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特開2024-96097低減された方向性剛性を有する不整脈診断電極装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096097
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】低減された方向性剛性を有する不整脈診断電極装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20240704BHJP
   A61B 5/263 20210101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B5/287 200
A61B5/263
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222815
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/477,930
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/505,789
(32)【優先日】2023-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】アマール・パテル
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン・アール・トビー
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL08
4C127LL22
(57)【要約】
【課題】カテーテルのためのループアセンブリを提供すること。
【解決手段】カテーテルのためのループアセンブリであって、一次フレーム部材と、二次フレーム部材と、一次フレーム部材及び二次フレーム部材のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブと、を含む、ループアセンブリ。一次フレーム部材は、少なくとも第1の断面積を有することができ、かつ長手方向軸に沿って閉鎖遠位端まで延在する一対の近位端を含むことができる。二次フレーム部材は、第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有することができ、近位端と閉鎖遠位端との間の一次フレーム部材の少なくとも一部分上に配設することができ、一次フレーム部材に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成することができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルのためのループアセンブリであって、前記アセンブリが、
少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、
長手方向軸に沿って閉鎖遠位端まで延在する一対の近位端を含む、一次フレーム部材と、
前記第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材であって、前記近位端と前記閉鎖遠位端との間の前記一次フレーム部材の少なくとも一部分上に配設されており、かつ前記一次フレーム部材に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、二次フレーム部材と、
前記一次フレーム部材及び前記二次フレーム部材のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブと、を備える、ループアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の次元が、長手方向であり、
前記一次フレーム部材が、金属ワイヤストリップを備え、かつ前記ループアセンブリの長さの少なくとも第1の部分に沿って長手方向に延在し、
前記二次フレーム部材が、金属ベースを備え、かつ前記ループアセンブリの前記長さの少なくとも第2の部分に沿って長手方向に延在し、前記ループアセンブリの前記長さの前記第1の部分が、重なり合うセクションにおいて、前記ループアセンブリの前記長さの前記第2の部分と少なくとも部分的に重なり合う、請求項1に記載のループアセンブリ。
【請求項3】
前記一次フレーム部材が、ニチノールリボンワイヤストリップによって形成されており、
前記二次フレーム部材が、前記ニチノールリボンワイヤストリップよりも大きい厚さを有するニチノールベースによって形成されている、請求項2に記載のループアセンブリ。
【請求項4】
前記一次フレーム部材を形成する前記ニチノールリボンワイヤストリップが、約50.8μm(約0.002インチ)の厚さを有し、
前記二次フレーム部材を形成する前記ニチノールベースが、約127μm(約0.005インチ)の厚さを有する、請求項3に記載のループアセンブリ。
【請求項5】
前記一次フレーム部材を形成する前記ニチノールリボンワイヤストリップが、前記重なり合うセクションにおける前記ループアセンブリの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、
前記二次フレーム部材を形成する前記ニチノールベースが、前記重なり合うセクションにおける前記ループアセンブリの前記厚さの約70%~約75%の厚さを有する、請求項3に記載のループアセンブリ。
【請求項6】
近位部分及び遠位部分を備える、細長いシャフトを更に備え、前記細長いシャフトが、前記遠位部分を患者の心臓内に位置付けるように、前記近位部分において操作されるように構成されており、前記細長いシャフトが、前記長手方向軸に沿って延在し、
前記一次フレーム部材が、収縮スリービングのみを介して前記二次フレーム部材に取り付けられている、請求項1に記載のループアセンブリ。
【請求項7】
カテーテルシャフトと共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
複数のループ部材を備え、各ループ部材が、支持フレームを有し、前記支持フレームが、
少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、一対の近位端及び長手方向軸に沿って離間した閉鎖遠位端を画定する、一次フレーム部材と、
前記第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材と、を備え、前記二次フレーム部材が、前記一次フレーム部材の一部分上に配設されており、かつ前記一次フレーム部材の一部分に沿って摺動するように拘束されている、エンドエフェクタ。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが非拘束構成に拡張されるとき、各支持フレームが、前記それぞれの一対の前記近位端と前記それぞれの遠位端との間に延在する一対の長手方向側部セクションと、前記それぞれの遠位端に近接して前記一対の長手方向側部セクションを接続する上部湾曲セクションと、を備え、
前記ループ部材は、前記長手方向側部セクションが、前記長手方向軸に垂直な横方向の動きに抵抗するように構成されるように、横方向剛性を有し、前記横方向剛性が、組み合わされて第1の厚さを有する前記一次フレーム部材及び前記二次フレーム部材の代わりに前記第1の厚さの単一層を有する代替的なループ部材の横方向剛性と実質的に等しく、
前記ループ部材は、前記遠位端が障害物に接触するときに、前記長手方向側部セクションが、前記長手方向側部セクションの各々の長手方向長さに沿った曲げに抵抗するように構成されるように、曲げ剛性を有し、前記曲げ剛性が、前記代替的なループ部材の曲げ剛性よりも低い、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記複数のループ部材が、長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合う3つのループ部材を備え、
前記3つのループ部材の各一次フレーム部材が、前記それぞれのループ部材の前記それぞれの一対の端のうちの各端において、細長いシャフトの遠位部分に固定され、
前記それぞれの支持フレームの各々が、各それぞれの支持フレームによって画定されるそれぞれのループ状経路に直交するそれぞれの断面形状を含み、前記それぞれの断面形状の各々が、各それぞれの支持フレームに沿って変化する、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記複数のループ部材の各々が、
前記それぞれの支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、
前記内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、前記内側管状ハウジングに結合された外側管状ハウジングと、
前記外側管状ハウジング内、かつ前記内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設された複数の導電体と、を備える、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記それぞれの支持フレームの各々が、
それぞれの対の平行セグメントを備え、前記それぞれの対の平行セグメントにおける各セグメントが、それぞれの長さを含み、
前記エンドエフェクタが平坦化構成にあるとき、前記それぞれの対の平行セグメントの各々における各セグメントの前記それぞれの長さの大部分が、前記それぞれの対の平行セグメントの各々における他のセグメントの各々の前記それぞれの長さの大部分とほぼ同一平面上にあり、
前記エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、前記それぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つの前記セグメントの前記それぞれの長さの前記大部分が、他のそれぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントの前記それぞれの長さの前記大部分と同一平面上にない、請求項7に記載のエンドエフェクタ(100)。
【請求項12】
前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合い、
前記エンドエフェクタが、
前記遠位頂点において前記複数のループ部材を束ねる機械的リンク部であって、前記機械的リンク部が、
内部を通って前記複数のループ部材が延在する開口部と、シームを備える辺と、を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通って前記複数のループ部材が延在する開口部と、4つの連続する辺と、を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通って延在する、前記複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を各々が備える3つの開口部を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通る複数の通路を備える円筒形状であって、前記複数の通路が各々、内部を通って延在する、前記複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を備える、円筒形状、及び
内側を通って前記複数のループ部材が延在する環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延在するテーパ状高さと、を備える、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを備える、機械的リンク部と、
前記複数のループ部材に固定されている複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、表面を備え、前記表面が、前記表面のプロファイルの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raが、約0.3マイクロメートル~約0.4マイクロメートルである、複数の電極と、
少なくとも1本の引張ワイヤであって、前記引張ワイヤが、細長いシャフトに対して近位部分に向かって後退させられるとき、前記細長いシャフトの遠位部分及び前記エンドエフェクタが、前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記細長いシャフトを通って延在し、かつ前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられている、引張ワイヤと、を更に備える、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
マッピングカテーテルのためのアセンブリであって、
長手方向軸に沿って延在する、管状部材と、
複数のループ部材であって、各々が、
前記管状部材の遠位部分に固定された支持フレームであって、前記管状部材から延在し、弓状部材に接続されている2つのスパイン部材を画定するように、前記それぞれのループ部材を通って延在する、支持フレームと、
前記それぞれの支持フレーム上に配設されている複数の電極と、を備える、複数のループ部材と、を備え、
前記支持フレームのうちの少なくとも第1の支持フレームの前記スパイン部材の各々の少なくとも一部分が、長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、前記第1の支持フレームの前記第1の層が、前記第1の支持フレームの前記第2の層に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の次元が、長手方向であり、
前記複数のループ部材のうちの第1のループ部材が、第1の平面上に配列されており、
前記複数のループ部材のうちの第2のループ部材が、前記第1の平面と交差する第2の平面上に配列されており、
前記複数のループ部材のうちの第3のループ部材が、前記第1の平面及び前記第2の平面と交差する第3の平面上に配列されており、その結果、非拘束構成において、前記3つのループ部材の各々の長さの大部分が、他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つの前記長さの前記大部分と同一平面上にない、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記支持フレームの各々の前記スパイン部材の各々の少なくとも一部分が、前記長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記第2の層に対して長手方向に摺動するように構成されており、
前記支持フレームの各々の前記第1の層が、第1の材料から形成されたワイヤストリップを備え、
前記支持フレームの各々の前記第2の層が、前記第1の材料から形成され、かつ前記ワイヤストリップのそれぞれの断面よりも厚い断面を有する、ベースを備える、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の材料が、ニチノールを含み、
各支持フレームの前記第1の層を形成する前記ニチノールワイヤストリップが、前記それぞれの支持フレームの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、
各支持フレームの前記第2の層を形成する前記ニチノールベースが、前記それぞれの支持フレームの前記厚さの約70%~約75%の厚さを有する、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記ニチノールワイヤストリップの前記厚さが、約50.8μm(約0.002インチ)であり、
前記ニチノールベースの前記厚さが、約127μm(約0.005インチ)である、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材に限定され、
前記支持フレームの各々の前記第2の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材及び前記弓状部材の全体にわたって延在する一体的なニチノールベース層から形成されている、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項19】
非拘束構成において、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材の全長に延在し、
前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に対してある角度で偏向されるとき、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材の前記全長の一部分のみに延在する、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記支持フレームの各々の前記第1の層が、収縮スリービングのみを介して、前記それぞれの支持フレームの前記第2の層に取り付けられている、請求項15に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その内容全体が、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる、2022年12月30日に出願された先願の米国仮特許出願第63/477,930号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、低侵襲性医療デバイス、具体的には感知カテーテルに関し、更に、心臓マッピングカテーテルに関するが、排他的ではない。
【背景技術】
【0003】
心房細動などの心不整脈は、心組織の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、これにより、正常な心周期が乱されて、非同期的律動を引き起こす。所望されない信号源は、心房又は心室の組織に位置する場合がある。望ましくない信号は、心臓組織を通って他の箇所に伝導し、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させる場合がある。
【0004】
不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に妨害すること、及びこのような信号の伝導路を妨害することが挙げられる。より最近では、心内膜の電気特性と心容積をマッピングし、エネルギーの印加により心組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を中断又は修正することが可能であることが判明している。アブレーションプロセスでは、非伝導病巣の形成によって望ましくない電路を壊す。
【0005】
マッピングとそれに続くアブレーションを含む、この二工程手順においては、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを備えるカテーテルを心臓の中に進入させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気活動が感知及び測定される。次いで、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的エリアが選択される。
【0006】
マッピング解像度を高めるために、マッピングカテーテルについては、1平方センチメートル程度のエリアにおいて、組織の電気的活動を感知する電極を複数使用することによって、高密度の信号マップを提供することが望ましい。心房又は心室(例えば、心室の心尖部)内でのマッピングについては、カテーテルがより短い時間内により多くのデータ信号を収集することが望ましい。また、このようなカテーテルは、様々な組織表面、例えば、平坦な、湾曲した、不規則的な、又は非平面状の表面組織に適合可能であり、かつ患者の脈管系を通って非侵襲的に前進及び後退するために折り畳み可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、一次フレーム部材と、二次フレーム部材と、一次フレーム部材及び二次フレーム部材のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブと、を含むことができる、カテーテルのためのループアセンブリが、提供される。一次フレーム部材は、少なくとも第1の断面積を有し、長手方向軸に沿って閉鎖遠位端まで延在する一対の近位端を含むことができる。二次フレーム部材は、第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有し、近位端と閉鎖遠位端との間の一次フレーム部材の少なくとも一部分上に配設することができる。二次フレーム部材は、一次フレーム部材に対して少なくとも第1の次元で(例えば、長手方向に)摺動するように構成することができる。
【0008】
開示される技術は、カテーテルシャフトと共に使用するためのエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、複数のループ部材を含むことができ、各ループ部材は、一次フレーム部材及び二次フレーム部材を含む、支持フレームを有する。一次フレーム部材は、少なくとも第1の断面積を有することができ、二次フレーム部材は、第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有することができる。二次フレーム部材は、一次フレーム部材の一部分上に配設し、第1のフレーム部材の一部分に沿って摺動するように拘束することができる。一次フレーム部材は、一対の近位端及び長手方向軸に沿って離間した閉鎖遠位端を画定することができる。
【0009】
開示される技術は、長手方向軸に沿って延在する管状部材と、管状部材の遠位部分に固定された支持フレームを各々が有する複数のループ部材と、それぞれの支持フレーム上に配設されている複数の電極と、を含むことができる、マッピングカテーテルのためのアセンブリを含む。支持フレームは、管状部材から延在し、弓状部材に接続される2つのスパイン部材を画定するように、それぞれのループ部材を通して延在することができる。少なくとも第1の支持フレームのスパイン部材の各々の少なくとも一部分は、長手方向に延在する第1の層及び第2の層を有することができる。第1の支持フレームの第1の層は、第1の支持フレームの第2の層に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成することができる。
【0010】
開示される技術は、方法であって、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を、各々がそれぞれのループを形成するように、成形することと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々のそれぞれの対の端を、長手方向軸に沿って延在する細長いシャフトの遠位部分に結合することと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材が拘束解除されているときに、第1のループ部材の大部分が、第2のループ部材の大部分と同一平面上にないように、細長いシャフトの遠位部分の遠位にある共通の遠位頂点において、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を重ね合わせることと、を含むことができる、方法、を含む。
【0011】
方法はまた、細長いシャフトの操作を介して、第1のループ部材の大部分及び第2のループ部材の大部分を平面表面と接触させて押し付けることと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を平面表面と接触させて、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の大部分を、長手方向軸から離れて平面表面と整列させ、それにより、少なくとも第1のループ部材のスパインの第1の層を、それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動させることと、を含むことができる。
【0012】
第1のループ部材及び第2のループ部材の各々は、2つのスパインを含む支持フレームを含むことができ、少なくとも第1のループ部材のスパインは各々、それぞれのスパインの第1の長さに沿って長手方向に延在する第1の層と、第1の長さに重なる、それぞれのスパインの第2の長さに沿って長手方向に延在する第2の層と、を含み、第1の層は、各それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の一実施形態による、カテーテルであって、当該カテーテルの遠位部分にあるエンドエフェクタと、当該カテーテルの近位部分にある偏向制御ハンドルと、を有する、カテーテルの例解図である。
図1B】本発明の一実施形態による、カテーテルの正射投影側平面図(orthogonal side plan view)の例解図である。
図1C】本発明の一実施形態による、カテーテルの正射投影側平面図の例解図である。
図2A】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタの上面図の例解図である。
図2B】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタの側面図の例解図である。
図3A】本発明の一実施形態による、平面表面に押し付けられたエンドエフェクタの背面図の例解図である。
図3B】本発明の一実施形態による、平面表面に押し付けられたエンドエフェクタの側面図の例解図である。
図4】本発明の一実施形態による、非拘束構成のエンドエフェクタの支持フレームの図の例解図である。
図5A】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタの支持フレームの例解図である。
図5B図5AにおいてB-Bによって示される、支持フレームの断面図の例解図である。
図5C図5AにおいてA-Aによって示される、支持フレームの断面図の例解図である。
図6A】本発明の一実施形態による、カテーテルのためのループアセンブリの例解図である。
図6B図6AにおいてA-Aによって示される、カテーテルのためのループアセンブリの断面図の例解図である。
図6C図6AにおいてB-Bによって示される、カテーテルのためのループアセンブリの断面図の例解図である。
図6D図6AにおいてD-Dによって示される、カテーテルのためのループアセンブリの詳細断面図の例解図である。
図6E図6AにおいてE-Eによって示される、一次フレーム部材と、二次フレーム部材と、を有する、カテーテルのためのループアセンブリの断面図の例解図である。
図6F図6AにおいてB-Bによって示される、一次フレーム部材と、二次フレーム部材と、を有する、カテーテルのためのループアセンブリの断面図の例解図である。
図6G図6AにおいてB-Bによって示される、一次フレーム部材と、二次フレーム部材と、を有する、カテーテルのためのループアセンブリの側断面図(side cross section view)の例解図である。
図6H】曲げられている、図6Aのループアセンブリの側断面図の例解図である。
図7A】本発明の一実施形態による、様々な力の印加の結果としての支持フレームの変形の例解図である。
図7B】本発明の一実施形態による、様々な力の印加の結果としての支持フレームの変形の例解図である。
図7C】本発明の一実施形態による、様々な力の印加の結果としての支持フレームの変形の例解図である。
図7D】本発明の一実施形態による、様々な力の印加の結果としての支持フレームの変形の例解図である。
図8】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタを作製する方法を例解するフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタを作製する方法を例解するフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態による、エンドエフェクタを作製する方法を例解するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0015】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0016】
本明細書で考察される際、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」の組織、脈管系、又は器官は、ヒト又は任意の動物のものであり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々なあらゆる該当するタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように具体的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。
【0017】
本明細書で考察される際、「医師」は、医者、外科医、技術者、科学者、又は対象の心臓マッピングのための多電極カテーテルの送達に関連付けられた任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0018】
本明細書で考察される際、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有し得る。
【0019】
標的生体構造に見出される平坦な、湾曲した、不規則的な、及び/又は非平面状の組織表面に適応可能であるように、本明細書に開示されるカテーテルの能力を増強させるために、カテーテルは、低減された方向性剛性を、はっきり言えば、排他的ではないが、長手方向に有する。これは、カテーテルのエンドエフェクタのループアセンブリの構成要素が、長手方向に、すなわち、それらのそれぞれの長さに沿って、互いに対して摺動することを可能にすることによって、部分的に達成される。
【0020】
マッピングカテーテルのためのアセンブリを示す図1Aを参照する。図1B及び図1Cは、アセンブリの側面図を示す。アセンブリは、長手方向軸L-Lに沿って延在する管状部材9を含むことができる。アセンブリはまた、管状部材9の遠位部分14Aに固定された支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eを各々が有する複数のループ部材1、2、3を含むことができる。支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eは、それぞれのループ部材1、2、3を通して延在して、管状部材9から延在し、かつ弓状部材1C、2C、3Cに接続される2つのスパイン部材1A及び1B、2A及び2B、3A及び3Bを画定することができる。複数の電極37を、それぞれの支持フレーム1、2、3上に配設することができる。図1A図1Cでは容易に視認可能ではないが、支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eのうちの少なくとも第1の支持フレーム1A~Eのスパイン部材1A及び1Bの各々の少なくとも一部分は、スパイン部材の各々の少なくとも一部分が、長手方向に延在する第1の層84及び第2の層85を含むことができることを示すことを、図6A図6Gの断面図が示しており、第1の支持フレーム1の第1の層84は、第1の支持フレーム1の第2の層85に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成される。第1の層84及び第2の層85に関する具体的な態様及び次元は、図5A図6Gに関連して説明されるであろう。
【0021】
いくつかの例では、第1の次元は、長手方向である。いくつかの例では、複数のループ部材1、2、3のうちの第1のループ部材1は、第1の平面S1上に配列され、複数のループ部材1、2、3のうちの第2のループ部材2は、第1の平面S1と交差する第2の平面S2上に配列され、複数のループ部材1、2、3のうちの第3のループ部材3は、第1の平面S1及び第2の平面S2と交差する第3の平面上に配列され、その結果、3つのループ部材1、2、3の各々の長さの大部分は、非拘束構成において、他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つの長さの大部分と同一平面上にない。
【0022】
いくつかの例では、複数のループ部材1、2、3は各々、それぞれの支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジング91と、内側管状ハウジング91の少なくとも一部分を取り囲み、かつ内側管状ハウジング91に接合された外側管状ハウジング92と、を含む。複数の導電体37を、それぞれのループ部材の外側管状ハウジング92内、かつ内側管状ハウジング91の外側に少なくとも部分的に配設することができる。
【0023】
アセンブリ10はまた、カテーテル10の遠位部分14Aにあるエンドエフェクタ100、及びカテーテル10の近位部分12にある偏向制御ハンドル16を含むことができる。
【0024】
図1Aに示される例に示されるように、カテーテル10は、細長いシャフト9を含むことができる。シャフト9は、好ましくは管状部材である。細長いシャフト9は、細長いカテーテル本体の形状にある近位部分12と、中間偏向部分14と、遠位セクション14Aと、を有する。偏向制御ハンドル16は、カテーテル本体12の近位端に取り付けられている。好適な制御ハンドルが、米国特許第6,123,699号、同第6,171,277号、同第6,183,435号、同第6,183,463号、同第6,198,974号、同第6,210,407号、及び同第6,267,746号に開示されており、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれ、かつ優先権出願第63/477,930号に含まれる付録に含まれている。シャフトの遠位部分14Aは、コネクタ管46を介してエンドエフェクタ100に結合される。細長いシャフト9は、脈管系を通過するようにサイズ決めされるか、他の方法で構成された管状カテーテル本体を形成する。エンドエフェクタ100は、共通の遠位頂点で重なり合い、かつ当該遠位頂点50で結合される複数のループ部材1、2、3を有する。
【0025】
近位部分12は、単一の軸方向通路又は中央ルーメン18を有する細長い管状構造を含むカテーテル本体であり得る。カテーテル本体12は、可撓性を有し、言い換えると屈曲可能であるが、その長さに沿っては実質的に圧縮不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有することができ、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル本体12は、ポリウレタン又はPEBAXで作製された外壁を有する。外壁は、カテーテル本体12のねじり剛性を増加させるために、ステンレス鋼などの埋め込まれた編組メッシュを含み得、これにより、制御ハンドル16が回転すると、中間セクション14がこれに応じて回転する。
【0026】
カテーテル本体12の外径は、好ましくは約8フレンチ以下、より好ましくは約7フレンチである。外壁の厚さは、中央ルーメン18が、少なくとも1つの引張ワイヤ、1つ又は2つ以上のリードワイヤ、及び任意の他の所望のワイヤ、ケーブル、又は管を収容することができるように、十分に薄い。所望される場合、外壁の内面は、改善されたねじり安定性を提供するように、補強管22で裏打ちされる。いくつかの実施形態では、外壁は、約0.090インチ~約0.094インチ(約2.3mm~約2.4mm)の外形及び約0.061インチ~約0.065インチ(約1.5mm~約1.7mm)の内径を有する。
【0027】
シャフト9の遠位部分14Aは、コネクタ管46でエンドエフェクタ100に結合される。コネクタ管46は、カテーテル本体の中間部分14を通じた電気的接続を提供するための、ループ部材1、ループ部材2、ループ部材3の接続のためのインサートを含む。コネクタ管46は、接着剤などによってカテーテルの遠位部分14Aに取り付けることができる。
【0028】
シャフト9の遠位部分14Aは、中間セクションが遠位部分14Aを含むように、中間セクション14と実質的に連続的とすることができる。この場合、遠位部分は、1つ又は2つ以上の(任意選択的な)環状電極38Rが位置付けられていることにより中間セクション14と区別される。したがって、本明細書で言及するように、シャフト9の遠位部分14Aは、中間セクション14の遠位部分に対応することができる。
【0029】
デバイスが拘束解除され、整列しているとき、近位部分12、中間セクション14、遠位部分14A、及びエンドエフェクタ100は、長手方向軸L-Lに沿って概ね整列される。中間セクション14は、曲がって、長手方向軸L-Lから遠位部分14A及びエンドエフェクタ100を偏向させるように構成することができる。
【0030】
エンドエフェクタ100は、ガイドシース又はカテーテル(例解せず)内に収まるように、折り畳まれる(長手方向軸L-Lに向かって圧縮する)ことができる。シャフト9を遠位側に押すことによって、エンドエフェクタ100を、ガイドシースを通って遠位側に移動させることができる。エンドエフェクタ100は、シャフト9及び/又は制御ハンドル16の操作により、ガイドシースの遠位端から出るように移動させることができる。この目的のために好適なガイドシースの一例は、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California,USA)より市販されているPreface Braided Guiding Sheathである。
【0031】
コネクタ1C、2C、3Cは、例解されるように、好ましくは弓状部材である。
【0032】
各ループ部材1、2、3について、図1Aに例解されるように、エンドエフェクタ100が非拘束構成に拡張されているとき、それぞれの対のスパインのスパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、それらのそれぞれの長さの大部分に沿って、互いに実質的に平行であり得る。好ましくは、エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるとき、エンドエフェクタの全てのスパインは、それらのそれぞれの長さの大部分に沿って互いに平行である。全てのスパインが平行である場合であっても、本明細書の他のどこか、例えば、図4に関連してより詳細に説明されるように、スパインは、必ずしも全てが同一平面上にあるわけではない。
【0033】
各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、又は3Bは、約5~50mmの範囲、好ましくは約10~35mmの範囲、より好ましくは約28mmの長さを有することができる。各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bの平行な部分は、約1mm~約20mmの範囲、好ましくは約2~10mmの範囲、より好ましくは約4mmの距離だけ互いに離間させることができる。好ましくは、各スパイン1A、1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、スパイン部材毎に少なくとも8個の電極を担持している。エンドエフェクタは、好ましくは、例解されるように6つのスパインを含む。6つのスパインが8個の電極を有する場合、エンドエフェクタ100は48個の電極を含む。
【0034】
エンドエフェクタ100の上面図及び側面図の例解図を示す図2A及び図2Bを参照する。3つのループ部材1、2、3は、長手方向軸L-Lに沿って共通の遠位頂点50で重なり合う。各ループ部材1、2、3は、装置10の細長いシャフト9の遠位部分14Aに取り付けられた近位端セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eをそれぞれ含む。
【0035】
エンドエフェクタ100は、図2A及び図2Bに例解されるように、非拘束構成にある。図2Bの側面図でより良好に視覚化されているように、エンドエフェクタが拘束解除されているとき、ループ部材1、2、3は、互いに同一平面上にない。図2Bはまた、長手方向軸L-Lに直交し、かつエンドエフェクタ100の上面図にほぼ直交する直交軸O-Oを例解している。
【0036】
図3A及び図3Bは、平面表面Sに押し付けられたエンドエフェクタの図の例解図である。例解された例では、デバイスのシャフト9の操作を介して、ループ部材1、2、3を、平面表面Sに押し付けることができる。より具体的には、エンドエフェクタ100が患者内に位置付けられるとき、カテーテル本体12及び制御ハンドル16の操作によって、エンドエフェクタ100を、心臓及び/又は血管の内壁などの患者体内の空洞の壁内における表面に当てて位置付けることができる。エンドエフェクタ100を平面表面Sに当てて位置付けると、各スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bのそれぞれの長さの大部分は、平面表面に接し、かつ平面表面に対して整列することができる。更に、エンドエフェクタ100を平面表面Sに当てて位置付けると、各スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bのそれぞれの長さの大部分は、他のスパインのそれぞれの長さの大部分と整列することができる。スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bが表面に接し、かつ整列するためには、表面Sが必ずしも平面である必要はない。エンドエフェクタ100は、例えば、湾曲表面に適合可能であり得る。
【0037】
図3Bに例解されるように、各スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bの大部分が表面Sに押し付けられると、接続セグメント1C、接続セグメント2C、接続セグメント3Cを、リンク部50において遠位頂点で表面Sの上に積み重ねることができる。リンク部50によって、表面Sに最も近い第1の接続セグメント1Cを表面Sから離すことができる。第1の接続セグメント1Cの上に積み重なった第2の接続セグメント3Cは、リンク部50及び第1の接続セグメント1Cによって表面Sから分離させることができる。第3の接続セグメント2Cは、リンク部50並びに第1の接続セグメント1C及び第2の接続セグメント3Cによって表面Sから分離させることができる。したがって、各スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bの大部分が平面表面に押し付けられているとき、各接続セグメント1C、接続セグメント2C、接続セグメント3Cの少なくとも一部分は、平面表面Sから分離させることができる。代替的に、リンク部50は、第1の接続セグメントが平面表面Sに実質的に接するように、第1の接続セグメント1Cに挿入することができる。この場合、第2の接続セグメント3C及び第3の接続セグメント2Cのみが、遠位頂点において平面表面Sから離される。
【0038】
ループ部材1、ループ部材2、ループ部材3の近位セグメント1D、近位セグメント2D、近位セグメント3D、近位セグメント1E、近位セグメント2E、近位セグメント3Eは、近位セグメントのそれぞれの少なくとも一部分が表面Sから離れる方へ湾曲するように曲げることができる。
【0039】
各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの大部分を表面Sに押し付けると、各スパインの電極37の少なくとも一部を表面Sと接触させることができる。いくつかの実施例では、各スパインの全ての電極37が表面37と接触することができる。
【0040】
各スパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3Bの大部分が表面Sに押し付けられると、各ループ部材の各それぞれの長さの大部分が表面Sに接するようになり得る。ここで、各ループ部材のそれぞれの長さには、それぞれのループ部材のスパイン1A、スパイン2A、スパイン3A、スパイン1B、スパイン2B、スパイン3B、コネクタ1C、コネクタ2C、コネクタ3C、及び近位セグメント1D、近位セグメント2D、近位セグメント3D、近位セグメント1E、近位セグメント2E、近位セグメント3E(コネクタ管46の遠位側)の長さが含まれている。
【0041】
図4は、エンドエフェクタ100のループアセンブリ80の例解図である。エンドエフェクタ100が組み立てられると、ループ部材1、2、3は各々、それぞれの支持フレーム81、82、83を含む。ループアセンブリ80は、コネクタ管46内に延在して、ループ部材1、2、3をシャフト9に機械的に固定する。支持フレーム81、82、83は、ループ部材1、2、3の構造的一体性をもたらす。支持フレーム81、82、83は、プラスチック若しくは金属の切り出し(cut-off)シート、プラスチック若しくは金属の丸形ワイヤ、プラスチック若しくは金属の正方形ワイヤ、又は他の好適な生体適合性材料を含むことができる。好ましい実施形態では、支持フレームは、例えばニチノールなどの形状記憶材料から作製される。テスト及び例解の目的のために、ループアセンブリ80は、機械的リンク部50を用いて遠位頂点で結合される。組み立てられたエンドエフェクタ100では、支持フレーム81、82、83は、ループ部材1、2、3の外側ハウジングに固定された機械的リンク部、又は支持フレーム81、82、83間の直接的なリンク部によって組み立てることができる。
【0042】
エンドエフェクタが拘束解除されているとき、それぞれの支持フレーム81、82、83の各々は、図4に例解されるように、そのそれぞれのループ部材1、2、3のそれそれぞれのループ状経路を画定する。各支持フレーム81、82、83は、エンドエフェクタ100の対応するスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bを通って延在するそれぞれの平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bを含む。各支持フレーム81、82、83は、それぞれのループ部材1、2、3の対応する近位セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eを通って延在するそれぞれの近位セグメント81D、82D、83D、81E、82E、83Eを含む。エンドエフェクタ100がシャフト9に接合されるように、近位セグメント81D、82D、83D、81E、82E、83Eは、コネクタ管46内に延在している。各支持フレーム81、82、83は、平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bのそれぞれの対の間に、それぞれのループ部材1、2、3のそれぞれの接続セグメント1C、2C、3Cを通って延在するそれぞれの接続セグメント81C、82C、83Cを含む。
【0043】
各支持フレーム81、82、83は、例えば、図6Dに示されるように、ループ部材1、2、3の表面Sへの適合性を促進するためのナックル87を含むことができる。ナックル87は、それぞれの支持部材81、82、83のループ状経路に沿って均等に又は不均等に離間させることができる。ナックル特徴部は、支持部材81、82、83の材料が細くなったセクションを含むことができる。追加的に、又は代替的に、ナックル特徴部は、ヒンジ機構を含むことができる。
【0044】
支持フレーム80の各々は、個々の支持フレームのループ状経路に沿って変化する断面形状をそれぞれ有することができ、ここで、断面形状とは、ループ状経路の方向に直交する断面から取られる。例示的な支持フレームアセンブリは、偏向に抵抗するように構成された断面積を有する領域、及び/又は、偏向を促進するように構成された他の領域を有することができる。偏向に抵抗するように構成された領域は、偏向を促進するように構成された領域と比較して、より大きい断面積を有することができる。代替的に、偏向に抵抗するように構成された領域は、平坦化されていないか、又はあまり平坦化されていない領域と同様の断面を有する一方で、断面の長辺方向の偏向に抵抗するように平坦化することができる。すなわち、薄いセクションは、シース後退を促進する(フレームが折り畳まれる力を低下させる)ことを意図したものである一方、遠位セクションは、やはりフレームの折り畳みを意図したものであるが、近位セクションは、長手方向軸L-Lに対する偏向を促進することを意図したものである。
【0045】
長方形断面を含む支持フレーム81、82、83は、シートを選択することと、各支持フレーム81、82、83の各セグメントの幅を、複数の領域においてより幅広であるように変化させながら、各それぞれの支持フレーム81、82、83の形状にシートを切断することと、によって形成することができる。代替的に、支持フレーム81、82、83は、正方形又は長方形状のワイヤを選択することと、
ループ状経路を形成するようにワイヤを成形することと、より幅広な断面及びより幅狭な断面を有する領域を有するように、ワイヤを平坦化することと、によって形成することもできる。
【0046】
卵形又は楕円形の断面を含む支持フレーム81、82、83は、円形又は楕円形のワイヤを選択することと、ループ状経路を形成するようにワイヤを成形することと、より幅広な断面及びより幅狭な断面を有する領域を有するようにワイヤを平坦化することと、によって形成することができる。
【0047】
図5Aは、エンドエフェクタ100の非対称支持フレーム181の例解図である。図5B及び図5Cは、図5Aに示される非対称支持フレーム181の、それぞれB-B及びA-Aによって示される断面図の例解図である。非対称支持フレーム181は、外側支持フレーム81、83の代わりに使用することができる別の例示的な支持フレームである。図6Aに示される対称支持フレーム182は、中央支持フレーム82の代わりに使用することができる別の例示的な支持フレームである。いくつかの例では、ループアセンブリ80は、2つの非対称支持フレーム181と、単一の対称支持フレーム182と、を含むことができる。
【0048】
図5Aは、非対称支持フレーム181の平行セグメント81A、81Bが、図5Bに例解される接続セグメント81Cのより幅狭な断面II-IIと比較して、図5Cに例解されるようなより幅広な断面I-Iを有することができることを例解する。いくつかの例では、平行セグメント81A、81Bの断面形状は、支持フレーム181の平面における幅が約0.013インチ(0.33ミリメートル)であり、支持フレーム181の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である、実質的に長方形であり得る。いくつかの例では、接続セグメント81Cの断面形状は、支持フレーム181の平面における幅が約0.008インチ(0.2ミリメートル)であり、支持フレーム181の平面に直交する高さが約0.008インチ(0.2ミリメートル)である、実質的に長方形又は正方形であり得る。更に、近位セグメント81E、81Dは、平行セグメント81A、81Bとほぼ同じ寸法の断面I-Iを有することができる。
【0049】
図5B及び図5Cに示されるように、非対称支持フレーム181は、少なくとも第1の断面積II-IIを有する一次フレーム部材84と、第1の断面積II-IIとは異なる少なくとも第2の断面積I-Iを有する二次フレーム部材85と、を含むことができる。一次フレーム部材84は、長手方向軸L-Lに沿って閉鎖遠位端81Cまで延在する一対の近位端81D、81Eを含むことができる。二次フレーム部材85は、近位端81D、81Eと、閉鎖遠位端81Cとの間の一次フレーム部材84の少なくとも一部分上に配設することができ、かつ一次フレーム部材84に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成することができる。図6A図6Gに関連して本明細書でより詳細に説明されるように、一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85のために、エンドエフェクタ100は、以前は同様のエンドエフェクタに組み込まれていなかった特性及び特徴を有することができる。したがって、図6A図6Gに関連して本明細書で更に説明される、一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85の特徴は、図5A図5Cに示される一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85に適用可能であることが理解されよう。更に、図示されていないが、エンドエフェクタの断面は、エンドエフェクタ100に沿った所与の位置において、一次フレーム部材84のみ及び二次フレーム部材85のみを有することができることが理解されるであろう。
【0050】
カテーテルのためのループアセンブリ80を示す図6A図6Gを参照する。いくつかの例では、アセンブリは、少なくとも第1の断面積II-IIを有する一次フレーム部材84と、第1の断面積II-IIとは異なる少なくとも第2の断面積I-Iを有する二次フレーム部材85と、を含むことができる。一次フレーム部材84は、長手方向軸L-Lに沿って閉鎖遠位端82Cまで延在する一対の近位端82D、82Eを含むことができる。二次フレーム部材85は、近位端82D、82Eと、閉鎖遠位端82Cとの間の一次フレーム部材84の少なくとも一部分上に配設することができ、かつ一次フレーム部材84に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成することができる。
【0051】
いくつかの例では、第1の次元L-Lは、長手方向である。いくつかの例では、一次フレーム部材84は、金属又はポリマーストリップであり、ループアセンブリ80の長さの少なくとも第1の部分82Aに沿って長手方向に延在することができ、二次フレーム部材85は、金属ベースであり、ループアセンブリ80の長さ82の少なくとも第2の部分82Bに沿って長手方向に延在することができる。ループアセンブリ80の長さ82の第1の部分82Aは、重なり合うセクション88において、ループアセンブリ80の長さ82の第2の部分82Bと少なくとも部分的に重なり合うことができる。図6Aに示される例など、いくつかの例では、重なり合うセクション88は、部分82A及び82Bの全体に沿って延在することができる。この構成は、一次フレーム部材84と二次フレーム部材85との合計の割合に対して同様の割合を有するビームと比較して、曲げ剛性Sbendの増加を制限する(例えば、図7Dに示されるように)一方で、横方向剛性Slateralを適切に増加させる(例えば、図7Aに示されるように)。図5Aに示される例など、他の例では、重なり合うセクション88は、近位端81D及び81Eに沿って延在することができる。この構成は、ループアセンブリ80の近位端において81D及び81Eに沿った曲げ力を増加させることによって、部材81Aと81Bとの間の平行性を維持する一方で、部材81A及び81Bに沿った曲げの低減をもたらす。代替的に、重なり合うセクション88は、ループアセンブリ80の全長81、82に沿って延在することができる。
【0052】
図6E図6Gに例解されるいくつかの例では、一次フレーム部材84は、ニチノールリボンワイヤストリップによって形成することができ、二次フレーム部材85は、ニチノールリボンワイヤストリップとは異なる厚さを有するニチノールベースによって形成することができる。一次フレーム部材84を形成するニチノールリボンワイヤストリップ、及び約0.002インチの厚さを有することができ、二次フレーム部材85を形成するニチノールベースは、約0.005インチの厚さを有することができる。
【0053】
いくつかの例では、一次フレーム部材84を形成するニチノールリボンワイヤストリップは、重なり合うセクションにおけるループアセンブリ80の厚さの約25%~約30%の厚さを有することができ、二次フレーム部材85を形成するニチノールベースは、重なり合うセクションにおけるループアセンブリ80の厚さの約70%~約75%の厚さを有することができる。
【0054】
いくつかの例では、ループアセンブリは、近位部分12及び遠位部分14Aを有する細長いシャフト9を更に含むことができる。細長いシャフト9は、遠位部分14を患者の心臓内に位置付けるように、近位部分12において操作されるように構成することができる。細長いシャフト9は、長手方向軸L-Lに沿って延在することができ、一次フレーム部材84は、収縮スリービングのみを介して、二次フレーム部材85に取り付けることができる。
【0055】
図6Aは、対称支持フレーム182の平行セグメント82A、82Bの長さの大部分が、接続セグメント82Cのより幅狭な断面II-IIと比較して、図6Cに例解されるように、より幅広な断面I-Iを有することができることを例解する。平行セグメント82A、82Bは、図6Dに例解され、図6Aに示されるように、より幅広な断面I-Iのより広い幅から、より幅狭な断面II-IIのより狭い幅II-IIまで先細になる、テーパ状移行部を含むことができる。テーパ状移行部の遠位にある各平行セグメント82A、82Bの遠位部分は、より狭い断面I-Iを有することができる。近位セグメント82E、83Dは、平行セグメント82A、82Bの長さの大部分とほぼ同じ寸法の断面I-Iを有することができる。対称支持フレーム182は、幅狭なセクション82F、82Gを更に含むことができ、幅狭なセクション82F、82Gは、それぞれの平行セグメント82A、82Bの近位部分と、それぞれの近位セグメント82D、82Eの遠位部分と、をそれぞれ含む。これらのより幅狭なセクション82F、82Gは、図6Bに例解されるような断面II-IIを有することができる。これらの幅狭なセクション82F、82Gは、約0.102インチ(2.6ミリメートル)の長さを有することができる。対称支持フレーム82は、例解されるように、支持フレーム82の平面において平行セグメント82A、82Bの外縁間で測定して、約0.294インチ(7.5ミリメートル)の幅を有することができる。
【0056】
A-Aにおいて取られた図6Aの断面図を示す図6Bに例解されるように、いくつかの例では、より幅狭な断面領域II-IIは、支持フレーム182の平面における幅が約0.005インチ(0.13ミリメートル)であり、支持フレーム182の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である、実質的に長方形又は正方形である断面形状を有することができる。
【0057】
B-Bにおいて取られた図6Aの断面図を示す図6Cに例解されるように、いくつかの例では、より幅広な断面領域I-Iは、支持フレーム182の平面における幅が約0.01インチ(0.25ミリメートル)であり、支持フレーム182の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である、実質的に長方形の断面形状を有することができる。
【0058】
D-Dによって示される図6Aの詳細な断面図を示す図6Dに例解されるように、いくつかの例では、ナックル87において、より広い断面とより狭い断面との間に滑らかな移行部が存在することができる。
【0059】
前述のように、スパイン部材の各々の少なくとも一部分は、長手方向に延在する第1の層84及び第2の層85を含むことができ、第1の支持フレーム1の第1の層84は、第1の支持フレーム1の第2の層85に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成される。
【0060】
図6E図6G、及び図6Hは、E-Eにおいて取られた図6Aの断面図を示す。図6 図6E及び図6Gに例解されるように、いくつかの例では、支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eの各々のスパイン部材の各々の少なくとも一部分は、長手方向に延在する第1の層84及び第2の層85を含むことができる。支持フレームの各々の第1の層84は、それぞれの支持フレームの第2の層85に対して長手方向に摺動するように構成することができる。支持フレームの各々の第1の層84は、第1の材料から形成されるワイヤストリップを含むことができ、支持フレームの各々の第2の層85は、第1の材料から形成され、かつワイヤストリップのそれぞれの断面よりも厚い断面I-Iを有するベースを含むことができる。いくつかの例では、ループアセンブリは、一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブ86を含むことができる。スリーブ86は、一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85を一緒に保持するように機能することができる一方で、それらが第1の次元で互いに対してスリーブ86を通って摺動することを可能にする。図6Gは、スリーブ86によって取り囲まれたセグメント82Aを示す。図6Hに示されるように、一次フレーム部材84は、曲げられたときに、二次フレーム部材85に沿って摺動するように構成することができる。同様に、二次フレーム部材85は、曲げられたときに、一次フレーム部材85に沿って摺動するように構成することができる。
【0061】
いくつかの例では、第1の材料は、ニチノールであり、各支持フレームの第1の層84を形成するニチノールワイヤストリップは、それぞれの支持フレームの厚さの約25%~約30%の厚さを有することができる。各支持フレームの第2の層85を形成するニチノールベースは、それぞれの支持フレームの厚さの約70%~約75%の厚さを有することができる。より具体的には、ニチノールワイヤストリップの厚さは、約0.002インチであり得、ニチノールベースの厚さは、約0.005インチであり得る。
【0062】
いくつかの例では、支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eの各々の第1の層84は、それぞれの支持フレームのスパイン部材1A及び1B、2A及び2B、3A及び3Bに限定される一方、支持フレームの各々の第2の層85は、それぞれの支持フレームのスパイン部材及び弓状部材全体にわたって延在する一体型ニチノールベース層から形成される。
【0063】
いくつかの例では、支持フレームの各々の第1の層84は、非拘束構成において、それぞれの支持フレームのスパイン部材の全長に延在することができ、複数のループ部材1、2、3が長手方向軸L-Lに対する角度で偏向されるとき、支持フレームの各々の第1の層84は、それぞれの支持フレームのスパイン部材の全長の一部分のみに延在する。
【0064】
いくつかの例では、収縮スリービングのみを介して、それぞれの支持フレームの第2の層85に取り付けられている、支持フレームの各々の第1の層84。収縮スリービングは、本明細書に説明されるように、第1の層84及び第2の層85の相対的平行移動を可能にするように構成することができる。いくつかの例では、収縮スリービングは、第1の層及び第2の層84、85と収縮管との間の摩擦を低減する表面仕上げ剤又は潤滑剤の塗布を含むことができる。
【0065】
いくつかの例では、第1の層84と第2の層85との間に液体、固体、又は粉末の潤滑剤を提供して、本明細書で説明されるように第1の層84と第2の層85との相対的な平行移動を容易にし、それにより、エンドエフェクタ及びループアセンブリの長手方向の可撓性を増強させることができる。
【0066】
いくつかの例では、第1の層84及び第2の層85は、それらのそれぞれの長さに沿った様々な点において、エンドエフェクタ100が特定の点を超えて曲げられたときに(例えば、図3Aを参照)係合し、それによりエンドエフェクタの更なる屈曲を防止、減速、又は阻止するバンプ又はさねはぎ型固定具などの係合構造を含むことができる。係合構造はまた、第1の層84が第2の層85から変位される長さに応じて、進行性屈曲阻止を生成するように構成することができる。同様の目的を有する同様の構造を収縮スリービング内に、すなわちその内部に、及びその長さに沿って、配設することもできる。
【0067】
次に、図7A図7Dを参照する。カテーテルシャフト9と共に使用するためのエンドエフェクタ100は、複数のループ部材1、2、3を含むことができる。各ループ部材は、少なくとも第1の断面積II-IIを有する一次フレーム部材84と、第1の断面積II-IIとは異なる少なくとも第2の断面積I-Iを有する二次フレーム部材85と、を含む、支持フレーム1A~E、2A~E、3A~Eを有することができ、二次フレーム部材は、一次フレーム部材84の一部分81A、82A上に配設され、第1のフレーム部材1の一部分81A、82Aに沿って摺動するように拘束される。一次フレーム部材84は、一対の近位端81D及び81E、82D及び82Eと、長手方向軸L-Lに沿って離間された閉鎖遠位端81C、82Cとを画定することができる。
【0068】
いくつかの例では、エンドエフェクタ100が非拘束構成に拡張されるとき、各支持フレーム81、82、83は、それぞれの対の近位端81D及び81E、82D及び82E、83D及び83Eと、それぞれの遠位端との間に延在する一対の長手方向側部セクション81A、81B、82A、82B、83A、83Bと、それぞれの遠位端に近接して一対の長手方向側部セクションを接続する上部湾曲セクション81C、82C、83Cと、を有する。ループ部材1、2、3は、長手方向側部セクション81A、81B、82A、82B、83A、83Bが、長手方向軸L-Lに垂直な横方向の動きに抵抗するように構成されるように、横方向剛性Slateralを有し、横方向剛性Slateralは、組み合わされて第1の厚さを有する一次フレーム部材84及び二次フレーム部材85の代わりに第1の厚さの単一層を有する、図示されていない代替的なループ部材の横方向剛性と実質的に等しい。ループ部材は、遠位端81C、82C、83Cが障害物に接触するときに、長手方向側部セクション81A、81B、82A、82B、83A、83Bが、長手方向側部セクション81A、81B、82A、82B、83A、83Bの各々の長手方向長さに沿った曲げに抵抗するように構成されるように、曲げ剛性Sbendを有し、曲げ剛性Sbendは、代替的なループ部材の曲げ剛性よりも低い。
【0069】
いくつかの例では、複数のループ部材1、2、3は、長手方向軸L-Lに沿って共通の遠位頂点50で重なり合う3つのループ部材1、2、3を含む。3つのループ部材1、2、3の各一次フレーム部材84は、それぞれのループ部材1、2、3のそれぞれの対の端81D及び81E、82D及び82E、83D及び83Eの各端において、細長いシャフト9の遠位部分14に固定される。それぞれの支持フレーム81、82、83の各々は、各それぞれの支持フレーム81、82、83によって画定されるそれぞれのループ状経路に直交するそれぞれの断面形状を含むことができ、それぞれの断面形状の各々は、各それぞれの支持フレーム81、82、83に沿って変化する。
【0070】
いくつかの例では、複数のループ部材1、2、3の各々は、それぞれの支持フレーム1、2、3の少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジング1A、2A、2Bと、内側管状ハウジング1A、2A、2Bの少なくとも一部分を取り囲み、かつ内側管状ハウジング1A、2A、2Bに接合された外側管状ハウジング1B、2B、3Bと、外側管状ハウジング1B、2B、3B内、かつ内側管状ハウジング1A、2A、2Bの外側に少なくとも部分的に配設されている複数の導電体37と、を含むことができる。
【0071】
いくつかの例では、それぞれの支持フレーム1、2、3の各々は、それぞれの対の平行セグメント81A及び81B、82A及び82B、83A及び83Bを含むことができ、それぞれの対の平行セグメントの各セグメントは、それぞれの長さ81A及び81B、82A及び82B、83A及び83Bを有する。エンドエフェクタ100が平坦化構成にあるとき、それぞれの対の平行セグメントの各々における各セグメントのそれぞれの長さの大部分は、それぞれの対の平行セグメントの各々における他のセグメントの各々のそれぞれの長さの大部分とほぼ同一平面上にある。エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるとき、それぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントのそれぞれの長さの大部分は、他のそれぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントのそれぞれの長さの大部分と同一平面上にない。
【0072】
いくつかの例では、複数のループ部材1、2、3は、長手方向軸L-Lに沿って共通の遠位頂点50で重なり合うことができる。エンドエフェクタ100は、遠位頂点で複数のループ部材1、2、3を束ねる機械的リンク部50を更に含むことができる。機械的リンク部50は、内部を通って複数のループ部材1、2、3が延在する開口部と、シームを有する辺と、を有する、長方形又は卵形形状、内部を通って複数のループ部材1、2、3が延在する開口部と、4つの連続する辺と、を有する、長方形又は卵形形状、内部を通って延在する、複数のループ部材1、2、3のうちのそれぞれのループ部材を各々が有する3つの開口部を有する、長方形又は卵形形状、内部を通る複数の通路を有する円筒形状であって、当該複数の通路が各々、内部を通って延在する、複数のループ部材1、2、3のうちのそれぞれのループ部材を有する、円筒形状、及び内部を通って複数のループ部材1、2、3が延在する環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延在するテーパ状高さと、を有する、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを含むことができる。複数の電極37は、複数のループ部材1、2、3に固定することができ、複数の電極37のうちの各電極は、表面を有し、当該表面は、当該表面のプロファイルの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル~約0.4マイクロメートルである。エンドエフェクタは、少なくとも1本の引張ワイヤを更に含むことができ、当該少なくとも1本の引張ワイヤは、引張ワイヤが細長いシャフト9に対して近位部分12に向かって後退させられると、細長いシャフト9の遠位部分14及びエンドエフェクタ100が長手方向軸L-Lに対してある角度で曲げられるように、細長いシャフト9を通って延在し、かつ細長いシャフト9の遠位部分14に取り付けられる。
【0073】
図7A図7Dは、様々な力の印加の結果としての支持フレームアセンブリの変形の例解図である。各ループアセンブリ80は、第1の支持フレーム81、第2の支持フレーム82、及び第3の支持フレーム83を含む。第1の支持フレーム81及び第3の支持フレーム83は、第2の中央の支持フレーム82を取り囲む外側の支持フレームである。ループアセンブリ80は、遠位頂点において第1の支持フレーム81、第2の支持フレーム82、及び第3の支持フレーム83を結合する機械的リンク部50を含む。
【0074】
図7Aは、楔Wの頂点が、力F1で第3の支持フレーム83に押し込められるときに、平面表面Sに押し込められる第1の支持フレーム81を例解する。ループアセンブリ80は、平面表面Sにほぼ直交して整列されている。力F1は、平面表面Sにほぼ直交して、かつ平面表面Sに向かう方向に印加される。力F1は、第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bの長さに沿った中央に印加される。第3の支持フレームの外側の平行セグメント83Bは、力F1の結果として表面Sに向かって曲がる。ループアセンブリ80は、力F1が印加されたときに、スパイン間の接触に抵抗するように構成することができる。図7Aでは、第3の支持フレームの外側の平行セグメント83Bは、曲がって、第2の支持フレーム82に接触する。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bを移動させて、第2の支持フレーム82と接触させるのに十分な力F1は、(例えば、支持フレームの断面設計が異なる)ループアセンブリ設計の変形例を比較するために用いる測定基準になることができ、力F1が大きいほど、この試験についてのより良好な結果を示す。
【0075】
図7Bは、力F2を用いて2つの平面表面S1、S2間で圧縮されたループアセンブリ80を例解する。平面表面S1、S2は、互いにほぼ平行に整列している。ループアセンブリ80は、平面表面S1、S2とほぼ直交して整列される。第1の支持フレーム81の外側の平行セグメント81Aは、第1の平面表面S1によって押されている。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bは、第2の平面表面S2によって押されている。平面表面S1、S2間において力F2で圧縮された結果、外側の平行セグメント81A、83Bは、反対側の平面表面S1、S2に向かって曲がっている。ループアセンブリ80は、力F2が印加されたときに、スパイン間の接触に抵抗するように構成することができる。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83B又は第1の支持フレーム81の外側の平行セグメント81Aを移動させて、第2の支持フレーム82と接触させるのに十分な力F2は、(例えば、支持フレームの断面設計が異なる)ループアセンブリ設計の変形例を比較するために用いる測定基準になることができ、力F2が大きいほど、この試験についてのより良好な結果を示す。好ましい実施形態では、F1又はF2は、約10重量グラム以上である。好適な力の範囲は、(図7Aに示されるような)F1について約10重量グラム~50重量グラム、(図7Bに示されるような)F2について10重量グラム~70重量グラムである。
【0076】
図7Cは、ループアセンブリ80の遠位端に力F3を印加する平面表面Sによって圧縮されるループアセンブリ80を例解する。シャフト9の遠位部分14Aは、シャフト9によって画定される長手方向軸L-Lが表面Sにほぼ直交するように、コネクタ管46の近位側の位置に保持されている。力F3は、第1の支持フレーム81及び第3の支持フレーム83のコネクタセグメント81C、83Cに印加されている。長手方向軸L-Lの方向の力F3による圧縮の結果として、ループアセンブリ80及びコネクタ管46は、長手方向軸L-Lとの整列から外れて偏向する。これは、心臓壁に適用されたときに、エンドエフェクタ及び/又はシャフトの遠位セクションが、十分に低い力で座屈して、エンドエフェクタが心臓壁に穴を開けることを阻止するように、シャフト9の遠位セクション14A及び/又はエンドエフェクタが十分に可撓性であることを確実にするためである。
【0077】
図7Dは、遠位頂点にある機械的リンク部50の近くでループアセンブリにほぼ直交して印加される力F4によって偏向されたループアセンブリ80を例解する。シャフト9の遠位部分14Aは、コネクタ管46付近で保持されている。力F4の結果、支持フレーム80は偏向し、長手方向軸L-Lと整列されていない。いくつかの使用事例では、治療エリアの形状、及び/又は触覚フィードバックに関する医師の選好に応じて、力F4による偏向がより大きく又はより小さくなることが所望され得る。
【0078】
開示された技術による方法200を示す図8を参照する。方法200は、各々がそれぞれのループを形成するように、成形工程210少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を含むことができ、第1のループ部材及び第2のループ部材の各々は、2つのスパインを有する支持フレームを有し、少なくとも第1のループ部材のスパインは各々、それぞれのスパインの第1の長さに沿って長手方向に延在する第1の層と、第1の長さに重なる、それぞれのスパインの第2の長さに沿って長手方向に延在する第2の層と、を有し、第1の層は、各それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成される。いくつかの例では、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を成形することは、各々が、それぞれのスパインの第1の長さに沿って長手方向に延在する第1の層と、第1の長さに重なる、それぞれのスパインの第2の長さに沿って長手方向に延在する第2の層と、を有するように、第2のループ部材のスパインを構成することを更に含み、第1の層は、各それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成される。
【0079】
方法200は、結合工程220を更に含むことができ、長手方向軸L-Lに沿って延在する細長いシャフトの遠位部分に対して、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々のそれぞれの対の端。
【0080】
方法200はまた、図9に関してより詳細に説明されるような複数のサブ工程を伴い得る、表面仕上げを各ループ部材に追加する工程230を含むことができる。いくつかの例では、表面仕上げ工程230を追加することは、内側管状ハウジング内で、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材のそれぞれの支持フレームの各々を少なくとも部分的に取り囲むこと232と、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、複数の導電体をそれぞれの支持フレームに隣接して、かつそれぞれの内側管状ハウジングの外側に位置付けること234と、を更に含むことができる。表面仕上げを追加すること230は、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、それぞれの内側管状ハウジング及びそれぞれの複数の導電体を外側管状ハウジングで少なくとも部分的に取り囲むこと236と、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、それぞれの外側管状ハウジングをそれぞれの内側管状ハウジングに接合すること238と、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材のそれぞれの支持フレームを細長いシャフトの遠位部分に固定することと、を更に含むことができる。いくつかの例では、方法200は、複数の電極を少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材に固定することと、複数の電極のうちの各電極の表面の少なくとも一部分を研磨することと、複数の電極のうちの各電極をスエージ加工することと、を更に含むことができる。
【0081】
方法200は、重ね合わせ工程240を更に含むことができ、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材が拘束解除されているときに、第1のループ部材の大部分が第2のループ部材の大部分と同一平面上にないように、細長いシャフトの遠位部分の遠位にある共通の遠位頂点において少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材。
【0082】
方法200はまた、体内でエンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ100)を使用することを伴う使用工程250を含むことができる。例えば、図10に示されるように、使用工程250は、細長いシャフトの操作を介して、第1のループ部材の大部分及び第2のループ部材の大部分を平面表面Sと接触させて押圧すること252と、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を平面表面Sと接触させて、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の大部分を長手方向軸L-Lから離れて平面表面Sと整列させ、それにより、少なくとも第1のループ部材のスパインの第1の層をそれぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動させること254と、を含み得る。いくつかの例では、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を平面表面Sと接触させることは、第2のループ部材のスパインの第1の層をそれぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動させることを更に含む。いくつかの例では、方法200は、細長いシャフトの近位部分が血管内カテーテルから近位に延在している間に、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材並びに細長いシャフトの遠位部分を血管内カテーテル内に位置付けることと、細長いシャフトの近位部分の操作を介して、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材をカテーテルの遠位端から外に移動させることと、細長いシャフトの近位部分の操作を介して、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の大部分を平面表面Sに接触させて押圧することと、を更に含むことができる。
【0083】
理解されるように、上述の方法200は、本明細書に記載される様々な要素及び実施例に従って変更することができる。すなわち、開示された技術による方法は、上述の工程の全部若しくは一部を含むことができ、及び/又は上記で明示的に開示されていない追加の工程を含むことができる。更に、開示された技術による方法は、上述の特定の工程の全てではなく一部を含むことができる。更にまた、本明細書に記載される様々な方法は、完全に又は部分的に組み合わせることができる。すなわち、開示される技術による方法は、第1の方法の少なくともいくつかの要素又は工程と、第2の方法の少なくともいくつかの要素又は工程と、を含むことができる。
【0084】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:カテーテルのためのループアセンブリであって、当該アセンブリが、少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、長手方向軸に沿って閉鎖遠位端まで延在する一対の近位端を含む、一次フレーム部材と、第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材であって、近位端と閉鎖遠位端との間の一次フレーム部材の少なくとも一部分上に配設されており、かつ一次フレーム部材に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、二次フレーム部材と、一次フレーム部材及び二次フレーム部材のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブと、を備える、ループアセンブリ。
【0085】
条項2:第1の次元が、長手方向であり、一次フレーム部材が、金属ワイヤストリップを備え、かつループアセンブリの長さの少なくとも第1の部分に沿って長手方向に延在し、二次フレーム部材が、金属ベースを備え、かつループアセンブリの長さの少なくとも第2の部分に沿って長手方向に延在し、ループアセンブリの長さの第1の部分が、重なり合うセクションにおいて、ループアセンブリの長さの第2の部分と少なくとも部分的に重なり合う、条項1に記載のループアセンブリ。
【0086】
条項3:一次フレーム部材が、ニチノールリボンワイヤストリップによって形成されており、二次フレーム部材が、ニチノールリボンワイヤストリップよりも大きい厚さを有するニチノールベースによって形成されている、条項2に記載のループアセンブリ。
【0087】
条項4:一次フレーム部材を形成するニチノールリボンワイヤストリップが、約0.002インチの厚さを有し、二次フレーム部材を形成するニチノールベースが、約0.005インチの厚さを有する、条項3に記載のループアセンブリ。
【0088】
条項5:一次フレーム部材を形成するニチノールリボンワイヤストリップが、重なり合うセクションにおけるループアセンブリの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、二次フレーム部材を形成するニチノールベースが、重なり合うセクションにおけるループアセンブリの厚さの約70%~約75%の厚さを有する、条項3に記載のループアセンブリ。
【0089】
条項6:近位部分及び遠位部分を備える、細長いシャフトを更に備え、細長いシャフトが、遠位部分を患者の心臓内に位置付けるように、近位部分において操作されるように構成されており、細長いシャフトが、長手方向軸に沿って延在し、一次フレーム部材が、収縮スリービングのみを介して二次フレーム部材に取り付けられている、条項1に記載のループアセンブリ。
【0090】
条項7:カテーテルシャフトと共に使用するためのエンドエフェクタであって、当該エンドエフェクタが、複数のループ部材を備え、各ループ部材が、支持フレームを有し、当該支持フレームが、少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、一対の近位端及び長手方向軸に沿って離間した閉鎖遠位端を画定する、一次フレーム部材と、第1の断面積のいずれとも異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材と、を備え、二次フレーム部材が、一次フレーム部材の一部分上に配設されており、かつ一次フレーム部材の一部分に沿って摺動するように拘束されている、エンドエフェクタ。
【0091】
条項8:エンドエフェクタが非拘束構成に拡張されるとき、各支持フレームが、それぞれの一対の近位端とそれぞれの遠位端との間に延在する一対の長手方向側部セクションと、それぞれの遠位端に近接して当該一対の長手方向側部セクションを接続する上部湾曲セクションと、を備え、ループ部材は、長手方向側部セクションが、長手方向軸に垂直な横方向の動きに抵抗するように構成されるように、横方向剛性を有し、横方向剛性が、組み合わされて第1の厚さを有する一次フレーム部材及び二次フレーム部材の代わりに第1の厚さの単一層を有する代替的なループ部材の横方向剛性と実質的に等しく、ループ部材は、遠位端が障害物に接触するときに、長手方向側部セクションが、長手方向側部セクションの各々の長手方向長さに沿った曲げに抵抗するように構成されるように、曲げ剛性を有し、曲げ剛性が、代替的なループ部材の曲げ剛性よりも低い、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0092】
条項9:複数のループ部材が、長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合う3つのループ部材を備え、3つのループ部材の各一次フレーム部材が、それぞれのループ部材のそれぞれの対の端のうちの各端において、細長いシャフトの遠位部分に固定され、それぞれの支持フレームの各々が、各それぞれの支持フレームによって画定されるそれぞれのループ状経路に直交するそれぞれの断面形状を含み、それぞれの断面形状の各々が、各それぞれの支持フレームに沿って変化する、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0093】
条項10:複数のループ部材の各々が、それぞれの支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、内側管状ハウジングに接合された外側管状ハウジングと、外側管状ハウジング内、かつ内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設されている複数の導電体と、を備える、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0094】
条項11:それぞれの支持フレームの各々が、それぞれの対の平行セグメントを備え、それぞれの対の平行セグメントにおける各セグメントが、それぞれの長さを含み、エンドエフェクタが平坦化構成にあるとき、それぞれの対の平行セグメントの各々における各セグメントのそれぞれの長さの大部分が、それぞれの対の平行セグメントの各々における他のセグメントの各々のそれぞれの長さの大部分とほぼ同一平面上にあり、エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、それぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントのそれぞれの長さの大部分が、他のそれぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントのそれぞれの長さの大部分と同一平面上にない、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0095】
条項12:複数のループ部材が、長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合い、エンドエフェクタが、
遠位頂点において複数のループ部材を束ねる機械的リンク部であって、当該機械的リンク部が、内部を通って複数のループ部材が延在する開口部と、シームを備える辺と、を備える、長方形又は卵形形状、内部を通って複数のループ部材が延在する開口部と、4つの連続する辺と、を備える、長方形又は卵形形状、内部を通って延在する、複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を各々が備える3つの開口部を備える、長方形又は卵形形状、内部を通る複数の通路を備える円筒形状であって、複数の通路が各々、内部を通って延在する、複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を備える、円筒形状、及び内部を通って複数のループ部材が延在する環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延在するテーパ状高さと、を備える、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを備える、機械的リンク部と、複数のループ部材に固定されている複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が、表面を備え、当該表面が、表面のプロファイルの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raが、約0.3マイクロメートル~約0.4マイクロメートルである、複数の電極と、少なくとも1本の引張ワイヤであって、引張ワイヤが、細長いシャフトに対して近位部分に向かって後退させられるとき、細長いシャフトの遠位部分及びエンドエフェクタが、長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、細長いシャフトを通って延在し、かつ細長いシャフトの遠位部分に取り付けられている、引張ワイヤと、を更に備える、条項7に記載のエンドエフェクタ。
【0096】
条項13:マッピングカテーテルのためのアセンブリであって、長手方向軸に沿って延在する、管状部材と、複数のループ部材であって、各々が、管状部材の遠位部分に固定された支持フレームであって、管状部材から延在し、弓状部材に接続されている2つのスパイン部材を画定するように、それぞれのループ部材を通って延在する、支持フレームと、それぞれの支持フレーム上に配設されている複数の電極と、を備える、複数のループ部材と、を備え、支持フレームのうちの少なくとも第1の支持フレームのスパイン部材の各々の少なくとも一部分が、長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、第1の支持フレームの第1の層が、第1の支持フレームの第2の層に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、アセンブリ。
【0097】
条項14:第1の次元が、長手方向であり、複数のループ部材のうちの第1のループ部材が、第1の平面上に配列されており、複数のループ部材のうちの第2のループ部材が、第1の平面と交差する第2の平面上に配列されており、
複数のループ部材のうちの第3のループ部材が、第1の平面及び第2の平面と交差する第3の平面上に配列されており、その結果、非拘束構成において、3つのループ部材の各々の長さの大部分が、他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つの長さの大部分と同一平面上にない、条項13に記載のアセンブリ。
【0098】
条項15:支持フレームの各々のスパイン部材の各々の少なくとも一部分が、長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、支持フレームの各々の第1の層が、それぞれの支持フレームの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成されており、支持フレームの各々の第1の層が、第1の材料から形成されたワイヤストリップを備え、支持フレームの各々の第2の層が、第1の材料から形成され、かつワイヤストリップのそれぞれの断面よりも厚い断面を有する、ベースを備える、条項13に記載のアセンブリ。
【0099】
条項16:第1の材料が、ニチノールを含み、各支持フレームの第1の層を形成するニチノールワイヤストリップが、それぞれの支持フレームの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、各支持フレームの第2の層を形成するニチノールベースが、それぞれの支持フレームの厚さの約70%~約75%の厚さを有する、条項15に記載のアセンブリ。
【0100】
条項17:ニチノールワイヤストリップの厚さが、約0.002インチであり、ニチノールベースの厚さが、約0.005インチである、条項16に記載のアセンブリ。
【0101】
条項18:支持フレームの各々の第1の層が、それぞれの支持フレームのスパイン部材に限定され、支持フレームの各々の第2の層が、それぞれの支持フレームのスパイン部材及び弓状部材の全体にわたって延在する一体的なニチノールベース層から形成されている、条項15に記載のアセンブリ。
【0102】
条項19:非拘束構成において、支持フレームの各々の第1の層が、それぞれの支持フレームのスパイン部材の全長に延在し、複数のループ部材が、長手方向軸に対してある角度で偏向されるとき、支持フレームの各々の第1の層が、それぞれの支持フレームのスパイン部材の全長の一部分のみに延在する、条項15に記載のアセンブリ。
【0103】
条項20:支持フレームの各々の第1の層が、収縮スリービングのみを介して、それぞれの支持フレームの第2の層に取り付けられている、条項15に記載のアセンブリ。
【0104】
条項21:複数のループ部材が各々、それぞれの支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、かつ内側管状ハウジングに接合された外側管状ハウジングと、を備え、複数の電極が、それぞれのループ部材の外側管状ハウジング内、かつ内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設されている、条項20に記載のアセンブリ。
【0105】
条項22:方法であって、各々がそれぞれのループを形成するように、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を成形することであって、第1のループ部材及び第2のループ部材の各々が、2つのスパインを備える支持フレームを有し、少なくとも第1のループ部材のスパインが各々、それぞれのスパインの第1の長さに沿って長手方向に延在する第1の層と、第1の長さに重なる、それぞれのスパインの第2の長さに沿って長手方向に延在する第2の層と、を備え、第1の層が、各それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成される、成形することと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々のそれぞれの対の端を、長手方向軸に沿って延在する細長いシャフトの遠位部分に結合することと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材が拘束解除されているときに、第1のループ部材の大部分が、第2のループ部材の大部分と同一平面上にないように、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を、細長いシャフトの遠位部分の遠位にある共通の遠位頂点において重ね合わせることと、細長いシャフトの操作を介して、第1のループ部材の大部分及び第2のループ部材の大部分を平面表面と接触させて押し付けることと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を平面表面と接触させて、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の大部分を、長手方向軸から離れて平面表面と整列させ、それにより、少なくとも第1のループ部材のスパインの第1の層を、それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動させることと、を含む、方法。
【0106】
条項23:少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を成形することは、各々が、それぞれのスパインの第1の長さに沿って長手方向に延在する第1の層と、第1の長さに重なる、それぞれのスパインの第2の長さに沿って長手方向に延在する第2の層と、を備えるように、第2のループ部材のスパインを構成することであって、第1の層が、各それぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動するように構成される、構成すること、を更に含み、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材を平面表面と接触させることが、第2のループ部材のスパインの第1の層をそれぞれのスパインの第2の層に対して長手方向に摺動させることを更に含む、条項22に記載の方法。
【0107】
条項24:細長いシャフトの近位部分が、血管内カテーテルから近位に延在している間に、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材並びに細長いシャフトの遠位部分を血管内カテーテル内に位置付けることと、細長いシャフトの近位部分の操作を介して、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材をカテーテルの遠位端から外に移動させることと、細長いシャフトの近位部分の操作を介して、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の大部分を平面表面と接触させて押圧することと、を更に含む、条項22に記載の方法。
【0108】
条項25:内側管状ハウジング内で、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材のそれぞれの支持フレームの各々を少なくとも部分的に取り囲むことと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、複数の導電体をそれぞれの支持フレームに隣接して、かつそれぞれの内側管状ハウジングの外側に位置付けることと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、それぞれの内側管状ハウジング及びそれぞれの複数の導電体を外側管状ハウジングで少なくとも部分的に取り囲むことと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材の各々について、それぞれの外側管状ハウジングをそれぞれの内側管状ハウジングに接合することと、少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材のそれぞれの支持フレームを細長いシャフトの遠位部分に固定することと、を更に含む、条項23に記載の方法。
【0109】
条項26:複数の電極を少なくとも第1のループ部材及び第2のループ部材に固定することと、複数の電極のうちの各電極の表面の少なくとも一部分を研磨することと、複数の電極のうちの各電極をスエージ加工することと、を更に含む、条項23に記載の方法。
【0110】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルのためのループアセンブリであって、前記アセンブリが、
少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、
長手方向軸に沿って閉鎖遠位端まで延在する一対の近位端を含む、一次フレーム部材と、
前記第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材であって、前記近位端と前記閉鎖遠位端との間の前記一次フレーム部材の少なくとも一部分上に配設されており、かつ前記一次フレーム部材に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、二次フレーム部材と、
前記一次フレーム部材及び前記二次フレーム部材のうちの少なくとも一方の周りに配設されたスリーブと、を備える、ループアセンブリ。
(2) 前記第1の次元が、長手方向であり、
前記一次フレーム部材が、金属ワイヤストリップを備え、かつ前記ループアセンブリの長さの少なくとも第1の部分に沿って長手方向に延在し、
前記二次フレーム部材が、金属ベースを備え、かつ前記ループアセンブリの前記長さの少なくとも第2の部分に沿って長手方向に延在し、前記ループアセンブリの前記長さの前記第1の部分が、重なり合うセクションにおいて、前記ループアセンブリの前記長さの前記第2の部分と少なくとも部分的に重なり合う、実施態様1に記載のループアセンブリ。
(3) 前記一次フレーム部材が、ニチノールリボンワイヤストリップによって形成されており、
前記二次フレーム部材が、前記ニチノールリボンワイヤストリップよりも大きい厚さを有するニチノールベースによって形成されている、実施態様2に記載のループアセンブリ。
(4) 前記一次フレーム部材を形成する前記ニチノールリボンワイヤストリップが、約50.8μm(約0.002インチ)の厚さを有し、
前記二次フレーム部材を形成する前記ニチノールベースが、約127μm(約0.005インチ)の厚さを有する、実施態様3に記載のループアセンブリ。
(5) 前記一次フレーム部材を形成する前記ニチノールリボンワイヤストリップが、前記重なり合うセクションにおける前記ループアセンブリの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、
前記二次フレーム部材を形成する前記ニチノールベースが、前記重なり合うセクションにおける前記ループアセンブリの前記厚さの約70%~約75%の厚さを有する、実施態様3に記載のループアセンブリ。
【0111】
(6) 近位部分及び遠位部分を備える、細長いシャフトを更に備え、前記細長いシャフトが、前記遠位部分を患者の心臓内に位置付けるように、前記近位部分において操作されるように構成されており、前記細長いシャフトが、前記長手方向軸に沿って延在し、
前記一次フレーム部材が、収縮スリービングのみを介して前記二次フレーム部材に取り付けられている、実施態様1に記載のループアセンブリ。
(7) カテーテルシャフトと共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
複数のループ部材を備え、各ループ部材が、支持フレームを有し、前記支持フレームが、
少なくとも第1の断面積を有する一次フレーム部材であって、一対の近位端及び長手方向軸に沿って離間した閉鎖遠位端を画定する、一次フレーム部材と、
前記第1の断面積とは異なる少なくとも第2の断面積を有する二次フレーム部材と、を備え、前記二次フレーム部材が、前記一次フレーム部材の一部分上に配設されており、かつ前記一次フレーム部材の一部分に沿って摺動するように拘束されている、エンドエフェクタ。
(8) 前記エンドエフェクタが非拘束構成に拡張されるとき、各支持フレームが、前記それぞれの一対の前記近位端と前記それぞれの遠位端との間に延在する一対の長手方向側部セクションと、前記それぞれの遠位端に近接して前記一対の長手方向側部セクションを接続する上部湾曲セクションと、を備え、
前記ループ部材は、前記長手方向側部セクションが、前記長手方向軸に垂直な横方向の動きに抵抗するように構成されるように、横方向剛性を有し、前記横方向剛性が、組み合わされて第1の厚さを有する前記一次フレーム部材及び前記二次フレーム部材の代わりに前記第1の厚さの単一層を有する代替的なループ部材の横方向剛性と実質的に等しく、
前記ループ部材は、前記遠位端が障害物に接触するときに、前記長手方向側部セクションが、前記長手方向側部セクションの各々の長手方向長さに沿った曲げに抵抗するように構成されるように、曲げ剛性を有し、前記曲げ剛性が、前記代替的なループ部材の曲げ剛性よりも低い、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記複数のループ部材が、長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合う3つのループ部材を備え、
前記3つのループ部材の各一次フレーム部材が、前記それぞれのループ部材の前記それぞれの一対の端のうちの各端において、細長いシャフトの遠位部分に固定され、
前記それぞれの支持フレームの各々が、各それぞれの支持フレームによって画定されるそれぞれのループ状経路に直交するそれぞれの断面形状を含み、前記それぞれの断面形状の各々が、各それぞれの支持フレームに沿って変化する、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(10) 前記複数のループ部材の各々が、
前記それぞれの支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、
前記内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、前記内側管状ハウジングに結合された外側管状ハウジングと、
前記外側管状ハウジング内、かつ前記内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設された複数の導電体と、を備える、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
【0112】
(11) 前記それぞれの支持フレームの各々が、
それぞれの対の平行セグメントを備え、前記それぞれの対の平行セグメントにおける各セグメントが、それぞれの長さを含み、
前記エンドエフェクタが平坦化構成にあるとき、前記それぞれの対の平行セグメントの各々における各セグメントの前記それぞれの長さの大部分が、前記それぞれの対の平行セグメントの各々における他のセグメントの各々の前記それぞれの長さの大部分とほぼ同一平面上にあり、
前記エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、前記それぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つの前記セグメントの前記それぞれの長さの前記大部分が、他のそれぞれの対の平行セグメントのうちの少なくとも1つのセグメントの前記それぞれの長さの前記大部分と同一平面上にない、実施態様7に記載のエンドエフェクタ(100)。
(12) 前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合い、
前記エンドエフェクタが、
前記遠位頂点において前記複数のループ部材を束ねる機械的リンク部であって、前記機械的リンク部が、
内部を通って前記複数のループ部材が延在する開口部と、シームを備える辺と、を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通って前記複数のループ部材が延在する開口部と、4つの連続する辺と、を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通って延在する、前記複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を各々が備える3つの開口部を備える、長方形又は卵形形状、
内部を通る複数の通路を備える円筒形状であって、前記複数の通路が各々、内部を通って延在する、前記複数のループ部材のうちのそれぞれのループ部材を備える、円筒形状、及び
内側を通って前記複数のループ部材が延在する環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延在するテーパ状高さと、を備える、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを備える、機械的リンク部と、
前記複数のループ部材に固定されている複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、表面を備え、前記表面が、前記表面のプロファイルの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raが、約0.3マイクロメートル~約0.4マイクロメートルである、複数の電極と、
少なくとも1本の引張ワイヤであって、前記引張ワイヤが、細長いシャフトに対して近位部分に向かって後退させられるとき、前記細長いシャフトの遠位部分及び前記エンドエフェクタが、前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記細長いシャフトを通って延在し、かつ前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられている、引張ワイヤと、を更に備える、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(13) マッピングカテーテルのためのアセンブリであって、
長手方向軸に沿って延在する、管状部材と、
複数のループ部材であって、各々が、
前記管状部材の遠位部分に固定された支持フレームであって、前記管状部材から延在し、弓状部材に接続されている2つのスパイン部材を画定するように、前記それぞれのループ部材を通って延在する、支持フレームと、
前記それぞれの支持フレーム上に配設されている複数の電極と、を備える、複数のループ部材と、を備え、
前記支持フレームのうちの少なくとも第1の支持フレームの前記スパイン部材の各々の少なくとも一部分が、長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、前記第1の支持フレームの前記第1の層が、前記第1の支持フレームの前記第2の層に対して少なくとも第1の次元で摺動するように構成されている、アセンブリ。
(14) 前記第1の次元が、長手方向であり、
前記複数のループ部材のうちの第1のループ部材が、第1の平面上に配列されており、
前記複数のループ部材のうちの第2のループ部材が、前記第1の平面と交差する第2の平面上に配列されており、
前記複数のループ部材のうちの第3のループ部材が、前記第1の平面及び前記第2の平面と交差する第3の平面上に配列されており、その結果、非拘束構成において、前記3つのループ部材の各々の長さの大部分が、他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つの前記長さの前記大部分と同一平面上にない、実施態様13に記載のアセンブリ。
(15) 前記支持フレームの各々の前記スパイン部材の各々の少なくとも一部分が、前記長手方向に延在する第1の層及び第2の層を備え、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記第2の層に対して長手方向に摺動するように構成されており、
前記支持フレームの各々の前記第1の層が、第1の材料から形成されたワイヤストリップを備え、
前記支持フレームの各々の前記第2の層が、前記第1の材料から形成され、かつ前記ワイヤストリップのそれぞれの断面よりも厚い断面を有する、ベースを備える、実施態様13に記載のアセンブリ。
【0113】
(16) 前記第1の材料が、ニチノールを含み、
各支持フレームの前記第1の層を形成する前記ニチノールワイヤストリップが、前記それぞれの支持フレームの厚さの約25%~約30%の厚さを有し、
各支持フレームの前記第2の層を形成する前記ニチノールベースが、前記それぞれの支持フレームの前記厚さの約70%~約75%の厚さを有する、実施態様15に記載のアセンブリ。
(17) 前記ニチノールワイヤストリップの前記厚さが、約50.8μm(約0.002インチ)であり、
前記ニチノールベースの前記厚さが、約127μm(約0.005インチ)である、実施態様16に記載のアセンブリ。
(18) 前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材に限定され、
前記支持フレームの各々の前記第2の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材及び前記弓状部材の全体にわたって延在する一体的なニチノールベース層から形成されている、実施態様15に記載のアセンブリ。
(19) 非拘束構成において、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材の全長に延在し、
前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に対してある角度で偏向されるとき、前記支持フレームの各々の前記第1の層が、前記それぞれの支持フレームの前記スパイン部材の前記全長の一部分のみに延在する、実施態様15に記載のアセンブリ。
(20) 前記支持フレームの各々の前記第1の層が、収縮スリービングのみを介して、前記それぞれの支持フレームの前記第2の層に取り付けられている、実施態様15に記載のアセンブリ。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
【外国語明細書】