー、現在位置情報等が含まれるがこれらに制限されない。さらに、使用者が外部から前記モーター50を起動させて移動車両が作動するのを待った後にプロセス(b)を実行する。
【0013】
走行の力学的エネルギーの計算を起動するプロセス(b)では、使用者が前記移動車両の電源をオンにして外部から前記モーター50を起動させ、出力軸によって移動車両を駆動させると、前記バッテリーユニット60の入力電力によって前記モーター50が駆動し、前記モーター制御パネル10の前記複数のセンサーユニット16によって、前記モーター50の出力軸の回転角度が設定値(例えば10度)に達したことが検出されるとすぐに、内部でプロセス(c)の実行が起動される。前記モーター制御パネル10の中央処理装置11は、前記メモリーユニット12に保存されている力学的エネルギープログラムを使用し、前記複数のセンサーユニット16により検出された回転角度とトルクに基づいて、外部起動の前記モーター50の力学的エネルギーを計算する。前記外部起動の力学的エネルギーは、起動力学的エネルギーと定義されるとともに、前記メモリーユニット12に一時的に保存される。
【0014】
設定された周期で走行中の単位周期測定パラメータを取得するプロセス(c)では、前記移動車両が起動且つ駆動されると、前記制御モジュール100の通信制御パネル20は、GPSモジュール24を使用して、タイマーユニット23で設定された周期(例えば、10秒ごと)に基づいて、前記移動車両の位置情報を読み取るとともに、各単位周期の位置情報を逐一前記保存ユニット22に一時保存する。さらに、前記モーター制御パネル10の前記複数のセンサーユニット16は、設定された周期(例えば、10度ごと)に基づいて、前記モーター50の出力軸の回転角度とトルクを測定するとともに、各単位周期の回転角度とトルクを逐一前記メモリーユニット12のバッファー領域に一時保存する。続いて、プロセス(d)を実行する。
【0015】
単位周期の単位力学的エネルギーを計算するプロセス(d)では、単位周期の測定によって回転角度とトルクを取得したら、前記モーター制御パネル10の中央処理装置11内における力学的エネルギーのプログラムにより、上述の回転角度とトルクのパラメータに基づいて前記モーター50の各単位周期の力学的エネルギーを計算する。前記単位周期の力学的エネルギーは、単位力学的エネルギーと定義されるとともに、各単位力学的エネルギーを前記メモリーユニット12に逐一一時保存する。続けて、プロセス(e)を実行する。
【0016】
走行中の単位力学的エネルギーを累積演算し、累積力学的エネルギーを生成するとともに、クラウドにアップロードするプロセス(e)では、複数の単位力学的エネルギーの計算が完了すると、アップロードする時間設定及び条件に応じて、例えば、60秒ごとに一回アップロードし、上述のすでに完成した計算を累積演算するが、累積されていない単位力学的エネルギーは、累積力学的エネルギーを生成するとともに、前記通信制御パネル20の通信ユニット27によって、上述のメモリーユニット12及び保存ユニット22内の累積力学的エネルギー及び位置情報を指定のクラウドサーバー80にアップロードする。同時に、アップロードが完了すると、前記保存ユニット22におけるすでにアップロードされた位置情報をクリアするとともに、プロセス(f)を実行する。
【0017】
走行終了のトリガーを受信したかどうか判定するプロセス(f)では、各累積力学的エネルギーのアップロードが完了すると、走行終了のトリガーを受信したかどうかを判定する。システムが走行終了のトリガーを受信していない場合、プロセス(c)~プロセス(e)をループ実行し、反対に走行終了のトリガーを受信した場合、プロセス(g)を実行する。
【0018】
走行を終了するプロセス(g)では、システムが走行終了のトリガーを受信する、例えば、前記移動車両のバッテリーユニット60がモーター50への電力供給を停止すると、前記通信制御パネル20の通信ユニット27は、前記モーター制御パネル10と前記通信制御パネル20におけるメモリーユニット12及び保存ユニット22内の最終データを指定のクラウドサーバー80にアップロードする。前記最終データは、累積力学的エネルギー、位置情報等を含むがこれらに限定されない。同時に、アップロードが完了すると、アップロードされた位置情報をクリアするとともに、走行を終了する。それにより、指定されたクラウドサーバー80は、前記移動車両の前記走行中にアップロードされた起動力学的エネルギー、複数の累積力学的エネルギー、及び位置情報等を炭素排出量に換算するとともに、それらを合計して、一回の走行の総炭素排出量を算出することで、引き続きカーボンクレジットの取引を行うことができる。
【0019】
例えば、図5は、本発明の方法における好ましい実施例の操作のフローチャートである。前記移動車両が走行し始めると、前記移動車両の制御モジュール100は、例えば、メモリーユニット12におけるクリアされていない累積された力学的エネルギー、現在位置情報等の開始データをクラウドの指定サーバー80に送信する。さらに、感知した前記モーター50の起動をトリガーする回転角度が設定値に達したかどうかを判断する。例えば、設定値に達していなければ、引き続きトリガーを待ち、反対に、例えば、設定値に達していれば、感知したトルクと回転角度により起動力学的エネルギーを計算するとともに、位置情報を読み取る時間に到達したかどうかを引き続き判断する。例えば、位置情報を読み取る時間に到達していなければ、引き続き、次の単位の周期読み取り時間を待ち、反対に、例えば、単位の周期読み取り時間が到達すると、位置情報を読み取り且つ保存するとともに、小回転の角度の設定値により、前記モーター50の出力軸のトルクと回転角度を検出して、前記単位周期の単位力学的エネルギーを計算する。さらに、順次累積された単位力学的エネルギーは、累積力学的エネルギーを生成する。続いて、データをクラウドにアップロードする時間が到達したかを引き続き判断する。例えば、アップロードする時間に到達していない場合、次の単位周期をアップロードする時間が到達するのを引き続き待ち、反対に、例えば、データをアップロードする時間に到達したら、データをクラウドにアップロードする。前記データは、起動力学的エネルギー、累積力学的エネルギー、位置情報等を含むがこれらに限定されない。さらに、アップロードが完了すると、アップロードされた位置情報をクリアし、続いて、走行が終了したがどうかを引き続き判断する。例えば、走行がまだ終了していない場合、上述の動作を繰り返しループ実行し、反対に、例えば、走行終了がトリガーされると、最終データをクラウドにアップロードする。前記最終データは、累積力学的エネルギー、位置情報等を含むがこれらに限定されない。さらに、アップロードが完了すると、アップロードされた位置情報をクリアすると同時に、走行を終了する。
【0020】
複数の実施例に基づき、図2に示す通り、前記制御モジュール100は、モーター制御パネル30からなることができる。前記モーター制御パネル30は、中央処理装置31と、前記中央処理装置31に接続される保存ユニット32と、モーター制御ユニット35と、少なくとも1つのセンサーユニット36と、タイマーユニット37と、GPSモジュール38と、通信ユニット39を備える。そのうち、前記中央処理装置31によって、各プログラム、データ及びコマンドを実行及び処理することができ、前記モーター制御ユニット35は、外部のモーター50に接続されることで、前記モーター50の動作が操作制御される。さらに、前記複数のセンサーユニット36は、前記モーター50の出力軸に設けられ、それにより、前記モーター50の出力軸の回転角度とトルクが測定される。前記保存ユニット32により、プログラム、力学的エネルギーの計算公式、測定情報、及び累積された計算結果データを保存することができる。また、前記保存ユニット32は、同一走行における複数の計算された単位力学的エネルギーの結果を加えて累積する累積演算ユニット34と、走行中に出力された力学的エネルギーの累積結果、走行位置、及び距離を加えて収集分析するデータ収集分析ユニット33を備える。さらに、前記GPSモジュール38は、外部の測位衛星システム70に接続されることで、走行位置及び距離を読み取ることができる。さらに、前記通信ユニット39により、インターネットを介して外部のクラウドサーバー80に接続してデータをアップロードすることができる。また、前記タイマーユニット37により、前記GPSモジュール38が読み取る前記移動車両の位置情報の周期と、前記通信ユニット39がアップロードするデータの周期を設定且つ操作制御できることで、同様に本発明の炭素排出量の計算方法の実行に使用することができる。
【0021】
上述から分かる通り、本発明は、本発明の制御モジュール100によって、高周波率で位置情報及び前記モーター50における小回転の角度で出力されるトルクに基づいて計算された単位力学的エネルギーを読み取るとともに、累積演算された単位力学的エネルギーが累積力学的エネルギーになると、前記走行中のすべての累積力学的エネルギーと相互に対応する位置情報をクラウドにアップロードすることで、比較検証できるとともに、前記走行の炭素排出量に変換することができる。高周波測定と累積演算方式により、移動車両が前記走行中に出力した力学的エネルギーの正確性が大幅に向上し、各走行の炭素排出量が誤って推定されないようにできる。さらに、エッジコンピューティング技術により、クラウドにアップロードする際の帯域幅の負荷を軽減するとともにとアップロードの速度を向上させ、クラウドサーバー80の計算、データの保存、及びデータ処理の負荷をさらに軽減するとともに、高周波測定により、モーターの出力が位置情報の起伏変化に対応しているかどうかを確認することで、実際の使用状況をさらに検証することができる。それにより、不正の余地を減らし、移動車両の炭素排出量が真に正確に計算されることで、電気自動車を使用する個人がカーボンクレジットの取り引きを行えるようにし、それにより、温室効果ガス削減の問題が真に解決されるとともに、環境に優しい移動車両産業を効果的に創出及び活性化することができる。
【符号の説明】
【0022】
100 制御モジュール
10 モーター制御パネル
11 中央処理装置
12 メモリーユニット
14 累積演算ユニット
15 モーター制御ユニット
16 センサーユニット
18 第1送信ユニット
20 通信制御パネル
21 処理コアユニット
22 保存ユニット
23 タイマーユニット
24 GPSモジュール
25 データ収集分析ユニット
26 第2送信ユニット
27 通信ユニット
30 モーター制御パネル
31 中央処理装置
32 保存ユニット
33 データ収集分析ユニット
34 累積演算ユニット
35 モーター制御ユニット
36 センサーユニット
37 タイマーユニット
38 GPSモジュール
39 通信ユニット
50 モーター
60 バッテリーユニット
70 測位衛星システム
80 クラウドサーバー
(a)移動車両の電源をオンにし走行を開始する
(b)モーターを起動させて走行力学的エネルギーを計算する
(c)設定された頻度で走行中の単位頻度の測定パラメータを取得する
(d)単位頻度の単位力学的エネルギーを計算する
(e)走行中の単位力学的エネルギーを累積演算し、累積力学的エネルギーを生成するとともに、クラウドにアップロードする
(f)走行を終了するのトリガーを受信したかどうか判定する
(g)走行を終了する
図1
図2
図3
図4
図5