(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096112
(43)【公開日】2024-07-11
(54)【発明の名称】放射蓄熱器を使用する室内温度の制御
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20240704BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20240704BHJP
F24F 11/61 20180101ALI20240704BHJP
F24F 11/84 20180101ALI20240704BHJP
F28D 20/02 20060101ALI20240704BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20240704BHJP
【FI】
F24F5/00 101B
F24F11/65
F24F11/61
F24F11/84
F28D20/02 D
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000283
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/436,374
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーバル バーソン
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA02
3L260BA20
3L260CA12
3L260CB81
3L260EA04
3L260FA02
3L260FB08
3L260FB30
3L260FB47
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つ以上の放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステムを使用して建物の室内温度を制御するように構成され得るシステム及び方法を提供する。
【解決手段】放射を介して部屋を冷房及び/又は暖房するためのヒートポンプシステムを対象とする。ヒートポンプシステムは、室外ユニットと、室内ユニットと、冷媒を含む少なくとも1つのパイプと、を含んでもよい。パイプは、室内ユニットと室外ユニットとの間の流体連通を提供してもよい。室内ユニットは、冷媒から熱を吸収し、その吸収した熱を放射するように構成された放射蓄熱器を備えてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
相変化材料(PCM)を含む放射蓄熱器と、
冷媒を収容するように構成された少なくとも1つのパイプと、を備え、
前記放射蓄熱器は、前記冷媒と部屋との間で熱を伝達するように構成されており、
前記冷媒は、前記少なくとも1つのパイプを介して前記放射蓄熱器に熱的に結合されている、装置。
【請求項2】
前記放射蓄熱器は、放射プレート、1つ以上のフィン、又は前記PCMを収容する本体、のうちの1つ以上を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ユーザインターフェースと、
少なくとも1つの温度センサと、
コントローラであって、
前記少なくとも1つの温度センサを使用して前記部屋の温度を監視することと、
前記ユーザインターフェースを介してユーザ設定を受信することと、
前記部屋の前記温度及び前記ユーザ設定に基づいて、前記放射蓄熱器の動作モードを決定することと、を行うように構成されたコントローラと、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパイプに接続された三方弁を更に備え、前記コントローラは、前記三方弁を動作させて、前記放射蓄熱器と熱交換器との間で冷媒流を制御するように更に構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記放射蓄熱器と前記部屋との間で空気流を導くように構成されたファンを更に備え、前記コントローラは、前記ファンを動作させるように更に構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記PCMは、冷房サイクルに関連付けられる第1の相変化温度と、暖房サイクルに関連付けられる異なる第2の相変化温度と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
システムであって、
室外ユニットと、
部屋の内側の室内ユニットと、
冷媒を含み、前記冷媒を介して前記室内ユニットと前記室外ユニットとの間の流体連通を提供する少なくとも1つのパイプと、を備え、
前記室内ユニットは、放射蓄熱器を備え、前記放射蓄熱器は、相変化材料(PCM)を含み、前記放射蓄熱器は、前記冷媒と前記部屋との間で熱を伝達するように構成されており、前記冷媒は、前記少なくとも1つのパイプを介して前記放射蓄熱器に熱的に結合されている、システム。
【請求項8】
前記放射蓄熱器は、プレート、1つ以上のフィン、又はシリンダ、のうちの1つ以上を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ユーザインターフェースと、
少なくとも1つの温度センサと、
コントローラであって、
前記少なくとも1つの温度センサを使用して前記部屋の温度を監視することと、
前記ユーザインターフェースからユーザ設定を受信することと、
前記部屋の前記温度及び前記ユーザ設定に基づいて、前記室内ユニットの運転モードを決定することと、を行うように構成されているコントローラと、を更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
熱交換器を更に備え、前記熱交換器は、前記熱交換器と前記部屋との間で空気流を導くように構成されたファンを備え、前記コントローラは、前記ファンを動作させるように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記室内ユニットは、前記少なくとも1つのパイプに接続された三方弁を備え、前記コントローラは、前記三方弁を動作させて、前記放射蓄熱器と前記熱交換器との間で冷媒流を制御するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記PCMは、冷房サイクルに関連付けられる第1の相変化温度と、暖房サイクルに関連付けられる異なる第2の相変化温度と、を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステムの暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるための方法であって、前記方法は、
前記暖房モードと前記冷房モードとの間の切替えの将来の時刻を予測することと、
前記放射蓄熱器が配置されている部屋の室温を測定することと、
前記放射蓄熱器が前記室温であるように、前記放射蓄熱器によって蓄えられた熱エネルギーの枯渇に必要な時間量を計算することと、
前記予測された将来の時刻及び前記計算された時間量に基づいて決定された開始時刻において、前記熱エネルギーの前記枯渇を開始することと、
前記予測された将来の時刻において、前記ヒートポンプシステムを前記暖房モードと前記冷房モードとの間で切り替えることと、を含み、
前記放射蓄熱器は、相変化材料(PCM)を含む、方法。
【請求項14】
前記暖房モードと前記冷房モードとの間の前記切替えの前記将来の時刻を前記予測することは、
前記放射蓄熱器が前記室温であるために前記放射蓄熱器によって放出される熱エネルギーの量と、
前記放射蓄熱器と前記部屋との間の熱伝導率と、に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記部屋における前記暖房モードと前記冷房モードとの間の複数の切替え時刻を監視することを更に含み、前記熱エネルギーの前記枯渇に必要な前記時間量は、前記複数の切替え時刻に基づく、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
世界中の多くの住宅は、快適な生活を送るには暑すぎたり寒すぎたりすることがある地域に位置している。今日、建物内部の不快な温度及び/又は環境に対する一般的な解決策は、ヒートポンプであり得る。ヒートポンプは、建物の部屋をそれぞれ冷却又は加熱する冷房サイクル及び暖房サイクルを介して、建物の1つ以上の部屋を所望の温度に維持するために使用されてもよい電子機器である。空調装置は、建物から一方向に熱を移動させる冷房サイクルのみを有する特定のタイプのヒートポンプと考えられ得る。
【0002】
空調装置及びヒートポンプは、建物の内側の壁に取り付けられ、チューブ又はパイプを介して室外ユニットに接続される室内ユニットを備えてもよい。チューブ又はパイプは、室内ユニットと室外ユニットとの間で冷媒を循環させるように構成されてもよく、冷媒は、熱を伝達し、室内ユニット内の空気を冷却又は加熱するために使用される。冷却又は加熱された空気は、ヒートポンプから空調装置の室内ユニット内の通気孔を通って建物の中に移動し得る。あるいは、集中空調システム又は集中ヒートポンプシステムを有する建物は、冷却又は加熱された空気を建物内の1つ以上の異なる部屋に導くように構成されたダクト及び通気孔のシステムを有してもよい。いくつかの空調装置及びヒートポンプは、空気対空気ヒートポンプ技術で動作させてもよく、空気対空気ヒートポンプ技術は、例えば、1つ以上のダクトを使用する、高い壁、低い壁、カセット(天井取付型)、又は床、天井、若しくは壁に配置される通気孔など、様々な様式を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本明細書で開示される様々な概念の簡略化した概要を提示する。この概要は、広範囲にわたる概観ではなく、重要な、又は必須の要素を特定することを、又は特許請求の範囲の範囲を正確に記述することを意図していない。この概要は、本開示を限定又は制約することを意図していない。
【0004】
1つ以上の放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステムを使用して建物の室内温度を制御するように構成され得るシステム及び方法が説明される。ヒートポンプシステムは、室外ユニットと、室内ユニットと、室外ユニットを室内ユニットに接続する少なくとも1つのパイプと、を備えてもよい。パイプは、室内ユニットと室外ユニットとの間で冷媒を移送してもよい。室内ユニットは、1つ以上の放射蓄熱器を備えてもよく、放射蓄熱器は、冷媒との間で(例えば、放射、対流、及び/若しくは伝導によって)熱を伝達する、かつ/又は(例えば、放射、対流、及び/若しくは伝導によって)部屋に熱を伝達するように構成されている。少なくとも1つのパイプは、少なくとも1つのパイプ内の冷媒が放射蓄熱器と熱連通するように、1つ以上の放射蓄熱器と熱的に結合されている(例えば、接触している)。更に、放射蓄熱器は、室内ユニットの周囲との間で(例えば、放射、対流、及び/又は伝導によって)熱を伝達し、冷媒を加熱するように構成されてもよい。
【0005】
ヒートポンプシステムは、ヒートポンプシステムの室外ユニットを除霜するように構成されてもよい。除霜方法は、室外ユニットの温度が閾値温度を超えて上昇するまで、ヒートポンプシステムを暖房モードから冷房モードに切り替えることを含んでもよい。ヒートポンプシステムは、除霜後に冷房モードから暖房モードに切り替えられる。
【0006】
ヒートポンプシステムは、暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるように構成されてもよい。2つのモード間の切替えは、(i)ヒートポンプシステムの暖房モードと冷房モードとの間の切替えの将来の時刻を予測することと、(ii)放射蓄熱器が配置されている部屋の室温を測定することと、(iii)暖房モードにおける放射蓄熱器の第1の温度から室温までの放射蓄熱器の熱エネルギーの枯渇に必要な時間量を計算することと、(iv)予測された将来の時刻と、放射蓄熱器の熱エネルギーの枯渇のための計算された時間量と、に基づいて、開始時刻において、熱エネルギーの枯渇を開始することと、(v)予測された将来の時刻において、ヒートポンプを暖房モードと冷房モードとの間で切り替えることと、を含んでもよい。
【0007】
ヒートポンプシステムは、ユーザインターフェース、少なくとも1つの温度センサ、及び/又はコントローラを含んでもよく、コントローラは、温度センサを使用して温度を監視することと、ユーザインターフェースからユーザ設定を受信することと、ヒートポンプシステムの運転モードを決定することと、を行うように構成されている。少なくとも1つの温度センサは、部屋内に位置付けてもよい。少なくとも1つの温度センサは、室内ユニット内及び/又は室外ユニット内に位置付けてもよい。ヒートポンプは、第2の室内ユニットを含んでもよく、コントローラは、第2の室内ユニットを動作させるように構成されてもよい。
【0008】
システムは、1つ以上の熱交換器を含んでもよく、1つ以上の熱交換器は、空気流を熱交換器から部屋に導くように構成されたファンを含んでもよく、コントローラは、ファンを動作させるように更に構成されてもよい。室内ユニット及び/又は熱交換器は、放射蓄熱器からの空気流を室内に導くように構成された第2のファンを含んでもよく、コントローラは、第2のファンを動作させるように更に構成されている。室内ユニットは、少なくとも1つのパイプに接続された三方弁を含んでもよい。三方弁は、放射蓄熱器と熱交換器との間で冷媒流を制御するように構成されており、コントローラは、三方弁を動作させるように更に構成されている。室内ユニットは、室内ユニットの1つ以上の側面に位置付けられた1つ以上の通気孔を含んでもよく、それによって熱交換器が、室内ユニットから、かつ/又は室内ユニットに、空気流を導くことが可能になる。コントローラは、ヒートポンプシステムを暖房モードから冷房モードに、かつ/又は冷房モードから暖房モードに、切り替えるように構成されてもよい。
【0009】
室内ユニットと室外ユニットとは隣接して配置されてもよい。室内ユニットが部屋の内部に向かって延在し、室外ユニットが部屋の外側に延在するように、システムを部屋の壁に位置付けてもよい。
【0010】
放射蓄熱器は、相変化材料(phase change material、PCM)を含んでもよい。放射蓄熱器は、プレート、1つ以上のフィン、及びシリンダのうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。室内ユニットは、取り外し可能な装飾スリーブを含んでもよい。装飾スリーブは、放射蓄熱器上にクリップ留めするように構成されてもよい。装飾スリーブは、放射蓄熱器を露出させるように構成された1つ以上のスリットを含んでもよい。
【0011】
放射蓄熱器は、(例えば、放射、対流、又は伝導によって)熱を導くように構成された、少なくとも1つの蓄熱部分を含んでもよい。相変化材料は、45~60セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。相変化材料は、-5~10セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。相変化材料は、適合可能な融解温度を含む適合可能な相変化材料であってもよい。相変化材料は、パラフィンワックス、塩、硫黄、カリウム、水、及び/又は赤リンを含んでもよい。相変化材料は、有機物、無機物、又はそれらの組み合わせであってもよい。放射蓄熱器は、異なるタイプの相変化材料の複数の放射蓄熱器構成要素を含んでもよい。
【0012】
ヒートポンプシステムにおいて、放射蓄熱器が1時間で伝達させる(例えば、放射する、搬送する、又は伝導する)エネルギーは、ヒートポンプシステムのエネルギー定格(又は英熱量)の0%~50%の範囲であってもよい。したがって、ヒートポンプシステムからの熱流の約0%~50%が、放射蓄熱器によって提供され得る。
【0013】
本方法は、時計、タイマ、又は屋外温度センサのうちの少なくとも1つに従って、除霜サイクルの必要性を検出することを含んでもよい。将来の切替え時刻の予測は、第1の温度から第2の温度に変化するときに放射蓄熱器によって放出される熱エネルギーの量と、放射蓄熱器と部屋との間の熱伝導率と、に基づいてもよい。本方法は、室内の暖房モードと冷房モードとの間の複数の切替え時刻を監視することと、熱エネルギーの枯渇に必要な時間量を、複数の切替え時刻に基づいて決定することと、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、実施例として説明され、添付の図に限定されるものではなく、図において、類似の参照番号は、類似の要素を示す。
【
図1】室内ユニット及び室外ユニットを備えるヒートポンプシステムの概略図である。
【
図2】室内ユニット及び室外ユニットを備えるヒートポンプシステムの概略図である。
【
図4】冷房サイクル中のヒートポンプシステムの概略図である。
【
図5】暖房サイクル中のヒートポンプシステムの概略図である。
【
図6】除霜サイクル中のヒートポンプシステムの概略図である。
【
図7】複数の放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステムの概略図である。
【
図8】複数の放射蓄熱器を備える別のヒートポンプシステムの概略図である。
【
図9】ヒートポンプシステムの暖房モードと冷房モードとの間で切り替える方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、添付の図面を参照し、図面は、本明細書の一部を形成し、例示として、本開示の様々な実施例が示されている。示されているかつ/又は説明されている実施例は非排他的であり、その他の実施例を実施してもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び機能的な変更を行うことができることを理解されたい。
【0016】
本主題は、構造的な特徴及び/又は方法論的な行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されるものではないことを、理解されたい。むしろ、上に記載した特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実行する例示的な形態として記載される。
【0017】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、1つ以上の放射蓄熱器を備えるヒートポンプを動作させるように構成されてもよい。放射蓄熱器は、ヒートポンプの冷媒から直接熱を受け取り、受け取った熱を(例えば、放射、対流、又は伝導によって)部屋に伝え、それによって部屋を暖房するように構成されてもよい。代替的に又は追加的に、放射蓄熱器は、部屋から熱を受け取り、その熱をヒートポンプの冷媒に直接伝達するように構成されてもよい。ヒートポンプは、空気対空気ヒートポンプであってもよく、したがって、熱伝達の効率を増大させる。あるいは、ヒートポンプは、空気対水ヒートポンプ、地熱源ヒートポンプ、水源ヒートポンプ、太陽熱ヒートポンプなどであってもよい。
【0018】
ヒートポンプは、室外ユニット及び室内ユニットを含んでもよく、室内ユニットは、建物の内側に(例えば、部屋内又は建物内に)配置してもよく、1つ以上の放射蓄熱器を備えてもよい。室内ユニットは、モジュール式及び/又はカスタマイズ可能であってもよく、それによって、建物の暖房及び/又は冷房の必要性に適合する(例えば、より大きい部屋のための、又は極端な気候におけるより小さい部屋のための、より大きい放射蓄熱器など)。放射蓄熱器は、例えば、交換可能なカバーを有することによって、審美的にカスタマイズ可能であってもよい。交換可能なカバーは、既存の設計及び/又は特定の部屋のための特注の設計を含んでもよい。
【0019】
1つ以上の放射蓄熱器は、熱バッファ貯蔵器であってもよい。1つ以上の放射蓄熱器は、内部にエネルギーを蓄えるように構成された材料を含んでもよい。1つ以上の放射蓄熱器は、熱を放射するように構成されてもよい。1つ以上の放射蓄熱器に蓄えられるエネルギーの量は、その中の材料並びに/又は1つ以上の放射蓄熱器中の材料の量(質量、密度及び/若しくは体積)を変化させることによって制御してもよい。1つ以上の放射蓄熱器から放射されるエネルギーの量は、その中の材料並びに/又は1つ以上の放射蓄熱器中の材料の量(質量、密度及び/若しくは体積)を変化させることによって制御してもよい。1つ以上の放射蓄熱器から放射されるエネルギーの量は、1つ以上の放射蓄熱器の近傍の1つ以上のパイプを通って流れる流体の温度を変化させることによって制御してもよい。1つ以上の放射蓄熱器(又は1つ以上の熱バッファ貯蔵器)は、1つ以上のパイプを通って流れる流体と、放射蓄熱器が配置されている(かつ暖房及び/又は冷房するように構成されている)部屋との間の熱バッファであってもよい。
【0020】
室内ユニットは、1つ以上のファンを含む室内熱交換器を含んでもよい。室内熱交換器は、空気が室内ユニットから部屋の側部に向かって導かれるように、室内ユニットからの空気流を導くように構成されてもよく、したがって、空気が部屋の中心に向かって流れることを防止する一方で、(例えば、放射、対流、及び/又は伝導によって)熱を部屋の中心に向かって伝達する。室内ユニットは、室内熱交換器を動作させて制御するように構成された三方弁を含んでもよい。三方弁は、第1の端部において室外ユニットに接続されてもよい。三方弁は、第2の端部において放射蓄熱器に結合されてもよい。三方弁は、第3の端部において室内熱交換器に結合されてもよい。三方弁は、異なる速度で動作させてもよく、それによって、室内熱交換器を使用して(部屋から、かつ/又は部屋へ、並びにヒートポンプ内の冷媒へ、かつ/又は冷媒から)交換される熱の量の制御を可能にする。三方弁は、コントローラを使用して制御してもよく、コントローラは、放射蓄熱器を使用して(部屋の中へ、かつ/又は外に)伝達される熱の量と、室内熱交換器を使用して(部屋の中へ、かつ/又は外に)伝達される熱の量との間の特定の比率を得るために、三方弁を動作させるように構成されてもよい。
【0021】
ここで、室内ユニット104及び室外ユニット106を備えるヒートポンプシステム100の概略図を示す
図1と、室内ユニット204及び室外ユニット206を備える別のヒートポンプシステム200の概略図を示す
図2と、を参照する。ヒートポンプシステム100/200は、温度制御される建物を暖房又は冷房するように構成されてもよい。1つの室内ユニット及び1つの室外ユニットのみが
図1及び
図2に示されているが、建物を暖房又は冷房するために複数の室内ユニット及び/又は室外ユニットが存在してもよい。建物は、アパートの一室、アパート又はその一部、一軒家又はその一部、ビル又はその一部、建物内の部屋、例えば、貯蔵室、オフィス、倉庫、研究所、サーバルーム、商業ビル、ホテル、金庫室などの閉鎖された周辺を含んでもよい。室内ユニット104/204及び/又は室内ユニット104/204の熱伝達装置は、モジュール式、カスタム形状、及び/又はカスタムサイズであってもよい。したがって、室内ユニット104/204及び/又は室内ユニット104/204の熱伝達装置は、室内ユニット104/204が位置する特定の部屋のために構成されたサイズ、形状、及び/又は外側の外観設計を有し得る。
【0022】
室内ユニット104/204は、熱を蓄え、かつ(例えば、放射、対流、又は伝導によって)熱を伝達するように構成された放射蓄熱器110/210を含んでもよい。ヒートポンプシステム100/200は、室内ユニット104/204から室外ユニット106/206に、かつ室外ユニット106/206から室内ユニット104/204に流体を提供するように構成された1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dを含んでもよい。1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、放射蓄熱器110/210と接触していてもよい。したがって、熱は、放射蓄熱器110/210への、かつ/又は放射蓄熱器110/210からの熱の伝達によって、温度制御される領域と室外ユニット106/206との間で伝達され得る。ヒートポンプシステム100/200は、ヒートポンプシステム100/200を動作させる、かつ/又は動作を制御するように構成されたコントローラ140/240を含んでもよい。
【0023】
1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、冷媒を運んでもよい。室内ユニット104/204は、ヒートポンプシステム102/202の冷房サイクル中などに、熱を部屋からパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d内の冷媒に直接伝達するように構成された1つ以上の熱伝達装置を含んでもよい。1つ以上の熱伝達装置は、ヒートポンプシステム100/200の暖房サイクル中などに、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d内の冷媒から室内に熱を直接伝達するように構成されてもよい。1つ以上の熱伝達装置は、熱を吸収し、かつ放出するように構成された放射蓄熱器110/210、及び/又は以下でより詳細に説明する室内熱交換器238を含んでもよい。
【0024】
ヒートポンプシステム100/200は、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d内の冷媒を使用して、室外から部屋に、又は部屋から室外に熱を伝達するように構成されてもよく、それによって、部屋の中に温度制御された領域を作り出す。ヒートポンプシステム100/200は、空気対空気ヒートポンプシステムであってもよい。ヒートポンプシステム100/200は、室外ユニット106/206の周囲の空気から室内ユニット104/204の周囲の空気に熱を伝達するように構成されてもよい。1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、室内ユニット104/204と室外ユニット106/206との間の流体連通を提供する(例えば、冷媒などの流体が流れることを可能にする)ように構成されてもよい。1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、室外ユニット106/206と室内ユニット104/204との間で冷媒を移送してもよい。したがって、1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d内を流れる冷媒は、少なくとも放射蓄熱器110/210からの、かつ少なくとも放射蓄熱器110/210への熱の伝達によって、室外ユニット106/206を取り囲む空気から室内ユニット104/204を取り囲む空気に熱を伝達する。有利なことに、空気対空気ヒートポンプは、空気対水ヒートポンプなどの他のヒートポンプよりも効率的であり得る。空気対空気ヒートポンプを使用することはまた、例えば、水対空気ヒートポンプなどの他のタイプのヒートポンプの熱伝達よりも迅速な熱伝達を提供し得る。
【0025】
室内ユニット104/204は、パイプ208a/208b/108a/108b/208c/208dの少なくともいくつかの部分及び1つ以上の熱伝達装置(例えば、放射蓄熱器110/210)を収容するように構成されたハウジング114/214を含んでもよい。ハウジング114/214は、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d及び1つ以上の熱伝達装置の少なくともいくつかの部分の周りを囲むように構成された複数の壁を含んでもよく、したがってパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d及び1つ以上の熱伝達装置は、建物内の人々には見えない。ハウジング114/214は、美的及び/又は装飾的な外観を含んでもよい。ハウジング114/214は、建物の部屋の壁に溶け込むように、又は建物の部屋を装飾するように構成されてもよい。ハウジング114/214は、取り外し可能な装飾スリーブを含んでもよい。
【0026】
ハウジング114/214は、1つ以上の熱伝達装置(例えば、放射蓄熱器110/210)を収容するように構成されてもよい。ハウジング114/214は、1つ以上の熱伝達装置を収容するように構成された1つ以上の区画を含んでもよい。ハウジング114/214は、1つ以上の熱伝達装置を収容するように構成された1つ以上の凹部を含んでもよい。ハウジング114/214は、放射蓄熱器110/210のカバーを形成してもよい。ハウジング114/214は、1つ以上の壁を含んでもよい。ハウジング114/214の1つ以上の壁の少なくとも一部は、放射蓄熱器110/210と直接接触していてもよい。有利なことに、ハウジング114/214の1つ以上の壁の少なくとも一部を放射蓄熱器110/210に直接接触させることは、放射蓄熱器110/210から部屋への/部屋からのより効率的な熱伝達を可能にし得る。
【0027】
ハウジング114/214の1つ以上の壁は、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dが建物から出て室外ユニット106/206に接続されるための開口部を提供してもよい。放射蓄熱器110/210と直接接触し得るハウジング114/214の1つ以上の壁の少なくとも一部は、熱伝導性であってもよい。放射蓄熱器110/210と直接接触し得るハウジング114/214の1つ以上の壁の少なくとも一部は、ハウジング114/214の1つ以上の壁の残りの部分よりも薄くてもよく、それによって、放射蓄熱器110/210と建物内の部屋との間のより効率的な熱伝達が可能になる。
【0028】
ハウジング114/214の壁は、室内ユニット104/204の内側と室内ユニット104/204の外側(例えば、建物の部屋の内側)との間の流体連通を可能にするように構成された1つ以上の通気孔を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、部屋に向かう空気流が、放射蓄熱器110/210への/放射蓄熱器110/210からの熱の伝達の方向に対して実質的に垂直な角度で導かれるように位置付けられてもよい。1つ以上の通気孔は、1つ以上の開口部を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、空気流を導くように構成されたフィンを含んでもよい。1つ以上の通気孔は、空気が特定の方向なしに室内ユニット104/204から流れ出ることを可能にするように構成されたスロット及び/又は孔を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、1つ以上の室内熱交換器(例えば、室内熱交換器238)の近くに位置付けてもよい。通気孔の数は、室内ユニット内の熱交換器の数に相関してもよい。例えば、ハウジング214は、熱交換器ごとに特定の数の通気孔を含んでもよい。1つ以上の通気孔は、1つ以上の熱交換器の位置に基づいて特定の位置に配置してもよい。
【0029】
例えば、長方形形状のハウジング(例えば、ハウジング114/214)の場合、長方形形状のハウジングは、部屋の壁(壁は、天井及び/若しくは床、又は天井及び/若しくは床に垂直な壁を含み得る)の近くに配置されるように構成された背面を含んでもよい。長方形形状のハウジングの前側は、後側に対向してもよく、右側及び左側は、前側と後側との間に配置されたハウジングの壁であってもよい。したがって、例えば、放射蓄熱器110/210は、前側の壁と直接接触してもよく、1つ以上の通気孔は、ハウジングの任意の他の壁に位置付けられてもよい。
【0030】
ハウジング114/214は、部屋の壁又は壁の凹部に組み込まれるように構成されてもよい。ハウジング114/214の1つ以上の壁の少なくとも一部は、非熱伝導性であってもよく、それによって、室内ユニット104/204のハウジング114/214が部屋の壁に当接して安全に位置連れられることが可能になる。
【0031】
室内ユニット104/204のハウジング114/214は、建物の特定の暖房要件又は冷房要件に従って(例えば、建物内の居住者又は設備の要件に基づいて)修正されることによって、部屋の形状又はサイズに適応するように、又は部屋の内部設計の異なるスタイリングに合わせて変更することができる装飾仕上げを含むように構成される、1つ以上のモジュール部分を含んでもよい。1つ以上のモジュール部分は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、1つ以上の放射蓄熱器110/210を有する複数のハウジングを含んでもよい。
【0032】
次に
図3A及び
図3Bを参照し、これらの図はそれぞれ、放射蓄熱器(例えば、放射蓄熱器110及び120)の断面図及び等角図を示す。
【0033】
放射蓄熱器300(例えば、放射蓄熱器110及び120)は、パイプ308(例えば、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d)を通って流れる冷媒が放射蓄熱器300の材料と直接接触するように、1つ以上のパイプ308の少なくとも一部の周りに配置されてもよい。放射蓄熱器300は、パイプ308の少なくとも一部と接触してもよく、それによってパイプ308内の冷媒は、放射蓄熱器300と熱連通する。放射蓄熱器300は、パイプ308内の冷媒と放射蓄熱器300の材料との間で熱が効率的に伝達されるように、パイプ308の少なくとも一部を取り囲む領域に含まれてもよい。放射蓄熱器300は、パイプ308の少なくとも一部(例えば、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d)に接触する、かつ/又は取り囲むように構成された材料を含んでもよい。
【0034】
放射蓄熱器300(例えば、放射蓄熱器110及び120)は、パイプ308内の冷媒から熱を吸収し、その熱を放出するように構成されてもよい。放射蓄熱器300は、エネルギーを効率的に吸収し、かつ放出するように構成された材料を含んでもよい。放射蓄熱器300は、相変化材料(PCM)を含んでもよい。PCMは、有機物及び/又は無機物であってもよい。例えば、PCMは、パラフィンワックス、塩、硫黄、カリウム、赤リン、水、又は同様の材料を含んでもよい。PCMは、相転移時にエネルギーを放出する、かつ/又は吸収するように構成されてもよい。相転移は、固体又は液体などのPCMの状態のうちの1つから別の状態へ(例えば、固体から液体へ、液体から固体へ、液体から気体へ、気体から液体へ、固体から気体へ、気体から液体へ)であり得る。相転移は、PCMがある結晶構造から別の結晶構造に適合し、2つの結晶構造が異なるエネルギー状態を持つような結晶の適合性のような、PCMの非古典的な状態の間であってもよい。
【0035】
相変化温度、すなわちPCMの相が第1の相から第2の相に変化する温度は、-5度~100セルシウス度の範囲であってもよい。相変化温度は、融解温度であってもよい。相変化温度は、室内ユニットの使用のタイプに基づいて、特定の放射蓄熱器(例えば、放射蓄熱器110/210/300)に対して選択されてもよい。室内ユニット104/204の使用は、例えば、部屋のサイズ、部屋が有する断熱、部屋にいることとなる人数、部屋自体の用途(例えば、部屋がキッチン、寝室、サーバルーム、貯蔵室などである場合)などの、暖房及び/又は冷房される部屋のタイプを含み得る。室内ユニット104/204の使用は、部屋及び/又は部屋がある建物の外側の気象条件を含み得る。室内ユニット104/204の使用は、季節、時節、1日のうちの時間などを含み得る。
【0036】
例えば、部屋を暖房するために使用されるように構成されたPCMは、35~80セルシウス度の範囲内の融解温度であってもよい。PCMは、45~75セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、50~70セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、35~60セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、35~50セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、55~60セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。
【0037】
例えば、部屋を暖房するために使用されるように構成されたPCMは、-5~15セルシウス度の範囲内の融解温度であってもよい。PCMは、-2~9セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、-2~7セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、-5~10セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。PCMは、-5~5セルシウス度の範囲内の融解温度を有してもよい。
【0038】
放射蓄熱器300(例えば、放射蓄熱器110及び120)は、相変化材料の組み合わせを含んでもよい。放射蓄熱器300は、1つ以上の熱複合材、言い換えれば、PCMと他の材料(例えば、金属など)との1つ以上の組み合わせを含んでもよい。熱複合材中の他の材料は、固体及び/又は液体を含んでもよい。放射蓄熱器300は、1つ以上のマイクロカプセル化されたPCMを含み得る。放射蓄熱器300は、異なる相変化温度を有する異なるPCMの組み合わせを含むことができ、異なるPCMは、別々にカプセル化される。放射蓄熱器300は、複数の区画を有することによってモジュール式であってもよく、複数の区画のそれぞれが、別個の相変化材料を含有するように構成されてもよく、したがって、放射蓄熱器300内に材料の組み合わせを生成する。
【0039】
材料の組み合わせ(例えば、相変化材料の組み合わせ)は、異なる材料及び/又は相変化材料の比率を含んでもよい。材料の比率及び/又は量は、室内ユニット104/204の使用に基づいて計算さてれもよい。材料の比率及び/又は量は、融解温度(又は相変化温度)を所望の温度に設定するために計算されてもよい。所望の温度は、放射蓄熱器(例えば、蓄熱バッファ110/210/300)の全体的な(又は平均の)相変化温度であってもよい。所望の温度(又はカスタム温度)は、気候、天気、季節、時節、1人以上のユーザ(又は部屋若しくは建物の居住者)の個人的な好み、部屋の大きさ、部屋内の室内ユニット104/204の位置などに基づいて設定されてもよい。
【0040】
PCMは、適合可能な相変化温度を含む適合可能なPCMであってもよい。適合可能な融解温度は、暖房サイクルに関連付けられる相変化温度を有するPCMと、冷房サイクルに関連付けられる別の相変化温度を有するPCMとの組み合わせを使用して設定してもよい。適合可能な相変化温度は、2種類以上のPCMを組み合わせることによって得ることができ、相変化温度のうちの2つ以上の間の差は、10~30度、5~40度、20~50度、40~60度などの範囲であってもよい。
【0041】
放射蓄熱器300(例えば、放射蓄熱器110/210)は、プレート、1つ以上のフィン、及び/又はシリンダであってもよい。放射蓄熱器300は、放射蓄熱器300の表面304の少なくとも一部分306がハウジング104/114の1つ以上の壁の少なくとも一部と当接するような形状であってもよい。放射蓄熱器300は、放射蓄熱器300の表面304の少なくとも一部306がハウジング104/114の1つ以上の壁の少なくとも一部と同一平面にあるような形状であってもよく、言い換えれば、ハウジング104/114の1つ以上の壁の一部が放射蓄熱器300の表面304の少なくとも一部306となって(例えば、同一平面になって)いてもよい。少なくとも1つの部分306は、円弧形状、板状(又は平坦な形状)、1つ以上のフィンなどのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0042】
放射蓄熱器300の表面304は、1つ以上の壁を含んでもよい。表面304は、ハウジング114/214の1つ以上の収容部及び/又は凹部によって画定されてもよい。表面304は、PCM、PCMの組み合わせ、及び/又は1つ以上のPCMと他の材料(例えば、金属)との組み合わせ、を含むように構成された1つ以上の壁又はプレートを含んでもよい。放射蓄熱器300の表面304は、部屋に向かって効率的に熱を伝達するように構成された部分306などの少なくとも1つの放出部分を含んでもよい。放出部分は、熱伝導性であってもよい。放射蓄熱器300の表面304は、少なくとも1つの蓄熱部分、例えば、表面304の残りの部分(例えば、部分306を含まない部分)を含んでもよく、それによって、放出された熱を表面304の放出部分のみを通じて導く。放射蓄熱器の蓄熱部分は、放出部分よりも熱伝導性が低くてもよい。放射蓄熱器の蓄熱部分は、中にエネルギーを蓄えるように構成されてもよい。放射蓄熱器の蓄熱部分は、そこから熱が放射されることを防止するように構成されてもよい。
【0043】
再び
図2を参照すると、室内ユニット204は、室内熱交換器238を含み得る。室内熱交換器238は、パイプ208dの第2の部分を取り囲む二次放射蓄熱器を含んでもよい。室内熱交換器238は、空気流を室内熱交換器238を通して室内ユニット204を取り囲む部屋に導くように構成された1つ以上のファン236a/236bを含んでもよい。1つ以上のファン236a/236bは、二次放射蓄熱器の近傍に位置付けられてもよい。1つ以上のファン326a/326bは、1つ以上のファン236a/236bが二次放射蓄熱器からの熱を(矢印250及び252によって示すように)1つ以上の通気孔に導くように、二次放射蓄熱器の近くに位置付けられてもよい。1つ以上のファン326a/326bは、1つ以上のファン236a/236bが通気孔からの熱を二次放射蓄熱器に導くように、二次放射蓄熱器の近くに位置付けられてもよい。1つ以上のファン236a/236bは、コントローラ240によって動作させてもよい、かつ/又は制御してもよい。二次放射蓄熱器は、放射蓄熱器110/210/300と同じ又は類似する特性を有してもよい。
【0044】
パイプ208dの第2の部分は、三方弁216に結合してもよい。三方弁216は、放射蓄熱器210と熱交換器238との間で冷媒流を制御するように構成されてもよい。三方弁216は、(例えば、ヒートポンプ202の冷房サイクルにおいて)2つの冷媒流を1つに組み合わせるように、かつ/又は(例えば、ヒートポンプ202の暖房サイクルにおいて)単一の冷媒流を2つに分割するように構成されてもよい。三方弁216は、第1の端部において室外ユニット206に接続されてもよい。三方弁216は、第2の端部において放射蓄熱器210に結合されてもよい。三方弁216は、第3の端部において室内熱交換器238に結合されてもよい。三方弁216は、作動ボール弁、ステッパ駆動三方弁、調整三方弁、又はそれらの任意の組み合わせのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0045】
作動ボール弁は、電気アクチュエータを備えたボール弁を含んでもよい。作動ボール弁は、冷媒の2つの流れの分流比を選択するように構成されてもよく(例えば、この比は、0~100%の間で分割してもよく、一方の側がXを受け取り、他方の側が100%-Xを受け取る)、2つの流れは、三方弁216の第2の端部及び第3の端部から出る(又は入る)流れであってもよい。ステッパ駆動式三方弁は、アクチュエータ又はステッパモータを含んでもよい。調整三方弁は、2つの出口(例えば、三方弁216の第2の端部及び第3の端部など)の間の冷媒の流れを調整するように構成されてもよい。
【0046】
三方弁216は、コントローラ240によって動作させてもよい、かつ/又は制御してもよい。三方弁216は、パイプ208d内の冷媒の流量を制御するように動作させてもよく、それによって、室内熱交換器238を使用して(例えば、部屋から、かつ/又は部屋へ、並びにパイプ208d内の冷媒へ、かつ/又は冷媒から)交換される熱の量の制御を可能にする。コントローラ240は、熱バッファ貯蔵部210を使用して(室内へ、かつ/又は室外へ)伝達される熱の量と、室内熱交換器238を使用して(室内へ、かつ/又は室外へ)伝達される熱の量との間の特定の比率を得るために、三方弁216を動作させるように構成されてもよい。したがって、三方弁216は、パイプ208cを介して放射蓄熱器210に、又はパイプ208dを介して室内熱交換器238に流入する冷媒の量を制御するように動作してもよい。
【0047】
室内熱交換器238は、室内への/室外への熱伝達の形態として対流を使用してもよく、放射蓄熱器210は、室内への/室外への熱伝達の形態として放射を使用するので、三方弁216は、室内ユニット204及び/又はヒートポンプ204の対流に対する放射の比率を定義(又は決定)するために使用されてもよい。三方弁216は、例えば、ヒートポンプシステム200の除霜サイクル中などに、室内ユニット204からの対流熱伝達及び/又は室内ユニット204への対流熱伝達を停止するように構成されてもよい。三方弁216は、ヒートポンプシステム200の動作状態に応じて放射蓄熱器210をチャージし、かつディスチャージするように動作させてもよい。動作状態は、ヒートポンプシステム202の暖房サイクルに関連付けられ得る加熱状態を含んでもよい。動作状態は、ヒートポンプシステム202の冷房サイクルに関連付けられ得る冷却状態を含んでもよい。
【0048】
コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の0%~50%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の5%~25%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の10%~50%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の50%~75%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の65%~100%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、部屋への熱流及び/又は部屋からの熱流の85%~95%が放射蓄熱器210によって提供されるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。
【0049】
コントローラ240は、放射蓄熱器210が放出する1時間のエネルギーがヒートポンプシステム200のエネルギー定格の5%~25%であるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、放射蓄熱器210が放出する1時間のエネルギーがヒートポンプシステム200のエネルギー定格の10%~50%であるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、放射蓄熱器210が放出する1時間のエネルギーがヒートポンプシステム200のエネルギー定格の50%~75%であるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、放射蓄熱器210が放出する1時間のエネルギーがヒートポンプシステム200のエネルギー定格の65%~100%であるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。コントローラ240は、放射蓄熱器210が放出する1時間のエネルギーがヒートポンプシステム200のエネルギー定格の85%~95%であるように三方弁216を動作させるように構成されてもよい。
【0050】
再び
図1及び
図2の両方を参照すると、ヒートポンプシステム100/200は、室内ユニット104/204から室外ユニット106/206に、かつその逆方向に流体を提供するように構成された1つ以上のパイプ(例えば、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d)を含んでもよい。1つ以上のパイプは、放射蓄熱器110/210と接触していてもよい。したがって、放射蓄熱器110/210からの熱の放出又は吸収によって、温度制御される領域と室外ユニット106/206との間で熱を伝達することができる。ヒートポンプシステム100/200は、ヒートポンプシステム100/200の動作を操作又は制御するように構成されたコントローラ140/240を含んでもよい。室内ユニット104/204は、1つ以上のパイプ108/208及び/又はパージインターフェースユニット112a/112b/212a/212bを介して室外ユニット106/206に結合されてもよい。1つ以上のパイプは、これに限定されないが三方弁216などの1つ以上の弁を含んでもよい。
【0051】
室内ユニット104/204は、構成された1つ以上のパイプ(例えば、パイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d)を介して室外ユニット106/206から冷媒の流れを受け取るように構成されてもよい。例えば、
図1のヒートポンプシステム100の場合、第1のパイプ部分108aは、室外ユニット106から室内ユニット104に冷媒を運んでもよく、第2のパイプ部分108bは、室内ユニット104から室外ユニット106に冷媒を運んでもよい。第1のパイプ部分108a及び第2のパイプ部分108bは、単一のパイプ又は連続したパイプの集合と一体であってもよい。第1のパイプ部分108aは、室外ユニット106から室内ユニット104内の熱伝達装置、例えば、放射蓄熱器110などまで延在する任意の1つ以上のパイプを含んでもよい。第2のパイプ部分108bは、室内ユニット104内の熱伝達装置から室外ユニット106まで延在する任意の1つ以上のパイプを含んでもよい。
【0052】
図2のヒートポンプシステム200では、パイプ208a及び208bは、それぞれパイプ108a及び108bと類似してもよい。更に、室内ユニット204は、第3のパイプ部分208c及び第4のパイプ部分208dを含んでもよい。第3のパイプ部分208c及び第4のパイプ部分208dは、室内ユニット204内で三方弁216に結合されてもよい。
【0053】
1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b(本明細書ではまとめてパイプ108/208と呼ぶ)は、1つ以上のパージインターフェースユニット112a/112b/112c/112d/212a/212b/212c/212d(本明細書ではまとめてパージインターフェースユニット112/212と呼ぶ)を介して室内ユニット104/204及び/又は室外ユニット106/206に結合されてもよい。1つ以上のパイプ108/208は、1つ以上のパージインターフェースユニット112a/112b/212a/212bを介して室内ユニット104/204に結合されてもよく、1つ以上のパージインターフェースユニット112c/112d/212c/212dを介して室外ユニット106/206に結合されてもよい。1つ以上のパージインターフェースユニット112/212は、ミニパージインターフェースユニット(mini purge interface unit、MIU)及び/又はスマートパージインターフェースユニット(smart purge interface unit、SIU)を含んでもよい。例えば、1つ以上のパイプ108/208は、パイプ108/208と室内ユニット104/204のハウジング114/214との接合部にパージインターフェースユニット112a/112b/212a/212bを含んでもよい。
【0054】
1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、室内ユニット104/204内に延在してもよい。1つ以上のパイプ108/208は、第1のパージインターフェースユニット112a/212aから放射蓄熱器110/210まで延在してもよい。1つ以上のパイプは、放射蓄熱器110/210から第2のパージインターフェースユニット112b/212bまで延在してもよい。1つ以上のパイプ208は、例えば、
図2に示されているような三方弁216を介して、第1のパージインターフェースユニット212bと放射蓄熱器210/との間で分割されてもよい。1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dは、冷媒を第1のパージインターフェースユニット112a/212a及び第2のパージインターフェースユニット112b/212bから1つ以上の熱伝達装置に導いてもよい。冷媒は、冷房サイクル(又は冷凍サイクル)、暖房サイクル、及び/又は除霜サイクルのうちのいずれか1つ以上の間に、1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208d内を流れるように構成された流体であってもよい。冷媒は、液体から気体、及び気体から液体への繰り返される相転移を受けるように構成されてもよい。
【0055】
1つ以上のパイプ108a/208aの少なくとも一部は、第1のパージインターフェースユニット112a/212aと第3のパージインターフェースユニット112c/212cとの間に延在してもよい。第3のパージインターフェースユニット112c/212cは、室外ユニット106/206の外側のパイプ108a/208aと室外ユニット106/206内のパイプ108a/208aとの間を接続してもよい。パイプ108b/208bの少なくとも一部は、第2のパージインターフェースユニット112b/212bと第4のパージインターフェースユニット112d/212dとの間に延在してもよい。第4のパージインターフェースユニット112d/212dは、室外ユニット106/206の外側のパイプ108b/208bと室外ユニット106/206内の1つ以上のパイプ108b/208bとの間を接続してもよい。
【0056】
室内ユニット104/204は、建物及び/又は部屋の内側に配置されてもよい。室外ユニット106/206は、建物及び/又は部屋の外側に配置されてもよい。室外ユニット106/206は、例えば、室内ユニット104/204が配置される建物の外装の周りなど、屋外に配置されてもよい。室内ユニット104/204と室外ユニット106/206とが隣接して配置されてもよい。ヒートポンプシステム100/200は、室内ユニット104/204が部屋の内部に向かって延在し、外部ユニット106/206が部屋の外側に延在するように、部屋の壁に位置付けられてもよい。ヒートポンプシステム100/200の1つ以上の部分は、部屋の壁(室内と室外とを分離する外壁など)の開口部に配置されてもよい。ヒートポンプシステム100/200の1つ以上の部分は、部屋の壁の窓に配置されてもよい。例えば、ヒートポンプシステム100/200の1つ以上の部分は、室内ユニット104/204、室外ユニット106/206、及び1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b/208c/208dのうちのいずれか1つ以上の少なくとも一部分を含んでもよい。
【0057】
室外ユニット106/206は、逆転弁126/226を含んでもよい。逆転弁126/226は、第3のパージインターフェースユニット112c/212cに結合されてもよい。逆転弁126/226は、第3のパージインターフェースユニット112c/212cを介して1つ以上のパイプ108a/208aと流体連通してもよい。更に、逆転弁126/226は、第4のパージインターフェースユニット112d/212dを介して1つ以上のパイプ108b/208bと流体連通してもよい。逆転弁126/226は、1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208b内の冷媒の流れの方向を変えるように構成されてもよい。逆転弁126/226は、コントローラ140/240と通信してもよい。
【0058】
室外ユニット106/206は、室外熱交換器124/224を含んでもよい。室外熱交換器124/224は、1つ以上のコイルを含んでもよい。室外熱交換器124/224は、パイプ108a/108b/208a/208bと流体連通してもよい。室外熱交換器124/224は、パイプ108b/208bを介して逆転弁に結合されてもよい。室外熱交換器124/224は、室外ユニット106/206の外側の空気からパイプ108b/208b内の冷媒に熱を伝達するように構成されてもよい。室外熱交換器124/224は、パイプ108b/208b内の冷媒から室外ユニット106/206の外側の空気に熱を伝達するように構成されてもよい。
【0059】
室外ユニット106/206及び/又は室外熱交換器124/224は、1つ以上のファン122/222を含んでもよい。1つ以上のファン122/222は、室外熱交換器124/224の近くに位置付けられてもよい。1つ以上のファン122/222は、室外熱交換器124/224の1つ以上のコイルの近くに位置付けられてもよい。1つ以上のファン122/222は、熱交換を容易にし、空気を導くように構成されてもよい。1つ以上のファン122/222は、室外熱交換器124/224から、かつ/又は室外熱交換器210/220に空気を導くように構成されてもよい。1つ以上のファン122/222は、空気を室外熱交換器の1つ以上のコイルから、かつ/又は室外熱交換器の1つ以上のコイルに導くように構成されてもよい。1つ以上のファン122/222は、室外ユニット106/206の外側の空気から、かつ/又は室外ユニット106/206の外側の空気へ空気を導くように構成されてもよい。1つ以上のファン122/222は、コントローラ140/240が1つ以上のファン122/222の動作を制御してもよいように、コントローラ140/240と通信してもよい。室外熱交換器124/224は、1つ以上のパイプ108b/208bを介して第4のパージインターフェースユニット112d/212dに結合されてもよい。
【0060】
室外ユニット106/206は、圧縮機132/232を含んでもよい。圧縮機132/232は、パイプ108a/108b/208a/208bと流体連通してもよい。圧縮機132/232は、冷媒を圧縮し、それにより冷媒の温度及び/又は圧力を上昇させるように構成されてもよい。圧縮機132/232は、コントローラ140/240と通信してもよい。圧縮機132/232は、インバータ128/228に結合されてもよい。インバータ128/228は、1つ以上のパイプ108a/108b/208a/208bと流体連通してもよい。インバータ128/228は、コントローラ140/240と通信してもよい。
【0061】
室外ユニット106/206は、凝縮器130/230を含んでもよい。凝縮器130/230は、空冷式凝縮器(air-cooled condenser、ACC)を含んでもよい。凝縮器130/230は、パイプ108a/108b/208a/208bと流体連通してもよい。凝縮器130/230は、例えば、パイプ108a/108b/208a/208bを介して、圧縮機132/232及び逆転弁126/226のうちの少なくとも一方に結合されてもよい。凝縮器130/230は、圧縮機132/232と逆転弁126/226との間に配置されてもよい。凝縮器130/230は、コントローラ140/240と通信してもよい。
【0062】
室外ユニット106/206は、膨張弁134/234を含んでもよい。膨張弁134/234は、1つ以上のパイプ108b/208bと流体連通してもよい。膨張弁134/234は、パイプ108b/208bを介して室外熱交換器124/224に結合されてもよい。膨張弁134/234は、冷媒から圧力を除去するように構成されてもよく、それによって、蒸発器内での冷媒の膨張、及び/又は液体から蒸気への(冷媒の)状態の変化を可能にする。膨張弁134/234は、コントローラ140/240と通信してもよい。膨張弁134/234は、室外熱交換器124/224と第4のパージインターフェースユニット112d/212dとの間に配置されてもよい。
【0063】
ヒートポンプシステム100/200及び/又はその任意の部分は、本明細書の他の場所でより詳細に説明されているように、コントローラ140/240と通信してもよい。コントローラ140/240は、ヒートポンプシステム100/200並びに/又はその任意の部分、例えば、三方弁216、パージインターフェースユニット112a/112b/112c/112d/212a/212b/212c/212d、圧縮機132/232、インバータ128/228、逆転弁126/226、膨張弁134/234、室内熱交換器238、及び/若しくは室外熱交換器124/224などであるが、これらに限定されない、を動作させるように構成されてもよい。コントローラ140/240は、ローカルコントローラ又はリモートコントローラであってもよい。コントローラ140/240は、室内ユニット104/204内及び/又は室外ユニット106/206内に配置されてもよい。コントローラ140/240は、メモリモジュールと通信してもよい。コントローラ140/240は、メモリモジュールからデータを受信する、かつ/又はメモリモジュールにデータを送信するように構成されてもよい。
【0064】
コントローラ140/240は、ヒートポンプシステム100/200をヒートポンプシステム100/200の暖房モードから冷房モードに切り替えるように構成されてもよい。コントローラ140/240は、ヒートポンプシステム100/200をヒートポンプシステム100/200の冷房モードから暖房モードに切り替えるように構成されてもよい。コントローラ140/240は、ヒートポンプシステム100/200をヒートポンプシステム100/200の暖房モードから除霜モードに、又はその逆に切り替えるように構成されてもよい。
【0065】
コントローラは、ユーザインターフェースと通信してもよい。ユーザインターフェースは、リモート、ボタン、キーボード、ディスプレイスクリーン、スマートフォン、タブレット、ラップトップ/コンピュータ、又は部屋の居住者が自分で携行し得る他の適切なデバイスのうちの任意の1つ以上を含んでもよい。コントローラ140/240は、ユーザインターフェース上のアプリケーションと通信してもよい。コントローラ140/240は、部屋の中から、又は部屋の外から使用されてもよい。コントローラ140/240との間の通信は、(例えば、例えば、生成されて共有される鍵を使用して、又は暗号化方法を使用して)暗号化されてもよい。
【0066】
コントローラ140/240は、ユーザインターフェースと通信するように構成された通信モジュール及び/又は無線インターフェースを含んでもよい。無線インターフェースは、コントローラ140/240の一部であってもよい。無線インターフェースは、SIMカード又はインターネットカードの少なくとも1つを含んでもよい。通信モジュールは、例えば、電力線通信、イーサネット、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、無線ネットワークなどの任意の1つ以上のプロトコル、又はそれらの任意の組み合わせなどの有線通信プロトコル又は無線通信プロトコルを含んでもよい。
【0067】
部屋又は建物のユーザ(又は居住者)は、ユーザによって携行され得る少なくとも1つのパーソナルデバイス(リモートコントローラ又はローカルコントローラ、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、コンピュータ、又はタブレットなど、ユーザインターフェースとしても機能し得る)に関連付けられ得る。パーソナルデバイスは、室内のユーザの存在を知らせるビーコンとして機能してもよい。ビーコン信号がローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)上で検出される場合、その特定のビーコンに関連付けられたユーザは、「存在する」とみなされ得る。ビーコン信号がローカルLANではなくワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)の異なるセグメント上で検出された場合、その特定のビーコンに関連付けられたユーザは、「リモート」とみなされ得る。
【0068】
同様に、ビーコンが検出されない場合、パーソナルデバイスに関連付けられたユーザは、コントローラ140/240によって、リモートコントローラを使用しているとみなされ得る。コントローラ140/240がビーコンを検出した場合、少なくとも1つのパーソナルデバイスに関連付けられたユーザは、コントローラ140/240によって、ローカルコントローラを使用しているとみなされ得る。家庭環境では、家庭全体が1つのLANを使用することができ、特定のユーザのデバイスがLANに直接接続されている場合、関連付けられた特定のユーザは、コントローラ140/240のローカルドメイン内にいるとみなされ得る。
【0069】
コントローラ140/240は、ユーザインターフェースから命令を受信するように構成されてもよい。命令は、温度設定、時間設定などを含んでもよい。コントローラ140/240は、ユーザ入力データなしで温度を設定するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、気候、天候、季節、時節、1人又は複数のユーザ(又は部屋の居住者)の個人的な好み、部屋の大きさ、部屋内の室内ユニット104/204の位置、1日の中の時刻、メモリモジュールに記憶された過去の日(又は週及び/又は月)のデータなどのうちの任意の1つ以上に基づいて、放射蓄熱器110/210/300の温度を設定するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、特定の(又は所望の)室温に到達するために放射蓄熱器110/210/300に必要とされる必要温度設定を計算してもよい。
【0070】
ヒートポンプシステム100/200は、コントローラ140/240と通信する1つ以上の温度センサを含んでもよい。ヒートポンプシステム100/200は、室内ユニット104/204内に配置された1つ以上の温度センサ120/220を含んでもよい。ヒートポンプシステム100/200は、室内の1つ以上の位置に配置されるように構成された1つ以上の温度センサを含んでもよい。ヒートポンプシステム100/200は、屋外にあるように構成された1つ以上の温度センサを含んでもよい。ヒートポンプシステムは、室外ユニット106/206内に配置され、かつ/又はコントローラ140/240と通信する1つ以上の温度センサ(例えば、
図4のセンサ410/414)を含んでもよい。システム100/200は、コントローラ140/240と通信する1つ以上の圧力センサ(例えば、
図4のセンサ408/412)を含んでもよい。システムは、室外ユニット106/206内に配置された1つ以上の圧力センサ(例えば、
図4のセンサ408/412)を含んでもよい。
【0071】
コントローラ140/240は、温度センサ(例えば、
図4のセンサ410/414)及び/又は圧力センサ(例えば、
図4のセンサ408/412)のうちの任意の1つ以上からデータを受信するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサによって測定された温度及び/又は圧力を監視するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサから受信したデータに基づいてヒートポンプシステム100/200を動作させるように構成されてもよい。コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサから受信したデータに基づいてヒートポンプシステム100/200の運転状態を設定するように構成されてもよい。
【0072】
コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサから受信したデータに基づいて放射蓄熱器110/210の温度を設定するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサから受信したデータに基づいてヒートポンプシステム100/200の運転モード(例えば、暖房モード、冷房モード、及び/又は除霜モードなど)を設定するように構成されてもよい。コントローラ140/240は、1つ以上の温度センサ及び/又は圧力センサから受信したデータに基づいてヒートポンプシステム100/200の運転モードを切り替えるように構成されてもよい。
【0073】
次に
図3C及び
図3Dを参照すると、それぞれ、第2の放射蓄熱器310の等角図及び正投影図が示されている。第2の例示的な放射蓄熱器310は、本体311を備え、本体311は、PCMを内部に収容し、放射面314を含んでもよい。第2の例示的な放射蓄熱器310は、ヒートフィン316及び/又はヒートパイプ318を備えてもよい。
【0074】
次に
図3E及び
図3Fを参照すると、それぞれ、第3の放射蓄熱器320の等角図及び正投影図が示されている。第3の例示的な放射蓄熱器320は、本体321を備え、本体321は、本体内にPCMを収容し、放射面324を含んでもよい。第3の例示的な放射蓄熱器320は、ヒートフィン326及び/又はヒートパイプ328を備えてもよい。
【0075】
次に
図3G及び
図3Hを参照すると、それぞれ、第4の放射蓄熱器330の等角図及び正投影図が示されている。第4の例示的な放射蓄熱器330は、本体331を備え、本体331は、本体内にPCMを収容し、放射面324を含んでもよい。第4の例示的な放射蓄熱器330は、ヒートフィン336及び/又はヒートパイプ338を備えてもよい。
【0076】
次に
図3I及び
図3Jを参照すると、それぞれ、第5の放射蓄熱器350の等角図及び正投影図が示されている。第5の例示的な放射蓄熱器350は、本体351を備え、本体351は、本体内にPCMを収容し、放射面354を含んでもよい。第5の例示的な放射蓄熱器350は、ヒートフィン352及び356並びに/又はヒートパイプ358を備えてもよい。
【0077】
次に
図3K及び
図3Lを参照すると、それぞれ、第6の放射蓄熱器360の等角図及び正投影図が示されている。第6の例示的な放射蓄熱器360は、本体361を備え、本体361は、本体内にPCMを収容し、放射面364を含んでもよい。第6の例示的な放射蓄熱器360は、ヒートフィン362及び366並びに/又はヒートパイプ368を備えてもよい。
【0078】
次に
図3M及び
図3Nを参照すると、それぞれ、第7の放射蓄熱器370の等角図及び正投影図が示されている。第7の例示的な放射蓄熱器370は、本体371を備え、本体371は、本体内にPCMを収容し、放射面374を含んでもよい。第7の例示的な放射蓄熱器370は、ヒートフィン372及び376並びに/又はヒートパイプ378を備えてもよい。
【0079】
次に
図4を参照すると、冷房サイクル中のヒートポンプシステム200の概略図が示されている。
図4に示す冷房サイクルは、二次放射蓄熱器238を使用して、又は使用せずに実行されてもよい。冷房サイクル中、ヒートポンプシステム200は、熱が室内ユニット204を介して部屋からパイプ208a/208b内の冷媒に伝達されるように動作してもよい。冷房サイクルは、ヒートポンプシステム200に基づいて説明されているが、
図1のヒートポンプシステム100も同様の冷房サイクルを受けてもよい。
【0080】
冷房サイクルは、室内ユニット204を収容する部屋又は建物が冷房を必要とするとき、又は言い換えれば、屋外の温度が人間の居住にとって快適な温度よりも高い可能性があるときに使用されてもよい。本明細書で説明する冷房サイクルは、コントローラ240によって開始されてもよい。コントローラは、屋外の温度が閾値温度を上回るときに冷房サイクルを開始してもよい。
【0081】
冷房サイクル中、冷媒は、第4のパージインターフェースユニット212dを介して室外ユニット206から出てもよい。冷媒は、パイプ208bを介して、第4のパージインターフェースユニット212dから室内ユニット204及び/又は第2のパージインターフェースユニット212bに移動してもよい。冷媒は、第2のパージインターフェースユニット212bから放射蓄熱器210に流れてもよい。冷媒は、第2のパージインターフェースユニット212bから室内熱交換器238に流れてもよい。冷媒は、第2のパージインターフェースユニット212bから、放射蓄熱器210及び室内熱交換器238の両方に流れてもよい。冷媒は、第2のパージインターフェースユニット212bから三方弁を介して放射蓄熱器210及び室内熱交換器238の両方に流れてもよい。
【0082】
冷媒が放射蓄熱器210に到達すると、冷媒は、放射蓄熱器210内を流れて、放射蓄熱器210/300から熱を吸収してもよい。次いで、冷媒は、放射蓄熱器210から流出してもよい。したがって、放射蓄熱器210から流出する冷媒の温度は、放射蓄熱器210に流入する冷媒の温度よりも高くなる。放射蓄熱器210は、放射、対流、又は伝導を介して部屋から熱を連続的に受け取ってもよい。放射蓄熱器210は、部屋からの熱を、放射蓄熱器210を通って流れる冷媒に連続的に伝達してもよい。
【0083】
冷媒が室内熱交換器238に到達すると、冷媒は、室内熱交換器238内を流れ、それによって室内熱交換器238から熱を受け取り、次いで室内熱交換器238から流出してもよい。したがって、室内熱交換器238から流出する冷媒の温度は、室内熱交換器238に流入する冷媒の温度よりも高くなり得る。室内熱交換器238は、対流によって部屋から熱を連続的に受け取ってもよい。室内熱交換器238は、部屋からの熱を、室内熱交換器238を通って流れる冷媒に連続的に伝達してもよい。
【0084】
放射蓄熱器210及び/又は室内熱交換器238を出た後、加熱された冷媒は、室外ユニット206に流れてもよい。
図4に示したシステム200など、2つ以上の冷媒流を含むシステムの場合、2つ以上の冷媒流は、三方弁216などの弁を使用して単一の冷媒流に合流させてもよい。次いで、冷媒は、パイプ208aを介して三方弁316から第1のパージインターフェースユニット212aに向かって流れてもよい。次いで、冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから、かつ/又は室内ユニット204から、室外ユニット206に流れてもよい。室外ユニット206では、冷媒から熱が放出されてもよく、冷媒が冷却される。冷媒が冷却されると、冷媒は、本明細書に記載されているように、再び室内ユニット204内に流れてもよい。
【0085】
次に
図5を参照すると、暖房サイクル中のヒートポンプシステム200の概略図が示されている。
図5に示される暖房サイクルは、二次放射蓄熱器238を使用して、又は使用せずに動作してもよい。暖房サイクル中、システム200は、室内ユニット204を介して熱が冷媒から部屋に伝達されるように動作してもよい。暖房サイクルは、ヒートポンプシステム200に基づいて説明されているが、
図1のヒートポンプシステム100も同様の暖房サイクルを受けてもよい。
【0086】
暖房サイクルは、部屋又は建物が暖房を必要とするとき、又は言い換えれば、屋外の温度が人間の住居にとって快適な温度よりも低い可能性があるときに使用されてもよい。本明細書に記載される暖房サイクルは、コントローラ240によって開始されてもよい。コントローラは、屋外の温度が閾値温度を下回るときに暖房サイクルを開始してもよい。
【0087】
暖房サイクル中、加熱された冷媒は、第3のパージインターフェースユニット212cを介して室外ユニット206から出てもよい。冷媒は、パイプ208aを介して第3のパージインターフェースユニット212cから室内ユニット204及び/又は第1のパージインターフェースユニット212aに移動してもよい。冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから放射蓄熱器210に流れてもよい。冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから室内熱交換器238に流れてもよい。冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから、放射蓄熱器210及び室内熱交換器238の両方に流れてもよい。冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから三方弁216を介して放射蓄熱器210及び室内熱交換器238の両方に流れてもよい。コントローラ240は、三方弁216を制御することによって、放射蓄熱器210及び室内熱交換器238のそれぞれにどれだけの冷媒が流れるかを決定してもよい。コントローラは、三方弁216を制御することによって、室内熱交換器238内の冷媒流に対する放射蓄熱器210内の冷媒流の比率を決定してもよい。
【0088】
冷媒が放射蓄熱器210に到達すると、冷媒は、放射蓄熱器110/210/300内を流れ、それによって放射蓄熱器210から熱を放出してもよい。次いで、冷媒は、放射蓄熱器210から流出してもよい。したがって、放射蓄熱器210に流入する冷媒の温度は、放射蓄熱器210から流出する冷媒の温度よりも高い。放射蓄熱器210は、放射、対流、及び/又は伝導を介して、熱を部屋の中に連続的に放出してもよい。放射蓄熱器210は、冷媒からの熱を部屋に連続的に伝達してもよい。
【0089】
冷媒が室内熱交換器238に到達すると、冷媒は、熱室内熱交換器238内を流れ、室内熱交換器238から1つ以上のファン236a/236bに向かって、加熱された空気を放出してもよい。1つ以上のファン236a/236bは、熱交換器238を取り囲む加熱された空気を、1つ以上の通気孔から出して、室内ユニット204を収容する部屋の中に導いてもよい。したがって、室内熱交換器238に流入する冷媒の温度は、室内熱交換器238から流出する冷媒の温度よりも高くなり得る。室内熱交換器238は、対流によって熱を部屋に連続的に放出してもよい。室内熱交換器238は、室内熱交換器238を通って流れる冷媒からの熱を対流によって室内に向けて連続的に放出してもよい。
【0090】
放射蓄熱器210及び/又は室内熱交換器238を出た後、冷媒は、より低温であり得る。次いで、冷媒は、室外ユニット206に流れてもよい。
図5に示したヒートポンプシステム200など、2つ以上の冷媒流を含むシステムの場合、2つ以上の冷媒流は、三方弁などの弁を使用して単一の冷媒流に合流させてもよい。次いで、冷媒は、弁からパイプ208bを介して第2のパージインターフェースユニット212bに向かって流れてもよい。次いで、冷媒は、第2のパージインターフェースユニット212bから、かつ/又は室内ユニット204から、室外ユニット206に流れてもよい。室外ユニット206では、冷媒を加熱してもよい。冷媒が加熱されると、冷媒は、本明細書で説明するように、再び室内ユニット204に流れてもよい。
【0091】
次に
図6を参照すると、除霜サイクル中のヒートポンプシステム200の概略図が示されている。
図6に示した除霜サイクルは、二次放射蓄熱器238を使用して、又は使用せずに、動作してもよい。除霜サイクル中、ヒートポンプシステム200は、熱が室内ユニット204を介して部屋から冷媒に伝達されるように動作してもよい。除霜サイクルは、ヒートポンプシステム200に基づいて説明されているが、
図1のヒートポンプシステム100も同様の除霜サイクルを受けてもよい。
【0092】
除霜サイクルは、室外ユニット206が凍結温度にあるか又は凍結温度に近いときに使用されてもよい。除霜サイクルは、1つ以上のセンサが室外ユニット206のハウジングを取り囲む氷を検出したときに使用されてもよい。本明細書で説明する除霜サイクルは、コントローラ240によって開始されてもよい。コントローラは、室外ユニット206の温度が閾値温度を下回るときに除霜サイクルを開始してもよい。
【0093】
除霜サイクル中、冷媒は、冷房サイクル中に流れるのと同じ流れ方向に移動してもよい。例えば、冷媒は、第4のパージインターフェースユニット212dを介して室外ユニット206を出てもよい。冷媒は、パイプ208bを介して、第4のパージインターフェースユニット212dから室内ユニット204及び/又は第2のパージインターフェースユニット212bに移動してもよい。しかしながら、除霜サイクル中、室内ユニット204を収容している部屋は、室外ユニット106/206を除霜している間、依然として放射蓄熱器210から熱を受け取ることとなる。
【0094】
除霜サイクル中、冷媒は、放射蓄熱器210に熱を伝達しなくてもよい。放射蓄熱器210が放射、対流、及び/又は伝導を介して部屋に熱を連続的に伝達してもよいように、冷媒及び/又は放射蓄熱器210は、暖房サイクル中に受け取った熱から依然として加熱されてもよい。冷媒は、放射蓄熱器210から室外ユニット206に向かって流れてもよい。冷媒からの熱は、室外ユニット206に移動してもよく、それによって室外ユニット206を除霜する。熱が室外ユニット206に伝達されると、冷媒の第2の除霜サイクルにおいて、冷媒は、放射蓄熱器210から熱を受け取り、放射蓄熱器210から受け取った熱を使用して室外ユニット106/206に伝達して除霜してもよい。
【0095】
除霜サイクル中、冷媒は、室内熱交換器238に熱を伝達しなくてもよい。室内熱交換器238が対流によって熱を部屋に連続的に伝達してもよいように、冷媒及び/又は室内熱交換器238は、依然として暖房サイクルから加熱されてもよい。冷媒は、室内熱交換器238から室外ユニット206に向かって流れてもよい。冷媒からの熱は、室外ユニット206に移動してもよく、それによって室外ユニット206を除霜する。熱が室外ユニット206に伝達されると、冷媒の第2の除霜サイクルにおいて、冷媒は、室内熱交換器238から熱を受け取り、室内熱交換器238から受け取った熱を使用して室外ユニット206に伝達して除霜してもよい。
【0096】
図6に示したシステム200など、2つ以上の冷媒流を含むシステムの場合、2つ以上の冷媒流は、三方弁216などの弁を使用して単一の冷媒流に合流させてもよい。次いで、冷媒は、パイプ208aを介して三方弁216から第1のパージインターフェースユニット212aに向かって流れてもよい。次いで、冷媒は、第1のパージインターフェースユニット212aから、かつ/又は室内ユニット204から、室外ユニット206に流れてもよい。室外ユニット206では、冷媒から熱が放出されてもよく、室外ユニット206が除霜される。
【0097】
コントローラ240は、ヒートポンプシステム200において暖房サイクルを動作させながら、室外ユニット206の温度を監視するように構成されてもよい。コントローラ240は、室外ユニット206の温度が閾値温度を下回ったときに除霜サイクルを開始するように構成されてもよい。
【0098】
コントローラ206は、ヒートポンプシステム202の室外ユニット206を除霜するための方法を実行するように構成されてもよい。ヒートポンプシステム202の室外ユニット206を除霜する方法は、除霜サイクルの必要性を検出することを含んでもよい。除霜サイクルの必要性を検出することは、室外ユニット206の外側に配置された温度センサを監視することを含んでもよい。除霜サイクルの必要性を検出することは、屋外温度を監視することを含んでもよい。除霜サイクルの必要性を検出することは、1つ以上の温度センサから屋外温度を受信することを含んでもよく、屋外温度は、所定の閾値温度よりも低い。除霜サイクルの必要性を検出することは、暖房サイクル中に除霜サイクルが25~60分毎に開始されるように、タイマを設定すること、又はクロックを監視することを含んでもよい。更に、コントローラは、屋外温度が所定の閾値温度よりも低いと測定されたときにのみ除霜サイクルを開始してもよく、したがって、不必要な除霜サイクルを防止し、システム内のエネルギーを節約する。
【0099】
ヒートポンプシステム200の室外ユニット206を除霜するための方法は、室外ユニット206の熱交換器の温度が閾値温度を超えて上昇するまで、ヒートポンプシステム200を暖房モードから冷房モードに切り替えることを含んでもよい。ヒートポンプシステム200の室外ユニット206を除霜するための方法は、室外ユニット206の温度が閾値温度を上回ったときに、ヒートポンプシステム200を冷房モードから暖房モードに切り替えることを含んでもよい。
【0100】
次に
図7を参照すると、複数の放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステム700の概略図が示されている。システム700は、本明細書で説明されているヒートポンプシステム100/200のうちの少なくとも一方に類似するか又は同一である1つ以上の構成要素を含んでもよい。システム700は、複数の放射蓄熱器702a/702bを含んでもよい。放射蓄熱器702a/702bは、放射蓄熱器110/210/300に類似してもよい、同一であってもよい、かつ/又は異なってもよい。放射蓄熱器702a/702bは、並列に接続されてもよい。放射蓄熱器702a/702bは、いずれも、三方弁216の第2の端部に接続されてもよい。放射蓄熱器702a/702bは、いずれも、三方弁216の第2の端部に接続され得る第2の三方弁に接続されてもよい。同様に、放射蓄熱器702a/702bは、1つ又は2つの三方弁を介して第2のパージインターフェースユニット212bに接続されてもよい。
【0101】
暖房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれに流入する冷媒は、同程度の温度を有してもよい。冷房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれから流出する冷媒は、同程度の温度を有してもよい。
【0102】
放射蓄熱器702a/702bのうちの一方のPCMは、放射蓄熱器702a/702bのうちの他方のPCMと同じであってもよい。したがって、暖房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれから流出する冷媒は、同程度の温度を有してもよい。冷房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれに流入する冷媒は、同程度の温度を有してもよい。
【0103】
更に、複数の放射蓄熱器702a/702bは、それぞれPCMを含んでもよく、放射蓄熱器702a/702bのうちの一方のPCMは、放射蓄熱器702a/702bのうちの他方のPCMと異なってもよい。したがって、暖房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれから流出する冷媒は、異なる温度を有してもよい。冷房サイクル中、放射蓄熱器702a/702bのそれぞれに流入する冷媒は、異なる温度を有してもよい。
【0104】
放射蓄熱器702a/702bのうちの2つ以上は、同じ材料組成を有してもよい。放射蓄熱器702a/702bのうちの2つ以上は、同じ相転移及び/又は相転移温度を有してもよい。更に、放射蓄熱器702a/702bのうちの2つ以上は、異なる材料組成を有してもよい。放射蓄熱器702a/702bのうちの2つ以上は、異なる相転移及び/又は相転移温度を有してもよい。例えば、放射蓄熱器702a/702bのうちの1つは、部屋を暖房するように構成されたPCMに関連付けられる融解温度を有してもよく(例えば、45~75セルシウス度の融解温度を有する)、放射蓄熱器702a/702bのうちの第2の放射蓄熱器は、部屋を冷房するように構成されたPCMに関連付けられる融解温度を有してもよい(例えば、-5~-15セルシウス度の融解温度を有する)。
【0105】
次に
図8を参照すると、複数の放射蓄熱器を備える別のヒートポンプシステム800の概略図が示されている。ヒートポンプシステム800は、本明細書で説明されているヒートポンプシステム100/200のうちの少なくとも一方に類似するか又は同一の1つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0106】
ヒートポンプシステム800は、複数の放射蓄熱器802a/802bを含んでもよい。複数の放射蓄熱器802a/802bは、放射蓄熱器110/210/300/702a/702bに類似してもよい、同一であってもよい、かつ/又は異なってもよい。放射蓄熱器802a/802bは、直列に接続されてもよい。放射蓄熱器802a/802bは、三方弁216の第2の端部に直列に接続されてもよい。放射蓄熱器802a/802bは、第2のパージインターフェースユニット212bに直列に接続されてもよい。第2の放射蓄熱器802bは、三方弁216と第1の放射蓄熱器802aとの間に配置されてもよい。
【0107】
放射蓄熱器802a/802bのうちの一方のPCMは、放射蓄熱器802a/802bのうちの他方のPCMと同じであってもよい。したがって、暖房サイクル中、放射蓄熱器802a/802bのそれぞれから流出する冷媒は、異なる温度を有してもよい。冷房サイクルの間、放射蓄熱器802a/802bのそれぞれに流入する冷媒は、異なる温度を有してもよい。
【0108】
更に、複数の放射蓄熱器802a/802bは、それぞれPCMを含んでもよく、放射蓄熱器802a/802bのうちの一方のPCMは、放射蓄熱器802a/802bのうちの他方のPCMと異なってもよい。したがって、暖房サイクル中、放射蓄熱器802a/802bのそれぞれから流出する冷媒は、異なる温度を有してもよい。冷房サイクルの間、放射蓄熱器802a/802bのそれぞれに流入する冷媒は、異なる温度を有してもよい。
【0109】
複数の放射蓄熱器802a/802bのうちの2つ以上は、同じ材料組成を有してもよい。放射蓄熱器802a/802bのうちの2つ以上は、同じ相転移及び/又は相転移温度を有してもよい。放射蓄熱器802a/802bのうちの2つ以上は、異なる材料組成を有してもよい。更に、放射蓄熱器802a/802bのうちの2つ以上は、異なる相転移及び/又は相転移温度を有してもよい。例えば、放射蓄熱器802a/802bのうちの1つは、部屋を暖房するように構成されたPCMに関連付けられる融解温度を有してもよく(例えば、45~75セルシウス度の融解温度を有する)、放射蓄熱器802a/802bのうちの第2の放射蓄熱器は、部屋を冷房するように構成されたPCMに関連付けられる融解温度を有してもよい(例えば、-5~-15セルシウス度の融解温度を有する)。
【0110】
システム800は、複数の室内熱交換器804a/804bを含んでもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、複数のファン806a/806bを含んでもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、並列に、かつ/又は直列に結合されてもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、いずれも、三方弁216の第3の端部に接続されてもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、いずれも、第2の三方弁に接続されてもよく、第2の三方弁は、三方弁216の第3の端部に接続されてもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、1つ又は2つの三方弁を介して第2のパージインターフェースユニット212bに接続されてもよい。複数の室内熱交換器804a/804bは、同じ又は異なる材料組成を有し得る1つ以上の放射蓄熱器を含んでもよい。
【0111】
ヒートポンプシステム100/200/700/800は、複数の室内ユニット104/204/704/808を含んでもよい。複数の室内ユニット104/204/704/808は、複数の放射蓄熱器702a/702b/802a/802bなどの複数の放射蓄熱器を含んでもよい。複数の室内ユニット104/204/704/808は、少なくとも1つの室外ユニット106/206に結合されてもよい。複数の室内ユニット104/204/704/808は、同じ部屋内に位置付けられるように構成されてもよく、それによって、部屋が1つの室内ユニット104/204/704/808のみを有するときの熱伝達率に対して熱伝達率が増大する。更に、複数の室内ユニット104/204/704/808は、異なる部屋に配置されるように構成されてもよい。
【0112】
放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bは、モジュール式であってもよい。放射蓄熱器は、室内ユニット104/204/704/808から取り外し可能であってもよい。例えば、より寒冷な季節の間、放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bを、暖房モードに関連付けられた融解温度を有する放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bと交換してもよい。別の例として、より温暖な季節の間、放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bを、冷房モードに関連付けられた融解温度を有する放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bと交換してもよい。室内ユニット104/204/704/808は、1つ以上の放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bを受け入れるように構成された区画を含んでもよい。室内ユニット104/204/704/808は、2つ以上の放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bを受け入れるように構成された区画を含んでもよく、それによって、カスタマイズ可能な熱特性(例えば、量、質量、相変化タイプ、相変化温度など)を有する2つ以上の異なる放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bの配置が可能になる。
【0113】
次に
図9を参照すると、システムの暖房モードと冷房モードとの間で切り替える方法のフロー図が示されている。
【0114】
システム100/200/700/800のコントローラ140/240は、
図9に示される方法900など、暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるための方法を実行するように構成されてもよい。本方法は、ステップ902において、暖房モードと冷房モードとの間の切替え時刻を監視することを含んでもよい。本方法は、ステップ902において、部屋の外側及び/又は室外ユニットの外側の室外温度を監視することを含んでもよい。本方法は、来たる時刻についての気象予測に関連付けられたデータを受信することを含んでもよい。データは、メモリモジュール、ユーザインターフェース、及び/又はオンライン情報から受信してもよい。本方法は、受信されたデータのうちのいずれか1つ以上及び/又は監視された温度のうちの1つ以上に基づいて、ヒートポンプの現在の運転モードが、来たる時刻に変更する必要があるかどうかを識別することを含んでもよい。
【0115】
本方法は、ステップ904において、切替えの時刻を推定することを含んでもよい。切替えの時刻は、ヒートポンプの運転モードが部屋の暖房から部屋の冷房に(又は部屋の冷房から部屋の暖房に)変化する時刻を含んでもよい。本方法は、放射蓄熱器が配置されている部屋の室温を測定することを含んでもよい。本方法は、部屋内の温度を監視することを含んでもよい。本方法は、近い時間に運転モードの変更が必要とされるかどうかを判定することを含んでもよい。例えば、夜が寒く、昼が暑い環境では、本方法は、暖房サイクルと冷房サイクルとの間の必要な切替えを識別することを含んでもよい。本方法は、正午と真夜中との間の推定切替え時刻に冷房サイクルから暖房サイクルに切り替える必要性を識別することを含んでもよい。本方法は、真夜中と正午との間の推定切替え時刻に暖房サイクルから冷房サイクルへの切替えの必要性を識別することを含んでもよい。
【0116】
本明細書で説明される放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bは、暖房モードから冷房モードに切り替えるときに熱エネルギーを枯渇させるための時間を必要としてもよい。同様に、本明細書で説明される放射蓄熱器110/210/300/702a/702b/802a/802bは、冷房モードから暖房モードに切り替えるときに熱エネルギーを得るための時間を必要としてもよい。したがって、本方法は、暖房モードにおける放射蓄熱器の第1の温度から室温までのシステムの放射蓄熱器の熱エネルギーの枯渇に必要な時間量を計算すること、又は放射蓄熱器の相変化に十分な熱エネルギーを得るために必要な時間量を計算すること、を含んでもよい。本方法は、ステップ906において、放射蓄熱器110/210/300の枯渇及び/又は獲得に必要な時間を計算することを含んでもよい。
【0117】
必要な時間量が計算された時点で、本方法は、切替えの推定時刻を計算することを含んでもよい。切替えの推定時刻は、識別された切替え時刻から、暖房モードから冷房モードへの切替え時に放射蓄熱器から熱エネルギーを枯渇させるのに必要な時間量、又は冷房モードから暖房モードへの切替え時に熱エネルギーを得るのに必要な時間量を差し引いたものであってもよい。本方法は、ステップ908において、切替えの推定時刻に基づいて放射蓄熱器の枯渇(又は獲得)を開始することを含んでもよい。本方法は、冷媒が放射蓄熱器に到達するのを停止することによって、熱エネルギーの枯渇(又は獲得)を開始することを含んでもよい。
【0118】
本方法は、ステップ910において、切替えの時刻に、暖房モードと冷房モードとの間で切り替えることを含んでもよい。本方法は、冷媒が室外ユニットから室内ユニットに流れて室外ユニットに戻ることを可能にすることを含んでもよく、冷媒は、室内ユニット内の冷房サイクルのための準備において、室外ユニット内で加熱されない。本方法は、冷媒が室外ユニットから室内ユニットに流れて室外ユニットに戻ることを可能にすることを含んでもよく、冷媒は、室内ユニット内の暖房サイクルのための準備において、室外ユニット内で冷却されない。
【0119】
いくつかの例が上述されているが、それらの例の特徴及び/又はステップは、任意の所望の様態で結合、分割、省略、再配置、改変、及び/又は増強され得る。様々な変更、修正、及び改善が当業者には容易に想起されるであろう。そのような変更、修正、及び改良は、本明細書で明示的には述べられていないが、本説明の一部であることが意図され、本開示の趣旨及び範囲内にあることが意図される。したがって、前述の説明は、例示に過ぎず、限定的ではない。
【0120】
本主題は、構造的な特徴及び/又は方法論的な行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されるものではないことを、理解されたい。むしろ、上に記載した特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実行する例示的な形態として記載される。本出願はまた、以下を開示する。
条項1.システムであって、
室外ユニットと、
室内ユニットと、
冷媒を含み、冷媒を介して室内ユニットと室外ユニットとの間の流体連通を提供する少なくとも1つのパイプと、を備え、
室内ユニットは、放射蓄熱器を備え、放射蓄熱器は、相変化材料(PCM)を含み、放射蓄熱器は、冷媒に熱を伝達するか又は冷媒から熱を伝達し、部屋に熱を伝達するか又は部屋から熱を伝達するように構成されており、冷媒は、少なくとも1つのパイプを介して放射蓄熱器に熱的に結合されている、システム。
【0121】
条項2.放射蓄熱器は、プレート、1つ以上のフィン、又はシリンダ、のうちの1つ以上を備える、条項1に記載のシステム。
【0122】
条項3.
ユーザインターフェースと、
少なくとも1つの温度センサと、
コントローラであって、
少なくとも1つの温度センサを使用して温度を監視し、ユーザインターフェースからユーザ設定を受信することと、
室内ユニットの運転モードを決定することと、を行うように構成されているコントローラと、を更に備える、条項1に記載のシステム。
【0123】
条項4.熱交換器を更に備え、熱交換器は、熱交換器と、室内ユニットを含む部屋との間で空気流を導くように構成されたファンを備え、コントローラは、ファンを動作させるように更に構成されている、条項3に記載のシステム。
【0124】
条項5.室内ユニットは、少なくとも1つのパイプに接続された三方弁を備え、コントローラは、三方弁を動作させて、放射蓄熱器と熱交換器との間で冷媒流を制御するように構成されている、条項4に記載のシステム。
【0125】
条項6.相変化材料は、冷房サイクルに関連付けられる第1の相変化温度と、暖房サイクルに関連付けられる異なる第2の相変化温度と、を含む、条項1に記載のシステム。
【0126】
条項7.室内ユニットは、放射蓄熱器と、室内ユニットを含む部屋との間で空気流を導くように構成された第2のファンを備え、コントローラは、第2のファンを動作させるように更に構成されている、条項3に記載のシステム。
【0127】
条項8.少なくとも1つの温度センサは、室内ユニットを収容する室内に位置付けられている、条項3に記載のシステム。
【0128】
条項9.少なくとも1つの温度センサは、室内ユニット又は室外ユニット内に位置付けられている、条項3に記載のシステム。
【0129】
条項10.コントローラは、ヒートポンプシステムを暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるように構成されている、条項3に記載のシステム。
【0130】
条項11.室内ユニットは、取り外し可能な装飾スリーブを備える、条項1に記載のシステム。
【0131】
条項12.放射蓄熱器は、熱を放出するように構成された少なくとも1つの蓄熱部分を備える、条項1に記載のシステム。
【0132】
条項13.相変化材料は、45~60セルシウス度の範囲内の融解温度を有する、条項1に記載のシステム。
【0133】
条項14.相変化材料は、-5~10セルシウス度の範囲内の融解温度を有する、条項1に記載のシステム。
【0134】
条項15.相変化材料は、適合可能な融解温度を有する適合可能な相変化材料である、条項1に記載のシステム。
【0135】
条項16.相変化材料は、有機物及び/又は無機物である、条項1に記載のシステム。
【0136】
条項17.放射蓄熱器は、異なるタイプの相変化材料の複数の放射蓄熱器構成要素を備える、条項1に記載のシステム。
【0137】
条項18.放射蓄熱器が1時間に放射するエネルギーは、システムのエネルギー定格の5%~25%である、条項1に記載のシステム。
【0138】
条項19.システムからの熱流の0%~50%が放射蓄熱器によって提供される、条項1に記載のシステム。
【0139】
条項20.室内ユニットは、室内ユニットの1つ以上の側面に位置付けられた1つ以上の通気孔を備える、条項1に記載のシステム。
【0140】
条項21.室外ユニット、室内ユニット、及び少なくとも1つのパイプは、ヒートポンプに含まれる、条項1に記載のシステム。
【0141】
条項22.システムであって、
室外ユニットと、
室内ユニットと、
冷媒を含み、冷媒を介して室内ユニットと室外ユニットとの間の流体連通を提供する少なくとも1つのパイプと、を備え、
室内ユニットは、放射蓄熱器を備え、放射蓄熱器は、室内ユニットの周囲から熱を吸収し、吸収した熱を冷媒に伝達するように構成されており、少なくとも1つのパイプは、冷媒が放射蓄熱器と熱連通するように放射蓄熱器と接触している、システム。
【0142】
条項23.方法であって、
熱交換器の温度に基づいて、室外ユニットの温度が閾値温度を超えて上昇するように切り替えることと、
ヒートポンプシステムを暖房モードから冷房モードに切り替えることと、によって、ヒートポンプシステムの室外ユニットを除霜することを含む、方法。
【0143】
条項24.除霜は、クロック、タイマ、又は屋外温度センサのうちの少なくとも1つに応答する、条項23に記載の方法。
【0144】
条項25.放射蓄熱器を備えるヒートポンプシステムの暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるための方法であって、その方法は、
ヒートポンプシステムの暖房モードと冷房モードとの間の切替えの将来の時刻を予測することと、
放射蓄熱器が配置されている部屋の室温を測定することと、
暖房モードにおける放射蓄熱器の第1の温度から室温までの放射蓄熱器の熱エネルギーの枯渇に必要な時間量を計算することと、
予測された将来の時刻及び計算された時間量に基づいて、開始時刻において、熱エネルギーの枯渇を開始することと、
予測された将来の時刻において、ヒートポンプを暖房モードと冷房モードとの間で切り替えることと、を含む、方法。
【0145】
条項26.将来の切替え時刻を予測することは、
第1の温度から室温に変化するときに放射蓄熱器によって放出される熱エネルギーの量と、
放射蓄熱器と部屋との間の熱伝導率と、に基づく、条項25に記載の方法。
【0146】
条項27.部屋の暖房モードと冷房モードとの間の複数の切替え時刻を監視することを更に含み、熱エネルギーの枯渇に必要とされる時間量は、複数の切替え時刻に基づく、条項25に記載の方法。
【0147】
条項28.装置であって、
相変化材料(PCM)を含む放射蓄熱器と、
冷媒を収容するように構成された少なくとも1つのパイプと、を備え、
放射蓄熱器は、冷媒へ又は冷媒から熱を伝達し、部屋へ又は部屋から熱を伝達するように構成されており、冷媒は、少なくとも1つのパイプを介して放射蓄熱器に熱的に結合されている、装置。
【0148】
条項29.放射蓄熱器は、放射プレート、1つ以上のフィン、又は本体、のうちの1つ以上を備える、条項28に記載の装置。
【0149】
条項30.
ユーザインターフェースと、
少なくとも1つの温度センサと、
コントローラであって、
少なくとも1つの温度センサを使用して温度を監視し、ユーザインターフェースからユーザ設定を受信することと、
放射蓄熱器の動作モードを決定することと、を行うように構成されたコントローラと、を更に備える、条項28に記載の装置。
【0150】
条項31.少なくとも1つのパイプに接続された三方弁を更に備え、コントローラは、三方弁を動作させて、放射蓄熱器と熱交換器との間の冷媒流を制御するように構成されている、条項28に記載の装置。
【0151】
条項32.相変化材料は、冷房サイクルに関連付けられる第1の相変化温度と、暖房サイクルに関連付けられる異なる第2の相変化温度と、を含む、条項28に記載の装置。
【0152】
条項33.放射蓄熱器と部屋との間で空気流を導くように構成されたファンを更に備え、コントローラは、ファンを動作させるように更に構成されている、条項28に記載の装置。
【0153】
条項34.少なくとも1つの温度センサは、室内ユニットを収容している室内に位置付けられている、条項30に記載の装置。
【0154】
条項35.少なくとも1つの温度センサは、室内ユニット内又は室外ユニット内に位置付けられている、条項30に記載の装置。
【0155】
条項36.コントローラは、装置を暖房モードと冷房モードとの間で切り替えるように構成されている、条項30に記載の装置。
【0156】
条項37.放射蓄熱器は、取り外し可能な装飾スリーブを備える、条項28に記載の装置。
【0157】
条項38.放射蓄熱器は、熱を放出するように構成された少なくとも1つの蓄熱部分を備える、条項28に記載の装置。
【0158】
条項39.相変化材料は、45~60セルシウス度の範囲内の融解温度を有する、条項28に記載の装置。
【0159】
条項40.相変化材料は、-5~10セルシウス度の範囲内の融解温度を有する、条項28に記載の装置。
【0160】
条項41.相変化材料は、適合可能な融解温度を有する適合可能な相変化材料である、条項28に記載の装置。
【0161】
条項42.相変化材料は、有機物及び/又は無機物である、条項28に記載の装置。
【0162】
条項43.放射蓄熱器は、異なるタイプの相変化材料の複数の放射蓄熱器構成要素を備える、条項28に記載の装置。
【0163】
条項44.放射蓄熱器が1時間に放射するエネルギーは、暖房システムのエネルギー定格の5%~25%である、条項28に記載の装置。
【0164】
条項45.暖房システムからの熱流の0%~50%が、放射蓄熱器によって提供される、条項28に記載の装置。
【0165】
条項46.放射蓄熱器は、室内ユニットの1つ以上の側面に位置付けられた1つ以上の通気孔を備える、条項28に記載の装置。
【外国語明細書】