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特開2024-96089分節されたスパインストラットを結合するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096089
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】分節されたスパインストラットを結合するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222401
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,988
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/512,645
(32)【優先日】2023-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・ジェンキンス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
(72)【発明者】
【氏名】イシャン・カーン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK06
4C160KK07
4C160KK17
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK39
4C160KK57
4C160KK63
(57)【要約】
【課題】分節されたスパインを提供すること。
【解決手段】開示される技術は、第1の電極と、第1のスパインストラットと、第2のスパインストラットと、を備える、分節されたスパインを含む。第1のスパインストラットは、第1の電極と結合するように構成された第1の取り付け点を備える。第2のスパインストラットは、第1の電極と結合するように構成された第2の取り付け点を備える。第1のスパインストラット及び第2のスパインストラットは、遠位保持ハブ又は管状シャフトと係合するように構成された追加の取り付け点を備えることができる。取り付け点は、複数のスパインストラットがそれぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分節されたスパインであって、
第1の電極と、
前記第1の電極と結合するように構成された第1の取り付け点を備える第1のスパインストラットと、
前記第1の電極と結合するように構成された第2の取り付け点を備える第2のスパインストラットと、を備える、分節されたスパイン。
【請求項2】
前記第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、請求項1に記載の分節されたスパイン。
【請求項3】
前記第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第4の取り付け点を更に備える、請求項1に記載の分節されたスパイン。
【請求項4】
前記第1のスパインストラットの前記第1の取り付け点及び前記第2のスパインストラットの前記第2の取り付け点は、前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットが前記それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、請求項1に記載の分節されたスパイン。
【請求項5】
第2の電極と、
前記第2の電極と係合するように構成された第5の取り付け点を備える第3のスパインストラットと、
前記第2の電極と係合するように構成された第6の取り付け点を備える第4のスパインストラットと、を更に備える、請求項1に記載の分節されたスパイン。
【請求項6】
前記第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第7の取り付け点を更に備え、前記第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第8の取り付け点を更に備える、請求項5に記載の分節されたスパイン。
【請求項7】
前記第3のスパインストラットの前記第5の取り付け点及び前記第4のスパインストラットの前記第6の取り付け点は、前記第3のスパインストラット及び前記第4のスパインストラットが前記それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、請求項5に記載の分節されたスパイン。
【請求項8】
複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、請求項1に記載の分節されたスパイン。
【請求項9】
拡張可能なバスケットアセンブリであって、
長手方向軸の周りに配置され、かつ互いに結合された複数の分節されたスパインを備え、前記複数の分節されたスパインの各々が、
前記長手方向軸に沿って配置された第1の電極と、
前記第1の電極に結合された第1のスパインストラットと、
前記第1の電極に結合された第2のスパインストラットと、を備える、拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第2の取り付け点を更に備え、前記第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、請求項9に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットの第1の取り付け点は、前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットが前記第1の取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の分節されたスパインの各々が、
第2の電極と、
第3のスパインストラットと、
第4のスパインストラットと、を更に備え、
前記第3のスパインストラット及び前記第4のスパインストラットが、前記第2の電極と係合するように構成された第4の取り付け点を各々備える、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項14】
前記第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第5の取り付け点を更に備え、前記第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第6の取り付け点を更に備える、請求項13に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項15】
前記複数の分節されたスパインが、前記複数の分節されたスパインの各々の遠位部分を中心スパイン交差部に保持するために、互いに嵌合するように構成されたれた第1の部分及び第2の部分を形成するように構成されている、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項16】
管状シャフトの前記遠位端部に近接して配置されたスパイン保持ハブを更に備え、前記スパイン保持ハブは、複数のレリーフランドを含む円筒形部材を備え、前記レリーフランドは、前記円筒形部材の外面に配置されて、各スパインストラットが前記レリーフランド内に収まること及び前記レリーフランド内に保持されることを可能にし、前記スパイン保持ハブが、前記スパイン保持ハブの遠位部分に配置された少なくとも1つの電極を更に備える、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項17】
前記複数の分節されたスパインが、スパインループを備え、各スパインループが、遠位ループと、前記管状シャフトと前記スパイン保持ハブの前記レリーフランドのうちの1つとの間に固定された2つの端部と、を含む、単一の一体型ループを備え、前記遠位ループが、前記遠位保持ハブ内で重なり合っている、請求項16に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項18】
前記遠位保持ハブが、
第1の部分及び/又は第2の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の突起であって、前記複数の分節されたスパインが、前記2つ又は3つ以上の突起間に形成された経路内に収まっている、2つ又は3つ以上の突起と、
前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの反対の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の窪みであって、前記窪みが、前記第1の部分を前記第2の部分にクランプするために前記突起に係合する、2つ又は3つ以上の窪みと、を更に備える、請求項17に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項19】
各電極が、1つ又は2つ以上のワイヤが管腔に隣接して延在することを可能にするように、前記管腔に隣接するワイヤレリーフを備え、前記管腔が、各電極の長手方向軸の周りに対称的に配置されている、請求項18に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【請求項20】
それぞれの電極に各々電気的に接合された複数のワイヤを更に備え、
前記複数のワイヤのうちの前記ワイヤの少なくとも一部がそれぞれ、複数のストランドと、前記複数のストランドを囲繞する絶縁ジャケットと、を備え、
前記複数のストランドのうちの各ストランドがそれぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、前記第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料と、を含み、前記導電性カバー材料が、前記導電性コア材料を囲繞する、請求項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月30日に出願された先願の米国特許仮出願第63/477,988号の利益を主張するものであり、米国特許仮出願は、本明細書に完全に記載されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療用デバイスに関し、具体的には、電極を有するカテーテルに関し、更に、排他的ではないが、複数の分節されたスパインストラットを取り付け点において電極に結合することに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。医療用プローブは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱し得る。いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端を管状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインに接着し、次いで、複数の線形スパインから球形バスケットを形成することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。したがって、必要とされているのは、バスケットアセンブリ及び代替的なバスケットアセンブリの構造全般の製造に要する時間の短縮に役立ち得る、改善されたバスケットアセンブリを形成するデバイス及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
医療用プローブ及び関連する方法の種々の実施形態を説明及び例解する。医療用プローブは、管状シャフト及び拡張可能なバスケットアセンブリを含み得る。管状シャフトは、近位端部及び遠位端部を有することができる。管状シャフトは、長手方向軸に沿って延在する。拡張可能なバスケットアセンブリは、管状シャフトの遠位端に近接して位置付けられ得る。バスケットアセンブリは、スパインセクション及び中心スパイン交差部を含む構造体と、ループ保持ハブと、1つ又は2つ以上の電極と、を含むことができる。中心スパイン交差部は、バスケットアセンブリの遠位端において長手方向軸上に位置付けられ得る。各スパインセクションは、管状シャフトの遠位端に接続された少なくとも1つの端部を有することができる。ループ保持ハブは、互いに嵌合して、スパインセクションの各々の遠位部分を中心スパイン交差部に保持するように構成されている第1の部分及び第2の部分を含むことができる。電極は、スパインセクションの各々に結合させることができる。各電極は、電極を通る管腔を画定することができ、スパインセクションが1つ又は2つ以上の電極の各々の管腔を通って延在する。スパインセクション又は分節されたスパインストラットは、取り付け点において電極の各々に結合させることができる。取り付け点は、分節されたスパインストラットが各それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による、医療用プローブを含む医療用システムの概略描画例解図であり、医療用プローブの遠位端部は電極が一緒に結合されたバスケットアセンブリを有している。
図2】本発明の一実施形態による、拡張可能なバスケットアセンブリの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による、反転した拡張可能なバスケットアセンブリの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、拡張可能なバスケットアセンブリの斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による、反転した拡張可能なバスケットアセンブリの斜視図である。
図6】本発明の実施形態による、折り畳まれた形態にあるバスケットアセンブリの側面図である。
図7A】本発明の一実施形態による、医療用プローブの分解側面図である。
図7B】本発明の一実施形態による、医療用プローブの分解側面図である。
図8】本発明の一実施形態による、拡張形態にある医療用プローブの斜視図である。
図9A】本発明の実施形態による、所与の医療用デバイスのスパインループの側面図である。
図9B】本発明の実施形態による、所与の医療用デバイスのスパインループの側面図である。
図10A】本発明の一実施形態による、ループ保持ハブの側面図である。
図10B】本発明の一実施形態による、ループ保持ハブの側面図である。
図11A】本発明の一実施形態による、様々なループ保持ハブ係止機構の上面図である。
図11B】本発明の一実施形態による、様々なループ保持ハブ係止機構の上面図である。
図11C】本発明の一実施形態による、様々なループ保持ハブ係止機構の上面図である。
図12A】本発明の一実施形態による、自己拡張型バスケットアセンブリのループ保持ハブの斜視図である。
図12B】本発明の一実施形態による、作動式拡張型バスケットアセンブリのループ保持ハブの斜視図である。
図13A】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13B】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13C】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13D】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13E】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13F】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13G】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13H】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13I】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図13J】本発明の実施形態による、様々な例示的な電極の斜視図である。
図14】本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリを組み立てる方法を例解するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。この説明は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0008】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0009】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、オペレータ又は医師により近い方の位置を示す一方、「遠位」は、オペレータ又は医師からより遠い位置を示す。
【0010】
本明細書で考察されるように、「オペレータ」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0011】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むが、これらに限定されない、特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0012】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けされた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0013】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0014】
本明細書で考察されるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有し得る。
【0015】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0016】
本開示は、取り付け点においてスパインストラットに結合された電極を備える分節されたスパインを利用するシステム、方法又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成されている。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化することができる。
【0017】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0018】
本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで既知である起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0019】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(reversable)(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発することができる。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0020】
次に、上で考察されるようなIREが可能な医療用プローブの製造及び構築について考察する。医療用プローブのバスケットアセンブリは、特に拡張されたときに外傷を与える形状を有する可能性がある。追加的に、バスケットの切断及び電流電極の設置も複雑になる可能性がある。これらの設置の問題を克服するために、様々なサイズ及び複数の形状のバスケットアセンブリの形成も可能にする解決策が必要である。
【0021】
本開示の解決策は、バスケットアセンブリを構築するためのシステム及び方法を含む。複数のスパインストラットを取り付け点において電極と一緒に結合することによって、上で提示されるような製造及び設置の問題を回避することができる。取り付け点を用いて一緒に容易に結合することができるバスケットアセンブリは、異なるサイズのスパインストラットが一緒に結合される様々なサイズのバスケットアセンブリの形成を可能にする。取り付け点はまた、スパインストラットが取り付け点の周りで回転して、複数のスパインとともに様々な形状を形成することを可能にする。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ16と、患者インターフェースユニット30と、を含む医療用システム10の概略描画図である。医療用システム10は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ16は、患者23の心臓12においてアブレーション処置を実行するためなど、診断治療又は治療処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ16は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用され得る。
【0023】
医療用プローブ16は、複数の分節されたストラット22と、管状シャフトの近位端部に結合された電極26と、を含む。医療処置の間、医療専門家24は、医療用プローブの遠位端部85が心臓12の室などの体腔に入るように、患者23の血管系を通して医療用プローブ16を挿入することができる。遠位端部85が心臓12の室に入ると、医療専門家24は、医療用プローブ16の遠位端部85に接近するバスケットアセンブリ38を展開させることができる。バスケットアセンブリ38は、以下の図2図6を参照する説明において説明されるように、複数の分節されたストラット22に取り付けられた複数の電極26を含むことができる。不可逆的エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家24は、電極26が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドルを操作して遠位端部85を位置付けることができる。電極26が心臓組織に係合するように遠位端部85を位置付けると、医療専門家24は、電気パルスが電極26によって送達されてIREアブレーションを行うように、医療用プローブ16を作動させることができる。
【0024】
医療用プローブ16は、ガイドシースと、治療用カテーテルと、を含むことができ、ガイドシースは、可撓性挿入管と、ハンドルと、を含み、治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38と、電極26と、管状シャフト84と、を含む(図2図5を参照)。治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38が心臓12内に位置付けられるように、ガイドシースを通って並進する。医療用プローブ16の遠位端部85は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入管内に収容されているときにガイドシースの遠位端部に一致し、医療用プローブ16の遠位端部85は、バスケットアセンブリ38がガイドシースの遠位端部から延在しているときにバスケットアセンブリ38の遠位端部に一致する。代替的に、医療用プローブ16は、当業者によって理解されるように、治療用カテーテル上の第2のハンドルと、他の特徴と、を含むように構成することができる。
【0025】
図1に示される構成では、患者インターフェースユニット30は、ケーブルによって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者23に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。患者インターフェースユニット30は、位置センサ29と連動して、心臓12内の遠位端部85の位置座標を判定するプロセッサを含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて判定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチとバスケットアセンブリ38に取り付けられている電極26との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。医療処置中に位置センサとして使用されることに加えて、電極26は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0026】
これまでに説明されるように、位置センサ29と連動して、プロセッサは、接着性皮膚パッチと電極26との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓12内の遠位端部85の位置座標を判定し得る。このような判定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示される実施形態は、好ましくは、心臓12内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように構成されている電極26を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極26を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓12内の組織に送達するように構成されている電極26であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者23の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は判定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0027】
プロセッサは、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路と、それに続くアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路52と、を含み得る。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家24がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路構成要素及び回路並びにモジュールの特徴を使用する。
【0028】
患者インターフェースユニット30はまた、患者インターフェースユニット30が電極26及び接着性皮膚パッチから信号を転送し、かつ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(input/output、I/O)通信インターフェースを含む。図1に示される構成では、患者インターフェースユニット30は、IREアブレーションモジュールとスイッチングモジュールとを追加的に含む。
【0029】
IREアブレーションモジュールは、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを生成するように構成されている。いくつかの例では、電極26は、少なくとも700ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送達するように構成されている。医療用システム10は、IREパルスを電極26に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム10は、スパイン上の電極26間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム10は、電極26のうちの少なくとも1つと皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0030】
灌注は、血餅形成、停滞血流を低減するために、又は電極を介したアブレーションによって生成される熱を更に低減するために利用されることがある。したがって、システム10は、管状シャフト84(図2図5参照)内のチャネル(図示せず)を介して遠位端部85及び電極26に灌注流体(例えば、生理食塩水)を供給し得る。追加的に又は代替的に、灌注流体は、可撓性挿入管を通して供給することができる。患者インターフェースユニット30は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュールを含む。
【0031】
電極26及び/又は接着性皮膚パッチから受信した信号に基づいて、プロセッサは、患者の体内における遠位端部85の位置を示す電気解剖学的マップ20を生成することができる。処置中、プロセッサは、医療専門家24に対して、ディスプレイ27上にマップ20を提示することができ、電気解剖学的マップ20を表すデータをメモリに記憶することができる。メモリは、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、医療専門家24は、1つ又は2つ以上の入力デバイスを使用して、マップ20を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ27は、マップ20を提示することに加えて、医療専門家24からの入力を受け入れるように構成することができるタッチスクリーンを含み得る。
【0033】
図2は、挿入管の遠位端部85において挿入管管腔(図6を参照)から前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ16の斜視図である。図2に例解される医療用プローブ16は、図1に例解されるガイドシースを欠いている。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ38の遠位端部にループ保持ハブ180によって保持される分節されたストラット22(スパインセクションとしても既知である)を含む。分節されたストラット22は、遠位ループ215(図7A参照)と、管状シャフト84に固定された2つの端部と、を有する、スパインループを含む。管状シャフト84は、長手方向軸86に沿って概ね整合される。分節されたスパイン22は、取り付け点25において電極26に結合されている。図2に例解されるように、ストラット22は、取り付け点25において電極26に結合させることができ、別のストラット22は、別の取り付け点25において同じ電極26に結合させることができる。
【0034】
図3は、挿入管の遠位端部85において挿入管管腔(図6を参照)から前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ16を示している。図2に例解される医療用プローブ16は、図1に例解されるガイドシースを欠いている。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ38の遠位端部にループ保持ハブ180によって保持される分節されたストラット22(スパインセクションとしても既知である)を含む。分節されたストラット22は、遠位ループ215(図7A参照)と、管状シャフト84に固定された2つの端部と、を有するスパインループを含む。管状シャフト84は、長手方向軸86に沿って概ね整合される。分節されたスパイン22は、取り付け点25において電極26に結合されている。図3に例解されるように、ストラット22は、取り付け点25において電極26に結合させることができ、別のストラット22は、別の取り付け点25において同じ電極26に結合させることができる。図3に更に例解されるように、取り付け点25は、ストラット22が取り付け点25の周りを回転して、バスケットアセンブリ38の反転形状を形成することを可能にする。
【0035】
図4は、挿入管の遠位端部85において挿入管管腔(図6を参照)から前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ16の斜視図を例解している。図2に例解される医療用プローブ16は、図1に例解されるガイドシースを欠いている。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ38の遠位端部にループ保持ハブ180によって保持される分節されたストラット22(スパインセクションとしても既知である)を含む。分節されたストラット22は、遠位ループ215(図7A参照)と、管状シャフト84に固定された2つの端部と、を有するスパインループを含む。管状シャフト84は、長手方向軸86に沿って概ね整合される。分節されたスパイン22は、取り付け点25において電極26に結合される。図4に例解されるように、ストラット22は、取り付け点25において電極26に結合させることができ、別のストラット22は、同じ取り付け点25において同じ電極26に結合させることができる。
【0036】
図5は、挿入管の遠位端部85において挿入管管腔(図6を参照)から前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ16の斜視図である。図2に例解される医療用プローブ16は、図1に例解されるガイドシースを欠いている。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ38の遠位端部にループ保持ハブ180によって保持される分節されたストラット22(スパインセクションとしても既知である)を含む。分節されたストラット22は、遠位ループ215(図7A参照)と、管状シャフト84に固定された2つの端部と、を有するスパインループを含む。管状シャフト84は、長手方向軸86に沿って概ね整合される。分節されたスパイン22は、取り付け点25において電極26に結合される。図4に例解されるように、ストラット22は、取り付け点25において電極26に結合させることができ、別のストラット22は、同じ取り付け点25において同じ電極26に結合させることができる。図5に更に例解されるように、取り付け点25は、ストラット22が取り付け点25の周りを回転して、バスケットアセンブリ38の反転形状を形成することを可能にすることができる。
【0037】
図6は、図2図5のバスケットアセンブリ38と同様に構成することができる折り畳まれた形態のバスケットアセンブリ38を示している。バスケットアセンブリ38は、ガイドシースの挿入管内で折り畳まれる。拡張形態(図2図5)では、複数の分節されたストラット22は、半径方向外向きに曲がり、折り畳まれた形態(図6)では、分節されたストラット22は、挿入管の長手方向軸86に概ね沿って配設される。
【0038】
図2図6を参照すると、医療処置中、医療専門家24は、管状シャフト84を挿入管から延在させてバスケットアセンブリ38を挿入管から出させ、拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパインストラット22は、楕円形(例えば、円形)又は矩形(平坦に見える場合がある)の断面を有し得、本明細書でより詳細に説明されるように、分節されたストラット22を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても既知であるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含み得る。
【0039】
本明細書に説明される実施形態では、バスケットアセンブリ38の分節されたストラット22上に位置付けられる1つ又は2つ以上の電極26は、心臓12内の組織にアブレーションエネルギー(RF及び/又はIRE)を送達するように構成することができる。追加的又は代替的に、電極は、バスケットアセンブリ38の位置を判定するため、及び/又は心臓12内の組織上のそれぞれの位置における局所表面電位など生理学的特性を測定するために使用することができる。電極26は、1つ又は2つ以上の電極26のより多くの部分がバスケットアセンブリ38から外向きに面するように付勢することができ、その結果、1つ又は2つ以上の電極26は、内向きよりもバスケットアセンブリ38から離れる方向に外向きに(すなわち、心臓12組織に向かって)より多くの量の電気エネルギーを送達する。
【0040】
電極26を形成するのに理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)が挙げられる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で生成された(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に、次に心臓12内の血液プールに伝導されることが可能になる。
【0041】
図7Aは、図2に例解される医療用プローブ16の分解図である。例解の都合上、電極26は、省略されている。スパインループは、ループ保持ハブ180a内で重なり合う遠位ループ215を含む。スパインループは、管状シャフト84と、管状シャフト84の遠位端部からバスケットアセンブリ38の遠位端部に向かって長手方向に延在するスパイン保持ハブ90のレリーフランド96との間に固定される2つの端部を含む。
【0042】
図7Bは、図2に例解される医療用プローブ16の分解図である。例解の都合上、電極26は、省略されている。スパインセクション214bは各々、ループ保持ハブ180b内に保持されるストッパ218を含む。スパインセクション214bは各々、ストッパ218が回転してバスケットアセンブリ38bを拡張又は収縮させるときにループ保持ハブ180bのスロット183内で長手方向に移動することができる細い遠位部分217を含む。ストッパ218は、ストッパ218がスロット183から出るのを阻止するために、長手方向軸に直交して延在する延長部を有することができる。スパインセクション214bは、近位管216bから遠位に延在する。近位管216b及びスパインセクション214bは、連続的とすることができる。いくつかの実施形態では、スパインセクション214b及び近位管216bは、単一の管から切断することができる。代替的に、スパインセクション214bは、近位端部を有することができる。
【0043】
図2図7Bをまとめて参照すると、医療用プローブ16は、管状シャフト84の遠位端部85に近接して配置されたスパイン保持ハブ90を含むことができる。スパイン保持ハブ90は、管状シャフト84内に挿入され、管状シャフト84に取り付けられ得る。スパイン保持ハブ90は、複数のレリーフランド96と、複数の灌注開口部98と、少なくとも1つのスパイン保持ハブ電極と、を含む円筒形部材94を含むことができる。レリーフランド96は、円筒形部材94の外面上に配置することができ,かつ各スパイン取り付け端部216aなどの各ストラット22の一部分がそれぞれのレリーフランド96内に収まることを可能にするように構成することができる。取り付け端部216は、スパインの略直線状端部とすることができる。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ38がスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、管状シャフト84から外向きに位置付けられるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成することができる。このように、スパイン又は分節されたストラット22は、バスケットアセンブリ38が展開されるときに、バスケットアセンブリ38を管状シャフト84の遠位端部から遠位側に、かつ挿入管の遠位端部から遠位側に位置付けるように構成することができる。レリーフランド96は、好ましくは、医療用プローブ16が、スパインセクションに接合された近位管216bを含む場合には、省略される。
【0044】
上で説明されるように、患者インターフェースユニット30は、可撓性挿入管の遠位端部85に灌注流体を送達する灌注モジュール60を含む。複数の灌注開口部98は、所与の電極26又は心臓12内の組織のいずれかに灌注流体を噴霧するか、又は別様に分散させるように、角度付けることができる。電極26は、灌注流体を送達する灌注開口部98を含まないので、上で説明される構成により、熱を組織から分節されたストラット22bの内側の電極26の部分に伝達することが可能になり(すなわち、アブレーション処置中に)、灌注開口部98を介して分節されたストラット22bの内側の電極26の部分に灌注流体を向けることによって、電極26を冷却することができる。スパイン保持ハブ90の遠位端部に配置されたスパイン保持ハブ90電極は、分節されたストラット22上の電極26と組み合わせて使用することができるか、又は代替的に、基準マッピング若しくはアブレーションのために電極26から独立して使用することができる。
【0045】
図8は、ループ保持ハブ180に近い曲率を有するスパインセクション214cの代替構成の斜視図を例解する。例解されるように、ループ保持ハブ180は、図2に例解されるループ保持ハブ180と同様に構成することができる。更に、例解されるように、スパインセクション214は、ループ保持ハブ180内に重なり合う遠位ループ215、及び管状シャフト84内に固定することができる2つの端部を各々含むスパインループを含むことができる。代替的に、図2図5に例解されるスパインセクション214は、図8に例解されるスパインセクション214の形状と同様の湾曲を細い遠位部分217に含むように修正することができる。
【0046】
図9A及び図9Bは、スパインセクション214が拡張されるときの所与の医療用デバイス22のバスケットアセンブリ38の外形形状を示している。図9Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、拡張形態にあるとき、ほぼ回転楕円体又は球状形状を形成するように構成することができる。別の例として、図9Bに示されるように、バスケットアセンブリ38は、拡張形態にあるとき、ほぼ楕円形の外形及び扁球形の形状を有することができる。形状の全ての変形例が本明細書に図示又は説明されるわけではないが、当業者には、分節されたストラット22が、特定の用途に好適であるような他の様々な形状を形成するように更に構成することができることが理解されよう。
【0047】
拡張形態時に様々な形状を形成するように構成された分節されたストラット22を含むことによって、バスケットアセンブリ38は、分節されたストラット22に取り付けられた様々な電極26を様々な位置に位置付けるように構成することができ、各位置は、管状シャフト84の遠位端部によりも近い又は遠い。例えば、図9Aに例解されるスパイン214の中間付近でスパイン214取り付けられた電極26は、バスケットアセンブリ38の拡張形態時に、図9Bに例解されるスパイン214よりも管状シャフト84の遠位端部から遠くにある。加えて、各スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は長方形(平坦に見える場合がある)の断面を有し得、可撓性で弾性の材料(例えば、ニッケルチタン(ニチノールとしても既知である)、コバルトクロム、又は任意の他の好適な材料などの形状記憶合金)を含む。
【0048】
上記の例は、挿入管からループ保持ハブ180まで横断する追加のストラット22及び電極26を有することができる。複数のストラット22及び電極26は、バスケットアセンブリ38がサイズを拡張することを可能にする。加えて、ストラット22は、様々な要素と係合するために、共通端部、すなわち、取り付け端部216、取り付け点25、及びストッパ218(以下を参照)を有することができる。共通のストラット22を形成し、電極26と一緒に連続的に結合してバスケットアセンブリ38を形成することができ、バスケットアセンブリ38のサイズを増大させるための製造コストを最小化する。例示的な端部は、スパインの近位端部と遠位端部との両方において同一であり得るか、又は各端部において異なるものであり得るが、取り付け点に対してモジュール式であるように適合する。
【0049】
図10A及び図10Bは、図2図6に例解されるループ保持ハブ180aと同様に構成されたループ保持ハブ180aの側面図を示している。ループ保持ハブ180aは、突起184を含む第1の部分182と、窪み188を含む第2の部分186と、を含む。突起184は、窪み188と係合して、第1の部分182を第2の部分186にクランプする。ループ保持ハブ180aは、第1の部分182と第2の部分186との間にヒンジ189を更に含むことができる。
【0050】
図11A図11Cは、様々なループ保持ハブロック機構184a、184b、184cの上面図を例解している。
【0051】
図11Aは、図10A及び図10Bに例解されるループ保持ハブ180aと同様に構成されたループ保持ハブ180aを例解している。ループ保持ハブ180aは、遠位ループ215が延在する突起184a間の直線経路を画定する三角形の突起184a(及び例解されていない対応する窪み)を含む。遠位ループ215は、中心スパイン交差部で重なり合う。
【0052】
図11Bは、突起184c(及び例解されていない対応する窪み)が、突起184c間の経路を通る遠位ループ215の湾曲に対応する曲率を含む点を除いて、図10A及び図10Bに例解されるループ保持ハブ180aと同様に構成されたループ保持ハブ180cを例解している。ループ保持ハブ180cは、図8に例解されるような曲率を含むスパインセクション214cを保持するのに特に適し得る。各スパインセクション214bの細い遠位部分217は、ループ保持ハブ180cのスロット183を通って延在することができる。
【0053】
図11Cは、図2図7に例解されるループ保持ハブ180bの断面を例解する。ストッパ218は、ループ保持ハブ180b内に位置付けられ、ストッパ218の周囲をクランプされると、ループ保持ハブ180b内に固定される。ストッパ218は、細い遠位部分217を含むスパインセクション214がループ保持ハブ180のスロット183内で長手方向に移動することができるように固定される。
【0054】
図12Aは、図2図7A図10B、及び図11Aに例解されるものと同様に構成された、自己拡張型バスケットアセンブリのループ保持ハブ180aの斜視図である。バスケットアセンブリ38は、図6に関連して説明したように、可撓性挿入管から出ると自己拡張するように構成されている。
【0055】
図12Bは、作動式拡張型バスケットアセンブリ38のループ保持ハブ180aの斜視図である。バスケットアセンブリは、医療用プローブ16が、バスケットアセンブリ38を拡張及び折り畳むために管状シャフト84に対して長手方向軸86に沿って移動可能な中心部材190を更に含むことを除いて、図2図7A図10B、及び図11Aに例解されるものと同様に構成されている。中心部材190は、ループ保持ハブ180aの第2の部分186に取り付けられた遠位端を含むことができる。
【0056】
図2図12Bをまとめて参照すると、スパインセクションが管状シャフト84に挿入されてバスケットアセンブリ38を形成する前に、電極26をスパインセクション214に取り付けることができる。前述のように、分節されたストラット22は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入管から展開されるときにバスケットアセンブリ38がその拡張形態(図2に示されるような)に移行することを可能にすることができる可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても既知であるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含むことができる。本開示の随所で明らかになるように、分節されたストラット22は、電極26から電気的に絶縁されて、電極26からそれぞれのスパインへのアーク放電を防止することができる。
【0057】
いくつかの例では、各電極26は、導電性材料(例えば、金、白金、及びパラジウム(並びにそれらのそれぞれの合金))を含むことができる。図13A図13Jを参照すると、電極26は、電極26a、26bにおいて例として提供するように、様々な断面形状、曲率、長さ、管腔数、及び管腔形状を有することができる。電極26a、26bは、医療用デバイスとともに使用することができる電極26の様々な構成を例解するために提供されているが、限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、電極26の様々構成が、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の技術を用いて使用することができることを理解するであろう。
【0058】
各電極26は、電極26から外向きに面する外面26aと、電極26に向かって内向きに面する内面26bと、を有することができ、少なくとも1つの管腔770が、電極26を通って形成される。管腔770は、スパインが電極26を通過することができるように、スパインを受容するようにサイズ決め及び構成することができる。管腔770は、電極26a~26bを通る対称開口部とすることができ、それぞれの電極の長手方向軸L-Lに対してオフセットして配置することができる。他の例では、管腔770は、それぞれの電極の長手方向軸L-Lに対して概ね横方向に電極26を通過することができる。更に、管腔770は、特定の構成に応じて、電極26内で電極26の下面のより近く、上面のより近く、又は中間のより近くに位置付けられ得る。図13A図13C、及び図13E図13Jにおいて、上面(上側)は、図面の上部に向かって配向されており、下面(下側)は、図面の下部に向かって配向されており、中間は、上面と下面との間である。換言すると、各電極26a~26bは、電極26a~26bの重心に対してオフセットしている管腔770を含むことができる。
【0059】
加えて、図13A図13Fに示されるように、電極26A~26Cは、1つ又は2つ以上のワイヤがそれぞれのスパイン214とともに管腔770を通過するために、管腔770に隣接して電極26内に陥凹又は凹部を形成するワイヤレリーフ772を有することができる。レリーフ772は、電極26が患者インターフェースユニット30と電気通信することができるように、電極26のワイヤが電極26を通過するための空間を提供するようにサイズ決めすることができる。
【0060】
代替的に、又はそれに加えて、ワイヤは、図13G図13Jの例示的な電極26に示されるように、ワイヤ管腔773を通過することができる。描示されていないが、電極26は、管腔770に隣接するワイヤレリーフ772及びワイヤ管腔773の両方を含み得る。かかる電極は、追加のワイヤが電極本体を通過することを可能にし得る。
【0061】
図13A図13Jに示されるように、電極26は、用途に応じて様々な形状を含むことができる。例えば、図13A及び図13Bに例解されるように、電極26は、丸みを帯びた縁部を有する実質的に直方体形状を含むことができる。他の例では、電極26は、(図13C及び図13Dに例解されるように)実質的に卵形形状を含むことができ、電極26は、(図13E図13Hに例解されるように)凸側及び凹側を含む輪郭形状を有することができ、又は電極26は、(図13I及び図13Jに例解されるように)電極26の下側よりも上側に近接する実質的により多くの材料を含む輪郭形状を有することができる。当業者によって理解されるように、図13A図13Jに示され、かつ本明細書に説明される様々な例示的な電極26は、例解目的で提供されるものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。
【0062】
図14は、本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリ38を構築する方法1400を例解するフローチャートである。方法1400は、1つ又は2つ以上の電極26の少なくとも1つの端部を複数のスパインストラット222の各々に結合すること(工程1405)を含むことができる。1つ又は2つ以上の電極26は、取り付け点においてスパインストラット22の各々に結合させることができる。方法1400は、1つ又は2つ以上の電極26の少なくとも第2の端部を第2の複数のスパインストラット22の各々に結合すること(工程1410)を含むことができる。複数のスパインストラット22の各々及び第2の複数のスパインストラット22の各々は、各それぞれのスパインストラットが各それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように移動可能であり得る。方法1400は、スパインストラット22の各々の少なくとも1つの端部を遠位保持ハブに接続する工程(工程1415)を含むことができる。方法1400は、スパインストラット22の少なくとも1つの端部を管状シャフト84の遠位端部に接続すること(工程1420)を含むことができる。
【0063】
当業者によって理解されるように、方法1400は、本明細書に説明される開示技術の様々な特徴のいずれかを含むことができ、特定の構成に応じて様々であり得る。したがって、方法1400は、本明細書で明示的に説明される特定の工程及び工程の順序に限定されるものとして解釈されるべきではない。医療用プローブの例示的な実施形態の選好は、IRE又はPFA用であるが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを順次組み合わせて(特定の電極をIREモードに、他の電極をRFモードに)又は同時に(いくつかの電極をIREモードに、他の電極をRFモードに)使用することも本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0064】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:分節されたスパインであって、第1の電極と、第1の電極と結合するように構成された第1の取り付け点を備える第1のスパインストラットと、第1の電極と結合するように構成された第2の取り付け点を備える第2のスパインストラットと、を備える、分節されたスパイン。
【0065】
条項2:第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、条項1に記載の分節されたスパイン。
【0066】
条項3:第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第4の取り付け点を更に備える、条項1に記載の分節されたスパイン。
【0067】
条項4:第1のスパインストラットの第1の取り付け点及び第2のスパインストラットの第2の取り付け点は、第1のスパインストラット及び第2のスパインストラットがそれぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、条項1に記載の分節されたスパイン。
【0068】
条項5:第2の電極と、第2の電極と係合するように構成された第5の取り付け点を備える第3のスパインストラットと、第2の電極と係合するように構成された第6の取り付け点を備える第4のスパインストラットと、を更に備える、条項1~4のいずれかに記載の分節されたスパイン。
【0069】
条項6:第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第7の取り付け点を更に備える、条項5に記載の分節されたスパイン。
【0070】
条項7:第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第8の取り付け点を更に備える、条項5に記載の分節されたスパイン。
【0071】
条項8:第3のスパインストラットの第5の取り付け点及び第4のスパインストラットの第6の取り付け点は、第3のスパインストラット及び第4のスパインストラットがそれぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、条項5に記載の分節されたスパイン。
【0072】
条項9:複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、条項1~8のいずれかに記載の分節されたスパイン。
【0073】
条項10:拡張可能なバスケットアセンブリであって、長手方向軸の周りに配置され、かつ互いに結合された複数の分節されたスパインを備え、複数の分節されたスパインの各々が、長手方向軸に沿って配置された第1の電極と、第1の電極に結合された第1のスパインストラットと、第1の電極に結合された第2のスパインストラットを備える、拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0074】
条項11:第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第2の取り付け点を更に備える、条項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0075】
条項12:第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、条項10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0076】
条項13:第1のスパインストラット及び第2のスパインストラットの第1の取り付け点は、第1のスパインストラット及び第2のスパインストラットが第1の取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、条項10~13のいずれかに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0077】
条項14:複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、条項10~13のいずれかに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0078】
条項15:複数の分節されたスパインの各々が、第2の電極と、第3のスパインストラットと、第4のスパインストラットと、を更に備え、第3のスパインストラット及び第4のスパインストラットが、第2の電極と係合するように構成された第4の取り付け点を各々備える、条項10~14のいずれかに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0079】
条項16:第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第5の取り付け点を更に備える、条項15に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0080】
条項17:第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第6の取り付け点を更に備える、条項15に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0081】
条項18:複数の分節されたスパインが、地理的構成を形成するように構成されている、条項10~17のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0082】
条項19:複数の分節されたスパインが、複数の分節されたスパインの各々の遠位部分を中心スパイン交差部に保持するために、互いに嵌合するように構成されたれた第1の部分及び第2の部分を形成するように構成されている、条項10~18のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0083】
条項20:拡張可能なバスケットアセンブリが、球状外側外形を画定する、条項10~19のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0084】
条項21:拡張可能なバスケットアセンブリが、扁球形外形を画定する、条項10~20のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0085】
条項22:各電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項10~21のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0086】
条項23:管状シャフトの遠位端部に近接して配置されたスパイン保持ハブを更に備え、スパイン保持ハブが、複数のレリーフランドを含む円筒形部材を備え、レリーフランドは、円筒形部材の外面に配置されて、各スパインストラットがレリーフランド内に収まること及びレリーフランド内に保持されることを可能にし、スパイン保持ハブが、スパイン保持ハブの遠位部分に配置された少なくとも1つの電極を更に備える、条項10~22のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0087】
条項24:複数の分節されたスパインは、スパインループを備え、各スパインループは、遠位ループ及び管状シャフトとスパイン保持ハブのレリーフランドのうちの1つとの間に固定された2つの端部を含む単一の一体型ループを備える、条項23のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0088】
条項25:各スパインループの遠位ループが、遠位保持ハブ内で重なり合う、条項24に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0089】
条項26:遠位保持ハブが、第1の部分及び/又は第2の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の突起と、第1の部分及び第2の部分のうちの反対側の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の窪みであって、突起に係合して第1の部分を第2の部分にクランプする、窪みと、を更に備える、条項25に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0090】
条項27:複数の分節されたスパインが、2つ又は3つ以上の突起の間に形成された経路内に収まる、条項26に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0091】
条項28:各電極が、1つ又は2つ以上のワイヤが管腔に隣接して延在することを可能にするように、管腔に隣接するワイヤレリーフを備える、条項10~27のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0092】
条項29:管腔が、各電極の長手方向軸の周りで対称に配置される、条項28に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0093】
条項30:管腔が、各電極の長手方向軸に対してオフセットして配置される、条項28又は29に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0094】
条項31:それぞれの所与のスパインストラットを覆って、かつそれぞれの電極の管腔内に各々配置された複数の絶縁スリーブを更に備える、条項10~30のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0095】
条項32:それぞれの電極に各々電気的に接合された複数のワイヤを更に備え、複数のワイヤのうちのワイヤの少なくとも一部分が、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料であって、導電性コア材料を囲繞する導電性カバー材料と、導電性カバー材料を囲繞する絶縁ジャケットと、を備える、条項10~31のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0096】
条項33:それぞれの電極に各々電気的に接合された複数のワイヤを更に備え、複数のワイヤのうちのワイヤの少なくとも一部分が、それぞれ、複数のストランドと、複数のストランドを囲繞する絶縁ジャケットと、を備え、複数のストランドのうちの各ストランドが、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料と、を含み、導電性カバー材料が、導電性コア材料を囲繞する、条項10~31のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0097】
条項34:複数の分節されたスパインが、ニチノールを含む、条項10~33のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0098】
条項35:複数の分節されたスパインが、金属ストランドを含む、条項10~33のいずれか1つに記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0099】
条項36:拡張可能なバスケットアセンブリを構築する方法であって、方法が、1つ又は2つ以上の電極の少なくとも1つの端部を複数のスパインストラットの各々に結合することであって、1つ又は2つ以上の電極が、取り付け点においてスパインストラットの各々に結合される、結合することと、1つ又は2つ以上の電極の少なくとも第2の端部を第2の複数のスパインストラットの各々に結合することであって、複数のスパインストラットの各々及び第2の複数のスパインストラットの各々は、各それぞれのスパインストラットが各それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように移動可能である、結合することと、を含む、方法。
【0100】
条項37:スパインストラットの各々の少なくとも1つの端部を遠位保持ハブに接続することを更に含む、条項36に記載の方法。
【0101】
条項38:スパインストラットの各々の少なくとも1つの端部を管状シャフトの遠位端部に接続することを更に含む、条項36又は37に記載の方法。
【0102】
条項39:複数のスパインストラット及び第2の複数のスパインストラットを、長手方向軸から半径方向外向きに延在して形状を画定するように構成することを更に含む、条項36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
条項40項:複数のスパインストラット及び第2の複数のスパインストラットが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、条項36~39のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
条項41:形状が、ほぼ球状である、条項39又は40に記載の方法。
【0105】
条項42:形状が、ほぼ扁球形である、条項39~41のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
条項43:形状が、バスケット形状である、条項39~42のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
条項44:バスケット形状が、取り付け点においてスパインストラットから電極を切り離すことによって開くように構成されている、条項43に記載の方法。
【0108】
条項45:複数のスパインストラットが、スパインループを備え、各スパインループが、遠位ループを含む単一の一体型ループを備え、方法が、スパインループの各々の2つの端部を管状シャフト内に固定することを更に含む、条項38~44のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
条項46:各スパインストラットの遠位部分を遠位保持ハブ内で重ね合わせることを更に含む、条項37~45のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
条項47:第1の部分及び/又は第2の部分上の2つ又は3つ以上の突起を、第1の部分及び第2の部分のうちの反対側の部分上の2つ又は3つ以上の窪みに係合させることを更に含む、条項37~46のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
条項48:複数のスパインストラット及び第2の複数のスパインストラットを、2つ又は3つ以上の突起の間に形成された経路内に収めることを更に含む、条項37~47のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
上で説明される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び説明されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に説明及び例解される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、先行技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0113】
〔実施の態様〕
(1) 分節されたスパインであって、
第1の電極と、
前記第1の電極と結合するように構成された第1の取り付け点を備える第1のスパインストラットと、
前記第1の電極と結合するように構成された第2の取り付け点を備える第2のスパインストラットと、を備える、分節されたスパイン。
(2) 前記第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、実施態様1に記載の分節されたスパイン。
(3) 前記第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第4の取り付け点を更に備える、実施態様1に記載の分節されたスパイン。
(4) 前記第1のスパインストラットの前記第1の取り付け点及び前記第2のスパインストラットの前記第2の取り付け点は、前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットが前記それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、実施態様1に記載の分節されたスパイン。
(5) 第2の電極と、
前記第2の電極と係合するように構成された第5の取り付け点を備える第3のスパインストラットと、
前記第2の電極と係合するように構成された第6の取り付け点を備える第4のスパインストラットと、を更に備える、実施態様1に記載の分節されたスパイン。
【0114】
(6) 前記第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第7の取り付け点を更に備え、前記第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第8の取り付け点を更に備える、実施態様5に記載の分節されたスパイン。
(7) 前記第3のスパインストラットの前記第5の取り付け点及び前記第4のスパインストラットの前記第6の取り付け点は、前記第3のスパインストラット及び前記第4のスパインストラットが前記それぞれの取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、実施態様5に記載の分節されたスパイン。
(8) 複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、実施態様1に記載の分節されたスパイン。
(9) 拡張可能なバスケットアセンブリであって、
長手方向軸の周りに配置され、かつ互いに結合された複数の分節されたスパインを備え、前記複数の分節されたスパインの各々が、
前記長手方向軸に沿って配置された第1の電極と、
前記第1の電極に結合された第1のスパインストラットと、
前記第1の電極に結合された第2のスパインストラットと、を備える、拡張可能なバスケットアセンブリ。
(10) 前記第1のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第2の取り付け点を更に備え、前記第2のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第3の取り付け点を更に備える、実施態様9に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0115】
(11) 前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットの第1の取り付け点は、前記第1のスパインストラット及び前記第2のスパインストラットが前記第1の取り付け点の周りを回転することを可能にするように構成されている、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(12) 前記複数の分節されたスパインが、反転管状構成から拡張球状構成に移動するように構成されている、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(13) 前記複数の分節されたスパインの各々が、
第2の電極と、
第3のスパインストラットと、
第4のスパインストラットと、を更に備え、
前記第3のスパインストラット及び前記第4のスパインストラットが、前記第2の電極と係合するように構成された第4の取り付け点を各々備える、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(14) 前記第3のスパインストラットが、遠位保持ハブと係合するように構成された第5の取り付け点を更に備え、前記第4のスパインストラットが、管状シャフトと係合するように構成された第6の取り付け点を更に備える、実施態様13に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(15) 前記複数の分節されたスパインが、前記複数の分節されたスパインの各々の遠位部分を中心スパイン交差部に保持するために、互いに嵌合するように構成されたれた第1の部分及び第2の部分を形成するように構成されている、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
【0116】
(16) 管状シャフトの前記遠位端部に近接して配置されたスパイン保持ハブを更に備え、前記スパイン保持ハブは、複数のレリーフランドを含む円筒形部材を備え、前記レリーフランドは、前記円筒形部材の外面に配置されて、各スパインストラットが前記レリーフランド内に収まること及び前記レリーフランド内に保持されることを可能にし、前記スパイン保持ハブが、前記スパイン保持ハブの遠位部分に配置された少なくとも1つの電極を更に備える、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(17) 前記複数の分節されたスパインが、スパインループを備え、各スパインループが、遠位ループと、前記管状シャフトと前記スパイン保持ハブの前記レリーフランドのうちの1つとの間に固定された2つの端部と、を含む、単一の一体型ループを備え、前記遠位ループが、前記遠位保持ハブ内で重なり合っている、実施態様16に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(18) 前記遠位保持ハブが、
第1の部分及び/又は第2の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の突起であって、前記複数の分節されたスパインが、前記2つ又は3つ以上の突起間に形成された経路内に収まっている、2つ又は3つ以上の突起と、
前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの反対の部分上に位置付けられた2つ又は3つ以上の窪みであって、前記窪みが、前記第1の部分を前記第2の部分にクランプするために前記突起に係合する、2つ又は3つ以上の窪みと、を更に備える、実施態様17に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(19) 各電極が、1つ又は2つ以上のワイヤが管腔に隣接して延在することを可能にするように、前記管腔に隣接するワイヤレリーフを備え、前記管腔が、各電極の長手方向軸の周りに対称的に配置されている、実施態様18に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
(20) それぞれの電極に各々電気的に接合された複数のワイヤを更に備え、
前記複数のワイヤのうちの前記ワイヤの少なくとも一部がそれぞれ、複数のストランドと、前記複数のストランドを囲繞する絶縁ジャケットと、を備え、
前記複数のストランドのうちの各ストランドがそれぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、前記第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料と、を含み、前記導電性カバー材料が、前記導電性コア材料を囲繞する、実施態様10に記載の拡張可能なバスケットアセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図13I
図13J
図14
【外国語明細書】