(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096063
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】バッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステム、および補助電力を供給する方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240704BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240704BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
H02J7/02 F
H02J3/32
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023220695
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】63/477,875
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 翊書
(72)【発明者】
【氏名】潘 居清
(72)【発明者】
【氏名】戴 余侃
(72)【発明者】
【氏名】余 師嫻
(72)【発明者】
【氏名】簡 裕昌
(72)【発明者】
【氏名】林 育志
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 懋勝
(72)【発明者】
【氏名】陳 建中
(72)【発明者】
【氏名】陳 春成
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 國禎
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲彦▼翔
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066AA04
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バッテリ交換ステーションの稼働率を向上させるバッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステムおよび補助電力を供給する方法を提供する。
【解決手段】バッテリ交換システムは、電力グリッドおよびグリッド監視システムに結合された電力供給システムと、複数の交換可能なバッテリを収容するバッテリ交換キャビネットと、制御システムと、を有する。バッテリ交換キャビネットに交換可能なバッテリが配置されると検証が実行され、検証に合格した後に交換可能なバッテリを充電または放電することができる。グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システムは、電力グリッドからの電力の受け取りを停止し、交換可能なバッテリが放電してバッテリ交換システムへの駆動電力および電力グリッドへの補助電力を同時に供給するように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ交換システムであって、
電力グリッドに結合された電力供給システム、およびグリッドファクタを検出するように構成されたグリッド監視システムと、
複数の交換可能なバッテリを収容するように構成された少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットと、
前記電力供給システムおよび前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに結合された制御システムであり、交換可能なバッテリが前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内に配置されると、前記配置された交換可能なバッテリに対して検証を実行するように構成され、前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内の前記検証に合格した前記複数の交換可能なバッテリが充電または放電するように制御するようにさらに構成されている、制御システムと、
を備え、
前記グリッドファクタが異常である場合、前記電力供給システムは、前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止し、前記制御システムは、前記複数の交換可能なバッテリが放電して、前記バッテリ交換システムに駆動電力を供給し、前記電力グリッドに補助電力を供給するように制御する、
バッテリ交換システム。
【請求項2】
前記制御システムは、前記グリッド監視システムから監視信号を受信するように構成され、前記監視信号は、前記グリッドファクタが異常である場合に、周波数異常信号を含むか、または予め設定された周波数よりも低いグリッド周波数を示す、請求項1に記載のバッテリ交換システム。
【請求項3】
前記電力供給システムは、
前記グリッドファクタが異常である場合に、前記電力供給システムと前記電力グリッドとの間の電力入力接続を遮断して、前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止するように構成された電力スイッチモジュールであって、
前記グリッドファクタが正常に戻ると、予め設定された時間の後、または前記複数の交換可能なバッテリのうちの1つもしくは複数のSoCが予め設定されたSoC下限しきい値よりも低いときに、前記電力入力接続を回復するようにさらに構成されている、電力スイッチモジュールと、
前記電力スイッチモジュールに結合され、前記電力グリッドからのAC電力を前記制御システムおよび前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに適したDC電力に変換するように構成され、前記複数の交換可能なバッテリからのDC電力を前記電力グリッドに適したAC電力に変換するように構成された電力変換モジュールと、
を備える、請求項1に記載のバッテリ交換システム。
【請求項4】
前記複数の交換可能なバッテリのうちの少なくとも1つがUPSバッテリとして設定され、前記電力供給システムが前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止すると、前記バッテリ交換システムは、前記UPSバッテリから前記駆動電力を受け取る、請求項1に記載のバッテリ交換システム。
【請求項5】
前記電力供給システムが前記電力グリッドから電力を受け取ると、前記UPSバッテリは、充電不可に設定され、放電に備えるように設定され、前記複数の交換可能なバッテリの少なくとも一部は、UPS補助バッテリとして設定され、前記バッテリ交換システムが前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止すると、まず前記UPSバッテリが前記駆動電力を供給するように構成され、次いで、前記UPS補助バッテリが放電して前記駆動電力を供給するように制御される、請求項4に記載のバッテリ交換システム。
【請求項6】
前記制御システムが前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止すると、前記制御システムは、前記配置された交換可能なバッテリに対して検証を実行するように構成され、前記複数の交換可能なバッテリのうちの1つを選択して前記配置された交換可能なバッテリと交換するように構成されている、請求項4に記載のバッテリ交換システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットは、複数のバッテリスロットを備え、前記複数のバッテリスロットのそれぞれは、コネクタ、データ送信機、およびコントローラを備え、交換可能なバッテリが前記複数のバッテリスロットのうちの1つに配置され、前記コネクタが前記交換可能なバッテリに結合されると、前記データ送信機は、前記交換可能なバッテリと通信するように構成されている、請求項1に記載のバッテリ交換システム。
【請求項8】
前記電力供給システムは、
前記電力グリッドによって供給されるAC電力のノイズをフィルタリングするように構成された少なくとも1つの電磁干渉フィルタモジュールと、
前記少なくとも1つの電磁干渉フィルタモジュールによってフィルタリングされた前記AC電力を受け取るように構成され、DC電力を出力するように構成されている、少なくとも1つのAC/DC変換モジュールと、
前記少なくとも1つのAC/DC変換モジュールおよび前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに結合された少なくとも1つの双方向DC/DC変換モジュールであって、前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに適するように前記DC電力の電圧を変換するように構成され、前記複数の交換可能なバッテリによって供給される前記DC電力の電圧を前記制御システムに適した電圧に変換するように構成されている、少なくとも1つの双方向DC/DC変換モジュールと、
を備える、請求項1に記載のバッテリ交換システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのAC/DC変換モジュールが単方向AC/DCコンバータを備え、前記電力供給システムは、
前記少なくとも1つの双方向DC/DC変換モジュールによって変換された前記DC電力を受け取るように構成され、前記補助電力を供給するためにAC電力を出力するように構成された少なくとも1つのインバータ、
をさらに備える、請求項8に記載のバッテリ交換システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのAC/DC変換モジュールは、双方向AC/DCコンバータを備え、前記少なくとも1つの双方向DC/DC変換モジュールによって変換された前記DC電力を受け取るように構成され、前記補助電力を供給するためにAC電力を出力するように構成されている、請求項8に記載のバッテリ交換システム。
【請求項11】
請求項1に記載の複数のバッテリ交換システムであって、複数の地理的位置に配置されている、複数のバッテリ交換システムと、
インターネットを介して前記複数のバッテリ交換システムに結合され、前記グリッドファクタが異常である場合に前記複数のバッテリ交換システムが複数の補助電力を供給するように、電力補助構成を前記複数のバッテリ交換システムに送信するように構成されているバックエンドシステムと、
を備える、バッテリ交換ネットワークシステム。
【請求項12】
前記電力補助構成は、割り当てられた待機期間を含み、
前記割り当てられた待機期間中、前記バッテリ交換ネットワークシステムは、前記グリッドファクタが異常である場合に前記複数の補助電力を供給し、前記グリッドファクタが正常である場合に前記電力グリッドから電力を受け取る、請求項11に記載のバッテリ交換ネットワークシステム。
【請求項13】
電力グリッドによってバッテリ交換システムに電力を供給することと、
前記バッテリ交換システムの少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットによって、交換可能なバッテリを受け取ることと、
前記受け取られた交換可能なバッテリが検証に合格した後、前記受け取られた交換可能なバッテリが充電または放電することを可能にし、前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内に配置された複数の交換可能なバッテリのうちの1つを選択して、前記受け取られた交換可能なバッテリと交換することと、
前記電力グリッドのグリッドファクタが異常である場合、前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止するように前記バッテリ交換システムを制御し、前記複数の交換可能なバッテリが放電して、前記バッテリ交換システムに駆動電力を供給し、前記電力グリッドに補助電力を供給するように制御することと、
を含む、補助電力を供給する方法。
【請求項14】
監視信号を受信し、前記監視信号が周波数異常信号を含むか、または予め設定された周波数よりも低いグリッド周波数を示す場合に、前記グリッドファクタが異常であると判定すること、
をさらに含む、請求項13に記載の補助電力を供給する方法。
【請求項15】
前記電力グリッドによって前記バッテリ交換システムに電力を供給することは、
前記電力グリッドから電力を受け取るために、前記バッテリ交換システムと前記電力グリッドとの間に電力入力接続を確立することと、
前記電力グリッドからのAC電力を、制御システム、および前記バッテリ交換システムの前記少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに適したDC電力に変換することと、を含み、
前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止するように前記バッテリ交換システムを制御し、前記複数の交換可能なバッテリが放電するように制御することは、
前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止するために前記電力入力接続を遮断することと、
前記複数の交換可能なバッテリからのDC電力を前記電力グリッドに適したAC電力に変換することと、を含む、
請求項13に記載の補助電力を供給する方法。
【請求項16】
前記複数の交換可能なバッテリのうちの少なくとも1つをUPSバッテリとして設定することと、
前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止すると、前記UPSバッテリによって前記駆動電力を供給することと、
をさらに含む、請求項13に記載の補助電力を供給する方法。
【請求項17】
前記複数の交換可能なバッテリの少なくとも一部をUPS補助バッテリとして設定することと、
前記電力グリッドが電源として使用される場合に、前記UPSバッテリを充電不可に設定し放電に備えるように設定することと、
をさらに含み、
前記バッテリ交換システムに前記駆動電力を供給するために前記複数の交換可能なバッテリが放電するように制御することは、
前記バッテリ交換システムが前記電力グリッドからの電力の受け取りを停止すると、前記UPSバッテリによって前記駆動電力を供給し、次いで、前記UPS補助バッテリが放電して前記駆動電力を供給するように制御することを含む、
請求項16に記載の補助電力を供給する方法。
【請求項18】
バックエンドシステムによって、インターネットを介して複数の前記バッテリ交換システムに電力補助構成を送信し、その結果、前記複数のバッテリ交換システムが前記電力補助構成に基づいて前記補助電力を供給すること、
をさらに含む、請求項13に記載の補助電力を供給する方法。
【請求項19】
前記電力補助構成が割り当てられた待機期間を含み、前記複数のバッテリ交換システムが前記電力補助構成に基づいて前記補助電力を供給する、請求項18に記載の補助電力を供給する方法であって、
前記割り当てられた待機期間中に、前記グリッドファクタが異常である場合、前記複数のバッテリ交換システムによって前記補助電力を供給することと、
前記割り当てられた待機期間中に、前記グリッドファクタが正常である場合、前記複数のバッテリ交換システムによって前記電力グリッドから電力を受け取ることと、を含む、方法。
【請求項20】
前記複数のバッテリ交換システムの稼働履歴データに基づいて給電容量データを計算することであって、前記給電容量データが前記複数のバッテリ交換システムの複数の供給容量を含む、計算することと、
前記給電容量データに基づいてサービスの落札データを取得することであって、前記サービスの落札データが総入札容量を含む、取得することと、
前記サービスの落札データに基づいて前記電力補助構成を構成することであって、前記電力補助構成によって示される前記複数のバッテリ交換システムの前記複数の供給容量の合計が前記総入札容量よりも大きい、構成することと、
をさらに含む、請求項18に記載の補助電力を供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力管理技術に関し、詳細には、バッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステム、および補助電力を供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ交換電気車両の人気に伴い、バッテリ交換ステーションが至る所に広く展開されている。電気車両の交換可能なバッテリの電力が低下している場合、ユーザは近くのバッテリ交換ステーションに行き、電気車両の利用可能な耐久走行距離を直ちに回復するのに十分な電力を有する交換可能なバッテリに交換することができる。しかしながら、バッテリ交換の需要は絶えず変化している。各バッテリ交換ステーションには、利用が多い期間(通勤時間帯など)および利用が少ない期間(非通勤時間帯および深夜など)があり、郊外にあるバッテリ交換ステーションは、通常、平日の利用率が低い。そのため、バッテリ交換ステーションの稼働率をどのように向上させるかが重要な課題となっている。
【0003】
電力グリッドの信頼性を向上させるためには、電力グリッドの系統容量の妥当性、系統品質および系統安全性を向上させなければならない。系統容量は、負荷(消費)需要を満たすためにより多くの電源に依存しなければならず、系統品質および系統安全性は、停電を回避するために電力補助サービスを介して電力供給能力と消費量との動的バランスを維持することができる。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、基本的な理解のために本開示の簡略化された概要を提供するために提供される。本概要は、本開示の包括的な完全な説明ではなく、重要/主要な要素を示したり、本開示の実施形態の範囲を定義したりすることを意図するものではない。
【0005】
本開示の一態様は、電力供給システムと、少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットと、制御システムとを備えるバッテリ交換システムである。電力供給システムは、電力グリッドと、グリッドファクタを検出するように構成されたグリッド監視システムとに結合される。少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットは、複数の交換可能なバッテリを収容するように構成される。制御システムは、電力供給システムおよび少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットに結合される。交換可能なバッテリが少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内に配置されると、制御システムは、配置された交換可能なバッテリに対して検証を実行するように構成され、制御システムは、少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内の検証に合格した複数の交換可能なバッテリを充電または放電するように制御するようにさらに構成される。グリッドファクタが異常である場合、電力供給システムは、電力グリッドからの電力の受け取りを停止し、制御システムは、複数の交換可能なバッテリが放電して、バッテリ交換システムに駆動電力を供給し、電力グリッドに補助電力を供給するように制御する。
【0006】
本開示の別の態様は、複数のバッテリ交換システムとバックエンドシステムとを備えるバッテリ交換ネットワークシステムである。バッテリ交換システムは、複数の地理的位置に配置される。バックエンドシステムは、インターネットを介して複数のバッテリ交換システムに結合され、グリッドファクタが異常である場合に複数のバッテリ交換システムが複数の補助電力を供給するように、電力補助構成を複数のバッテリ交換システムに送信するように構成される。
【0007】
本開示の別の態様は、バッテリ交換システムによって補助電力を供給する方法であって、電力グリッドによってバッテリ交換システムに電力を供給することと、バッテリ交換システムの少なくとも1つのバッテリ交換キャビネットによって、交換可能なバッテリを受け取ることと、受け取られた交換可能なバッテリが検証に合格した後、受け取られた交換可能なバッテリが充電または放電することを可能にし、少なくとも1つのバッテリ交換キャビネット内に配置された複数の交換可能なバッテリのうちの1つを選択して、受け取られた交換可能なバッテリと交換することと、グリッドファクタが異常である場合、電力グリッドからの電力の受け取りを停止するように電力供給システムを制御し、複数の交換可能なバッテリが放電して、バッテリ交換システムに駆動電力を供給し、電力グリッドに補助電力を供給するように制御することと、を含む。
【0008】
本開示のバッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステム、および補助電力を供給する方法は、グリッドファクタが異常である場合に、交換可能なバッテリから補助電力を即座に供給して電力グリッドの安定性を維持することができる。
【0009】
バッテリ交換サービスを提供することに加えて、本開示は、バッテリ交換ステーションおよび交換可能なバッテリの利用率を向上させることができる電力補助サービスを提供するようにさらに構成される。
【0010】
バッテリ交換サービスの提供による収益に加えて、本開示は、電力補助サービスの提供による収益をさらに得る。
【0011】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は例によるものであり、特許請求される本開示のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、以下の添付の図面を参照して、実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され得る。
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換ネットワークシステムの概略図である。
【0014】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換ネットワークシステムの概略図である。
【0015】
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態における電力変換モジュールの概略図である。
【0016】
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態における電力変換モジュールの概略図である。
【0017】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換システムによって補助電力を供給する方法を示すフローチャートである。
【0018】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。
【0019】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。
【0020】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。
【0021】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。
【0022】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の説明をより詳細かつ完全にするために、以下で、実施態様および特定の実施形態の例示的な説明を提供する。しかしながら、これは特定の実施形態を実施または使用する唯一の形態ではない。実施形態は、複数の特定の実施形態の特徴、ならびにこれらの特定の実施形態を構築および操作するために使用されるステップおよびシーケンスを包含するが、他の特定の実施形態を使用して、同じまたは同等の機能およびステップシーケンスを達成することもできる。
【0024】
本開示において他に定義されない限り、本明細書で使用される科学的および技術的用語は、当業者によって一般的に理解され、慣習的であるのと同じ意味を有する。加えて、文脈と文脈との間に矛盾がない限り、本開示で使用される単数形の用語はその用語の複数形を包含することができ、使用される複数形の用語はその用語の単数形も包含することができる。
【0025】
さらに、本開示で使用される「結合」という用語は、2つ以上の構成要素間の直接的な物理的もしくは電気的接触、または間接的な物理的もしくは電気的接触を指すことができる。この用語は、互いに動作する2つ以上の構成要素または動作を指す場合もある。
【0026】
「バッテリ交換サービス」とは、交換可能なバッテリが少なくなっているときに、ユーザが近くのバッテリ交換システムに行き、使用済み(ほとんど使い果たされている)交換可能なバッテリを十分なパワー(電力)を有する交換可能なバッテリと交換することができることを意味する。上述の交換可能なバッテリは、例えば、電気車両(例えば、電動スクータまたは電気自動車)、スマートパーキングポールまたはスマート(交通)ライトおよび他の電気機器に使用することができる。バッテリ交換サービスを通じて、ユーザは、電気車両の利用可能な耐久走行距離またはスマートパーキングポールの利用可能な動作時間などの電気機器の利用可能性を容易かつ迅速に拡張することができる。
【0027】
「電力補助サービス」は、電力グリッドが需給不均衡または事故などの予期しない事象に遭遇したときに、電力グリッドを正常な状態に回復させることができるサービスである。一般的な補助サービスには、レギュレーションリザーブ(Regulation Reserve)、スピニングリザーブ(Spinning Reserve)およびサプリメントリザーブ(Supplemental Reserve)が含まれる。多くの実験の後、レギュレーションリザーブおよびスピニングリザーブは、必要な持続時間が短く、使用する供給容量が少ないため、これらのサービスは、バッテリ交換システムで実施するのに適している。
【0028】
電力グリッドの容量の妥当性ならびに系統の品質および安全性を向上させるために、電力会社は電力取引プラットフォームを推進し、関連企業が電力取引プラットフォームに参加して追加の電力容量および電力補助サービスを取引できるようにしている。電力取引プラットフォームを介して、関連企業は、追加の電力容量または電力補助サービスを提供することによって追加の収益を得ることができる。
【0029】
本開示は、バッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステム、および補助電力を供給する方法を提供する。バッテリ交換サービスを提供することに加えて、電力会社の電力システムが異常である場合、交換可能なバッテリを直ちに使用して電力補助サービスを提供することができる。
【0030】
図1は、本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換ネットワークシステムS1の概略図である。バッテリ交換ネットワークシステムS1は、バッテリ交換システム100を含み、グリッド監視システムPMおよび電力グリッドPGに適用される。グリッド監視システムPMは、電力グリッドPGに結合され、電力グリッドPGのグリッドファクタを検出して、電力グリッドPGの電力供給能力が異常であるかどうかを判定するように構成されている。
【0031】
バッテリ交換システム100は、電力供給システム110と、1つまたは複数のバッテリ交換キャビネット120と、制御システム130とを含む。電力供給システム110は、電力グリッドPGおよびグリッド監視システムPMに結合されている。電力グリッドPGの電力供給が安定している場合、電力供給システム110は、電力グリッドPGによって供給される交流(AC)電力ACを、バッテリ交換キャビネット120および制御システム130に適した直流(DC)電力DCに変換する。電力グリッドPGの電力供給が不安定または異常である場合、バッテリ交換システム100は、電力供給システム110によって補助電力(AC電力AC)を電力グリッドPGに供給/出力することができる。詳細な制御については、後の段落で説明する。
【0032】
バッテリ交換キャビネット120のそれぞれは、電力供給システム110および制御システム130に結合され、複数の交換可能なバッテリBを収容するための複数のバッテリスロットを含む。制御システム130は、電力供給システム110およびバッテリ交換キャビネット120に結合され、電力供給システム110およびバッテリ交換キャビネット120の動作状態を制御または変更するように構成されている。制御システム130は、限定はしないが、中央処理装置(CPU)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの(制御回路を含む)1つまたは複数のプロセッサ/コントローラであってもよい。制御システム130が複数のプロセッサ/コントローラを含む場合、これらのプロセッサ/コントローラは、同じデバイスに統合されてもよく、またはバッテリ交換システム100に分散されてもよい。例えば、電力供給システム110の各機器の電力供給コントローラ、各バッテリ交換スロット内のバッテリホルダの接続コントローラおよび通信コントローラ、バッテリ交換キャビネット120のコントローラ、産業用PCのプロセッサ、通信モジュールのコントローラなどである。
【0033】
システムにとって新しい交換可能なバッテリBがバッテリ交換キャビネット120に配置される(例えば、バッテリスロットに挿入される)と、制御システム130は、配置された交換可能なバッテリBの検証を実行するように構成される。制御システム130は、バッテリ交換キャビネット120内の検証された交換可能なバッテリBの一部または全部を放電または充電するように制御することができる。さらに、制御システム130は、検証に合格しなかった交換可能なバッテリBをロックまたは排出することができる。上述の「検証」は、制御システム130が交換可能なバッテリBの正当性および安全性を確認するために、交換可能なバッテリBの識別データを取得することができる。例えば、以下の状況のいずれか、すなわち、盗まれたバッテリ、認可されていないバッテリ、使用停止中のユーザ、バッテリの異常な使用、またはバッテリデータの改ざんがないかどうかを確認する。制御システム130は、識別データに基づいて、バックエンドシステム(例えば、データサーバ)上に配置された交換可能なバッテリBに関する情報を検索することもできる。例えば、ユーザ識別データ、個人プライバシーデータ、課金データ、支払いデータなどの個人データ、電気車両の識別データ、車両登録データ、および整備および修理データなどの電気車両データ、バッテリ交換時期、バッテリ交換場所、および電力消費量などのバッテリ使用量データである。
【0034】
バッテリ交換システム100は、電力グリッドPGによって供給された電力を使用してバッテリ交換キャビネット120内の交換可能なバッテリBを充電し、バッテリ交換システム100は、電力補助サービスとして、交換可能なバッテリBを介して電力グリッドPGに補助電力をさらに供給する。
【0035】
上述したように、グリッド監視システムPMは、電力グリッドPGのグリッドファクタを測定によって検出し、監視信号Saをバッテリ交換システム100に提供するように構成され、その結果、バッテリ交換システム100は動作を選択的に変更する。一実施形態では、監視信号Saはグリッドファクタを含むことができる。グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システム100は、受信した監視信号Saによって示されるグリッドファクタの値が異常である(例えば、グリッド周波数が予め設定された周波数よりも低い)と判定することができる。他の実施形態では、グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システム100は、受信した監視信号Saが異常信号を含むと判定することができる。
【0036】
前述の「グリッドファクタが異常である」とは、グリッドファクタが正常範囲外にあること、正常値よりも低いこと、および/または正常値よりも高いことであってもよい。グリッドファクタは、周波数、電圧/電流または電力であってもよい。以下の実施形態では、グリッドファクタは一例としてグリッド周波数であるが、グリッドファクタの種類はこれに限定されない。当業者は、グリッド電圧を監視することに変更するなど、本開示に基づいて監視/検出されるグリッドファクタのタイプを変更することができる。さらに、「グリッドファクタが正常に戻る」という状況は、グリッドファクタが、動作するのに安全で安定した正常範囲または正常値に戻ることであってもよい。
【0037】
グリッド周波数が低すぎることを検出することを例にとる。グリッド周波数が予め設定された周波数(例えば、許容可能な周波数下限しきい値)よりも低い場合、バッテリ交換システム100またはグリッド監視システムPMは、グリッドファクタが異常であると確認することができる。前述の予め設定された周波数は、60Hz(グリッド周波数規格)より低くてもよく、または59Hz~59.99Hz、例えば59.98Hzであってもよい。グリッド周波数が予め設定された周波数(例えば、許容可能な周波数上限しきい値)よりも高い場合、バッテリ交換システム100またはグリッド監視システムPMは、グリッドファクタが正常であると確認することができる。上述の予め設定された周波数は、60Hz~61Hzであってもよい。
【0038】
一実施形態では、バッテリ交換ネットワークシステムS1は、グリッド監視システムPMによってグリッドファクタが異常であるかどうかを判定し、検出結果に基づいて監視信号Saをバッテリ交換システム100に提供することができる。具体的には、グリッド監視システムPMがグリッドファクタが異常であると判定した場合、生成された監視信号Saは、グリッドファクタ異常信号(例えば、周波数異常信号)を含み、電力グリッドPGが異常である(例えば、グリッド周波数が低すぎる)ことをバッテリ交換システム100に示す。
【0039】
他の実施形態では、バッテリ交換ネットワークシステムS1は、バッテリ交換システム100を介してグリッドファクタが異常であるかどうかを判定することができる。具体的には、グリッドファクタを検出した後、グリッド監視システムPMは、監視信号Saをバッテリ交換システム100に連続的に、定期的に、または不定期に提供することができる。上述の提供された監視信号Saは、上述のグリッドファクタ(グリッド周波数)の信号を含む。次いで、バッテリ交換システム100は、グリッド周波数が予め設定された周波数よりも低いかどうかなど、受信したグリッドファクタに基づいて電力グリッドPGが異常であるかどうかを連続的に、定期的に、または不定期に判定することができる。
【0040】
グリッドファクタが異常である場合、電力供給システム110は、電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止し、電力グリッドPGの消費を抑制する。さらに、制御システム130は、バッテリ交換キャビネット120内の交換可能なバッテリBが放電してバッテリ交換システム100に駆動電力を供給するように制御し、同時に補助電力を電力グリッドPGに送り返して予備電力を増加させることができる。
【0041】
具体的には、電力グリッドPGの消費量と電力供給能力とのバランスが崩れている場合(例えば、瞬間的または一時的な過負荷によって引き起こされる)、グリッドファクタが異常となり、直ちにバランスが回復しない場合、電力グリッドPGが崩壊する。本開示では、複数のバッテリ交換システム100によって形成されたバッテリ交換ネットワークシステムは、共同して消費量を低減し、電力供給量を増加させることができ、その結果、電力グリッドPGは、消費量と電力供給能力との間のバランスを迅速に回復し、電力供給品質を安定させることができる。
【0042】
グリッドファクタが正常である場合、電力供給システム110は、電力グリッドPGから電力を駆動電力として受け取り、バッテリ交換キャビネット120内の交換可能なバッテリBを充電する。
【0043】
バッテリ交換システム100に配置されたすべての交換可能なバッテリBをより効率的に利用することに加えて、本開示は、電力補助サービスおよびエネルギー取引を提供することによって、ユーザに追加の収益を所有させることができる。また、バッテリ交換システム100に設置された交換可能なバッテリBがバッテリ交換サービスに利用されてもよい。
【0044】
図2は、本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換ネットワークシステムS2の概略図である。
図2において、
図1の実施形態に関連付けられた同様の構成要素は、理解を容易にするために同じ番号でラベル付けされている。同様の構成要素の具体的な原理は、前の段落で詳細に説明されており、
図2の構成要素と協働関係にある場合を除き、ここでは繰り返さない。
【0045】
バッテリ交換ネットワークシステムS2は、複数のバッテリ交換システムを含む(
図2では、2つのバッテリ交換システム200A~200Bを例に挙げているが、バッテリ交換システムの数はこれに限定されない)。バッテリ交換システムのそれぞれは、
図1に示すバッテリ交換システム100、
図2に示すバッテリ交換システム200B、または任意の実施形態のバッテリ交換システムなど、同じまたは類似のアーキテクチャを有することができる。
【0046】
一実施形態では、バッテリ交換システム200Aは、電力供給システム210、1つまたは複数のバッテリ交換キャビネット220、および制御システム230を含むことができる。
【0047】
電力供給システム210は、電力スイッチモジュール211と、電力変換モジュール212とを備える。電力スイッチモジュール211は、電力グリッドPGおよび電力変換モジュール212に結合され、(電力入力接続を介して)電力グリッドPGから電力変換モジュール212にAC電力ACを伝送するように構成されるか、または(電力出力接続を介して)電力変換モジュール212から電力グリッドPGに戻るAC電力ACを伝送するように構成されている。具体的には、電力供給システム210と電力グリッドPGとの間の電力入力接続が遮断されると、電力供給システム210は電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止する。電力供給システム210は、電力入力接続が回復すると、電力グリッドPGからの電力の受け取りを開始する。前述の電力入力接続および電力出力接続は、同じケーブル(スイッチによって電力の流れ方向を変更する)または異なるケーブル(異なる電力の流れ方向にそれぞれ使用される)で実装されてもよく、これらはここでは限定されない。
【0048】
一実施形態では、監視信号Saに基づいてグリッドファクタが異常であると判定された場合、電力スイッチモジュール211は、電力入力接続を自動的に遮断することができる。次いで、グリッドファクタが正常に戻る/回復すると、電力スイッチモジュール211は、電力入力接続を自動的に回復することができる。
【0049】
一実施形態では、予め設定された時間が経過しても、グリッドファクタが依然として異常である場合、電力グリッドPG(例えば、電力供給能力の深刻な不足、または重要な機器の故障)に深刻な問題があり、電力補助サービスを介して安定性を回復することが困難であることを示すことができる。このとき、電力スイッチモジュール211は、電力入力接続を自動的に回復させて、無意味かつ無益な補助電力の供給を回避することができる。
【0050】
一実施形態では、補助電力を供給する期間中に、バッテリ交換キャビネット220内の交換可能なバッテリBのすべて(または一部)の充電状態(SoC)が予め設定されたSoC下限しきい値(例えば、20%、15%または10%に設定することもできる)よりも低い場合、電力スイッチモジュール211は、交換可能なバッテリBの利用可能な電力容量が低すぎることによる交換可能なバッテリBの健全性に対する損傷の増大を防ぐために、電力入力接続を自動的に回復することができる。
【0051】
一実施形態では、補助電力を供給する期間中に、バッテリ交換キャビネット220内の交換可能なバッテリBの一部の電力が予め設定されたSoC下限しきい値よりも低い場合、制御システム230は、交換可能なバッテリBの一部の放電を停止するように設定することができ、交換可能なバッテリBの残りの部分は補助電力を供給し続け、低電力による交換可能なバッテリBの一部の消費量の増加を回避する。
【0052】
電力変換モジュール212は、電力スイッチモジュール211、バッテリ交換キャビネット220、および制御システム230に結合されている。電力変換モジュール212は、電力グリッドPGからのAC電力ACを、制御システム230およびバッテリ交換キャビネット220に適したDC電力DCに変換するように構成されている。電力変換モジュール212は、交換可能なバッテリBからのDC電力DCを電力グリッドPGに適したAC電力ACに変換するようにさらに構成されている。
【0053】
図2に示すように、一実施形態では、バッテリ交換キャビネット220のそれぞれは、複数のバッテリスロット221を含むことができる。バッテリスロット221のそれぞれは、コントローラ222と、コネクタ223と、データ送信機224とを含む。コントローラ222は、コネクタ223およびデータ送信機224に結合され、コネクタ223の接続状態を検出してデータ送信機224を駆動するように構成されている。データ送信機224は、信号ピンまたは近距離無線通信(NFC)モジュールなどの有線送信モジュールまたは無線送信モジュールを含むことができる。
【0054】
一実施形態では、コネクタ223およびデータ送信機224は、バッテリスロット221に配置されてもよく、交換可能なバッテリBがバッテリスロット221のいずれかに配置され、コネクタ223が配置された交換可能なバッテリBに結合されると、データ送信機224は、交換可能なバッテリBと通信することができ(例えば、データ送信機224の信号ピンが交換可能なバッテリBに接続されるか、または交換可能なバッテリBがデータ送信機224のNFC有効通信範囲内に位置する)、その結果、制御システム230は、交換可能なバッテリBを検証し、データを読み取りまたは書き込むことができる。
【0055】
以下では、電力変換モジュール212に、電力グリッドPGのAC電力ACをバッテリ交換システムに適したDC電力DCに変換させ、交換可能なバッテリBのDC電力DCを電力グリッドPGに送り返すことができるAC電力ACに変換させる方法を説明する。上述した電力変換を行うために、電力変換モジュール212は、
図3Aに示すような電力変換モジュール212Aの構成を適用してもよいし、
図3Bに示すような電力変換モジュール212Bの構成を適用してもよい。
【0056】
図3Aの実施形態では、電力変換モジュール212Aは、1つまたは複数の電磁干渉フィルタモジュール310と、1つまたは複数のAC/DC変換モジュール320と、1つまたは複数の双方向DC/DC変換モジュール330とを含むことができる。電磁干渉フィルタモジュール310は、電力グリッドPGに結合されている。バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPGから直接または電力スイッチモジュール211を介して電力を受け取ると、電磁干渉フィルタモジュール310は、電力グリッドPGによって供給される(
図2に示すような)AC電力ACのノイズをフィルタリングするように構成されている。AC/DC変換モジュール320は、フィルタリングされたAC電力ACを受け取り、AC電力ACをDC電力DCに変換し、DC電力DCを双方向DC/DC変換モジュール330に出力するように構成されている。
【0057】
双方向DC/DC変換モジュール330は、AC/DC変換モジュール320、バッテリ交換キャビネット220、および制御システム230に結合されている。電力グリッドPGが電源として使用される場合、双方向DC/DC変換モジュール330は、AC/DC変換モジュール320によって供給されるDC電力を、バッテリ交換キャビネット220および制御システム230に適した電圧に変換するように構成されている。バッテリ交換キャビネット220内の交換可能なバッテリBが電源として使用される場合、双方向DC/DC変換モジュール330は、交換可能なバッテリBによって供給されるDC電力DCの電圧を制御システム230に適した電圧に変換するように構成されている。
【0058】
一実施形態では、AC/DC変換モジュール320が単方向(一方向)AC/DC変換器である場合、電力供給システム210は、1つまたは複数のインバータ340をさらに含むことができる。インバータ340は、電磁干渉フィルタモジュール310と双方向DC/DC変換モジュール330との間に結合され、双方向DC/DC変換モジュール330から変換されたDC電力DC(電源は交換可能なバッテリBである)を受け取るように構成されている。インバータ340は、DC電力DCをAC電力ACに変換し、AC電力ACを出力して補助電力を供給する。
【0059】
図3Bの実施形態では、
図3Aの実施形態との違いは、AC/DC変換モジュール320が双方向AC/DCコンバータであってもよいことである。したがって、AC/DC変換モジュール320は、電磁干渉フィルタモジュール310からフィルタリングされたAC電力ACを受け取り、DC電力DCに変換して出力することができる。AC/DC変換モジュール320はまた、双方向DC/DC変換モジュール330から変換されたDC電力DCを受け取り、補助電力を供給するためにAC電力ACに変換して出力することができる。
【0060】
図3Aおよび
図3Bの実施形態では、双方向DC/DC変換モジュール330は、順方向(すなわち、電力グリッドPGからバッテリ交換ネットワークS2への電力の流れ)および逆方向(すなわち、バッテリ交換ネットワークS2から電力グリッドPGへの電力の流れ)のDC電力変換を達成するために使用されるが、本開示はこれに限定されないことは言及に値する。
【0061】
いくつかの実施形態では、双方向DC/DC変換モジュール330は、順方向および逆方向のDC電力変換をそれぞれ達成するために、複数の単方向DC/DC変換モジュールと置き換えられてもよい。
【0062】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、電力グリッドPGが異常である(例えば、異常グリッドファクタを検出する)場合、バッテリ交換システム200Aは、最初に「消費削減」を実行し、電力グリッドPGに対する安定性を回復するために電力グリッドPGに補助電力をさらに送電することができる。上述の「消費削減」を達成するために、バッテリ交換システム200Aは、無停電電源(UPS)モードに切り替わって動作する。バッテリ交換システム200Aは、電源として交換可能なバッテリBに変更し、電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止することにより、電力グリッドPGの消費量を削減する。具体的には、バッテリ交換システム200Aは、バッテリ交換キャビネット220内の検証済みのすべての交換可能なバッテリBの中から、十分な電力を有する少なくとも1つの交換可能なバッテリBを予め選択し、選択した交換可能なバッテリBをUPSバッテリとして設定する。
【0063】
UPSモードでは、UPSバッテリを駆動電力の電源として使用しなければならないため、バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPGから電力を受け取ると、UPSバッテリは「充電不可、放電準備完了」の待機状態に設定される。一実施形態では、UPSバッテリは、UPSバッテリのすべての電力を使用してバッテリ交換システム200Aを駆動することができるように、電力グリッドPGに電力を供給しないように設定されてもよい。別の実施形態では、UPSバッテリは、電力グリッドPGに電力を供給するように設定されてもよい。言い換えれば、UPSモードでは、バッテリ交換システム200Aを駆動することに加えて、UPSバッテリの電力を補助電力の電源の一部としてさらに使用することができる。
【0064】
グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システム200Aは、消費量を削減するために、まず、電力スイッチモジュール211を制御して電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止することにより、電力供給システム210と電力グリッドPGとの間の電力入力接続を遮断することができる。このとき、バッテリ交換システム200Aは、UPSモードで動作してもよい。バッテリ交換システム200Aは、UPSバッテリの電力を駆動電力として使用してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、バッテリ交換システム200Aは、最初にバッテリ交換キャビネット220内のすべての検証された交換可能なバッテリBの中からUPSバッテリをさらに除外し、次いで、「残りの交換可能なバッテリBの全部または一部」を選択し、選択された交換可能なバッテリBをUPS補助バッテリとして設定することができる。バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPGを電源として使用する場合、UPS補助バッテリは通常通り充電され得る。バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止すると、制御システム230はUPSモードに切り替わり/変化することができ、UPSバッテリが最初に駆動電力を供給して電力供給の遮断を回避する。次いで、制御システム230は、UPSバッテリによって提供される駆動電力を使用してUPS補助バッテリを制御して動作を変更し(例えば、充電可能状態から放電可能状態への切り替え)、その結果、UPS補助バッテリは、放電を開始するように制御され、より多くの駆動電力を提供する。さらに、バッテリ交換システム200Aは、UPS補助バッテリおよび/または他の利用可能な交換可能なバッテリB(例えば、交換され得る交換可能なバッテリB)が同時に放電して、補助電力を電力グリッドPGに供給するように制御することができる。
【0066】
一実施形態では、バッテリ交換システム200Aは、UPSバッテリのみを電源として使用し、他のすべての交換可能なバッテリB(UPS補助バッテリおよび交換され得る交換可能なバッテリBを含む)が同時に放電して補助電力のより高い電力を電力グリッドPGに供給するように制御することができる。
【0067】
一実施形態では、バッテリ交換システム200Aが(電力グリッドPGを電源として使用する)サービスモードまたは(交換可能なバッテリBを電源として使用する)UPSモードにあるとき、UPSバッテリおよび/またはUPS補助バッテリは、交換不可能に設定されてもよい。
【0068】
一実施形態では、UPSバッテリおよび/またはUPS補助バッテリは、UPSモードでのみ交換不可能に設定されてもよい。サービスモードでは、バッテリ交換システム200Aが、バッテリ交換サービスに起因して、UPSバッテリおよび/またはUPS補助バッテリとして元々割り当てられていたバッテリを失うと、制御システム230は、別の交換可能なバッテリBを現在のUPSバッテリおよび/または現在のUPS補助バッテリとして自動的に割り当てることができ、または制御システム230は、(UPS補助バッテリを失うと)いかなるUPS補助バッテリも割り当てないことができる。
【0069】
一実施形態では、バッテリ交換システム200Aは、サービスモードとUPSモードの両方でバッテリ交換サービスを提供することができる(補助電力を供給することを含む)。一実施形態では、サービスモードからUPSモードへの切り替え、またはUPSモードからサービスモードへの切り替えなどの切り替え期間中、バッテリ交換システム200Aは、切り替え期間が完了するまでバッテリ交換サービスを一時停止することができる。前述の一時停止時間は10秒を超えてはならない。
【0070】
一実施形態では、バッテリ交換システム200Aが補助電力を供給しているとき、補助電力の電力低下を回避するためにバッテリ交換サービスを一時停止することができる。「Regulation Reserve」を例に挙げると、上述した補助電力を供給する時間は、通常、数分から数十分であるため、バッテリ交換サービスの一時停止時間は長すぎない。
【0071】
一実施形態では、制御システム230は、十分な電力を有する(例えば、そのSoCが80%を超える)交換可能なバッテリBのうち予め設定された数(例えば、2または4)を放電できないように設定し、この交換可能なバッテリBが放電して補助電力を供給する期間中にバッテリレベルが低下するのを防ぐことができる。したがって、補助電力を供給する期間中、十分な電力を有する交換可能なバッテリBを使用して、バッテリ交換サービスを確実に提供することができる。
【0072】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、バッテリ交換ネットワークシステムS2は、複数のバッテリ交換システム200A、200Bを含むことができ、バックエンドシステム200Cをさらに含む。バッテリ交換システム200A、200Bのそれぞれは、それぞれ異なる地理的位置に位置する。さらに、バッテリ交換システム200Aおよび200Bのそれぞれは、各地理的位置におけるグリッドファクタを監視するために、グリッド監視システムPM1およびPM2をそれぞれ備えることができる。グリッド監視システムPM1,PM2は、インターネットNに接続され、インターネットNを介してバックエンドシステム200Cや他のサーバ(例えば、エネルギー取引プラットフォームの管理サーバ)と通信する。
【0073】
バックエンドシステム200Cは、インターネットNを介してバッテリ交換システム200A,200Bに接続されている。バックエンドシステム200Cは、電力補助構成をバッテリ交換システム200A、200Bに送信するように構成される。電力補助構成は、グリッドファクタが異常である場合に複数の補助電力を供給するようにバッテリ交換システム200Aおよび200Bを制御するように構成されている。
【0074】
本開示は、待機の準備段階をさらに含む。具体的には、電力補助構成は、割り当てられた待機期間を含むことができる。割り当てられた待機期間中、グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システム200A、200Bは、消費量削減を実行し、補助電力をさらに供給することができる。一方、割り当てられた待機期間中、グリッドファクタが正常である場合、バッテリ交換システム200A、200Bは、電力グリッドPGから電力を受け取る。
【0075】
割り当てられた待機期間は、任意に設定可能であり、例えば、「バッテリ交換サービスの需要が少ない期間」に設定されてもよいし、「電力グリッドPGの電力消費需要の需要が大きい期間」に設定されてもよい。割り当てられた待機期間外では、バッテリ交換システム200A,200Bは、グリッド監視システムPM1,PM2からの監視信号Saの受信を停止してもよく、グリッドファクタが異常である場合に、消費削減を行わず、補助電力を供給しない。あるいは、バッテリ交換システム200Aおよび200Bは、監視信号Saを受信し続けることができるが、グリッドファクタが異常である場合に、消費削減を行わず、補助電力を供給しない。
【0076】
本開示は、電力補助構成を構成するステップをさらに含む。一実施形態では、バックエンドシステム200Cは、履歴データに基づいて複数のバッテリ交換システム200Aおよび200Bの給電能力を評価し、次いでそれに応じて電力補助構成を生成することができる。具体的には、バックエンドシステム200Cは、バッテリ交換システム200A,200Bの稼働履歴データに基づいて給電容量データを算出する。「給電容量データ」は、バッテリ交換システム200A,200Bの供給容量を含み、バックエンドシステム200Cは、給電容量データに基づいて「サービスの落札データ」を取得する。サービスの落札データは、自動コンピュータ入札または手動入札を介して取得されてもよい。
【0077】
一実施形態では、サービスの落札データは、入札を勝ち取って契約に署名した後に電力量を提供することにコミットしたバッテリ交換システム200A、200Bのオペレータなどの落札容量を含むことができる。次に、バックエンドシステム200Cは、サービスの落札データに基づいて電力補助構成を生成/設定する。
【0078】
一実施形態では、電力補助構成は、複数のバッテリ交換システム200A、200Bの供給容量の合計を示すように構成されてもよく、その合計は、落札容量より大きくてもよい。したがって、補助電力の提供中に、バッテリ交換システム200A,200Bがバッテリ交換サービスの提供により補助電力の電力を低下させたとしても、実際の給電電力の総量を依然として落札容量に適合させることができる。
【0079】
図2および
図4を参照すると、
図4は、本開示のいくつかの実施形態におけるバッテリ交換システムによって補助電力を供給する方法を示すフローチャートである。本方法は、ステップS10~S40を含む。ステップS10において、本方法の実行が開始されると、電力グリッドPGによって電力がバッテリ交換システム200Aに供給されてもよい。上述したように、本開示のバッテリ交換ネットワークシステムS2は、複数のバッテリ交換システム200A、200Bに同時に適用されてもよい。複数のバッテリ交換システム200Aおよび200Bの制御は同様であるため、説明のためにバッテリ交換システム200Aを例として使用する。
【0080】
ステップS20において、バッテリ交換ネットワークシステムS2は、グリッドファクタを監視する。バッテリ交換システム200Aが異常信号を受信した場合(例えば、周波数異常信号)、グリッドファクタが異常であることを確認することができる。「グリッドファクタが異常である」かどうかを判定する方法は、少なくとも以下の2つの実施形態を含む。
【0081】
第1の実施形態では、グリッド監視システムPM1は、グリッドファクタ(例えば、グリッド周波数、電圧/電流または電力)が予め設定された範囲を超えるか否かを判定し、判定結果に基づいて監視信号Saを生成してもよい。例えば、判定結果が異常である場合、監視信号Saは周波数異常信号を含み、監視信号Saはバッテリ交換システム200Aに送信され、バッテリ交換システム200Aはグリッドファクタが異常であることを確認/判定する。
【0082】
第2の実施形態では、グリッド監視システムPM1が生成する監視信号Saは、グリッドファクタを含んでもよい。したがって、バッテリ交換システム200Aは、グリッドファクタが異常である場合、受信した監視信号Saに含まれるグリッドファクタが異常値であると判定することができる。例えば、バッテリ交換システム200Aは、監視信号Saのグリッド周波数が予め設定された周波数よりも低いか否かを判定する。
【0083】
ステップS30において、グリッドファクタが異常である場合、バッテリ交換システム200Aは、動作を変更し、電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止する。バッテリ交換システム200Aは、交換可能なバッテリBから放電された電気をバッテリ交換システム200Aへの駆動電力として使用するために、交換可能なバッテリBが放電して、補助電力を電力グリッドPGに供給する(例えば、交換可能なバッテリBによって電力供給されるように切り替え/変更する)ように制御する。
【0084】
また、ステップS40において、バッテリ交換システム200Aは、グリッドファクタの監視結果に関わらず、バッテリ交換サービスを提供することができる。すなわち、バッテリ交換キャビネット220内の交換可能なバッテリBの少なくとも一部は、交換のためにユーザに提供されてもよい。
【0085】
図2、
図4および
図5を参照すると、
図5は、
図4のステップS40「バッテリ交換サービスの提供」の詳細なフローチャートである。ステップS400において、バッテリ交換キャビネット220は、バッテリスロット221に配置/挿入された交換可能なバッテリBを受け入れるように構成されている。
【0086】
ステップS402において、制御システム230は、配置/挿入された交換可能なバッテリBの検証を行う。交換可能なバッテリBが検証に合格した後、バッテリ交換システム200Aは、交換可能なバッテリBの充電または放電を可能にする。
【0087】
ステップS404において、制御システム230は、バッテリ交換キャビネット220から交換可能なバッテリBのうちの1つを選択する。通常、選択された交換可能なバッテリBは、配置/挿入された交換可能なバッテリBとは異なり、選択された交換可能なバッテリBのSoCは、予め設定された値(例えば、80%)よりも高い必要がある。配置/挿入された交換可能なバッテリBが十分な電力を有する(例えば、SoCなどのバッテリレベルが、バッテリ交換キャビネット220内のすべての交換可能なバッテリBのバッテリレベルよりも高いか、または予め設定された値よりも高い)場合、配置/挿入された交換可能なバッテリBは、バッテリ交換後にユーザがより低いSoCを有する交換可能なバッテリBを得るのを防ぐために排出されるように選択される。
【0088】
ステップS406において、バッテリ交換キャビネット220は、バッテリ交換サービスを完了するために、選択された交換可能なバッテリBをユーザに提供するように構成される。
【0089】
図2、
図4および
図6を参照すると、
図6は、
図4のステップS10の詳細なフローチャートである。ステップS100において、制御システム230は、電力供給システム210を駆動して、電力供給システム210と電力グリッドPGとの間の電力入力接続を開放/確立/導通させ、電力グリッドPGからの電力をバッテリ交換システム200Aに入力することができる。
【0090】
ステップS102において、電力供給システム210は、電力グリッドPGからのAC電力ACをDC電力DCに変換し、その結果、変換されたDC電力DCは、
図3Aおよび
図3Bに示す実施形態に示すように、制御システム230およびバッテリ交換キャビネット220に適している。
【0091】
図2、
図4および
図7を参照すると、
図7は、
図4のステップS30「補助電力を供給する」の詳細なフローチャートである。ステップS300において、グリッドファクタが異常である場合、制御システム230は、電力グリッドPGからの電力供給を停止するように、電力供給システム210と電力グリッドPGとの間の電力入力接続を遮断するように電力供給システム210を制御する。
【0092】
ステップS302において、電力入力接続が遮断された後、バッテリ交換システム200AはUPSモードに切り替えられる。
【0093】
ステップS304において、電力供給システム210は、交換可能なバッテリBからのDC電力DCをAC電力ACに変換し、変換されたAC電力ACが電力グリッドPGに適するようにする。
【0094】
図2、
図4および
図8を参照すると、
図8は、
図7のステップS302「UPSモードへの切り替え」の詳細なフローチャートである。ステップS302は、ステップS3020~S3026を含む。ステップS3020およびステップS3022は、バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPG電力を電源として使用する場合、工場から出荷するとき、ソフトウェアおよびファームウェアの更新をインストールするとき、または遠隔操作を受け付けるときに実行されてもよい。
【0095】
ステップS3020において、制御システム230は、バッテリ交換キャビネット220内の十分な電力を有する複数の検証済み交換可能なバッテリBの中から少なくとも1つの交換可能なバッテリを選択し、選択された交換可能なバッテリをUPSバッテリとして設定する。上述したように、電力グリッドPGを電源として使用する場合、UPSバッテリは、充電不可に設定され、放電に備えるように設定される。一実施形態では、制御システム230は、指定された位置にある交換可能なバッテリBをUPSバッテリとして常に設定するように構成されてもよい。例えば、上述の指定された位置は、主バッテリ交換キャビネット220の第1列の第1のバッテリスロット221(例えば、制御システム230を備えたバッテリ交換キャビネット220)、または各バッテリ交換キャビネット220の第1列の第1のバッテリスロット221であってもよいが、これに限定されない。
【0096】
ステップS3022において、制御システム230は、バッテリ交換キャビネット220内の複数の検証済み交換可能なバッテリBから少なくとも1つの交換可能なバッテリをさらに選択し、選択された交換可能なバッテリをUPS補助バッテリとして設定する。UPS補助バッテリは、UPSバッテリとは異なる。
【0097】
ステップS3024において、バッテリ交換システム200Aが電力グリッドPGからの電力の受け取りを停止すると、バッテリ交換システム200Aは、UPSモードへの切り替えを可能にするためにUPSバッテリから駆動電力を継続的に供給する。
【0098】
ステップS3026において、バッテリ交換システム200AがUPSバッテリから駆動電力を取得すると、バッテリ交換システム200Aは、UPS補助バッテリが放電に切りわるように制御して、UPS補助バッテリが駆動電力を供給し、交換可能なバッテリBの全部または一部によって補助電力を供給するようにする。
【0099】
図2、
図4および
図9を参照すると、
図9は、本開示のいくつかの実施形態における方法の特定のステップを示すフローチャートである。ステップS50において、バックエンドシステム200Cは、複数のバッテリ交換システム200A,200Bの稼働履歴データに基づいて、各バッテリ交換システム200A,200Bの給電容量データを算出する。上記給電容量データは、バッテリ交換システム200A,200Bの供給容量を含んでもよい。
【0100】
ステップS52において、バックエンドシステム200Cは、給電容量データを入札に用いて、サービスの落札データを取得する。サービスの落札データは、自動コンピュータ入札または手動入札によって取得されてもよい。サービスの落札データの内容は、署名された電力サービス契約の仕様に基づく。上述のサービスの落札データは、総入札容量(すなわち、電力補助サービスが提供しなければならない最小電力)を含むことができる。
【0101】
ステップS54において、バックエンドシステム200Cは、サービスの落札データに基づいて複数の電力補助構成を構成し、各電力補助構成は、各バッテリ交換システム200A、200Bに対応する。
【0102】
ステップS56において、バックエンドシステム200Cは、対応するバッテリ交換システム200A、200Bに電力補助構成を送信する。ステップS58において、バッテリ交換システム200A,200Bは、待機状態であり、電力補助構成に基づく電力補助サービスを実行する準備が整っており、バッテリ交換サービスを提供する。上記の電力補助構成によって示されるバッテリ交換システム200A、200Bの供給容量の合計は、電力サービス契約の性能を保証するために、総入札容量よりも大きい。
【0103】
本開示の方法は、電力会社の電力系統が異常である場合に、バッテリ交換システム200A,200Bに収容された複数の交換可能なバッテリBによる電力補助サービスをリアルタイムで提供することができる。これにより、各交換可能なバッテリBをフル活用するだけでなく、電力補助サービスを提供することで得られる収益も得ることができる。
【0104】
本開示のバッテリ交換システム、バッテリ交換ネットワークシステム、および補助電力を供給する方法を介して、電力会社の電力系統が異常である場合、バッテリ交換システム内の交換可能なバッテリは、電力グリッドに対する安定性を回復するために電力補助サービスを直ちに提供する。バッテリ交換システム内のすべてのバッテリを適切に利用することに加えて、電力補助サービスの提供から収益を得ることもできる。さらに、バッテリ交換システムは、収容されたバッテリをさらに使用してバッテリ交換サービスを提供することができる。
【外国語明細書】