(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096108
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】化粧料又は皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20240704BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20240704BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240704BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240704BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K31/05
A61K8/60
A61Q19/00
A61P17/00
A61K47/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223331
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2022212808
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】岡(市村) 千寛
(72)【発明者】
【氏名】内山 朋弥
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA16
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD67
4C076FF36
4C083AA082
4C083AB032
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB282
4C083AB432
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC262
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC662
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC902
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD272
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD492
4C083AD572
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD23
4C083DD33
4C083EE01
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA20
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA83
4C206NA03
4C206ZA89
(57)【要約】
【課題】 成分(a)レスベラトロールを含む化粧料又は皮膚外用剤の経時的な変色を抑制すること。
【解決手段】 次の成分(a)及び成分(b);(a)レスベラトロール、(b)単糖類を含有する化粧料又は皮膚外用剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)及び成分(b);
(a)レスベラトロール
(b)単糖類
を含有する化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項2】
前記成分(b)に対する前記成分(a)の含有質量割合(a)/(b)が0.001~0.5である、請求項1に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項3】
前記成分(b)が異性化糖である、請求項1又は2に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項4】
前記成分(a)による変色を抑制する、請求項1又は2に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項5】
単糖類を有効成分とする、レスベラトロールを含有する化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制する剤。
【請求項6】
単糖類を使用する、レスベラトロールによる化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レスベラトロールを含有する化粧料又は皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
レスベラトロールは、ブドウの果皮や落花生の薄皮などに含まれるポリフェノールの一種であり、抗酸化作用や抗炎症作用等の種々の目的で、化粧料又は皮膚外用剤に用いられることが多い。例えば、特許文献1には、レスベラトロールを化粧組成物に含有することで老化した皮膚の外観などを向上させる技術が開示されている。
一方、一般的にレスベラトロールは酸化等により劣化しやすく、経時的に不安定な成分であることが知られており、製剤に安定に配合することが困難である。
レスベラトロールの劣化を抑制するために、これまでにも種々のアプローチがなされている。例えば、特許文献2では、グリアジンで被覆したメロンSOD活性抽出物を用いて、高温・露光条件下でのレスベラトロールの退色・分解を抑える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001-510777号公報
【特許文献2】特開2012-236794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、レスベラトロールを水系剤型へ配合すると高温条件下において経時的に変色(黄変)することに気づいた。
レスベラトロールは、抗酸化成分と併用することで褪色を抑制できることが知られているが、特に水系剤型における高温条件下では抗酸化成分と併用した際においても変色(黄変)が確認される。
化粧料や皮膚外用剤等の製品において、有効成分としてレスベラトロールを使用することが望まれる一方で、変色は製品の外観上好ましくなく、また変色が発生する製品の場合、用途が限定される可能性がある。
【0005】
そこで、本技術は、レスベラトロールを含む化粧料又は皮膚外用剤の高温条件下での変色を抑制することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本技術の一態様に係る化粧料又は皮膚外用剤は、以下の通りである。
1.次の成分(a)及び成分(b);
(a)レスベラトロール
(b)単糖類
を含有する化粧料又は皮膚外用剤。
【0007】
2.前記成分(b)に対する前記成分(a)の含有質量割合(a)/(b)が0.001~0.5である、1.に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【0008】
3.前記成分(b)が異性化糖である、1.又は2.に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【0009】
4.前記成分(a)による変色を抑制する、1.又は2.に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
【0010】
5.成分(b)単糖類を有効成分とする、成分(a)レスベラトロールを含有する化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制する剤。
【0011】
6.成分(b)単糖類を使用する、成分(a)レスベラトロールによる化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制する方法。
【発明の効果】
【0012】
本技術によれば、レスベラトロールを含む化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本技術の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本技術は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0014】
<化粧料又は皮膚外用剤>
本技術は、成分(a)レスベラトロール、及び成分(b)単糖類を含有する化粧料又は皮膚外用剤である。
成分(b)単糖類を使用することにより、前記成分(a)に起因する変色を抑制することができ、また前記成分(a)を含む化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制することができる。
【0015】
本技術で使用される成分(a)のレスベラトロールとは、レスベラトロール単量体を指すものである。レスベラトロール単量体は別名5-パラヒドロキシスチリルレゾルシノール又は3,4′,5-スチルベントリオールとしても知られており、立体異性体であるtrans-レスベラトロール、cis-レスベラトロールの両者を含む。純粋なレスベラトロールは、例えばシグマ社(Sigma)、和光純薬工業株式会社から商業的に得ることができる。
【0016】
また、レスベラトロールは、化学的に合成してもよいがブドウやイタドリ等の植物から抽出して用いることもできる。植物からの抽出方法については、特に制限されず一般的な抽出方法を利用できる。また、抽出用溶媒としては水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。本発明で用いるレスベラトロールは、試薬でも、合成品でも、植物から抽出したもののいずれも使用することができる。
【0017】
本技術において、化粧料又は皮膚外用剤中に前記レスベラトロールが含まれる場合、温度やpH、経時等によって変色するが、本技術によればこのレスベラトロールによる変色を抑制することができる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤における成分(a)レスベラトロールの含有量は、外用剤、化粧料の剤形、使用目的等によっても異なるが、一般的には最終皮膚外用剤中の濃度が0.0001~5質量%(以下、「%」とする。)となることが好ましく、0.001~1%がより好ましく、0.005~0.1%となることがより好ましい。
【0019】
本技術で使用される成分(b)の単糖類とは、広く自然界に存在する成分である。食品では甘味料として使用されることが多いが、化粧料では通常湿潤剤として用いられる。単糖類の具体例としては、通常化粧料に配合されるものであれば特に限定はされず、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、アラビノース、キシロース、マンノース、異性化糖等が挙げられるが、これらの中でも特にブドウ糖と果糖を主成分とする液状糖である異性化糖が好ましい。
【0020】
糖には、単糖類(ブドウ糖、果糖など)や二糖類(マルトース、トレハロースなど)、多糖類といった分類が存在し、糖の代表的な由来原料はサトウキビ、サトウダイコン(てん菜)、牛乳、でんぷんなどである。それら原料を元に抽出・精製、分解・糖転移・還元などを経て糖は製造される。例えば単糖類のブドウ糖はでんぷんから分解されることで得られる。また、異性化糖とは、 ブドウ糖などを、酵素などで立体異性化したものである。本発明で用いられる単糖類に製造工程および素原料の制限は無く、いずれも使用することができる。
【0021】
そして、後記実施例に示すように、本技術の成分(b)単糖類は、(a)レスベラトロールを含むことにより生じる変色を抑制する作用を有する。すなわち、前記成分(b)を有効成分として含有する、前記成分(a)を含む化粧料又は皮膚外用剤の変色抑制剤を提供することができる。
【0022】
また、本技術の成分(b)単糖類は、前記成分(a)による変色を抑制する方法に使用することができる。また、前記成分(a)を含有する化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制するための、成分(b)単糖類を提供することができる。また、前記成分(a)による変色を抑制できる剤又は化粧料又は皮膚外用剤を製造するために、成分(b)単糖類を使用することができる。
【0023】
本技術で使用される成分(b)単糖類の含有量又は使用量は、前記化粧料又は皮膚外用剤中、純分として0.00001~5%が好ましく、0.001~1%がより好ましく、0.01~1%がさらに好ましい。
【0024】
本技術の、化粧料又は皮膚外用剤、又は変色抑制方法におけるpHは、特に限定されず、適宜pH調整剤にて調整することができる。
本技術のpH(20℃)は、好ましくは3.0~9.0であり、より好ましくは4.0~8.0である。当該pHに調整することで、前記成分(b)単糖類が、前記成分(a)の変色を抑制し易いので、好適である。
また、前記成分(a)は水存在下で変色が生じ易いので、水を含む化粧料又は皮膚外用剤に、成分(b)単糖類を変色抑制のために使用することが好ましい。
【0025】
本技術で使用される前記成分(b)に対する前記成分(a)の含有(使用)質量割合(a)/(b)は、好ましくは0.001~0.5、より好ましくは0.01~0.3、さらに好ましくは0.02~0.1である。
【0026】
また、本技術の変色抑制の対象となる化粧料又は皮膚外用剤は、例えば、皮膚外用剤、化粧料、美白剤、デオドラント剤、洗浄料等が挙げられる。このうち、エモリエント効果を期待するスキンケアのために使用する化粧料又は皮膚外用剤等が好ましい。
【0027】
また、本技術の成分(a)レスベラトロールおよび成分(b)単糖類を含む化粧料又は皮膚外用剤には、必要に応じて本技術の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤等の種々の製剤に使用される成分を加えることができる。当該成分として、例えば、水、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等が挙げられる。これらから適宜1種又は2種以上選択して使用することができる。
【0028】
本技術の成分(a)レスベラトロールおよび成分(b)単糖類を含む化粧料又は皮膚外用剤は、公知の製法によって得ることができる。
本技術の化粧料及び皮膚外用剤として、具体的には、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、オールインワンジェル、日焼け止め、洗浄料などの基礎化粧料、メイク下地、BBクリーム、ファンデーション、頬紅、口紅等のメイクアップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等のいずれの形態であってもよい。美白効果やエモリエント効果等を期待するような、肌に使用する化粧料及び皮膚外用剤が好ましい。
【0029】
また、本技術の成分(b)単糖類を有効成分とする変色抑制剤は、公知の製法によって得ることができる。
本技術の変色抑制剤又は変色抑制方法の用途として、化粧料;医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤;経口剤、注射剤等に使用することも可能であり、特に、皮膚に適用するような、化粧料及び皮膚外用剤に使用することが好適である。
また、本技術の変色抑制剤を配合する形態としては、例えば、化粧料や医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤等が挙げられる。本技術の変色抑制剤をこれら形態に配合する際には、適宜許容される成分を含有させてもよい。また、本技術の変色抑制剤は、これらを製造するときに含有させることもできる。
【実施例0030】
以下、実施例、試験例等を挙げ、本発明(本技術)をさらに具体的に説明するが、本発明(本技術)はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。以下、含有量は特記しない限り、その成分が含有される系に対する質量%で示す。
【0031】
<試料調製>
レスベラトロール(DSM NUTRITIONAL PRODUCTS社製)をエタノールに溶解し、下記の単糖類又は植物抽出物を含む水溶液と混合し、試料を調製した。
単糖類又は植物抽出物としては、以下の異性化糖、トマト抽出物を使用した。
【0032】
<製造例1.異性化糖溶液の調製>
トウモロコシ由来のブドウ糖を水に溶解し、pHを調整し加熱しながら異性化する。異性化糖溶液をクロマトグラフィーにより精製し、50%精製異性化糖溶液を得る。
【0033】
<製造例2.トマト抽出物の調製>
トマト(学名:Solanum lycopersicum Linne)の果実を細切した後、室温で圧搾、濾過して得られる果汁を濃縮し、濃縮果汁を得る。この濃縮果汁700gに1,3-ブチレングリコール水溶液を300g加え、濾過して1kgのトマト抽出物を得た。
【0034】
<黄変抑制率の算出方法>
50℃用及び5℃用の試料を入れる規格瓶(5号規格瓶、川口薬品化学)を準備した。試料をそれぞれの規格瓶に分注し、規格瓶内の空気を置換せずにそのままの状態で、蓋をした。試料入り規格瓶を、それぞれ50℃及び5℃の恒温器に入れて、7日間静置した。
一定期間静置した各試料を48ウェルプレート(ファルコン社製)に1000μl分注し、マイクロプレートリーダー(バイオテック社製)にて測定を行った。
各試料溶液の400nmでの吸光度を測定し、下記式(1)を用いて算出した。
黄変抑制率(%)=((A-B)-(C-D)/(A-B))×100・・・(1)
A=単糖類および植物抽出物を含まない50℃保管サンプルの吸光度
B=単糖類および植物抽出物を含まない5℃保管サンプルの吸光度
C=単糖類又は植物抽出物を含む50℃保管サンプルの吸光度
D=単糖類又は植物抽出物を含む5℃保管サンプルの吸光度
【0035】
<経時的安定性(変色)試験>
表1に示す各成分(No.2~3)をNo.1、4,5と混合して試料を作製した。7日間静置した後の5℃保管品と50℃保管品との黄変抑制率を上記の式(1)を用いて求めた。なお、各成分の含有量は純分を示す。
【0036】
【0037】
<変色抑制評価>
〇:ほぼ変色なし(黄変抑制率が90%以上)
△:やや変色あり(黄変抑制率が90%未満、50%以上)
×:変色あり(黄変抑制率が50%未満、もしくは目視で明らかに黄変が確認できる)
【0038】
表1の結果より、成分(a)レスベラトロールを含む比較例1の条件では高温条件下(50℃サンプル)にて変色(黄変)が確認された。
一方で、成分(b)として異性化糖を加えた実施例1~3においては、驚くべきことに変色抑制効果を見出した。また、一般的に抗酸化力があると知られるトマト抽出物を加えた比較例2は変色抑制効果に劣るものであった。
【0039】
本発明者らは、偶然にも、単糖類(異性化糖)において、レスベラトロールを含む化粧料又は皮膚外用剤の変色を抑制することができることを見出した。しかも、黄変抑制率の客観的評価では、変色がほとんどないレベルまで達しており、格別顕著な効果といえる。
【0040】
[実施例4:化粧水]
(成分) (%)
1.グリセリン 5.0
2.1,3-ブチレングリコール 5.0
3.乳酸 0.05
4.乳酸ナトリウム 0.1
5.異性化糖 (注1) 0.002
6.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.2
7.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.5
8.エタノール 8.0
9.レスベラトロール(注2) 0.001
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.香料 0.1
12.精製水 残量
(注1)製造例1の異性化糖
(注2)レスベラトロールDSM NUTRITIONAL PRODUCTS社)
【0041】
(製法)
A.下記成分(6)~(11)を混合溶解する。
B.下記成分(1)~(5)と(12)を混合溶解する。
C.前記BにAを加え混合し、化粧水を得た。
【0042】
実施例4の化粧水は変色抑制効果に優れるものであった。
【0043】
[実施例5:水中油乳化型化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 2.0
2.コレステロール 0.8
3.イソステアリン酸 3.0
4.レスベラトロール(注3) 0.1
5.テトラ-2エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 1.0
6.グリセリン 8.0
7.ジプロピレングリコール 8.0
8.精製水 残量
9.D(+)―グルコース(注4) 0.2
10.トレハロース 5.0
11.ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
12.エタノール 5.0
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.香料 0.2
(注3)レスベラトロール(東京化成工業社製)
(注4)D(+)―グルコース(富士フイルム和光純薬株式会社)
【0044】
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を70℃に加熱溶解する。
B:成分(6)~(8)を70℃に加熱溶解後、前記Aに添加し乳化する。
C:前記Bを室温まで冷却する。
D:前記Cをマイクロフルイダイザーにて高圧処理(処理圧200MPa)する。
E:前記Dに成分(9)~(14)を均一に混合して水中油乳化型化粧水を得た。
【0045】
実施例5の水中油乳化型化粧水は変色抑制効果に優れるものであった。
【0046】
[実施例6:美容液]
(成分) (%)
1.ジプロピレングリコール 5.0
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10-30)
クロスポリマー(注5) 0.2
4.キサンタンガム 0.2
5.精製水 残量
6.水酸化ナトリウム2%水溶液 2.0
7.D―(+)―Glucose(注6) 0.005
8.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
9.加水分解エラスチン 0.01
10.加水分解コラーゲン 0.1
11.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.5
12.イソステアリン酸 0.2
13.レスベラトロール(注3) 0.001
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
15.エタノール 2.0
16.香料 0.02
(注5)CARBOPOL1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(注6)D―(+)―Glucose(東京化成工業株式会社)
【0047】
(製法)
A.下記成分(1)~(10)を混合溶解する。
B.下記成分(11)~(16)を混合溶解する。
C.前記AにBを加え混合し、美容液を得た。
【0048】
実施例6の美容液は変色抑制効果に優れるものであった。
【0049】
[実施例7:水中油乳化型美容液]
(成分) (%)
1.セラミド3(注7) 0.1
2.トリエチルヘキサン酸グリセリル 3.0
3.セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
4.ジメチルポリシロキサン(注8) 2.0
5.レスベラトロール(注9) 0.02
6.グリセリン 3.0
7.1,3-ブチレングリコール 5.0
8.1,2-ペンタンジオール 2.0
9.キサンタンガム 0.05
10.精製水 残量
11.リン酸 0.1
12.リン酸一水素ナトリウム 0.1
13.D(―)―フルクトース(注10) 0.00001
14.カルボキシメチルセルロース 2.0
15.キサンタンガム 0.1
16.ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
17.エデト酸2ナトリウム 0.02
18.香料 0.5
(注7)CERAMIDE3(日光ケミカルズ社製)
(注8)KF-96-10CS(信越化学工業社製)
(注9)富士フイルム和光純薬株式会社製
(注10)D(―)―フルクトース(富士フイルム和光純薬株式会社)
【0050】
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(6)~(18)を70℃にて加熱後、前記Aを添加して乳化し室温まで冷却して、水中油乳化型美容液を得た。
【0051】
実施例7の水中油乳化型美容液は変色抑制効果に優れるものであった。
【0052】
[実施例8:水中油乳化型乳液]
(成分) (%)
1.1,3-ブチレングリコール 5.0
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.精製水 残量
4.D―(―)―Fructose(注11) 0.5
5.水酸化ナトリウム2%水溶液 0.2
6.N-ミリストイル-L-グルタミン酸 0.2
7.ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.2
8.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.0
9.トリ(カプリル酸/カプリル酸)グリセリル 0.2
10.レスベラトロール(注3) 1.0
11.N-ステアロイルフィトスフィンゴシン 0.1
12.酢酸トコフェロール 0.01
13.ステアリルアルコール 0.5
14.1,2-ペンタンジオール 0.1
15.カルボキシビニルポリマー(注12) 0.15
16.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー(注13) 0.75
17.エタノール 5.0
18.香料 0.1
(注11)D―(―)―Fructose(東京化成工業株式会社)
(注12) CARBOPOL941(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(注13) SIMULGEL EG(SEPIC社製)
【0053】
(製法)
A.成分(1)~(5)を70℃で均一に溶解混合する。
B.成分(6)~(13)を80℃で均一に溶解混合する。
C.前記AにBを添加し70℃で乳化する。
D.前記Cに成分(14)~(18)を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油乳化型乳液を得た。
【0054】
実施例8の水中油乳化型乳液は変色抑制効果に優れるものであった。
【0055】
[実施例9:水中油乳化型クリーム]
(成分) (%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 2.0
2.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸 (注14) 0.3
3.ジカプリン酸プロピレングリコール 1.7
4.スクワラン 3.5
5.セトステアリルアルコール 3.0
6.ワセリン 2.0
7.ホホバ油 1.0
8.レスベラトロール(注2) 3.0
9.1,3-ブチレングリコール 2.0
10.グリセリン 10.0
11.カルボキシビニルポリマー (注15) 0.3
12.カラギーナン 0.1
13.水酸化ナトリウム 適量
14.精製水 残量
15.異性化糖(注1) 1.0
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
17.エタノール 7.0
18.香料 0.2
(注14)NIKKOL-DDP10(日光ケミカルズ社製)
(注15)ハイビスワコー105(和光純薬工業社製)
【0056】
(製法)
A:成分(1)~(8)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(9)~(15)を70℃にて加熱後、前記Aを添加し乳化する。
C:前記Bを室温まで冷却し、(16)~(18)を添加混合して水中油乳化型クリームを得た。
【0057】
実施例9の水中油乳化型クリームは変色抑制効果に優れるものであった。
【0058】
[実施例10:クリーム状水中油乳化型日焼け止め料]
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 1.0
2.流動パラフィン 3.0
3.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 2.0
4.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.0
5.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸 (注14) 0.1
6.アクリル-シリコーン系グラフト共重合体溶液 (注16) 1.0
7.パラメトキシケイ皮酸オクチル 10.0
8.レスベラトロール(注3) 0.001
9.ミリスチン酸(3%)メチルハイドロジェンポリシロキサン
(15%)処理酸化亜鉛(粒子径20nm) 10.0
10.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
11.(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー混合物
(固形分15%) (注17) 10.0
12.ステアロイルメチルタウリンナトリウム 2.0
13.(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン
ナトリウム)コポリマー (注13) 4.0
14.1,3-ブチレングリコール 8.0
15.ポリエチレングリコール (注18) 5.0
16.精製水 残量
17.異性化糖(注1) 0.4
(注16)KP545L(信越化学工業社製)
(注17)KSG-18(信越化学工業社製)
(注18)PEG400(三洋化成工業社製)
【0059】
(製法)
A.成分(9)~(11)を三本ロールにて分散処理する。
B.前記Aと、成分(1)~(8)を70℃に加温する。
C.成分(12)~(17)を70℃に加温する。
D.前記CにBを加え、乳化する。
E.前記Dを室温まで冷却して冷却してクリーム状水中油乳化型乳日焼け止め料を得た。
【0060】
実施例10のクリーム状水中油乳化型日焼け止め料は変色抑制効果に優れるものであった。
【0061】
[実施例11:水中油乳化型リキッドファンデーション]
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
2.テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビット 1.0
3.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物(固形分5%)(注19) 10.0
4.メチルトリメチコン 5.0
5.メトキシケイ皮酸オクチル 3.0
6.ビスエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン(注20) 5.0
7.アクリル-シリコーン系グラフト共重合体溶液(注21) 5.0
8.レスベラトロール(注3) 0.00001
9.精製水 残量
10.(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン
ナトリウム)コポリマー(注13) 1.0
11.フェノキシエタノール 0.3
12.1,3-ブチレングリコール 10.0
13.異性化糖(注1) 0.01
14.アクリル酸アルキルポリマーエマルション(注22) 3.0
15.トリエタノールアミン 3.5
16.黒酸化鉄 0.2
17.ベンガラ 1.3
18.酸化チタン 8.0
19.黄酸化鉄 0.5
20.セリサイト 5.0
21.赤色202号 0.2
(注19)KSG-15(信越化学工業社製)
(注20)TINOSORB S(BASF社製)
(注21)KP-541(信越化学工業社製)
(注22)ウルトラゾールV-280C(アイカ工業社製)
【0062】
(製法)
A:成分(14)~(21)を3本ローラーにて分散処理する。
B:成分(1)~(8)を90℃にて加熱し均一混合する。
C:前記Bに約90℃に加熱した(9)を添加し乳化後、冷却して(10)~(13)を添加した。
D:前記CにAを混合する
E:前記Dを容器に充填して水中油乳化型リキッドファンデーションを得た。
【0063】
実施例11の水中油乳化型リキッドファンデーションは変色抑制効果に優れるものであった。
【0064】
[実施例12:含浸マスク]
(成分) (%)
1.ジプロピレングリコール 10.0
2.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.スクワラン 0.5
5.レスベラトロール(注3) 0.01
6.グリセリン 10.0
7.精製水 残量
8.温泉水 1.0
9.水酸化ナトリウム 適量
10.異性化糖(注1) 0.0001
11.カルボキシビニルポリマー(注15) 0.1
12.キサンタンガム 0.05
13.香料 0.2
【0065】
(製法)
A:成分(1)~(5)を70℃に加熱溶解する。
B:成分(6)~(10)を70℃に加熱溶解後、前記Aに添加し乳化する。
C:前記Bを室温まで冷却し(11)~(13)を加えて混合し、水中油型乳液を得た。
D:前記Cを不織布(材質:セルロース)にしみこませ、含浸マスクを得た。
【0066】
実施例12の含浸マスクは変色抑制効果に優れるものであった。
【0067】
[実施例13:ハンドクリーム]
(成分) (%)
1.モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0
2.モノステアリン酸グリセリン 3.0
3.セトステアリルアルコール 2.0
4.ベヘニルアルコール 3.0
5.流動パラフィン 4.0
6.ワセリン 10.0
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル
/フィトステリル/ベヘニル)(注23) 2.0
8.オレイン酸オレイル 1.0
9.コエンザイムQ10 0.2
10.レスベラトロール(注3) 0.01
11.パルミチン酸レチノール 0.3
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.濃グリセリン 5.0
14.1,3-ブチレングリコール 10.0
15.リン酸1水素ナトリウム 0.1
16.リン酸2水素ナトリウム 0.1
17.エデト酸2ナトリウム 0.1
18.水酸化ナトリウム 適量
19.精製水 残量
20.異性化糖(注1) 0.0001
21.ローヤルゼリー抽出液 0.1
22.アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.5
23.香料 0.2
(注23)エルデュウPS-304(味の素社製)
【0068】
(製法)
A:成分(1)~(11)、(23)を70℃で混合溶解する。
B:成分(12)~(22)を70℃で混合溶解する。
C:撹拌しながら前記BにAを加えて乳化する。
D:前記Cを室温まで冷却しハンドクリームを得た。
【0069】
実施例13のハンドクリームは変色抑制効果に優れるものであった。
【0070】
[実施例14:皮膚外用剤(水中油型乳液)]
(成分) (%)
1.1,3-ブチレングリコール 5.0
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.精製水 残量
4.異性化糖(注11) 0.5
5.水酸化ナトリウム2%溶液 0.2
6.N-ミリストイル-L-グルタミン酸 0.2
7.ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.2
8.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.0
9.トリ(カプリル酸/カプリル酸)グリセリル 0.2
10.レスベラトロール(注3) 1.0
11.N-ステアロイルフィトスフィンゴシン 0.1
12.酢酸トコフェロール 0.01
13.ステアリルアルコール 0.5
14.1,2-ペンタンジオール 0.1
15.カルボキシビニルポリマー(注12) 0.15
16.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー(注13) 2.0
17.エタノール 5.0
18.香料 0.1
【0071】
(製法)
A.成分(1)~(5)を70℃で均一に溶解混合する。
B.成分(6)~(13)を80℃で均一に溶解混合する。
C.前記AにBを添加し70℃で乳化する。
D.前記Cに成分(14)~(18)を添加混合した後、40℃まで冷却して皮膚外用剤(水中油型乳液)を得た。
【0072】
実施例14の皮膚外用剤(水中油型乳液)は変色抑制効果に優れるものであった。