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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096064
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】電気自動車のスマート充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240704BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240704BHJP
   B60L 53/65 20190101ALI20240704BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20240704BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240704BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L3/00 N
B60L53/65
B60L53/66
H02J7/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220865
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】63/436,065
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】510238605
【氏名又は名称】微星科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リン,チュアン イ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ミン ホェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ジュ ジェン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC21
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】電気自動車のスマート充電システムを提供する。
【解決手段】電気自動車のスマート充電システムは、少なくとも1つのスマート充電パイルと、クラウド管理センターと、を含む。少なくとも1つのスマート充電パイルのそれぞれは、充電ガンと、電力供給回路と、カメラモジュールと、信号処理回路と、を含む。電力供給回路は、充電ガンに電力を供給するように構成される。カメラモジュールは、車両に関連する少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成される。信号処理回路は、少なくとも1つの認識モデルを有して少なくとも1つの認識モデルを使用し少なくとも1つの画像に対してエッジ計算を実行してエッジ計算の結果に従って電力供給回路を制御するように構成される。クラウド管理センターは、信号処理回路からの結果に従って信号処理回路の少なくとも1つの認識モデルを更新するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスマート充電パイルと、クラウド管理センターと、を備える、電気自動車のスマート充電システムであって、
前記スマート充電パイルのそれぞれは、
充電ガンと、
前記充電ガンに電気的に接続されて前記充電ガンに電力を供給するように構成される、電力供給回路と、
車両に関連する少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成される、カメラモジュールと、
少なくとも1つの認識モデルを有し、前記電力供給回路及び前記カメラモジュールに電気的に接続され、前記少なくとも1つの認識モデルを使用し前記少なくとも1つの画像に対してエッジ計算を実行して前記エッジ計算の結果に従って前記電力供給回路を制御する、信号処理回路と、を備え、
前記クラウド管理センターは、前記信号処理回路と信号接続されて前記信号処理回路からの結果に従って前記信号処理回路の前記少なくとも1つの認識モデルを更新するように構成される、電気自動車のスマート充電システム。
【請求項2】
前記クラウド管理センターは深層学習モデルを有して、前記クラウド管理センターは前記深層学習モデルを使用し前記エッジ計算に従って前記信号処理回路の前記少なくとも1つの認識モデルをトレーニングするように構成される、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項3】
前記カメラモジュールは、車両移動の連続プロセスにおける複数の画像を取得するように構成され、前記信号処理回路は、ナンバープレート認識モデル及びテキスト認識モデルを有し、
前記信号処理回路は、
前記ナンバープレート認識モデルを通じて車両移動の連続プロセスにおける複数の画像を分析して、ナンバープレートの複数の画像をキャプチャし、
前記テキスト認識モデルを通じて前記ナンバープレートの複数の画像を分析し前記ナンバープレートの複数の画像に対応するナンバープレートの複数のナンバー情報の部分を取得し、
前記ナンバープレートの複数のナンバー情報の部分に基づき信頼できるナンバープレートのナンバーを取得して、
前記信頼できるナンバープレートのナンバーに従って前記電力供給回路を起動するかどうかを決定する、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項4】
前記信号処理回路は、前記ナンバープレートの複数のナンバー情報の部分に基づき不正確なナンバープレートのナンバーを取得するようにさらに構成され、
前記クラウド管理センターは、前記不正確なナンバープレートのナンバーに従って前記信号処理回路の前記少なくとも1つの認識モデルをトレーニングするように構成される、請求項3に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項5】
前記カメラモジュールは、車両移動の連続プロセスにおける複数の画像を取得するように構成され、前記信号処理回路は、ナンバープレート認識モデルを有し、
前記信号処理回路は、
前記ナンバープレート認識モデルを通じて前記車両移動の連続プロセスにおける前記複数の画像を分析して、複数のナンバープレート画像をキャプチャし、
前記複数のナンバープレート画像のそれぞれについて複数の終点座標を取得し、
前記複数の終点座標からナンバープレートのサイズを取得して、前記連続プロセスにおける前記複数の終点座標及び前記ナンバープレートのサイズの変化に基づき車両の移動状態を決定し、
前記移動状態に従って前記電力供給回路を起動するかどうかを決定する、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスマート充電パイルのうちの1つは、前記信号処理回路及び通信接続中の前記クラウド管理センターに電気的に接続されて前記エッジ計算の結果を前記クラウド管理センターに送信するように構成される、通信ユニットをさらに備える、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項7】
前記信号処理回路は、
前記カメラモジュールに電気的に接続されて環境光の決定を含む前記エッジ計算又はスマート検出を実行するように構成される、第1のコンピューティングコンポーネントと、
前記第1のコンピューティングコンポーネント及び前記電力供給回路に電気的に接続されて、前記エッジ計算及び前記スマート検出の結果に基づき前記電力供給回路を制御するように構成される、第2のコンピューティングコンポーネントと、を備える、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項8】
前記第1のコンピューティングコンポーネントは、汎用非同期式送受信機(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、インター-インテグレイティドサーキット(inter-integrated circuit(I2C))、システムマネジメントバス(System Management Bus)又はブルートゥースサーキット(bluetooth circuit)を通じて前記第2のコンピューティングコンポーネントと信号接続される、請求項7に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項9】
前記第2のコンピューティングコンポーネントと信号接続されたヒューマン-コンピュータインタラクション装置をさらに備え、前記第2のコンピューティングコンポーネントは、前記ヒューマン-コンピュータインタラクション装置を通じてユーザによって入力されたユーザ指示に従って前記電力供給回路を制御するようにさらに構成される、請求項7に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【請求項10】
前記電力供給回路は電力拡張ユニットを備えて、前記電力拡張ユニットは外部装置に電力を供給するように構成される、請求項1に記載の電気自動車のスマート充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマート充電システム、特に電気自動車のスマート充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでのところ、市場のほとんどの充電パイルは、充電に関連する基本的な機能のみ有する。充電パイルに関連する必要な駐車スペースは、追加のシステム、機器又はマニュアル管理が要求する管理を必要とする。
【0003】
加えて、モノの人工知能(Artificial Intelligence of Things(AloT))によるスマートシティの発展に伴い、スマートシティに必要な様々なタイプのセンサー及び他のスマートデバイスを世界各国でどのように構築していくかが今後の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示は、電気自動車のスマート充電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つ以上の実施形態によれば、電気自動車のスマート充電システムは、少なくとも1つのスマート充電パイルと、クラウド管理センターと、を含む。少なくとも1つのスマート充電パイルのそれぞれは、充電ガンと、電力供給回路と、カメラモジュールと、信号処理回路と、を含む。前記電力供給回路は、前記充電ガンに電気的に接続されて、前記充電ガンに電力を供給するように構成される。前記カメラモジュールは、車両に関連する少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成される。前記信号処理回路は、少なくとも1つの認識モデルを有し、前記電力供給回路及び前記カメラモジュールに電気的に接続されて、前記少なくとも1つの認識モデルを使用し前記少なくとも1つの画像に対してエッジ計算を実行して前記エッジ計算の結果に従って前記電力供給回路を制御するように構成される。前記クラウド管理センターは、前記信号処理回路と信号接続されて前記信号処理回路からの結果に従って前記信号処理回路の前記少なくとも1つの認識モデルを更新するように構成される。
【発明の効果】
【0006】
上述の説明から、電気自動車のスマート充電システムは、マシンビジョン及び人工知能認識機能を備えたモジュールを使用しスマート充電及びスマート駐車管理を実行しスマートなアプリケーション及び管理の設計を実現する。本開示のスマート充電システムのアプリケーション側の認識モジュールはエッジ計算アーキテクチャとして設計されて、モデルトレーニングはバックエンドクラウドコンピューティングアーキテクチャとして設計される。エッジ計算された画像と推論情報はクラウドに送り返され深層学習画像認識トレーニングデータセットを補完し誤った決定を修正して再度学習を実行してもよい。このため、画像認識の精度とラベリング効率が効果的に向上して、さらなる深層学習が実現される。トレーニングされた認識モデルはインターネット経由で更新され人工知能のエッジ計算の精度を向上させる。
【0007】
本開示は以下の詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるが、これらは例示のみを目的としており、したがって本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの機能ブロックダイアグラムである。
図2】本開示の一実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。
図3】本開示の他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。
図4図3の実施形態に示された電気自動車のスマート充電システムの詳細な動作フローチャートである。
図5】本開示のさらに他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。
図6】本開示の他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの機能ブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示される実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載される。本明細書に開示される説明、特許請求の範囲及び図面によれば、当業者は本発明の概念及び特徴を容易に理解することができる。以下の実施形態は、本発明の様々な態様をさらに説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
図1及び図2を参照すると、図1は本開示の一実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの機能ブロックダイアグラムであり、図2は本開示の一実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。図1に示されるように、電気自動車のスマート充電システム100は、少なくとも1つのスマート充電パイル10と、クラウド管理センター20と、を含む。少なくとも1つのスマート充電パイル10のそれぞれは、充電ガン1と、電力供給回路2と、カメラモジュール3と、信号処理回路4と、を含む。電力供給回路2は、充電ガン1に電気的に接続されて充電ガン1に電力を供給するように構成される。カメラモジュール3は、車両に関連する少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成される。信号処理回路4は、少なくとも1つの認識モデルIを有する。信号処理回路4は、電力供給回路2及びカメラモジュール3に電気的に接続されて、少なくとも1つの認識モデルIを使用し少なくとも1つの画像に対してエッジ計算を実行してエッジ計算の結果に従って電力供給回路2を制御するように構成される。クラウド管理センター20は、信号処理回路4と信号接続されて信号処理回路4からの結果に従って信号処理回路4の少なくとも1つの認識モデルIを更新するように構成される。必要に応じて、クラウド管理センター20は深層学習モデルDを有する。クラウド管理センター20は、深層学習モデルDを使用しエッジ計算の結果に従って信号処理回路4の少なくとも1つの認識モデルIをトレーニングするように構成される。
【0011】
図2に示されるように、電気自動車のスマート充電システム100は、次のステップを実行するように構成される。ステップS1:車両に関連する少なくとも1つの画像を取得する。ステップS3:認識モデルIを使用し画像に対してエッジ計算を実行する。ステップS5:エッジ計算の結果に従って電力供給回路2を制御する。ステップS7:深層学習モデルDを使用しエッジ計算の結果に従って信号処理回路4の認識モデルIをトレーニングする。本実施形態において、ステップS5とステップS7との間には特に順序関係はない。
【0012】
電気自動車のスマート充電システム100は、複数のスマート充電パイル10を含んでもよい。このため、図1に示されるスマート充電パイル10の数は1つであるが、本開示はこれに限定されるものではない。スマート充電パイル10のそれぞれは、同じ又は異なる仕様の充電ガン1を含んでもよい。例えば、2つのスマート充電パイルは、第1の仕様(SAE J1772など)の充電ガン1と、第2の仕様(IEC 62196など)の充電ガン1を含んでもよい。電力供給回路2は、信号処理回路4によって制御され充電ガン1に電力を供給する。具体的には、電力供給回路2は、充電ガン1の充電電力を調整する通信信号を取得するために、コントロールパイロットを支援する回路などの充電通信回路を含んでもよい。電力供給回路2は、リレーなどの電力供給スイッチを調整するために制御されるコンポーネント及び電流検出器などの電力供給の大きさを検出するために使用されるコンポーネントをさらに含んでもよい。さらに、電気自動車のスマート充電システム100は、クラウド管理センターを通じて充電場所の電力導入計画に対応してもよい。クラウドシステムは、1つ以上の電気自動車のスマート充電システム100のために電力計画を配布する。同じ電源を共有するスマート充電パイル10のグループは、同じ電力供給分配計画結果を実行し電力供給管理を行う。それぞれのスマート充電パイル10のため、クラウドシステムの電力計画によって示される電力供給が増加するか減少するかに関係なく、車両が許容される最大充電電力を超えないという条件に従って、異なる車両のタイプが充電されてもよい。加えて、複数のスマート充電パイルの電流供給回路は、それぞれ独自の電力供給装置を有していてもよく、又は同じ電源に接続されていてもよい。カメラモジュール3は、画像又はビデオをキャプチャするカメラ又はビデオ機器を通じて実装されてもよい。
【0013】
信号処理回路4は、複数のプロセッサを含んでもよく、そのうちの1つはニューラルネットワークプロセシングユニット(neural network processing unit(NPU))を通じて実装されてもよく、認識モデルIに従ってカメラモジュール3によってキャプチャされた画像を処理するように構成される。画像認識は、画像に対して実行され、車両、ナンバープレート及びその他の特徴的な物体を認識する。ニューラルネットワークプロセシングユニットは、メモリにおける認識モデルを通じて認識を実行する。例えば、ニューラルネットワークプロセシングユニットは、特定のニューラルネットワークフレームワーク(TensorFlow Liteなど)及び特定のモデルアーキテクチャ(EfficientDetなど)によってトレーニングされた物体検出モデルを使用してもよい。言い換えると、この画像認識は、信号処理回路4自体の計算能力を通じて実現され、このためエッジコンピューティングアーキテクチャに属する。信号処理回路4の他のプロセッサは、マイクロコントローラ、グラフィックスプロセッサ、プログラマブルロジックアレイなどを通じて実装されてもよく、画像認識(エッジコンピューティング)の結果に基づき電力供給回路2を制御するように構成される。クラウド管理センター20は、遠隔端から信号処理回路4と信号接続するネットワークホストを含んでもよく、深層学習モデルDを使用するために他のニューラルネットワークプロセシングユニットを含み上述のエッジ計算の結果に基づき信号処理回路の認識モデルをトレーニングしてもよい。
【0014】
ステップS1において、カメラモジュール3は作動されて車両の画像をキャプチャしてもよい。例えば、車両が特定の感知装置を通過する場合、感知装置はカメラモジュール3を作動させ画像のキャプチャを開始させて、その後、画像を信号処理回路4に送信してもよい。あるいは、カメラモジュール3は、定期的に画像をキャプチャして信号処理回路4に送信してもよい。ステップS3において、信号処理回路4は、認識モデルを使用しカメラモジュール3によってキャプチャされた画像に対してエッジ計算を実行してもよい。ある実装において、エッジ計算の結果が、画像において車両又はナンバープレートなどの特定の物体が存在しないことを示す場合、システムはステップS1を再実行してもよい。上述のプロセスにおいて、車両物体認識結果は、車両状態が駐車スペースに入っているか駐車スペースから出ているかを判断するために使用されてもよい。同時に、カメラモジュール3の光認識パラメータが使用されてもよく、パラメータの認識結果に基づき、充電パイル及び補助光源などの周辺機器又は表示装置などを調整又は制御するかどうかが決定されるが、最適化調整はこれらに限定されるものではない。
【0015】
ステップS5において、信号処理回路4は、エッジ計算の結果に従って電力供給回路2を制御してもよい。例えば、エッジ計算の結果が車両は電気自動車であることを示す場合、スマート充電パイル10の信号処理回路4は、通信ユニットを通じて制御された周辺機器を解放して駐車するために充電駐車スペースを開放してもよい。または、スマート充電パイル10は、信号処理回路4と協働し電力供給回路2を制御し充電ガン1に電力を供給してもよい。一方、エッジ計算の結果が、車両は電気自動車でないことを示す場合、電力は供給されない。このため、監視されていないスマートなメカニズムが実現される。エッジ計算の結果が、電気自動車の仕様は充電ガン1の充電仕様と一致していることを示す場合、信号処理回路4は、電力供給回路2を制御し充電ガン1に電力を供給してもよく、そうでない場合、電力は供給されない。エッジコンピューティングの結果又はクラウド管理システムとのデータ交換が、車両のナンバープレートのナンバーが顧客リストに属していることを確認した場合、スマート充電パイル10は、予約又は通常の認証結果に従って通信ユニットを通じて制御された周辺デバイスを解放して、駐車や使用のために充電駐車スペースを開放し、又は、スマート充電パイル10は、信号処理回路4と協働し電力供給回路2を制御し充電ガン1に電力を供給してもよい。このため、追加の認証操作が減らされて監視されていないスマートなメカニズムを実現することができる。ステップS7において、クラウド管理センター20は、上述の深層学習モデルを使用しエッジ計算の結果に基づき認識モデルをトレーニングしてもよい。例えば、信号処理回路4は、ナンバープレート画像をクラウド管理センター20に送信しクラウド管理センターの画像データベースを拡張し、そのためクラウドデータベース20が更新し画像データベースにおけるナンバープレート画像の量を拡張して、更新された画像データベースを使用し認識モデルをトレーニングして、その後、新しい認識モデル(又は異なる重みの認識モデル)をモデル更新のために信号処理回路4に送り返してもよい。
【0016】
図2とともに図3を参照すると、図3は、本開示の他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。図3に示されるように、ステップS1の後、本実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムは、次のステップを実行してもよい。S31:ナンバープレート認識モデルを通じて車両移動の連続プロセスにおける複数の画像を分析して、複数のナンバープレート画像をキャプチャする。ステップS32:テキスト認識モデルを通じて複数のナンバープレート画像を分析しナンバープレート画像に対応するナンバープレートの複数のナンバー情報の部分を取得する。ステップS33:ナンバープレートのナンバー情報に基づき信頼できるナンバープレートのナンバー及び/又は不正確なナンバープレートのナンバーを取得する。そして、ステップS34:不正確なナンバープレートのナンバーに対応するナンバープレート画像をクラウド管理センターに送信する。ステップS33の後にステップS5を実行して、ステップS34の後にステップS7を実行する。なお、本実施形態において、ステップS33における「不正確なナンバープレートのナンバーを取得する」ことは任意であり、またステップS34は任意である。
【0017】
ステップS31において、信号処理回路は、ナンバープレート認識モデルを通じてナンバープレート画像をキャプチャしてもよく、ナンバープレート認識モデルは、TensorFlow Liteなどのニューラルネットワークフレームワーク及びEfficientDetなどのモデルアーキテクチャによってトレーニングされた物体検出モデルを使用することを通じて実装されてもよい。例えば、ナンバープレート認識モデルは、車両の移動中に異なる視野角及び距離からナンバープレート画像をキャプチャしてもよい。ステップS32において、信号処理回路は、テキスト認識モデルを通じてナンバープレート画像を分析し対応するナンバープレートのナンバー情報を取得してもよく、テキスト認識モデルは、TensorFlow Liteなどのニューラルネットワークフレームワーク及びEfficientDetなどのモデルアーキテクチャによってトレーニングされた光学式文字認識モデルを使用することを通じて実装されてもよい。ステップS33において、信号処理回路は、車両の移動中にキャプチャされたナンバープレートの複数のナンバー情報の部分をカウントして、より精度の高い信頼できるナンバープレートのナンバーを取得してもよい。例えば、信号処理回路は、ナンバープレートの複数のナンバー情報の部分のうち、繰り返し数が最も大きいものを信頼できるナンバープレートのナンバーとみなして、信頼できるナンバープレートのナンバーと異なる他のナンバープレートのナンバー情報を不正確なナンバープレートのナンバーとみなしてもよい。ステップS34において、信号処理回路は、不正確なナンバープレートのナンバーに対応するナンバープレート画像をクラウド管理センターに送信してもよく、そのためクラウド管理センターは、ステップS7において、不正確なナンバープレート画像のために認識モデルを再トレーニングしてもよい。ステップS5において、信号処理回路は、上述の信頼できるナンバープレートのナンバー番号に基づき電力供給回路を起動するかどうかを決定してもよい。例えば、信号処理回路は、信頼できるナンバープレートのナンバーが電気自動車のナンバープレートのナンバーであるかどうかを決定し、それに応じて電力供給回路を起動するかどうかを決定してもよい。
【0018】
図4を参照すると、図4は、図3の実施形態で示された電気自動車のスマート充電システムの詳細な動作フローチャートである。図4に示されるように、ステップS34の後、電気自動車スマートの充電システムは次のステップを実行してもよい。S71:不正確なナンバープレートのナンバーに対応するナンバープレート画像に基づき認識モデルをトレーニングする。ステップS72:更新された認識モデルを信号処理回路に送信し返す。本実施形態において、ステップS71からS72は、図2のステップS7に対応してもよい。ステップS71において、クラウド管理センターは、信号処理回路から認識モデルを取得してもよく、その後、不正確なナンバープレートのナンバーに対応するナンバープレート画像をトレーニングデータセットの一部として使用して、上述の深層学習モデルを使用し認識モデルをトレーニングし認識モデルのニューラルネットワークのニューロンの重み値を更新してもよい。ステップS72において、上述のトレーニングが完了した場合、クラウド管理センターは、更新のために更新された認識モデルを信号処理回路に送り返すことができる。
【0019】
図5を参照すると、図5は、本開示のさらに他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの動作フローチャートである。図5に示されるように、ステップS1の後、本実施形態における電気自動車のスマート充電システムは次のステップを実行してもよい。ステップS31’:ナンバープレート認識モデルを通じて車両移動の連続プロセスにおける複数の画像を分析して、複数のナンバープレート画像をキャプチャする。ステップS32’:複数のナンバープレート画像のそれぞれについて複数の終点座標を取得する。ステップS33’:複数の終点座標からナンバープレートのサイズを取得して、連続プロセスにおける終点座標及びナンバープレートのサイズの変化に基づき車両の移動状態を決定する。そしてステップS5。
【0020】
本実施形態におけるステップS31’は、図3に示されるステップS31に対応してもよい。ステップS32’において、信号処理回路は、ナンバープレート画像のそれぞれについて複数の終点座標をキャプチャしてもよい。例えば、信号処理回路による終点座標のキャプチャは、物体検出モデルのバウンディングボックスアルゴリズムを通じて実装されてもよい。具体的には、信号処理回路は、物体検出モデルのバウンディングボックスアルゴリズムを使用しナンバープレート画像の境界を取得して、その後、境界の交点を通じて複数の終点座標を取得してもよい。ステップS33’において、信号処理回路は、終点座標に基づきナンバープレートのサイズを計算して、車両の移動中の終点座標及びナンバープレートのサイズの変化に基づき車両の移動状態を決定してもよい。具体的には、車両の移動状態は、車両の移動方向及び移動スピードを含んでもよい。信号処理回路は、上述の端点座標に基づき車両の移動方向を取得して、ナンバープレートのサイズの変化に基づき車両の移動スピードを算出してもよい。本実施形態のステップS5において、信号処理回路は、上述した車両の移動状態及び位置に基づき電力供給回路を起動するかどうかを決定してもよい。具体的には、信号処理回路が、車両は移動状態にあると決定した場合、信号処理回路は、電力供給回路を制御し充電ガンに電力を供給しないようにする。または、信号処理装置が、車両の位置は一定範囲内にないと決定した場合、信号処理回路は、電力供給回路を制御し充電ガンに電力を供給しないようにする。加えて、本実施形態における電気自動車のスマート充電システムは、駐車時間機能を実行してもよい。例えば、電気自動車のスマート充電システムは、上述の移動状態に基づき車両の駐車時間を決定することができる。
【0021】
図6を参照すると、図6は、本開示の他の実施形態に係る電気自動車のスマート充電システムの機能ブロックダイアグラムである。図6に示されるように、図1に示される実施形態と比較して、電気自動車のスマート充電システム100’は、スマート充電パイル10’と、クラウド管理センター20と、を含むだけでなく、ヒューマン-コンピュータインタラクション装置30も含み、スマート充電パイル10’は、充電ガンと、電力供給回路2と、カメラモジュール3と、信号処理回路4’とを含むだけでなく、クラウド管理センター20と信号接続する通信ユニット5も含む。本実施形態において、信号処理回路4’は、第1のコンピューティングコンポーネント4aと、第2のコンピューティングコンポーネント4bと、を含み、第1のコンピューティングコンポーネント4aは、カメラモジュール3に電気的に接続されて環境光などの決定を含むエッジ計算又はスマート検出を実行するように構成され、第2のコンピューティングコンポーネントは、第1のコンピューティングコンポーネント4a及び電力供給回路2に電気的に接続されて、エッジ計算及びスマート検出の結果に基づき電力供給回路2を制御するように構成される。スマート検出は、カメラモジュール3又は他の感光素子を通じて実現されてもよい。通信ユニット5は、信号処理回路4及びクラウド管理センター20に電気的に接続されて、エッジ計算の結果をクラウド管理センター20に送信するように構成される。ヒューマン-コンピュータインタラクション装置30は、第2のコンピューティングコンポーネント4bに電気的に接続されて、第2のコンピューティングコンポーネント4bは、ヒューマン-コンピュータインタラクション装置30を通じてユーザによって入力されたユーザ指示に従って電力供給回路2を制御するようにさらに構成される。第1のコンピューティングコンポーネント4aは、汎用非同期式送受信機(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter(UART))、インター-インテグレイティドサーキット(inter-integrated circuit(I2C))、システムマネジメントバス(System Management Bus(SMBUS))、又はブルートゥース(登録商標)サーキット(bluetooth circuit(Bluetooth))を通じて第2のコンピューティングコンポーネント4bと信号接続されてもよい。
【0022】
本実施形態における第1のコンピューティングコンポーネント4aは、ニューラルネットワークプロセシングユニット(neural network processing unit(NPU))を通じて実装されてもよく、認識モデルに従ってカメラモジュール3によってキャプチャされた画像に対して画像認識を実行するように構成され、このためナンバープレート又は車などの特徴的な物体を認識するように構成される。第2のコンピューティングコンポーネント4bは、マイクロコントローラ、グラフィックスプロセッサ、プログラマブルロジックアレイなどを通じて実装されてもよく、画像認識(エッジ計算)の結果に基づき電力供給回路2を制御するように構成される。通信ユニット5は、無線通信機能を備えた装置を通じて実装されてもよく、クラウド管理センター20と信号処理回路4’との間の信号接続として構成される。例えば、信号処理回路は、人工知能アプリケーションを通じて画像及び駐車関連情報を取得する。信号処理回路は、レストフルエーピーアイ(RESTful API)インターネット交換情報インターフェイス及びオープンチャージポイントプロトコル1.6(Open Charge Point Protocol 1.6(OCPP 1.6))アプリケーションレイヤーコミュニケーションプロトコルを使用し情報を送信して、エイチティーティーピーセキュア(HTTP Secure(HTTPS))を使用し接続チャネルを暗号化し、セキュアソケットレイヤー(Secure Sockets Layer(SSL))又はトランスポートレイヤーセキュリティ(Transport Layer Security(TLS))を使用して暗号化しクラウド管理センターにデータを送信し情報の暗号化及び充電パイル通信の標準化を達成し、本実施形態を情報伝達において安全かつ多用途にさせる。ヒューマン-コンピュータインタラクション装置30は、タッチスクリーン又は他の視覚的インターフェースを通じて実装されてもよく、ユーザがユーザ指示を入力できるように構成される。ある実装において、ユーザは、ユーザ指示を入力することによって電気自動車の充電方式を選択し電力供給回路によって充電ガンに供給される電力を制御してもよい。
【0023】
本実施形態の電気自動車のスマート充電システム100’は、上述の実施形態と組み合わせてもよい。例えば、第1のコンピューティングコンポーネント4aは、図2に示されるステップS3、図3に示されるステップS31からS34及び図5に示されるステップS31’からS33’を実行してもよい。図3のステップS34において、第1のコンピューティングコンポーネント4aは、通信ユニット5を通じて不正確なナンバープレートのナンバーに対応するナンバープレート画像をクラウド管理センター20に送信してもよい。第2のコンピューティングコンポーネント4bは、図2に示されるステップS5を実行するために使用されてもよい。クラウド管理センター20は、図2に示されるステップS7及び図4に示されるS71及びS72を実行するために使用されてもよい。図4に示されるステップS72において、クラウド管理センター20は、通信ユニット5を通じて更新された認識モデルを信号処理回路に送信し返してもよい。加えて、本実施形態における電力供給回路2は、電力拡張ユニットを含んでもよく、電源拡張ユニットの出力数は、1~N(Nは1より大きい正の整数)であってよい。電力拡張ユニットは、パワーオーバーイーサネット(Power over Ethernet(POE))などの独自又は標準のコネクタを使用し、これに限定されるものではないが、非電気自動車の充電などの他の目的のために外部装置に電力を供給してもよい。例えば、本実施形態のシステムは、スマートシティの電力ネットワーク計画と組み合わされてもよく、このため電力供給回路2の電源拡張ユニットは、周辺機器に必要な電源を供給し、又は提供された標準のコネクタを使用し、同じコネクタを使用する様々な知的なモノのインターネット(Internet of Things(AIoT)))センサーに、必要な電力とネットワーク接続を取得させる。例えば、スマートシティ交通における完全自動運転は、交通量の少ない状況でのみ点灯する道路境界標示、又はスマート街路灯の電力を下げ交通量の少ない状況で消費電力を削減することを含み、これらに限定されない技術を必要とし、将来における迅速かつ柔軟なアプリケーションの拡張を実現して他のインフラの導入コストを削減することができる。
【0024】
上述の説明から、電気自動車のスマート充電システムは、マシンビジョン及び人工知能認識機能を備えたモジュールを使用しスマート充電及びスマート駐車管理を実行しスマートなアプリケーション及び管理の設計を実現する。本開示のスマート充電システムのアプリケーション側の認識モジュールは、エッジ計算アーキテクチャとして設計されて、モデルトレーニングはバックエンドクラウドコンピューティングアーキテクチャとして設計される。エッジ計算された画像と推論情報はクラウドに送り返され深層学習画像認識トレーニングデータセットを補完し誤った決定を修正して再度学習を実行してもよい。このため、画像認識の精度とラベリング効率が効果的に向上して、さらなる深層学習が実現される。トレーニングされた認識モデルはインターネット経由で更新され人工知能のエッジ計算の精度を向上させる。加えて、本開示におけるスマート充電システムは、スマートシティに必要な電力構成構造に統合されてもよく、必要なインフラの枠組みを提供し、インフラの投資コスト並びに都市計画及び美化の困難性を大幅に低減させることができる。
図1
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図6