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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096110
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】パター型ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240704BHJP
   A63B 53/06 20150101ALI20240704BHJP
   A63B 60/02 20150101ALI20240704BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240704BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B53/06 D
A63B60/02
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】72
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000184
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/436,330
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/402,495
(32)【優先日】2024-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502330377
【氏名又は名称】テイラー メイド ゴルフ カンパニー, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リード・ポッター
(72)【発明者】
【氏名】ポール・デムコースキ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・プライス
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002AA07
2C002CH04
2C002KK02
2C002LL01
2C002LL04
2C002MM01
2C002MM04
(57)【要約】
【課題】従来のパター型ゴルフクラブ、および関連するゴルフクラブヘッドの欠点のうちの少なくともいくつかを克服するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを提供すること。
【解決手段】パター型ゴルフクラブヘッドが、本体と、本体に結合されたホーゼルとを備える。ホーゼルは、本体のトップに直接的に結合され、トップに沿って延びる梁を備える。ホーゼルは、梁に対して第1の斜めの角度であり、梁のヒール側端に直接的に結合された第1の支柱下端と、第1の支柱上端とを備える第1の支柱も備える。ホーゼルは、梁に対して第2の斜めの角度であり、梁のトウ側端に直接的に結合された第2の支柱下端と、第1の支柱上端に直接的に結合される第2の支柱上端とを備える第2の支柱をさらに備える。ホーゼルは前方凹部と後方凹部とを追加的に含む。ホーゼルは、第1の支柱上端と第2の支柱上端とに直接的に結合され、ゴルフクラブシャフトと嵌り合うように構成されたソケットも備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トウ、ヒール、トップ、ソール、後部、および前部を備える本体であって、前記トウは前記ヒールの反対側であり、前記トップは前記ソールの反対側であり、前記後部は前記前部の反対側であり、前記前部は打撃面を備える、本体と、
前記本体の前記トップに結合されたホーゼルであって、
ヒール側端およびトウ側端を備え、前記本体の前記トップに直接的に結合され、ヒールからトウに向かう方向に前記本体の前記トップに沿って前記ヒール側端から前記トウ側端へと延びる梁、
前記梁に対して第1の斜めの角度であり、前記梁の前記ヒール側端に直接的に結合された第1の支柱下端、および、第1の支柱上端を備える第1の支柱、
前記梁に対して第2の斜めの角度であり、前記梁の前記トウ側端に直接的に結合された第2の支柱下端、および、前記第1の支柱上端に直接的に結合された第2の支柱上端を備える第2の支柱、
前記梁と前記第1の支柱と前記第2の支柱との間に定められる前方凹部および後方凹部、ならびに、
前記第1の支柱上端と前記第2の支柱上端とに直接的に結合され、ゴルフクラブシャフトと嵌り合うように構成されたソケット
を備えるホーゼルと
を備えるパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ソケットは、前記ゴルフクラブシャフトが前記ソケットと嵌め合わされたとき、前記ゴルフクラブシャフトの軸と同一線上になるホーゼル軸を定め、
前記梁、前記第1の支柱、および前記第2の支柱は直立平面内に位置し、
前記直立平面は前記ホーゼル軸と平行であるか、または、前記ホーゼル軸は前記直立平面内に位置する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記ホーゼル軸は前記打撃面の前方にある、請求項2に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ホーゼル軸は、前記打撃面の一部分を通過するか、または、前記打撃面の後方にある、請求項2に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記ホーゼルは、
前記梁と前記第1の支柱と前記第2の支柱との間に定められ、前記前方凹部から前記後方凹部へと延びる開口と、
前記前方凹部にあり、前記前方凹部に結合され、前記開口を覆う第1のバッジと、
前記後方凹部にあり、前記後方凹部に結合され、前記開口を覆う第2のバッジと
をさらに備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ホーゼルは、前記開口にあり、前記第1のバッジと前記第2のバッジとの間に介在するスペーサをさらに備える、請求項5に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記スペーサは、前記第1のバッジおよび前記第2のバッジの材料より柔らかい材料から作られる、請求項6に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記前方凹部、前記後方凹部、前記開口、前記第1のバッジ、および前記第2のバッジの各々が三角形または不等辺四辺形を有する、請求項5に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記梁と、前記ホーゼルの前記第1の支柱および前記第2の支柱と、前記本体の少なくとも前記トップとは、単一品の一体の継ぎ目のない構造を形成し、
前記梁と、前記ホーゼルの前記第1の支柱および前記第2の支柱と、前記本体の少なくとも前記トップとは、同じ材料から作られる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ホーゼルは前記本体の前記トップに取り付けられ、
前記本体の前記トップは第1の材料から作られ、
前記ホーゼルは第2の材料から作られ、
前記第1の材料と前記第2の材料とは異なる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第1の材料は前記第2の材料の密度より大きい密度を有する、請求項10に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記本体の前記トップはホーゼル凹部を備え、
前記ホーゼルの前記梁の少なくとも一部分が前記ホーゼル凹部にある、請求項10に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記梁は、前記前部の長さの全体に沿って、前記本体の前記ヒールから前記本体の前記トウへと延びる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記梁は、前記本体の前記前部の長さの一部分だけに沿って延びる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記梁の前記ヒール側端は、前記本体の前記前部において、前記本体の前記トップの最もヒール側の広がりと隣接し、
前記梁の前記トウ側端は、前記本体の前記トウと前記ヒールとの間に介在し、前記本体の前記トウおよび前記ヒールから離間されている、請求項14に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記梁の前記ヒール側端は、前記本体の前記トウと前記ヒールとの間に介在し、前記本体の前記トウおよび前記ヒールから離間されており、
前記梁の前記トウ側端は、前記本体の前記トウと前記梁の前記ヒール側端との間に介在し、前記本体の前記トウおよび前記梁の前記ヒール側端から離間されている、請求項14に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記本体の前記トップは第1の係合特徴部を備え、
前記梁は第2の係合特徴部を備え、
前記第2の係合特徴部は前記第1の係合特徴部と嵌り合って係合する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記第1の係合特徴部は開口部を備え、
前記第2の係合特徴部は柱を備える、請求項17に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記第1の係合特徴部の前記開口部は前記本体の前記トップから前記ソールへと延び、
前記ホーゼルは留め具をさらに備え、
前記留め具は、前記本体の前記ソールから前記開口部を少なくとも部分的に通過し、前記柱と係合する、請求項18に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記打撃面は、ギザ付きの表面特徴部を備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
前記前部は、挿入凹部と、前記挿入凹部に着座しているフェース挿入体とを備え、
前記フェース挿入体は打撃面を定め、
前記フェース挿入体の材料は、前記挿入凹部を定める前記前部の材料と異なる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
前記フェース挿入体の前記材料は二液型ポリウレタン材料を含む、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項23】
前記前部は、前記挿入凹部を包囲する一部分を備え、
前記フェース挿入体によって定められる前記打撃面は、前記挿入凹部を包囲する前記前部の前記一部分の色と対照を成す色を有する、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項24】
前記フェース挿入体の前記色は白色である、請求項23に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項25】
前記前部は、前記挿入凹部を包囲する一部分を備え、
前記フェース挿入体によって定められる前記打撃面は、前記挿入凹部を包囲する前記前部の前記一部分の表面質感と異なる表面質感を有する、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項26】
前記フェース挿入体によって定められる前記打撃面は溝無しである、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項27】
前記フェース挿入体の長さが、前記前部に沿ってソールからトップに向かう方向に縮小する、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項28】
前記フェース挿入体の上部における前記フェース挿入体の長さが、前記フェース挿入体の下部における前記フェース挿入体の長さと異なる、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項29】
前記フェース挿入体の長さに対する前記本体のブレード長さの比率が1.2以上かつ1.8以下である、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項30】
前記フェース挿入体の長さに対する前記ホーゼルの長さの比率が0.5以上かつ1.2以下である、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項31】
前記フェース挿入体の厚さに対する前記ホーゼルの長さの比率が12以上かつ26以下である、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項32】
前記フェース挿入体の高さに対する前記ホーゼルの長さの比率が2以上かつ5以下である、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項33】
前記前部は、前記挿入凹部を包囲する一部分を備え、
前記フェース挿入体によって定められる前記打撃面は、前記挿入凹部を包囲する前記前部の前記一部分に対して、0.15mm以上の盛り上がりから0.1mm以下の凹みまでの間にある、請求項21に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項34】
前記梁、前記第1の支柱、および前記第2の支柱のうちの少なくとも1つの一部分が、前記前部の少なくとも一部分に直接的に当接する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項35】
前記梁、前記第1の支柱、および前記第2の支柱は第1の材料から作られ、
前記第1のバッジおよび前記第2のバッジは第2の材料から作られ、
前記第2の材料は前記第1の材料と異なる、請求項5に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項36】
前記第1の材料は金属材料であり、
前記第2の材料は非金属材料であり、
前記第1のバッジは前記前方凹部に接着され、前記第2のバッジは前記後方凹部に接着されている、請求項35に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項37】
前記ホーゼルの長さが前記本体のブレード長さに等しい、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項38】
前記ホーゼルの長さが前記本体のブレード長さの45%以上かつ70%以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項39】
前記ホーゼルの前記長さが前記本体の前記ブレード長さの50%以上かつ60%以下である、請求項38に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項40】
前記梁の厚さが前記梁の長さに沿って変わる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項41】
前記梁の前記厚さが前記ヒールからトウに向かう方向に増加する、請求項40に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項42】
前記第1の斜めの角度と前記第2の斜めの角度とは異なる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項43】
前記第1の斜めの角度は102°以上かつ143°以下であり、
前記第2の斜めの角度は105°以上かつ160°以下である、請求項42に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項44】
前記第1の支柱と前記第2の支柱との間に定められる角度が50°以上かつ120°以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項45】
前記ホーゼルは、前記本体の前記トップに対して26mm以上かつ60mm以下の高さを有する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項46】
前記パター型ゴルフクラブヘッドのZup値が12mm以上かつ17mm以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項47】
前記打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心の座標が9mm以上かつ21mm以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項48】
前記打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心の座標に対する前記パター型ゴルフクラブヘッドのZup値の比率が0.6以上かつ1.8以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項49】
前記ホーゼルの全質量に対する前記本体の全質量の比率が5.5以上かつ7.0以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項50】
前記本体の全質量が355グラム以上かつ410グラム以下である、請求項49に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項51】
前記ホーゼルの長さに対する、前記本体の前記トップに対しての前記ホーゼルの高さの比率が、0.3以上かつ1.6以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項52】
前記本体の奥行に対する前記ホーゼルの長さの比率が0.5以上かつ2.7以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項53】
前記開口の高さに対する前記開口の長さの比率が1.03以上かつ3.0以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項54】
前記開口の奥行に対する前記開口の長さの比率が1.95以上かつ5以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項55】
前記開口の奥行に対する前記開口の高さの比率が1.5以上かつ4.0以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項56】
前記パター型ゴルフクラブヘッドのZup値に対する前記ホーゼルの長さの比率が2.2以上かつ6.14以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項57】
前記打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における座標に対する前記ホーゼルの長さの比率が1.8以上かつ8.3以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項58】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対する前記パター型ゴルフクラブヘッドのZup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.0043以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項59】
前記パター型ゴルフクラブヘッドのZup値に対する前記ホーゼルの高さの比率が1.6以上かつ4.7以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項60】
前記打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における座標に対する前記ホーゼルの高さの比率が1.2以上かつ6.3以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項61】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対する前記ホーゼルの長さの比率が、1g-cmあたり0.00082以上かつ1g-cmあたり0.0021以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項62】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対する前記ホーゼルの高さの比率が、1g-cmあたり0.00058以上かつ1g-cmあたり0.0016以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項63】
前記パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対する前記パター型ゴルフクラブヘッドのBPup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.00050以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項64】
前記パター型ゴルフクラブヘッドのBPup値が13mm以上かつ19mm以下である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項65】
前記本体は、前記ソールに形成された錘受部をさらに備え、
前記本体は、前記錘受部に着座している錘をさらに備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項66】
前記錘受部は雌ネジ山を備え、
前記錘は雄ネジ山を備え、
前記錘受部の前記雌ネジ山と前記錘の前記雄ネジ山とが螺合され、
前記錘は、前記錘を前記錘受部に対して第1の回転方向において回転させることで前記錘受部に挿入可能であり、前記錘を前記錘受部に対して前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向において回転させることで前記錘受部から取り外し可能である、請求項65に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項67】
前記錘はトルクスソケット(登録商標)を備える、請求項66に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項68】
前記錘受部の中心軸が、前記ソケットによって定められるホーゼル軸に対して非平行である、請求項65に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項69】
前記本体は、前記ソールに形成されたソール板凹部をさらに備え、
前記本体は、前記ソール板凹部に着座しているソール板挿入体をさらに備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項70】
前記ソール板挿入体の長さに対する前記本体のブレード長さの比率が1.09以上かつ1.9以下である、請求項69に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項71】
前記ソール板挿入体の奥行に対する前記本体の奥行の比率が1.2以上かつ2.4以下である、請求項70に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項72】
前記ソール板凹部は、畝または通路の一方を備え、前から後ろに向かう方向に延びる第1の係合特徴部を備え、
前記ソール板挿入体は、前記畝または前記通路の他方を備え、前から後ろに向かう方向に延びる第2の係合特徴部を備え、
前記第1の係合特徴部と前記第2の係合特徴部との各々が、前記ソール板挿入体の奥行の80%以上かつ100%以下である長さを有する、請求項69に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年12月30日に出願された米国仮特許出願第63/436,330号の便益を主張し、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本出願は、概してゴルフクラブに関し、より詳細には、望ましい感触および性能を促進するパター型ゴルフクラブのヘッドに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0302946(A1)号
【特許文献2】米国特許第8,303,431号
【特許文献3】米国特許第8,025,587号
【特許文献4】米国特許第8,235,831号
【特許文献5】米国特許第8,337,319号
【特許文献6】米国特許出願公開第2011/0312437(A1)号
【特許文献7】米国特許出願公開第2012/0258818(A1)号
【特許文献8】米国特許出願公開第2012/0122601(A1)号
【特許文献9】米国特許出願公開第2012/0071264(A1)号
【特許文献10】米国特許出願第13/686,677号
【特許文献11】米国特許出願公開第2011/0152000(A1)号
【特許文献12】米国特許出願第11/998,435号
【特許文献13】米国特許出願第11/642,310号
【特許文献14】米国特許出願第11/825,138号
【特許文献15】米国特許出願第11/823,638号
【特許文献16】米国特許出願第12/004,386号
【特許文献17】米国特許出願第12/004,387号
【特許文献18】米国特許出願第11/960,609号
【特許文献19】米国特許出願第11/960,610号
【特許文献20】米国特許第7,267,620号
【特許文献21】米国特許出願公開第2018/0185717号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】全米ゴルフ協会およびR&A Rules Limited、「Procedure for Measuring the Club Head Size of Wood Clubs」1.0.0版、(2003年11月21日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の主題は、現在の技術の状態に応じて、具体的には、従来のパター型ゴルフクラブ、および関連するゴルフクラブヘッドの欠点に応じて、開発されてきた。したがって、本出願の主題は、従来のパター型ゴルフクラブ、および関連するゴルフクラブヘッドの欠点のうちの少なくともいくつかを克服するゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドの例を提供するために開発された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書にはパター型ゴルフクラブヘッドが開示される。パター型ゴルフクラブヘッドは、トウと、ヒールと、トップと、ソールと、後部と、前部とを備える本体を備える。トウはヒールの反対側であり、トップはソールの反対側であり、後部は前部の反対側であり、前部は打撃面を備える。パター型ゴルフクラブヘッドは、本体のトップに結合されたホーゼルも備える。ホーゼルは、ヒール側端およびトウ側端を備え、本体のトップに直接的に結合され、ヒールからトウに向かう方向にヒール側端からトウ側端へと本体のトップに沿って延びる梁を備える。ホーゼルは、梁に対して第1の斜めの角度であり、梁のヒール側端に直接的に結合された第1の支柱下端と、第1の支柱上端とを備える第1の支柱も備える。ホーゼルは、梁に対して第2の斜めの角度であり、梁のトウ側端に直接的に結合された第2の支柱下端と、第1の支柱上端に直接的に結合された第2の支柱上端とを備える第2の支柱をさらに備える。ホーゼルは、梁と第1の支柱と第2の支柱との間に定められる前方凹部および後方凹部を追加的に備える。ホーゼルは、第1の支柱上端と第2の支柱上端とに直接的に結合され、ゴルフクラブシャフトと嵌り合うように構成されたソケットも備える。この段落の前述の主題は、本開示の例1を特徴付けている。
【0007】
ソケットは、ゴルフクラブシャフトがソケットと嵌め合わされたとき、ゴルフクラブシャフトの軸と同一線上になるホーゼル軸を定める。梁、第1の支柱、および第2の支柱は直立平面内に位置する。直立平面はホーゼル軸と平行であるか、または、ホーゼル軸は直立平面内に位置する。この段落の前述の主題は、本開示の例2を特徴付けており、例2は、上記の例1による主題も含む。
【0008】
ホーゼル軸は打撃面の前方にある。この段落の前述の主題は、本開示の例3を特徴付けており、例3は、上記の例2による主題も含む。
【0009】
ホーゼル軸は、打撃面の一部分を通過するか、または、打撃面の後方にある。この段落の前述の主題は、本開示の例4を特徴付けており、例4は、上記の例2による主題も含む。
【0010】
ホーゼルは、梁と第1の支柱と第2の支柱との間に定められ、前方凹部から後方凹部へと延びる開口をさらに備える。ホーゼルは、前方凹部にあり、前方凹部に結合され、開口を覆う第1のバッジと、後方凹部にあり、後方凹部に結合され、開口を覆う第2のバッジとを追加的に備える。この段落の前述の主題は、本開示の例5を特徴付けており、例5は、上記の例1~4のいずれかによる主題も含む。
【0011】
ホーゼルは、開口にあり、第1のバッジと第2のバッジとの間に介在するスペーサをさらに備える。この段落の前述の主題は、本開示の例6を特徴付けており、例6は、上記の例5による主題も含む。
【0012】
スペーサは、第1のバッジおよび第2のバッジの材料より柔らかい材料から作られる。この段落の前述の主題は、本開示の例7を特徴付けており、例7は、上記の例6による主題も含む。
【0013】
前方凹部、後方凹部、開口、第1のバッジ、および第2のバッジの各々が三角形または不等辺四辺形を有する。この段落の前述の主題は、本開示の例8を特徴付けており、例8は、上記の例5~7のいずれかによる主題も含む。
【0014】
梁と、ホーゼルの第1の支柱および第2の支柱と、本体の少なくともトップとは、単一品の一体の継ぎ目のない構造を形成する。梁と、ホーゼルの第1の支柱および第2の支柱と、本体の少なくともトップとは、同じ材料から作られる。この段落の前述の主題は、本開示の例9を特徴付けており、例9は、上記の例1~8のいずれかによる主題も含む。
【0015】
ホーゼルは本体のトップに取り付けられる。本体のトップは第1の材料から作られる。ホーゼルは第2の材料から作られる。第1の材料と第2の材料とは異なる。この段落の前述の主題は、本開示の例10を特徴付けており、例10は、上記の例1~9のいずれかによる主題も含む。
【0016】
第1の材料は第2の材料の密度より大きい密度を有する。この段落の前述の主題は、本開示の例11を特徴付けており、例11は、上記の例10による主題も含む。
【0017】
本体のトップはホーゼル凹部を備える。ホーゼルの梁の少なくとも一部分がホーゼル凹部にある。この段落の前述の主題は、本開示の例12を特徴付けており、例12は、上記の例10~11のいずれかによる主題も含む。
【0018】
梁は、前部の長さの全体に沿って、本体のヒールから本体のトウへと延びる。この段落の前述の主題は、本開示の例13を特徴付けており、例13は、上記の例1~12のいずれかによる主題も含む。
【0019】
梁は、本体の前部の長さの一部分だけに沿って延びる。この段落の前述の主題は、本開示の例14を特徴付けており、例14は、上記の例1~13のいずれかによる主題も含む。
【0020】
梁のヒール側端は、本体の前部において、本体のトップの最もヒール側の広がりと隣接する。梁のトウ側端は、本体のトウとヒールとの間に介在し、本体のトウおよびヒールから離間されている。この段落の前述の主題は、本開示の例15を特徴付けており、例15は、上記の例14による主題も含む。
【0021】
梁のヒール側端は、本体のトウとヒールとの間に介在し、本体のトウおよびヒールから離間されている。梁のトウ側端は、本体のトウと梁のヒール側端との間に介在し、本体のトウおよび梁のヒール側端から離間されている。この段落の前述の主題は、本開示の例16を特徴付けており、例16は、上記の例14~15のいずれかによる主題も含む。
【0022】
本体のトップは第1の係合特徴部を備える。梁は第2の係合特徴部を備える。第2の係合特徴部は第1の係合特徴部と嵌り合って係合する。この段落の前述の主題は、本開示の例17を特徴付けており、例17は、上記の例1~16のいずれかによる主題も含む。
【0023】
第1の係合特徴部は開口部を備える。第2の係合特徴部は柱を備える。この段落の前述の主題は、本開示の例18を特徴付けており、例18は、上記の例17による主題も含む。
【0024】
第1の係合特徴部の開口部は本体のトップからソールへと延びる。ホーゼルは留め具をさらに備える。留め具は、本体のソールから開口部を少なくとも部分的に通過し、柱と係合する。この段落の前述の主題は、本開示の例19を特徴付けており、例19は、上記の例18による主題も含む。
【0025】
打撃面は、圧延された表面特徴部を備える。この段落の前述の主題は、本開示の例20を特徴付けており、例20は、上記の例1~19のいずれかによる主題も含む。
【0026】
前部は、挿入凹部と、挿入凹部に着座しているフェース挿入体とを備える。フェース挿入体は打撃面を定める。フェース挿入体の材料は、挿入凹部を定める前部の材料と異なる。この段落の前述の主題は、本開示の例21を特徴付けており、例21は、上記の例1~20のいずれかによる主題も含む。
【0027】
フェース挿入体の材料は二液型ポリウレタン材料を含む。この段落の前述の主題は、本開示の例22を特徴付けており、例22は、上記の例21による主題も含む。
【0028】
前部は、挿入凹部を包囲する一部分を備える。フェース挿入体によって定められる打撃面は、挿入凹部を包囲する前部の一部分の色と対照を成す色を有する。この段落の前述の主題は、本開示の例23を特徴付けており、例23は、上記の例21~22のいずれかによる主題も含む。
【0029】
フェース挿入体の色は白色である。この段落の前述の主題は、本開示の例24を特徴付けており、例24は、上記の例23による主題も含む。
【0030】
前部は、挿入凹部を包囲する一部分を備える。フェース挿入体によって定められる打撃面は、挿入凹部を包囲する前部の一部分の表面質感と異なる表面質感を有する。この段落の前述の主題は、本開示の例25を特徴付けており、例25は、上記の例21~24のいずれかによる主題も含む。
【0031】
フェース挿入体によって定められる打撃面は溝無しである。この段落の前述の主題は、本開示の例26を特徴付けており、例26は、上記の例21~25のいずれかによる主題も含む。
【0032】
フェース挿入体の長さが、前部に沿ってソールからトップに向かう方向に縮小する。この段落の前述の主題は、本開示の例27を特徴付けており、例27は、上記の例21~26のいずれかによる主題も含む。
【0033】
フェース挿入体の上部におけるフェース挿入体の長さが、フェース挿入体の下部におけるフェース挿入体の長さと異なる。この段落の前述の主題は、本開示の例28を特徴付けており、例28は、上記の例21~27のいずれかによる主題も含む。
【0034】
フェース挿入体の長さに対する本体のブレード長さの比率が1.2以上かつ1.8以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例29を特徴付けており、例29は、上記の例21~28のいずれかによる主題も含む。
【0035】
フェース挿入体の長さに対するホーゼルの長さの比率が0.5以上かつ1.2以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例30を特徴付けており、例30は、上記の例21~29のいずれかによる主題も含む。
【0036】
フェース挿入体の厚さに対するホーゼルの長さの比率が12以上かつ26以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例31を特徴付けており、例31は、上記の例21~30のいずれかによる主題も含む。
【0037】
フェース挿入体の高さに対するホーゼルの長さの比率が2以上かつ5以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例32を特徴付けており、例32は、上記の例21~31のいずれかによる主題も含む。
【0038】
前部は、挿入凹部を包囲する一部分を備える。フェース挿入体によって定められる打撃面は、挿入凹部を包囲する前部の一部分に対して、0.15mm以上の盛り上がりから0.1mm以下の凹みまでの間にある。この段落の前述の主題は、本開示の例33を特徴付けており、例33は、上記の例21~32のいずれかによる主題も含む。
【0039】
梁、第1の支柱、および第2の支柱のうちの少なくとも1つの一部分が、前部の少なくとも一部分に直接的に当接する。この段落の前述の主題は、本開示の例34を特徴付けており、例34は、上記の例1~33のいずれかによる主題も含む。
【0040】
梁、第1の支柱、および第2の支柱は第1の材料から作られる。第1のバッジおよび第2のバッジは第2の材料から作られる。第2の材料は第1の材料と異なる。この段落の前述の主題は、本開示の例35を特徴付けており、例35は、上記の例5による主題も含む。
【0041】
第1の材料は金属材料である。第2の材料は非金属材料である。第1のバッジは前方凹部に接着され、第2のバッジは後方凹部に接着されている。この段落の前述の主題は、本開示の例36を特徴付けており、例36は、上記の例35による主題も含む。
【0042】
ホーゼルの長さは本体のブレード長さに等しい。この段落の前述の主題は、本開示の例37を特徴付けており、例37は、上記の例1~36のいずれかによる主題も含む。
【0043】
ホーゼルの長さは本体のブレード長さの45%以上かつ70%以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例38を特徴付けており、例38は、上記の例1~37のいずれかによる主題も含む。
【0044】
ホーゼルの長さは本体のブレード長さの50%以上かつ60%以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例39を特徴付けており、例39は、上記の例38による主題も含む。
【0045】
梁の厚さは梁の長さに沿って変わる。この段落の前述の主題は、本開示の例40を特徴付けており、例40は、上記の例1~39のいずれかによる主題も含む。
【0046】
梁の厚さはヒールからトウに向かう方向に増加する。この段落の前述の主題は、本開示の例41を特徴付けており、例41は、上記の例40による主題も含む。
【0047】
第1の斜めの角度と第2の斜めの角度とは異なる。この段落の前述の主題は、本開示の例42を特徴付けており、例42は、上記の例1~41のいずれかによる主題も含む。
【0048】
第1の斜めの角度は102°以上かつ143°以下である。第2の斜めの角度は105°以上かつ160°以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例43を特徴付けており、例43は、上記の例42による主題も含む。
【0049】
第1の支柱と第2の支柱との間に定められる角度が50°以上かつ120°以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例44を特徴付けており、例44は、上記の例1~43のいずれかによる主題も含む。
【0050】
ホーゼルは、本体のトップに対して26mm以上かつ60mm以下の高さを有する。この段落の前述の主題は、本開示の例45を特徴付けており、例45は、上記の例1~44のいずれかによる主題も含む。
【0051】
パター型ゴルフクラブヘッドのZup値が12mm以上かつ17mm以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例46を特徴付けており、例46は、上記の例1~45のいずれかによる主題も含む。
【0052】
打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるパター型ゴルフクラブヘッドの重心の座標が9mm以上かつ21mm以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例47を特徴付けており、例47は、上記の例1~46のいずれかによる主題も含む。
【0053】
打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるパター型ゴルフクラブヘッドの重心の座標に対するパター型ゴルフクラブヘッドのZup値の比率が0.6以上かつ1.8以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例48を特徴付けており、例48は、上記の例1~47のいずれかによる主題も含む。
【0054】
ホーゼルの全質量に対する本体の全質量の比率が5.5以上かつ7.0以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例49を特徴付けており、例49は、上記の例1~48のいずれかによる主題も含む。
【0055】
本体の全質量が355グラム以上かつ410グラム以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例50を特徴付けており、例50は、上記の例49による主題も含む。
【0056】
ホーゼルの長さに対する、本体のトップに対してのホーゼルの高さの比率が、0.3以上かつ1.6以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例51を特徴付けており、例51は、上記の例1~50のいずれかによる主題も含む。
【0057】
本体の奥行に対するホーゼルの長さの比率が0.5以上かつ2.7以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例52を特徴付けており、例52は、上記の例1~51のいずれかによる主題も含む。
【0058】
開口の高さに対する開口の長さの比率が1.03以上かつ3.0以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例53を特徴付けており、例53は、上記の例1~52のいずれかによる主題も含む。
【0059】
開口の奥行に対する開口の長さの比率が1.95以上かつ5以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例54を特徴付けており、例54は、上記の例1~53のいずれかによる主題も含む。
【0060】
開口の奥行に対する開口の高さの比率が1.5以上かつ4.0以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例55を特徴付けており、例55は、上記の例1~54のいずれかによる主題も含む。
【0061】
パター型ゴルフクラブヘッドのZup値に対するホーゼルの長さの比率が2.2以上かつ6.14以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例56を特徴付けており、例56は、上記の例1~55のいずれかによる主題も含む。
【0062】
打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における座標に対するホーゼルの長さの比率が1.8以上かつ8.3以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例57を特徴付けており、例57は、上記の例1~56のいずれかによる主題も含む。
【0063】
パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対するパター型ゴルフクラブヘッドのZup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.0043以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例58を特徴付けており、例58は、上記の例1~57のいずれかによる主題も含む。
【0064】
パター型ゴルフクラブヘッドのZup値に対するホーゼルの高さの比率が1.6以上かつ4.7以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例59を特徴付けており、例59は、上記の例1~58のいずれかによる主題も含む。
【0065】
打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸における座標に対するホーゼルの高さの比率が1.2以上かつ6.3以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例60を特徴付けており、例60は、上記の例1~59のいずれかによる主題も含む。
【0066】
パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対するホーゼルの長さの比率が、1g-cmあたり0.00082以上かつ1g-cmあたり0.0021以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例61を特徴付けており、例61は、上記の例1~60のいずれかによる主題も含む。
【0067】
パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対するホーゼルの高さの比率が、1g-cmあたり0.00058以上かつ1g-cmあたり0.0016以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例62を特徴付けており、例62は、上記の例1~61のいずれかによる主題も含む。
【0068】
パター型ゴルフクラブヘッドの重心に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメントに対するパター型ゴルフクラブヘッドのBPup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.00050以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例63を特徴付けており、例63は、上記の例1~62のいずれかによる主題も含む。
【0069】
パター型ゴルフクラブヘッドのBPup値が13mm以上かつ19mm以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例64を特徴付けており、例64は、上記の例1~63のいずれかによる主題も含む。
【0070】
本体は、ソールに形成された錘受部をさらに備える。本体は、錘受部に着座している錘をさらに備える。この段落の前述の主題は、本開示の例65を特徴付けており、例65は、上記の例1~64のいずれかによる主題も含む。
【0071】
錘受部は雌ネジ山を備える。錘は雄ネジ山を備える。錘受部の雌ネジ山と錘の雄ネジ山とが螺合される。錘は、錘を錘受部に対して第1の回転方向において回転させることで錘受部に挿入可能であり、錘を錘受部に対して第1の回転方向と反対の第2の回転方向において回転させることで錘受部から取り外し可能である。この段落の前述の主題は、本開示の例66を特徴付けており、例66は、上記の例65による主題も含む。
【0072】
錘はトルクスソケット(登録商標)を備える。この段落の前述の主題は、本開示の例67を特徴付けており、例67は、上記の例66による主題も含む。
【0073】
錘受部の中心軸が、ソケットによって定められるホーゼル軸に対して非平行である。この段落の前述の主題は、本開示の例68を特徴付けており、例68は、上記の例65~67のいずれかによる主題も含む。
【0074】
本体は、ソールに形成されたソール板凹部をさらに備える。本体は、ソール板凹部に着座しているソール板挿入体をさらに備える。この段落の前述の主題は、本開示の例69を特徴付けており、例69は、上記の例1~68のいずれかによる主題も含む。
【0075】
ソール板挿入体の長さに対する本体のブレード長さの比率が1.09以上かつ1.9以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例70を特徴付けており、例70は、上記の例69による主題も含む。
【0076】
ソール板挿入体の奥行に対する本体の奥行の比率が1.2以上かつ2.4以下である。この段落の前述の主題は、本開示の例71を特徴付けており、例71は、上記の例70による主題も含む。
【0077】
ソール板凹部は、畝または通路の一方を備え、前から後ろに向かう方向に延びる第1の係合特徴部を備える。ソール板挿入体は、畝または通路の他方を備え、前から後ろに向かう方向に延びる第2の係合特徴部を備える。第1の係合特徴部と第2の係合特徴部との各々が、ソール板挿入体の奥行の80%以上かつ100%以下である長さを有する。この段落の前述の主題は、本開示の例72を特徴付けており、例72は、上記の例69~71のいずれかによる主題も含む。
【0078】
記載される本開示の主題の特徴、構造、利点、および/または特性は、1つまたは複数の実施形態および/または実施において、任意の適切な様態で組み合わせることができる。以下の記載において、本開示の主題の実施形態の完全な理解を授けるために数多くの明確な詳細が提供されている。当業者は、本開示の主題が、具体的な実施形態または実施の特定の特徴、詳細、構成要素、材料、および/または方法のうちの1つまたは複数を伴わずに実施され得ることを認識するであろう。他の例では、追加の特徴および利点が、すべての実施形態または実施には存在しない可能性のある特定の実施形態および/または実施において認識される可能性がある。さらに、いくつかの例では、よく知られている構造、材料、または動作は、本開示の主題の態様を不明瞭にするのを回避するために、詳細に図示または記載されていない。本開示の主題の特徴および利点は、以下の記載および添付の請求項からより完全に明らかとなる、または、以後において述べられているような主題の実施によって分かり得る。
【0079】
本主題の利点がより容易に理解され得るように、先に簡潔に記載されている本主題のより具体的な説明が、添付の図面に示されている特定の例を参照することで以下に提供される。必ずしも一定の縮尺で描かれていないこれらの図面は本主題の特定の例だけを描写しており、そのため、本主題の範囲の限定となるように解釈されるべきでないという理解において、本主題は、図面の使用を通じて、追加的な具体性および詳細を伴って説明および解説される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの一例の斜視図である。
図2】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの別の斜視図である。
図3】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
図4】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの前方からの立面図である。
図5】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの側方からの立面図である。
図6】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの上方からの平面図である。
図7】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの後方からの立面図である。
図8】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの他の例の前方からの立面図である。
図9】本開示の1つまたは複数の例による図8のパター型ゴルフクラブヘッドの側方からの立面図である。
図10】本開示の1つまたは複数の例による図8のパター型ゴルフクラブヘッドの上方からの平面図である。
図11】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの他の例の斜視図である。
図12】本開示の1つまたは複数の例による図11のパター型ゴルフクラブヘッドの前方からの立面図である。
図13】本開示の1つまたは複数の例による図11のパター型ゴルフクラブヘッドの側方からの立面図である。
図14】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの他の例の斜視図である。
図15】本開示の1つまたは複数の例による図14のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
図16】本開示の1つまたは複数の例による図14のパター型ゴルフクラブヘッドのホーゼルの後方からの立面図である。
図17】本開示の1つまたは複数の例による図14のパター型ゴルフクラブヘッドの別の斜視図である。
図18】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの一例の斜視図である。
図19】本開示の1つまたは複数の例による図18のパター型ゴルフクラブヘッドの別の斜視図である。
図20】本開示の1つまたは複数の例による図18のパター型ゴルフクラブヘッドの後方からの立面図である。
図21】本開示の1つまたは複数の例による図18のパター型ゴルフクラブヘッドの側方からの立面図である。
図22】本開示の1つまたは複数の例による図18のパター型ゴルフクラブヘッドの下方からの平面図である。
図23】本開示の1つまたは複数の例による図18のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
図24】本開示の1つまたは複数の例による図1のパター型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。
図25】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドのなおも他の例の下方からの平面図である。
図26】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの本体の斜視図である。
図27】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
図28A】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドのソール板挿入体の下方からの平面図である。
図28B】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドのソール板挿入体の前方からの立面図である。
図29A】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第1のバッジの後方からの立面図である。
図29B】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第1のバッジの上方からの平面図である。
図29C】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第1のバッジの前方からの立面図である。
図30A】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第2のバッジの後方からの立面図である。
図30B】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第2のバッジの前方からの立面図である。
図30C】本開示の1つまたは複数の例による図25のパター型ゴルフクラブヘッドの第2のバッジの上方からの平面図である。
図31】本開示の1つまたは複数の例による図27の線31-31に沿って切り取られた図25のパター型ゴルフクラブヘッドの断面での側方からの立面図である。
図32】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの一例の斜視図である。
図33】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドの後方からの立面図である。
図34】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドの別の斜視図である。
図35】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドの下方からの平面図である。
図36】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
図37A】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドのソール板挿入体の下方からの平面図である。
図37B】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドのソール板挿入体の前方からの立面図である。
図37C】本開示の1つまたは複数の例による図32のパター型ゴルフクラブヘッドのソール板挿入体の上方からの平面図である。
図38】本開示の1つまたは複数の例によるパター型ゴルフクラブヘッドの例の様々な特性についての値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
「一例」、「例」、または同様の文言への本明細書を通じての言及は、例との関連で記載される具体的な特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの例に含まれることを意味する。本明細書を通じて「一例において」、「例において」、および同様の文言の出現は、必ずではないが、すべてが同じ例を言及している可能性がある。同様に、「実施」という用語の使用は、本開示の1つまたは複数の例との関連で記載されている具体的な特徴、構造、または特性を有する実施を意味するが、他を指示する明確な相関がない場合、実施は1つまたは複数の例と関連付けられる可能性がある。
【0082】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2014年10月9日に発行された米国特許出願公開第2014/0302946(A1)号('946出願)は、本出願を通じて検討される様々なパラメータを測定するために使用される「基準位置」(例えば、アドレス位置)を記載している。基準位置またはアドレス位置は、全米ゴルフ協会およびR&A Rules Limited、「Procedure for Measuring the Club Head Size of Wood Clubs」1.0.0版、(2003年11月21日)に記載されている手順に基づき得る。他に指示されていない場合、すべてのパラメータはアドレス位置にあるクラブヘッドを用いて指定され、そのアドレス位置は、(1)地上平面において支持され、(2)クラブヘッドのホーゼル軸が地上平面に対して70°のライ角θ1にあり、または、ゴルフクラブヘッドの打撃面におけるスコアラインが地上平面に対して平行であり、(3)ホーゼル軸が、地上平面に対して垂直である平面(例えば、鉛直平面)に位置するときのゴルフクラブヘッドの位置である。
【0083】
図4図6は、アドレス位置におけるゴルフクラブヘッドを示す例である。図4図6に示されているように、ゴルフクラブヘッドをアドレス位置に位置決めすることは、様々な測定のために、様々な特定の場所のいずれかを原点とする1つまたは複数の座標系を作り出すのに役立つ。座標系の軸は、地上平面103と、地上平面103に対して垂直な第1の鉛直平面と、地上平面103および第1の鉛直平面の両方に対して垂直な第2の鉛直平面とに結び付けることができる。概して、ほとんどの例において、第1の鉛直平面はホーゼル軸と平行である(または、ホーゼル軸は第1の鉛直平面に位置する)。座標系のx軸は、指定された原点を通過し、第1の鉛直平面に沿って位置するか、または第1の鉛直平面と平行であるかのいずれかである。座標系のy軸は、指定された原点を通過し、地上平面に沿って位置するか、または地上平面と平行であるかのいずれかである。座標系のz軸は、指定された原点を通過し、第2の鉛直平面に沿って位置するか、または第2の鉛直平面と平行であるかのいずれかである。また、USGAの手法は、ヘッド高さおよびクラブヘッド重心CGの場所を含め、本出願を通じて記載される様々なパラメータを測定するために使用することができる。一例によれば、以後においてより詳細に述べられるように、クラブヘッド原点座標系が、ゴルフクラブヘッドの打撃面の中心面CFに原点を伴って定められる。正のx軸が中心面CFのヒール側であり、負のx軸が中心面CFのトウ側である。正のy軸が中心面CFの後側であり、負のy軸が中心面CFの前側である。正のz軸が中心面CFの上側であり、負のz軸が中心面CFの下側である。
【0084】
さらなる詳細または明確性のために、読者には、'946出願およびUSGAの手順に記載されている測定方法を参照することを薦める。しかしながら、注目すべきことに、本出願で使用された原点および軸は、'946出願またはUSGAの手順に記載されているものと必ずしも同じ手法で位置合わせまたは配向されなくてもよい。本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドの様々な例のクラブヘッド原点座標系の場所を見つけることについてのさらなる詳細が、以下に提供される。
【0085】
図1図7を参照すると、一例によれば、ゴルフクラブヘッド100が、本体102と、本体102に結合され、本体102から延びるホーゼル130とを備える。本体102は、トウ104、ヒール106、トップ108、ソール110、後部112、および前部114を有する。トウ104はヒール106の反対側であり、トップ108はソール110の反対側であり、後部112は前部114の反対側である。トウ104、ヒール106、トップ108、ソール110、後部112、および前部114の各々は、本体102の対応する外面によって定められる。ヒール106およびトウ104と、トップ108およびソール110とは、前部114から後部112へと延びる。トップ108はトップライン部分109を含み、トップライン部分109は、前部114に直に隣接し、トップ108の最も上の表面を定めるトップ108の一部分として定められる。トップライン部分109は、前部114から、トップ108の高さにおける明確な断崖へと、後方に延びる。いくつかの例では、トップライン部分109は、本体102の全体の奥行に対して狭い出っ張りを定める(例えば、図6参照)。いくつかの例では、ホーゼル130の奥行(例えば、幅)は、ホーゼル130がアドレスの際にゴルファの視点から識別するのが難しくなるように、トップライン部分109の奥行(例えば、幅)と実質的に等しい。図4に示されているように、トップライン部分109は、トウ104とヒール106との間でトップライン部分109に沿った最大距離として定められる長さTLLを有する。
【0086】
本体102の前部114は、いくつかの例では平坦であり、ゴルフクラブヘッド100が地上平面103においてアドレス位置にあるとき、地上平面103に対してロフトを有する。前部114は、パッティングストロークの間にゴルフボールに衝突するように指定された前部114の領域である打撃面120も有する。図4を参照すると、ゴルフクラブヘッド100のブレード長さBLは、トウ104とヒール106との間の、(ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるときの水平方向における)前部114に沿った最大距離として定められる。いくつかの例では、前部114は、ブレード長さBLがトップライン部分109の長さTLLより大きくなるように、ソールからトップに向かう方向において先細りである。再び図4を参照すると、本体102の前部114はゴルフクラブヘッド100のブレード高さBHを定め、ブレード高さBHは、ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるときの、地上平面103とトップライン部分109との間の(鉛直方向における)前部114に沿った最大距離として定められる。いくつかの例において、ブレード高さBHはいくつかの例では23.5mmであり、いくつかの例では24.3mmであり、いくつかの例では24mmである。
【0087】
いくつかの例では、本体102の前部114は、打撃面120を定めるフェース挿入体168を備える。例えば、フェース挿入体168の外側を向く面の全体が打撃面120の全体を定め得る。フェース挿入体168によって定められた打撃面120は、いくつかの例では溝を有し、他の例では溝無しである。前部114は、着座して係合しているフェース挿入体168を受け入れるように構成される挿入凹部166(例えば、挿入体空洞)も備える。特定の例によれば、フェース挿入体168は、フェース挿入体168と挿入凹部166との間の接合物質または接着剤を介して、挿入凹部166に固定される。いくつかの例では、フェース挿入体168は、挿入凹部166を定める前部114の材料と異なる材料から作られる。挿入凹部166の材料は金属材料であり、フェース挿入体168の材料は、特定の例によれば、二液型ポリウレタン材料などの高分子材料を含む。他の例では、挿入凹部166は第1の種類の金属材料(例えば、鋼鉄)から作られ、フェース挿入体168は第2の種類の金属材料(例えば、チタン)から作られる。
【0088】
いくつかの例では、フェース挿入体168によって定められる打撃面120は、挿入凹部166を包囲する前部114の表面と対照を成す表面を有する。一例によれば、フェース挿入体168によって定められる打撃面120は、挿入凹部166を包囲する前部114の色と対照を成す色を有する。例えば、フェース挿入体168によって定められる打撃面120の色は白色であり、挿入凹部166を包囲する前部114の色は、金属の色など、白色ではない。同じ例または代替の例では、フェース挿入体168によって定められる打撃面120は、挿入凹部166を包囲する前部114の表面質感と異なる表面質感を有する。一例によれば、フェース挿入体168によって定められる打撃面120は、挿入凹部166を包囲する前部114に対して滑らかである(例えば、トウ領域、フェース挿入体168のトウ側、ヒール領域、フェース挿入体168のヒール側、または、フェース挿入体168を包囲する全体領域のうちの1つまたは複数が粗面化またはギザ付きとされる)。
【0089】
図2を参照すると、フェース挿入体168は、ヒールからトウに向かう方向におけるフェース挿入体168のヒール側端からトウ側端までの距離として定められる長さを有する。フェース挿入体168の長さは、いくつかの例では、フェース挿入体168の上部からフェース挿入体168の下部まで一定である。しかしながら、図2に示されているものなど、他の例では、フェース挿入体168の長さはフェース挿入体168の上部から下部へと変化する。図示されている一例によれば、フェース挿入体168の長さは、前部114に沿ってソールからトップに向かう方向に縮小する。例えば、フェース挿入体168の長さは、フェース挿入体168の下部における最大フェース挿入体長さFILMAXから、フェース挿入体168の上部における最小フェース挿入体長さFILMINまで縮小または先細りすることができ、最大フェース挿入体長さFILMAXは最小フェース挿入体長さFILMINより大きい。このような例では、フェース挿入体168は概ね不等辺四辺形を有し得る。フェース挿入体168は、フェース挿入体168の下部からフェース挿入体168の上部への距離として定められるフェース挿入体高さFIHを有する。
【0090】
いくつかの例によれば、特定の例では最大フェース挿入体長さFILMAXであるフェース挿入体168の長さに対するブレード長さBLの比率が、1.2以上かつ1.8以下であるか、1.1以上かつ1.5以下であるか、または1.6以上かつ1.9以下である。
【0091】
挿入凹部166の大きさおよび形はフェース挿入体168の大きさおよび形と対応する。例えば、挿入凹部166はフェース挿入体168と同じ周囲の形を有する。さらに、挿入凹部166の外周および奥行の大きさは、それぞれフェース挿入体168の外周および厚さよりわずかに大きい。いくつかの例では、挿入凹部166の外周は、凹部の縁がフェース挿入体168の縁と接触するような大きさとされる。別の言い方をすれば、最大挿入凹部長さIRLMAXが最大フェース挿入体長さFILMAXと実質的に等しく、最小挿入凹部長さIRLMINが最小フェース挿入体長さFILMINと実質的に等しい。他に述べられていない場合、「実質的」または「約」という用語は、定められた特性の5%以内を意味する。他の例では、挿入凹部166の外周は、小さい隙間がフェース挿入体168と挿入凹部166との間に定められるように、フェース挿入体168の縁が挿入凹部166の縁からずれるような大きさとされる。別の言い方をすれば、最大挿入凹部長さIRLMAXは最大フェース挿入体長さFILMAXより小さくなり、最小挿入凹部長さIRLMINは最小フェース挿入体長さFILMINより小さくなる。特定の例によれば、挿入凹部166の奥行IRDがフェース挿入体168の厚さと実質的に等しくなり、フェース挿入体168の厚さは一定または可変の厚さであり得る。挿入凹部166の奥行IRDとフェース挿入体168の厚さとは、フェース挿入体168が挿入凹部166に着座するとき、フェース挿入体168によって定められる打撃面120が、挿入凹部166を包囲する前部114の一部分に対して、0.15mm以上の盛り上がりから0.1mm以下の凹みまでの間、0.1mm以上の盛り上がりから0.05mm以下の凹みまでの間、または、0.05mm以上の盛り上がりから0.05mm以下の凹みまでの間にある。いくつかの例では、挿入凹部166の奥行IRDは3mm以上かつ5mm以下である。
【0092】
いくつかの例では、図2図5、および図24に示されているように、本体102は、ソール110に形成されたヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bも備える。ヒール錘受部182Aは打撃面120の中心面のヒール側にあり、トウ錘受部182Bは打撃面120の中心面のトウ側にある。ヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bの各々は、ヒール錘186Aまたはトウ錘186Bの対応するものを受け入れ、着座した係合でまたはその他の種類の係合で保持するように構成される(錘は図2および図5では取り外されている)。例えば、ヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bの各々は雌ネジ山を備え、錘は、その雌ネジ山と螺合する雄ネジ山を備える。錘は、締め付け工具(例えば、ネジドライバ)を受け入れるように構成されたソケットを備え得る。一例では、ソケットは、図24に示されているようなトルクス式ソケット(登録商標)である。いくつかの例によれば、錘は、選択的に、錘をヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bに対して反対の方向に回転させることで、ヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bに挿入可能、ならびに、ヒール錘受部182Aおよびトウ錘受部182Bから取り外し可能である。
【0093】
ホーゼル130は、本体102のトップ108に結合され、本体102のトップ108から延びる。図示されている例では、ホーゼル130は、トラス状の形を有し、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144を備える。ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるとき、梁132は、本体102のトップ108に直接的に結合されたホーゼル130の実質的に水平の部材である。梁132は本体102のトップ108から少なくとも部分的に突出する。別の言い方をすれば、梁132は、トップライン部分109の表面によって定められる平面に対して持ち上げられている。梁132はヒール側端134とトウ側端136とを備える。さらに、梁132は、ヒールからトウに向かう方向にヒール側端134からトウ側端136へと本体102のトップ108に沿って延びる。特定の例では、図5に示されているように、梁132の最も前側の表面は、前部114の少なくとも一部分に直接的に当接する(例えば、前部114の少なくとも一部分と面一である)。梁132の全体の長さがホーゼル130の長さHLを定め、長さHLは、いくつかの例ではホーゼル130の最大長さである。いくつかの例によれば、フェース挿入体168の長さFILMAXに対するホーゼル130の長さHLの比率は、0.5以上かつ1.2以下または0.7以上かつ0.8以下である。特定の例では、フェース挿入体168の厚さに対するホーゼル130の長さHLの比率が12以上かつ26以下である。いくつかの例によれば、フェース挿入体168の高さFIHに対するホーゼル130の長さHLの比率は、2.0以上かつ5.0以下、2.6以上かつ2.8以下、または2.6以上かつ3.4以下である。いくつかの例では、挿入凹部の長さIRLMAXに対するホーゼルの長さHLの比率が0.59以上かつ1.29以下である。特定の例によれば、ゴルフクラブヘッドのZup値に対するホーゼルの長さHLの比率が2.7以上かつ5.5以下である(例えば、4.35)。挿入凹部の高さIRHは、いくつかの例ではゴルフクラブヘッドのZupより大きい。いくつかの例では、ゴルフクラブヘッドのZup値に対するホーゼルの高さHHの比率が1.8以上かつ3.9以下である。
【0094】
ホーゼル130の第1の支柱138は第1の支柱下端140と第1の支柱上端142とを備える。第1の支柱下端140は梁132のヒール側端134に直接的に結合されている。さらに、第1の支柱138は、梁132に対して第1の斜めの角度θ1で斜めにされている。より明確には、第1の支柱138は、梁132に対して第1の斜めの角度θ1で、梁132のヒール側端134から本体102のトウ104に向けて延びる。
【0095】
ホーゼル130の第2の支柱144は第2の支柱下端146と第2の支柱上端148とを備える。第2の支柱下端146は梁132のトウ側端136に直接的に結合されている。さらに、第2の支柱144は、梁132に対して第2の斜めの角度θ2で斜めにされている。より明確には、第2の支柱144は、梁132に対して第2の斜めの角度θ2で、梁132のトウ側端136から本体102のヒール106に向けて延びる。第2の支柱上端148は第1の支柱上端142に直接的に結合される。第1の斜めの角度θ1および第2の斜めの角度θ2と対応して、第3の角度θ3が第1の支柱138と第2の支柱144との間に定められる。いくつかの例によれば、第1の斜めの角度θ1と第2の斜めの角度θ2とは異なる。例えば、第1の斜めの角度θ1は、102°以上かつ143°以下または110°以上かつ130°以下であり得、第2の斜めの角度θ2は、105°以上かつ160°以下または120°以上かつ140°以下であり得る。他の例によれば、第1の斜めの角度θ1と第2の斜めの角度θ2とは同じである。いくつかの例によれば、第3の角度θ3は、50°以上かつ120°以下または70°以上かつ100°以下であり得る。
【0096】
梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の各々は断面の形を有する。いくつかの例では、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の断面の形は方形または矩形である。しかしながら、他の例によれば、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の断面の形は三角形、円形、楕円形、または多角形などである。
【0097】
いくつかの例では、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144は、単一品の一体の構造を形成するように互いと結合される。したがって、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144は、梁132と第1の支柱138との間の境界面、梁132と第2の支柱144との間の境界面、および第1の支柱138と第2の支柱144との間の境界面が継ぎ目なしになるように、一緒に共に形成され得る。
【0098】
ホーゼル130は、前方凹部147と後方凹部149との少なくとも一方を追加的に含む。図示されている例では、ゴルフクラブヘッド100のホーゼル130は前方凹部147と後方凹部149との両方を備える。前方凹部147は、前方向において開放している、または前方向を向いており、後方凹部149は、後方向において開放している、または後方向を向いている。さらに、前方凹部147および後方凹部149は、梁132と第1の支柱138と第2の支柱144との間に定められる。一緒になって、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144は、三角形または不等辺四辺形の構造を形成する。したがって、梁132と第1の支柱138と第2の支柱144とによって定められる前方凹部147および後方凹部149の各々も三角形または不等辺四辺形である。図31を参照すると、前方凹部147は、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の前方を向く面に対して奥行RDを有する。同様に、後方凹部149は、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の後方を向く面に対して奥行RDを有する。前方凹部147および後方凹部149の各々は長さRLおよび高さRHを有し(例えば、図4参照)、それらは凹部の最大長さおよび最大高さに対応する。
【0099】
いくつかの例では、ホーゼル130は、前方凹部147を後方凹部149から閉じる分割体または壁を前方凹部147と後方凹部149との間に備える(例えば、図18における壁759を参照されたい)。しかしながら、図2に示されているものなど、他の例では、ホーゼル130は、前方凹部147が後方凹部149へと開放するように前方凹部147から後方凹部149へと延びる開口150を備える。開口150は、梁132と第1の支柱138と第2の支柱144との間に定められ、前方凹部147から後方凹部149への周辺より小さい周辺を有する。開口150は、前方凹部147および後方凹部149の奥行RDより小さい、梁132、第1の支柱138、または第2の支柱144のうちの1つの厚さに等しい奥行を有する。
【0100】
図3を参照すると、開口150は、鉛直方向における高さOHと、前部114と平行な水平方向における長さOLと、前部114に対して垂直な水平方向における奥行ODとを有する。一例では、開口150の高さOHに対する開口150の長さOLの比率が、1.03以上かつ3.0以下、1.03以上かつ1.95以下、または0.95以上かつ1.15以下である。一例では、開口150の奥行ODに対する開口150の長さOLの比率が、1.95以上かつ5.0以下、または3.1以上かつ4.9以下である。一例では、開口150の奥行ODに対する開口150の高さOHの比率が、1.5以上かつ4.0以下、2.5以上かつ3.1以下、2.5以上かつ4.0以下、または3.4以上かつ4.0以下である。
【0101】
ホーゼル130が開口150を備える場合、ホーゼル130は、開口150を覆う少なくとも1つのバッジをさらに備える。いくつかの例では、図示されているように、ホーゼル130は、開口150を覆う第1のバッジ152および第2のバッジ158を備える。より明確には、第1のバッジ152は開口150の前方側を覆い、第2のバッジ158は開口150の後方側を覆う。第1のバッジ152は、前方凹部147にあり、前方凹部147の内部出っ張り(例えば、図31の内部出っ張り553を参照されたい)になど、前方凹部147に取り付けられる。第2のバッジ158は、後方凹部149にあり、後方凹部149の内部出っ張り(例えば、図31の内部出っ張り559を参照されたい)になど、後方凹部149に取り付けられる。いくつかの例では、バッジは接着剤(例えば、接着テープ)または接合物質を介して凹部に取り付けられる。
【0102】
第1のバッジ152および第2のバッジ158は、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の材料と異なる材料から作られる。一例では、第1のバッジ152および第2のバッジ158は、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の材料より密度が小さい、または剛性が小さい材料から作られる。第1のバッジ152および第2のバッジ158の材料は非金属材料(例えば、プラスチック、繊維強化ポリマなど)であり、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144は金属材料(例えば、鋼鉄、アルミニウム、チタンなど)から作られる。
【0103】
いくつかの例では、第1のバッジ152は、前方凹部147に入れ子になるように、前方凹部147の大きさおよび形と同様の大きさおよび形を有する。同様に、いくつかの例では、第2のバッジ158は、後方凹部149に入れ子になるように、後方凹部149の大きさおよび形と同様の大きさおよび形を有する。したがって、特定の例では、第1のバッジ152および第2のバッジ158はそれぞれ三角形または不等辺四辺形を有する。
【0104】
ホーゼル130はソケット154またはソケット部分を追加的に備える。ソケット154は第1の支柱上端142および第2の支柱上端148に直接的に結合される。いくつかの例では、ソケット154は、第1の支柱138および第2の支柱144と単一品の一体の継ぎ目のない構造を形成する。ソケット154はゴルフクラブシャフトと嵌り合うように構成される。したがって、ソケット154は、ホーゼル軸156を定める凹部を備える。凹部は、ゴルフクラブシャフトの少なくとも一部分、またはシャフトピン151を受け入れる。凹部の中心軸がホーゼル軸156を定める。ゴルフクラブシャフトがソケット154と嵌め合わされるとき、ゴルフクラブシャフトの中心軸がホーゼル軸156と同一線上になる。図5に示されているように、いくつかの例では、ソケットと、対応する凹部とは、ホーゼル軸156が位置するヒールからトウへの平面が梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144を通過するように、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144のすぐ上方に(例えば、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144の鉛直の境界のすぐ上方に)位置付けられる。しかしながら、他の例では、図9に示されているものなど、凹部は、ホーゼル軸156が位置するヒールからトウへの平面が梁、第1の支柱、および第2の支柱を通過せず、梁、第1の支柱、および第2の支柱の前方にあるように、(例えば、ソケット254の橋梁部分255によって)梁、第1の支柱、および第2の支柱から前方にずれている。したがって、特定の例では、梁132、第1の支柱138、および第2の支柱144は、ホーゼル軸156と平行である直立平面内に位置する、または、ホーゼル軸156は直立平面内に位置する。ソケット154は、ホーゼル軸156が打撃面120の一部分を通過するように、または打撃面120の後方にあるように、位置決めされ得る。
【0105】
図4を参照すると、ホーゼル130の高さHHは、トップライン部分109からソケット154の最も上の一部分までの最大鉛直距離として定められる。したがって、本明細書において定められるように、ゴルフクラブヘッド100の全高は、ブレード高さBHとホーゼル130の高さHHとの合計である。いくつかの例によれば、ホーゼル130の高さHHは、26mm以上かつ60mm以下、35mm以上かつ60mm以下、または45mm以上かつ60mm以下である。いくつかの例では、ホーゼル130の長さHLに対するホーゼル130の高さHHの比率が0.3以上かつ1.6以下であり、本体102の奥行(BD)に対するホーゼル130の長さ(HL)の比率が0.5以上かつ2.7以下である。特定の例によれば、本体102の奥行BDに対するホーゼル130の長さHLの比率が0.5以上かつ2.7以下である。
【0106】
図1図7に示されているように、いくつかの例では、ホーゼル130の長さHLは、トップライン部分109の長さTLLおよび本体102の前部114の長さ(例えば、ブレード長さBL)より短い。したがって、ホーゼル130の梁132は、本体102のトップライン部分109の全体未満に沿って(または、一部分だけに沿って)延びる。一例によれば、ホーゼル130の長さHLは、ブレード長さBLの45%以上かつ70%以下、またはブレード長さBLの50%以上かつ60%以下である。また、いくつかの例では、図1図7に示されているように、ホーゼル130は、本体102のトウ104とヒール106との間にあり、トウ104およびヒール106から離間されている。別の言い方をすれば、梁132のどの一部分も本体102のトウ104またはヒール106と連続していない。したがって、梁132のヒール側端134は、トウ104とヒール106との間に介在し、トウ104およびヒール106から離間されており、梁132のトウ側端136は、トウ104と梁132のヒール側端134との間に介在し、トウ104およびヒール側端134から離間されている。しかしながら、他の例によれば、ゴルフクラブヘッド200が、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同様の特徴を伴い、同様の特徴を参照する同様の符号で、図8図10に示されている。ゴルフクラブヘッド200のホーゼル230の一部分は、本体202のヒール206と連続しているが、本体202のトウ204とは連続していない。別の言い方をすれば、ホーゼル230の梁232のヒール側端が、本体202の前部214における本体202のトップ208の最もヒール側の広がりと連続している。梁232のトウ側端は、本体202のトウ204とヒール206との間に介在し、トウ204およびヒール206から離間されている。ゴルフクラブヘッド200のホーゼル230はまた、第1の支柱238と、第2の支柱244と、前方凹部247と、(図示されていない開口を覆うために)前方凹部247に着座した第1のバッジ252とを備える。ゴルフクラブヘッド200はフェース挿入体268を追加的に備える。
【0107】
他の例によれば、ゴルフクラブヘッド300が、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同様の特徴を伴い、同様の特徴を参照する同様の符号で、図11図13に示されている。ゴルフクラブヘッド300のホーゼル330の長さHLは、本体302の前部314の上部における前部314の長さと同じである。別の言い方をすれば、ホーゼル330の長さHLは、ホーゼル330の梁332が前部314の上部における前部314の長さの全体に沿って本体302のヒール306からトウ304へと延びるように、本体302のブレード長さBLと等しい。このような構成では、ゴルフクラブヘッド300のホーゼル330の一部分が、本体302のヒール306と連続しており、本体302のトウ304と連続している。ゴルフクラブヘッド300のホーゼル330はまた、第1の支柱338と、第2の支柱344と、前方凹部347と、(図示されていない開口を覆うために)前方凹部347に着座した第1のバッジ352とを備える。ゴルフクラブヘッド300は、打撃面320を定めるフェース挿入体368を追加的に備える。また、ゴルフクラブヘッド300の本体302は、本体302の後部312のトウ側部分を定めるトウ側翼部と、本体302の後部312のヒール側部分を定めるヒール側翼部とを備える。
【0108】
ゴルフクラブヘッド100、ゴルフクラブヘッド200、およびゴルフクラブヘッド300の例によれば、ホーゼルの梁、第1の支柱、および第2の支柱は、本体のトップと単一品の一体の継ぎ目のない構造を形成する。したがって、ホーゼルの梁、第1の支柱、および第2の支柱は、少なくとも本体のトップと同じ材料から作られる。
【0109】
しかしながら、図14図17を参照すると、ゴルフクラブヘッド400の例によれば、ホーゼル430の梁432、第1の支柱438、および第2の支柱444が、本体402とは別に形成されており、本体402に取り付けられる。ゴルフクラブヘッド400は、同様の特徴を参照する同様の符号を伴って、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同様の特徴を備える。ホーゼル430が本体402とは別に形成されているため、ホーゼル430は、少なくとも本体402のトップ408とは異なる材料から作ることができる。一例では、本体402のトップ408は、ホーゼル430の材料(例えば、チタン、アルミニウム、繊維強化ポリマなど)より高い密度の材料(例えば、鋼鉄)から作られる。
【0110】
いくつかの例では、本体402は、本体402のトウ404とヒール406との間において本体402のトップ408に形成されたホーゼル凹部170を備える。ホーゼル凹部170は、入れ子式の係合などにより、梁432を受け入れ、保持するのを助けるように構成される。一例では、ホーゼル凹部170は、梁432、第1の支柱438、および第2の支柱444も本体402の前部414から後方にずれるように、本体402の前部414および打撃面420から後方にずれている。本体402は、ホーゼル凹部170に形成され、本体402を通じてホーゼル凹部170から本体402のソール410へと延びる開口部160をさらに備える。ソケット454を備えるホーゼル430は、梁432から突出する柱162または杭を追加的に備える。柱162同士は、梁432がホーゼル凹部170に位置決めされるとき、開口部160のうちの対応するものに挿入されるような大きさおよび間隔とされる。柱162は、留め具164と螺合するように構成される雌ネジ山の開口部を備える。柱162が開口部160に挿入されるとき、留め具164は、ホーゼル430をホーゼル凹部170の位置で固定するために、本体402のソール410から開口部160に通され、柱162の雌ネジ山の開口部と螺合する。代替の例では、ホーゼル凹部170は柱162を備えることができ、梁432は開口部160を備えることができる。
【0111】
図示されているように、ホーゼル430は開口もバッジも備えていない。代わりに、前方凹部447と後方凹部449とは、梁432、第1の支柱438、および第2の支柱444と一体に形成された壁によって分離されている。しかしながら、他の例においては、ホーゼル430が開口と開口を覆うバッジとを有し得ることが認識される。
【0112】
図16に示されるような特定の例では、梁432の厚さ(または高さ)が梁432の長さに沿って変化する。1つの特定の例では、梁432の厚さはヒールからトウに向かう方向に増加する。
【0113】
他の例によれば、ゴルフクラブヘッド700が、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同様の特徴を伴い、同様の特徴を参照する同様の符号で、図18図23に示されている。ゴルフクラブヘッド100と同様に、ホーゼル730は、トウ704(例えば、トウ704のヒール側)から離間されており、ヒール706(例えば、ヒール706のトウ側)から離間されている。しかしながら、ゴルフクラブヘッド100のホーゼル130と異なり、ゴルフクラブヘッド700のホーゼル730は開口もバッジも備えていない。代わりに、前方凹部747と後方凹部749とは、ホーゼル730の梁、第1の支柱、および第2の支柱と一体に形成された壁759によって分離されている。しかしながら、他の例において、ホーゼル730が開口と開口を覆うバッジとを有し得ることは、認識されている。また、ゴルフクラブヘッド100と異なり、前部714はフェース挿入体を備えていない。それどころか、前部714は単一の一体の継ぎ目のない表面から作られ、打撃面720は表面の領域として定められる。したがって、打撃面720は、トウ701、ヒール706、トップ708、およびホーゼル730と同じ材料から作られる。ゴルフボールとのインパクトを促進するために、溝が前部714の表面に形成されている。
【0114】
ゴルフクラブヘッド700は、ホーゼル730の後方における本体702のトップ708に、質量分布を最適化し、ゴルフクラブヘッド700の他の性能特性(例えば、高い慣性モーメント)を促進する特徴を追加的に備える。例えば、ゴルフクラブヘッド700のトップ708は、ヒール傾斜部分770と、トウ傾斜部分772と、ヒール傾斜部分770とトウ傾斜部分772との間の平坦部分774とを備える。ヒール傾斜部分770はヒール傾斜面771を含み、トウ傾斜部分772はトウ傾斜面773を含む。ヒール傾斜面771は、平坦部分774の平坦面775からヒール側において傾斜する。対照的に、トウ傾斜面773は、平坦部分774の平坦面775からトウ側において傾斜する。図20を参照すると、鈍角θ4がヒール傾斜面771と平坦面775との間に定められ、鈍角θ5がトウ傾斜面773と平坦面775との間に定められる。鈍角θ4は、180°以下、170°以下、160°以下、または150°以下である(例えば、130°以上かつ180°以下、140°以上かつ170°以下、または150°以上かつ160°以下である)。同様に、鈍角θ5は、180°以下、170°以下、160°以下、または150°以下である(例えば、130°以上かつ180°以下、140°以上かつ170°以下、または150°以上かつ160°以下である)。ヒール傾斜面771、トウ傾斜面773、および平坦面775は、それらの間に後ポケットを定める。さらに、いくつかの例において、ゴルフクラブヘッド700は、ゴルフクラブヘッド700の後部712の後周辺を定める後面を有し、半円形を有する。
【0115】
本明細書で開示されているゴルフクラブヘッドのいくつかの例によれば、CG(例えば、図6参照)に原点のあるゴルフクラブヘッド座標系のx軸の周りでの慣性モーメント(Ixx)に対するパター型ゴルフクラブヘッド100のZup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.0043以下である。特定の例では、Ixxに対するホーゼルの長さHLの比率が、1g-cmあたり0.00082以上かつ1g-cmあたり0.0021以下である。特定の例では、Ixxに対するホーゼルの高さHHの比率が、1g-cmあたり0.00058以上かつ1g-cmあたり0.0016以下である。特定の例によれば、Ixxに対する本明細書で開示されているパター型ゴルフクラブヘッドの様々なもののいずれかのBPup値の比率が、1g-cmあたり0.00028以上かつ1g-cmあたり0.00050以下である。BPup値は、いくつかの例では、13mm以上かつ19mm以下、13.7mm以上かつ17.4mm以下、13mm以上かつ19mm以下、または、15mm以上かつ17mm以下であり得る。
【0116】
図22および図23を参照すると、いくつかの例では、本体702は、ソール710に形成されたソール板凹部786と、ソール板凹部786に着座したソール板挿入体780とをさらに備える。いくつかの例では、ソール板挿入体780は、ソール板凹部786を形成する材料と異なる(例えば、より大きい密度である)材料から作られる。ソール板挿入体780はソール710の表面積の大部分を定める。いくつかの例では、ソール板挿入体780はソール710の表面積の少なくとも50%、60%、70%、または80%を定める。特定の例では、ソール板凹部786の奥行は、包囲された内部空洞がソール板挿入体780とソール板凹部786との間に定められるように、ソール板挿入体780の厚さより大きい。内部空洞は、いくつかの例では、発泡体(例えば、二液型膨張発泡体)などの材料で満たされ得る。ソール板凹部786は、ソール板挿入体780が支持および取り付けされる周辺出っ張りを有し得る。
【0117】
いくつかの例では、本体702は、ソール710に形成されたヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bも備える。ヒール錘受部782Aは打撃面720の中心面のヒール側にあり、トウ錘受部782Bは打撃面720の中心面のトウ側にある。また、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bは前部714とソール板凹部786との間に介在している。いくつかの例では、ソール板凹部786の一部分がヒール錘受部782Aとトウ錘受部782Bとの間に介在している。ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bの各々は、錘(例えば、図24のヒール錘186Aまたはトウ錘186B)を受け入れ、着座した係合でまたは他の形で保持するように構成される。例えば、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bの各々は雌ネジ山を備え、錘は、その雌ネジ山と螺合する雄ネジ山を備える。錘は、締め付け工具(例えば、ネジドライバ)を受け入れるように構成されたソケットを備え得る。一例では、ソケットはトルクス式ソケット(登録商標)である。いくつかの例によれば、錘は、選択的に、錘をヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bに対して反対の方向に回転させることで、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bに挿入可能、ならびに、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bから取り外し可能となるように構成される。
【0118】
図21を参照すると、特定の例では、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bの各々によって定められる中心軸784が、ホーゼル軸156に対して非平行である。したがって、錘の中心軸は、ヒール錘受部782Aおよびトウ錘受部782Bによって保持されるとき、ホーゼル軸156に対して非平行である。一例では、ホーゼル軸156と中心軸784との間で定められる角度θ6は、1°以上かつ20°以下、5°以上かつ15°以下、または5°以上かつ10°以下である。
【0119】
ここで図25図31を参照すると、他の例により、ゴルフクラブヘッド500が示されている。ゴルフクラブヘッド500は、同様の特徴を参照する同様の符号を伴って、ゴルフクラブヘッド300の特徴と同様の特徴を備える。例えば、ゴルフクラブヘッド500のホーゼル530の長さは、本体502の前部514の上部における前部514の長さと同じである。別の言い方をすれば、ホーゼル530の長さは、ホーゼル530の梁が前部514の上部における前部514の長さの全体に沿って本体502のヒール506からトウ504へと延びるように、本体502のブレード長さと等しい。このような構成では、ゴルフクラブヘッド500のホーゼル530の一部分が、本体502のヒール506と連続しており、本体502のトウ504と連続している。ゴルフクラブヘッド500のホーゼル530はまた、第1の支柱と、第2の支柱と、前方凹部547と、後方凹部549と、(前部から開口550を覆うために)前方凹部547に着座している第1のバッジ552と、(後部から開口550を覆うために)後方凹部549に着座している第2のバッジ558とを備える。ゴルフクラブヘッド500は、ゴルフクラブヘッド500の打撃面を定めるフェース挿入体568を追加的に備える。また、ゴルフクラブヘッド500の本体502は、本体502の後部512のトウ側部分を定めるトウ側翼部と、本体502の後部512のヒール側部分を定めるヒール側翼部とを備える。空いている空間が、トウ側翼部とヒール側翼部との間に定められる。
【0120】
図27図31に示されているように、第1のバッジ552(例えば、前側バッジ)が前方凹部547に着座するように構成され、第2のバッジ558(例えば、後側バッジ)が後方凹部549の中に着座するように構成される。前方凹部547は、接着剤を介するなどして第1のバッジ552が取り付けられる内部出っ張り553を備える。後方凹部549は、接着剤を介するなどして第2のバッジ558が取り付けられる内部出っ張り559を備える。内部出っ張り553および内部出っ張り559は前方凹部547および後方凹部549とそれぞれ同じ形を有する。さらに、開口550は内部出っ張り553から内部出っ張り559へと延びる。第1のバッジ552および第2のバッジ558の各々は、基礎板592、栓588、および唇部590を備える。第1のバッジ552の基礎板592および第2のバッジ558の基礎板592は、それぞれ前方凹部547および後方凹部549の大きさおよび形と合致する。対照的に、第1のバッジ552の栓588および第2のバッジ558の栓588は、開口550の大きさおよび形と合致し、図31に示されているように、開口550に挿入される(および、開口550を効果的に塞ぐ)ように構成される。唇部590は、第1のバッジ552および第2のバッジ558の外周の周りで延び、栓が突出する側と反対のバッジの側から突出する。
【0121】
図29A図30Cを参照すると、第1のバッジ552および第2のバッジ558の各々が、バッジ長さBAL、バッジ高さBAH、およびバッジ厚さBTを有する。いくつかの例では、バッジ長さBALは25mm以上かつ35mm以下(例えば、約31mm)であり、バッジ高さBAHは15mm以上かつ25mm以下(例えば、約18mm)であり、バッジ厚さBTは1mm以上かつ5mm以下(例えば、約2.5mm)である。第1のバッジ552および第2のバッジ558の各々の栓588は、栓長さPLおよび栓高さPHを有する。いくつかの例では、栓長さPLは19mm以上かつ29mm以下(例えば、約24mm)であり、栓高さPHは8mm以上かつ18mm以下(例えば、約13mm)である。第1のバッジ552および第2のバッジ558の各々の唇部590は、唇部厚さLTを有する。いくつかの例では、唇部厚さLTは0.5mm以上かつ1.5mm以下(例えば、約1.0mm)である。
【0122】
図31に示されているように、特定の例では、第1のバッジ552および第2のバッジ558の各々の栓588の高さは、栓588が開口550に挿入され、基礎板592が内部出っ張り553および内部出っ張り559の対応するものに取り付けられるとき、開口550内で栓558同士の間に隙間が存在するような高さである。いくつかの例では、隙間は満たされない。しかしながら、他の例によれば、図示されているように、隙間は、剛性および振動減衰を促進するために、スペーサ594で満たされる。スペーサ594は、第1のバッジ552および第2のバッジ558の材料(例えば、プラスチック)より柔らかい材料、またはより剛性のない材料(例えば、発泡体)から作られる。
【0123】
図25図28Bを参照すると、いくつかの例では、本体502は、ソール510に形成されたソール板凹部586と、ソール板凹部586に着座しているソール板挿入体580とをさらに備える。ソール板凹部586は前部514と空いている空間との間に位置付けられる。いくつかの例では、ソール板挿入体580は、ソール板凹部586を形成する材料と異なる(例えば、より大きい密度である)材料から作られる。ソール板挿入体580はソール510の表面積の実質的な一部分を定める。いくつかの例では、ソール板挿入体580はソール510の表面積の少なくとも30%、40%、50%、60%、または70%を定める。特定の例では、ソール板凹部586の奥行はソール板挿入体580の厚さと実質的に等しい。ソール板挿入体580は最大板挿入体厚さPIT1と最小板挿入体厚さPIT2とを有する。ソール板挿入体580は、板挿入体奥行PIDと、最大板挿入体長さPIL1と、最小板挿入体長さPIL2とを有する。いくつかの例では、最大板挿入体長さPIL1に対するブレード長さBLの比率が1.09以上かつ1.9以下である。
【0124】
いくつかの例では、図25図27に示されているように、本体502は、ソール510に形成されたヒール錘受部582Aおよびトウ錘受部582Bも備える。ヒール錘受部582Aは中心面のヒール側にあり、トウ錘受部582Bは中心面のトウ側にある。いくつかの例では、ソール板凹部586の一部分およびソール板580がヒール錘受部582Aとトウ錘受部582Bとの間に介在する。ヒール錘受部582Aおよびトウ錘受部582Bの各々は、錘(例えば、ヒール錘186Aまたはトウ錘186B)を受け入れ、着座した係合でまたは他の形で保持するように構成される。例えば、ヒール錘受部582Aおよびトウ錘受部582Bの各々は雌ネジ山を備え、錘は、その雌ネジ山と螺合する雄ネジ山を備える。
【0125】
ここで図32図37Cを参照すると、他の例により、ゴルフクラブヘッド600が示されている。ゴルフクラブヘッド600は、同様の特徴を参照する同様の符号を伴って、ゴルフクラブヘッド200およびゴルフクラブヘッド500の特徴と同様の特徴を備える。例えば、ゴルフクラブヘッド200と同様に、ゴルフクラブヘッド600のホーゼル630の長さは本体602の前部614の上部における前部614の長さより小さく、ホーゼル630は、本体602のトウ604の反対側である本体602のヒール606と連続している。ゴルフクラブヘッド600のホーゼル630はまた、第1の支柱と、第2の支柱と、前方凹部647と、後方凹部649と、(前部からホーゼル630における開口を覆うために)前方凹部647に着座している第1のバッジ652と、(後部からホーゼル630における開口を覆うために)後方凹部649に着座している第2のバッジ658とを備える。ゴルフクラブヘッド600は、ゴルフクラブヘッド600の打撃面620を定めるフェース挿入体668を追加的に備える。
【0126】
ゴルフクラブヘッド600は、ホーゼル630の後方における本体602のトップ608に、質量分布を最適化し、ゴルフクラブヘッド600の他の性能特性(例えば、高い慣性モーメント)を促進する特徴を追加的に備える。例えば、ゴルフクラブヘッド700と同様に、ゴルフクラブヘッド600のトップ608は、ヒール傾斜部分670と、トウ傾斜部分672と、ヒール傾斜部分670とトウ傾斜部分672との間の平坦部分674とを備える。ヒール傾斜部分670はヒール傾斜面671を含み、トウ傾斜部分672はトウ傾斜面673を含む。ヒール傾斜面671は、平坦部分674の平坦面675からヒール側において傾斜する。対照的に、トウ傾斜面673は、平坦部分674の平坦面675からトウ側において傾斜する。鈍角θ4と同様の鈍角がヒール傾斜面671と平坦面675との間に定められ、鈍角θ5と同様の鈍角がトウ傾斜面673と平坦面675との間に定められる。ヒール傾斜面671、トウ傾斜面673、および平坦面675は、それらの間に後ポケットを定める。
【0127】
ゴルフクラブヘッド700と異なり、ゴルフクラブヘッド600は、ヒール傾斜部分670の後方のヒール凸状部分677Aと、トウ傾斜部分672の後方のトウ凸状部分677Bとをさらに備える。ヒール凸状部分677Aとトウ凸状部分677Bとは平坦部分674によって分離されている。ヒール凸状部分677Aおよびトウ凸状部分677Bの各々は、外方を向く凸状の表面を有する。外方を向く凸状の表面は、丸められており、ゴルフクラブヘッド600がアドレス位置にあるとき、ヒール傾斜部分670およびトウ傾斜部分672のそれぞれの任意の部分より低く位置付けられており、平坦部分674の任意の部分より高く位置付けられている。
【0128】
図35および図36を参照すると、いくつかの例では、本体602は、ソール610に形成されたソール板凹部686と、ソール板凹部686に着座しているソール板挿入体680とをさらに備える。ソール板挿入体680は、ゴルフクラブヘッド700のソール板挿入体780と同様である。例えば、ソール板挿入体680はソール610の表面積の実質的な一部分を定める。いくつかの例では、ソール板挿入体680はソール610の表面積の少なくとも50%、60%、70%、または80%を定める。特定の例では、ソール板凹部686の奥行は、包囲された内部空洞がソール板挿入体680とソール板凹部686との間に定められるように、ソール板挿入体680の厚さより大きい。内部空洞は、いくつかの例では、発泡体(例えば、二液型膨張発泡体)などの材料で満たされ得る。ソール板凹部686は、ソール板挿入体680が支持および取り付けされる周辺出っ張りを有し得る。図37Bを参照すると、ソール板挿入体680は最大板挿入体厚さPIT1と最小板挿入体厚さPIT2とを有する。ソール板挿入体680も、板挿入体奥行PIDと、最大板挿入体長さPIL1と、最小板挿入体長さPIL2とを有する。
【0129】
図36および図37Cを参照すると、いくつかの例では、ソール板凹部686は第1の係合特徴部694を備え、ソール板挿入体680は第2の係合特徴部696を備える。ソール板挿入体680がソール板凹部686に受け入れられるとき、第2の係合特徴部696は第1の係合特徴部694と係合する(例えば、嵌り合う)。第1の係合特徴部694と第2の係合特徴部696との間の係合は、ソール板挿入体680をソール板凹部686の位置で固定するのを助ける。一例では、第1の係合特徴部694は畝または他の突出部であり、第2の係合特徴部696は通路または他の凹部である。代替の例によれば、第1の係合特徴部694は通路または他の凹部であり、第2の係合特徴部696は畝または他の突出部である。第1の係合特徴部694および第2の係合特徴部696の各々は、細長くされ、前方から後方への方向において延びる。したがって、第1の係合特徴部694および第2の係合特徴部696の各々は長さEFLおよび幅EFWを有する。いくつかの例によれば、係合特徴部の長さEFLは、板挿入体奥行PIDの70%以上かつ100%以下、80%以上かつ100%以下、または90%以上かつ100%以下である。
【0130】
いくつかの例では、図35および図36に示されているように、本体602は、ソール610に形成されたヒール錘受部682Aおよびトウ錘受部682Bも備える。ヒール錘受部682Aは中心面のヒール側にあり、トウ錘受部682Bは中心面のトウ側にある。いくつかの例では、ソール板凹部686の一部分およびソール板680が、ヒール錘受部682Aとトウ錘受部682Bとの間に介在する。ヒール錘受部682Aおよびトウ錘受部682Bの各々は、錘(例えば、ヒール錘186Aまたはトウ錘186B)を受け入れ、着座した係合でまたは他の形で保持するように構成される。例えば、ヒール錘受部682Aおよびトウ錘受部682Bの各々は雌ネジ山を備え、錘は、その雌ネジ山と螺合する雄ネジ山を備える。
【0131】
本開示のゴルフクラブヘッドは重心CGを有する。CGの低さまたは高さ(例えば、CGの鉛直方向の場所)は、ゴルフクラブヘッドのZupとして知られている(例えば、図5のゴルフクラブヘッド100を参照されたい)。ゴルフクラブヘッドのZupは、ゴルフクラブヘッドが地上平面103にあり、アドレス位置にあるときの、ゴルフクラブヘッドのCGと地上平面103との間の鉛直距離である。本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのいくつかの例では、Zupは、12mm以上かつ17mm以下、12mm以上かつ15mm以下、12mm以上かつ13mm以下、11.5mm以上かつ16.4mm以下、12.5mm以上かつ14.5mm以下、14mm以上かつ16.3mm以下、および14.3mm以上かつ16.2mm以下である。図5に示されているような特定の例では、打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるCGの座標は、9mm以上かつ21mm以下、8.5mm以上かつ14mm以下、または16mm以上かつ23mm以下である。いくつかの例によれば、打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるCGの座標に対するゴルフクラブヘッドのZupの比率は、0.6以上かつ1.8以下、0.8以上かつ1.6mm以下、または1.0以上かつ1.4以下である。いくつかの例では、Zup値に対するホーゼル130の長さHLの比率が、2.2以上かつ6.14以下、3.05以上かつ4.25以下、または2.95以上かつ3.25以下である。いくつかの例によれば、打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるCGの座標に対するホーゼル130の長さHLの比率は、1.8以上かつ8.3以下、3以上かつ6以下、または3.9以上かつ6.0以下である。いくつかの例によれば、Zup値に対するホーゼル130の高さHHの比率が、1.6以上かつ4.7以下、2.0以上かつ3.8以下、または3.4以上かつ3.7以下である。いくつかの例によれば、打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるCGの座標に対するホーゼル130の高さHHの比率は、1.2以上かつ6.3以下、3.1以上かつ5.7以下、または4.5以上かつ5.7以下である。
【0132】
いくつかの例によれば、本明細書で開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼルの全質量に対するゴルフクラブヘッドの本体の全質量の比率は、5.5以上かつ7.0以下、5.9以上かつ6.9以下、または6.1以上かつ6.75以下である。本体の全質量は、いくつかの例では、355グラム以上かつ410グラム以下または355グラム以上かつ375グラム以下である。
【0133】
いくつかの例では、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼルの前方凹部または後方凹部のいずれかの高さRHは、ゴルフクラブヘッドのZup値より大きい。追加または代替で、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼルの前方凹部または後方凹部のいずれかの長さRLは、ゴルフクラブヘッドのZup値より大きい。特定の例では、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼルの前方凹部または後方凹部のいずれかの高さRHまたは長さRLの少なくとも一方は、ゴルフクラブヘッドのZup値より大きい。特定の例では、挿入凹部を有するゴルフクラブヘッド(例えば、図3のゴルフクラブヘッド100を参照されたい)の挿入凹部の高さIRHがゴルフクラブヘッドのZup値より大きい。特定の例によれば、挿入凹部の奥行IRDは、ホーゼルの前方凹部または後方凹部のいずれかの奥行RDより小さい。前方凹部または後方凹部の奥行RDは、いくつかの例では、4.9mm以上かつ7.0mm以下である。いくつかの例によれば、前側バッジの基礎板の最も前方の面から後側バッジの基礎板の最も後方の面までの距離が、前方凹部または後方凹部のいずれかの奥行RDより大きい。
【0134】
いくつかの例によれば、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼルのCGが、ホーゼルの前方凹部および後方凹部の上方において、ホーゼルの上方部分に位置付けられる。特定の例では、ホーゼルのCGは、前方凹部または後方凹部の一方にある、または、前方凹部と後方凹部との間にある。いくつかの例によれば、ホーゼルのCGは、(ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき)ゴルフクラブヘッドのCGから離れた鉛直距離において位置付けられ、その鉛直距離は、ゴルフクラブヘッドのZup値の少なくとも2倍であり、ゴルフクラブヘッドのZup値の3倍未満である。特定の例では、ホーゼルのCGは、(ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき)ゴルフクラブヘッドの中心面から離れた鉛直距離において位置付けられ、その鉛直距離は、ゴルフクラブヘッドのZup値の少なくとも2倍であり、ゴルフクラブヘッドのZup値の3倍未満である。いくつかの例では、ホーゼルのCGは、ゴルフクラブヘッドのZup値の2.5倍以上かつ4.0倍以下であるホーゼルZup値を有する。一例によれば、ホーゼルのCGは、ゴルフクラブヘッドのZupと、打撃面の幾何学的中心に原点のあるゴルフクラブヘッド原点座標系の正のy軸におけるゴルフクラブヘッドのCGの座標との合計の2倍より大きい。
【0135】
本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドのホーゼル(例えば、トップライン部分の上方のゴルフクラブヘッドの一部分)は体積を有する。また、ゴルフクラブヘッドの本体は、本体のトップライン部分の下方に凹部(例えば、受部、空洞など)を有し、凹部の各々は体積を有する。例えば、前部における挿入凹部(例えば、挿入凹部166)、ヒール錘受部、トウ錘受部、およびソール板凹部の各々が、対応する体積を有する。一例では、ホーゼルの体積に対する、本体のトップライン部分の下方の凹部(つまり、ヒール錘受部、トウ錘受部、およびソール板凹部であるが、前部における挿入凹部を除く)の組み合わされた体積の比率が、0.35以上かつ4.5以下である(例えば、0.40以上かつ4.3以下、0.45以上かつ4.1以下、0.50以上かつ3.9以下、および0.55以上かつ3.7以下である)。一例では、ホーゼルの体積に対する、トップライン部分の下方の凹部(つまり、ヒール錘受部およびトウ錘受部であるが、ソール板凹部と前部における挿入凹部とを除く)の組み合わされた体積の比率が、0.35以上かつ0.65以下である(例えば、0.40以上かつ0.65以下、0.45以上かつ0.65以下、および0.50以上かつ0.65以下である)。いくつかの例では、ヒール錘受部およびトウ錘受部の各々は約3,900mm3の体積を有する。
【0136】
一例では、ホーゼルの体積に対する、本体のトップライン部分の下方の凹部(つまり、ヒール錘受部、トウ錘受部、ソール板凹部、および前部における挿入凹部)の組み合わされた体積の比率が、0.99以上かつ5.5以下である(例えば、0.99以上かつ5.0以下、1.1以上かつ5.3以下、1.1以上かつ4.5以下、1.3以上かつ5.1以下、1.5以上かつ4.9以下、および1.3以上かつ3.9以下である)。一例では、ホーゼルの体積に対する、本体のトップライン部分の下方の凹部(つまり、ヒール錘受部、トウ錘受部、ソール板凹部、および前部における挿入凹部)の組み合わされた体積の比率が、0.99以上かつ2.1以下である(例えば、1.1以上かつ1.9以下および1.3以上かつ1.7以下である)。いくつかの例では、ホーゼルの体積に対する、本体のトップライン部分の下方の凹部(つまり、ヒール錘受部、トウ錘受部、ソール板凹部、および前部における挿入凹部)の組み合わされた体積の比率が、3.3以上かつ5.3以下である。
【0137】
図38の表800を参照すると、本明細書で開示されているゴルフクラブヘッドのいくつかの例の様々な特性についての値が提供されている。値は、以下に明示的に提供されるものを除いて、すべての特性についてミリメートル(mm)で提供されている。Ixxの値の単位はg/cm2である。ヘッド質量およびホーゼル質量の値の単位はグラムである。凹部質量はグラムであり、ホーゼルの前方凹部および後方凹部がホーゼルと同じ材料によって占められている場合の前方凹部および後方凹部の仮定上の質量を表している。
【0138】
本明細書で開示されているゴルフクラブヘッドの本体の全部または一部分だけが、チタン合金または鋼鉄合金などの金属材料から作られる。鋼鉄合金は、マルエージング鋼、マルエージングステンレス鋼、または析出硬化(PH)ステンレス鋼のうちの1つまたは複数であり得る。概して、マルエージング鋼は、高い強度、靭性、および展性を有する。炭素が少ないため、マルエージング鋼は、炭素以外の金属間物質の析出から強度を引き出す。主な合金元素はニッケルである(15%からおおよそ30%)。これらの鋼鉄において金属間析出を生成する他の合金元素には、コバルト、モリブデン、およびチタンがある。一例では、マルエージング鋼は18%のニッケルを含む。マルエージングステンレス鋼は、マルエージング鋼より少ないニッケルを有するが、錆を抑えるために相当のクロムを含む。クロムは、ニッケル含有量を低減させるが硬化性を増大させ、これは、適切に熱処理されるとき、鋼鉄がマルテンサイトに転換することができることを保証する。他の例では、鋼鉄合金はマルエージングステンレス鋼C455である。なおも他の例では、鋼鉄合金は、17-4、15-5、または17-7などの析出硬化ステンレス鋼である。鋼鉄合金はいくつかの例ではC300鋼である。なおもさらなる例では、鋼鉄合金は、炭素鋼(例えば、1020、1030、8620、または1040の炭素鋼)、クロムモリブデン鋼(例えば、4140 Cr-Mo鋼)、Ni-Cr-Mo鋼(例えば、8620 Ni-Cr-Mo鋼)、またはオーステナイトステンレス鋼(例えば、304、N50、またはN60ステンレス鋼(例えば、410ステンレス鋼))のうちの1つまたは複数である。先に記されていることに加えて、本体の全部または一部分だけの構成要素を形成するために使用できる金属および金属合金のいくつかの例には、限定なく、チタン合金(例えば、3-2.5、6-4、SP700、15-3-3-3、10-2-3、または他のアルファ/近アルファ、アルファ-ベータ、およびベータ/近ベータのチタン合金)、アルミニウム/アルミニウム合金(例えば、3000系合金、5000系合金、6061-T6などの6000系合金、および、7075などの7000系合金)、マグネシウム合金、銅合金、およびニッケル合金がある。
【0139】
いくつかの例では、前側バッジおよび/または後側バッジは、ホーゼルの他の部分と異なる材料から作られる。一例では、バッジはステンレス合金、アルミニウム合金、および/またはポリマ材料から作られる。バッジは、いくつかの例では、本明細書に記載されているポリマ材料のうちの1つまたは複数から作られ、ホーゼルに接着または接合される。他の例では、バッジは、本明細書に記載されている金属材料のうちの1つまたは複数から作られ、ホーゼルに接着、接合、または溶接される。バッジは、約0.9g/ccから約5g/ccの範囲の密度を有し得る。さらに、バッジは、プラスチック、炭素繊維複合材料、チタン合金、またはアルミニウム合金であり得る。特定の実施形態では、バッジがアルミニウムから作られる場合、バッジは、赤色、青色、黄色、または紫色などの様々な色を有するように陽極酸化処理されてもよい。
【0140】
いくつかの例では、バッジは、限定なく、粘弾性エラストマ、無機充填剤を伴うかまたは伴わないビニル共重合体、硫酸バリウムなどの無機充填剤を伴うかまたは伴わないポリ酢酸ビニル、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、スチレン/イソプレンブロック共重合体、金属化ポリエステル、金属化アクリル、エポキシ、エポキシとグラファイトとの複合材料、天然ゴムおよび合成ゴム、圧電セラミックス、熱硬化性ゴムおよび熱可塑性ゴム、発泡ポリマ、アイオノマ、低密度ファイバグラス、瀝青、シリコーン、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数から作られる。金属化ポリエステルおよび金属化アクリルは、アルミニウムを金属として含み得る。市販の材料には、3MによるScotchdamp(商標)、Sorbothane, Inc.によるSorbothane(登録商標)、Soundcoat Company Inc.によるDYAD(登録商標)およびGP(登録商標)、Dynamat Control of North America, Inc.によるDynamat(登録商標)、Pole Star Maritime Group, LLCによるNoViFlex(商標)Sylomer(登録商標)、The Dow Chemical CompanyによるIsoplast(登録商標)、およびPiqua Technologies, Inc.によるLegetolex(商標)などの弾性ポリマ材料がある。一例では、ポリマ材料は、約0.001GPaから約25GPaの範囲の弾性係数と、ショアD硬度において約10から約30の範囲のデュロメータとを有する材料であり得る。
【0141】
いくつかの例によれば、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドの全部または一部分は、鋳造、機械加工、または金属射出成形の技術を使用して行うことができる。また、特定の例では、ゴルフクラブヘッドは複数の材料の構造を有することができる。
【0142】
特定の実施では、ゴルフクラブヘッド100は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,303,431号により詳細に記載されているものと同様の取り外し可能なシャフト特徴部を含む。
【0143】
なおもいくつかの実施によれば、ゴルフクラブヘッド100は、それらの全内容が全体において参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,025,587号、米国特許第8,235,831号、米国特許第8,337,319号、米国特許出願公開第2011/0312437(A1)号、米国特許出願公開第2012/0258818(A1)号、米国特許出願公開第2012/0122601(A1)号、米国特許出願公開第2012/0071264(A1)号、および米国特許出願第13/686,677号により詳細に記載されているものと同様の調整可能なロフト/ライ特徴部を含む。
【0144】
また、いくつかの実施では、ゴルフクラブヘッド100は、各々の全内容が全体において参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,337,319号、米国特許出願公開第2011/0152000(A1)号、第2011/0312437号、第2012/0122601(A1)号、および米国特許出願第13/686,677号により詳細に記載されているものと同様の調整可能なソール特徴部を含む。
【0145】
いくつかの実施では、ゴルフクラブヘッド100は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/998,435号、第11/642,310号、第11/825,138号、第11/823,638号、第12/004,386号、第12/004,387号、第11/960,609号、第11/960,610号、および米国特許第7,267,620号により詳細に記載されているものと同様の複合フェース部分特徴部を含む。
【0146】
いくつかの例では、本明細書に開示されているゴルフクラブヘッドは、2018年7月5日に公開された米国特許出願公開第2018/0185717号において開示されている特徴のうちの1つまたは複数を有し得る。
【0147】
前述の記載において、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「水平」、「鉛直」、「左」、「右」、「~の上」、および「~の下」など、特定の用語が使用されている可能性がある。これらの用語は、該当する場合、相対的な関係を取り扱うときに記載のいくらかの明確性を提供するために使用されている。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または配向を意味するようには意図されていない。例えば、物体に関して、「上方」の表面は、単に物体をひっくり返すだけで、「下方」の表面になることができる。それでもなお、これは同じ物体である。さらに、「~を含む」「~を備える」、「~を有する」、およびそれらの変形の用語は、他にはっきりと明示されていない場合、「~を含むがそれに限定されない」ことを意味する。項目の列挙された一覧は、他にはっきりと明示されていない場合、項目のうちのいずれかかまたはすべてが相互に排他的である、および/または相互に包括的であることを意味していない。「1つ(a、an)」および「その(the)」という用語は、他にはっきりと明示されていない場合、「1つまたは複数」にも言及している。さらに、「複数」という用語は、「少なくとも2つ」として定めることができる。いくつかの実施形態における「約」という用語は、所与の値の±5%内を意味するように定められ得る。
【0148】
いくつかの実施形態における「約」または「実質的」という用語は、所与の値の±5%内を意味するように定められるが、追加の実施形態では、「約」での任意の開示はさらに狭められてもよく、所与の値の±4%内、所与の値の±3%内、所与の値の±2%内、所与の値の±1%内、または正確な所与の値を意味するように請求されている。さらに、変数の少なくとも2つの値が開示されている場合、このような開示は、それらが別々の実施形態または例に関して開示されているかどうかに拘わらず、2つの値の間の範囲を含むように明示的に意図されており、少なくとも2つの値の小さい方、および/または、大きくても2つの値の大きい方の範囲を含むように明示的に意図されている。また、変数の少なくとも3つの値が開示されている場合、このような開示は、それらが別々の実施形態または例に関して開示されているかどうかに拘わらず、それらの値のうちの任意の2つの間の範囲を含むように明示的に意図されており、少なくともAの値、および/または、大きくてもBの値の範囲を含むように明示的に意図されており、ここで、Aは、最も大きい開示されている値以外の開示されている値のうちのいずれかであり得、Bは、最も小さい開示されている値以外の開示されている値のうちのいずれかであり得る。
【0149】
また、1つの要素が他の要素に「結合」される場合のこの明細書における例は、直接的な結合と間接的な結合とを含み得る。直接的な結合は、1つの要素が他の要素に結合され、何らかの接触をしているとして定めることができる。間接的な結合は、互いと直接的な接触にないが、結合した要素同士の間の1つまたは複数の追加の要素を有する2つの要素の間の結合として定めることができる。さらに、本明細書で使用される場合、1つの要素を他の要素に固定することは、直接的な固定と間接的な固定とがあり得る。また、本明細書で使用される場合、「隣接」は、必ずしも接触を意味するわけではない。例えば、1つの要素は、他の要素に、その要素と接触することなく隣接することができる。
【0150】
本明細書で使用される場合、「~のうちの少なくとも1つ」という文言は、項目の列記と共に使用されるとき、列記された項目のうちの1つまたは複数の異なる組み合わせが使用でき、列記における項目のうちの1つだけが必要とされ得ることを意味する。項目は、特には物体、物事、または種類であり得る。別の言い方をすれば、「~のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組み合わせ、または、任意の数の項目が列記から使用できるが、列記における項目の必ずしもすべてが必要とされなくてもよいことを意味する。例えば、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目Aや、項目Aおよび項目Bや、項目Bや、項目A、項目B、および項目Cや、または項目Bおよび項目Cを意味し得る。いくつかの場合では、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定なく、2個の項目A、1個の項目B、および10個の項目Cや、4個の項目Bおよび7個の項目Cや、またはいくつかの他の適切な組み合わせを意味し得る。
【0151】
他に指示されていない場合、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単に標識として使用されており、これらの用語が言及する項目に順番、位置、または階層の要件を課すようには意図されていない。さらに、例えば「第2」の項目への言及は、例えば「第1」もしくはより小さい数字の項目、および/または、例えば「第3」もしくはより大きい数字の項目の存在を必要とせず、また除外もしない。
【0152】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実施する「ように構成される」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、実際には、さらなる変更の後に特定の機能を実施する能力を有するだけでなく、変更無しで特定の機能を実施することができる。別の言い方をすれば、特定の機能を実施する「ように構成される」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、特定の機能を実施する目的のために明確に選択、作成、実施、利用、プログラム、および/または設計される。本明細書で使用される場合、「~ように構成される」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアにさらなる変更無しで特定の機能を実施させることができるシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特性を意味する。本開示の目的のために、特定の機能を実施する「ように構成される」として記載されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、その機能を実施する「ように適合される」および/または「ように動作する」として、追加または代替で記載されてもよい。
【0153】
本主題は、その精神または本質的な特性から離れることなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載されている実施形態は、すべての点において、単なる例示として考慮され、限定として考慮されない。添付の特許請求の範囲の例の均等の意味および範囲にあるすべての変更は、それらの範囲に包含されることになる。
【符号の説明】
【0154】
100 ゴルフクラブヘッド
102 本体
103 地上平面
104 トウ
106 ヒール
108 トップ
109 トップライン部分
110 ソール
112 後部
114 前部
120 打撃面
130 ホーゼル
132 梁
134 ヒール側端
136 トウ側端
138 第1の支柱
140 第1の支柱下端
142 第1の支柱上端
144 第2の支柱
146 第2の支柱下端
147 前方凹部
148 第2の支柱上端
149 後方凹部
150 開口
151 シャフトピン
152 第1のバッジ
158 第2のバッジ
160 開口部
162 柱、杭
166 挿入凹部
168 フェース挿入体
170 ホーゼル凹部
182A ヒール錘受部
182B トウ錘受部
186A ヒール錘
186B トウ錘
200 ゴルフクラブヘッド
202 本体
204 トウ
206 ヒール
208 トップ
214 前部
230 ホーゼル
232 梁
238 第1の支柱
244 第2の支柱
247 前方凹部
252 第1のバッジ
254 ソケット
255 橋梁部分
268 フェース挿入体
300 ゴルフクラブヘッド
302 本体
304 トウ
306 ヒール
312 後部
314 前部
330 ホーゼル
332 梁
338 第1の支柱
344 第2の支柱
347 前方凹部
352 第1のバッジ
368 フェース挿入体
400 ゴルフクラブヘッド
402 本体
404 トウ
406 ヒール
408 トップ
410 ソール
414 前部
420 打撃面
430 ホーゼル
432 梁
438 第1の支柱
444 第2の支柱
447 前方凹部
449 後方凹部
452 壁
500 ゴルフクラブヘッド
502 本体
504 トウ
506 ヒール
510 ソール
512 後部
514 前部
530 ホーゼル
547 前方凹部
549 後方凹部
550 開口
552 第1のバッジ
553 内部出っ張り
558 第2のバッジ
559 内部出っ張り
568 フェース挿入体
580 ソール板挿入体
582A ヒール錘受部
582B トウ錘受部
586 ソール板凹部
588 栓
590 唇部
592 基礎板
594 スペーサ
600 ゴルフクラブヘッド
602 本体
604 トウ
606 ヒール
608 トップ
610 ソール
614 前部
620 打撃面
630 ホーゼル
647 前方凹部
649 後方凹部
652 第1のバッジ
658 第2のバッジ
668 フェース挿入体
670 ヒール傾斜部分
671 ヒール傾斜面
672 トウ傾斜部分
673 トウ傾斜面
674 平坦部分
675 平坦面
677A ヒール凸状部分
677B トウ凸状部分
680 ソール板挿入体
682A ヒール錘受部
682B トウ錘受部
686 ソール板凹部
694 第1の係合特徴部
696 第2の係合特徴部
700 ゴルフクラブヘッド
702 本体
704 トウ
706 ヒール
708 トップ
710 ソール
712 後部
714 前部
720 打撃面
730 ホーゼル
747 前方凹部
749 後方凹部
759 壁
770 ヒール傾斜部分
771 ヒール傾斜面
772 トウ傾斜部分
773 トウ傾斜面
774 平坦部分
775 平坦面
780 ソール板挿入体
782A ヒール錘受部
782B トウ錘受部
784 中心軸
786 ソール板凹部
BAH バッジ高さ
BAL バッジ長さ
BT バッジ厚さ
BD 本体の奥行
BH ブレード高さ
BL ブレード長さ
CF 中心面
CG ゴルフクラブヘッドの重心
EFL 係合特徴部の長さ
EFW 係合特徴部の幅
FIH フェース挿入体高さ
FILMAX 最大フェース挿入体長さ
FILMIN 最小フェース挿入体長さ
HH ホーゼルの高さ
HL ホーゼルの長さ
IRD 挿入凹部の奥行
IRH 挿入凹部の高さ
IRLMAX 最大挿入凹部長さ
IRLMIN 最小挿入凹部長さ
LT 唇部厚さ
OD 開口の奥行
OH 開口の高さ
OL 開口の長さ
PH 栓高さ
PID 板挿入体奥行
PIL1 最大板挿入体長さ
PIL2 最小板挿入体長さ
PIT1 最大板挿入体厚さ
PIT2 最小板挿入体厚さ
PL 栓長さ
RD 前方凹部および後方凹部の奥行
RH 前方凹部および後方凹部の高さ
RL 前方凹部および後方凹部の長さ
TLL トップライン部分の長さ
θ1 第1の支柱と梁との間の角度
θ2 第2の支柱と梁との間の角度
θ3 第1の支柱と第2の支柱との間の角度
θ4 ヒール傾斜面と平坦面との間の角度
θ5 トウ傾斜面と平坦面との間の角度
θ6 ホーゼル軸と中心軸との間の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図29C
図30A
図30B
図30C
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37A
図37B
図37C
図38
【外国語明細書】