(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096077
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】流体中の全有機炭素を低減するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/32 20230101AFI20240704BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240704BHJP
【FI】
C02F1/32
C02F1/44 A
C02F1/44 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】50
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222161
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,868
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524003091
【氏名又は名称】サーモ オリオン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラン ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】アンデルス ラスマソン
(72)【発明者】
【氏名】カナン スリニヴァサン
【テーマコード(参考)】
4D006
4D037
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006KA01
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(57)【要約】
【課題】入口と第1のユースポイントディスペンサとの間の浄水システムの水流路を通って流れる水の全有機物含有量を低減するように構成された浄水モジュールを提供する。
【解決手段】
浄水モジュールは、浄水システムの水流路と流体連通し、かつその一部を形成する、水流路内の第1の再循環水流路ループを画定する。浄水モジュールは、第1の再循環水流路ループに流体接続されたポンプ、紫外放射線処理装置、及びタンクを含み、よって、浄水システムの水流路への入口に進入する水は、ポンプによって、浄水モジュールの第1の再循環水流路ループを通して1回以上循環させて、全有機物含有量が低減された浄化水を生成する。浄化水は、第1のユースポイントディスペンサにおいて浄水システムから選択的に分配可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水モジュールであって、
水流路内にあり、かつ入口を有する第1の再循環水流路ループであって、前記浄水モジュールの前記水流路と流体連通し、かつその一部を形成する、第1の再循環水流路ループと、
前記第1の再循環水流路ループに流体接続されたポンプ、紫外放射線処理装置、及びタンクと、
任意選択で、第1のユースポイントディスペンサと、を備え、
前記浄水システムの前記水流路への前記入口に進入する水を、前記ポンプによって、前記浄水モジュールの前記第1の再循環水流路ループを通して1回以上循環させて、任意選択で、前記入口に進入する水をイオン交換媒体に曝露することなく、全有機物含有量が低減された強化水を生成し、任意選択で、前記第1の再循環水流路が、イオン交換媒体を含まず、
前記強化水が、全有機物含有量が低減されており、任意選択で、前記第1のユースポイントディスペンサにおいて前記浄水システムから分配可能である、浄水モジュール。
【請求項2】
前記浄水システムの前記水流路への前記入口に進入する水が、10ppbを超える全有機物含有量を有する、請求項1に記載の浄水モジュール。
【請求項3】
前記紫外放射線処理装置と前記浄水モジュールの前記タンクとの間の前記第1の再循環水流路ループ内に位置付けられた第1のユースポイントディスペンサを備えている、請求項1に記載の浄水モジュール。
【請求項4】
前記水流路に流体接続された、逆浸透装置、少なくとも1つの充填床濾過装置、濾過装置、及び第2のユースポイントディスペンサのうちの少なくとも1つと、
前記ポンプ、並びに前記紫外放射線処理装置、前記任意選択の第1のユースポイントディスペンサ、前記少なくとも1つの充填床濾過装置、前記濾過装置、前記第2のユースポイントディスペンサ、及び前記タンクのうちの少なくとも1つを通して、水流を1回以上循環させることによって画定される第2の再循環水流路ループであって、前記浄水モジュールの前記水流路と流体連通し、かつその一部を形成する、第2の再循環水流路ループと、を更に備え、
前記浄水モジュールを通る水流が、前記第2の再循環水流路ループの前記少なくとも1つの充填床濾過装置、前記濾過装置、及び前記第2のユースポイントディスペンサを迂回する、請求項3に記載の浄水モジュール。
【請求項5】
前記浄水モジュールの前記水流路に流体接続された分配セクションを更に備え、前記セクションが、前記第1の再循環水流路ループと前記第2の再循環水流路ループとの間の前記浄水モジュールの前記水流路を通って流れる前記水の流れを分配するように構成されている、請求項4に記載の浄水モジュール。
【請求項6】
前記分配セクションが、前記紫外放射線処理装置の出口と流体連通する入口と、前記タンクへの入口と流体連通する第1の出口と、少なくとも1つの充填床濾過装置と流体連通する第2の出口と、を備えている、請求項5に記載の浄水モジュール。
【請求項7】
前記浄水モジュールを通る前記水の流れを制御するための、前記第1の再循環水流路ループに流体接続された第1の弁を更に備えている、請求項6に記載の浄水モジュール。
【請求項8】
前記第1の弁が、前記浄水モジュールの前記水流路の前記第2の再循環水流路ループを通る前記水の流れを遮断することによって前記浄水モジュールを通る前記水の流れを分配するように構成された前記セクションの下流に位置付けられている、請求項7に記載の浄水モジュール。
【請求項9】
前記第2の再循環水流路ループを通る水再循環時間の期間が、前記第1の再循環水流路ループを通る水循環時間の期間未満である、請求項4に記載の浄水モジュール。
【請求項10】
前記第1のユースポイントディスペンサから分配された水が、少なくとも、10ppb未満の全有機物含有量を有するASTMタイプIIと同様のイオン純度である、請求項4に記載の浄水モジュール。
【請求項11】
前記第2のユースポイントディスペンサから分配された水が、少なくとも、5ppb未満の全有機物含有量を有するASTMタイプIの水と同様のイオン純度である、請求項4に記載の浄水モジュール。
【請求項12】
前記浄水モジュールが、逆浸透装置と、少なくとも1つの充填床濾過装置と、濾過装置であって、水が前記少なくとも1つの充填床濾過装置又は前記濾過装置を通って流れる前に前記逆浸透装置を通って流れるように前記水流路に流体接続された濾過装置と、を更に備えている、請求項1に記載の浄水モジュール。
【請求項13】
前記第2のユースポイントディスペンサが、前記少なくとも1つの充填床濾過装置及び前記濾過装置の下流の前記水流路に位置付けられている、請求項12に記載の浄水モジュール。
【請求項14】
前記第2のユースポイントディスペンサから分配された水が、3ppb未満の全有機物含有量を有するASTMタイプIの水である、請求項13に記載の浄水モジュール。
【請求項15】
入口と少なくとも第1のユースポイントディスペンサ及び第2のユースポイントディスペンサとの間の水流路通って流れる水を浄化するための浄水システムであって、
前記水流路に流体接続された逆浸透装置、ポンプ、紫外放射線処理装置、少なくとも1つの充填床濾過装置、濾過装置、及びタンクと、
前記逆浸透装置の下流に前記浄水システムの前記水流路の一部を形成し、前記ポンプ、前記紫外放射線処理装置、前記第1のユースポイントディスペンサ、及び前記タンクを連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される、第1の再循環水流路ループと、
前記浄水システムの前記水流路の一部を形成し、かつ前記ポンプ、前記紫外放射線処理装置、前記第1のユースポイントディスペンサ、前記少なくとも1つの充填床濾過装置、前記濾過装置、前記第2のユースポイントディスペンサ、及び前記タンクを連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される、第2の再循環水流路ループと、を備え、
前記第1の再循環水流路ループを通る水流が、前記少なくとも1つの充填床濾過装置を迂回する、浄水システム。
【請求項16】
前記第1のユースポイントディスペンサから分配された水が、10ppb未満の全有機物含有量を有する水である、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項17】
前記第2のユースポイントディスペンサから分配された水が、3ppb未満の全有機物含有量を有するASTMタイプIの水である、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項18】
前記浄水システムの前記水流路が、前記第1の再循環水流路ループと前記第2の再循環水流路ループとの間の前記水流路を通って流れる前記水の流れを分配するように構成された分配セクションを更に備えている、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項19】
前記分配セクションが、前記紫外放射線処理装置の出口と流体連通する入口と、前記タンクへの入口と流体連通する第1の出口と、前記少なくとも1つの充填床濾過装置への入口と流体連通する第2の出口と、を備えている、請求項18に記載の浄水システム。
【請求項20】
前記第1の再循環水流路ループを通る前記水の流れをルーティングするための、前記第1の再循環水流路ループに流体接続された第1の弁を更に備えている、請求項18に記載の浄水システム。
【請求項21】
前記第1の弁が、前記第2の再循環水流路ループを通る前記水の流れを遮断することなく前記第1の再循環水流路ループを通る前記水の流れを制御するように、前記分配セクションの下流に配設されている、請求項20に記載の浄水システム。
【請求項22】
前記第2の再循環水流路ループを通る水の流れを制御するための、前記第2の再循環水流路ループに流体接続された第2の弁を更に備えている、請求項21に記載の浄水システム。
【請求項23】
前記第2の弁が、前記第1の再循環水流路ループを通る前記水の流れを遮断することなく前記第2の再循環水流路ループを通る前記水の流れを制御するように、前記分配セクションの下流に配設されている、請求項22に記載の浄水システム。
【請求項24】
前記第2の再循環水流路ループを通る水再循環時間の前記期間が、前記第1の再循環水流路ループを通る水再循環時間の前記期間の0.9倍以下である、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項25】
水が、前記第1の再循環水流路ループ及び前記第2の再循環水流路ループを通って流れる前に、前記逆浸透装置を通って流れる、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項26】
前記第1の再循環水流路ループが、そこを通って流れる水の全有機物含有量を低減するように構成された浄水モジュールを画定する、請求項15に記載の浄水システム。
【請求項27】
前記モジュール内の水流を調節するように構成されたコントローラを更に備えている、請求項1に記載の浄水モジュール。
【請求項28】
前記モジュール内の水流を調節するように構成されたコントローラを更に備えている、請求項15に記載の浄水モジュール。
【請求項29】
浄水モジュールであって、
入口を有する水流路を備え、前記入口が、入力水を受容するように構成され、
前記水流路が、第1の再循環水流路ループを備え、
前記第1の再循環水流路ループが、ポンプと、紫外放射線処理装置と、タンクと、を備え、
前記第1の再循環水流路ループが、任意選択で、イオン交換媒体を含まず、
任意選択で、第1のユースポイントディスペンサが、前記第1の再循環水流路ループと流体連通し、
前記浄水モジュールが、前記入口に進入する入力水が少なくとも1つの前記第1の再循環水流路ループを通って循環して第1の水を生成するように動作するように構成され、前記第1の水が、全有機物含有量が低減され、
前記動作が、任意選択で、ポリッシャ塔への前記入口に進入する水を曝露させることなく実行される、浄水モジュール。
【請求項30】
前記浄水モジュールが、前記入口に進入する入力水が前処理システム及び逆浸透ユニットのうちの一方又は両方の出口から来るように動作するように構成されている、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項31】
前記浄水モジュールが、前記入口に進入する入力水が前記タンクに連通されるように動作するように構成されている、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項32】
前記浄水モジュールが、前記第1のユースポイントディスペンサにおいて前記第1の水を分配するように動作するように構成されている、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項33】
前記第1のユースポイントディスペンサの上流に全有機炭素検出器を更に備えている、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項34】
前記浄水モジュールが、前記タンク内で前記第1の水を保持するように動作するように構成されている、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項35】
第2の再循環水流路ループを更に備え、前記第2の再循環水流路ループが、前記第1の再循環水流路から第1の水を受容し、前記第1の水をポリッシュして、導電率を低減した第2の水を生じさせるように構成されたポリッシャ塔を備え、前記第2の再循環水流路ループが、前記タンクと流体連通する、請求項29に記載の浄水モジュール。
【請求項36】
前記第2の再循環水流路ループが、前記第1の再循環水流路ループと遮断可能に流体連通し、前記遮断可能な流体連通が、任意選択で、弁によって調節される、請求項35に記載の浄水モジュール。
【請求項37】
前記第2の再循環水流路が、濾過装置を備えている、請求項35に記載の浄水モジュール。
【請求項38】
前記第2の再循環水流路が、第2のユースポイントディスペンサを備えている、請求項35に記載の浄水モジュール。
【請求項39】
(a)前記第2のユースポイントディスペンサの上流の水導電率センサ、(b)前記第2のユースポイントディスペンサの上流の全有機炭素検出器、又は(c)(a)及び(b)の両方、を更に備えている、請求項38に記載の浄水モジュール。
【請求項40】
前記浄水モジュールが、前記第2のユースポイントディスペンサにおいて前記第2の水を分配するように動作するように構成されている、請求項38に記載の浄水モジュール。
【請求項41】
前記浄水モジュールが、前記第2の水を前記タンクに連通して、前記タンク内で前記第2の水を保持するように動作するように構成されている、請求項35~40のうちのいずれか一項に記載の浄水モジュール。
【請求項42】
前記浄水モジュールが、前記第2の水を前記UV装置によって処理するために前記タンクから前記第1の再循環水流路ループに連通して、強化された第2の水を生じさせるように動作するように構成されている、請求項41に記載の浄水モジュール。
【請求項43】
前記浄水モジュールが、前記第1のユースポイントディスペンサにおいて前記強化された第2の水を分配するように動作するように構成されている、請求項42に記載の浄水モジュール。
【請求項44】
浄水モジュールを動作させる方法であって、
保持タンク及びUV装置を備えている第1の水再循環流路ループに入力水を導入することと、
前記第1の水を前記紫外放射線源に少なくとも2回循環させて、全有機物含有量が低減された第1の水を生じさせることと、
前記第1の水を前記保持タンク内で保持することと、を含む、方法。
【請求項45】
前記入力水が、前記第1の水再循環流路ループに導入される前に、前処理、逆浸透処理、及び充填床処理、のうちの少なくとも1つを受ける、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
第1のユースポイントディスペンサにおいて前記第1の水を分配することを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の水を第2の水再循環流路ループに連通することを更に含み、前記第2の水再循環流路ループが、前記第1の再循環流路から前記第1の水を受容し、前記第1の水を処理して、導電率を低減した第2の水を生じさせるように構成されたポリッシャ塔を備えている、請求項44~46のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
(a)第2のユースポイントディスペンサにおいて前記第2の水を分配すること、(b)前記第2の水を前記タンクに連通すること、又は(c)(a)及び(b)の両方、を更に含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の水を前記タンクに連通することと、前記第2の水を前記UV装置によって処理するために前記タンクから前記第1の水再循環流路ループに連通して、強化された第2の水を生じさせることと、を更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のユースポイントディスペンサにおいて前記強化された第2の水を分配することを更に含む、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、上水処理に関し、より具体的には、高純度な研究室品質の水を生成する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水システムは、科学的な試験及び解析の分野を含む様々な用途のための高品質な研究室グレード又は試薬グレードの水を提供するために使用される。こうした用途の多くは、水の全有機炭素(total organic carbon、「TOC」)が約10パーツパービリオン(parts-per-billion、「ppb」)以下であることが必要である。米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials、「ASTM」)に規定されているように、ASTMタイプIの水が最高純度であり、これは、高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography、「HPLC」)、原子吸光分光測定法、組織培養、などに使用される。ASTMタイプIIの水は、純度がより低く、血液学的処置、血清学的処置、マイクロ生物学的処置に使用され得る。ASTMタイプIIIの水は、尿検査、寄生虫学的処置、及び組織学的処置などの一般的な研究室の定性的分析に好適である。これらの規格は、汚染物質の許容限度を定めることを意図しているが、理想的な状態では、水は、中性の水分子と平衡するヒドロニウムイオン及びヒドロキシドイオンだけしか含まないはずである。いくらかのレベルの二酸化炭素が水中に溶解することは、よくあることである。水中に存在する有機肥料もまた、水の品質に影響を及ぼし得るので、定量化が必要である。したがって、一貫性を目的とし、またブランクを目的として、イオン性汚染物質のレベル及び有機汚染物質のレベルを最小に保つことが重要である。
【0003】
水を浄化するための1つの従来の技法は、供給水を蒸発させ、次いで蒸気を捕捉及び凝縮してイオンを除去して、高純度の製品水を生成する、蒸留である。このタイプの水は、最高純度であり得、通常、低レベルの無機イオン及び水中の有機汚染物質を所望するユーザによって使用される。水を浄化するための別の従来の技法は、逆浸透(reverse osmosis、「RO」)であり、これは、イオンが枯渇した高純度の製品水を生成するために、薄い多孔質膜を通した選択的な浸透に依存するが、この水をタイプIに指定するのを妨げる残留イオン含有量を有する。水を浄化するための更に別の従来の技法は、脱イオン化(deionization、「DI」)であり、これは、イオンを除去することができる官能基を有する材料を含有するイオン交換樹脂層に供給水の流れを通過させる。水を浄化するための更に別の従来の技法は、電気脱イオン化(electro-deionization、「EDI」)であり、これは、イオン交換樹脂層全体にわたって電界を印加する。EDIユニットに提供される水は、RO装置による前処理が必要であり、供給水が特に硬質である場合は、硬水軟化剤によって軟化させることが必要であり得る。
【0004】
上で説明した浄化技術は、通常、研究室品質又は試薬グレードの水として使用するのに必要な純度を有する製品水を提供するために組み合わせられる。例えば、ある設計の従来の浄水システムは、逆浸透(「RO」)、それに続く紫外線(ultraviolet、「UV」)放射線処理装置と、1つ以上の充填床塔内にイオン交換器、炭素粒子、及びフィルタの組み合わせを含むユースポイントポリッシャ塔との組み合わせによって確立した技術を用いて、最高で約5ppbのTOCレベルを達成し得る。浄化システム内の水は、浄水システム内のいかなる部分にも長時間滞留させることができないので、少なくともUV処理モジュール及びユースポイントポリッシャ塔を通して継続的に水を再循環させる。
【0005】
ユースポイントポリッシャ塔は、イオン汚染物質及び有機物質を最小限に抑えるために使用されるが、汚染物質(別様には浸出液と称される)が水中に浸出し、したがって、水のTOCレベルを上昇させる傾向がある。より具体的には、交換器の加水分解安定性が制限されるため、ポリッシング塔の充填床から有機物質が浸出する。水を浄水システム及び充填床を通して継続的に再循環させることにより、浸出液が充填床から水中に継続的に蓄積される。しかしながら、UV処理装置は、充填床を介した有機物質の水の流れの中への導入に見合うほど十分な効率ではない。結果として、イオン汚染物質を除去するように調製された先行技術の浄水システムは、例えば、HPLC又は医薬タブレットの溶解のために、又はTOC分析に必要とされる標準物を調製する際に、2ppb以下のTOCレベルを有する水を一貫して生成することができない。
【0006】
先行技術の浄水システムにおいて述べた上記の問題、並びに他の問題及び懸案事項の観点から、水がシステムから分配される場合を除いて、ユースポイントポリッシャ塔を通した水の再循環を回避しながら又は最小限に抑えながら、少なくともUV放射線処理装置を通して水を再循環させ、それによって、2ppb以下のTOCレベルを有する水を一貫して生成するように構成された浄水システムの一部を形成する、浄水モジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来の浄水モジュール及びシステムの前述した及び他の欠陥及び欠点を克服する。本発明は、特定の実施形態に関連して考察されるが、本発明は、本明細書において説明される具体的な実施形態に限定されないことが理解されるであろう。
【0008】
本発明の1つの実施形態によれば、入口と第1のユースポイントディスペンサとの間の浄水システムの水流路を通って流れる水の全有機物含有量を低減するように構成された浄水モジュールが提供される。浄水モジュールは、浄水システムの水流路と流体連通し、かつその一部を形成する、水流路内の第1の再循環水流路ループを画定する。第1の再循環水流路ループは、イオン交換媒体を含まなくてもよい(好ましくは、含まない)。浄水モジュールは、第1の再循環水流路ループに流体接続されたポンプ、紫外放射線処理装置、及びタンクを含み、よって、浄水システムの水流路への入口に進入する水は、ポンプによって、浄水モジュールの第1の再循環水流路ループを通して1回以上循環させて、全有機物含有量が低減された浄化水を生成する。浄化水は、第1のユースポイントディスペンサにおいて浄水システムから選択的に分配可能である。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、入口と少なくとも第1のユースポイントディスペンサ及び第2のユースポイントディスペンサとの間の水流路を通って流れる水を浄化するための浄水システムが提供される。浄水システムは、水流路に流体接続された逆浸透装置、ポンプ、紫外放射線処理装置、少なくとも1つの充填床装置、限外濾過装置などの濾過装置、及びタンクを含む。濾過装置は、限外濾過装置であり得るが、限外濾過装置以外の他の濾過装置が好適である場合、これは必須ではないことが理解されるべきである。更に、濾過装置は任意選択であることが理解されるべきである。本開示は、様々な要素の例示的な配置順序を記載しているが、記載される様々な要素の配置は、変更することができることが理解されるべきである。浄水システムは、浄水システムの水流路の一部を形成し、ポンプ、紫外放射線処理装置、第1のユースポイントディスペンサ、及びタンクを連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される、第1の再循環水流路ループと、浄水システムの水流路の一部を形成し、ポンプ、紫外放射線処理装置、第1のユースポイントディスペンサ、少なくとも1つの充填床濾過装置、濾過装置(存在する場合)、第2のユースポイントディスペンサ、及びタンクを連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される、第2の再循環流路ループと、を含む。第1のユースポイントディスペンサは、膜ベースの、多孔質ポリマーベースの、又は繊維若しくは管ベースのフィルタであり得る濾過装置を含むことができることが理解されるべきである。第2のユースポイントディスペンサもまた、膜ベースの、又は多孔質ポリマーベースの、又は繊維若しくは管ベースのフィルタであり得る濾過装置を含むことができる。このために、ディスペンサの場合のように別個の濾過装置を存在させることは任意選択であり、ディスペンサは、ユースポイント(point of use、POU)濾過装置を備えることができる。この目的のために、第1の再循環流路ループを通る水流は、少なくとも1つの充填床濾過装置、濾過装置(存在する場合)、及び第2の再循環流路ループの第2のユースポイントディスペンサを迂回することができる。第1の再循環流路ループは、イオン交換媒体を含まなくてもよい(好ましくは、含まない)。
【0010】
本発明の様々な追加の特徴及び利点は、添付の図面と併せて解釈される1つ以上の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を検討することにより、当業者にはより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を構成する、添付の図面は、本発明の1つ以上の実施形態を図解し、上記に提供された一般的な説明、及び下記に提供される詳細な説明とともに、本発明の1つ以上の実施形態を説明するのに役立つ。
【
図1】本発明の一実施形態による浄水モジュールの概略図である。
【
図2】本発明の原理による
図1の浄水モジュールを有する浄水システムの概略図である。
【
図3】本発明の原理による
図1の浄水モジュールを有する代替的な浄水システムの概略図である。
【
図4】本発明の原理による
図1の浄水モジュールを有する第2の代替的な浄水システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、特定の実施形態に関して記載されるが、本発明は、いかなる1つの特定のタイプの浄水システムの実装にも限定されない。本発明は、研究室、飲料水、半導体製造、細菌学、及び分子生物学用途などの最終用途のための浄化水を提供する浄化システム、又は特にTOC分析のための標準物の調製に使用される水などの低いTOCレベルを有する浄化水を必要とする他の用途が挙げられるが、これらに限定されない、様々な浄水システムとともに使用することができることが想到される。低いTOCレベルとは、浄化水が、50ppb未満、又は10ppb未満、又は5ppb未満、又はより具体的には2ppb未満の全有機炭素含有量を有することを意味する。本発明の説明は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る、全ての代替例、修正例、及び同等の配置を網羅することを意図している。具体的には、当業者は、本明細書に記載される本発明の構成要素が、複数の異なる方法で配置され得ることを認識するであろう。
【0013】
本発明の実施形態は、水のTOC含有量の低減を達成するように水を循環させる浄水モジュールを対象とする。より具体的には、浄水モジュールを通して循環させる水を、水中の有機汚染物質を酸化させるUV放射線に繰り返し曝露して、TOC含有量を低減する。浄水モジュールは、1つ以上のユースポイントポリッシャ塔を有する浄水システムの一部を形成することができる。それに関して、浄水モジュールを通して循環させる水は、ポリッシャ塔の充填床への繰り返しの曝露による水中の有機物質の蓄積を最小限に抑えるために、ユースポイントポリッシャ塔を迂回する。これに関して、水の循環は、低いTOCレベルの(例えば、最低2ppb以下の)水、及びポリッシャ塔の充填床の寿命の向上の両方をもたらす。より具体的には、浄水モジュールを通る水循環がポリッシャ塔の充填床を迂回するので、充填床の消費が最小限に抑えられる。ポリッシャ塔の充填床を迂回することはまた、スルホン化又はアミノ化オリゴマー、二酸化炭素などの、充填床から生じる水中に観察される汚染物質又は浸出液も低減し、また、浄水システムを通して循環させる水の純度を保つ。本発明のこれらの利益の各々は、下で更に詳細に説明する。
【0014】
ここで
図1を参照すると、TOCを最小限に抑えた、又はTOCを含まない水を生成するための、本発明の原理による浄水モジュール10が概略的に示されている。浄水モジュール10は、流体再循環流路ループ20を画定するためにチューブ系又はパイプ系などの適切な流体ライン18と流体連通して集合的に結合される、紫外放射線処理装置12と、貯蔵タンク14と、ポンプ16と、を含む。浄水モジュール10は、TOCを含有する供給水の流れを流体再循環流路ループ20内へ導入するように構成された入口22と、TOCが低減された浄化水を浄水モジュール10の流体再循環流路ループ20から分配するように構成された出口24と、を含む。供給水は、例えば、100ppbを超えるTOC含有量を有し得る。いずれにしても、例えば、出口24は、所定の量の浄化水を分配するように構成されたタップ、蛇口、又は分配マニホールドなどのユースポイント製品ディスペンサを使用することができ、又は出口24は、水の更なる処理のための他のモジュール又はポリッシャへとルーティングすることができる。例えば、浄水モジュール10はまた、水の流れが流体再循環流路ループ20を通るように、並びに浄水モジュール10の中へ入る又はそこから外へるように方向付けるように構成された、三方手動又はソレノイド作動弁などの1つ以上の弁26a及び26bも含むことができる。図示されていないが、浄水モジュール10の流体再循環流路ループ20は、例えば、逆止弁、圧力センサ、流れ導電率センサ、流量制限器、及びフィルタなどの、当技術分野で既知の1つ以上の様々な他の構成要素を含むことができる。これらの様々な追加の構成要素の機能は、浄水技術の当業者によって十分理解されるので、説明しない。
【0015】
浄水モジュール10は、浄化水が出口24において浄水モジュール10から分配されていない場合又は入口22において浄水モジュール10内へ受容されていない場合に、矢印A1によって示されるように、流体再循環流路ループ20を通して水を循環させるように設計されている。より具体的には、所定の量のTOCを含有する供給水が、入口22を介して流体再循環流路ループ20に進入する。例えば、入口22と関連付けられた弁26は、供給水の流れが浄水モジュール10の流体再循環流路ループ20に進入することを可能にするように動作させることができる。例えば、入口22に進入する水の量は、貯蔵タンク14内に保持される所望の水の量、又は出口24において浄水モジュール10から分配される浄化水の量に対応することができる。いずれにしても、所定の量の供給水が浄水モジュール10に進入した後に、水は、入口22及びUV処理装置12において弁26bに流体接続された流体ライン18を介して、UV処理装置12に方向付けられる。水がUV処理装置12を通過するときに、水がUV放射線に曝露されて、水中の有機汚染物質を酸化させて水のTOCレベルを低減する。浄化水の出力の流れは、UV処理装置12及び貯蔵タンク14に流体接続された流体ライン18を介して、UV処理装置12から貯蔵タンク14へと方向付けられる。貯蔵タンク14は、UV処理装置12によって生成されたTOCレベルを低減した浄化水を受容して保持するためのリザーバとしての役割を果たす。貯蔵タンク14は、浄水モジュール12によって生成される所定の量の、例えば最大25Lの浄化水を保持することができる。
【0016】
ポンプ16は、流体再循環流路ループ20内に位置決めされて、タンク14と流体ライン18を有するUV処理装置12との間に流体結合される。ブースタポンプであり得るポンプ16は、例えば、浄化水をタンク14からUV処理装置12までポンプ圧送するのに十分な駆動力を提供する。より具体的には、ポンプ16は、タンク14及びポンプ16に流体的に接続された流体ライン18を介して貯蔵タンク14から浄化水を方向付けて、流体ライン18a、18b及び18cを通して水を移動させてUV処理装置12に戻す。出口24と関連付けられた弁26は、TOCを最小限に抑えた水の流れを、再循環のためのポンプ16からUV処理装置12に戻すように又は代替的に出口24に方向付けるように動作可能である。ポンプ16は、流体再循環流路ループ20を通して浄化水を循環させること、並びに出口24において浄化水を浄水モジュール10から分配すること、の両方を行うのに十分な駆動力を提供する。この目的のために、ポンプ16による流体再循環流路ループ20を通した、より具体的にはUV処理装置12とタンク14との間の、浄化水の循環を繰り返して、水のTOCレベルを低減して、最低2ppb以下のTOCレベルを有する、TOCを最小限に抑えた水を生成する。構成要素は、再配置することができ、例えば、ポンプ16は、ライン18b内に配置することができ、このようにして、ポンプは、UVを通って流入する水をルーティングして、弁26a及びbと併せて再循環を容易にすることに留意されるべきである。したがって、複数の構成が実現可能である。
【0017】
図1に例解される浄水モジュール10は、浄水モジュール10の1つの構成の例示に過ぎないが、浄水モジュール10の特定の特徴は、流体再循環流路ループ20内に再配置して、上で説明したようにTOCレベルが低い浄化水を同様に生成することができることが理解される。それに関して、ポンプ16は、代替的に、例えば、UV処理装置12の下流に及びタンク14の上流にあるように、適切な流体ライン18によってUV処理装置12とタンク14との間に流体結合することができる。一実施形態では、浄水モジュール10は、流体再循環流路ループ20に沿って異なる場所に配置された、ユースポイントディスペンサなどの1つ又は複数の出口を有することができる。例えば、1つの出口は、UV処理装置12を出る浄化水をタンク14に到達する前に浄水モジュール10から分配することができるように、UV処理装置12とタンク14の間に位置付けることができる。この出口は、
図1に示される出口24に加えること、又は代替物とすることができる。
【0018】
試験は、
図1に関して上で説明した実施形態による浄水モジュール10のプロトタイプに対して行い、ある期間にわたって浄水モジュール10のUV処理装置12を通して水を再循環させることによって観察されるTOCレベルの潜在的な改善を評価した。試験を開始する前に、所定の量の水道水をROユニットで前処理して、当該所定の量の水道水から、典型的には溶解塩の形態の溶解イオンを除去する。次いで、RO透過物とも称される前処理された所定の量の水道水を、試験のための浄水モジュール10に導入した。浄水モジュール10は、試験の期間にわたって水のTOCレベルを測定するように構成された、GE Analytical Instruments Inc.(Boulder、CO)から市販されているTOC Sievers 500RLe型TOC分析装置を装備した。試験中に、上で説明したように、ポンプ16によって、約10時間の期間にわたって0.2L/分~0.5L/分の範囲の様々な流量で、浄水モジュール10の流体再循環流路ループ20を通して水を再循環させた。10時間再循環させた後に、水中TOCレベルは、最低0.03μg/L(すなわち、0.03ppb)まで低減された。一実施形態では、浄化水は、特定の水の純度を必要とした特殊用途のための低TOC水として排出される。別の実施形態では、次いで、浄化水を、混合床及び炭素系材料を含む充填床を通して、浄水モジュール10から排出し、その後に、浄化水のTOCレベルを再度測定した。充填床を通して排出された後に、水のTOCレベルは、18.2MΩ/cmを超える抵抗率で、およそ2μg/Lであり、したがって、ASTMタイプIのイオン要件を満たした。したがって、説明される実施形態では、極めて低いTOC含有量の高純度水を生成することができる。浄水モジュール10は、RO又は処理水が送給されたときに、比較的低いレベルのTOCを有する純水を生成するためのユースポイントポリッシャとして使用するために、既存のイオン交換及び/又は既存の炭素床と組み合わせることができることが理解されるべきである。いかなる特定の理論又は実施形態にも縛られることなく、
図1を参照すると、出口24から供給されるTOCが低減された水は、充填床に、次いでディスペンサに連通することができる。
図1の装置はまた、上で説明したように、検出器(図示せず)も含むことができることに留意されるべきである。
【0019】
同じ参照番号が
図1内の同じ特徴を指す
図2を参照すると、高純度の水を生成するための本発明の原理による浄水モジュール10を含む浄水システム30が概略的に示されている。浄水システム30は、入口34と第1のユースポイントディスペンサ36(任意選択であり得る)及び第2のユースポイントディスペンサ38との間の水流路32を通って流れる水を浄化する。より具体的には、浄水システム30は、適切な流体ライン50によって水流路32に流体接続された、第1のポンプ40と、RO装置42と、第2のポンプ16と、紫外放射線処理装置12と、少なくとも1つの充填床濾過装置46を有するポリッシャ塔44と、任意選択でフィルタ処理(「UF」)装置48(省略することができ、又は
図2に示されるように、ライン50及び/又はライン66に流れを方向付ける弁と置き換えることができる)と、タンク14と、を含む。
【0020】
図2に示されるように、浄水モジュール10は、浄水システム30の水流路32の一部を形成する第1の再循環水流路ループ52を画定する。第1の再循環水流路ループ52は、ポンプ16、UV放射線処理装置12、(任意選択の)第1のユースポイントディスペンサ36、及びタンク14を連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される。この目的のために、第1の再循環水流路ループ52は、低いTOC値(又は他の生成物)を有するRO水を分配することができる、第1のユースポイントディスペンサ36を含む。浄水システム30はまた、ポンプ16、UV放射線処理装置12、(任意選択の)第1のユースポイントディスペンサ36、ポリッシャ塔44の少なくとも1つの充填床濾過装置46、任意選択のUF装置48、第2のユースポイントディスペンサ38、及びタンク14を連続的に通して水流を1回以上循環させることによって画定される、第2の再循環水流路ループ54も含む。第2の再循環水流路ループ54は、低いTOC値(又は他の生成物)を有するASTMタイプIの浄化水を分配することができる、第2のユースポイントディスペンサ38を含む。下で更に詳細に説明するように、第2の再循環水流路ループ54を通って流れる水は、ポリッシャ塔44の充填床46に曝露され、一方で、第1の再循環水流路ループ52を通って流れる水は、曝露されない。浄水システム30内の水は、水流路32内のいかなる部分にも長時間滞留させることができないので、第1の再循環水流路ループ52及び第2の再循環水流路ループ54を通して継続的に水を循環する。本開示によるシステムは、2つの水流路ループのうちの一方の中を循環して他方の中を循環しないように第1の再循環水流路ループ52及び第2の再循環水流路ループ54が独立して動作可能であるように構成することができることが理解されるべきである。一例としてではあるが、第1の再循環水流路ループは、水が第2の再循環水流路ループに進入しないように、例えばタンク14とUV装置12との間で水を再循環させることによって、動作させることができる。また、第1の再循環水流路ループ52及び第2の再循環水流路ループ54を同時に動作させることができることも理解されるべきである。一例として、水は、第1の再循環水流路ループのタンク14とUV装置12との間を再循環させることができ、一部の水は、第2の再循環水流路ループに方向付けられる。代替的に、水は、(例えば、
図2の弁88のクロージャを介して)第1の再循環水流路ループから第2の再循環水流路ループへと方向付けることができる。
【0021】
図2を引き続き参照すると、浄水システム30の水流路32への入口34に進入する供給水は、前処理することができる。それに関して、水道水が前処理される浄水システム30の上流に前処理ステージ56を存在させることができる。一実施形態では、前処理ステージ56は、浄水システム30の一部を形成することができる。いずれの場合でも、前処理ステージ56は、水道水から粒子状物質、有機化合物、遊離塩素、及び他のハロゲンを除去するのに有効である。前処理ステージ56は、例えば、典型的には、デプスフィルタによる深層濾過、及び活性炭フィルタ要素による濾過から成る。デプスフィルタは、綿、セルロース、合成糸、又はメルトブローンポリマー繊維などの細い繊維の蛇行したランダムなマトリックスを組み込んでおり、それを通して、供給水が通過し、通過に応じて供給水中に懸濁した粒子状物質が捕捉される。活性炭フィルタ要素は、供給水流から有機化合物及び遊離塩素及び他のハロゲンを除去する。その後に、スケール防止剤を充填したカートリッジを使用して、水処理過程中に沈殿が生じないことを確実にするための、硬度除去工程が続く。塩素は、RO装置42の適切な動作を抑制し得るので、この目的のために、炭素系充填材料を使用する塩素除去工程も存在させることができる。
【0022】
前処理された供給水は、浄化水システム30への供給水の流れを制御するように動作可能なソレノイド弁58を有することができる水流路32への入口34を介して浄化水システム30に進入する。供給水は、流体ライン50を介してRO装置42の入口60に流体接続される第1のポンプ40によって、RO装置42にポンプ圧送される。例えばブースタポンプであり得るポンプ40は、RO装置42の動作に十分な駆動力を提供するように、供給水流の水圧を好適な動作圧力まで上昇させる。弁58をポンプ40と流体接続する流体ライン50は、供給水圧力センサS1と、供給水導電率センサS2と、を含む。ポンプ40をRO装置42の入口60と流体接続する流体ライン50は、別の供給水圧力センサS3を含む。一方で、ROの出口は、透過物ライン内に別のセンサS4を有することができる。供給水圧力センサS1及びS3は、ポンプ40にわたる圧力変化を決定するために使用することができ、また、例えば、RO装置42の動作に好適な動作圧力を達成するようにポンプ40を制御するために使用することができる。
【0023】
RO装置42は、RO装置42から浄水モジュール10へと透過物流を方向付けるために、流体ライン50によって水流路32と流体連通して結合された透過物出口62を含む。示されるように、RO装置42を出た透過物流は、代替的に、ドレンライン66を介して廃棄物回収64に方向付けることができる。ドレンライン66は、廃棄物64への透過物流の流れを制御するように動作可能な逆止弁68及びソレノイド弁70を有することができる。RO装置42はまた、RO装置42からの溶解イオンが富化された濃縮液流などの廃棄物が廃棄物64に方向付けられるように、ドレンライン66によって廃棄物回収64と流体連通して結合された廃棄物出口70も含む。示されるように、濃縮液流はまた、ドレンライン66及びポンプ40の上流の流体ライン50と流体連通する濃縮液流再循環ライン72を介して、浄水システム30の水流路32内へ再度再循環させて、RO装置42を通して濃縮液流を再度循環させることもできる。濃縮液流再循環ライン72及び関連するドレンライン66は、流量制限器74を含むことができる。本発明は、RO装置42が、単一のRO要素、流体連通するように平行に結合された複数のRO要素、又は連続的に流体連通するように結合された複数のROエレメントを備えることができることを想到する。RO装置42の各RO要素は、前処理ステージ56から受容される供給物流から、典型的には溶解塩の形態の溶解イオンを除去するように動作する薄い半透膜を含む。
【0024】
RO装置42を出た透過物流は、浄水モジュール10に、具体的には浄水モジュール10のポンプ16に進入する。RO装置42を出た透過物流のイオンの濃度を検出するために、透過物出口62をポンプ16と流体接続する流体ライン50は、透過物流導電率センサS4を含む。示されるように、透過物流は、浄水モジュール10の入口22の近くで、貯蔵タンク14を出た浄化水の流れと混合する。より具体的には、透過物流を運ぶタンク出口流体ライン76及び流体ライン50は、合流して、ポンプ16の入口に流体接続された1つの流体ライン50を形成する。次いで、別様には浄化水と称される混合水流は、浄水システム30の流体流路32を通して浄化水を移動させるのに十分な駆動力を提供するポンプ16によって、浄水システム30の流路32を通して循環する。下で更に詳細に説明するように、ポンプ16は、浄水システム30の第1の再循環水流路ループ52、並びに浄水システム30の第2の再循環水流路ループ54の両方を通して水を循環させる。
【0025】
ポンプ16は流体ライン50によってUV処理装置12に流体接続され、UV処理装置12は、流体ライン50によって第1のユースポイントディスペンサ36に流体接続することができる。ポンプ16をUV処理装置12と流体接続する流体ライン50は、流量制限器74、並びに流量制限器74を迂回する流体ライン78を含む。迂回流体ライン78を通る水流は、ソレノイド弁58によって制御される。浄化水システム30を通って流れる、又は再循環する水の圧力を検出するように構成された圧力センサS
5は、流体ライン50内に、例えば、ポンプ16とUV処理装置12との間に位置付けられる。上で説明したように、UV処理装置12は、透過物流から有機物質を除去して、特定の品質の浄化水を生成し、この浄化水は、かかるディスペンサが存在する場合に、第1のユースポイントディスペンサ36から分配することができる。第1のユースポイントディスペンサ36は、例えば、
図1に関して上で説明した出口24であり得、また、所定の量の浄化水を分配するように構成されたタップ、蛇口、又は分配マニホールドであり得る。一実施形態では、第1のユースポイントディスペンサ36は、RO水を分配するための1つ以上の追加のタップ、蛇口、又は分配マニホールドを含むことができる。
【0026】
図2に示されるように、第1のユースポイントディスペンサ36は、第1のユースポイントディスペンサ36において分配されない浄化水の流れを第1の再循環水流路ループ52と第2の再循環水流路ループ54の一部との間で分けるように構成されたセクション80(三方継手又は他のバルブ弁構成であり得る)を有する流体ラインによって、貯蔵タンク14及びポリッシャ塔44に流体接続される。より具体的には、セクション80は、第1のユースポイントディスペンサ36の出口と流体連通する入口流体ライン82と、タンク14と流体連通する第1の出口流体ライン84と、ポリッシャ塔44への入口と流体連通する第2の出口流体ライン86と、を画定することができる。この目的のために、第1の出口流体ライン84は、浄化水の流れをタンク14に方向付け、第2の出口流体ライン86は、浄化水の流れをポリッシャ塔44に方向付ける。しかしながら、UV処理装置12から分配された水は、最初に第1のユースポイントディスペンサ36に連通する(及び/又はそれに通す)ことなく、第2の水再循環流路ループ54に連通することができることが理解されるべきである。一例として、本開示によるシステムは、水がポリッシャ塔44も通過することなく、紫外線処理装置12によって処理された水をディスペンサ38に(又は最初に任意選択の濾過装置48に)連通するライン(
図2又は
図3に示さず)を含むことができる。このようにして、ユーザは、水が最初にポリッシャ塔44を通過することなくUV処理された水を利用可能にすることができる。標準的なシステムでは、ポリッシャ塔44のないシステムを試験するために、通常、迂回ラインが提供され、このラインは、上の実施形態で使用することができる。
【0027】
入口流体ライン82及び第1の出口流体ライン84は、第1のユースポイントディスペンサ36において分配されない浄化水の第1の流れが回収のためにタンク14に方向付けられるように、タンク14を第1のユースポイントディスペンサ36と流体接続する。示されるように、第1の出口ライン84は、第1の再循環水流路ループ52の一部であるように第1の出口ライン84に流体接続された第1の弁88を含む。第1の弁88は、第2の出口ライン86を介して第2の再循環水流路ループ54を通る水の流れを遮断又は阻止することによって、第1の出口ライン84を介して第1の再循環水流路ループ52を通る浄化水の流れを制御するために、(T字接合部及び/又は弁構成を備えることができる)分配セクション80の下流にある。第1の弁88は、例えば、手動又はソレノイド作動弁であり得る。第1の出口ライン84は、例えば、第1の弁88の下流で第1の出口ライン84に流体接続された逆止弁68を更に含むことができる。下で更に詳細に説明するように、タンク出口流体ライン76は、第1の再循環水流路ループ52及び第2の再循環水流路54ループを通してタンク14内に貯蔵された浄化水を再度循環させることができるように、タンク14の出口と、透過物流を浄水モジュール10に運ぶように構成された流体ライン50との間に流体接続される。この目的のために、タンク出口ライン76は、例えば、タンク14への流体の逆流を阻止するために、逆止弁68を含むことができる。
【0028】
分配セクション80によって画定された入口流体ライン82及び第2の出口流体ライン86は、第1のユースポイントディスペンサ36において分配されない浄化水の第2の流れがポリッシャ塔44に進入するように、ポリッシャ塔44を第1のユースポイントディスペンサ36と流体接続する。上で簡潔に説明したように、ポリッシャ塔44は、水からのイオン不純物及び酸化有機物質などの有機物質を除去して、浄水システム30から分配される水に関する抵抗率の問題を最小限に抑えるために構成された混合床イオン交換器及び炭素充填材料を備えている、1つ以上のフィルタ充填床濾過装置46を含む。ポリッシャ塔44は、ポリッシャ塔44の出口を出た水が任意選択のUF装置48に進入するように、流体ライン50を有する任意選択のUF装置48(存在する場合)に流体接続される。任意選択のUF装置48は、1つ以上の薄膜フィルタを含み、また、精製された水流から浮遊物質及び高分子量の溶質を除去するように動作する。示されるように、任意選択のUF装置48は、UF装置48及び廃棄物回収64と流体連通するドレンライン66を更に含む。ドレンライン66は、任意選択のUF装置48から廃棄物64への廃棄物の流れを制御するように動作可能な逆止弁68及びソレノイド弁58を有することができる。
【0029】
任意選択のUF装置48は、水導電率センサS6及び/又はTOC検出器を含むことができる流体ライン50を有する第2のユースポイントディスペンサ38に流体接続され、TOC検出器は、水導電率センサの上流にあり得るか、下流にあり得るか、又は同じ場所に配置され得る。例えば、任意選択のUF装置48を出る浄化水は、ASTMタイプIの水などの特定の品質であり、第2のユースポイントディスペンサ38から分配することができる。第2のユースポイントディスペンサ38は、所定の量の浄化水を分配するように構成されたタップ、蛇口、又は分配マニホールドであり得る。一実施形態では、第2のユースポイントディスペンサ38は、ASTMタイプIの浄化水を分配するための1つ以上の追加のタップ、蛇口、又はディスペンサマニホールドを含むことができる。第2のユースポイントディスペンサ38の出口は、戻り流体ライン92を介して第1の出口流体ライン84と流体接続され、これが次にタンク14に接続される。次いで、浄化水の混合流は、貯蔵タンク14に進入し、次いで、浄化水システム30を通って再循環する。
【0030】
ここで、
図2を引き続き参照しながら、浄化水システム30の動作を説明する。使用時に、前処理ステージ56からの供給水の流れは、入口34を介して浄水システム30の水流路32に進入する。ポンプ40は、RO装置42を通して供給水を移動させ、RO装置42は、ブースタポンプ40によって圧力が増強されたときに、前処理ステージ56から来る供給流から溶解イオン及び溶解有機物質を除去する。RO装置42を出た透過物流は、浄水モジュール10に方向付けられ、続けてポンプ16が、UV処理装置12を通して第1のユースポイントディスペンサ36へと、混合水流であり得る透過物流を方向付ける。上で説明したように、UV処理装置12は、水流内の有機汚染物質を除去して、水のTOC含有量を低減する。第1のユースポイントディスペンサ36から分配されない浄化水の流れは、第1の再循環水流路ループ52と、ポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48、及び第2のユースポイントディスペンサ38を含有する第2の再循環水流路ループ54の一部分との間の分配セクション80において分流される。具体的には、分配セクション80は、第1のユースポイントディスペンサ36を出る浄化水の流れを、第1の出口流体ライン84を通って流れる第1の体積流量を有する浄化水の第1の流れ、及び第2の出口流体ライン86を通って流れる第2の体積流量を有する浄化水の第2の流れに分流することができる。分配セクション80は、水の一部若しくは全部を第1の再循環水流路ループに分配するように、及び/又は水の一部若しくは全部を第2の再循環水流路ループに分配するように構成することができる。
【0031】
浄化水の第1の流れは、第1の出口流体ライン84を介して、分配セクション80から貯蔵のためのタンク14へ再度方向付けられ、それによって、第2の再循環流路ループ54のポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48、及び第2のユースポイントディスペンサ38の充填床濾過装置46を迂回する。システム30は、UV装置12によって処理された水が、最初にポリッシャ塔44によって処理されずに、ポリッシャ塔44を迂回して濾過装置48に連通されるように配置することができることが理解されるべきである。浄化水の第1の流れの体積流量は、単位時間当たりに第1の再循環水流路ループ52を通って再循環する浄化水の体積に対応する。浄化水の第2の流れは、第2の出口流体ライン86を介して、分配セクション80からポリッシャ塔44へと方向付けられ、浄化水の第2の流れの体積流量は、単位時間当たりに第2の再循環水流路ループ54を通って再循環する浄化水の体積に対応する。浄化水の第2の流れは、ポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48を通って、第2の流れを分配することができる第2のユースポイントディスペンサ38へと流れる。第2のユースポイントディスペンサ38から分配されない浄化水は、上で説明した様式で、戻りライン92を介して貯蔵タンク14に方向付けられて、浄化水システム30を通して再循環される。
【0032】
例えば、第1のユースポイントディスペンサ36又は第2のユースポイントディスペンサ38で分配される2ppb以下のTOCレベルを有する浄化水を生成するには、第1の再循環水流路ループ52が、第2の再循環水流路ループ54と比較して、そこを通して再循環される浄化水の体積流量がより多くなることを確実にすることが有益であり得る。例えば、流入する水は、逆浸透モジュールからルーティングされる場合、0.15L/分の流量で流れている。ROからの出力は、タンク14へとルーティングされる。
【0033】
供給水の流量は、最大約3L/分まで変化させることができ、RO膜に送給される場合は、最大2L/分以下の透過物供給に変換される。より好ましくは、供給水の流量は、約1.3L/分であり、ROからの透過物供給は、約0.3L/分であり、一方で、濃縮液供給は、約1L/分である。この設定では、タンクは、0.3L/分で満たされる。RO透過物からの水は、UVランプを通してルーティングされ、充填床塔へと進路変更されて、濾過モジュールを介して水貯蔵タンクへとルーティングされる。貯蔵タンクがプログラムされたレベルまで満たされると、本発明により、水は、種を酸化させるためにUV処理を通して第1のサイクルに利用可能であり、UV処理からの排出物は、更なる処理を続けるために、貯蔵タンクへと再度ルーティングされる。この繰り返しの循環は、ソレノイドが、ライン84を選好的に通した水のタンクへの輸送を容易にする開状態にあるときに、ソレノイド制御部88を介して継続的に続けることができる。好ましい一実施形態では、第2の再循環経路が構成されるまで、水を継続的にリサイクルすることができる。典型的には、第2の再循環は、設計において生じる水の滞留が存在しないことを確実にするために、2時間毎に10~15分のサイクルを有する。第1のリサイクル構成は、第2のサイクルが起動されたときに停止される。第1のリサイクルは、流入する水が高いレベルのTOC有する場合、TOCが少ない水が連続的に動作するまで、1時間当たり最低10分未満の時間にプログラムすることができる。第1のリサイクル動作は、TOCレベルが低くなることが期待され、インラインのTOCセンサによって、TOCレベルを容易に測定し、所望のTOCレベルに到達するまでリサイクル動作を続けることができる。第1のリサイクル構成が唯一の流れ経路であり得ること、及び本発明によれば、第1のディスペンサからのRO水としてではあるがTOCレベルが低い状態である水を分配することができることに留意されるべきである。TOCレベルは、好ましくは2ppb未満、より好ましくは1ppb未満であり得る。
【0034】
上で説明したように、第1の再循環水流路ループ52を通って循環する浄化水の流れは、ポリッシャ塔44の充填床46に曝露されず、それによって、水のTOCレベルが保たれる。更に、浄水システム30内の水は、水流路32内のいかなる部分にも長時間滞留させることができないので、ポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48、及び第2のユースポイントディスペンサ38を含む第2の再循環水流路ループ54の一部分を通る浄化水の最小体積流量を維持することが好ましい。体積流量は、例えば、浄化水が第2のユースポイントディスペンサ38から分配される際に増加し得る。
【0035】
第1の弁88は、第1の再循環水流路ループ52を通して再循環する浄化水の体積流量をルーティングするように動作可能である。例えば、弁88を実質的に開いた位置又は全開位置へと動作させることは、弁88をより閉じた位置へと動作させて第1の再循環水流路ループ52を通る浄化水の体積流量を低減させたときと比較して、より多くの体積流量の浄化水が第1の再循環水流路ループ52を通ることを可能にする。第1の弁88の動作はまた、第2の再循環水流路ループ54を通る浄化水の体積流量に影響を及ぼすこともできる。例えば、弁88を実質的に開いた位置又は全開位置へと動作させることは、第1の弁88をより閉じた位置へと動作させて第2の再循環水流路ループ54を通る浄化水の体積流量を増加させたときと比較して、第2の再循環水流路ループ54を通る浄化水の体積流量をより少なくする。例えば、弁88を実質的に閉じた状態では、ライン76と比較して、総流量の99%以上がライン86を通って流れることができる。弁88を実質的に開いた状態では、ライン86と比較して、総流量の99%以上がライン76を通って流れることができる。弁86は、完全に閉じること、完全に開くこと、更には、部分的に開くこと、すなわち、ある程度の流体が通過することを可能にすることができることが理解されるべきである。第1の例示的な使用モードでは、本開示によるシステムは、水が必ずしもポリッシャ塔44によって更に処理されることなく、RO装置42によって、次いでUV装置12によって処理された水をタンク14に充填するように動作させることができる。ユーザの要求に応じて、この水は、タンク14からポンプ圧送し、所望によりUV装置12によって更に処理し、所望によりタンク14及びUV装置12の間で再循環させ、RO水としてではあるがTOCが低減された状態でディスペンサ36において分配することができる。これは、例えば、最初にポリッシャ塔44を通過せずにUV処理した水がタンク14に連通されるように、システム及び開口部弁88を動作させることによって達成することができる。次いで、水は、タンク14からポンプ圧送し、UV装置12によって処理し、ディスペンサ36において分配することができる。第2の使用モードでは、RO装置42によって(及び任意選択でUV装置12によって)処理された水は、タンク14内に貯蔵される。次いで、水は、タンク14からポンプ圧送し、例えば再循環様式でUV装置12によって処理し、ポリッシャ塔44に(任意選択で、濾過装置48(濾過装置も任意選択である)に)ルーティングし、例えばASTMタイプIの水として、ディスペンサ38において分配することができる。第3の使用モードでは、RO装置42によって処理された水は、イオン交換床及び/又は炭素充填床によって処理されて、タンク14内に保持される。次いで、水は、タンク14からポンプ圧送し、例えば再循環様式でUV装置12によって処理し、純度を高めた低レベルのTOCである水としてディスペンサ36において分配することができる。第4の使用モードでは、本開示によるシステムは、水がRO装置42によって、次いでUV装置12によって処理されるように動作させることができる。かかる水は、任意選択でタンク14内に貯蔵することができる。水は、タンク12とUV装置12との間を再循環させることができ、水はまた、(例えば、
図2の弁88を閉じることによって)ポリッシャ塔44によって、及び任意選択で濾過装置48によって更に処理することもできる。結果として生じた処理水は、分配のためにディスペンサ38に連通することができる。示されるように、結果として生じた処理水(ASTMタイプIの水として特徴付けることができる)はまた、ライン92を介してタンク14に連通することもできる。いくつかの実施形態では、処理水は、ディスペンサ38を迂回させることができ、ポリッシャ塔44からタンク14に連通されるか、又は水が濾過装置48によって処理された場合、水は、濾過装置48からタンク14に連通される。かかる水は、タンク14に戻された後に、ROプラス又はRO処理水(水がUV処理されて、ポリッシャ塔44によって処理されたもの)とみなすことができる。かかる水は、次いでタンク14から促し、UV装置12によって処理し、次いでディスペンサ36において分配されることができる。システムは、上述の例示的な使用モードのうちの1つ、2つ、又はそれ以上の動作の間で切り換え可能であるようにアレンジすることができることが理解されるべきである。
【0036】
図2を更に参照すると、本開示によるシステムは、コントローラを備えることができ、このコントローラは、システム内の流体の流れを調節するように構成することができる。かかるコントローラは、先に説明した使用モードのうちのいずれか1つ以上でシステムを動作させて、システムの動作をあるモードから別のモードに切り替えるように構成することができる。非限定的な例として、コントローラは、水がポリッシャ塔によって更に処理されることなく、RO装置42及びUV装置12によって処理された水がタンク14に連通されるように、
図2の弁88を開くように構成することができる。水は、タンク14内に保持することができ、次いで、コントローラは、弁88を開くことによって流路ループ52内で水を再循環させるようにシステムを動作させることができる。コントローラは、タンク14から連通された水がUV装置12によって処理され、次いでポリッシャ塔44へとルーティングされるように、弁88を閉じるように構成することができる。コントローラはまた、UV装置によって処理された水がポリッシャ塔44及び濾過装置48のうちの一方又は両方を迂回した後にその水がタンク14へとルーティングされるように、流体の流れを調節するように構成することもできる。コントローラは、弁58の動作を調節するように構成することができ、弁58は、水流がディスペンサ38からタンク14へと戻ることを可能又は不可能にするように調節することができる。本明細書の他の場所で説明するように、本開示によるシステムは、濾過装置48及び/又はポリッシャ塔を出た水をタンク14へとルーティングして、ディスペンサ38を迂回させることができるように構成することができる。これは、例えばセクション80内の水を濾過装置48に連通する弁及び関連する流体ラインを有することによって達成することができ、コントローラは、かかる弁を調節するように構成することができる。本開示によるシステムは、ポリッシャ塔44を出た水をディスペンサ38へとルーティングして、濾過装置48を迂回させるように構成することができる。これは、例えばポリッシャ塔44を出てディスペンサ38及び/又はタンク14に連通する弁及び関連する流体ラインを有することによって達成することができ、コントローラは、かかる弁を調節するように構成することができる。
【0037】
ここで、同じ番号が
図1及び
図2内の同じ特徴を表す
図3を参照すると、高純度の水を生成するための本発明の原理による浄水モジュール10を含む、代替的な実施形態の浄水システム30aの詳細が概略的に示されている。この実施形態の浄水システム30aと先に説明した実施形態の浄水システム30との違いは、第2の弁94が、第2の再循環水流路ループ54aの一部であるように第2の出口流体ライン86aに流体接続されていることである。
図3に示されるように、第2の弁94は、第1の再循環水流路ループ52を通る浄化水の流れを遮断又は阻止することなく第2の再循環水流路ループ54aを通る浄化水の流れを制御するように、分配セクション80の下流にある。第2の弁94は、例えば、手動又はソレノイド作動弁であり得る。第2の弁94は、第2の再循環水流路ループ54aを通した再循環によって流れる浄化水の体積流量を調整するように動作可能である。本明細書の他の場所で説明するように、本開示によるシステムは、システムの1つ以上の弁の動作を調節するように構成されたコントローラを含むことができ、コントローラはまた、1つ以上のポンプの動作を調節するように構成することもできる。
図3を参照すると、システム30aは、ポリッシャ塔へと水を方向付けるように弁88を動作させるように構成されたコントローラを含むことができる。上述したコントローラ又は別のコントローラはまた、弁94の動作を調節するように構成することもできる。このようにして、コントローラは、第1の再循環水流路ループ52及び第2の再循環水流路ループ54a内の水流を調節することができる。コントローラは、システムの動作を1つ以上から別の動作に切り替えるように構成することができ、動作モードは、
図3に関して説明した動作を含むことができる。本発明のシステムはまた、TOCレベルを検出するための検出器も含むことができ、好ましくは、検出器は、任意選択の濾過の後ろ、かつユースポイントディスペンサ38の前に位置付けられる。任意選択で、追加の検出器もまた、流体ライン内でディスペンサ36の前に配置することができる。
【0038】
同じ参照番号が
図1及び
図2内の同じ特徴を指す
図4を参照すると、高純度の水を生成するための本発明の原理による浄水モジュール10を含む浄水システム100が概略的に示されている。浄水システム100は、入口22と、所定の量の浄化水を分配するように構成された、例えばタップ、蛇口、又は分配マニホールドであり得るユースポイントディスペンサ104との間の水流路102を通って流れる水を浄化する。より具体的には、浄水システム100は、適切な流体ライン110によって水流路102に流体接続された、UV処理装置12と、第1のタンク14と、第1のポンプ16と、RO装置42と、第2のタンク106と、第2のポンプ108と、少なくとも1つの充填床濾過装置46を有するポリッシャ塔44と、任意選択のUF装置48と、を含む。本発明のシステムはまた、TOCレベルを検出するための検出器も含むことができ、好ましくは、検出器は、任意選択の濾過の後ろ、かつユースポイントディスペンサ38の前に位置付けられる。任意選択で、追加の検出器もまた、流体ライン内でディスペンサ36の前に配置することができる。
【0039】
浄水中に、TOCが水流中に存在すると、RO装置42の膜の性能に悪影響を及ぼし得る。ポリッシャ塔44の充填床46などの浄水システム100のRO膜及び他の消耗品の寿命及び動作を最大にするために、供給水のTOC含有量については、例えば2ppb以下などの低いTOCレベルを有することが有益である。それに関して、浄水モジュール10は、浄水システム100の水流路102の一部を形成し、また、RO装置42、ポリッシャ塔44、及び任意選択のUF装置48の上流に位置付けられる。結果として、供給水は、矢印A1で示され、
図1に関して上で説明したように、浄水モジュール10を通して循環させて、再循環させた水のTOC含有量を低減して、最低2ppb以下のTOCレベルを有する浄化水を生成することが可能である。下で更に詳細に説明するように、ある体積の浄化水が、貯蔵タンク14内に保持されて、ユースポイントディスペンサ104に供給される。
【0040】
使用時に、浄水システム100の上流の前処理ステージで前処理することができる供給水の流れは、浄水モジュール10への入口22を通して浄水システム100に提供される。入口22と関連付けられた弁26bは、所望の体積の供給水を浄水システム100に導入するように動作可能である。供給水は、UV処理装置12の背圧に打ち勝って、保持タンク14を所望のレベルまで充填するのに十分な圧力を有する。次いで、浄水モジュール10を通して供給水を数回再循環させて、例えば最低2ppb以下のTOCレベルを有する浄化水などの、特定の品質の浄化水を生成する。
【0041】
出口24と関連付けられた弁26aは、浄化水流を、再度再循環させるためのポンプ16から、UV処理装置12に、又は代替的に出口24を介してRO装置42に方向付けるように動作可能である。水のTOCレベルが所望のレベルまで低減された後に、出口24と関連付けられた弁26aを動作させて、弁26aをRO装置42と流体接続する流体ライン110を通して浄化水流を流す。これに関して、ポンプ16は、RO装置42を動作させるのに十分な駆動力を提供するように、供給水流の水圧を好適な動作圧力まで上昇させる。下で更に詳細に説明するように、RO装置42を出た透過物流は、TOCを最小限に抑えた水として貯蔵するために第2の貯蔵タンク106に方向付けられ、その後に、この水は、最低2ppb以下TOCレベルを有するASTMタイプIの水などの、高純度の研究室品質の水としてユースポイントディスペンサ104から分配することができる。RO装置42は、スループットが制限されるので、RO装置42からのRO透過物流量が制限されて、例えば、ユースポイントディスペンサ104における所望の分配出力流量未満になり得る。したがって、第2の貯蔵タンク106は、RO装置42の制限された流れのスループットを補償するための保持タンク又は貯蔵タンクとして動作する。
【0042】
第2のポンプ108は、TOCを最小限に抑えた水を、保持タンク106から、ポリッシャ塔44の少なくとも1つの充填床濾過装置46、任意選択のUF装置48を通して、ある体積の浄化水を浄化水システム100から分配することができるユースポイントディスペンサ104へとポンプ圧送するのに十分な駆動力を提供する。より具体的には、ポンプ108は、浄化水を、貯蔵タンク106から、タンク106に流体結合された流体ライン110を介して方向付けて、その水を、ポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48、及びユースポイントディスペンサ104へとポンプ圧送する。示されるように、ユースポイントディスペンサ104において分配されないある量の浄化水は、再循環流体ライン流体ライン112を通して、貯蔵タンク106へと再度再循環させることができる。浄化水システム100内の水は、水流路102内のいかなる部分にも長時間滞留させることができないので、必要に応じて、再循環流体ライン112を介して、タンク106からポンプ108、ポリッシャ塔44、任意選択のUF装置48を通して、タンク106へと定期的に浄化水を再度再循環させて、浄化水の品質を保つことができる。また、ライン110内の12と同様のUVランプ、及びこれをタンク106に再度送る前にTOCを更に低減するために使用することができる弁(図示せず)を加えること、又は弁(図示せず)がこれを
図3の実施形態と同様のDIカートリッジに再度ルーティングすることができることが想到される。したがって、多くの可能性が存在する。更に、本明細書の他の場所で説明するように、本開示によるシステムは、システムの1つ以上の弁の動作を調節するように構成されたコントローラを含むことができ、コントローラはまた、1つ以上のポンプの動作を調節するように構成することもできる。
図4を参照すると、システム100は、水流をシステム100内に方向付けるように、弁26a又は26bのうちの任意の1つ以上、並びに1つ又は複数のポンプを動作させるように構成されたコントローラを含むことができる。本発明のシステムはまた、TOCレベルを検出するための検出器も含むことができ、好ましくは、検出器は、任意選択の濾過の後ろ、かつユースポイントディスペンサ38の前に位置付けられる。任意選択で、追加の検出器もまた、流体ライン内でディスペンサ36の前に配置することができる。
【0043】
実施例
以下の実施例は例示に過ぎず、本開示又は添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものではない。
【0044】
実施例1
この実施例には、
図2の設定を適合させ、この実施例は、
図2を参照して例解される。Chelmsford,USAからの水道水を、56で前処理して、34で浄化システムに送給した。前処理した水道水の導電率は、約800μs/cmであった。水は、1.5L/分の流量でROカートリッジ60にポンプ圧送し、結果として生じた透過物62は、
図2の弁88を開くことによって30Lのタンク14に直接ルーティングした。RO処理水の導電率は、約20μs/cmであった。TOC測定のために、Veolia Water Technologies And Solutions,USAからのSievers 500RLe型解析装置を使用した。TOC分析装置は、50mL/分の流速で動作させ、この水の一部分は、分析が必要になったときに、「T字」接合部(図示せず)を接続することによってユースポイントディスペンサ場所36からサンプリングした。タンクが満たされた後に、本発明に従って、ポンプ16を0.5L/分の流速でポンプ圧送させて、UV処理装置を介して、及び弁88を介して、タンク14の内容物をポンプ圧送してタンク14へ再度ルーティングした。本発明に従って水を継続的に処理することによって、水流中の非常に低いTOCを達成することができる。これを試験するために、タンクからの水を10時間にわたって継続的にリサイクルし、結果として生じた水を、ディスペンサの場所においてT字接合部を介して水をルーティングすることによって、Sievers 500RLe型解析装置を使用してTOCについて試験した。測定したTOC値は、0.03μg/L又はppbよりも低かった。したがって、本発明によれば、TOCが比較的低い逆浸透水を得て、ディスペンサ36から分配することができる。
【0045】
実施例2
この実施例では、3日連続して実験するために、ポンプを3つの流量、すなわち、0.5L/分、0.4L/分、及び0.2L/分で動作させたことを除いて、実施例1の設定を使用した。更に、現在の構成においてどのようにTOCが低減されるかというプロファイルを有することができるように、ディスペンサの場所において水ラインをサンプリングすることによってTOC分析を継続的に続けた。RO透過物の開始TOC値は、24~32μg/Lであった。10時間動作させた後に達成した最終TOCレベルは、0.5L/分の流量の場合に0.03μg/Lであり、13時間の動作させた後のTOCレベルは、0.4L/分の流量の場合に1μg/Lよりも低かった。0.2L/分の場合、TOCレベルは非常に高かったが、
図5に示されるように、TOCのかなりの低減を認めることができる。したがって、本発明によれば、再循環の流量は、TOC低減のための最短時間を達成するように調整することができる。上述のように、TOC還元水は、ディスペンサ36から分配することができる。大部分の浄水器は、夜間の非稼働時間中にアイドル状態であり、開示されるUV再循環の概念は、本発明に従って夜間に利用して、TOCレベルが比較的低い水を提供することができることに留意されるべきである。
【0046】
実施例3
この実施例では、実施例2によりTOCを低減したRO水を、弁88を閉じた後にポリッシャ塔44を介してルーティングした。ポリッシャ塔内には浸出液が存在するので、決定されたTOCのレベルは、実施例2よりも高く、およそ2.1μg/Lであった。TOCの決定は、T字接合部(図示せず)を介して、TOC測定をディスペンサ38のより近くに移動させることによって続けた。ポリッシャ塔を通して水をルーティングしたので、水の純度は高く、18.2MΩcm-1であると測定された。したがって、開示される技術を介して、低レベルのイオン及び有機物質を有する水を生成することが可能である。
【0047】
実施例4
この実施例では、
図2の設定を使用した。上述のようなRO処理水をタンクへとルーティングしたが、弁88は閉じた状態であった。RO処理水は、UV装置によって、その後にポリッシャ塔によって処理し、次いで、限外濾過モジュールによってフィルタリングし、次いで、ユースポイントディスペンサを介してタンク14へとルーティングした。水の導電率は18.2MΩcm
-1であったが、TOCレベルは20μg/Lよりも高かった。本発明によるこの水は、弁88を開いた状態で、UVを介してタンクへと再度ルーティングした。この時間の間は、ポリッシャ塔を迂回させ、UVリサイクルを2時間続けた。2時間後に、水中のTOCレベルは、1.7μg/Lであると測定された。この水は、18.2MΩcm
-1の品質を必要としない用途に使用することができ、また、低いTOC特性を有し、必要に応じてディスペンサ36から分配することができる。同じ実施形態では、タンクからの製品水は、弁88を閉じた状態で、ポリッシャ塔及び限外濾過モジュールを介して38から分配し、TOCレベルは、約2.5μg/Lまで上昇したが、水純度が向上し、18.2MΩcm
-1であると測定された。
【0048】
実施例5
この実施例では、ポリッシャ塔44を迂回するためにライン86とライン50との間に迂回ループを追加したことを除いて、
図2の設定を使用した。この設定では、弁88を閉じたときに、水は、限外濾過フィルタモジュール48を介して、及びユースポイントディスペンサ38を介してタンク14へとルーティングされる。最も簡単な設定では、RO処理水は、UV装置、ユースポイントディスペンサ36、迂回ループ、限外濾過モジュール、及びユースポイントディスペンサ38を介して、及び92を介して、タンク14へとルーティングされる。ポンプがオンであるとき、UVリサイクルが達成され、TOCの低減が認められる。3つの異なるROカートリッジについて測定した典型的なTOCは、0.5μg/Lよりも十分に低く、水の抵抗率は、約15MΩcm
-1よりも高かった。弁88を開いたときに、TOCの低減性能は全く変わらなかった。
【0049】
本発明を、その様々な実施形態の説明によって例解し、実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をかかる詳細に限定すること、又はいかなる形であれ限定することを意図するものではない。したがって、本明細書で論じられる様々な特徴は、単独で、又は任意の組み合わせで使用することができる。追加の利点及び改変が、当業者には容易に明らかとなろう。したがって、本発明は、その広範な態様において、図示及び説明される具体的な詳細及び例解的な実施例に限定されるものではない。したがって、一般的な発明概念の範囲から逸脱することなく、かかる詳細から逸脱することができる。
【外国語明細書】