(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096088
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】一体化された電極を有する円筒形ケージマッピング及びアブレーションカテーテルのためのシステム並びに方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222395
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,773
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/509,900
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ロドリゲス・ソト
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・アッバス
(72)【発明者】
【氏名】ババク・エブラヒミ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127LL08
4C127LL15
4C127LL22
4C160KK03
4C160KK17
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】バスケットカテーテルを提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、電極が取り付けられ略円筒形構造体を備えるバスケットカテーテルを含む。本開示の技術は、長手方向軸に沿って延在する近位部材を備えるエンドエフェクタのための構造ユニットを含むことができる。近位部材は、複数の分岐曲線部材を画定することができる。各分岐曲線部材は、構造ユニットが複数の蛇行部材を備えるように、長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定することができる。複数の蛇行部材の各々は、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続され得る。構造ユニットは、複数の収束曲線部材に接続された遠位部材を更に備えることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタのための構造ユニットであって、
長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、前記近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、
各分岐曲線部材は、前記構造ユニットが複数の蛇行部材を備えるように、前記長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、前記複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、
前記複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、構造ユニット。
【請求項2】
前記複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、請求項1に記載の構造ユニット。
【請求項3】
前記構造ユニットに取り付けられた複数の電極を更に備える、請求項1に記載の構造ユニット。
【請求項4】
前記複数の電極が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材の間に配置された1つ又は2つ以上の電極を含む、請求項3に記載の構造ユニット。
【請求項5】
前記構造ユニットが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、請求項1に記載の構造ユニット。
【請求項6】
医療用プローブのためのエンドエフェクタであって、
互いに接続され、かつ略円筒形構造体を形成する、複数の構造部材を備え、前記複数の構造部材のうちの各構造部材が、
長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、前記近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、
各分岐曲線部材は、前記構造部材が複数の蛇行部材を備えるように、前記長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、前記複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、
前記複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項7】
前記エンドエフェクタが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記略円筒形構造体に取り付けられた複数の電極を更に備える、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記複数の電極が、前記近位部材と前記複数の分岐曲線部材との間に配置された第1の電極を含む、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記複数の電極のうちの各電極が、前記略円筒形構造体上に直接真空蒸着によって形成されている、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記略円筒形構造体に取り付けられた基準電極を更に備える、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記基準電極が、前記複数の電極のうちの1つの電極に近接して位置決めされている、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
各構造部材上に形成された1つ又は2つ以上の電気トレースを更に備え、各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続されている、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記略円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、前記電磁コイルが、位置感知のために磁場を検出するように構成されている、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
医療用プローブを構築する方法であって、
平面状材料シートから複数のスパインを形成することと、
真空蒸着によって前記平面状材料シート上に複数の電極を形成することと、
前記平面状材料シート上に複数の電気トレースを形成することであって、前記複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続される、形成することと、
前記平面状材料シートの両端部を互いに接続して、円筒形構造体を形成することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記円筒形構造体が、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のスパインのうちの各スパインが、曲線スパインを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
各電極が、前記複数のスパインのうちの2つの隣接するスパインの間の交点に位置決めされる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
複数の基準電極を前記円筒形構造体に取り付けることを更に含み、前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、前記複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対の前記それぞれのスパインの側で取り付けられる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その内容全体が、本明細書に完全に記載された場合のように参照により本明細書に組み込まれる、2022年12月29日に出願された先願の米国仮特許出願第63/477,773号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用デバイスに関し、特に、電極が取り付けられた略円筒形構造体を備えるバスケットカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに発生する。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する。RFアブレーションは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得る、熱加熱に関連する特定のリスクを有し得る。
【0005】
冷凍アブレーションは、一般にRFアブレーションに関連する熱リスクを低減するRFアブレーションの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0006】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号(現米国特許第11,660,135号)、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号(現米国特許第11,540,877号)、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、同第2021/0186604(A1)号(現米国特許第11,707,320号)に提示されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,773号の付録に添付されている。
【0007】
バスケットカテーテルは、心臓組織をマッピング又はアブレーションするために一般的に使用される。例えば、バスケットカテーテルは、米国特許第5,772,590号、同第6,748,255号、及び同第6,973,340号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,773号の付録に添付されている。バスケットカテーテルは、概して、カテーテルの遠位端部に取り付けられ、かつ略球形を形成するように構成されている、複数のスパインを含む。各スパインは、典型的には、組織のマッピング又はアブレーションのために構成されている、それに取り付けられた少なくとも1つの電極を有する。バスケットカテーテルを製造することは、サイズが小さく、幾何形状が複雑であるため、困難かつ高価なプロセスであり得る。特に、スパインに電極を取り付けることは、困難であり、時間がかかり、高価であり得る。したがって、当該技術分野において、バスケットカテーテルを製造する改善された方法の必要性が存在する。
【0008】
バスケットカテーテルを用いた例示的なマッピング及びアブレーション処置は、バスケットカテーテルを組織(例えば、心臓組織)と接触させることと、組織における電気信号を検出して、組織にわたる電気信号をマッピングすることと、かつ/又は電気エネルギーを電極に送達して、組織をアブレーションすることと、を含むことができる。バスケットカテーテルの球形構成のために、球形バスケットカテーテルは、肺静脈などの丸みを帯びた幾何形状をアブレーションするのに(例えば、肺静脈隔離のために)よく適している傾向があるが、平面状組織表面にわたる電気パルスのマッピングにはあまり有効ではない。したがって、場合によっては、心臓内の組織をマッピング及び/又はアブレーションするために複数のカテーテルを使用しなければならない。理解されるように、複数のカテーテルを使用することは、医師が複数のカテーテルを挿入かつ操作することを必要とし、より長い手術時間をもたらす。したがって、当該技術分野において、肺静脈などの平面状組織及び丸みを帯びた組織のアブレーション並びにマッピングを行うことができるカテーテル設計が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の例では、長手方向軸に沿って延在する近位部材を備えるエンドエフェクタのための構造ユニットが提供される。近位部材は、複数の分岐曲線部材を画定することができる。各分岐曲線部材は、構造ユニットが複数の蛇行部材を備えるように、長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定することができる。複数の蛇行部材の各々は、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続され得る。構造ユニットは、複数の収束曲線部材に接続された遠位部材を更に備えることができる。
【0010】
本開示は、医療用プローブのためのエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、互いに接続され、かつ略円筒形構造体を形成する、複数の構造部材を備えることができる。複数の構造部材のうちの各構造部材は、長手方向軸に沿って延在する近位部材を備えることができる。近位部材は、複数の分岐曲線部材を画定することができる。各分岐曲線部材は、構造部材が複数の蛇行部材を備えるように、長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定することができる。複数の蛇行部材の各々は、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続され得る。エンドエフェクタは、複数の収束曲線部材に接続された遠位部材を更に含むことができる。
【0011】
本開示は、エンドエフェクタのための構造ユニットであって、長手方向軸に沿って延在する近位部材と、近位部材の遠位端部に接続された第1の分岐曲線部材と、近位部材の遠位端部に接続された第2の分岐曲線部材と、第1の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第1の蛇行部材と、第1の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第2の蛇行部材と、第2の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第3の蛇行部材と、第2の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第4の蛇行部材と、第1の収束曲線部材であって、第1の蛇行部材及び第2の蛇行部材が、第1の収束曲線部材に接続されている、第1の収束曲線部材と、第2の収束曲線部材と、を備える、構造ユニットを含む。第3の蛇行部材及び第4の蛇行部材は、第2の収束曲線部材に接続することができる。構造ユニットは、第1の収束曲線部材及び第2の収束曲線部材に接続された遠位部材を更に備えることができる。
【0012】
本開示は、医療用プローブを構築する方法を含む。本方法は、平面状材料シートから複数のスパインを形成することと、真空蒸着によって平面状材料シート上に複数の電極を形成することと、平面状材料シート上に複数の電気トレースを形成することと、を含むことができる。複数の電気トレースのうちの各電気トレースは、複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続することができる。本方法は、平面状材料シートの両端部を互いに接続して、円筒形構造体を形成することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【
図1】本発明の一実施例による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端部が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、拡張形態のバスケットアセンブリの斜視図を示す概略描画図である。
【
図3A】本開示の技術による、拡張形態のバスケットアセンブリの側面図を示す概略描画図である。
【
図3B】本開示の技術による、圧潰形態のバスケットアセンブリの側面図を示す概略描画図である。
【
図4A】本開示の技術による、バスケットアセンブリのスパインを示す概略描画図である。
【
図4B】本開示の技術の例による、互いに接続された複数のスパインの概略描画図である。
【
図4C】本開示の技術の例による、互いに接続された複数のスパインの概略描画図である。
【
図5A】本開示の技術による、圧潰形態の複数のスパインの概略描画図である。
【
図5B】本開示の技術による、拡張形態の複数のスパインの概略描画図である。
【
図6A】本開示の技術による、拡張形態のバスケットアセンブリの側面図を示す概略描画図である。
【
図6B】本開示の技術による、バスケットアセンブリ上の電極の詳細図である。
【
図7】本開示の技術による、医療用プローブを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示を通して明らかになるように、本開示の技術は、先行技術に勝るいくつかの利点を含む。本開示の技術は、略円筒形状を有する拡張可能バスケットアセンブリを含むことができる。拡張可能バスケットアセンブリは、組織のマッピング又はアブレーションのために構成され得る、それに取り付けられた複数の電極を有することができる。略円筒形状を有する拡張可能バスケットアセンブリを含むことによって、本開示の技術は、略平面状組織並びに肺静脈などの略円形形状の組織をマッピング又はアブレーションするのによく適している場合がある。例えば、略円筒形状は、略平面状組織をマッピング又はアブレーションするために上に配置された電極を有する、略平面状端部を有することができる。略円筒形状は、略円形形状の組織をマッピング又はアブレーションするように構成され得る、外側周囲表面の周りに配置された電極を更に含むことができる。
【0015】
本開示の技術は、拡張可能なバスケットアセンブリを形成するスパイン上に直接形成された電極を含むことができる。電極は、物理的蒸着又は化学的蒸着などの真空蒸着を使用してスパイン上に直接形成することができる。換言すれば、電極がスパインとは別々に形成されて後でスパインに取り付けられるのではなく、スパイン上に直接形成されるので、バスケットカテーテルを製造するプロセスを簡略化することができる。
【0016】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には、同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として、本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形形態、代替物及び使用を説明する。
【0017】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする、好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0018】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を表すものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳動物、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々な任意の適用可能な種類であり得ることを理解されたい。一例として、動物は、ヒトと同様の特定の特性を有するように特異的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サル、又は同等物)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者により近い方の場所を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師からより遠い場所を示す。
【0019】
本明細書で考察されるように、「医師」は、医師、外科医、技術者、科学者、作業者、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0020】
本明細書で使用する場合、「蛇行」という用語は、中心線の周りに配向された構造要素の周期的又は繰り返しパターンを指す。蛇行を指定する番号(例えば、「第1の蛇行」又は「第2の蛇行」)は、2つ又は3つ以上の異なるパターンを識別かつ区別することを意味する。2つ又は3つ以上の異なるパターンは、構成に応じて、同一若しくは類似のタイプのパターン、パターンの鏡像、又は完全に異なるタイプのパターンであり得る。
【0021】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、RFアブレーション若しくは凍結アブレーションなどの熱エネルギー、又は不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギー(本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される)を利用することによって、細胞内の不規則的心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。IREアブレーションは、単相又は二相パルスを含むことができる。更に、本開示の技術は、可逆的エレクトロポレーションを含み得る。
【0022】
本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0023】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外側表面を有し得る。
【0024】
本開示は、スパイン上に直接形成された電極を有する円筒形バスケットカテーテルを含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心臓不整脈を治療するための心臓組織のマッピング及びアブレーションに特に適し得る。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0025】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、並びに/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。IEGMを感知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12内の標的部位を感知するために、医療用プローブ16を構成するカテーテル14の遠位先端部(バスケットアセンブリ28)を肺静脈又はその近くで心臓壁に接触させる。アブレーションを行う場合、医師24は同様に、医療用プローブ16を構成するアブレーションカテーテルの遠位端部をアブレーションの標的部位に運ぶだろう。
【0026】
医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ28において複数のスパイン22にわたって任意選択的に分布し、かつIEGM信号を感知するように構成されている、1つ、好ましくは複数の電極26を含む、例示的なプローブである。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ28の位置及び配向を追跡するために、バスケットアセンブリ28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的に、かつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサ(例えば、電磁コイル)である。位置センサ29は、従来のコイル状ワイヤセンサ、フラットPCBベースのセンサ、又は変形可能な電磁ループセンサとすることができる。描写されていないが、位置センサ29は、代替的に、バスケットアセンブリ28上に位置決めされるか、又は個々のスパイン22内に設計され得る。いくつかの実施形態では、個々のスパイン22は、絶縁され、位置センサとして機能することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、医療用プローブ16は、変形可能な電磁ループセンサを含むことができる。変形可能な電磁ループセンサの様々なシステム及び方法の例は、米国特許第11,304,642号及び同第10,330,742号、並びに米国特許出願公開第2018/0344202(A1)号及び同第2020/0155224(A1)号に提示されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,773号の付録に添付されている。
【0028】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25とともに動作し得る。カテーテル14のバスケットアセンブリ28のリアルタイム位置は、場所パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気系の位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,773号の付録に添付されている。
【0029】
システム10は、場所パッド25の場所基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために位置決めされた1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の場所を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,773号の付録に添付されている。
【0030】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0031】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝導するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー又はパルスフィールドアブレーション(PFA)エネルギー、あるいはそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0032】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を更に含む。
【0033】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすること、(2)記録された電位
図21からコンパイルされたアクティブ化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示すること、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの場所及び配向を表示すること、及び(4)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAからから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0034】
図2は、本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブ200の斜視図を示す概略描画図であり、
図3Aは、本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブ200の側面図を示す概略描画図である。医療用プローブ200は、チューブ状シャフト84によって送達シース80から前進することなどによる、非拘束時の拡張形態であり得る。一方、
図3Bは、送達シース80内に後退することなどによる、圧潰形態の医療用プローブ200の側面図を示す概略描画図である。拡張形態(
図2及び
図3A)では、スパイン22は、長手方向軸86に沿って半径方向外向きに曲がり、圧潰形態(
図2B)では、スパインは、チューブ状シャフト84の長手方向軸86に概ね沿って拘束される。
【0035】
図2及び
図3Aに示されるように、医療用プローブ200は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、かつ両端で接続された、複数のフレキシブルスパイン22を備える、バスケットアセンブリ28を含むことができる。医療処置中、医師24は、チューブ状シャフト84を送達シース80から延出させ、バスケットアセンブリ28を送達シース80から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ28を展開することができる。
【0036】
図2及び
図3Aに示されるように、バスケットアセンブリ28は、近位端部202及び遠位端部204を含み、略円筒形状を形成することができる。スパイン22は、スパイン22が接続され得る近位ハブ220aと遠位ハブ220bとの間に延在し得る。遠位端部204は、略平面状部分225を含むことができる。本明細書でより詳細に説明されるように、バスケットアセンブリ28は、スパイン22上に形成された複数の電極26を含むことができる。バスケットアセンブリ28の円筒形状に起因して、本明細書に説明される医療用プローブ200は、平面状組織(例えば、心臓の略平面状表面)及び丸みを帯びた組織場所(例えば、肺静脈)の両方のマッピング並びに/又はアブレーションのために構成され得る。このようにして、医療用プローブ200は、異なるエンドエフェクタ形状を有する複数のカテーテルの使用を必要とせずに、単一の処置で臓器の複数の表面のマッピング及び/又はアブレーションを行うように構成することができる。平面状部分225は、例えば、略平面状組織のマッピング及び/又はアブレーションのために構成されている、その上に配置された複数の電極26を有することができ、バスケットアセンブリ28の円筒形構造体の側面は、略円形組織場所のマッピング及び/又はアブレーションのために構成されている、その上に配置された複数の電極26を含むことができる。電極26は、例えば、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)のためのパルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルトのピーク電圧を有する。
【0037】
バスケットアセンブリ28は、生体適合性材料の平面状シート又は生体適合性材料の円筒状原料から形成され得る。例えば、スパイン22は、生体適合性材料に切断され得、次いで、バスケットアセンブリ28は、熱硬化によって、又は別様にスパイン22に円筒形状を保持させることによって、円筒形状に形成され得る。生体適合性材料は、ニチノール、ステンレス鋼、コバルトクロム、ポリマー材料、又は他の好適な材料を含むがこれらに限定されない、任意の好適な種類の生体適合性材料であり得る。
【0038】
図4Aは、本開示の技術による、医療用プローブ200のスパイン22を示す概略描画図である。理解されるように、バスケットアセンブリ28は、互いに接続されたいくつかのスパイン22から作製され得る。各スパイン22は、
図4Aに図示されるものと同様の曲線形状又はパターンを有することができる。
図4Bに示されるように、いくつかのスパイン22を互いに接続して、スパインのアレイを形成することができる。アレイのいずれかの端部におけるスパイン22は、互いに接続されて略円筒形状を形成することができる、接続点460を含むことができる。スパイン22は、近位部材420及び遠位部材440を含むことができる。近位部材420を近位ハブ220aに接続することができ、遠位部材440を遠位ハブ420bに接続して、
図2~
図3Bに示される略円筒形状のバスケットアセンブリ28を形成することができる。
【0039】
図4Aに示されるように、図の左から右に移動すると、スパイン22は、ここで説明されるように近位ハブ220aに取り付けられるように構成され得る近位部材420を含むことができる。スパイン22は、近位部材420に取り付けられ、かつ近位部材420から外向きに分岐することができる、第1の分岐曲線部材422a及び第2の分岐曲線部材422bを更に含むことができる。各分岐曲線部材422a、422bは、第1の蛇行部材424a、424b及び第2の蛇行部材426a、426bに取り付けることができ、これらは各々、
図4Aに示されるような繰り返しパターンを有する形状を形成することができる。第1の蛇行部材424a、424b及び第2の蛇行部材426a、426bは、例えば、それぞれの第1の分岐曲線部材422a及び第2の分岐曲線部材422bと、第1の収束曲線部材442a及び第2の収束曲線部材442bとの間で略遠位に延在する略正弦波パターンを形成することができる。パターンは、それぞれの第1及び第2の分岐曲線部材422a、422bとそれぞれの第1及び第2の収束曲線部材442a、442bとの間で1回だけ繰り返すことができるか、又はパターンは複数回繰り返すことができる。例えば、パターンは、1回、2回、3回(
図4Aに示されるように)、4回、5回、10回、20回、又は特定の構成に好適であるとされる任意の他の回数繰り返すことができる。各蛇行部材424a、424b、426a、426bは、
図4Aに示されるように、略湾曲ターンを有することができる。代替的に、各蛇行部材424a、424b、426a、426bは、略角度の付いた又は正方形のターンを有することができる。第1の収束曲線部材442a及び第2の収束曲線部材442bは各々、遠位部材440に向かって収束し、それに取り付けられることができる。
【0040】
スパイン22は、
図4Aに示されるように、第2の蛇行部材426aと第1の蛇行部材424bとが接触する交点428で接続することができる。このようにして、スパイン22は、一体構造を形成し、構造的に強化することができる。交点428は、スパイン22の中心線23とほぼ一致して位置決めすることができる。
【0041】
スパイン22は、スパイン22の部分の間の場所に様々なセルを画定することができる。示されるように、近位セル430は、第1及び第2の分岐曲線部材422a、422bと、第2の蛇行部材426a及び第1の蛇行部材424bとの間に位置決めされ得る。同様に、遠位セル450は、第2の蛇行部材426a及び第1の蛇行部材424bと、第1及び第2の収束曲線部材442a、442bとの間に位置決めすることができる。更に、中間セル432は、第1及び第2の蛇行部材424a、426aと、第1及び第2の蛇行部材424b、426bとの間に位置決めすることができる。
【0042】
図4Aに示されるように、スパイン22は、各部材の間の様々な交点又は点においてスパイン22に取り付けられた複数の電極26を有することができる。例えば、電極26は、近位部材420と、第1及び第2の分岐曲線部材422a、422bとの間の点でスパイン22に取り付けることができる。電極26は、それぞれの第1及び第2の分岐曲線部材422a、422bとそれぞれの第1及び第2の蛇行部材424a、424b、426a、426bとの間の場所に位置決めすることができる。電極26は、第1及び第2の蛇行部材424a、426aと、第1及び第2の蛇行部材424b、426bとの間に位置決めすることができる。電極26は、それぞれの第1及び第2の蛇行部材424a、424b、426a、426bとそれぞれの収束曲線部材442a、442bとの間に位置決めすることができる。電極は、収束曲線部材442a、442bと遠位部材440との間の点でスパインに取り付けることができる。
【0043】
図4B及び
図4Cは、本開示の技術の例による、互いに接続された複数のスパイン22の概略描画図である。スパイン22は、バスケット28を形成するために互いに接続され得る。示されるように、隣接するスパイン22は、隣接する第1及び第2の蛇行部材424a、426bが接触する点429で互いに接続され得る。理解されるように、スパイン22は、生体適合性材料の単一シートから切断することができる。したがって、点429は、生体適合性材料のシートが切断されなかった場所であり得る。換言すれば、スパイン22は、個々に切断され、次いで、後に点420で一緒に接続されるのではなく、連続材料として全て一緒に形成することができる。代替的に、スパイン22を個々に切断し、次いで、点420で互いに接続することができる。更に、理解されるように、点429及び交点428は、スパイン22上又はスパイン22の間のそれらの位置を除いて、実質的に同様であり得る。
【0044】
示されるように、組み立てられたスパイン22のいずれかの端部におけるスパイン22は、組み立てられたスパイン22の端部を一緒に接続して、略円筒形状のバスケットアセンブリ28を形成するために使用され得る、接続点460を含むことができる。例えば、スパイン22は全て、生体適合性平面状材料シートから一緒に切断され得、次いで、接続点460は、バスケットアセンブリ28を形成するように、互いに整列され、接続され得る。
【0045】
図4Bに示されるように、スパイン22は、個々のスパイン22ごとに単一の近位部材420及び遠位部材440のみを含むことができるか、又は
図4Cに示されるように、スパイン22は、各スパイン22に取り付けられた2つ以上の近位部材420及び遠位部材440を含むことができる。したがって、
図4Cに示される例では、点429に加えて、隣接するスパインは、追加の近位部材420及び遠位部材440、並びに隣接する分岐曲線部材422a、422b及び隣接する収束曲線部材442a、442bを介して、互いに接続することができる。
【0046】
図5Aは、本開示の技術による、圧潰形態の複数のスパイン22の概略描画図であり、
図5Bは、本開示の技術による、拡張形態の複数のスパイン22の概略描画図である。先で説明されるように、スパイン22は、生体適合性平面状材料シートから切断することができる。材料の無駄を低減するために、スパイン22は、
図5Aに示される形態に切断され、次いで、
図5Bに示されるアレイを形成するように延伸又は拡張され得る。
【0047】
図6Aは、本開示の技術による、拡張形態のバスケットアセンブリ28の側面図を示す概略描画図であり、
図6Bは、本開示の技術による、バスケットアセンブリ28上の電極26の詳細図である。
図6Bに示されるように、電極26は、スパイン22上に直接形成することができる。電極26は、例えば、真空蒸着を使用してスパイン上に直接形成することができる。真空蒸着は、物理的蒸着、化学的蒸着、又は原子層蒸着を挙げることができるが、これらに限定されない。蒸着の場合、ニチノールの層を蒸着させ、続いて薄い絶縁層を蒸着させ、次いで、伝導性トレース及び電極層を蒸着させることができる。理解されるように、真空蒸着を使用してスパイン22上に直接電極を形成することによって、本開示の技術は、スパインから分離した電極を形成し、次いで、後でスパイン上に電極を組み立てることに関連する複雑さ及び誤差の多くを低減又は排除することができる。いくつかの例では、電極26は、リソグラフィ法、スパッタリング法(例えば、スピンコーティング、直接描画スパッタリング、又はスパッタコーティング)、印刷(例えば、3D印刷)、電着、又はフォトリソグラフィによってバスケットアセンブリに形成することができる。
【0048】
スパイン22は、真空蒸着を使用してスパイン22上に同様に直接形成することができる電気リード620を更に含むことができる。電気リード620は、スパイン22上の様々な場所に分配された個々の電極26に電気的に接続することができる。電気リード620は、スパインの長さに沿って近位ハブ220まで延在することができ、そこで電気リード620は、マッピング及び/又はアブレーションのための信号又は電気パルスを送信及び/又は受信するために、医療用プローブ17のワイヤに電気的に接続することができる。
【0049】
バスケットアセンブリ28は、スパイン22の第1の側に電極26を、スパイン22の第2の側に(
図6Bのスパイン22の下側に)基準電極627を含むことができる。基準電極627は、器官内の血液又は他の流体を通して伝導される遠距離場信号を受信するように構成され得る。理解されるように、基準電極627によって検出された遠距離場信号は、コンピュータ(例えば、PIU 30)によって受信かつ処理され、電極26から受信された信号を基準電極627から受信された信号と比較して、マッピングのために受信された信号が組織を通る心電信号を表すことを確実にすることができる。基準電極は、組織に接触している電極に直接隣接する流体及び/又は血液からの電気信号を測定するように構成されている。したがって、基準電極は、接触組織から絶縁され、結果として収集される信号は、非局所遠距離場信号である。この基準電極からの情報を使用して、隣接する組織接触電極からの遠距離場信号を相殺して、組織接触電極が局所情報のみを収集することを確実にすることができる。
【0050】
図7は、本開示の技術による、医療用プローブを製造する方法700のフローチャートである。方法700は、例えば、生体適合性平面状材料シート又は円筒状原料からスパインアセンブリを形成すること(工程702)を含むことができる。例えば、真空蒸着を使用して、方法700は、スパインアセンブリの表面上に電極を形成すること(工程704)と、スパインアセンブリ上に電気リードを形成すること(706)と、を含むことができる。方法700は、スパインアセンブリの両端部を互いに取り付けて、円筒形バスケットアセンブリを形成すること(工程708)を含むことができる。方法700は、円筒形バスケットアセンブリをチューブ状シャフトに取り付けて、略円筒形状の医療用プローブを形成すること(工程710)を更に含むことができる。理解されるように、ここで説明した方法700は、本明細書で説明した先の例のいずれかを含むことができる。
【0051】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:エンドエフェクタのための構造ユニットであって、長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、各分岐曲線部材は、構造ユニットが複数の蛇行部材を備えるように、長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、構造ユニット。
【0052】
条項2:複数の分岐曲線部材が、2つの分岐曲線部材を備える、条項1に記載の構造ユニット。
【0053】
条項3:複数の蛇行部材が、4つの蛇行部材を備える、条項1又は2に記載の構造ユニット。
【0054】
条項4:複数の収束曲線部材が、2つの収束曲線部材を備える、条項1~3のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0055】
条項5:複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、条項1~4のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0056】
条項6:構造ユニットに取り付けられた複数の電極を更に備える、条項1~5のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0057】
条項7:複数の電極が、近位部材と複数の分岐曲線部材との間に配置された第1の電極を含む、条項6に記載の構造ユニット。
【0058】
条項8:複数の電極が、複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材の間に配置された1つ又は2つ以上の電極を含む、条項6又は7に記載の構造ユニット。
【0059】
条項9:複数の電極のうちの各電極が、構造ユニット上に直接真空蒸着によって形成されている、条項6~8のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0060】
条項10:真空蒸着が、物理的蒸着を含む、条項9に記載の構造ユニット。
【0061】
条項11:真空蒸着が、化学的蒸着を含む、条項9に記載の構造ユニット。
【0062】
条項12:構造ユニットに取り付けられた基準電極を更に備える、条項6~11のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0063】
条項13:基準電極が、複数の電極のうちの1つの電極に近接して位置決めされている、条項12に記載の構造ユニット。
【0064】
条項14:構造ユニットが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、条項1~13のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0065】
条項15:弾性平面状材料シートから形成されている、条項1~14のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0066】
条項16:平面状材料シートが、ニチノールを含む、条項15に記載の構造ユニット。
【0067】
条項17:医療用プローブのためのエンドエフェクタであって、互いに接続され、かつ略円筒形構造体を形成する、複数の構造部材を備え、複数の構造部材のうちの各構造部材が、長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、各分岐曲線部材は、構造部材が複数の蛇行部材を備えるように、長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、エンドエフェクタ。
【0068】
条項18:エンドエフェクタが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、条項17に記載のエンドエフェクタ。
【0069】
条項19:複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、条項17又は18に記載のエンドエフェクタ。
【0070】
条項20:略円筒形構造体に取り付けられた複数の電極を更に備える、条項17~19のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0071】
条項21:複数の電極が、近位部材と複数の分岐曲線部材との間に配置された第1の電極を含む、条項20に記載のエンドエフェクタ。
【0072】
条項22:複数の電極が、複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材の間に配置された1つ又は2つ以上の電極を含む、条項20又は21に記載のエンドエフェクタ。
【0073】
条項23:複数の電極のうちの各電極が、略円筒形構造体上に直接真空蒸着によって形成されている、条項20~22のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0074】
条項24:真空蒸着が、物理的蒸着を含む、条項23に記載のエンドエフェクタ。
【0075】
条項25:真空蒸着が、化学的蒸着を含む、条項23に記載のエンドエフェクタ。
【0076】
条項26:略円筒形構造体に取り付けられた基準電極を更に備える、条項20~25のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0077】
条項27:基準電極が、複数の電極のうちの1つの電極に近接して位置決めされている、条項26に記載のエンドエフェクタ。
【0078】
条項28:構造ユニットが、弾性平面状材料シートから形成されている、条項17~27のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0079】
条項29:平面状材料シートが、ニチノールを含む、条項28に記載のエンドエフェクタ。
【0080】
条項30:各構造部材上に形成された1つ又は2つ以上の電気トレースを更に備え、各電気トレースが、複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続されている、条項20~29のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0081】
条項31:複数の基準電極を更に備え、複数の基準電極のうちの各基準電極が、複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、複数の構造部材のうちのそれぞれの構造部材に、複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対のそれぞれの構造部材の側で取り付けられる、条項30に記載のエンドエフェクタ。
【0082】
条項32:円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、電磁コイルが、位置感知のための磁場を検出するように構成されている、条項17~31のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0083】
条項33:複数の構造部材が、略円筒形構造体の遠位端部において遠位ハブに接続される、条項17~32のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0084】
条項34:遠位ハブが、略円筒形構造体の遠位端部の近位に位置決めされている、条項33に記載のエンドエフェクタ。
【0085】
条項35:エンドエフェクタのための構造ユニットであって、長手方向軸に沿って延在する近位部材と、近位部材の遠位端部に接続された第1の分岐曲線部材と、近位部材の遠位端部に接続された第2の分岐曲線部材と、第1の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第1の蛇行部材と、第1の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第2の蛇行部材と、第2の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第3の蛇行部材と、第2の分岐曲線部材の遠位端部に接続された第4の蛇行部材と、第1の収束曲線部材であって、第1の蛇行部材及び第2の蛇行部材が、第1の収束曲線部材に接続されている、第1の収束曲線部材と、第2の収束曲線部材であって、第3の蛇行部材及び第4の蛇行部材が、第2の収束曲線部材に接続されている、第2の収束曲線部材と、第1の収束曲線部材及び第2の収束曲線部材に接続された遠位部材と、構造ユニット。
【0086】
条項36:第1の蛇行部材が、第2の蛇行部材に更に接続される、条項35に記載の構造ユニット。
【0087】
条項37:第2の蛇行部材が、第1の蛇行部材及び第3の蛇行部材に更に接続される、条項35又は36に記載の構造ユニット。
【0088】
条項38:第3の蛇行部材が、第2の蛇行部材及び第4の蛇行部材に更に接続される、条項35~37のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0089】
条項39:第4の蛇行部材が、第3の蛇行部材に更に接続される、条項35~38のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0090】
条項40:構造ユニットに接続された電極を更に含む、条項35~39のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0091】
条項41:電極が、近位部材と、第1の分岐曲線部材と、第2の分岐曲線部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0092】
条項42:電極が、第1の分岐曲線部材と、第1の蛇行部材と、第2の蛇行部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0093】
条項43:電極が、第2の分岐曲線部材と、第3の蛇行部材と、第4の蛇行部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0094】
条項44:電極が、第1の蛇行部材と第2の蛇行部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0095】
条項45:電極が、第1の蛇行部材と、第2の蛇行部材と、第1の収束曲線部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0096】
条項46:電極が、第3の蛇行部材と、第4の蛇行部材と、第2の収束曲線部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0097】
条項47:電極が、第1の収束曲線部材と、第2の収束曲線部材と、遠位部材との間に位置決めされている、条項40に記載の構造ユニット。
【0098】
条項48:医療用プローブを構築する方法であって、平面状材料シートから複数のスパインを形成することと、真空蒸着によって平面状材料シート上に複数の電極を形成することと、平面状材料シート上に複数の電気トレースを形成することであって、複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続される、形成することと、平面状材料シートの両端部を互いに接続して、円筒形構造体を形成することと、を含む、方法。
【0099】
条項49:平面状材料シートが、ニチノールを含む、条項48に記載の方法。
【0100】
条項50:円筒形構造体が、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、条項48又は49に記載の方法。
【0101】
条項51:円筒形構造体が、実質的に平面状の遠位部分を含む、条項48~50のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0102】
条項52:真空蒸着が、物理的蒸着を含む、条項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【0103】
条項53:真空蒸着が、化学的蒸着を含む、条項48~51のいずれか一項に記載の方法。
【0104】
条項54:複数のスパインのうちの各スパインが、曲線スパインを備える、条項48~53のいずれか一項に記載の方法。
【0105】
条項55:各電極が、複数のスパインのうちの2つの隣接するスパインの間の交点に位置決めされている、条項48~54のいずれか一項に記載の方法。
【0106】
条項56:基準電極を円筒形構造体に取り付けることを更に含む、条項48~55のいずれか一項に記載の方法。
【0107】
条項57:複数の電極のうちの1つの電極に近接して基準電極を位置決めすることを更に含む、条項56に記載の方法。
【0108】
条項58:複数の基準電極を円筒形構造体に取り付けることを更に含み、複数の基準電極のうちの各基準電極が、複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対のそれぞれのスパインの側で取り付けられる、条項57に記載の方法。
【0109】
条項59:電磁コイルを円筒形構造体に取り付けることを更に含み、電磁コイルが、位置感知のための磁場を検出するように構成されている、条項48~58のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
条項60:複数のスパインが、円筒形構造体の遠位端部において遠位ハブに収束する、条項48~59のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
条項61:遠位ハブが、円筒形構造体の遠位端部の近位に位置決めされている、条項60に記載の方法。
【0112】
条項62:複数の電極のうちの少なくとも1つが、患者の心臓内の電気信号をマッピングするように構成されている、条項48~61のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
条項63:複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、患者の心臓内の組織をアブレーションするように構成されている、条項48~62のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
条項64:少なくとも1つの電極が、円筒形構造体の遠位端部に位置決めされている、条項63に記載の方法。
【0115】
条項65:複数の電極のうちの1つ又は2つ以上の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(volt、V)のピーク電圧を有する、条項63に記載の方法。
【0116】
上で説明される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び説明されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまでに説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0117】
〔実施の態様〕
(1) エンドエフェクタのための構造ユニットであって、
長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、前記近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、
各分岐曲線部材は、前記構造ユニットが複数の蛇行部材を備えるように、前記長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、前記複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、
前記複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、構造ユニット。
(2) 前記複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、実施態様1に記載の構造ユニット。
(3) 前記構造ユニットに取り付けられた複数の電極を更に備える、実施態様1に記載の構造ユニット。
(4) 前記複数の電極が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材の間に配置された1つ又は2つ以上の電極を含む、実施態様3に記載の構造ユニット。
(5) 前記構造ユニットが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、実施態様1に記載の構造ユニット。
【0118】
(6) 医療用プローブのためのエンドエフェクタであって、
互いに接続され、かつ略円筒形構造体を形成する、複数の構造部材を備え、前記複数の構造部材のうちの各構造部材が、
長手方向軸に沿って延在する近位部材であって、前記近位部材が、複数の分岐曲線部材を画定し、
各分岐曲線部材は、前記構造部材が複数の蛇行部材を備えるように、前記長手方向軸に沿って延在する2つの蛇行部材を画定し、前記複数の蛇行部材の各々が、複数の収束曲線部材のうちのそれぞれの収束曲線部材に接続されている、近位部材と、
前記複数の収束曲線部材に接続された遠位部材と、を備える、エンドエフェクタ。
(7) 前記エンドエフェクタが、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記複数の蛇行部材のうちの各蛇行部材が、前記複数の蛇行部材のうちの隣接する蛇行部材に接続されている、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記略円筒形構造体に取り付けられた複数の電極を更に備える、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(10) 前記複数の電極が、前記近位部材と前記複数の分岐曲線部材との間に配置された第1の電極を含む、実施態様9に記載のエンドエフェクタ。
【0119】
(11) 前記複数の電極のうちの各電極が、前記略円筒形構造体上に直接真空蒸着によって形成されている、実施態様9に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記略円筒形構造体に取り付けられた基準電極を更に備える、実施態様9に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記基準電極が、前記複数の電極のうちの1つの電極に近接して位置決めされている、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(14) 各構造部材上に形成された1つ又は2つ以上の電気トレースを更に備え、各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続されている、実施態様9に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記略円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、前記電磁コイルが、位置感知のために磁場を検出するように構成されている、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
【0120】
(16) 医療用プローブを構築する方法であって、
平面状材料シートから複数のスパインを形成することと、
真空蒸着によって前記平面状材料シート上に複数の電極を形成することと、
前記平面状材料シート上に複数の電気トレースを形成することであって、前記複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に接続される、形成することと、
前記平面状材料シートの両端部を互いに接続して、円筒形構造体を形成することと、を含む、方法。
(17) 前記円筒形構造体が、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記複数のスパインのうちの各スパインが、曲線スパインを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 各電極が、前記複数のスパインのうちの2つの隣接するスパインの間の交点に位置決めされる、実施態様16に記載の方法。
(20) 複数の基準電極を前記円筒形構造体に取り付けることを更に含み、前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、前記複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対の前記それぞれのスパインの側で取り付けられる、実施態様19に記載の方法。
【外国語明細書】