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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096092
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ケージ変形モデリング
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20240704BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240704BHJP
   A61B 5/367 20210101ALI20240704BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B5/287 200
A61B18/14
A61B5/367
A61B34/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222773
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】18/091,128
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL08
4C127LL15
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK24
4C160KK63
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】医療処置のための装置を提供すること。
【解決手段】プローブ及びプロセッサからなる、医療処置のための装置。プローブは、生体の体腔内に挿入するよう構成されている遠位端を有する挿入管と、挿入管の遠位端に連結されている複数の弾性スパインを有するバスケットアセンブリであって、バスケットアセンブリが外力によって拘束されないときに、所定の形態で一緒に接合されている複数の弾性スパインを有するバスケットアセンブリとを有する。プローブはまた、体腔内でバスケットアセンブリにかけられた力の指示を出力するよう構成されている力センサを有する。プロセッサは、力の表示を受信し、力に応答して、所定の形態とは異なるバスケットアセンブリの拘束形態を計算し、バスケットアセンブリの拘束形態を表示するグラフィック画像をディスプレイにレンダリングするように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置のための装置であって、
プローブであって、
生体の体腔内に挿入するように構成されている、遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、前記挿入管の前記遠位端に結合されており、前記バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
外部部材上への前記スパインの一部の物理的接触時に、前記バスケットアセンブリにかかる力の表示を出力するように構成されている力センサと、
を備える、プローブと、
前記力の前記表示を受信することと、前記力に応答して、前記所定の形態とは異なる前記バスケットアセンブリの拘束形態を計算することと、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を表すグラフィック画像をディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されているプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記複数のスパインが、中心点を有する接続部に接合されているスパイン遠位端と、前記挿入管遠位端に固定されているスパイン近位端とを有し、それによって、前記中心点と前記挿入管遠位端との間にアセンブリ軸を画定し、前記プロセッサが、前記力を前記アセンブリ軸に平行な軸方向成分と、前記アセンブリ軸に直交する赤道方向成分とに分解することと、前記軸方向成分及び前記赤道方向成分のうちの少なくとも1つに応答して前記拘束形態を計算することと、を行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記所定の形態が、所定の形状を有しており、前記軸方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の形状とは異なる拘束形状を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記拘束形状が、前記アセンブリ軸に平行な直線距離だけ前記所定の形状とは異なる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記直線距離が、前記軸方向成分に正比例する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記所定の形態が所定の方向を有しており、前記赤道方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の方向とは異なる拘束方向を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記拘束方向が、前記アセンブリ軸に直交する回転軸周りに測定される角度だけ前記所定の方向とは異なる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記角度が前記赤道方向成分に正比例する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回転軸が、前記挿入管遠位端を通り、前記赤道方向成分に直交する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記力センサが、前記挿入管の前記遠位端に固定して配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のスパインのうちの所与のスパインが、その上の所定の位置で前記所与のスパインに固定して取り付けられた電極を有しており、前記プロセッサが、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を計算することに応答して、前記電極の前記所与のスパイン上の、前記所定の位置とは異なる拘束位置を算出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記所定の形態及び前記拘束形態がそれぞれ、所定の形状及び拘束形状を含み、前記所定の形状及び前記拘束形状がそれぞれ、球体形状と位相的に等価である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
医療処置のための方法であって、
プローブを用意することであって、前記プローブが、
遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、前記挿入管の前記遠位端に結合されており、前記バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
部材上への前記スパインの一部の物理的接触によって、前記バスケットアセンブリにかかる力の表示を出力するように構成されている力センサと、
を備える、プローブを用意することと、
前記力の前記表示を受信することと、
前記力に応答して、前記所定の形態とは異なる、前記バスケットアセンブリの拘束形態を計算することと、
前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を表すグラフィック画像をディスプレイにレンダリングすることと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記複数のスパインが、中心点を有する接続部に接合されているスパイン遠位端と、前記挿入管遠位端に固定されているスパイン近位端とを有し、それによって、前記中心点と前記挿入管遠位点との間にアセンブリ軸を画定し、前記方法が、前記力を前記アセンブリ軸に平行な軸方向成分と、前記アセンブリ軸に直交する赤道方向成分とに分解することと、前記軸方向成分及び前記赤道方向成分のうちの少なくとも1つに応答して前記拘束形態を計算することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の形態が、所定の形状を有しており、前記軸方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の形状とは異なる拘束形状を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記拘束形状が、前記アセンブリ軸に平行な直線距離だけ前記所定の形状とは異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記直線距離が前記軸方向成分に正比例する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記所定の形態が所定の方向を有しており、前記赤道方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の方向とは異なる拘束方向を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記拘束方向が、前記アセンブリ軸に直交する回転軸周りに測定される角度だけ前記所定の方向とは異なる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記角度が前記赤道方向成分に正比例する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記回転軸が、前記挿入管遠位端を通り、前記赤道方向成分に直交する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記力センサが、前記挿入管の前記遠位端に固定して配置されている、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記複数のスパインのうちの所与のスパインが、その上の所定の位置で前記所与のスパインに固定して取り付けられた電極を有しており、前記方法が、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を計算することに応答して、前記電極の前記所与のスパイン上の、前記所定の位置とは異なる拘束位置を算出することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記所定の形態及び前記拘束形態がそれぞれ、所定の形状及び拘束形状を含み、前記所定の形状及び前記拘束形状がそれぞれ、球体形状と位相的に等価である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、画像化、及び具体的には、手術に使用されるカテーテルの画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の脈管にカテーテルを挿入することを含む外科手技の間に脈管内のカテーテルの視像を見ることは、手技を行う医師には有益である。これは、カテーテル、通常、カテーテルの遠位端の位置を追跡し、この位置の表示を患者のマップ上に提示することによって達成することができる。
【0003】
手技が、患者の心臓の腔内にカテーテル遠位端の挿入を含む場合、この提示は、腔のマップ上に遠位端のアイコンを含んでもよい、表示を重ね合わせることを通常、含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】医療手技に使用される、カテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステムを示す。
図2】非拘束形態にある、プローブの遠位領域の模式図である。
図3】バスケットアセンブリが心腔内にある場合のバスケットアセンブリを例示する模式図である。
図4】本開示の実施形態が、プロセッサによって決定される力を分析する方法を例示する図である。
図5】分解された軸方向力がバスケットアセンブリの非拘束モデルにかけられる方法を例示する図である。
図6】分解された赤道方向力がバスケットアセンブリの非拘束モデルにかけられる方法を例示する図である。
図7】バスケットアセンブリがその拘束形態にある場合の、バスケットアセンブリの画像をディスプレイデバイスにレンダリングする際のプロセッサによって行われるステップのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概説
挿入管を備えるプローブを心腔に挿入することを含む心臓手技において、手技を行う医師に、心腔内のプローブの遠位部分のグラフィック画像の表示を提示することが有用である。遠位部分が、バスケットアセンブリを備える場合、例えば、診断的及び/又は治療的手技に使用され得る場合、グラフィック画像は、アセンブリを表示するアイコンを使用することができる。しかし、手技の間に、アセンブリの形状及び向きを含むと仮定される、本明細書におけるアセンブリの形態は、例えば、アセンブリが腔の壁を押圧する場合、非拘束形態から拘束形態に変化することができるが、アイコンはその変化を示さなくてもよい。
【0006】
本開示の実施形態は、ディスプレイ上にバスケットアセンブリの変化後の形態を表示するシステムを提供する。バスケットアセンブリは、それらの近位端において、プローブの挿入管の遠位端に接続されている複数の弾性スパインであって、スケットアセンブリを作製するためにそれらの遠位端で互いに接合された、上記の複数の弾性スパインを備えることが仮定される。スパインは、通常、バスケット軸の周りに対称に分布されており、この軸は、スパイン遠位端からスパイン近位端への線を含む。挿入管遠位端には力センサが存在し、このセンサは、アセンブリにかかる力の値を出力する。
【0007】
測定された力は、本明細書において、軸方向成分と呼ばれるバスケット軸に平行な成分と、本明細書において赤道方向成分と呼ばれる軸に直交する力とに分解される。軸方向成分は、バスケット軸に沿って非拘束バスケットを圧縮することによってバスケットの形状を変化させて、非拘束バスケットの形態とは異なる形態を有する拘束形態を作ると仮定される。赤道方向成分は、バスケットの形状を変更するのではなく、バスケットの向きが変化するよう、挿入管遠位端の周りでバスケットを回転させると仮定される。圧縮は、軸方向力成分の値に線形依存すると仮定される。回転は、赤道方向力成分の値に線形依存すると仮定される。2つの依存性に対する比例定数は異なり、各々は、手技においてカテーテルを使用する前に測定されてもよい。
【0008】
手技中、プロセッサは、力センサによって測定された力を、2つの既知の比例定数と共に使用して、軸方向力成分によって引き起こされる圧縮の数値、及び赤道方向力成分によって引き起こされる回転角の数値を決定することができる。次に、プロセッサは、これらの数値を使用して、バスケットアセンブリのディスプレイ上に、アセンブリの拘束形態を示す提示をレンダリングすることができる。
【0009】
システムの説明
以下の記載では、同様の要素は、同じ数字によって識別され、必要な場合、数字に接尾辞として文字を付けることによって区別される。
【0010】
医療手技に使用される、カテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す、図1をこれより参照する。システム10は、患者の脈管系を通り、患者23の心臓12の腔又は血管構造内に、医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の位置に到達させ得る。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、並びに/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。アブレーション向けに構成されている、本明細書においてプローブ14とも呼ばれる例示的なカテーテル14が本明細書において例示されており、プローブは、挿入管37と、管の遠位端に固定された遠位領域28とを備える。医師24は、壁における標的部位をアブレーションする目的で、遠位領域28を心臓12の腔36の心臓壁31と接触させる。
【0011】
図2は、非拘束形態にある、遠位領域28の模式図である。本明細書における記載では、カテーテル14は、バスケット型カテーテルを含むと仮定され、したがって、本明細書においてバスケットアセンブリ28又は単にバスケット28とも呼ばれる遠位領域28は、複数の弾性スパイン13として構築され、スパインの各々は、アブレーションのために使用され得る少なくとも1つの取り付けられた電極26を有する。各スパイン13は、共通の長さを有しており、スパインの各遠位終端15は、接続部17に接続されている。スパインの各近位終端16は、管37の遠位端19に固定して配置されて、そこから出る。カテーテル14は、遠位端19に配置されている力センサ29を更に含む。センサ29は、遠位端19への力の大きさ及び方向の両方を示す信号を生成するよう構成されている。一実施形態の場合、センサ29と類似したセンサが、米国特許第10,688,278号に記載されている。
【0012】
図2に例示されるバスケット28の例では、接続部17と遠位端19との間の線の周りに対称に分布されている6つのスパイン13が存在しているが、バスケット28は、6つより多い又は少ない、対称に分布されたスパインを有してもよいことが理解される。
【0013】
一部の実施形態では、位置センサ35はまた、端部19に配置されている。代替として又は更に、1つ以上のこのようなセンサが、1つ以上のスパイン13に組み込まれていてもよい。通常、位置センサ35は、三次元(3D)位置及び端部19の向きを感知するための3つの磁気コイルを含む、磁気ベースの位置センサである。
【0014】
磁気ベースの位置センサ35は、所定の作業空間内に磁場を発生するように構成されている複数の磁気コイル32を含む位置パッド25と共に動作してもよい。センサ35のリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、センサによって感知される磁場に基づいて追跡されてもよい。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,5391,199号;同第5,443,489号;同第5,558,091号;同第6,172,499号;同第6,239,724号;同第6,332,089号;同第6,484,118号;同第6,618,612号;同第6,690,963号;同第6,788,967号;同第6,892,091号に記載されている。
【0015】
上述のとおり、スパイン遠位終端15は、接続部17に接続されている。接続部は、バスケット28の非拘束状態において、例えば、バスケットが空気又は血液以外のいかなる対象物とも接触していない場合、スパインが第1の所定のスパイン形状にあり、接続部17に接続されて、第1の所定のバスケット形状を画定するバスケット28を形成するように構成されている。以下の記載では、本明細書において特に明記したことを除き、第1の所定のスパイン形状は円の弧であると仮定され、スパインは、球体上にあるようにバスケット28を形成するよう接続されている。したがって、第1の所定のバスケット形状は球体であり、スパイン13によって囲まれた空間は、ほぼ球体であることが理解されよう。
【0016】
バスケット28の非拘束状態では、力センサ29によって記録される力はほぼ0である。一実施形態では、球体の空間は、6mmにほぼ等しい半径を有する。非拘束状態では、スパイン13は、バスケットの中心軸33の周りに対称に配置されており、この軸は、近位終端16の中心から接続部17の中心17Cまでの線を含む。軸33は、回転対称軸であること、及びバスケット28の非拘束状態において、軸33は、遠位端19の回転対称軸34と同一線上にあることが理解されよう。
【0017】
図2に例示されるバスケット28の非拘束状態は、バスケットが上で述べた送達シースに進入する前、及びバスケットがシースから出て心腔内に進入した後に存在することが理解されよう。バスケット28は、シース内にある間、シースの壁によって折り畳まれた状態に拘束されている。
【0018】
バスケット28はまた、心腔内にある場合、腔の壁に接触すると拘束され得、この接触によって壁はバスケットに力を働かせる。接触による力は、通常、バスケットの変形、及び/又は遠位端19の対称軸34に対するバスケットの変位を引き起こす。変形と変位のどちらも、図3図6に関して以下に解析される。
【0019】
図1に戻ると、システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23に皮膚接触するよう位置決めされている1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26の方向に向かい、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置が電極パッチ38を介して三角測量され得る。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号;同第7,756,576号;同第7,848,787号;同第7,869,865号;及び同第8,456,182号に記載されている。
【0020】
レコーダ11は、身体表面ECG電極18によりキャプチャされた電気記録図21と、カテーテル14の電極26によりキャプチャされ得る心内電気記録図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心拍リズムをペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0021】
システム10は、電極26の1つ以上にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されているアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションエネルギー発生器50によって発生されるエネルギーは、以下に限定されないが、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得る単極又は双極高電圧DCパルスを含む、無線周波数(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0022】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されているインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、身体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50及びレコーダ11を含んでもよい。場合により、及び好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実行し、ECG計算を実施するための処理能力を更に含む。
【0023】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがその中に格納されたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサ22と、ユーザインターフェース機能とを含む。プロセッサ22は、システム10を動作する。ワークステーション55は、場合により、(1)心内膜解剖学的構造を3次元(3D)でモデル化し、心臓12又はその一部のモデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電気記録図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示すること、(3)心腔36内のバスケット28のリアルタイム位置及び向きの値を取り込んだ提示39を表示すること、及び(4)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することを含む、多数の機能を設けてもよい。システム10の要素を具現化する市販製品の1つは、Biosense Webster,Inc.31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA,92618から市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0024】
本開示の実施形態では、上記で言及したバスケット28の位置のリアルタイム表示は、変形をモデル化することによって、その非拘束状態からのバスケットの任意の変形を考慮に入れる。更に、モデル化は、バスケット28の電極26の位置データを提供する。
【0025】
図3は、バスケット28が心臓12の腔36内にあるとき、及びこの腔の壁31に接触しているときのバスケット28を例示する模式図である。この接触は、通常、バスケットの対称中心軸33がもはや遠位端19の対称回転軸34と同一線上にないよう、バスケット全体を偏向させることによって、バスケットを拘束することができる。したがって、拘束偏向状態では、2つの対称軸の間に0でない角度αが存在する。このタイプのバスケット拘束では、第1の所定のバスケット形状及び第1の所定のスパイン形状は不変であるが、バスケット全体の位置及び/又は向きは変わる。
【0026】
接触はまた、通常、その対称中心軸33に沿ってバスケットを圧縮することによって、バスケットを拘束することもできる。このタイプの拘束では、バスケットの非拘束状態で、円の弧の形態にあるスパイン13(バスケットスパインが、球状空間を囲むので)は、楕円の断面に変形されると仮定される。対称性を考慮することにより、拘束状態では、軸33に沿った圧縮が、バスケット28を変形させて、軸33の周りの回転楕円体を囲むことが理解されよう。
【0027】
上記のとおり、力センサ29は、プロセッサ22がセンサ上の、したがってバスケット28上の力の大きさ及び方向を定式化することを可能にする信号を発生する。明確にするために、力の効果の以下の説明では、カテーテル14は、1組のデカルトxyz軸を画定すると仮定され、この場合、z軸は、カテーテルの遠位端の回転対称軸34に相当し、x軸及びy軸は、z軸に直交する平面内の直交軸となる。
【0028】
図4は、本開示の実施形態がプロセッサ22によって決定された力をどのように分析するかを例示する。図中に例示されるとおり、プロセッサは、ベクトル力
【0029】
【数1】
を2つの直交成分:z軸すなわち軸34に平行に平行な力F、及びz軸に垂直な平面内の力Fθに分解する。力Fは、本明細書において、軸方向力とも称される。力Fθは、本明細書において赤道方向力とも称される。
【0030】
プロセッサは、分解された各力の値をバスケット28のモデルに適用してバスケットの拘束形態を生成させて、拘束形態から、拘束形態にあるバスケットのスパイン13の位置を決定する。拘束形態を生成する際に、プロセッサは、分解された力の各々について、以下の式(1)及び(2)によって例示されるとおり、分解された力によって引き起こされる変形と線形関係があると仮定する。
【0031】
軸方向力Fに応答して、バスケットは、式(1)に従うばねとして動作すると仮定される。
【0032】
【数2】
(式中、δは、力Fによって引き起こされるバスケット28に対する軸方向の変形であり、Kは、このタイプの変形の場合のバスケットの軸方向のばね定数である)。δは、z軸方向に測定される距離であり、更に図5に関して例示及び説明される。
【0033】
以下にやはり説明されるとおり、バスケット28に関するKの値は、図1に例示されている手技に使用される前に決定される。
【0034】
バスケットは、赤道方向力Fθに応答して、管37の遠位端29の周りを回転すると仮定され、この遠位端は、式(2)に従って、ばね荷重ボールジョイントとして動作する:
【0035】
【数3】
(式中、αは、力Fθによって引き起こされるバスケット28の回転角であり、Kθは、このタイプの変形に対するバスケットの剛性係数である)。αは、z軸方向からの回転角であり、更に図6に関して例示及び説明される。
【0036】
以下にやはり説明されるとおり、バスケット28に関するkθの値は、図1に例示されている手技に使用される前に決定される。
【0037】
図5は、分解された軸方向力Fがバスケット28の非拘束モデルにかけられる方法を例示する。上記のとおり、バスケット28は、スパイン13A、13B、13E、13Fを備える、対称に分布された6つのスパイン13を有しており、この図は、バスケットの非拘束状態で、円上に位置するように接続部17に共に接続された一対のスパイン13A、13Dを示している。図はまた、軸33に沿った軸方向力に起因するそれらの拘束状態にあるスパイン13A、13Dを示しており、図中の状態を区別するために、スパイン13A、13Dはそれぞれ、拘束されていない場合には13AU、13DU、拘束状態の場合には、13AA、13DAと標識される。
【0038】
明確にするために、スパインは、1組のデカルトxz軸上に図示されており、この場合、z軸は回転対称軸34と同一線上にあり、x軸はz軸に直交しており、接続されたスパイン13A及び13Dによって画定される平面内に存在する。x軸の位置は、以下で更に説明されるとおり、2つの軸の原点が、拘束されたときにスパイン13A、13Dによって形成される楕円の中心60に相当するように設定されている。
【0039】
上で説明したとおり、非拘束状態のスパイン13は、球体の一部を形成すると仮定され、したがって、スパイン13AU、13DUは、半径「a」及び中心点62を有すると仮定される円上にある。円の式は、z軸に沿った原点からの円の中心の平行移動を無視すると、以下となる:
【0040】
【数4】
【0041】
軸方向力Fの拘束は、スパイン13A、13Dをスパイン13AA、13DAに変形させると仮定され、変形したスパインは、楕円上にあると仮定される。この変形は、スパイン13A及び13Dの遠位端の合流場所である接続部17を、z軸に沿って距離δだけ平行移動させると仮定される。距離δは、直線距離である。
【0042】
したがって、楕円の短軸、接続部17と遠位端19におけるスパイン13DA及び13AAの近位接続部との間の線分は、長さ(2a-δ)を有しており、楕円の半短軸の長さは、以下である:
【0043】
【数5】
【0044】
楕円への変形は、非拘束スパインをz軸の各側面上のほぼδだけ延在させることによって、楕円の主軸を形成すると仮定され、その結果、この主軸は長さ(2a+2δ)を有する。したがって、楕円の半長軸の長さは以下である:
【0045】
【数6】
【0046】
式(4)及び(5)から、拘束スパイン13DA及び13AAによって形成される楕円の式は、以下である:
【0047】
【数7】
【0048】
式(3)及び式(6)は、それぞれ、スパイン13A及び13Dが軸方向力Fによって拘束されているときの非拘束形態及び拘束形態にあるスパインの形状に相当する。したがって、プロセッサ22は、式(6)を使用して、拘束形態のスパイン13A、13Dの位置を算出することが可能である。
【0049】
バスケット28の他のスパインは、バスケットが軸方向力Fによって拘束されるときには、バスケットは最初に球形をしており、バスケット対称軸33の周りに回転した楕円体に変形するので、式(3)及び(6)の式と実質的に同様の式に従う。したがって、簡単にするために、式(3)及び(6)は、2次元(2D)システムについて記載されているが、当業者であれば、3次元(3D)バスケット28の場合、この式を適合させることは可能である。
【0050】
更に、上で言及した球形及び楕円形の形状は一例であり、当業者であれば、バスケット28の他の初期形状、及び軸方向力Fによって拘束されたときのバスケットの対応する形状を理解しているであろう。非拘束形状と拘束形状のどちらも、球体形状と位相的に等価である。例えば、非拘束形状は楕円形であってもよく、拘束形状は異なる楕円形状であってもよいか、又は球体形状でさえあってもよい。
【0051】
したがって、3Dシステムの場合、式(3)及び(6)は、以下:
【0052】
【数8】
(式中、関数f(x,y,z)は、非拘束バスケットの所定の形状を記述する)
及び
【0053】
【数9】
(式中、関数g(x,y,z,δ)は、非拘束バスケットは距離δ分圧縮されると、拘束されたバスケットの所定の形状を記述する)に一般化することができる。
【0054】
図1において例示される手技において、プロセッサ22は、軸方向成分Fを有する力によって拘束される際のバスケット28の形状の変化を算出するために、式(7)及び式(8)を使用することができる。
【0055】
図6は、分解された赤道方向力Fθがバスケット28の非拘束モデルにどのようにかかるかを例示している。図6では、非拘束バスケット28の中心62を通るx軸は、赤道方向力Fθ及びz軸によって画定される平面64内にあるように図示されている。(z軸は、力Fθが作用する前のバスケット28の対称軸33に相当する。)
【0056】
軸方向力Fの影響とは対照的に、赤道方向力Fθは、バスケットのスパインを変形させないと仮定され、したがって、スパインの形状及びバスケットの形状は変化しない。むしろ、上記のとおり、赤道方向力Fθは、バスケットを、非変形状態で、平面64に直交し、かつプローブ14の遠位端29を通る軸の周りに回転させると仮定される。回転は、遠位端29が式(2)に従ってばね荷重ボールジョイントとして挙動すると仮定する。
【0057】
図6は、図5と同じ非拘束スパイン13AU、13DUを例示するよう図示されており、図6に示される場合の回転されるスパインは、13AB、13DBと標識されている。
【0058】
バスケット28の回転は、中心点62を回転したバスケットの中心点66に平行移動させる。したがって、αの回転に関すると、点66の2D座標は、以下:
【0059】
【数10】
となり、回転したスパイン13AB、13DBに関する式は、以下となる:
【0060】
【数11】
【0061】
平行移動した中心点の位置が、式(9)のように一旦、確立されると、バスケット28は変形されていないので、プロセッサ22は、新しい中心位置を使用して、バスケットのすべてのスパインの位置を評価することが可能となる。
【0062】
ここで再生成される式(3)は、スパインが赤道方向力Fθによって拘束されていないときのスパイン13AU、13DUの円に相当する。
【0063】
【数12】
【0064】
式(3)及び式(10)は、それぞれ、スパイン13A及び13Dが赤道方向力Fθによって拘束されているときの非拘束形態及び拘束形態にあるスパインの形状に相当する。したがって、プロセッサ22は、式(10)を使用して、拘束形態のスパイン13A、13Dの位置を算出することが可能である。
【0065】
更に、バスケット28のすべてのスパインが赤道方向力Fθによって拘束されると、プロセッサ22は、式(9)によって与えられるとおり、バスケットの中心を使用して、バスケットが赤道方向力Fθによって拘束される際のバスケットのすべてのスパインの位置を決定することができる。
【0066】
式(3)は、ここで再生成される3D式(7)に一般化される:
【0067】
【数13】
(式中、関数f(x,y,z)は、非拘束バスケットの所定の形状を記述する)。
【0068】
同様に、式(10)は、3D式に一般化することができる:
【0069】
【数14】
(式中、関数f(x,y,z,α)は、式(7)によって与えられるとおり、同じ形状を有するが、角度αだけ回転されたバスケットを記述する)。
【0070】
図1において例示される手技において、プロセッサ22は、赤道方向成分Fθを有する力によって拘束される際のバスケット28の向きの変化を算出するために、式(7)及び式(11)を使用することができる。
【0071】
上記の説明は、プロセッサ22が、力の軸方向力成分
【0072】
【数15】
に起因する、及び別個に力
【0073】
【数16】
の赤道方向力成分に起因する、バスケットアセンブリ28の形態の変化を評価することができる方法を説明する。プロセッサは、式(7)及び式(8)を使用して、軸方向成分変化を評価し、式(7)及び式(11)を使用して、赤道方向成分変化を評価する。
【0074】
軸方向成分及び赤道方向成分が同時にアクティブである手技中のバスケットアセンブリ28の形態の変化を決定するために、プロセッサは、式の結果を順次、適用することができる。例えば、最初に、式(7)及び式(8)を使用して形状変化を決定し、次いで、形状変化の結果(式(8))を、向きの変化を決定する際のバスケットアセンブリの初期状態を記述する式として使用する。形状変化と向き変化の両方を数値によって表してもよいことが理解されよう。
【0075】
一旦、プロセッサ22が、バスケットアセンブリ28の形態の変化を数値により決定すると、プロセッサ22は、これらの数値を使用して、アセンブリの拘束形態を示す提示39をディスプレイデバイス27上にレンダリングすることができる。図1に例示されるとおり、提示39は、通常、解剖学的マップ20に取り込まれる。
【0076】
上記の説明は、バスケットアセンブリ28の一対のスパインが、上記で分析された例に関する円などの2D曲線上にあるよう選択され得ることを仮定するものである。これは、アセンブリ28などのバスケットアセンブリ内の任意の数のスパインに対して可能である。奇数のスパインが存在する場合、先に開示された計算は、計算の目的のためにミラーリングされたスパインを有すると同時に、一対のスパインではなく、各スパインに対して行うことができる。次に、提示39は、それらのミラーリングされたスパインを含まずにスパインを表示することができる。xy平面Fθ上のどこに入るかに関してkθが既知であるかぎり、スパイン分布は回転対称である必要はないことが理解されよう。したがって、当業者は、スパインが対称に分布されていない、及び/又は奇数のスパインが存在するバスケットアセンブリについて、説明を変更すべきところは変更して修正することが可能となろう。
【0077】
上記のとおり、各スパイン13は、スパインに取り付けられた少なくとも1つの電極26を有しており、これらの電極は、バスケットアセンブリがその非拘束状態にあるとき、各スパイン上の既知の位置にあることが理解される。アセンブリの拘束状態の場合、プロセッサ22は、初期電極位置及び拘束状態にあるバスケットのスパインの新しい位置を使用して、拘束状態の場合の電極に対する新しい位置を算出することができる。
【0078】
図7は、バスケットアセンブリ28がその拘束形態にあるときにバスケットアセンブリ28の画像をディスプレイデバイス27にレンダリングする際にプロセッサ22によって行われるステップの流れ図である。画像は、図1に例示されている手技の間に生成されてもよい。
【0079】
通常、手技の開始前に実行される最初のステップ100では、プロセッサには、式(1)で定義されるアセンブリ28の軸方向ばね定数kと、式(2)で定義されるアセンブリ剛性係数kθとが提供される。値は、アセンブリに既知の軸方向力及び赤道方向力を加え、形状及び向きのそれぞれの変化を測定することによって、実験的に決定することができる。一実施形態では、k=-31.86g/mm(負の符号は、δ及びFが反対方向であることを示す)及びkθ=0.29度/gであるが、k及びkθの値は、これらの値より大きくてもよく、又は小さくてもよい。
【0080】
更に、最初のステップにおいて、プロセッサには、バスケットアセンブリ28の形状、すなわちアセンブリがその非拘束状態にあるときの各スパイン13の形状を記述する数値及び/又は式が提供される。
【0081】
カテーテル挿入ステップ102において、医師24は、アセンブリ28が心腔36に入るように、カテーテル14を患者23に挿入する。プロセッサは、位置センサ35を使用して、位置及び向きの両方においてアセンブリ28を追跡し、力センサ29の出力を記録する。追跡された位置及び向きに関して、力センサ29によって記録された力がほぼ0である場合、プロセッサは、バスケットアセンブリの画像をその非拘束形態でディスプレイデバイス27上に表示する。
【0082】
継続挿入ステップ104において、プロセッサがアセンブリの位置及び向きを依然として追跡している間に、プロセッサは、力センサ29からの出力が、センサに、したがってバスケットアセンブリに作用する非ゼロ力が存在することを示すことを記録する。アセンブリの追跡された向きを使用して、プロセッサは、センサ出力によって示される力を軸方向成分及び赤道方向成分に分解する。
【0083】
計算ステップ106において、プロセッサは、図5及び図6を参照して上述したように、力成分を使用してアセンブリ28の形状変化及びアセンブリの向き変化を算出する。プロセッサは、力センサによって記録された力によってバスケットが拘束されているときのバスケットの形状及び向きを発見するよう、算出された変化を使用して、アセンブリのスプラインの各々に関する拘束形態を決定する。同様に上述したとおり、プロセッサは、拘束されたスパイン上の電極26の位置を算出することもできる。
【0084】
画像化ステップ108では、プロセッサ22は、拘束形態の数値を使用して、バスケットアセンブリの拘束形態の画像を算出し、拘束形態の提示として画像をディスプレイデバイス27にレンダリングする。この提示は、図1の提示39によって例示される。
【実施例0085】
実施例1。医療処置のための装置であって、
プローブであって、
生体の体腔内に挿入するよう構成されている、遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、挿入管の遠位端に結合されており、バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
体腔内でバスケットアセンブリにかけられた力の表示を出力するよう構成されている力センサと、
を備える、プローブと、
力の表示を受信し、力に応答して、所定の形態とは異なるバスケットアセンブリの拘束形態を計算し、バスケットアセンブリの拘束形態を表すグラフィック画像をディスプレイにレンダリングするように構成されているプロセッサと
を備える、装置。
【0086】
実施例2。複数のスパインが、中心点を有する接続部に接合されているスパイン遠位端と、挿入管遠位端に固定されているスパイン近位端とを有し、それによって、中心点と挿入管遠位端との間にアセンブリ軸を画定し、プロセッサが、力をアセンブリ軸に平行な軸方向成分と、アセンブリ軸に直交する赤道方向成分とに分解し、軸方向成分及び赤道方向成分のうちの少なくとも1つに応答して拘束形態を算出するように構成されている、実施例1に記載の装置。
【0087】
実施例3。所定の形態が、所定の形状を有しており、軸方向成分に応答して計算される拘束形態が、所定の形状とは異なる拘束形状を含む、実施例2による装置。
【0088】
実施例4。拘束形状が、アセンブリ軸に平行な直線距離だけ所定の形状とは異なる、実施例3による装置。
【0089】
実施例5。直線距離が、軸方向成分に正比例する、実施例4による装置。
【0090】
実施例6。所定の形態が、所定の方向を有しており、赤道方向成分に応答して計算される拘束形態が、所定の方向とは異なる拘束方向を含む、実施例2による装置。
【0091】
実施例7。拘束方向が、アセンブリ軸に直交する回転軸周りに測定される角度だけ所定の方向とは異なる、実施例6による装置。
【0092】
実施例8。角度が赤道方向成分に正比例する、実施例7による装置。
【0093】
実施例9。回転軸が、挿入管遠位端を通り、赤道方向成分に直交する、実施例7による装置。
【0094】
実施例10。力センサが、挿入管の遠位端に固定して配置されている、実施例1による装置。
【0095】
実施例11。複数のスパインのうちの所与のスパインが、その上の所定の位置に、所与のスパインに固定して取り付けられた電極を有しており、プロセッサが、バスケットアセンブリの拘束形態を算出することに応答して、電極の所与のスパイン上の、所定の位置とは異なる拘束位置を計算するよう構成されている、実施例1による装置。
【0096】
実施例12。所定の形態及び拘束形態がそれぞれ、所定の形状及び拘束形状を含み、所定の形状及び拘束形状がそれぞれ、球体形状と位相的に等価である、実施例1による、装置。
【0097】
実施例13。医療処置のための方法であって、
プローブを用意することであってプローブが、
生体の体腔内に挿入するよう構成されている、遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、挿入管の遠位端に結合されており、バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
体腔内でバスケットアセンブリにかけられた力の表示を出力するよう構成されている力センサと、
を備える、プローブを用意することと、
力の指示を受信することと、
力に応答して、所定の形態とは異なる、バスケットアセンブリの拘束形態を算出することと、
バスケットアセンブリの拘束形態を表示するグラフィック画像をディスプレイにレンダリングすることと、
を含む、医療処置のための方法。
【0098】
本明細書において使用される場合、任意の数値又は範囲に関する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書において記載されているその本来の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±10パーセントの値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、81パーセント~99%の値の範囲を指し得る。
【0099】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で具体的に図示及び記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上に説明されているさまざまな特徴の組合せ及び部分的組合せの両方、並びに前述の説明を一読すると当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び変更例を含むものである。
【0100】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置のための装置であって、
プローブであって、
生体の体腔内に挿入するように構成されている、遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、前記挿入管の前記遠位端に結合されており、前記バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
外部部材上への前記スパインの一部の物理的接触時に、前記バスケットアセンブリにかかる力の表示を出力するように構成されている力センサと、
を備える、プローブと、
前記力の前記表示を受信することと、前記力に応答して、前記所定の形態とは異なる前記バスケットアセンブリの拘束形態を計算することと、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を表すグラフィック画像をディスプレイにレンダリングすることと、を行うように構成されているプロセッサと、
を備える、装置。
(2) 前記複数のスパインが、中心点を有する接続部に接合されているスパイン遠位端と、前記挿入管遠位端に固定されているスパイン近位端とを有し、それによって、前記中心点と前記挿入管遠位端との間にアセンブリ軸を画定し、前記プロセッサが、前記力を前記アセンブリ軸に平行な軸方向成分と、前記アセンブリ軸に直交する赤道方向成分とに分解することと、前記軸方向成分及び前記赤道方向成分のうちの少なくとも1つに応答して前記拘束形態を計算することと、を行うように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記所定の形態が、所定の形状を有しており、前記軸方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の形状とは異なる拘束形状を含む、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記拘束形状が、前記アセンブリ軸に平行な直線距離だけ前記所定の形状とは異なる、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記直線距離が、前記軸方向成分に正比例する、実施態様4に記載の装置。
【0101】
(6) 前記所定の形態が所定の方向を有しており、前記赤道方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の方向とは異なる拘束方向を含む、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記拘束方向が、前記アセンブリ軸に直交する回転軸周りに測定される角度だけ前記所定の方向とは異なる、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記角度が前記赤道方向成分に正比例する、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記回転軸が、前記挿入管遠位端を通り、前記赤道方向成分に直交する、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記力センサが、前記挿入管の前記遠位端に固定して配置されている、実施態様1に記載の装置。
【0102】
(11) 前記複数のスパインのうちの所与のスパインが、その上の所定の位置で前記所与のスパインに固定して取り付けられた電極を有しており、前記プロセッサが、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を計算することに応答して、前記電極の前記所与のスパイン上の、前記所定の位置とは異なる拘束位置を算出するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記所定の形態及び前記拘束形態がそれぞれ、所定の形状及び拘束形状を含み、前記所定の形状及び前記拘束形状がそれぞれ、球体形状と位相的に等価である、実施態様1に記載の装置。
(13) 医療処置のための方法であって、
プローブを用意することであって、前記プローブが、
遠位端を有する挿入管と、
バスケットアセンブリであって、前記挿入管の前記遠位端に結合されており、前記バスケットアセンブリが外力によって拘束されていないときに所定の形態で互いに接合されている、複数の弾性スパインを備える、バスケットアセンブリと、
部材上への前記スパインの一部の物理的接触によって、前記バスケットアセンブリにかかる力の表示を出力するように構成されている力センサと、
を備える、プローブを用意することと、
前記力の前記表示を受信することと、
前記力に応答して、前記所定の形態とは異なる、前記バスケットアセンブリの拘束形態を計算することと、
前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を表すグラフィック画像をディスプレイにレンダリングすることと、
を含む、方法。
(14) 前記複数のスパインが、中心点を有する接続部に接合されているスパイン遠位端と、前記挿入管遠位端に固定されているスパイン近位端とを有し、それによって、前記中心点と前記挿入管遠位点との間にアセンブリ軸を画定し、前記方法が、前記力を前記アセンブリ軸に平行な軸方向成分と、前記アセンブリ軸に直交する赤道方向成分とに分解することと、前記軸方向成分及び前記赤道方向成分のうちの少なくとも1つに応答して前記拘束形態を計算することと、を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記所定の形態が、所定の形状を有しており、前記軸方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の形状とは異なる拘束形状を含む、実施態様14に記載の方法。
【0103】
(16) 前記拘束形状が、前記アセンブリ軸に平行な直線距離だけ前記所定の形状とは異なる、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記直線距離が前記軸方向成分に正比例する、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記所定の形態が所定の方向を有しており、前記赤道方向成分に応答して計算される前記拘束形態が、前記所定の方向とは異なる拘束方向を含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記拘束方向が、前記アセンブリ軸に直交する回転軸周りに測定される角度だけ前記所定の方向とは異なる、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記角度が前記赤道方向成分に正比例する、実施態様19に記載の方法。
【0104】
(21) 前記回転軸が、前記挿入管遠位端を通り、前記赤道方向成分に直交する、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記力センサが、前記挿入管の前記遠位端に固定して配置されている、実施態様13に記載の方法。
(23) 前記複数のスパインのうちの所与のスパインが、その上の所定の位置で前記所与のスパインに固定して取り付けられた電極を有しており、前記方法が、前記バスケットアセンブリの前記拘束形態を計算することに応答して、前記電極の前記所与のスパイン上の、前記所定の位置とは異なる拘束位置を算出することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(24) 前記所定の形態及び前記拘束形態がそれぞれ、所定の形状及び拘束形状を含み、前記所定の形状及び前記拘束形状がそれぞれ、球体形状と位相的に等価である、実施態様13に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】