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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096111
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】ホットスポット軽減デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/67 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
G05F1/67 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000207
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/436,190
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーレン ザルトジェンドラー
(72)【発明者】
【氏名】イラン ヨスコビッチ
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420BB03
5H420BB12
5H420BB13
5H420BB14
5H420BB17
5H420CC03
5H420DD02
5H420DD04
5H420EA12
5H420EB01
5H420EB37
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF05
5H420FF14
5H420FF22
5H420FF25
5H420KK10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太陽光発電(PV)モジュールのホットスポット軽減のためのシステム、装置、及び方法を提供する。
【解決手段】制御回路は、PVモジュールの動作点が最大電力点追跡アルゴリズムに基づいて設定される第1の動作モード、及びPVモジュールの動作点がホットスポット軽減アルゴリズムに基づいて設定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュールの過熱を防止する第2の動作モードで動作するように構成され得る。動作点OPは、PVモジュールのI-V曲線内の変曲点に基づいて設定され得る。動作点は、PVモジュールのI-V曲線の二次導関数1004におけるゼロ交差ZCに基づいて設定され得る。ゼロ交差を決定し、動作点を設定するために、1つ以上のフィルタ閾値を有するフィルタウィンドウ1600が使用され得る。
【選択図】図16G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電(PV)電源に関連する複数のデータ点を受信することと、
前記複数のデータ点に基づいて複数の導関数を計算することと、
前記複数の導関数に基づいてゼロ交差を決定することと、
前記ゼロ交差に基づいて、前記PV電源の動作点を設定することと、を含む方法。
【請求項2】
前記複数のデータ点は、複数の電圧値及び複数の電流値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の導関数は、複数の一次導関数又は複数の二次導関数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の導関数は、前記PV電源の電流-電圧(I-V)曲線に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の導関数は、
従属変数としての電流及び独立変数としての電圧(dI/dV)、又は
従属変数としての電圧及び独立変数としての電流(dV/dI)の導関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ゼロ交差を決定することは、前記複数の導関数のうちの第1の導関数と前記複数の導関数のうちの第2の導関数との間に符号の変化が存在するという判定に更に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記符号の変化は、正の値から負の値へであるか、又は負の値から正の値へである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ゼロ交差を決定することは、前記複数の導関数の補間に更に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ゼロ交差を決定することは、前記複数の導関数のうちの1つの導関数が閾値を超えているという判定に更に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記導関数は第1の絶対値であり、前記閾値は第2の絶対値である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ゼロ交差は、
前記複数のデータ点、又は
前記複数の導関数のソートに基づいて複数のゼロ交差から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ソートは、最高電圧、最低電圧、最高電流、又は最低電流に更に基づいている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のデータ点に関連する電力を計算することと、
計算した前記電力と以前の複数のデータ点に関連する以前に計算した電力との間に電力減少が存在するという判定に基づいて、前記以前の複数のデータ点に更に基づいて前記PV電源の前記動作点を設定することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ゼロ交差を決定する前に前記複数の導関数をフィルタ処理することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
太陽光発電(PV)電源に関連する複数のデータ点を受信し、
前記複数のデータ点に基づいて複数の導関数を計算し、
前記複数の導関数に基づいてゼロ交差を決定し、
前記ゼロ交差に基づいて、前記PV電源の動作点を設定するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書において太陽電池とも呼ばれる太陽光発電(PV)セルは、光からのエネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスである。太陽電池によって生成される電気エネルギーの特性は、太陽電池が曝される光の量に応じて異なり得る。例えば、太陽電池が遮光されているか、又は別の方法で被覆されている場合、太陽電池は、遮光されておらず、光に直接曝されている場合と比較して、少ない電力を生成し得る。複数のPVセルを互いに(例えば、直列に)接続して、PVセルストリングを形成することができる。本明細書においてソーラーパネルとも呼ばれるPVモジュールは、互いに接続された複数のPVセルストリングを含み得る。PVモジュールにおける不整合損失は、同一の特性を有さないか、又は異なる条件を経験する複数の太陽電池を互いに接続することによって引き起こされ得る。例えば、一方の太陽電池が遮光されており、他方の太陽電池は遮光されていない場合、遮光された太陽電池は遮光されていない太陽電池よりも低い電圧し得、遮光された太陽電池の逆バイアスをもたらし得る。逆バイアスがかかると、遮光された太陽電池はレジスタと同様に動作し得、遮光された太陽電池によって生じた電圧降下が熱に変換され得る。遮光されていない太陽電池によって生成されている電力の少なくとも一部は、遮光された太陽電池によって消費され得る。これにより、比較的高度に局在化された電力損失をもたらし得、結果として生じる局所加熱は、PVモジュールを損傷させ得る。太陽電池又は太陽電池の一部の加熱は、PVモジュールのホットスポットと呼ばれることがある。例えば、ホットスポットは、太陽電池又は太陽電池の一部が温度閾値以上の温度に加熱されることとして定義され得る。ホットスポットは、PVモジュールを劣化させ得る。
【発明の概要】
【0002】
以降の概要では、所定の特徴の簡略化された概要を提示する。この概要は、広範囲の概説ではなく、主要な又は重要な要素を特定することは意図していない。
【0003】
PVモジュールのホットスポットを軽減するためのシステム、装置、及び方法が説明される。
【0004】
いくつかの例では、制御回路は、PVモジュールの動作点が最大電力点追跡アルゴリズムに基づいて設定される第1の動作モード、及びPVモジュールの動作点がホットスポット軽減アルゴリズムに基づいて設定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュールの過熱を防止する第2の動作モードで動作するように構成され得る。いくつかの例では、制御回路は、ホットスポット軽減アルゴリズムに基づいてPVモジュールの動作点を設定し、最大電力点追跡アルゴリズムに基づいてPVモジュールの動作点を設定しないように構成され得る。
【0005】
いくつかの例では、制御回路は、複数の太陽電池を含むPVモジュールの動作点を設定して、PVモジュールの太陽電池のいずれもが負電圧を生成しないことを確実にするように構成され得る。制御回路は、PVモジュールの電流-電圧(I-V)曲線内の変曲点に基づいてPVモジュールの動作点を設定するように構成され得る。制御回路は、PVモジュールのI-V曲線の二次導関数におけるゼロ交差に基づいてPVモジュールの動作点を設定するように構成され得る。制御回路は、ゼロ交差を決定し、PVモジュールの動作点を設定するために、1つ以上のフィルタ閾値を有するフィルタウィンドウを使用するように構成され得る。
【0006】
これらの及び他の特徴及び利点は、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
いくつかの特徴は、添付の図面において、限定としてではなく、例として示されている。図面において、同様の数字は、類似の要素を参照する。
図1】例示的なフロー図を示す。
図2】例示的なフロー図を示す。
図3】例示的なフロー図を示す。
図4】例示的なフロー図を示す。
図5】例示的な電力システムを示す。
図6A】バイパスダイオードを備える、例示的な電力モジュールを示す。
図6B】バイパスダイオードを備えない、例示的な電力モジュールを示す。
図7】例示的な電力変換回路を示す。
図8】例示的なグラフを示す。
図9】例示的なグラフを示す。
図10】例示的なグラフを示す。
図11】例示的なグラフを示す。
図12】例示的なグラフを示す。
図13】例示的なグラフを示す。
図14】例示的なグラフを示す。
図15】例示的なグラフを示す。
図16A】例示的なグラフを示す。
図16B】例示的なグラフを示す。
図16C】例示的なグラフを示す。
図16D】例示的なグラフを示す。
図16E】例示的なグラフを示す。
図16F】例示的なグラフを示す。
図16G】例示的なグラフを示す。
図16H】例示的なグラフを示す。
図16I】例示的なグラフを示す。
図16J】例示的なグラフを示す。
図16K】例示的なグラフを示す。
図16L】例示的なグラフを示す。
図17A】例示的なグラフを示す。
図17B】例示的なグラフを示す。
図18】例示的なグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面は、本明細書の一部を構成し、本開示の例を示している。図面に示され、かつ/又は本明細書で考察される実施例は、非排他的であり、本開示を実施し得る方法にはその他の実施例もあることを理解されたい。
【0009】
ホットスポットの軽減のためのシステム、装置、及び方法が、本明細書において説明されている。いくつかの例では、制御回路は、PVモジュールの動作点が最大電力点追跡アルゴリズムに基づいて設定される第1の動作モード、及びPVモジュールの動作点がホットスポット軽減アルゴリズムに基づいて設定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュールの過熱を防止する第2の動作モードで動作するように構成され得る。いくつかの例では、制御回路は、ホットスポット軽減アルゴリズムに基づいてPVモジュールの動作点を設定し、最大電力点追跡アルゴリズムに基づいてPVモジュールの動作点を設定しないように構成され得る。ホットスポット軽減アルゴリズムは、PVモジュールの出力電流を制限して、ホットスポットを防止し、PVモジュールの劣化を停止することを助けるために使用され得る。
【0010】
いくつかの例では、制御回路は、複数の太陽電池を含むPVモジュール(例えば、1つ以上のPVセルのストリング)の動作点を設定して、PVモジュールの太陽電池のいずれもが負電圧を生成しないことを確実にするように構成され得る。制御回路は、PVモジュールのI-V曲線における変曲点に基づいてPVモジュールの動作点を設定するように構成され得る。制御回路は、PVモジュールのI-V曲線の二次導関数におけるゼロ交差に基づいてPVモジュールの動作点を設定するように構成され得る。制御回路は、ゼロ交差を決定し、PVモジュールの動作点を設定するために、1つ以上のフィルタ閾値を有するフィルタウィンドウを使用するように構成され得る。
【0011】
本開示の主題の教示は、図を参照して説明されているシステム及び装置によって拘束されないことに留意されたい。同等及び/又は変更された機能が、別の様式で統合され得るか、又は分割され得、任意の適切な組み合わせで実装され得る。例えば、別個のユニットとして示される要素は、単一のユニットに組み合わされたそれらの機能性及び/又は構成要素を有し得る。
【0012】
また、様々な図における同様の参照は、本出願全体で同様の要素を指し得ることにも留意されたい。同様の参照番号はまた、要素間の類似性を暗示し得る。
【0013】
本明細書の例に与えられている全ての数値は、例示のみを目的として提供されており、同じ機能を有する別の数値の使用を除外するものではないことに留意されたい。
【0014】
本明細書で使用される「実質的に」及び「約」という用語は、(例えば、許容可能な変形範囲において)意図された目的又は機能と同等の変形を含む。特定の値又は値の範囲は、本明細書では、「実質的に」、及び「約」という用語が先行する数値で提示される。「実質的に」及び「約」という用語は、本明細書では、その用語に伴われる正確な数、並びにその用語に伴われる数に近い、又は、ほぼその数を、文字どおりサポートすることを提供するために使用される。ある数が、具体的に記載された数に近いか、又はその数に近似するかを判断する際に、近いか又は近似するが記載されていない数も、それが提示される文脈において、具体的に記載された数と実質的に等しい数であり得る。
【0015】
本明細書で使用される「コントローラ」、「制御回路」、「コンピュータ」、「プロセッサ」、「処理回路」及びこれらの用語の変形を含む制御デバイスは、1つ以上の論理機能又は算術機能を実行することができる任意のアナログ又はデジタル電子ハードウェア回路を含む。これらの機能は、(例えば、本明細書で説明される様々な例のように物理的パラメータを測定するセンサからの)受信信号に基づくことができる。機能の実行は、(例えば、スイッチなどの別のデバイスを制御するために、又は本明細書で説明される様々な例のように指示を提供するために)信号の出力を引き起こし得る。そのような制御デバイスは、非限定的な例として、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、埋め込みコントローラ、アナログコンパレータ、アナログ-デジタルコントローラ、デジタル-アナログコントローラなど、又はそれらの組み合わせを含む。そのような制御デバイスは、デバイスによって読み取られ、解釈され、実行され得る命令を記憶するメモリを含むか、又はメモリに接続され得、実行された命令に基づいて、本明細書に記載のような機能又は制御のうちのいずれか1つを行い得る。本明細書で使用される「メモリ」又は「データ記憶デバイス」という用語は、本開示の主題に適した任意の揮発性又は不揮発性コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ[random-access memory、RAM]、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)など)を含む。上記は、本明細書に開示される制御回路のいずれかを含み得る。より具体的には、非限定的な例として、上記は、本出願において開示される制御回路516A、516B、516C、516AA、516AB、516Xを含み得る。制御デバイスは、他のデバイス(例えば、センサ)からの信号を制御デバイス(例えば、アナログ信号をデジタル信号に変換する比較器又はアナログ-デジタル(analog to digital、A/D)変換器)と互換性のある信号に変換する、又は制御デバイスからの信号を別のデバイス(例えば、スイッチの制御入力を駆動するための増幅器)と互換性のある信号に変換する、インターフェースハードウェアに含まれるか、又は接続され得る。制御回路は、1つ以上のスイッチの動作状態(例えば、オン、オフ、開、閉など)を制御するための制御信号を出力するように構成され得る。
【0016】
本明細書で使用される「スイッチ」という用語は、非永続的な方式でスイッチングされ得る任意の適切なスイッチング素子を指し得る。スイッチの例は、トランジスタ、電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated-gate bipolar transistor、IGBT)、炭化ケイ素(Silicon Carbide、SiC)スイッチ、窒化ガリウム(Gallium Nitride、GaN)スイッチ、サイリスタ、半導体制御整流器(semiconductor controlled rectifier、SCR)、ソリッドステートリレー(solid state relay、SSR)、電気機械リレー、交流(alternating current、AC)リレー、スロースイッチなどである(ただし、それらに限定されない)。スイッチはシングルスロー、ダブルスローなどであり得る。スイッチは、(例えば、1つ以上の機能を実行することに基づいて)制御デバイスから生成された信号に接続された制御入力(例えば、ゲート、ベース、コイル端子)を介して異なる状態(例えば、オン、オフ)に制御され得る。
【0017】
本明細書で使用される「動作点」という用語は、PVモジュールの出力(例えば、Vout、Iout)の電流-電圧(I-V)曲線上の点を指し得る。動作点は、PVモジュールの出力端子においてPVモジュールによって生成された出力電流及び出力電圧を表し得る。PVモジュールの出力端子は、電力デバイスの入力端子に接続され得る。したがって、動作点はまた、電力デバイスの入力端子に供給される入力電流及び入力電圧を表し得る。電力デバイスに供給される入力電流及び入力電圧は、電力デバイスの電力変換回路によって使用されて、電力デバイスの出力端子において第2の出力電流及び第2の出力電圧を生成し得る。電力デバイスのデューティサイクルは、PVモジュールの動作点を制御するために使用され得る。例えば、制御回路を使用して電力デバイスの電力変換回路のデューティサイクルを制御することによって、制御回路は、I-V曲線上のPVモジュールの動作点を制御し得る。例えば、1つ以上のスイッチが比較的短時間にわたってオン状態で動作する、低い方のデューティサイクルは、PVモジュールの動作点を、PVモジュールの出力のI-V曲線上のゼロ電流及び開回路電圧により近くなるように制御することができ、1つ以上のスイッチが比較的長時間にわたってオン状態で動作する、高い方のデューティサイクルは、PVモジュールの動作点を、PVモジュールの出力のI-V曲線上のゼロ電圧及び短絡電流により近くなるように制御することができる。
【0018】
本明細書で使用される「デューティサイクル」という用語は、電力変換回路の1つ以上のスイッチがある期間にアクティブである時間の割合を指し得る。
【0019】
ここで、図5を参照すると、図5は、電力システム500を示す。電力システム500は、1つ以上のPVモジュール502を含む。各PVモジュール502は、複数のPVセルストリング602(例えば、図6AのPVセルストリング602A及び図6BのPVセルストリング602Bとして示す)を含み得る。各PVセルストリング602は、1つ以上の太陽電池600(例えば、図6A及び図6Bに太陽電池600A~600Xとして示す)を含み得る。
【0020】
電力システム500は、1つ以上の電力デバイス504を含み得る。各電力デバイス504は、電力変換回路700を含み得る。電力変換回路700は、本明細書では電力変換器とも呼ばれる、1つ以上の電力変換回路702(例えば、図7に示す)を含み得る。1つ以上の電力変換回路702は、例えば、降圧変換回路、昇圧変換回路、降圧/昇圧変換回路、降圧+昇圧変換回路、帰線変換回路などのうちの1つ以上を含み得る。
【0021】
各電力デバイス504は、1つ以上のバイパスダイオードBD(例えば、図6Aに示す)を含んでよいか、又はバイパスダイオードBDを備えなくてよい(例えば、図6Bに示す)。
【0022】
各電力デバイス504は、制御回路516Aを含み得る。制御回路516Aは、PVモジュール502の動作点が最大電力点追跡アルゴリズムに基づいて設定される第1の動作モード、及びPVモジュール502の動作点がホットスポット軽減アルゴリズムに基づいて設定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止する第2の動作モードで動作するように構成され得る。制御回路516Aは、1つ以上の電力デバイス504内に位置し得る。いくつかの実施例では、制御回路516Aは、第1の電力デバイス504内に位置し、第2の異なる電力デバイス504の動作を制御するように構成され得る。例えば、制御回路516Aは、第2の電力デバイス504内に位置しなくてよい。いくつかの例では、電力デバイス504の全ての外部にある中央制御回路516Cは、電力デバイス504のうちの1つ以上の動作を制御するように構成され得る。制御回路516Cは、任意の適切な物理的又は非物理的接続を使用して、1つ以上の電力デバイス504に接続され得る。例えば、制御回路516Cは、図5に破線として示す電力線通信又は無線通信を使用して、1つ以上の電力デバイス504に接続され得る。制御回路516Cは、1つ以上の電力デバイス504の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御するように構成され得る。いくつかの例では、システム電力デバイス510内にある中央制御回路516Bは、電力デバイス504のうちの1つ以上の動作を制御するように構成され得る。システム電力デバイス510の制御回路516Bは、任意の適切な物理的又は非物理的接続を使用して、1つ以上の電力デバイス504に接続され得る。例えば、制御回路516Bは、電力線通信又は無線通信を使用して、1つ以上の電力デバイス504に接続され得る。制御回路516Bは、電力デバイス504の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御するように構成され得る。
【0023】
制御回路516A、516B、516Cは、PVモジュール502に関する複数のデータ点を複数の時間に対して受信するように構成され得る。例えば、複数のデータ点は、PVモジュール502の動作点(Vout、Iout)であり得る。制御回路516A、516B、516Cは、複数の時間に対する複数のデータ点に基づいて、複数の導関数を計算するように構成され得る。制御回路516A、516B、516Cは、複数の導関数に基づいてゼロ交差を決定するように構成され得る。制御回路516A、516B、516Cは、1つ以上の決定されたゼロ交差に基づいて、PVモジュール502の動作点を設定する(Vout、Iout、例えば、電力デバイス504のデューティサイクルを設定することによって)ように構成され得る。複数のデータ点は、複数の電圧値及び複数の電流値を含み得る。複数の導関数は、複数の一次導関数又は複数の二次導関数を含み得る。複数の導関数は、PVモジュール502の電流-電圧(I-V)曲線に関連し得る。複数の導関数は、従属変数としての電流及び独立変数としての電圧の導関数(dI/dV)、又は従属変数としての電圧及び独立変数としての電流の導関数(dV/dI)であり得る。制御回路516A、516B、516Cは、複数の導関数のうちの第1の導関数と複数の導関数のうちの第2の導関数との間に符号の変化が存在するという判定に基づいて、ゼロ交差を判定するように構成され得る。符号の変化は、正の値から負の値へであり得るか、又は負の値から正の値へであり得る。制御回路516A、516B、516Cは、複数の導関数の補間に基づいて、ゼロ交差を決定するように構成され得る。補間は、線形補間又は非線形補間であり得る。制御回路516A、516B、516Cは、ゼロ交差の決定時に複数の導関数をフィルタ処理するように構成され得る。制御回路516A、516B、516Cは、導関数が閾値を上回っていることを判定するように構成され得る。閾値は、正の閾値又は負の閾値であり得る。閾値は絶対値であり得、導関数の絶対値が閾値と比較され得る。PVモジュール502の動作点の設定に使用されるゼロ交差は、複数のデータ点のソート又は複数の導関数のソートに基づいて複数のゼロ交差から選択され得る。複数のデータ点のソートは、最高電圧から最低電圧、最低電圧から最高電圧、最高電流から最低電流、又は最低電流から最高電流に基づいてよい。制御回路516A、516B、516Cは、ゼロ交差の決定前に、複数の導関数をフィルタ処理するように構成されてよい。制御回路516A、516B、516Cは、(例えば、所与の時間に受信された)複数のデータ点に関連する電力を計算し、計算した電力と、(例えば、異なる、より早い時間に受信された)以前の複数のデータ点に関連する、以前に計算した電力との間に電力減少が存在するという判定に基づいて、以前の複数のデータ点に基づいてPVモジュール502の動作点を設定するように構成され得る。
【0024】
各電力デバイス504は、少なくとも1つのPVモジュール502の複数の出力端子TOに接続された複数の入力端子TIを含み得る。いくつかの例では、PVモジュール502の一対の出力端子TOは、電力デバイス504の一対の入力端子TIに接続され得る。例えば、電力デバイス504がバイパスダイオードBDを伴わない場合(例えば、図6Bに示す)、一対の入力端子TIに接続されている一対の出力端子TOで十分であり得る。いくつかの例では、PVモジュール502の3つ以上の出力端子TOが、電力デバイス504の3つ以上の入力端子TIに接続され得る。例えば、電力デバイス504が1つ以上のバイパスダイオードBDを有する場合(例えば、図6Aに示す)、3つ以上の入力端子TIに接続するために3つ以上の出力端子TOが必要とされ得る。例えば、電力デバイス504が3つのバイパスダイオードBDを有する場合、4つの出力端子TOが4つの入力端子TIにそれぞれ接続され得る。各電力デバイス504は、複数の電力デバイス出力端子TSを有し得る。各電力デバイス出力端子TSは、異なる電力デバイス504の電力デバイス出力端子TSに接続され得るか、又は直流(direct current、DC)バス508に接続され得る。
【0025】
電力デバイス504は、電力デバイス504に接続された1つ以上のPVモジュール502と合わせて、本明細書では電力モジュール506と呼ばれる。電力システム500は、1つ以上の電力モジュール506を含み得る。複数の電力モジュール506は、DCバス508全体で互いに直列に接続されて、電力モジュール506の直列ストリング514を形成し得る。電力システム500は、電力モジュール506の1つ以上の直列ストリング514を含み得る。電力モジュール506の1つ以上の直列ストリング514は、1つ以上のシステム電力デバイス510の複数の入力端子TPに接続され得る。複数の直列ストリング514は、1つ以上のシステム電力デバイス510の入力端子TPを介して互いに並列に接続され得る。本明細書で使用される「PV電源」という用語は、PVモジュール502を単独で、又は電力デバイス504(例えば、電力モジュール506)と合わせて指し得る。
【0026】
1つ以上のシステム電力デバイス510は、例えば、DC-DC変換器(例えば、降圧変換器、昇圧変換器、降圧/昇圧変換器、降圧+昇圧変換器など)、DC-AC変換器(インバータとも呼ばれる)、コンバイナ、及び/又は監視ボックスなどのうちの1つ以上であり得る。1つ以上のシステム電力デバイス510は、1つ以上の相のためのインバータ(例えば、単相インバータ、二相インバータ、三相インバータなど)であり得るか、又は単純化のために本明細書に示されていないライン若しくは相を含み得る。
【0027】
システム電力デバイス510は、電力グリッド512に接続され得る。直列ストリング514はまた、1つ以上の電荷蓄積デバイス(例えば、バッテリ)に接続され得る。
【0028】
ここで、バイパスダイオードBDを備えた電力モジュール506Aを示す図6Aを参照する。図5の電力システム500の電力モジュール506のうちの1つ以上は、電力モジュール506Aであり得る。上述したように、電力モジュール506Aは、PVモジュール502A及び電力デバイス504Aを含み得る。PVモジュール502Aは、本明細書ではPVセル600とも呼ばれる、複数の太陽電池600を含み得る。複数の太陽電池600は、一対の出力端子TOの間で互いに直列に接続されて、PVセルストリング602Aを形成し得る。例えば、各太陽電池600は、複数の太陽電池端子TCを含み得る。各太陽電池端子TCは、異なる太陽電池600の太陽電池端子TCに接続され得る、及び/又は出力端子TOに接続され得る。例えば、第1の太陽電池600の第1の太陽電池端子TCは、異なる第2の太陽電池600の第2の太陽電池端子TCに接続されて、PVセルストリング602Aを形成し得る。PVモジュール502Aは、1つ以上のPVセルストリング602Aを含み得る。所与のPVセルストリング602Aの太陽電池600は、太陽電池600A~太陽電池600Xとして示されている。例えば、PVモジュール502Aは、それぞれ12個の太陽電池600からなる3つのPVセルストリング602Aを含み、合計36個の太陽電池600を含み得る。1つ以上のPVセルストリング602Aはそれぞれ、電力デバイス504Aの一対の入力端子TIに接続され得る。電力デバイス504Aは、変換回路700と、制御回路516AAと、1つ以上のバイパスダイオードBDと、を含み得る。例えば、電力デバイス504Aは、3つのバイパスダイオードBDを含み得、各バイパスダイオードBDは、電力デバイス504Aの一対の入力端子TI間に接続され得る。複数のバイパスダイオードBDは、入力端子TI間で互いに直列に接続されて、バイパスダイオードBDのストリングを形成し得る。バイパスダイオードBDのストリングは、変換回路700の端子Aと端子Bとの間に接続され得る。変換回路700の端子C及び端子Dは、電力デバイス504Aの出力端子TSに接続され得る。制御回路516AAは、変換回路700の一部であり得るか、又はそれに(物理的に又は通信可能に)接続され得る。上述したように、場合によっては、制御回路516は、電力デバイス504の外部にあり得る。各バイパスダイオードBDは、例えば、PVセルストリング602Aの太陽電池600のうちの1つ以上が遮光されている場合に、当該PVセルストリング602Aのうちの関連する1つをバイパスし、当該PVセルストリング602Aに負電圧を生成させ、それによってバイパスダイオードBDに逆バイアスをかけるように構成され得る。制御回路516AAは、PVモジュール502Aの動作点を制御して、ホットスポットを軽減し、バイパスダイオードBDを冗長にし得るように構成され得る。例えば、制御回路516AAは、PVセルストリング602Aが負電圧を生成しないようにPVモジュール502Aの動作点を制御するように構成され得、その場合、バイパスダイオードは逆バイアスをかけられず、それによってバイパスダイオードBDの必要性を軽減する。いくつかの例では、制御回路516AAは、電力デバイス504A内の1つ以上のバイパスダイオードBDの存在に起因して利用可能なデータを使用してホットスポットを軽減する、PVモジュール502Aの動作点を制御するように構成され得る(この例は、図4及び図18を参照して以下で提供する)。1つ以上のバイパスダイオードBDは、PVモジュール502の電力曲線(例えば、電力-電圧P-V曲線)内に複数のピークを生じさせ得る。PVモジュール502の電力曲線(例えば、P-V曲線)内に複数のピークが存在すると判定することは、PVモジュール502に関連する1つ以上のホットスポットが存在し、動作点OPは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して制御回路516によって設定されるべきであること示し得る。
【0029】
太陽電池600が負電圧を生成するように、PVセルストリング602Aの太陽電池600に逆バイアスが存在する場合、関連するバイパスダイオードBDは、逆バイアスをかけられた太陽電池600を有する、対応するPVセルストリング602Aをバイパスするように順バイアスをかけられるように構成され得る。バイパスダイオードBDは、ホットスポットに起因する、対応するPVモジュール502Aの温度の低下を試みるように構成され得る。これは、太陽電池600が遮光されて負電圧を生成する場合、当該PVセルストリング602はバイパスダイオードBDによってバイパスされ得るためである。しかしながら、実際には、対応するPVモジュール502Aの温度を遮光によって低下させるのではなく、バイパスダイオードBDは、対応するPVモジュール502Aの温度を上昇させ得る。これは、バイパスダイオードBDの導通により、電力の消耗が比較的大きくなり、その結果、対応するPVモジュール502Aに影響を与え得る温度が比較的高くなり得るためである。したがって、バイパスダイオードBDは、遮光された太陽電池600が遮光に起因して対応するPVモジュール502Aの温度を上昇させ、ホットスポットを生み出すという問題を解決しないことがある。別の解決策は、太陽電池600が負電圧を生成することを防止することによって、バイパスダイオードBDが順方向バイアスをかけられることを完全に回避するように試みることであり得る。制御回路516AAは、ホットスポット軽減動作モードで動作してPVモジュール502Aの電力出力を制御して、遮光された太陽電池600が逆バイアスをかけられることを防止し、それによって、遮光された太陽電池が、エネルギーを熱で消費してホットスポットを生み出し、PVモジュール502Aの温度を上昇させる電力シンクになることを防止するように構成され得る。制御回路516AAは、PVモジュール502Aの出力電力を低下させる動作点を設定して太陽電池600が順方向バイアスをかけられるように維持し、正電圧を生成することによって、遮光された太陽電池が順方向バイアスをかけられても、太陽電池600の全てが正電圧を生成するように維持し、太陽電池600が負電圧を生成しホットスポットになることを防止するように構成され得る。制御回路516AAは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して、I-V曲線の二次導関数に従って動作点を設定し得る。制御回路516AAは、I-V曲線の二次導関数の1つ以上のゼロ交差を決定することによって、動作点を設定し得る。制御回路516AAは、PVモジュール502Aの太陽電池600の動作を制御し、太陽電池600が逆バイアスをかけられるようになり、負電圧を生成することを防止することができるため、電力システム500は、例えば図6Bに示すように、バイパスダイオードBDを備えない電力モジュール506を有し得る。
【0030】
ここで、バイパスダイオードBDを備えない電力モジュール506Bを示す図6Bを参照する。図5の電力システム500の電力モジュール506のうちの1つ以上は、電力モジュール506Bであり得る。電力システム500の1つ以上の直列ストリング514は、図6Bに示すように、バイパスダイオードBDを含まない電力デバイス504Bを有する、1つ以上の電力モジュール506Bを含み得る。電力デバイス504Bは、いずれも任意の適切な電力変換回路700を含み得るという点で電力デバイス504Aと同様であり得るが、電力デバイス504Aは1つ以上のバイパスダイオードBDを含み得、電力デバイス504Bは含み得ない。制御回路516ABは、電力デバイス504Bを制御して、ホットスポット軽減動作モードでPVモジュール502Bを動作させるように構成され得るため、電力デバイス504Bは、いずれのバイパスダイオードBDも必要としなくてよい。ホットスポット軽減動作モードにおいて、PVモジュール502Bの動作点は、ホットスポット軽減アルゴリズムに基づいて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502Bの過熱を防止するように設定され得る。ホットスポット軽減動作モードは、PVモジュール502Bの1つ以上の太陽電池600が逆バイアスをかけられるようになることを防止し、1つ以上の太陽電池600が負電圧の生成により逆バイアスをかけられるようになる結果として順バイアスをかけられるようになり得るバイパスダイオードBDの必要性を軽減し得る。PVモジュール502Bの太陽電池600は全て、バイパスダイオードBDに全く接続されることなく、単一のストリングで互いに直列に接続され得る。一対の出力端子TO及び一対の入力端子TIは、PVモジュール502Bを電力デバイス504Bに接続するために使用され得る。太陽電池600のストリングは、変換回路700の端子Aと端子Bとの間に効率的に接続され得る。変換回路700の端子C及び端子Dは、電力デバイス504Aの出力端子TSに接続され得る。制御回路516ABは、変換回路700の一部であり得るか、又はそれに(物理的に又は通信可能に)接続され得る。
【0031】
ここで図7を参照すると、図7は、例示的な電力変換回路700を示す。電力変換回路700は、入力電力を出力電力に変換するための1つ以上の電力変換回路702を含み得る。図7の例では、1つ以上の電力変換回路702は、本明細書でカスケード型降圧-昇圧変換回路とも呼ばれる降圧+昇圧変換回路を含み得る。降圧+昇圧変換回路は、複数のスイッチQ1、Q2、Q3、Q4と、インダクタLと、複数のキャパシタC1、C2と、を含み得る。電力変換回路700は、端子A及び端子Bなど一対の入力端子と、端子C及び端子Dなど一対の出力端子と、を含む。電力変換回路700は、入力端子A、Bにおける入力電圧V1を出力端子C、Dにおける出力電圧V2に変換するように構成され得る。電力変換回路700は、電流、電圧、電力、温度、放射輝度など1つ以上のパラメータを検知するための1つ以上のセンサ704を含み得る。電力変換回路は、本明細書に記載の制御回路516のうちのいずれかであり得る、制御回路516Xに接続され得る。例えば、制御回路516Xは、電力デバイス制御回路516A、システム電力デバイス制御回路516B、外部制御回路516Cなどであり得る。制御回路516Xは、変換回路700の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御するように構成され得る。例えば、電圧V2は、比較的一定の値を有する実質的に固定電圧であり得、制御回路516Xは、変換回路700の1つ以上のスイッチのデューティサイクルを制御して、電圧V1の値を上下させるように構成され得る。
【0032】
ここで図8を参照すると、図8は、PVモジュール502の1つ以上の遮光されていない太陽電池600のI-V曲線802のグラフ800を示す。遮光されていない太陽電池600は、Iout×Vout=約7.9A×約8.1V=約63.99wの最大電力点MPUを有する。
【0033】
ここで図9を参照すると、図9は、PVモジュール502の1つ以上の遮光された太陽電池600のI-V曲線900のグラフ900を示す。遮光された太陽電池600は、Iout×Vout=約4.8A×約1V=約4.8wの最大電力点MPSを有し得る。遮光されたセル600の最大電力点MPS(約4.8w)は、遮光されていないセルの最大電力点MPU(約63.99w)よりも相対的にはるかに低くなり得る。遮光された太陽電池600はまた、遮光された太陽電池600がVout=約0V又は非常に低い電圧を生成しているが、負電圧を生成していない回避点(evasive point)EPを有し得る。遮光された太陽電池600の電流Ioutが回避点EP電流以下であるとき、1つ以上の遮光された太陽電池600は、正電圧を生成し、電源として動作し得る。電流が回避点EP電流よりも大きいとき、1つ以上の遮光された太陽電池600は、負電圧を生成し、電力負荷として動作し得る。遮光されたI-V曲線902の正電圧の範囲(Vout_shaded=約0V~Vout_shaded=約1V)は、遮光されていないI-V曲線802の正電圧の範囲(Vout_unshaded=約0V~Vout_unshaded=約10V)と比較して、遮光されたI-V曲線902の原点(Vout_shaded=0V、Iout_shaded=0A)にはるかに近くであり得る。例えば、遮光されていないI-V曲線802は、約10Vの最大開回路電圧VOCUを有し得るが、遮光されたI-V曲線902は、約1Vの最大開回路電圧VOCSを有し得る。例えば、遮光されたI-V曲線902で示すように、遮光された太陽電池600の電流が正に約4.8Aの最大電力点MPS電流であるとき、遮光された太陽電池600は、約1Vの正電圧を生成し得る。
【0034】
遮光された太陽電池600の電流が約4.8Aの最大電力点MPS電流未満である(例えば、遮光された太陽電池600の電流が約3.8Aである)とき、遮光された太陽電池600はまた、約1Vの正電圧を生成し得る。遮光された太陽電池600の電流が、約4.8Aの最大電力点MPS電流よりも大きく、かつ約4.9Aの回避点EP電流よりも大きいとき、例えば遮光された太陽電池600の電流が約5.8Aであるとき、遮光された太陽電池600は、約-7Vの負電圧を生成し得る。遮光されたI-V曲線902で示すように、約3.8A~約5.8Aの電流の範囲に対して、電圧の範囲は、約1V~約-7Vであり得る。最大電力点MPS電流に近い(最大電力点電流の約1A以内)電流のこの電流範囲(約3.8A~約5.8A)は、正電圧(遮光された太陽電池600が電源である場合)及び負電圧(遮光された太陽電源600が負荷である場合)を含み得る。
【0035】
遮光された太陽電池600が負電圧を生成しているとき、遮光された太陽電池600は、ホットスポットと見なされ得る。これは、太陽電池600が、電気エネルギーを熱(熱エネルギー)として消費しているドレイン及び電力シンクであるためである。約3.8A~約5.8Aの電流の範囲に対して、負電圧の範囲は、正電圧の範囲と比較して相対的に大きくてよい(例えば、正電圧は、0Vよりやや大きい~約1Vの範囲の約1ボルトの範囲であり得、負電圧は、0Vよりやや小さい~約-7Vの範囲の約7ボルトの範囲であり得る)。
【0036】
ほぼ最大電力点MPSでPVパネル502を動作させると、遮光されたセル600の電流(例えば、最大電力点MPS電流の約1A以内)は、遮光されたセル600が比較的大きな負電圧を生成するという危険を犯し得る。実際には、図9に示すような1つ以上の遮光された太陽電池600の遮光されたI-V曲線902、及び図8に示すような1つ以上の遮光されていない太陽電池600の遮光されていないI-V曲線802は、測定されないことがあり、不明であり得る。したがって、遮光されたI-V曲線902の回避点EPは不明であり得る。
【0037】
図9に示すような遮光された太陽電池600の遮光されたI-V曲線902、及び図8に示すような遮光されていない太陽電池600の遮光されていないI-V曲線802を得るには、太陽電池600のレベルでの測定及び分析を必要とし得、得ることは困難であり得る(太陽電池600ごとに太陽電池レベルで生成された電気パラメータの特性を測定することは、比較的困難であり得るか、又は費用がかかり得る)。1つ以上の遮光された太陽電池600及び1つ以上の遮光されていない太陽電池600を含むPVモジュール502の合成I-V曲線1002の例を図10に示す。遮光された太陽電池600の遮光されたI-V曲線902と遮光されていない太陽電池600の遮光されていないI-V曲線802との合成である、PVモジュール502の合成I-V曲線1002を得るには、PVモジュール502のレベルでの測定及び分析を必要とし得、これは比較的容易に得ることができる(例えば、太陽電池レベルで測定するよりも、PVモジュール502ごとにPVモジュールレベルで生成された電気パラメータの特性を測定する方が比較的容易であり得る)。理論的には、各太陽電池600又は2つの太陽電池600ごとにバイパスダイオードBDが与えられた場合、遮光された太陽電池600又は2つの遮光された太陽電池600が負電圧を生成しているときには、太陽電池レベルバイパスダイオードが、エネルギーを熱に消費するための電力シンクとして作用していた1つ以上の遮光された太陽電池600をバイパスすることができ、太陽電池レベルバイパスダイオードは、PVモジュール502におけるホットスポットを防止することができる。しかしながら。比較的大型の複数の太陽電池600(例えば、PVモジュール502内の約36個の太陽電池600)について1つの太陽電池600又は2つの太陽電池600をバイパスすることは、比較的困難であり得るか、又は費用がかかり得る。多くの場合、バイパスダイオードBDは、PVセルストリング602として接続された複数の太陽電池600をバイパスするように配置されている(例えば、10個又は12個の太陽電池600ごとに1つのバイパスダイオードBD)。例えば、約36個の太陽電池600のPVモジュール502について、3つのPVセルストリングレベルバイパスダイオードBD(例えば、PVモジュール502の12個の太陽電池600ごとに1つのPVセルストリングレベルバイパスダイオードBD)が存在し得る。
【0038】
ここで図10を参照すると、図10は、1つ以上の遮光された太陽電池600及び1つ以上の遮光されていない太陽電池600を含むPVモジュール502のI-V曲線1002のグラフを示す。遮光された太陽電池600の回避点EPは、合成I-V曲線1002上に示されているが、不明であり得る。図9に示す回避点EPは、遮光された太陽電池600の出力と遮光されていない太陽電池600の出力とが合成されて図10の既知の合成I-V曲線1002を形成するため不明であり得る。図10はまた、I-V曲線1002が屈曲する変曲点IP、合成I-V曲線1002の曲率が符号を変化させる点を示す。変曲点IPは、I-V曲線1002が凹状(下向きに凹状)から凸状(上向きに凹状)に変化する合成I-V曲線1002上の点であり得る。また、図9に示す変曲点IPが不明のこともある。合成I-V曲線1002の二次導関数を使用して、変曲点IP又は変曲点IPに近いゼロ交差を見出すことができる。二次導関数値を正の値(上向きに凹状)から負の値(下向きに凹状)に、又はその逆に変化させるためには、合成I-V曲線1002の二次導関数がゼロに等しいゼロ交差を通過する必要がある。合成I-V曲線1002の変曲点IPは、二次導関数値がゼロに等しく、当該点においてその符号を変化させる(例えば、正から負に、又は負から正に)点であり得る。しかしながら、(例えば、図13に示すように)合成I-V曲線1002の二次導関数値において決定される2つ以上のゼロ交差が存在することがある。図10に示すように、変曲点IPは、回避点EPに比較的近くてよい。したがって、回避点EPが不明であっても、変曲点IPを使用して、PVモジュール502の動作点の設定を助け、太陽電池600が全て正電圧を生成することを確実にするように助けることができる。正確な変曲点IPが不明であっても、合成I-V曲線1002の二次導関数値のゼロ交差を使用して、PVモジュール502の動作を変曲点IPの比較的近くに設定することができる。PVモジュール502の動作点をPVモジュールの最大電力点MPCよりも低い電力出力に設定することは、PVモジュール502内でホットスポットを防止するために、太陽電池600のいずれもが負電圧を生成しないことを確実にするように助け得る。これにより、PVモジュール502の寿命を延ばすことができる。
【0039】
図10に示すように、回避点EPは、PVモジュール502の最大電力点MPCよりも低い電力点であり得る。変曲点IPは、回避点EPよりも低い電力点であり得る。例えば、最大電力点MPCにおけるPVモジュール502の電力は、Iout×Vout=約5A×約9.8V=約49wであり得る。回避点EPにおけるPVモジュール502の電力はIout×Vout=約4.9A×約9.9V=約48.5wであり得、最大電力点MPCにおける電力よりも小さい。変曲点IPにおけるPVモジュール502の電力は、Iout×Vout=約4.5A×約9.5V=約47.25wであり得、最大電力点MPCにおける電力よりも小さく、かつ回避点EPにおける電力よりも小さい。したがって、回避点EP及び変曲点IPは、PVモジュール502の最大電力点MPCとは異なり得る。図11にもこれを示す。
【0040】
ここで図11を参照すると、図11は、1つ以上の遮光された太陽電池600と、1つ以上の遮光されていない太陽電池600と、を含むPVモジュール502のI-V曲線1002のグラフ、並びに二次導関数I”-V曲線1004のグラフ、及びPVモジュール502の電力曲線(例えば、P-V曲線1102)のグラフを示す。また、図11に示すように、電力曲線(例えば、P-V曲線1102)上の最高点である最大電力点MPCは、変曲点IPとは異なり得るが、比較的近い。例えば、PVモジュール502の出力電流がPVモジュール502の最大電力点MPC電流(例えば、約5A)に等しいとき、PVモジュール502の最大電力点MPC電流が回避点EP電流よりも大きい可能性があるので、1つ以上の遮光された太陽電池600が正電圧を生成して電源として動作しているか、又は1つ以上の遮光された太陽電池600が負電圧を生成し、電力負荷として動作しているかが不明である可能性がある。
【0041】
図9に示すように、遮光された太陽電池600がそれらの最大電力点MPSに近いとき、それらはまた、それらの回避点EPに近く、比較的大きな負電圧を生成することに近くなり得、このことは、PVモジュール502の比較的大きいホットスポットをもたらし得る。上述したように、比較的小さい範囲の電流、例えば、約2Aの範囲では、比較的大きい電圧差、例えば、約-7Vの比較的大きい負電圧など約8Vの範囲が存在し得る。しかしながら、PVモジュール502の出力電流Ioutが遮光された太陽電池600の回避点EP電流を下回るように維持するようにPVモジュール502が制御される場合、PVモジュール502によって生成される総電力は、PVモジュール502が最大電力点MPCで動作している場合よりも小さくなり得るが、遮光された太陽電池600を含む太陽電池600の全ては、正電圧を生成し、PVモジュール502がホットスポットを有することを防止するように制御され得る。理想的には、ホットスポットがなく、全ての太陽電池600が正電圧を生成するというこの目標のためにPVモジュール502に対して選択するべき動作点は、正確な回避点EP又は正確な変曲点IPであるが、正確な回避点EP又は正確な変曲点IPを見出すことは非常に困難であり得る。理論的には、正確な変曲点IPは、PVモジュールI-V曲線1002の二次導関数を得て、二次導関数がゼロに等しい点を見出すことによって見出すことができる。しかしながら、実際には、実世界において測定時にノイズが存在することがあり、二次導関数値がゼロに等しい正確な点を見出すことは非常に困難であり得る。
【0042】
変曲点IP付近の動作点を見出す別の方法は、PVモジュールI-V曲線1002の二次導関数におけるゼロ交差の位置を決定し、変曲点IPに比較的近いゼロ交差を選択して、PVモジュール502の動作点を設定することであり得る。この方法は、ノイズを考慮することもできる。上述したように、ゼロ交差は、二次導関数がゼロ値と交差し、正の値から負の値に、又は負の値から正の値になるときであり得る。制御回路516は、ホットスポット軽減動作モードで動作するように構成され得、ホットスポット軽減動作モードでは、合成I-V曲線1002に関連する二次導関数値が使用されてゼロ交差を決定し、PVモジュール502の動作点を設定し、その結果、PVモジュール502は、最大電力を生成するPVモジュール502の最大電力点MPCで動作するのではなく、PVモジュール502は、最大電力よりも低い低減電力であるが、増加した電圧で動作し、PVモジュール502内のホットスポットを防止することに役立ち得る。1つ以上のフィルタを使用して、ノイズの除去を助け、合成I-V曲線1002に関連する二次導関数値における1つ以上のゼロ交差の決定を助け、比較的低い関連電圧を有し、変曲点IPに比較的近いゼロ交差を選択することができる。
【0043】
ここで図12及び図13を参照すると、図12及び図13は、1つ以上の遮光された太陽電池600及び1つ以上の遮光されていない太陽電池600を含むPVモジュール502の合成I-V曲線1002のグラフの断面1200の拡大図を示す。図12及び図13はまた、合成I-V曲線1002に関連する二次導関数I”-V曲線1004のグラフを含む。図12及び図13に示すように、PVモジュール502の合成I-V曲線1002は、出力電流が約0に等しい最大開回路電圧(VOC)に近づくにつれて、二次導関数I”-V曲線1004にいくつかのゼロ交差ZCが存在する。理想的には、PVモジュール502のために選択するべき動作点は、電圧が変曲点IP電圧に等しいゼロ交差ZC、例えば、図13に示すゼロ交差ZC0に関連する動作点に基づくことになるが、この動作点を決定することが困難な場合がある(特に、実際の測定時のゼロ電流値付近のノイズを考慮すると)。理想的には、変曲点IPは、二次導関数I”-V曲線1004が0に等しい位置(例えば、正確なゼロ交差ZC0)を決定することによって見出すことができるが、正に0に等しい二次導関数I”-V曲線1004の二次導関数値を決定することは非常に困難であるか、又は決定できそうにないことがある。二次導関数I”-V曲線1004においてゼロ交差が存在したか否か(例えば、二次導関数I”-V曲線1004がゼロ線と交差したかどうか)を判定することは比較的容易であり得る。以下で説明するように、二次導関数I”-V曲線1004内にゼロ交差が存在したか否かを判定することを助けるために、1つ以上のフィルタを使用することもできる。図13は、PVモジュール502の太陽電池600が全て正電圧を生成し、出力電圧が変曲点IPに比較的近い、比較的低い電圧であって、出力電圧が開回路電圧VOCに比較的近い、比較的高い電圧である場合よりも大きい電力を提供することを確実にするように助ける、PVモジュール502の動作点OPを決定するために使用され得る、複数の動作点OP1~OP12を示す。本明細書のグラフのいくつかは、動作点OPのいくつかを示すが、より多くのOPが存在し得る。
【0044】
ここで図14を参照すると、図14は、PVモジュール502内にホットスポットが存在しないように太陽電池600の全てが正電圧を生成するように維持するためにPVモジュール502の動作点OPの決定時に考慮するべきゼロ交差ZCを決定するために使用され得る電流軸フィルタ1400を示す。電流軸フィルタ1400は、垂直軸(出力電流軸I)上の二次導関数値用のフィルタとして図14に示す。電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OPを選択するためにゼロ交差と見なされる、又は見なされない、二次導関数値のゼロ交差ZCを決定することができる。したがって、電流軸閾値1402A、1402Bは、電流軸のゼロ値と明らかに交差し、ノイズに起因した偽ゼロ交差ZCである可能性は低い、垂直軸上の二次導関数値を決定するために使用され得る。例えば、図14に示す電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bに基づいて、ゼロ交差ZCXは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OPを選択するためのゼロ交差とは見なされない。これは、ゼロ交差ZCXが、負の電流軸閾値1402B又は正の電流軸閾値1402Aのそれぞれの絶対値よりも小さい絶対値を有するためである(負の値は負の閾値1402Bと比較され、正の値は正の閾値1402Aと比較される)。ゼロ交差ZC1、ZC2、ZC3は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bより大きく(負の値は負の閾値1402Bと比較され、正の値は正の閾値1402Aと比較される)、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OPを選択するためのゼロ交差ZCと見なされるであろう。この例では、ゼロ交差ZCは、PVモジュール502の開回路電圧VOC(Vout=ほぼVmax、Iout=約0)又はその付近の動作点OPにおいて開始し、短絡電流ISC(Vout=約0、Iout=ほぼImax)に向かって移動して追加の動作点OPをチェックすることによって決定され得ることに留意されたい。したがって、ホットスポット軽減動作点OPは、約0の出力電流Iout=約0Aにおいて開始し、I-V曲線に沿った測定値及び二次導関数値の計算ごとにPVモジュール502の出力電流を増加させることによって決定され得る。例えば、PVモジュール502の出力電流は、制御回路516を使用して電力デバイス504の変換回路700のデューティサイクルを増加させることによって増加され得る。この例では、開回路電圧VOCから開始した最初のゼロ交差ZCは、ZC1である。ゼロ交差ZC1は、二次導関数の計算値が正の値から負の値になり、電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402Bの値を超えてゼロ線と明らかに交差する、二次導関数I”-V曲線1004内の第1の点であり得る。電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B値の例は、例えば、約0よりもわずかに大きく、約3未満である、任意の適切な値であり得る。例えば、電流軸閾値1402A、1402Bの値は、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5など、又は当該範囲内の任意の値であり得る。正の電流軸閾値1402A及び負の電流軸閾値1402Bは、同一絶対値を有し得る。例えば、正の電流軸閾値1402Aは1であり得、負の電流軸閾値1402Bは-1であり得る。あるいは、正の電流軸閾値1402A及び負の電流軸閾値1402Bは、異なる絶対値を有し得る。例えば、正の電流軸閾値1402Aは1.5であり得、負の電流軸閾値1402Bは-1.25であり得る。
【0045】
ここで図15を参照すると、図15は、PVモジュール502内にホットスポットが存在しないように太陽電池600の全てが正電圧を生成するように維持するためにPVモジュール502の動作点OPを設定するときに、決定されたゼロ交差ZCを通過した電圧軸閾値を通過したか否かを判定するために使用され得る電圧軸フィルタ1500を示す。電圧軸フィルタ1500は、水平軸(例えば、出力電圧軸V)上のゼロ交差ZC用のフィルタとして図15に示す。例えば、電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502は、電圧軸フィルタ1500の当該閾値範囲内に他のゼロ交差が存在しないこと、及び決定されたゼロ交差ZCの出力電圧が変曲点IPの電圧に比較的近い、比較的低い関連電圧を有することを確実にするように助けるために以前に決定されたゼロ交差ZC以降に閾値を通過したか否かを判定するために使用され得る。例えば、図15に示すように、開回路電圧VOC付近の二次導関数I”-V曲線1004上には、複数のゼロ交差が存在し得る。電圧軸フィルタ1500は、PVモジュール502の動作点OPを設定するために選択されるゼロ交差ZCが、変曲点IP(二次導関数値が落ち着き、収束し始める)に近く、開回路電圧VOC(二次導関数I”-V曲線1004内により大きく、激しい偏差が存在する)から更に離れることを確実にするように役立ち得る。例えば、ゼロ交差ZC1の後に開回路電圧VOCから変曲点IPに向かって移動するとき、二次導関数I”-V曲線1004には他のゼロ交差ZCが存在する。決定されたゼロ交差ZCに基づいて動作点OPを設定するとき、理想的には、その後にそれ以上のゼロ交差ZCが存在するべきではない。電圧軸フィルタ1500を使用して動作点OPを設定することは、1つ以上の以前に決定されたゼロ交差ZCが閾値を通過したこと、及び意味のある次のゼロ交差ZCが存在しないことを確実にするように役立つ。例えば、図15に示す電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値に基づいて、動作点OP5は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定することを助けるために使用されない。これは、ゼロ交差ZC1が識別された以降に電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502を通過していないためである。したがって、ゼロ交差ZC1に関連付けられた動作点OP4に関連する電圧値VoutOP4と動作点OP5の電圧値VoutOP5との間の差(VoutOP4-VoutOP5)は、電圧軸閾値1502の範囲内である(例えば、電圧軸閾値1502の値の絶対値)。したがって、VoutOP4-VoutOP5<Vthとなる。例えば、差が閾値よりも大きい場合、動作点OP5は、例えば、PVモジュール502の動作点OPを設定するためにゼロ交差ZC1の動作点OP4が選択されることを検証することによって、PVモジュール502の動作点OPを設定することを助けるために使用される(この例では、OP_PVモジュール=ゼロ交差ZC1のOP4)。図15に示す例では、ゼロ交差ZC1の前の動作点OP(動作点OP1、OP2、OP3)もまた、PVモジュール502の動作点OPを設定するために使用されないことに留意されたい。これは、これらの動作点において、まだゼロ交差ZCを通過していないためである(第1のゼロ交差ZC1は動作点OP4において識別される)。電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値の例は、例えば、約0Vよりもわずかに大きい値と約3V未満の値との間の任意の適切な値であり得る。例えば、電圧軸閾値1502の値は、0.5V、0.75V、1V、1.5V、2V、2.5Vなど、又は当該範囲内の任意の値であり得る。上述したように、ゼロ交差ZCは、開回路電圧VOC(Vout=ほぼVmax、Iout=約0)又はその付近において開始し、短絡回路電流ISC(Vout=約0、Iout=ほぼImax)に向かって移動し、約ゼロの出力電流、Iout=約0Aにおいて開始し、測定値及び二次導関数の計算ごとに出力電流を増加させて決定され得る。ゼロ交差ZCは、図14に示す電流軸フィルタ1400を使用して識別され得る。ゼロ交差ZCに基づいてPVモジュール502の動作点OPを設定することは、図14に示す電流軸フィルタ1400及び図15に示す電圧軸フィルタ1500の両方を使用して行うことができる。電流軸フィルタ1400及び電圧軸フィルタ1500の両方を使用することは、PVモジュール502の動作点OPを設定するために使用される選択されたゼロ交差ZCが、PVモジュール502の合成I-V曲線1002の変曲点IPに比較的近いことを確実にするように助けることができ、その結果、PVモジュール502は、最大電力出力未満を生成し、PVモジュール502の太陽電池600の全てが正電圧を生成するように維持し、それによって、PVモジュール502のホットスポットを軽減する。
【0046】
図16Aは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502内にホットスポットが存在しないように、太陽電池600の全てが正電圧を生成することを維持するようにPVモジュール502の動作点OPを設定するために制御回路516によって使用され得るフィルタウィンドウ1600を示す。フィルタウィンドウ1600は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B、及び電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の両方を含み得る。
【0047】
フィルタウィンドウ1600を用いてPVモジュール502の動作点OPを設定する例を、図16A図16Lの例を用いて以下で説明する。
【0048】
図16Aにおいて、動作点OP1は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用されないことが示されている。これは、ゼロ交差ZCが、二次導関数I”-V曲線1004においてまだ識別されておらず、フィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502を通過していないためである。図16Aに示し、上述したように、第1の決定されたゼロ交差ZCは、動作点OP4に関連するゼロ交差ZC1であり得る。
【0049】
同様に、図16Bに示すように、動作点OP2は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって決定され得ない。これは、ゼロ交差ZCが、二次導関数I”-V曲線1004においてまだ識別されておらず、フィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502を通過していないためである。
【0050】
同様に、図16Cにおいて、動作点OP3はまた、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって決定され得ない。これは、ゼロ交差ZCが、二次導関数I”-V曲線1004においてまだ識別されておらず、フィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502を通過していないためである。
【0051】
いくつかの例では、制御回路516は、動作点OP1及びOP2に対する二次導関数値SDを決定しないことがある。したがって、制御回路516は、動作点OPに関連する二次導関数値SDを決定するために、2つの以前の動作点OPからの測定値を使用し得るため、制御回路516は、二次導関数値SD1及び二次導関数値SD2を決定しないことがある。したがって、動作点OP3に関連する二次導関数値SD3は、第1の決定された二次導関数値SDであり得る。
【0052】
図16Dに示すように、二次導関数値SD4がフィルタウィンドウ1600の負の電流軸閾値1402B値を超えるために、ゼロ交差ZC1は、動作点OP4に関連して制御回路516によって決定され得る。更に、ゼロ交差ZC1は、二次導関数値が二次導関数値SD3における正の値から二次導関数値SD4における負の値に変化しているので、ゼロ交差ZCと見なされ得る。したがって、二次導関数値SD3は正であり得、二次導関数値SD4は負であり得る。しかしながら、上述したように、動作点OP4は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。これは、ゼロ交差ZC1自体が動作点OP4について識別されるためであり、したがって、部分的には、ゼロ交差ZC1よりも以前に識別されたゼロ交差ZCが存在しないために、以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない。
【0053】
図16Eでは、動作点OP5は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ないことが示されている。二次導関数値SD5は、フィルタウィンドウ1600の電流軸閾値1402A、1402B内であり、それ自体はゼロ交差ZCとは見なされず、以前のゼロ交差ZCが識別されている(ゼロ交差ZC1)が、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない。したがって、以前のゼロ交差ZC1は、動作点OP5においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲内であり得る。図16Eに示し、上述したように、最初に決定されたゼロ交差ZCは、ゼロ交差ZC1である。
【0054】
同様に、図16Fに示すように、動作点OP6はまた、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。二次導関数値SD6は、フィルタウィンドウ1600の電流軸閾値1402A、1402Bを超え得るが、それ自体がゼロ交差ZCとは見なされ得ない。これは、二次導関数値が、二次導関数値SD5における負の値から二次導関数値SD6における負の値へと変化しているためである。したがって、二次導関数値SD5及び二次導関数値SD6はいずれも負であり得る。二次導関数値SD6は、それ自体がゼロ交差ZCとは見なされず、以前のゼロ交差ZCは識別されている(ゼロ交差ZC1)が、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない。したがって、以前のゼロ交差ZC1は、動作点OP6においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲内であり得る。
【0055】
図16Gに示すように、二次導関数値SD7がフィルタウィンドウ1600の正の電流軸閾値1402A値を超えるために、ゼロ交差ZC2は、動作点OP7に関連して制御回路516によって決定され得る。更に、ゼロ交差ZC2は、二次導関数値SDが二次導関数値SD6における負の値から二次導関数値SD7における正の値に変化しているので、ゼロ交差ZCと見なされ得る。したがって、二次導関数値SD6は負であり得、二次導関数値SD7は正であり得る。しかしながら、上述したように、動作点OP7は、PVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。これは、当該動作点OP7のゼロ交差ZC2自体が識別されておらず、以前のゼロ交差ZC(ゼロ交差ZC1)以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値を通過してない(例えば、ゼロ交差ZC1は、動作点OP7においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲内である)ためである。
【0056】
図16Hに示すように、二次導関数値SD8がフィルタウィンドウ1600の負の電流軸閾値1402B値を超えるために、ゼロ交差ZC3は、動作点OP8に関連して制御回路516によって決定され得る。更に、ゼロ交差ZC3は、二次導関数値SDが二次導関数値SD7における正の値から二次導関数値SD8における負の値に変化しているので、ゼロ交差ZCと見なされ得る。したがって、二次導関数値SD7は正であり得、二次導関数値SD8は負であり得る。しかしながら、上述したように、動作点OP8は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。これは、当該動作点OP8のゼロ交差ZC3自体が識別されておらず、以前のゼロ交差ZC(例えば、ゼロ交差ZC2)以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値を通過していない(例えば、以前のゼロ交差ZC2は、動作点OP8においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲内であり、第1のゼロ交差ZC1はまた、動作点OP8においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲内である)ためである。
【0057】
図16Iでは、動作点OP9は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ないことが示されている。二次導関数値SD9は、フィルタウィンドウ1600の電流軸閾値1402A、1402B内であり、それ自体はゼロ交差ZCと見なされず、以前のゼロ交差ZCが識別されている(例えば、ゼロ交差ZC3、ZC2、ZC1)が、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない(例えば、以前のゼロ交差ZC3は、動作点OP9においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値内であり、第1のゼロ交差ZC1及び第2のゼロ交差ZC2も同様である)。
【0058】
同様に、図16Jに示すように、動作点OP10は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。二次導関数値SD10は、フィルタウィンドウ1600の電流軸閾値1402A、1402B内であり、それ自体はゼロ交差ZCと見なされず、以前のゼロ交差ZCが識別されている(例えば、ゼロ交差ZC3、ZC2、ZC1)が、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない(例えば、以前のゼロ交差ZC3は、動作点OP9においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値内であり、第2のゼロ交差ZC2も同様である)。
【0059】
同様に、図16Kに示すように、動作点OP11は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ない。二次導関数値SD11は、フィルタウィンドウ1600の電流軸閾値1402A、1402B内であり、それ自体はゼロ交差ZCと見なされず、以前のゼロ交差ZCが識別されている(例えば、ゼロ交差ZC3、ZC2、ZC1)が、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値をまだ通過していない(例えば、以前のゼロ交差ZC3は、動作点OP9においてフィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値内であり、第2のゼロ交差ZC2も同様である)。
【0060】
図16Lでは、動作点OP12は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得ることが示されている。二次導関数値SD12は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B内であり、それ自体はゼロ交差ZCと見なされ得ず、以前のゼロ交差ZCが以前に識別されており(例えば、ゼロ交差ZC3、ZC2、ZC1)、当該以前のゼロ交差ZC以降の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値を通過している(例えば、以前のゼロ交差ZC3は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸閾値1502の値の範囲を超えており、第1のゼロ交差ZC1及び第2のゼロ交差ZC2も同様である)。したがって、動作点OP12は、PVモジュール502の動作点OPを設定するようにゼロ交差ZCを選択するために制御回路516によって使用され得る。制御回路516は、以前のゼロ交差ZCに関連する動作点OP(例えば、ゼロ交差ZC3に関連する動作点OP8)を選択し得る。したがって、PVモジュール502の動作点OPは、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OP8として設定され得、これは、以前のゼロ交差ZC3に関連する動作点OPである。PVモジュール502の動作点として動作点OP8を選択することは、PVモジュール502の太陽電池600の全て(例えば、遮光された太陽電池600及び遮光されていない太陽電池600)が負電圧ではなく正電圧を生成していることを確実にするように助け得、PVモジュール502内のホットスポットの防止を助け得る。PVモジュール502の動作点として動作点OP8を選択することはまた、選択されるゼロ交差ZCがPVモジュールのI-V曲線1002の変曲点IPに比較的近いことを確実にするように助け得る。
【0061】
ここで図1を参照すると、図1は、制御回路516の状態を制御するための例示的な方法を示しており、制御回路516は、動作点OPが最大電力点アルゴリズムを使用して決定される電力点動作モードから、動作点OPがホットスポット軽減アルゴリズムを使用して決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止するホットスポット軽減動作モードに切り替わるべき時点を決定するために使用され得る。
【0062】
ステップ102において、制御回路516は、(例えば、当日の始まりに、太陽がPVモジュールに著しい影響を及ぼし始めるときに、PVモジュール502によって十分な電力が生成されるときに)起動動作を実行して、動作を開始し得る。
【0063】
ステップ104において、制御回路516は、大域的ピーク検索を実行して、PVモジュール502に関連する電力曲線(例えば、P-V曲線又はP-I曲線)内の最大電力ピークを検索し得る。ピーク検索は、比較的低周波数のサンプリング(例えば、測定間の比較的大きいステップを伴う、例えば、測定間の比較的大きいデューティステップを使用する、比較的低分解能の掃引)を用いて行われ得る。
【0064】
ステップ106において、制御回路516は、PVモジュール502に関連する電力ピークの電力曲線(例えば、P-V曲線又はP-I曲線)をスキャンし得る。例えば、図17A及び図17Bに示すように、電力曲線(例えば、P-V曲線)は、最大電力ピークに加えて複数の電力ピークを有し得る。最大電力ピークは、大域的最大電力ピークと見なされ得、他の電力ピークは、局所的最大電力ピークと見なされ得る。いくつかの例では、電力モジュール506がバイパスダイオードBDを有さない場合、電力曲線(例えば、P-V曲線)は、複数の電力ピークを有し得ない。
【0065】
ステップ108において、制御回路516は、PVモジュール502に関連する電力曲線(例えば、P-V曲線)に複数の電力ピークが存在するか否かを判定し得る。電力曲線(例えば、P-V曲線)における複数の電力ピークは、(例えば、太陽電池ストリング602の1つ以上の太陽電池600の遮光に起因して)PVモジュールの1つ以上の太陽電池ストリング602をバイパスするために順バイアスで動作するバイパスダイオードBDによって引き起こされ得る。制御回路516が、電力曲線内に複数の電力ピークは存在しないと判定する場合、制御回路516は、ステップ110に進んでよい。制御回路516が、電力曲線内に複数の電力ピークは存在すると判定する場合、制御回路516は、ステップ120に進んでよい。
【0066】
ステップ110において、制御回路516は、PVモジュール502によって生成された電力が十分か否かを判定し得る。制御回路516が、十分な電力は存在しないと判定する場合、制御回路516は、ステップ122に進んでよい。制御回路516が、十分な電力が存在すると判定する場合、制御回路516は、ステップ112に進んでよい。
【0067】
ステップ122において、制御回路516は、シャットダウン動作を(例えば、1日の終わりに、又は比較的大量の日陰があるとき、太陽がPVモジュールに著しい影響を及ぼさなくなったときに、及び十分な電力がPVモジュール502によって生成されないときに)実行して、動作を終了し得る。
【0068】
ステップ112において、制御回路516は、最大電力点アルゴリズムを使用して動作点OPが決定される、最大電力点追跡(MPPT)動作モードで動作し得る。MPPT動作モードで使用され得るMPPTアルゴリズムのいくつかの例としては、山登り法(Perturb and Observe、P&O)、増分コンダクタンス(Incremental Conductance、Inc.Con.)、微分法、曲線あてはめ、開回路電圧PV発電器法、短絡PV発電器法などが挙げられる。制御回路516は、ステップ112からステップ114に進んでよい。
【0069】
ステップ114において、制御回路516は、大域的ピークタイマに到達したか、又はそれを超えたか否かを判定し得る。制御回路516が、大域的ピークタイマに到達したか又はそれを超えたと判定する場合、制御回路516は、ステップ104に進んで、上述のように大域的ピーク検索を行い得る。制御回路516が、大域的ピークタイマは十分な電力に達していないか、又はそれを超えていないと判定する場合、制御回路516は、ステップ116に進んでよい。
【0070】
ステップ116において、制御回路516は、ホットスポットタイマに到達したか、又はそれを超えたか否かを判定し得る。制御回路516が、ホットスポットタイマに到達したか、又はそれを超えたと判定する場合、制御回路516は、ステップ112に進んで、上述のようにMPPT動作モードで動作し得る。制御回路516が、ホットスポットタイマに到達したか、又はそれを超えたと判定する場合、制御回路516は、ステップ118に進み得る。
【0071】
ステップ118において、制御回路516は、I-V曲線の二次導関数においてホットスポット又はゼロ交差が見出されたか否かを判定し得る。制御回路516が、I-V曲線の二次導関数においてホットスポット又はゼロ交差が見出されたと判定する場合、制御回路516は、ステップ120に進み、ホットスポット動作モードで動作し得る。制御回路516が、I-V曲線の二次導関数においてホットスポット又はゼロ交差が見出されたと判定する場合、制御回路516は、ステップ112に進んで、上述のようにMPPT動作モードで動作し得る。
【0072】
ステップ120において、制御回路516は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OPが決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止する、ホットスポット軽減動作モードで動作し得る。ステップ120において、制御回路516は、PVモジュール502に関連するI-V曲線の二次導関数においてゼロ交差ZCの検索を実行し得る。ゼロ交差検索は、比較的高周波数のサンプリング(測定間の比較的小さいステップを伴う、例えば、測定間の比較的小さいデューティステップを使用する、比較的高分解能の掃引)を用いて行われ得る。制御回路516は、ステップ120からステップ114に進んでよい。
【0073】
例えば、ホットスポットタイマ閾値は、大域的ピークタイマ閾値よりも大きくてよい。換言すると、制御回路516は、(ステップ108において複数の電力ピークが識別されず、ステップ118においてI-V曲線の二次導関数におけるホットスポット又はゼロ交差が見出されなかったと仮定して)タイマのみに基づいて、ホットスポット動作モードよりも頻繁に、MPPT動作モードから大域的ピーク検索動作モードに切り替わり得る。いくつかの例では、制御回路516が、ホットスポットタイマに到達したか、又はそれを超えたと判定する場合、制御回路516は、ステップ116からステップ120へと直接進んでよい。
【0074】
ここで図2を参照すると、図2は、ホットスポット軽減動作モードの制御回路516によって使用されるホットスポット軽減アルゴリズムを使用してPVモジュール502の動作点OPを設定するための方法を示し、ホットスポット軽減動作モードでは、動作点OPが、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止する。図2の方法は、図1のステップ120の一部であり得る。
【0075】
ステップ202において、第1の時間(t)の所与のデューティサイクルに対する動作点OPが、制御回路516によって取得され得る。例えば、1つ以上のセンサは、PVモジュール502の出力に関連する電気パラメータ値を決定するために使用され得、データは、1つ以上のセンサから制御回路516に提供され得る。時間(t)の動作点OPは、時間(t)の出力電流Iout及び時間(t)の出力電圧Voutを含み得る。取得された動作点は、本明細書ではデータ点とも呼ばれ得る。制御回路516は、PVモジュール502に関する複数のデータ点を複数回受信するように構成され得る。
【0076】
ステップ204において、制御回路516は、ステップ202の将来の実行で使用されるデューティサイクルパラメータをインクリメントし得る。デューティサイクルパラメータのインクリメントは、次にステップ202が実行されるときに取得される測定値について、電流を上げ、電圧を下げて、図16Aに示す矢印1602の方向で右から左へとI-V曲線の上方に動作点OPを移動させるために行われ得る。
【0077】
ステップ206では、制御回路516は、インクリメントされたデューティサイクルパラメータがデューティサイクル閾値未満であるか否かを判定し得る。インクリメントされたデューティサイクルパラメータがデューティサイクル閾値未満であると制御回路516が判定する場合、制御回路516は、ステップ208に進んでよい。インクリメントされたデューティサイクルパラメータがデューティサイクル閾値よりも大きいと制御回路516が判定する場合、制御回路516は、ステップ218に進んでよい。
【0078】
ステップ208では、制御回路516は、3つの異なる動作点OPの電流及び電圧測定値のうちの少なくとも3つの測定値をもたらす、ステップ202の少なくとも3回の反復があったか否かを判定し得る。動作点OPの二次導関数値SDを計算するために、少なくとも3つの測定値が使用され得、その一例を図3を参照して以下に示す。制御回路516が、動作点OPの少なくとも3つの測定値(電流値及び電圧値のセット、例えば、PVモジュール502のI-V曲線上のVout、Iout)をもたらす、ステップ202の少なくとも3回の反復があったと判定する場合、制御回路516は、ステップ210に進んでよい。制御回路516が、動作点OPの少なくとも3つの測定値(電流及び電圧セット)をもたらす、ステップ202の少なくとも3回の反復がまだ存在していないと判定する場合、制御回路516は、ステップ202に戻り、1つ以上の追加の時間(t+1、t+2など)の追加の測定値を取得し得、例えば、制御回路516は、PVモジュール502に関連する追加のデータ点を受信し得る。
【0079】
ステップ210において、制御回路516は、所与の時間(t)についてPVモジュール502のI-V曲線1002上の動作点OPの二次導関数値SDを計算し得る。制御回路516は、任意の適切な方法を使用して、二次導関数値SDを計算し得る。例えば、制御回路516は、動作点OP(電流及び電圧セット)の1つ以上の以前に取得された測定値を使用し得る。例えば、制御回路516は、所与の期間(t)及び少なくとも2つの他の以前の時間(t-1、t-2)の測定値(例えば、少なくとも合計3回の測定値)を使用し得る。上述したように、二次導関数を計算する例は、図3を参照して以下に示す。制御回路516は、複数の時間に対する複数のデータ点に基づいて、複数の導関数を計算するように構成され得る。
【0080】
ステップ212において、制御回路516は、二次導関数値SDが、フィルタウィンドウ1600の一部であり得る、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B値よりも大きいか否かを判定し得る。制御回路516が、二次導関数値SDは、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B値よりも大きいと判定する場合、制御回路516は、ステップ214に進んでよい。制御回路516が、二次導関数値SDは、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B値よりも大きくないと判定する場合、制御回路516は、ステップ220に進んでよい。
【0081】
ステップ214において、制御回路516は、二次導関数I”-V曲線1004内にゼロ交差ZCが存在したか否かを判定し得る。例えば、制御回路516は、二次導関数値SDの符号が、以前の二次導関数値SDと比較して(例えば、以前の時間(t-1)の二次導関数値SDと比較して)変化した(例えば、正から負に、又は負から正になった)か否かを判定し得る。制御回路516が、以前の時間の二次導関数値SDと現在の時間の二次導関数値との間にゼロ交差は存在したと判定する場合、制御回路516は、ステップ216に進んでよい(例えば、それら2つの期間の二次導関数値SDは異なる符号を有し、一方は、正であり、一方は、負である)。制御回路516が、以前の時間の二次導関数値SDと現在の時間の二次導関数値SDとの間にゼロ交差は存在しなかったと判定する場合、制御回路516は、ステップ202に戻り(例えば、それら2つの時間の二次導関数値SDが同じ符号を有する、つまり両方が正である、又は両方が負であるとき)、1つ以上の追加の時間(t+1、t+2など)について追加の測定値を取得し得る。制御回路516は、複数の時間に対する複数の導関数に基づいてゼロ交差を判定するように構成され得る。
【0082】
ステップ216において、制御回路516は、ゼロ交差ZCに関連するデータを記憶し得る。例えば、制御回路516は、コンピュータメモリのデータ記憶装置にデータを記憶するようにプロセッサを制御し得る。例えば、制御回路516は、動作点OPに関連するデータを記憶するようにプロセッサを制御し得る。例えば、データとしては、所与の動作点OPについてゼロ交差ZCが存在したことを示すデータ、当該動作点OPに関連するデューティサイクル値、当該動作点OPに関連する電流値、当該動作点OPに関連する電圧値、当該動作点OPに関連する時間又はタイムスタンプ、当該動作点OPに関連する二次導関数値などが挙げられ得る。制御回路516は、次いで、ステップ202に戻り、1つ以上の追加の時間(t+1、t+2など)の追加の測定値を取得し得る。
【0083】
上述したように、ステップ206において、インクリメントされたデューティサイクルパラメータがデューティサイクル閾値よりも大きいと制御回路516が判定する場合、制御回路516は、ステップ218に進んでよい。
【0084】
ステップ218において、制御回路516は、少なくとも1つのゼロ交差ZCが存在したか否かを判定し得る。例えば、制御回路516はプロセッサを制御して、ホットスポットアルゴリズムの以前の時間(例えば、t-1、t-2、t-3など)中にコンピュータメモリのデータ記憶装置に以前に記憶したデータにアクセスし得る。制御回路516が、少なくとも1つの以前のゼロ交差ZCは存在しなかったと判定する場合、制御回路516は、ステップ230に進んでよい。制御回路516が、以前の時間に少なくとも1つの以前のゼロ交差ZCが存在したと判定する場合、制御回路516は、ステップ240に進んでよい。
【0085】
ステップ230において、制御回路516は、以前の時間の前の動作点OPに関するデータに従って、PVモジュール520の動作点OPを設定し得る。例えば、制御回路516はプロセッサを制御して、以前の時間中にコンピュータメモリのデータ記憶装置に以前に記憶したデータにアクセスし得る。例えば、制御回路516はプロセッサを制御して、ステップ204におけるインクリメントの前に、デューティサイクルパラメータ値に関連するデータにアクセスし得る。例えば、制御回路516は、電力デバイス504の電力変換回路700の1つ以上のスイッチを制御して、電力デバイス504のデューティサイクルを制御することによってPVモジュール502の出力電力を設定し得る。
【0086】
ステップ240において、制御回路516は、以前のゼロ交差ZCに関連するデータに従って、PVモジュール502の動作点OPを設定し得る。例えば、制御回路516はプロセッサを制御して、以前の時間中にコンピュータメモリのデータ記憶装置に以前に記憶したデータにアクセスし得る。例えば、制御回路516は、電力デバイス504の電力変換回路700の1つ以上のスイッチを制御して、電力デバイス504のデューティサイクルを制御することによってPVモジュール502の動作点(出力電圧及び出力電流)を設定し得る。電力デバイス504は、制御回路516が、電力デバイス504のデューティサイクルを制御することによって、電力デバイス504に入力されるPVモジュール502の出力電圧を制御し得るように、実質的に固定出力電圧を有し得る。
【0087】
上述のように、ステップ212において、制御回路516が、二次導関数値SDは、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402B値よりも大きくないと判定する場合、制御回路516は、ステップ220に進んでよい。
【0088】
ステップ220において、制御回路516は、少なくとも1つの以前のゼロ交差ZCが存在したか否かを判定し得る。例えば、制御回路516はプロセッサを制御して、以前の時間中にコンピュータメモリのデータ記憶装置に以前に記憶したデータにアクセスし得る。制御回路516が、少なくとも1つの以前のゼロ交差ZCは存在しなかったと判定する場合、制御回路516は、ステップ222に進んでよい。制御回路516が、以前の時間に少なくとも1つの以前のゼロ交差が存在したと判定する場合、制御回路516は、ステップ224に進んでよい。
【0089】
ステップ222において、制御回路516は、所与の時間において動作点OPのデューティサイクルについて電力の減少が存在したか否かを判定し得る。例えば、制御回路516は、プロセッサを制御して、以前の時間中にコンピュータメモリのデータ記憶装置に以前に記憶したデータにアクセスし、以前の時間におけるPVモジュール502の出力電力を比較して、現在の時間における出力電力が以前の時間における電力未満であるか否かを確認し得る。現在の時間における出力電力が以前の時間における出力電力よりも大きい場合、PVパネル502の最大電力点MPCをまだ通過していない。現在の時間における出力電力が以前の時間における出力電力未満である場合、PVパネル502の最大電力点MPCを通過したことを示し得る。例えば、図10及び図11に示すように、Vout=VOC、Iout=0である動作点から始まり、Vout=0、Iout=ISCである動作点に向かって移動すると、出力電力は、電力曲線(例えば、P-V曲線1102)上のMPC点において最大電力に達するまで増加する。出力電力が減少する場合、これは、I-V曲線1002上の変曲点IPを検出せずに通過したこと、又はI-V曲線1002上に変曲点IPが存在しないことを示し得る。制御回路516が、前の時間における電力から現在の時間における電力への電力の減少が存在しなかったと判定する場合、制御回路516は、ステップ202に戻り、1つ以上の追加の時間(t+1、t+2など)の追加の測定値を取得し得る。制御回路516が、前の時間における電力から現在の時間における電力への電力の減少が存在したと判定する場合、制御回路516は、ステップ230に進み、前の動作点OPに関連するデータに従って(例えば、ステップ204におけるインクリメントの前の以前の時間のデューティサイクルを使用して)PVモジュール502の動作点OPを設定し得る。
【0090】
上述のように、ステップ220において、制御回路516が、以前の時間に少なくとも1つの以前のゼロ交差が存在したと判定する場合、制御回路516は、ステップ224に進んでよい。
【0091】
ステップ224において、制御回路516は、フィルタウィンドウ1600の一部であり得る電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値を(例えば、現在の動作点OPの電圧と以前に決定されたゼロ交差ZCに関連する動作点OPの電圧との間で)通過したかどうかを決定し得る。制御回路516が、電圧差値は電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値よりも大きいと判定する場合、制御回路516はステップ240に進み、以前のゼロ交差ZCに関連するデータに従ってPVモジュール502の動作点OPを設定し得る。制御回路516が、電圧差値は電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値よりも大きくないと判定する場合、制御回路516は、ステップ202に戻り、1つ以上の追加の時間(t+1、t+2など)の追加の測定値を取得し得る。
【0092】
PVモジュール502の動作点OPは、変曲点IPの比較的近くに、二次導関数におけるゼロ交差ZCに従って設定されて、PVモジュール502の太陽電池600の全てが正電圧を生成することを確実にするように助け、PVモジュール502におけるホットスポットを防止し得る。ホットスポット動作モードは、ホットスポットアルゴリズムがPVモジュール502内のホットスポットを防止することができ、いずれの太陽電池600も負電圧を生成し得ないため、バイパスダイオードBDの必要性を排除することができる。制御回路516は、1つ以上の決定されたゼロ交差ZCに基づいて、PVモジュール502の動作点OPを設定するように構成され得る。
【0093】
ここで図3を参照すると、図3は、ホットスポット軽減動作モードの制御回路516によって使用されるホットスポット軽減アルゴリズムを使用して二次導関数値SDを計算するための方法を示し、ホットスポット軽減動作モードでは、動作点OPが、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止する。図3の方法は、図2のステップ210の一部であり得る。
【0094】
ステップ302において、所与の時間(t)の総二次導関数電流値を計算し得る。上述したように、二次導関数を計算する方法300は、3つの異なる時間の少なくとも3つの測定値の取得後に行われ得る。例えば、時間(t)の総二次導関数電流値は、式1を用いて、第2の前の時間(t-1)よりも前の第1の以前の時間(t-2)(例えば、時間(t-2)は、時間[t]から2期間前であり、時間[t-1]は、時間[t]から1期間前である)に取得された電流と、所与の時間(t)の前の第2の以前の時間(t-1)に取得された電流のマイナス2倍と、所与の期間(t)における電流と、を加算することにより計算され得る。
式1:Isd=I(t-2)-2I(t-1)+I(t)
【0095】
ステップ304において、所与の時間(t)の総二次導関数電圧値を計算し得る。上述したように、二次導関数を計算する方法300は、3つの異なる時間の少なくとも3つの測定値の取得後に行われ得る。例えば、時間(t)の総二次導関数電圧値は、式2を用いて、第2の以前の時間(t-1)に得られた電圧と、所与の期間(t)のマイナスの電圧と、を加算することによって計算され得る。
式2:Vsd=V(t-1)-V(t)
【0096】
ステップ306において、所与の時間(t)の二次導関数値SDが計算され得る。例えば、時間(t)の二次導関数値SDは、式3を使用して、総二次導関数電流値Isd(例えば、ステップ302から決定される)を総二次導関数電圧値Vsd(例えば、ステップ304から決定される)で除することによって計算され得る。
式3:SD=I”=Isd/Vsd。
【0097】
式4は、式3と式1及び式2とを組み合わせることによって導出される。
式4:
【0098】
【数1】
【0099】
方法200は、方法300のステップ306の後に、図2のステップ212へと続いてよい。
【0100】
図16A図16L図2、及び図3を参照して、ホットスポット軽減動作モードの制御回路516によって使用されるホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点を設定する例を示し、ホットスポット軽減動作モードでは、動作点OPが、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止する。
【0101】
第1の時間(t1)については、図16Aに示すように、PVモジュール502の第1の動作点OP1の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよいが、時間の総数が3未満であるため、制御回路516は、ステップ208からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0102】
第2の時間(t2)については、図16Bに示すように、PVモジュール502の第2の動作点OP2の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよいが、時間の総数が3未満であるため、制御回路516は、ステップ208からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0103】
第3の時間(t3)については、図16Cに示すように、PVモジュール502の第3の動作点OP3の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3に等しく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD3=SD(t3)=[I(t1)-2I(t2)+I(t3)]/[V(t2)-V(t3)]を使用して、二次導関数値を(例えば、上述の図3に示すように)計算する。二次導関数値SD3は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の正の電流軸閾値1402Aよりも大きいので、制御回路516は、ステップ212からステップ214に進んでよいが、以前の二次導関数値SDが存在しなかったために、二次導関数値SDは、前の二次導関数値SDから符号を変化させず、したがって、ゼロ交差ZCが決定されず、制御回路516は、ステップ214からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0104】
第4の時間(t4)については、図16Dに示すように、PVモジュール502の第4の動作点OP4の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD4=SD(t4)=[I(t2)-2I(t3)+I(t4)]/[V(t3)-V(t4)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算する。二次導関数値SD4は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402Bよりも大きいため、制御回路516は、ステップ212からステップ214に進んでよい。二次導関数値SD4の符号が以前の二次導関数値SD3から変化した(正から負になった)ので、第4の動作点OP4に関連する第4の時間(t4)について決定されたゼロ交差ZC1が存在し、制御回路516は、ステップ214からステップ216に進んで、第4の動作点OP4に関連するゼロ交差ZC1に関連するデータ(例えば、ゼロ交差の表示、動作点値、電圧値、電流値、タイムスタンプ、デューティサイクル値など)を記憶し、ステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0105】
第5の時間(t5)については、図16Eに示すように、PVモジュール502の第5の動作点OP5の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD5=SD(t5)=[I(t3)-2I(t4)+I(t5)]/[V(t4)-V(t5)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算する。二次導関数値SD5は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402B未満であるため、制御回路516は、ステップ212からステップ220に進んでよい。少なくとも1つの以前のゼロ交差ZC(例えば、動作点OP4に関連する以前の時間[t4]のゼロ交差ZC1)が存在したので、制御回路516は、ステップ220からステップ224に進んでよい。以前のゼロ交差ZC1は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値内である(電圧差値、すなわち、ゼロ交差ZC1に関連する動作点OP4の電圧と動作点OP5の電圧との間の差が、電圧軸閾値1502の値よりも大きくない)ので、制御回路516は、ステップ224からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0106】
第6の時間(t6)については、図16Fに示すように、PVモジュール502の第6の動作点OP6の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD6=SD(t6)=[I(t4)-2I(t5)+I(t6)]/[V(t5)-V(t6)]を使用して、二次導関数値を(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD6は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402Bよりも大きいので、制御回路516は、ステップ212からステップ214に進んでよいが、二次導関数値SD6は、前の二次導関数値SD5から符号を変化させなかった(例えば、二次導関数値SD6は、二次導関数値SD5と同じ符号を有する)ため、ゼロ交差ZCが決定されず、制御回路516は、ステップ214からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得する。
【0107】
第7の時間(t7)については、図16Gに示すように、PVモジュール502の第7の動作点OP7の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD7=SD(t7)=[I(t5)-2I(t6)+I(t7)]/[V(t6)-V(t7)]を使用して、二次導関数値を(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD7は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の正の電流軸閾値1402Aよりも大きいため、制御回路516は、ステップ212からステップ214に進んでよい。二次導関数値SD7の符号が以前の二次導関数値SD6から変更された(負から正になった)ので、第7の動作点OP7に関連する第7の時間(t7)について決定されたゼロ交差ZC2が存在し、制御回路516は、ステップ214からステップ216に進んで、第7の動作点OP7に関連するゼロ交差ZC2に関連するデータ(例えば、ゼロ交差の表示、動作点値、電圧値、電流値、タイムスタンプ、デューティサイクル値など)を記憶し、ステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0108】
第8の時間(t8)については、図16Hに示すように、PVモジュール502の第8の動作点OP8の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。期間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD8=SD(t8)=[I(t6)-2I(t7)+I(t8)]/[V(t7)-V(t8)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD8は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402Bよりも大きいため、制御回路516は、ステップ212からステップ214に進んでよい。二次導関数値SD8の符号が以前の二次導関数値SD7から変更された(正から負になった)ので、第8の動作点OP8に関連する第8の時間(t8)について決定されたゼロ交差ZC3が存在し、制御回路516は、ステップ214からステップ216に進んで、第8の動作点OP8に関連するゼロ交差ZC3に関連するデータ(例えば、ゼロ交差の表示、動作点値、電圧値、電流値、タイムスタンプ、デューティサイクル値など)を記憶し、ステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得し得る。
【0109】
第9の時間(t9)については、図16Iに示すように、PVモジュール502の第9の動作点OP9の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD9=SD(t9)=[I(t7)-2I(t8)+I(t9)]/[V(t8)-V(t9)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD9は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402B未満であるため、制御回路516は、ステップ212からステップ220に進んでよい。少なくとも1つの以前の(例えば、動作点OP8、OP7、及びOP4の)ゼロ交差ZCが存在したので、制御回路516は、ステップ220からステップ224に進む。以前のゼロ交差ZC3は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値内である(例えば、電圧差値、すなわち、ゼロ交差ZC3に関連する動作点OP8の電圧と動作点OP9の電圧との間の差が、電圧軸閾値1502の値よりも大きくない)ので、制御回路516は、ステップ224からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得する。
【0110】
第10の時間(t10)は、第4の時間(t4)及び第9の時間(t9)と同様である。第10の時間(t10)については、図16Jに示すように、PVモジュール502の第10の動作点OP10の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD10=SD(t10)=[I(t8)-2I(t9)+I(t10)]/[V(t9)-V(t10)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD10は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の正の電流軸閾値1402A未満であるため、制御回路516は、ステップ212からステップ220に進んでよい。少なくとも1つの以前の(例えば、動作点OP8、OP7、及びOP4の)ゼロ交差ZCが存在したので、制御回路516は、ステップ220からステップ224に進む。以前のゼロ交差ZC3は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値内である(例えば、電圧差値、すなわち、ゼロ交差ZC3に関連する動作点OP8の電圧と動作点OP10の電圧との間の差が、電圧軸閾値1502の値よりも大きくない)ので、制御回路516は、ステップ224からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得する。
【0111】
第11の時間(t11)は、第10の時間(t10)と同様である。第11の時間(t11)については、図16Kに示すように、PVモジュール502の第11の動作点OP11の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD11=SD(t11)=[I(t9)-2I(t10)+I(t11)]/[V(t10)-V(t11)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD11は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402B未満であるため、制御回路516は、ステップ212からステップ220に進んでよい。少なくとも1つの以前の(例えば、動作点OP8、OP7、及びOP4の)ゼロ交差ZCが存在したので、制御回路516は、ステップ220からステップ224に進む。以前のゼロ交差ZC3は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値内である(例えば、電圧差値、すなわち、ゼロ交差ZC3に関連する動作点OP8の電圧と動作点OP11の電圧との間の差が、電圧軸閾値1502の値よりも大きくない)ので、制御回路516は、ステップ224からステップ202に戻って、追加の時間の追加の測定値を取得する。
【0112】
第12の時間(t12)については、図16Lに示すように、PVモジュール502の第12の動作点OP12の値がステップ202において取得され得る。インクリメントされたデューティサイクルは、デューティサイクル閾値未満であり、したがって、制御回路516は、ステップ206からステップ208に進んでよい。時間の総数は3よりも大きく、したがって、制御回路516は、ステップ208からステップ210に進み、式4:SD12=SD(t12)=[I(t10)-2I(t11)+I(t12)]/[V(t11)-V(t12)]を使用して、二次導関数値SDを(例えば、例えば、上述の図3に示すように)計算し得る。二次導関数値SD12は、フィルタウィンドウ1600の電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402B未満であるため、制御回路516は、ステップ212からステップ220に進んでよい。少なくとも1つの以前の(例えば、動作点OP8、OP7、及びOP4の)ゼロ交差ZCが存在したので、制御回路516は、ステップ220からステップ224に進む。以前のゼロ交差ZC3は、フィルタウィンドウ1600の電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値を超えている(電圧差値、すなわち、ゼロ交差ZC3に関連する動作点OP8の電圧と動作点OP12の電圧との間の差が、電圧軸フィルタ1500の電圧軸閾値1502の値よりも大きい)ので、制御回路516は、ステップ224からステップ240に進んで、以前のゼロ交差ZC3に関連するデータに従ってPVモジュール502の動作点OPを設定し得る。ステップ240において、制御回路516は、以前のゼロ交差ZC3に関連するデータに従って、PVモジュール502の動作点OPを設定し得る。例えば、制御回路516は、コンピュータメモリに記憶したデータにアクセスし、PVモジュール502の動作点OPを、以前のゼロ交差ZC3に関連する記憶したデューティサイクル、すなわち、動作点OP8のデューティサイクルに設定し得る。これは、PVモジュール502の太陽電池600の全てが正電圧を生成することを確実にし、PVモジュール502内のホットスポットを防止するように助け得る。動作点OPは、変曲点IPに比較的近い二次導関数におけるゼロ交差ZCに従って設定され得る。ホットスポット動作モードは、ホットスポットアルゴリズムがPVモジュール502内のホットスポットを防止することができ、いずれの太陽電池600も負電圧を生成していないため、バイパスダイオードBDの必要性を排除することができる。
【0113】
ここで図4を参照すると、図4は、制御回路516がPVモジュール502に関連する動作を、動作点OPが最大電力点アルゴリズムを使用して決定される電力点動作モードから、動作点OPがホットスポット軽減アルゴリズムを使用して決定されて、低減された電力出力を生成し、PVモジュール502の過熱を防止するホットスポット軽減動作モードに切り替えるべき時点を決定するための例示的な方法を示す。
【0114】
ステップ402において、制御回路516は、大域的ピーク掃引を実行して、電力曲線(例えば、P-V曲線又は曲線)内の最大電力ピークを検索し得る。ピーク掃引は、比較的低周波数のサンプリング、例えば、測定間の比較的大きいステップを伴う比較的低分解能の掃引を用いて行われ得る。上述したように、電力曲線(例えば、P-V曲線)内の複数の電力ピークは、(例えば、太陽電池ストリング602の1つ以上の太陽電池600の遮光に起因して)PVモジュールの1つ以上の太陽電池ストリング602をバイパスするために順バイアスで動作するバイパスダイオードBDによって引き起こされ得る。
【0115】
ステップ404において、制御回路516は、ピーク掃引において判定した2つ以上のピークが存在するか否かを判定し得る。ピーク掃引において判定したピークが1つのみ存在する場合、制御回路516は、ステップ302に戻ってよい。ピーク掃引において判定した2つ以上のピークが存在する場合、制御回路516は、ステップ306に進んでよい。
【0116】
ステップ406において、制御回路516は、電力点動作モードから、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して動作点OPが決定されるホットスポット軽減動作モードで動作するように変更し得る。あるいは、制御回路516は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して、VOC電圧(Vout=ほぼVmax)付近から開始して、電圧をISC電流に向かって減少させて(Vout=ほぼ0V)、PVモジュール502のI-V曲線の二次導関数におけるゼロ交差を決定することによって、PVモジュール502の動作点OPを決定するように構成され得る。あるいは、制御回路516は、ホットスポット軽減アルゴリズムを使用して、電圧境界点Vout=VBD付近から開始し、VOC電圧に向かって電圧を増加させて(Vout=ほぼVmax)、PVモジュール502のI-V曲線の二次導関数におけるゼロ交差を決定することによってPVモジュール502の動作点OPを決定するように構成され得る。電圧閾値は、ピーク掃引におけるピークの電圧に基づき得る。例えば、電圧閾値は、ピーク掃引において最高電圧を有するピークの電圧に基づき得る。上述したように、電力曲線(例えば、P-V曲線)内の複数の電力ピークは、(例えば、太陽電池ストリング602の1つ以上の太陽電池600の遮光に起因して)PVモジュールの1つ以上の太陽電池ストリング602をバイパスするために順バイアスで動作するバイパスダイオードBDによって引き起こされ得る。いくつかの例では、PVモジュール502又は電力デバイス504内にバイパスダイオードBDが存在しない場合、電力曲線(例えば、P-V曲線)内に複数のピークが存在しないことがある。
【0117】
あるいは、タイマが使用されて、制御回路516が、ホットスポットアルゴリズムを使用してホットスポット動作モードで動作するときを決定し得る。例えば、制御回路516は、通常、MPPTアルゴリズムを使用して最大電力点動作モードで動作するように構成され得るが、複数の電力ピークが検出されるか、又はある時間間隔が経過した(タイマ閾値を満たすか、又は超える)場合、ホットスポット動作モードに切り替わり得る。例えば、タイマ閾値は、制御回路516が、ある時間間隔(例えば、約10~30分毎)の間、ホットスポットアルゴリズムを実行することを確実にし得る。いくつかの例では、制御回路516は、一度に1つのPVモジュール502上でホットスポットアルゴリズムを実行するように構成され得る。制御回路516は、各PVモジュール502がいつホットスポットアルゴリズムを実行するかを調整するように構成され得る。例えば、制御回路516は、直列ストリング514内の第1のPVモジュール502でホットスポットアルゴリズムを実行し、当該直列ストリング514内の他のPVモジュール502は、最大電力点動作モードで動作するように構成され得る。いくつかの例では、制御回路516は、最大電力点追跡動作モードで動作しなくてよく、ホットスポット軽減動作モードで動作してよい。いくつかの例では、PVモジュール及び電力デバイス504は、遮光に起因して1つ以上の太陽電池をバイパスするバイパスダイオードBDを含まなくてよい。ホットスポットアルゴリズムは、制御回路516によって使用されてI-V曲線の二次導関数のゼロ交差に基づいて動作点を設定し得、これにより、バイパスダイオードBD及び/又はMPPTアルゴリズムの必要性を低減し得る。いくつかの例では、PV電源(PVモジュール502及び/又は電力モジュール506)は、バイパスダイオードBDを備えなくてよい。
【0118】
上述したように、PVモジュール502の電力曲線(例えば、P-V曲線)のピーク掃引を実行するときに、制御回路516は、電力曲線(例えば、P-V曲線)が複数のピークを有すると判定し得る。
【0119】
ここで図17A及び図17Bを参照すると、図17Aは、第1のPVモジュール502のP-V曲線1702Aの第1のグラフを示し、図17Bは、第2のPVモジュール502のP-V曲線1702Bの第2のグラフを示す。P-V曲線1702A及びP-V曲線1702Bでは、ピーク掃引において決定され得る複数の電力ピークが存在する。場合によっては、大域的最大値とも呼ばれる最高ピークは、電力曲線(例えば、P-V曲線)内の他のピークよりも大きい電圧であり得る。場合によっては、最高ピーク(大域的最大値)は、電力曲線(例えば、P-V曲線)内の他のピークよりも低い電圧であり得る。図17Aの例では、最高ピークP2A(大域的最大値GM1)は、電圧V1Aにおける他のピークP1Aよりも大きい電圧V2Aであり得る。図17Bの例では、最高ピークP1B(大域的最大値GMB)は、電圧V2Bにおける他のピークP2Bよりも小さい電圧V1Bであり得る。各ピークP1A、P2A、P2B、P2Bは、局所的最大値LMと呼ばれることもある。ピーク検索で複数のピークが見出された場合、制御回路516は、ホットスポット動作モードで動作し、ホットスポットアルゴリズムを実行してPVモジュール502の動作点OPを設定するように構成され得る。いくつかの例では、制御回路516は、ホットスポットアルゴリズムを実行して、上述したようにPVモジュール502の合成I-V曲線1002を上昇させるのではなく、このI-V曲線を下降させるように構成され得る。例えば、制御回路516は、電圧境界点VBDにおいて開始し、VOC電圧点に向かってI-V曲線を下方に移動させるホットスポットアルゴリズムを実行するように構成され得る。したがって、制御回路516は、デューティサイクルが毎回減少する(例えば、異なる時間のホットスポットアルゴリズムにおける動作点OPごとに出力電流Ioutが減少し、出力電圧Voutが増加する)ように、ホットスポットアルゴリズムを実行するように構成され得る。そのような例では、制御回路516によって使用される電圧境界点VBDは、ピークが大域的最大値であるか否かにかかわらず、最大電圧を有するピークであり得る。したがって、図17Aの例では、電圧境界点VBDは、大域的最大値GM1の電圧である電圧V2Aであるが、図17Bの例では、電圧境界点VBDは、大域的最大値ではなく局所的最大値LM2であるピークP2Bの電圧である電圧V2Bである。場合によっては、電圧境界点VBDは、制御回路516がホットスポットアルゴリズムを実行して、V=0電圧点に向かってI-V曲線を上方に移動するように構成されている場合に電圧境界点VBDとして使用されて、ホットスポットアルゴリズムを停止し、電圧境界点VBDよりも低い電圧を有する動作点を設定し得る。いくつかの例では、制御回路516は、電圧境界点VBDを決定するためにI-V曲線の一次導関数を使用するように構成され得る。
【0120】
ここで図18を参照すると、図18は、1つ以上の遮光された太陽電池600及び1つ以上の遮光されていない太陽電池600を含むPVモジュール502の合成I-V曲線1002のグラフの断面1200の拡大図を示す。図18はまた、合成I-V曲線1002に関連する二次導関数I”-V曲線1004のグラフと、PVモジュール502内にホットスポットが存在しないように太陽電池600の全てが正電圧を生成するように維持するようにPVモジュール502の動作点OPを決定するときに考慮するべきゼロ交差ZCを決定するために使用され得る電流軸フィルタ1400と、を含む。図18の例では、制御回路516は、ホットスポットアルゴリズムを実行して、進行時間ごとに取得された測定値に対して、図18に示す矢印1802の方向に、I-V曲線1004上を左から右に進むことによって(例えば、ホットスポットアルゴリズムの各時間にチェックされる動作点OPごとにデューティサイクルを減少させることによってI-V曲線1002を下降させることによって)、二次導関数I”-V曲線1002内の第1のゼロ交差ZC’1を決定するように構成され得る。例えば、PVモジュール502の電力曲線(例えば、P-V曲線)の比較的低分解能のピーク掃引から電力曲線(例えば、P-V曲線1102)内で複数のピークが決定された場合、制御回路516は、電圧閾値境界点VBDを設定し、Vout=VOCの電圧及びIout=約0の電流の動作点OPに向かって右へと移動し得る。したがって、この場合、制御回路516は、デューティサイクルを下げるたびに、PVモジュール502の電流を下げ、電圧を上げるように構成され得る。この例では、制御回路516が、電流軸フィルタ1400を使用して二次導関数値における第1のゼロ交差ZC’1を決定するとき、制御回路516は、関連する動作点をPVモジュール502の動作点OP(例えば、そのゼロ交差ZC’1に関連する動作点OP’5)として設定し得る。
【0121】
図18に示すように、制御回路516は、電圧境界VBDに関連する動作点OPBDからデューティサイクルを減少させ、第1の時間において、図13の動作点OP12と同じであり得る第1の動作点OP’1に進み得る。二次導関数値SD’1は、(例えば、図3の方法を使用して)第1の動作点OP’1について制御回路516によって計算され得る。二次導関数値SD’1は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bの帯域内であるため、第1の動作点OP’1に対してゼロ交差は決定されない。あるいは、例えば、時間の総数が3未満である場合、二次導関数値SD’1は計算され得ない。制御回路516は、デューティサイクルを減少させ、第2の時間において、図13の動作点OP12と同一であり得る、第2の動作点OP’2に進み得る。二次導関数値SD’2は、(例えば、図3の方法を使用して)第2の動作点OP’2について制御回路516によって計算され得る。二次導関数値SD’2は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bの帯域内であるため、第2の動作点OP’2に対してゼロ交差は決定され得ない。あるいは、例えば、時間の総数が3未満である場合、二次導関数値SD’1は計算され得ない。制御回路516は、デューティサイクルを減少させ、第3の時間において、図13の動作点OP10と同一であり得る、第3の動作点OP’3に進み得る。二次導関数値SD’3は、(例えば、図3の方法を使用して)第3の動作点OP’3について制御回路516によって計算され得る。二次導関数値SD’3は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bの帯域内であるため、第3の動作点OP’3に対してゼロ交差は決定されない。制御回路516は、デューティサイクルを減少させ、第4の時間において、図13の動作点OP9と同一であり得る、第4の動作点OP’4に進み得る。二次導関数値SD’4は、(例えば、図3の方法を使用して)第4の動作点OP’4について制御回路516によって計算され得る。二次導関数値SD’4は、電流軸フィルタ1400の電流軸閾値1402A、1402Bの帯域内であるため、第4の動作点OP’4に対してゼロ交差は決定されない。制御回路516は、デューティサイクルを減少させ、第5の時間において、図13の動作点OP8と同一であり得る、第5の動作点OP’5に進み得る。二次導関数値SD’5は、(例えば、図3の方法を使用して)第5の動作点OP’5について制御回路516によって計算され得る。二次導関数値SD’5は、電流軸フィルタ1400の負の電流軸閾値1402Bよりも大きいため、第5の動作点OP’5に対して第1のゼロ交差ZC’1は決定されない。第5の動作点OP’5に対してゼロ交差ZC’1が決定されるため、制御回路516は、低減された電力出力において、PVモジュール502の動作点OPを動作点OP’5に設定して(例えば、動作点OP’5のデューティサイクルを使用して)、太陽電池600の全てが正電圧を生成することを確実にするように助け、PVモジュール502の電流を制限することによってPVモジュール502のホットスポットを防止する。
【0122】
いくつかの例では、各時間において、制御回路516は、デクリメントされたデューティサイクルがデューティサイクル閾値を超えているか否かを判定し得る。図16A図16Lの例と同様に、二次導関数曲線内のゼロ交差に基づいて選択される動作点OPは、合成I-V曲線1002の変曲点IPに比較的近い動作点OP8、OP’5であり得る。図16A図16L及び図18の実施例では、制御回路516は、矢印1602の方向に右から左に進むか、又は矢印1602の方向に左から右に進むかにかかわらず、同一動作点OP8、OP’5を設定し得るが、場合によっては、そこに到達するためにホットスポットアルゴリズムをより少ない回数使用し得る。例えば、図16A図16Lの例では、制御回路516は、12回使用して12個の動作点OP1~OP12をチェックして、動作点OP8をPVモジュール502の動作点として設定し得る。図18の例では、制御回路516は、5回使用して5個の動作点OP’1~OP’5をチェックして、動作点OP’5をPVモジュール502の動作点として設定し得る。しかしながら、図18の例は、PV電源がバイパスダイオードBDを含む場合であり得るのに対して、図16A図16Lの例は、PVモジュール502の遮光を防止するためにPV電源がバイパスダイオードBDを有しない場合であり得る。
【0123】
いくつかの例では、二次導関数I”-V曲線1004は、ノイズを除去するために最初にフィルタ処理され得、次いで、フィルタ処理された二次導関数値は、ゼロ交差が存在した否かを判定するためにチェックされ得、これにより、制御回路516が、変曲点IP(正確なゼロ交差点)に比較的近い動作点OPを設定することが可能になり得る。
【0124】
いくつかの例が上述されているが、それらの例の特徴及び/又はステップは、任意の所望の様態で結合、分割、省略、再配置、改変、及び/又は増強され得る。様々な変更、修正、及び改善が当業者には容易に想起されるであろう。そのような変更、修正、及び改良は、本明細書で明示的には述べられていないが、本説明の一部であることが意図され、本開示の趣旨及び範囲内にあることが意図される。したがって、前述の説明は、例示に過ぎず、限定的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図16I
図16J
図16K
図16L
図17A
図17B
図18
【外国語明細書】