(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096095
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】織り合わされた基材を備えた多電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222808
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,673
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/508,429
(32)【優先日】2023-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ロドリゲス・ソト
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】平面の多電極カテーテルを提供すること。
【解決手段】組織に接触して、マッピング及び/又はアブレーションするための電気信号を受信する及び/又は適用するように構成された一対の第1の電極と、組織に背を向けて反対方向を向くように位置決めされ、第1の電極の基準電極として機能するように構成された一対の第2の電極と、を備えた少なくとも1つの電極対を有するカテーテルが本明細書に提示される。第1及び第2の電極は、互いに織り込まれた別個の基材に位置決めされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
長手方向軸に沿って延在する平面基材であって、前記平面基材を通る開口部を備えている、平面基材と、
織り合わされた基材であって、前記平面基材の第1の側を横切って前記エンドエフェクタの第1の側を横断し、前記平面基材を通る開口部を通って延在し、前記平面基材の前記第1の側の反対側の前記平面基材の第2の側を横切って前記エンドエフェクタの第2の側を横断する、織り合わされた基材と、
前記平面基材に固定された電極、及び前記平面基材に固定された前記電極の実質的に反対側で前記織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記平面基材が、
前記長手方向軸に沿って延在する1つ又は2つ以上のストラットを備えているフレームと、
前記エンドエフェクタの前記第1の側に面する前記平面基材の第1の側の前記1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第1の膜と、
前記エンドエフェクタの前記第2の側に面する前記平面基材の第2の側の前記1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第2の膜と、を更に備えている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、
前記第1の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断され、
前記第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、
前記第2の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されている、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記電極対の前記電極が、周囲環境に曝露されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、前記電極対の第2の電極が、前記第1の電極に対する基準電極として構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記電極対の第1の電極の中心が、前記電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記平面基材が、
前記長手方向軸に沿って延在する一対の長手方向に延在するストラットを備えているフレームと、
前記一対の長手方向に延在するストラットのうちの各ストラットの上に、かつ前記一対の長手方向に延在するストラットの間に延在する膜と、を更に備えている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記電極対の前記平面基材に固定された前記電極が、前記膜に、かつ前記一対の長手方向に延在するストラットの間に固定されている、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの前記第1の側に少なくとも4つの電極のアレイを備え、
前記アレイが、前記エンドエフェクタの前記第1の側にある前記電極対の電極を含み、
前記アレイの前記電極が、互いに同一平面上にある、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
複数のスパインと、
前記エンドエフェクタの第1の側で前記複数のスパインのうちの第1のスパインを横切って横断し、かつ前記エンドエフェクタの第2の側で前記複数のスパインのうちの第2のスパインを横切って横断する、織り合わされた基材と、
前記複数のスパインのうちのスパインに固定された電極、及び前記スパインに固定された前記電極の実質的に反対側で前記織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【請求項11】
前記電極対の前記電極が、周囲環境に曝露されている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、前記電極対の第2の電極が、前記第1の電極に対する基準電極として構成されている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記電極対の第1の電極の中心が、前記電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記複数のスパインが、実質的に同一平面上にある、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記エンドエフェクタが、
前記複数のスパインのうちの2つのスパインと、前記2つのスパインの遠位端を接合している接続部材と、を含む、ループ部材を備えている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記エンドエフェクタが、
前記複数のスパインのうちの第1の一対のスパインと、前記第1の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第1の接続部材と、を含む第1のループ部材と、
前記複数のスパインのうちの第2の一対のスパインと、前記第2の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第2の接続部材と、を含む第2のループ部材と、を備えている、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
前記織り合わされた基材が、前記第1の一対のスパイン及び前記第2の一対のスパインのうちの各スパインを横断している、請求項16に記載のエンドエフェクタ。
【請求項18】
前記第1の一対のスパインのうちの各スパインに固定されたそれぞれの電極を備えている、第1の複数の電極と、
前記織り合わされた基材に固定されており、かつそれぞれ前記第1の複数の電極の少なくとも一部分の反対側にある、第2の複数の電極と、を更に備えている、請求項17に記載のエンドエフェクタ。
【請求項19】
カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
上部側と、
前記上部側の反対側の底部側と、
第1の基材部分と、
第2の基材部分と、
前記第1の基材部分と前記第2の基材部分との間の開口部と、
織り合わされた基材であって、前記第1の基材部分を横切って前記エンドエフェクタの前記上部側を横断し、前記開口部を通って延在し、かつ前記第2の基材部分を横切って前記エンドエフェクタの底部側を横断する、織り合わされた基材と、
前記エンドエフェクタの前記底部側の前記第1の基材部分に固定された底部電極と、前記エンドエフェクタの前記上部側の前記織り合わされた基材に固定された上部電極と、を備えている第1の電極対であって、前記上部電極が、前記第1の電極対の前記底部電極の実質的に反対側に配設されている、第1の電極対と、
前記エンドエフェクタの前記上部側の前記第2の基材部分に固定された上部電極と、前記エンドエフェクタの前記底部側の前記織り合わされた基材に固定された底部電極と、を備えている第2の電極対であって、前記底部電極が、前記第2の電極対の前記上部電極の実質的に反対側に配設されている、第2の電極対と、
前記第1の基材部分、前記第2の基材部分、及び前記織り合わされた基材を平面の所定形状へと移動させるように構成された支持フレームと、を備えている、エンドエフェクタ。
【請求項20】
連続した基材であって、前記第1の基材部分と、前記第2の基材部分と、前記第1の基材部分及び/又は前記第2の基材部分を通って延在するニチノール支持フレームと、を備え、前記ニチノール支持フレームが、長手方向に延在するストラットを備え、前記第1の基材部分及び/又は前記第2の基材部分が、前記長手方向に延在するストラットの間に配設されている、連続した基材と、
第1の膜であって、前記第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ前記第1の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されるように、前記エンドエフェクタの前記上部側に面している、第1の膜と、
第2の膜であって、前記第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ前記第2の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されるように、前記エンドエフェクタの前記底部側に面している、第2の膜と、を更に備えている、請求項19に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月29日に出願された先願の米国仮特許出願第63/477,673号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願は、本明細書に完全に記載されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、診断及び治療目的のための多電極カテーテルに関し、具体的には、平面の多電極カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、RFアブレーションと関連する一部の熱リスクを低減するが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織損傷を提示し得る。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権特許出願第63/477,673号の付録に添付されている。
【0006】
同じ又は異なるカテーテルを使用して、アブレーション及びマッピングを実行することができるが、それぞれ異なる設計上の考慮事項を有する。したがって、代替的なカテーテル設計は、マッピング及び/又はアブレーション治療の様々な設計要件を満たすことが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
組織に接触して、マッピング及び/又はアブレーションするための電気信号を受信する及び/又は適用するように構成された一対の第1の電極と、組織に背を向けて反対方向を向くように位置決めされ、第1の電極の基準電極として機能するように構成された一対の第2の電極と、を備えた少なくとも1つの電極対を有するカテーテルが本明細書に提示される。第1及び第2の電極は、互いに織り込まれた別個の基材に位置決めされる。
【0008】
カテーテルの例示的なエンドエフェクタは、平面基材と、織り合わされた基材と、電極対と、を含む。平面基材は、長手方向軸に沿って延在することができる。平面基材は、平面基材を通る開口部を含むことができる。織り合わされた基材は、平面基材の第1の側を横切ってエンドエフェクタの第1の側を横断し、平面基材を通る開口部を通って延在し、かつ平面基材の第1の側の反対側の平面基材の第2の側を横切ってエンドエフェクタの第2の側を横断することができる。電極対は、平面基材に固定された電極、及び平面基材に取り付けられた電極の実質的に反対側で織り合わされた基材に取り付けられた電極を含むことができる。
【0009】
平面基材は、フレームと、第1の膜と、第2の膜と、を更に含むことができる。フレームは、長手方向軸に沿って延在する1つ又は2つ以上のストラットを含むことができる。第1の膜は、エンドエフェクタの第1の側に面する平面基材の第1の側の1つ又は2つ以上のストラットの間に延在することができる。第2の膜は、エンドエフェクタの第2の側に面する平面基材の第2の側の1つ又は2つ以上のストラットの間に延在することができる。第1の膜の一部分は、周囲環境に曝露され得る。第1の膜の一部分は、織り合わされた基材によって横断され得る。第2の膜の一部分は、周囲環境に曝露され得る。第2の膜の一部分は、織り合わされた基材によって横断され得る。
【0010】
電極対の電極は、周囲環境に曝露され得る。
【0011】
電極対の第1の電極は、組織に接触するように構成することができる。電極対の第2の電極は、第1の電極に対する基準電極として構成することができる。
【0012】
電極対の第1の電極の中心は、電極対の第2の電極の中心と実質的に整列させることができる。
【0013】
平面基材は、フレームと、膜と、を更に含むことができる。フレームは、長手方向軸に沿って延在する一対の長手方向に延在するストラットを含むことができる。膜は、一対の長手方向に延在するストラットのうちの各ストラットの上に、かつ一対の長手方向に延在するストラットの間に延在することができる。電極対の平面基材に固定された電極は、膜に、かつ一対の長手方向に延在するストラットの間に固定することができる。
【0014】
エンドエフェクタは、エンドエフェクタの第1の側に少なくとも4つの電極のアレイを含むことができる。アレイは、エンドエフェクタの第1の側にある電極対の電極を含むことができる。アレイの電極は、互いに同一平面上にあり得る。
【0015】
カテーテルの別の例示的なエンドエフェクタは、複数のスパインと、織り合わされた基材と、電極対と、を含むことができる。織り合わされた基材は、エンドエフェクタの第1の側で複数のスパインのうちの第1のスパインを横切って横断し、かつエンドエフェクタの第2の側で複数のスパインのうちの第2のスパインを横切って横断することができる。電極対は、複数のスパインのうちのスパインに固定された電極と、スパインに固定された電極の実質的に反対側で織り合わされた基材に固定された電極と、を含むことができる。
【0016】
電極対の電極は、周囲環境に曝露され得る。
【0017】
電極対の第1の電極は、組織に接触するように構成することができる。電極対の第2の電極は、第1の電極に対する基準電極として構成することができる。
【0018】
電極対の第1の電極の中心は、電極対の第2の電極の中心と実質的に整列させることができる。
【0019】
複数のスパインは、実質的に同一平面上にあり得る。
【0020】
エンドエフェクタは、複数のスパインのうちの2つのスパインと、2つのスパインの遠位端を接合している接続部材と、を有するループ部材を含むことができる。
【0021】
エンドエフェクタは、第1のループ部材と、第2のループ部材と、を含むことができる。第1のループ部材は、複数のスパインのうちの第1の一対のスパインと、第1の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第1の接続部材と、を含むことができる。第2のループ部材は、複数のスパインのうちの第2の一対のスパインと、第2の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第2の接続部材と、を含むことができる。織り合わされた基材は、第1の一対のスパイン及び第2の一対のスパインのうちの各スパインを横断することができる。エンドエフェクタは、第1の複数の電極と、第2の複数の電極と、を更に含むことができる。第1の複数の電極は、第1の一対のスパインのうちの各スパインに固定されたそれぞれの電極を含むことができる。第2の複数の電極は、織り合わされた基材に固定されており、かつそれぞれ第1の複数の電極の少なくとも一部分の反対側にあり得る。
【0022】
カテーテルの別のエンドエフェクタは、上部側と、底部側と、第1の基材部分と、第2の基材部分と、第1の基材部分と第2の基材部分との間の開口部と、織り合わされた基材と、第1の電極対と、第2の電極対と、を含むことができる。底部側は、上部側の反対側にある。織り合わされた基材は、第1の基材部分を横切ってエンドエフェクタの上部側を横断し、開口部を通って延在し、かつ第2の基材部分を横切ってエンドエフェクタの底部側を横断することができる。第1の電極対は、エンドエフェクタの底部側の第1の基材部分に固定された底部電極と、エンドエフェクタの上部側の織り合わされた基材に固定された上部電極と、を有することができる。上部電極は、第1の電極対の底部電極の実質的に反対側に配設することができる。第2の電極対は、エンドエフェクタの上部側の第2の基材部分に固定された上部電極と、エンドエフェクタの底部側の織り合わされた基材に固定された底部電極と、を含むことができる。底部電極は、第2の電極対の上部電極の実質的に反対側に配設することができる。
【0023】
第1の電極対及び第2の電極対の各々の電極は、周囲環境に曝露され得る。
【0024】
第1の電極対及び第2の電極対の上部電極は、組織に接触するように構成することができる。第1の電極対及び第2の電極対の底部電極は、それぞれの電極対の上部電極の基準電極として構成することができる。
【0025】
織り合わされた基材は、第1の織り合わされた基材とすることができ、エンドエフェクタは、開口部を通って延在し、かつエンドエフェクタの上部側及びエンドエフェクタの底部側を横断する、第2の織り合わされた基材を更に含むことができる。
【0026】
第1の基材部分、第2の基材部分、及び開口部の各々は、長手方向軸に沿って細長くすることができる。織り合わされた基材は、長手方向軸に直交して延在することができる。
【0027】
織り合わされた基材は、フレックス回路を含むことができる。
【0028】
エンドエフェクタは、エンドエフェクタの上部側に少なくとも4つの電極のアレイを含むことができる。アレイは、第1の電極対及び第2の電極対の上部電極を含むことができる。アレイの電極は、互いに同一平面上にあり得る。
【0029】
エンドエフェクタは、第1の基材部分と、第2の基材部分と、織り合わされた基材を所定形状へと移動させるように構成された支持フレームと、を更に含むことができる。所定形状は、平面である。代替的に、所定形状は、回転楕円体、円錐、又は円錐台を含む群から選択することができる。
【0030】
支持フレームは、複数の長手方向に延在するストラットを含むことができる。
【0031】
エンドエフェクタは、第1の基材部分及び第2の基材部分を含む連続的な基材を更に含むことができる。連続的な基材は、第1の膜と、第2の膜と、を更に含むことができる。第1の膜は、第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ第1の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断されるように、エンドエフェクタの上部側に面することができる。第2の膜は、第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ第2の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断されるように、エンドエフェクタの底部側に面することができる。連続的な基材は、第1の基材部分及び/又は第2の基材部分を通って延在するニチノール支持フレームを更に含むことができる。フレームは、長手方向に延在するストラットを有することができ、膜部分のうちの少なくとも1つは、長手方向に延在するストラットの間に配設することができる。
【0032】
エンドエフェクタは、第1の基材部分が第1の長手方向に延在するストラットを含み、第2の基材部分が第2の長手方向に延在するストラットを含むように、第1の長手方向に延在するストラットと、第2の長手方向に延在するストラットと、を有する支持フレームアセンブリを更に含むことができる。第1の長手方向に延在するストラットは、第1の電極対の電極の間に配設することができる。第2の長手方向に延在するストラットは、第2の電極対の電極の間に配設することができる。
【0033】
エンドエフェクタは、第3の基材部分と、第4の基材部分と、第2の基材部分と第3の基材部分との間の、及び第3の基材部分と第4の基材部分との間のそれぞれの開口部と、を更に含むことができる。織り合わされた基材は、第3の基材部分及び第4の基材部分を横断することができる。織り合わされた基材は、それぞれの開口部を通って延在し、第3の基材部分を横切ってエンドエフェクタの底部側を横断し、かつ第4の基材部分を横切ってエンドエフェクタの上部側を横断することができる。
【0034】
支持フレームアセンブリは、第3の基材部分が第3の長手方向に延在するストラットを含み、第4の基材部分が第4の長手方向に延在するストラットを含むように、第3の長手方向に延在するストラットと、第4の長手方向に延在するストラットと、を更に含むことができる。支持フレームアセンブリは、第1の接続ストラットが第1の長手方向に延在するストラット及び第3の長手方向に延在するストラットを接合し、第2の接続ストラットが第2の長手方向に延在するストラット及び第4の長手方向に延在するストラットを接合するように、第1の接続ストラットと、第2の接続ストラット、とを更に含むことができる。第1の接続ストラットは弓状とすることができ、第2の接続ストラットは弓状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
【
図1】本発明の態様による、カテーテルの第1の例示的なエンドエフェクタの図である。
【
図2】
図1に示される第1の例示的なエンドエフェクタの断面図である。
【
図3】本発明の態様による、カテーテルの第2の例示的なエンドエフェクタの図である。
【
図4】
図3に示される第2の例示的なエンドエフェクタの断面図である。
【
図5】本発明の態様による、カテーテルの第3の例示的なエンドエフェクタの図である。
【
図6】例示的なカテーテルベースの電気生理学的マッピング及び本発明の態様によるアブレーションシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の詳細な説明は、図面を参照ながら読まれるべきものであり、図面は、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にし、本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例等のうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載のその他の教示、表現、変形例、実施例等のうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例等は、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示と組み合わされてもよい様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正例及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0037】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。同様に、「近位」という用語は、操作者に近い方の位置を示す一方、「遠位」とは、操作者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0038】
図1は、カテーテルの第1の例示的なエンドエフェクタ100の図である。エンドエフェクタ100は、平面基材110と、重なり領域105において平面基材110の一部分の上及び下を通る複数の織り合わされた基材120a、120b、120c、120dと、を含む。エンドエフェクタ100は、平面基材に固定された電極111と、織り合わされた基材120a、120b、120c、120dに固定された電極121と、を含む。
図1には、エンドエフェクタ100の第1の側101(
図2)が示されている。第1の側101は、互いに同一平面上にある電極111、121のアレイを含む。エンドエフェクタ100は、第2の側の少なくとも1つの電極が第1の側の反対側の電極であり、反対側の電極とともに電極対を形成するように、1つ又は2つ以上の電極を有する第1の側の反対側の第2の側102(
図2)を有することができる。
【0039】
平面基材110は、長手方向軸A-Aに沿って延在し、平面基材110を通る開口部112、115を含む。織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、開口部112、115を通って延在して、平面基材110と織り合わされる。開口部は、長手方向軸A-Aに沿って、かつエンドエフェクタ100の長さL1の大部分を通って延在する2つの外側長手方向開口部112を含む。2つの外側長手方向開口部112は、平面基材110を外側部分113と中央部分114とに分ける。開口部は、外側長手方向開口部112の間にあり、かつ平面基材110の中央部分114内で長手方向軸A-Aに沿って延在する中央長手方向開口部115を含む。平面基材110は、エンドエフェクタ100の遠位端に遠位円弧116を含む。平面基材110は、カテーテルシャフトに結合されてカテーテル14(
図6)を形成するように構成された近位延在部117を含む。
【0040】
平面基材110は、2つの遠位に延在するストラット151を接合している近位接続部分158を有する支持フレーム150を更に含む。ストラット151は、近位接続部分158から遠位に、かつ長手方向軸A-Aに沿って延在する近位ストラット部分157と、近位ストラット部分157から遠位に延在し、かつ長手方向軸A-Aから離れるように傾斜している傾斜ストラット部分156と、傾斜ストラット部分156の遠位長手方向軸A-Aに沿って互いに平行に延在し、かつ段階的カットパターン153を含む外側ストラット部分154と、を含む。平面基材110の外側部分113に位置決めされた電極121のうちの少なくともいくつかは、外側ストラット部分154の上に位置決めされる。電極121、111の大部分は、外側ストラット部分154の間に位置決めされる。
【0041】
織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、平面基材110とは別に製造されて、結合機構によって平面基材110に結合され、結合機構としては、接着剤、溶接、リベット、又は当業者によって理解される他の好適な結合手段を挙げることができる。織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、織り合わされた基材120a、120b、120c、120dの端部の近くで平面基材110の外側部分113に固定される。織り合わされた基材120a、120b、120c、120dはまた、平面基材110の中央部分114に結合され得る。
【0042】
織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、長手方向軸A-Aに対して垂直である。織り合わされた基材は、織り合わされた基材の間に一定の距離を有する交互パターンで平面基材110の一部分の上及び下に織り込まれる。代替的に、織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、織り合わせる必要はなく、各々を完全にエンドエフェクタ200の片側に存在させることができる。別の代替案として、織り合わされた基材120a、120b、120c、120dは、全ての利用可能な開口部112、115を通してエンドエフェクタの両側の間を行ったり来たりする必要はなく、エンドエフェクタ100の同じ側で、平面基材110の2つ又はそれ以上の隣接する部分の上を横切り、次いで、開口部112、115を通ってエンドエフェクタ100の反対側に渡って、平面基材110の別の部分を横断しもよい。
【0043】
図2は、
図1に示される第1の例示的なエンドエフェクタ100の断面図である。
図2に示されるように、エンドエフェクタ100は、上に面する第1の側101と、下に面する第2の側102と、を有する。左から右へ、織り合わされた基材120は、平面基材110の第1の側を横切ってエンドエフェクタ100の第1の側101に位置決めされ、平面基材110の外側長手方向開口部112を通って延在し、平面基材の第1の側の反対側の平面基材の第2の側を横切ってエンドエフェクタ100の第2の側102を横断し、平面基材110の中央開口部116を通って延在し、平面基材110の第1の側を横切ってエンドエフェクタ100の第1の側101を横断し、平面基材110の別の中央開口部116を通って延在し、平面基材110の第2の側を横切ってエンドエフェクタ100の第2の側102を横断し、平面基材110の別の外側長手方向開口部112を通って延在し、そして、平面基材110の第1の側を横切ってエンドエフェクタ100の第1の側101を横断する。
【0044】
エンドエフェクタ100は、電極対を含み、各電極対は、平面基材110に固定された電極と、平面基材110に固定された電極の実質的に反対側で織り合わされた基材120に固定された電極と、を含む。電極対(右、左、中央)の3つは、エンドエフェクタ100の第1の側101の織り合わされた基材120に固定された電極121aと、エンドエフェクタ100の第2の側102の平面基材110に固定された電極111bと、を含む。電極対のうちの(上述した3つの電極対の間の)2つは、エンドエフェクタ100の第1の側101の平面基材110に固定された電極111aと、エンドエフェクタ100の第2の側102の織り合わされた基材120に固定された電極111bと、を含む。電極対の電極は、中心線CLに対して実質的に整列される。左から4番目の電極対の電極111a、121bの中心線CLa、CLbは、正確に整列されておらず、4番目の電極対の電極111a、121bは、平面基材110の平面に対してかなりの重なりを有することによって、実質的に互いの反対側に存在する。
【0045】
電極対の電極111、121、131は、周囲環境に曝露され、それにより、治療中に体腔内へ挿入されたとき、電極のうちのいくつかが組織と接触することができ、一方で、他の電極は、体液と接触する。互いの反対側に位置決めすることによって、一対のうちの一方の電極が組織と接触したときに、他方の電極は、組織と接触する電極の基準電極として構成することができる。基準電極は、体液の電位を測定することができ、この電位は、組織と接触している一対の反対側の電極の電位と比較することができる。
【0046】
電極111、121、131は、
図6に示されるシステム10と同様のシステムによって機能するように構成することができる。電極は、エンドエフェクタ100の追跡及び位置配向、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の検知、高周波エネルギーを使用したアブレーション、不可逆エレクトロポレーションを使用したアブレーション、又はこれらの任意の組み合わせのために構成することができる。
【0047】
平面基材110は、平面基材110の第1の側の第1の膜131と、平面基材110の第2の側の第2の膜132と、を更に含む。膜131、132は、フレーム150のストラット151の間に延在する。第1及び第5の電極対は、支持フレーム150の上にあり、第2、第3、及び第4の電極対は、支持フレーム150のストラット151の間にある。膜131、132の一部分は、周囲環境に曝露され、膜131、132の一部分は、織り合わされた基材120によって横断される。当業者によって理解されるように、膜131、132は、それぞれが、導体、センサ、及び/又は他の互換性のある特徴とともに構成することができるフレックス回路を含むことができる。
【0048】
例えば、平面基材110は、参照により本明細書に組み込まれる、2022年9月2日に出願された米国仮特許出願第63/403,589号の
図1A~G、
図2A~E、
図3、及び
図4A~Cに示される例示的なエンドエフェクタの特徴を含むことができ、本出願のコピーは、優先権特許出願第63/477,673号の付録に添付されている。平面基材110は、2023年8月7日に出願された米国特許出願第18/230,934号に示される例示的なエンドエフェクタの特徴を含むことができ、本出願は、参照により本明細書に組み込まれ、米国仮特許出願第63/403,589号に対する優先権を主張する。非限定的な例として、平面基材110は、電極111及びセンサ、圧電トランスデューサ、平面螺旋単軸位置センサ、インピーダンスナビゲーションセンサ、などに接触するための導電性トレースを含むことができる。
【0049】
図3は、第1のループ210と、第2のループ220と、織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eと、電極211、221、231と、を含むカテーテルの第2の例示的なエンドエフェクタ200の図である。織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eは、ループ210、220のスパイン213、214、223、224の上及び下に織り込まれる。第1のループ210は、エンドエフェクタ200の外縁にある第1のスパイン213と、エンドエフェクタ200内の中央に位置決めされた第2のスパイン214と、を有する。第2のループ220は、エンドエフェクタ200の外縁にある第1のスパイン223と、エンドエフェクタ200内の中央に位置決めされた第2のスパイン224と、を有する。スパイン213、214、223、224は、実質的に同一平面上にあり、かつ長手方向軸A-Aに沿って整列される。第1のループ210及び第2のループの各々の第2のスパイン214、224は、他のループのスパインの間に位置決めされる。ループ部材210、220は、それぞれが、それぞれのループ部材のスパイン213、214、223、224の遠位端を接合するエンドエフェクタ200の遠位端に、円弧形状の接続部材216、226を含む。第1のループ部材210は、第1の一対のスパインのうちのスパイン213、214と、第1の一対のスパインのうちのスパイン213、214の遠位端を接合している第1の接続部材216と、を含む。第2のループ部材220は、第2の一対のスパイン223、224と、第2の一対のスパインのうちのスパイン223、224の遠位端を接合している第2の接続部材226と、を含む。エンドエフェクタの近位部分207は、カテーテルシャフトに取り付けるように構成されたループ部材210の端部を含む。
【0050】
エンドエフェクタ200は、代替的な数のループ部材を含むことができ、好ましくは2つ又は3つのループ部材を含む。ループ部材210、220及びカテーテルシャフトは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2021/0369339(A1)号及び同第2021/0369132(A1)号に開示されるカテーテルを含む、当業者によって理解されるような、ループ部材を備えたエンドエフェクタを有するカテーテルの互換性のある特徴を含むことができ、これらの特許出願公開の各々コピーは、優先権特許出願第63/477,673号の付録に添付されている。例えば、ループ部材210、220は、電極211、221、潅注導管などに接続するためにループ部材、電気伝導体(例えば、配線、スレックス回路トレースなど)用の構造的支持を提供するための、ニチノール又は他の好適な材料を含む支持フレームを含むことができる。エンドエフェクタ200は、代替的な数のループ部材、例えば、3つのループ部材を含むことができる。ループ部材210、220は、当業者によって理解されるような代替的な形状を有することができる。代替的に、エンドエフェクタ200は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,820,664号に開示されるように、スパイン213、214、223、224が自由遠位端を有するように、接続部材216、226のうちの一方又は両方を含まないことができ、本特許のコピーは、優先権特許出願番号第63/477,673号の付録に添付されている。
【0051】
織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eは、スパイン213、214、223、224及び長手方向軸A-Aに対して垂直である。織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eは、第1の一対のスパイン213、214及び第2の一対のスパイン223、224のうちの各スパインを横断する。スパイン及び織り合わされた基材は、テニスラケットと同様にスパインと織り合わされた基材との間に一定の距離を有する交互パターンで互いの上及び下に織り込まれる。スパイン213、214、223、224は、織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eがエンドエフェクタ200の一方の側でスパインを横切り、開口部203を通り、そして、エンドエフェクタ200の反対側の隣接したスパインを横切って横断することができるように、隣接したスパインの間に開口部203とともに位置決めされる。代替的に、基材230a、230b、230c、230d、230eは、織り合わせる必要がなく、各々を完全にエンドエフェクタ200の片側に存在させることができる。別の代替案として、織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eは、全てのスパインの間でエンドエフェクタの両側の間を行ったり来たりする必要はなく、エンドエフェクタの同じ側で、2つ又はそれ以上の隣接したスパインの上を横切り、次いで、エンドエフェクタの反対側へ渡って別のスパインを横断しもよい。
【0052】
織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eは、ループ部材210、220とは別に製造されて、結合機構によってループ部材210、220に結合され、結合機構としては、接着剤、溶接、リベット、又は当業者によって理解される他の好適な結合手段を挙げることができる。織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eの端部は、第1のスパイン213、223に固定される。好ましくは、織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eはまた、第2のスパイン214、224にも固定される。しかしながら、織り合わされた基材をそうする必要はない。
【0053】
図4は、
図3に示される第2の例示的なエンドエフェクタの断面図である。織り合わされた基材230は、スパイン213、224、214、223を、エンドエフェクタの片側を横切り、次いで、反対側を横切って交互様式で横断するように示されている。スパイン213、224、214、223及び織り合わされた基材230は、上で開示した電極への導体及びループ部材210、220の他の構造などの、断面に示されない追加的な特徴を含む。
図4では、単に図を簡潔にするために、これらの特徴が省略されている。
【0054】
少なくとも1つの、場合によっては全てのエンドエフェクタ200の電極211、221、231は、スパイン213、214、223、224に固定された電極211、221と、織り合わされた基材230a、230b、230c、230d、230eに固定された電極231と、を含む、それぞれの電極対を形成する。
図4に示されるように、第1の電極対は、織り合わされた基材230に固定されたエンドエフェクタ200の第1の側201の電極231aと、第1のループ部材210の第1のスパイン213に固定されたエンドエフェクタ200の第2の側202の反対側の電極211bと、を含む。第2の電極対は、第2のループ部材220の第2のスパイン224に固定されたエンドエフェクタ200の第1の側201の電極221aと、織り合わされた基材230に固定されたエンドエフェクタ200の第2の側202の反対側の電極231bと、を含む。第3の電極対は、織り合わされた基材230に固定されたエンドエフェクタ200の第1の側201の電極231aと、第1のループ部材210の第2のスパイン214に固定されたエンドエフェクタ200の第2の側202の反対側の電極211bと、を含む。したがって、エンドエフェクタ200の第1の側201のいくつかの電極221aが、第2のループ部材200のスパイン223、224に固定され、したがって、エンドエフェクタ200の第1の側201のいくつかの電極231aが、織り合わされた基材230に固定される。エンドエフェクタ200の第2の側202のいくつかの電極211bは、第1のループ部材210のスパイン213、214に固定され、エンドエフェクタ200の第2の側202のいくつかの電極231bは、織り合わされた基材230に固定される。
図2に示されるものと同様に、対向する電極は、エンドエフェクタ200の平面に対して重なることができる。対向する電極は、中心線CLに対して整列させることができ、又は対向する電極の中心線CLa、CLbは、オフセットさせることができる。電極対の電極は、エンドエフェクタ200の平面に対してかなりの重なりを有することによって、実質的に互いの反対側に存在することができる。
【0055】
電極対の電極211、221、231は、周囲環境に曝露され、それにより、治療中に体腔内へ挿入されたとき、電極のうちのいくつかが組織と接触することができ、一方で、別の部分が体液と接触する。互いの反対側に位置決めすることによって、一対のうちの一方の電極が組織と接触したときに、他方の電極は、組織と接触する電極の基準電極として構成することができる。基準電極は、体液の電位を測定することができ、この電位は、組織と接触している一対の反対側の電極の電位と比較することができる。
【0056】
電極211、221、231は、
図6に示されるシステム10と同様のシステムによって機能するように構成することができる。電極は、エンドエフェクタ100の追跡及び位置配向、心内電位図(IEGM)信号の検知、高周波エネルギーを使用したアブレーション、不可逆エレクトロポレーションを使用したアブレーション、又はこれらの任意の組み合わせのために構成することができる。
【0057】
図5は、シャフト84に結合されたカテーテルの第3の例示的なエンドエフェクタ300の図である。エンドエフェクタ300は、球形基材310と、球形基材320の一部分の上及び下を通る複数の織り合わされた基材320と、を含む。エンドエフェクタ300は、球形基材310に固定された電極311と、織り合わされた基材320に固定された電極321と、を含む。示される電極311、321は、エンドエフェクタ300の外面にあり、したがって、組織に接触するように位置決めされる。エンドエフェクタ300は、外面の電極311、321のうちの1つ又は2つ以上に対する基準電極として作用するように構成された、エンドエフェクタ300の内面上の1つ又は2つ以上の電極を更に含むことができる。内面の少なくとも1つの電極は、外面上の電極の反対側に存在して、反対側の電極とともに電極対を形成することができる。電極対は、
図1~
図4に関して開示される電極対と同様に構成することができる。
【0058】
球形基材310は、長手方向軸A-Aに沿って延在し、球形基材310を通る開口部を含む。織り合わされた基材320は、球形基材310と織り合わせるように開口部を通って延在する。開口部は、長手方向に延在することができ、一方で、織り合わされた基材320は、長手方向軸A-Aに直交して延在する。球形基材310は、支持フレームを更に含むことができる。
【0059】
第3の例示的なエンドエフェクタ300は、フレックス回路と、球形状に再構成された第1の例示的なエンドエフェクタ100と同様の他の特徴と、を含むことができる。同様に、第1の例示的なエンドエフェクタ100の特徴は、当業者によって理解されるように、円筒形状に再構成することができる。更に、第2の例示的なエンドエフェクタ200は、当業者によって理解されるように、球形又は円筒形状に適合させることができる。
【0060】
図6は、例示的なカテーテルベースの電気生理学的マッピング及びアブレーションシステム10を示す図である。システム10は、患者の血管系を通じて、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12内の所望の場所付近の左心房又は右心房に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル内へと挿入して、所望の場所に到達させ得る。複数のカテーテルは、心内電位図(IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、並びに/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。本明細書には、IEGM及び/又はアブレーションを検知するように構成された例示的なカテーテル14が示されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させる。カテーテルの遠位先端部28は、当業者によって理解されるように、本明細書に開示される例示的なエンドエフェクタ100、200、300、その変形形態、及びそれらの代替案と同様に構成されたエンドエフェクタを含むことができる。図示のカテーテル14は、
図1~
図5に示される例示的なエンドエフェクタ100、200、300の電極111、121、211、221、311、321と同様に構成することができる電極26を含む。
【0061】
カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するための、及び遠位先端部28に(例えば、シャフト84に)、又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を追加的に含むことができる。任意選択的に、かつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0062】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を発生させるように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25とともに動作し得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、場所パッド25によって発生され、磁気ベースの位置センサ29によって検知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気系の位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
システム10は、患者23の皮膚に接触して、場所パッド25の場所基準、並びに電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するように位置決めされた、1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の場所を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心拍リズムをペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0065】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある電極のうちの1つ又は2つ以上にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含むことができる。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極又は双極高電圧DCパルスを含む、無線周波数(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0066】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテル、電気生理学的機器、電源、及びシステム10の動作を制御するためのワークステーション55の間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実施するため、かつECG計算を実行するための処理能力を含む。
【0067】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能とを含む。ワークステーション55は、複数の機能を提供するように構成することができ、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデル化し、そのモデル又は解剖学的マップ20を表示デバイス27に表示するためにレンダリングすることと、(2)表示デバイス27上に、記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的印又は画像で表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの場所及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加されたところなどの関心部位を表示デバイス27上に表示することとを含む。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Irvine,CA 92618、から市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0068】
本発明に含まれる主題の例示的な実施形態について図示及び説明したが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、特許請求の範囲から逸脱することなく適切な修正によって達成することができる。更に、上記の方法及びステップが特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、特定のステップは、説明された順序で実行される必要はなく、ステップが、実施形態がそれらの意図された目的のために機能することを可能にする限り、任意の順序で実行されることが意図される。したがって、本開示の趣旨の範囲内であるか、又は特許請求の範囲に見出される本発明と同等である本発明の変形例が存在する限り、本特許はそれらの変形例も包含することが意図されている。一部のそのような修正は、当業者には明らかであるはずである。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものである。したがって特許請求の範囲は、明細書及び図面に記載される構造及び操作の特定の詳細に限定されるべきではない。
【0069】
以下の条項は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
条項1.カテーテルのエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、長手方向軸に沿って延在する平面基材であって、平面基材を通る開口部を備えている、平面基材と、織り合わされた基材であって、平面基材の第1の側を横切ってエンドエフェクタの第1の側を横断し、平面基材を通る開口部を通って延在し、平面基材の第1の側の反対側の平面基材の第2の側を横切ってエンドエフェクタの第2の側を横断する、織り合わされた基材と、平面基材に固定された電極、及び平面基材に固定された電極の実質的に反対側で織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【0070】
条項2.平面基材が、長手方向軸に沿って延在する1つ又は2つ以上のストラットを備えているフレームと、エンドエフェクタの第1の側に面する平面基材の第1の側の1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第1の膜と、エンドエフェクタの第2の側に面する平面基材の第2の側の1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第2の膜と、を更に備えている、条項1に記載のエンドエフェクタ。
【0071】
条項3.第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、第1の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断され、第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、第2の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断されている、条項2に記載のエンドエフェクタ。
【0072】
条項4.電極対の電極が、周囲環境に曝露されている、条項1~3のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0073】
条項5.電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、電極対の第2の電極が、第1の電極に対する基準電極として構成されている、条項1~4のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0074】
条項6.電極対の第1の電極の中心が、電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、条項1~5のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0075】
条項7.平面基材が、長手方向軸に沿って延在する一対の長手方向に延在するストラットを備えているフレームと、一対の長手方向に延在するストラットのうちの各ストラットの上に、かつ一対の長手方向に延在するストラットの間に延在する膜と、を更に備えている、条項1~6のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0076】
条項8.電極対の平面基材に固定された電極が、膜に、かつ一対の長手方向に延在するストラットの間に固定されている、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0077】
条項9.エンドエフェクタが、エンドエフェクタの第1の側に少なくとも4つの電極のアレイを備え、アレイが、エンドエフェクタの第1の側にある電極対の電極を含み、アレイの電極が、互いに同一平面上にある、条項1~8のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0078】
条項10.カテーテルのエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、複数のスパインと、エンドエフェクタの第1の側で複数のスパインのうちの第1のスパインを横切って横断し、かつエンドエフェクタの第2の側で複数のスパインのうちの第2のスパインを横切って横断する、織り合わされた基材と、複数のスパインのうちのスパインに固定された電極、及びスパインに固定された電極の実質的に反対側で織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【0079】
条項11.電極対の電極が、周囲環境に曝露されている、条項10に記載のエンドエフェクタ。
【0080】
条項12.電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、電極対の第2の電極が、第1の電極に対する基準電極として構成されている、条項10又は11に記載のエンドエフェクタ。
【0081】
条項13.電極対の第1の電極の中心が、電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、条項10~12のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0082】
条項14.複数のスパインが、実質的に同一平面上にある、条項10~13のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0083】
条項15.エンドエフェクタが、複数のスパインのうちの2つのスパインと、2つのスパインの遠位端を接合している接続部材と、を含むループ部材を備えている、条項10~14のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0084】
条項16.エンドエフェクタが、複数のスパインのうちの第1の一対のスパインと、第1の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第1の接続部材と、を含む第1のループ部材と、複数のスパインのうちの第2の一対のスパインと、第2の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第2の接続部材と、を含む第2のループ部材と、を備えている、条項10~15のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0085】
条項17.織り合わされた基材が、第1の一対のスパイン及び第2の一対のスパインのうちの各スパインを横断している、条項16に記載のエンドエフェクタ。
【0086】
条項18.第1の一対のスパインのうちの各スパインに固定されたそれぞれの電極を備えている、第1の複数の電極と、織り合わされた基材に固定されており、かつそれぞれ第1の複数の電極の少なくとも一部分の反対側にある、第2の複数の電極と、を更に備えている、条項16又は17に記載のエンドエフェクタ。
【0087】
条項19.カテーテルのエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、上部側と、上部側の反対側の底部側と、第1の基材部分と、第2の基材部分と、第1の基材部分と第2の基材部分との間の開口部と、織り合わされた基材であって、第1の基材部分を横切ってエンドエフェクタの上部側を横断し、開口部を通って延在し、かつ第2の基材部分を横切ってエンドエフェクタの底部側を横断する、織り合わされた基材と、エンドエフェクタの底部側の第1の基材部分に固定された底部電極と、エンドエフェクタの上部側の織り合わされた基材に固定された上部電極と、を備えている第1の電極対であって、上部電極が、第1の電極対の底部電極の実質的に反対側に配設されている、第1の電極対と、エンドエフェクタの上部側の第2の基材部分に固定された上部電極と、エンドエフェクタの底部側の織り合わされた基材に固定された底部電極と、を備えている第2の電極対であって、底部電極が、第2の電極対の上部電極の実質的に反対側に配設されている、第2の電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【0088】
条項20.第1の電極対及び第2の電極対の電極の各々が、周囲環境に曝露されている、条項19に記載のエンドエフェクタ。
【0089】
条項21.第1の電極対及び第2の電極対の上部電極が組織に接触するように構成され、第1の電極対及び第2の電極対の底部電極が、それぞれの電極対の上部電極の基準電極として構成されている、条項19又は20に記載のエンドエフェクタ。
【0090】
条項22.織り合わされた基材が、第1の織り合わされた基材であり、エンドエフェクタが、エンドエフェクタの上部側及びエンドエフェクタの底部側の開口部を通り、かつ横断して延在する第2の織り合わされた基材を更に備えている、条項19~21のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0091】
条項23.第1の基材部分、第2の基材部分、及び開口部の各々が、長手方向軸に沿って細長く、織り合わされた基材が、長手方向軸に直交して延在する、条項19~22のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0092】
条項24.織り合わされた基材が、フレックス回路を備えている、条項19~23のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0093】
条項25.エンドエフェクタが、エンドエフェクタの上部側に少なくとも4つの電極のアレイを備え、アレイが、第1の電極対及び第2の電極対の上部電極を含み、アレイの電極が、互いに同一平面上にある、条項19~24のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0094】
条項26.エンドエフェクタが、第1の基材部分と、第2の基材部分と、織り合わされた基材を所定形状へと移動させるように構成された支持フレームと、を更に備えている、条項19~25のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0095】
条項27.所定形状が、平面である、条項26に記載のエンドエフェクタ。
【0096】
条項28.所定形状が、回転楕円体、円錐、又は円錐台から本質的になる群から選択される、条項26に記載のエンドエフェクタ。
【0097】
条項29.支持フレームが、複数の長手方向に延在するストラットを備えている、条項26又は27に記載のエンドエフェクタ。
【0098】
条項30.第1の基材部分及び第2の基材部分を含む連続的な基材を更に備えている、条項19~29のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0099】
条項31.連続的な基材が、第1の膜であって、第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ第1の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断されるように、エンドエフェクタの上部側に面する、第1の膜と、第2の膜であって、第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ第2の膜の一部分が織り合わされた基材によって横断されるように、エンドエフェクタの底部側に面する、第2の膜と、を更に備えている、条項30に記載のエンドエフェクタ。
【0100】
条項32.連続的な基材が、第1の基材部分及び/又は第2の基材部分を通って延在するニチノール支持フレームを更に備えている、条項31に記載のエンドエフェクタ。
【0101】
条項33.フレームは、長手方向に延在するストラットを備え、第1の膜部分及び/又は第2の膜部分が、長手方向に延在するストラットの間に配設されている、条項32に記載のエンドエフェクタ。
【0102】
条項34.第1の基材部分が第1の長手方向に延在するストラットを含み、第2の基材部分が第2の長手方向に延在するストラットを含むように、第1の長手方向に延在するストラットと、第2の長手方向に延在するストラットと、を含む支持フレームアセンブリを更に備えている、条項19~29のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【0103】
条項35.第1の長手方向に延在するストラットが、第1の電極対の電極の間に配設され、第2の長手方向に延在するストラットが、第2の電極対の電極の間に配設されている、条項34に記載のエンドエフェクタ。
【0104】
条項36.第3の基材部分と、第4の基材部分と、第2の基材部分と第3の基材部分との間の、及び第3の基材部分と第4の基材部分との間のそれぞれの開口部と、を更に備え、織り合わされた基材が、第3の基材部分及び第4の基材部分を横断する、条項34又は35に記載のエンドエフェクタ。
【0105】
条項37.織り合わされた基材が、それぞれの開口部を通って延在し、第3の基材部分を横切ってエンドエフェクタの底部側を横断し、かつ第4の基材部分を横切ってエンドエフェクタの上部側を横断する、条項36に記載のエンドエフェクタ。
【0106】
条項38.支持フレームアセンブリが、第3の基材部分が第3の長手方向に延在するストラットを含み、第4の基材部分が第4の長手方向に延在するストラットを含むように、第3の長手方向に延在するストラットと、第4の長手方向に延在するストラットと、を更に備えている、条項36又は37に記載のエンドエフェクタ。
【0107】
条項39.支持フレームアセンブリが、第1の接続ストラットが第1の長手方向に延在するストラット及び第3の長手方向に延在するストラットを接合し、第2の接続ストラットが第2の長手方向に延在するストラット及び第4の長手方向に延在するストラットを接合するように、第1の接続ストラットと、第2の接続ストラット、とを更に備えている、条項38に記載のエンドエフェクタ。
【0108】
条項40.第1の接続ストラットが弓状であり、第2の接続ストラットが弓状である、条項39に記載のエンドエフェクタ。
【0109】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
長手方向軸に沿って延在する平面基材であって、前記平面基材を通る開口部を備えている、平面基材と、
織り合わされた基材であって、前記平面基材の第1の側を横切って前記エンドエフェクタの第1の側を横断し、前記平面基材を通る開口部を通って延在し、前記平面基材の前記第1の側の反対側の前記平面基材の第2の側を横切って前記エンドエフェクタの第2の側を横断する、織り合わされた基材と、
前記平面基材に固定された電極、及び前記平面基材に固定された前記電極の実質的に反対側で前記織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
(2) 前記平面基材が、
前記長手方向軸に沿って延在する1つ又は2つ以上のストラットを備えているフレームと、
前記エンドエフェクタの前記第1の側に面する前記平面基材の第1の側の前記1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第1の膜と、
前記エンドエフェクタの前記第2の側に面する前記平面基材の第2の側の前記1つ又は2つ以上のストラットの間に延在する第2の膜と、を更に備えている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 前記第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、
前記第1の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断され、
前記第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、
前記第2の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されている、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記電極対の前記電極が、周囲環境に曝露されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(5) 前記電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、前記電極対の第2の電極が、前記第1の電極に対する基準電極として構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
【0110】
(6) 前記電極対の第1の電極の中心が、前記電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(7) 前記平面基材が、
前記長手方向軸に沿って延在する一対の長手方向に延在するストラットを備えているフレームと、
前記一対の長手方向に延在するストラットのうちの各ストラットの上に、かつ前記一対の長手方向に延在するストラットの間に延在する膜と、を更に備えている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記電極対の前記平面基材に固定された前記電極が、前記膜に、かつ前記一対の長手方向に延在するストラットの間に固定されている、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの前記第1の側に少なくとも4つの電極のアレイを備え、
前記アレイが、前記エンドエフェクタの前記第1の側にある前記電極対の電極を含み、
前記アレイの前記電極が、互いに同一平面上にある、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(10) カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
複数のスパインと、
前記エンドエフェクタの第1の側で前記複数のスパインのうちの第1のスパインを横切って横断し、かつ前記エンドエフェクタの第2の側で前記複数のスパインのうちの第2のスパインを横切って横断する、織り合わされた基材と、
前記複数のスパインのうちのスパインに固定された電極、及び前記スパインに固定された前記電極の実質的に反対側で前記織り合わされた基材に固定された電極を含む電極対と、を備えている、エンドエフェクタ。
【0111】
(11) 前記電極対の前記電極が、周囲環境に曝露されている、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記電極対の第1の電極が、組織に接触するように構成され、前記電極対の第2の電極が、前記第1の電極に対する基準電極として構成されている、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記電極対の第1の電極の中心が、前記電極対の第2の電極の中心と実質的に整列している、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記複数のスパインが、実質的に同一平面上にある、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記エンドエフェクタが、
前記複数のスパインのうちの2つのスパインと、前記2つのスパインの遠位端を接合している接続部材と、を含む、ループ部材を備えている、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
【0112】
(16) 前記エンドエフェクタが、
前記複数のスパインのうちの第1の一対のスパインと、前記第1の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第1の接続部材と、を含む第1のループ部材と、
前記複数のスパインのうちの第2の一対のスパインと、前記第2の一対のスパインのうちのスパインの遠位端を接合している第2の接続部材と、を含む第2のループ部材と、を備えている、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(17) 前記織り合わされた基材が、前記第1の一対のスパイン及び前記第2の一対のスパインのうちの各スパインを横断している、実施態様16に記載のエンドエフェクタ。
(18) 前記第1の一対のスパインのうちの各スパインに固定されたそれぞれの電極を備えている、第1の複数の電極と、
前記織り合わされた基材に固定されており、かつそれぞれ前記第1の複数の電極の少なくとも一部分の反対側にある、第2の複数の電極と、を更に備えている、実施態様17に記載のエンドエフェクタ。
(19) カテーテルのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
上部側と、
前記上部側の反対側の底部側と、
第1の基材部分と、
第2の基材部分と、
前記第1の基材部分と前記第2の基材部分との間の開口部と、
織り合わされた基材であって、前記第1の基材部分を横切って前記エンドエフェクタの前記上部側を横断し、前記開口部を通って延在し、かつ前記第2の基材部分を横切って前記エンドエフェクタの底部側を横断する、織り合わされた基材と、
前記エンドエフェクタの前記底部側の前記第1の基材部分に固定された底部電極と、前記エンドエフェクタの前記上部側の前記織り合わされた基材に固定された上部電極と、を備えている第1の電極対であって、前記上部電極が、前記第1の電極対の前記底部電極の実質的に反対側に配設されている、第1の電極対と、
前記エンドエフェクタの前記上部側の前記第2の基材部分に固定された上部電極と、前記エンドエフェクタの前記底部側の前記織り合わされた基材に固定された底部電極と、を備えている第2の電極対であって、前記底部電極が、前記第2の電極対の前記上部電極の実質的に反対側に配設されている、第2の電極対と、
前記第1の基材部分、前記第2の基材部分、及び前記織り合わされた基材を平面の所定形状へと移動させるように構成された支持フレームと、を備えている、エンドエフェクタ。
(20) 連続した基材であって、前記第1の基材部分と、前記第2の基材部分と、前記第1の基材部分及び/又は前記第2の基材部分を通って延在するニチノール支持フレームと、を備え、前記ニチノール支持フレームが、長手方向に延在するストラットを備え、前記第1の基材部分及び/又は前記第2の基材部分が、前記長手方向に延在するストラットの間に配設されている、連続した基材と、
第1の膜であって、前記第1の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ前記第1の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されるように、前記エンドエフェクタの前記上部側に面している、第1の膜と、
第2の膜であって、前記第2の膜の一部分が周囲環境に曝露され、かつ前記第2の膜の一部分が前記織り合わされた基材によって横断されるように、前記エンドエフェクタの前記底部側に面している、第2の膜と、を更に備えている、実施態様19に記載のエンドエフェクタ。
【外国語明細書】