(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096102
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】埋め込み型パッケージ放熱構造及びその作製方法、並びに半導体
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20240704BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240704BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240704BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01L23/12 J
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H05K3/46 U
H05K1/02 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023222995
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202211722261.5
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】徐 小偉
(72)【発明者】
【氏名】林 文健
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
5F136
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC32
5E316FF14
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316HH17
5E316JJ11
5E338AA03
5E338AA18
5E338BB19
5E338BB63
5E338BB75
5E338EE02
5F136BB05
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】埋め込み型パッケージ放熱構造及びその作製方法並びに半導体を提供する。
【解決手段】埋め込みデバイス及び第1金属層を含み、第1金属層が埋め込みデバイスの非ピン面に密着して設けられた半完成ボードを形成するステップと、第1金属層を基にして、埋め込みデバイスの非ピン面に密着している放熱板を形成するステップと、放熱板上に放熱銅柱を作製するステップと、放熱銅柱を覆う誘電体層を設けるステップと、誘電体層上に第2金属層を圧着するステップと、第2金属層及び誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成するステップと、第2金属層の残りの部分を除去するステップと、誘電体層上に密封層を圧着し、マイクロチャネルを半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得るステップと、を含む。
【効果】埋め込みデバイスの放熱効率を改善することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込みデバイス及び第1金属層を含み、前記第1金属層が前記埋め込みデバイスの非ピン面に密着して設けられた半完成ボードを形成するステップと、
前記第1金属層を基にして、放熱板を形成するステップであって、前記放熱板は前記埋め込みデバイスの非ピン面に密着しているステップと、
前記放熱板上に放熱銅柱を作製するステップと、
前記放熱銅柱を覆う誘電体層を設けるステップと、
前記誘電体層上に第2金属層を圧着するステップと、
前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成するステップであって、前記放熱銅柱及び前記放熱板は前記マイクロチャネルの内部に設けられ、前記マイクロチャネルの出口及び入口のいずれも前記半完成ボードの方向に垂直な半完成ボードの側面に設けられるステップと、
前記第2金属層の残りの部分を除去するステップと、
前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得るステップと、を含む、ことを特徴とする埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法。
【請求項2】
前記第1金属層を基にして、放熱板を形成する前記ステップは、
前記第1金属層を覆うようにフォトレジスト膜を貼り付けるステップと、
前記フォトレジスト膜を露光させて、放熱板パターンを形成するステップと、
前記フォトレジスト膜及び前記放熱板パターンをエッチングして、放熱板を形成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法。
【請求項3】
前記第2金属層の材料は、チタン又はアルミニウムである、ことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法。
【請求項4】
前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成する前記ステップは、
フォトレジスト膜を貼り付けるプロセス、露光プロセス及びエッチングプロセスをこの順で行うことによって、前記第2金属層上にウィンドウを形成するステップであって、前記ウィンドウの前記半完成ボードに垂直な方向の投影が前記マイクロチャネルの前記半完成ボードに垂直な方向の投影と同じであるステップと、
前記誘電体層をエッチングして、前記放熱板及び前記放熱銅柱を露出させ、マイクロチャネルを形成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法。
【請求項5】
前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得る前記ステップは、
前記誘電体層上に粘着層を密着させるステップと、
前記粘着層上に前記密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法。
【請求項6】
埋め込み型パッケージ放熱構造であって、
請求項1に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法によって得られ、
埋め込みデバイスと、放熱板と、放熱銅柱と、マイクロチャネルと、密封層と、を含み、前記マイクロチャネルの内部に前記放熱板及び前記放熱銅柱が設けられ、前記埋め込みデバイスの非ピン面は前記放熱板に密着しており、前記放熱銅柱は前記放熱板に接続され、前記密封層は、放熱構造に垂直な方向において前記マイクロチャネルを密封する、ことを特徴とする埋め込み型パッケージ放熱構造。
【請求項7】
前記埋め込みデバイスは1つ又は複数である、ことを特徴とする請求項6に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造。
【請求項8】
前記放熱銅柱は1つ又は複数である、ことを特徴とする請求項6に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造。
【請求項9】
前記埋め込みデバイスのピンに電気的に接続された配線層をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか1項に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造を含む、ことを特徴とする半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体作製の技術分野に関し、特に、埋め込み型パッケージ放熱構造及びその作製方法、並びに半導体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、一般的な埋め込みパッケージ方法は、チップなどのデバイスを、予め設置されたキャビティの重合体フレーム又はCore材に実装してから、モールド材でパッケージするものである。例えば、特許文献1で開示された予め設置されたキャビティの有機基材フレームのように、予め設置されたキャビティに能動部品と受動部品を実装した後、例えば特許文献2で開示されたパッケージ方法のように、誘電体材料を圧着することでパッケージを行う。
【0003】
チップなどのデバイスを予め設置されたキャビティの重合体フレーム又はCore材に実装してから、モールド材でパッケージするような従来の形態には、下記の欠点が存在する。高周波、高速、高出力製品の発展に伴い、埋め込み型パッケージ製品は、放熱への要件が高くなり、たとえ放熱性がどんなに良い有機重合体材料であっても、放熱特性には限界があり、高周波、高速、高出力の埋め込み型製品の放熱についての問題を解決することができない。したがって、埋め込み型パッケージ放熱構造の新しい作製方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第105679682号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第104332414号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の目的は、少なくともある程度で従来技術に存在する技術的課題のうちの1つを解決することである。
【0006】
このため、本願の実施形態の1つの目的は、埋め込み型パッケージ放熱構造及びその作製方法、並びに半導体を提供することであり、前記作製方法によれば、埋め込みデバイスの放熱効果を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術目的を達成させるために、本願の実施形態で使用される技術案は、
埋め込みデバイス及び第1金属層を含み、前記第1金属層が前記埋め込みデバイスの非ピン面に密着して設けられた半完成ボードを形成するステップと、
前記第1金属層を基にして、放熱板を形成するステップであって、前記放熱板は前記埋め込みデバイスの非ピン面に密着しているステップと、
前記放熱板上に放熱銅柱を作製するステップと、
前記放熱銅柱を覆う誘電体層を設けるステップと、
前記誘電体層上に第2金属層を圧着するステップと、
前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成するステップであって、前記放熱銅柱及び前記放熱板は前記マイクロチャネルの内部に設けられ、前記マイクロチャネルの出口及び入口のいずれも前記半完成ボードの方向に垂直な半完成ボードの側面に設けられるステップと、
前記第2金属層の残りの部分を除去するステップと、
前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得るステップと、を含む埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法を含む。
【0008】
また、本発明の上記実施形態における埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法によれば、以下の追加の技術的特徴を有してもよい。
【0009】
さらに、本願の実施形態では、前記第1金属層を基にして、放熱板を形成する前記ステップは、具体的には、
前記第1金属層を覆うようにフォトレジスト膜を貼り付けるステップと、
前記フォトレジスト膜を露光させて、放熱板パターンを形成するステップと、
前記フォトレジスト膜及び前記放熱板パターンをエッチングして、放熱板を形成するステップと、を含む。
【0010】
さらに、本願の実施形態では、前記第2金属層の材料は、チタン又はアルミニウムである。
【0011】
さらに、本願の実施形態では、前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成する前記ステップは、具体的には、フォトレジスト膜を貼り付けるプロセス、露光プロセス及びエッチングプロセスをこの順で行うことによって、第2金属層上にウィンドウを形成するステップであって、前記ウィンドウの前記半完成ボードに垂直な方向の投影が前記マイクロチャネルの前記半完成ボードに垂直な方向の投影と同じであるステップと、前記誘電体層をエッチングして、前記放熱板及び前記放熱銅柱を露出させ、マイクロチャネルを形成するステップと、を含む。
【0012】
さらに、本願の実施形態では、前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得る前記ステップは、具体的には、前記誘電体層上に粘着層を密着させるステップと、前記粘着層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得るステップと、を含む。
【0013】
別の態様では、本願の実施形態はまた、
上記のいずれか1つの実施形態に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法によって得られる埋め込み型パッケージ放熱構造を提供し、前記埋め込み型パッケージ放熱構造は、
埋め込みデバイスと、放熱板と、放熱銅柱と、マイクロチャネルと、密封層と、を含み、前記マイクロチャネルの内部に前記放熱板及び前記放熱銅柱が設けられ、前記埋め込みデバイスの非ピン面は前記放熱板に密着しており、前記放熱銅柱は前記放熱板に接続され、前記密封層は、放熱構造に垂直な方向において前記マイクロチャネルを密封する。
【0014】
さらに、本願の実施形態では、前記埋め込みデバイスは1つ又は複数である。
【0015】
さらに、本願の実施形態では、前記放熱銅柱は1つ又は複数である。
【0016】
さらに、本願の実施形態では、前記埋め込みデバイスのピンに電気的に接続された配線層をさらに含む。
【0017】
別の態様では、本願はまた、上記のいずれか1つの実施形態に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造を含む半導体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本願の利点及び有益な効果は、以下の明細書において部分的に示され、部分的には以下の明細書から明らかになるか、又は本願の実施を通じて理解される。
【0019】
本願によれば、マイクロチャネル及び埋め込みデバイスに密着している放熱板及び放熱銅柱が埋め込みデバイスの半完成ボードに垂直な方向に設けられ、それによって、埋め込みデバイスの放熱効果が高まり、ひいては埋め込み型パッケージ放熱構造が高周波・高速製品の放熱要件を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明における特定の実施形態における埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法のステップの概略図である。
【
図2】本発明における特定の実施形態における埋め込み型パッケージ放熱構造の構造概略図である。
【
図3】本発明における特定の実施形態における埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法による構造変化の概略図である。
【
図4】本発明における特定の実施形態における別の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法による構造変化の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法、埋め込み型パッケージ放熱構造、並びに半導体の原理やプロセスについて詳細に説明する。
【0022】
図1を参照して、本発明の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法は、ステップS1~S8を含む。
【0023】
S1:埋め込みデバイス及び第1金属層を含み、前記第1金属層が前記埋め込みデバイスの非ピン面に密着して設けられた半完成ボードを形成する。
【0024】
このステップでは、半完成ボードは、埋め込みデバイス及び第1金属層を含んでもよく、その中で、埋め込みデバイスの非ピン面は第1金属層に密着してもよい。埋め込みデバイスに密着している第1金属層は、埋め込みデバイスの熱伝導に寄与し、金属チタン又は高い熱伝導率や熱安定性を持つ他の金属としてもよい。埋め込みデバイスは、アクティブデバイスやパッシブデバイスであってもよい。半完成ボードは、配線層をさらに含んでもよい。配線層は、埋め込みデバイスに電気的に接続されてもよく、それによって、埋め込みデバイスの機能が実現される。また、第1金属層と配線層との間に誘電体層が設けられていてもよい。誘電体層は、埋め込みデバイス及び第1金属層を固定して、第1金属層と配線層を電気的に隔離することができる。
【0025】
S2:前記第1金属層を基にして、放熱板を形成する。
【0026】
このステップでは、露光現像エッチングなどの従来のプロセスによって第1金属層をエッチングして放熱板にしてもよい。放熱板の形成にはエッチングプロセスが使用されているので、埋め込みデバイスの放熱効果を高めるために、金属層を部分的にエッチングして得た放熱板が埋め込みデバイスの非ピン面に密着しなければならない。なお、第1金属層の厚さがエッチングプロセスの要件を満たすのに十分ではない場合、電気めっきなどの一般的なプロセスによって金属層を厚くし、又は、形成された放熱板の厚さが小さく、放熱性能を持たすのに不十分である場合、特定の放熱要件を満たすように、電気めっきプロセスによって放熱板を厚くしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1金属層上に配線層を作製することが必要となる場合、従来のプロセスによって放熱板を作製しつつ、第1金属層を基にして配線層を作製してもよい。
【0027】
S3:前記放熱板上に放熱銅柱を作製する。
【0028】
このステップでは、放熱板上に放熱銅柱が作製されてもよい。放熱銅柱は、フォトレジスト膜の貼り付け、パターンの露光、パターンのエッチング等の従来のプロセスによって作製されてもよい。放熱銅柱は、放熱板に接続されてもよい。放熱銅柱の材料は、放熱板の材料と同じであってもよく、又は放熱板には、熱伝導能力のより高い材料を用いてもよい。
【0029】
S4:前記放熱銅柱を覆う誘電体層を設ける。
【0030】
このステップでは、誘電体層を設けてもよい。誘電体層は放熱銅柱を覆ってもよく、樹脂膜を用いてもよい。樹脂膜は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を圧着したものであってもよく、これらのうちのいずれか1つの材料を用いてもよい。誘電体層は、放熱銅柱を完全に覆うことが必要であり、後のプロセスのための支持を与える。
【0031】
S5:前記誘電体層上に第2金属層を圧着する。
【0032】
このステップでは、第2金属層は、銅とは別の金属材料を含んでもよく、保護層として誘電体層を保護し、後のプロセスにおける誘電体層の過度の処理による後の加工への影響を回避する。
【0033】
S6:前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成する。
【0034】
このステップでは、露光現像エッチングなどの従来のプロセスによって、第2金属層を部分的にエッチングし、及びPlasmaの方式によって誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成してもよい。ここで、上記のステップによって得られる放熱銅柱及び放熱板は、マイクロチャネルの内部に設けられてもよい。マイクロチャネルの出口及び入口のいずれも、半完成ボードの方向に垂直な半完成ボードの側面に設けられる。
【0035】
S7:前記第2金属層の残りの部分を除去する。
【0036】
このステップでは、第2金属層の残りの部分は、化学腐食やエッチングによって除去されてもよく、化学腐食では、放熱板及び放熱銅柱と反応しない試薬の使用が必要である。
【0037】
S8:前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得る。
【0038】
このステップでは、物理圧着によって誘電体層上に密封層を圧着し、マイクロチャネルを半完成ボードに垂直な方向に密封させ、最終的に放熱構造を得てもよい。密封層は、後の加工のための基板としてもよく、一方、埋め込みデバイスによる熱が、マイクロチャネルの出口及び入口を通じて外部に伝導され得る。
【0039】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、前記第1金属層を基にして、放熱板を形成する前記ステップは、具体的には、以下のステップS21~S23を含んでもよい。
【0040】
S21:前記第1金属層を覆うように、フォトレジスト膜を貼り付ける。
【0041】
S22:前記フォトレジスト膜を露光させて、放熱板パターンを形成する。
【0042】
S23:前記フォトレジスト膜及び前記放熱板パターンをエッチングして、放熱板を形成する。
【0043】
本実施形態では、フォトレジスト膜を貼り付けることで第1金属層を覆い、その後、フォトレジスト膜を露光させ、放熱板のパターンを形成し、フォトレジスト膜をエッチングし、及び第1金属層を部分的にエッチングすることによって、放熱板を形成してもよい。放熱板は、埋め込みデバイスに完全又は部分的に密着しなければならない。
【0044】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、前記第2金属層及び前記誘電体層を部分的にエッチングして、マイクロチャネルを形成する前記ステップは、具体的には、以下のステップS31とS32を含んでもよい。
【0045】
S31:フォトレジスト膜を貼り付けるプロセス、露光プロセス及びエッチングプロセスをこの順で行うことによって、第2金属層上にウィンドウを形成し、前記ウィンドウの前記半完成ボードに垂直な方向の投影が前記マイクロチャネルの前記半完成ボードに垂直な方向の投影と同じである。
【0046】
S32:前記誘電体層をエッチングして、前記放熱板及び前記放熱銅柱を露出させ、マイクロチャネルを形成する。
【0047】
本実施形態では、まず、従来のフォトレジスト膜を貼り付けるプロセス、露光プロセス及びエッチングプロセスによって、第2金属を部分的にエッチングして、ウィンドウを形成し、次に、ウィンドウを通じて、Plasmaプロセスによって誘電体層をエッチングし、放熱板及び放熱銅柱を露出させ、マイクロチャネルを形成する。
【0048】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、前記誘電体層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得る前記ステップは、具体的には、以下のステップS41とS42を含む。
【0049】
S41:前記誘電体層上に粘着層を密着させる。
【0050】
S42:前記粘着層上に密封層を圧着し、前記マイクロチャネルを前記半完成ボードに垂直な方向に密封し、埋め込み型パッケージ放熱構造を得る。
【0051】
このステップでは、密封層の圧着に先立って、誘電体層上に粘着層を密着させ、マイクロチャネルの半完成ボードに垂直な方向、つまり放熱構造に垂直な方向における密封を粘着層及び密封層で達成させ、それによって、放熱の要件とともに、後続の加工の要件を満たす。
【0052】
さらに、
図2を参照して、
図1の方法に対応して、本願の実施形態では、埋め込み型パッケージ放熱構造がさらに提供される。この埋め込み型パッケージ放熱構造は、上記のいずれかの実施形態に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法によって得られ、埋め込みデバイス101と、放熱板102と、放熱銅柱103と、マイクロチャネル104と、密封層105と、を含んでもよい。マイクロチャネル104の内部に放熱板102及び放熱銅柱103が設けられる。埋め込みデバイス101の非ピン面は放熱板102に密着しており、放熱銅柱103は放熱板102に接続され、密封層105は、放熱構造に垂直な方向にマイクロチャネル104を密封する。
【0053】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、埋め込みデバイスは1つ又は複数であり、埋め込み型パッケージ放熱構造ごとに埋め込みデバイスの数が異なるが、具体的な数は、実際のニーズに応じて調整してもよい。
【0054】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、放熱銅柱は1つ又は複数であり、放熱銅柱の数が多いほど、その放熱効率が高いが、作製難度や作製コストを考慮して、具体的な数は、実際のニーズに応じて調整してもよい。
【0055】
さらに、本願のいくつかの実施形態では、埋め込み型パッケージ放熱構造は、埋め込みデバイスのピンに電気的に接続された配線層をさらに含んでもよい。配線層は、本埋め込み型パッケージ放熱構造の後の加工のための基礎となり、本構造の実用性を向上させることができる。
【0056】
上記の方法の実施形態における内容はすべて本埋め込み型パッケージ放熱構造の実施形態に適用しており、本埋め込み型パッケージ放熱構造の実施形態が具体的に実現する機能は、上記の方法の実施形態と同じであり、また、達成させる有益な効果は、上記の方法の実施形態で達成させる有益な効果とも同じである。
【0057】
図2の埋め込み型パッケージ放熱構造に対応して、本願の実施形態はまた、上記のいずれかの実施形態に記載の埋め込み型パッケージ放熱構造を含み得る半導体を提供する。
【0058】
以下、特定実施形態を参照して、本願の埋め込み型パッケージ放熱構造の作製方法について説明する。
【0059】
実施形態1
本実施形態では、埋め込みデバイスは4つ、導通銅柱は15個であり、第1金属層は銅材料であり、第2金属層はチタン材料である。
【0060】
図3のa~fを参照して、まず、従来技術によって半完成ボード201を作製する。半完成ボード201は、4つの埋め込みデバイス202と、銅層203と、埋め込みデバイス202に接続された配線層204と、を含み、銅層203は、埋め込みデバイス202の非ピン面に密着して設けられる。
【0061】
次に、銅層203を基にして、一般的な作製プロセスによって放熱板205を形成する。放熱板205は埋め込みデバイス202の非ピン面に密着している。
【0062】
その後、一般的なフォトレジスト膜を貼り付けるプロセスや露光現像エッチングプロセスによって、放熱板205上に15個の放熱銅柱206を作製する。
【0063】
その後、放熱板205及び放熱銅柱206上に誘電体層207を覆い、次に、チタン層208を圧着して設ける。
【0064】
その後、チタン層208及び誘電体層207をエッチングにより部分的に除去し、マイクロチャネル209を形成する。15個の放熱銅柱206及び放熱板205は、マイクロチャネル209の内部に設けられ、マイクロチャネル209の出口及び入口のいずれも、半完成ボード201の方向に垂直な半完成ボード201の側面に設けられる。
【0065】
その後、従来技術によってチタン層208の残りの部分を除去する。
【0066】
最後に、誘電体層207上に密封層210を圧着する。密封層を圧着する前に、粘着層211を密着してもよい。最後に、マイクロチャネル209を半完成ボード201に垂直な方向において密封し、配線層204にソルダーレジスト層(粘着層)211を形成し、埋め込み型パッケージ放熱構造の完成品を得る。
【0067】
実施形態2
本実施形態では、埋め込みデバイスは4つであり、導通銅柱は15個であり、第1金属層は銅材料であり、第2金属層はチタン材料である。
【0068】
図4のa~gを参照して、まず、従来技術によって半完成ボード301を作製する。半完成ボード301は、4つの埋め込みデバイス302と、銅層303と、埋め込みデバイス302に接続された第1配線層304と、を含み、銅層303は、埋め込みデバイス302の非ピン面に密着して設けられる。
【0069】
次に、銅層303を基にして、一般的な作製プロセスによって放熱板305及び第2配線層312を形成し、第2配線層312は、第1配線層304及び埋め込みデバイス302に接続され、放熱板305は、埋め込みデバイス302の非ピン面に密着している。
【0070】
次に、一般的なフォトレジスト膜を貼り付けるプロセスや露光現像エッチングプロセスによって、放熱板305上に15個の放熱銅柱306を作製する。
【0071】
その後、放熱板305及び放熱銅柱306上に誘電体層307を覆い、次に、チタン層308を圧着して設ける。
【0072】
その後、チタン層308及び誘電体層307をエッチングにより部分的に除去し、マイクロチャネル309を形成する。15個の放熱銅柱306及び放熱板305は、マイクロチャネル309の内部に設けられ、マイクロチャネル309の出口及び入口のいずれも、半完成ボード301の方向に垂直な半完成ボード301の側面に設けられる。
【0073】
その後、従来技術によって、チタン層308の残りの部分を除去する。
【0074】
最後に、誘電体層307上に密封層310を圧着する。密封層310を圧着する前に、粘着層311を密着してもよい。最後に、マイクロチャネル309を半完成ボード301に垂直な方向に密封し、配線層304上にソルダーレジスト層(粘着層)311を形成し、密封層310上に、後で埋め込みデバイス302に接続された第3配線層313及びパッケージ層314を作製し、埋め込み型パッケージ放熱構造の完成品を得る。
【0075】
上記の方法の実施形態における内容はすべて本装置の実施形態に適用しており、本装置の実施形態が具体的に実現する機能は、上記の方法の実施形態と同じであり、また、達成させる有益な効果は、上記の方法の実施形態で達成させる有益な効果とも同じである。
【0076】
いくつかの選択可能な実施形態では、ブロック図に記載された機能/動作は、動作図に記載された順序ではなくてもよい。例えば、関連する機能/動作に応じて、連続して示された2つのブロックは実質的に同時に実行されてもよく、又は場合によっては逆の順序で実行されてもよい。さらに、本願のフローチャートで提示及び説明された実施形態は、技術的なより包括的な理解を提供することを目的として、例示的に提供される。開示される方法は、本明細書で提示される動作及び論理フローに限定されない。様々な動作の順序が変更され、より大きな動作の一部として説明されるサブ動作が独立して実行される、選択可能な実施形態が考えられる。
【0077】
本明細書の前述の説明において、「一実施形態/実施例」、「別の実施形態/実施例」、又は「いくつかの実施形態/実施例」などの用語を参照する説明は、実施形態又は例を参照して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、もしくは特性は、任意の1つ又は複数の実施形態もしくは例において、適切な方法で組み合わされてもよい。
【0078】
本願の実施形態が示され、説明されているが、これらの実施形態は、本願の原理及び目的から逸脱することなく、様々な変更、修正、置換及び変形が可能であり、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを当業者は理解する。
【0079】
以上は、本願の好ましい実施形態を具体的に説明したが、本願は、前記実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本願の精神に反することなく、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、本願の特許請求の範囲によって限定される範囲内に含まれるものとする。