(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096084
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】互換性のある灌注電極及びずらされた電極を備えたバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222361
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】18/091,342
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK17
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】医療用プローブは、シャフトと、バスケットアセンブリと、複数の電極と、灌注源と、を含む。シャフトは、患者の器官の中に挿入するように構成されている。バスケットアセンブリは、遠位シャフト先端において結合されており、バスケットアセンブリは、複数のスプラインを含む。複数の電極は、複数のスプラインの遠位部分に嵌合されている。灌注源は、電極に灌注流体を送達するように構成されており、灌注源は、電極より近位に、かつシャフトの遠位端より遠位に位置付けられている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
患者の器官に挿入するためのシャフトと、
前記シャフトの遠位端のバスケットアセンブリであって、複数のスプラインを備えている、バスケットアセンブリと、
前記複数のスプラインの遠位部分に嵌合された複数の電極と、
前記電極に灌注流体を送達するように構成された灌注源であって、前記電極より近位に、かつ前記シャフトの前記遠位端より遠位に位置付けられている、灌注源と、を備えている、医療用プローブ。
【請求項2】
前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに、前記電極及び前記灌注源が互いに重ならない、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記電極のうちの少なくともいくつかが、双極アブレーションを可能にするように、それぞれのスプラインの上に対で配置されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記灌注源が、スリーブ付き出口を介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記灌注源が、一組のスプレーポートを介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、請求項6に記載の医療方法。
【請求項8】
前記灌注源が、スリーブ付き出口を介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、請求項6に記載の医療方法。
【請求項9】
前記灌注源が、一組のスプレーポートを介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、請求項6に記載の医療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、侵襲性医療用プローブに関し、具体的には、心臓カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
バスケットカテーテルは通常、細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端に装着されたバスケット形状の電極アセンブリとを有する。アセンブリは、近位端と、遠位端と、を有し、複数のスプラインを備え、複数のスプラインは、複数のスプラインの近位端及び遠位端において接続されている。各スプラインは、検知及び/又は電気的アブレーションに使用することができる、少なくとも1つの電極を備えている。アセンブリは、スプラインが半径方向外向きに弓状になる拡張構成とスプラインがカテーテル本体の軸に略沿って配置されるつぶれた構成との間でバスケットの構成を変化させるように、カテーテルに対して長手方向に移動可能である軸方向に細長い拡張器を有する。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2022/0071696号は、複数のスプラインと、複数の電極と、を備え、これらの電極の各々が、所与のスプラインに嵌合する電極を通る管腔を有する、バスケットカテーテルアセンブリを記載している。バスケットアセンブリは、遠位縁部を有し、遠位縁部に向かうバスケットアセンブリを担持するシャフトの遠位端から長手方向に延在するステムを備えている。ステムは、複数のスプレーポートを備えており、各所与のスプレーポートは、灌注流体の送達を所与の電極に向けるように角度付けされている。
【0004】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の実施例による、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピング及びアブレーションを行うカテーテルベースのシステムの概略的な描画図である。
【
図2A】本開示の実施例による、灌注チューブと、ずらされた電極を担持するスプラインと、を備えている拡張可能なアセンブリの概略描画図である。
【
図2B】本開示の実施例による、灌注チューブと、ずらされた電極を担持するスプラインと、を備えている拡張可能なアセンブリの概略描画図である。
【
図3】本開示の実施例による、つぶれた状態にある
図2のずらされた拡張可能なアセンブリの概略描画図である。
【
図4】本開示の一実施例による、患者を治療するために
図2のずらされたバスケットカテーテルを適用するための方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概説
治療用電気的アブレーションを実行することができるバスケット形状のカテーテルは、典型的には、十分な量のアブレーション電力を送達することができる嵩高い(例えば、直径が1mmの)電極を含む。そのようなカテーテルは、電極を冷却するために、シャフト(ステム)の遠位端からの灌注出口を更に含む。しかしながら、ステムの遠位端からの灌注は、アブレーション部位に十分な灌注を提供しない場合がある。不十分な灌注は、アブレーション中の電極上での血液凝固につながることが分かっている。バスケットの遠位端のより近くに灌注出口を位置付けることが有利となるが、これは、シースを介して送達するためにバスケットを小さい直径につぶすことを難しくする。
【0007】
本明細書に記載される本開示の実施例は、バスケットの中央又はその近くに拡張灌注チューブを備え、バスケットアセンブリの遠位部分(例えば、遠位半球)にのみ電極が配置されているような、灌注源を備えたバスケットアセンブリ設計を提供するものである。このように分けることにより、つぶされた状態で灌注チューブと電極とが接触することが回避され、したがって、バスケットが小さい直径につぶれることが可能になる。
【0008】
加えて、電極は、ずらされた様式で配置されて織り、これもまた、カテーテルを小さい直径につぶすことを補助する。電極のうちの少なくともいくつかは、医師が集中領域に双極アブレーションを実行することができるように、対で配置され得る。対でずらされた電極の異なる選択肢を以下に例示する。
【0009】
システムの説明
図1は、本開示の実施例による、カテーテルベースの電気生理学的(EP)マッピング及びアブレーションシステム10の概略的な描画図である。
【0010】
システム10は、医師24によって、患者の血管系を通して心臓12の腔又は血管構造内へ経皮的に挿入される、複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の場所に到達させ得る。複数のカテーテルは、心内電位図(intracardiac electrogram、IEGM)の検知、並びに/又は検知及びアブレーションの両方専用のカテーテルと、撮像カテーテルと、を含み得る。IEGMを検知し、かつ電気的アブレーションを実行するように構成された例示的なバスケットカテーテル14が本明細書に示されている。挿入
図45に見られるように、医師24は、心臓12の標的部位を検知するために、カテーテル14のシャフト44に嵌合されたバスケットアセンブリ28(以下「拡張可能な遠位端アセンブリ28」とも呼ばれる)を心臓壁と接触させる。
【0011】
挿入
図65に見られるように、バスケットカテーテル14は、拡張可能な遠位端アセンブリ28の複数のスプライン22の遠位部分41の上にずらされたレイアウトで分配され、IEGM信号を検知してアブレーションを実行するように構成された、1つの、好ましくは複数の電極26を含む、例示的なカテーテルである。カテーテル14は、(i)拡張可能なアセンブリ28を拡張させ、つぶすための拡張ロッド42と、(ii)シャフト44の遠位端の位置を追跡するためにバスケットアセンブリ28に又はその近くに埋め込まれた近位位置センサ29と、(iii)アブレーション中にずらされた電極26及び/又は組織を灌注するための灌注チューブ202と、を追加的に含む。見られるように、灌注チューブ202は、シャフト44の遠位端から長手方向に延在するステム99内に備えられている。
【0012】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を発生させるように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25と共に動作し得る。磁気ベースの位置検知技術の詳細は、米国特許第5,5391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されている。
【0013】
システム10は、患者23の皮膚と接触して、位置パッド25の位置基準、並びに電極26のインピーダンスベースの追跡機能を確立するように位置決めされた、1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の位置を電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0014】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21、及びカテーテル14の電極26によって捕捉された心内電位図(IEGM)を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0015】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部の1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合された、アブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーとしては、不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極高性電圧DCパルスを含む、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(pulsed-field ablation、PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0016】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電力供給源と、システム10の動作を制御するためのワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテルと、位置パッド25と、体表面ECG電極18と、電極パッチ38と、アブレーションエネルギー発生器50と、レコーダ11と、を含み得る。任意選択で、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテル位置のリアルタイム計算を実施し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0017】
ワークステーション55は、メモリ57と、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサ56ユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択で、(i)心内膜解剖学的構造を三次元(three-dimension、3D)でモデル化して、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するようにレンダリングすること、(ii)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20に重ね合わせられた代表的な視覚的表示又は画像で、ディスプレイデバイス27上に表示すること、(iii)心室内の複数のカテーテルのリアルタイムの位置及び配向を表示すること、及び(iv)アブレーションエネルギーが印加された位置などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618、から市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0018】
互換性のある灌注電極及びずらされた電極を備えたバスケットカテーテル
図2A及び
図2Bは、本開示の実施例による、灌注チューブと、ずらされた電極(それぞれ261、262)を担持するスプラインと、を備えている拡張可能なアセンブリ(それぞれ281、282)の概略描画図である。
【0019】
図に見られるように、拡張可能なアセンブリ281及び282は、シャフト44の遠位端に結合され、拡張可能なアセンブリ281及び282は、長手方向軸62に沿って延在しており、また、長手方向軸62の周りの回転面によって画定されたものなどの、内部管腔を画定するように長手方向軸62の周りに配設された複数の拡張可能なスプライン22を備えている。アセンブリ281及び282は、一例として、自己拡張型であり得る。そのような場合、延長ロッド42は不要であり、アセンブリは、処置の最後にシース内へ引き込むことができる。引き込み過程は、シース内に収まるようにアセンブリを十分につぶす。アセンブリ281又は282は、拡張されたとき、肺静脈の心門のなどの狭い心臓領域内で電極261又は262と共に組織にアクセスするように構成されている。
【0020】
図2に示される構成では、電極対261及び/又は262は、スプライン22の上に嵌合される。電極261及び262は、心臓12の組織にアブレーションエネルギーを送達するように構成することができる。また、電極261及び262を使用してアブレーションエネルギーを送達することに加えて、電極を使用して、バスケットアセンブリ281及び282の位置を決定すること、及び/又は心臓12の組織上のそれぞれの位置での局所表面電位などの電気生理学的特性を測定することができる。
【0021】
電極261及び262は、十分な量のアブレーション電力を送達することができる十分な表面積を有する。電極261及び262は、灌注流体222を送達するためのスプレーポートを備えていないので、上に記載した構成は、組織からスプラインの内側の電極の一部分へと(すなわち、アブレーション処置中に)熱を伝達することを可能にする。電極は、スプレースリーブ204などの灌注源(202、204)を介して、灌注チューブ202の縁部に灌注流体222を向けることによって冷却することができる。見られるように、灌注チューブ202は、シャフト44の遠位端から長手方向に延在するステム99内に備えられている。
【0022】
他の例では、スリーブの代わりに、又はスリーブと組み合わせた設計で、複数の細管を使用することができる。細管を使用すること、又はスリーブの外形をその周囲に沿って変化させることで、スプラインが向けられる特定の方向における灌注の流れを高めることができる。
【0023】
図2A及び
図2Bの両方の実施例では、電極は、バスケットアセンブリ281及び282の遠位部分(例えば、それぞれの遠位半球241及び243)に位置付けられている。これは、つぶされた状態における灌注チューブと電極との接触を防止し、したがって、バスケットが小さい直径につぶれることを可能にする。
【0024】
加えて、電極は、ずらされた様式で配置されている。これはまた、カテーテルを小さい直径につぶすことも補助する。一対の電極(261、262)をずらすための異なる選択肢は、それぞれ、アセンブリ(281、282)の
図2A及び
図2Bに例示されている。
【0025】
図3は、本開示の実施例による、つぶされた状態にある
図2のずらされた拡張可能なアセンブリの概略描画図である。見られるように、電極を互いに(例えば、重ねずに)を収容して、追加的に、(例えば、電極と重ねずに)灌注チューブを収容して、バスケットが小さい直径につぶれることを可能にする。このようにして、より小さい直径のシースが使用され得、これは、人体の器官へのより良好なアクセスを提供する。
【0026】
患者を治療するために
図2のバスケットカテーテルを適用する方法
図4は、本開示の一実施例による、患者を治療するために
図2のずらされたバスケットカテーテルを適用するための方法を概略的に示すフローチャートである。提示された実施例によるアルゴリズムは、カテーテル挿入工程402で、医師24が、シースを介してずらされたバスケットアセンブリ28を患者の心室に挿入することから始まる過程を実施する。
【0027】
次に、バスケット拡張工程404で、医師が、カテーテルをシースより遠位に前進させて、ずらされたバスケットアセンブリを拡張させる。
【0028】
カテーテル位置決め工程406で、医師が、カテーテルを操作して、バスケットアセンブリの遠位部分に装着されたずらされた電極を組織としっかりと接触させて、標的組織(例えば、肺静脈の心門)をアブレーションする。
【0029】
次いで、カテーテルアブレーション工程408で、医師が、灌注及びアブレーション電力をずらされた電極に印加する。
【0030】
バスケットつぶし工程410で、アブレーションが完了した時点で、医師が、バスケットアセンブリを引き出してつぶす。ずらされた電極が互いを収容し、灌注チューブを収容するため、バスケットを小さい直径につぶすことができる。
【0031】
最後に、カテーテル取り出し工程412で、医師が、つぶれたバスケットアセンブリをシースの中へ後退させて、患者の身体からカテーテルを取り出す。
【0032】
図4に示されるフローチャートは、単に概念を明確にする目的で選択されたものである。本実施例はまた、組織に対する電極の接触力を推定することなどの、アルゴリズムの追加的な工程も含み得る。この工程及び他の可能な工程は、より単純化されたフローチャートを提供するために、本明細書における開示内容から意図的に省略されている。
【実施例0033】
(実施例1)
医療用プローブ(14)は、シャフト(44)と、バスケットアセンブリ(281、282)と、複数の電極(261、262)と、灌注源(202、204)と、を含む。シャフトは、患者の器官の中に挿入するように構成されている。バスケットアセンブリは、遠位シャフト先端において結合されており、バスケットアセンブリは、複数のスプライン(22)を含む。複数の電極複数のスプラインの遠位部分(241、243)に嵌合されている。灌注源は、電極に灌注流体(222)を送達するように構成されており、灌注源は、電極より近位に、かつシャフトの遠位端より遠位に位置付けられている。
【0034】
(実施例2)
バスケットアセンブリ(281、282)がつぶれたレイアウトにあるときに電極(261、262)及び灌注源(202、204)が互いに重ならない、実施例1に記載の医療用プローブ。
【0035】
(実施例3)
電極(261、262)のうちの少なくともいくつかが、双極アブレーションを可能にするように、それぞれのスプライン(22)の上に対で配置されている、実施例1及び2のいずれかに記載の医療用プローブ。
【0036】
(実施例4)
バスケットアセンブリ(281、282)がつぶれたレイアウトにあるときに電極が互いに重ならないように、電極(261、262)がスプライン(22)間でずらされて配置されている、実施例1~3のうちのいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0037】
(実施例5)
灌注源(202、204)が、スリーブ付き出口(204)を介して電極に灌注するように構成された灌注チューブ(202)を備えている、実施例1~4のうちのいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0038】
(実施例6)
灌注源(202、204)が、一組のスプレーポートを介して電極に灌注するように構成された灌注チューブ(202)を備えている、実施例1~5のうちのいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0039】
(実施例7)
医療方法は、シャフトの遠位端にバスケットアセンブリ(281、282)を有するシャフト(44)を患者の器官内へ挿入することであって、バスケットアセンブリが、複数のスプライン(22)と、複数のスプラインの遠位部分(241、243)に嵌合された複数の電極(261、262)と、を備えている、挿入することを含む。灌注流体(222)は、電極より近位に、かつシャフトの遠位端より遠位に位置付けられた灌注源を使用して、電極に送達される。
【0040】
本明細書に記載の実施例は、主に心臓診断用途に対処するものであるが、本明細書に記載の方法及びシステムは、他の医療用途にも使用することができる。
【0041】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で特に図示及び記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上記した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0042】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
患者の器官に挿入するためのシャフトと、
前記シャフトの遠位端のバスケットアセンブリであって、複数のスプラインを備えている、バスケットアセンブリと、
前記複数のスプラインの遠位部分に嵌合された複数の電極と、
前記電極に灌注流体を送達するように構成された灌注源であって、前記電極より近位に、かつ前記シャフトの前記遠位端より遠位に位置付けられている、灌注源と、を備えている、医療用プローブ。
(2) 前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに、前記電極及び前記灌注源が互いに重ならない、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、双極アブレーションを可能にするように、それぞれのスプラインの上に対で配置されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 前記灌注源が、スリーブ付き出口を介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0043】
(6) 前記灌注源が、一組のスプレーポートを介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(7) 医療方法であって、
シャフトの遠位端にバスケットアセンブリを有する前記シャフトを患者の器官に挿入することであって、前記バスケットアセンブリが、複数のスプラインと、前記複数のスプラインの遠位部分に嵌合された複数の電極と、を備えている、挿入することと、
前記電極より近位に、かつ前記シャフトの前記遠位端より遠位に位置付けられた灌注源を使用して、前記電極に灌注流体を送達することと、を含む、医療方法。
(8) 前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに、前記電極及び前記灌注源が互いに重ならない、実施態様7に記載の医療方法。
(9) 前記電極のうちの少なくともいくつかが、双極アブレーションを可能にするように、それぞれのスプラインの上に対で配置されている、実施態様8に記載の医療方法。
(10) 前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、実施態様6に記載の医療方法。
【0044】
(11) 前記灌注源が、スリーブ付き出口を介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、実施態様6に記載の医療方法。
(12) 前記灌注源が、一組のスプレーポートを介して前記電極に灌注するように構成された灌注チューブを備えている、実施態様6に記載の医療方法。
前記電極のうちの少なくともいくつかが、双極アブレーションを可能にするように、それぞれのスプラインの上に対で配置されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
前記バスケットアセンブリがつぶれたレイアウトにあるときに前記電極が互いに重ならないように、前記電極がスプライン間でずらされて配置されている、請求項6に記載の医療用プローブ。