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特開2024-96072エアパルスジェネレータのための復調信号ジェネレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096072
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】エアパルスジェネレータのための復調信号ジェネレータ
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240704BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R3/00 330
B81B3/00
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222052
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/436,103
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/437,371
(32)【優先日】2023-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/447,758
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/447,835
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/459,170
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/321,757
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/396,678
(32)【優先日】2023-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521287935
【氏名又は名称】エクスメムス ラブズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジェム ユエ リヤーン
(72)【発明者】
【氏名】ジン‐ムオン リウ
(72)【発明者】
【氏名】任 頡
【テーマコード(参考)】
3C081
5D019
5D220
【Fターム(参考)】
3C081AA09
3C081BA22
3C081BA33
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA55
3C081DA29
3C081EA21
5D019AA21
5D019BB02
5D019FF01
5D220AA44
5D220AA47
(57)【要約】
【課題】復調信号ジェネレータが提供される。
【解決手段】復調信号ジェネレータは、フラップ対を含むエアパルスジェネレータに結合されており、共振回路を含む。共振回路は、第1復調信号および第2復調信号を生成する。共振回路およびフラップ対は、共振動作を共に実行し、その結果、第1復調信号および第2復調信号が、共に実行される共振動作を介して生成され、それらは、逆の極性を有している。フラップ対は、開口部を形成するように差動運動を行い、変調された空気圧変動に対して復調動作を実行する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアパルスジェネレータに結合された、復調信号ジェネレータであって、
第1フラップに結合された第1ノード、および、第2フラップに結合された第2ノード、
共振回路であり、前記第1ノードおよび前記第2ノードに結合されており、前記第1ノードにおいて第1復調信号を生成し、かつ、前記第2ノードにおいて第2復調信号を生成するように構成された、共振回路、
を含み、
前記エアパルスジェネレータは膜構造体を含み、前記膜構造体はフラップ対を含み、前記フラップ対は第1フラップおよび第2フラップを含んでおり、
前記共振回路および前記フラップ対は、共振動作を共に実行し、その結果、共に実行される前記共振動作により、前記第1復調信号および前記第2復調信号が生成され、
前記第1復調信号と前記第2復調信号とは、逆の極性を有しており、
前記第1フラップは前記第1復調信号を受け、かつ、前記第2フラップは前記第2復調信号を受け、その結果、前記フラップ対は差動運動を実行し、
前記差動運動は、前記膜構造体によって生成される変調された空気圧変動に対して復調動作を実行するために、開口部を形成するように構成されている、
復調信号ジェネレータ。
【請求項2】
前記共振回路は、交替モジュールを含み、
前記交替モジュールは、導通期間の最中に実行されるように構成されており、
前記第1復調信号の第1電圧レベルと、前記第2復調信号の第2電圧レベルとが、前記導通期間の後で交替する、
請求項1に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項3】
前記交替モジュールは、第1ノードと第2ノードとの間に結合された、インダクタおよびスイッチング部を含む、
請求項2に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項4】
前記復調信号ジェネレータは、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、および第4スイッチを含み、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチは前記第1ノードに結合されており、かつ、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチは前記第2ノードに結合されている、
請求項3に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項5】
前記導通期間の以前の第1期間において、前記第1スイッチおよび前記第4スイッチは導通され、かつ、前記第2スイッチおよび前記第3スイッチは遮断され、
前記導通期間の後の第2期間において、前記第1スイッチおよび前記第4スイッチは遮断され、かつ、前記第2スイッチおよび前記第3スイッチは導通される、
請求項4に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項6】
前記第1期間または前記第2期間において、前記スイッチング部は遮断される、
請求項5に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項7】
前記第1スイッチおよび前記第3スイッチは第1電圧を受け、
前記第2スイッチおよび前記第4スイッチは第2電圧を受ける、
請求項4に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項8】
前記スイッチング部は、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に結合されている、第5スイッチおよび第6スイッチを備える、
請求項6に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項9】
前記導通期間の最中に、前記第5スイッチおよび前記第6スイッチが導通される、
請求項8に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項10】
前記第5スイッチは、前記第1ノードに結合された第1アノードを有する第1ボディダイオードを含み、
前記第6スイッチは、前記第2ノードに結合された第2アノードを有する第2ボディダイオードを含み、
前記導通期間の最中に、前記第1ノードにおける第1電圧が減少し、かつ、前記第2ノードにおける第2電圧が増加し、
前記導通期間の終了時に、前記第1電圧は前記第2電圧よりも小さく、かつ、前記第5スイッチはオフになる、
請求項8に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項11】
前記導通期間の終了時に、前記第6スイッチは導通したままである、
請求項8に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項12】
前記第1期間の最中に、前記第6スイッチは遮断され、
前記第2期間の最中に、前記第5スイッチは遮断される、
請求項8に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項13】
前記エアパルスジェネレータは、前記第1フラップ上に配置された第1アクチュエータ、および、前記第2フラップ上に配置された第2アクチュエータを備えており、
前記第1アクチュエータは第1電極を備え、かつ、前記第2アクチュエータは第2電極を備え、
前記第1ノードは、前記第1電極に結合されており、かつ、前記第2ノードは、前記第2電極に結合されている、
請求項10に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項14】
前記第1アクチュエータは第3電極を含み、かつ、前記第2アクチュエータは第4電極を含み、
前記第3電極および前記第4電極は変調信号を受信し、その結果、前記フラップ対は、前記変調された空気圧変動を発生するように共通モード運動を実行する、
請求項13に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項15】
前記エアパルスジェネレータは、複数のエアパルスをパルスレートで発生し、
前記複数のエアパルスは、前記変調された空気圧変動に従って生成され、
前記第1復調信号の復調周波数は、前記パルスレートの半分である、
請求項1に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項16】
前記共振回路は、起動回路を含み、
共振は、前記起動回路および前記フラップ対によって生成される、
請求項1に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項17】
前記起動回路は、トランスインピーダンス増幅器を含み、
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記第1フラップに結合された第1入力端子、および、前記第2フラップに結合された第2入力端子を含み、
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記第1フラップに対応する第1電流を受信し、かつ、前記第2フラップに対応する第2電流を受信するように構成されており、
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記第1電流および前記第2電流に応じて第1出力信号を出力し、
前記第1復調信号および前記第2復調信号は、前記トランスインピーダンス増幅器の前記第1出力信号に応じて生成される、
請求項16に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項18】
前記起動回路は、さらに、
検出制御回路であり、前記トランスインピーダンス増幅器の出力端子に結合されており、かつ、前記トランスインピーダンス増幅器の第1出力信号に従って検出動作を実行するように構成されている、検出制御回路と、
可変利得増幅器(VGA)であり、前記検出制御回路によって制御され、前記可変利得増幅器の第2出力信号に従って前記第1復調信号が生成される、VGAと、
を含む、請求項17に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項19】
前記検出制御回路は、振幅制御回路を含み、
自動利得制御(AGC)ループが、前記振幅制御回路および前記VGAによって形成される、
請求項18に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項20】
前記検出制御回路は、フェイズロックループ(PLL)回路を含み、
前記PPL回路は、前記第1フラップの共振周波数を追跡するために、周波数検出動作を実行するように構成されている、
請求項18に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項21】
前記トランスインピーダンス増幅器は、演算増幅器を含む、
請求項17に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項22】
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間に結合されたフィードバック抵抗を含む、
請求項21に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項23】
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間に結合されたフィードバックコンデンサを含む、
請求項21に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項24】
前記復調信号ジェネレータは、さらに、
前記第1フラップおよび前記第2フラップに結合された位相シフタを含み、
前記位相シフタは、前記第1復調信号と前記第2復調信号との間の位相差を180°として設定する、
請求項16に記載の復調信号ジェネレータ。
【請求項25】
前記復調信号ジェネレータは、さらに、
周波数乗算器であり、前記起動回路に結合されており、かつ、前記起動回路の第3出力信号を受信し、第4出力信号を生成するように構成されている、周波数乗算器、を含み、
前記第4出力信号の周波数は、前記第3出力信号の周波数の2倍であり、
変調信号は、前記第4出力信号に従って生成され、
前記変調信号は、前記膜構造体を駆動するように構成されており、その結果、前記膜構造体は、前記変調された空気圧変動を生成する、
請求項16に記載の復調信号ジェネレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、駆動回路または復調信号ジェネレータに関する。そして、より詳細には、差動運動(differential movement)を行うようにフラップ対(flap pair)を駆動することができ、かつ、低消費電力である、駆動回路または復調信号ジェネレータに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカ駆動装置および背面筐体(back speaker)は、スピーカ産業における2つの主要な設計上の課題である。従来のスピーカについて、例えば、20Hzから20KHzまでの可聴周波数帯域全体をカバーすることは難しい。十分に高い音圧レベル(SPL)を伴う高忠実度の音(high fidelity sound)を生成するためには、従来のスピーカの放射/移動面(radiating/moving surface)、および、背面筐体の体積/サイズの両方が十分に大きいことが要求される。
【0003】
超音波エアパルス(air pulse)ジェネレータは、従来のスピーカが直面している設計上の課題を克服する、エアパルスまたは音を生成するために研究されている。容量性アクチュエータを含む超音波エアパルスジェネレータについては、超音波レートで動作するときに高い電力消費が予想されており、かつ、ポータブルまたは民生用電子機器にとっては望ましくない。
【0004】
従って、低消費電力である、超音波エアパルスジェネレータを駆動するための駆動回路をどのように設計するかが、この分野における重要な目標である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第18/321757号明細書
【発明の概要】
【0006】
本出願の主な目的は、従って、従来技術の欠点を改善する、復調信号ジェネレータを提供することである。
【0007】
本発明の一実施形態は、エアパルスジェネレータに結合された、復調信号ジェネレータを開示している。復調信号ジェネレータは、第1フラップに結合された第1ノードおよび第2フラップに結合された第2ノード、および、共振回路であり、前記第1ノードおよび前記第2ノードに結合されており、前記第1ノードにおいて第1復調信号を生成し、かつ、前記第2ノードにおいて第2復調信号を生成するように構成された共振回路を含む。前記エアパルスジェネレータは膜構造体を含み、前記膜構造体はフラップ対を含み、前記フラップ対は第1フラップおよび第2フラップを含んでいる。前記共振回路および前記フラップ対は、共振動作を共に実行し、その結果、共に実行される前記共振動作により、前記第1復調信号および前記第2復調信号が生成される。前記第1復調信号と前記第2復調信号とは、逆の極性を有している。前記第1フラップは前記第1復調信号を受け、かつ、前記第2フラップは前記第2復調信号を受け、その結果、前記フラップ対は差動運動を実行する。前記差動運動は、前記膜構造体によって生成される変調された空気圧変動に対して復調動作を実行するために、開口部を形成するように構成されている。
【0008】
本発明のこれらのおよび他の目的は、様々な図および図面において示される好ましい実施形態に係る以下の詳細な説明を読んだ後で、当業者にとって明らかになることは疑いない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本願の一実施形態に従った、エアパルスジェネレータの概略図を示している。
図2図2は、本願の一実施形態に従った、配線(wiring)スキームを示している。
図3図3は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図4図4は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図5図5は、図4の復調信号ジェネレータのタイミング図を示している。
図6図6は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図7図7は、図6の復調信号ジェネレータのタイミング図を示している。
図8図8は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図9図9は、本願の一実施形態に従った、検出制御(detection-and-control)回路の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、「結合されている(“coupled to”)」という用語は、直接的または間接的な接続を意味し得る。「コンポーネントAがコンポーネントBに結合されている」は、コンポーネントAがコンポーネントBに直接的に接続されていること、または、コンポーネントAが、コンポーネントCを介して、コンポーネントBに接続されていることを示し得る。
【0011】
米国特許出願第18/321,757号の内容は、参照により、本明細書に組み込まれている。
【0012】
図1は、本出願の一実施形態に従った、エアパルスジェネレータ(air-pulse generator、APG)1を示している。APG 1は、音響再生または冷却用途に使用することができ、膜構造体(film structure)10を含んでいる。膜構造体10は、音響信号SSに従って、超音波音響/空気波(ultrasonic acoustic/air wave)UAWを生成するために変調動作を実行するように構成されており、かつ、超音波音響/空気波UAWに従って、超音波パルスアレイUPAを生成するために復調動作を実行するように構成されている。変調動作は、膜構造体10の共通モード(common-mode)移動を介して実行され、そして、復調動作は、膜構造体10の差動モード(differential-mode)移動を介して実行される。自然/物理的環境および人間の聴覚系に係る固有のローパスフィルタリング効果の後で、音響信号SSに対応する音(sound)が再生される。
【0013】
第18/321,757号で教示されたように、膜構造体10は、フラップ対(flap pair)102を備えている。フラップ対102は、変調動作を実行するために、共通モード運動を実行するように駆動されて、超音波音響/空気波UAWを生成する。一方、フラップ対102も、また、復調動作を実行するために、差動モード運動(または、簡潔に差動運動)を実行するように駆動されて、超音波音響/空気波UAWに従って、パルスレート(例えば、192KHz)で、超音波パルスアレイ(ultra sonic pulse array、UPA)を生成する。
【0014】
フラップ対102は、第1フラップ101および第2フラップ103を備えている。フラップ101、103の両方は、変調信号SMを受信するように変調信号ジェネレータ16に接続されており、共通モード運動、並びに変調動作を実行するように駆動される。一方で、フラップ101および103は、第1復調信号+SV、および、第2復調信号 -SVを、それぞれに、受信するように復調信号ジェネレータ14に接続されている。復調信号+SVおよび -SVは、一般的に、所定のレベルに対して逆の極性を有しており、その結果、フラップ101および103は、差動運動、並びに、復調動作を実行することができる。具体的には、差動運動は、膜構造体10、またはフラップ対102によって生成される変調空気波または圧力変動UAWに対して復調動作を実行するために、開口部112(図2に示される)を形成するように構成されている。
【0015】
変調信号SMは、変調周波数を有しており、かつ、変調周波数は、パルスレート(例えば、192KHz)である。復調信号+SV/-SVは、復調周波数を有している。フラップ対の差動運動に起因して、復調周波数は、パルスレートの半分、または、変調周波数の半分であってよい(例えば、96KHz)。
【0016】
APGと(復調)変調信号ジェネレータとの間の詳細な配線スキームが図2に示されており、スキーム131-133が示されている。APG 1は、フラップ101上に配置された第1アクチュエータ101A、および、第2フラップ103上に配置された第2アクチュエータ103Aを含んでいる。アクチュエータ101A/103Aは、上部電極および下部電極を含んでいる。一実施形態において、アクチュエータ101A/103Aは、また、上部電極と下部電極との間に挟まれた、PZT(容量性である、チタン酸ジルコン酸鉛)で形成され得る、圧電層も含んでいる。一実施形態において、復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの一方の電極に結合され、そして、変調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの他方の電極に結合され得る。例えば、復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの上部電極に結合され、そして、変調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの下部電極に結合され得る。一実施形態において、変調信号ジェネレータおよび復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの少なくとも一方の電極に結合され得る。
【0017】
図3は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ14の概略図を示している。復調信号ジェネレータは、差動モード運動、並びに復調動作を実行するために、フラップ対を駆動するように構成された駆動回路とみなされ得る。復調信号ジェネレータ14は、フラップ101および103に対して、それぞれに接続されるノードN101およびN103を有することに加えて、一般的に、共振回路140を備えている。復調信号ジェネレータ14は、ノードN101を介してフラップ101に対する復調信号+SVを生成し、そして、ノードN103を介してフラップ103に対する復調信号-SVを生成する。共振回路140およびフラップ対102(フラップ101および103)は、共振動作(resonance operation)を実行し、その結果、逆の極性を有する復調信号+SVおよび-SVが生成される。
【0018】
例えば、図4は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ24の概略図を示している。復調信号ジェネレータ24は、共振回路240と、ノードN101、N103と、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lとを備えている。共振回路240は、交替モジュール(swapping module)242であってよく、または、交替モジュールを含み得る。交替モジュール242は、インダクタLおよびスイッチング部SWERを備えている。図4に示される実施形態において、スイッチング部は、スイッチSWER1を備える。交替モジュール242は、ノードN101とノードN103との間に接続されている。
【0019】
図5は、復調信号ジェネレータ24のタイミング図を示している。交替モジュール242は、導通期間、例えば図5に示されるT12またはT21、の最中に行われる。導通期間T12の後で、復調信号+SVは、高電圧レベルVHから低電圧レベルVLへ交替し(swap)、そして、導通期間T12の後で、復調信号-SVは、低電圧レベルVLから高電圧レベルVHへ交替する。同様に、導通期間T21の後で、復調信号+SVは、低電圧レベルVLから高電圧レベルVHへ交替し、そして、導通期間T21の後で、復調信号-SVは、高電圧レベルVHから低電圧レベルVLへ交替する。従って、導通期間T12/T21の後で、第1復調信号+SVの電圧レベルと第2復調信号-SVの電圧レベルが交替する。一方、復調信号+SVと復調信号-SVは、逆の極性を有しているものとみなされ得る。
【0020】
図4および図5において、スイッチSW1HおよびSW1Lは、ノードN101に接続されており、一方で、スイッチSW2HおよびSW2LはノードN103に接続されている。スイッチSW1HおよびSW2Hは、高電圧VHを受け、そして、スイッチSW1LおよびSW2Lは低電圧VLを受ける。
【0021】
期間T1(導通期間T12の以前)の最中に、スイッチSW1HおよびSW2Lは、導通/オン(conducted/ON)であり、そして、スイッチSW1LおよびSW2Hは、遮断/オフ(cutoff/OFF)であり、その結果、復調信号+SVは高電圧VHであり、そして、復調信号-SVは低電圧VLである。期間T1の最中に、交替モジュール242には電流が流れず、そして、スイッチング部SWERはオフである。
【0022】
期間T2(導通期間T12の後)の最中に、スイッチSW1HおよびSW2Lはオフであり、そして、スイッチSW1LおよびSW2Hはオンであり、その結果、復調信号+SVは低電圧VLであり、そして、復調信号-SVは高電圧VHである。期間T2の最中に、交替モジュール242には電流が流れず、そして、スイッチング部SWERはオフである。
【0023】
導通期間T12の最中に、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lはオフであり、そして、スイッチング部SWERはオンである。ノードN101からノードN103へ電流が形成され、それにより、復調信号+SVが減少し、そして、復調信号-SVが増加する。従って、アクチュエータ101Aに対応するキャパシタンスに蓄えられた電気エネルギが、アクチュエータ103Aに対応するキャパシタンスに転送される。
【0024】
導通期間T21の最中、同様に、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lはオフであり、そして、スイッチング部SWERはオンである。ノードN103からノードN101へ電流が形成され、それにより、復調信号+SVが増加し、そして、復調信号-SVが減少する。従って、アクチュエータ103Aに対応するキャパシタンスに蓄えられた電気エネルギが、アクチュエータ101Aに対応するキャパシタンスに転送される。
【0025】
スイッチ(図4におけるSW1H、SW1L、SW2H、SW2L、およびSWER1を意味している)のオン-オフ動作によって、復調信号ジェネレータ24は、図5の上部に示される波形を有する復調信号+SVおよび-SVを生成することができる。なお、容量性アクチュエータ101Aおよび103Aに印加される復調信号+SVおよび-SVは、APGが動作している間は、期間T12/T21内で多くの遷移(transition)を含んでいても、共振回路240の助けを借りて、N101とN103との間でエネルギが再利用されるため、フラップ対102と復調信号ジェネレータ24によって消費される電力は低いことに留意すること。
【0026】
復調信号+SVおよび-SVをフラップ101、103に印加して、フラップ対102は、差動運動を実行することができる。
【0027】
本出願において、差動運動を実行するフラップ対は、1)過渡状態/期間の最中に、一方のフラップが第1方向に向かって移動し、そして、他方のフラップが第1方向とは反対の第2方向に向かって移動するか、または、2)定常状態/期間の最中に、一方のフラップが上方に屈曲し、そして、他方のフラップが下方に屈曲する。
【0028】
復調信号ジェネレータ24を印加することによる差動運動は、上述の1)および2)の両方を満たしている。具体的には、図5に示される定常状態期間T1の最中に、フラップ101は、高電圧VHとしての復調信号+SVを受けて上方に屈曲するように駆動され、そして、フラップ103は、低電圧VLとしての復調信号-SVを受けて下方に屈曲するように駆動される。定常状態期間T2の最中に、フラップ101は、低電圧VLとしての復調信号+SVを受けて下方に屈曲するように駆動され、そして、フラップ103は、高電圧VHとしての復調信号-SVを受けて上方に屈曲するように駆動される。T1とT2の間の過渡期間T12の最中に、フラップ101は-Z方向に向かって移動し、そして、フラップ103は-Z方向とは逆の+Z方向に向かって移動する。
【0029】
さらに、導通/過渡/遷移期間T12/T21の最中に、共振回路240内のインダクタLおよびアクチュエータ101A/103A内の圧電層のキャパシタンスは、LC(インダクタンス-キャパシタンス)共振を実行する。LC共振は、期間T12の最中に、電流をN101からN103に導通させ、そして、期間T21の最中に、電流をN103からN101に導通させる。
【0030】
図6は、本出願の一実施形態に係る復調信号ジェネレータ34の概略図を示している。復調信号ジェネレータ34は、復調信号ジェネレータ24と同様であり、そして、従って、同一のコンポーネントは同一の符号で示されている。復調信号ジェネレータ24とは異なり、スイッチング部SWERは、復調信号ジェネレータ34の交替モジュール342または共振回路340内に、インダクタLとノードN103との間に接続されているスイッチSWER2をさらに備えている。ここで、スイッチSWER1およびSWER2はスイッチング部SWERを構成し、そして、インダクタLおよびスイッチング部SWERが交替モジュール342を構成してい。本出願において、スイッチング部SWERがオンであることは、スイッチSWER1およびSWER2の両方がオンであることを意味し、そして、スイッチング部SWERがオフであることは、スイッチSWER1およびSWER2の少なくとも一方がオフであることを意味する。
【0031】
一実施形態において、スイッチSWER1/SWER2は、図6の下部に示される、ボディダイオードBD1/BD2を伴いMOSFET(金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ)によって実現され得る。スイッチSWER1/SWER2は、スイッチSWER1/SWER2がオフであるときに、ボディダイオードBD1/BD2が電流を遮断することができるように構成されている。一実施形態において、ボディダイオードBD1/BD2のアノードはノードN101/N103に結合され、そして、ボディダイオードBD1/BD2のカソードはインダクタLに結合され得る。この場合に、ボディダイオードBD1/BD2は、スイッチSWER1/SWER2がオフであるときに、インダクタLからN101/N103へ流れる電流を阻止する。
【0032】
2個スイッチ(two-switches)交替モジュール342について、導通期間の終了時に両方のスイッチを同時にオフにする必要はない。代わりに、ボディダイオードが適切に構成されていれば、一時に、かつ、導通期間T12/T21の終了時に1個のスイッチのみをオフにすれば十分である。例えば、導通期間T12の終了時には、復調信号+SVが減少し、かつ、復調信号-SVが増加しており(または、導通期間T12の終了時にノードN101の電圧がノードN103の電圧よりも小さい)ときに、スイッチSWER1がオフにされ、かつ、スイッチSWER2はオンのままにし得る。この場合に、図6に示される構成のボディダイオードBD1は、インダクタからノードN101への電流を遮断する。同様に、導通期間T21の終了時に、スイッチSWER2がオフにされ、かつ、スイッチSWER1はオンのままにし得る。
【0033】
スイッチSWER1およびSWER2のタイミングは、図7を参照することができる。一度に1個のスイッチ(SWER1またはSWER2を)をオンにすることは、各スイッチのトグルレート(toggling rate)を低減し、そして、それによって、交替モジュール342内のスイッチの消費電力が、さらに低減され得る。
【0034】
スイッチSWER1およびSWER2は、図6に示されるような、インダクタLの両側に配置されることに限定されるものではないことに留意すること。一実施形態において、スイッチSWER1およびSWER2は、インダクタL(図示なし)の同じ側に配置されてよく、ここで、ボディダイオードBD1/2は、スイッチSWER1/2がオフであるとき、未だに、そこを流れる電流を遮断することができる。スイッチSWER1およびSWER2がノードN101とN103との間に結合されている限り、それは、本出願の範囲内にある。
【0035】
共振回路240/340によって利用されるLC共振に加えて、CMOS(相補型金属酸化物半導体)-MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)共振/発振も、また、復調信号±SVを生成するために使用することができる。
【0036】
図8は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ44の概略図を示している。復調信号ジェネレータ44は、共振回路440を含み、それは、起動(start-up)回路442であってよく、または、起動回路を含み得る。共振回路440または起動回路442は、フラップ101および103に結合されており、そして、復調信号±SVを生成するために、フラップ101/103の共振特性を利用する。これは、フラップ対102と共振動作を共に実行するものとみなすことができる。起動回路442は、トランスインピーダンス増幅器444、検出制御回路446、および、可変利得増幅器(variable gain amplifier、VGA)448を含んでいる。
【0037】
トランスインピーダンス増幅器444は、電流i+を受け取るためにフラップ101に結合された第1入力端子を含み、そして、電流i-を受け取るためにフラップ103に結合された第2入力端子を含んでいる。トランスインピーダンス増幅器444は、電流i+およびi-に従って、出力信号Voを生成する。図8に示されるように、トランスインピーダンス増幅器444は、演算増幅器、および、入力端子と出力端子との間に結合されたフィードバック抵抗およびフィードバックコンデンサを含んでいる。
【0038】
検出制御回路446は、トランスインピーダンス増幅器444の出力端子に結合されている。検出制御回路446は、信号Voに従って、検出動作を実行するように構成されている。ここで、検出動作は、振幅検出、位相検出、周波数検出動作、または、それらの組み合わせであり得る。
【0039】
検出制御回路446は、閉ループ46内で、起動回路442がバルクハウゼン基準(Barkhausen criterion)を満たすように、VGA 448を制御する。すなわち、ループゲインが1以上であり、かつ、ループ位相が0、または2πの整数倍に等しいことである。従って、フラップ対102および共振回路440は、CMOS-MEMS共振/発振を共に実行する(co-perform)。
【0040】
一実施形態において、検出制御回路446は、振幅制御回路4461(図9に示されているもの)を含むことができ、その結果、振幅制御回路4461は、バルクハウゼン基準を満たすために、自動利得制御(AGC)ループを形成するように、VGA 448を制御することができる。
【0041】
一実施形態において、検出制御回路446は、フラップ101/103の共振周波数を追跡(track)するために、周波数検出動作を実行することができる。周波数検出動作は、周波数掃引(frequency-sweep)テスト信号を適用することによって実行され得る。一実施形態において、検出制御回路446は、フェイズロックループ(PLL)回路4462(図9に示されているもの)を含むことができる。PLL回路4462は、フラップ101/103またはフラップ対102の共振周波数を追跡するために、周波数検出動作を実行するように構成されている。
【0042】
一実施形態において、不要な発振を回避するためにループフィルタ(図8に示されていない)が含まれ得る。
【0043】
フラップ対102および共振回路440によって形成される、ループ46は、自己維持(self-sustain)発振動作を実行する。自己維持発振の下では、フラップ101/103の変位量をQ倍だけ増幅することができる。Qは、101、103の機械共振モードのQ(quality factor)値であることに留意すること。従って、所望の変位を維持するために、+SV、-SVの入力信号振幅をQ倍だけ低減することができ、そして、電力をQ2倍だけに著しく低減される。
【0044】
図8は、発振起動回路の一実施形態を示しているに過ぎないことに留意すること。復調信号+SV、-SVは、任意の種類の発振起動回路または周波数検出回路に従って生成されてよく、これに限定されるものではない。フラップ対と共振回路との間で共振/発振が形成されている限り、それは、本願の範囲内にある。
【0045】
さらに、復調信号ジェネレータ44は、フラップ101とフラップ103との間に結合された位相シフタ41を備え得る。位相シフタ41は、復調信号+SVと復調信号-SVとの間の位相差を180°であるように設定することができ、その結果、復調信号+SVと復調信号-SVとは、逆の極性を有する。フラップ101および103に対して復調信号+SV、-SVを印加することにより、フラップ対102は、差動運動を行うことができる。ここで、復調信号ジェネレータ44を印加することによる差動は、上記のパラグラフにおいて述べた1)を満たす。
【0046】
加えて、復調信号ジェネレータ44は、周波数逓倍器(frequency multiplier)43を備えてよく、それは、起動回路442に結合されており、かつ、起動回路442の出力信号SV_outを受信する。周波数逓倍器43は、出力信号SM_refを生成するために、SV_outの周波数を倍にするように構成されており、その結果、信号SM_refに従って変調信号SMが生成される。ここで、出力信号SM_refの周波数は、出力信号SV_outの周波数の2倍であり、その結果、変調周波数がパルスレートである場合、復調周波数は、パルスレートの半分または変調周波数の半分である。
【0047】
共振動作は、共振回路240/340によって共に実行され、そして、フラップ対は、そこでのコンポーネントの電気的共振を利用しており、一方で、共振動作は、共振回路440によって共に実行され、そして、フラップ対は、そこでのコンポーネントの機械的共振を利用していることに留意すること。
【0048】
復調信号±SVを生成するために共振を利用する復調信号ジェネレータの最大の利点の一つは、消費電力を削減することである。共振動作は、上述のLCまたはCMOS-MEMS共振に限定されるものではない。共振回路を伴う復調信号ジェネレータが、逆の極性の復調信号ジェネレータを生成するために任意の共振を利用することは、本出願の範囲内にある。
【0049】
要するに、本出願は、逆の極性を有する復調信号±SVを生成するように、フラップ対を用いて共振動作を共に実行するために、共振回路を利用する。ここで、共振動作は、LC共振またはバルクハウゼンを満たすCMOS-MEMS共振であり得る。
【0050】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら、デバイスおよび方法に係る多数の修正および変更が成され得ることを容易に理解するだろう。従って、上記の開示は、添付の請求項の境界(metes and bounds)によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、駆動回路または復調信号ジェネレータに関する。そして、より詳細には、差動運動(differential movement)を行うようにフラップ対(flap pair)を駆動することができ、かつ、低消費電力である、駆動回路または復調信号ジェネレータに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカ駆動装置および背面筐体(back speaker)は、スピーカ産業における2つの主要な設計上の課題である。従来のスピーカについて、例えば、20Hzから20KHzまでの可聴周波数帯域全体をカバーすることは難しい。十分に高い音圧レベル(SPL)を伴う高忠実度の音(high fidelity sound)を生成するためには、従来のスピーカの放射/移動面(radiating/moving surface)、および、背面筐体の体積/サイズの両方が十分に大きいことが要求される。
【0003】
超音波エアパルス(air pulse)ジェネレータは、従来のスピーカが直面している設計上の課題を克服する、エアパルスまたは音を生成するために研究されている。容量性アクチュエータを含む超音波エアパルスジェネレータについては、超音波レートで動作するときに高い電力消費が予想されており、かつ、ポータブルまたは民生用電子機器にとっては望ましくない。
【0004】
従って、低消費電力である、超音波エアパルスジェネレータを駆動するための駆動回路をどのように設計するかが、この分野における重要な目標である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第17/553808号明細書
【特許文献2】米国特許出願第17/553813号明細書
【特許文献3】米国特許第10425732号明細書
【特許文献4】米国特許第7736324号明細書
【特許文献5】米国特許第5109948号明細書
【特許文献6】米国特許第4942939号明細書
【特許文献7】米国特許第4646733号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2022/0047841号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2014/64036号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2013/0279238号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2012/0018244号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2008/0121220号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0235988号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0024455号明細書
【特許文献15】国際公開第2016/202790号
【特許文献16】米国特許出願公開第2020/0059719号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2019/0116417号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2018/0179048号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2016/0366521号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2012/0032892号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2017/0201192号明細書
【特許文献22】韓国公開特許第10-2019-0116898号公報
【特許文献23】韓国特許第10-1901204号公報
【特許文献24】韓国公開特許第10-2019-0043489号公報
【特許文献25】韓国登録特許第10-2093804号公報
【特許文献26】特願2022-160367号公報
【特許文献27】特願2022-160368号公報
【特許文献28】特願2022-160366号公報
【特許文献29】米国特許出願公開第2019/0238974号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2017/0041708号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2014/0084396号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2014/0341394号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2016/0059206号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0081337号明細書
【特許文献35】米国特許第5611406号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2019/0020944号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2017/0064457号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2020/0211521号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2020/0213770号明細書
【特許文献40】欧州特許第4030782号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2019/0141435号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2017/0230756号明細書
【特許文献43】米国特許出願公開第2013/0044904号明細書
【特許文献44】米国特許出願公開第2010/0278368号明細書
【特許文献45】米国特許出願公開第2016/0356876号明細書
【特許文献46】米国特許出願公開第2021/0377652号明細書
【特許文献47】米国特許出願公開第2020/0100033号明細書
【特許文献48】米国特許出願公開第2016/0261941号明細書
【特許文献49】米国特許出願公開第2016/0381464号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】TutorialsPoint, Analog Communication ‐ DSBSC Modulation", captured by web.archive.org on 11/26/2020, retrieved on 12/11/2023 from the Internet URL: https://web.archive.org/web/20201126095635/https://www.tutorialspoint.com/analog_communication/analog_communication_dsbsc_modulation.htm
【発明の概要】
【0007】
本出願の主な目的は、従って、従来技術の欠点を改善する、復調信号ジェネレータを提供することである。
【0008】
本発明の一実施形態は、エアパルスジェネレータに結合された、復調信号ジェネレータを開示している。復調信号ジェネレータは、第1フラップに結合された第1ノードおよび第2フラップに結合された第2ノード、および、共振回路であり、前記第1ノードおよび前記第2ノードに結合されており、前記第1ノードにおいて第1復調信号を生成し、かつ、前記第2ノードにおいて第2復調信号を生成するように構成された共振回路を含む。前記エアパルスジェネレータは膜構造体を含み、前記膜構造体はフラップ対を含み、前記フラップ対は第1フラップおよび第2フラップを含んでいる。前記共振回路および前記フラップ対は、共振動作を共に実行し、その結果、共に実行される前記共振動作により、前記第1復調信号および前記第2復調信号が生成される。前記第1復調信号と前記第2復調信号とは、逆の極性を有している。前記第1フラップは前記第1復調信号を受け、かつ、前記第2フラップは前記第2復調信号を受け、その結果、前記フラップ対は差動運動を実行する。前記差動運動は、前記膜構造体によって生成される変調された空気圧変動に対して復調動作を実行するために、開口部を形成するように構成されている。
【0009】
本発明のこれらのおよび他の目的は、様々な図および図面において示される好ましい実施形態に係る以下の詳細な説明を読んだ後で、当業者にとって明らかになることは疑いない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本願の一実施形態に従った、エアパルスジェネレータの概略図を示している。
図2図2は、本願の一実施形態に従った、配線(wiring)スキームを示している。
図3図3は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図4図4は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図5図5は、図4の復調信号ジェネレータのタイミング図を示している。
図6図6は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図7図7は、図6の復調信号ジェネレータのタイミング図を示している。
図8図8は、本願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータの概略図を示している。
図9図9は、本願の一実施形態に従った、検出制御(detection-and-control)回路の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、「結合されている(“coupled to”)」という用語は、直接的または間接的な接続を意味し得る。「コンポーネントAがコンポーネントBに結合されている」は、コンポーネントAがコンポーネントBに直接的に接続されていること、または、コンポーネントAが、コンポーネントCを介して、コンポーネントBに接続されていることを示し得る。
【0012】
米国特許出願第18/321,757号の内容は、参照により、本明細書に組み込まれている。
【0013】
図1は、本出願の一実施形態に従った、エアパルスジェネレータ(air-pulse generator、APG)1を示している。APG 1は、音響再生または冷却用途に使用することができ、膜構造体(film structure)10を含んでいる。膜構造体10は、音響信号SSに従って、超音波音響/空気波(ultrasonic acoustic/air wave)UAWを生成するために変調動作を実行するように構成されており、かつ、超音波音響/空気波UAWに従って、超音波パルスアレイUPAを生成するために復調動作を実行するように構成されている。変調動作は、膜構造体10の共通モード(common-mode)移動を介して実行され、そして、復調動作は、膜構造体10の差動モード(differential-mode)移動を介して実行される。自然/物理的環境および人間の聴覚系に係る固有のローパスフィルタリング効果の後で、音響信号SSに対応する音(sound)が再生される。
【0014】
第18/321,757号で教示されたように、膜構造体10は、フラップ対(flap pair)102を備えている。フラップ対102は、変調動作を実行するために、共通モード運動を実行するように駆動されて、超音波音響/空気波UAWを生成する。一方、フラップ対102も、また、復調動作を実行するために、差動モード運動(または、簡潔に差動運動)を実行するように駆動されて、超音波音響/空気波UAWに従って、パルスレート(例えば、192KHz)で、超音波パルスアレイ(ultra sonic pulse array、UPA)を生成する。
【0015】
フラップ対102は、第1フラップ101および第2フラップ103を備えている。フラップ101、103の両方は、変調信号SMを受信するように変調信号ジェネレータ16に接続されており、共通モード運動、並びに変調動作を実行するように駆動される。一方で、フラップ101および103は、第1復調信号+SV、および、第2復調信号 ‐SVを、それぞれに、受信するように復調信号ジェネレータ14に接続されている。復調信号+SVおよび ‐SVは、一般的に、所定のレベルに対して逆の極性を有しており、その結果、フラップ101および103は、差動運動、並びに、復調動作を実行することができる。具体的には、差動運動は、膜構造体10、またはフラップ対102によって生成される変調空気波または圧力変動UAWに対して復調動作を実行するために、開口部112(図2に示される)を形成するように構成されている。
【0016】
変調信号SMは、変調周波数を有しており、かつ、変調周波数は、パルスレート(例えば、192KHz)である。復調信号+SV/‐SVは、復調周波数を有している。フラップ対の差動運動に起因して、復調周波数は、パルスレートの半分、または、変調周波数の半分であってよい(例えば、96KHz)。
【0017】
APGと(復調)変調信号ジェネレータとの間の詳細な配線スキームが図2に示されており、スキーム131-133が示されている。APG 1は、フラップ101上に配置された第1アクチュエータ101A、および、第2フラップ103上に配置された第2アクチュエータ103Aを含んでいる。アクチュエータ101A/103Aは、上部電極および下部電極を含んでいる。一実施形態において、アクチュエータ101A/103Aは、また、上部電極と下部電極との間に挟まれた、PZT(容量性である、チタン酸ジルコン酸鉛)で形成され得る、圧電層も含んでいる。一実施形態において、復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの一方の電極に結合され、そして、変調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの他方の電極に結合され得る。例えば、復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの上部電極に結合され、そして、変調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの下部電極に結合され得る。一実施形態において、変調信号ジェネレータおよび復調信号ジェネレータは、アクチュエータ101A/103Aの少なくとも一方の電極に結合され得る。
【0018】
図3は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ14の概略図を示している。復調信号ジェネレータは、差動モード運動、並びに復調動作を実行するために、フラップ対を駆動するように構成された駆動回路とみなされ得る。復調信号ジェネレータ14は、フラップ101および103に対して、それぞれに接続されるノードN101およびN103を有することに加えて、一般的に、共振回路140を備えている。復調信号ジェネレータ14は、ノードN101を介してフラップ101に対する復調信号+SVを生成し、そして、ノードN103を介してフラップ103に対する復調信号-SVを生成する。共振回路140およびフラップ対102(フラップ101および103)は、共振動作(resonance operation)を実行し、その結果、逆の極性を有する復調信号+SVおよび-SVが生成される。
【0019】
例えば、図4は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ24の概略図を示している。復調信号ジェネレータ24は、共振回路240と、ノードN101、N103と、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lとを備えている。共振回路240は、交替モジュール(swapping module)242であってよく、または、交替モジュールを含み得る。交替モジュール242は、インダクタLおよびスイッチング部SWERを備えている。図4に示される実施形態において、スイッチング部は、スイッチSWER1を備える。交替モジュール242は、ノードN101とノードN103との間に接続されている。
【0020】
図5は、復調信号ジェネレータ24のタイミング図を示している。交替モジュール242は、導通期間、例えば図5に示されるT12またはT21、の最中に行われる。導通期間T12の後で、復調信号+SVは、高電圧レベルVHから低電圧レベルVLへ交替し(swap)、そして、導通期間T12の後で、復調信号-SVは、低電圧レベルVLから高電圧レベルVHへ交替する。同様に、導通期間T21の後で、復調信号+SVは、低電圧レベルVLから高電圧レベルVHへ交替し、そして、導通期間T21の後で、復調信号-SVは、高電圧レベルVHから低電圧レベルVLへ交替する。従って、導通期間T12/T21の後で、第1復調信号+SVの電圧レベルと第2復調信号-SVの電圧レベルが交替する。一方、復調信号+SVと復調信号-SVは、逆の極性を有しているものとみなされ得る。
【0021】
図4および図5において、スイッチSW1HおよびSW1Lは、ノードN101に接続されており、一方で、スイッチSW2HおよびSW2LはノードN103に接続されている。スイッチSW1HおよびSW2Hは、高電圧VHを受け、そして、スイッチSW1LおよびSW2Lは低電圧VLを受ける。
【0022】
期間T1(導通期間T12の以前)の最中に、スイッチSW1HおよびSW2Lは、導通/オン(conducted/ON)であり、そして、スイッチSW1LおよびSW2Hは、遮断/オフ(cutoff/OFF)であり、その結果、復調信号+SVは高電圧VHであり、そして、復調信号-SVは低電圧VLである。期間T1の最中に、交替モジュール242には電流が流れず、そして、スイッチング部SWERはオフである。
【0023】
期間T2(導通期間T12の後)の最中に、スイッチSW1HおよびSW2Lはオフであり、そして、スイッチSW1LおよびSW2Hはオンであり、その結果、復調信号+SVは低電圧VLであり、そして、復調信号-SVは高電圧VHである。期間T2の最中に、交替モジュール242には電流が流れず、そして、スイッチング部SWERはオフである。
【0024】
導通期間T12の最中に、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lはオフであり、そして、スイッチング部SWERはオンである。ノードN101からノードN103へ電流が形成され、それにより、復調信号+SVが減少し、そして、復調信号-SVが増加する。従って、アクチュエータ101Aに対応するキャパシタンスに蓄えられた電気エネルギが、アクチュエータ103Aに対応するキャパシタンスに転送される。
【0025】
導通期間T21の最中、同様に、スイッチSW1H、SW1L、SW2H、SW2Lはオフであり、そして、スイッチング部SWERはオンである。ノードN103からノードN101へ電流が形成され、それにより、復調信号+SVが増加し、そして、復調信号-SVが減少する。従って、アクチュエータ103Aに対応するキャパシタンスに蓄えられた電気エネルギが、アクチュエータ101Aに対応するキャパシタンスに転送される。
【0026】
スイッチ(図4におけるSW1H、SW1L、SW2H、SW2L、およびSWER1を意味している)のオン-オフ動作によって、復調信号ジェネレータ24は、図5の上部に示される波形を有する復調信号+SVおよび-SVを生成することができる。なお、容量性アクチュエータ101Aおよび103Aに印加される復調信号+SVおよび-SVは、APGが動作している間は、期間T12/T21内で多くの遷移(transition)を含んでいても、共振回路240の助けを借りて、N101とN103との間でエネルギが再利用されるため、フラップ対102と復調信号ジェネレータ24によって消費される電力は低いことに留意すること。
【0027】
復調信号+SVおよび‐SVをフラップ101、103に印加して、フラップ対102は、差動運動を実行することができる。
【0028】
本出願において、差動運動を実行するフラップ対は、1)過渡状態/期間の最中に、一方のフラップが第1方向に向かって移動し、そして、他方のフラップが第1方向とは反対の第2方向に向かって移動するか、または、2)定常状態/期間の最中に、一方のフラップが上方に屈曲し、そして、他方のフラップが下方に屈曲する。
【0029】
復調信号ジェネレータ24を印加することによる差動運動は、上述の1)および2)の両方を満たしている。具体的には、図5に示される定常状態期間T1の最中に、フラップ101は、高電圧VHとしての復調信号+SVを受けて上方に屈曲するように駆動され、そして、フラップ103は、低電圧VLとしての復調信号-SVを受けて下方に屈曲するように駆動される。定常状態期間T2の最中に、フラップ101は、低電圧VLとしての復調信号+SVを受けて下方に屈曲するように駆動され、そして、フラップ103は、高電圧VHとしての復調信号-SVを受けて上方に屈曲するように駆動される。T1とT2の間の過渡期間T12の最中に、フラップ101は-Z方向に向かって移動し、そして、フラップ103は-Z方向とは逆の+Z方向に向かって移動する。
【0030】
さらに、導通/過渡/遷移期間T12/T21の最中に、共振回路240内のインダクタLおよびアクチュエータ101A/103A内の圧電層のキャパシタンスは、LC(インダクタンス-キャパシタンス)共振を実行する。LC共振は、期間T12の最中に、電流をN101からN103に導通させ、そして、期間T21の最中に、電流をN103からN101に導通させる。
【0031】
図6は、本出願の一実施形態に係る復調信号ジェネレータ34の概略図を示している。復調信号ジェネレータ34は、復調信号ジェネレータ24と同様であり、そして、従って、同一のコンポーネントは同一の符号で示されている。復調信号ジェネレータ24とは異なり、スイッチング部SWERは、復調信号ジェネレータ34の交替モジュール342または共振回路340内に、インダクタLとノードN103との間に接続されているスイッチSWER2をさらに備えている。ここで、スイッチSWER1およびSWER2はスイッチング部SWERを構成し、そして、インダクタLおよびスイッチング部SWERが交替モジュール342を構成してい。本出願において、スイッチング部SWERがオンであることは、スイッチSWER1およびSWER2の両方がオンであることを意味し、そして、スイッチング部SWERがオフであることは、スイッチSWER1およびSWER2の少なくとも一方がオフであることを意味する。
【0032】
一実施形態において、スイッチSWER1/SWER2は、図6の下部に示される、ボディダイオードBD1/BD2を伴いMOSFET(金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ)によって実現され得る。スイッチSWER1/SWER2は、スイッチSWER1/SWER2がオフであるときに、ボディダイオードBD1/BD2が電流を遮断することができるように構成されている。一実施形態において、ボディダイオードBD1/BD2のアノードはノードN101/N103に結合され、そして、ボディダイオードBD1/BD2のカソードはインダクタLに結合され得る。この場合に、ボディダイオードBD1/BD2は、スイッチSWER1/SWER2がオフであるときに、インダクタLからN101/N103へ流れる電流を阻止する。
【0033】
2個スイッチ(two-switches)交替モジュール342について、導通期間の終了時に両方のスイッチを同時にオフにする必要はない。代わりに、ボディダイオードが適切に構成されていれば、一時に、かつ、導通期間T12/T21の終了時に1個のスイッチのみをオフにすれば十分である。例えば、導通期間T12の終了時には、復調信号+SVが減少し、かつ、復調信号-SVが増加しており(または、導通期間T12の終了時にノードN101の電圧がノードN103の電圧よりも小さい)ときに、スイッチSWER1がオフにされ、かつ、スイッチSWER2はオンのままにし得る。この場合に、図6に示される構成のボディダイオードBD1は、インダクタからノードN101への電流を遮断する。同様に、導通期間T21の終了時に、スイッチSWER2がオフにされ、かつ、スイッチSWER1はオンのままにし得る。
【0034】
スイッチSWER1およびSWER2のタイミングは、図7を参照することができる。一度に1個のスイッチ(SWER1またはSWER2を)をオンにすることは、各スイッチのトグルレート(toggling rate)を低減し、そして、それによって、交替モジュール342内のスイッチの消費電力が、さらに低減され得る。
【0035】
スイッチSWER1およびSWER2は、図6に示されるような、インダクタLの両側に配置されることに限定されるものではないことに留意すること。一実施形態において、スイッチSWER1およびSWER2は、インダクタL(図示なし)の同じ側に配置されてよく、ここで、ボディダイオードBD1/2は、スイッチSWER1/2がオフであるとき、未だに、そこを流れる電流を遮断することができる。スイッチSWER1およびSWER2がノードN101とN103との間に結合されている限り、それは、本出願の範囲内にある。
【0036】
共振回路240/340によって利用されるLC共振に加えて、CMOS(相補型金属酸化物半導体)-MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)共振/発振も、また、復調信号±SVを生成するために使用することができる。
【0037】
図8は、本出願の一実施形態に従った、復調信号ジェネレータ44の概略図を示している。復調信号ジェネレータ44は、共振回路440を含み、それは、起動(start-up)回路442であってよく、または、起動回路を含み得る。共振回路440または起動回路442は、フラップ101および103に結合されており、そして、復調信号±SVを生成するために、フラップ101/103の共振特性を利用する。これは、フラップ対102と共振動作を共に実行するものとみなすことができる。起動回路442は、トランスインピーダンス増幅器444、検出制御回路446、および、可変利得増幅器(variable gain amplifier、VGA)448を含んでいる。
【0038】
トランスインピーダンス増幅器444は、電流i+を受け取るためにフラップ101に結合された第1入力端子を含み、そして、電流i-を受け取るためにフラップ103に結合された第2入力端子を含んでいる。トランスインピーダンス増幅器444は、電流i+およびi-に従って、出力信号Voを生成する。図8に示されるように、トランスインピーダンス増幅器444は、演算増幅器、および、入力端子と出力端子との間に結合されたフィードバック抵抗およびフィードバックコンデンサを含んでいる。
【0039】
検出制御回路446は、トランスインピーダンス増幅器444の出力端子に結合されている。検出制御回路446は、信号Voに従って、検出動作を実行するように構成されている。ここで、検出動作は、振幅検出、位相検出、周波数検出動作、または、それらの組み合わせであり得る。
【0040】
検出制御回路446は、閉ループ46内で、起動回路442がバルクハウゼン基準(Barkhausen criterion)を満たすように、VGA 448を制御する。すなわち、ループゲインが1以上であり、かつ、ループ位相が0、または2πの整数倍に等しいことである。従って、フラップ対102および共振回路440は、CMOS-MEMS共振/発振を共に実行する(co-perform)。
【0041】
一実施形態において、検出制御回路446は、振幅制御回路4461(図9に示されているもの)を含むことができ、その結果、振幅制御回路4461は、バルクハウゼン基準を満たすために、自動利得制御(AGC)ループを形成するように、VGA 448を制御することができる。
【0042】
一実施形態において、検出制御回路446は、フラップ101/103の共振周波数を追跡(track)するために、周波数検出動作を実行することができる。周波数検出動作は、周波数掃引(frequency-sweep)テスト信号を適用することによって実行され得る。一実施形態において、検出制御回路446は、フェイズロックループ(PLL)回路4462(図9に示されているもの)を含むことができる。PLL回路4462は、フラップ101/103またはフラップ対102の共振周波数を追跡するために、周波数検出動作を実行するように構成されている。
【0043】
一実施形態において、不要な発振を回避するためにループフィルタ(図8に示されていない)が含まれ得る。
【0044】
フラップ対102および共振回路440によって形成される、ループ46は、自己維持(self-sustain)発振動作を実行する。自己維持発振の下では、フラップ101/103の変位量をQ倍だけ増幅することができる。Qは、101、103の機械共振モードのQ(quality factor)値であることに留意すること。従って、所望の変位を維持するために、+SV、‐SVの入力信号振幅をQ倍だけ低減することができ、そして、電力をQ2倍だけに著しく低減される。
【0045】
図8は、発振起動回路の一実施形態を示しているに過ぎないことに留意すること。復調信号+SV、‐SVは、任意の種類の発振起動回路または周波数検出回路に従って生成されてよく、これに限定されるものではない。フラップ対と共振回路との間で共振/発振が形成されている限り、それは、本願の範囲内にある。
【0046】
さらに、復調信号ジェネレータ44は、フラップ101とフラップ103との間に結合された位相シフタ41を備え得る。位相シフタ41は、復調信号+SVと復調信号‐SVとの間の位相差を180°であるように設定することができ、その結果、復調信号+SVと復調信号‐SVとは、逆の極性を有する。フラップ101および103に対して復調信号+SV、‐SVを印加することにより、フラップ対102は、差動運動を行うことができる。ここで、復調信号ジェネレータ44を印加することによる差動は、上記のパラグラフにおいて述べた1)を満たす。
【0047】
加えて、復調信号ジェネレータ44は、周波数逓倍器(frequency multiplier)43を備えてよく、それは、起動回路442に結合されており、かつ、起動回路442の出力信号SV_outを受信する。周波数逓倍器43は、出力信号SM_refを生成するために、SV_outの周波数を倍にするように構成されており、その結果、信号SM_refに従って変調信号SMが生成される。ここで、出力信号SM_refの周波数は、出力信号SV_outの周波数の2倍であり、その結果、変調周波数がパルスレートである場合、復調周波数は、パルスレートの半分または変調周波数の半分である。
【0048】
共振動作は、共振回路240/340によって共に実行され、そして、フラップ対は、そこでのコンポーネントの電気的共振を利用しており、一方で、共振動作は、共振回路440によって共に実行され、そして、フラップ対は、そこでのコンポーネントの機械的共振を利用していることに留意すること。
【0049】
復調信号±SVを生成するために共振を利用する復調信号ジェネレータの最大の利点の一つは、消費電力を削減することである。共振動作は、上述のLCまたはCMOS-MEMS共振に限定されるものではない。共振回路を伴う復調信号ジェネレータが、逆の極性の復調信号ジェネレータを生成するために任意の共振を利用することは、本出願の範囲内にある。
【0050】
要するに、本出願は、逆の極性を有する復調信号±SVを生成するように、フラップ対を用いて共振動作を共に実行するために、共振回路を利用する。ここで、共振動作は、LC共振またはバルクハウゼンを満たすCMOS-MEMS共振であり得る。
【0051】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら、デバイスおよび方法に係る多数の修正および変更が成され得ることを容易に理解するだろう。従って、上記の開示は、添付の請求項の境界(metes and bounds)によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第17/553808号明細書
【特許文献2】米国特許出願第17/553813号明細書
【特許文献3】米国特許第10425732号明細書
【特許文献4】米国特許第7736324号明細書
【特許文献5】米国特許第5109948号明細書
【特許文献6】米国特許第4942939号明細書
【特許文献7】米国特許第4646733号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2022/0047841号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2014/64036号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2013/0279738号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2012/0018244号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2008/0121220号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0235988号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0024455号明細書
【特許文献15】国際公開第2016/202790号
【特許文献16】米国特許出願公開第2020/0059719号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2019/0116417号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2018/0179048号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2016/0366521号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2012/0032892号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2017/0201192号明細書
【特許文献22】韓国公開特許第10-2019-0116898号公報
【特許文献23】韓国特許第10-1901204号公報
【特許文献24】韓国公開特許第10-2019-0043489号公報
【特許文献25】韓国登録特許第10-2093804号公報
【特許文献26】特願2022-160367号公報
【特許文献27】特願2022-160368号公報
【特許文献28】特願2022-160366号公報
【特許文献29】米国特許出願公開第2019/0238974号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2017/0041708号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2014/0084396号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2014/0341394号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2016/0059206号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0081337号明細書
【特許文献35】米国特許第5611406号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2019/0020944号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2017/0064457号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2020/0211521号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2020/0213770号明細書
【特許文献40】欧州特許第4030782号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2019/0141435号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2017/0230756号明細書
【特許文献43】米国特許出願公開第2013/0044904号明細書
【特許文献44】米国特許出願公開第2010/0278368号明細書
【特許文献45】米国特許出願公開第2016/0356876号明細書
【特許文献46】米国特許出願公開第2021/0377652号明細書
【特許文献47】米国特許出願公開第2020/0100033号明細書
【特許文献48】米国特許出願公開第2016/0261941号明細書
【特許文献49】米国特許出願公開第2016/0381464号明細書
【外国語明細書】