(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096083
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】改善された組織接触及び電流送出のための球形バスケットを形成する線形スパインのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20240704BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20240704BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20240704BHJP
A61N 1/32 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 200
A61B5/33 100
A61N1/04
A61N1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222345
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】18/148,400
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】イシャン・カーン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C053BB12
4C053BB35
4C053JJ02
4C053JJ06
4C053JJ23
4C127AA02
4C127LL08
4C160KK03
4C160KK17
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】開示技術は、長手方向軸に沿って延在し、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを備える、医療用プローブを含む。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に近接する、拡張可能バスケットアセンブリを更に備える。バスケットアセンブリは、材料の単一片から形成された複数の線形スパインと、スパインの各々に結合された1つ以上の電極とを含む単一の一体構造を備え、各電極は、電極を通して管腔を画定し、スパインが1つ以上の電極の各々の管腔を通して延在する。スパインは、バスケットアセンブリの遠位端にある中央スパイン交点において集合する。中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む。各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続された、それぞれの端部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物細胞においてエレクトロポレーションを誘導するために高電圧直流を送達するための電極であって、
長手方向軸に沿って延在する基材であって、前記基材は前記長手方向軸の周りに配置された開口部を画定する、基材と、
前記基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料であって、前記触媒材料は、前記基材とは異なり、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、金(Au)、Fe-N-C化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、触媒材料と、
を備える、電極。
【請求項2】
前記基材は導電性材料を含む、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記基材は非導電性材料を含む、請求項1に記載の電極。
【請求項4】
前記触媒材料は、前記基材の全体をコーティングする、請求項1に記載の電極。
【請求項5】
前記導電性材料は、金、ニチノール、及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の電極。
【請求項6】
前記触媒材料は、約7.62μm(約0.0003インチ)の厚さを有する、請求項1に記載の電極。
【請求項7】
前記高電圧直流は、900~2,000ボルト(V)のピーク電圧を含む、請求項1に記載の電極。
【請求項8】
医療用プローブであって、
長手方向軸に沿って延在する拡張可能バスケットアセンブリであって、前記バスケットアセンブリは、
前記長手方向軸の周りに第1の端部から第2の端部まで配置された複数のスパインと、
前記複数のスパインのうちのスパインに結合されたポリマーチューブであって、前記それぞれのスパインは前記ポリマーチューブを通って延在する、ポリマーチューブと、
前記ポリマーチューブ上に配置された1つ以上の電極であって、各電極は、基材と、前記基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料と、を含み、前記触媒材料は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、Fe-N-C材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、1つ以上の電極と、を含む、拡張可能バスケットアセンブリを備える、医療用プローブ。
【請求項9】
前記触媒材料は白金(Pt)を含む、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記1つ以上の電極の各々は、前記ポリマーチューブの少なくとも一部と前記触媒材料コーティングとの間に配置された導電層を更に含む、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記基材は、金及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記ポリマーチューブは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記複数のスパインは、平面材料シートから形成されている、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記平面材料シートはニチノールを含む、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
前記平面材料シートは、コバルトクロムを含む、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを更に備え、前記チューブ状シャフトは前記長手方向軸に沿って延在し、前記拡張可能バスケットは前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置されている、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
各スパインは、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含む、請求項16に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記スパインの遠位端は、前記長手方向軸と近接して一致する中心スパイン交点で収束する、請求項16に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
前記中心スパイン交点は、前記スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む、請求項18に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に近接する拡張可能バスケットアセンブリであって、前記バスケットアセンブリは複数のスパインを含む、拡張可能バスケットアセンブリと、
前記スパインの各々に結合された1つ以上の電極であって、各電極が、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、1つ以上の電極と、
を備える、医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療デバイス、特に電極を有するカテーテルに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を誘導するための使用に好適なカテーテルに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0003】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、概して、RFアブレーションに関連する熱リスクを低減するが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織損傷を提示し得る。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0004】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインに接着し、次いで、複数の線形スパインから球形バスケットを形成することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、必要とされるのは、バスケットアセンブリの製造に必要な時間を短縮するのに役立つことができる改良されたバスケットアセンブリを形成するデバイス及び方法、スパインに電極を取り付けるためのデバイス及び方法、並びに代替カテーテル幾何形状全般である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、長手方向軸に沿って延在する拡張可能バスケットアセンブリを備える医療用プローブが提供される。バスケットアセンブリは、複数のスパインと、ポリマーチューブと、1つ以上の電極とを含むことができる。複数のスパインは、長手方向軸の周りに第1の端部から第2の端部まで配置され得る。ポリマーチューブは、複数のスパインのうちのスパインに結合されたポリマーチューブであって、それぞれのスパインはポリマーチューブを通って延在し得る。1つ以上の電極は、ポリマーチューブ上に配置され得る。各電極は、基材と、基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料とを含むことができる。触媒材料は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、Fe-N-C材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0008】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、触媒材料は白金(Pt)を含むことができる。
【0009】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の電極の各々は、ポリマーチューブの少なくとも一部と触媒材料コーティングとの間に配置された導電層を更に含むことができる。
【0010】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、基材は、金及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0011】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、ポリマーチューブは、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含むことができる。
【0012】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、複数のスパインは、平面材料シートから形成され得る。
【0013】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、平面材料シートは、ニチノールを含むことができる。
【0014】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、平面材料シートは、コバルトクロムを含むことができる。
【0015】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、医療用プローブは、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを更に含むことができ、チューブ状シャフトは長手方向軸に沿って延在し得、拡張可能バスケットはチューブ状シャフトの遠位端に配置され得る。
【0016】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含み得る。
【0017】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、スパインの遠位端は、長手方向軸と近接して一致する中心スパイン交点で収束し得る。
【0018】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含み得る。
【0019】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、中心スパイン交点は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられ得る。
【0020】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、複数の線形スパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度が略等しいように、等角パターンで中心スパイン交点から延在し得る。
【0021】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、複数のスパインは、3~10個のスパインを含み得る。
【0022】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、複数のスパインは、正確に6つのスパインを含み得る。
【0023】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、拡張可能バスケットアセンブリは、球形状を備えることができる。
【0024】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、拡張可能バスケットアセンブリは、偏楕円体の形状を備えることができる。
【0025】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、拡張可能バスケットアセンブリは、中心スパイン交点に近接して位置する少なくとも1つの個別の切り欠きを備えることができる。
【0026】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の電極は、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含むことができる。
【0027】
本開示の一実施形態によれば、チューブ状シャフトと、拡張可能バスケットアセンブリと、1つ以上の電極とを備える医療用プローブが提供される。チューブ状シャフトは、近位端及び遠位端を含み得る。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。拡張可能バスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に近接して配置され得る。バスケットアセンブリは、複数のスパインを備え得る。1つ以上の電極が、スパインの各々に結合し得る。各電極は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含むことができる。
【0028】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、触媒材料は、電極の外面の少なくとも一部を被覆することができる。
【0029】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、触媒材料は、電極の外面全体を被覆することができる。
【0030】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、複数のスパインの各々は、それぞれのスパインが管腔を通って延在するように、管腔を画定するポリマーチューブを含むことができ、1つ以上の電極はスパインの各々のポリマーチューブの外面に結合されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
【
図2】本開示の技術のいくつかの実施形態による、拡張された形態の医療用プローブの斜視図である。
【
図3】本開示の技術のいくつかの実施形態による、ポリマーチューブ及び電極を備えたスパインの斜視図を示す概略描画図である。
【
図4A】開示される技術のいくつかの実施形態による、長手方向軸に垂直な方向に見た医療用プローブのスパインの断面図を示す概略描画図である。
【
図4B】開示される技術のいくつかの実施形態による、長手方向軸に平行な方向に見た医療用プローブのスパインの断面図を示す概略描画図である。
【
図4C】開示される技術のいくつかの実施形態による、長手方向軸に垂直な方向に見た医療用プローブのスパインの断面図を示す概略描画図である。
【
図4D】開示される技術のいくつかの実施形態による、長手方向軸に垂直な方向に見た医療用プローブのスパインの断面図を示す概略描画図である。
【
図5A】開示される技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブのスパインの画像である。
【
図5B】開示される技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブのスパインの画像である。
【
図5C】開示される技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブのスパインの画像である。
【
図6】本発明の実施形態による、中心スパイン交点の概略描画図である。
【
図7A】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7B】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7C】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7D】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7E】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7F】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7G】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7H】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7I】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図7J】本開示の技術のいくつかの実施形態による、様々な例示的電極の斜視図を示す、概略描画図である。
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、所与の医療デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略描画図である。
【
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、所与の医療デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略描画図である。
【
図9】開示される技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブを構築する方法のフローチャートである。
【
図10】開示される技術のいくつかの実施形態による、医療用プローブを構築する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には、同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として、本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形形態、代替物及び使用を説明する。
【0033】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「略」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする、好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、記載された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指してもよい。
【0034】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳動物、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々な任意の適用可能な種類であり得ることを理解されたい。一例として、動物は、ヒトと同様の特定の特性を有するように特異的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サル、又は同等物)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0035】
本明細書で考察されるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0036】
本明細書で考察されるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0037】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に配置された2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々で略等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0038】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間に略等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0039】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0040】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0041】
本開示は、スパインに取り付けられた電極を含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0042】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0043】
RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションと関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0044】
本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0045】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(reversable)(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞は略500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0046】
本開示の解決策は、好ましくは心筋組織においてエレクトロポレーションを誘発するのに有効なパルス電界を印加することによって、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆的エレクトロポレーションは、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電気が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0047】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状などを含み得、本明細書に提示される例は、概して、可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを有効に誘発するように適合される物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
IRE(不可逆エレクトロポレーション)処置でパルス場アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、アブレーションされる組織と十分に大きな表面積で接触しなければならない。以下に説明するように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端にあるバスケットアセンブリと、を含む。一例では、バスケットアセンブリは、平面材料シートから形成された複数の線形スパインと、スパインの各々に結合された1つ以上の電極と、を含むことができる。複数の線形スパインは、1つ以上の切り欠きを含む中心スパイン交点で収束することができる。切り欠きは、スパインが略球形又は偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように、各スパインの屈曲を可能にすることができる。切り欠き(本明細書に記載及び図示される様々な構成における)は、バスケットが、座屈又は塑性変形を伴わずに、展開されていない(又は送出シース内への後退を受ける)ときに、はるかに小さい形状因子に圧縮されることを可能にすることに留意されたい。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ22と、制御コンソール24とを含む医療用システム20の概略描画図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断治療又は治療処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0050】
医療用プローブ22は、可撓性挿入チューブ30と、チューブ状シャフトの近位端に連結されたハンドル32と、を含む。医療処置中、医療専門家34は、医療用プローブの遠位端36が心臓26の室などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の室に入ると、医療専門家34は、医療用プローブ22の遠位端36に接近するバスケットアセンブリ38を展開させることができる。バスケットアセンブリ38は、以下の
図2~
図3を参照する説明に記載するように、複数のスパイン214に取り付けられた、複数の電極40を含み得る。不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドル32を操作して遠位端36を位置付けることができる。電極40が心臓組織に係合するように遠位端36を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスが電極40によって送達されてIREアブレーションを行うように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0051】
医療用プローブ22は、ガイドシースと、治療用カテーテルと、を含み得、ガイドシースは、可撓性挿入チューブ30と、ハンドル32と、を含み、治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38と、電極40と、チューブ状シャフト84と、を含む(
図2~
図4を参照)。治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38が心臓26内に位置付けられるように、ガイドシースを通って並進する。医療用プローブ22の遠位端36は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入チューブ30内に収容されているときにガイドシースの遠位端に一致し、医療用プローブ22の遠位端36は、バスケットアセンブリ38がガイドシースの遠位端から延出しているときにバスケットアセンブリ38の遠位端に一致する。代替的に、医療用プローブ22は、当業者によって理解されるように、治療用カテーテル上の第2のハンドルと、他の特徴と、を含むように構成され得る。
【0052】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。制御コンソール24は、追跡モジュール48と共に、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定するプロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられている電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。医療処置中に位置センサとして使用されることに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0053】
これまで述べたように、追跡モジュール48と共に、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定してもよい。このような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示するいくつかの実施形態は、好ましくは、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように構成されている電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成される電極40であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0054】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路52とを含んでもよい。プロセッサは、1つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0055】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、且つ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(input/output、I/O)通信インタフェース54を含む。
図1に示される構成では、制御コンソール24は、IREアブレーションモジュール56とスイッチングモジュール58とを更に含む。
【0056】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを発生させるように構成されている。いくつかの例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送出するように構成されている。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0057】
熱を放散するため、且つアブレーションプロセスの効率を改善するために、システム20は、チューブ状シャフト84内のチャネル(図示せず)を介して遠位端36及び電極40に灌注流体(例えば、生理食塩水)を供給する(
図2参照)。加えて、又は代替的に、灌注流体は、可撓性挿入チューブ30を通して供給され得る。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を含む。IRE又はPFAについては、医療用プローブの例示的な実施形態が好ましいが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを組み合わせて順次使用すること(IREモードの特定の電極及びRFモードの他の電極)、又は同時に使用すること(IREモードの電極及びRFモードの他の電極のグループ)も本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0058】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端36の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、医療専門家34は、1つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0060】
図2は、挿入チューブ30の遠位端36において挿入チューブ管腔80から前進させられることなどによって拘束されていないときの拡張された形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ22の斜視図を示す図である。プローブ22は、心臓組織に対するスパインの接触力を決定するために、接触力センサアセンブリ400を含んでもよい。
図2に図示される医療用プローブ22は、
図1に図示されるガイドシースを欠いていることに留意されたい。拡張された形態の
図2では、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、示されていない折り畳まれた形態では、スパインは、一般的に挿入チューブ30の長手方向軸86に略沿って配置される。簡略化のために、単一のスパイン214のみに参照番号を付しているが、当業者であれば、
図2に図示されるように、バスケットアセンブリ38が1つ以上のスパイン214を含むことができることを理解するであろう。同様に、単一のスパイン214上の電極40及び絶縁スリーブ217のみに参照番号が付されているが、当業者であれば、バスケットアセンブリ38は、特定の構成に応じて1つ以上の電極40及び1つ以上の絶縁スリーブを含むことができることを理解するであろう。複数の電気絶縁スリーブ217は、各ジャケットが複数のスパイン214のうちのそれぞれのスパイン214と複数の電極40のうちのそれぞれの電極40との間に配置され、それによって複数の電極40を複数のスパイン214から電気的に絶縁することができるように、提供され得る。
【0061】
図2に示されるように、バスケットアセンブリ38は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端で接続された複数の可撓性スパイン214を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84を挿入チューブ30から延出させ、バスケットアセンブリ38を挿入チューブ30から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は平坦な断面に見えることがある長方形の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含んでもよい。
図2に示されるように、バスケットアセンブリ38は、遠位端39を備えた近位部分を有する。医療用プローブ22は、チューブ状シャフト84の遠位端からバスケットアセンブリ38の遠位端39に向かって縦方向に延在する、スパイン保持ハブ90を含むことができる。上記に記載されるように、制御コンソール24は、チューブ状シャフト84を通して灌注流体をバスケットアセンブリ38に送出する灌注モジュール60を含む。
【0062】
図2に示すように、複数の可撓性線形スパイン214は、スパイン214によって画定される長手方向軸86上に同様に配置される中心スパイン交点211で収束する。いくつかの実施例では、中心スパイン交点211は、各スパインのそれぞれの取り付け端部216がスパイン保持ハブ90に接続されるときに、スパイン214の屈曲を可能にする、1つ以上の切り欠き212を含み得る。加えて、特定の例は、中心スパイン交点211が個々のスパイン214を連結し、各スパイン214が交点211に別々に連結されることであり得る。
【0063】
本明細書に示すように、バスケットアセンブリ38のスパイン214上に位置付けられる電極40は、心臓26内の組織にアブレーションエネルギーRF及び/又はIREを送達するように構成され得る。追加的又は代替的に、電極40を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を決定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置における局所表面電位など生理学的特性を測定することができる。電極40は、1つ以上の電極40のより多くの部分がバスケットアセンブリ38から外向きに面するように付勢され得、その結果、1つ以上の電極40は、内向きよりもバスケットアセンブリ38から離れる方向に外向きに、すなわち、心臓26組織に向かって、より多くの量の電気エネルギーを送達する。
【0064】
上述したように、制御コンソール24は、灌注流体を遠位端36に送達する灌注モジュール60を含む。複数の灌注開口部98は、所与の電極40又は心臓26内の組織のいずれかに灌注流体を噴霧するか、又は別様に分散させるように角度をなし得る。電極40は、灌注流体を送達する灌注開口部を含まないので、上記の構成により、熱を組織からスパイン214の内側にある電極の部分に(すなわち、アブレーション処置中に)伝達することが可能になり、また、灌注開口部98を介して、スパイン214の内側にある電極40の部分に灌注流体を向けることによって、電極40を冷却することができる。保持ハブ90の遠位端に配置されたスパイン保持ハブ電極99は、スパイン214上の電極40と組み合わせて使用することができるか、又は代替的に、基準マッピング若しくはアブレーションのために電極40から独立して使用することができる。
【0065】
医療用プローブ22は、接触力センサアセンブリスリーブ95内に配置され得る、接触力センサアセンブリ400を更に含むことができる。接触力センサアセンブリスリーブ95は、チューブ状シャフト84に結合され得る近位カプラ97に結合され得る。
【0066】
バスケットアセンブリ38が展開されると、スパイン214は、外形を含む三次元形状を画定する。バスケットアセンブリ38は、略円形の外形を含む、略回転楕円体であり得る。バスケットアセンブリ38は、略楕円形の外形を含む、略偏楕円体の形状を有することができる。形状の全ての変形例を本明細書に示すか、又は説明するわけではないが、当業者は、スパイン214が、特定の用途に好適であるような他の種々の形状を形成するように更に構成され得ることを理解するであろう。
【0067】
拡張形態時に種々の形状を形成するように構成されたスパイン214を含むことによって、バスケットアセンブリ38は、スパイン214に取り付けられた種々の電極40を様々な位置に位置付けるように構成され得、各位置は、チューブ状シャフト84の遠位端によりも近いか、又は遠い。加えて、各スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は長方形(平坦に見える場合がある)の断面を有してもよく、可撓性で弾性の材料(例えば、ニッケルチタン(ニチノールとしても知られている)、コバルトクロム、又は任意の他の好適な材料などの形状記憶合金)を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、各スパイン214の少なくとも一部は、ポリマーチューブ220によって画定される管腔221を通って延在することができる。ポリマーチューブは、熱硬化性ポリマー及び熱可塑性ポリマーを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の多くの異なるポリマー材料を含むことができる。次いで、1つ以上の電極40は、
図3に示されるポリマーチューブssの表面の少なくとも一部に配置され得る。ポリマーチューブの使用は、電極40の管腔を通してよりもポリマーチューブ220の管腔221を通してスパイン214を挿入することが容易であり得るため、組立プロセス中に電極40をスパイン214に取り付けるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、複数の電極40を単一のポリマーチューブ220の表面上に配置することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、単一の電極40を単一のポリマーチューブ220の表面上に配置することができる。そのような実施形態では、各スパイン214は、対応する電極40を伴う1つ以上のポリマーチューブ220を有することができる。
【0069】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例には、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ステンレス鋼、Fe-N-C化合物、及びそれらの組み合わせが含まれる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で発生した、すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる、最小限の熱が、電極を通って電極の裏側、すなわち、スパインの内側にある電極の部分、に伝導され、次に心臓26内の血液プールに伝導される。
【0070】
図4A~
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、電極40は、導電性基材225と、基材225の少なくとも一部をコーティングする、基材225とは異なる材料である触媒材料230とを含むことができる。触媒材料230は、限定はしないが、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、Fe-N-C化合物、及びそれらの組み合わせを含む、当技術分野で知られている多くの触媒材料とすることができる。いくつかの実施形態では、触媒材料230は、基材225の外面の一部のみを被覆することができる。いくつかの実施形態では、
図4A~4Bに示すように、触媒材料230は、基材225の外面全体を被覆することができる。
【0071】
図4A、
図4C、及び
図4Dは、長手方向軸L-Lに垂直な方向から見たスパイン214の断面図を示し、
図4Bは、長手方向軸に平行な方向から見たスパイン214の断面図を示す。スパイン214は、上述のようにポリマーチューブ220を通って延在することができる。電極40の基材225は、ポリマーチューブ220の外面上に配置することができる。
図4Cに示すように、基材225は、長手方向軸L-Lに沿って延在する開口部232を画定することができる。ポリマーチューブ220は、開口部232内に配置することができる。触媒材料230は、基材225の外面を被覆することができる。
【0072】
図4C~
図4Dに示すように、管腔234は、導電性ワイヤ236が内部に配置されたポリマーチューブ220及び/又はスパイン214の長さに沿って延在することができる。ワイヤ236は、
図4Cに示すように、電極40の基材225に結合されて、電極40に電流を供給することができる。
【0073】
図5A~
図5Cは、ポリマーチューブ220の管腔を通って延びるスパイン214を示す写真画像を提供し、電極40は、ポリマーチューブ220の外面上に配置される。
【0074】
図6は、中心スパイン交点211上の1つ以上の切り欠き212の一例を示す、バスケットアセンブリ38の上面図を示す概略描画図である。スパイン214は、平面材料の単一シートから形成されて、略星形を形成することができる。換言すると、スパイン214は、スパイン214が中心交点211に向かって集合するように、単一の平面材料シートから形成され得る。交点211は、中実材料片とすることができ、又は1つ以上の切り欠き212を含むことができる。バスケットアセンブリ38は、平面材料の単一シートからの約4本~約10本のスパインに及ぶスパイン214を含むことができる。
【0075】
図6では、バスケットアセンブリ38の遠位端は、(直径D1を有する仮想円213によって実質的に近似される)中心開口部212A及び(合計6つの溝212Bを与える)各スパインのための溝212Bの組み合わせである、開放切り欠き212を有する。各スパインは、いずれか2つのスパイン間の所定の角度αの長手方向軸の周囲に概して等角度で配置される。各溝212Bは、直径D2を有する仮想円215が溝212Bに隣接するように、仮想円D1の円周から略長さL1に延在する溝幅Sを有する。第2の仮想円215は、第1の仮想円213の直径D1の約3.6倍の直径D2を有する。一実施形態では、切り欠き212(中心切り欠き212A及び開放溝212Bによって表される)は、各開放溝212Bが、仮想円213から約1.5mm延在する約0.08mmの幅Sを有し、したがって、この設計における全ての切り欠きによって画定される負の面積が、約1.9平方mmを含むように、約1.1mmの仮想円213の直径及び約4mmの仮想円215の直径を有する約1.9平方mmの負の面積を有する。
【0076】
本開示の利益を享受する当業者によって理解されるように、平面材料の単一シートから形成され、中心交点で収束するスパイン214を含む、
図2に示されるバスケットアセンブリ38は、単に例証目的のために提供され、開示された技術は、バスケットアセンブリ38の他の構成に適用可能であり得る。例えば、バスケットスパインアセンブリの記載された構成は、ニチノール管をレーザ切断し、スパインをチューブ状ストックから実質的に本明細書に示される平面形態に熱処理することを介して得ることができる。同様に、開示された技術は、単一のスパイン214又は各スパイン214が両端に取り付けられた複数のスパイン214から形成されたバスケットアセンブリ38に適用可能であり得る。他の例では、バスケットアセンブリ38は、バスケットアセンブリ38の遠位端39において複数のスパイン214を一緒に接続する中央ハブを含むことができる。更に他の例では、バスケットアセンブリ38は、螺旋を形成するように構成された単一のスパイン214、螺旋を形成するように構成された複数のスパイン214、1つ又は複数の三脚を形成するように構成された複数のスパイン214、又はバスケットアセンブリ38の任意の他の形状を含み得る。したがって、
図2は、バスケットアセンブリ38の特定の構成を示すが、本開示の技術は、そのように限定されると解釈されるべきではない。
【0077】
本明細書に示される例示的実施形態では、スパイン幅Wは、約0.6mmの公称幅を有してもよく、0.2mmと同程度の小ささ又は1.5mmと同程度の大きさであり得る。各スパインの厚さは、公称上0.09mmであり得、0.05mmから0.2mmまで変化し得る。幅及び厚さのこれらの値は、所望される剛性に応じて変化し得ることに留意されたい。
【0078】
図7A~
図7Jを参照すると、電極40は、電極740A~740Eにおいて例として提供するように、様々な断面形状、曲率、長さ、管腔数、及び管腔形状を有し得る。電極740A~740Eは、医療デバイス22と共に使用され得る電極40の様々な構成を示すために提供されているが、限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、電極40の様々構成が、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の技術を用いて使用することができることを理解するであろう。
【0079】
各電極740A~740Eは、電極740から外向きに面する外面774と、電極740に向かって内向きに面する内面776と、を有し得る。別の言い方をすれば、長手方向軸L-Lに対して外向きであり、組織に面しているか、又は組織から離れて内向きである。少なくとも1つの管腔770が電極740を貫通して形成されている。管腔770は、スパイン214が電極740を貫通することができるように、スパイン214を受容するようにサイズ決めされ、構成され得る。管腔770は、電極740A~740Eを通る対称開口部であり得、それぞれの電極の長手方向軸L-Lに対してオフセットして配設され得る。他の例では、管腔770は、それぞれの電極の長手方向軸L-Lに対して概ね横方向に電極740を貫通することができる。更に、管腔770は、特定の構成に応じて、電極740内で電極740の下面のより近く、上面のより近く、又は中間のより近くに位置付けられ得る。
図7A、
図7C、及び
図7E~
図7Jにおいて、上面(上側)は図面の上を向いており、下面(下側)は図面の下を向いており、中間は上面と下面との間である。換言すれば、各電極740A~740Eは、電極740A~740Eの重心に対してオフセットされた管腔770を含むことができる。
【0080】
加えて、
図7A~7Fに示すように、電極740A~740Cは、1本以上のワイヤがそれぞれのスパイン214と共に管腔770を貫通するために、管腔770に隣接して電極740内に陥凹部(recess)又は凹部(depression)を形成するワイヤレリーフ772を有し得る。レリーフ772は、電極740が制御コンソール24と電気通信し得るように、電極740のワイヤが電極740を貫通するための空間を提供するようにサイズ決めされ得る。
【0081】
代替的に、又はそれに加えて、ワイヤは、
図7G~
図7Jの例示的な電極740D及び740Eに示すように、ワイヤ管腔773を貫通し得る。図示していないが、電極40は、管腔770に隣接するワイヤレリーフ772及びワイヤ管腔773の両方を含み得る。かかる電極は、追加のワイヤが電極本体を貫通することを可能にし得る。
【0082】
図7A~
図7Jに示すように、電極740A~740Eは、用途に応じて様々な形状を含み得る。例えば、
図7A及び
図7Bに示されるように、電極740Aは、丸みを帯びた縁を有する実質的に直方体形状を有することができる。他の実施例では、電極740Bは、(
図7C及び
図7Dに図示されるような)実質的に卵形の形状を有することができるか、電極740C、740Dは、(
図7E~
図7Hに図示されるような)凸側及び凹側を含む輪郭形状を有することができるか、又は電極740Eは、(
図7I及び
図7Jに図示されるような)電極740Eの下側よりも上側に近接して実質的により多くの材料を含む輪郭形状を有することができる。当業者によって理解されるように、
図7A~
図7Jに示し、本明細書に記載する種々の例示的な電極740A~740Eは、例示を目的として提供されるものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。
【0083】
図8A及び
図8Bは、本発明の実施形態による、所与の医療デバイス22の様々な絶縁ジャケット880A、880Bを示す概略描画図である。
図8Aは絶縁ジャケット880A、880Bの正面図であり、
図8Bは斜視図である。絶縁ジャケット880A、880Bは、ポリアミド-ポリエーテル(Pebax)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ウレタン、ポリイミド、パリレン、シリコーンなど生体適合性の電気絶縁材料から作製され得る。いくつかの例では、絶縁材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)コポリマー(PLGA)、ポリカプロラクティブ(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシ吉草酸)(PHBV)、ポリ-L-ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、及びポリ無水物が挙げられるが、これらに限定されない生体適合性ポリマーを含み得、特定のポリマーの比率は、炎症反応の程度を制御するように選択される。絶縁ジャケット880A、880Bはまた、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛などの1つ以上の添加剤又は充填剤を含んでもよい。絶縁ジャケット880A、880Bは、絶縁ジャケット880A、880Bを貫通するスパイン214及び/又はワイヤを電極40から絶縁して、電極40からスパイン214へのアーク放電及び/又は絶縁ジャケット880A、880Bを貫通するワイヤの機械的磨耗を防止するのに役立ち得る。
【0084】
図8A及び
図8Bに示すように、絶縁ジャケット880A、880Bは、実質的な台形である断面形状を含み得る。絶縁ジャケットは、単一管腔又は複数管腔構成から成ってもよい。複数管腔ジャケットは、合金フレーム及びワイヤが単一の管腔を共有し、第2の管腔が灌注に使用され得るように構成されてもよい。合金フレーム及びワイヤはまた、説明されるように、別個の管腔を占有してもよい。本実施形態は、灌注ジャケットを利用しない。これらの設計では、絶縁ジャケットは、連続的(各合金フレーム支柱の近位端から遠位端まで延在する個々のスリーブ)、分割的(電極間隙間の架橋)、又は両方の組み合わせであってもよい。更に、絶縁ジャケット880A、880Bは、第1の管腔882A、882B及び第2の管腔884A、884Bを含み得る。第1の管腔882A、882Bは、スパイン214を受容するように構成され得、第2の管腔884A、884Bは、ワイヤを受容するように構成され得る、又はその逆も同様である。他の例では、第1の管腔882A、882B及び第2の管腔884A、884Bはそれぞれ、1つ以上の電極40に接続され得る、1本以上のワイヤを受容するように構成され得る。更に、
図8Bに示すように、絶縁ジャケット880A、880Bは開口部886A、886Bを含み得、ワイヤは、この開口部を通って電極40に電気的に接続され得る。
図8Bでは、絶縁ジャケット880A、880Bの底部に近接して示しているが、開口部886A、886Bは、絶縁ジャケット880A、880Bの上部又は側部に近接して位置付けられ得る。更に、絶縁ジャケット880A、880Bは、複数の開口部886A、886Bを含み得、各開口部は、用途に応じて、絶縁ジャケットの同じ側(すなわち、上、下、左、右)、又は絶縁ジャケットの異なる側に配設される。
【0085】
図9は、本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリ38を製造する方法900を示すフロー図である。方法900は、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点211を含む複数の線形スパイン214を形成すること(902)を含むことができる。平面弾性材料シートは、ニッケル-チタン(ニチノールとしても知られる)、コバルトクロム、又は任意の他の好適な材料など形状記憶合金を含み得る。方法900は、中心スパイン交点211において個別の切り欠き212を切断すること(904)を含むことができる。上述したように、個別の切り欠き212は、単一の切り欠き又は2つ以上の切り欠きであり得る。加えて、1つ以上の個別の切り欠きは、各スパインの少なくとも一部分に沿って延在するパターンで切断され得る。いくつかの実施例では、ステップ902及び904は、同時ステップとして、又は一連のステップとして起こり得る。
【0086】
方法900は、各スパイン214を別個のポリマーチューブ220の管腔221に挿入すること(904)を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入すること(904)は、スパインを複数のポリマーチューブ220の管腔に挿入することを含むことができる。方法900は、別個のポリマーチューブ220の各々の外面に1つ以上の電極40を結合すること(908)を含むことができる。いくつかの実施形態では、結合すること(908)は、電極40の開口部232を通して別個のポリマーチューブ220を挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合すること(908)は、ポリマーチューブ220が開口部232を通って延在するように、開口部232を有する電極40をポリマーチューブ220上に配置することを含むことができる。いくつかの実施形態では、結合すること(908)は、挿入すること(906)の前に行われ得る。例えば、電極40は、例えば、電極の開口部232を通してポリマーチューブを挿入することによって、ポリマーチューブ220に結合されることができ、次いで、スパインは、ポリマーチューブ220の管腔221内に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、結合すること(908)は、挿入すること(906)の後に行われ得る。例えば、スパイン214をポリマーチューブ220の管腔221に挿入することができ、次いで、例えば、開口部232を有する電極40をポリマーチューブ220上に配置することによって、ポリマーチューブ220が開口部232を通って延在するように、電極40をポリマーチューブ220に結合することができる。電極は、隣接するスパイン上の電極間で電極がオフセットするように位置付けられ得る。
【0087】
方法900は、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインがチューブ状構成から弓状構成に移行可能であるように、複数の線形スパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させること(910)を含むことができる。本開示の利益を含む当業者によって理解されるように、スパインの端部をチューブ状シャフトに嵌合させること(910)は、スパイン214をスパイン保持ハブ90に取り付けることを含むことができる。更に、スパイン保持ハブ90及び/又はスパイン214並びにチューブ状シャフト84は、可撓性挿入チューブ30に挿入されて、医療用プローブ22を形成することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、本方法900はまた、線形スパインを用いて略回転楕円体又は偏楕円体の形状を形成することを含むこともできる。方法900は、ワイヤ236を1つ以上の電極に電気的に接続することを更に含むことができる。
【0089】
図10は、本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリ38を製造する方法1000を示すフロー図である。方法1000は、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点211を含む複数の線形スパイン214を形成すること(1002)を含むことができる。平面弾性材料シートは、ニッケル-チタン(ニチノールとしても知られる)、コバルトクロム、又は任意の他の好適な材料など形状記憶合金を含み得る。方法1000は、中心スパイン交点211において個別の切り欠き212を切断すること(1004)を含むことができる。上述したように、個別の切り欠き212は、単一の切り欠き又は2つ以上の切り欠きであり得る。加えて、1つ以上の個別の切り欠きは、各スパインの少なくとも一部分に沿って延在するパターンで切断され得る。いくつかの実施例では、ステップ1002及び1004は、同時ステップとして、又は一連のステップとして起こり得る。
【0090】
方法1000は、複数の線形スパイン214の各々に1つ以上の電極40を結合すること(1006)を含むことができる。1つ以上の電極の各々は、触媒材料を含むことができる。触媒材料は、白金、ジルコニウム、ハフニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0091】
方法1000は、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインがチューブ状構成から弓状構成に移行可能であるように、複数の線形スパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させること(1008)を含むことができる。本開示の利益を含む当業者によって理解されるように、スパインの端部をチューブ状シャフトに嵌合させること(1008)は、スパイン214をスパイン保持ハブ90に取り付けることを含むことができる。更に、スパイン保持ハブ90及び/又はスパイン214並びにチューブ状シャフト84は、可撓性挿入チューブ30に挿入されて、医療用プローブ22を形成することができる。
【0092】
いくつかの実施例では、本方法1000はまた、線形スパインを用いて略回転楕円体又は偏楕円体の形状を形成することを含むこともできる。方法1000は、ワイヤ236を1つ以上の電極に電気的に接続することを更に含むことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、方法900及び方法1000の様々なステップを組み合わせて、バスケットアセンブリ38を製造することができる。
【0094】
当業者によって理解されるように、方法900及び方法1000は、本明細書に記載の開示技術の様々な特徴のいずれかを含み得、平面シートではなくチューブから開始するなど、特定の構成に応じて様々であり得る。したがって、方法900、及び1000は、本明細書で明示的に記載された特定のステップ及びステップの順序に限定されるものとして解釈されるべきではない。IRE又はPFAについては、医療用プローブの例示的な実施形態が好ましいが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを組み合わせて順次使用すること(IREモードの特定の電極及びRFモードの他の電極)、又は同時に使用すること(IREモードの電極及びRFモードの他の電極のグループ)も本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0095】
別々に又は互いに様々な順列で使用され得る例を、以下に記載する。かかる例は(様々な順列で)、本発明の範囲を定義するために使用され得る。
【0096】
実施例1)医療用プローブは、近位端及び遠位端を含む、チューブ状シャフトを含み得る。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に近接する、拡張可能バスケットアセンブリを含み得る。バスケットアセンブリは、平面材料シートから形成された複数の線形スパインを含む、単一の一体構造を含むことができる。スパインは、中心スパイン交点で収束することができる。中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを有することができる。各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続されたそれぞれの端部を有することができる。中央スパイン交点は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられ得る。拡張可能バスケットアセンブリは、スパインの各々に結合された1つ以上の電極を含むことができる。各電極は、電極を通して管腔を画定し、スパインが1つ以上の電極の各々の管腔を通して延在することができる。
【0097】
実施例2)複数の線形スパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度が略等しいように、等角パターンで中心スパイン交点から延在し得る。
【0098】
実施例3)拡張可能バスケットアセンブリは、複数のスパインのうちの3~10個のスパインを含むことができる。拡張可能バスケットアセンブリは、複数のスパインのうちの正確に6個のスパインを含むことができる。拡張可能バスケットアセンブリは、略球形であってもよい。拡張可能バスケットアセンブリは、略偏楕円体であってもよい。
【0099】
実施例4)電極は、導電性基材と、導電性基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料とを含むことができる。触媒材料は、白金、ジルコニウム、ハフニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0100】
実施例5)拡張可能バスケットアセンブリは、中心スパイン交点に近接して位置する少なくとも1つの個別の切り欠きを含むことができる。1つ以上の切り欠きは、中心対称パターンを含むことができる。1つ以上の切り欠きは、等角度パターンを含むことができる。1つ以上の切り欠きは、各スパインセクションの少なくとも一部に沿って延在することができる。
【0101】
実施例6)各電極は、1つ以上のワイヤが管腔に隣接して延在することを可能にするように、管腔に隣接するレリーフを含むことができる。電極管腔は、電極の長手方向軸を中心に対称に配置されることができる。1つ以上の電極は、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成することができる。電気パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有することができる。
【0102】
実施例7)医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に近接して配置された灌注開口部を更に含むことができる。灌注開口部は、1つ以上の電極に灌注流体を送出するように構成することができる。
【0103】
実施例8)医療用プローブは、それぞれの所与のスパイン上及びそれぞれの電極の開口部内に各々配置されたポリマーチューブを更に含むことができる。各ポリマーチューブは、それぞれの所与のスパインが延びることができる第1の管腔と、ワイヤが延びることができる第2の管腔とを含むことができる。第1及び第2の管腔は、互いに別個であることができ、各ポリマーチューブは、それぞれの電極の管腔内に延在することができる。
【0104】
実施例9)医療用プローブはまた、1つ以上の電極のうちのそれぞれの電極に各々電気的に接合された複数のワイヤを更に含むことができる。
【0105】
実施例10)平面材料シートは、ニチノールを含むことができる。平面材料シートは、コバルトクロムを含むことができる。
【0106】
実施例11)いくつかの実施例では、本発明の一実施形態は、医療用プローブを構築する方法を提供する。本方法は、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点を含む複数の線形スパインを形成することと、中心スパイン交点において個別の切り欠きを切断することと、各スパインを別個のポリマーチューブの管腔内に挿入することと、1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に結合することと、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインがチューブ状構成から弓状構成に移動可能であるように、複数の線形スパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合することとを含むことができる。
【0107】
実施例12)方法は、縦の切り込み線及び横の切り込み線を含むパターンから複数の線形スパインを切断することを更に含むことができる。中心スパイン交点において少なくとも2つの切り欠きを切断することを更に含むことができる。中心スパイン交点において単一の個別の切り欠きを切断することを更に含むことができる。方法は、各スパインの少なくとも一部分に沿って単一の個別の切り欠きを切断することを更に含むことができる。方法は、各スパインの少なくとも一部分に沿って各個別の切り欠きを切断することを更に含むことができる。
【0108】
実施例13)線形スパインは、所定の形状において略偏楕円体の形状を形成することができる。
【0109】
実施例14)本方法は、隣接するスパイン間で電極をオフセットすることを更に含むことができる。各電極は、ワイヤが管腔に隣接して延在することを可能にするように、管腔に隣接するレリーフを含むことができる。ワイヤは、スパインから電気的に絶縁することができる。
【0110】
実施例15)いくつかの実施例では、本発明の一実施形態は、医療用プローブを構築する方法を提供する。本方法は、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点を含む複数の線形スパインを形成することと、中心スパイン交点において個別の切り欠きを切断することと、各スパインを別個のポリマーチューブの管腔に挿入することと、1つ以上の電極を複数の線形スパインの各々に結合することであって、1つ以上の電極の各々は、白金、ジルコニウム、ハフニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、金、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、ことと、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインがチューブ状構成から弓状構成に移動可能であるように、複数の線形スパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決めされたチューブ状シャフトに嵌合することとを含むことができる。
【0111】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:哺乳動物細胞においてエレクトロポレーションを誘導するために高電圧直流を送達するための電極であって、長手方向軸に沿って延在し、長手方向軸の周りに配置された開口部を画定する基材と、基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料であって、基材とは異なり、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、金(Au)、Fe-N-C化合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されている、触媒材料と、を含む、電極。
【0112】
条項2:基材は導電性材料を含む、条項1に記載の電極。
【0113】
条項3:基材は非導電性材料を含む、条項1に記載の電極。
【0114】
条項4:触媒材料は、基材の全体をコーティングする、条項1に記載の電極。
【0115】
条項5:導電性材料は、金、ニチノール、及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、条項2に記載の電極。
【0116】
条項6:触媒材料は、約0.0003インチの厚さを有する、条項1から5のいずれか一項に記載の電極。
【0117】
条項7:高電圧直流は、900~2,000ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項1から6のいずれか一項に記載の電極。
【0118】
条項8:医療用プローブであって、長手方向軸に沿って延在する拡張可能バスケットアセンブリであって、バスケットアセンブリは、長手方向軸の周りに第1の端部から第2の端部まで配置された複数のスパインと、複数のスパインのうちのスパインに結合されたポリマーチューブであって、それぞれのスパインはポリマーチューブを通って延在する、ポリマーチューブと、ポリマーチューブ上に配置された1つ以上の電極であって、各電極は、基材と、基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料と、を含み、触媒材料は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、Fe-N-C材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、1つ以上の電極と、を含む、拡張可能バスケットアセンブリを備える、医療用プローブ。
【0119】
条項9:触媒材料は白金(Pt)を含む、条項8に記載の医療用プローブ。
【0120】
条項10:1つ以上の電極の各々は、ポリマーチューブの少なくとも一部と触媒材料コーティングとの間に配置された導電層を更に含む、条項8に記載の医療用プローブ。
【0121】
条項11:基材は、金及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、条項10に記載の医療用プローブ。
【0122】
条項12:ポリマーチューブは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、条項8から11のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0123】
条項13:複数のスパインは、平面材料シートから形成されている、条項8から12のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0124】
条項14:平面材料シートはニチノールを含む、条項12に記載の医療用プローブ。
【0125】
条項15:平面材料シートはコバルトクロムを含む、条項12に記載の医療用プローブ。
【0126】
条項16:近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを更に備え、チューブ状シャフトは長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットはチューブ状シャフトの遠位端に配置されている、条項8から15のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0127】
条項17:各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含む、条項16に記載の医療用プローブ。
【0128】
条項18:スパインの遠位端は、長手方向軸と近接して一致する中心スパイン交点で収束する、条項16又は17に記載の医療用プローブ。
【0129】
条項19:中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む、条項18に記載の医療用プローブ。
【0130】
条項20:中心スパイン交点は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられる、条項18又は19に記載の医療用プローブ。
【0131】
条項21:複数のスパインが、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度が略等しいように、等角パターンで中心スパイン交点から延在する、条項18から20のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0132】
条項22:複数のスパインが3~10個のスパインを含む、条項8から21のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0133】
条項23:複数のスパインが正確に6個のスパインを含む、条項8から22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0134】
条項24:拡張可能バスケットアセンブリが球形状を備える、条項8から23のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0135】
条項25:拡張可能バスケットアセンブリが偏楕円体の形状を備える、条項8から24のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0136】
条項26:拡張可能バスケットアセンブリが、中心スパイン交点に近接して位置する少なくとも1つの個別の切り欠きを備える、条項8から25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0137】
条項27:1つ以上の電極は、不可逆エレクトロポレーションのために電気パルスを送達するように構成されており、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項8から26のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0138】
条項28:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に近接する拡張可能バスケットアセンブリであって、バスケットアセンブリは複数のスパインを含む、拡張可能バスケットアセンブリと、スパインの各々に結合された1つ以上の電極であって、各電極が、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、1つ以上の電極と、を備える、医療用プローブ。
【0139】
条項29:触媒材料は、電極の外面の少なくとも一部を被覆する、条項28に記載の医療用プローブ。
【0140】
条項30:触媒材料は、電極の外面全体を被覆する、条項28に記載の医療用プローブ。
【0141】
条項31:触媒材料は白金(Pt)を含む、条項28から30のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0142】
条項32:複数のスパインの各々は、それぞれのスパインが管腔を通って延在するように、管腔を画定するポリマーチューブを含み、1つ以上の電極はスパインの各々のポリマーチューブの外面に結合される、条項28から31のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0143】
条項33:ポリマーは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、条項32に記載の医療用プローブ。
【0144】
条項34:複数のスパインは、平面材料シートから形成されている、条項28から33のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0145】
条項35:平面材料シートはニチノールを含む、条項34に記載の医療用プローブ。
【0146】
条項36:平面材料シートはコバルトクロムを含む、条項34に記載の医療用プローブ。
【0147】
条項37:各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含む、条項28から36のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0148】
条項38:スパインの遠位端は、中心スパイン交点で収束する、条項28から37のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0149】
条項39:中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む、条項38に記載の医療用プローブ。
【0150】
条項40:中心スパイン交点は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられる、条項38又は39に記載の医療用プローブ。
【0151】
条項41:複数のスパインが、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度が略等しいように、等角パターンで中心スパイン交点から延在する、条項38から40のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0152】
条項42:複数のスパインが4~10個のスパインを含む、条項28から41のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0153】
条項43:複数のスパインが正確に6個のスパインを含む、条項28から42のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0154】
条項44:拡張可能バスケットアセンブリが球形状を備える、条項28から43のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0155】
条項45:拡張可能バスケットアセンブリが偏楕円体の形状を備える、条項28から45のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0156】
条項46:拡張可能バスケットアセンブリが、中心スパイン交点に近接して位置する少なくとも1つの個別の切り欠きを備える、条項28から45のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0157】
条項47:1つ以上の電極は、不可逆エレクトロポレーションのために電気パルスを送達するように構成されており、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項28から46のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0158】
条項48:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に近接する拡張可能バスケットアセンブリであって、バスケットアセンブリは複数のスパインを含み、各スパインは、それぞれのスパインが管腔を通って延びるように管腔を画定するポリマーチューブを備える、拡張可能バスケットアセンブリと、スパインの各々のポリマーチューブの外面に結合される1つ以上の電極と、を備える、医療用プローブ。
【0159】
条項49:ポリマーは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、条項48に記載の医療用プローブ。
【0160】
条項50:各電極は、ポリマーチューブの少なくとも一部をコーティングする触媒材料を含み、触媒材料は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、条項48又は49に記載の医療用プローブ。
【0161】
条項51:触媒材料は白金(Pt)である、条項50に記載の医療用プローブ。
【0162】
条項52:複数のスパインは、平面材料シートから形成されている、条項48から51のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0163】
条項53:平面材料シートはニチノールを含む、条項52に記載の医療用プローブ。
【0164】
条項54:平面材料シートはコバルトクロムを含む、条項52に記載の医療用プローブ。
【0165】
条項55:各スパインは、チューブ状シャフトの遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含む、条項48から54のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0166】
条項56:スパインの遠位端は、中心スパイン交点で収束する、条項48から55のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0167】
条項57:中心スパイン交点は、スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む、条項56に記載の医療用プローブ。
【0168】
条項58:中心スパイン交点は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられる、条項56又は57に記載の医療用プローブ。
【0169】
条項59:複数のスパインが、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度が略等しいように、等角パターンで中心スパイン交点から延在する、条項56から58のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0170】
条項60:複数のスパインが3~10個のスパインを含む、条項48から59のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0171】
条項61:複数のスパインが正確に6個のスパインを含む、条項48から60のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0172】
条項62:拡張可能バスケットアセンブリが球形状を備える、条項48から61のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0173】
条項63:拡張可能バスケットアセンブリが偏楕円体の形状を備える、条項48から62のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0174】
条項64:拡張可能バスケットアセンブリが、中心スパイン交点に近接して位置する少なくとも1つの個別の切り欠きを備える、条項48から63のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0175】
条項65:1つ以上の電極は、不可逆エレクトロポレーションのために電気パルスを送達するように構成されており、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項48から64のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0176】
条項66:医療用プローブを構築する方法であって、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点を含む複数のスパインを形成することと、中心スパイン交点において別個の切り欠きを切断することと、各スパインを別個のポリマーチューブの管腔に挿入することと、別個のポリマーチューブの各々の外面に1つ以上の電極を結合することと、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインが管状構成から弓状構成に移行可能であるように、複数の線形スパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに篏合させることとを含む。
【0177】
条項67:ポリマーチューブは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、条項66に記載の方法。
【0178】
条項68:1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に結合することは、1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に電気めっきすることを含む、条項66又は67に記載の方法。
【0179】
条項69:1つ以上の電極は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、条項66から68のいずれか一項に記載の方法。
【0180】
条項70:触媒材料は白金(Pt)である、条項69に記載の方法。
【0181】
条項71:縦の切り込み線及び横の切り込み線を含むパターンから複数のスパインを切断することを更に含む、条項66から70のいずれか一項に記載の方法。
【0182】
条項72:隣接するスパインの間で1つ以上の電極をオフセットすることを更に含む、条項66から71のいずれか一項に記載の方法。
【0183】
条項73:スパインは、弓状構成で偏楕円体の形状を形成する、条項66から72のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
条項74:スパインは、弓状構成で球形状を形成する、条項66から72のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
条項75:1つ以上の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)の電圧を含む、条項66から74のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
条項76:医療用プローブを構築する方法であって、平面材料シートを切断して、中心スパイン交点を含む複数のスパインを形成することと、中心スパイン交点において別個の切り欠きを切断することと、1つ以上の電極を複数のスパインの各々に結合することであって、1つ以上の電極の各々は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、ことと、中心スパイン交点が医療用プローブの遠位端に位置付けられ、それぞれのスパインがチューブ状構成から弓状構成に移動可能であるように、複数のスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決めされたチューブ状シャフトに嵌合することとを含む、方法。
【0187】
条項77:複数のスパインの各々を別個のポリマーチューブの管腔に挿入することを更に含み、1つ以上の電極を複数のスパインの各々に結合することは、1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に結合することを含む、条項76に記載の方法。
【0188】
条項78:1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に結合することは、1つ以上の電極を別個のポリマーチューブの各々の外面に電気めっきすることを含む、条項76又は77に記載の方法。
【0189】
条項79:ポリマーチューブの各々は、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、条項76から78のいずれか一項に記載の方法。
【0190】
条項80:触媒材料は白金(Pt)である、条項76から79のいずれか一項に記載の方法。
【0191】
条項81:縦の切り込み線及び横の切り込み線を含むパターンから複数のスパインを切断することを更に含む、条項76から80のいずれか一項に記載の方法。
【0192】
条項82:隣接するスパインの間で1つ以上の電極をオフセットすることを更に含む、条項76から81のいずれか一項に記載の方法。
【0193】
条項83:スパインは、弓状構成で偏楕円体の形状を形成する、条項76から82のいずれか一項に記載の方法。
【0194】
条項84:スパインは、弓状構成で球形状を形成する、条項76から82のいずれか一項に記載の方法。
【0195】
条項85:1つ以上の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)の電圧を含む、条項76から84のいずれか一項に記載の方法。
【0196】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載及び図示される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、従来技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0197】
〔実施の態様〕
(1) 哺乳動物細胞においてエレクトロポレーションを誘導するために高電圧直流を送達するための電極であって、
長手方向軸に沿って延在する基材であって、前記基材は前記長手方向軸の周りに配置された開口部を画定する、基材と、
前記基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料であって、前記触媒材料は、前記基材とは異なり、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、金(Au)、Fe-N-C化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、触媒材料と、
を備える、電極。
(2) 前記基材は導電性材料を含む、実施態様1に記載の電極。
(3) 前記基材は非導電性材料を含む、実施態様1に記載の電極。
(4) 前記触媒材料は、前記基材の全体をコーティングする、実施態様1に記載の電極。
(5) 前記導電性材料は、金、ニチノール、及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、実施態様2に記載の電極。
【0198】
(6) 前記触媒材料は、約7.62μm(約0.0003インチ)の厚さを有する、実施態様1に記載の電極。
(7) 前記高電圧直流は、900~2,000ボルト(V)のピーク電圧を含む、実施態様1に記載の電極。
(8) 医療用プローブであって、
長手方向軸に沿って延在する拡張可能バスケットアセンブリであって、前記バスケットアセンブリは、
前記長手方向軸の周りに第1の端部から第2の端部まで配置された複数のスパインと、
前記複数のスパインのうちのスパインに結合されたポリマーチューブであって、前記それぞれのスパインは前記ポリマーチューブを通って延在する、ポリマーチューブと、
前記ポリマーチューブ上に配置された1つ以上の電極であって、各電極は、基材と、前記基材の少なくとも一部をコーティングする触媒材料と、を含み、前記触媒材料は、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、Fe-N-C材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されている、1つ以上の電極と、を含む、拡張可能バスケットアセンブリを備える、医療用プローブ。
(9) 前記触媒材料は白金(Pt)を含む、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(10) 前記1つ以上の電極の各々は、前記ポリマーチューブの少なくとも一部と前記触媒材料コーティングとの間に配置された導電層を更に含む、実施態様8に記載の医療用プローブ。
【0199】
(11) 前記基材は、金及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、実施態様10に記載の医療用プローブ。
(12) 前記ポリマーチューブは、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーから選択されるポリマーを含む、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(13) 前記複数のスパインは、平面材料シートから形成されている、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(14) 前記平面材料シートはニチノールを含む、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(15) 前記平面材料シートは、コバルトクロムを含む、実施態様12に記載の医療用プローブ。
【0200】
(16) 近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトを更に備え、前記チューブ状シャフトは前記長手方向軸に沿って延在し、前記拡張可能バスケットは前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置されている、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(17) 各スパインは、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に接続されたそれぞれの近位端を含む、実施態様16に記載の医療用プローブ。
(18) 前記スパインの遠位端は、前記長手方向軸と近接して一致する中心スパイン交点で収束する、実施態様16に記載の医療用プローブ。
(19) 前記中心スパイン交点は、前記スパインの屈曲を可能にする1つ以上の切り欠きを含む、実施態様18に記載の医療用プローブ。
(20) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に近接する拡張可能バスケットアセンブリであって、前記バスケットアセンブリは複数のスパインを含む、拡張可能バスケットアセンブリと、
前記スパインの各々に結合された1つ以上の電極であって、各電極が、白金(Pt)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される触媒材料を含む、1つ以上の電極と、
を備える、医療用プローブ。
【外国語明細書】