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特開2024-96093フレキシブル回路を備える円筒形ケージマッピング及びアブレーションカテーテルのためのシステム並びに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096093
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】フレキシブル回路を備える円筒形ケージマッピング及びアブレーションカテーテルのためのシステム並びに方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222785
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,790
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/510,040
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ロドリゲス・ソト
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・アッバス
(72)【発明者】
【氏名】ババク・エブラヒミ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL08
4C127LL22
4C160KK03
4C160KK17
4C160KK24
4C160KK47
4C160KK63
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】バスケットカテーテルを提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、バスケットカテーテルに取り付けられた電極を有する略円筒形構造体を備える、バスケットカテーテルを含む。本開示の技術は、近位端部を備え、かつ長手方向軸に沿って遠位端部まで延在する、一体型フレックス回路を含むことができる。近位端部は、複数の第1のアームに分岐し、第1のアームの各々は、第2及び第3のアームに分割し、第2及び第3のアームは、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されて、長手方向軸の周りに配置された細長い形状を画定する。本開示の技術は、近位ハブと、遠位ハブと、略円筒形構造体を形成する複数のスパインと、を有する、エンドエフェクタのための構造ユニットを含むことができる。スパインは、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、第2及び第3の部材が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備えることができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部を備え、かつ長手方向軸に沿って遠位端部まで延在する、一体型フレックス回路であって、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されて、前記長手方向軸の周りに配置された細長い形状を画定する、一体型フレックス回路。
【請求項2】
患者の臓器の組織をアブレーションするように構成されている複数の電極と、複数の基準電極と、を更に備える、請求項1に記載の一体型フレックス回路。
【請求項3】
前記複数の電極のうちの各電極が、前記一体型フレックス回路の外向き表面上に配置されており、
前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記一体型フレックス回路の内向き表面上に配置されている、請求項2に記載の一体型フレックス回路。
【請求項4】
前記一体型フレックス回路が、拡張形態と圧潰形態との間で移行するように構成されている、請求項1に記載の一体型フレックス回路。
【請求項5】
医療用プローブであって、
エンドエフェクタのための構造ユニットであって、前記構造ユニットが、
近位ハブと、
前記近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、
前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインであって、前記複数のスパインが、
前記近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、前記複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、前記第2及び第3の部材の各々が、前記遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備える、複数のスパインと、を備える、構造ユニットと、
前記構造ユニットに結合されたフレキシブル回路であって、前記フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を備え、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されている、フレキシブル回路と、を備える、医療用プローブ。
【請求項6】
前記それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、前記第5及び第6の部材の各々が、前記遠位ハブに接続されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記複数のスパインが、前記第1の部材と前記第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
患者の臓器の組織をアブレーションするように構成されている複数の電極と、複数の基準電極と、を更に備える、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記フレキシブル回路が、複数の電気トレースを更に備え、前記複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極と電気的に連通している、請求項8に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、前記電磁コイルが、位置感知のための磁場を感知するように構成されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、前記複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
各第2のアームが、第2の部材と整列されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
各第3のアームが、第3の部材と整列されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
各第4のアームが、第4の部材と整列されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
医療用プローブを構築する方法であって、
複数のスパインを形成することであって、前記複数のスパインが、実質的円筒形状を形成し、前記複数のスパインが、
近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、前記複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、前記第2及び第3の部材の各々が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続される、複数の第1の部材を備える、複数のスパインを形成することと、
複数の電極を含むフレキシブル回路を形成することと、
前記フレキシブル回路を前記複数のスパインに結合して、円筒形構造体を形成することと、
前記円筒形構造体をチューブ状シャフトの遠位端部に取り付けることと、を含む、方法。
【請求項16】
前記それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、前記第5及び第6の部材の各々が、前記遠位ハブに接続される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のスパインが、前記第1の部材と前記第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を更に備え、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、前記複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されており、
各第2のアームが、第2の部材と整列されており、
各第3のアームが、第3の部材と整列されており、
各第4のアームが、第4の部材と整列されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数の基準電極を前記円筒形構造体に取り付けることを更に含み、前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、前記複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対の前記それぞれのスパインの側で取り付けられる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その内容全体が、本明細書に完全に記載された場合のように参照により本明細書に組み込まれる、2022年12月29日に出願された先願の米国仮特許出願第63/477,790号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用デバイスに関し、特に、バスケットカテーテルに取り付けられた電極を有する略円筒形構造体を備える、バスケットカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに発生する。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する。RFアブレーションは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得る、熱加熱に関連する特定のリスクを有し得る。
【0005】
冷凍アブレーションは、一般にRFアブレーションに関連する熱リスクを低減するRFアブレーションの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0006】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号(現米国特許第11,660,135号)、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号(現米国特許第11,540,877号)、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、同第2021/0186604(A1)号(現米国特許第11,707,320号)に提示されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,790号の付録に添付されている。
【0007】
バスケットカテーテルは、心臓組織をマッピング又はアブレーションするために一般的に使用される。例えば、バスケットカテーテルは、米国特許第5,772,590号、同第6,748,255号、及び同第6,973,340号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,790号の付録に添付されている。バスケットカテーテルは、概して、カテーテルの遠位端部に取り付けられ、かつ略球形を形成するように構成されている、複数のスパインを含む。各スパインは、典型的には、組織のマッピング又はアブレーションのために構成されている、それに取り付けられた少なくとも1つの電極を有する。バスケットカテーテルを製造することは、サイズが小さく、幾何形状が複雑であるため、困難かつ高価なプロセスであり得る。特に、スパインに電極を取り付けることは、困難であり、時間がかかり、高価であり得る。したがって、当該技術分野において、バスケットカテーテルを製造する改善された方法の必要性が存在する。
【0008】
バスケットカテーテルを用いた例示的なマッピング及びアブレーション処置は、バスケットカテーテルを組織(例えば、心臓組織)と接触させることと、組織における電気信号を検出して、組織にわたる電気信号をマッピングすることと、かつ/又は電気エネルギーを電極に送達して、組織をアブレーションすることと、を含むことができる。バスケットカテーテルの球形構成のために、球形バスケットカテーテルは、肺静脈などの丸みを帯びた幾何形状をアブレーションするのに(例えば、肺静脈隔離のために)よく適している傾向があるが、平面状組織表面にわたる電気パルスのマッピングにはあまり有効ではない。したがって、場合によっては、心臓内の組織をマッピング及び/又はアブレーションするために複数のカテーテルを使用しなければならない。理解されるように、複数のカテーテルを使用することは、医師が複数のカテーテルを挿入かつ操作することを必要とし、より長い手術時間をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、当該技術分野において、肺静脈などの平面状組織及び丸みを帯びた組織のアブレーション並びにマッピングを行うことができるカテーテル設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の例では、近位端部を備え、かつ長手方向軸に沿って遠位端部まで延在する、一体型フレックス回路が提供される。近位端部は、複数の第1のアームに分岐することができる。第1のアームの各々は、第2及び第3のアームに分割することができる。第2及び第3のアームの各々は、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されて、長手方向軸の周りに配置された細長い形状を画定することができる。
【0011】
本開示の技術は、近位ハブと、近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、近位ハブと遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインと、を備える、エンドエフェクタのための構造ユニットを含むことができる。複数のスパインは、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材を備えることができる。複数の第1の部材は、複数の第2及び第3の部材に分岐することができる。第2及び第3の部材の各々は、遠位ハブに近接するそれぞれの第4の部材に接続することができる。
【0012】
本開示の技術は、エンドエフェクタのための構造ユニットを備える医療用プローブを含むことができる。構造ユニットは、近位ハブと、近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、近位ハブと遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインと、を備えることができる。複数のスパインは、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材を備えることができる。複数の第1の部材は、複数の第2及び第3の部材に分岐することができる。第2及び第3の部材の各々は、遠位ハブに近接するそれぞれの第4の部材に接続することができる。
【0013】
フレキシブル回路を構造ユニットに結合することができる。フレキシブル回路は、近位端部と、遠位端部と、を備えることができる。近位端部は、複数の第1のアームに分岐することができる。第1のアームの各々は、第2及び第3のアームに分割することができる。第2及び第3のアームの各々は、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続することができる。
【0014】
開示された技術は、医療用プローブを構築する方法を含むことができる。本方法は、複数のスパインを形成することを含むことができる。複数のスパインは、実質的円筒形形状を形成し、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材を備えることができる。複数の第1の部材は、複数の第2及び第3の部材に分岐することができる。第2及び第3の部材の各々は、遠位ハブに近接するそれぞれの第4の部材に接続することができる。
【0015】
本方法は、複数の電極を含むフレキシブル回路を形成することと、フレキシブル回路を複数のスパインに結合して、円筒形構造体を形成することと、円筒形構造体をチューブ状シャフトの遠位端部に取り付けることと、を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
図1】本発明の一実施例による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端部が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
図2A】本発明の一実施形態による、拡張形態の医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
図2B】本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブの側面図を示す概略描画図である。
図2C】本開示の技術による、圧潰形態の医療用プローブの側面図を示す概略描画図である。
図2D】本開示の技術による、医療用プローブのスパインの特徴を詳細に示す、医療用プローブの別の側面図を示す概略描画図である。
図2E】本開示の技術による、圧潰形態の医療用プローブの遠位端部を示す概略描画図である。
図2F】本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブの上面図の概略描画図である。
図3A】本開示の技術による、拡張形態の別の医療用プローブの側面図の概略描画図である。
図3B】本開示の技術による、圧潰形態の医療用プローブの遠位端部の概略描画図である。
図3C】本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブの上面図の概略描画図である。
図4A】本開示の技術による、フレキシブル回路の正面図の概略描画図である。
図4B】本開示の技術による、フレキシブル回路の電極の前側の詳細図である。
図4C】本開示の技術による、フレキシブル回路の電極の側面である。
図4D】本開示の技術による、フレキシブル回路の接点の詳細図である。
図5A】本開示の技術による、フレキシブル回路の正面図の概略描画図である。
図5B】本開示の技術による、フレキシブル回路の電極の詳細図である。
図5C】本開示の技術による、フレキシブル回路の電極の側面図である。
図6A】本開示の技術による、圧潰形態のフレキシブル回路の概略描画図である。
図6B】本開示の技術による、拡張形態のフレキシブル回路の概略描画図である。
図7】本開示の技術による、医療用プローブを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示を通して明らかになるように、本開示の技術は、先行技術に勝るいくつかの利点を含む。本開示の技術は、略円筒形状を有する拡張可能バスケットアセンブリを含むことができる。拡張可能バスケットアセンブリは、組織のマッピング又はアブレーションのために構成され得る、それに取り付けられた複数の電極を有することができる。略円筒形状を有する拡張可能バスケットアセンブリを含むことによって、本開示の技術は、略平面状組織並びに肺静脈などの略円形形状の組織をマッピング又はアブレーションするのによく適している場合がある。例えば、略円筒形状は、略平面状組織をマッピング又はアブレーションするために上に配置された電極を有する、略平面状端部を有することができる。略円筒形状は、略円形形状の組織をマッピング又はアブレーションするように構成され得る、外側周囲表面の周りに配置された電極を更に含むことができる。
【0018】
本開示の技術は、略円筒形バスケットに取り付けることができるフレキシブル回路を含むことができる。フレキシブル回路は、組織をマッピングかつ/又はアブレーションするように構成されている複数の電極を含むことができる。このようにして、フレキシブル回路は、円筒形バスケットとは別個に作製され得、次いで、円筒形バスケットに取り付けられ得、それによって、拡張可能なバスケットアセンブリを製造するプロセスを簡略化する。
【0019】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には、同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として、本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形形態、代替物及び使用を説明する。
【0020】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする、好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0021】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を表すものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳動物、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々な任意の適用可能な種類であり得ることを理解されたい。一例として、動物は、ヒトと同様の特定の特性を有するように特異的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サル、又は同等物)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者により近い方の場所を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師からより遠い場所を示す。
【0022】
本明細書で考察されるように、「医師」は、医師、外科医、技術者、科学者、作業者、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0023】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、RFアブレーション若しくは凍結アブレーションなどの熱エネルギー、又は不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギー(本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される)を利用することによって、細胞内の不規則的心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。IREアブレーションは、単相又は二相パルスを含むことができる。更に、本開示の技術は、可逆的エレクトロポレーションを含み得る。
【0024】
本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0025】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造体、若しくは断面が厳密に円形である構造体、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造体に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造体は、概して、実質的な直円柱構造体として例解される。しかしながら、チューブ状構造体は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外側表面を有し得る。
【0026】
別段の指定がない限り、一般的な物体又は関連する物体を説明するための順序の形容詞である「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用は、同様の物体の異なる例が言及されていることを単に示し、そのように記載された物体が、時間的、空間的、ランク付け、又は任意の他の様式で所与の順序であるべきであることを意味することを意図するものではない。
【0027】
本開示は、バスケットカテーテルに取り付けられた電極を備えるフレキシブル回路を有する円筒形バスケットカテーテルを含むエンドエフェクタを利用する、システム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心臓不整脈を治療するための心臓組織のマッピング及びアブレーションに特に適し得る。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0028】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、並びに/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。IEGMを感知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12内の標的部位を感知するために、医療用プローブ16を構成するカテーテル14の遠位先端部(バスケットアセンブリ28)を肺静脈又はその近くで心臓壁に接触させる。アブレーションを行う場合、医師24は同様に、医療用プローブ16を構成するアブレーションカテーテルの遠位端部をアブレーションの標的部位に運ぶだろう。
【0029】
医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ28において複数のスパイン22にわたって任意選択的に分布し、かつIEGM信号を感知するように構成されている、1つ、好ましくは複数の電極26を含む、例示的なプローブである。医療用プローブ16は、バスケットアセンブリ28の位置及び配向を追跡するために、バスケットアセンブリ28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的に、かつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。位置センサ29は、従来のコイル状ワイヤセンサ、フラットPCBベースのセンサ、又は変形可能な電磁ループセンサとすることができる。描写されていないが、位置センサ29は、代替的に、複数のスパイン22上に位置決めされ得るか、又は複数のスパイン22の個々のスパイン内に設計され得る。いくつかの実施形態では、複数のスパイン22の個々のスパインは、絶縁され、位置センサとして機能することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、医療用プローブ16は、変形可能な電磁ループセンサを含むことができる変形可能な電磁ループセンサの様々なシステム及び方法の例は、米国特許第11,304,642号及び同第10,330,742号、並びに米国特許出願公開第2018/0344202(A1)号及び同第2020/0155224(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,790号の付録に添付されている。
【0031】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25とともに動作し得る。カテーテル14のバスケットアセンブリ28のリアルタイム位置は、場所パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気系の位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,790号の付録に添付されている。
【0032】
システム10は、場所パッド25の場所基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために位置決めされた1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の場所を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、米国優先権出願第63/477,790号の付録に添付されている。
【0033】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0034】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝導するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー又はパルスフィールドアブレーション(PFA)エネルギー、あるいはそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0035】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を更に含む。
【0036】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすること、(2)記録された電位図21からコンパイルされたアクティブ化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示すること、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの場所及び配向を表示すること、及び(5)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0037】
図2Aは、本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブ200の斜視図を示す概略描画図であり、図2Bは、本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブ200の側面図を示す概略描画図である。医療用プローブ200は、チューブ状シャフト84によって送達シース80から前進することなどによる、非拘束時の拡張形態であり得る。一方、図2Cは、送達シース80内に後退することなどによる、圧潰形態の医療用プローブ200の側面図を示す概略描画図である。拡張形態(図2A及び図2B)では、スパイン22は、長手方向軸86に沿って半径方向外向きに曲がり、圧潰形態(図2C)では、スパインは、チューブ状シャフト84の長手方向軸86に概ね沿って拘束される。
【0038】
図2A及び図2Bに示されるように、医療用プローブ200は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、かつ両端部で接続された、複数のフレキシブルスパイン22を備える、バスケットアセンブリ28を含むことができる。医療処置中、医師24は、チューブ状シャフト84を送達シース80から延出させ(図2C)、バスケットアセンブリ28を送達シース80から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ28を展開することができる。
【0039】
図2A及び図2Bに示されるように、バスケットアセンブリ28は、近位端部202及び遠位端部204を含み、略円筒形状を形成することができる。スパイン22は、スパイン22が接続され得る近位ハブ220aと遠位ハブ220bとの間に延在し得る。遠位端部204は、略平面状部分225を含むことができる。本明細書でより詳細に説明するように、バスケットアセンブリ28は、バスケットアセンブリ28に取り付けることができるフレキシブル回路に形成された、複数の電極26(図2A図2Cに図示せず)を含むことができる。バスケットアセンブリ28の円筒形状に起因して、本明細書に説明される医療用プローブ200は、平面状組織(例えば、心臓の略平面状表面)及び丸みを帯びた組織場所(例えば、肺静脈)の両方のマッピング並びに/又はアブレーションのために構成され得る。このようにして、医療用プローブ200は、異なるエンドエフェクタ形状を有する複数のカテーテルの使用を必要とせずに、単一の処置で臓器の複数の表面のマッピング及び/又はアブレーションを行うように構成することができる。平面状部分225は、例えば、略平面状組織のマッピング及び/又はアブレーションのために構成されている、その上に配置された複数の電極26を有することができ、バスケットアセンブリ28の円筒形構造体の側面は、略円形組織場所のマッピング及び/又はアブレーションのために構成されている、その上に配置された複数の電極26を含むことができる。
【0040】
バスケットアセンブリ28は、生体適合性材料の平面状シート又は生体適合性材料の円筒状原料から形成され得る。例えば、スパイン22は、生体適合性材料に切断され得、次いで、バスケットアセンブリ28は、熱硬化によって、又は別様にスパイン22に円筒形状を保持させることによって、円筒形状に形成され得る。生体適合性材料は、ニチノール、ステンレス鋼、コバルトクロム、ポリマー材料、又は他の好適な材料を含むがこれらに限定されない、任意の好適な種類の生体適合性材料であり得る。
【0041】
図2Dは、本開示の技術による、医療用プローブ200のスパイン22の特徴を詳細に示す、医療用プローブ200のバスケットアセンブリ28の別の側面図を示す概略描画図である。図2Eは、本開示の技術による、圧潰形態の医療用プローブ200のバスケットアセンブリ28の遠位端部を示す概略描画図であり、図2Fは、本開示の技術による、拡張形態の医療用プローブ200のバスケットアセンブリ28の上面図の概略描画図である。
【0042】
図2Dに示されるように、電極26(本明細書でより詳細に説明される)を支持するように構成されている構造ユニットとして作用することができるバスケットアセンブリ28は、近位ハブ220aと遠位ハブ220bとの間に長さLだけ延在するスパイン22によって形成された、略円筒形状を含むことができる。図2Fに示されるように、バスケットアセンブリ28は、外径D1及び内径D2を含むことができる。理解されるように、長さL、外径D1、及び内径D2は、特定の用途に適切なサイズにすることができる。
【0043】
図2D図2E、及び図2Fに示されるように、各スパイン22は、近位ハブ220aと遠位ハブ220bとの間に延在するように、個々の部材22a~22fに分解することができる。例えば、スパイン22は、第1の端部で近位ハブ220aに取り付けられ、かつ近位ハブ220aから遠位のスパイン22に沿った第1の場所で第2の部材22b及び第3の部材22cに分岐する、第1の部材22aを含むことができる。図2Dに示されるように、第2の部材22b及び第3の部材22cは、バスケットアセンブリ28の長さLに沿って第1の距離d1だけ延在することができる。第2の部材22b及び第3の部材22cは、第1の場所から遠位であり、かつ遠位ハブ220bに近接する、スパイン22に沿った第2の場所において、第4の部材22dにともに収束することができる。第4の部材22dは、バスケットアセンブリ28の長さLに沿って第2の距離d2だけ延在することができる。スパイン22は、第2の場所から遠位であり、遠位ハブ220bに近接する第3の場所において、第5の部材22e及び第6の部材22fに更に分岐することができる。第5の部材22e及び第6の部材22fは、収束し、スパイン22の遠位端部で遠位ハブ220bに取り付けることができる。理解されるように、部材22a~22fの全ては、生体適合性材料の連続片であり得るか、又は部材22a~22fの全ては、スパイン22を形成するために一緒に接続される個々の部材であり得る。
【0044】
図3Aは、本開示の技術による、拡張形態の別のバスケットアセンブリ328の側面図の概略描画図であり、図3Bは、本開示の技術による、圧潰形態の別のバスケットアセンブリ328の遠位端部の概略描画図であり、図3Cは、本開示の技術による、拡張形態のバスケットアセンブリ328の上面図の概略描画図である。図3A図3Cに示されるように、バスケットアセンブリ328は、先で説明されるバスケットアセンブリ28と同様に、近位端部320と遠位端部304との間に延在する略円筒形状を形成することができる。同様に、バスケットアセンブリ328は、バスケットアセンブリ328の遠位端部304に略平面状部分325を有することができる。
【0045】
図3Aに示されるように、電極26(本明細書でより詳細に説明される)を支持するように構成されている構造ユニットとして作用することができるバスケットアセンブリ328は、近位ハブ320aと遠位ハブ320bとの間に長さLだけ延在するスパイン322によって形成された、略円筒形状を含むことができる。図3Cに示されるように、バスケットアセンブリ328は、外径D1及び内径D2を含むことができる。理解されるように、長さL、外径D1、及び内径D2は、特定の用途に適切なサイズにすることができる。
【0046】
図3A図3Cに示されるように、各スパイン322は、近位ハブ320aと遠位ハブ320bとの間に延在するように、個々の部材322a~322eに分解することができる。例えば、スパイン322は、第1の端部で近位ハブ320aに取り付けられた第1の部材322aと、第2の端部で第2の部材322bと、を含むことができる。第2の部材322bは、実質的に円筒形構造体の縁部全体に沿って延在することができる。第2の部材322bは、第2の部材322bの遠位端部において第3の部材322cに取り付けられ得る。第3の部材322cは、第2の部材322bから遠位ハブ320bまで延在し、遠位ハブ320bに取り付けられ得る。理解されるように、第1の部材322a、第2の部材322b、及び第3の部材322cは、近位ハブ320aと遠位ハブ320bとの間に延在する単一の連続スパインとすることができる。
【0047】
バスケットアセンブリ328は、第1の部材322aと第2の部材322bとが接続される点で第1の部材322aから分岐することができる、第4の部材322d及び第5の部材322eを更に含むことができる。第4の部材322d及び第5の部材322eは、バスケットアセンブリ328の長さに沿って遠位に延在し、第2の部材322b及び第3の部材322cが互いに取り付けられる点でともに収束することができる。理解されるように、部材322a~322eの全ては、生体適合性材料の連続片であり得るか、又は部材322a~322eの全ては、スパイン322を形成するために一緒に接続される個々の部材であり得る。いくつかの例では、隣接する第4の部材322d及び第5の部材322eは、バスケットアセンブリ328を一緒に接続するために、接続点334で互いに接続することができる。
【0048】
本明細書に記載されるように、本開示の技術は、バスケットアセンブリ28(又はバスケットアセンブリ328)に取り付けられて医療用プローブを形成することができる、フレキシブル回路428を含むことができる。加えて、フレキシブル回路428は、バスケットアセンブリ28上に直接制作することができる。図4A図6Bは、そのようなフレキシブル回路の様々な例を示す。ここで図4A図4Dを参照すると、フレキシブル回路428が示され、説明されている。示されるように、フレキシブル回路428は、先で説明されるスパイン22(又はスパイン322)と整列するように構成され得る複数のアーム432を含むことができる。アーム432は各々、近位端部の近位コネクタ420aと遠位端部の遠位コネクタ420bとの間に延在することができる。近位コネクタ420aは、フレキシブル回路を近位ハブ220a(又は近位ハブ320a)に接続するように構成することができ、遠位コネクタ420bは、フレキシブル回路を遠位ハブ220bに接続するように構成することができる。アーム432は、先で説明されるように、組織のマッピング又はアブレーションのために構成することができる1つ又は2つ以上の電極26を更に含むことができる。理解されるように、フレキシブル回路428は、トレースの金属層及び接合された誘電体層を形成することを含む、これに限定されない、フレキシブル回路を形成する既知の方法を使用して形成することができる。トレースは電極26に接続することができる。
【0049】
図4Cに示されるように、フレキシブル回路428は、アーム432の第1の側に電極26を含み、アーム432の第2の側に基準電極460を含むことができる。電極26は、組織のマッピング又はアブレーションのために構成され得る一方で、基準電極460は、器官内の血液又は他の流体を通して伝導される遠距離場信号を受信するように構成され得る。理解されるように、基準電極460によって検出された遠距離場信号は、コンピュータ(例えば、PIU 30)によって受信かつ処理され、電極26から受信された信号を基準電極460から受信された信号と比較して、マッピングのために受信された信号が組織を通る心電信号を表すことを確実にすることができる。
【0050】
基準電極は、組織に接触している電極に直接隣接する流体及び/又は血液からの電気信号を測定するように構成することができる。したがって、基準電極は、接触組織から絶縁され、結果として収集される信号は、非局所遠距離場信号である。この基準電極からの情報を使用して、隣接する組織接触電極からの遠距離場信号を相殺して、組織接触電極が局所情報のみを収集することを確実にすることができる。
【0051】
図4Dに示されるように、フレキシブル回路428は、電極26をPIU30などのコンピュータに、又はアブレーションエネルギー発生器50に電気的に接続するために近位コネクタ420a上に配置された、終端点42を含むことができる。終端点42は各々、トレースによって電極26に電気的に接続することができる。
【0052】
図4Aに示されるように、フレキシブル回路428の各アーム432は、いくつかの個々のアーム432a~432eに分割することができる。例えば、フレキシブル回路428は、第1の端部において近位コネクタ420aに接続された第1のアーム432aと、第2の端部において第2のアーム432bと、を含むことができる。第2のアーム432bは、第2のアーム432bがバスケットアセンブリ28の円筒形構造体の縁部全体に実質的に沿って延在することができるように、遠位に延在するように構成され得る。第2のアーム432bは、第1のアーム432aの遠位にあるが、遠位コネクタ420bの近位にある、第3のアーム432cに接続され得る。第3のアーム432cは、第3のアーム432cの遠位端部において遠位コネクタ420bに接続され得る。理解されるように、いくつかの例では、第1のアーム432a、第2のアーム432b、及び第3のアーム432cは、近位コネクタ420aと遠位コネクタ420bとの間に延在する単一の連続アームとすることができる。
【0053】
フレキシブル回路428は、第1のアーム432aと第2のアーム432bとが接続される点433aにおいて第1のアーム432aから分岐することができる、第4のアーム432d及び第5のアーム432eを更に含むことができる。第4のアーム432d及び第5のアーム432eは、フレキシブル回路428の長さに沿って遠位に延在し、第2のアーム432b及び第3のアーム432cが互いに取り付けられる点433bでともに収束することができる。理解されるように、アーム432a~432eの全ては、生体適合性材料の連続片であり得るか、又はアーム432a~432eの全ては、アーム432を形成するために一緒に接続される生体適合性材料から形成される個々のアームであり得る。いくつかの例では、隣接する第4のアーム432d及び第5のアーム432eは、フレキシブル回路428を一緒に接続するために、接続点434で互いに接続することができる。
【0054】
図5A図5Cは、別の例示的なフレキシブル回路の図を示す。図5Aは、本開示の技術による、フレキシブル回路の正面図であり、図5Bは、詳細図であり、図5Cは、側面詳細図である。フレキシブル回路528は、ここで説明されるフレキシブル回路428と同様であり得る。例えば、フレキシブル回路528は、電極26及び基準電極560に関連して先で説明される特徴の全てを含むことができる、複数の電極26及び基準電極460を含むことができる。更に、フレキシブル回路528は、電極26及び終端点(図示せず)に電気的に接続することができるトレース520を含むことができる。更に、フレキシブル回路528は、先で説明されるように、フレキシブル回路528を近位ハブ220aに接続するための近位コネクタ520aと、フレキシブル回路528を遠位ハブ220bに接続するための遠位コネクタ520bと、を含むことができる。
【0055】
フレキシブル回路528は、第1の端部において近位コネクタ520aに取り付けることができる第1のアーム522aと、第2の端部において第2のアーム522bと、を含むことができる。しかしながら、この場合、2つの第1のアーム522aは、近位コネクタ520aから延在し、遠位コネクタ520bに近接する第2のアーム522に取り付けられるようにともに収束することができる。
【0056】
図6Aは、本開示の技術による、圧潰構成のフレキシブル回路628を図示し、図6Bは、本開示の技術による、拡張構成のフレキシブル回路628を図示する。フレキシブル回路628は、フレキシブル回路428及びフレキシブル回路528と同様に形成することができ、先で説明されるように電極26及び基準電極460、560を含むことができる。更に、フレキシブル回路628は、近位端部602における近位コネクタ620aと、遠位コネクタ620bと、遠位端部604と、を含むことができる。
【0057】
フレキシブル回路628は、第1の端部において近位コネクタ620aに接続され、かつ第2の端部で第2のアーム632b及び第3のアーム632cに分岐する、第1のアーム632aを含むことができる。第2のアーム632b及び第3のアーム632cは、示されるように遠位コネクタ620bに接続され得る第4のアーム632dに収束し得る。第2のアーム632b及び第3のアーム632cは、同じ第4のアーム632に接続するためにともに収束することができるか、又は第2のアーム632b及び第3のアーム632cは、(図6A及び図6Bに示されるように)異なる第4のアーム632dにおいてそれぞれの隣接する第2のアーム632b又は第3のアーム632cに接続するために、それぞれ隣接する第2のアーム632b又は隣接する第3のアーム632cに向かって収束することができる。
【0058】
理解されるように、フレキシブル回路428、528、及び628は、バスケットアセンブリ28、328と整列かつ接続するように構成することができる。すなわち、アームの数及びアームの構成は、アームがスパインと整列するように、スパインの数及び構成と一致するように作製することができる。更に、理解されるように、フレキシブル回路428、528、又は628は、バスケットアセンブリ28、328から分離して作製され、その後、任意の好適な取り付け方法を使用してバスケットアセンブリ28、328に取り付けられ得る。例えば、フレキシブル回路428、528、及び628は、接着剤、熱処理、締結具などを使用して、バスケットアセンブリ28、328に取り付けることができる。
【0059】
図7は、本開示の技術による、医療用プローブを製造する方法700のフローチャートである。方法700は、バスケットアセンブリ(例えば、バスケットアセンブリ28)を形成すること(702)を含むことができる。バスケットアセンブリを形成すること(702)は、例えば、本明細書に記載されるような複数のスパインを有する略円筒形状のバスケットを形成することを含むことができる。方法700は、電極を有するフレキシブル回路(例えば、フレキシブル回路428、528、628)を形成すること(工程704)と、フレキシブル回路をバスケットアセンブリに取り付けて略円筒形アセンブリを形成すること(工程706)と、を含むことができる。方法700は、円筒形アセンブリをチューブ状シャフトに取り付けて、略円筒形状のバスケットカテーテルを形成すること(工程708)を更に含むことができる。理解されるように、ここで説明した方法700は、本明細書で説明した先の例のいずれかを含むことができる。
【0060】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:近位端部を備え、かつ長手方向軸に沿って遠位端部まで延在する、一体型フレックス回路であって、近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、第2及び第3のアームの各々が、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されて、長手方向軸の周りに配置された細長い形状を画定する、一体型フレックス回路。
【0061】
条項2:患者の臓器の組織をアブレーションするように構成されている複数の電極を更に備える、条項1に記載の一体型フレックス回路。
【0062】
条項3:複数の電極のうちの各電極が、第2のアーム又は第3のアームのいずれかに取り付けられる、条項2に記載の一体型フレックス回路。
【0063】
条項4:複数の電極のうちの各電極が、約0.2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲の長さを備える、条項2又は3に記載の一体型フレックス回路。いくつかの例では、複数の電極のうちの各電極は、約1.3ミリメートルの長さを含むことができる。
【0064】
条項5:複数の電極のうちの各電極が、約0.2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲の幅を備える、条項2~4のいずれか一項に記載の一体型フレックス回路。いくつかの例では、複数の電極のうちの各電極は、約0.25ミリメートルの幅を含むことができる。
【0065】
条項6:複数の基準電極を更に備える、条項1~5のいずれか一項に記載の一体型フレックス回路。
【0066】
条項7:複数の基準電極のうちの各基準電極が、複数の電極のうちの1つの電極に近接して配置される、条項6に記載の一体型フレックス回路。
【0067】
条項8:複数の電極のうちの各電極が、一体型フレックス回路の外向き表面上に配置されており、複数の基準電極のうちの各基準電極が、一体型フレックス回路の内向き表面上に配置されている、条項7に記載の一体型フレックス回路。
【0068】
条項9:バスケットカテーテルに取り付けられるように構成されている、条項1~8のいずれか一項に記載の一体型フレックス回路。
【0069】
条項10:バスケットカテーテルが、略円筒形状を備える、条項9に記載の一体型フレックス回路。
【0070】
条項11:一体型フレックス回路が、拡張形態と圧潰形態との間で移行するように構成されている、条項1~10のいずれか一項に記載の一体型フレックス回路。
【0071】
条項12:エンドエフェクタのための構造ユニットであって、近位ハブと、近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、近位ハブと遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインであって、複数のスパインが、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、第2及び第3の部材の各々が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備える、複数のスパインと、を備える、構造ユニット。
【0072】
条項13:それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、第5及び第6の部材の各々が、遠位ハブに接続されている、条項12に記載の構造ユニット。
【0073】
条項14:第1の部材と第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、条項12に記載の構造ユニット。
【0074】
条項15:略円筒形構造体が、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、条項12~14のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0075】
条項16:円筒形構造体が、実質的に平面状の遠位部分を備える、条項12~15のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0076】
条項17:複数のスパインが、生体適合性材料の平面状シートから形成されている、条項12~16のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0077】
条項18:複数のスパインが、生体適合性材料のチューブから形成されている、条項12~16のいずれか一項に記載の構造ユニット。
【0078】
条項19:生体適合性材料が、ニチノールを含む、条項17又は18に記載の構造ユニット。
【0079】
条項20:エンドエフェクタのための構造ユニットを備える医療用プローブであって、構造ユニットが、近位ハブと、近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、近位ハブと遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインであって、複数のスパインが、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、第2及び第3の部材の各々が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備える、複数のスパインと、を備える、構造ユニットと、構造ユニットに結合されたフレキシブル回路であって、フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を備え、近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、第2及び第3のアームの各々が、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されている、フレキシブル回路と、を備える、医療用プローブ。
【0080】
条項21:円筒形構造体及びフレキシブル回路が両方とも、圧潰構成と拡張構成との間で一緒に移行するように構成されている、条項20に記載の医療用プローブ。
【0081】
条項22:それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、第5及び第6の部材の各々が、遠位ハブに接続されている、条項20に記載の医療用プローブ。
【0082】
条項23:複数のスパインが、第1の部材と第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、条項20に記載の医療用プローブ。
【0083】
条項24:円筒形構造体が、実質的に平面状の遠位部分を備える、条項20~23のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0084】
条項25:フレキシブル回路が、構造ユニットとは別々に形成され、次いで、構造ユニットに取り付けられて、医療用プローブを形成する、条項20~24に記載の医療用プローブ。
【0085】
条項26:フレキシブル回路が、複数のスパインに接着されている、条項25に記載の医療用プローブ。
【0086】
条項27:フレキシブル回路が、構造ユニットと実質的に同様に成形される、条項20~26に記載の医療用プローブ。
【0087】
条項28:フレキシブル回路が、複数の電極を更に備える、条項20~27のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0088】
条項29:フレキシブル回路が、複数の電気トレースを更に備え、複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、複数の電極のうちのそれぞれの電極と電気的に連通している、条項20~28のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0089】
条項30:複数のスパインが、生体適合性材料の平面状シートから形成されている、条項20~30のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0090】
条項31:複数のスパインが、生体適合性材料のチューブから形成されている、条項20~30のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0091】
条項32:生体適合性材料が、ニチノールを含む、条項30又は31に記載の医療用プローブ。
【0092】
条項33:略円筒形構造体に取り付けられた基準電極を更に備える、条項28~32のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0093】
条項34:基準電極が、複数の電極のうちの1つの電極に近接して位置決めされる、条項33に記載の医療用プローブ。
【0094】
条項35:複数の基準電極を更に備え、複数の基準電極のうちの各基準電極が、複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対のそれぞれのスパインの側で取り付けられる、条項34に記載の医療用プローブ。
【0095】
条項36:円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、電磁コイルが、位置感知のための磁場を感知するように構成されている、条項20~35のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0096】
条項37:複数の電極のうちの少なくとも1つが、患者の器官内の電気信号をマッピングするように構成されている、条項20~36のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0097】
条項38:複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、患者の臓器内の組織をアブレーションするように構成されている、条項20~37のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0098】
条項39:複数の電極のうちの1つ又は2つ以上の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(volt、V)のピーク電圧を有する、条項38に記載の医療用プローブ。
【0099】
条項40:複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されている、条項20~39のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0100】
条項41:各第2のアームが、第2の部材と整列されている、条項20~40のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0101】
条項42:各第3のアームが、第3の部材と整列されている、条項20~41のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0102】
条項43:各第4のアームが、第4の部材と整列されている、条項20~42のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0103】
条項44:医療用プローブを構築する方法であって、複数のスパインを形成することであって、複数のスパインが、実質的円筒形状を形成し、複数のスパインが、近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、第2及び第3の部材の各々が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備える、複数のスパインを形成することと、複数の電極を含むフレキシブル回路を形成することと、フレキシブル回路を複数のスパインに結合して、円筒形構造体を形成することと、円筒形構造体をチューブ状シャフトの遠位端部に取り付けることと、を含む、方法。
【0104】
条項45:それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、第5及び第6の部材の各々が、遠位ハブに接続されている、条項44に記載の方法。
【0105】
条項46:複数のスパインが、第1の部材と第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、条項44に記載の方法。
【0106】
条項47:フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を更に備え、近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、第2及び第3のアームの各々が、遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されている、条項44~46のいずれか一項に記載の方法。
【0107】
条項48:複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されている、条項44~47のいずれか一項に記載の方法。
【0108】
条項49:各第2のアームが、第2の部材と整列されている、条項44~48のいずれか一項に記載の方法。
【0109】
条項50:各第3のアームが、第3の部材と整列されている、条項44~49のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
条項51:各第4のアームが、第4の部材と整列されている、条項44~50のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
条項52:複数のスパインが、ニチノールを含む、条項44~51のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
条項53:円筒形構造体が、圧潰構成と拡張構成との間で移行するように構成されている、条項44~52のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
条項54:円筒形構造体が、実質的に平面状の遠位部分を備える、条項44~53のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
条項55:フレキシブル回路が、複数のスパインに接着されている、条項44~54のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
条項56:フレキシブル回路上に複数の電気トレースを形成することを更に含む、条項44~55のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
条項57:フレキシブル回路が、複数のスパインと実質的に同様に成形される、条項44~56のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
条項58:基準電極を円筒形構造体に取り付けることを更に含む、条項44~57のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項59:複数の電極のうちの1つの電極に近接して基準電極を位置決めすることを更に含む、条項58に記載の方法。
【0119】
条項60:複数の基準電極を円筒形構造体に取り付けることを更に含み、複数の基準電極のうちの各基準電極が、複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対のそれぞれのスパインの側で取り付けられる、条項59に記載の方法。
【0120】
条項61:電磁コイルを円筒形構造体に取り付けることを更に含み、電磁コイルが、位置感知のための磁場を感知するように構成されている、条項44~60のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
条項62:複数の電極のうちの少なくとも1つが、患者の器官内の電気信号をマッピングするように構成されている、条項44~61のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
条項63:複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、患者の臓器内の組織をアブレーションするように構成されている、条項44~62のいずれか一項に記載の方法。
【0123】
条項64:複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が、円筒形構造体の遠位端部に位置決めされる、条項44~63のいずれか一項に記載の方法。
【0124】
条項65:複数の電極のうちの1つ又は2つ以上の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項44~64のいずれか一項に記載の方法。
【0125】
上で説明される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び説明されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまでに説明される様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0126】
〔実施の態様〕
(1) 近位端部を備え、かつ長手方向軸に沿って遠位端部まで延在する、一体型フレックス回路であって、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されて、前記長手方向軸の周りに配置された細長い形状を画定する、一体型フレックス回路。
(2) 患者の臓器の組織をアブレーションするように構成されている複数の電極と、複数の基準電極と、を更に備える、実施態様1に記載の一体型フレックス回路。
(3) 前記複数の電極のうちの各電極が、前記一体型フレックス回路の外向き表面上に配置されており、
前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記一体型フレックス回路の内向き表面上に配置されている、実施態様2に記載の一体型フレックス回路。
(4) 前記一体型フレックス回路が、拡張形態と圧潰形態との間で移行するように構成されている、実施態様1に記載の一体型フレックス回路。
(5) 医療用プローブであって、
エンドエフェクタのための構造ユニットであって、前記構造ユニットが、
近位ハブと、
前記近位ハブから離れて長手方向軸に沿って、ある距離に位置決めされた遠位ハブと、
前記近位ハブと前記遠位ハブとの間に延在し、かつ略円筒形構造体を形成する、複数のスパインであって、前記複数のスパインが、
前記近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、前記複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、前記第2及び第3の部材の各々が、前記遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続されている、複数の第1の部材を備える、複数のスパインと、を備える、構造ユニットと、
前記構造ユニットに結合されたフレキシブル回路であって、前記フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を備え、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続されている、フレキシブル回路と、を備える、医療用プローブ。
【0127】
(6) 前記それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、前記第5及び第6の部材の各々が、前記遠位ハブに接続されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記複数のスパインが、前記第1の部材と前記第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(8) 患者の臓器の組織をアブレーションするように構成されている複数の電極と、複数の基準電極と、を更に備える、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(9) 前記フレキシブル回路が、複数の電気トレースを更に備え、前記複数の電気トレースのうちの各電気トレースが、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極と電気的に連通している、実施態様8に記載の医療用プローブ。
(10) 前記円筒形構造体に取り付けられた電磁コイルを更に備え、前記電磁コイルが、位置感知のための磁場を感知するように構成されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
【0128】
(11) 前記複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、前記複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(12) 各第2のアームが、第2の部材と整列されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(13) 各第3のアームが、第3の部材と整列されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(14) 各第4のアームが、第4の部材と整列されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(15) 医療用プローブを構築する方法であって、
複数のスパインを形成することであって、前記複数のスパインが、実質的円筒形状を形成し、前記複数のスパインが、
近位ハブに取り付けられた複数の第1の部材であって、前記複数の第1の部材が、複数の第2及び第3の部材に分岐し、前記第2及び第3の部材の各々が、遠位ハブに近接したそれぞれの第4の部材に接続される、複数の第1の部材を備える、複数のスパインを形成することと、
複数の電極を含むフレキシブル回路を形成することと、
前記フレキシブル回路を前記複数のスパインに結合して、円筒形構造体を形成することと、
前記円筒形構造体をチューブ状シャフトの遠位端部に取り付けることと、を含む、方法。
【0129】
(16) 前記それぞれの第4の部材の各々が、第5及び第6の部材に分岐し、前記第5及び第6の部材の各々が、前記遠位ハブに接続される、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記複数のスパインが、前記第1の部材と前記第4の部材との間に延在する第5の部材を更に備える、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記フレキシブル回路が、近位端部及び遠位端部を更に備え、前記近位端部が、複数の第1のアームに分岐し、前記第1のアームの各々が、第2及び第3のアームに分割し、前記第2及び第3のアームの各々が、前記遠位端部に近接するそれぞれの第4のアームに接続される、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記複数の第1のアームのうちの各第1のアームが、前記複数の第1の部材のうちの1つの第1の部材と整列されており、
各第2のアームが、第2の部材と整列されており、
各第3のアームが、第3の部材と整列されており、
各第4のアームが、第4の部材と整列されている、実施態様18に記載の方法。
(20) 複数の基準電極を前記円筒形構造体に取り付けることを更に含み、前記複数の基準電極のうちの各基準電極が、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極に近接して位置決めされ、前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに、前記複数の電極のうちの各それぞれの電極とは反対の前記それぞれのスパインの側で取り付けられる、実施態様19に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
【外国語明細書】