(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096099
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】フック構造及び排気後処理システム
(51)【国際特許分類】
F01N 3/00 20060101AFI20240704BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240704BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
F01N3/00 G
F01N3/24 N
F01N3/28 301W
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023222842
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202223544029.5
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519271872
【氏名又は名称】フォルシア・エミッション・コントロール・テクノロジーズ・(シャンハイ)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】チ-ヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】イヴ・バイヨ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・グ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス・ジャコマン
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AB13
3G091BA01
3G091CA27
3G091HA01
3G091HA46
3G091HB01
(57)【要約】
【課題】フック構造及び排気後処理システムを提供する。
【解決手段】フック構造は、フック部材と、前記フック部材が固定的に取付けられた取付位置と、前記フック部材が取り外し可能に接続可能である第1位置又は第2位置と、を備え、前記フック構造は、第1構造又は第2構造を有し、前記第1構造において、前記フック部材は、前記取付位置、前記第1位置のそれぞれに接続され、前記第2構造において、前記フック部材は、前記取付位置、前記第2位置のそれぞれに接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック構造(10)であって、
フック部材(1)と、
前記フック部材(1)が固定的に取付けられた取付位置(2)と、
前記フック部材(1)が取り外し可能に接続可能である第1位置(31)又は第2位置(32)と、を備え、
前記フック構造(10)は、第1構造又は第2構造を有し、
前記第1構造において、前記フック(1)は、前記取付位置(2)、前記第1位置(31)のそれぞれに接続され、
前記第2構造において、前記フック(1)は、前記取付位置(2)、前記第2位置(32)のそれぞれに接続されることを特徴とするフック構造(10)。
【請求項2】
前記取付位置(2)、前記第1位置(31)は、一つの取外し可能な部品(20)に位置し、前記第2位置(32)は、一つの固定部品(30)に位置することを特徴とする請求項1に記載のフック構造(10)。
【請求項3】
前記フック部材(1)は、前記取付位置(2)と回動可能に接続され、前記フック部材(1)は、前記第1位置(31)又は前記第2位置(32)に切替可能に接続するように、前記取付位置(2)の周りに回動可能であることを特徴とする請求項1に記載のフック構造(10)。
【請求項4】
前記フック部材(1)の両端は、それぞれ第1リング部(11)及び第2リング部(12)であり、前記第1リング部(11)は、前記取付位置(2)に接続され、前記第2リング部(12)は、前記第2位置(32)にフック接続されることを特徴とする請求項1に記載のフック構造(10)。
【請求項5】
前記フック部材(1)は、その両端間に位置する第3接続部(13)を備え、前記第3接続部(13)は、前記第1位置(31)に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項4に記載のフック構造(10)。
【請求項6】
前記第3接続部(13)と前記第1位置(31)のうちの一方に対して係止座(41)を提供し、そのうちの他方に対して係止体(42)を提供し、前記係止体(42)は、前記係止座(41)に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項5に記載のフック構造(10)。
【請求項7】
前記第2位置(32)は、突起(43)を備え、前記第2リング部(12)は、前記フック部材(1)が前記第2位置(32)にフック接続するように、前記突起(43)と係合することを特徴とする請求項4に記載のフック構造(10)。
【請求項8】
排気後処理システム(100)であって、
請求項1から7のいずれか1項に記載のフック構造(10)と、
第1部品(101)と、
第2部品(102)と、を備え、前記第1部品(101)と前記第2部品(102)とは、接続構造(103)を介して取り外し可能に接続され、前記第1部品(101)は、前記取付位置(2)及び前記第1位置(31)を有し、前記第2部品(102)は、前記第2位置(32)を有することを特徴とする排気後処理システム(100)。
【請求項9】
前記排気後処理システム(100)の運転状態において、前記フック構造(10)は、前記第1構造であり、前記排気後処理システム(100)のメンテナンス状態において、前記フック構造(10)は、前記第2構造であり、前記第1部品(101)と前記第2部品(102)とは、前記接続構造(103)の接続を解除するように、前記フック構造(10)を介して接続を保持することを特徴とする請求項8に記載の排気後処理システム(100)。
【請求項10】
前記第1部品(101)は、ミキサー(1003)を備え、前記第2部品(102)は、タンク部材(104)と固定ブラケット(105)とを備え、前記タンク部材(104)は、クリップ(106)を介して前記ミキサー(103)に取り外し可能に接続され、前記固定ブラケット(105)は、前記第2位置(32)を有することを特徴とする請求項8に記載の排気後処理システム(100)。
【請求項11】
前記タンク部材(104)内には、ディーゼル粒子捕捉器が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の排気後処理システム(100)。
【請求項12】
前記排気後処理システム(100)は、1つ又は複数の前記フック構造(10)を有することを特徴とする請求項10に記載の排気後処理システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エンジンの排気後処理の技術分野に関わるものであり、特にフック構造及び排気後処理システムに関わるものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンの排気後処理システムは、エンジンによって生じる温かい排気を様々な上流排気部品を介して処理して排出汚染物質を低減する。様々な上流排気部品は、チューブ、フィルタ、バルブ、触媒、マフラーなどの部品のうちの1つ又は複数を備えることができる。例えば、上流排気部品は、排気を入口と出口を有するディーゼル酸化触媒(DieselOxidationCatalyst;DOC)に導く。ディーゼル酸化触媒の下流には、ディーゼル粒子捕捉器(DieselParticulateFilter;DPF)が設けられてもよい。ディーゼル酸化触媒及び選択可能なディーゼル粒子フィルタの下流には、入口及び出口を有する選択的な触媒還元(SCR)触媒がある。出口は、排気を下流の排気部品に通す。ミキサー(mixer)は、DOCの出口又はDPFの下流、SCR触媒の入口の上流に位置する。ミキサー内では、排気は、スワール運動(swirling)又は回転運動を発生する。定量フィーダ(doser)は、尿素水溶液などの還元剤をSCR触媒の上流から排気流に噴射するために使用され、これにより、ミキサーは、尿素と排気を十分に混合してSCR触媒に排出し、還元反応により窒素と水とを生成させて、エンジンの窒素酸化物の排出を低減することができる。
【0003】
一般に、ミキサーと上流及び下流の排気部品とは、例えばフープなどの接続構造を介して接続されている。
【0004】
排気後処理システムのメンテナンス作業では、例えばディーゼル微粒子捕集器に対する点検又は交換が必要となるが、現状の構造では、一般的に複数の作業者が同時に操作し、一方のメンテナンス要員が保護の接続構造の取り外しを行い、他方のメンテナンス要員がミキサー部品を支え、フープを取り外した後、取り外したミキサーを地面に置いてディーゼル微粒子捕集器の点検又は交換作業を行う。以上のメンテナンス作業は、不便であり、改善すべき点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の目的は、フック構造を提供することである。
【0006】
本願の別の目的は、排気後処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1の態様によるフック構造は、フック部材と、前記フック部材が固定的に取付けられた取付位置と、前記フック部材が取り外し可能に接続可能である第1位置又は第2位置と、を備え、前記フック構造は、第1構造又は第2構造を有し、前記第1構造において、前記フック部材は、前記取付位置、前記第1位置のそれぞれに接続され、前記第2構造において、前記フック部材は、前記取付位置、前記第2位置のそれぞれに接続される。
【0008】
本実施例の技術案では、取付位置、第1位置、第2位置を設けることで、フック構造が第1構造又は第2構造を有することになる。そして、フック構造は、排気システムの運転時に第1構造であり、排気システムのメンテナンス時に第2構造である。このように、対応する取り外し可能な部品、例えばミキサーを保持して、接続構造、例えばフープの取り外しを行うことができ、二人のメンテナンス要員が同時に操作する必要がなくなり、また、ミキサーを一時的に吊り下げながら、固定部品内の操作、例えばDPFの点検や交換などの操作を行うこともできる。そこで、以上に説明したフック構造によれば、対応する排気後処理システムなどの装置の取り外し操作が容易になる。
【0009】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記取付位置、前記第1位置は、一つの取外し可能な部品に位置し、前記第2位置は、一つの固定部品に位置する。
【0010】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記フック部材は、前記取付位置と回動可能に接続され、前記フック部材は、前記第1位置又は前記第2位置に切替可能に接続するように、前記取付位置の周りに回動可能である。
【0011】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記フック部材の両端は、それぞれ第1リング部及び第2リング部であり、前記第1リング部は、前記取付位置に接続され、前記第2リング部は、前記第2位置にフック接続される。
【0012】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記フック部材は、その両端間に位置する第3接続部を備え、前記第3接続部は、前記第1位置に取り外し可能に接続される。
【0013】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記第3接続部と前記第1位置のうちの一方に対して係止座を提供し、そのうちの他方に対して係止体を提供し、前記係止体は、前記係止座に取り外し可能に接続される。
【0014】
前記ミキサーの1つ又は複数の実施例において、前記第2位置は、突起を備え、前記第2リング部は、前記フック部材が前記第2位置にフック接続するように、前記突起と係合する。
【0015】
本願の第2の態様による排気後処理システムは、第1態様に記載するフック構造と、第1部品と、第2部品と、を備える排気後処理システムであって、前記第1部品と前記第2部品とは、接続構造を介して取り外し可能に接続され、前記第1部品は、前記取付位置及び前記第1位置を有し、前記第2部品は、前記第2位置を有する。
【0016】
以上に説明したように、上記実施例の排気後処理システムによれば、取り外しやメンテナンス等の作業が容易になる。
【0017】
前記排気後処理システムの1つ又は複数の実施形態において、前記排気後処理システムの運転状態において、前記フック構造は、前記第1構造であり、前記排気後処理システムのメンテナンス状態において、前記フック構造は、前記第2構造であり、前記第1部品と前記第2部品とは、前記接続構造の接続を解除するために、前記フック構造を介して接続を保持する。
【0018】
前記排気後処理システムの1つ又は複数の実施例において、前記第1部品は、ミキサーを備え、前記第2部品は、タンク部材と固定ブラケットとを備え、前記タンク部材は、クリップを介して前記ミキサーに取り外し可能に接続され、前記固定ブラケットは、前記第2位置を有する。
【0019】
前記排気後処理システムの1つ又は複数の実施例において、前記タンク部材内には、ディーゼル粒子捕捉器が設けられている。
【0020】
前記排気後処理システムの1つ又は複数の実施例において、前記排気後処理システムは、1つ又は複数の前記フック構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の上記及び他の特徴、性質、及び利点は、添付図面及び実施例に関連する以下の説明によってさらに明らかになる。添付図面において、同一の符号は、常に同一の特徴を表す。
【0022】
【
図1】一実施例の排気後処理システムの構成概略図である。
【
図2】一実施例の排気後処理システムの別の視点の構成概略図である。
【
図4】一実施例のフック構造の第1構造の概略構成図である。
【
図5】一実施例のフック構造の第2構造の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下には、前記の主題技術案を実施する様々な異なる実施実施形態又は実施例が開示されている。開示を簡略化させるために、以下に各要素及び配列の具体的な例を説明したが、これらは、あくまで例であり、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0024】
注意すべきところは、以下の説明における「一つの実施例」、「一実施例」及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも一つの実施例に関連する特徴、構造、又は特点を意味する。したがって、強調・留意すべきところは、本明細書において異なる位置で二回以上言及される「一つの実施例」又は「一実施例」又は「いくつかの実施例」は、必ずしも同じ実施例を指すものではない。さらに、本願の一つ又は複数の実施例のある特徴、構造、又は特点を適切に組み合わせてもよい。
【0025】
図1及び
図2に示すように、一実施例において、排気後処理システム100は、コンパクトなU型構造の排気後処理システムを構成する第1部分1001と、第2部分1002と、ミキサー1003とを備える。その中に、排気は、第1部分1001の処理を経てミキサー1003の吸気部からミキサーに入り、定量フィーダは、還元剤液体、一般には尿素溶液をミキサー内に噴霧し、排気と尿素は、ミキサー内で混合され、かつスワール運動又は回転運動を生じ、スワール気体は、ミキサーの排気部から第2部分1002に排出される。第1部分1001は、排気中の未燃炭化水素及び一酸化炭素を処理するためのディーゼル酸化触媒(DieselOxidationCatalyst;DOC)を備えてもよく、また、ディーゼル酸化触媒の下流には、排気中の粒子を低減するためのディーゼル粒子捕捉器(DieselParticulateFilter;DPF)を設けてもよい。第2部分1002は、選択的な触媒還元(SCR)触媒を備えてもよい。
図1及び
図2に示すように、第1部分1001及び第2部分1002の具体的な構成は、タンク部材104を備えてもよく、第1部分1001のタンク部材104内には、ディーゼル粒子捕捉器、ディーゼル酸化触媒などの排気処理部材が設けられ、同様に、第2部分1002のタンク内には、選択的な触媒還元(SCR)触媒が設けられてもよい。
図1及び
図2に示すように、ミキサー1003と第1部分1001、第2部分1002とは、それぞれクリップ106を介して接続固定されており、取り外しが容易である。理解すべきところは、排気後処理システム100の構成は、図に示すU字構造に限らず、他の構成でもよく、例えば、第1部分1001、ミキサー1003、第2部分1002が一直線直列に配置された直列構造でもよく、ミキサー1003と第1部分1001、第2部分1002とは、それぞれクリップ106を介して接続固定されてもよい。
【0026】
一般には、排気後処理システム100では、第1部分1001、第2部分1002は、車両に接続された剛性接続位置としての固定ブラケット105を備えるので、第1部分1001、第2部分1002は、排気後処理システムの固定部品30とも呼ばれ、ミキサー1003は、取り外し可能な部品20と呼ばれ、すなわち、取り外しやメンテナンスを行う際に、ミキサー1003を取り外すことが一般的に考えられる。すなわち、ここでの固定部品、取り外し可能な部品は、相対的な意味である。
【0027】
理解すべきところは、実施例で説明した排気後処理システム100は、車両の排気後処理システムを例とするが、これに限定されるものではなく、例えば船舶、農業機械、建設機械などの排気後処理システムとして用いられてもよく、例えば固定式のディーゼル発電機による排気後処理等の場面に用いてもよい。
【0028】
図1~
図5に示すように、排気後処理システム100は、
図5に示す状態においてミキサー1003を第1部分1001にフック接続するフック構造10を備える。フック構造10は、フック部材1と、取付位置2と、第1位置31と、第2位置32とを備える。フック部材1は、取付位置2に固定的に取り付けられ、
図4又は
図5に示すように、フック部材1は、第1位置31又は第2位置32と取り外し可能に接続可能である。フック構造10は、
図4に示すような第1構造又は
図5に示すような第2構造を有する。
図4に示すように、第1構造では、フック部材1は、取付位置2、第1位置31のそれぞれと接続され、
図5に示すように、前記第2構造では、フック部材1は、取付位置2、第2位置32のそれぞれと接続されている。取付位置2の意味は、フック部材1が排気後処理システムに取り付けられた位置であり、取付位置2の具体的な構成は、図に示すように、突起の柱状部材であってもよいが、これに限定されない。以下に説明する内容では、取付位置2、第1位置31は、排気後処理システム100の第1部品101に位置し、第2位置32は、排気後処理システム100の第2部品102に位置し、具体的には、第1部品101は、ミキサー1003であり、第2部品102は、排気後処理システム100の第1部分1001であり、第1部分1001は、ディーゼル粒子捕捉器(DPF)を有し、排気後処理システム100のメンテナンス状態は、DPFの点検又は交換を例とするが、これに限定されない。第1部品101と第2部品102は、接続構造103、ここでは、例として、クリップ106を介して接続され、クリップ106の接続構造は、取り付け及び取り外しが容易であり、接続が信頼できるが、これに限定されるものではなく、他の接続構造であってもよい。
【0029】
図1~
図5に示すように、取付位置2、第1位置31は、ミキサー1003に位置し、第2位置32は、固定ブラケット105に位置してもよい。フック構造10の数は、1つ又は複数であってもよく、ミキサーの大きさ、重量、サイズなどの要素に応じて調整することができる。例えば、図に示す実施例におけるフック構造10の数は、2つであるが、これに限定されない。
【0030】
以上に説明したフック構造10の有益な効果は、以下に説明する第1構造、第2構造の切り替えを介して更に明らになる。
【0031】
図4に示すように、排気後処理システム100の運転状態において、このときの各排気部品は、十分な気密性を確保するようにいずれも密接に接続され、このときのミキサー1003は、固定状態である。このときのフック構造10は、第1構造であり、フック部材1は、フック構造10の固定を保持するように、取付位置2、第1位置31のそれぞれと接続されている、すなわち、ミキサー1003に固定されている。このときに、フック構造10は、エンジン運転時の振動の影響を受けてノイズが発生するのを避けるために良好な安定性を維持し、特にフック構造10のこのときのフック部材1は、同じ部品、すなわちミキサー1003に位置するので、フック構造10がエンジン運動の振動要素の影響を受けるのをできるだけ低減し、フック構造10の設置によるノイズを低減する。
【0032】
図5に示すように、排気後処理システム100がメンテナンス状態にあるとき、例えばDPFを点検又は交換するとき、フック構造10のフック部材1は、第1位置31から離脱して第2位置32と接続され、第2位置32は、排気後処理システム100の剛性接続位置、例えば固定ブラケット105であり、このときのフック構造10は、第2構造であり、ミキサー1003と排気後処理システム100の第1部分1001との接続を保持する。この接続を保持する状態では、操作者は、クリップ106の接続を解除する際にミキサー1003を手で支える操作を他の操作者が行うことなく、接続構造103としてのクリップ106の接続を解除することができる。クリップ106の接続を解除した後、操作者は、ミキサー1003を片方の手で支え、フック部材1と第2位置32のフック接続をもう一方の手で解除し、ミキサー1003を取り外してDPFの点検又は交換操作を行うことができる。同様に、メンテナンスを完成してミキサー1003を再インストールする過程で、ミキサー1003を取付位置に置いた後、フック構造10を介して剛性の接続点にフック接続して接続を保持し、その後、クリップ106を取り付けてミキサー1003を第1部分1001に接続することもできる。
【0033】
上記のように、以上に説明した実施例によれば、以下のような有益な効果が得られる。取付位置、第1位置、第2位置を設けることで、フック構造が第1構造又は第2構造を有することになる。そして、フック構造は、排気システムの運転時に第1構造であり、排気システムのメンテナンス時に第2構造である。このように、対応する取り外し可能な部品、例えばミキサーを保持して、接続構造、例えばフープの取り外しを行うことができ、二人のメンテナンス要員が同時に操作する必要がなくなり、また、ミキサーを一時的に吊り下げながら、固定部品内の操作、例えばDPFの点検や交換などの操作を行うこともできる。そこで、以上に説明したフック構造によれば、対応する排気後処理システムなどの装置の取り外し操作が容易になる。
【0034】
引き続き
図3~
図5に示すように、いくつかの実施例において、フック部材1と取付位置2との取付構造は、フック部材1が取付位置2と回動可能に接続され、フック部材1が、第1位置31又は第2位置32に切替可能に接続するように、取付位置2の周りに回動可能である構造であってもよい。例えば
図4、
図5に示すように、フック部材1は、柱状の取付位置2を軸線として一定角度、例えば90°で回動し、
図4の第1位置32での接続解除からて
図5の第2位置32での接続に切り替わる。
【0035】
引き続き
図3~
図5に示すように、いくつかの実施例において、フック部材1の具体的な構造は、フック部材1の両端がそれぞれ第1リング部11、第2リング部12であり、第1リング部11が取付位置2と接続され、例えば回動可能に接続されている構造であってもよく、該構造において、第1リング部11は、取付位置の周りに回動可能になるように、柱状の取付位置2に挿通されている。第2リング部12は、第2位置32とフック接続され、例えば
図5に示すように、第2位置32は、突起43を備え、第2リング部12は、フック部材1を第2位置32にフック接続するように、突起43と係合している。リング部によりフック構造を構成すると、その構造は、簡単で、フック構造の構成と取り外しを実現しやすく、さらに操作者の操作に寄与する。
【0036】
引き続き
図3及び
図4に示すように、フック部材1の構造は、その両端間に位置する第3接続部13を備えてもよく、第3接続部13は、第1位置31と取り外し可能に接続するために使用されている。接続部13を第1位置31に接続することで、第1位置31から第2位置32への切り替えをより容易にすることができる。引き続き
図4に示すように、第3接続部13と第1位置31との接続構造は、第3接続部13と第1位置31のうちの一方に対して係止座41を提供し、そのうちの他方に対して係止体42を提供し、係止体42と係止座41とを取り外し可能に接続する構造であってもよい。例えば、
図4に示すように、第3接続部13は、円柱状の係止体42を提供し、第1位置31は、係止座41を提供し、第1構造では、係止体42を係止座41に押し込むことで両者の接続を実現することができ、この接続構造は、安定して信頼性があり、運転状態においてフック構造10を設ることでノイズ問題を招く恐れをさらに低減する。
【0037】
上記のように、上述の実施例で説明したミキサー及び排気後処理システムによれば、以下のような有益な効果が得られるが、これらに限定されない。取付位置、第1位置、第2位置を設けることで、フック構造が第1構造又は第2構造を有することになる。そして、フック構造は、排気システムの運転時に第1構造であり、排気システムのメンテナンス時に第2構造である。このように、対応する取り外し可能な部品、例えばミキサーを保持して、接続構造、例えばフープの取り外しを行うことができ、二人のメンテナンス要員が同時に操作する必要がなくなり、また、ミキサーを一時的に吊り下げながら、固定部品内の操作、例えばDPFの点検や交換などの操作を行うこともできる。そこで、以上に説明したフック構造によれば、対応する排気後処理システムなどの装置の取り外し操作が容易になる。
【0038】
本願は、上記実施例により以上のように開示されたが、本願を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、可能な変更及び修正を行うことができる。したがって、本願の技術案を逸脱しない内容や、本願の技術実質に基づいて上記実施例に対して行ったいかなる修正、同等の変化及び修飾は、何れも本願の請求項に規定された保護範囲内に入る。
【符号の説明】
【0039】
100 排気後処理システム
1001 第1部分
1002 第2部分
101 第1部品
102 第2部品
1003 ミキサー
104 タンク部材
105 固定ブラケット
106 クリップ
10 フック構造
1 フック部材
2 取付位置
31 第1位置
32 第2位置
11 第1リング部
12 第2リング部
13 第3接続部
41 係止座
42 係止体
43 突起